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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-09
(45)【発行日】2025-06-17
(54)【発明の名称】深海採鉱混合輸送システム
(51)【国際特許分類】
   E21C 50/00 20060101AFI20250610BHJP
【FI】
E21C50/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2025040098
(22)【出願日】2025-03-13
【審査請求日】2025-03-13
(31)【優先権主張番号】202411206570.6
(32)【優先日】2024-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154254
【氏名又は名称】江蘇科技大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.2 Mengxi Road,Zhenjiang,Jiangsu 212003,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 健
(72)【発明者】
【氏名】何 睿
(72)【発明者】
【氏名】于 宗氷
(72)【発明者】
【氏名】展 銘
(72)【発明者】
【氏名】王 崎宇
(72)【発明者】
【氏名】凌 有臨
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特公昭49-5082(JP,B1)
【文献】特開昭60-10093(JP,A)
【文献】特開昭58-138895(JP,A)
【文献】特開2000-248874(JP,A)
【文献】実開昭62-185787(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21C 50/00~50/02
E21C 41/00~41/32
E21C 45/00~45/08
E21C 47/00~47/10
E21C 49/00~49/04
E21B 43/00~43/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次配置されたホース(A06)、中継ステーション(A04)及びリフトハードパイプ(A02)を備え、ホース(A06)にホースポンプ(A05)が取り付けられ、リフトハードパイプ(A02)に斜流ポンプ(A03)が取り付けられ、ホース(A06)の入口が鉱石材料スタック(A07)にあり、リフトハードパイプ(A02)の出口が母船(A01)に接続されている深海採鉱混合輸送システムにおいて、
前記中継ステーション(A04)は、一つのバンカー(1)を有し、バンカー(1)は、上端が入り口であり、下端に鉱石材料制御筒(3)が密封するように接続され、鉱石材料制御筒(3)には、鉱石材料供給管(2)が同軸心に隙間あったまま挿入され、鉱石材料供給管(2)は、上向きに鉱石材料制御筒(3)を貫通してバンカー(1)の内まで延び、鉱石材料供給管(2)の下端が鉱石材料制御筒(3)から突き出てリフトハードパイプ(A02)に固定的に接続され、バンカー(1)の中に延びる鉱石材料供給管(2)の側壁には、螺旋状に分布した複数の鉱石材料供給口網目(22)が開設され、鉱石材料供給口網目(22)は鉱石材料供給管(2)の上部に螺旋状に分布しており、鉱石材料制御筒(3)の下端にガイドフランジ(36)が固定的に接続され、ガイドフランジ(36)に海水を流入可能な海水流入口(37)が設けられており、
鉱石材料制御筒(3)の下方には鉱石材料供給管(2)の側壁に接続される自動制御油圧シリンダ(5)が設けられており、自動制御油圧シリンダ(5)は、上端がピストン端であって鉱石材料制御筒(3)の下端にヒンジ接続されて、鉱石材料制御筒(3)を連動させて上下に移動させることができ、
自動制御油圧シリンダ(5)は、制御弁(52)、油圧シリンダ(513)及びピストンロッド(501)を含み、制御弁(52)は、油圧シリンダ(513)の直下において油圧シリンダ(513)の下端に密封するように接続されており、弁体(530)の上部には軸方向の第1油口(a)が開設され、弁体(530)の側壁には第2油口(b)、油供給口(531)及び油吐出口(532)が開設されており、第1油口(a)は油圧シリンダ(513)のロッド無しキャビティと連通し、第2油口(b)は油圧シリンダ(513)のロッドありキャビティと連通しており、
制御弁(52)は、弁体(530)、指示バルブコア(53)及び追従バルブコア(505)を含み、指示バルブコア(53)は、バルブコアスリーブ(511)とバルブコア軸(512)を含み、指示バルブコア(53)は、下端が下向きに密封的に弁体(530)の外部へ突き出て且つ制御ロッド(508)に固定的に接続されており、追従バルブコア(505)は、バルブコアスリーブ(511)とバルブコア軸(512)との間に嵌め込まれ且つ上端が弁体(530)の上端から突き出てボルト(503)に接続されており、ボルト(503)と油圧シリンダ(513)中のピストン(502)は螺旋ペアを構成しており、
制御ロッド(508)を回転させて、指示バルブコア(53)の弁体(530)に対する位置を変更させ、追従バルブコア(505)が指示バルブコア(53)との相対的偏向方向により、油圧シリンダ(513)の両端の油供給、油排出方向を連通させ、ピストン(502)を駆動して上下に移動させ、追従バルブコア(505)を連動させて指示バルブコア(53)で設置された偏向方向へ回転させ、ピストン(502)が油圧シリンダ(513)に止まる軸方向位置を設置し、ピストン(502)が設置位置に到達すると、追従バルブコア(505)は自動的に第1、第2油口(a、b)を閉め、油供給口(531)と油吐出口(532)を連通させることを特徴とする、深海採鉱混合輸送システム。
【請求項2】
弁体(530)の中心には、下部の孔径が大きくて上部の孔径が小さい貫通バルブコア装着孔が設けられ、バルブコア装着孔の上部の内に追従バルブコア(505)の上部が嵌め込まれ、バルブコア装着孔の大孔径と段階平面との曲がり角に斜角が設けられており、弁体(530)、バルブコアスリーブ(511)及び追従バルブコア(505)は斜角で囲んで密閉空間(535)を形成しており、バルブコアスリーブ(511)は、下が小さくて上が大きい段階ブッシングであり、上部の中心に第1内孔(540)が設けられ、追従バルブコア(505)の下部が第1内孔(540)に嵌め込まれ、バルブコア軸(512)の上部が追従バルブコア(505)の内孔に嵌め込まれており、
バルブコアスリーブ(511)の上部側壁には、同じで側壁を貫通する円弧孔が四つ設けられており、円弧孔は中心角が150°~160°であり、同一の径方向断面に均一に分布した二つの円弧孔は1グループとなり、各グループ中の二つの円弧孔は径方向に対向しており、2グループの円弧孔は、軸方向に平行し、径方向の中心線に90度ずれて分布しており、下のグループの二つの円弧孔はA孔(543)とB孔(544)であり、上のグループの二つの円弧孔はC孔(546)、D孔(545)であり、油供給口(531)はB孔(544)と連通し、油吐出口(532)はA孔(543)と連通し、D孔(545)は第2油口(b)と連通し、C孔(546)とバルブコアスリーブ(511)の上端面との間に軸方向のK油孔(547)が設けられており、K油孔(547)は密閉空間(535)を介して第1油孔(a)と連通し、バルブコア軸(512)の上部の中部にF槽(548)が設けられており、F槽(548)は、槽底部がバルブコア軸(512)の中心軸線を超えた平面であり、追従バルブコア(505)は、下の直径が大きくて上の直径が小さい1段階円柱形であり、下部の中心にバルブコア軸(512)の上部を係合させる第2内孔(555)が開設され、バルブコア軸(512)の下部はバルブコアスリーブ(511)の下部小孔の中に延びて固定されており、追従バルブコア(505)の下部側壁には、対称するM腰形孔(551)とN腰形孔(552)が開設されており、二つの腰形孔は、長さがバルブコアスリーブ(511)における2グループの円弧孔の軸方向距離に対応し、幅がC孔(546)、D孔(545)の両端を径方向に接続した箇所によって完全に覆われることが可能であり、初期状態にある時に、M腰形孔(551)とN腰形孔(552)はちょうどC孔(546)、D孔(545)の間の二つの接続箇所に位置し、B孔(544)、A孔(543)とC孔(546)、D孔(545)の間の連通を遮断していることを特徴とする、請求項1に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項3】
A孔(543)の下側のバルブコアスリーブ(511)の段階面において、径方向にE槽(541)が設けられており、E槽(541)は、径方向起点、方向、弧度がA孔(543)と同じであり、軸方向にA孔(543)と平行しており、第1位置規制ネジ(520)をE槽(541)に係合させてバルブコアスリーブ(511)の回転角度を制限し、追従バルブコア(505)の下端には径方向にM腰形孔(551)とN腰形孔(552)との間に位置するG槽(553)が設けられており、G槽(553)の径方向角度が前記E槽(541)以上であり、G槽(553)とバルブコアスリーブ(511)との間に第2位置規制ネジ(510)を係合させて、追従バルブコア(505)のバルブコアスリーブ(511)での回転範囲を制限することを特徴とする、請求項2に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項4】
前記ボルト(503)には対称する二つの円弧螺旋槽が設けられ、ピストン(502)の内孔に径方向に対称する二つの鋼球が設けられ、対称する二つの円弧螺旋槽とピストン(502)における径方向に対称して設けられた二つの鋼球とが協働し、ピストン(502)が上下に移動する時に、鋼球は円弧螺旋槽に沿ってボルト(503)に作用し、ピストン(502)の軸方向移動をボルト(503)の回転角度に変換し、ボルト(503)はピストン(502)の全ストロークにおける回転角度が150°~160°であることを特徴とする、請求項1に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項5】
油供給口(531)と油吐出口(532)との間にオーバーフローバルブ(560)が接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項6】
オーバーフローバルブ(560)は、鋼球(561)、圧縮バネ(562)、調圧ねじ(563)及びオーバーフロー口(564)を含み、弁体(530)に油供給口(531)と連通する孔が開設されており、この孔に鋼球(561)と圧縮バネ(562)が取り付けられ、鋼球(561)は油供給口(531)に近接しており、圧縮バネ(562)は一端が鋼球(561)に接続され、他端が調圧ねじ(563)に接続されており、オーバーフロー口(564)は油吐出口(532)と連通しており、調圧ねじ(563)は圧縮バネ(562)の長さを調整することで、鋼球(561)が油供給口(531)に与える圧力を調整することを特徴とする、請求項5に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項7】
鉱石材料供給管(2)の上端に管錐(21)が設けられ、鉱石材料制御筒(3)の上端面には、上部外径が小さくて下部外径が大きく、円錐台形であり、中央に貫通孔が開設された鉱石材料除去リング(35)が固定的に接続されており、鉱石材料供給管(2)は鉱石材料除去リング(35)に開設された貫通孔を貫通して、鉱石材料除去リング(35)に対して隙間嵌めされることを特徴とする、請求項1に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項8】
弁体(530)の下端面に密封するエンドカバーが設けられており、弁体(530)の下エンドカバーと油圧シリンダ(513)の上エンドカバーはいずれも延びるように固定板(507)が形成されており、固定板(507)によって自動制御油圧シリンダ(5)を鉱石材料供給管(2)に固定的に接続することを特徴とする、請求項1に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項9】
前記自動制御油圧シリンダ(5)は二つあり、二つの自動制御油圧シリンダ(5)は構造が同じであり、径方向に対称して配置され、いずれも鉱石材料供給管(2)の中心軸と平行し、各自動制御油圧シリンダ(5)はいずれも鉱石材料制御筒(3)に接続され、二つの自動制御油圧シリンダ(5)は同期して動作することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【請求項10】
前記鉱石材料制御筒(3)の代わりに鉱石材料制御筒組立体(6)が用いられ、鉱石材料制御筒組立体(6)は、上から下へ、それぞれ管錐リング(31)、螺旋スクレーパ(32)、仕切り板(34)及び鉱石材料仕切り筒(33)であり、鉱石材料仕切り筒(33)の下部が自動制御油圧シリンダ(5)にヒンジ接続され、管錐リング(31)と鉱石材料供給管(2)との間に隙間があり、螺旋スクレーパ(32)のピッチ及びリードと鉱石材料供給口網目(22)のピッチ及びリードが整数倍関係にあり、螺旋スクレーパ(32)、仕切り板(34)と鉱石材料供給管(2)とが隙間嵌めされ、仕切り板(34)の鉱石材料供給管(2)と協働する面に密封槽(41)が設けられ、密封槽(41)内に充填材が設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の深海採鉱混合輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深海採鉱設備の技術分野に関し、具体的には、海底の鉱石、海水等を母船に輸送する深海採鉱混合輸送システムである。
【背景技術】
【0002】
深海採鉱混合輸送システムは、ホース、ホースポンプ、中継ステーション、斜流ポンプ、リフトハードパイプ、母船を含み、中継ステーションは、バンカー、油圧ステーション、鉱石材料供給管等を含む。混合輸送システムは、海底の鉱石粒子と海水をホースとホースポンプによって中継ステーションのバンカーまで輸送し、バンカーは、底部のリフトハードパイプの鉱石材料供給機構及び斜流ポンプ、リフトハードパイプによって、鉱石スラリーをバンカーから海面母船まで輸送し、つまり、バンカーは、海底鉱石材料の集積と中継機能を担う。
【0003】
深海採鉱混合輸送システムは、リフトハードパイプと斜流ポンプによって、バンカーから鉱石スラリーを引き上げる。鉱石スラリーが引き上げられる高さが高いことに加えて、リフトハードパイプの管径と鉱石スラリーの流速に制限されているため、鉱石粒子サイズの大きさ及び鉱石スラリーの濃度は厳しく要求されている。大きい鉱石粒子サイズと高い鉱石スラリー濃度のいずれによってもリフトハードパイプと斜流ポンプが詰まりやすく、更に深海採鉱混合輸送システムの作業効率に影響を及ぼす。
【0004】
鉱石材料粒子のサイズが大き過ぎてリフトハードパイプと斜流ポンプが詰まることを回避するために、中国特許出願番号が2024104358527で、名称が「深海採鉱システム」である文献に開示されたシステムにおいては、鉱石材料をリフトハードパイプで輸送する前に、鉱石材料を破砕し、篩分けした上でバンカーに運搬するように設計することで、鉱石材料粒子のサイズが大き過ぎてリフトハードパイプが詰まるという問題を解決したが、バンカーに入った鉱石材料粒子が全てサイズの合格したものであることが保証できないという問題があった。破砕後の鉱石材料の粒子形状が不規則で、一部の鉱石材料粒子の長さ方向のサイズが篩網のサイズを超えていても篩網の網目を通ったこと、篩網が局所的に破損して直ちに発見できなかったこと、深海における他の予想外の状況によって一部の大きい鉱石材料粒子がバンカーに落ちたこと、といった3種の状況があった。
【0005】
リフトハードパイプと斜流ポンプ等の設備の安全な稼働を十分に保証するために、大きい鉱石粒子を止めるようにバンカーの底部においてリフトハードパイプの鉱石材料供給口に網目を増設することが一般である。このため、一部の鉱石材料粒子が鉱石材料供給口の網目に詰まり、ひいては、一部の鉱石材料粒子が鉱石材料供給口の網目の周囲にアーチ構造を形成して、鉱石材料粒子が常に鉱石材料供給口の網目をスムーズに通ることができなくなり、稼働時間の増加につれて、鉱石材料供給口の網目の詰まり、アーチ構造形成の現象がますます深刻になり、更にリフトハードパイプと斜流ポンプの単位時間当たりの鉱石材料輸送量に影響を及ぼす。
【0006】
また、リフトハードパイプと斜流ポンプを用いて鉱石材料を輸送する場合、鉱石材料粒子のサイズに対して要求があるだけではなく、鉱石材料の輸送濃度に対しても要求がある。しかし、従来の中継ステーションのバンカーは、鉱石材料粒子の大きさを制御できても、鉱石材料粒子による鉱石材料供給口の網目の詰まりを回避できないことに加えて、鉱石材料供給口の網目の周囲の鉱石材料粒子によるアーチ構造を解消できなく、リフトハードパイプに入る鉱石材料と海水の割合の制御が更に不可能となる。
【0007】
以上をまとめると、現在の深海採鉱混合輸送システムでは、バンカーにおけるリフトハードパイプの鉱石材料供給口の網目に清掃機構がないため、リフトハードパイプの鉱石材料供給口において網目が詰まったり、アーチ構造が形成されたりしやすくて、更にリフトハードパイプへの供給量に影響を及ぼすこと、リフトハードパイプ中の固液比が保証できなく、リフトハードパイプの鉱石材料供給口に濃度調節機構がないため、材料が多く運搬されて固液比が高いと、リフトハードパイプが詰まりやすくなり、材料が少なく運搬されて固液比が低いと、運搬効率が低下すること、といった2つの問題は主に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の欠点を克服するために、自動制御油圧シリンダを動力として、リフトハードパイプの鉱石材料供給機構によって、鉱石材料供給口の網目に対する詰まり解消、アーチ構造破砕を実現すると共に、リフトハードパイプによって輸送される鉱石材料の固液比を調節でき、深海採鉱混合輸送システムの効率的な稼働を満たす深海採鉱混合輸送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る深海採鉱混合輸送システムは、以下の技術的解決手段によって実現される。
【0010】
順次配置されたホース、中継ステーション及びリフトハードパイプを備え、ホースにホースポンプが取り付けられ、リフトハードパイプに斜流ポンプが取り付けられ、ホースの入口が鉱石材料スタックにあり、リフトハードパイプの出口が母船に接続されている深海採鉱混合輸送システムにおいて、前記中継ステーションは、一つのバンカーを有し、バンカーは、上端が入り口であり、下端に鉱石材料制御筒が密封するように接続され、鉱石材料制御筒には、鉱石材料供給管が同軸心に隙間あったまま挿入され、鉱石材料供給管は、上向きに鉱石材料制御筒を貫通してバンカーの内まで延び、鉱石材料供給管の下端が鉱石材料制御筒から突き出てリフトハードパイプに固定的に接続され、バンカーの中に延びる鉱石材料供給管の側壁には、螺旋状に分布した複数の鉱石材料供給口網目が開設され、鉱石材料供給口網目は鉱石材料供給管の上部に螺旋状に分布しており、鉱石材料制御筒の下端にガイドフランジが固定的に接続され、ガイドフランジに海水を流入可能な海水流入口が設けられており、鉱石材料制御筒の下方には鉱石材料供給管の側壁に接続される自動制御油圧シリンダが設けられており、自動制御油圧シリンダは、上端がピストン端であって鉱石材料制御筒の下端にヒンジ接続されて、鉱石材料制御筒を連動させて上下に移動させることができ、自動制御油圧シリンダは、制御弁、油圧シリンダ及びピストンロッドを含み、制御弁は、油圧シリンダの直下において油圧シリンダの下端に密封するように接続されており、弁体部には軸方向の第1油口が開設され、弁体の側壁には第2油口、油供給口及び油吐出口が開設されており、第1油口は油圧シリンダのロッド無しキャビティと連通し、第2油口は油圧シリンダのロッドありキャビティと連通しており、制御弁は、弁体、指示バルブコア及び追従バルブコアを含み、指示バルブコアは、バルブコアスリーブとバルブコア軸を含み、指示バルブコアは、下端が下向きに密封的に弁体外部の外部へ突き出て且つ制御ロッドに固定的に接続されており、追従バルブコアは、バルブコアスリーブとバルブコア軸との間に嵌め込まれ且つ上端が弁体の上端から突き出てボルトに接続されており、ボルトと油圧シリンダ中のピストンは螺旋ペアを構成しており、制御ロッドを回転させ、指示バルブコアの弁体に対する位置を変更させ、追従バルブコアが指示バルブコアとの相対的偏向方向により、油圧シリンダの両端の油供給、油排出方向を連通させ、ピストンを駆動して上下に移動させ、追従バルブコアを連動させて指示バルブコアで設置された偏向方向へ回転させ、ピストンが油圧シリンダに止まる軸方向位置を設置し、ピストンが設置位置に到達すると、追従バルブコアは自動的に第1、第2油口を閉め、油供給口と油吐出口を連通させる深海採鉱混合輸送システムである。
【0011】
更に、弁体の中心には、下部の孔径が大きくて上部の孔径が小さい貫通バルブコア装着孔が設けられ、バルブコア装着孔の上部の内に追従バルブコアの上部が嵌め込まれ、バルブコア装着孔の大孔径と段階平面との曲がり角に斜角が設けられており、弁体、バルブコアスリーブ及び追従バルブコアは斜角で囲んで密閉空間を形成しており、バルブコアスリーブは、下が小さくて上が大きい段階ブッシングであり、上部の中心に第1内孔が設けられ、追従バルブコアの下部が第1内孔に嵌め込まれ、バルブコア軸の上部が追従バルブコアの内孔に嵌め込まれており、バルブコアスリーブの上部側壁には、同じで側壁を貫通する円弧孔が四つ設けられており、円弧孔は中心角が150°~160°であり、同一の径方向断面に均一に分布した二つの円弧孔は1グループとなり、各グループ中の二つの円弧孔は径方向に対向しており、2グループの円弧孔は、軸方向に平行し、径方向の中心線に90度ずれて分布しており、下のグループの二つの円弧孔はA孔とB孔であり、上のグループの二つの円弧孔はC孔、D孔であり、油供給口はB孔と連通し、油吐出口はA孔と連通し、D孔は第2油口と連通し、C孔とバルブコアスリーブの上端面との間に軸方向のK油孔が設けられており、K油孔は前記の密閉空間と第1油孔と連通し、バルブコア軸の上部の中部にF槽が設けられており、F槽は、槽底部がバルブコア軸の中心軸線を超えた平面であり、追従バルブコアは、下の直径が大きくて上の直径が小さい1段階円柱形であり、下部の中心にバルブコア軸の上部を係合させる第2内孔が開設され、バルブコア軸の下部はバルブコアスリーブの下部小孔の中に延びて第1弾性ピンによって固定されており、追従バルブコアの下部側壁には、対称するM腰形孔とN腰形孔が開設されており、二つの腰形孔は、長さがバルブコアスリーブにおける2グループの円弧孔の軸方向距離に対応し、幅がC孔、D孔の両端を径方向に接続した箇所によって完全に覆われることが可能であり、初期状態にある時に、M腰形孔とN腰形孔はちょうどC孔、D孔の間の二つの接続箇所に位置し、B孔、A孔とC孔、D孔の間の連通を遮断している。
【0012】
更に、A孔の下側のバルブコアスリーブの段階面において、径方向にE槽が設けられており、E槽は、径方向起点、方向、弧度がA孔と同じであり、軸方向にA孔と平行しており、第1位置規制ネジをE槽に係合させてバルブコアスリーブの回転角度を制限し、追従バルブコアの下端には径方向にM腰形孔とN腰形孔との間に位置するG槽が設けられており、G槽の径方向角度が前記のE槽以上であり、G槽とバルブコアスリーブとの間に第2位置規制ネジを係合させて、追従バルブコアのバルブコアスリーブでの回転範囲を制限する。
【発明の効果】
【0013】
本発明が上記の技術的解決手段を採用した後の有益な効果は以下の通りである。
【0014】
1、本発明におけるリフトハードパイプの鉱石材料供給機構では、自動制御油圧シリンダのピストンロッドによって鉱石材料制御筒を規律的に押し付けて鉱石材料供給管に沿って上下に移動させる。第1に、鉱石材料供給口網目に詰まった鉱石材料を除去し、鉱石材料供給口網目の周囲の鉱石材料のアーチ構造を破砕することができる。鉱石材料除去リングが鉱石材料供給管に対して隙間嵌めされるため、自動制御油圧シリンダによって鉱石材料制御筒を押し付けて、鉱石材料除去リングを上へ移動させることで、鉱石材料除去リングの上端面が鉱石材料供給口網目に詰まった鉱石材料に対して押圧と剪断を行い、これによって鉱石材料供給口網目に詰まった鉱石材料を破砕し、鉱石材料供給口網目の清掃を完成する。鉱石材料供給口網目の清掃過程で、鉱石材料除去リングが鉱石材料供給管に沿って絶え間なく規律的に上下に移動し、鉱石材料供給口網目の周囲の鉱石材料を絶え間なくかき回し、鉱石材料供給口網目の周囲の鉱石材料がアーチ構造を形成できなくなる。これによって、鉱石材料供給口網目を経由してリフトハードパイプへ鉱石材料を持続的且つ安定的に輸送できることを保証する。第2に、鉱石スラリー固液比の調節を実現できる。自動制御油圧シリンダにおいてはそのピストンロッドの止まる位置を自由に設置でき、鉱石材料制御筒における鉱石材料除去リングが鉱石材料供給管に対して隙間嵌めされるため、鉱石材料制御筒と鉱石材料除去リングを用いて鉱石材料供給管における鉱石材料供給口網目を上下に割り当て、隔離することができる。一部の鉱石材料供給口網目が鉱石材料制御筒と鉱石材料除去リングによって隔離されてバンカーから離れ、即ち鉱石材料から離脱し、鉱石材料制御筒内に位置するように覆われて海と連通し、海水を吸入する。従って、自動制御油圧シリンダによって鉱石材料制御筒の上下位置を調整することで、バンカーにおける鉱石材料供給口網目の数と鉱石材料制御筒における鉱石材料供給口網目の数の割合を変更させて、鉱石スラリー固液比の調節を実現する。
【0015】
2、本発明における鉱石材料供給管のバンカー内での頂部は閉鎖され、円錐形の管錐として閉鎖され、鉱石材料供給管の管錐によってバンカー中の鉱石材料供給管上部の鉱石材料に対してアーチ構造を破砕し、鉱石材料が鉱石材料供給口上端でアーチ構造を形成することを防ぐという作用を果たす。
【0016】
3、本発明における自動制御油圧シリンダにおいては、制御ロッドの位置を回転させることで、ピストンの油圧シリンダでの位置を設置する。指示バルブコアの追従バルブコアに対する偏向方向によって、油圧シリンダ内の作動油の流動方向を決定し、即ち、油圧シリンダ内の作動油が下から入って上から出るか、上から入って下から出るかを決定する。油圧システムが動作すると、制御ロッドが、ピストンの油圧シリンダの下死点への設置、上死点への設置及び油圧シリンダの軸方向の任意位置への設置を含むピストン位置設置を行ったら、油圧システムが自動的にピストンを押し付けて設置位置方向へ移動させることができ、ピストンが移動すると、ボルトを連動させて回転させ、ボルトによって追従バルブコアを連動させて指示バルブコアに対して偏向した方向へ回転させる。ピストンが指示バルブコアで設置された位置に到達すると、追従バルブコアが自動的に弁体における上油口と下油口を閉めると同時に、自動的に弁体における油供給口と油吐出口を連通させ、油圧システムにアンロードさせる。
【0017】
また、油圧シリンダに内部リークが発生して、ピストンが設置位置に対してずれると、ボルトがピストンの移動を追従バルブコアの回転に変換し、これによって追従バルブコアが指示バルブコアに対して偏向し、追従バルブコアの回転によって指示バルブコアと構成したアンロード油路を閉め、自動的に弁体における上油口と下油口を連通させ、ピストンを押し付けて補償変位させ、ピストンが再度指示バルブコアで設置された位置に戻ると、追従バルブコアが再度上油口と下油口を閉め、弁体における油供給口、油吐出口を連通させてアンロードさせ、システムの自動的な変位補償を実現し、水中制御システムの信頼性を向上させる。
【0018】
4、システムが安定的に動作することを保証し、システムの安全性を高めるために、本発明は油供給口にオーバーフローバルブを設けて、システム動作圧力を調整してシステムの安全な作動を保証し、そのオーバーフロー口が油吐出口と連通する。オーバーフローバルブと管路が深海海底で海底圧力に耐えられ、信頼的に動作することを満たすために、本発明はオーバーフローバルブと油管を弁体内に設ける。
【0019】
5、ピストンの移動が追従バルブコアの回転と線形関係になることを保証し、システムの安定性と制御精度を向上させるために、本発明はボルトとピストンをマルチヘッドボールねじとして設置する。
【0020】
6、制御弁がアンロードする時に、本発明における追従バルブコア上のM、N孔が径方向に、指示バルブコアにおけるC、D孔の両端を径方向に接続した接続箇所によって完全に覆われることが可能であるのを保証するために、上油口、下油口が閉められることを確保し、A、B、C、D孔の径方向角度を最大限に大きくする。システム応答精度を更に向上させるために、本発明は円弧孔の円弧角度を150~160°に設定する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の深海採鉱混合輸送システムの全体構造のレイアウト模式図である。
図2】実施例1における中継ステーションA04を拡大した模式図である。
図3図2における自動制御油圧シリンダ5を90°時計回り回転させた後拡大した正面図である。
図4図3の上面図である。
図5図4におけるA-Aの拡大断面図である。
図6図3におけるバルブコアスリーブ511を拡大した斜視図である。
図7図3におけるバルブコア軸512を拡大した斜視図である。
図8図3における追従バルブコア505を拡大した斜視図である。
図9図8を回転させた後の斜視図である。
図10】実施例2における中継ステーションを拡大した模式図である。
図11】実施例3における中継ステーションを拡大した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の目的と技術的解決手段をより明らかにするために、以下、図面と実施例を参照しながら本発明を更に説明する。
【0023】
当業者であれば、別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)が、本発明が属する技術分野の当業者の一般的な理解と同じ意味を有することを理解できる。
【実施例1】
【0024】
図1に示すように、本発明の深海採鉱混合輸送システムは、水面上の母船A01と深海底部の鉱石材料スタックA07との間に設けられ、順次配置されたホースA06、中継ステーションA04及びリフトハードパイプA02を備え、ホースA06にホースポンプA05が取り付けられ、リフトハードパイプA02に斜流ポンプA03が取り付けられ、ホースA06の入口が鉱石材料スタックA07にあり、リフトハードパイプA02の出口が母船A01に接続されている。ホースポンプA05は動作し、鉱石材料スタックA07からホースA06によって鉱石を中継ステーションA04に輸送し、中継ステーションA04は、出口が中継ステーションA04の下端に設けられてハードパイプA02の入口に接続されており、ハードパイプA02は、入口が下にあり、出口が上向きに母船A01まで延びている。斜流ポンプA03は動作し、中継ステーションA04における鉱石材料をリフトハードパイプA02によって最も上方の母船A01まで上昇させる。
【0025】
図2に示すように、中継ステーションA04は、バンカー1を有し、バンカー1は、漏斗状であり、上が大きくて下が小さくなっている。バンカー1は、上端が入り口であり、ホースA06の出口に対応し、ホースA06によって運搬されてきた鉱石を受け入れる。バンカー1は、下端に漏斗口11が設けられ、漏斗口11には、下から上に向かってネジを用いてフランジ4が固定的に接続されており、フランジ4は1段階ブッシングであり、上が小さくて下が大きくなっており、上ジャーナルが位置規制ジャーナルであり、漏斗口11を係合させるものであり、フランジ4のフランジ内孔に密封槽41が設けられ、密封槽41にウールフェルト充填材が設けられている。フランジ4の軸孔に鉱石材料制御筒3が設けられている。鉱石材料制御筒3は中空円筒構造であり、鉱石材料制御筒3には、鉱石材料供給管2が同軸心に隙間あったまま挿入され、このように鉱石材料制御筒3は鉱石材料供給管2に外嵌合され、且つ軸方向に沿って上下に移動でき、鉱石材料供給管2は、上向きに鉱石材料制御筒3を貫通してバンカー1の内まで延び、鉱石材料供給管2の下端が鉱石材料制御筒3の下端から突き出てリフトハードパイプA02に固定的に接続される。バンカー1、フランジ4、密封槽41、鉱石材料制御筒3、鉱石材料供給管2は中心軸が共線である。
【0026】
バンカー1の中に延びる鉱石材料供給管2の一部の側壁には複数の鉱石材料供給口網目22が開設され、鉱石材料供給口網目22は鉱石材料供給管2の上部に螺旋状に分布している。鉱石材料供給口網目22の孔径の大きさは輸送しようとする鉱石材料の大きさに応じて設計される。鉱石材料供給口網目22の作用は鉱石材料供給管2へ鉱石材料を輸送することであり、バンカー1中の鉱石材料は鉱石材料供給管2に入る。鉱石材料制御筒3が上へ移動すると、一部の鉱石材料供給口網目22が鉱石材料制御筒3の中に位置するようになり、鉱石材料制御筒3の上への移動位置が高くなるほど、鉱石材料制御筒3に入る鉱石材料供給口網目22が多くなる。
【0027】
鉱石材料供給管2の上端に管錐21が設けられ、即ち、バンカー1における鉱石材料供給管2の頂部は管錐21によって閉鎖され、その目的はアーチ構造を破砕し、鉱石材料が鉱石材料供給口網目22の上端でアーチ構造を形成してリフトハードパイプA02の運搬効率に影響を及ぼすのを防止することである。
【0028】
鉱石材料制御筒3の上端面には、ネジによって鉱石材料除去リング35が固定的に接続されている。鉱石材料除去リング35は、上部外径が小さくて下部外径が大きくなっており、外形が円錐台形となり、中央に貫通孔が開設されている。鉱石材料供給管2は鉱石材料除去リング35に開設された対応する貫通孔を貫通して、鉱石材料除去リング35に対して隙間嵌めされる。鉱石材料制御筒3が上下に移動すると、鉱石材料除去リング35もそれに伴ってスムーズにスライドし、鉱石材料制御筒3の上り抵抗力を軽減すると共に、鉱石材料除去リング35の上端の鉱石材料除去口の強度を保証する。このようにして、鉱石材料除去リング35はその上端によって、鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石粒子に対して押圧剪断破砕を行う。鉱石材料除去リング35は鉱石材料供給管2を絶えず上下にスライドすると同時に、鉱石材料が鉱石材料供給口網目22の周囲でアーチ構造を形成することを回避し、鉱石材料供給口網目22を経由して鉱石材料を鉱石材料供給管2へ持続的且つ安定的に輸送できることを保証する。
【0029】
鉱石材料制御筒3の下端にガイドフランジ36が設けられ、ガイドフランジ36がネジによって鉱石材料制御筒3に固定的に接続されており、このようにして、鉱石材料制御筒3の下端がガイドフランジ36によって鉱石材料供給管2と相互に係合し、ガイドフランジ36と鉱石材料供給管2が隙間嵌めされ、これによって、鉱石材料制御筒3はその径方向での作用力点が一つしかなくても上下にスムーズに移動でき、セルフロッキングすることがないのを保証する。
【0030】
ガイドフランジ36のフランジ縁部に少なくとも一つのプロセス切り欠きが設けられ、ガイドフランジ36に更に少なくとも一つの海水流入口37が設けられており、このように、鉱石材料制御筒3の内部が海水と連通するようになり、鉱石材料制御筒3の中の海水は鉱石材料供給口網目22を通過して鉱石材料供給管2に入るため、海水流入口37は鉱石材料制御筒3に入った鉱石材料供給口網目22に海水を提供する。
【0031】
ガイドフランジ36の縁部に切り欠き38が設けられており、鉱石材料制御筒3と自動制御油圧シリンダ5を接続するために空間を提供する。自動制御油圧シリンダ5は、鉱石材料制御筒3の下方に設けられ、鉱石材料供給管2のそばに位置し、鉱石材料供給管2の側壁に固定的に接続されている。自動制御油圧シリンダ5は、中心軸が鉱石材料制御筒3、鉱石材料供給管2の中心軸と平行している。自動制御油圧シリンダ5は、上端がピストン端であって鉱石材料制御筒3の下端にヒンジ接続されて、鉱石材料制御筒3を連動させて上下に移動させる。
【0032】
鉱石材料制御筒3が自動制御油圧シリンダ5と連動して上へ移動すると、鉱石材料除去リング35は、鉱石材料を破砕したり、アーチ構造を破砕したりする時に、バンカー1の漏斗口11を密封し、即ち、鉱石材料制御筒3が漏斗口11に密封するように接続され、バンカー1の中の鉱石材料が海に落ちることを防止し、一方、鉱石材料供給管2における鉱石材料供給口網目22を上下に隔離し、鉱石材料供給管2内の鉱石スラリー濃度の調節を解決する。
【0033】
複数の鉱石材料供給口網目22は鉱石材料供給管2の一部の側壁において螺旋状に分布しており、螺旋状に上昇する隣接する二つの鉱石材料供給口網目22は等間隔で分布しており、このようにして、鉱石材料除去リング35が鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石粒子に対して押圧と剪断を行う時に、鉱石材料供給管2の各断面において同時にせん断される鉱石材料供給口網目22の数が比較的均一であるため、自動制御油圧シリンダ5が受ける力も均一である。
【0034】
図3図4図5図6図7図8図9に示すように、自動制御油圧シリンダ5は、制御弁52、油圧シリンダ513及びピストンロッド501を含み、三者の中心軸が共線である。自動制御油圧シリンダ5は、作動油が深海採鉱混合輸送システム油圧ステーションから提供され、油圧シリンダ513は単動シリンダであり、上エンドカバーによって密封されている。制御弁52は油圧シリンダ513の直下にあり、油圧シリンダ513の下端に密封するように固定的に接続されている。ピストンロッド501は、油圧シリンダ513の上エンドカバーからシリンダ本体の外へ延びており、ピストンロッド501の上端がピストンロッドヒンジ51であり、ピストンロッドヒンジ51は油圧シリンダ513の外の上方に延びており、鉱石材料制御筒3の下部はピストンロッドヒンジ51に接続されており、ピストンロッド501はピストンロッドヒンジ51を介して鉱石材料制御筒3を連動させて移動させる。
【0035】
制御弁52は、油圧シリンダ513の下端に密封するように固定的に接続されており、弁体530、指示バルブコア53及び追従バルブコア505を含み、指示バルブコア53は、バルブコアスリーブ511とバルブコア軸512を含み、それらの中心軸は全て共線である。弁体530の外径は油圧シリンダ513の外径と同じである。指示バルブコア53は、下端が下向きに密封的に弁体530の外部へ突き出て且つ制御ロッド508に固定的に接続されており、制御ロッド508は自動制御油圧シリンダ5全体の最も下方にある。
【0036】
弁体530の下端面に密封するエンドカバーが設けられており、弁体530の下エンドカバーと油圧シリンダ513の上エンドカバーは鉱石材料供給管2の側壁に固定的に接続されて、自動制御油圧シリンダ5全体を固定する。弁体530の下エンドカバーと油圧シリンダ513の上エンドカバーはいずれも延びるように固定板507が形成されており、固定板507は自動制御油圧シリンダ5を鉱石材料供給管2に固定する取り付け脚であり、固定板507によって自動制御油圧シリンダ5を鉱石材料供給管2に固定する。
【0037】
弁体530は、外形が段階軸であり、下の外径が大きくて上の外径が小さくなっており、段階面が油圧シリンダ513の下端面に密着し、下部段階大軸の外径が油圧シリンダ513の外径と同じであり、上部段階小軸の外径が油圧シリンダ513の内径と等しくて油圧シリンダ513の中に延びて油圧シリンダ513の内壁に固定的に密封接続され、軸方向にピストン502と接触しなく、弁体530とピストン502の両者の間は油圧シリンダ513のロッド無しキャビティとなる。
【0038】
弁体530の中心にバルブコア装着孔が設けられており、バルブコア装着孔は、弁体530を上下に貫通し、1段階孔であり、下部の孔径が大きくて上部の孔径が小さくなっており、バルブコアスリーブ511がバルブコア装着孔の大孔内部に嵌め込まれ、バルブコア装着孔の上部小孔の内部には追従バルブコア505の上部が嵌め込まれている。
【0039】
バルブコア装着孔の大孔径と段階平面との曲がり角に斜角が設けられており、このようにして、バルブコア装着孔は弁体530、バルブコアスリーブ511及び追従バルブコア505によって段階平面で囲まれて密閉空間535を形成している。
【0040】
弁体530の上部に軸方向の第1油口aが開設され、弁体530の側壁に第2油口b、油供給口531及び油吐出口532が開設されており、第1油口aは密閉空間535と油圧シリンダ513のロッド無しキャビティを連通させ、第2油口bは油圧シリンダ513のロッドありキャビティと連通している。
【0041】
図5に示すように、油供給口531と油吐出口532との間にオーバーフローバルブ560が接続されており、オーバーフローバルブ560は、鋼球561、圧縮バネ562、調圧ねじ563及びオーバーフロー口564を含み、弁体530に油供給口531と連通する孔が開設されており、この孔に鋼球561と圧縮バネ562が取り付けられ、鋼球561は油供給口531に近接しており、圧縮バネ562は一端が鋼球561に接続され、他端が調圧ねじ563に接続されており、オーバーフロー口564は油吐出口532と連通している。調圧ねじ563は圧縮バネ562の長さを調整することで、鋼球561が油供給口531に与える圧力を調整する。
【0042】
弁体530の油吐出口532の下方において、それと同一水平断面には径方向の第1ねじ穴533が開設され、第1ねじ穴533に第1位置規制ネジ520が設けられており、第1位置規制ネジ520は径方向に内に向かってバルブコアスリーブ511を規制する。
【0043】
図6に示すように、バルブコアスリーブ511は、円柱形であり、下の外径が小さくて上の外径が大きくなっており、下が小さくて上が大きい段階ブッシングであり、上部の中心に第1内孔540が開設されている。第1内孔540は、1段階止まり穴であり、下部内孔直径が小さくて上部内孔直径が大きくなっており、下が小さくて上が大きい段階止まり穴である。バルブコア軸512は、1段階軸であり、下部外径が小さくて上部外径が大きくなっており、下が小さくて上が大きい段階軸であり、第1内孔540には、外から内に向かって、追従バルブコア505とバルブコア軸512が同軸心に順次に嵌め込まれており、具体的には、追従バルブコア505の下部が第1内孔540に嵌め込まれ、バルブコア軸512の上部が追従バルブコア505の内孔に嵌め込まれている。
【0044】
バルブコアスリーブ511の上部側壁には、外形サイズが同じで側壁を貫通する円弧孔が四つ設けられており、円弧孔は、径方向中心角が150°~160°であり、上下のグループに分けられ、同一の径方向断面に均一に分布した二つの円弧孔が1グループとなる。各グループ中の二つの円弧孔は径方向に対向しており、2グループの円弧孔は、軸方向に平行し、径方向の中心線に90度ずれて分布している。ここで、下のグループの二つの円弧孔をA孔543とB孔544と記し、上のグループの二つの円弧孔をC孔546、D孔545と記する。油供給口531はB孔544と連通し、油吐出口532はA孔543と連通している。D孔545は第2油口bと連通している。
【0045】
A孔543の下側のバルブコアスリーブ511の段階面において、径方向にE槽541が設けられており、E槽541は、径方向起点、方向、弧度がA孔543と同じであり、軸方向にA孔543と平行している。弁体530には第1ねじ穴533が開設されており、その中において第1位置規制ネジ520をE槽541に係合させ、バルブコアスリーブ511の回転角度を制限できる。
【0046】
C孔546とバルブコアスリーブ511の上端面との間に軸方向のK油孔547が設けられている。バルブコアスリーブ511における、D孔545の軸方向中心に沿った、A孔543とB孔544との間の対称断面である、A孔543、B孔544の下方に、径方向の第2ねじ穴542と第1スプリングピン509固定孔が順次設けられている。
【0047】
バルブコア軸512の上部の中部にF槽548が設けられており、F槽548は、槽底部がバルブコア軸512の中心軸線を超えた平面であり、つまり、槽の深さがバルブコア軸512の上部の半径より大きい。バルブコア軸512の軸方向に沿って対称する垂直二等分面であってバルブコア軸512の下部に、上記第1スプリングピン509固定孔が設けられており、即ち、バルブコア軸512とバルブコアスリーブ511に共通の第1スプリングピン509固定孔が開設されており、第1スプリングピン509及びその固定孔によってバルブコア軸512がバルブコアスリーブ511の内に固定的に接続される。
【0048】
追従バルブコア505は、外形が1段階円柱形であり、その下の直径が大きくて上の直径が小さくなっており、下部の中心に軸方向の第2内孔555が開設されており、バルブコア軸512の上部が第2内孔555に係合され、即ち、バルブコア軸512の上部が追従バルブコア505の下部大孔に嵌め込まれ、バルブコア軸512の下部が下向きにバルブコアスリーブ511の下部小孔の中に延びて第1弾性ピン509によって固定される。
【0049】
追従バルブコア505の下部外周がバルブコアスリーブ511の第1内孔540に係合され、追従バルブコア505の下部側壁には、追従バルブコア505の中心軸に対して対称する二つの軸方向の腰形孔が開設されており、それぞれM腰形孔551、N腰形孔552と記し、二つの腰形孔は、長さがバルブコアスリーブ511における2グループの円弧孔の軸方向距離に対応し、幅がバルブコアスリーブ511におけるC孔546、D孔545の両端を径方向に接続した箇所によって完全に覆われることが可能である。制御弁52が初期状態にある時に、追従バルブコア505のM腰形孔551、N腰形孔552はちょうどC孔546、D孔545の間の二つの接続箇所に位置し、B孔544、A孔543とC孔546、D孔545の間の連通を遮断しており、これによって第1油口aと第2油口bの油路を断ち切り、油圧シリンダ513の油供給排出を停止させ、制御弁52がアンロードする時に第1油口a、第2油口bが閉められていることを確保する。
【0050】
追従バルブコア505の下端に径方向にG槽553が設けられており、G槽553は、M腰形孔551とN腰形孔552の中間に位置し、その径方向角度がE槽541以上である。追従バルブコア505のG槽553はバルブコアスリーブ511における第2ねじ穴542内の第2位置規制ネジ510を係合させ、追従バルブコア505のバルブコアスリーブ511での回転範囲を制限する。
【0051】
追従バルブコア505の上部が弁体530におけるバルブコア装着孔に係合され、追従バルブコア505の上部軸に軸方向のH槽554が設けられ、H槽554が第2弾性ピン504を介してボルト503の下端に固定的に接続されている。ボルト503には対称する2本の円弧螺旋槽が設けられ、ピストン502の内孔に径方向に対称する二つの鋼球が設けられ、対称する2本の円弧螺旋槽とピストン502における径方向に対称して設けられた二つの鋼球とが協働し、ピストン502が上下に移動する時に、鋼球は円弧螺旋槽に沿ってボルト503に作用し、ピストン502の軸方向移動をボルト503の回転角度に変換し、鋼球によって、ボルト503とピストン502との間の摩擦力が軽減される。ボルト503の長さは油圧シリンダ513の長さとマッチングしており、ピストンロッド501は中空ロッドであり、ボルト503はピストン502によってピストンロッド501の中空部に入ることができる。ピストン502は油圧シリンダ513の下端から上端に移動し、ボルト503はピストン502の全ストロークにおける回転角度が150°~160°である。ボルトの長さは油圧シリンダ513の軸方向距離以上である。
【0052】
指示バルブコア53と追従バルブコア505の弁体530への実装が完了した後、弁体530のバルブコア装着孔の段階面の曲がり角に斜角が設けられ、その斜面と追従バルブコア505の外径、バルブコアスリーブ511の上端面の間の断面が三角形の密閉空間535を形成し、この密閉空間535はK油孔547と第1油孔aと連通している。
【0053】
追従バルブコア505は指示バルブコア53と協働し、バルブコアスリーブ511とバルブコア軸512との間に嵌め込まれ、追従バルブコア505は上端が弁体530の上端を貫通してボルトに接続され、ピストン502と共に螺旋ペアを構成する。制御ロッド508を回転させて、指示バルブコア53の弁体530に対する位置を変更させ、追従バルブコア505は指示バルブコア53との相対的偏向方向により、油圧シリンダ513の両端の油供給、油排出方向を連通させるように自動的に選択し、ピストン502を駆動して上向き又は下向きに移動させ、これによって、ピストン502はボルトを介して追従バルブコア505を連動させて指示バルブコア53で設置された偏向方向へ回転させ、これでピストン502が油圧シリンダ513に止まる軸方向位置を設置することができる。ピストン502が設置位置に到達すると、追従バルブコア505は自動的に油圧シリンダ513の両端の第1油口aと第2油口bを閉めると同時に、油供給口531、油吐出口532を連通させてアンロードする。
【0054】
自動制御油圧シリンダ5は三種の動作状態がある。
【0055】
1、ピストンロッド501が縮む。
【0056】
外部の汎用の駆動装置によって制御ロッド508を駆動して回転させ(汎用の駆動装置が図示されていない)、下から上へ視認すると、駆動装置が制御ロッド508を駆動して反時計回りに回転させる時に、指示バルブコア53のバルブコア軸512がバルブコアスリーブ511と同期して回転し、指示バルブコア53が追従バルブコア505に対して反時計回りに回転し、指示バルブコア53が初期状態から回転し、追従バルブコア505におけるM腰形孔551、N腰形孔552の位置とバルブコアスリーブ511におけるC孔546、D孔545の径方向位置が変わり、追従バルブコア505がB孔544、A孔543とC孔546、D孔545の間の連通を遮断しなくなり、B孔544、A孔543とC孔546、D孔545を連通させる。この時に、油供給口531から入った作動油が順次バルブコアスリーブ511におけるB孔544、追従バルブコア505におけるM腰形孔551、バルブコアスリーブ511におけるD孔545、第2油口b、油圧シリンダ513ロッドありキャビティを流れる。同時に、油圧シリンダ513のロッド無しキャビティにおける作動油が順次第1油口a、バルブコアスリーブ511におけるK油孔547、C孔546、追従バルブコア505におけるN腰形孔552、バルブコアスリーブ511におけるA孔543を流れ、最後に油吐出口532から排出される。これによってピストン502を押し付けて上から下へ移動させ、ピストンロッド501は縮んで鉱石材料制御筒3を下向きに連動させる。
【0057】
2、ピストンロッド501が伸びる。
【0058】
制御ロッド508を駆動して時計回りに回転させ、油供給口531から入った作動油が順次バルブコアスリーブ511におけるB孔554、追従バルブコア505におけるM腰形孔551、バルブコアスリーブ511におけるC孔546、K油孔547、第1油口a、油圧シリンダ513のロッド無しキャビティを流れ、同時に、油圧シリンダ513のロッドありキャビティにおける作動油が順次第2油口b、バルブコアスリーブ511におけるD孔545、追従バルブコア505におけるN腰形孔552、バルブコアスリーブ511におけるA孔543を流れ、最後に油吐出口532から排出される。これによって、ピストン502を押し付けて下から上へ移動させ、ピストンロッド501は伸びて鉱石材料制御筒3を上向きに連動させる。
【0059】
3、ピストンロッド501が最初の位置を保持する。
【0060】
追従バルブコア505におけるM腰形孔551、N腰形孔552の位置がC孔546、D孔545の間の接続箇所にあり、B孔544、A孔543とC孔546、D孔545の間の連通を遮断しており、即ち、第1油口aと第2油口bの油路が断ち切られており、即ち、油圧シリンダ513の上下端で作動油の出入りが停止して圧力が保持されている。油圧システムのアンロード過程は、油供給口531から給油し、作動油が順次B孔544、M腰形孔551、F槽548、N腰形孔552、A孔543を流れ、油吐出口532から排出されることである。
【0061】
ピストンロッド501が鉱石材料制御筒3を上へ押し付けると、鉱石材料除去リング35によって、鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石粒子に対して押圧と剪断破砕を行い、鉱石材料供給口網目22を清掃し、同時に、鉱石材料制御筒3の移動によって、鉱石材料供給口網目22の周囲の鉱石粒子がかき回されるため、鉱石材料供給口網目22の周囲の鉱石粒子のアーチ構造の破砕を実現する。次に、自動制御油圧シリンダ5のピストンロッド501を動かして鉱石材料制御筒3を下向きに戻るように引っ張って、鉱石材料制御筒3を復帰させる。従って、自動制御油圧シリンダ5を動かして鉱石材料制御筒3を規律的に上下に移動させることで、鉱石材料供給管2に対する日常の清掃とアーチ構造破砕を完成することができる。自動制御油圧シリンダのピストンロッド501の止まり位置を制御することで、更に、バンカー1における鉱石材料供給口網目22の数及び鉱石材料制御筒3における鉱石材料供給口網目22の数の割合を設定することができ、鉱石スラリー固液比を調節する目的を達成する。
【実施例2】
【0062】
図10に示すように、ガイドフランジ36の下部が鉱石材料供給管2にあり、径方向に対称するように二つの自動制御油圧シリンダ5が固定的に接続され、二つの自動制御油圧シリンダ5の構造が同じでいずれも鉱石材料供給管2の中心軸と平行している点で、実施例1と異なり、各自動制御油圧シリンダ5と鉱石材料制御筒3の接続方式が実施例1と同じである。他には実施例1と同じである。二つの自動制御油圧シリンダ5は同期して動作し、より大きい作用力を提供できると共に、鉱石材料制御筒3が受ける力を平衡化させて、より安定的に移動させることができる。
(実施例3)
【0063】
図11に示すように、図2における鉱石材料制御筒3の代わりに、鉱石材料制御筒組立体6が用いられ、鉱石材料制御筒組立体6は、上から下へ、それぞれ管錐リング31、螺旋スクレーパ32、仕切り板34及び鉱石材料仕切り筒33であり、鉱石材料制御筒組立体6には、鉱石材料供給管2が隙間あったまま挿入され、鉱石材料供給管2には鉱石材料供給管2と軸方向に平行する少なくとも一つの自動制御油圧シリンダ5が固定的に接続され、自動制御油圧シリンダ5の油圧シリンダが単動油圧シリンダであり、自動制御油圧シリンダ5の上部ピストンロッドの先端が鉱石材料仕切り筒33の下部にヒンジ接続されている。
【0064】
管錐リング31と鉱石材料供給管2との間に大きい隙間があり、螺旋スクレーパ32のピッチ及びリードと鉱石材料供給管2における鉱石材料供給口網目22のピッチ及びリードとが整数倍関係にあり、螺旋スクレーパ32と鉱石材料供給管2とが隙間嵌めされる。鉱石材料仕切り筒33の上端の仕切り板34と鉱石材料供給管2とが隙間嵌めされ、仕切り板34の鉱石材料供給管2と協働する係合面に密封槽41が設けられ、密封槽41内に充填材が設けられている。
【0065】
自動制御油圧シリンダ5を動かして、鉱石材料制御筒組立体6を押し付けて鉱石材料供給管2に沿って規定された要求通り上下に移動させる時に、第1に、鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石材料を破砕して除去し、鉱石材料供給口網目22の周囲の鉱石材料のアーチ構造を破砕することを実現できる。螺旋スクレーパ32が鉱石材料供給管2に対して隙間嵌めされるため、螺旋スクレーパ32を上下に移動させることで、螺旋スクレーパ32によって鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石材料に対して押圧と剪断を行い、鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石材料を破砕し、鉱石材料供給口網目の清掃を完成する。鉱石材料供給口網目22の清掃過程で、螺旋スクレーパ32が移動するにつれて、鉱石材料供給口網目22の周囲の鉱石材料がかき回され、これで鉱石材料供給口網目22の周囲の鉱石材料のアーチ構造が破砕されて除去される。これによって、鉱石材料供給口網目22を経由してリフトハードパイプへ鉱石材料を持続的且つ安定的に輸送できることを保証する。第2に、鉱石スラリー固液比の調節を実現できる。自動制御油圧シリンダ5においてはそのピストンロッドの止まる位置を自由に設置でき、鉱石材料仕切り筒33における仕切り板34と鉱石材料供給管2との間に密封構造が設けられているため、鉱石材料仕切り筒33によって、鉱石材料供給管2における鉱石材料供給口網目22を上下に隔離して割り当てることができる。上部の鉱石材料供給口網目22がバンカー1において鉱石材料供給管へ鉱石材料を輸送し、下部の鉱石材料供給口網目22が鉱石材料仕切り筒33において鉱石材料供給管2へ海水を輸送し、従って、鉱石材料仕切り筒33の止まる位置を調整することで、鉱石スラリー固液比の調節を実現する。第3に、鉱石材料供給管への鉱石材料総供給量の制御を実現できる。螺旋スクレーパのピッチ及びリードと鉱石材料供給管における鉱石材料供給口網目のピッチ及びリードとが整数倍関係にあるため、自動制御油圧シリンダのピストンロッドの止まる位置を設置し、螺旋スクレーパによって鉱石材料供給口網目を有効に遮蔽することで、一部の鉱石材料供給口網目へ供給する鉱石材料、海水の供給量を制御することができ、これで、鉱石材料供給管総供給量を制御する目的を達成する。
【0066】
第4に、螺旋スクレーパと鉱石材料供給管との間の隙間嵌めによって、鉱石材料仕切り筒を鉱石材料供給管でガイドすることを実現でき、これによって、鉱石材料仕切り筒が鉱石材料供給管をスムーズに移動でき、鉱石材料仕切り筒が鉱石材料供給管で停滞したり、セルフロッキングしたりすることを回避する。
【0067】
また、鉱石材料供給口網目に螺旋スクレーパを用いることで、螺旋スクレーパによってセルフクリーニングを図ることができ、螺旋スクレーパと鉱石材料供給管との同一断面での接触面積が非常に小さいため、鉱石材料仕切り筒を軸方向に小さい距離移動させるだけで、螺旋スクレーパと鉱石材料供給管との間のばらばらになっている鉱石粒子が押圧されて碎けて落ち、セルフクリーニングを実現する。一方、螺旋スクレーパの螺旋分力で、螺旋スクレーパがバンカーを上下に移動し、バンカー中の鉱石材料を自然に螺旋させて分散させ、自動制御油圧シリンダの上下移動の抵抗力を軽減させる。
【0068】
図11に示すように、第2鉱石材料制御筒6は、上から下へ、それぞれ管錐リング31、螺旋スクレーパ32、仕切り板34、鉱石材料仕切り筒33が固定的に接続されている。管錐リング31は上部外径が小さくて下部外径が大きくなっており、第2鉱石材料制御筒6の上り抵抗力を軽減させ、管錐リング31と鉱石材料供給管2との間に大きい隙間があり、嵌合されることがなく、管錐リング31の作用は螺旋スクレーパ32を連結して螺旋スクレーパ32の剛性を高めることである。
【0069】
螺旋スクレーパ32が鉱石材料供給管2に対して隙間嵌めされ、螺旋スクレーパ32を螺旋に設置する目的は、同一断面と鉱石材料供給管2との接触面積を減少させて、同一断面の螺旋スクレーパ32と鉱石材料供給管2との間の隙間が同時に細かい鉱石材料で密に充填されて第2鉱石材料制御筒6が上下に移動する時に抵抗力が大き過ぎて、鉱石材料供給機構の摩耗を増加させるのを回避することである。また、螺旋スクレーパ32が上下に移動することで、鉱石材料供給口網目22に詰まった鉱石材料に対して押圧と剪断を行って、鉱石材料供給口網目22を閉塞した鉱石材料を破砕することができる。また、螺旋スクレーパ32のピッチ及びリードと鉱石材料供給管2における鉱石材料供給口網目22のピッチ及びリードとが整数倍関係にあり、本実施例の倍数として1が選択されるため、螺旋スクレーパ32は鉱石材料供給口網目22の一部又は全部を覆うことができ、鉱石材料供給口網目22の鉱石材料供給面積を減少させ、鉱石材料供給管の鉱石材料供給量を減少させる。螺旋スクレーパ32と鉱石材料供給管2との間の隙間嵌めによって、第2鉱石材料制御筒6と鉱石材料供給管2との間のガイド長さが長くなり、第2鉱石材料制御筒6が鉱石材料供給管2で停滞したり、セルフロッキングしたりすることを回避し、第2鉱石材料制御筒6を鉱石材料供給管2においてスムーズに移動させる。螺旋スクレーパ32が鉱石材料供給管2を絶え間なく規律的に上下にスライドし、鉱石材料が鉱石材料供給口網目22でアーチ構造を形成することを回避し、これによって鉱石材料供給口網目22を経由して鉱石材料供給管2へ鉱石材料を持続的且つ安定的に輸送できることを保証する。
【0070】
仕切り板34は、円環状であり、鉱石材料仕切り筒33の上端に設けられ、鉱石材料仕切り筒33と一体となり、仕切り板34の内周に密封槽が設けられ、密封槽内にウールフェルト充填材が充填され、鉱石材料供給管2に対して隙間嵌めされる。鉱石材料仕切り筒33は、外周がフランジ4の内周に対して隙間嵌めされ、下部がヒンジ51を介して自動制御油圧シリンダ5のピストンロッド501にヒンジ接続され、自動制御油圧シリンダ5は、鉱石材料供給管2に固定的に接続され、その軸線が鉱石材料供給管2の軸線と平行し、自動制御油圧シリンダ5は、複数であってよく、対称するように鉱石材料供給管2に分布する。本実施例において一つ設置する。仕切り板34と鉱石材料仕切り筒33の作用は、自動制御油圧シリンダ5が上へ移動する時にバンカー1の鉱石材料が海底に落ちることを防止し、一方、鉱石材料供給管2における鉱石材料供給口網目22の一部をバンカー1から隔離して鉱石スラリー濃度を調節できることである。
【符号の説明】
【0071】
A01 母船
A02 リフトハードパイプ
A03 斜流ポンプ
A04 中継ステーション
A05 ホースポンプ
A06 ホース
A07 鉱石スタック
a 第1油口
b 第2油口
1 バンカー
2 鉱石材料供給管
3 鉱石材料制御筒
5 自動制御油圧シリンダ
6 第2鉱石材料制御筒
11 漏斗口
21 管錐
22 鉱石材料供給口網目
31 管錐リング
32 螺旋スクレーパ
33 鉱石材料仕切り筒
34 仕切り板
35 鉱石材料除去リング
36 ガイドフランジ
4 フランジ
41 密封槽
51 ピストンロッドヒンジ
52 制御弁
53 指示バルブコア
501 ピストンロッド
502 ピストン
503 ボルト
504 第2弾性ピン
505 追従バルブコア
507 固定板
508 制御ロッド
509 第1弾性ピン
510 第2位置規制ネジ
511 バルブコアスリーブ
512 バルブコア軸
513 油圧シリンダ
530 弁体
531 油供給口
532 油吐出口
533 第1ねじ穴
535 密閉空間
540 第1内孔
541 E槽
542 第2ねじ穴
543 A孔
544 B孔
545 D孔
546 C孔
547 K油孔
548 F槽
551 M腰形孔
552 N腰形孔
553 G槽
554 H槽
555 第2内孔
【要約】
本発明は、深海採鉱混合輸送システムを開示する。前記深海採鉱混合輸送システムは、中継ステーションを備え、中継ステーションのバンカーの下端に鉱石材料制御筒が密封するように接続され、自動制御油圧シリンダの上端のピストン端が鉱石材料制御筒の下端にヒンジ接続され、自動制御油圧シリンダは制御弁、油圧シリンダ及びピストンロッドを含み、制御弁は弁体、指示バルブコア及び追従バルブコアを含み、指示バルブコアはバルブコアスリーブとバルブコア軸を含み、指示バルブコアの下端が下向きに密封的に弁体の外部へ突き出て且つ制御ロッドに固定的に接続されており、追従バルブコアはバルブコアスリーブとバルブコア軸との間に嵌め込まれ且つ上端がボルトに接続されており、ボルトとピストンは螺旋ペアを構成しており、制御ロッドを回転させて、指示バルブコアの弁体に対する位置を変更させ、追従バルブコアは油圧シリンダの油供給、油排出方向を連通させ、ピストンを上下に移動させ、追従バルブコアを連動させて指示バルブコアで設置された偏向方向へ回転させ、ピストンが設置位置に到達すると、追従バルブコアは油口を閉め、油供給口、油吐出口を連通させる。鉱石材料供給口網目に対する詰まり解消、アーチ構造破砕を実現すると共に、リフトハードパイプによって輸送される鉱石材料の固液比を調節することができる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11