(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】電流電圧検出装置および電流電圧検出方法
(51)【国際特許分類】
G01R 21/06 20060101AFI20250609BHJP
G01R 21/133 20060101ALI20250609BHJP
G01R 15/09 20060101ALI20250609BHJP
G01R 15/00 20060101ALI20250609BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20250609BHJP
【FI】
G01R21/06 E
G01R21/133 D
G01R15/09
G01R15/00 500
G01R19/00 T
(21)【出願番号】P 2024571296
(86)(22)【出願日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2023025808
【審査請求日】2024-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 崇
(72)【発明者】
【氏名】明星 慶洋
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160245(JP,A)
【文献】特開平8-184616(JP,A)
【文献】国際公開第2012/133756(WO,A1)
【文献】特開2002-116052(JP,A)
【文献】特開昭55-110960(JP,A)
【文献】中国実用新案第214097597(CN,U)
【文献】国際公開第2021/186661(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/00-21/14
G01R 15/00-15/26
G01R 19/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイミング信号に従って、電流入力端子からの入力経路および電圧入力端子からの入力経路の中から、出力側に導通させる入力経路を選択して切り替える入力切替スイッチと、
互いに異なる抵抗値を有した複数のシャント抵抗と、
選択信号に従って、複数の前記シャント抵抗の中から、前記電流入力端子からの入力経路と導通させる抵抗を選択して切り替える抵抗切替スイッチと、
前記タイミング信号を前記入力切替スイッチに出力するタイミング生成部と、
複数の前記シャント抵抗の中から、前記電流入力端子から入力された電流信号の入力電流値と前記シャント抵抗の値との積により電圧に換算された電流換算値と、前記電圧入力端子から入力された入力電圧信号の入力電圧値と、の差分の値が小さくなる前記シャント抵抗を判定して、判定した前記シャント抵抗を選択させるための前記選択信号を前記抵抗切替スイッチに出力する判定部と、を備えた
ことを特徴とする電流電圧検出装置。
【請求項2】
前記電流入力端子または前記電圧入力端子から入力され前記入力切替スイッチを通じて出力されたアナログ信号を保持するサンプルホールド回路と、
前記サンプルホールド回路から出力された前記アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、を備え、
前記判定部は、前記AD変換部から出力された前記デジタル信号
である前記入力電圧信号および前記電流信号と
、前記タイミング生成部から出力された前記タイミング信号
とを取得し、複数の前記シャント抵抗から、
前記タイミング信号に基づいて特定した電圧検出シーケンスにおいて検出された
前記入力電圧信号の前記入力電圧値と
前記タイミング信号に基づいて特定した電流検出シーケンスにおける前記電流換算値との差分の値が小さくなる前記シャント抵抗を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電流電圧検出装置。
【請求項3】
前記入力電圧値と前記電流換算値との差分の値が基準値以下になるまで、電圧検出シーケンスと電流検出シーケンスとを繰り返し行い、
前記判定部は、前記入力電圧値と前記電流換算値との差分の値が前記基準値以下になる前記シャント抵抗を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電流電圧検出装置。
【請求項4】
前記サンプルホールド回路は、オンオフタイミング信号に従って、前記サンプルホールド回路
に入力された前記アナログ信号を遮断または導通させる入力調整スイッチを備え
て構成され、
前記タイミング生成部は、前記サンプルホールド回路に保持された前記アナログ信号に含まれるリンギング成分が前記AD変換部に入力されないタイミングを示す前記オンオフタイミング信号を生成し、生成した前記オンオフタイミング信号を前記入力調整スイッチに出力することにより、前記サンプルホールド回路から前記AD変換部への前記アナログ信号の取り込みタイミングを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の電流電圧検出装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流電圧検出装置の電流電圧検出方法であって、
前記電流電圧検出装置が、
前記入力切替スイッチの出力側に導通させる入力経路を、前記電圧入力端子からの入力経路に切り替えるステップと、
前記電圧入力端子から入力された前記入力電圧値を検出するステップと、
前記入力切替スイッチの出力側に導通させる入力経路を、前記電流入力端子からの入力経路に切り替えるステップと、
前記電流入力端子から入力された前記入力電流値と前記シャント抵抗の値との積により電圧に換算された前記電流換算値を算出するステップと、
前記電流換算値と前記入力電圧値との差分の値を算出するステップと、
複数の前記シャント抵抗の中から、算出した差分の値が小さくなる前記シャント抵抗を選択するステップと、を備えた
ことを特徴とする電流電圧検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電流電圧検出装置および電流電圧検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力測定においては、電力が電流と電圧の積で求められるため、電流検出と電圧検出とを同時または迅速に切り替えて行う必要がある。例えば、電力測定装置が、電流検出用の回路と電圧検出用の回路とを備えることにより、電流値と電圧値をほぼ同時に検出できるので、瞬時に電力計測が可能である。
【0003】
ただし、一つの装置で電流検出用と電圧検出用との両方の回路を備える装置において、アナログ信号入力からAD変換を介してデジタル信号処理を行う部分までの回路を電流検出用と電圧検出用とで2系統分設けた場合、回路規模が増大してしまう。
【0004】
これに対し、例えば、特許文献1に記載される電力制御装置は、電流検出部と電圧検出部との後段に設けた回路が共通化されており、共通化した回路に対し、スイッチを用いて電流検出部と電圧検出部とを切り替えている。これにより、装置の回路規模の増大を抑制することができる。
【0005】
また、電流検出においては、入力端子からの電流をシャント抵抗に流し、シャント抵抗と入力電流との積、すなわち、シャント抵抗の両端に発生する電位差である電圧に換算することにより、電流量(以下、電流換算値と記載する。)が測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載される従来の技術は、電流検出から電圧検出に切り替えたときに電流換算値と入力電圧値との間に大きなレベル差が生じると、電圧波形に大きなリンギングが発生するという課題があった。例えば、リンギングは切り替え初期の段階で生じるので、短時間で切り替えると、リンギング波形を含む電圧信号が後段でAD変換されてしまい、入力データ(電流値または電圧値)の誤差要因となる。
【0008】
本開示は上記課題を解決するものであり、電流検出と電圧検出との切り替えにより発生するリンギングを抑制することができる、電流電圧検出装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る電流電圧検出装置は、タイミング信号に従って、電流入力端子からの入力経路および電圧入力端子からの入力経路の中から、出力側に導通させる入力経路を選択して切り替える入力切替スイッチと、互いに異なる抵抗値を有した複数のシャント抵抗と、選択信号に従って、複数のシャント抵抗の中から、電流入力端子からの入力経路と導通させる抵抗を選択して切り替える抵抗切替スイッチと、タイミング信号を入力切替スイッチに出力するタイミング生成部と、複数のシャント抵抗の中から、電流入力端子から入力された入力電流値とシャント抵抗の値との積により電圧に換算された電流換算値と電圧入力端子から入力された入力電圧値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定して、判定したシャント抵抗を選択させるための選択信号を、抵抗切替スイッチに出力する判定部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、互いに異なる抵抗値を有した複数のシャント抵抗の中から、電流換算値と入力電圧値との差分の値が小さくなるシャント抵抗が判定され、判定されたシャント抵抗が電流入力端子からの入力経路と導通される。
電流換算値と入力電圧値との差分の値が小さくなるとリンギングの大きさも小さくなるので、本開示に係る電流電圧検出装置は、電流検出と電圧検出との切り替えにより発生するリンギングを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る電流電圧検出装置の構成例を示す回路図である。
【
図2】実施の形態1における、電圧波形、タイミング信号波形およびリンギング波形を示す波形図である。
【
図3】実施の形態1に係る電流電圧検出方法を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態2に係る電流電圧検出装置の構成例を示す回路図である。
【
図5】実施の形態2における、電圧波形、リンギング波形、第1のタイミング信号波形および第2のタイミング信号波形を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電流電圧検出装置1の構成例を示す回路図である。
図1において、電流電圧検出装置1は、例えば、商用電源から負荷に印加される交流電圧の電圧値および交流電流の電流値を検出する。電流電圧検出装置1は、電流入力端子11、電圧入力端子12、および入力リターン端子13を備える。電流入力端子11は、入力電流信号I
inが入力される端子である。電圧入力端子12は、入力電圧信号V
inが入力される端子である。入力リターン端子13は、グラウンドに接続されている端子である。電流電圧検出装置1と電源との間に流れるリターン信号Rtnが入力リターン端子13を通じてグラウンドに戻される。
【0013】
電流入力端子11には、
図1において不図示の電流検出部が接続されている。電流検出部は、電源から供給される交流電力の電流値を表すアナログの入力電流信号I
inを生成する。例えば、電流検出部は、電流がAD変換部52の入力レンジ内の電圧値になるように変換を行って入力電流信号I
inを生成する。
電圧入力端子12には、例えば、
図1において不図示の電圧検出部が接続されている。電圧検出部は、上記電源から供給される交流電力の電圧値を変換してアナログの入力電圧信号V
inを生成する。例えば、電圧検出部は、電源からの交流電圧のピーク値が、AD変換部52の入力レンジ内に収まる割合で電圧変換を行うことにより入力電圧信号V
inを生成する。
【0014】
スイッチ21は、選択信号に従って、シャント抵抗22a、22bおよび22cから、電流入力端子11からの入力経路と導通させるシャント抵抗を選択して切り替える、抵抗切替スイッチである。シャント抵抗22a、22bおよび22cは、互いに異なる抵抗値を有している。例えば、100倍違いの抵抗値、具体的には、シャント抵抗22aの抵抗値Rsaが0.1mΩであり、シャント抵抗22bの抵抗値Rsbが10mΩであり、シャント抵抗22cの抵抗値Rscが1000mΩであるものとする。このように互い大きく異なる抵抗値を有することにより、これらのシャント抵抗の中から、後述する電流換算値と入力電圧値との差分が最も小さくなるシャント抵抗を選択することが可能である。
なお、シャント抵抗22a、22bおよび22cはシャント抵抗22と適宜総称する。
【0015】
スイッチ31は、タイミング信号に従って、電流入力端子11からの入力経路および電圧入力端子12からの入力経路の中から、出力側に導通させる入力経路を選択して切り替える入力切替スイッチである。スイッチ31の出力側にはアンプ41が接続されている。
スイッチ31が、電流入力端子11からの入力経路を出力側に導通させると、電流入力端子11から入力された入力電流信号Iinがアンプ41に出力され、電圧入力端子12からの入力経路を出力側に導通させると、電圧入力端子12から入力された入力電圧信号Vinがアンプ41に出力される。
【0016】
アンプ41は、スイッチ31から出力されたアナログ入力信号を入力し、アナログ入力信号の強度を増幅させる。アンプ41が増幅したアナログ入力信号は、サンプルホールド回路42に出力される。なお、アナログ入力信号は、入力電流信号Iinまたは入力電圧信号Vinである。
【0017】
サンプルホールド回路42は、電流入力端子11または電圧入力端子12から入力されスイッチ31を通じて出力されたアナログ信号を保持する回路である。例えば、サンプルホールド回路42は、抵抗およびキャパシタからなる回路である。上記抵抗は、その一方の端部がアンプ41の出力端部に接続され、他方の端部がキャパシタの一方の端部に接続されている。キャパシタは、他方の端部が接地されている。さらに、抵抗の他方の端部とキャパシタの他方の端部との接続点は、後段のAD変換部52と接続されている。
【0018】
サンプルホールド回路42において、アンプ41から出力されたアナログ入力信号は、抵抗を介してキャパシタに接続される。スイッチ31が切り替えられたときに、アナログ入力信号の電荷がキャパシタに蓄積され、さらに、スイッチ31が切り換えされると、キャパシタに蓄積された電荷が放電される。すなわち、サンプルホールド回路42は、キャパシタに電荷を蓄積することにより、一定時間だけアナログ入力信号を保持する回路である。サンプルホールド回路42およびAD変換部52を用いることで、アナログ入力信号を一定時間保持してから、デジタル信号に変換することが可能である。
【0019】
制御部51は、電流電圧検出装置1の全体動作を制御する。制御部51は、AD変換部52、データ処理部53、タイミング生成部54および電流レンジ判定部55を備える。例えば、制御部51が電流電圧検出用アプリケーションを実行することで、制御部51により、AD変換部52、データ処理部53、タイミング生成部54および電流レンジ判定部55の各機能が実現される。
【0020】
AD変換部52は、サンプルホールド回路42から出力されたアナログ入力信号をデジタル入力信号に変換する。例えば、AD変換部52は、入力レンジ内のアナログ入力信号から一定のサンプリング周期でデータをサンプリングすることにより、サンプリングしたデジタルデータからなるデジタル入力信号を生成する。
【0021】
データ処理部53は、デジタル信号に変換された入力電流信号Iinを用いて電流値を検出し、デジタル信号に変換された入力電圧信号Vinを用いて電圧値を検出するものである。例えば、データ処理部53は、全てのサンプリングポイントについて、入力電流信号Iinから電流値を算出し、入力電圧信号Vinから電圧値を算出する。データ処理部53は、検出した電圧値の変化に基づいて、交流電圧の実効値を算出してもよい。
【0022】
タイミング生成部54は、タイミング信号を生成し、生成したタイミング信号をスイッチ31に出力する。例えば、タイミング生成部54は、ハイレベルとローレベルが一定の周期で入れ替わる矩形波の信号をタイミング信号として生成する。この矩形波のタイミング信号がハイレベルのときに電圧検出シーケンスを行うために、電圧入力端子12からの入力経路に切り替えさせ、ローレベルのときに電流検出シーケンスを行うために、電流入力端子11からの入力経路に切り替えさせる。
【0023】
電流レンジ判定部55は、シャント抵抗22a、22bおよび22cの中から、電流換算値と電圧入力端子から入力された入力電圧値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定して、判定したシャント抵抗を選択させるための選択信号をスイッチ21に出力する判定部である。電流換算値は、電流入力端子11から入力された入力電流値と、シャント抵抗の値と、の積により電圧に換算されたものである。
【0024】
例えば、電流レンジ判定部55は、AD変換部52から出力されたデジタル入力信号とタイミング生成部54から出力されたタイミング信号とを比較した結果に基づいて、シャント抵抗22a、22bおよび22cから、電圧検出シーケンスにおいて検出された入力電圧値と電流換算値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定する。
【0025】
電流検出シーケンスにおいて、シャント抵抗22a、22bおよび22cのうちいずれかのシャント抵抗に入力電流を流すことで、電流レンジ判定部55は、入力電流値(A)を検出する。そして、電流レンジ判定部55は、入力電流値(A)と、現在選択しているシャント抵抗が有する既知の抵抗値(Ω)との積を求めることによって電圧に換算された電流換算値(V)を算出する。このように、AD変換部52に入力される電圧値と、選択して使用しているシャント抵抗の抵抗値がわかれば、入力電流値が一意に求められる。
【0026】
電流レンジ判定部55は、電流検出シーケンスにおいてAD変換部52からデータ処理部53へ出力される入力電流信号Iinを取得し、入力電流信号Iinの電流値とシャント抵抗22の抵抗値との積により電圧に換算した電流換算値を求める。さらに、電流レンジ判定部55は、電圧検出シーケンスにおいてAD変換部52からデータ処理部53へ出力される入力電圧信号Vinを取得し、入力電圧信号Vinの電圧値を検出する。そして、電流レンジ判定部55は、入力電圧信号Vinの電圧値と電流換算値とのレベル差が小さくなるように、次に切り替えるシャント抵抗を選択する。
【0027】
電流レンジ判定部55は、タイミング生成部54から取得するタイミング信号に基づいて、AD変換部52から出力されるデジタル信号が入力電流信号Iinであるか入力電圧信号Vinであるかを識別する。例えば、タイミング信号が、ハイレベルとローレベルが一定の周期で入れ替わる矩形波の信号であり、ハイレベルのときに電圧検出シーケンスが行われ、ローレベルのときに電流検出シーケンスが行われるものとする。この場合、電流レンジ判定部55は、ハイレベルのときに行われた電圧検出シーケンスにおいて検出された入力電圧値と電流換算値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定する。
【0028】
さらに、電流電圧検出装置1が、入力電圧値と電流換算値との差分の値が基準値以下になるまで電圧検出シーケンスと電流検出シーケンスとを繰り返し行い、これらシーケンスの繰り返しにおいて、電流レンジ判定部55が、入力電圧値と電流換算値との差分の値が基準値以下になるシャント抵抗を判定してもよい。これにより、電流検出と電圧検出との切り替えによるリンギングが抑制されるシャント抵抗に切り替えることができる。
【0029】
図2は、実施の形態1における、電圧波形、タイミング信号波形A、およびリンギング波形Bを示す波形図である。
図2において、最上段の波形は、スイッチ31によって切り替えられる電圧波形であり、AD変換部52からデータ処理部53へ出力される信号波形を示している。タイミング信号波形Aが、ハイレベルのときに電圧検出シーケンスが行われ、ローレベルのときに電流検出シーケンスが行われる。
【0030】
最上段の電圧波形における、タイミング信号波形Aのハイレベル区間に対応する部分が電圧検出シーケンスで得られた入力電圧信号Vinの電圧値であり、タイミング信号波形Aのローレベル区間に対応する部分が電流検出シーケンスで得られた電流換算値Iina、IinbおよびIincを示している。
【0031】
例えば、シャント抵抗22aの抵抗値Rsaが0.1mΩであり、シャント抵抗22bの抵抗値Rsbが10mΩであり、シャント抵抗22cの抵抗値Rscが1000mΩであるものとする。スイッチ21によってシャント抵抗22aに切り替えられた場合、
図2に示すように、数mVの電流換算値I
inaが得られる。
【0032】
入力電圧信号Vinの電圧値が数Vである場合、電流換算値Iinaと入力電圧信号Vinの電圧値との間には、両矢印で示すように大きなレベル差が生じる。入力電圧信号Vinの電圧値と電流換算値Iinaとの差分が大きい場合、アンプ41に入力される電圧波形には、スイッチ31による入力経路の切り替えが行われたときの急激な電位の変化により、電圧波形において大きなリンギング波形Bが発生する。
【0033】
リンギングは、電位差が大きいとリンギングの振幅が大きくなるだけでなく、その振幅が収束する収束時間も長くなる。リンギング成分を含むアナログ入力信号がAD変換部52に入力されると、AD変換部52によってデジタル信号に変換された電流値または電流値には、リンギング成分に応じた差分が生まれる。このため、結果的にデータ処理部53に入力される入力データの誤差要因になる。
【0034】
スイッチ21によってシャント抵抗22bに切り替えられた場合、
図2に示すように、数百mVの電流換算値I
inbが得られる。入力電圧信号V
inの電圧値が数Vであれば、電流換算値I
inbと入力電圧信号V
inの電圧値との間には、両矢印で示すレベル差が生じる。この場合、電圧波形において、電流換算値I
inaのときよりも小さいが、中程度の大きさのリンギング波形Bが発生する。
【0035】
スイッチ21によってシャント抵抗22cに切り替えられた場合、
図2に示すように、数Vの電流換算値I
incが得られる。入力電圧信号V
inの電圧値が数Vである場合に、電流換算値I
incと入力電圧信号V
inの電圧値との間には、両矢印で示すように、最も小さなレベル差が生じる。この場合、電圧波形において、最も小さなリンギング波形Bが発生する。このため、電流レンジ判定部55は、電源から供給される交流電力の電流検出と電圧検出に使用するシャント抵抗22として、シャント抵抗22cを選択する。
【0036】
次に、実施の形態1に係る電流電圧検出方法について説明する。
図3は、実施の形態1に係る電流電圧検出方法を示すフローチャートであり、電流電圧検出装置1による電流電圧検出を示している。
スイッチ31は、タイミング生成部54から入力したタイミング信号に従って、出力側に導通させる入力経路を、電圧入力端子12からの入力経路に切り替える(ステップST1)。例えば、スイッチ31は、タイミング信号波形Aがハイレベルであるときに、電圧検出シーケンスに切り換える。
【0037】
制御部51が、電圧入力端子12から入力された入力電圧信号Vinの電圧値を検出する(ステップST2)。例えば、スイッチ31から出力された入力電圧信号Vinがアンプ41に入力され、アンプ41は、入力電圧信号Vinの強度を増幅させる。アンプ41が増幅した入力電圧信号Vinは、サンプルホールド回路42に出力される。サンプルホールド回路42は、一時的に保持した入力電圧信号VinをAD変換部52に出力する。AD変換部52は、入力電圧信号Vinをデジタル信号に変換することにより、入力電圧信号Vinの電圧値が検出される。
【0038】
スイッチ31は、タイミング生成部54から入力したタイミング信号に従って、出力側に導通させる入力経路を、電流入力端子11からの入力経路に切り替える(ステップST3)。例えば、スイッチ31は、タイミング信号波形Aがローレベルであるときに、電流検出シーケンスに切り換える。
【0039】
電流レンジ判定部55は、AD変換部52から出力された入力電流値と、シャント抵抗22の抵抗値との積により電圧に換算された電流換算値を算出する(ステップST4)。ここで、AD変換部52から出力された入力電流値は、電流入力端子11から入力された入力電流信号Iinの電流値である。
【0040】
次に、電流レンジ判定部55は、電流換算値と入力電圧信号Vinの電圧値との差分の値を算出する(ステップST5)。このように電圧検出シーケンスを行った後に、スイッチ31を切り替えて電流検出シーケンスを試みた段階では、電圧値は既知であるが、電流値は未知である。そこで、最初に選択するシャント抵抗は、シャント抵抗22a、22bおよび22cのうち、抵抗値が最も小さいシャント抵抗が選択される。
【0041】
電流レンジ判定部55は、シャント抵抗22a、22bおよび22cの中から、未選択のシャント抵抗があるか否かを判定する(ステップST6)。未選択のシャント抵抗があり、シャント抵抗を再選択できると判定した場合(ステップST6;YES)、電流レンジ判定部55は、シャント抵抗22a、22bおよび22cの中から、未選択のシャント抵抗を選択し、選択したシャント抵抗を示す選択信号をスイッチ21に出力する。これにより、ステップST1からの一連の処理が実行される。
【0042】
未選択のシャント抵抗がなく、シャント抵抗を再選択できないと判定した場合(ステップST6;NO)、電流レンジ判定部55は、シャント抵抗22a、22bおよび22cの中から、ステップST5で算出した差分の値が最も小さくなるシャント抵抗を選択し、選択したシャント抵抗を示す選択信号をスイッチ21に出力する。これにより、電流電圧検出装置1は、電流検出と電圧検出の切り替えにより発生するリンギングを抑制できる。
なお、電流換算値と入力電圧値との差分の値が許容値以下になった時点でシャント抵抗の再選択を終了してもよい。
【0043】
1回目の電流検出シーケンスが完了すると、上述したように、電流換算値と入力電圧信号Vinの電圧値との差分を算出することができる。そこで、このままフローチャートを完了させるか、再び電圧検出に戻るかの動作となる。
2回目の電圧検出シーケンスが完了すると、2回目の電流検出シーケンスで用いるシャント抵抗は、1回目の電流検出シーケンスで明らかになっている。このため、電流換算値が、入力電圧信号Vinの電圧値に最も近くなるようにシャント抵抗22を選択する。
これにより、電流検出と電圧検出の切り替えにおいて、入力電圧値と電流換算値との差分を小さくすることができ、リンギングの大きさとその持続時間が抑えられ、ひいては、電流検出と電圧検出の高速切替が可能である。
【0044】
これまで、3つの異なる抵抗値を有するシャント抵抗22a、22bおよび22cを例に挙げたが、シャント抵抗22は、2以上の互いに異なる抵抗値を有したシャント抵抗であればよい。例えば、シャント抵抗22aの抵抗値Rsaが0.1mΩであり、シャント抵抗22bの抵抗値Rsbが10mΩであり、シャント抵抗22cの抵抗値Rscが1000mΩである場合、シャント抵抗22bおよび22cのみを備えてもよい。
また、シャント抵抗22は、4つ以上の互いに異なる抵抗値を有したシャント抵抗であってもよい。これらの抵抗値は、例えば、検出対象として想定される電源について実験等によって事前に決定しておく。
【0045】
以上のように、実施の形態1に係る電流電圧検出装置1は、タイミング信号に従って、電流入力端子11からの入力経路および電圧入力端子12からの入力経路から、出力側に導通させる入力経路を選択して切り替えるスイッチ31と、シャント抵抗22a、22bおよび22cと、選択信号に従って、シャント抵抗22a、22bおよび22cから、電流入力端子11からの入力経路と導通させる抵抗を選択して切り替えるスイッチ21と、タイミング信号をスイッチ31に出力するタイミング生成部54と、シャント抵抗22a、22bおよび22cから、電流換算値と入力電圧値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定して、判定したシャント抵抗を選択させるための選択信号をスイッチ21に出力する電流レンジ判定部55と、を備える。電流換算値と入力電圧値との差分の値が小さくなるとリンギングの大きさも小さくなるので、電流電圧検出装置1は、電流検出と電圧検出との切り替えにより発生するリンギングを抑制することができる。また、リンギングは切り替え初期の段階に発生するが、電流電圧検出装置1では、そのリンギング自体の大きさが小さくなるので、電流検出と電圧検出との切り替えを短時間で行うこと、すなわち、高速切り替えが可能である。
【0046】
実施の形態1において、電流電圧検出装置1は、電流入力端子11または電圧入力端子12から入力されスイッチ31を通じて出力されたアナログ信号を保持するサンプルホールド回路42と、サンプルホールド回路42から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部52と、を備える。電流レンジ判定部55は、AD変換部52から出力されたデジタル信号とタイミング生成部54から出力されたタイミング信号とを比較した結果に基づいて、シャント抵抗22a、22bおよび22cから、電圧検出シーケンスにおいて検出された入力電圧値と電流換算値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定する。これにより、電流電圧検出装置1は、電流検出と電圧検出との切り替えによるリンギングが抑制されるシャント抵抗に切り替えることができる。
【0047】
実施の形態1において、電流電圧検出装置1は、入力電圧値と電流換算値との差分の値が基準値以下になるまで、電圧検出シーケンスと電流検出シーケンスとを繰り返し行う。電流レンジ判定部55は、入力電圧値と電流換算値との差分の値が基準値以下になるシャント抵抗を判定する。これにより、電流電圧検出装置1は、電流検出と電圧検出との切り替えによるリンギングが抑制されるシャント抵抗に切り替えることができる。
【0048】
実施の形態1に係る電流電圧検出方法は、電流電圧検出装置1が、スイッチ31の出力側に導通させる入力経路を、電圧入力端子12からの入力経路に切り替えるステップと、電圧入力端子12から入力された入力電圧値を検出するステップと、スイッチ31の出力側に導通させる入力経路を、電流入力端子11からの入力経路に切り替えるステップと、電流入力端子11から入力された入力電流値とシャント抵抗の値との積により電圧に換算された電流換算値を算出するステップと、電流換算値と入力電圧値との差分の値を算出するステップと、シャント抵抗22a、22bおよび22cの中から、算出した差分の値が小さくなるシャント抵抗を選択できるか否かを判定するステップと、を備える。
電流電圧検出装置1が、この方法を実行することで、電流検出と電圧検出の切り替えにより発生するリンギングを抑制することができる。
【0049】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る電流電圧検出装置1Aの構成例を示す回路図である。
図4において、
図1と同一の構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。電流電圧検出装置1Aは、例えば、商用電源から負荷に印加される交流電圧の電圧値および交流電流の電流値を検出する。電流電圧検出装置1Aは、電流入力端子11、電圧入力端子12、入力リターン端子13、スイッチ21、シャント抵抗22、スイッチ31、アンプ41、サンプルホールド回路43および制御部51Aを備える。
【0050】
サンプルホールド回路43は、電流入力端子11または電圧入力端子12から入力されスイッチ31を通じて出力されたアナログ信号を保持する回路である。サンプルホールド回路43は、スイッチ43a、抵抗およびキャパシタからなる回路である。
スイッチ43aは、タイミング信号に従って、サンプルホールド回路43からAD変換部52への信号経路を遮断または導通させる入力調整スイッチである。スイッチ43aの入力側は、アンプ41と接続されている。上記抵抗は、その一方の端部がスイッチ43aの出力側に接続され、他方の端部がキャパシタの一方の端部に接続されている。キャパシタは、他方の端部が接地されている。さらに、抵抗の他方の端部とキャパシタの他方の端部との接続点は、後段のAD変換部52と接続されている。
【0051】
サンプルホールド回路43において、アンプ41から出力されたアナログ入力信号は、スイッチ43aにより遮断または導通される。スイッチ43aにより導通されたアナログ入力信号は、抵抗を介してキャパシタに接続される。スイッチ31が切り替えられたときに、アナログ入力信号の電荷がキャパシタに蓄積され、さらに、スイッチ31が切り換えされると、キャパシタに蓄積された電荷が放電される。すなわち、サンプルホールド回路42は、キャパシタに電荷を蓄積することにより、一定時間だけアナログ入力信号を保持する回路である。サンプルホールド回路42およびAD変換部52を用いることで、アナログ入力信号を一定時間保持してから、デジタル信号に変換することが可能である。
【0052】
制御部51Aは、電流電圧検出装置1の全体動作を制御する。制御部51Aは、AD変換部52、データ処理部53、タイミング生成部54A、および電流レンジ判定部55を備える。例えば、制御部51Aが電流電圧検出用アプリケーションを実行することで、制御部51Aにより、AD変換部52、データ処理部53、タイミング生成部54Aおよび電流レンジ判定部55の各機能が実現される。
【0053】
タイミング生成部54Aは、スイッチ31用のタイミング信号を生成し、生成したタイミング信号をスイッチ31に出力するとともに、スイッチ43a用のタイミング信号を生成し、生成したタイミング信号をスイッチ43aに出力する。
例えば、タイミング生成部54Aは、サンプルホールド回路43に保持されたアナログ信号に含まれるリンギング成分がAD変換部52に入力されないタイミングを示すオンオフタイミング信号を生成し、生成したオンオフタイミング信号を、タイミング信号としてスイッチ43aに出力する。これにより、サンプルホールド回路43からAD変換部52へのアナログ信号の取り込みタイミングを制御することができる。
【0054】
例えば、タイミング生成部54Aは、実施の形態1と同様に、ハイレベルとローレベルが一定の周期で入れ替わる矩形波の信号をタイミング信号として生成する。この矩形波のタイミング信号が、ハイレベルのときに電圧検出シーケンスを行うために電圧入力端子12からの入力経路に切り替えさせ、ローレベルのときに電流検出シーケンスを行うために電流入力端子11からの入力経路に切り替えさせる。
【0055】
図5は、実施の形態2における、電圧波形、リンギング波形、第1のタイミング信号波形Aおよび第2のタイミング信号波形Cを示す波形図である。
図5において、最上段の波形は、
図2と同様に、スイッチ31によって切り替えられる電圧波形であり、AD変換部52からデータ処理部53へ出力される信号波形を示している。第1のタイミング信号波形Aが、ハイレベルであるときに電圧検出シーケンスが行われ、ローレベルであるときに電流検出シーケンスが行われる。第2のタイミング信号波形Cが、ハイレベルであるときにスイッチ43aが導通され、ローレベルであるときにスイッチ43aが遮断される。
【0056】
最上段の電圧波形における、第1のタイミング信号波形Aのハイレベル区間に対応する部分が、電圧検出シーケンスで得られた入力電圧信号Vinの電圧値であり、第1のタイミング信号波形Aのローレベル区間に対応する部分が、電流検出シーケンスで得られた電流換算値Iina、IinbおよびIincを示している。また、最上段の電圧波形における、第2のタイミング信号波形Cのハイレベル区間に対応する部分が、AD変換部52へ出力される入力電圧信号Vinの範囲Dである。
【0057】
例えば、シャント抵抗22aの抵抗値Rsaが0.1mΩであり、シャント抵抗22bの抵抗値Rsbが10mΩであり、シャント抵抗22cの抵抗値Rscが1000mΩであるものとする。スイッチ21によってシャント抵抗22aに切り替えられた場合、
図5に示すように、数mVの電流換算値I
inaが得られる。
【0058】
入力電圧信号Vinの電圧値が数Vである場合、電流換算値Iinaと入力電圧信号Vinの電圧値との間には、両矢印で示すように大きなレベル差が生じる。入力電圧信号Vinの電圧値と電流換算値Iinaとの差分が大きい場合、アンプ41に入力される電圧波形には、スイッチ31による入力経路の切り替えが行われたときの急激な電位の変化により、電圧波形において大きなリンギング波形が発生する。
【0059】
リンギングは、電位差が大きいとリンギングの振幅が大きくなるだけでなく、その振幅が収束する収束時間も長くなる。リンギング成分を含むアナログ入力信号がAD変換部52に入力されると、AD変換部52によってデジタル信号に変換された電流値または電流値には、リンギング成分に応じた差分が生まれる。このため、結果的にデータ処理部53に入力される入力データの誤差要因になる。
これに対して、スイッチ43aの切り換えを制御することにより、AD変換部52は、リンギングが収束した後の範囲Dに対応するアナログ入力信号のみを取得することが可能である。
【0060】
スイッチ21によってシャント抵抗22bに切り替えられた場合、
図5に示すように、数百mVの電流換算値I
inbが得られる。入力電圧信号V
inの電圧値が数Vであれば、電流換算値I
inbと入力電圧信号V
inの電圧値との間には、両矢印で示すレベル差が生じる。この場合、電圧波形において、電流換算値I
inaのときよりも小さいが、中程度の大きさのリンギング波形Bが発生する。
この場合においても、スイッチ43aの切り換えを制御することにより、AD変換部52は、リンギングが収束した後の範囲Dに対応するアナログ入力信号のみを取得することが可能である。
【0061】
スイッチ21によってシャント抵抗22cに切り替えられた場合、
図5に示すように、数Vの電流換算値I
incが得られる。入力電圧信号V
inの電圧値が数Vである場合に、電流換算値I
incと入力電圧信号V
inの電圧値との間には、両矢印で示すように、最も小さなレベル差が生じる。この場合、電圧波形において、最も小さなリンギング波形Bが発生するが、スイッチ43aの切り換えを制御することにより、AD変換部52は、リンギングが収束した後の範囲Dに対応するアナログ入力信号のみを取得することができる。これにより、電流レンジ判定部55は、電源から供給される交流電力の電流検出と電圧検出に使用するシャント抵抗22としてシャント抵抗22cを選択でき、制御部51Aは、リンギングが収束した範囲Dのアナログ入力信号を取得できる。
【0062】
実施の形態2において、電流電圧検出装置1Aは、タイミング信号に従って、サンプルホールド回路43からAD変換部52への信号経路を遮断または導通させるためのスイッチ43aを備える。タイミング生成部54Aは、サンプルホールド回路43に保持されたアナログ信号に含まれるリンギング成分がAD変換部52に入力されないタイミングを示すタイミング信号を生成し、タイミング信号をスイッチ43aに出力することにより、サンプルホールド回路43からAD変換部52へのアナログ信号の取り込みタイミングを制御する。リンギング成分がAD変換部52に入力されないタイミングでスイッチ43aが切り替えられるので、電流電圧検出装置1Aは、電流検出と電圧検出との切り替えにより発生するリンギングを抑制することができる。
【0063】
なお、各実施の形態の組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本開示に係る電流電圧検出装置は、例えば、電力制御装置における電流電圧検出に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,1A 電流電圧検出装置、11 電流入力端子、12 電圧入力端子、13 入力リターン端子、21,31,43a スイッチ、22,22a,22b,22c シャント抵抗、41 アンプ、42,43 サンプルホールド回路、51,51A 制御部、52 AD変換部、53 データ処理部、54,54A タイミング生成部、55 電流レンジ判定部。
【要約】
電流電圧検出装置(1)は、タイミング信号に従って、電流入力端子(11)からの入力経路および電圧入力端子(12)からの入力経路から、出力側に導通させる入力経路を選択して切り替えるスイッチ(31)と、選択信号に従って、シャント抵抗(22a、22b、22c)から、電流入力端子(11)からの入力経路と導通させる抵抗を選択して切り替えるスイッチ(21)と、タイミング信号をスイッチ(31)に出力するタイミング生成部(54)と、シャント抵抗(22a、22b、22c)から、電流換算値と入力電圧値との差分の値が小さくなるシャント抵抗を判定して、判定したシャント抵抗を選択させるための選択信号をスイッチ(21)に出力する電流レンジ判定部(55)と、を備える。