(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-06
(45)【発行日】2025-06-16
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びデータ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20250609BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2024571407
(86)(22)【出願日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 JP2023024990
(87)【国際公開番号】W WO2025009116
(87)【国際公開日】2025-01-09
【審査請求日】2024-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 美嗣
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-189564(JP,A)
【文献】特開2002-109157(JP,A)
【文献】特開平10-057936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガス排出量の分析軸である第1の分析軸に対応する、複数の第1のノードが階層化された第1の階層構造と、前記第1の分析軸と異なる温室効果ガス排出量の分析軸である第2の分析軸に対応する、複数の第2のノードが階層化された第2の階層構造と、温室効果ガス排出量のノードである複数の排出量ノードとが含まれ、前記複数の第1のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第1の接続ノードが2以上含まれ、前記複数の第2のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第2の接続ノードが2以上含まれる階層構造データを管理するデータ管理部と、
いずれかの第1のノードが第1の選択ノードとして選択され、いずれかの第2のノードが第2の選択ノードとして選択された場合に、第1の接続ノードごとに、第1の接続ノードが接続する排出量ノードから第1の接続ノードを経由して前記第1の選択ノードに至るノードの連鎖である第1のノードパスを抽出し、第2の接続ノードごとに、第2の接続ノードが接続する排出量ノードから第2の接続ノードを経由して前記第2の選択ノードに至るノードの連鎖である第2のノードパスを抽出
した結果、2以上の第1のノードパスと2以上の第2のノードパスとが抽出され、抽出された前記2以上の第1のノードパスに含まれる2以上の第1の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードの温室効果ガス排出量が相互に異なっており、抽出された前記2以上の第2のノードパスに含まれる第2の接続ノードの数が前記2以上の第1の接続ノードと同数であり2以上の第2の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードと前記2以上の第1の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードとで温室効果ガス排出量が同じである場合に、第1の接続ノードと第2の接続ノードとが同じ温室効果ガス排出量の排出量ノードに接続している第1のノードパスと第2のノードパスとを連結して前記2以上の第1のノードパスと前記2以上の第2のノードパスとを連結する抽出部とを有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記2以上の第1のノードパスを、重複部分が共通化されるツリー構造で管理し、
前記2以上の第2のノードパスを、重複部分が共通化されるツリー構造で管理し、
前記ツリー構造で管理される前記2以上の第1のノードパ
スと前記ツリー構造で管理される前記2以上の第2のノードパス
との間で、第1の接続ノードと第2の接続ノードとが同じ温室効果ガス排出量の排出量ノードに接続している第1のノードパス
と第2のノードパスとを連結する請求項
1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記ツリー構造で管理される前記2以上の第1のノードパスと前記ツリー構造で管理される前記2以上の第2のノードパスとの間で、
第1の接続ノードと第2の接続ノードとが同じ温室効果ガス排出量の排出量ノードに接続している第1のノードパスと第2のノードパスとを連結し、連結後のノードパスである連結ノードパスに前記第1の選択ノードから、前記第1の接続ノード、前記排出量ノード及び前記第2の接続ノードを経由して前記第2の選択ノードに至るノードの連鎖が複数含まれるようになった後に、
前記連結ノードパスに含まれる複数のノードの連鎖の各々が分離後の複数のノードパスのうちのいずれかに含まれ、分離後の複数のノードパスの各々に含まれるノードの連鎖が相互に異なるように、前記連結ノードパスを複数のノードパスに分離する請求項
2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
前記連結ノードパスの分離により得られた複数のノードパスである複数の分離ノードパスの各々から、前記第1の選択ノード、前記第2の選択ノード及び前記排出量ノードのいずれにも該当しない非該当ノードを削除し、
前記非該当ノードが削除された後の前記複数の分離ノードパスのうち、前記第1の選択ノード及び前記第2の選択ノードが同じ2以上の分離ノードパスを統合する請求項
3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記データ処理装置は、更に、
前記抽出部による統合後の分離ノードパスを用いて、前記第1の分析軸及び前記第2の分析軸に基づく温室効果ガス排出量を可視化する可視化部を有する請求項
4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記抽出部は、
いずれかの第2の接続ノードの下位階層に位置する2以上の下位ノードの各々が前記第2の選択ノードとして選択された場合に、
前記第2の接続ノードが接続する排出量ノードの温室効果ガス排出量を前記第2の選択ノードとして選択された2以上の下位ノードの間で按分する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記データ管理部は、
複数の第1の分析軸に対応する複数の第1の階層構造が含まれ、前記複数の第1の階層構造の各々に、前記第1の接続ノードが2以上含まれる階層構造データを管理し、
前記抽出部は、
前記複数の第1の階層構造のうちのいずれかの第1の階層構造が第1の選択階層構造として選択され、前記第1の選択階層構造のいずれかの第1のノードが前記第1の選択ノードとして選択された場合に、前記第1の選択階層構造の第1の接続ノードごとに、前記第1のノードパスを抽出する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記データ管理部は、
複数の第2の分析軸に対応する複数の第2の階層構造が含まれ、前記複数の第2の階層構造の各々に、前記第2の接続ノードが2以上含まれる階層構造データを管理し、
前記抽出部は、
前記複数の第2の階層構造のうちのいずれかの第2の階層構造が第2の選択階層構造として選択され、前記第2の選択階層構造のいずれかの第2のノードが前記第2の選択ノードとして選択された場合に、前記第2の選択階層構造の第2の接続ノードごとに、前記第2のノードパスを抽出する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
温室効果ガス排出量の分析軸である第1の分析軸に対応する、複数の第1のノードが階層化された第1の階層構造と、前記第1の分析軸と異なる温室効果ガス排出量の分析軸である第2の分析軸に対応する、複数の第2のノードが階層化された第2の階層構造と、温室効果ガス排出量のノードである複数の排出量ノードとが含まれ、前記複数の第1のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第1の接続ノードが2以上含まれ、前記複数の第2のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第2の接続ノードが2以上含まれる階層構造データを、コンピュータが管理し、
いずれかの第1のノードが第1の選択ノードとして選択され、いずれかの第2のノードが第2の選択ノードとして選択された場合に、前記コンピュータが、第1の接続ノードごとに、第1の接続ノードが接続する排出量ノードから第1の接続ノードを経由して前記第1の選択ノードに至るノードの連鎖である第1のノードパスを抽出し、第2の接続ノードごとに、第2の接続ノードが接続する排出量ノードから第2の接続ノードを経由して前記第2の選択ノードに至るノードの連鎖である第2のノードパスを抽出
した結果、2以上の第1のノードパスと2以上の第2のノードパスとが抽出され、抽出された前記2以上の第1のノードパスに含まれる2以上の第1の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードの温室効果ガス排出量が相互に異なっており、抽出された前記2以上の第2のノードパスに含まれる第2の接続ノードの数が前記2以上の第1の接続ノードと同数であり2以上の第2の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードと前記2以上の第1の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードとで温室効果ガス排出量が同じである場合に、前記コンピュータが、第1の接続ノードと第2の接続ノードとが同じ温室効果ガス排出量の排出量ノードに接続している第1のノードパスと第2のノードパスとを連結して前記2以上の第1のノードパスと前記2以上の第2のノードパスとを連結するデータ処理方法。
【請求項10】
温室効果ガス排出量の分析軸である第1の分析軸に対応する、複数の第1のノードが階層化された第1の階層構造と、前記第1の分析軸と異なる温室効果ガス排出量の分析軸である第2の分析軸に対応する、複数の第2のノードが階層化された第2の階層構造と、温室効果ガス排出量のノードである複数の排出量ノードとが含まれ、前記複数の第1のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第1の接続ノードが2以上含まれ、前記複数の第2のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第2の接続ノードが2以上含まれる階層構造データを管理するデータ管理処理と、
いずれかの第1のノードが第1の選択ノードとして選択され、いずれかの第2のノードが第2の選択ノードとして選択された場合に、第1の接続ノードごとに、第1の接続ノードが接続する排出量ノードから第1の接続ノードを経由して前記第1の選択ノードに至るノードの連鎖である第1のノードパスを抽出し、第2の接続ノードごとに、第2の接続ノードが接続する排出量ノードから第2の接続ノードを経由して前記第2の選択ノードに至るノードの連鎖である第2のノードパスを抽出
した結果、2以上の第1のノードパスと2以上の第2のノードパスとが抽出され、抽出された前記2以上の第1のノードパスに含まれる2以上の第1の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードの温室効果ガス排出量が相互に異なっており、抽出された前記2以上の第2のノードパスに含まれる第2の接続ノードの数が前記2以上の第1の接続ノードと同数であり2以上の第2の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードと前記2以上の第1の接続ノードが接続する2以上の排出量ノードとで温室効果ガス排出量が同じである場合に、第1の接続ノードと第2の接続ノードとが同じ温室効果ガス排出量の排出量ノードに接続している第1のノードパスと第2のノードパスとを連結して前記2以上の第1のノードパスと前記2以上の第2のノードパスとを連結する抽出処理とをコンピュータに実行させるデータ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温室効果ガス(以下、GHGともいう)排出量の分析に関する。
【背景技術】
【0002】
GHG排出量の1つである二酸化炭素(以下、CO2ともいう)排出量の分析に関する技術として、特許文献1と特許文献2に開示の技術がある。
特許文献1では、電力情報及び燃料情報から製品のCO2排出量を算出する方法が開示されている。
特許文献2では、電力消費量からサービス別にCO2排出量を算出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-189566号公報
【文献】国際公開WO2010/047170号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
GHG排出量を管理し、GHG排出量の削減の可能性を検討するためには、GHG排出量の内訳を可視化する必要がある。例えば、製品の部品ごと、または、製品のライフサイクル(製造、輸送等)ごとに、GHG排出量を可視化する必要がある。
しかし、GHG排出量の分析軸は多く、多数の分析軸についての複雑なデータを管理することは容易ではない。例えば、分析軸として、GHGを発生するエネルギー源についての分析軸が考えられる。また、別の分析軸として、製品の製造者の内部組織についての分析軸が考えられる。更に、分析軸として、製品を構成する部品についての分析軸が考えられる。
【0005】
特許文献1及び特許文献2の技術では、このような複数の分析軸に対応していない。このため、GHG排出量を複数の分析軸で分析することができないという課題がある。
本開示は、上記のような課題を解決することを主な目的の一つとしている。具体的には、本開示は、GHG排出量を複数の分析軸で分析できるようにするための前処理を行うことを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るデータ処理装置は、
温室効果ガス排出量の分析軸である第1の分析軸に対応する、複数の第1のノードが階層化された第1の階層構造と、前記第1の分析軸と異なる温室効果ガス排出量の分析軸である第2の分析軸に対応する、複数の第2のノードが階層化された第2の階層構造と、温室効果ガス排出量のノードである複数の排出量ノードとが含まれ、前記複数の第1のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第1の接続ノードが2以上含まれ、前記複数の第2のノードに、いずれかの排出量ノードに接続する第2の接続ノードが2以上含まれる階層構造データを管理するデータ管理部と、
いずれかの第1のノードが第1の選択ノードとして選択され、いずれかの第2のノードが第2の選択ノードとして選択された場合に、第1の接続ノードごとに、第1の接続ノードが接続する排出量ノードから第1の接続ノードを経由して前記第1の選択ノードに至るノードの連鎖である第1のノードパスを抽出し、第2の接続ノードごとに、第2の接続ノードが接続する排出量ノードから第2の接続ノードを経由して前記第2の選択ノードに至るノードの連鎖である第2のノードパスを抽出する抽出部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、GHG排出量を複数の分析軸で分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る排出量管理装置の機能構成例を示す図。
【
図2】実施の形態1に係る階層構造データの例を示す図。
【
図4】実施の形態1に係る抽出部の動作例を示すフローチャート。
【
図5】実施の形態1に係るステップS1での動作例を示す図。
【
図6】実施の形態1に係るステップS2での動作例を示す図。
【
図7】実施の形態1に係るステップS3での動作例を示す図。
【
図8】実施の形態1に係るステップS4での動作例を示す図。
【
図9】実施の形態1に係るステップS5での動作例を示す図。
【
図10】実施の形態1に係るステップS6での動作例を示す図。
【
図11】実施の形態1に係るステップS7での動作例を示す図。
【
図12】実施の形態2に係る階層構造データの例を示す図。
【
図13】実施の形態2に係る抽出部の動作例を示すフローチャート。
【
図14】実施の形態2に係るステップS1での動作例を示す図。
【
図15】実施の形態2に係るステップS11での動作例を示す図。
【
図16】実施の形態2に係るステップS12での動作例を示す図。
【
図17】実施の形態2に係るステップS13での動作例を示す図。
【
図18】実施の形態1に係る排出量管理装置のハードウェア構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を図を用いて説明する。以下の実施の形態の説明及び図面において、同一の符号を付したものは、同一の部分又は相当する部分を示す。
なお、以下では、GHGの例としてCO2を説明する。なお、CO2はGHGの一例であり、CO2以外のGHG(メタン、一酸化二窒素、フロン等)に対しても以下の説明は適用可能である。
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る排出量管理装置100の機能構成例を示す。
排出量管理装置100は、データ処理装置に相当する。また、排出量管理装置100の動作手順は、データ処理方法に相当する。また、排出量管理装置100の動作を実現するプログラムは、データ処理プログラムに相当する。
図18は、本実施の形態に係る排出量管理装置100のハードウェア構成例を示す。
先ず、
図18を参照して、排出量管理装置100のハードウェア構成を説明する。
【0011】
本実施の形態に係る排出量管理装置100は、コンピュータである。
排出量管理装置100は、ハードウェアとして、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信装置904及び入出力装置905を備える。
排出量管理装置100は、
図1に示すように、機能構成として、記憶部102、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105を備える。指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の機能は、例えば、プログラムにより実現される。
補助記憶装置903には、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の機能を実現するプログラムが記憶されている。
これらプログラムは、補助記憶装置903から主記憶装置902にロードされる。そして、プロセッサ901がこれらプログラムを実行して、後述する指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の動作を行う。
図18は、プロセッサ901が指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の機能を実現するプログラムを実行している状態を模式的に表している。
記憶部102は、主記憶装置902及び/又は補助記憶装置903により実現される。
通信装置904は、外部機器との通信を行う。
入出力装置905は、例えば、マウス、キーボード及びディスプレイである。
【0012】
次に、
図1を参照して、排出量管理装置100の機能構成例を説明する。
【0013】
データ管理部101は、階層構造データ200を管理する。
具体的には、データ管理部101は、階層構造データ200の構成が示される構成情報を取得する。そして、データ管理部101は、取得した構成情報を用いて階層構造データ200を生成する。また、データ管理部101は、生成した階層構造データ200を記憶部102に格納する。
データ管理部101は、例えば、排出量管理装置100の利用者であるデータ分析者から、入出力装置905のマウス及びキーボードを介して構成情報を取得する。また、データ管理部101は、例えば、外部機器から、ネットワークを経由して送信された構成情報を通信装置904を介して取得(受信)する。データ管理部101は、生成済みの階層構造データ200を外部機器から取得してもよい。
【0014】
階層構造データ200は、CO2排出量の分析に用いられる、階層構造が含まれるデータである。階層構造データ200には、第1の階層構造と、第2の階層構造と、排出量ノードが含まれる。第1の階層構造は、CO2排出量の分析軸である第1の分析軸に対応する階層構造である。第2の階層構造は、第1の分析軸と異なるCO2排出量の分析軸である第2の分析軸に対応する階層構造である。
第1の階層構造及び第2の階層構造の各々では、複数のノードが階層化されている。第1の階層構造に含まれるノードを第1のノードという。また、第2の階層構造に含まれるノードを第2のノードという。
排出量ノードは、CO2排出量のノードである。
なお、階層構造データ200の詳細は後述する。また、構成情報の詳細も、階層構造データ200の詳細とともに後述する。
データ管理部101により行われる処理はデータ管理処理に相当する。
【0015】
記憶部102は、階層構造データ200を記憶する。
【0016】
指示取得部103は、データ分析者から、入出力装置905のマウス及びキーボードを介して分析指示を取得する。
分析指示は、CO2排出量の分析を指示するコマンドである。分析指示では、階層構造データ200からノードパスを抽出するための条件が指定されている。ノードパスはノードの連鎖である。ノードパスの詳細は後述する。
【0017】
抽出部104は、階層構造データ200から、分析指示で指定された条件に対応するノードパスを抽出する。
抽出部104により行われる処理は、抽出処理に相当する。
【0018】
可視化部105は、抽出部104により抽出されたノードパスを用いて、第1の分析軸及び第2の分析軸に基づくCO2排出量を可視化する可視化情報を生成する。
可視化部105は、可視化情報として、例えば、サンキ-ダイアグラムを生成する。
そして、可視化部105は、可視化情報を入出力装置905のディスプレイに出力する。
【0019】
【0020】
階層構造データ200は、グラフ形式のデータ構造を持つデータである。グラフ形式では、ノードとエッジによりデータが表現される。
図2では、ノードを円で表現している。また、
図2では、エッジをノード間を接続する線で表現している。
グラフ形式のデータを保持するためのデータベースとして、グラフデータベースを利用することが考えられる。また、グラフ形式のデータを保持するためのデータベースとして、リレーショナルデータベース、キーバリューデータベース、ドキュメントデータベース等を利用してもよい。
【0021】
CO2排出量ノード201は、排出量ノードである。
CO2排出量ノード201は、GHG排出量であるCO2排出量が設定されたデータノードである。階層構造データ200には、複数のCO2排出量ノード201が含まれる。
CO2排出量は、重さ(kg)、体積(m3)等の数値で表される。
また、CO2排出量ノード201には、CO2排出量に代えて、CO2排出量を算出するための値が設定されていてもよい。例えば、CO2排出量ノード201に、消費電力量、熱量、水量等のCO2排出量の算出の元になる値が設定されていてもよい。この場合は、抽出部104が、CO2排出量ノード201に設定されている値に換算式を適用してCO2排出量を算出する。また、抽出部104は、CO2排出量を算出せずに、CO2排出量ノード201の値(CO2排出量の算出の元になる値)を可視化部105に転送し、可視化部105がCO2排出量ノード201の値を可視化してもよい。
また、CO2排出量が設定されたCO2排出量ノード201とCO2排出量を算出するための値が設定されたCO2排出量ノード201とが混在していてもよい。
なお、以下では、説明の簡明化のために、階層構造データ200には、CO2排出量が設定されたCO2排出量ノード201のみが含まれているものとする。
【0022】
タグデータ202は、階層構造のデータである。なお、
図2に示す階層数は一例であり、タグデータ202は、
図2に示す以外の階層数の階層構造を有していてもよい。
タグデータ202には、例えば、分類タグデータ203、部門タグデータ204、設備タグデータ205、製品タグデータ206がある。これらの他に、年月日を表すタグノードが階層構造データ200に含まれていてもよい。
タグデータ202に含まれるノードをタグノードという。タグノードは、以下、単にノードともいう。各タグデータ202には、複数のタグノードが含まれ、複数のタグノードが階層化されている。
複数のタグノードのうちの2以上のタグノードにCO
2排出量ノード201が接続されている(関連づけられている)。CO
2排出量ノード201が接続されているタグノードを接続ノードという。
本実施の形態では、階層構造の最下層のタグノードがCO
2排出量ノード201と接続されている。
なお、最下層以外の層のタグノードがCO
2排出量ノード201と接続していてもよい。つまり、接続ノードは、最下層以外の層のタグノードであってもよい。
【0023】
CO2排出量ノード201は、2以上の階層構造の2以上の接続ノードと接続している。
例えば、CO2排出量ノード201が、「Scope1」のタグノードと、「組立G」のタグノードと「1F」のタグノードと、「部品AA」のタグノードとに接続する場合がある。この場合のCO2排出量ノード201のCO2排出量は、「Scope1」に属し、「組立G」の「1F」に配置された設備が排出する、「部品AA」に関するCO2排出量であることを意味する。
【0024】
分類タグデータ203は、GHGプロトコルに対応したタグデータである。GHGプロトコルは、GHG排出量を算定及び報告する際の国際的な基準である。
最上層の「GHG」のタグノードの下位のタグノードとして「Scope1」のタグノード、「Scope2」のタグノード及び「Scope3」のタグノードが設けられている。
「Scope1」のタグノードはGHGプロトコルの「Scope1(直接排出量)」に対応するタグノードである。「Scope2」のタグノードはGHGプロトコルの「Scope2(間接排出量)」に対応するタグノードである。「Scope3」のタグノードはGHGプロトコルの「Scope3(そのほかの排出量)」に対応するタグノードである。
図2の例では、「Scope3」のタグノードの下位に「カテゴリ1」のタグノードと「カテゴリ2」のタグノードが設けられている。「カテゴリ1」のタグノードは、GHGプロトコルの「カテゴリ1」に対応するタグノードである。「カテゴリ2」のタグノードは、GHGプロトコルの「カテゴリ2」に対応するタグノードである。なお、図面では「カテゴリ1」及び「カテゴリ2」を「cat1」及び「cat2」と表記する。
GHGプロトコルでは、「Scope3」のカテゴリとして15個のカテゴリが規定されている。本実施の形態では、「カテゴリ1」のタグノードと「カテゴリ2」のタグノードのみが設けられているが、「Scope3」のタグノードの下位にGHGプロトコルの15個のカテゴリに対応する15個のタグノードが設けられていてもよい。
分類タグデータ203では、「Scope1」のタグノード、「Scope2」のタグノード、「Scope3」のタグノードの「カテゴリ1」のタグノードと「カテゴリ2」のタグノードの各々がCO
2排出量ノード201と接続されている。
また、分類タグデータ203は、第1の分析軸に対応する第1の階層構造に相当する。
このため、分類タグデータ203に含まれる各タグノードは、第1のノードに相当する。
また、CO
2排出量ノード201と接続するタグノードは、第1の接続ノードに相当する。具体的には、「Scope1」のタグノード、「Scope2」のタグノード、「カテゴリ1」のタグノード及び「カテゴリ2」のタグノードが、それぞれ、第1の接続ノードに相当する。
第1の階層構造として、分類タグデータ203以外のタグデータを用いてもよい。例えば、第1の階層構造として、CO
2を発生させるエネルギー源に対応するタグデータを用いてもよい。この場合は、個々のエネルギー源(石炭、コークス、天然ガス、バイオマス等)に対応するタグノードが階層構造に設定される。
また、分類タグデータ203の代わりに、部門タグデータ204、設備タグデータ205、製品タグデータ206のいずれかを第1の階層構造として扱ってもよい。
また、第1の階層構造として扱われるタグデータが複数あってもよい。
【0025】
部門タグデータ204は、部門を表すタグデータである。部門とは、CO2の排出源である。
具体的には、部門タグデータ204では、CO2の排出源は工場である。
最上位層の「工場」のタグノードの下位のタグノードとして「総務部」のタグノード、「製造部」のタグノードが設けられている。「総務部」のタグノードは工場内の組織である「総務部」に対応するタグノードである。「製造部」のタグノードは、工場内の別の組織である「製造部」に対応するタグノードである。
また、「製造部」のタグノードの下位のタグノードとして「板金G」のタグノード、「組立G」のタグノードが設けられている。「板金G」のタグノードは製造部内の板金グループに対応するタグノードである。「組立G」のタグノードは製造部内の組立グループに対応するタグノードである。
「総務部」のタグノード、「板金G」のタグノード及び「組立G」のタグノードの各々には、部門ID(Identifier)、部門名、所属人員、人数、場所、電話番号等が保存される。
部門タグデータ204では、「総務部」のタグノード、「板金G」のタグノード及び「組立G」のタグノードの各々がCO2排出量ノード201と接続されている。つまり、「総務部」のタグノード、「板金G」のタグノード及び「組立G」のタグノードは、それぞれ、接続ノードである。
【0026】
設備タグデータ205は、設備を表すデータである。設備とは、CO2の排出源である。
具体的には、設備タグデータ205では、CO2の排出源は工場である。
最上層の「工場」のタグノードの下位のタグノードとして「1棟」のタグノード、「2棟」のタグノードが設けられている。「1棟」のタグノードは工場内の建物である「1棟」に対応するタグノードである。「2棟」のタグノードは、工場内の別の建物である「2棟」に対応するタグノードである。
また、「1棟」のタグノードの下位のタグノードとして「1F」のタグノード、「2F」のタグノードが設けられている。「1F」のタグノードは1棟の1階に対応するタグノードである。「2F」のタグノードは1棟の2階に対応するタグノードである。
「1F」のタグノード、「2F」のタグノード及び「2棟」のタグノードの各々には、設備ID、設備名、広さ等が保存される。
設備タグデータ205では、「1F」のタグノード、「2F」のタグノード及び「2棟」のタグノードの各々がCO2排出量ノード201と接続されている。つまり、「1F」のタグノード、「2F」のタグノード及び「2棟」のタグノードは、それぞれ、接続ノードである。
【0027】
製品タグデータ206は、製品を表すデータである。製品とは、CO2の排出源である工場で製造される物品である。
最上層の「製品」のタグノードの下位のタグノードとして「部品A」のタグノード、「部品B」のタグノードが設けられている。「部品A」のタグノードは製品の構成要素である「部品A」に対応するタグノードである。「部品B」のタグノードは、製品の別の構成要素である「部品B」に対応するタグノードである。
また、「部品A」のタグノードの下位のタグノードとして「部品AA」のタグノード、「部品AB」のタグノードが設けられている。「部品AA」のタグノードは部品Aの構成要素である「部品AA」に対応するタグノードである。「部品AB」のタグノードは部品Aの別の構成要素である「部品AB」に対応するタグノードである。
「部品B」のタグノード、「部品AA」のタグノード及び「部品AB」のタグノードの各々には、部品ID、部品名、型番、原価、重量等が保存される。
製品タグデータ206では、「部品B」のタグノード、「部品AA」のタグノード及び「部品AB」のタグノードの各々がCO2排出量ノード201と接続されている。つまり。「部品B」のタグノード、「部品AA」のタグノード及び「部品AB」のタグノードは、それぞれ、接続ノードである。
【0028】
なお、部門タグデータ204、設備タグデータ205及び製品タグデータ206は、それぞれ、第2の分析軸に対応する第2の階層構造に相当する。
このため、部門タグデータ204、設備タグデータ205及び製品タグデータ206に含まれる各タグノードは、第2のノードに相当する。
また、部門タグデータ204、設備タグデータ205及び製品タグデータ206で、CO2排出量ノード201と接続するタグノードは、第2の接続ノードに相当する。
具体的には、部門タグデータ204では、「総務部」のタグノード、「板金G」のタグノード及び「組立G」のタグノードが、それぞれ、第2の接続ノードに相当する。
また、設備タグデータ205では、「1F」のタグノード、「2F」のタグノード及び「2棟」のタグノードが、それぞれ、第2の接続ノードに相当する。
また、製品タグデータ206では、「部品B」のタグノード、「部品AA」のタグノード及び「部品AB」のタグノードが、それぞれ、第2の接続ノードに相当する。
第2の階層構造として、部門タグデータ204、設備タグデータ205及び製品タグデータ206以外のタグデータを用いてもよい。
【0029】
なお、以下では、「XX」のタグノードを単に「XX」と表記する場合がある。つまり、例えば、「GHG」のタグノードを単に「GHG」と表記したり、「工場」のタグノードを単に「工場」と表記する場合がある。
【0030】
図1に示すデータ管理部101は、
図2に示す階層構造データ200の構成が記述される構成情報を取得する。
データ管理部101が取得する構成情報には、各CO
2排出量ノード201が記述される。また、構成情報には、分類タグデータ203の詳細が記述される。例えば、構成情報には、分類タグデータ203に含まれるタグノード、タグノード間の関係、分類タグデータ203の接続ノード、分類タグデータ203の接続ノードが接続するCO
2排出量ノード201が記述される。また、構成情報には、分類タグデータ203と同様に、部門タグデータ204、設備タグデータ205及び製品タグデータ206の各々の詳細が記述される。
また、消費電力量、熱量、水量等のCO
2排出量を算出するための値が設定されたCO
2排出量ノード201が用いられる場合は、構成情報には、換算式が含まれる。
データ管理部101は、例えば、csvファイル、xml(登録商標)ファイル、バイナリファイル、データベース操作クエリ等の形式で構成情報を取得することができる。
データ管理部101は、取得した構成情報を用いて、
図2に例示する階層構造データ200を生成し、生成した階層構造データ200を記憶部102に格納する。
【0031】
データ分析者は、入出力装置905のマウス及びキーボードを用いて、指示取得部103に分析指示を入力する。
データ分析者は、例えば、分類タグデータ203のいずれかのノードを第1の選択ノードとして選択する。
なお、第1の分析軸に対応するタグデータが複数ある場合は、データ分析者は、複数のタグデータの中からいずれかのタグデータを第1の選択階層構造として選択する。また、データ分析者は、第1の選択階層構造として選択したタグデータ内のいずれかのノードを第1の選択ノードとして選択する。
【0032】
また、データ分析者は、部門タグデータ204、設備タグデータ205及び製品タグデータ206のいずれかのタグデータを第2の選択階層構造として選択する。また、データ分析者は、第2の選択階層構造として選択したタグデータ内のいずれかのノードを第2の選択ノードとして選択する。
【0033】
データ分析者は、複数の第1の選択ノードを選択可能であり、また、複数の第2の選択ノードを選択可能である。そして、データ分析者は、選択結果が示される分析指示を指示取得部103に入力する。
また、データ分析者は、期間を指定してもよい。データ分析者は、単年度、複数年度、単月、複数月、日、週といった単位で期間を指定することができる。
【0034】
図3は、可視化部105が入出力装置905に出力する可視化情報300の例を示す。
図3は、サンキーダイアグラムによる可視化情報300の例を示す。
サンキーダイアグラムによる可視化情報300では、線の太さがCO
2排出量の大きさに比例する。
可視化情報300では、データ分析者が分析指示で指示した条件(第1の選択階層構造、第1の選択ノード、第2の選択階層構造、第2の選択ノード)に対応するCO
2排出量の抽出結果が示される。
【0035】
図3は、
図2の分類タグデータ203の「Scope1」と「Scope2」と「カテゴリ1」と「カテゴリ2」の各々のタグノードが第1の選択ノードとして選択され、
図2の部門タグデータ204の「総務部」と「板金G」と「組立G」の各々のタグノードが第2の選択ノードとして選択された場合の可視化情報300を示す。
可視化情報300の左端に、第1の選択ノードと第1の選択ノードの上位ノードが示される。つまり、可視化情報300の左端に、第1の選択ノードである「Scope1」と「Scope2」と第1の選択ノードである「カテゴリ1」及び「カテゴリ2」の上位ノードである「Scope3」とが示される。また、可視化情報300の右端に、第2の選択ノードと第2の選択ノードの上位ノードが示される。つまり、可視化情報300の右端に、第2の選択ノードである「総務部」と第2の選択ノードである「板金G」及び「組立G」の上位ノードである「製造部」とが示される。
また、可視化情報300の左端の近傍に、「Scope1」と「Scope2」と「Scope3」の各々に対応するCO
2排出量が表示される。また、可視化情報300では、「Scope3」の「カテゴリ1」と「カテゴリ2」の各々に対応するCO
2排出量も表示される。また、可視化情報300の右端の近傍に、「総務部」と「製造部」の各々に対応するCO
2排出量が表示される。可視化情報300では、「製造部」の「板金G」と「組立G」の各々に対応するCO
2排出量も表示される。
また、第1の選択ノード及び第2の選択ノードとの組み合わせに対するCO
2排出量も表示される。最上位の「30t」は、「Scope1」と「総務部」との組み合わせに対するCO
2排出量である。次の「50t」は、「Scope2」と「総務部」との組み合わせに対するCO
2排出量である。次の「40t」は「カテゴリ1」と「総務部」との組み合わせに対するCO
2排出量である。次の「50t」は「カテゴリ2」と「総務部」との組み合わせに対するCO
2排出量である。「板金G」と「組立G」についても、「総務部」と同様の形式でCO
2排出量が表示されている。
【0036】
データ分析者は、可視化情報を参照することで、CO
2排出量を削減するための施策を効率的に策定することができる。
図3では、「カテゴリ1」と「組立G」との組み合わせに対応する線が太い。このため、データ分析者は、当該組み合わせに対する施策を策定すればよいと認識することができる。
可視化部105は、サンキーダイアグラムに代えて、棒グラフ、積み上げ棒グラフ、円グラフ等による可視化情報を生成してもよい。
【0037】
***動作の説明**
図4は、本実施の形態に係る抽出部104の動作例を示す。
図5は、
図4のステップS1の具体例を示す。
図6は、
図4のステップS2の具体例を示す。
図7は、
図4のステップS3の具体例を示す。
図8は、
図4のステップS4の具体例を示す。
図9は、
図4のステップS5の具体例を示す。
図10は、
図4のステップS6の具体例を示す。
図11は、
図4のステップS7の具体例を示す。
以下、
図4~
図10を参照して、抽出部104の動作例を説明する。
【0038】
先ず、
図4のステップS1において、抽出部104は、分析指示に従い、階層構造データ200から、分析軸ごとに、ノードパスを抽出する。
なお、分析指示に期間(年、月、日)等の条件が指定されている場合は、データ管理部101は、当該条件に合致するノードパスのみを抽出する。
【0039】
ノードパスは、接続ノードが接続するCO2排出量ノード201から接続ノードを経由して選択ノードに至るノードの連鎖である。選択ノードは分析指示でデータ分析者に選択されたノードである。
抽出部104は、第1の分析軸及び第2の分析軸の各々で、接続ノードごとに、ノードパスを抽出する。
第1の分析軸において、接続ノード(第1の接続ノード)が接続するCO2排出量ノード201から接続ノード(第1の接続ノード)を経由して選択ノード(第1の選択ノード)に至るノードの連鎖を、第1のノードパスという。また、第2の分析軸において、接続ノード(第2の接続ノード)が接続するCO2排出量ノード201から接続ノード(第2の接続ノード)を経由して選択ノード(第2の選択ノード)に至るノードの連鎖を、第2のノードパスという。
【0040】
図5を参照して、ステップS1の詳細を説明する。
なお、以下では、分析指示において、
図2の分類タグデータ203の「GHG」、「Scope1」、「Scope2」及び[Scope3]が第1の選択ノードとして選択されているものとする。また、分析指示において、
図2の部門タグデータ204の「工場」、[総務部]及び「製造部」が第2の選択ノードとして選択されているものとする。
【0041】
第1の分析軸に相当する分類タグデータ203では、「Scope1」と「Scope2」と「カテゴリ1」と「カテゴリ2」が第1の接続ノードである。
抽出部104は、第1の接続ノードである「Scope1」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 10(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 10(t)」から第1の接続ノードである「Scope1」を経由して第1の選択ノードである「GHG」に至るノードパスを第1のノードパスとして抽出する。
また、抽出部104は、第1の接続ノードである「Scope2」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 20(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 20(t)」から第1の接続ノードである「Scope2」を経由して第1の選択ノードである「GHG」に至るノードパスを第1のノードパスとして抽出する。
更に、抽出部104は、第1の接続ノードである「カテゴリ1」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 30(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 30(t)」から第1の接続ノードである「カテゴリ1」を経由して第1の選択ノードである「GHG」に至るノードパスを第1のノードパスとして抽出する。
更に、抽出部104は、第1の接続ノードである「カテゴリ2」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 40(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 40(t)」から第1の接続ノードである「カテゴリ2」を経由して第1の選択ノードである「GHG」に至るノードパスを第1のノードパスとして抽出する。
【0042】
第2の分析軸に相当する部門タグデータ204では、「総務部」と「板金G」と「組立G」が第2の接続ノードである。
抽出部104は、第2の接続ノードである「総務部」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 10(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 10(t)」から第2の接続ノードである「総務部」を経由して第2の選択ノードである「工場」に至るノードパスを第2のノードパスとして抽出する。
また、抽出部104は、第2の接続ノードである「板金G」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 20(t)」と「CO2排出量 30(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 20(t)」から第2の接続ノードである「板金G」を経由し第2の選択ノードである「工場」に至るノードパスを第2のノードパスとして抽出する。更に、抽出部104は、「CO2排出量 30(t)」から第2の接続ノードである「板金G」を経由し第2の選択ノードである「工場」に至るノードパスを第2のノードパスとして抽出する。
また、抽出部104は、第2の接続ノードである「組立G」が接続するCO2排出量ノード201である「CO2排出量 40(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO2排出量 40(t)」から第2の接続ノードである「組立G」を経由して第2の選択ノードである「工場」に至るノードパスを第2のノードパスとして抽出する。
また、抽出部104は、抽出した複数の第1のノードパスを、重複部分が共通化されるツリー構造で管理する。
更に、抽出部104は、抽出した複数の第2のノードパスを、重複部分が共通化されるツリー構造で管理する。
【0043】
図5は、ステップS1の処理の結果を示す。
図5では、左側に第1の分析軸が示され、右側に第2の分析軸が示される。また、
図5では、最上位の階層のタグノードが外側に表示されている。
また、前述したように、
図5では、抽出した複数の第1のノードパス及び複数の第2のノードパスはツリー構造で管理されている。
具体的には、第1の分析軸では、「GHG」は複数の第1のノードパスで重複している。このため、
図5では、「GHG」が共通化されている。また、「カテゴリ1」のノードパスと「カテゴリ2」のノードパスでは、「Scope3」が重複している。このため、
図5では、「Scope3」が共通化されている。
同様に、第2の分析軸では、「工場」は複数の第2のノードパスで重複している。このため、
図5では、「工場」が共通化されている。また、「CO
2排出量 20(t)」のノードパスと「CO
2排出量 30(t)」のノードパスでは、「板金G」が重複している。このため、
図5では、「板金G」が共通化されている。また、「板金G」のノードパスと「組立G」のノードパスでは、「製造部」が重複している。このため、
図5では、「製造部」が共通化されている。
【0044】
次に、
図4のステップS2において、抽出部104は、CO
2排出量ノード201が同じ第1のノードパスと第2のノードパスとを連結する。以下、連結後のノードパスを連結ノードパスと呼ぶ。
【0045】
図5の例では、「Scope1」に接続する「CO
2排出量 10(t)」と「総務部」に接続する「CO
2排出量 10(t)」は同じである。このため、抽出部104は、「Scope1」のノードパスと「総務部」のノードパスとを連結する。このとき、抽出部104は、一方のノードパスの「CO
2排出量 10(t)」を削除する。
また、「Scope2」に接続する「CO
2排出量 20(t)」と「板金G」に接続する「CO
2排出量 20(t)」は同じである。このため、抽出部104は、「Scope2」のノードパスと「板金G」のノードパスとを連結する。このとき、抽出部104は、一方のノードパスの「CO
2排出量 20(t)」を削除する。
また、「カテゴリ1」に接続する「CO
2排出量 30(t)」と「板金G」に接続する「CO
2排出量 30(t)」は同じである。このため、抽出部104は、「カテゴリ1」のノードパスと「板金G」のノードパスとを連結する。このとき、抽出部104は、一方のノードパスの「CO
2排出量 30(t)」を削除する。
また、「カテゴリ2」に接続する「CO
2排出量 40(t)」と「組立G」に接続する「CO
2排出量 40(t)」は同じである。このため、抽出部104は、「カテゴリ2」のノードパスと「組立G」のノードパスとを連結する。このとき、抽出部104は、一方のノードパスの「CO
2排出量 40(t)」を削除する。
【0046】
図6は、ステップS2の処理の結果を示す。
図6では、「GHG」から「Scope1」と「CO
2排出量 10(t)」と「総務部」とを経由して「工場」に至るノードの連鎖(以下、連鎖1という)が生成されている。
また、
図6では、「GHG」から「Scope2」と「CO
2排出量 20(t)」と「板金G」と「製造部」とを経由して「工場」に至るノードの連鎖(以下、連鎖2という)が生成されている。
また、
図6では、「GHG」から「Scope3」と「カテゴリ1」と「CO
2排出量 30(t)」と「板金G」と「製造部」を経由して「工場」に至るノードの連鎖(以下、連鎖3という)が生成されている。
また、
図6では、「GHG」から「Scope3」と「カテゴリ2」と「CO
2排出量 40(t)」と「組立G」と「製造部」とを経由して「工場」に至るノードの連鎖(以下、連鎖4という)が生成されている。
【0047】
次に、
図4のステップS3において、抽出部104は、連結ノードパスを分離する。
具体的には、抽出部104は、以下の2つの条件が満たされるように、連結ノードパスを複数のノードパスに分離する。
(1)連結ノードパスに含まれる複数のノードの連鎖の各々が分離後の複数のノードパスのうちのいずれかに含まれる。
(2)分離後の複数のノードパスの各々に含まれるノードの連鎖が相互に異なる。
【0048】
図6の示す連結ノードパスでは、前述したように、連鎖1~連鎖4の4つのノードの連鎖が含まれる。
抽出部104は、ステップS3において、
図6に示す連結ノードパスを、連鎖1に対応するノードパス、連鎖2に対応するノードパス、連鎖3に対応するノードパス及び連鎖4に対応するノードパスに分離する。
この結果、
図7に示される4つのノードパスが得られる。
なお、ステップS3の分離により得られる複数のノードパス(
図7に示す複数のノードパス)は、それぞれ、分離ノードパスという。
【0049】
次に、
図4のステップS4において、抽出部104は、分離ノードパスから非該当ノードを削除する。
非該当ノードは、第1の選択ノード、第2の選択ノード及びCO
2排出量ノード201のいずれにも該当しないノードである。
図7の例では、「カテゴリ1」、「カテゴリ2」、「板金G」及び「組立G」が非該当ノードである。
図8は、ステップS4の処理の結果を示す。
図7と比較して、
図8では、非該当ノードである「カテゴリ1」、「カテゴリ2」、「板金G」及び「組立G」が削除されている。
【0050】
次に、
図4のステップS5において、抽出部104は、CO
2排出量ノード201を除く全てのノードが同じ分離ノードパスを統合する。また、抽出部104は、統合後の分離ノードパスのCO
2排出量を算出する。
図8の例では、連鎖3に対応する分離ノードパスと連鎖4に対応する分離ノードパスでCO
2排出量ノード201以外の全てのノードが同じである(「GHG」、「Scope3」、「製造部」及び「工場」)。
このため、抽出部104は、これら2つの分離ノードパスを統合する。また、抽出部104は、これら2つの分離ノードパスのCO
2排出量ノード201に基づき、新たなCO
2排出量を算出する。
図8の例では、抽出部104は、「CO
2排出量 30(t)」と「CO
2排出量 40(t)」とを加算して、「CO
2排出量 70(t)」を得る。
図9は、ステップS5の処理の結果を示す。
【0051】
次に、
図4のステップS6において、抽出部104は、CO
2排出量ノード201に示されるCO
2排出量をノード間のリンクに対応付ける。
図10は、ステップS6の処理の結果を示す。
図10では、1つ目の分離ノードパスのノード間のリンクにCO
2排出量である「10(t)」が対応付けられている。
また、2つ目の分離ノードパスのノード間のリンクにCO
2排出量である「20(t)」が対応付けられている。
また、3つ目の分離ノードパスのノード間のリンクにCO
2排出量である「70(t)」が対応付けられている。
【0052】
次に、
図4のステップS7において、抽出部104は、分離ノードパスの重複部分を共通化する。
図10の例では、3つの分離ノードパスで「GHG」と「工場」が重複する。また、2つ目の分離ノードパスと3つ目の分離ノードパスで「製造部」が重複する。
このため、抽出部104は、3つの分離ノードパスで「GHG」と「工場」を共通化する。また、抽出部104は、2つ目の分離ノードパスと3つ目の分離ノードパスで「製造部」を共通化する。
このとき、抽出部104は、2つ目の分離ノードパスの「20」と3つ目の分離ノードパスの「70」の合計値である「90」を「製造部」と「工場」の間のリンクに設定する。
図11は、ステップS7の処理の結果を示す。
前述のように、
図11では、「GHG」と「工場」が共通化されており、また、「製造部」が共通化されている。更に、「製造部」と「工場」の間のリンクに「90」が設定されている。
なお、
図11に示すノード間に設定された値に従って、サンキーダイアグラムにおける線の太さが決定される。
また、可視化情報が棒グラフで生成される場合は、
図11に示すノード間に設定された値に従って棒グラフにおける棒の長さが決定される。
また、可視化情報が円グラフで生成される場合は、
図11に示すノード間に設定された値に従って円グラフにおける扇形の大きさが決定される。
【0053】
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、CO2排出量を分析するための分析軸として複数の分析軸が用いられる。このため、本実施の形態によれば、「GHGプロトコル」と「部門」との組み合わせ、「GHGプロトコル」と「設備」との組み合わせ、「エネルギー源」と「部門」との組み合わせといった様々な分析軸の組み合わせによりCO2排出量を分析することができる。更に、本実施の形態では、分析結果が可視化される。
このため、データ分析者は、CO2排出量の削減に寄与する因子を正確に推定することができ、CO2排出量を削減するための施策を効率的に策定することができる。
【0054】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
【0055】
図12は、本実施の形態に係る階層構造データ200の例を示す。
実施の形態1の階層構造データ200(
図2)では、基本的に最下層のタグノードがCO
2排出量ノード201に接続されている。本実施の形態では、
図12に示すように、最下層以外のタグノードがCO
2排出量ノード201に接続される。
具体的には、
図2では、分類タグデータ203において、「カテゴリ1」と「カテゴリ2」がCO
2排出量ノード201に接続されている。一方、
図12では、「カテゴリ1」と「カテゴリ2」の上位層に位置するタグノードである「Scope3」がCO
2排出量ノード201に接続されている。
また、
図2では、部門タグデータ204において、「板金G」と「組立G」がCO
2排出量ノード201に接続されている。一方、
図12では、「板金G」と「組立G」の上位層に位置するタグノードである「製造部」がCO
2排出量ノード201に接続されている。
また、
図2では、設備タグデータ205において、「1F」と「2F」がCO
2排出量ノード201に接続されている。一方、
図12では、「1F」と「2F」の上位層に位置するタグノードである「1棟」がCO
2排出量ノード201に接続されている。
また、
図2では、設備タグデータ205において、「部品AA」と「部品AB」がCO
2排出量ノード201に接続されている。一方、
図12では、「部品AA」と「部品AB」の上位層に位置するタグノードである「部品A」がCO
2排出量ノード201に接続されている。
本実施の形態では、このように、最下層以外のタグノードにCO
2排出量ノード201が接続されている。このため、CO
2排出量ノード201が接続されているタグノードの下位層に位置するノード(以下、下位ノードという)に対してはCO
2排出量は管理されていない。つまり、例えば、部門タグデータ204では、「製造部」全体ではCO
2排出量が管理されているが、「製造部」の下位ノードである「板金G」及び「組立G」の各々に対してはCO
2排出量が管理されていない。
【0056】
図13は、本実施の形態に係る抽出部104の動作例を示す。
図14は、
図13のステップS1の具体例を示す。
図15は、
図13のステップS11の具体例を示す。
図16は、
図13のステップS12の具体例を示す。
図17は、
図13のステップS13の具体例を示す。
以下、
図13~
図17を参照して、本実施の形態に係る抽出部104の動作例を説明する。
【0057】
図13のステップS1は、
図4のステップS1と同じである。
本実施の形態では、分析指示において第1の分析軸について「GHG」と「Scope1」と「Scope3」が第1の選択ノードとして選択され、第2の分析軸について部門タグデータ204の「工場」と「総務部」と「板金G」と「組立G」が第2の選択ノードとして選択されものとする。
図14は、この場合のステップS1の処理の結果を示す。
本実施の形態では、抽出部104は、第1の接続ノードである「Scope1」が接続するCO
2排出量ノード201である「CO
2排出量 10(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO
2排出量 10(t)」から第1の接続ノードである「Scope1」を経由して第1の選択ノードである「GHG」に至るノードパスを第1のノードパスとして抽出する。
また、抽出部104は、第1の接続ノードである「Scope3」が接続するCO
2排出量ノード201である「CO
2排出量 70(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO
2排出量 70(t)」から第1の接続ノードである「Scope3」を経由して第1の選択ノードである「GHG」に至るノードパスを第1のノードパスとして抽出する。
更に、抽出部104は、第2の接続ノードである「総務部」が接続するCO
2排出量ノード201である「CO
2排出量 10(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO
2排出量 10(t)」から第2の接続ノードである「総務部」を経由して第2の選択ノードである「工場」に至るノードパスを第2のノードパスとして抽出する。
更に、抽出部104は、第2の接続ノードである「製造部」が接続するCO
2排出量ノード201である「CO
2排出量 70(t)」を抽出する。そして、抽出部104は、「CO
2排出量 70(t)」から第2の接続ノードである「製造部」を経由して第2の選択ノードである「板金G」、「組立G」及び「工場」に至るノードパスを第2のノードパスとして抽出する。
【0058】
図13のステップS11では、抽出部104は、按分割合データを取得する。按分割合データは、上位ノードが接続するCO
2排出量ノード201のCO
2排出量から2以上の下位ノードの各々のCO
2排出量を推定するためのデータである。
図14の例では、按分割合データは、「製造部」が接続するCO
2排出量ノード201である「CO
2排出量 70(t)」から「板金G」及び「組立G」の各々のCO
2排出量を推定するためのデータである。この場合は、按分割合データとして、例えば、部門の所属人数を用いることができる。
また、
図2の設備タグデータ205の「1F」及び「2F」の各々のCO
2排出量を推定するための按分割合データとして、例えば、設備の広さ(床面積、体積等)を用いることができる。
また、
図2の製品タグデータ206の「部品AA」及び「部品AB」の各々のCO
2排出量を推定するための按分割合データとして、例えば、部品の製品における原価割合、重量割合等を用いることができる。
図15は、ステップS11の処理の結果を示す。
図15では、按分割合データとして、部門の所属人数が用いられている。「板金G」の所属人数は30人である。また、「組立G」の所属人数は40人である。抽出部104は、「板金G」に按分割合「30人」を設定する。また、抽出部104は、「組立G」に按分割合「40人」を設定する。
【0059】
図13のステップS12において、抽出部104は、按分割合に基づき、下位ノードのCO
2排出量を推定する。そして、抽出部104は、推定により得られた推定CO
2排出量を下位ノードに設定する。
図15の例では、抽出部104は、「製造部」が接続する「CO
2排出量 70(t)」を、按分割合に基づき、「30:40」に按分する。つまり、抽出部104は、「板金G」のCO
2排出量として「30(t)」を推定し、「組立G」のCO
2排出量として「40(t)」を推定する。そして、抽出部104は、「板金G」のタグノードに「CO
2排出量 30(t)」を設定し、「組立G」のタグノードに「CO
2排出量 40(t)」を設定する。
図16は、ステップS12の処理の結果を示す。
【0060】
図13のステップS13では、抽出部104は、CO
2排出量ノード201が同じ第1のノードパスと第2のノードパスとを連結する。なお、ステップS13では、抽出部104は、CO
2排出量と推定CO
2排出量の合計値とが同じ場合にも、第1のノードパスと第2のノードパスとを連結する。
具体的には、
図16において、「Scope3」に接続する「CO
2排出量 70(t)」は、「板金G」に接続する「CO
2排出量 30(t)」と「組立G」に接続する「CO
2排出量 40(t)」との合計値と同じである。このため、抽出部104は、「Scope3」のノードパスを、「板金G」のノードパスと「組立G」のノードパスとに連結する。
図17は、ステップS13の処理の結果を示す。
【0061】
なお、
図13のステップS3~ステップS7は、実施の形態1に説明したものと同様である。このため、ステップS3~ステップS7の説明は省略する。
【0062】
このように、最下層以外のタグノードにCO2排出量ノード201が接続されている場合であっても、様々な分析軸の組み合わせによりCO2排出量を分析することができる。また、最下層以外のタグノードにCO2排出量ノード201が接続されている場合であっても、分析結果を可視化することができる。
【0063】
以上、実施の形態1及び2を説明したが、これら2つの実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。
あるいは、これら2つの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。
あるいは、これら2つの実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
また、これら2つの実施の形態に記載された構成及び手順を必要に応じて変更してもよい。
【0064】
***ハードウェア構成の補足説明***
最後に、排出量管理装置100のハードウェア構成の補足説明を行う。
図18に示すプロセッサ901は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ901は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
図18に示す主記憶装置902は、RAM(Random Access Memory)である。
図18に示す補助記憶装置903は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等である。
図18に示す通信装置904は、データの通信処理を実行する電子回路である。
通信装置904は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
【0065】
また、補助記憶装置903には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ901により実行される。
プロセッサ901はOSの少なくとも一部を実行しながら、データ管理部101、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の機能を実現するプログラムを実行する。
プロセッサ901がOSを実行することで、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理、通信制御等が行われる。
また、データ管理部101、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の処理の結果を示す情報、データ、信号値及び変数値の少なくともいずれかが、主記憶装置902、補助記憶装置903、プロセッサ901内のレジスタ及びキャッシュメモリの少なくともいずれかに記憶される。
また、データ管理部101、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。そして、データ管理部101、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の機能を実現するプログラムが格納された可搬記録媒体を流通させてもよい。
【0066】
また、データ管理部101、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105の少なくともいずれかの「部」を、「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」又は「サーキットリー」に読み替えてもよい。
また、排出量管理装置100は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)である。
この場合は、データ管理部101、指示取得部103、抽出部104及び可視化部105は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
【符号の説明】
【0067】
100 排出量管理装置、101 データ管理部、102 記憶部、103 指示取得部、104 抽出部、105 可視化部、200 階層構造データ、201 CO2排出量ノード、202 タグデータ、203 分類タグデータ、204 部門タグデータ、205 設備タグデータ、206 製品タグデータ、300 可視化情報、901 プロセッサ、902 主記憶装置、903 補助記憶装置、904 通信装置、905 入出力装置。