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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-09
(45)【発行日】2025-06-17
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/14 20060101AFI20250610BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20250610BHJP
【FI】
G06F13/14 330D
G06F3/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019218020
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021089471
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-09-30
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】星野 邦人
【合議体】
【審判長】吉田 美彦
【審判官】山崎 慎一
【審判官】脇岡 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-262928号公報(JP,A)
【文献】特開2017-4487(JP,A)
【文献】特開平06-324721号公報(JP,A)
【文献】特開2007-242180号公報(JP,A)
【文献】特開2007-79731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/14
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を接続可能な複数のコネクタと、
複数の前記コネクタに対して、予め決められた順番に検出信号を出力する検出
部と、
複数の前記コネクタに接続された電子機器、または、複数の前記コネクタのう
ち少なくとも1つに接続された終端端末からの前記検出信号に対する応答信号に
よって、電子機器が正常に接続されているか否か、及び終端端末が接続されてい
るか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部が前記コネクタに前記終端端末が接続されていると判定すると、前
記検出部はそれ以降の全てのコネクタに対する検出信号の出力を停止する、
制御装置。
【請求項2】
電子機器を接続可能な複数のコネクタと、
複数の前記コネクタに対して、予め決められた順番に検出信号を出力する検出
部と、
複数の前記コネクタに接続された電子機器、または、複数の前記コネクタのう
ち少なくとも1つに接続された終端端末からの前記検出信号に対する応答信号に
よって、電子機器が正常に接続されているか否か、及び終端端末が接続されてい
るか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部が前記コネクタに前記終端端末が接続されていると判定すると、前
記検出部はそれ以降の前記終端端末によって指定された数のコネクタに対する検
出信号の出力を停止する、
制御装置。
【請求項3】
前記終端端末は、前記検出部が検出信号の出力を停止するコネクタの数を設定
可能である、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
電子機器を接続可能な複数のコネクタに対して、予め決められた順番に検出信
号を出力するステップと、
複数の前記コネクタに接続された電子機器、または、複数の前記コネクタのう
ち少なくとも1つに接続された終端端末からの前記検出信号に対する応答信号に
よって、電子機器が正常に接続されているか否か、及び終端端末が接続されてい
るか否かを判定するステップと、
前記コネクタに前記終端端末が接続されていると判定すると、それ以降の全て
のコネクタに対する検出信号の出力を停止するステップと、
をコンピュータが実行する、制御方法。
【請求項5】
電子機器を接続可能な複数のコネクタに対して、予め決められた順番に検出信
号を出力するステップと、
複数の前記コネクタに接続された電子機器、または、複数の前記コネクタのう
ち少なくとも1つに接続された終端端末からの前記検出信号に対する応答信号に
よって、電子機器が正常に接続されているか否か、及び終端端末が接続されてい
るか否かを判定するステップと、
前記コネクタに前記終端端末が接続されていると判定すると、それ以降の全て
のコネクタに対する検出信号の出力を停止するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に対して、接続する電子機器の数を変更する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、終端抵抗回路が収納されているコネクタハウジングに対して、接続される回路数を変更することのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-166523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドライブレコーダ等においては複数のカメラがコネクタを介して接続されており、各コネクタに対してカメラの接続の有無を判定することが行われている。このため、カメラが接続されていないコネクタに対してもカメラの接続の有無の判定を行うため、処理に時間がかかり、消費電力が大きくなってしまうことがあった。
【0006】
本発明は、電子機器の接続の有無の判定処理の速度を向上させ、消費電力を小さくすることのできる制御装置、制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御装置は、電子機器を接続可能な複数のコネクタと、複数の前記コネクタのうち少なくとも1つに接続され、複数の前記コネクタの終端を示す終端端末と、複数の前記コネクタに対する前記電子機器の接続の有無を予め決められた順番に判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記終端端末の接続を検出した場合に、複数の前記コネクタに対する前記電子機器の接続の有無の判定を行わない。
【0008】
本発明の制御方法は、複数のコネクタに対する電子機器の接続の有無を予め決められた順番に判定するステップと、複数の前記コネクタに対して、複数の前記コネクタの終端を示す終端端末の接続を検出するステップと、前記終端端末の接続を検出した場合に、複数の前記コネクタに対する前記電子機器の接続の有無の判定を行わないステップと、を含む。
【0009】
本発明のプログラムは、複数のコネクタに対する電子機器の接続の有無を予め決められた順番に判定するステップと、複数の前記コネクタに対して、複数の前記コネクタの終端を示す終端端末の接続を検出するステップと、前記終端端末の接続を検出した場合に、複数の前記コネクタに対する前記電子機器の接続の有無の判定を行わないステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば電子機器の接続の有無の判定処理の速度を向上させ、消費電力を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るカメラ部の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る終端端末の構成の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る全終端端末の機能を説明するための図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る部分終端末の機能を説明するための図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る部分終端端末の変形例の構成の一例を示す図である。
図7図7は、全終端端末と、部分終端端末とを組み合わせて使用する方法の一例を説明するための図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
図1を用いて、本発明の実施形態に係る制御システム1の構成について説明する。図1は、本発明の制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、制御システム1は、制御装置10と、複数のカメラ部20~20N+1と、終端端末30とを含む。
【0015】
本実施形態において、制御システム1は、例えば、ドライブレコーダである。制御装置10は、カメラ部20からカメラ部20N―1に対して、カメラ部20からカメラ部20N+1の順に接続の有無を判定する。制御装置10は、終端端末30の接続を検出する。制御装置10は、終端端末30を検出すると、カメラ部の接続の有無の判定を終了する。以下では、制御装置10に対して接続されている電子機器がカメラ部であるものとして説明するが、本発明はこれに限られない。
【0016】
制御装置10は、複数のコネクタ11からコネクタ11(Nは2以上の整数)と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0017】
コネクタ11からコネクタ11は、他の電子機器が接続される端子である。図1に示す例では、コネクタ11からコネクタ11N-1には、それぞれ、カメラ部20からカメラ部20N―1が接続されている。また、コネクタ11には、終端端末30が接続されている。以下において、コネクタ11からコネクタ11を、コネクタ11と総称することもある。また、カメラ部20からカメラ部20N―1を、カメラ部20と総称することもある。
【0018】
図2を用いて、カメラ部20の構成の一例について説明する。図2は、カメラ部20の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、カメラ部20は、レンズ部21と、撮像部22と、制御部23とを有する。
【0020】
レンズ部21は、外部から入射光を受ける。レンズ部21は、入射光を撮像部22に導光する。
【0021】
撮像部22は、イメージセンサである。撮像部22は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成される。
【0022】
制御部23は、撮像部22を制御する。具体的には、制御部23は、例えば、撮像部22を駆動するためのクロック信号を含む各種のタイミング信号を生成する。制御部23は、所定のタイミングでタイミング信号を撮像部22に出力することで撮像部22を駆動する。これにより、制御部23は、撮像部22に映像データを生成させる。
【0023】
制御部23は、撮像部22で生成した映像データを接続されているコネクタ11に出力する。
【0024】
図3を用いて、本発明の実施形態に係る終端端末の構成について説明する。図3は、本発明の終端端末の構成の一例を示す図である。
【0025】
図3に示すように、終端端末30は、本体部31と、接続部32とを有する。終端端末30は、制御装置10に対して、カメラ部20からカメラ部20N―1のうち終端端末30が接続されている以降のコネクタ11に接続されたカメラ部20の接続の有無の判定を終了させる機能を有している。
【0026】
本体部31は、各種の電気回路を含む。本体部31は、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗素子で構成された分圧回路を含む。本体部31には、例えば、制御装置10から所定の電圧値を示す検出信号が入力される。この場合、終端端末30は、分圧回路を構成する抵抗素子の抵抗値に応じた電圧値の分圧信号を制御装置10に入力する。後述するが、制御装置10は、分圧信号の値に応じて、終端端末30が接続されている以降のコネクタ11において、カメラ部20の接続の有無の判定を行わないコネクタ11の数を変更する。
【0027】
接続部32は、コネクタ11と接続可能な端子である。接続部32は、コネクタ11と接続可能であれば、特に制限はない。接続部32とコネクタ11は、延長ケーブル等を介して接続するようなものであってもよい。
【0028】
再び図1を参照する。操作部12は、ユーザからの各種の操作を受け付ける。操作部12は、例えば、制御装置10を起動させるための操作をユーザから受け付ける。操作部12は、例えば、コネクタ11からコネクタ11に対するカメラ部20からカメラ部20N―1接続の有無を判定させる処理を実行させるための操作をユーザから受け付ける。操作部12は、例えば、物理的なスイッチまたはタッチパネルで構成されている。操作部12は、例えば、ユーザによる音声を入力として受け付けるマイク等で構成されてもよい。操作部12は、例えば、ユーザからの操作に応じた操作信号を制御部15に出力する。
【0029】
表示部13は、各種の情報を出力する。表示部13は、例えば、各種の情報を表示する。この場合、表示部13は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含むディスプレイで構成される。表示部13は、例えば、カメラ部20からカメラ部20N―1によって撮像された映像データを表示する。表示部13は、音声を出力する機能を有してもよい。この場合、表示部13は、例えば、音声を出力するスピーカーで構成すればよい。表示部13は、例えば、カメラ部20からカメラ部20N―1によって撮像された映像データに対応する音声を出力する。
【0030】
記憶部14は、各種の情報を記憶する。記憶部14は、例えば、カメラ部20からカメラ部20N―1によって撮像された映像データを記憶する。記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0031】
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、制御装置10内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部15は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0032】
制御部15は、起動部151と、検出部152と、判定部153と、算出部154と、通知部155と、記憶制御部156とを有する。なお、制御部15の内部構成は、図1に示した構成に限られず、後述する制御を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0033】
起動部151は、起動信号を出力することで、コネクタ11からコネクタ11にそれぞれ接続された電子機器を起動させる。図1に示す例では、起動部151は、コネクタ11からコネクタ11にそれぞれ接続されたカメラ部20からカメラ部20N―1を起動させる。起動部151は、例えば、操作部12からの操作信号に従って、カメラ部20からカメラ部20N―1を起動させる。起動部151は、コネクタ11に正常にカメラ部20が接続されていないと判定部153によって判定された場合には、そのカメラ部20を停止させる。
【0034】
検出部152は、コネクタ11からコネクタ11にそれぞれ電子機器が正常に接続されているか否かを判定するための所定の電圧値の検出信号(テストデータ)をコネクタ11からコネクタ11に接続された電子機器に出力する。検出部152は、例えば、コネクタ11からコネクタ11にそれぞれカメラ部20からカメラ部20N―1が接続されているか否かを判定するために検出信号を出力する。検出部152は、例えば、コネクタ11からコネクタ11のいずれかに終端端末30が接続されているか否かを判定するために検出信号を出力する。具体的には、検出部152は、コネクタ11からコネクタ11の順番で検出信号を各々のコネクタ11に出力する。ここで、検出の順番は制御装置10のコネクタの番号の小さい順番としているが特にこれを限定するものではない。装置の物理的なコネクタの配置、例えば装置の前面部と後面部などにコネクタ端子が分散配置される場合や、USB(Universal Serial Bus)(登録商標)のハブのようなものを用いてコネクタ数を拡張した場合など、装置の構成に応じて検出の順番を適宜決めておくことが可能である。また、検出部152は、後述する判定部153によってコネクタ11に終端端末30が接続されていると判定された場合には、そのコネクタ11以降のコネクタ11に対する検出信号の出力を停止する。
【0035】
判定部153は、コネクタ11からコネクタ11にそれぞれ電子機器が正常に接続されているか否かを判定する。具体的には、判定部153は、検出部152が出力した検出信号に対する応答信号に基づいて、コネクタ11からコネクタ11にそれぞれ電子機器が正常に接続されている否かを判定する。より具体的には、判定部153は、検出部152が出力した検出信号に対してカメラ部20から正常な応答信号が返ってきた場合に、そのコネクタ11にはカメラ部20が正常に接続されていると判定する。判定部153は、検出部152が出力した検出信号に対してカメラ部20から正常な応答信号が返ってこない場合に、そのコネクタ11にはカメラ部20が正常に接続されていないと判定する。ここで、カメラ部20の電源は、コネクタから直接供給するものとしてもよいし、カメラ部20にはコネクタからのインタフェース部の電源のみを副電源として供給し、コネクタからの信号をトリガに、外部供給電源をカメラ部20の主電源として利用する構成としてもよい。後者の場合は判定部153は、カメラ部20からカメラ部20の主電源が入っていない状態で、コネクタ11からコネクタ11に対し、それぞれ、カメラ部20からカメラ部20が正常に接続されている否かを判定してもよい。
【0036】
判定部153は、コネクタ11からコネクタ11のいずれかに終端端末30が接続されているか否かを判定する。判定部153は、例えば、検出部152が出力した検出信号に対して、所定の値の分圧信号がコネクタ11に入力された場合には、そのコネクタ11には終端端末30が接続されていると判定する。
【0037】
図4と、図5とを用いて、本発明の実施形態に係る終端端末の機能について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る全終端端末の機能を説明するための図である。図5は、本発明の実施形態に係る部分終端端末の機能を説明するための図である。図4と、図5とにおいて、制御装置10の構成は、説明の簡単のため、コネクタ11以外は省略して示している。
【0038】
図4に示すように、コネクタ11からコネクタ11には、ぞれぞれ、カメラ部20からカメラ部20が接続されている。この場合、検出部152は、コネクタ11、コネクタ11、コネクタ11の順に検出信号を出力する。この場合、コネクタ11からコネクタ11は、接続の有無を判定する判定対象となる。ここでは、判定部153によって、カメラ部20からカメラ部20は正常な応答信号が返り、コネクタ11からコネクタ11にカメラ部20からカメラ部20が正常に接続されていると判定されたものとする。
【0039】
図4に示すように、コネクタ11には、全終端端末30Aが接続されている。全終端端末30Aは、全終端端末30Aが接続されているコネクタ11以降のコネクタ11からコネクタ11に対する、カメラ部20の検出信号および接続の有無の判定を停止させる終端端末である。図4に示す例では、検出部152がコネクタ11に出力した検出信号は、全終端端末30Aに入力される。全終端端末30Aは、検出信号に対する応答として、所定の電圧値の分圧信号をコネクタ11に出力する。この場合、判定部153は、分圧信号に基づいて、コネクタ11に全終端端末30Aが接続されているか否かを判定する。
【0040】
判定部153によってコネクタ11に全終端端末30Aが接続されていると判定された場合、コネクタ11からコネクタ11は、接続の有無を判定しない非判定対象となる。これにより、検出部152は、コネクタ11からコネクタ11に対して、検出信号を出力しなくなる。例えば図4に示すように、検出部152は、コネクタ11からコネクタ11の間のコネクタ11に対してカメラ部20が接続されていたとしても、コネクタ11に対し検出信号を出力しない。そのため、判定部153は、コネクタ11に対するカメラ部20の接続の判定の有無は行わない。
【0041】
図5には、制御装置10に対して、全終端端末30Aとは異なる部分終端端末30Bが接続されている例が示されている。部分終端端末30Bは、部分終端端末30Bが接続されているコネクタ11以降の所定の数のコネクタ11を非判定対象とする終端端末である。
【0042】
図5に示す例では、コネクタ11には、カメラ部20が接続されている。この場合、コネクタ11は、判定対象となる。ここでは、判定部153によって、カメラ部20は、コネクタ11に正常に接続されていると判定されたものとする。
【0043】
図5に示すように、コネクタ11には、部分終端端末30Bが接続されている。部分終端端末30Bは、部分終端端末30Bが接続されているコネクタ11以降から所定の数のコネクタ11を非判定対象とする終端端末である。図5に示す例では、検出部152がコネクタ11に出力した検出信号は、部分終端端末30Bに入力される。部分終端端末30Bは、検出信号に対する応答として、全終端端末30Aが出力する分圧信号とは異なる所定の電圧値の分圧信号をコネクタ11に出力する。この場合、判定部153は、分圧信号に基づいて、コネクタ11に部分終端端末30Bが接続されているか否かを判定する。
【0044】
図5に示す例では、判定部153によって分圧信号に基づいて、コネクタ11に部分終端端末30Bが接続されていると判定されたとする。部分終端端末30Bがコネクタ11以降から3つのコネクタ11を非判定対象とするものとする。この場合には、コネクタ11からコネクタ11が非判定対象となる。これにより、検出部152は、コネクタ11からコネクタ11に対して、検出信号を出力しなくなる。そのため、判定部153は、コネクタ11からコネクタ11に対して、カメラ部20の接続の有無の判定は行わない。そして、コネクタ11から以降は再び、判定対象となる。そのため、検出部152は、コネクタ11からコネクタ11に対して、検出信号を出力する。そして、判定部153は、コネクタ11からコネクタ11に対して、カメラ部20の接続の有無の判定を行う。これにより、判定部153は、コネクタ11に接続されたカメラ部20およびコネクタ11に接続されたカメラ部20がそれぞれ正常に接続されているか否かを判定することができる。
【0045】
なお、図5に示す例では、部分終端端末30Bは、コネクタ11以降からコネクタ11の3つを非判定対象とするものとして説明したが、本発明は非判定対象の数を限定するものではない。例えば、部分終端端末30Bが内部に分圧回路を備えている場合には、分圧回路の抵抗値を変更することで、制御装置10に入力される分圧信号の電圧値を変更できる。そのため、分圧抵抗の電圧値に応じて、接続判定非対象となるコネクタ11の数を変更した部分終端端末30Bをそれぞれ用意することが可能である。
【0046】
部分終端端末30Bは、例えば、コネクタ11からコネクタ11に対してカメラ部20を接続する位置が予め決められており、図5に示すように、コネクタ11からコネクタ11が使用されていないという状況で好適に適用される。
【0047】
部分終端端末30Bが非判定対象とするコネクタ11の数は固定ではなく、可変であってもよい。
【0048】
図6を用いて、本発明の実施形態に係る可変終端端末の構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る可変終端端末の構成の一例を示す図である。
【0049】
図6に示すように、可変終端端末30Cは、本体部31と、接続部32と、可変ダイヤル33と、選択部34とを有する。
【0050】
可変終端端末30Cにおいては、可変ダイヤル33の回転位置によって、本体部31の内部に設けられた分圧回路の抵抗値が変化する。そのため、可変ダイヤル33の回転位置に応じて、検出信号に対する分圧信号の値が変化する。これにより、可変ダイヤル33の回転位置によって非判定対象とするコネクタ11の数を変更することができる。具体的には、可変ダイヤル33を回転させて、選択部34を非判定対象とする所望の数に合わせればよい。図6に示す例では、選択部34は、「ALL」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、および「7」のいずれかを選択することができる。例えば、選択部34が「ALL」を選択すると、可変終端端末30Cは、全終端端末30Aとして機能する所定の電圧値を示す分圧回路の抵抗値に設定される。例えば、選択部34が「1」を選択すると、可変終端端末30Cが接続されているコネクタ11のみが非判定対象となる、すなわちコネクタ11以降の1つのコネクタ11を非判定対象とする所定の電圧値を示す分圧回路の抵抗値に設定される。同様にして、例えば、選択部34が「2」を選択すると、可変終端端末30Cが接続されているコネクタ11以降の2つのコネクタ11が非判定対象となる。図6に示す可変終端端末30Cの例では、非判定対象とするコネクタ11の数として「1」から「7」が含まれているが、本発明はこれに限られない。可変終端端末30Cは、更に多くの数のコネクタ11を非判定対象としてもよい。以上のように可変終端端末30Cは、可変ダイヤル33の回転位置に応じて、全終端端末30A、あるいは非判定対象とする数を所望の数に合わせた部分終端端末30B、として設定することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、全終端端末30Aと、部分終端端末30Bあるいは可変終端端末30Cとを組み合わせて使用してもよい。
【0052】
図7を用いて、全終端端末と、部分終端端末とを組み合わせて使用する方法について説明する。図7は、全終端端末30Aと、部分終端端末30Bとを組み合わせて使用する方法の一例を説明するための図である。
【0053】
図7に示すように、全終端端末30Aは、コネクタ11M+1に接続されている。部分終端端末30Bは、コネクタ11に接続されている。部分終端端末30Bは、3つのコネクタ11を非判定対象とするものとする。
【0054】
図7に示す例では、コネクタ11は、判定対象となる。コネクタ11からコネクタ11は、非判定対象となる。コネクタ11からコネクタ11は、判定対象となる。そして、全終端端末30Aが接続されているコネクタ11M+1以降のコネクタ11M+1からコネクタ11は非判定対象となる。図7に示すように、全終端端末30Aと、部分終端端末30Bとを組み合わせることで、判定対象と、非判定対象とを細かく設定することができる。
【0055】
また、全終端端末30Aと、部分終端端末30Bとは、コネクタ11に対する挿抜のロック機能を有していてもよい。これにより、全終端端末30Aと、部分終端端末30Bとが不用意に抜かれてしまうことを防止でき、終端端末で非判定対象に設定した未使用のコネクタ11に対して、想定外のカメラ部20が接続され動作してしまうことや、第三者の手により不正な機器が接続されること、コネクタの電力を利用されたりすることにより通常の使用用途では想定しない電気的な破損等のトラブルを防止できる。
【0056】
再び図1を参照する。算出部154は、コネクタ11からコネクタ11N-1に接続されている電子機器の数を算出する。算出部154は、例えば、コネクタ11からコネクタ11N-1に正常に接続されていると判定部153によって判定された電子機器の数を算出する。図1に示す例では、算出部154は、コネクタ11からコネクタ11N-1に正常に接続されていると判定部153によって判定されたカメラ部20の数を算出する。
【0057】
通知部155は、算出部154によって算出された電子機器の数を、表示部13を用いて通知する。図1に示す例では、通知部155は、算出部154によって算出されたコネクタ11からコネクタ11N-1に正常に接続されているカメラ部20の数を通知する。
【0058】
記憶制御部156は、各種の情報を記憶部14に記憶する。記憶制御部156は、例えば、カメラ部20からカメラ部20N-1のそれぞれによって撮像された映像データを記憶部14に記憶する。
【0059】
[実施形態の処理]
図8を用いて、本発明の実施形態に係る制御装置10の制御部15の処理について説明する。図8は、制御装置10の制御部15の処理の流れの一例で、主にカメラ部を検出し接続判定を行うセットアップ時の処理となる。
【0060】
まず、制御部15は、コネクタ11に対して接続されたカメラ部20の検出を開始する(ステップS101)。具体的には、検出部152が、カメラ部20に検出信号を出力することによって、カメラ部20の検出を開始する。そして、ステップS102に進む。
【0061】
制御部15は、コネクタ11に全終端端末30Aが接続されているか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、判定部153が、検出信号に対する分圧信号の電圧値に基づいて、全終端端末30Aが接続されているか否かを判定する。全終端端末30Aが接続されていないと判定された場合(ステップS102のNo)、ステップS103に進む。全終端端末が接続されていると判定された場合(ステップS102のYes)、ステップS109に進む。
【0062】
ステップS102でNoと判定された場合、制御部15は、コネクタ11に対するカメラ部20の接続判定を行う(ステップS103)。具体的には、判定部153が、カメラ部20から出力された検出信号に対する応答信号に基づいて、カメラ部20の接続判定を行う。そして、ステップS104に進む。
【0063】
制御部15は、カメラ部20がコネクタ11に正常に接続されているか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、判定部153が、カメラ部20からの応答信号が正常であるか否かに基づいて、カメラ部20がコネクタ11に正常に接続されているか否かを判定する。カメラ部20がコネクタ11に正常に接続されていると判定された場合(ステップS104のYes)、ステップS105に進む。カメラ部20がコネクタ11に正常に接続されていないと判定された場合(ステップS104のNo)、ステップS108に進む。
【0064】
ステップS104でYesと判定された場合、制御部15は、コネクタ11に接続されたカメラ部20を起動する(ステップS105)。具体的には、起動部151がカメラ部20に対して起動信号を出力することで、カメラ部20を起動する。そして、ステップS106に進む。
【0065】
制御部15は、正常に接続されていると判定されたカメラ部20の数をカウントする(ステップS106)。具体的には、算出部154が、正常に接続されていると判定されたカメラの数をインクリメントすることでカウントする。そして、ステップS107に進む。
【0066】
制御部15は、コネクタ11に接続されている全体のカメラ部20の数をカウントする(ステップS107)。具体的には、算出部154が、カメラ部20の全体の数をインクリメントすることでカウントする。そして、ステップS102に進む。
【0067】
ステップS104でNoと判定された場合、制御部15は、コネクタ11に接続されたカメラ部20を停止する(ステップS108)。具体的には、起動部151がカメラ部20に対して停止信号を出力することで、カメラ部20を停止する。そして、ステップS107に進む。
【0068】
ステップS102でYesと判定された場合、制御部15は、コネクタ11に接続されている全体のカメラ部20の数と、コネクタ11に正常に接続されているカメラ部20の数をユーザに通知する(ステップS109)。具体的には、通知部155が、算出部154によって算出されたコネクタ11に接続されている全体のカメラ部20の数と、コネクタ11に正常に接続されているカメラ部20の数をユーザに通知する。そして、ステップS110に進む。
【0069】
制御部15は、制御システム1全体を再起動する(ステップS110)。具体的には、制御部15は、ユーザなどからの操作に従って、制御システム1全体を再起動する。再起動後には、制御システム1は、正常に接続されたカメラ部20のみを用いて、システムとして動作する。具体的には、制御システム1がドライブレコーダである場合には、正常に接続されたカメラ部20のみで撮像を行うドライブレコーダとして機能する。
【0070】
上述のとおり、本実施形態は、自動で制御装置のコネクタに対する電子機器の接続判定を行うことができる。本実施形態は、終端端末を用いることで、電子機器の接続判定を行わないコネクタを指定することができる。その結果、電子機器の接続の有無の判定処理の速度を向上させ、消費電力を小さくすることができる。
【0071】
また、本実施形態は、制御装置のコネクタに接続される電子機器が増加したとしても、部品の増加を伴わずに各電子機器の接続判定を行うことができる。そのため、コネクタに接続される電子機器の増加に伴う制御システム全体の大型化を抑制することができる。また、コネクタに接続される電子機器の増加に伴うコストアップを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態は、コネクタに正常に接続されていない電子機器があった場合であっても、コネクタに正常に接続されている電子機器のみを用いて制御システムを動作させることができる。その結果、例えば、2つのカメラで撮像された映像データを録画するドライブレコーダにおいて、2つのカメラで録画している状態で、一方のカメラに異常が発生した場合であっても、他方のカメラで録画を継続することができる。
【0073】
また、本実施形態は、全終端端末が検出されるまでの間は、自動で電子機器の接続判定を行うことができる。これにより、本実施形態は、全終端端末が検出されるまでの間、電子機器の接続の判定を行い、電子機器を動作させたり、停止させたりすることができる。すなち、本実施形態は、全終端端末を用いることで、検出範囲を指定することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0075】
例えば、本実施形態の終端端末は、所定の抵抗値を有する抵抗素子で構成された分圧回路によって非判定対象とするコネクタの数を設定するとしたが、分圧回路の代わりに不揮発メモリなどを用いて非判定対象とするコネクタの数をメモリに記憶させた、制御装置側でメモリに記憶させた値を読み出すような構成としてもよい。
【0076】
例えば、本実施形態では終端端末を単独の部品として説明したが同様の終端端末の構成をカメラ部に組み込んでもよい。この場合、終端端末の組み込まれたカメラの接続判定は行い、正常であったカメラは使用可能としつつも、次以降のコネクタに対して非判定対象の数を設定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 制御システム
10 制御装置
11 コネクタ
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
20 カメラ部
30 終端端末
30A 全終端端末
30B 部分終端端末
30C 可変終端端末
151 起動部
152 検出部
153 判定部
154 算出部
155 通知部
156 記憶制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8