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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-09
(45)【発行日】2025-06-17
(54)【発明の名称】通信端末装置および通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/44 20180101AFI20250610BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20250610BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20250610BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20250610BHJP
   H04W 16/16 20090101ALI20250610BHJP
【FI】
H04W4/44
H04W92/18
H04W76/14
H04W72/0446
H04W16/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021543723
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2020032344
(87)【国際公開番号】W WO2021044936
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2019161018
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】望月 満
(72)【発明者】
【氏名】下田 忠宏
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 史樹
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-039510(JP,A)
【文献】国際公開第2017/046978(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/051740(WO,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,KI5 and KI11: Update of Solution 3 for PC5 vs Uu interface selection,3GPP TSG SA WG2 #129BIS S2-1812389,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_129BIS_West_Palm_Beach/Docs/S2-1812389.zip>,2018年11月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおける通信端末装置であって、
前記通信システムは、前記通信端末装置を含む複数の通信端末装置を含み、
前記通信端末装置は、前記複数の通信端末装置のうちの別の通信端末装置と、PC5インタフェースを介した通信であるPC5通信を行い、
前記通信端末装置は、
V2X(Vehicle to X)ポリシ提供要求を、アクセス・移動管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)ノードを介して、ポリシ制御機能(Policy Control Function;PCF)ノードに対して送信し、
前記V2Xポリシ提供要求に応じて送信されたV2Xパラメータを、前記PCFノードから前記AMFノードを介して受信し、
前記V2Xパラメータは、有効期限が設定された前記PC5通信のリソースに関する情報を含む、
通信端末装置。
【請求項2】
前記有効期限がタイマを用いて設定される、
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記PC5通信の前記リソースに関する前記情報は、前記リソースが所定の地域において使用可能であるように設定される、
請求項に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記PC5通信の前記リソースに関する前記情報は、前記リソースとV2Xサービスとを関連付けた情報を含む、
請求項に記載の通信端末装置。
【請求項5】
複数の通信端末装置を備える通信システムであって、
前記複数の通信端末装置のうちのある通信端末装置は、前記複数の通信端末装置のうちの別の通信端末装置と、PC5インタフェースを介した通信であるPC5通信を行い、
前記通信端末装置は、
V2X(Vehicle to X)ポリシ提供要求を、アクセス・移動管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)ノードを介して、ポリシ制御機能(Policy Control Function;PCF)ノードに対して送信し、
前記V2Xポリシ提供要求に応じて送信されたV2Xパラメータを、前記PCFノードから前記AMFノードを介して受信し、
前記V2Xパラメータは、有効期限が設定された前記PC5通信のリソースに関する情報を含む、
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称し、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、ネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される通信方式が検討されている(例えば、非特許文献1~5)。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
【0003】
LTEのアクセス方式としては、下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。また、LTEは、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)とは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図1において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P-SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S-SS)とがある。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルにおいてもnon-CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。
【0006】
物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)は、基地局装置(以下、単に「基地局」という場合がある)から移動端末装置(以下、単に「移動端末」という場合がある)などの通信端末装置(以下、単に「通信端末」という場合がある)への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
【0007】
物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの数を、基地局から通信端末へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
【0008】
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述のトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL-SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、後述のトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL-SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
【0009】
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、およびトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
【0010】
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
【0011】
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CSI(Channel State Information)を運ぶ。CSIは、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、CQI(Channel Quality Indicator)レポートで構成される。RIとは、MIMOにおけるチャネル行列のランク情報である。PMIとは、MIMOにて用いるプリコーディングウェイト行列の情報である。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
【0012】
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、トランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL-SCH)がマッピングされている。
【0013】
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0014】
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、UE固有参照信号(UE-specific Reference Signal)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM-RS)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal:PRS)、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI-RS)。通信端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
【0015】
上り参照信号についても同様に、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の2種類の上りリファレンスシグナルが定義されている。データ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM-RS)、サウンディング用参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)である。
【0016】
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、説明する。下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
【0017】
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL-SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL-SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL-SCHは、通信端末の低消費電力化のために通信端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL-SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
【0018】
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、通信端末の低消費電力を可能とするために通信端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
【0019】
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
【0020】
上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL-SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL-SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
【0021】
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
【0022】
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せによって、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送によって誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
【0023】
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
【0024】
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、説明する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。
【0025】
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、通信端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
【0026】
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、通信端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、通信端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0027】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから通信端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0028】
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、通信端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、通信端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。
【0029】
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別通信端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。
【0030】
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから通信端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0031】
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)のことである。ECGIとは、E-UTRANセルグローバル識別子(E-UTRAN Cell Global Identifier)のことである。LTE、後述のLTE-A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSG(Closed Subscriber Group)セルが導入される。
【0032】
通信端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても通信端末の位置を追跡し、通信端末を呼び出す、換言すれば通信端末が着呼することを可能にするために行われる。この通信端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
【0033】
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている(非特許文献3、非特許文献4参照)。LTE-Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。
【0034】
LTE-Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(「アグリゲーション(aggregation)する」とも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。CAについては、非特許文献1に記載されている。
【0035】
CAが構成される場合、UEはネットワーク(Network:NW)と唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
【0036】
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとともに、サービングセルの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
【0037】
一つのPCellと一つ以上のSCellとからなるサービングセルの組が、一つのUEに対して構成される。
【0038】
また、LTE-Aでの新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE-Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献1に記載されている。
【0039】
また、3GPPにおいて、将来の膨大なトラフィックに対応するために、スモールセルを構成するスモールeNB(以下「小規模基地局装置」という場合がある)を用いることが検討されている。例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを構成することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。具体的には、UEが2つのeNBと接続して通信を行うデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity;DCと略称される)などがある。DCについては、非特許文献1に記載されている。
【0040】
デュアルコネクティビティ(DC)を行うeNBのうち、一方を「マスタeNB(MeNBと略称される)」といい、他方を「セカンダリeNB(SeNBと略称される)」という場合がある。
【0041】
モバイルネットワークのトラフィック量は、増加傾向にあり、通信速度も高速化が進んでいる。LTEおよびLTE-Aが本格的に運用を開始されると、更に通信速度が高速化されることが見込まれる。
【0042】
さらに、高度化する移動体通信に対して、2020年以降にサービスを開始することを目標とした第5世代(以下「5G」という場合がある)無線アクセスシステムが検討されている。例えば、欧州では、METISという団体で5Gの要求事項がまとめられている(非特許文献5参照)。
【0043】
5G無線アクセスシステムでは、LTEシステムに対して、システム容量は1000倍、データの伝送速度は100倍、データの処理遅延は10分の1(1/10)、通信端末の同時接続数は100倍として、更なる低消費電力化、および装置の低コスト化を実現することが要件として挙げられている。
【0044】
このような要求を満たすために、3GPPでは、リリース15として、5Gの規格検討が進められている(非特許文献6~18参照)。5Gの無線区間の技術は「New Radio Access Technology」と称される(「New Radio」は「NR」と略称される)。
【0045】
NRシステムは、LTEシステム、LTE-Aシステムを基にして検討が進められているが、以下の点でLTEシステム、LTE-Aシステムからの変更および追加が行われている。
【0046】
NRのアクセス方式としては、下り方向はOFDM、上り方向はOFDM、DFT-s-OFDM(DFT-spread-OFDM)が用いられる。
【0047】
NRでは、伝送速度向上、処理遅延低減のために、LTEに比べて高い周波数の使用が可能となっている。
【0048】
NRにおいては、狭いビーム状の送受信範囲を形成する(ビームフォーミング)とともにビームの向きを変化させる(ビームスイーピング)ことで、セルカバレッジの確保が図られる。
【0049】
NRのフレーム構成においては、様々なサブキャリア間隔、すなわち、様々なヌメロロジ(Numerology)がサポートされている。NRにおいては、ヌメロロジによらず、1サブフレームは1ミリ秒であり、また、1スロットは14シンボルで構成される。また、1サブフレームに含まれるスロット数は、サブキャリア間隔15kHzのヌメロロジにおいては1つであり、他のヌメロロジにおいては、サブキャリア間隔に比例して多くなる(非特許文献13(TS38.211 V15.2.0)参照)。
【0050】
NRにおける下り同期信号は、同期信号バースト(Synchronization Signal Burst;以下、SSバーストと称する場合がある)として、所定の周期で、所定の継続時間をもって基地局から送信される。SSバーストは、基地局のビーム毎の同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;以下、SSブロックと称する場合がある)により構成される。基地局はSSバーストの継続時間内において各ビームのSSブロックを、ビームを変えて送信する。SSブロックは、P-SS、S-SS、およびPBCHによって構成される。
【0051】
NRにおいては、NRの下り参照信号として、位相追尾参照信号(Phase Tracking Reference Signal:PTRS)の追加により、位相雑音の影響の低減が図られている。上り参照信号においても、下りと同様にPTRSが追加されている。
【0052】
NRにおいては、スロット内におけるDL/ULの切替えを柔軟に行うために、PDCCHに含まれる情報にスロット構成通知(Slot Format Indication:SFI)が追加された。
【0053】
また、NRにおいては、キャリア周波数帯のうちの一部(以下、Bandwidth Part(BWP)と称する場合がある)を基地局がUEに対して予め設定し、UEが該BWPにおいて基地局との送受信を行うことで、UEにおける消費電力の低減が図られる。
【0054】
3GPPでは、DCの形態として、EPCに接続するLTE基地局とNR基地局によるDC、5Gコアシステムに接続するNR基地局によるDC、また、5Gコアシステムに接続するLTE基地局とNR基地局によるDCが検討されている(非特許文献12、16、19参照)。
【0055】
また、3GPPでは、いくつかの新たな技術が検討されている。例えば、V2X通信を、LTEにおいても、5Gコアシステムにおいてもサポートすることが検討されている(非特許文献1、20、21)。例えば、非公衆ネットワーク(Non Public Network;NPN)への接続などが検討されている(非特許文献22、23参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0056】
【文献】3GPP TS 36.300 V15.4.0
【文献】3GPP S1-083461
【文献】3GPP TR 36.814 V9.2.0
【文献】3GPP TR 36.912 V15.0.0
【文献】“Scenarios, requirements and KPIs for 5G mobile and wireless system”、ICT-317669-METIS/D1.1
【文献】3GPP TR 23.799 V14.0.0
【文献】3GPP TR 38.801 V14.0.0
【文献】3GPP TR 38.802 V14.2.0
【文献】3GPP TR 38.804 V14.0.0
【文献】3GPP TR 38.912 V14.1.0
【文献】3GPP RP-172115
【文献】3GPP TS 37.340 V15.2.0
【文献】3GPP TS 38.211 V15.2.0
【文献】3GPP TS 38.213 V15.2.0
【文献】3GPP TS 38.214 V15.2.0
【文献】3GPP TS 38.300 V15.2.0
【文献】3GPP TS 38.321 V15.2.0
【文献】3GPP TS 38.212 V15.2.0
【文献】3GPP RP-161266
【文献】3GPP TS 23.285 V15.2.0
【文献】3GPP TS 23.287 V1.0.0
【文献】3GPP TS 23.501 V16.1.0
【文献】3GPP R2-1900408
【文献】3GPP TR 23.734 V16.2.0
【文献】3GPP S1-191338
【文献】3GPP S1-191580
【文献】3GPP RP-182111
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0057】
V2X通信を、LTEにおいても、5Gコアシステムにおいてもサポートすることが検討されている(非特許文献1、20、21)。V2X通信ではサイドリンク通信(PC5通信とも称する)がサポートされる。PC5通信を用いてD2D通信を可能とすることが検討されている。PC5通信をサポートするにあたり、PC5通信を用いたサービスに要求されるQoSを如何に満たすか、また、サービス間の干渉を如何に低減するかが問題となる。
【0058】
また、前述のように、3GPPにおいて、5G通信システム(以下、5Gシステムと称する場合がある)を用いたNPNの導入が検討されている。例えば工場等の屋内において、5Gを用いたNPNを導入することが検討されている(非特許文献24(3GPP TR23.734 V16.2.0)参照)。また、工場等の屋内においてNPNを構成し、NPN内で基地局と端末の間の通信あるいはデバイス間通信(Device to Device Communication(D2D Communication))サービスのサポートが要求されている(非特許文献25(3GPP S1-191338)、非特許文献26(3GPP S1-191580)参照)。
【0059】
ところが、従来のパブリックネットワークにおけるV2X通信の実施方法は開示されているが、NPNにおけるV2X通信の実施方法は開示されていない。たとえば、NPNにおいてはアクセス制御が必要となるが、アクセス制御が実施されるNPNにおいてV2X通信をどのように実施するかについては全く開示されていない。NPN内でV2X通信、D2D通信を実施することができないという問題が生じる。
【0060】
このため、工場内での無線通信やV2X通信など、多種の産業に適した無線通信技術を確立できないという問題が生じる。
【0061】
本開示は、上記課題に鑑み、V2X通信等の端末間通信を用いたサービスを実施するための技術を提供することを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0062】
本開示によれば、通信システムにおける通信端末装置であって、前記通信システムは、前記通信端末装置を含む複数の通信端末装置を含み、前記通信端末装置は、前記複数の通信端末装置のうちの別の通信端末装置と、PC5インタフェースを介した通信であるPC5通信を行い、前記通信端末装置は、前記PC5通信のリソースに対して有効期限を設定する、通信端末装置が提供される。
【発明の効果】
【0063】
本開示によれば、端末間通信を用いたサービスを実施可能となる。
【0064】
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
図2】3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。
図3】3GPPにおいて議論されているNR方式の通信システム210の全体的な構成を示すブロック図である。
図4】EPCに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成図である。
図5】NGコアに接続するgNBによるDCの構成図である。
図6】NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成図である。
図7】NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成図である。
図8図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。
図9図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。
図10】MMEの構成を示すブロック図である。
図11】5GCの構成を示すブロック図である。
図12】LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。
図13】NRシステムにおけるセルの構成の一例を示す図である。
図14】実施の形態1について、自NPNセルを介してV2XのUu通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図15】実施の形態1について、自NPNセルを介してV2XのUu通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図16】実施の形態1の変形例1について、自NPNセルを介してV2XのPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図17】実施の形態1の変形例1について、自NPNセルを介してV2XのPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図18】実施の形態1の変形例2について、自NPNセルを介してV2XのPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図19】実施の形態1の変形例2について、自NPNセルを介してV2XのPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図20】実施の形態1の変形例3について、自NPNの属するセルのカバレッジ外でPC5通信を実施するシーケンスの第1例を示す図である。
図21】実施の形態1の変形例3について、自NPNの属するセルのカバレッジ外でPC5通信を実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図22】実施の形態1の変形例4について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図23】実施の形態1の変形例4について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。
図24】実施の形態1の変形例5について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの第1例を示す図である。
図25】実施の形態1の変形例5について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの第1例を示す図である。
図26】実施の形態1の変形例5について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図27】実施の形態1の変形例5について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図28】実施の形態2について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。
図29】実施の形態2について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。
図30】実施の形態2の変形例1について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。
図31】実施の形態2の変形例1について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。
図32】実施の形態2の変形例1について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。
図33】実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第1例を示す図である。
図34】実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第1例を示す図である。
図35】実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図36】実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図37】実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第3例を示す図である。
図38】実施の形態2の変形例4について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。
図39】実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第1例を示す図である。
図40】実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図41】実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第2例を示す図である。
図42】実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第3例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
【0067】
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
【0068】
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン(以下、U-Planeと称する場合もある)、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E-UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
【0069】
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
【0070】
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbor cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
【0071】
基地局203は、1つあるいは複数のeNB207により構成される。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
【0072】
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS-GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS-GWを含むMME/S-GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
【0073】
MME部204は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203は、E-UTRAN201を構成する。
【0074】
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
【0075】
図3は、3GPPにおいて議論されている5G方式の通信システム210の全体的な構成を示すブロック図である。図3について説明する。無線アクセスネットワークは、NG-RAN(Next Generation Radio Access Network)211と称される。UE202は、NR基地局装置(以下「NR基地局(NG-RAN NodeB:gNB)」という)213と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。また、コアネットワークは、5Gコア(5G Core:5GC)と称される。
【0076】
UE202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン(以下、U-Planeと称する場合もある)、例えばSDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とがNR基地局213で終端するならば、NG-RANは1つあるいは複数のNR基地局213によって構成される。
【0077】
UE202とNR基地局213との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)の機能はLTEと同様である。RRCにおけるNR基地局213とUE202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDと、RRC_INACTIVEとがある。
【0078】
RRC_IDLE、RRC_CONNECTEDは、LTE方式と同様である。RRC_INACTIVEは5GコアとNR基地局213との間の接続が維持されつつ、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。
【0079】
gNB217は、アクセス・移動管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)、セッション管理機能(Session Management Function:SMF)、あるいはUPF(User Plane Function)、あるいはAMF、SMFおよびUPFを含むAMF/SMF/UPF部(以下「5GC部」という場合がある)214とNGインタフェースにより接続される。gNB217と5GC部214との間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。NGインタフェースは、gNB217とAMFとの間のN2インタフェース、gNB217とUPFとの間のN3インタフェース、AMFとSMFとの間のN11インタフェース、および、UPFとSMFとの間のN4インタフェースの総称である。一つのgNB217に対して、複数の5GC部214が接続されてもよい。gNB217間は、Xnインタフェースにより接続され、gNB217間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。
【0080】
NR基地局213も、基地局203同様、1つあるいは複数のセルを構成してもよい。1つのNR基地局213が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、UE202と通信可能に構成される。
【0081】
gNB217は、中央ユニット(Central Unit;以下、CUと称する場合がある)218と分散ユニット(Distributed Unit;以下、DUと称する場合がある)219に分割されていてもよい。CU218は、gNB217の中に1つ構成される。DU219は、gNB217の中に1つあるいは複数構成される。CU218は、DU219とF1インタフェースにより接続され、CU218とDU219との間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。
【0082】
5G方式の通信システムは、非特許文献22(3GPP TS23.501 V16.1.0)に記載の統合データ管理(Unified Data Management;UDM)機能、ポリシ制御機能(Policy Control Function;PCF)をさらに含んでもよい。UDMおよび/あるいはPCFは、図3における5GC部に含まれてもよい。
【0083】
5G方式の通信システムは、非特許文献22(3GPP TS23.501 V16.1.0)に記載の非3GPP相互動作機能(Non-3GPP InterworkingFunction;N3IWF)をさらに含んでもよい。N3IWFは、UEとの間の非3GPPアクセスにおいて、アクセスネットワーク(Access Network;AN)を終端してもよい。
【0084】
図4は、EPCに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成を示した図である。図4において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図4において、eNB223-1がマスタ基地局となり、gNB224-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、EN-DCと称する場合がある)。図4において、MME部204とgNB224-2との間のU-Plane接続がeNB223-1経由で行われる例について示しているが、MME部204とgNB224-2との間で直接行われてもよい。
【0085】
図5は、NGコアに接続するgNBによるDCの構成を示した図である。図5において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図5において、gNB224-1がマスタ基地局となり、gNB224-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NR-DCと称する場合がある)。図5において、5GC部214とgNB224-2との間のU-Plane接続がgNB224-1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とgNB224-2との間で直接行われてもよい。
【0086】
図6は、NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成を示した図である。図6において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図6において、eNB226-1がマスタ基地局となり、gNB224-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NG-EN-DCと称する場合がある)。図6において、5GC部214とgNB224-2との間のU-Plane接続がeNB226-1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とgNB224-2との間で直接行われてもよい。
【0087】
図7は、NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの、他の構成を示した図である。図7において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図7において、gNB224-1がマスタ基地局となり、eNB226-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NE-DCと称する場合がある)。図7において、5GC部214とeNB226-2との間のU-Plane接続がgNB224-1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とeNB226-2との間で直接行われてもよい。
【0088】
図8は、図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調部305にて、MIMOにおけるプリコーディングが行われてもよい。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307-1~307-4から基地局203に送信信号が送信される。図8において、アンテナの数が4つである場合について例示したが、アンテナ数は4つに限定されない。
【0089】
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307-1~307-4により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調部308にて、ウェイト計算および乗算処理が行われてもよい。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図8では省略しているが、各部301~309と接続している。図8において、移動端末202が送信に用いるアンテナ数と受信に用いるアンテナ数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0090】
図9は、図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)との間のデータの送受信を行う。5GC通信部412は、基地局203と5GC(5GC部214など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401、5GC通信部412、および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401、5GC通信部412、および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
【0091】
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調部406にて、MIMOにおけるプリコーディングが行われてもよい。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408-1~408-4より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。図9において、アンテナの数が4つである場合について例示したが、アンテナ数は4つに限定されない。
【0092】
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいは5GC通信部412あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータは5GC通信部412、EPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図9では省略しているが、各部401~410と接続している。図9において、基地局203が送信に用いるアンテナ数と受信に用いるアンテナ数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0093】
図9は、基地局203の構成について示したブロック図であるが、基地局213についても同様の構成としてもよい。また、図8および図9について、移動端末202のアンテナ数と、基地局203のアンテナ数は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0094】
図10は、MMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
【0095】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
【0096】
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505-1、SAEベアラコントロール部505-2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505-3などが含まれ、制御プレイン(以下、C-Planeと称する場合もある)に対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505-1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505-2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505-3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE-IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
【0097】
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるeNB207のCSGの管理、CSG IDの管理、およびホワイトリストの管理は、アイドルステートモビリティ管理部505-3で行われてもよい。
【0098】
図11は、5GCの構成を示すブロック図である。図11では、前述の図3に示す5GC部214の構成を示す。図11は、図5にて示す5GC部214に、AMFの構成、SMFの構成およびUPFの構成が含まれた場合について示している。Data Network通信部521は、5GC部214とData Networkとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部522は、5GC部214と基地局203との間のS1インタフェース、および/あるいは、5GC部214と基地局213との間のNGインタフェースによるデータの送受信を行う。Data Networkから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、Data Network通信部521から、ユーザプレイン通信部523経由で基地局通信部522に渡され、1つあるいは複数の、基地局203および/あるいは基地局213へ送信される。基地局203および/あるいは基地局213から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部522から、ユーザプレイン通信部523経由でData Network通信部521に渡され、Data Networkへ送信される。
【0099】
Data Networkから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、Data Network通信部521からユーザプレイン制御部523経由でセッション管理部527へ渡される。セッション管理部527は、制御データを制御プレイン制御部525へ渡す。基地局203および/あるいは基地局213から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部522から制御プレイン制御部525に渡す。制御プレイン制御部525は、制御データをセッション管理部527へ渡す。
【0100】
制御プレイン制御部525は、NASセキュリティ部525-1、PDUセッションコントロール部525-2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部525-3などを含み、制御プレイン(以下、C-Planeと称する場合もある)に対する処理全般を行う。NASセキュリティ部525-1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。PDUセッションコントロール部525-2は、移動端末202と5GC部214との間のPDUセッションの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部525-3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);RRC_IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
【0101】
5GC部214は、1つまたは複数の基地局203および/あるいは基地局213に対して、ページング信号の分配を行う。また、5GC部214は、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility Control)を行う。5GC部214は、移動端末が待ち受け状態のとき、インアクティブ状態(Inactive State)および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。5GC部214は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。
【0102】
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P-SS)、および第二同期信号(S-SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
【0103】
P-SSとS-SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
【0104】
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST601で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
【0105】
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
【0106】
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0107】
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL-SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
【0108】
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
【0109】
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
【0110】
図12に示す例においては、LTE方式におけるセルサーチから待ち受けまでの動作の例について示したが、NR方式においては、ステップST603において、ベストセルに加えてベストビームを選択してもよい。また、NR方式においては、ステップST604において、ビームの情報、例えば、ビームの識別子を取得してもよい。また、NR方式においては、ステップST604において、リメイニングミニマムSI(Remaining Minimum SI:RMSI)のスケジューリング情報を取得してもよい。NR方式においては、ステップST605において、RMSIを受信するとしてもよい。
【0111】
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE-IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
【0112】
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
【0113】
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
【0114】
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
【0115】
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
【0116】
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
【0117】
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
【0118】
図13は、NRにおけるセルの構成の一例を示す。NRのセルでは、狭いビームを形成し、方向を変えて送信する。図13に示す例において、基地局750は、ある時間において、ビーム751-1を用いて移動端末との送受信を行う。他の時間において、基地局750は、ビーム751-2を用いて移動端末との送受信を行う。以下同様にして、基地局750はビーム751-3~751-8のうち1つあるいは複数を用いて移動端末との送受信を行う。このようにすることで、基地局750は広範囲のセルを構成する。
【0119】
図13において、基地局750が用いるビームの数を8とする例について示したが、ビームの数は8とは異なっていてもよい。また、図13に示す例において、基地局750が同時に用いるビームの数を1つとしたが、複数であってもよい。
【0120】
3GPPにおいて、D2D(Device to Device)通信、V2V(Vehicle to Vehicle)通信のため、サイドリンク(SL:Side Link)がサポートされている(非特許文献1参照)。SLはPC5インタフェースによって規定される。
【0121】
SLに用いられる物理チャネル(非特許文献1参照)について説明する。物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical sidelink broadcast channel)は、システムと同期に関連する情報を運び、UEから送信される。
【0122】
物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH:Physical sidelink discovery channel)は、UEからサイドリンクディスカバリメッセージを運ぶ。
【0123】
物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical sidelink control channel)は、サイドリンク通信とV2Xサイドリンク通信のためのUEからの制御情報を運ぶ。
【0124】
物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical sidelink shared channel)は、サイドリンク通信とV2Xサイドリンク通信のためのUEからのデータを運ぶ。
【0125】
SLに用いられるトランスポートチャネル(非特許文献1参照)について説明する。サイドリンク報知チャネル(SL-BCH:Sidelink broadcast channel)は、予め決められたトランスポートフォーマットを有し、物理チャネルであるPSBCHにマッピングされる。
【0126】
サイドリンクディスカバリチャネル(SL-DCH:Sidelink discovery channel)は、固定サイズの予め決められたフォーマットの周期的報知送信を有する。また、SL-DCHは、UE自動リソース選択(UE autonomous resource selection)と、eNBによってスケジュールされたリソースアロケーションの両方をサポートする。UE自動リソースセレクションでは衝突リスクが有り、UEがeNBによって個別リソースをアロケーションされた時は、衝突は無い。また、SL-DCHは、HARQコンバイニングをサポートするが、HARQフィードバックはサポートしない。SL-DCHは物理チャネルであるPSDCHにマッピングされる。
【0127】
サイドリンク共有チャネル(SL-SCH:Sidelink shared channel)は、報知送信をサポートする。SL-SCHは、UE自動リソース選択(UE autonomous resource selection)と、eNBによってスケジュールされたリソースアロケーションの両方をサポートする。UE自動リソースセレクションでは衝突リスクが有り、UEがeNBによって個別リソースをアロケーションされた時は、衝突は無い。また、SL-SCHは、HARQコンバイニングをサポートするが、HARQフィードバックはサポートしない。また、SL-SCHは、送信電力、変調、コーディングを変えることによって、動的リンクアダプテーションをサポートする。SL-SCHは物理チャネルであるPSSCHにマッピングされる。
【0128】
SLに用いられる論理チャネル(非特許文献1参照)について説明する。サイドリンク報知制御チャネル(SBCCH;Sidelink Broadcast Control Channel)は、一つのUEから他のUEにサイドリンクシステム情報を報知するためのサイドリンク用チャネルである。SBCCHはトランスポートチャネルであるSL-BCHにマッピングされる。
【0129】
サイドリンクトラフィックチャネル(STCH;Sidelink Traffic Channel)は、一つのUEから他のUEにユーザ情報を送信するための1対多のサイドリンク用トラフィックチャネルである。STCHは、サイドリンク通信能力を有するUEと、V2Xサイドリンク通信能力を有するUEによってのみ用いられる。2つのサイドリンク通信能力を有するUE間の1対1通信もまたSTCHで実現される。STCHはトランスポートチャネルであるSL-SCHにマッピングされる。
【0130】
3GPPでは、NRにおいてもV2X通信をサポートすることが検討されている。NRにおけるV2X通信の検討が、LTEシステム、LTE-Aシステムを基にして進められているが、以下の点でLTEシステム、LTE-Aシステムからの変更および追加が行われている。
【0131】
LTEではSL通信はブロードキャスト(broadcast)のみであった。NRでは、SL通信として、ブロードキャストに加え、ユニキャスト(unicast)とグループキャスト(groupcast)のサポートが検討されている(非特許文献27(3GPP RP-182111)参照)。
【0132】
ユニキャスト通信やグループキャスト通信では、HARQのフィードバック(Ack/Nack)、CSI報告等のサポートが検討されている。
【0133】
SL通信で、ブロードキャストに加え、ユニキャスト(unicast)とグループキャスト(groupcast)をサポートするため、PC5-Sシグナリングのサポートが検討されている(非特許文献21(TS23.287)参照)。たとえば、SL、すなわちPC5通信を実施するためのリンクを確立するため、PC5-Sシグナリングが実施される。該リンクはV2Xレイヤで実施され、レイヤ2リンクとも称される。
【0134】
また、SL通信において、RRCシグナリングのサポートが検討されている(非特許文献21(TS23.287)参照)。SL通信におけるRRCシグナリングを、PC5 RRCシグナリングとも称する。たとえば、PC5通信を行うUE間で、UEのケーパビリティを通知することや、PC5通信を用いてV2X通信を行うためのASレイヤの設定などを通知することが提案されている。
【0135】
3GPPにおいて、NPN内でのSL通信(以降、PC5通信と称する場合がある)のサポートが提案されている。たとえば、工場内環境でNPNを構築し、NPN内でPC5通信を用いて端末間通信を行うことが提案されている(非特許文献25(3GPP S1-191338)参照)。また、工場のNPN内で、PC5通信、および/あるいは、基地局と端末の間のUu通信を用いて、AGV(Automated guided vehicle)を連携して動作させることが提案されている(非特許文献26(3GPP S1-191580)参照)。このように、NPN内でのPC5通信、および/あるいは、基地局と端末の間のUu通信の要求がある。
【0136】
NPNには、S-NPN(standalone NPN)と、CAG(Closed Access Group)を用いたNS-NPN(non-standalone NPN)がある。S-NPNは、公衆網のサポート無く構成されたNPNであり、PLMN IDとNID(Network ID)により識別される。NS-NPNは公衆網のサポート受けて構成されたNPNであり、未承認UEの接続を防ぐためにCAGが用いられる。CAGは、一つのPLMN IDの範囲で、CAG IDによって識別される。本明細書においては、特に記載のない限り、NPNとは、S-NPNとNS-NPNとを区別せずに、両方を指すものとする。
【0137】
従来の技術では、NPN内でV2Xサービスが提供されることが想定されておらず、UEは、D2D通信、V2V通信あるいはV2X通信を用いるサービス(これらのサービスを以降、V2Xサービスと称する場合がある)が、どのNPNでサポートされているかを認識していない。このため、たとえば、UEは、所望のV2Xサービスを実施可能なNPNを認識することができず、V2Xサービスを行うことが不可能となってしまう、という問題が生じる。
【0138】
また、逆に、どのNPNでも任意のV2Xサービスを実施可能とした場合、いかなるUEもNPN内でV2Xサービスを行うことが可能となってしまう。このため、V2Xサービスにおいては、NPNにアクセス可能なUEを制限することができなくなってしまうという問題が生じる。
【0139】
このような課題を解決する方法を開示する。
【0140】
UEは、アクセス可能なNPNにおいて、任意のV2Xサービスを行うことを可能とする。UEは、アクセス可能なNPNにおいて、任意のV2XサービスのためのD2D通信、V2V通信あるいはV2X通信を利用可能とする。UEは、アクセス可能なNPNにおいて、任意のV2XサービスのためのUu通信やPC5通信を利用可能とする。UEは、アクセス可能なNPNにおいて、任意のV2XサービスのためのUu通信やPC5通信を行う場合に、アクセスが許容される、あるいは、拒否されない。
【0141】
このようにすることで、UEがV2Xサービスを実施可能なNPNを特定することが可能となる。
【0142】
しかし、前述したような方法ではさらなる問題が生じる。たとえば、UEが複数のV2Xサービスを実施する場合である。前述した方法を適用した場合、全てのV2Xサービスが同じNPN内で実施可能となってしまう。このため、たとえば、工場内で複数のNPNを構築しても、各NPNでサポートするV2Xサービスを異ならせることができないという問題が生じる。
【0143】
このような課題を解決する方法を開示する。
【0144】
V2XサービスとNPNとを対応付ける。V2Xサービスを利用可能なNPNを設定するとよい。一つまたは複数のV2Xサービスを利用可能な一つのNPNを設定してもよい。一つのV2Xサービスを利用可能な一つまたは複数のNPNを設定してもよい。V2Xサービスの情報とV2Xサービスを利用可能なNPNの情報とを関連付けた情報を用いても良い。
【0145】
V2Xサービス情報として、V2Xサービスを特定するための識別子を用いてもよい。たとえば、PSID(Provider Service Identifier)、ITS-AID(Intelligent Transport Systems Application Identifier)を用いてもよい。NPNの情報として、S-NPNの場合にはS-NPNの識別子を用い、NS-NPNの場合にはNS-NPNの識別子を用いるとよい。S-NPNの識別子としてPLMN IDおよび/あるいはNIDを用い、NS-NPNの識別子としてCAGの識別子を用いてもよい。CAGの識別子として、CAG-ID、および/あるいは、CAG-IDのリストであるCAG allowed listを用いてもよい。
【0146】
V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、CN(Core Network)に記憶しておいてもよい。CNの内で、UEの登録情報等を管理や記録するUDM(Unified Data Management)、UDR(Unified Data Repository)に、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を記憶してもよい。ポリシを制御するPCF(Policy Control Function)、あるいは、アクセスとモビリティを管理するAMF(Access and Mobility Management function)、あるいは、セッションを管理するSMF(Session Management function)に、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を記憶してもよい。
【0147】
V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を有するノードは、UEに対して該情報を通知してもよい。例えば、PCFがV2Xサービスを利用可能なNPNの情報を有する場合、PCFはUEに該情報を通知してもよい。PCFはAMFを介してUEに対して該情報を通知してもよい。V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を有するノードは、RANノード(例えばgNB)に対して該情報を通知してもよい。V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を有するノードは、AMFを介してRANノードに該情報を通知してもよい。
【0148】
AMFは、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、UDMあるいはUDRあるいはPCFから取得してもよい。AMFは、UDMあるいはUDRあるいはPCFに対して、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を要求するメッセージを通知してもよい。該要求を受信したUDMあるいはUDRあるいはPCFは、AMFに対して該情報を通知してもよい。SMFはAMFから該情報を取得してもよい。このようにすることで、各ノードは、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を取得することができ、該情報を必要に応じて利用することが可能になる。
【0149】
V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、保守管理機能を有するOAM(Operations, Administration and Maintenance)に記憶しておいてもよい。AMFはOAMから、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を取得してもよい。このようにすることで、OAMからネットワークノードに、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を提供することが可能となる。
【0150】
V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、UEに記憶しておいてもよい。(U)SIM((Universal) Subscriber Identity Module)、UICC(universal integrated circuit card)に、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を記憶しておいてもよい。このようにすることで、UEは、V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、必要に応じて利用することが可能となる。
【0151】
V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、V2Xサービス関連情報(以降、V2X通信関連情報と称する場合がある)に含めてもよい。V2Xサービス関連情報として、V2XポリシまたはV2Xパラメータと、V2Xサービス情報とそれを利用可能なNPNの情報とを含めてもよい。また、V2XポリシあるいはV2Xパラメータに、V2Xサービス情報とそれを利用可能なNPNのV2Xパラメータを含めてもよい。V2Xサービス関連情報を、V2Xサービス情報とそれを利用可能なNPNのV2Xパラメータを含むV2XポリシまたはV2Xパラメータとしてもよい。
【0152】
V2XポリシまたはV2Xパラメータとして、たとえば、Uu上(Uu基準点上とも称する)のV2XポリシまたはV2Xパラメータであってもよい。たとえば、Uu上のV2X通信用にUEに対して提供するV2Xサービスのマッピング情報であってもよい。
【0153】
PCFはUEに、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知してもよい。たとえば、PCFは、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、V2Xサービス関連情報に含めて、UEに通知してもよい。PCFは、AMF、RANノードを介してUEに通知してもよい。このようにすることで、UEは、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を認識可能となる。
【0154】
PCFはRANノード(例えばgNB)に、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知してもよい。たとえば、PCFは、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、V2Xサービス関連情報に含めて、RANノードに通知してもよい。V2Xサービス関連情報は、たとえば、V2XサービスのQoSパラメータであってもよい。
【0155】
PCFはAMFを介してRANノードに通知してもよい。また、RANノードはOAMから、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を取得してもよい。このようにすることで、RANノードは、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を認識可能となる。RANノードは、セルがサポートするNPNで実行可能なV2Xサービスを認識可能となる。RANノードは、PCFから取得したV2Xサービス関連情報を用いて、セルがサポートするNPNで実行可能なV2XサービスにおけるUu通信のためのスケジューリングを、UEに対して実施可能となる。
【0156】
UEは、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を用いて、アクセス可能なセルを判断してもよい。アクセス可能なセルを判断するために、セルが報知するNPNに関する情報を用いてもよい。たとえば、UEは、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を用いて、実施するV2Xサービスで利用可能なNPNを導出し、導出したNPNを、セルが報知するアクセス可能なNPNに関する情報と照合する。導出したNPNが、セルが報知するアクセス可能なNPNに関する情報に含まれている場合、UEはアクセス可能と判断し、該セルにアクセスする。導出したNPNが、セルが報知するアクセス可能なNPNに関する情報に含まれていない場合、UEはアクセス不可能と判断し、該セルにアクセスしない。アクセス不可能な場合、UEは、アクセス可能なセルを再選択してもよい。
【0157】
NPNに関する情報に、人が該NWを特定可能な情報を含めても良い。たとえば人が加入しているPLMN名を特定可能な情報を用いてもよい。UEが該NWを特定可能な情報を受信した場合、人に対して該情報を表示してもよい。たとえば、該情報を車に搭載されるUEのディスプレイに表示させてもよい。人がNPNアクセス可否の判断を実施してもよい。前述のように、人が該NWを特定可能な情報を設け、人が該情報を認識可能とすることで、人がNPNアクセス可否の判断を実施可能となる。このため、人の好みに応じてNPNアクセス可否を判断可能となる。
【0158】
AMFはUEに対して、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報だけでなく、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNをサポートする隣接RANノードの情報を、通知してもよい。RANノードは、gNBであってもよいし、セルであってもよい。AMFは、該隣接RANノードの情報を、UEがキャンプオンするRANノードを介して通知してもよい。RANノードは、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNをサポートする隣接RANノードの情報を、UEに通知してもよい。
【0159】
AMFはUEに対して、UEがキャンプオンするRANノードの隣接RANノードがサポートするV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を、通知してもよい。AMFは、該隣接RANノードの情報を、UEがキャンプオンするRANノードを介して通知してもよい。RANノードは、隣接RANノードがサポートするV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を、UEに通知してもよい。
【0160】
RANノードは、自ノードがサポートするNPNの情報を、隣接RANノードに通知してもよい。RANノードがサポートするNPNの情報は、セル毎にサポートするNPNの情報であってもよい。セル毎ではなく、キャリア周波数毎にサポートするNPNの情報を通知してもよい。あるいは、PLMN毎にサポートするNPNの情報を通知してもよい。該情報は、基地局間インタフェースXnを用いて通知されてもよい。
【0161】
RANノードは、自ノードがサポートするV2Xサービスの情報を、隣接RANノードに通知してもよい。RANノードがサポートするV2Xサービスの情報は、セル毎にサポートするV2Xサービスの情報であってもよい。セル毎ではなく、キャリア周波数毎にサポートするV2Xサービスの情報を通知してもよい。あるいは、PLMN毎にサポートするV2Xサービスの情報を通知してもよい。該情報は、基地局間インタフェースXnを用いて通知されてもよい。
【0162】
RANノードは、自ノードがサポートするV2Xサービスの情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を、隣接RANノードに通知してもよい。セル毎に該情報が通知されてもよいし、キャリア周波数毎に該情報が通知されてもよいし、あるいは、PLMN毎に該情報が通知されてもよい。該情報は、基地局間インタフェースXnを用いて通知されてもよい。
【0163】
RANノードがこれらの情報を隣接RANノードに通知することで、AMFからUEへの通知を不要にすることができる。コアネットワーク(CN)での処理を不要とすることで、CNでの処理負荷の低減、CNとRANの間のシグナリング量を低減可能となる。
【0164】
このようにすることで、UEは、V2Xサービスを利用可能なRANノードを選択しアクセスすることが可能となる。また、UEは、V2Xサービスを利用可能なNPNをサポートしていないRANノードにはアクセス不可能と判断して、アクセスしないことになる。V2Xサービスを利用可能なNPN以外のNPNでは、V2Xサービスを利用不可能とすることができる。言い換えると、NPNで利用可能なV2Xサービスを制限できる。
【0165】
図14および図15は、実施の形態1について、自NPNセルを介してV2XのUu通信を実施するシーケンスの例を示す図である。図14図15は境界線BL1415の位置でつながっている。図14および図15は、UE、RANノード、AMF、SMF、UPF、PCFの動作を示している。ステップST1401で、RANノードはUEに対してNPN関連情報を報知する。UEは、NPN関連情報を受信して、ステップST1403で、受信したNPN関連情報を用いてRANノードにアクセス可能か否かを判断する。
【0166】
たとえば、RANノードから報知されているNPNの識別子が、自UEの有するNPNの識別子に含まれていれば、UEは、RANノードにアクセス可能と判断する。含まれていなければ、UEは、RANノードにアクセス不可能と判断する。UEは、アクセス不可能と判断した場合、他のRANノードを再選択する処理を行ってもよい。UEは、アクセス可能と判断した場合、ステップST1406で、RANノードに対して、NPN関連情報とV2Xケーパビリティを通知する。ステップST1407で、RANノードはAMFに対して、UEから受信したNPN関連情報とV2Xケーパビリティを通知する。
【0167】
UEは、NPN関連情報とV2Xケーパビリティを、たとえば、NASシグナリングで通知してもよい。たとえば、UEは、NPN関連情報とV2Xケーパビリティを、レジストレーション処理のためのメッセージに含めて、通知してもよい。たとえば、UEは、NPN関連情報とV2Xケーパビリティを、サービス要求処理のためのメッセージに含めて、通知してもよい。
【0168】
NPN関連情報とV2Xケーパビリティの通知に、UEとRANノードの間では、たとえば、RRCシグナリングを用いてもよい。RRCシグナリングを用いる場合、たとえば、RRC接続確立処理の際に、NPN関連情報とV2Xケーパビリティを通知してもよい。
【0169】
NPN関連情報とV2Xケーパビリティの通知に、RANノードとAMFの間では、たとえば、NGシグナリングを用いてもよい。NGシグナリングはN2シグナリングであってもよい。
【0170】
ステップST1411で、AMFはUEについてNPNアクセス可否検証を実施する。AMFは、UEから通知されたNPN関連情報を用いて、該UEがNWにアクセス可能か否かを判断する。AMFは、UEから通知されたNPN関連情報が、UEが登録されているNPNに含まれていれば、アクセス可能と判断する。含まれていなければ、AMFはアクセス不可能と判断する。AMFは、アクセス不可能と判断した場合、UEに対してアクセス拒否(リジェクト)メッセージを通知してもよい。アクセス拒否メッセージに、理由情報を含めてもよい。理由情報は、NPNが異なることによるアクセス拒否を示す情報であってもよい。
【0171】
AMFは、UEがアクセス可能と判断した場合、UEから受信したV2Xケーパビリティを用いて、V2Xサービスを提供可能であることを認識する。UEは、V2Xケーパビリティとともに、V2Xサービス提供要求情報を通知してもよい。AMFは、UEが明確にV2Xサービスの提供を要求していることを認識可能となる。
【0172】
ステップST1413で、AMFはPCFに対して、UEから受信したV2Xケーパビリティを通知する。該通知に、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Create Requestメッセージを用いてもよい。
【0173】
UEはPCFに対して、V2Xポリシ提供要求を通知してもよい。UEは該要求を、PCFに対して通知するUEポリシコンテナ(UE Policy Container)に含めて、通知してもよい。UEは該要求を、AMFを介してPCFに通知してもよい。UEからAMFへの通知には、たとえば、NASシグナリングを用いてもよい。たとえば、UEポリシ提供要求メッセージを用いてもよい。AMFからPCFへの通知には、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Updateメッセージを用いてもよい。
【0174】
UEから該情報を受信したPCFは、ステップST1414で、UEの登録データを用いて、V2Xサービス認証を実施する。また、PCFは、UEに対してV2Xポリシを提供することを決定する。また、PCFは、UEに対して、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を提供することを決定する。V2Xポリシとして、V2Xパラメータを含めてもよい。V2Xポリシに、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を含めてもよい。
【0175】
ステップST1415で、PCFはAMFに対して、V2X通信関連情報を通知する。V2X通信関連情報として、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を含める。V2X通信関連情報として、V2Xポリシを含めてもよい。V2Xポリシに、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を含めてもよい。V2Xサービスとそれを利用可能NPNの情報を、V2Xパラメータと関連付けておいてもよい。V2Xパラメータとして、たとえば、V2Xサービス毎のQoSパラメータなどがある。PCFは、AMFに対して、UEポリシ提供処理を用いて、V2X通信関連情報を通知してもよい。該通知には、たとえば、Namfインタフェースを用いてもよいし、Communication N1N2 MessageTransferメッセージを用いてもよい。
【0176】
ステップST1416で、AMFは、PCFから受信したV2X通信関連情報を、RANノードに対して通知する。この際、AMFはNPN関連情報を通知してもよい。NPN関連情報として、UEがアクセスを許可されるNPNのリストの更新情報を含めてもよい。該通知にN2シグナリングを用いてもよい。このようにすることで、RANノードが、UEに対するV2X関連情報を取得できる。RANノードがUEに対するV2X関連情報を取得することで、RANノードが、Uu通信を用いたV2Xサービスのためのスケジューリングを実施可能となる。
【0177】
AMFは、UEに対して、PCFから受信したV2X通信関連情報を通知してもよい。たとえば、AMFは、ステップST1416、ST1417によって、UEに対してV2X通信関連情報を通知してもよい。ステップST1417で、RANノードはUEに対して、NPN関連情報とV2X通信関連情報を通知する。AMFからUEへの通知には、NASシグナリングを用いてもよい。RANノードからUEへの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いてもよい。このようにすることで、UEも、V2X通信関連情報を取得可能となる。また、UEはNPN関連情報を取得可能となる。
【0178】
NPN関連情報とV2X通信関連情報を同じシグナリングで通知することを示したが、異なるシグナリングで通知してもよい。個別のシグナリングとすることで、たとえば、AMFが、AMFとPCFの間のV2Xポリシ提供処理を待たずに、NPN関連情報を通知可能となる。NPN関連情報の早期通知によって、たとえば、NPNの更新情報を早期に適用可能となる。
【0179】
ステップST1420で、UEにおいて、Uu通信を用いたV2Xサービスが発生する。UEが、V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルにキャンプオンしていない場合は、ステップST1422で、UEは、V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルを選択あるいは再選択する。UEは、該選択/再選択に、ステップST1417で取得したV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を用いるとよい。このようにすることで、UEは、UEがアクセスを許可されたNPN内で、所望のV2Xサービスを実施可能となる。
【0180】
ステップST1425で、UEは、選択/再選択したセルに対して、NPN関連情報、V2Xケーパビリティを通知する。ステップST1426で、セルを構成するRANノードは、AMFに対して、UEから取得したNPN関連情報、V2Xケーパビリティを通知する。このようにすることで、AMFはUEから、NPN関連情報、V2Xケーパビリティを取得可能となる。
【0181】
ステップST1431で、AMFはUEについてNPNアクセス可否検証を実施する。AMFは、UEから通知されたNPN関連情報を用いて、該UEがNWにアクセス可能か否かを判断する。AMFは、UEがアクセス可能と判断した場合、ステップST1449で、Uu通信を用いたV2XサービスのためのPDUセッションを確立する。ステップST1149で、PDUセッションが確立される。PDUセッション確立後、ステップST1450とステップST1451で、UEとRANノードの間、および、RANノードとUPFの間で、Uu通信を用いたV2Xサービスのデータ通信が実行される。
【0182】
UEからRANノードを介してAMFに通知されるV2Xケーパビリティに、UEには既にV2Xポリシが提供されていることを含めてもよい。あるいは、UEには既にV2Xポリシが提供されている場合、UEはAMFに対して、V2Xポリシ提供要求を通知しなくてもよい。AMFは、該情報を通知された場合、PCFに対してV2X通信関連情報を要求しなくてもよい。V2X通信関連情報提供処理を削減可能となる。
【0183】
図14および図15の例では、予め、UEがアクセス可能なRANノードを介して、V2X通信のアクセス認証とポリシ提供の処理を行っておくことを示した。これに対し、該処理をV2Xサービスが発生してから行ってもよい。UEおよびCNが無駄なレジストレーション状態あるいは接続状態を維持しなくて済む。V2Xサービス発生まで、UEおよびCNが、それらの状態で必要とするリソースを使用するのを回避できる。リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
【0184】
V2Xポリシが変わる場合、再度、PCFへのV2Xポリシ提供処理を実施してもよい。たとえば、V2XポリシはPLMN毎に設定されてもよい。V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルを再選択する場合、異なるPLMN内のセルを再選択してもよい。NPNが異なるとPLMNが異なる場合に適用するとよい。PLMNが異なる場合、V2Xポリシも異なる。異なるPLMN内のセルを再選択するので、V2Xポリシも変わることになる。V2Xポリシが変わる場合、再度、PCFへのV2Xポリシ提供処理を実施してもよい。
【0185】
本実施の形態1で開示した方法により、NPNでUu通信を用いたV2Xサービスを行うことが可能となる。UEは、V2Xサービスを利用可能なNPNにアクセス可能となる一方、V2Xサービスを利用不可能なNPNにはアクセス不可能となる。NPNで利用可能なV2Xサービスを制限できる。また、NPN毎にサポート可能なV2XサービスのUu通信を行うことが可能となる。NPN毎にサポート不可能なV2XサービスのUu通信を行わせないようにすることが可能となる。
【0186】
実施の形態1の変形例1.
本変形例1では、D2D通信やV2V通信などの端末間通信(以降、PC5通信と称する場合がある)を用いたV2XサービスをNPNで行う方法について開示する。
【0187】
基地局と端末の間のUu通信を用いたV2Xサービスだけでなく、端末間でPC5通信を用いたV2Xサービスにおいて、UEが複数のV2Xサービスを実施する場合がある。このような場合も実施の形態1で開示したような課題が生じてしまう。たとえば、工場内で複数のNPNを構築しても、各NPNでサポートするPC5通信を用いたV2Xサービスを異ならせることができないという問題が生じる。
【0188】
PC5通信を用いたV2Xサービスにおけるこのような課題に対しても、実施の形態1で開示したV2XサービスとNPNとを対応付ける方法を適用してもよい。V2Xサービスを利用可能なNPNを設定するとよい。一つまたは複数のV2Xサービスを利用可能な一つのNPNを設定してもよい。一つのV2Xサービスを利用可能な一つまたは複数のNPNを設定してもよい。V2Xサービスの情報とV2Xサービスを利用可能なNPNの情報とを関連付けた情報を用いても良い。
【0189】
実施の形態1では、図14図15のシーケンス例で、Uu通信を用いたV2Xサービスについて開示した。これに対し、本変形例1ではPC5通信を用いたV2Xサービスについて開示する。
【0190】
UEに対するPC5通信用スケジューリングを、PC5通信を行うUEがアクセス可能なNPN内の基地局が行う。PC5通信の方法として、基地局がスケジューリングを行う方法(以降、モード1と称する場合がある)がある。モード1のPC5通信を用いたV2Xサービスを実施する場合に、本変形例1を適用するとよい。
【0191】
PC5通信を用いたV2Xサービスを実施する方法として、実施の形態1で開示した方法を適宜適用してもよい。たとえば、V2Xサービスを利用可能なNPNを設定する方法、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報をV2Xサービス関連情報に含める方法、PCFからUEにV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知する方法、PCFからRANノード(例えばgNB)にV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知する方法、UEがV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を用いてアクセス可能なセルを判断する方法などを、適宜適用してもよい。V2Xサービス関連情報は、たとえば、PC5上(PC5基準点上とも称する)のV2XポリシやV2Xパラメータであってもよい。
【0192】
V2Xサービス関連情報を、Uu通信に関する情報と、PC5通信に関する情報とに分離してもよい。たとえば、V2Xサービスを利用可能なNPNを設定する方法において、Uu通信を用いるV2Xサービスを利用可能なNPNの情報と、PC5通信を用いるV2Xサービスを利用可能なNPNの情報とを分離してもよい。実施の形態1においては、Uu通信を用いるV2Xサービスを利用可能なNPNの情報を用いてもよい。本変形例1では、PC5通信を用いるV2Xサービスを利用可能なNPNの情報を用いてもよい。このようにすることで、使用するV2Xサービスを利用可能なNPNの情報の情報量を低減できる。
【0193】
NPNアクセス可否検証をRANノードが行ってもよい。RANノードがUEについてNPNアクセス可否検証を実施する。RANノードは、PC5通信を用いたV2Xサービスを行う場合のNPNアクセス可否検証を実施してもよい。RANノードは、UEからのV2Xサービスのアクセスに対して、自セルのNPNへのアクセス可否を検証する。アクセス可の場合は、RANノードは、UEに対してアクセスを許可し、PC5通信用のスケジューリングを行う。アクセス不可能場合は、RANノードはUEに対してアクセスを許可しない。RANノードはUEに対してリジェクトを通知してもよい。RANノードは、理由情報を、リジェクトに含めて、UEに通知してもよい。
【0194】
UEについてNPNアクセス可否検証を行うRANノードは、該UEが接続しているAMF配下のRANノードであってもよい。RANノードが予め、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応付けを認識しておいてもよい。RANノードがNPNアクセス可否検証を実施するのは、RANノードが予め、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応付けを認識している場合に限定してもよい。RANノードは、UEからのV2Xサービスのアクセスに対して、V2XサービスとNPNとの対応付けを認識しているか否かに応じて、UEについてNPNアクセス可否検証を実施するか否かを判断してもよい。RANノードは、該対応付けを認識している場合は、NPNアクセス可否検証を実施する。RANノードは、該対応付けを認識していない場合は、NPNアクセス可否検証を行わず、AMFに通知し、AMFがUEについてNPNアクセス可否検証を実施する。
【0195】
たとえば、UEがPC5通信を用いたV2Xサービスを行う場合は、CNとの通信が不要な場合がある。たとえば、既にUEおよび/あるいはRANノードが、V2X認証を得ておりV2Xポリシを提供されている場合である。このような場合に、NPNアクセス可否をAMFで検証することを不要とすることができる。RANノードでNPNアクセス可否検証を実施することで、CNとRANノードの間のシグナリングを削減できる。また、AMFでNPNアクセス可否検証を実施するよりも低遅延で、V2Xサービスを実施可能になる。
【0196】
図16および図17は、実施の形態1の変形例1について、自NPNセルを介してV2XのPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。図16図17は境界線BL1617の位置でつながっている。図16および図17は、RANノード(基地局)がUEに対してPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。図16および図17は、送信UE、受信UE、RANノード、AMF、SMF、UPF、PCFの動作を示している。送信UEと受信UEはPC5通信を行うUEである。送信UEと受信UEとの間でPC5通信が実施される。送信UEはV2Xサービスのためのデータを送信し、受信UEは送信UEから送信されたV2Xサービスのためのデータを受信する。図16および図17において、図14および図15と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0197】
ステップST1502で、RANノードはUEに対してNPN関連情報を報知する。送信UEは、NPN関連情報を受信して、ステップST1504で、受信したNPN関連情報を用いてRANノードにアクセス可能か否かを判断する。受信UEは、RANノードから報知されるNPN関連情報を受信してもよい。送信UEでのアクセス可否判断には、図14および図15で開示した方法を適用するとよい。送信UEは、アクセス可能と判断した場合、ステップST1406で、RANノードに対してNPN関連情報とV2Xケーパビリティを通知する。図16および図17の例では、V2Xケーパビリティとして、PC5通信のケーパビリティを用いてもよい。V2Xケーパビリティに、PC5通信可能であることを示す情報を含めてもよい。
【0198】
なお、実施の形態1の図14図15におけるV2Xケーパビリティは、Uu通信のケーパビリティとしてもよい。このようにすることで、UEが、V2X通信として、Uu通信のケーパビリティを有するのか、PC5通信のケーパビリティを有するのかを、NW側ノードが認識可能となる。また、UEが、これらのケーパビリティをNW側に通知することで、Uu通信の認証、および、ポリシまたはパラメータの提供を要求するのか、PC5通信の認証、および、ポリシまたはパラメータの提供を要求するのかを、NW側ノードが認識可能となる。
【0199】
ステップST1411で、AMFは、送信UEがアクセス可能と判断した場合、送信UEから受信したV2Xケーパビリティを用いて、V2Xサービスを提供可能であることを認識する。PC5通信のケーパビリティが通知された場合は、AMFは、PC5通信を用いたV2Xサービスを提供可能であることを明確に認識できる。送信UEは、V2Xケーパビリティとともに、V2Xサービス提供要求情報を通知してもよい。Uu通信を用いたV2Xサービス提供要求情報と、PC5通信を用いたV2Xサービス提供要求情報とを設けてもよい。送信UEが、PC5通信を用いたV2Xサービス提供要求情報を通知することで、AMFは、送信UEがPC5通信を用いたV2Xサービスの提供を明確に要求していることを認識可能となる。
【0200】
ステップST1413で、AMFはPCFに対して、送信UEから受信したV2Xケーパビリティを通知する。該通知に、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Create Requestメッセージを用いてもよい。
【0201】
送信UEはPCFに対して、V2Xポリシ提供要求を通知してもよい。送信UEは該要求を、PCFに対して通知するUEポリシコンテナ(UE Policy Container)に含めて、通知してもよい。送信UEは該要求を、AMFを介してPCFに通知してもよい。送信UEからAMFへの通知には、たとえば、NASシグナリングを用いてもよい。たとえば、送信UEポリシ提供要求メッセージを用いてもよい。AMFからPCFへの通知には、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Updateメッセージを用いてもよい。
【0202】
送信UEから該情報を受信したPCFは、ステップST1414で、送信UEの登録データを用いて、V2Xサービス認証を実施する。PCFは、PC5通信を用いたV2Xサービスの認証を実施してもよい。また、PCFは、送信UEに対してV2Xポリシを提供することを決定する。PCFは、PC5通信を用いたV2Xのポリシを提供することを決定してもよい。また、PCFは、送信UEに対して、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を提供することを決定する。PCFは、PC5通信を用いたV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を提供することを決定してもよい。V2Xポリシだけでなく、V2XポリシまたはV2Xパラメータを含めてもよい。V2XポリシまたはV2Xパラメータに、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を含めてもよい。
【0203】
ステップST1415で、PCFはAMFに対して、V2X通信関連情報を通知する。V2X通信関連情報として通知するV2Xサービスは、PC5通信を用いたV2Xサービスであってもよい。
【0204】
ステップST1521で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生する。送信UEが、V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルにキャンプオンしていない場合は、ステップST1523で、UEは、V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルを選択あるいは再選択する。送信UEは、該選択/再選択に、ステップST1417で取得したV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を用いるとよい。このようにすることで、送信UEは、送信UEがアクセスを許可されたNPN内で、所望のV2Xサービスを実施可能となる。
【0205】
ステップST1530で、送信UEは、選択/再選択したセルに対して、NPN関連情報、V2Xケーパビリティを通知する。図16および図17では、ステップST1532で、セルを構成するRANノードが、送信UEについて、NPNアクセス可否検証を実施する例を開示する。RANノードは、送信UEから通知されたNPN関連情報を用いて、送信UEが自RANノードにアクセス可能か否かを判断する。RANノードは、送信UEがアクセス可能と判断した場合、ステップST1533で、送信UEに対して、PC5通信を用いたV2Xサービス許可メッセージを通知してもよい。
【0206】
このように、NPNアクセス可否検証をRANノードが実施することで、PC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNの情報を有するUEがPC5通信を実施する場合、コアネットワーク側へのアクセスが不要になる。PC5通信開始までの時間を削減することが可能となる。
【0207】
送信UEがステップST1523で再選択したRANノードが、ステップST1416でV2X通信関連情報を受信したRANノードと異なる場合、RANノードは、AMFあるいはPCFに対して、V2X関連情報提供を要求してもよい。ステップST1407からステップST1416の処理を実施すればよい。RANノードは送信UEに対するV2X関連情報を取得できる。また、この場合、UEについてのNPNアクセス可否検証をAMFが実施してもよい。
【0208】
送信UEは、ステップST1534で、RANノードに対してBSRを通知する。送信UEはSR(Scheduling Request)を通知してもよい。BSRを受信したRANノードは、ステップST1535で、送信UEに対して、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。RANノードは、ステップST1416で受信したV2X通信関連情報を用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施してもよい。
【0209】
送信UEは、ステップST1535でRANノードから受信したPC5通信用スケジューリング情報を用いて、ステップST1547で、受信UEとの間でPC5-Sシグナリングを実施し、PC5通信のためのリンクを確立する。ステップST1548で、送信UEは、受信UEとの間でRRCシグナリングを実施し、たとえば、ASレイヤの設定情報やUEケーパビリティ情報等を相互に通知する。このようにすることで、送信UE、受信UEともに、PC5通信用のASレイヤを設定可能となる。PC5-SシグナリングとRRCシグナリングの順序は適宜入れ替えてもよい。たとえば、PC5-Sシグナリングを行うために必要なRRCシグナリングを、PC5-Sシグナリングの前に実施してもよい。たとえば、RRCシグナリングを行い、その後でPC5-Sシグナリングを行うことによって、PC5通信のためのリンクを確立してもよい。
【0210】
ステップST1552で、送信UEと受信UEとの間でPC5通信を用いたV2Xサービスのデータ通信を実施する。PC5通信において、送信UEはRANノードへBSRを複数回送信してもよい。BSRは、PC5-Sシグナリングから、V2Xサービスデータ送信まで、あるいは、PC5リンク解放までの間に適宜送信されてもよい。RANノードは、該BSRの受信によりPC5通信のためのスケジューリングを実施し、PC5通信用スケジューリング情報を送信UEに対して通知する。このようにすることで、PC5通信を用いたV2Xサービスを提供可能なNPNに属するRANノードが、UEに対して、PC5通信用スケジューリングを実施することが可能になる。
【0211】
実施の形態1の本変形例1で開示した方法により、NPNでPC5通信を用いたV2Xサービスを行なうことが可能となる。UEは、V2Xサービスを利用可能なNPNにアクセス可能となる一方、V2Xサービスを利用不可能なNPNにはアクセス不可能となる。NPNで利用可能なV2Xサービスを制限できる。また、NPN毎にサポート可能なV2XサービスのPC5通信を行うことが可能となる。NPN毎にサポート不可能なV2XサービスのPC5通信を行わせないようにすることが可能となる。
【0212】
実施の形態1の変形例2.
本変形例2では、実施の形態1の変形例1で開示した課題を解決するための他の方法を開示する。
【0213】
PC5通信を行うUEが、アクセス可能なNPN内の基地局のカバレッジ内に存在する場合に、対向するUE間でのPC5通信用スケジューリングを行う。PC5通信の方法として、PC5通信を行う送信UEがスケジューリングを行う方法(以降、モード2と称する場合がある)がある。モード2のPC5通信を用いたV2Xサービスを実施する場合に、本変形例2を適用するとよい。
【0214】
PC5通信用スケジューリングに用いるリソース(以降、PC5通信用リソースと称する場合がある)は、たとえば、UEがアクセス可能なNPN内の基地局から報知される。PC5通信用リソースとして、リソースプール(RP)が通知されてもよい。PC5通信用リソースは、予めUE内に構成されてもよい。スケジューリングに用いるリソースが予めUE内に構成される場合、該リソースはPCFによってアップデートされてもよい。該リソースのアップデートは、V2Xサービスのポリシ(V2Xポリシ)提供処理を用いて、PCFからUEへ提供されてもよい。
【0215】
RANノードはUEに対して、PC5通信用リソースと該リソースを利用可能なNPNとを対応付けた情報を報知してもよい。RANノードは該情報をシステム情報に含めて報知してもよい。あるいは、RANノードは該情報をシステム情報に含めて個別シグナリングで通知してもよい。RANノードは共用チャネルを用いて該情報を通知してもよい。
【0216】
RANノードは、PC5通信用リソースに関する情報を、UEに対して報知するNPNに関する情報に含めて、報知してもよい。RANノードは、NPNとPC5通信用リソースとを対応付けた情報を報知してもよい。NPNアクセス制御が必要なUEは、該情報を取得することで、V2Xサービスを行う場合に必要なPC5通信用リソースを認識可能となる。あるいは、RANノードは、該リソースを用いるNPNに関する情報を、UEに対して報知するPC5通信用リソースに関する情報に含めて、報知してもよい。PC5通信によるV2Xサービスを実施するUEは、PC5通信用リソースに関する情報を取得することで、V2Xサービスを実施可能なNPNを認識可能となる。
【0217】
UEはあらかじめ、PC5通信を用いたV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を取得しておくとよい。PC5通信を用いたV2Xサービス行うUEは、送信UEも受信UEも、あらかじめ、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を取得しておいてもよい。実施の形態1または実施の形態1の変形例1で開示した方法を適宜適用してもよい。たとえば、PCFからUEに、V2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知する方法を適用してもよい。
【0218】
UEはあらかじめ、PC5通信を用いたV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を記憶しておいてもよい。実施の形態1で開示した方法を適宜適用してもよい。
【0219】
PC5通信を用いたV2Xサービスを行う送信UEは、予め取得した、PC5通信を用いたV2Xサービスと対応付けられたNPNに関する情報と、RANノードから報知されたNPNに関する情報とを用いて、該NPN内でPC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能か否かを検証してもよい。送信UEは、NPNに関する情報が同じであればPC5通信可と判断して、該NPNと対応付けられたPC5通信用リソースを用いて、PC5通信を起動する。送信UEは、該NPNに関する情報が異なればPC5通信不可と判断して、PC5通信を起動しない。送信UEは、RANノードに対して、再度PC5通信用リソースを要求してもよい。
【0220】
このようにすることで、送信UEが、PC5通信を用いたV2Xサービスを実施する場合に、NPNアクセス可否検証を実施可能となる。NPNアクセス可否検証により、PC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNにアクセス不可能なUEに対して、V2Xサービスを実施不可能とすることが可能となる。PC5通信を用いたV2XサービスにおいてもNPNアクセス制限を実施可能とすることができる。
【0221】
受信UEは、あらかじめ取得した、PC5通信を用いたV2Xサービスと対応付けられたNPNに関する情報と、RANノードから報知された、NPNに関する情報と該NPNに対応するPC5通信用リソース情報とを用いて、V2Xサービスに用いられるPC5通信用リソースを導出する。受信UEは、導出したPC5通信用リソースでPC5通信のための受信処理を行う。これにより、受信UEは送信UEからPC5通信を受信可能となる。
【0222】
V2Xサービス毎にRPを設定してもよい。あるいは、RPをV2Xサービス毎に分割して設定してもよい。一つのRPを複数のサブRPに分けて設定してもよい。NPN毎にNPNで用いられるRPを設定してもよい。あるいは、RPをNPN毎に分割して設定してもよい。一つのRPを複数のサブRPに分けて設定してもよい。一つのRPあるいはサブRPが一つまたは複数のNPNで用いられてもよい。NPNとNPNで用いられるRPとを対応づけてもよい。同一NPN内でのPC5通信は、対応付けられたRPを用いて行われてもよい。
【0223】
これらを組み合わせても良く、V2Xサービスと、それを利用可能なNPNと、該NPNで用いられるRPとを設定可能となる。RPについて開示したが、RPはPC5通信用リソースの一例に過ぎない。PC5通信用リソースは、PC5通信に用いる周波数であってもよい。PC5通信用リソースは、周波数に限らず、帯域であってもよい。
【0224】
これらの設定情報はCNからUEに提供されてもよい。たとえば、PCFがUEに対して、これらの設定情報を通知する。PCFは、これらの設定情報を、V2X関連情報に含めて、通知してもよい。たとえば、PCFは、V2Xポリシ提供処理を用いて、これらの設定情報を通知してもよい。これらの方法として、実施の形態1の変形例1で開示した方法を適用してもよい。これらの設定情報は、CN側ノードに構成されてもよい。CN側ノードに構成する方法として、実施の形態1で開示した方法を適宜適用してもよい。
【0225】
このようにすることで、V2Xサービス毎あるいはNPN毎に用いられるPC5通信用リソースを設定可能となる。V2Xサービス毎あるいはNPN毎に、PC5通信に用いるリソースを分離することができるので、他のV2Xサービスや他のNPNでの通信との衝突など、他のV2Xサービスや他のNPNからの干渉を受けることなく、PC5通信を用いたV2Xサービスが実施可能となる。
【0226】
送信UEは、受信UEに対して、PC5通信を用いたV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知してもよい。あるいは、送信UEはいずれか一つの情報を通知してもよい。NPNに関する情報は、NPNを特定するための識別子であってもよい。このようにすることで、受信UEは、これらの情報をRANノードから受信しなくても、送信UEから受信可能となる。受信UEは、送信UEと、PC5通信を用いたV2Xサービスを実行可能となる。
【0227】
受信UEは、予め取得した、V2Xサービスに対応づけられたNPNに関する情報を、送信UEから通知された、PC5通信を用いたV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNに関する情報と比較して、送信UEと該NPN内でPC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能か否かを検証してもよい。受信UEは、NPNに関する情報が同じであればPC5通信可と判断する。また、受信UEは、該NPNと対応付けられたPC5通信用リソースを用いて、送信UEからV2Xサービスを受信する。受信UEは、該NPNに関する情報が異なればPC5通信不可と判断して、V2Xサービスを受信しない。
【0228】
図18および図19は、実施の形態1の変形例2について、自NPNセルを介してV2XのPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。図18図19は境界線BL1819の位置でつながっている。図18および図19は、UEがPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。図18および図19において、図16および図17と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0229】
ステップST1521で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生する。ステップST1523で、送信UEは、V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルを再選択する。ステップST1629で、送信UEは、再選択したセルから報知されるPC5通信関連情報を受信する。PC5通信関連情報は、PC5通信用リソースプール(RP)に関する情報を含んでもよい。また、PC5通信関連情報は、NPNに関する情報、たとえば識別子を含んでもよい。RPはNPNに関する情報と関連付けられてもよい。
【0230】
このようにすることで、送信UEは、PC5通信用スケジューリングを実施するためのリソースを取得することが可能となる。また、送信UEは、PC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNに関する情報を取得することが可能となる。
【0231】
図18および図19の例では、ステップST1637で、送信UEがNPNアクセス可否検証を実施する。送信UEは、RANノードから報知されたPC5通信関連情報と、ステップST1417で通知されたV2X通信関連情報とを用いて、発生したPC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNに対応するRPを認識可能となる。ステップST1638で、送信UEは、V2Xサービスを利用可能なNPNに対応したRPを選択する。送信UEは、選択したRPを用いて、PC5通信用のスケジューリングを実施する。
【0232】
発生したPC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNに対応するRPが存在しない場合、送信UEは、PC5通信不可能と判断し、PC5通信を行わない。その場合、たとえば、送信UEは再度、AMFあるいはPCFに対して、V2X通信関連情報の提供を要求してもよい。たとえば、送信UEは、ステップST1407からステップST1417の処理を実施してもよい。送信UEは、該処理をステップST1523で再選択したセルを介して行ってもよい。送信UEは再度、V2Xサービスを利用可能なNPN内のセルを再選択し、該セルから報知されるPC5通信関連情報を用いてNPNアクセス可否を検証する。
【0233】
このように、NPNアクセス可否検証を送信UEが実施することで、PC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNの情報を有するUEがPC5通信を実施する場合、ネットワーク側へのアクセスが不要になる。PC5通信開始までの時間をさらに削減することが可能となる。
【0234】
送信UEは、ステップST1642で、受信UEに対して、PC5通信要求を行う。送信UEは該要求を、PC5-Sシグナリングで実施してもよい。該PC5通信要求にNPN関連情報を含めてもよい。受信UEがNPN関連情報を認識可能となる。受信UEは、ステップST1645で、送信UEに対して、PC5通信許可を送信してもよい。受信UEは該PC5通信許可にNPN関連情報を含めてもよい。送信UEが、受信UEとの間で実施するPC5通信を用いたV2XサービスのNPNを確認できる。
【0235】
受信UEも、送信UEと同様に、ステップST1502からステップST1417までの処理を実施してもよい。受信UEが、NPNアクセス可否検証を実施してもよい。たとえば、受信UEは、ステップST1629の処理を実施してもよい。これにより、受信UEは、ステップST1642で送信UEから通知されたNPN関連情報を用いて、NPNが、受信するV2Xサービスに対応しているか否かを確認可能となる。受信UEは、NPNが、受信するV2Xサービスに対応していれば、ステップST1645でPC5通信許可を通知し、そうでなければ、PC5通信拒否を通知してもよい。あるいは、受信UEは何も送信しなくてもよい。このようにすることで、PC5通信を用いた所望のV2Xサービスを利用可能なNPNにおいてのみ、該所望のV2Xサービスを実施可能とすることができる。また、NPNアクセス可否判断を実施するUEとは異なるUEが、NPNアクセス可否検証を実施可能となる。
【0236】
送信UEがステップST1523で再選択したRANノードが、ステップST1416でV2X通信関連情報を受信したRANノードと異なる場合、RANノードは、AMFあるいはPCFに対して、V2X関連情報提供を要求してもよい。ステップST1407からステップST1416の処理を実施すればよい。RANノードは送信UEに対するV2X関連情報を取得できる。また、この場合、UEについてのNPNアクセス可否検証をAMFが実施してもよい。
【0237】
本変形例2では、RANノードがPC5通信関連情報を報知する例を開示した。PC5通信を行うUEは、該RANノードのカバレッジ外に移動した場合も、カバレッジ内に存在したときに受信したPC5通信関連情報を用いて、PC5通信を用いたV2Xサービスを実施してもよい。該RANノードのカバレッジ外でもPC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能となる。
【0238】
実施の形態1の本変形例2で開示した方法により、NPNでPC5通信を用いたV2Xサービスを実施することが可能となる。PC5通信を行う送信UEがPC5通信用スケジューリングを行う場合も、NPN内でPC5通信を用いたV2Xサービスを実施することが可能となる。また、PC5通信を用いたV2XサービスにおいてもNPNアクセス制限を実施可能とすることができる。また、PC5通信用スケジューリングのためにRANノードへアクセスすることが不要なので、PC5通信を低遅延で実施可能となる。
【0239】
実施の形態1の変形例3.
PC5通信の方法として、PC5通信を行う送信UEがスケジューリングを行う方法がある。PC5通信用リソースは予めUE内に構成されてもよい。予めUE内に構成されたPC5通信用リソースを用いてPC5通信を行う場合、UEからNW側へのアクセスは不要である。たとえば、UEが、自NPNに属するセルのカバレッジ内に存在しない場合でも、UEはPC5通信可能である。
【0240】
しかし、従来のNPNでは、UEは、セルから受信する情報をもとにアクセス可否を判断し、UEがセルを介してAMFにアクセスすることでAMFがアクセス可否検証を実施する。このため、UEが、自NPNに属するセルが見つけられない場合、アクセス制御を実施することができず、UEは、PC5通信可能か否かを判断できず、PC5通信ができなくなってしまう。
【0241】
本変形例3ではこのような課題を解決する方法を開示する。
【0242】
UEが、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合にも、PC5通信を実行可能とする。PC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能とする。UEが、自CAGのみ通信可能と設定されていたとしても、自CAG外でPC5通信を実行可能としてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能とする。
【0243】
UEは、実施するV2Xサービスが、予めUE内に構成されたPC5通信用リソースを用いたPC5通信を用いたV2Xサービスであるか否かを判断する。予めUE内に構成されたPC5通信用リソースを用いたPC5通信を用いたV2Xサービスの場合、かつ、UEが、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合、UEは該V2Xサービスを実施する。予めUE内に構成されたPC5通信用リソースを用いたPC5通信を用いたV2Xサービスでない場合、かつ、UEが、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合、UEは該V2Xサービスを実施しない。たとえば、PC5通信を用いたV2XサービスのためのPC5通信用リソースが無い場合、UEが自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合、該V2Xサービスを実施しない、としてもよい。
【0244】
このようにすることで、UEは、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合にもPC5通信を実行可能とすることができる。
【0245】
自NPNに属するセル外でPC5通信可能か否かを示す情報を設けてもよい。該情報を、V2X関連情報に含めてもよいし、V2Xケーバピリティに含めてもよいし、あるいは、NPN関連情報に含めてもよい。該情報を予めUE内に構成しておいてもよい。該情報をUE内に記憶しておいてもよい。該情報をUSIM、CICCに記憶しておいてもよい。
【0246】
PC5通信用の自NPNに属するセル外でPC5通信可能か否かを示す情報は、該UEがCNにアクセス可能となった際に、PCFから提供されてもよいし、あるいは、アップデートされてもよい。該情報は、PCFからUEへのV2X関連情報の提供処理を用いて提供されてもよい。たとえば、V2Xポリシの提供処理を用いて、該情報が提供されてもよい。
【0247】
UEは、実施するV2Xサービスが、予めUE内に構成されたPC5通信用リソースを用いたPC5通信を用いたV2Xサービスであるか否かを、自NPNに属するセル外でPC5通信可能か否かを示す情報を用いて、判断してもよい。UEが、自NPNに属するセル外でPC5通信可能か否かを制御することが可能となる。
【0248】
UEが自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合にもPC5通信を実行可能とすることを、予め静的に規格等で決めておいてもよい。UEが自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合にもPC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能とすることを、予め静的に規格等で決めておいてもよい。これらの例において、UEが自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合の替わりに、UEが自NPNに属するセルを見つけられなかった場合、UEが自NPNの情報が報知されるセルを見つけられなかった場合、あるいは、NWにアクセス要求したUEが自NPNで無いためアクセス要求に対するリジェクトを受信した場合を適用してもよい。なお、該アクセス要求は、たとえば、位置登録要求(registration request)、サービス要求(service request)で行われてもよい。
【0249】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2Xサービスを実施する多数のUEが、自NPNに属するセルをサービングセルとしないことが明確である場合にも、PC5通信を実行可能となる。UE間の通信における誤動作を低減することが可能となる。
【0250】
前述したように、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合に用いるPC5通信用リソースは、予めUE内に構成されてもよい。PCFからUEに対してPC5通信用リソース情報が通知されなかった場合に適する。他の例として、PC5通信を行うために使用するリソースは、直近にCNから提供されたPC5通信用リソースであってもよい。UEがCNにアクセスできた場合に適する。たとえば、UEが、事前に自NPNに属するセルのカバレッジ内に存在するような状態があった場合に、該自NPNセルを介してV2Xサービス認証やV2XサービスのV2Xポリシ提供を受け、PC5通信用リソースを取得する。このようにしてCN側から提供されたPC5通信リソースを用いて、自NPN外でも、PC5通信を実行可能とする。
【0251】
PC5通信用リソースに有効期限を設定してもよい。有効期限内では、該PC5通信用リソースを使用可能とし、有効期限を超過した場合は、該PC5通信用リソースを使用不可能とする。有効期限をタイマで管理してもよい。有効期限の情報(タイマの情報であってもよい)は、静的に規格等で決めておいてもよいし、UEにあらかじめ構成されてもよい。あるいは、有効期限の情報(タイマの情報であってもよい)は、UEがCNにアクセスできた場合にCNから提供されてもよい。このようにすることで、UEは、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合に使用可能なPC5通信用リソースを認識できる。
【0252】
V2Xサービスに用いるPC5通信用リソースを、V2Xサービス毎に設定してもよい。所定の地域で用いることが可能なPC5通信用リソースを設定してもよい。所定の地域は予め設定されるとよい。NPNで用いられるPC5通信用リソースを、NPN毎に設定してもよい。これらを組み合わせてもよい。PC5通信用リソースはRPであってもよい。一つまたは複数のRPであってもよい。これらの設定情報をUEに記憶しておいてもよい。これらの設定情報は、UEがCNにアクセスできた場合にCNから提供されてもよい。たとえば、PCFがUEに対して、これらの設定情報を通知する。該設定情報は、V2X関連情報に含められて通知されてもよい。たとえば、該設定情報は、V2Xポリシ提供処理を用いて通知されてもよい。これらの方法として、実施の形態1の変形例2で開示した方法を適用してもよい。
【0253】
UEが、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合、かつ、UE間でPC5通信を実施する場合、従来のUu通信のNPNアクセス制御を用いることはできず、UEによるNPNアクセス可否判断やAMFによるアクセス可否検証などのNPNアクセス制御ができない問題が発生する。また、このため、PC5通信を実行するUEが、自NPN外のUEと通信してしまうという問題が生じることになる。このような問題を解決する方法を開示する。
【0254】
PC5通信の送信UEは、受信UEに対して、自NPN関連情報を通知する。NPN関連情報は、NPNを特定するための識別子であってもよい。
【0255】
UE間でNPN関連情報を通知する方法について開示する。NPN関連情報は、V2Xアプリケーションレイヤで通知されてもよい。たとえば、送信UEは受信UEに対して、NPN関連情報を、V2Xアプリケーションレイヤのシグナリングあるいはデータとして通知する。NPN関連情報は、V2Xサービス情報とともに通知されてもよい。
【0256】
他の方法として、NPN関連情報は、V2Xレイヤで通知されてもよい。NPN関連情報は、PC5-Sシグナリングで通知されてもよい。NPN関連情報は、UE間でPC5通信用のレイヤ2リンクを確立する時に通知されてもよい。たとえば、送信UEはNPN関連情報を、ダイレクト通信要求(Direct Communication Request)に含めて、受信UEに通知してもよい。V2XレイヤはV2Xサービス情報をレイヤ2識別子に変換する。NPN関連情報はレイヤ2識別子とともに通知されてもよい。V2Xサービス情報とレイヤ2識別子のマッピングに関する情報は、予めCNからUEに対して提供されてもよい。あるいは、該情報は予めUEに構成されてもよい。
【0257】
他の方法として、NPN関連情報は、ASレイヤで通知されてもよい。NPN関連情報は、RRCシグナリングで通知されてもよい。NPN関連情報は、UE間でPC5通信用のRRCリンクを確立する時に通知されてもよい。たとえば、送信UEはNPN関連情報を、UEケーパビリティの問い合わせ通知、あるいは、UEケーパビリティ情報の通知に含めて、受信UEに通知してもよい。たとえば、送信UEはNPN関連情報を、PC5通信用設定情報(Configuration Message)の通知、あるいは、PC5通信用設定完了の通知に含めて、受信UEに通知してもよい。
【0258】
ASレイヤでの他の通知方法を開示する。NPN関連情報は、同期処理(Synchronization procedure)において通知されてもよい。NPN関連情報は、たとえば、PSBCHに含められて、あるいは、SL-BCHに含められて、通知されてもよい。他の方法として、NPN関連情報は、ディスカバリ処理において通知されてもよい。NPN関連情報は、たとえば、PSDCHに含められて通知されてもよい。他の方法として、NPN関連情報は、PC5通信において通知されてもよい。NPN関連情報は、たとえば、PSSCHに含められて、あるいは、SL-SCHに含められて、通知されてもよい。また、NPN関連情報は、たとえば、PSCCHに含められて、あるいは、SCIに含められて、通知されてもよい。
【0259】
このようにすることで、PC5通信を行うUE間でNPN関連情報を通知可能となる。
【0260】
V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとを対応づけてもよい。V2Xサービスと、それを利用可能なNPN内の自UEが属するNPN(自NPNとも称する場合がある)とを対応付けてもよい。V2Xサービスと、それを利用可能なNPN内の自UEが属するNPNとを対応付けることによって、V2Xサービスが複数の異なるNPNでサポートされる場合、該NPNの内の特定のNPNとの対応付けを行うことが可能となる。該特定のNPNを、自UEが属するNPNとすることができる。自UEが属するNPNは一つであってもよいし複数であってもよい。
【0261】
PC5通信を行うUE間で、V2Xサービスとそれを利用可能な自NPNとを対応付けた情報を通知してもよい。PC5通信の送信UEは、受信UEに対して、V2Xサービスとそれを利用可能な自NPNとを対応付けた情報を通知してもよい。
【0262】
V2Xサービスとそれを利用可能な自NPNとを対応づける方法を開示する。
【0263】
V2Xサービス情報とNPN関連情報を対応付ける。V2Xサービスを利用可能なNPNを設定するとよい。一つまたは複数のV2Xサービスを利用可能な一つのNPNを設定してもよい。一つのV2Xサービスを利用可能な一つまたは複数のNPNを設定してもよい。V2Xサービスの情報とV2Xサービスを利用可能なNPNの情報とを関連付けた情報としても良い。
【0264】
たとえば、V2Xサービスを特定するための識別子と、NPNを特定するための識別子とを対応付ける。該対応付けはV2Xアプリケーションレイヤで行われてもよい。V2XアプリケーションレイヤがV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの対応を認識している場合に有効である。V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応づけの情報は、前述したV2Xアプリケーションレイヤでのシグナリングあるいはデータとして、UE間で通知してもよい。
【0265】
他の方法を開示する。V2XアプリケーションレイヤからV2Xレイヤに、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応づけ情報を通知する。V2XアプリケーションレイヤがV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの対応を認識している場合に有効である。あるいは、V2Xレイヤが、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとを対応付けてもよい。V2XレイヤがV2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応付けを認識している場合に有効である。
【0266】
V2XレイヤでV2Xサービス情報はレイヤ2識別子に変換されるので、このレイヤ2識別子とNPN関連情報とを対応づけるとよい。レイヤ2識別子は、ブロードキャスト通信に用いられるレイヤ2識別子であってもよいし、グループ通信に用いられるレイヤ2識別子であってもよいし、ユニキャスト通信に用いられるレイヤ2識別子であってもよい。各々の通信において、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとを対応づけることが可能となる。V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応づけの情報は、前述したV2Xレイヤでのシグナリングあるいはデータとして、UE間で通知してもよい。該通知にPC5-Sシグナリングを用いてもよい。
【0267】
他の方法を開示する。V2XレイヤからASレイヤに、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応づけ情報を通知する。前述した方法により、V2XレイヤがV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの対応を認識している場合に有効である。あるいは、ASレイヤが、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNとを対応付けてもよい。ASレイヤがV2Xサービスとそれを利用可能なNPNとの対応付けを認識している場合に有効である。V2XレイヤがASレイヤにレイヤ2識別子を通知し、ASレイヤがレイヤ2識別子とNPN関連情報とを対応づけるとよい。
【0268】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2Xサービスを行うUE間で、自NPN関連情報を通知可能となる。
【0269】
PC5通信を行う受信UEは、送信UEから通知されたV2Xサービス情報と、該V2Xサービスを利用可能な送信UEが属するNPN関連情報とを受信する。これにより、受信UEは、所望のV2Xサービスと、それを利用可能な送信UEが属するNPN関連情報とを取得する。受信UEは、送信UEのNPNアクセス可否を判断してもよい。受信UEは、送信UEから通知された、送信UEが属するNPN関連情報を用いて、NPNアクセス可否を判断してもよい。
【0270】
たとえば、受信UEは、送信UEから通知された、送信UEが属するNPN関連情報を、あらかじめUE内に構成された、V2Xサービスとそれを利用可能なNPN関連情報と照合する。同じNPNが在る場合、受信UEは、アクセス可能と判断し、送信UEとの通信を行う。同じNPNが無い場合、受信UEは、アクセス不可能と判断し、送信UEとの通信を行わない。受信UEは、アクセス不可能と判断した場合、所望のV2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を含む、送信UEからのPC5通信要求を検出する処理を再度、行うとよい。
【0271】
受信UEは、アクセス可否判断結果を送信UEに通知してもよい。たとえば、受信UEは送信UEに対して、PC5通信アクセプトを送信する。受信UEは、PC5通信アクセプトメッセージに自NPN関連情報を含めてもよい。送信UEは、受信UEから受信した、受信UEが属するNPN関連情報を用いて、NPNアクセス可否検証を行ってもよい。
【0272】
たとえば、送信UEは、受信UEから通知された、受信UEが属するNPN関連情報を、自UEが送信したNPN関連情報と照合し、同じNPNが在る場合、送信UEは、アクセス可能とし、受信UEとの通信を行う。同じNPNが無い場合、送信UEは、アクセス不可能と判断し、送信UEとの通信を行わない。このようにすることで、送信UEにおいてNPNアクセス可否検証を行う。
【0273】
前述では、受信UEがアクセス可否判断を行い、送信UEがアクセス可否検証を行うことを開示した。他の方法として、前述の受信UEによるアクセス可否判断をもって、アクセス可否検証としてもよい。受信UEにおいてアクセス可否検証を行うことになる。
【0274】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2Xサービスを行うUE間で、NPNにおけるアクセス制御を実施可能となる。同じNPNに属するUE間でのPC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能とする。また、異なるNPNに属するUE間でのPC5通信を用いたV2Xサービスを実施不可能とすることができる。
【0275】
図20は、実施の形態1の変形例3について、自NPNの属するセルのカバレッジ外でPC5通信を実施するシーケンスの第1例を示す図である。図20は、UEがPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。また、図20は、送信UEがNPNアクセス可否検証を実施する例について示している。図20において、図18および図19と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0276】
ステップST1521で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生する。ステップST1724で、送信UEは、自UEが属するNPNのカバレッジ外であることを確認する。ステップST1739で、送信UEは、V2Xサービスと、該V2Xサービスを利用可能なNPNを導出する。この導出には、予め送信UE内に構成された、V2Xサービスを利用可能なNPNに関する情報を用いるとよい。
【0277】
送信UEは、V2Xサービスに対応したNPNを導出し、導出したNPNで利用可能なPC5通信用リソースを導出する。この導出には、予め送信UE内に構成された、NPNで利用可能なPC5通信用リソースの情報を用いると良い。
【0278】
このようにすることで、送信UEは、発生したPC5通信を用いたV2Xサービスに利用可能なPC5通信用リソースを認識することができる。送信UEは、該PC5通信用リソースを用いてPC5通信用のスケジューリングを実施し、ステップST1642で、受信UEに対して、PC5通信要求を通知する。PC5通信要求にPC5-Sシグナリングを用いてもよい。図18および図19の方法で開示したように、PC5通信要求に、NPNに関する情報を含めてもよい。受信UEがNPN関連情報を認識可能となる。
【0279】
受信UEは、ステップST1743で、NPNの識別子によってアクセス可否判断を行ってもよい。受信UEは、予め受信UE内に構成された、V2Xサービスを利用可能なNPNに関する情報と、ステップST1642で送信UEから通知されたNPN関連情報とを用いて、NPNが、受信するV2Xサービスに対応しているか否かを確認可能となる。受信UEは、NPNが、受信するV2Xサービスに対応していれば、ステップST1645でPC5通信許可を通知し、そうでなければ、PC5通信拒否を通知してもよい。あるいは、受信UEは何も送信しなくてもよい。
【0280】
受信UEは、ステップST1645で、送信UEに対して、PC5通信許可を送信する。該PC5通信許可にNPN関連情報を含めてもよい。ステップST1746で、送信UEは、受信UEからPC5通信許可を受信した場合、PC5通信可能と判断し、そうでない場合、PC5通信不可能と判断する。送信UEは、さらに、PC5通信許可に含まれるNPN関連情報を用いて、PC5通信の可否を判断してもよい。PC5通信許可に含まれるNPN関連情報が、PC5通信を用いたV2Xサービスを利用可能なNPNを含んでいれば、送信UEはPC5通信可能と判断する。そうでない場合は、送信UEはPC5通信不可能と判断する。
【0281】
このようにすることで、NPNが所望のV2Xサービスを利用可能でない場合、PC5通信不可能とすることができる。送信UEにおいて、NPNアクセス可否検証を実施可能となる。
【0282】
図21は、実施の形態1の変形例3について、自NPNの属するセルのカバレッジ外でPC5通信を実施するシーケンスの第2例を示す図である。図21は、UEがPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。また、図21は、送信UEがNPNアクセス可否検証を行わず、受信UEがNPNアクセス可否検証を実施する例について示している。図21において、図20と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0283】
受信UEは、ステップST1844で、NPNの識別子によってアクセス可否検証を行ってもよい。受信UEは、予め受信UE内に構成された、V2Xサービスを利用可能なNPNに関する情報と、ステップST1642で送信UEから通知されたNPN関連情報とを用いて、NPNが、受信するV2Xサービスに対応しているか否かを確認可能となる。受信UEは、NPNが、受信するV2Xサービスに対応していれば、ステップST1645でPC5通信許可を通知し、そうでなければ、PC5通信拒否を通知してもよい。あるいは、受信UEは何も送信しなくてもよい。
【0284】
このようにすることで、PC5通信を用いた所望のV2Xサービスを利用可能なNPNにおいてのみ、該所望のV2Xサービスを実施可能とすることができる。NPNが所望のV2Xサービスを利用可能でない場合、PC5通信不可能とすることができる。受信UEにおいて、NPNアクセス可否検証を実施可能となる。このため、送信UEでのNPNアクセス可否検証を不要とすることができる。
【0285】
送信UEが、PC5通信要求を送信する前に、NPNアクセス可否を判断してもよい。PC5通信実施可否の判断をもって、NPNアクセス可否の判断としてもよい。判断指標として、たとえば、実施するV2XサービスのためのPC5通信用リソースを、予めUEが保有しているか否かの情報を用いるとよい。送信UEは、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合、かつ、自UEが、実施するV2XサービスのためのPC5通信用リソースを保有している場合、PC5通信を実施可能と判断する。送信UEは、自NPNに属するセルをサービングセルとしない場合、かつ、自UEが、実施するV2XサービスのためのPC5通信用リソースを保有していない場合、PC5通信を実施不可能と判断する。
【0286】
判断指標として、たとえば、実施するV2Xサービスが、自UEが属するNPNで実施可能か否かの情報を用いてもよい。送信UEは、実施するV2Xサービスが、自UEが属するNPNで実施可能な場合、PC5通信を実施可能と判断する。送信UEは、実施するV2Xサービスが、自UEが属するNPNで実施不可能な場合、PC5通信を実施可能と判断する。
【0287】
前述の判断指標をあわせて用いてもよい。たとえば、実施するV2Xサービスが、自UEが属するNPNで実施可能で、該V2XサービスのためのPC5通信用リソースを保有している場合、PC5通信可能とする。そうでない場合、PC5通信不可能とする。
【0288】
このようにすることで、送信UEにおいて、NPNアクセス可否の判断処理を実施可能となる。送信UEにおけるNPNアクセス可否判断を、たとえば、図20で開示した例に適用してもよい。図20において、送信UEは、ステップST1642においてPC5通信要求を送信する前に、前述の送信UEにおけるNPNアクセス可否判断を実施する。送信UEが、NPNアクセスが可能であり、かつ、PC5通信が実施可能であると判断した場合、送信UEは、PC5通信要求を送信する。送信UEが、NPNアクセスが不可であり、かつ、PC5通信が実施不可能であると判断した場合、送信UEは、PC5通信要求を送信しない。
【0289】
このようにすることで、図20の例において、送信UEによるNPNアクセス可否判断処理を行うことが可能となる。送信UEがNPNアクセス不可と判断した場合、PC5通信要求を送信しないことになるので、PC5通信におけるリソースの無駄な使用を無くし、干渉を低減することが可能となる。
【0290】
送信UEにおけるNPNアクセス可否判断を、たとえば、図21で開示した例に適用してもよい。図21において、送信UEは、ステップST1642においてPC5通信要求を送信する前に、前述の送信UEにおけるNPNアクセス可否判断を実施する。送信UEが、NPNアクセスが可能であり、かつ、PC5通信が実施可能であると判断した場合、送信UEは、PC5通信要求を送信する。送信UEが、NPNアクセスが不可であり、かつ、PC5通信が実施不可能であると判断した場合、送信UEは、PC5通信要求を送信しない。
【0291】
このようにすることで、図21の例において、送信UEによるNPNアクセス可否判断処理を行うことが可能となる。送信UEがNPNアクセス不可と判断した場合、PC5通信要求を送信しないことになるので、PC5通信におけるリソースの無駄な使用を無くし、干渉を低減することが可能となる。
【0292】
図21の例において、送信UEによるNPNアクセス可否判断処理を追加することにより、NPNアクセス可否判断処理を行うUEと、NPNアクセス可否検証を行うUEとを異ならせることが可能となる。異なる複数のUEでNPNアクセス制御を実施することが可能となる。
【0293】
また、PC5通信を実行するUEにおいてアクセス制御を実施することが可能となるので、PC5通信を実行するUEが、自NPN外のUEと通信してしまうという問題を解決することができる。
【0294】
UEが自NPNに属するセルが見つけられないような場合に、PC5通信を可能とする方法を開示した。他の方法として、UEが自NPNに属するセルが見つけられない場合、PC5通信を禁止する、としてもよい。このようにすることで、該UEに対するNPNへのアクセス制御を実施する必要がなくなる。このため、NPNを用いたシステムとしての処理を簡易にすることができる。
【0295】
実施の形態1の本変形例3で開示した方法により、UEが自NPNに属するセルが見つけられない場合でも、PC5通信が可能となり、PC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能となる。
【0296】
実施の形態1の変形例4.
PC5通信はUE間の通信である。このため、たとえば、UEがたとえ他のNPNに属するセルのカバレッジ内に存在する場合でも、UE間の通信であるPC5通信を可能にすることが要求される。本変形例4では、UEが他のNPNに属するセルのカバレッジ内に存在する場合でもPC5通信を可能にする方法を開示する。
【0297】
PC5通信を行うUEが、自NPNと異なるセルにアクセスすることを許可する。PC5通信を行うUEが、自NPNと異なるセルにアクセス可能か否かを判断する。たとえば、UEは、自UEがV2Xケーパビリティを有するか否かを判断することによって、自NPNと異なるセルにアクセス可能か否かを判断する。UEは、PC5通信ケーパビリティを有するか否かを判断してもよい。PC5通信ケーパビリティを有する場合、UEは、自NPNと異なるセルにアクセスしてもよい。そうでない場合、UEは、自NPNと異なるセルにアクセスしない。PC5通信を行うUEは、自NPNと異なるセルにアクセス可能か否かを、V2Xサービスが発生していない場合でも判断可能となる。PC5通信を行うUEが、あらかじめ、自NPNと異なるセルを介したV2X認証と、V2Xポリシ提供処理とを実施しておくことを可能とする。
【0298】
該自NPNと異なるセルが属するNPNの種類に応じて、アクセス許可あるいは不許可を異ならせてもよい。たとえば、PC5通信を行うUEが属するNPNとは異なるS-NPNに属するセルに対しては、アクセスを許可しない。PC5通信を行うUEが属するNPNとは異なるNS-NPNに属するセルに対して、はアクセスを許可する。このようにすることで、たとえPC5通信であっても、異なるS-NPNへのアクセスを禁止できる。このため、該S-NPNに属さないUEをアクセス制限することが可能となる。
【0299】
また、たとえば、PC5通信を行うUEが属するNPNとは異なるS-NPNに属するセルに対して、はアクセスを許可し、PC5通信を行うUEが属するNPNとは異なるNS-NPNに属するセルに対しては、アクセスを許可しない、としてもよい。このようにすることで、たとえPC5通信であっても、異なるNS-NPNへのアクセスを禁止できる。このため、該NS-NPNに属さないUEをアクセス制限することが可能となる。
【0300】
一つのPLMNが一つのS-NPNとなる場合と、一つのPLMNが複数のS-PLMNからなる場合とがある。たとえば、PC5通信を行うUEが属するNPNと同じPLMNの異なるNPNに属するセルに対しては、アクセスを許可し、その他の異なるNPNに属するセルに対しては、アクセスを許可しない、としてもよい。このようにすることで、たとえPC5通信であっても、アクセスを許可するNPNを限定することが可能となる。アクセス可能なUEを制限することが可能となる。
【0301】
UEは、実施するV2Xサービスが、PC5通信を用いたV2Xサービスであるか否かを判断してもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスの場合、UEは、自NPNと異なるセルにアクセスしてもよい。そうでない場合、UEは、自NPNと異なるセルにアクセスしない。UEは、PC5通信を用いたV2Xサービスが生じた場合に、自NPNと異なるセルにアクセス可能となる。また、UEは、PC5通信を用いたV2Xサービスが生じた場合に、自NPNと異なるセルを介したV2X認証と、V2Xポリシ提供処理とを実施することが可能となる。
【0302】
RANノード(gNBなど)は、UEがアクセスしてきた場合に、NPNのアクセス制御を実施しないとしてもよい。従来、NPNのアクセス制御では、UEがアクセス可否判断を行い、AMFがアクセス可否検証を行う。PC5通信を行うUEが、自NPNと異なるセルにアクセスした場合も、RANノードはNPNのアクセス制御を実施しなくてもよい。RANノードは、UEから受信した情報を、AMFに通知してもよい。
【0303】
他の方法として、RANノードは、UEがアクセスしてきた場合に、NPNのアクセス制御を実施してもよい。RANノードは、UEがPC5通信可能か否かを判断してもよい。たとえば、RANノードは、UEがPC5通信ケーパビリティを有するか否かを判断する。UEは、PC5通信ケーパビリティを、RANノードへの通知に含めて、通知する。これにより、RANノードは、UEがPC5通信可能か否かを判断可能となる。
【0304】
RANノードは、UEからの通知にPC5通信ケーパビリティが含まれている場合に、アクセス可能と判断し、UEのアクセスを許可する。RANノードは、UEのアクセスを許可した場合、AMFに対して、PC5通信ケーパビリティを通知してもよい。そうでない場合、RANノードは、アクセス不可能と判断し、UEのアクセスを許可しない。UEのアクセスを許可しない場合、RANノードはUEに対してリジェクトを通知してもよい。リジェクトに原因情報を含めてもよい。
【0305】
RANノードは、UEからの通知にPC5通信ケーパビリティが含まれている場合に、アクセス可能と判断し、UEに対して、V2Xサービス関連情報提供要求用のグラントを送信してもよい。UEは、V2Xサービス関連情報提供要求を、NASメッセージでAMFに対して通知してもよい。RANノードは、該UEがAMFに対して通知するNASメッセージ用のグラントを送信してもよい。このようにすることで、UEがPC5通信を用いたV2Xサービスが生じた場合に、自NPNと異なるセルを介したV2X認証、V2Xポリシ提供処理を実施することが可能となる。
【0306】
また、たとえば、RANノードは、UEがV2Xサービスを実施するために、あるいは、UEがPC5通信を用いたV2Xサービスを実施するために、アクセスをしてきたか否かを判断してもよい。V2XサービスのためにRANノードへアクセスする場合、UEは、PC5通信ケーパビリティを、RANノードへの通知に含めて通知する。これにより、RANノードは、UEがPC5通信可能か否かを判断可能となる。
【0307】
PC5通信を行うUEが、自NPNと異なるセルを介してAMFにアクセスすることを許容する。AMFは、UEがアクセスしてきた場合に、NPNのアクセス制御を実施してもよい。AMFは、UEからのアクセスがPC5通信を用いるか否かを判断してもよい。たとえば、UEからのアクセスが、PC5通信を用いたV2Xサービスを実施するためのアクセスの場合、AMFは、UEが自NPNと異なるNPNへアクセスすることを許可する。そうでない場合、AMFは、該UEが自NPNと異なるNPNへアクセスすることを許可しない。
【0308】
AMFが、UEからのアクセスがPC5通信を用いるか否かを判断する方法の具体例を開示する。AMFは、UEからRANノードを介して通知されるシグナリングに、PC5通信ケーパビリティが含まれるか否かを判断することによって、UEからのアクセスがPC5通信を用いるか否かを判断してもよい。UEからの通知にPC5通信ケーパビリティが含まれている場合、AMFは、アクセス可能と判断し、UEのアクセスを許可する。UEのアクセスを許可した場合、AMFはPCFに対して、V2Xサービス認証と、V2XポリシのUEに対する提供とを要求してもよい。そうでない場合、AMFは、アクセス不可能と判断し、UEのアクセスを許可しない。UEのアクセスを許可しない場合、AMFはUEに対してリジェクトを通知してもよい。リジェクトに原因情報を含めてもよい。
【0309】
また、AMFは、UEのアクセスを許可した場合、UEに対してアクセス許可を通知してもよい。該アクセス許可はRANノードを介して通知されてもよい。これにより、UEは、自NPNと異なるセルを介したNW側へのアクセスが許可されたことを認識可能となる。
【0310】
PC5通信を行うUEに対して、自NPNと異なるセルを介したV2X認証と、V2Xポリシ提供処理とを実施可能とする。前述した方法を用いて、PC5通信を行うUEとPCFとが、V2X認証と、V2Xポリシ提供処理とを行うとよい。
【0311】
AMFが、自AMFが属するNPNとは異なるNPNに属するPC5通信を行うUEのアクセスを許可した場合、該UEから該AMFへのレジストレーションを不要としてもよい。UEが自NPNと異なるセルを介してNWにアクセスする場合、レジストレーションを不要としてもよい。このようにすることで、該UEは、PC5通信を用いたV2Xサービス認証とV2Xサービス関連情報の提供のみを実施することが可能となる。
【0312】
該PC5通信を実施するUEが、自NPNと異なるセルを介してNWにアクセスする場合、レジストレーション管理ステートは非レジストレート状態としてもよい。該PC5通信を実施するUEが、自NPNと異なるセルを介してNWにアクセスする場合、接続管理ステートはアイドル状態としてもよい。これらのステート管理はUEおよびAMFで実施される。
【0313】
PC5通信を行う複数のUEにおいて管理するステートを設けてもよい。たとえば、PC5通信を行うUE間で、RRC接続されているか否かを管理するRRCステートを設けてもよい。たとえば、PC5通信を行うUE間で、PC5-Sリンクが接続されているか否かを管理するリンク接続管理ステートを設けてもよい。このようにすることで、PC5通信を行うUEにおける状態遷移処理を容易にすることが可能となり、誤動作を低減可能となる。
【0314】
他の方法を開示する。UEからのアクセスがPC5通信を用いたV2Xサービスを実施するためのアクセスの場合、AMFは、V2Xサービス認証とV2Xポリシ提供処理とをPCFとUEとの間で実施し、その後、NPNアクセス制御を実施してもよい。
【0315】
AMFは、UEからのアクセスがPC5通信を用いるか否かを判断する。判断の結果、UEからのアクセスがPC5通信を用いたV2Xサービスを実施するためのアクセスの場合、AMFは、PCFに対してV2Xサービス認証とV2XポリシのUEに対する提供とを要求し、該要求に対してPCFから提供されたV2XポリシをUEに通知し、その後、UEに対するNPNアクセス制御を実施してもよい。
【0316】
UEに対するNPNアクセス制御の一例を開示する。UEからのアクセスが自NPNと同じNPNへのアクセスの場合、AMFは、アクセス可能と判断し、UEのアクセスを許可する。UEからのアクセスが自NPNと異なるNPNへのアクセスの場合、AMFは、アクセス不可能と判断し、UEのアクセスを許可しない。UEのアクセスを許可しない場合、AMFはUEに対してリジェクトを通知してもよい。リジェクトに原因情報を含めてもよい。
【0317】
AMFは、UEに対するV2Xポリシを、NPNアクセスに対するリジェクト通知に含めて提供してもよい。AMFは、UEに対するV2Xポリシを、原因情報に含めてもよい。AMFは、UEに対するV2Xポリシを、原因情報とあわせて通知してもよい。
【0318】
このようにすることで、UEがAMFでNPNアクセス制御によりアクセス不可能と判断される前に、UEとCNとの間で、PC5通信を用いたV2Xサービスのための認証と、V2Xポリシ提供処理とを実施可能となる。たとえUEからのアクセスが自NPNと異なるNPNへのアクセスであったとしても、UEは、V2Xサービス認証と、V2Xポリシの提供とを受けることができる。
【0319】
UEに対するPC5通信用スケジューリングを、UEのNPNとは異なるNPNのRANノードが行う。言い換えると、モード1のPC5通信を用いたV2Xサービスを実施する。モード1のPC5通信を用いたV2Xサービスを実施するために、PCFが、UEがアクセスしたRANノードに対して、V2Xポリシを提供してもよい。PCFは、AMFを介して、V2Xポリシを提供してもよい。前述したNPNアクセス制御方法を適用してもよい。また、前述したV2Xポリシ提供方法を適宜適用してもよい。V2Xポリシは、PCFからUEに対して提供されるのでなく、PCFから、UEがアクセスしたRANノードに対して提供されるとよい。
【0320】
前述したように、V2Xサービス関連情報に、V2Xサービスを利用可能なNPN関連情報を対応付けた情報を含んでもよい。V2Xサービス関連情報として、V2XポリシまたはV2Xパラメータと、V2Xサービス情報とそれを利用可能なNPNの情報とを含めてもよい。また、V2XポリシあるいはV2Xパラメータに、V2Xサービス情報とそれを利用可能なNPNのV2Xパラメータを含めてもよい。V2Xサービス関連情報を、V2Xサービス情報とそれを利用可能なNPNのV2Xパラメータを含むV2XポリシまたはV2Xパラメータとしてもよい。V2XポリシまたはV2Xパラメータは、たとえば、PC5上(PC5基準点上とも称する)のV2XポリシまたはV2Xパラメータであってもよい。
【0321】
UEがPC5通信を行う方法を開示する。UEにおいてPC5通信を用いたV2Xサービスが発生すると、該UEはRANノードに対してRRC接続を行う。該RANノードは、UEのNPNと異なるNPNに属していてもよい。RANノードは、前述した、自NPNと異なるNPNに属するUEがアクセスしてきた場合のアクセス制御方法を適用するとよい。これにより、UEはRANノードにアクセス可能となる。
【0322】
UEは、RANノードに対して、PC5通信を用いたV2Xサービスで発生したデータ量を示すためのBSR(Buffer Status Report)を通知する。BSRは、RRCシグナリングで通知されてもよいし、MACシグナリングで通知されてもよい。RRCシグナリングの場合、BSRは、たとえば、UE assistance information messageに含められて通知されてもよい。また、たとえば、BSRはRRC接続確立処理において通知されてもよい。
【0323】
UEは、BSRの替わりに、PC5通信のためのスケジューリング要求を示す情報を通知してもよい。この場合、基地局はUEのV2Xサービスのデータ量を認識できない。基地局は、所定のデータ量に対応したスケジューリングを行い、該スケジューリング情報をUEに通知してもよい。所定のデータ量は予め決められていてもよい。UEは、少なくともBSRを送信可能なデータ量に対応したスケジューリングを行い、該スケジューリング情報を通知してもよい。
【0324】
このようにすることで、RANノードは、自NPNに属さないUEがPC5通信用のスケジューリングを要求していることを認識可能となる。RANノードは、自NPNに属さないUEに対して、PC5通信用のスケジューリングと、UEに対する該スケジューリング情報の通知とを実施可能となる。
【0325】
PC5通信用のスケジューリング情報の具体例として、以下に(1)~(10)を示す。
【0326】
(1)RATに関する情報。
【0327】
(2)周波数に関する情報。
【0328】
(3)BWP(Band Width Part)に関する情報。
【0329】
(4)リソースアロケーション情報。
【0330】
(5)MCS情報。
【0331】
(6)HARQに関する情報。
【0332】
(7)CSIに関する情報。
【0333】
(8)送信電力に関する情報。
【0334】
(9)電力測定に関する情報。
【0335】
(10)(1)から(9)の組合せ。
【0336】
前述の(1)のRATに関する情報は、PC5通信を行うRATを示す情報であってもよい。RATを示す情報は、たとえば、LTEかNRかを示す情報であってもよい。
【0337】
前述の(4)のリソースアロケーション情報は、たとえば、PC5通信に用いられるチャネルごとのリソースアロケーション情報、リファレンスシグナル(RS)のリソースアロケーション情報であってもよい。チャネルとして、たとえば、PSCCH、PSSCHなどがある。また、リソースアロケーション情報は、周波数-時間上のリソースのアロケーション情報であってもよい。リソースアロケーション情報は、一つまたは複数のRB単位であってもよいし、一つまたは複数のサブチャネル単位であっても良いし、一つまたは複数のシンボル単位であってもよいし、一つまたは複数のスロット単位であってもよい。また、RSのリソースアロケーション情報は、RSに用いるシーケンス情報を含んでもよい。
【0338】
前述の(6)のHARQに関する情報は、例えば、繰り返し回数、繰り返し送信する場合のリソースアロケーション情報、HARQフィードバック(たとえばAckおよび/あるいはNack)送信のためのスケジューリング情報などである。繰り返し送信あるいはHARQフィードバック送信のスケジューリング情報として、前述のPC5通信用のスケジューリング情報を適用してもよい。また、リソースアロケーション情報は、送信帯域であってもよいし、送信タイミングであってもよい。このようにすることで、PC5通信を行う送信UEがHARQ処理を実施可能となる。また、PC5通信を行う受信UEが、HARQフィードバックを送信するためのスケジューリングを実施可能になる。
【0339】
送信UEは、PC5通信を用いて、受信UEに対して、HARQフィードバックのスケジューリング情報を通知するとよい。受信UEは、HARQフィードバックのスケジューリング情報を受信することで、HARQフィードバックを送信可能となる。
【0340】
前述の(7)のCSIに関する情報は、例えば、PC5上でのCSI用RSの設定情報、CSI報告送信のためのスケジューリング情報などである。設定情報は、前述のリソースアロケーション情報であってもよい。CSI報告送信のためのスケジューリング情報として、前述のPC5通信用のスケジューリング情報を適用してもよい。また、リソースアロケーション情報は、送信帯域であってもよいし、送信タイミングであってもよい。このようにすることで、PC5通信を行う送信UEがCSI用RS送信を実施可能となる。また、PC5通信を行う受信UEがCSI報告を実施可能になる。
【0341】
送信UEは、PC5通信を用いて、受信UEに対して、CSI報告送信のためのスケジューリング情報を通知するとよい。受信UEは、CSI報告のスケジューリング情報を受信することで、CSI報告を送信可能となる。
【0342】
前述の(8)の送信出力に関する情報は、送信UEが送信するチャネルあるいはRSの送信電力であってもよい。あるいは、該情報は、送信電力を導出するためのパラメータ値であってもよい。送信UEは、該パラメータを用いて送信電力を導出する。また、該情報は、受信UEが送信するチャネルあるいはRSの送信電力であってもよい。該情報は、HARQフィードバックあるいはCSI報告の送信電力であってもよい。あるいは、該情報は、受信UEが送信電力を導出するためのパラメータ値であってもよい。基地局は、送信UEおよび受信UEが他UEから受ける干渉、あるいは、送信UEおよび受信UEが他UEへ与える干渉を考慮して、送信電力を設定することが可能となる。
【0343】
前述の(9)の電力測定に関する情報は、例えば、PC5上での電力測定用チャネルあるいはRSの設定情報、電力測定結果報告送信のためのスケジューリング情報などである。設定情報は、前述のリソースアロケーション情報であってもよい。電力測定結果報告送信のためのスケジューリング情報として、前述のPC5通信用のスケジューリング情報を適用してもよい。また、リソースアロケーション情報は、送信帯域であってもよいし、送信タイミングであってもよい。このようにすることで、PC5通信を行う送信UEが電力測定用RS送信を実施可能となる。また、PC5通信を行う受信UEが電力測定結果報告を実施可能となる。
【0344】
送信UEは、PC5通信を用いて、受信UEに対して、電力測定用チャネルあるいはRS設定を通知するとよい。受信UEは、受信した電力測定用チャネルあるいはRS設定を用いて、電力測定用チャネルあるいはRSを測定し、受信電力を導出する。送信UEは、PC5通信を用いて、受信UEに対して、電力測定結果報告送信のためのスケジューリング情報を通知するとよい。受信UEは、測定した受信電力測定結果を、該スケジューリングを用いて送信UEに対して送信可能となる。
【0345】
送信UEから受信UEに対して通知する情報、あるいは、受信UEから送信UEに対して通知する情報は、PC5-Sシグナリングを用いて通知されてもよいし、あるいはRRCシグナリングを用いて通知されてもよいし、あるいはMACシグナリングを用いて通知されてもよい。あるいは、該情報は、SCIに含められてPSCCHで通知されてもよいし、フィードバックチャネル(PSFCH)で通知されてもよい。
【0346】
PC5-Sシグナリングを用いることで、早期に通知可能となる。RRCシグナリングを用いることで、ASレイヤで通知可能となる。たとえば、ASレイヤの情報の通知に有効である。MACシグナリングを用いることで、低遅延で通知可能となる。また、MACシグナリングにHARQを適用することで、誤り率を低減可能となる。PSCCHやPSFCHを用いることで、低遅延で通知可能となる。
【0347】
情報毎に異なる通知方法を用いてもよい。たとえば、PC5通信の電力測定用RSの設定情報をPC5-Sシグナリングで通知し、電力測定結果をRRCシグナリングで通知してもよい。このようにすることで、受信UEは、早期に電力測定を実施可能となり、RRC接続後の早期に電力測定結果を送信UEに通知可能となる。これにより、送信UEは早期に適切な送信電力制御を実施可能となる。情報毎に異なる通知方法を適宜用いることで、PC5通信の通信品質を向上させることが可能となる。
【0348】
送信UEは、受信UEに対して、PC5通信を用いたV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNの情報を通知してもよい。あるいは、送信UEは、該情報のうちのいずれか一つを通知してもよい。受信UEは、予め取得した、V2Xサービスに対応づけられたNPNに関する情報と、送信UEから通知された、PC5通信を用いたV2Xサービス情報と該V2Xサービスを利用可能なNPNに関する情報とを用いて、NPNアクセス可否を判断してもよい。実施の形態1の変形例3で開示した方法を適用してもよい。
【0349】
受信UEは、アクセス可否判断結果を送信UEに通知してもよい。たとえば、受信UEは送信UEに対して、PC5通信アクセプトを送信する。受信UEは、PC5通信アクセプトメッセージに自NPN関連情報を含めてもよい。送信UEは、受信UEから受信した、受信UEが属するNPN関連情報を用いて、NPNアクセス可否検証を行ってもよい。実施の形態1の変形例3で開示した方法を適用してもよい。このようにすることで、送信UEにおいてNPNアクセス可否検証を行うことが可能となる。
【0350】
また、実施の形態1の変形例3で開示した方法を適用して、前述の受信UEによるアクセス可否判断をもって、アクセス可否検証としてもよい。受信UEにおいてアクセス可否検証を行うことになる。
【0351】
このようにすることで、モード1のPC5通信用のスケジューリングを実施するRANノードが、送信UEの属するNPNと異なるNPNに属する場合も、NPNアクセス制御を実施可能となる。PC5通信を行う受信UEにおいて、NPNアクセス可否判断が実施可能となる。
【0352】
図22および図23は、実施の形態1の変形例4について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの例を示す図である。図22図23は境界線BL2223の位置でつながっている。図22および図23は、RANノード(基地局)がUEに対してPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。図22および図23において、図16図17図20と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0353】
ステップST1905で、送信UEは、自NPNに属さないセルへのアクセス可否を判断する。送信UEは、PC5通信を用いたV2Xサービスのためのアクセスの場合は、自NPNに属さないセルにアクセス可能と判断し、そうでない場合はアクセス不可能と判断する。RANノードはUEに対してNPN関連情報を報知してもよく、UEは、報知されているNPN関連情報を受信する。UEは、ステップST1905で、受信したNPN関連情報内に自NPNが無くても、PC5通信のためのアクセスの場合には、該RANノードにアクセス可能と判断する。
【0354】
UEは、アクセス可能と判断した場合、ステップST1908で、RANノードにアクセスし、RANノードに対してV2Xケーパビリティを通知する。ステップST1909で、RANノードはAMFに対して、UEから受信したV2Xケーパビリティを通知する。送信UEからAMFへのV2Xケーパビリティの通知方法は、図16および図17で開示した方法を適宜適用すると良い。
【0355】
AMFはUEについてNPNアクセス可否検証を実施しない。PC5通信のためのV2Xケーパビリティを通知したUEについては、AMFはNWにアクセス可能か否かを判断しない。AMFは、UEから受信したV2Xケーパビリティを用いて、V2Xサービスを提供可能であることを認識する。
【0356】
ステップST1413で、AMFはPCFに対して、UEから受信したV2Xケーパビリティを通知する。該通知に、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Create Requestメッセージを用いてもよい。
【0357】
PCFは、ステップST1414で、UEの登録データを用いて、V2Xサービス認証を実施する。また、PCFは、UEに対してV2Xポリシを提供することを決定する。また、PCFは、UEに対して、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を提供することを決定する。V2Xポリシとして、V2Xパラメータを含めてもよい。V2Xポリシに、V2Xサービスとそれを利用可能なNPNの情報を含めてもよい。
【0358】
ステップST1415で、PCFはAMFに対して、V2X通信関連情報を通知する。ステップST1416で、AMFは、PCFから受信したV2X通信関連情報を、RANノードに対して通知する。AMFは、UEに対して、PCFから受信したV2X通信関連情報を通知してもよい。AMFは、たとえばステップST1416、ST1417によって、UEに対してV2X通信関連情報を通知してもよい。ステップST1417で、RANノードはUEに対して、V2X通信関連情報を通知する。このようにすることで、UEも、V2X通信関連情報を取得可能となる。
【0359】
ステップST1521で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生する。送信UEは、たとえ自NPNに属さないセルのカバレッジ内に存在していても、ステップST1534で、該セルに対してPC5通信用のBSRを通知する。PC5通信用のBSRを受信したRANノードは、ステップST1535で、送信UEに対してPC5通信用スケジューリングを実施する。ステップST1739からステップST1552は、図20で開示した方法を適宜適用すればよい。
【0360】
このようにすることで、UEは、自NPNに属さないセルのカバレッジ内に存在していても、該セルを介してPC5通信が実施可能となる。
【0361】
実施の形態1の本変形例4で開示した方法により、UEは、自NPNに属するセルを見つけられない場合にも、PC5通信を実行可能となる。UEは、自NPNと異なるセルしか見つけられない場合にも、PC5通信を実行可能となる。PC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能となる。また、UEは、自UEの属するNPNとは異なるNPNのRANノードを介して、CNとの間でV2Xサービス認証およびV2Xポリシの提供処理を実施可能となる。たとえば、UEは、V2Xポリシのアップデートを、自NPNと異なるセルしか見つけられない場合にも実行できる。このため、QoSパラメータのアップデートも可能となる。最新の通信状況やNWの負荷状況をV2Xポリシに反映可能となる。
【0362】
実施の形態1の変形例5.
本変形例5では、実施の形態1の変形例4で開示した課題を解決するための他の方法を開示する。
【0363】
PC5通信を行うUEが、自UEと異なるNPNに属するセルのカバレッジ内に存在する場合に、対向するUE間でのPC5通信用スケジューリングを行う。該方法は、PC5通信を行う送信UEがスケジューリングを行う方法であるモード2のPC5通信を用いたV2Xサービスを実施する場合に適用するとよい。
【0364】
PC5通信用リソースは、たとえば、基地局から報知される。PC5通信を行うUEは、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されるPC5通信用リソースを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施するとよい。受信UEは、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されるPC5通信用リソースを用いて、送信UEからのPC5通信を検出するとよい。
【0365】
UEは、PC5通信を用いたV2Xサービスを実施する場合に、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されるPC5通信用リソース情報を受信可能と判断する。そうでない場合、UEは、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されるPC5通信用リソース情報を受信不可能と判断してもよい。
【0366】
このようにすることで、PC5通信を行うUEが、自UEと異なるNPNに属するセルのカバレッジ内に存在する場合に、PC5通信を実施可能となる。
【0367】
しかし、UEが属するNPNと異なるNPNに属するセルが、必ずしも、該UEの属するNPNで使用可能なPC5通信用リソースを報知するとは限らない。このため、UEは、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されるPC5通信用リソースでは、PC5通信を実施できない。このような課題を解決する方法を開示する。
【0368】
自UEが属するNPNで利用可能なPC5通信用リソースは、予めUE内に構成されてもよい。NPNとそのNPNで使用可能なPC5通信用リソースの設定方法は、実施の形態1の変形例2で開示した方法を適用してもよい。また、V2Xサービス毎にPC5通信用リソースを設定してもよい。この方法には、実施の形態1の変形例2で開示した方法を適用してもよい。
【0369】
このようにすることで、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されたPC5通信用リソースが、自UEの属するNPNで使用不可能な場合も、UEは、自UE内に構成された、PC5通信用リソースを用いてスケジューリングを実施することで、PC5通信を実施可能となる。PC5通信を用いたV2Xサービスが実施可能となる。
【0370】
PC5通信用リソースが予めUE内に構成される場合、PC5通信用リソースは、PCFによってアップデートされてもよい。PC5通信用リソースのアップデートは、V2Xポリシ提供処理を用いて、PCFからUEへ提供されてもよい。UEが、UEが属するNPNと異なるNPNに属するRANノードやCNを介してV2Xポリシの提供処理を実施する方法は、実施の形態1の変形例4で開示した方法を適宜適用すると良い。
【0371】
他の方法として、CNがRANノードに対して、UEが属するNPNとそのNPNで使用可能なPC5通信用リソースの情報を通知してもよい。たとえば、PCFがRANノードに対して、UEが属するNPNとそのNPNで使用可能なPC5通信用リソースの情報を通知しても良い。UEがPCFに対して、RANノードへのV2Xポリシ提供を要求してもよい。RANノードへのV2Xポリシ提供要求情報を設けて、該情報をUEがAMFに通知してもよい。PCFは、UEが属するNPNとそのNPNで使用可能なPC5通信用リソース情報を、V2Xポリシに含めて、通知するとよい。
【0372】
UEはAMFに対して、RANノードへのV2Xポリシ提供要求情報とともに、UEを特定するための情報、たとえばUE識別子情報、および/あるいは、RANノードを特定するための情報、たとえばRANノードの識別子情報を、通知してもよい。AMFはPCFに対して、RANノードへのV2Xポリシ提供を要求してもよい。PCFは該要求に応じて、AMFを介してRANノードにV2Xポリシを提供する。PCFからRANノードに対してV2Xポリシを提供する方法は、実施の形態1の変形例4で開示した方法を適宜適用すると良い。
【0373】
このようにすることで、RANノードは、UEの属するNPNで使用可能なPC5通信用リソースを認識可能となる。RANノードは、UEの属するNPNで使用可能なPC5通信用リソースを報知する。RANノードは、UEの属するNPNに関する情報と、そのNPNで使用可能なPC5通信用リソースとを対応付けて報知してもよい。このようにすることで、UEは、自UEと異なるNPNに属するセルから報知されたPC5通信用リソースを用いて、PC5通信を実施可能となる。PC5通信を用いたV2Xサービスを実施可能となる。
【0374】
図24および図25は、実施の形態1の変形例5について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの第1例を示す図である。図24図25は境界線BL2425の位置でつながっている。図24および図25は、UEがPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。図24および図25において、図18図20図22図23と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0375】
ステップST1629で、RANノードがPC5通信関連情報を報知する。ステップST1521で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生すると、該送信UEは、ステップST2040で、ステップST1417で受信したV2X通信関連情報とステップST1629で受信したPC5通信関連情報とを用いて、V2Xサービスと、該V2Xサービス用のPC5通信用RPと、該V2Xサービスを利用可能なNPNとを対応付ける。
【0376】
送信UEは、ステップST1638で、発生したV2Xサービスを利用可能なNPNに対応したRPを選択する。送信UEは、選択したRPを用いて、PC5通信用のスケジューリングを実施する。ステップST1642からステップST1746の処理により、送信UEはNPNアクセス可否検証を行う。このようにすることで、NPNが所望のV2Xサービスを利用可能でない場合、PC5通信不可能とすることができる。送信UEにおいて、NPNアクセス可否検証を実施可能となる。
【0377】
図26および図27は、実施の形態1の変形例5について、自NPNに属さないセルを介してPC5通信を実施するシーケンスの第2例を示す図である。図26図27は境界線BL2627の位置でつながっている。図26および図27は、AMFがUEについてNPNアクセス可否検証を実施する例を示している。AMFからUEに対して通知されるV2X通信関連情報は、NPNアクセスに対するリジェクト通知に含められる。図26および図27において、図18図19図24および図25と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0378】
ステップST1905で、送信UEは、自NPNに属さないセルへのアクセス可否を判断する。送信UEは、アクセス可能と判断した場合、ステップST1407で、RANノードにアクセスし、RANノードに対してNPN関連情報とV2Xケーパビリティを通知する。ステップST1408で、RANノードはAMFに対して、UEから受信したNPN関連情報とV2Xケーパビリティを通知する。NPN関連情報とV2Xケーパビリティの通知方法は、図18図19で開示した方法を適宜適用すると良い。
【0379】
ステップST2112で、AMFはUEについて、NWに対するNPNアクセス可否検証を実施する。AMFは、UEから通知されたNPN関連情報を用いて、NPNアクセス可否検証を実施する。ここでは、UEは自NPNに属さないセルを介してアクセスしているので、AMFはNPNアクセス不可能と判断する。
【0380】
また、たとえNPNアクセス可否検証によってアクセス不可能と判断されても、AMFは、UEから通知されたV2Xケーパビリティ情報を用いて、V2X通信関連情報の提供を、PCFに対して要求する。ステップST1413からステップST1415の処理により、AMFはPCFから、UEに対するV2X関連情報を取得する。
【0381】
AMFは、該V2X関連情報を取得するまで、RANノードおよびUEに対してNPNアクセス拒否を通知することを保留しておく。AMFは、ステップST2114、ST2116で、NPNアクセス拒否をRANノードおよび送信UEに対して通知する。AMFは、該NPNアクセス拒否に、ステップST1415で取得したV2X関連情報を含める。このようにすることで、RANノードおよび送信UEは、V2X関連情報を取得することができる。
【0382】
このように、V2X関連情報を、NPNアクセス拒否に含めて、RANノードおよびUEに対して通知することで、従来のAMFにおけるNPNアクセス制御(NPNアクセス可否検証)処理を利用することができる。追加処理を低減することで、これらの処理を容易に実施することが可能となる。
【0383】
実施の形態1の本変形例5で開示した方法により、実施の形態1の変形例4で示した効果と同様の効果を得ることができる。また、PC5通信を行うUEがPC5通信用スケジューリングを行い、RANノードがPC5通信用スケジューリングを行う必要が無いので、UEがRANノードに対してPC5通信を要求するなどのアクセスが不要となる。このため、PC5通信を低遅延で開始できる。
【0384】
実施の形態2.
NRでのPC5通信では、PC5のQoS管理方法として、QoSフローを用いた方法が実施される(非特許文献21(TS23.287)参照)。PC5通信を行うUEに、PC5通信を用いたV2Xサービスのサービス要求からQoSパラメータを導出する機能が設けられる。QoSパラメータはV2XサービスのQoSの指標となる。PC5通信を用いたV2Xサービスのサービス要求からQoSパラメータを導出するためのルール(以降、QoSルールと称する場合がある)は、予めUE内に構成されてもよい。あるいは、QoSルールはCNからUEに対して提供されてもよい。あるいは、QoSパラメータが、予めUE内に構成されてもよいし、CNからUEに対して提供されてもよい。CNとしてPCFが、AMFを介してUEに対して、該ルールあるいはQoSパラメータを提供してもよい。PC5通信を行うUEは、QoSパラメータを用いてPC5通信用スケジューリングを行う。
【0385】
QoSパラメータあるいはQoSルールは、V2X関連情報に含まれてもよい。QoSパラメータあるいはQoSルールは、V2XポリシまたはV2Xパラメータに含まれてもよい。CN側からUEに対するQoSパラメータあるいはQoSルールの提供は、実施の形態1あるいはその変形例で開示した、V2X関連情報の提供方法またはV2Xポリシ提供方法を適用してもよい。このようにすることで、処理方法が異なり複雑になることを回避することが可能となり、誤動作を削減可能となる。
【0386】
UEに対するPC5通信用スケジューリングをRANノード(例えば基地局)が行う場合がある。このような場合、基地局でPC5通信用スケジューリングを行うために、基地局に、PC5通信を用いたV2Xサービスのサービス要求からQoSパラメータを導出する機能を設けてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスのサービス要求からQoSパラメータを導出するためのルールあるいはQoSパラメータは、CNから提供されてもよい。CNとしてPCFが、AMFを介して基地局に対して、該ルールあるいはQoSパラメータを提供してもよい。基地局は、QoSパラメータを用いてPC5通信用スケジューリングを行う。
【0387】
PC5通信はUE間で実施される。基地局はPC5通信を行わない。たとえUEに対するPC5通信用スケジューリングを基地局が行う場合であっても、基地局はPC5通信を行わない。このため、基地局は、UE間で行われるPC5通信のQoSがどのようになっているかを認識できない。たとえば、基地局は、PC5通信が、要求されたQoSを満たしているのか否かを認識できない。このため、たとえば、PC5通信の通信品質が悪くなり、要求されたQoSを満たさなくたった場合も、基地局は、それを認識できず、今までと同じスケジューリングを行い続けることになってしまう。要求されたQoSを満たさない状態が続いてしまうことになる。
【0388】
本実施の形態2はこのような課題を解決する方法を開示する。
【0389】
PC5通信を実施するUEは、PC5通信におけるQoSをモニタする。PC5通信を実施するUEは、送信UEであってもよいし、受信UEであってもよい。PC5通信は、ブロードキャストであってもよいし、グループキャストであってもよいし、ユニキャストであってもよい。UEは、QoSのモニタとして、QoSパラメータを測定するとよい。QoSのモニタは、QoSパラメータの全部に対して行われてもよいし、あるいは、一部に対して行われてもよい。
【0390】
QoSモニタを実施したUEは、基地局に対してQoSモニタ結果を通知する。該UEは、QoSモニタとして実施したQoSパラメータの測定結果を通知する。たとえば、PC5通信を行う送信UEは、PC5通信のQoSパラメータを測定し、QoSパラメータの測定結果を、PC5通信のためのスケジューリングを実施する基地局に対して通知する。このようにすることで、PC5通信用スケジューリングを実施する基地局が、PC5通信の実際のQoSを認識可能となる。
【0391】
測定するPC5のQoSパラメータの具体例として、以下に(1)~(11)を開示する。
【0392】
(1)PQI。
【0393】
(2)リソースタイプ。
【0394】
(3)優先順位レベル。
【0395】
(4)パケットディレイバジェット(Packet Delay Budget)。
【0396】
(5)パケットエラーレート(Packet Error Rate)。
【0397】
(6)アベレージングウィンドウ(Averaging window)。
【0398】
(7)最大データバーストボリューム(Maximum Data Burst Volume)。
【0399】
(8)PC5フロービットレート(PC5 flow bit rates)。
【0400】
(9)PC5リンクアグリゲイテッドビットレート(PC5 Link Aggregated Bit Rates)。
【0401】
(10)レンジ(Range)。
【0402】
(11)(1)~(10)の組合せ。
【0403】
PC5通信を行っているUEは、PC5通信のQoSをモニタするため、これらのQoSパラメータの一部または全部を測定するとよい。UEはこれらのQoSパラメータを直接測定してもよい。あるいは、UEは、他の指標を測定し、その結果を用いてこれらのQoSパラメータを導出してもよい。
【0404】
前述の(10)のレンジは、QoSを満たす必要のある最小の距離を示す。このため、PC5通信を行うUEは、PC5通信を行うUE間の距離を導出するとよい。PC5通信を行うUEが、PC5通信を行うUE間の距離を導出する方法を開示する。
【0405】
PC5通信における受信電力を用いるとよい。受信電力は例えばRSRPであってもよい。PC5通信におけるRSRPをSL-RSRPとも称する。PC5通信を行う受信UEは、対向する送信UEから送信される信号のSL-RSRPを測定する。受信UEは送信UEに対して、SL-RSRPの測定結果を通知する。受信UEは、SL-RSRPの測定結果として、測定値を通知してもよい。あるいは、受信UEは、SL-RSRPの値を一つまたは複数の範囲に分割し、測定値がどの範囲に属するかを示す情報を通知してもよい。通知に必要な情報量を低減可能となる。
【0406】
送信UEは、受信UEから通知されたPC5通信のSL-RSRPを用いて、UE間の距離を導出する。送信UEはPC5通信の送信信号の送信電力を認識している。送信UEは、該送信電力と、受信UEから取得したPC5通信のSL-RSRPとを用いて、UE間の電波伝搬ロスを導出し、該電波伝搬ロスからUE間の距離を導出するとよい。このようにすることで、送信UEはPC5通信を行うUE間の距離を導出可能となる。
【0407】
他の方法を開示する。PC5通信を行うUEは、自UEの位置を導出する。送信UEは自UEの位置情報を受信UEに対して通知する。受信UEは、送信UEからの位置情報を受信し、送信UEの位置情報と自UEの位置情報とを用いて、UE間の距離を導出する。受信UEは、送信UEに対して、導出したUE間の距離を通知する。UEでの位置の導出は、GNSSを用いても良いし、RANノードを用いてもよい。RANノードは、たとえば、NRのgNBであってもよいし、LTEでのeNBであってもよい。このようにすることで、送信UEはPC5通信を行うUE間の距離を導出可能となる。
【0408】
送信UEが、受信UEとの間の距離を導出してもよい。受信UEは自UEの位置情報を送信UEに対して通知する。送信UEは、受信UEからの位置情報を受信し、受信UEの位置情報と自UEの位置情報とを用いて、UE間の距離を導出する。このようにすることで、送信UEはPC5通信を行うUE間の距離を導出可能となる。
【0409】
位置情報は、UEが位置するエリアを示す情報であってもよい。たとえば、予め所定のエリアに分割し、該エリアに識別子を設ける。各UEが位置するエリア識別子から距離を導出するとよい。このようにすることで、UE間で通知される位置情報量を削減可能となる。
【0410】
他の方法を開示する。受信UEが、PC5通信を行うUE間の電波伝搬ロスを導出する。送信UEは受信UEに対して、PC5通信の送信信号の送信電力を通知する。該通知にRRCシグナリングを用いてもよい。準静的に送信電力を変更する場合に有効である。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。比較的早期に送信電力を変更する場合に有効である。あるいは、送信UEは、通知する送信電力を、SCIに含めて、SPCCHで通知してもよい。ダイナミックに送信電力を変更する場合に有効である。通知する送信電力の値は、前回の送信電力との差分であってもよい。
【0411】
PC5通信を行う受信UEは、対向する送信UEから送信される信号の受信電力を測定する。受信UEは、測定した受信電力と、送信UEから通知された送信電力値とを用いて、電波伝搬ロスを導出する。受信UEは、導出した電波伝搬ロスを、送信UEに対して通知するとよい。送信UEは、受信UEから通知された電波伝搬ロスを用いて、UE間の距離を導出するとよい。このようにすることで、送信UEは、PC5通信を行うUE間の距離を導出可能となる。
【0412】
受信UEが、電波伝搬ロスからUE間の距離を導出してもよい。受信UEは、導出したUE間の距離を、送信UEに対して通知する。このようにすることで、送信UEは、PC5通信を行うUE間の距離を認識可能となる。
【0413】
前述した、SL-RSRP、あるいは、電波伝搬ロス、あるいは、UE間距離は、周期的に通知されてもよいし、非周期的に通知されてもよい。周期的な通知の場合、送信UEは、UE間距離の通知周期を、受信UEに予め通知してもよい。非周期的な通知の場合、送信UEが受信UEに対して、SL-RSRP、あるいは、電波伝搬ロス、あるいは、UE間距離の通知を要求してもよい。
【0414】
他の方法として、SL-RSRP、あるいは、電波伝搬ロス、あるいは、UE間距離について、通知をトリガするための閾値を設けてもおい。たとえば、測定値や導出値が該閾値より下回った場合、あるいは、上回った場合などに、通知を実施する、としてもよい。該閾値や、通知を実施する条件等は、予め静的に規格等で決められてもよいし、送信UEから受信UEに通知されてもよい。このような閾値や条件は一つに限らず、複数の閾値や条件を設定してもよい。たとえば、PC5通信状態は電波伝搬環境に応じて多種あるので、これらのPC5通信状態に応じて閾値や条件を設定可能となる。
【0415】
該通知周期、通知要求、あるいは、閾値や条件の通知方法として、PC5通信の送信信号の送信電力の通知方法を適用してもよい。同様の効果を得られる。受信UEがSL-RSRP、あるいは、電波伝搬ロス、あるいは、UE間距離を送信UEに通知する方法として、RRCシグナリングを用いてもよい。通知間隔が比較的長い場合に有効である。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。通知間隔が比較的短い場合に有効である。あるいは、SL-RSRP、あるいは、電波伝搬ロス、あるいは、UE間距離は、フィードバック情報として、PSFCHで通知されてもよい。ダイナミックに通知する場合に有効である。通知する値は前回との差分であってもよい。
【0416】
このようにすることで、PC5通信を行うUEは、PC5通信を行うUE間の距離を導出することが可能となる。QoSパラメータの一つの指標であるレンジを導出可能となる。
【0417】
PC5通信を行うUEが、PC5通信を行うUE間の距離を導出する他の方法を開示する。UEは、UE間のPC5通信の電波伝搬遅延時間から、UE間の距離を導出してもよい。UE間のPC5通信の電波伝搬遅延時間を導出する方法の例を開示する。PC5通信における電波伝搬遅延時間を導出する送信UEをUE_txと称し、受信UEをUE_rxと称する場合がある。
【0418】
タイミング補正用信号を設ける。タイミング補正用のチャネルを設けてもよい。タイミング補正用信号は、所定のシーケンスを用いて構成され、所定の周波数帯域と所定の時間長を有する周波数-時間リソースにマッピングされる。リソースを示す周波数単位は、サブキャリア単位、RB単位、SLで用いられるサブチャネルの周波数単位、BWP単位等であってもよい。リソースを示す時間単位は、Ts(=fs、fs;サンプリング周波数)単位、サブシンボル単位、シンボル単位、スロット単位、サブフレーム単位、TTI単位等であってもよい。タイミング補正用信号がマッピングされる周波数-時間リソースは、一つまたは複数のリソースの繰返しで構成されてもよいし、あるいは、周期的に構成されてもよい。
【0419】
タイミング補正用信号はUE個別に設定されてもよい。たとえば、タイミング補正用信号のシーケンス、および/あるいは、タイミング補正用信号の周波数-時間リソースを、タイミング補正用信号を送信するUE毎に設定してもよい。SLでUEから送信されるタイミング補正用信号を受信したUEが、該シーケンスおよび/あるいはリソースから、送信したUEを特定可能となる。また、タイミング補正用信号は、一つまたは複数のUEからなるグループ個別に設定されてもよい。タイミング補正用信号を送信したUEが所属するグループを特定可能となる。
【0420】
あるいは、タイミング補正用信号は、SL通信における送信UE内で共通に設定されてもよい。UEが、送信相手であるUE内で共通に設定されたタイミング補正用信号を用いることで、送信相手であるUEは、自UEに送信されたタイミング補正用信号であることを特定可能となる。
【0421】
タイミング補正用信号の他の例として、タイミング補正用信号が、該信号を送信するUEの識別子を用いて構成されてもよい。UEの識別子は、UEを特定可能な識別子とするとよい。タイミング補正用信号を受信したUEが、どのUEから送信されたかを特定可能となる。同様に、タイミング補正用信号が、該信号を送信するグループ識別子を用いて構成されてもよい。
【0422】
SL通信においてUE間でSRS送信を行ってもよい。SL通信のフィードバック送信に用いるリソースアロケーションを行うためにSRSを用いることで、フィードバック送信の通信品質を向上させることができる。SRSに用いられるシーケンスと、SRSがマッピングされる周波数-時間リソースは、UE個別に設定されてもよいし、グループ個別に設定されてもよい。
【0423】
タイミング補正用信号としてSRSを用いてもよい。このようにすることで、タイミング補正用信号のために別途、リソースを設定しなくて済む。リソースの使用効率を向上させることができる。
【0424】
SL通信においてAck/NackやCQIを送信するためのチャネルとして、PSFCH(Physical Sidelink Feedback CHannel)の導入が提案されている。PSFCHがマッピングされる周波数-時間リソースは、UE個別に設定されてもよいし、グループ個別に設定されてもよい。タイミング補正用信号としてPSFCHを用いてもよい。このようにすることで、タイミング補正用信号のために別途、リソースを設定しなくて済む。リソースの使用効率を向上させることができる。
【0425】
タイミング補正用信号として、gNBとUEとの間で規定されるUuインタフェースにおけるPRACHを用いてもよい。Uu用のPRACH設定とは別に、PC5用のPRACH設定を設けてタイミング補正用信号として用いてもよい。gNBは、SL通信を行うUEに対して、SL通信に用いるPRACH設定を通知してもよい。このようにすることで、新たにタイミング補正用信号を設けないで済む。UEにおいてSL通信のための構成を簡略化可能となる。
【0426】
UE_txは、UE_rxに対して、タイミング補正用信号送信要求を通知する。タイミング補正用信号送信要求に含まれる情報の例として、以下に(1)~(6)を開示する。
【0427】
(1)タイミング補正用信号送信指示情報。
【0428】
(2)タイミング補正用信号を送信するタイミング情報。
【0429】
(3)タイミング補正用信号の構成。
【0430】
(4)UE_txの識別子。
【0431】
(5)UE_rxの識別子。
【0432】
(6)(1)から(5)の組合せ。
【0433】
前述の(2)として、送信タイミングを特定するための情報を用いるとよい。たとえば、フレーム番号、スロット番号、シンボル番号等を、前述の(2)として用いてもよい。また、これらにオフセット値を含めてもよい。また、タイミング補正用信号送信要求を受信したタイミングから、タイミング補正用信号を送信するタイミングまでの時間差を、前述の(2)として用いてもよい。オフセット値や時間差の単位として、前述したタイミング補正用信号がマッピングされる時間リソースを示す単位を用いてもよい。UE_rxは、タイミング補正用信号を送信するタイミングを特定可能となる。
【0434】
前述の(3)のタイミング補正用信号の構成として、前述したシーケンスや、タイミング補正用信号がマッピングされる周波数-時間リソース等を用いるとよい。UE_rxは、受信したタイミング補正用信号の構成を用いて、タイミング補正用信号を送信可能となる。
【0435】
前述の(4)のUE_txの識別子として、UE_txを特定できるための識別子を用いてもよい。UE_rxは、どのUEに対してタイミング補正用信号を送信するかを特定可能となる。
【0436】
前述の(5)のUE_rxの識別子として、UE_rxを特定できるための識別子を用いてもよい。タイミング補正用信号送信要求を受信したUEは、自UEがタイミング補正用信号を送信するか否かを判断可能となる。
【0437】
タイミング補正用信号送信要求には複数の情報が含まれもよい。たとえば、前述の(2)の情報を複数、通知してもよいし、前述の(3)の情報を複数、通知してもよい。UE_rxは複数のタイミング補正用信号を送信してもよい。あるいは、UE_rxは、UE_txから通知された複数の情報の中から1つ以上の情報を選択して、選択した1つ以上の情報に対応した1つ以上のタイミング補正用信号を送信してもよい。
【0438】
タイミング補正用信号の構成は一つあるいは複数の構成であってもよい。タイミング補正用信号の構成を、予め規格等で静的に決めておいてもよい。gNB、UE_tx、UE_rxなどの、V2X通信を行うノードが、タイミング補正用信号の構成を認識可能となる。
【0439】
タイミング補正用信号の構成をUE_txが設定してもよい。UE_txがタイミング補正用信号を所定の構成から選択して設定してもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、SL用のタイミング補正用信号の構成であってもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、一つあるいは複数の構成であってもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、予め規格等で静的に決められていてもよい。
【0440】
UE_txは、タイミング補正用信号の設定した構成(タイミング補正用信号の設定)を、UE_rxに通知する。UE_rxは、UE_txから通知されたタイミング補正用信号の設定を用いて、タイミング補正用信号を送信する。UE_rxは、UE_txから通知されたタイミング補正用信号の設定の中から一つを選択して、選択した設定でタイミング補正用信号を送信してもよい。
【0441】
タイミング補正用信号の構成をUE_txが設定することで、たとえば、セルのカバレッジ外でUE間のSL通信を行う場合も、UE_rxに対してタイミング補正用の信号を設定可能となる。それにより、UE_rxがタイミング補正用信号を送信可能となる。
【0442】
タイミング補正用信号の構成をgNBが設定してもよい。gNBがタイミング補正用信号を所定の構成から選択して設定してもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、SL用のタイミング補正用信号の構成であってもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、一つあるいは複数の構成であってもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、予め規格等で静的に決められていてもよい。gNBは、タイミング補正用信号の設定した構成(タイミング補正用信号の設定)をUE_txに通知する。
【0443】
UE_txは、gNBから通知されたタイミング補正用信号の構成を、UE_rxに通知する。UE_txは、gNBから通知されたタイミング補正用信号の構成の一部または全部を、UE_rxに通知してもよい。UE_rxは、UE_txから通知されたタイミング補正用信号の設定を用いて、タイミング補正用信号を送信する。UE_rxは、UE_txから通知されたタイミング補正用信号の設定の中から一つを選択して、選択した設定でタイミング補正用信号を送信してもよい。
【0444】
タイミング補正用信号の構成をgNBが設定することで、異なるUE_txに対して異なるタイミング補正用信号を設定可能となる。UE_rxが送信するタイミング補正用信号の構成を異ならせることが可能となり、タイミング補正用信号の衝突を削減することができる。UE_txにおいて、UE_rxからのタイミング補正用信号の受信成功確率を向上させることが可能となる。
【0445】
タイミング補正用信号の構成をUE_rxが設定してもよい。UE_rxがタイミング補正用信号を所定の構成から選択して設定してもよい。タイミング補正用信号の所定の構成は、予め規格等で静的に決められていてもよい。
【0446】
タイミング補正用信号の構成をUE_rxが設定することで、タイミング補正用信号の設定をUE_txからUE_rxに通知するためのシグナリング、あるいは、タイミング補正用信号の設定をgNBからUE_txを介してUE_rxに通知するためのシグナリングを削減できる。シグナリング量、および、タイミング補正用信号送信までの遅延時間を削減可能となる。
【0447】
タイミング補正用信号送信要求の通知方法について開示する。UE_txがUE_rxにタイミング補正用信号送信要求を通知する場合、SL通信におけるPC5制御シグナリングを用いてもよい。あるいは、SL通信におけるRRCシグナリングを用いてもよい。UE_txはタイミング補正用信号送信要求をSL通信用RRCメッセージとして、SL通信用のRRCシグナリングで通知してもよい。UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、SLの論理チャネルであるSCCHに含めて送信してもよい。このようにすることで、UE_txからUE_rxに対してタイミング補正用信号送信要求を通知することが可能となる。
【0448】
タイミング補正用信号送信要求の通知方法について他の方法を開示する。UE_txはUE_rxに、タイミング補正用信号送信要求を、SL通信におけるMACシグナリングを用いて通知してもよい。UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、MAC制御情報に含めて通知してもよい。UE_rxにおいてRRCでのタイミング補正用信号送信要求の受信処理が不要となるので、早期に受信処理を実行可能となる。
【0449】
タイミング補正用信号送信要求の通知方法について他の方法を開示する。UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、SL通信におけるSCIに含めて、SL通信におけるPSCCHでUE_rxに送信してもよい。UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、前述のSCI1に含めてもよい。UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、SCI1に含めてPSCCH1で通知してもよい。あるいは、UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、SCI2に含めてもよい。UE_txはタイミング補正用信号送信要求を、SCI2に含めてPSCCH2で通知してもよい。タイミング補正用信号送信要求をPSCCHで通知することで、UE_rxは早期に受信処理を実行可能となる。このため、UE_rxからのタイミング補正用信号送信を、早期に設定することが可能となる。
【0450】
タイミング補正用信号送信要求の通知方法について他の方法を開示する。UE_txはUE_rxに、タイミング補正用信号送信要求を、SL通信における、PSCCHとPSSCHを用いて送信してもよい。たとえば、UE_txは、タイミング補正用信号送信要求に含まれる情報の内で、タイミング補正用信号送信要求を示す情報とUE_rxの識別子とをSCIに含めてPSCCHで送信し、他の情報を、該PSCCHに対応付けられるPSCCHで送信してもよい。タイミング補正用信号送信要求が多くの情報を含む場合に、該多くの情報を、多くのリソースを確保できるPSSCHを用いて、送信することが可能となる。
【0451】
前述した、タイミング補正用信号送信要求の通知方法を組合せて用いてもよい。たとえば、UE_txは、タイミング補正用信号送信要求に含める情報の一部をRRCシグナリングで送信し、他の情報をPSCCHに含めて送信してもよい。たとえば、UE_txは、タイミング補正用信号の構成をRRCシグナリングで送信し、他の情報をPSCCHで送信してもよい。このようにすることで、たとえば、複数のタイミング補正用信号の構成を設定する場合に、RRCシグナリングで多くの情報を送信可能になる。
【0452】
UE_txは、複数のタイミング補正用信号の構成を、それらの構成の中からUE_rxが実際に送信する一つのタイミング補正用信号の構成とは別に、通知してもよい。また、このような場合に、前述の組合せを用いてもよい。たとえば、UE_txは、複数のタイミング補正用信号の構成をRRCシグナリングで通知し、それらの構成の中からUE_rxが実際に送信する一つのタイミング補正用信号の構成を、タイミング補正用信号送信要求情報とともに、PSCCHで通知してもよい。RRCシグナリングを用いることで多くの情報を送信可能となる。PSCCHを用いることで、タイミング補正用信号送信要求の通知から、タイミング補正用信号の送信までを、低遅延で実施可能となる。
【0453】
タイミング補正用信号の構成は、SL通信における報知情報として、UE_txから報知してもよい。たとえば、UE_txは、タイミング補正用信号の構成を、SLのMIBに含めて、PSBCHで送信してもよい。このようにすることで、UE_txがタイミング補正用信号の構成を複数のUE_rx個別に通知する必要が無くなる。それにより、シグナリング用リソースの使用効率を向上させることができる。たとえば、タイミング補正用信号の構成がUE_tx毎に設定される場合に有効となる。
【0454】
UE_rxは、所定のタイミングで、タイミング補正用信号を送信する。UE_rxは、所定のタイミングとして、UE_txから受信したタイミング補正用信号を送信するタイミング情報を用いてもよい。あるいは、UE_rxは、タイミング補正用信号送信指示情報を受信した後の直近のタイミング補正用信号の構成で示された周波数-時間リソースを用いることによって、所定のタイミングでタイミング補正用信号を送信してもよい。あるいは、所定のタイミングは、規格等で予め静的に決められたタイミングであってもよい。あるいは、所定のタイミングは、UE_txが設定したタイミングであってもよい。UE_rxは、タイミング補正用信号の設定された構成を用いて、タイミング補正用信号を送信する。
【0455】
このようにすることで、UE_txは、UE_rxがタイミング補正用信号を送信したタイミングを認識可能となる。
【0456】
UE_txは、UE_rxが送信したタイミング補正用信号を受信する。UE_txは、自UEの送信タイミングと、UE_rxがタイミング補正用信号を送信したタイミングと、UE_rxからタイミング補正用信号を受信したタイミングとを用いて、UE_txとUE_rxとの間でのSL通信におけるRTT(Round Trip Time)を導出する。UE_txはUE_rx個別のRTTを導出する。
【0457】
UE_rxからのタイミング補正用信号がマルチパス送信される場合、UE_txでの受信において最も早く受信した信号をRTT導出に用いるとしてもよい。あるいは、UE_txの受信において、受信電力が最も強い信号をRTT導出に用いるとしてもよい。
【0458】
UE_txは、UE_rx個別のRTTから、UE間の電波伝搬遅延時間を導出する。電波伝搬遅延時間はRTTの1/2とするとよい。UE_txは、導出した電波伝搬遅延時間を用いて、UE間の距離を導出する。このようにすることで、UE_txはUE_txとの間の距離を導出可能となる。UE_txは、UE_rxとの間のレンジを測定することが可能となる。
【0459】
UE_txにおけるスロットタイミングにおいて、タイミング補正用信号がマッピングされる周波数-時間リソースの、時間的に前および/あるいは後に、送信不可区間を設ける。送信不可区間は、静的に予め決められてもよいし、あるいは、gNBが設定してUE_txに通知してもよい。あるいは、UE_txが送信不可区間を設定してもよい。このようにすることで、UE_rxが送信したタイミング補正用信号が電波伝搬遅延によりUE_txにおけるスロットタイミングとずれたとしても、UE_txはタイミング補正用信号を受信可能となる。
【0460】
UE_rxは複数でもかまわない。同様の時刻同期補正処理が、複数のUEに対して個別に、実施されるとよい。
【0461】
UE_txはUE_rxに対して、タイミング補正用信号構成候補を通知してもよい。UE_rxが該構成候補から、実際の送信に用いるタイミング補正用信号構成を選択する。これにより、たとえば、UE_rxは、タイミング補正用信号送信要求を受信してから最も早いタイミングで送信可能なタイミング補正用信号構成を用いて、タイミング補正用信号を送信することが可能となる。タイミング補正を低遅延で実施することが可能となる。
【0462】
UE_txは、候補として選択したタイミング補正用信号構成全てでUE_rxからの送信を受信してもよい。UE_rxがどの構成を用いてタイミング補正用信号を送信してもUE_txで受信可能となる。UE_rxはタイミング補正用信号構成候補から、実際の送信に用いるタイミング補正用信号構成を複数選択してもよい。UE_rxは、該選択したタイミング補正用信号構成を用いて、タイミング補正用信号を送信してもよい。複数のタイミング補正用信号構成で送信することで、UE_txでのタイミング補正用信号受信成功確率を向上させることができる。たとえば、UE_txにおいて、一つのタイミング補正用信号が受信できなくても他の一つのタイミング補正用信号が受信できればよい。
【0463】
タイミング補正用信号構成候補は、UE_txから時刻同期に関する情報が送信される複数のUEのそれぞれに対して、UE個別に選択されてもよい。UE間でタイミング補正用信号構成の重複を避けることが可能となる。他の方法として、たとえば、複数のUEの間で、タイミング補正用信号構成候補の一部または全部が共通になるように、タイミング補正用信号構成候補が選択されてもよい。UE間でタイミング補正用信号構成の重複が生じる可能性があるが、リソースでの使用効率を向上させることが可能となる。
【0464】
UE_rxがタイミング補正用信号を再送してもよい。UE_rxが、再送を行うか否かを判断する。再送を行うと判断したUE_rxは、タイミング補正用信号構成候補の中から他のタイミング補正用信号構成を選択し、選択した構成のタイミング補正用信号をUE_txに対して送信する。UE_txがUE_rxに対して、予め再送のタイミング情報を通知してもよい。UE_txは、タイミング補正用信号構成毎に再送タイミングを設定してもよい。UE_rxは再送のタイミング情報を、タイミング補正用信号構成の通知に含めて、通知してもよい。このようにすることで、たとえば、UE_txは、次のタイミング補正用信号構成まで待たずに、UE_rxに対してタイミング補正用信号を再送させることが可能とする。
【0465】
UE_rxが、再送を行うか否かを判断する方法を開示する。UE_rxが所定の時間内に時刻補正情報を受信できない場合に、UE_rxはタイミング補正用信号の再送を決定する。あるいは、UE_rxが所定の時間内に時刻同期に関する情報を受信できない場合に、UE_rxはタイミング補正用信号の再送を決定するとしてもよい。
【0466】
タイマを設けて、所定の時間を管理してもよい。所定の時間は、あらかじめ静的に規格等で決めておいてもよいし、UE_txが設定してUE_rxに通知してもよい。あるいは、所定の時間は、gNBが設定し、gNBからUE_txに通知し、UE_txからUE_rxに通知してもよい。このようにすることで、UE_txがタイミング補正用信号を受信できなかった場合に、UE_rxがタイミング補正用信号の再送を決定することが可能となる。UE_rxがタイミング補正用信号を再送することで、UE_txでの受信成功確率を向上させることが可能となる。
【0467】
他の方法として、UE_txが再度、UE_rxに対して、タイミング補正用信号要求を通知してもよい。UE_txは、自UEが設定した所定のタイミングでUE_rxからタイミング補正用信号を受信できなかった場合に、再度、UE_rxに対してタイミング補正用信号要求を通知する。UE_txは、所定の時間内に、自UEが設定した所定のタイミングでUE_rxからタイミング補正用信号を受信できなかった場合に、再度、UE_rxに対してタイミング補正用信号要求を通知するとしてもよい。タイマを設けて、所定の時間を管理してもよい。たとえば、タイミング補正用信号が周期的に送信される場合に有効となる。
【0468】
このようにすることで、PC5通信を行うUEが、PC5通信を行うUE間の距離を導出することが可能となる。たとえば、工場内でシールドされたエリアにおいてD2D通信を行う場合、基地局やGPSからの信号を用いなくてもデバイス間の距離を測定可能となる。
【0469】
また、たとえば、歩行者が有するUEが、車が有するUEとの間の距離を導出し、導出した距離が所定の閾値より下回った場合、歩行者に対して通知を行う。所定の閾値は、予め規格等で決められていてもよいし。V2Xサービスのパラメータとして決められていてもよい。あるいは、所定の閾値は、V2Xアプリケーションレイヤで設定されてもよい。このようにすることで、歩行者は、車が所定の距離より近づいたことを認識することができる。車との接触回避行動を実施可能となる。
【0470】
PC5通信を行うUE間の距離測定結果を、UEの位置導出に用いてもよい。複数のUE間の距離測定結果を用いるとよい。たとえば、UEでの位置導出方法として、前述のUE間の電波伝搬遅延を用いてもよい。複数のUE間の電波伝搬遅延情報、あるいは、電波伝搬遅延から導出した距離情報を、複数のUE間で通知する。UEは、複数の他のUEとの間の伝搬遅延情報を用いて、自UEの位置を導出する。導出する位置は、相対的位置であってもよく、たとえばUE間の位置関係を示す相対的位置であってもよい。
【0471】
複数のUE間の電波伝搬遅延情報の測定において、測定タイミングを同一にしてもよい。あるいは、測定タイミングを所定の時間範囲としてもよい。測定タイミングは予め複数のUE間で共有するとよい。たとえば、予め、測定する複数のUE間で測定タイミングを通知するとよい。このようにすることで、各UEの測定タイミングを所定の範囲内にすることが可能となる。このため、複数のUEの相対位置の測定精度を向上させることができる。
【0472】
UE間での電波伝搬遅延情報あるいは電波伝搬遅延から導出した距離情報の通知には、PC5-Sシグナリングを用いてもよいし、RRCシグナリングを用いてもよい。より多くの位置情報を通知可能となる。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。早期に通知可能となる。あるいは、PHYシグナリングを用いてもよい。たとえば、SCIに含めてPSCCHで通知してもよい。あるいは、PSSCHで通知してもよい。より早期に通知可能となる。
【0473】
UE間の距離測定を用いることで、たとえば、工場内でシールドされたエリアにおいてデバイスの位置を導出可能となる。また、たとえば、トンネル内で基地局やGPSからの信号が得られない場合にも、UEの位置を導出可能となる。
【0474】
gNBとUEとの間の距離測定結果をあわせて用いてもよい。UE間の距離測定結果と組合せて用いることで、UEの位置測定精度を向上可能である。
【0475】
QoSパラメータの測定あるいは導出は、V2Xアプリケーションレイヤで実施してもよい。V2Xアプリケーションレイヤで導出したQoSパラメータを、V2Xレイヤを介してASレイヤに通知してもよい。QoSパラメータの測定あるいは導出は、V2Xレイヤで実施してもよい。V2Xレイヤで導出したQoSパラメータを、ASレイヤに通知してもよい。QoSパラメータの測定あるいは導出は、ASレイヤで実施してもよい。QoSパラメータの測定あるいは導出を実施するレイヤは、QoSパラメータ毎に異なっていてもよい。QoSパラメータ内容に応じて適したレイヤで測定あるいは導出することができる。
【0476】
QoSモニタを実施したUEは、基地局に対してQoSモニタ結果を通知する。UEから基地局への通知方法として、Uu上の通信を用いるとよい。UEから基地局への通知に、RRCシグナリングを用いてもよい。たとえば、UE assistance information messageを用いてもよい。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。あるいは、PUCCHを用いてもよい。このようにすることで、QoSモニタを実施したUEは、基地局に対してQoSモニタ結果を通知可能となる。基地局は、PC5通信を行うUEから、PC5通信のQoSモニタ結果を取得可能となる。
【0477】
基地局は、PC5通信のQoSモニタ結果を用いて、PC5通信が、要求されたQoSを満たしているのか否かを認識可能となる。基地局は、必要に応じて、PC5通信のQoSモニタ結果を用いて、PC5通信用のスケジューリングを変更することが可能となる。PC5通信用のスケジューリングを変更した基地局は、PC5通信を行うUEに対して、変更後のスケジューリング情報を通知する。
【0478】
測定するQoSパラメータは一つであってもよいし複数であってもよいこと、前述のQoSパラメータの具体例の組合せでもよいことを開示した。UEが基地局に対して通知するQoSパラメータの全てを一つのシグナリングで通知してもよい。あるいは、測定した1つまたは複数のQoSパラメータ毎に、異なるシグナリングを用いてもよい。
【0479】
たとえば、測定タイミングに応じて、同じシグナリングで通知するか異なるシグナリングで通知するか決定してもよい。たとえば、RANノードがUEに対してQoSモニタ結果を通知するタイミングを周期的に設定し、前回のQoSモニタ結果通知タイミングと次回のQoSモニタ結果通知タイミングまでの間に測定したQoSパラメータを同じシグナリングに含めて通知してもよい。
【0480】
RANノードは、UEから通知された各シグナリングにおけるQoSモニタ結果を用いて、再度スケジューリングを実施してもよい。このようにすることで、QoSモニタ結果を早期にスケジューリングに反映可能となる。
【0481】
PC5通信を行うUEがQoSモニタ結果をRANノードに通知することを開示した。他の方法として、各QoSパラメータが所定の値を満たしているか否かの情報を設けてもよい。PC5通信を行うUEは、該情報をRANノードに通知してもよい。あるいは、各QoSパラメータが所定の閾値以上か否かの情報を設けて、PC5通信を行うUEが、該情報をRANノードに通知してもよい。
【0482】
たとえば、PC5通信を行うUEが、要求されるQoSパラメータを取得している場合に有効である。PC5通信を行うUEは、各QoSパラメータの要求値を閾値とし、QoSモニタ結果が該閾値以上か否か情報をRANノードに通知する。QoSパラメータの所定の値あるいは閾値は、QoSパラメータ要求値と異なっていてもよい。SLの通信品質や通信環境に応じて柔軟な設定が可能となる。
【0483】
このようにすることで、PC5通信を行うUEがRANノードに通知するQoSモニタ結果の情報量を削減することが可能となる。
【0484】
図28および図29は、実施の形態2について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。図28図29は境界線BL2829の位置でつながっている。図28および図29は、UE、RANノード、AMF、SMF、UPF、PCFの動作を示している。PC5通信を行う送信UEがPC5通信のQoSモニタリングを実施する方法について開示する。ステップST2202で、PC5通信を行う送信UEは、RANノード(たとえば基地局)に対して、V2Xケーパビリティを通知する。UEはPC5通信のケーパビリティを通知してもよい。ステップST2203で、RANノードはAMFに対して、UEから受信したV2Xケーパビリティを通知する。
【0485】
UEは、V2Xケーパビリティを、たとえば、NASシグナリングで通知してもよい。たとえば、UEは、V2Xケーパビリティを、レジストレーション処理のためのメッセージに含めて、通知してもよい。たとえば、UEは、V2Xケーパビリティを、サービス要求処理のためのメッセージに含めて、通知してもよい。
【0486】
V2Xケーパビリティの通知に、UEとRANノードの間では、たとえば、RRCシグナリングを用いてもよい。RRCシグナリングを用いる場合、たとえば、RRC接続確立処理の際にV2Xケーパビリティを通知してもよい。
【0487】
V2Xケーパビリティの通知に、RANノードとAMFの間では、たとえば、NGシグナリングを用いてもよい。NGシグナリングはN2シグナリングであってもよい。
【0488】
AMFは、UEから受信したV2Xケーパビリティを用いて、V2Xサービスを提供可能であることを認識する。AMFは、PC5通信のケーパビリティを用いて、PC5通信のためのV2Xサービスを提供可能であることを認識する。UEは、V2Xケーパビリティとともに、V2Xサービス提供要求情報を通知してもよい。AMFは、UEがV2Xサービスの提供を明確に要求していることを認識可能となる。
【0489】
ステップST2204で、AMFはPCFに対して、UEから受信したV2Xケーパビリティを通知する。該通知に、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Create Requestメッセージを用いてもよい。
【0490】
UEはPCFに対して、V2Xポリシ提供要求を通知してもよい。UEは該要求を、PCFに対して通知するUEポリシコンテナ(UE Policy Container)に含めて、通知してもよい。UEは該要求を、AMFを介してPCFに通知してもよい。UEからAMFへの通知には、たとえば、NASシグナリングを用いてもよい。たとえば、UEポリシ提供要求メッセージを用いてもよい。AMFからPCFへの通知には、たとえば、Npcfインタフェースを用いてもよいし、UE Policy Control Updateメッセージを用いてもよい。
【0491】
UEから該情報を受信したPCFは、ステップST2205で、UEの登録データを用いて、V2Xサービス認証を実施する。また、PCFは、UEに対してV2Xポリシを提供することを決定する。また、PCFは、UEに対して、V2Xサービスとそれに対応したQoS関連情報を提供することを決定する。V2Xポリシとして、V2Xパラメータを含めてもよい。V2Xポリシに、V2Xサービスとそれに対応したQoS情報を含めてもよい。V2XパラメータにQoS関連情報を含めてもよい。QoS情報はQoSパラメータであってもよい。
【0492】
ステップST2207で、PCFはAMFに対して、V2X通信関連情報を通知する。PCFは、V2X通信関連情報として、V2Xサービスとそれに対応したQoS関連情報を通知する。V2X通信関連情報として、V2Xポリシが含まれてもよい。V2Xポリシに、V2Xサービスとそれに対応したQoS関連情報が含まれてもよい。たとえば、V2Xパラメータとして、V2Xサービス毎のQoSパラメータが含まれてもよい。PCFは、AMFに対して、V2X通信関連情報を、UEポリシ提供処理を用いて通知してもよい。たとえば、Namfインタフェースを用いてもよいし、Communication N1N2 MessageTransferメッセージを用いてもよい。
【0493】
ステップST2208で、AMFは、PCFから受信したV2X通信関連情報を、RANノードに対して通知する。該通知にN2シグナリングを用いてもよい。このようにすることで、RANノードが、UEに対するV2X関連情報を取得できる。RANノードが、V2Xサービスに対応するQoS関連情報を取得可能となる。RANノードがUEに対するV2X関連情報を取得することで、RANノードが、PC5通信を用いたV2Xサービスのためのスケジューリングを実施可能となる。
【0494】
AMFは、UEに対して、PCFから受信したV2X通信関連情報を通知してもよい。たとえば、AMFは、ステップST2208、ST2209によって、UEに対してV2X通信関連情報を通知してもよい。ステップST2209で、RANノードはUEに対して、NPN関連情報とV2X通信関連情報を通知する。AMFからUEへの通知には、NASシグナリングを用いてもよい。RANノードからUEへの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いてもよい。このようにすることで、UEも、V2X通信関連情報を取得可能となる。UEは、V2Xサービスに対応するQoS関連情報を取得可能となる。
【0495】
V2X通信関連情報とQoS関連情報を同じシグナリングで通知することを示したが、異なるシグナリングで通知してもよい。個別のシグナリングとすることで、たとえば、QoS関連情報以外のV2X関連情報に更新が無い場合には、QoS関連情報のみのシグナリングで通知を行うことができる。シグナリング容量を削減可能となる。
【0496】
ステップST2211で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生する。送信UEは、ステップST2212で、RANノードに対してBSRを通知する。送信UEはSR(Scheduling Request)を通知してもよい。BSRを受信したRANノードは、ステップST2213で、送信UEに対して、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。この際、RANノードは、ステップST2208で取得したPC5通信のQoS関連情報を用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。RANノードは、該QoSを満足するようにPC5通信のためのスケジュ―リングを実施するとよい。RANノードは、V2X関連情報もあわせて用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施してもよい。
【0497】
ステップST2214で、RANノードは送信UEに対して、PC5通信用スケジューリング情報を通知する。送信UEは、ステップST2214でRANノードから受信したPC5通信用スケジューリング情報を用いて、受信UEとの間でPC5-Sシグナリングを実施し、PC5通信のためのリンクを確立する。たとえば、ステップST2216で、送信UEは、所定のV2XサービスのためのPC5通信要求を通知する。送信UEは該要求を報知してもよい。該V2XサービスのPC5通信要求を受信した受信UEは、送信UEに対して、ステップST2217でPC5通信アクセプトを通知する。
【0498】
PC5-Sリンク確立後、ステップST2218で、送信UEは、受信UEとの間でRRCシグナリングを実施し、たとえば、ASレイヤの設定情報やUEケーパビリティ情報等を相互に通知する。このようにすることで、送信UE、受信UEともに、PC5通信用のASレイヤを設定可能となる。
【0499】
ステップST2219で、送信UEと受信UEとの間でPC5通信を用いたV2Xサービスのデータ通信を実施する。このようにすることで、送信UEと受信UEの間で実施されるPC5通信を、該PC5通信に要求されるQoSを満足するように実施できる。
【0500】
PC5通信において、送信UEはRANノードへBSRを複数回送信してもよい。BSRは、PC5-Sシグナリングから、V2Xサービスデータ送信まで、あるいは、PC5リンク解放までの間に適宜送信されてもよい。RANノードは、該BSRの受信により、前述のように、QoS関連情報を用いてPC5通信のためのスケジューリングを実施し、PC5通信用スケジューリング情報を送信UEに対して通知する。
【0501】
PC5-Sシグナリング用のQoSと、PC5 RRCシグナリング用のQoSと、V2Xサービスデータ通信用のQoSとのうちの一部または全部を異ならせてもよい。異なったQoS関連情報の設定を用いてもよい。各シグナリングとデータ送信のQoSを異ならせることが可能となる。たとえば、RANノードは、各シグナリングあるいはデータ通信に対して要求されるQoSを満たすように、PC5通信のスケジューリングを実施可能となる。たとえば、シグナリングのQoSを、データ送信より低遅延あるいは高品質のQoSパラメータとしてもよい。シグナリングの誤送受信による誤動作を低減させることができる。
【0502】
PC5-Sシグナリング用のQoS、および/または、RRCシグナリング用のQoSについて、あらかじめ所定のQoS関連情報を決めておいてもよい。該情報は規格等で決めておいてもよい。QoS関連情報の通知のためのシグナリングを削減可能となる。
【0503】
ステップST2220で、PC5通信を行うUEは、PC5通信のQoSモニタを実施する。UEは、QoSモニタとして、QoS送信関連パラメータを測定する。ここでは、QoSモニタを実施するUEが送信UEの場合について示している。
【0504】
ステップST2221で、送信UEは、QoS関連パラメータ測定結果をRANノードに通知する。送信UEは該測定結果を、Uuインタフェースを用いて通知してもよい。送信UEは、RRCシグナリングを用いてもよいし、UEアシスタント情報通知のメッセージを用いてもよい。ステップST2230で、RANノードは、ステップST2221で取得したQoS関連パラメータ測定結果を用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。
【0505】
たとえば送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が劣化した場合など、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSに満たない場合、RANノードは、たとえばPC5通信用にアロケーションするリソースを増やす等、要求されたQoSを満たすようにスケジューリングを実施してもよい。たとえば送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が良好になり、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSを大きく超えている場合は、RANノードは、たとえばPC5通信用にアロケーションするリソースを減らす等、要求されたQoSを満たしながら余分なリソースを減らすようなスケジューリングを実施してもよい。
【0506】
このように、送信UEからのQoS関連パラメータ測定結果を用いて、RANノードがPC5通信のためのスケジューリングを実施することで、所望のQoSを満たすスケジューリングを効率良く実施可能となる。
【0507】
ステップST2232で、RANノードは、ステップST2230で実施したPC5通信スケジューリングの結果情報を、送信UEに対して通知する。送信UEは、該PC5通信スケジューリング情報を用いて、ステップST2233で、受信UEとの間でV2Xサービスデータの送受信を実施する。ここでは、V2Xサービスデータの送受信を開示したが、PC5-SシグナリングやPC5 RRCシグナリングの送受信でも同様である。
【0508】
このように、送信UEからのQoS関連パラメータ測定結果を用いて、RANノードはスケジューリングを実施することで、送信UEと受信UEの間で、PC5通信に要求されたQoSを満たすようなPC5通信を実施可能となる。
【0509】
QoSモニタを送信UEが実施したが、他の方法として、受信UEが実施してもよい。受信UEが、QoSモニタを実施して、QoS関連パラメータの測定結果を、送信UEに通知してもよい。送信UEは、受信UEのQoSモニタ結果であるQoS関連パラメータの測定結果を、RANノードに通知してもよい。
【0510】
受信UEと送信UEとでPC5通信における通信品質が異なる場合がある。たとえば、受信UEの近傍に干渉元となる他のUEが存在する場合である。該他のUEが、受信UEに対しては干渉するが、送信UEに対しては干渉しない場合である。このような場合、送信UEから受信UEへの通信の品質は劣化する。RANノードが、受信UEでのQoS関連パラメータ測定結果を取得することで、このような状況を認識可能となり、そのような状況に適したPC5通信のためのスケジューリングを実施可能となる。
【0511】
受信UEにおけるQoSモニタと、送信UEにおけるQoSモニタとの両方を実施してもよい。両方のQoS関連パラメータ測定結果をRANノードが取得してもよい。RANノードは、両方のQoS関連パラメータ測定結果を用いることで、PC5通信に要求されるQoSを満たすようスケジューリング実施可能となる。
【0512】
本実施の形態2で開示した方法により、UE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSが満たされない状態が続いてしまうようなことを回避することができる。
【0513】
本実施の形態2で述べた課題を解決する他の方法を開示する。基地局とPC5通信を行うUEとの間で実施されるULのUu通信のQoSを、PC5通信を行うUE間で実施されるPC5通信のQoSの代用とする。基地局は、PC5通信を行うUEとの間で実施されるULのUu通信のQoSモニタを実施するとよい。QoSモニタとして、前述のQoSパラメータの一つまたは複数を測定してもよい。
【0514】
ULのUu通信に用いる周波数あるいは周波数帯域が、PC5通信に用いる周波数あるいは周波数帯域と同じ場合に、前述の方法を適用してもよい。周波数あるいは周波数帯域が同じ場合、電波伝搬環境は概ね同じになる。このため、基地局とPC5通信を行うUEとの間で実施されるULのUu通信の通信品質が、PC5通信を行うUE間で実施されるPC5通信の通信品質と概ね同じになる。このため、ULのUu通信のQoSモニタ結果は、UE間のPC5通信のQoSモニタ結果と概ね同じとなる。
【0515】
PC5通信を行うUEと基地局との間のULのUu通信のQoSモニタを実施した基地局は、該UEに対して、該QoSモニタ結果を用いて、要求されたQoSを満たしているのか否かを判断することが可能となる。さらに、該基地局は、判断結果に基づいて、必要に応じて、PC5通信用のスケジューリングを変更することが可能となる。PC5通信用のスケジューリングを変更した基地局は、PC5通信を行うUEに対して、変更後のスケジューリング情報を通知するとよい。
【0516】
このようにすることで、PC5通信を行うUEでのQoSモニタが実施不要となる。また、PC5通信を行うUEから基地局へのQoSモニタ結果の通知が不要となる。システムとしてQoSモニタ制御およびQoSモニタ結果を用いたPC5通信用スケジューリング処理を容易にすることが可能となる。
【0517】
実施の形態2の変形例1.
本変形例1では、実施の形態2で開示した課題を解決する他の方法を開示する。
【0518】
PC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSパラメータを、複数セット設定する。PC5通信を用いたV2Xサービスに対して複数のQoSパラメータセットを設定する。V2Xサービスに対するQoSパラメータを設定するCN側ノードが、PC5通信を用いたV2Xサービスに対して、複数のQoSパラメータセットを設定するとよい。CN側ノードは、たとえば、PCFあるいはPCC(Policy and Charging Control)であってもよい。以降、設定された複数のQoSパラメータセットを、QoSパラメータセットリストと称する場合がある。
【0519】
一つまたは複数のQoSパラメータセットあるいはQoSパラメータセットリストは、V2X関連情報に含まれてもよい。一つまたは複数のQoSパラメータセットあるいはQoSパラメータセットリストは、V2XポリシまたはV2Xパラメータに含まれてもよい。CN側がUEに対して一つまたは複数のQoSパラメータセットあるいはQoSパラメータセットリストを提供する方法に、実施の形態1あるいはその変形例で開示した、V2X関連情報の提供方法あるいはV2Xポリシ提供方法を適用してもよい。このようにすることで、処理方法が異なり複雑になることを回避することが可能となり、誤動作を削減可能となる。
【0520】
QoSパラメータ、QoSパラメータセット、または、QoSパラメータセットリストを、CN側ノードに記憶しておいてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスを、該サービスに要求されるQoSパラメータ、QoSパラメータセット、または、QoSパラメータセットリストに対応付けて、CN側ノードに記憶しておいてもよい。記憶方法は実施の形態1で開示した方法を適宜適用するとよい。該情報を必要に応じて利用することが可能となる。
【0521】
QoSモニタを実施したUEは、QoSモニタ結果を、V2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットを有するノードに通知する。たとえば、PCFが複数のQoSパラメータセットを有する場合、UEは、PCFに対してQoSモニタ結果を通知するとよい。UEはPCFに対して、のQoSモニタ結果を、RANノード、AMFを介して通知してもよい。
【0522】
QoSモニタ結果をUEから受信したノードは、V2Xサービスに対するQoSパラメータセットを、設定されている複数のQoSパラメータセットの中から、QoSモニタ結果に応じて再選択するとよい。
【0523】
PCFは、PC5通信用スケジューリングを行う基地局に対して、再選択したQoSパラメータセットを通知するとよい。基地局は、再選択されたQoSパラメータセットをPCFから受信する。基地局は、該QoSパラメータを用いて、PC5通信を行うUEに対して、PC5通信用スケジューリングを再度行うとよい。PCFは、再選択したQoSパラメータセットを、AMFを介して基地局に通知してもよい。
【0524】
このようにすることで、PC5通信におけるQoSモニタ結果を用いてQoSパラメータセットを再選択可能となり、再選択されたQoSパラメータセットを用いてPC5通信用スケジューリングを再度実施可能となる。このため、PC5通信の通信品質に見合ったPC5通信のためのスケジューリングを実施することが可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0525】
QoSモニタを実施したUEが、QoSモニタ結果をPCFに通知することを開示した。他の方法として、QoSモニタを実施したUEがQoSモニタ結果を基地局に通知し、基地局が、UEによるQoSモニタ結果をPCFに通知してもよい。PCFは、設定されている複数のQoSパラメータセットの中から、QoSモニタ結果に応じて、QoSパラメータセットを再選択し、再選択したQoSパラメータセットを基地局に通知する。このようにすることで、基地局は、該基地局自体の判断により、CNにQoSパラメータセットの再選択を要求することを可能にする。
【0526】
たとえば、基地局は、QoSパラメータセットは変えずにPC5通信用のスケジューリングを変更するか、QoSパラメータセットの変更を要求するかを、PC5通信を行うUEから受信したQoSモニタ結果を用いて判断可能となる。このようにすることで、CNへのシグナリングの使用をQoSモニタ結果に応じて適切に判断できるため、CNとのシグナリング量を低減可能となる。
【0527】
QoSモニタを実施したUEからCNへQoSモニタ結果を通知する方法として、NASシグナリングを用いてもよい。UEがAMFに対して、NASシグナリングを用いて、QoSモニタ結果を通知する。AMFは、たとえば、PCFに対して、AMFとPCFの間のインタフェースを用いて、QoSモニタ結果を通知してもよい。AMFはPCFに対して、QoSパラメータの変更を要求してもよい。AMFはSMFを介してPCFに対して、QoSモニタ結果を通知してもよい。たとえば、AMFとSMFの間の通知にはN11インタフェースを用い、SMFとPCFの間の通知にはN7インタフェースを用いてもよい。
【0528】
QoSモニタを実施したUEがRANノードへQoSモニタ結果を通知する方法に、実施の形態2で開示した方法を適宜適用するとよい。RANノードがAMFへQoSモニタ結果を通知してもよい。RANノードとAMFの間の通知にはN2シグナリングを用いてもよい。AMFからPCFに対して通知する方法は前述の方法を適用するとよい。
【0529】
図30図32は、実施の形態2の変形例1について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。図30図32は境界線BL3031、BL3132の位置でつながっている。図30図32の例では、PC5通信のQoS関連パラメータ測定結果がCNまで通知される。図30図32において、図28図29と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0530】
PC5通信を用いたV2Xサービスに対するQoSパラメータを、複数設定する。前述のようにQoSパラメータは一つまたは複数の種類のパラメータからなる。従って、QoSパラメータを、QoSパラメータセットと称してもよい。ステップST2301で、PCFは、PC5通信を用いたV2Xサービスに対するQoSパラメータセットの設定を、複数有する。送信UEからのPC5通信を用いたV2X通信アクセス認証に続いて、ステップST2306で、PCFは、PC5通信用QoSパラメータセットの該複数の設定から、1つを選択する。
【0531】
PCFは、選択した1つのQoSパラメータセットをQoS関連情報に含めて、ステップST2207、ST2208で、AMFを介してRANノードに対して通知する。PCFは、選択した1つのQoSパラメータセットを、V2X通信関連情報に含めてもよい。ステップST2209で、選択した1つのQoSパラメータセットがUEに通知されても良い。複数のQoSパラメータセットがPC5通信用に設定されていることを示す情報を設けて、PCFがAMFおよび/あるいはRANノードおよび/あるいはUEに対して通知してもよい。AMFおよび/あるいはRANノードおよび/あるいはUEは、複数のQoSパラメータセットがPC5通信用に設定されていることを認識可能となる。
【0532】
ステップST2213で、RANノードは、ステップST2208で取得した1つのQoSパラメータセットを用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。
【0533】
送信UEは、ステップST2220で、QoSモニタを実施する。送信UEは、QoS関連パラメータ測定を実施し、ステップST2221で、RANノードに該測定結果を通知する。ステップST2322で、RANノードは、送信UEから通知されたQoS関連パラメータ測定結果を、AMFに通知する。ステップST2323で、AMFは、RANノードから通知されたQoS関連パラメータを、PCFに対して通知する。通知方法は前述した、送信UEからPCFへV2XケーパビリティやV2Xポリシ要求を通知する方法を適用してもよい。通知のために別のメッセージを設けてもよい。
【0534】
UEから、PC5通信のQoS関連パラメータ測定結果を受信したPCFは、ステップST2324で、設定された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを適宜、選択する。PCFは、直前に選択したPC5通信用QoSパラメータセットとは異なるPC5通信用QoSパラメータセットを選択してもよい。
【0535】
たとえば送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が劣化した場合など、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSに満たない場合は、PCFは、たとえば、設定されているPC5通信用QoSパラメータセットの中から、QoSを満たせるようなPC5通信用QoSパラメータセットを選択する。たとえば送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が良好になり、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSを大きく超えている場合は、PCFは、たとえば、設定されているPC5通信用QoSパラメータセットの中から、測定されたQoSに適したPC5通信用QoSパラメータセットを選択する。
【0536】
このようにすることで、PCFは、RANノードに対して、PC5通信の通信品質に適したPC5通信用QoSパラメータセットを提供可能となる。このため、RANノードは、PC5通信の通信品質に適したPC5通信用のスケジューリングを実施可能となる。
【0537】
ステップST2327で、PCFはAMFに対してV2X通信関連情報を通知する。PCFは、V2X通信関連情報として、PCFで再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを含める。ステップST2328で、AMFは、PCFから受信したV2X通信関連情報を、RANノードに対して通知する。該通知にN2シグナリングを用いてもよい。このようにすることで、RANノードが、UEに対して再選択されたPC5通信用QoSパラメータセットを取得できる。RANノードが、PC5通信のQoSモニタ結果に適したPC5通信用QoS関連情報を取得可能となる。RANノードが、UEに対して再選択されたPC5通信用QoSパラメータセットV2X関連情報を取得することで、RANノードが、PC5通信のQoSモニタ結果に適した、PC5通信を用いたV2Xサービスのためのスケジューリングを実施可能となる。
【0538】
AMFは、UEに対して、PCFから受信したPCFで再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを通知してもよい。たとえば、AMFは、ステップST2328、ST2329によって、該QoSパラメータセットを通知してもよい。ステップST2329で、RANノードはUEに対して、再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを通知する。このようにすることで、UEも、再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを取得可能となる。
【0539】
ステップST2331で、RANノードは、ステップST2328で取得した再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。ステップST2232で、RANノードは、ステップST2230で実施したPC5通信スケジューリングの結果情報を、送信UEに対して通知する。送信UEは、該PC5通信スケジューリング情報を用いて、ステップST2233で、受信UEとの間でV2Xサービスデータの送受信を実施する。ここでは、V2Xサービスデータの送受信を開示したが、PC5-SシグナリングやPC5 RRCシグナリングの送受信でも同様である。
【0540】
このように、送信UEのQoSモニタ結果を用いて、PCFが、設定された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを選択して、選択したQoSパラメータセットをRANノードに再度提供する。これにより、RANノードが、PC5通信の通信品質に見合うように、PC5通信のためのスケジューリングを実施することが可能となる。PC5通信のための使用リソースを効率良くスケジューリング可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0541】
一つまたは複数のQoSパラメータセットあるいはQoSパラメータセットリストをPCFから基地局へ通知する方法に、実施の形態1あるいはその変形例で開示した、V2X関連情報の提供方法またはV2Xポリシ提供処理を用いてもよい。
【0542】
AMFはあらかじめPCFから、QoSパラメータセットリストを取得しておいてもよい。AMFがQoSパラメータの変更を実施してもよい。UEはQoSモニタ結果をAMFに通知する。UEはQoSモニタ結果を、基地局を介してAMFに通知してもよい。AMFは、UEから取得したQoSモニタ結果を用いて、QoSパラメータセットを変更する。変更するQoSパラメータセットは、QoSパラメータセットリストの中から選択される。AMFは、変更したQoSパラメータセットを、基地局に通知するとよい。基地局は、AMFから通知された変更されたQoSパラメータセットを用いて、PC5通信を行うUEに対してPC5通信用スケジューリングを実施する。
【0543】
このように、AMFがQoSパラメータセットを予め取得しておくことで、QoSパラメータ変更の際のAMFとPCFの間のシグナリング、および、PCFでの処理を削減することが可能となる。
【0544】
SMFがあらかじめPCFから、QoSパラメータセットリストを取得しておいてもよい。SMFがQoSパラメータの変更を実施してもよい。UEはQoSモニタ結果をSMFに通知する。UEはQoSモニタ結果を、基地局およびAMFを介して、SMFに通知してもよい。SMFは、UEから取得したQoSモニタ結果を用いて、QoSパラメータセットを変更する。変更するQoSパラメータセットは、QoSパラメータセットリストの中から選択される。SMFは、変更したQoSパラメータセットを、基地局に通知するとよい。SMFは、変更したQoSパラメータセットを、AMFを介して基地局に通知してもよい。基地局は、SMFから通知された変更されたQoSパラメータセットを用いて、PC5通信を行うUEに対してPC5通信用スケジューリングを実施する。
【0545】
実施の形態2の本変形例1で開示した方法により、UE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSが満たされない状態が続いてしまうようなことを回避することができる。
【0546】
実施の形態2の変形例2.
PC5通信を行うUEが、PC5通信用スケジューリングを行う場合がある。このような場合、PC5通信スケジューリングに用いるリソースは、リソースプールから選択される。リソースプールは基地局から報知される場合がある。PC5通信を行うUEが、基地局から報知されるリソースプールを用いて、PC5通信用スケジューリングを行う場合について、実施の形態2で開示した課題を解決する方法を開示する。
【0547】
PC5通信を用いたV2Xサービスで用いるリソースプールを複数設定する。PC5通信を用いたV2Xサービスに対して、複数のリソースプールを設定する。V2Xサービスに対するリソースプールを設定するCN側ノードが、PC5通信を用いたV2Xサービスに対して、複数のリソースプールを設定するとよい。CN側ノードは、たとえば、PCFあるいはPCC(Policy and Charging Control)であってもよい。以降、設定された複数のリソースプールを、リソースプールリストと称する場合がある。
【0548】
一つまたは複数のリソースプールまたはリソースプールリストは、V2Xサービスに対するQoSパラメータと共に、設定されてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスのサービス要求からリソースプールを導出するためのルールが、設定されてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスのサービス要求からQoSパラメータを導出するルールと、該要求からリソースプールを導出するルールが、同じルール内に設定されてもよい。
【0549】
PC5通信を用いたV2Xサービスで用いる一つまたは複数のリソースプールまたはリソースプールリストは、V2X関連情報に含まれてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスで用いる一つまたは複数のリソースプールまたはリソースプールリストは、V2Xサービスに対するQoSパラメータと共に、V2X関連情報に含まれてもよい。これらの提供方法およびCN側ノードへの記憶方法は、実施の形態2または実施の形態2の変形例1で開示した方法を適宜適用してもよい。同様の効果が得られる。
【0550】
QoSモニタを実施したUEは、QoSモニタ結果を、V2Xサービスに対する複数のリソースプールを有するノードに通知する。たとえば、PCFが複数のリソースプールを有する場合、UEは、PCFに対してQoSモニタ結果を通知するとよい。QoSモニタ結果をUEから受信したノードは、V2Xサービスに対するリソースプールを、設定されている複数のリソースプールの中から、QoSモニタ結果に応じて再選択するとよい。
【0551】
PCFは、PC5通信用リソースプールを報知する基地局に対して、再選択したリソースプールを通知するとよい。PCFは、UEのQoSモニタ結果を通知した基地局に対して、再選択したリソースプールを通知してもよい。基地局は、再選択されたリソースプールをPCFから受信する。基地局は該リソースプールを報知する。PC5通信を行うUEは、基地局からの再選択されたリソースプールを用いて、PC5通信用スケジューリングを再度行うとよい。PCFは、再選択したリソースプールを、AMFを介して基地局に通知してもよい。
【0552】
このように、リソースプールを複数設定して、QoSモニタ結果からリソースプールを変更する方法は、実施の形態2の変形例1で開示した方法を適宜適用するとよい。実施の形態2の変形例1で開示した方法において、QoSパラメータセットをリソースプールに置き換えるとよい。また、PC5通信を行うUEに対して基地局が行うPC5通信用スケジューリングを、PC5通信用リソースプールの報知に置き換えるとよい。
【0553】
このようにすることで、PC5通信におけるQoSモニタ結果を用いてPC5通信に用いるリソースプールを再選択可能となり、再選択されたリソースプールを用いてPC5通信用スケジューリングを再度実施可能となる。このため、PC5通信の通信品質に見合ったPC5通信のためのスケジューリングを実施することが可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0554】
QoSパラメータセットに優先順位を設けてもよい。リソースプールに優先順位を設けてもよい。QoSパラメータセットやリソースプールを、該優先順位に従って再選択するとよい。たとえば、優先順位の高いQoSパラメータセットあるいはリソースプールから選択、再選択を行ってもよい。このように優先順位を設定することで、使用するQoSパラメータセットやリソースプールの制御を可能とする。
【0555】
たとえば、前述のQoSパラメータセットやリソースプールの再選択方法と、優先順位とを組み合わせてもよい。たとえば、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSに満たない場合に、設定されているPC5通信用QoSパラメータセットの中から、QoSを満たせるようなPC5通信用QoSパラメータセットを選択する。選択肢として複数のPC5通信用QoSパラメータセットが存在した場合、その中から優先順位の高いQoSパラメータを選択する。送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が良好になり、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSを大きく超えている場合、設定されているPC5通信用QoSパラメータセットの中から、測定されたQoSに適したPC5通信用QoSパラメータセットを選択する。選択肢として複数のPC5通信用QoSパラメータセットが存在した場合、その中から優先順位の高いQoSパラメータを選択する。
【0556】
このようにすることで、所望のQoSでのPC5通信を可能とし、また、PC5通信に用いるリソースの使用効率を向上させることが可能となる。
【0557】
ランクを設けてもよい。ランクごとに一つまたは複数のQoSパラメータセットあるいはリソースプールを設定する。QoSモニタ結果に応じて、選択されたランクの中でQoSパラメータセットあるいはリソースプールを再選択するとよい。このようにすることで、優先順位による制御に比べて再選択において柔軟性が得られる。
【0558】
優先順位やランクはUE毎に設定されてもよい。優先順位やランクは、PC5通信を用いるUE毎に設定されてもよい。UE毎の能力や、UE毎の位置や、UE毎の通信環境に応じて、優先順位を設定可能となる。他の方法として、優先順位やランクは、PC5通信を用いたV2Xサービス毎に設定されてもよい。サービスの内容や要求条件に応じて設定可能となる。
【0559】
実施の形態2の本変形例2で開示した方法により、PC5通信を行うUEが、基地局から報知されるリソースプールを用いてPC5通信用スケジューリングを行う場合も、UE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSが満たされない状態が続いてしまうようなことを回避することができる。
【0560】
実施の形態2の変形例3.
PC5通信を行うUEが、PC5通信用スケジューリングを行う場合がある。このような場合、PC5通信スケジューリングに用いるV2Xサービスに対応したQoSパラメータセットは、予めUEに構成される。PC5通信を行うUEが、予めUEに構成されたQoSパラメータセットを用いて、PC5通信用スケジューリングを行う場合について、実施の形態2で開示した課題を解決する方法を開示する。
【0561】
PC5通信を行うUEが、基地局のカバレッジ内に入った際に、該基地局を介して、QoSパラメータセットの変更を実施する。QoSパラメータセットの変更を、PC5通信を行うUEとPCFの間のV2Xポリシアップデート処理を用いて実施してもよい。QoSモニタを実施する方法は、実施の形態2で開示した方法を適用するとよい。複数のPC5通信用QoSパラメータセットの設定方法、および、UEとPCFの間でのV2Xポリシアップデート処理を用いたQoSパラメータセットの変更方法は、実施の形態1あるいはその変形例で開示した、V2X関連情報の提供方法あるいはV2Xポリシ提供方法を適用してもよい。このようにすることで、処理方法が異なり複雑になることを回避することが可能となり、誤動作を削減可能となる。
【0562】
PC5通信スケジューリングに用いるV2Xサービスに対応したリソースプールは、予めUEに構成される。PC5通信を行うUEが、予めUEに構成されたリソースプールを用いて、PC5通信用スケジューリングを行う場合についても同様である。
【0563】
PC5通信を行うUEが、基地局のカバレッジ内に入った際に、該基地局を介して、リソースプールの変更を実施する。リソースプールの変更を、PC5通信を行うUEとPCFの間のV2Xポリシアップデート処理を用いて実施してもよい。QoSモニタを実施する方法は、実施の形態2で開示した方法を適用するとよい。複数のPC5通信用リソースプールの設定方法、および、UEとPCFの間でのV2Xポリシアップデート処理を用いたリソースプールの変更方法は、実施の形態1あるいはその変形例で開示した、V2X関連情報の提供方法あるいはV2Xポリシ提供方法を適用してもよい。このようにすることで、処理方法が異なり複雑になることを回避することが可能となり、誤動作を削減可能となる。
【0564】
前述したQoSパラメータセットの変更と、リソースプールの変更の両方を合わせて行ってもよいし、いずれか片方のみ行ってもよい。どの変更方法を行うかを、UEが判断してもよいし、CN側ノードが判断してもよい。CN側ノードとしてのPCFが判断してもよい。CN側ノードは、UEから通知されたQoSモニタ結果を用いて判断してもよい。
【0565】
PC5通信を行うUEは、変更されたQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールを用いて、PC5通信のためのスケジューリングを再度実施するとよい。このようにすることで、PC5通信を行うUEが、基地局のカバレッジ内に入った際に、該基地局を介して、QoSパラメータセットの変更を実施可能となる。たとえば、カバレッジ外でUEがPC5通信を行っており、V2Xサービスに対するQoSが満たされなくなった場合でも、該UEが、基地局のカバレッジ内に入った際に、該基地局を介して、QoSパラメータセットの変更を実施可能となる。このため、長期間V2Xサービスに対するQoSが満足されない状態を回避することが可能となる。
【0566】
他の方法を開示する。V2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースプールを、あらかじめUEが取得する。PC5通信を行うUEは、QoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストを有するCN側ノードから、予め、QoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストを取得する。QoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストを有するCN側ノードは、PC5通信を行うUEに対して、予め、QoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストを提供する。
【0567】
UEと、QoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストを有するCN側ノードとの間でのQoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストを提供処理は、前述した方法を適宜適用するとよい。
【0568】
PC5通信を行うUEは、QoSモニタを実施し、QoSモニタ結果を用いてQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールを変更する。変更するQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールは、UEが取得したQoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストの中から選択される。PC5通信を行うUEは、再選択したQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施する。
【0569】
図33および図34は、実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第1例を示す図である。図33図34は境界線BL3334の位置でつながっている。図33および図34は、送信UEがPC5通信のスケジューリングを実施する例について示している。図33および図34において、図30図32と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0570】
PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータが、PCFからUEに対して通知される。
【0571】
ステップST2407、ST2408、ST2409で、PCFは、複数のPC5通信用QoSパラメータセットを、UEに対して通知する。PCFは、複数のPC5通信用QoSパラメータセットを、QoS関連情報に含めて通知してもよい。このようにすることで、UEは、複数のPC5通信用QoSパラメータセットを取得可能となる。
【0572】
ステップST2413で、UEは、ステップST2409で取得した複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを選択し、選択したQoSパラメータセットを用いてPC5通信のためのスケジューリングを実施する。
【0573】
送信UEは、ステップST2220で、QoSモニタを実施する。送信UEは、QoS関連パラメータ測定を実施する。ステップST2425で、送信UEは、QoS関連パラメータ測定結果を用いて、設定された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを適宜、再選択する。送信UEは、直前に選択したPC5通信用QoSパラメータセットとは異なるPC5通信用QoSパラメータセットを選択してもよい。
【0574】
たとえば送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が劣化した場合など、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSに満たない場合は、送信UEは、たとえば、設定されているPC5通信用QoSパラメータセットの中から、QoSを満たせるようなPC5通信用QoSパラメータセットを選択する。たとえば送信UEと受信UEの間のPC5通信の通信品質が良好になり、QoS関連パラメータ測定結果が、要求されたQoSを大きく超えている場合は、送信UEは、たとえば、設定されているPC5通信用QoSパラメータセットの中から、測定されたQoSに適したPC5通信用QoSパラメータセットを選択する。
【0575】
送信UEは、ステップST2431で、再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施する。このように、PCFが複数のPC5通信用QoSパラメータセットを送信UEに通知しておくことで、送信UEが、モニタしたQoSモニタ結果を用いて、PC5通信の通信品質に見合うように、PC5通信のためのスケジューリングを再度実施することが可能となる。PC5通信のための使用リソースを効率良くスケジューリング可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0576】
前述のように、PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースを、CN側ノードに設定あるいは記憶しておいても良い。CN側ノードとして、たとえば、PCFやPCCを開示した。これに限らず、CN側ノードはAMF、SMF、UPFであってもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットと複数のリソースとを、異なるCN側ノードに設定あるいは記憶してもよい。
【0577】
PC5通信を行うUEは、QoSモニタを行い、QoSモニタ結果を該CN側ノードに通知する。該CN側ノードは、UEからのQoSモニタ結果を用いて、QoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを再選択する。該CN側ノードは、再選択したQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを、UEに対して通知する。UEは、通知されたQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施する。
【0578】
該CN側ノード、たとえば、AMF、SMF、UPFに、PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースを設定あるいは記憶することで、UEから該CN側ノードへのアクセス時間を短縮可能となる。UEは、再選択されたQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを用いて、早期にPC5通信用スケジューリングを実施可能となる。このため、PC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSが満足されない期間を短縮可能となる。
【0579】
前述では、CN側ノードに、PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースをCN側ノードに設定あるいは記憶することを開示した。これに対し、RANノードに、PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースを設定あるいは記憶してもよい。PC5通信を行うUEはQoSモニタを行い、QoSモニタ結果をRANノードに通知する。RANノードは、UEからのQoSモニタ結果を用いて、QoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを再選択する。RANノードは、再選択したQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを、UEに対して通知する。UEは、通知されたQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースを用いてPC5通信用スケジューリングを実施する。
【0580】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSが満足されない期間をさらに短縮可能となる。
【0581】
図35および図36は、実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第2例を示す図である。図35図36は境界線BL3536の位置でつながっている。図35および図36は、RANノードがPC5通信用のリソースを報知する例について示している。図35および図36は、UEがPC5通信用スケジューリングを実施する例について示している。図35および図36において、図30図32図33図34と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0582】
PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータが、PCFからRANノードに対して通知される。
【0583】
ステップST2407、ST2408で、PCFは、複数のPC5通信用のQoSパラメータセットを、RANノードに対して通知する。PCFは、複数のPC5通信用のQoSパラメータセットを、QoS関連情報に含めて通知してもよい。このようにすることで、RANノードは、複数のPC5通信用QoSパラメータセットを取得可能となる。
【0584】
ステップST2613で、RANノードは、ステップST2408で取得した複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを選択する。RANノードは、選択したQoSパラメータセットを用いてPC5通信のためのリソースを設定して、ステップST2615で、UEに対して、PC5通信のためのリソースを報知する。RANノードは、PC5通信のためのリソースをPC5関連情報に含めて報知してもよい。PC5通信のためのリソースはリソースプール情報であってもよい。
【0585】
送信UEは、ステップST2617で、PC5通信関連情報を用いてPC5通信用スケジューリングを実施する。
【0586】
送信UEは、ステップST2220で、QoSモニタを実施する。送信UEは、QoS関連パラメータ測定を実施する。ステップST2221で、送信UEは、RANノードに対して、QoS関連パラメータ測定結果を通知する。RANノードは、ステップST2626で、送信UEから通知されたQoS関連パラメータ測定結果を用いて、設定された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを適宜、再選択する。RANノードは、直前に選択したPC5通信用QoSパラメータセットとは異なるPC5通信用QoSパラメータセットを選択してもよい。
【0587】
PC5通信用QoSパラメータの選択方法は、PCFあるいはUEがPC5通信用QoSパラメータを選択する場合について開示した前述の方法を適用してもよい。RANノードは、ステップST2626で再選択したPC5通信用QoSパラメータセットを用いて、PC5通信のためのリソースを設定する。このようにすることで、RANノードが、PC5通信のQoSに適したPC5通信のためのリソースを設定可能となる。
【0588】
送信UEは、ステップST2628で、再設定されたPC5通信関連情報を受信して、PC5通信用RPを取得する。送信UEは、ステップST2630で、再設定されたPC5通信関連情報を用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。このように、PCFが、複数のPC5通信用QoSパラメータセットをRANノードに通知し、RANノードが、選択したPC5通信用QoSパラメータセットに適したPC5通信用リソースを設定し、設定したPC5通信用リソースを報知する。これにより、送信UEが、再設定されたPC5通信用リソースを用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施可能となる。
【0589】
このため、PC5通信の通信品質に見合うように、PC5通信のためのスケジューリングを再度実施することが可能となる。PC5通信のための使用リソースを効率良くスケジューリング可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0590】
PCFが複数のPC5通信用QoSパラメータセットをRANノードに通知する方法は、RANノードがPC5通信のためのスケジューリングを実施する場合にも適用可能である。同様に、PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0591】
なお、PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースを、CN側ノードやRANノードに設定あるいは記憶することを開示した。他の例として、PC5通信を用いたV2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースを有するノードが、予め、他のノード、例えばCN側ノードやRANノードに提供しておいてもよい。複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースは、該他のノードの要求に応じて、提供されてもよい。該他のノードに予め提供されることで、同様の効果を得ることができる。
【0592】
他の方法を開示する。V2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースプールを、あらかじめUEに構成しておいてもよい。UEに、V2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースプールを記憶しておくとよい。V2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースプールは、UEとPCFの間での提供処理によって提供されるのではなく、予めUEに記憶してとくとよい。たとえば、(U)SIM、CICCに、V2Xサービスに対する複数のQoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースプールを記憶しておいてもよい。
【0593】
PC5通信を行うUEは、QoSモニタを実施し、QoSモニタ結果を用いてQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールを変更する。変更するQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールは、UEに予め構成されたQoSパラメータセットリストおよび/あるいはリソースプールリストの中から選択される。PC5通信を行うUEは、再選択したQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施する。
【0594】
図37は、実施の形態2の変形例3について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの第3例を示す図である。図37は、送信UEがPC5通信用スケジューリングを実施する例について示している。図37において、図33図34と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0595】
UEに予め複数のPC5通信用QoSパラメータセットが構成されてもよい。送信UEは、UE内に予め構成された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを選択し、選択したQoSパラメータセットを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施する。
【0596】
ステップST2510で、送信UE内に、複数のPC5通信用のQoSパラメータセットが構成される。ステップST2512で、送信UEは、UE内に設定された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを選択する。ステップST2213で、送信UEは、選択したQoSパラメータセットを用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。
【0597】
送信UEは、ステップST2220で、QoSモニタを実施する。送信UEは、QoS関連パラメータ測定を実施する。送信UEは、ステップST2530で、QoS関連パラメータ測定結果を用いて、構成された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを適宜、再選択する。送信UEは、直前に選択したPC5通信用QoSパラメータセットとは異なるPC5通信用QoSパラメータセットを選択してもよい。
【0598】
PC5通信用QoSパラメータの選択方法は前述の方法を適用してもよい。送信UEは、ステップST2531で、再選択されたPC5通信用QoS関連情報を用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。このようにすることで、送信UEは、PC5通信の通信品質に見合うように、PC5通信のためのスケジューリングを再度実施することが可能となる。PC5通信のための使用リソースを効率良くスケジューリング可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0599】
このようにすることで、たとえ、カバレッジ外でUEがPC5通信を行っており、V2Xサービスに対するQoSが満たされなくなった場合でも、該UEがQoSパラメータセットの変更を実施可能となる。このため、V2Xサービスに対するQoSが満足されない状態が続くのを回避することが可能となる。
【0600】
PC5通信を行うUEは、PC5通信とPC5通信をリレーするUEであってもよいし、Uu通信とPC5通信をリレーするUEであってもよい。これらのUEに対して、QoSパラメータセットおよび/あるいは複数のリソースプールが提供されても良い。該UEがリレーを実施する場合、リレーする際に、QoSモニタ結果によるPC5通信の再スケジューリングを実施可能となる。
【0601】
PC5通信を行うUEが、QoSモニタを行い、QoSモニタ結果をRANノードあるいはCNノードに対して通知する例を開示した。QoSモニタ結果ではなく、QoS値を満たしているか否かを示す情報を設けてもよい。PC5通信を行うUEが、QoSモニタを行い、QoS値を満たしているか否かを示す情報をRANノードあるいはCNノードに対して通知してもよい。前述の方法を適宜適用することで、同様の効果を得ることができる。
【0602】
また、他の方法として、PC5通信を行うUEは、RANノードに対して再スケジューリング要求を通知してもよい。該要求は、QoS改善のための再スケジューリング要求であってもよい。PC5通信を行うUEは、QoSモニタを行い、QoSモニタ結果を用いて、再スケジューリング要求を通知するか否かを判断する。
【0603】
たとえば、QoSモニタ結果が、PC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSに満たないか、あるいは、満たしているが所定の範囲内に入った場合、UEは、再スケジューリング要求を通知すると決定する。そうでない場合は、UEは、再スケジューリング要求を通知しないと決定する。
【0604】
PC5通信を行うUEは、再スケジューリング要求を通知すると決定した場合、RANノードに対して再スケジューリング要求を通知する。該要求を受信したRANノードは、たとえば、該UEに関するQoSが向上するように再スケジューリングを実施し、その情報を該UEに通知する。
【0605】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2XサービスのQoSを向上させることが可能となる。
【0606】
再スケジューリング要求は、QoS緩和のための再スケジューリング要求であってもよい。たとえば、PC5通信を実施するUEは、QoSのモニタ結果が、要求されるQoSを大幅に超えていると判断した場合は、QoS緩和のための再スケジューリング要求をRANノードに通知してもよい。該要求を受信したRANノードは、該UEに関するQoSが緩和するように再スケジューリングを実施し、その情報を該UEに通知する。
【0607】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2XサービスのQoSを緩和させることが可能となる。QoSを満足する範囲でQoSを緩和し、他のUEにリソースを振り向けることが可能となる。システムとしてリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0608】
他の方法として、PC5通信を行うUEは、NWノードに対して、QoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールの再提供要求を通知してもよい。該要求は、QoS改善のための再提供要求であってもよい。PC5通信を行うUEは、QoSモニタを行い、QoSモニタ結果を用いて、再提供要求を通知するか否かを判断する。
【0609】
たとえば、QoSモニタ結果が、PC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSに満たないか、あるいは、満たしているが所定の範囲内に入った場合、UEは、再提供要求を通知すると決定する。そうでない場合は、UEは、再提供要求を通知しないと決定する。
【0610】
PC5通信を行うUEは、再提供要求を通知すると決定した場合、NWノードに対して再提供要求を通知する。該要求を受信したNWノードは、たとえば、該UEに関するQoSが向上するようにQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールの再選択を行い、再選択したQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールの情報を、該UEに再提供する。
【0611】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2XサービスのQoSを向上させることが可能となる。
【0612】
再提供要求は、QoS緩和のための再提供要求であってもよい。たとえば、PC5通信を実施するUEは、QoSのモニタ結果が、要求されるQoSを大幅に超えていると判断した場合は、QoS緩和のための再提供要求をCNノードに通知してもよい。該要求を受信したCNノードは、該UEに関するQoSが緩和するようにQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールの再選択を行い、再選択したQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールの情報を、該UEに再提供する。
【0613】
このようにすることで、PC5通信を用いたV2XサービスのQoSを緩和させることが可能となる。QoSを満足する範囲でQoSを緩和し、他のUEにリソースを振り向けることが可能となる。システムとしてリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0614】
このように、QoSモニタ結果を通知する代わりに、再スケジューリング要求や、再提供要求を通知することで、通知に必要となる情報量を低減できる。少ないビット数で通知可能となる。
【0615】
再選択するQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールが無くなった場合、PC5通信を終了するとしてもよい。該再選択を実施するノードがPC5通信のリリースを起動してもよい。PC5通信のリリースとして、ASレイヤのリソースのリリースを実施してもよい。PC5通信のリリースを起動された送信UEは、自UEのリソースをリリースするとともに、受信UEに対してASレイヤのリソースのリリース要求を通知してもよい。該リリース要求を受信した受信UEは、ASレイヤのリソースのリリースを行う。受信UEは、ASレイヤのリソースのリリースの完了を、送信UEに通知してもよい。送信UEは、自UEのリソースのリリースを、該通知の受信により実施してもよい。
【0616】
PC5通信のリソースのリリースの起動通知や、リソースリリースの要求通知や、リソースリリース完了通知には、RRCシグナリングを用いてもよい。該通知の誤受信を低減でき、多量の情報を通知可能となる。他の方法として、MACシグナリングを用いてもよい。該通知の誤受信を低減しつつ、早期に通知可能となる。他の方法として、PHYシグナリングを用いてもよい。より早期に通知可能となる。該通知内容に応じて、これらの通知方法を異ならせてもよい。通知内容に応じて、前述の効果を得ることが可能となる。
【0617】
PC5通信のリリースとして、PC5-Sリンクのリリースを実施してもよい。PC5-Sリンクのリリースを、ASレイヤのリソースのリリースとあわせて実施してもよい。PC5通信のリリースを起動された送信UEは、自UEのPC5-Sリンクのリリースを実施するとともに、受信UEに対してPC5-Sリンクのリリース要求を通知してもよい。PC5-Sリンクのリリース処理として、V2Xレイヤでの設定、たとえば、V2Xサービスにおけるアプリケーションレイヤからのアプリケーション識別子と、L2で用いる識別子とのマッピング等の設定をリリースする。
【0618】
該リリース要求を受信した受信UEは、PC5-Sリンクのリリースを行う。受信UEは、PC5-Sリンクのリリースの完了を送信UEに通知してもよい。送信UEは、自UEのPC5-Sリンクのリリースを、該通知の受信により実施してもよい。
【0619】
このようにすることで、再選択するQoSパラメータセットおよび/あるいはリソースプールが無くなった場合にも、PC5通信を行っているUEが、PC5通信用のリソースを保持し続ける等の無駄な処理を削減可能となる。無線リソースの使用効率を向上させることができる。また、UEでの無駄な処理を削減でき、UEの消費電力を削減可能となる。
【0620】
実施の形態2の変形例4.
3GPPでは、PC5通信の方法としてグループキャストが検討されている。グループキャストは、UEグループ間でPC5通信を行う方法である。UEグループに、リーダとなるUE(リーダUE)と他のUE(メンバUE)とを設けて、リーダUEとメンバUEの間あるいはメンバUE間でPC5通信を行う。リーダUEとメンバUEの間のPC5通信では、前述の方法を適用するとよい。同様の効果を得ることができる。
【0621】
メンバUE間のPC5通信では、リーダUEが、メンバUE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSを満たすように、PC5通信用スケジューリングを実施する。前述した方法では、PC5通信を行うUEがPC5通信用スケジューリングを行う場合における解決方法を開示した。このため、PC5通信を行わないUE(リーダUE)が、PC5通信を行うUE(メンバUE)間のPC5通信用スケジューリングを行う場合に、前述の解決方法を単に適用することはできない。
【0622】
たとえば、メンバUE間のPC5通信の品質が劣化し、要求されるQoSを満たさなくなった場合に、メンバUE間のPC5通信用スケジューリングを行うリーダUEが、PC5通信の品質劣化を認識できず、同じスケジューリングを行い続けることになる。このため、メンバUE間PC5通信に要求されるQoSが満たされない状況が続くことになる。
【0623】
本変形例4ではこのような課題を解決する方法を開示する。
【0624】
リーダUEはCNに対してV2Xポリシ提供処理を実施してもよい。リーダUEはCNからV2X通信関連情報を取得可能となる。この方法として、実施の形態2の変形例3で開示した方法を適用するとよい。PCFはUEに対して、複数のQoSパラメータセットを提供してもよいし、1つのQoSパラメータセットを提供してもよい。リーダUEは、CNから提供されたV2Xポリシを用いて、メンバ間UEのPC5通信のためのスケジューリングを実施する。
【0625】
グループ内のメンバUE間のPC5通信のV2Xポリシは、リーダUEと送信メンバUE間の通信と同じとしてもよい。グループ内でPC5通信のV2Xポリシを同一にすることで、グループ内のPC5通信処理を簡略化でき、低遅延でメンバ間PC5通信を実施可能となる。
【0626】
グループ内のメンバUE間のPC5通信のV2Xポリシは、リーダUEと送信メンバUEの間の通信と異ならせてもよい。送信メンバUEは、リーダUEを介して、PCFに対して、PC5通信を用いたV2Xサービスの認証、および/あるいは、V2Xポリシ提供処理を実施してもよい。リーダUEは、RANノードおよびAMFを介してPCFに対して、送信メンバUEのV2Xポリシ提供処理を実施する。リーダUEとPCFの間でのV2Xポリシ提供処理は、実施の形態2の変形例3で開示した方法を適用するとよい。
【0627】
リーダUEは、予め、グループ内メンバUEとのPC5通信リンクを確立しておいてもよい。送信メンバUEはリーダUEに対して、PC5通信を用いたV2Xサービスの認証、および/または、V2Xポリシの提供を要求してもよい。送信メンバUEは、リーダUEを介して、PC5通信を用いたV2Xサービスの認証、および/または、V2Xポリシの提供の要求を起動可能となる。
【0628】
グループ内UE間でのPC5通信用のリソースを予め設定しておいてもよい。該設定は規格等で静的に決めておいてもよい。あるいは、該設定はグループ内UEに予め構成されてもよい。V2Xポリシの提供処理が実施されるまで、グループ内UEは、該リソースを用いてPC5通信を行うとよい。リーダUEが、該リソースを用いて、メンバUE間のPC5通信用スケジューリングを実施する。たとえば、セルのカバレッジ外にメンバUEが存在する場合も、PC5通信のためのV2Xポリシを用いることが可能となる。
【0629】
このようにすることで、グループ内UEは、メンバUEも含めて、PC5通信のためのV2Xポリシを用いることが可能となる。グループ内、たとえばリーダUEとメンバUEの間やメンバUE間で、PC5通信が可能となる。
【0630】
メンバUE間でPC5通信を実施するUEは、PC5通信におけるQoSをモニタする。メンバUE間でPC5通信を実施するUEは、送信UEであってもよいし、受信UEであってもよい。メンバUE間のPC5通信は、ブロードキャストであってもよいし、グループキャストであってもよいし、ユニキャストであってもよい。UEは、QoSのモニタとして、QoSパラメータを測定するとよい。QoSのモニタは、QoSパラメータの全部に対して行われてもよいし、あるいは、一部に対して行われてもよい。
【0631】
QoSモニタを実施したメンバUEは、リーダUEに対してQoSモニタ結果を通知する。該UEは、QoSモニタとして実施したQoSパラメータの測定結果を通知する。このようにすることで、メンバUE間のPC5通信用スケジューリングを実施するリーダUEが、PC5通信の実際のQoSを認識可能となる。
【0632】
リーダUEは、メンバUEから通知されたメンバUE間PC5通信のQoSモニタ結果を用いて、メンバUE間PC5通信が、要求されたQoSを満たしているのか否かを判断可能となる。リーダUEは、必要に応じて、メンバUE間PC5通信のQoSモニタ結果を用いて、メンバUE間PC5通信用のスケジューリングを変更することが可能となる。リーダUEは、変更後のメンバUE間PC5通信用スケジューリング情報を、メンバUEに通知する。
【0633】
これらの方法には、前述の実施の形態または変形例で開示した方法を適宜適用するとよい。たとえば、実施の形態2の基地局をリーダUEに置き換え、PC5通信を行うUEを、PC5通信を行うメンバUEに置き換えるとよい。このようにすることで、メンバUE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに対して所望のQoSを得ることが可能となる。
【0634】
図38は、実施の形態2の変形例4について、PC5通信のQoSモニタリングを実施するシーケンスの例を示す図である。図38は、PC5通信を用いてグループキャスト通信が実施される例について示している。図38は、グループ内のリーダUEが、メンバUE間のPC5通信用スケジューリングを実施する例について示している。図38は、グループ内リーダUEと、PC5通信を行う送信メンバUEおよび受信メンバUEとについて示している。
【0635】
ステップST2701で、リーダUEは、QoS関連情報を用いて、リーダUEと送信UEの間のPC5通信のためのスケジューリングを実施する。ステップST2702からステップST2704で、リーダUEと送信メンバUEの間でPC5リンクの確立、および、PC5 RRCシグナリングが実施される。送信メンバUEにおいて、メンバUE間でのPC5通信を用いたV2Xサービスが発生すると、該送信メンバUEは、ステップST2705で、メンバUE間PC5通信用スケジューリング要求を、リーダUEに対して通知する。送信メンバUEは該要求を、ステップST2704のRRCシグナリングに含めてよい。送信メンバUEは、該スケジューリング要求にBSRを含めてもよい。
【0636】
ステップST2706で、リーダUEは、QoS関連情報と、ステップST2705で受信したスケジューリング要求に含まれるBSR情報とを用いて、メンバ間PC5通信のためのスケジューリングを実施する。ステップST2707で、リーダUEは、送信メンバUEに対して、メンバ間PC5通信のためのスケジューリング情報を通知する。
【0637】
送信メンバUEは、ステップST2707でメンバ間PC5通信のためのスケジューリング情報を受信すると、ステップST2708で、該スケジューリング情報を用いて、受信メンバUEに対して、PC5通信要求を通知する。ステップST2708からステップST2711の処理は、図31のステップST2216~ST2219の処理を適宜適用するとよい。これにより、受信メンバUEと送信メンバUEの間で、V2Xサービスデータの送受信が実施される。
【0638】
送信メンバUEは、ステップST2712で、QoSモニタを実施する。送信メンバUEは、QoS関連パラメータ測定を実施し、ステップST2713で、リーダUEに該測定結果を通知する。ステップST2714で、リーダUEは、送信メンバUEから通知されたQoS関連パラメータ測定結果を用いて、再度、メンバ間PC5通信のためのスケジューリングを実施する。QoS関連パラメータ測定結果を用いたメンバ間PC5通信のためのスケジューリング方法は、実施の形態2で開示した前述の方法を適用してもよい。
【0639】
ステップST2715で、リーダUEは、ステップST2714で実施したPC5通信スケジューリングの結果情報を、送信メンバUEに対して通知する。送信メンバUEは、該PC5通信スケジューリング情報を用いて、ステップST2716で、受信メンバUEとの間でV2Xサービスデータの送受信を実施する。ここでは、V2Xサービスデータの送受信を開示したが、PC5-SシグナリングやPC5 RRCシグナリングの送受信でも同様である。
【0640】
このように、送信メンバUEがQoSモニタを実施し、該QoSモニタの結果をリーダUEに通知することで、リーダUEが、メンバ間PC5通信のQoSモニタ結果を用いて、メンバ間PC5通信のためのスケジューリングを実施可能となる。このため、メンバ間PC5通信の通信品質が変化しても、メンバ間PC5通信に要求されるQoSを満たすことが可能となる。
【0641】
リーダUEに、予め複数のPC5通信用QoSパラメータセットが構成されてもよい。リーダUEは、UE内に予め構成された複数のPC5通信用QoSパラメータセットから一つを選択し、選択したPC5通信用QoSパラメータセットを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施してもよい。PC5通信用QoSパラメータの選択方法は、前述の方法を適用してもよい。これらの方法は、実施の形態2の変形例3で開示した方法を適宜適用するとよい。
【0642】
このようにすることで、送信UEは、PC5通信の通信品質に見合うように、PC5通信のためのスケジューリングを再度実施することが可能となる。PC5通信のための使用リソースを効率良くスケジューリング可能となる。PC5通信のためのリソース使用効率を向上させることが可能となる。
【0643】
メンバUE間PC5通信のスケジューリングを、リーダUEが実施する場合について開示した。メンバUE間PC5通信のスケジューリングを、基地局が実施してもよい。リーダUEが基地局のカバレッジ内に存在する場合、該基地局がメンバUE間PC5通信用スケジューリングを実施してもよい。スケジューリング情報は、リーダUEを介してメンバUEに通知されるとよい。メンバUEは、通知されたスケジューリング情報を用いて、メンバUE間のPC5通信を実施する。
【0644】
メンバUEから基地局に対して、メンバUE間PC5通信のQoSモニタ結果を通知してもよい。メンバUE間PC5通信のスケジューリングを基地局が実施するような場合に適用してもよい。リーダUEは基地局に対して、メンバUE間から取得したメンバUE間PC5通信のQoSモニタ結果を通知してもよい。基地局は、該QoSモニタ結果を用いて、メンバUE間PC5通信用スケジューリングの変更を実施する。基地局は、リーダUEに対して、変更したメンバUE間PC5通信用スケジューリングの情報を通知する。リーダUEは、PC5通信を行うメンバUEに対して、該スケジューリング情報を通知する。メンバUEは、受信した該スケジューリング情報を用いて、メンバ間PC5通信を実施する。
【0645】
これらの方法には、前述の実施の形態または変形例で開示した方法を適宜適用するとよい。メンバUE間のPC5通信においても、同様の効果を得ることができる。
【0646】
メンバ間PC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSパラメータを、複数セット設定してもよい。メンバ間PC5通信用を用いたV2Xサービスに要求されるQoSパラメータではなく、グループ間でのPC5通信用を用いたV2Xサービスに要求されるQoSパラメータを、複数セットしてもよい。
【0647】
該複数のQoSパラメータセットを用いたQoSパラメータセットの再選択方法、選択したQoSパラメータの提供方法などは、たとえば、実施の形態2の変形例1を適宜適用するとよい。基地局がメンバ間PC5通信用スケジューリングを実施する場合は、PCFが基地局に対して、再選択したQoSパラメータセットを通知すればよい。リーダUEがメンバ間PC5通信用スケジューリングを実施する場合は、PCFがリーダUEに対して、再選択したQoSパラメータセットを通知すればよい。
【0648】
このようにすることで、メンバUE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに対して、所望のQoSを得ることが可能となる。
【0649】
メンバUE間PC5通信用スケジューリングに用いるリソースプールが、基地局から報知されてもよい。リーダUEは、該リソースプールを用いて、メンバUE間PC5通信用スケジューリングを実施する。メンバUE間PC5通信用スケジューリングに用いる一つまたは複数のリソースプールが設定されてもよい。このような場合は、たとえば、実施の形態2の変形例2で開示した方法を適宜適用するとよい。同様の効果を得ることができる。
【0650】
メンバUE間PC5通信用スケジューリングに用いるリソースプールが、リーダUEに構成されてもよい。リーダUEは、該リソースプールを用いて、メンバ間PC5通信用スケジューリングを実施する。メンバUE間PC5通信用スケジューリングに用いる一つまたは複数のリソースプールが、UEに構成されてもよい。このような場合は、たとえば、実施の形態2の変形例3で開示した方法を適宜適用するとよい。同様の効果を得ることができる。
【0651】
メンバUE間PC5通信用スケジューリングに用いるリソースプールを、他のリソースプールと分別してもよい。たとえば、メンバUE間PC5通信用スケジューリングに用いるリソースプールを、リーダUEとメンバUEの間のPC5通信用スケジューリングに用いるリソースプールと分別してもよい。リソースプールを分別することで、各PC5通信におけるスケジューリングが衝突することを回避することが可能となる。各PC5通信に要求されるQoSを各々満たすような調整を、柔軟に実施することが可能となる。
【0652】
実施の形態2の本変形例4で開示した方法により、UEグループ間でPC5通信を行うような場合も、グループ内UE間のPC5通信を用いたV2Xサービスに要求されるQoSが満たされない状態が続いてしまうようなことを回避することができる。
【0653】
実施の形態3.
3GPPでは、NWのリソースをスライスして、サービス毎にスライスを使用するという、NWスライシングが議論されている(非特許文献16参照)。NWスライシングでは、PDUセッション毎に異なるスライスが用いられる。このため、PDUセッション毎に、一つのスライスの識別子を示すS-NSSAI(Single layer-Network Slice Selection Assistance Information)が与えられる。
【0654】
あらかじめ、RANノードとAMFの間で、サポートするS-NSSAI(s)のリストが通知される。AMFはPDUセッション確立時に、RANノードに対して、PDUセッションで用いるS-NSSAIを通知する。AMFは、S-NSSAI情報を、PDUセッションリソースセットアップ要求メッセージに含めて、RANノードに通知する。このようにすることで、AMFはRANノードに対して、スライス用のリソースの確保および使用を要求する。
【0655】
PC5通信において、一つのV2Xサービスは、一つまたは複数のQoSフローに対応付けられる。また、一つのPC5-Sリンクは、一つまたは複数のV2Xサービスに対応付けられる。一つのPC5-Sリンクは、同一あるいは異なるV2Xサービスのための一つまたは複数のQoSフローに対応付けられる。
【0656】
このように、PC5通信を用いたV2Xサービスでは、QoSフローに基づいてQoSが管理される。PDUセッションは確立されないことになる。このため、PC5通信を用いたV2XサービスでNWスライシングを行おうとしても、S-NSSAIを設定するためのPDUセッションが確立されない。このため、NWスライシングを実施することが不可能となる。
【0657】
本実施の形態3ではこのような課題を解決する方法を開示する。
【0658】
V2Xサービス毎に異なるスライスを用いる。V2Xサービス毎に一つのS-NSSAIが与えられる。あるいは、一つまたは複数のV2XサービスからなるV2Xサービスグループ毎に、異なるスライスが用いられてもよい。V2Xサービスグループ毎に一つのS-NSSAIが与えられてもよい。PC5-Sリンク毎に異なるスライスが用いられてもよい。PC5-Sリンク毎に一つのS-NSSAIが与えられてもよい。
【0659】
V2Xサービス毎に一つまたは複数のスライスが用いられてもよい。V2Xサービス毎に一つまたは複数のS-NSSAI(s)が与えられてもよい。たとえば、QoSフロー毎に異なるスライスが用いられてもよい。QoSフロー毎に一つのS-NSSAIが与えられてもよい。
【0660】
PC5通信用のQoSフロー毎に、PC5通信用のQoSルールが設定されてもよい。PC5通信用のQoSフロー毎に、PC5通信用のQoSパラメータが設定されてもよい。PC5通信用のQoSパラメータ毎に、PC5通信用のQoSフローが設定されてもよい。たとえば、PC5通信を用いたV2Xサービスに複数のQoSパラメータが設定される場合、QoSパラメータ毎に異なるスライスが用いられてもよい。QoSパラメータ毎に一つのS-NSSAIが与えられてもよい。これにより、QoSフロー毎に異なるスライスが用いられることになる。
【0661】
このようにすることで、PC5通信においてリソースをスライスに分割する単位が設定される。
【0662】
AMFはRANノードに対して、PC5通信用のS-NSSAI(s)を通知する。AMFは、PC5通信用のS-NSSAI(s)を、RANノードに対して通知するV2Xサービス認証の情報とともに、通知してもよい。あるいは、AMFは、PC5通信用のS-NSSAI(s)を、該認証情報に含めて通知してもよい。PCFがRANノードに対して、PC5通信用のS-NSSAI(s)を通知してもよい。PCFは、PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)を対応付けた情報を、PCFからAMFを介してRANノードに対して通知されるV2Xポリシに含めて、通知してもよい。このようにすることで、RANノードが、PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)との対応付けを認識可能となる。
【0663】
PC5通信用のS-NSSAI(s)情報を、CNに記憶しておいてもよい。V2XサービスとS-NSSAI(s)との対応付け情報を、CNに記憶しておいてもよい。CNへの記憶方法は、実施の形態1で開示した方法を適宜適用するとよい。
【0664】
図39は、実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第1例を示す図である。図39は、PC5通信を用いたV2Xサービスと該サービスに対応するネットワークスライスとの対応関係を、UEおよびRANノードに提供する方法について開示している。図39において、図28および図29と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0665】
ステップST2202からステップST2204で、UEとPCFの間で、V2Xサービス認証と、V2Xポリシ提供要求処理が実施される。PCFは、ステップST2806、ST2807、ST2808で、RANノードおよびUEに対して、V2Xポリシを提供する。PCFからRANノードおよびUEに対して、V2X関連情報が通知される。
【0666】
AMFは、ステップST2807で、PC5通信を用いたV2Xサービスを、該サービスを実施するネットワークスライスを示す識別子と対応づけて、その対応付け情報をRANノードに通知する。AMFは、該対応付け情報を、V2X関連情報に含めて通知してもよい。AMFは、ステップST2807、ST2808で、PC5通信を用いたV2Xサービスを、該サービスを実施するネットワークスライスを示す識別子と対応づけて、その対応付け情報をUEに通知する。AMFは、該対応付け情報を、RANノードを介して通知してもよい。AMFは、該対応付け情報を、V2X関連情報に含めて通知してもよい。
【0667】
ネットワークスライスを示す識別子を、S-NSSAI(s)としてもよい。これにより、RANノードとUEは、PC5通信を用いたV2Xサービスに対応したネットワークスライスを認識可能となる。
【0668】
図39の例では、AMFが、PC5通信を用いたV2Xサービスを、ネットワークスライスを示す識別子と対応付けて、その対応付け情報をRANノードあるいはUEに対して通知する。他の方法として、PCFが、PC5通信を用いたV2Xサービスを、ネットワークスライスを示す識別子と対応付けて、その対応付け情報をRANノードあるいはUEに対して通知してもよい。PCFは、該情報を、AMFを介してRANノードおよびUEに対して通知してもよい。
【0669】
PC5通信を用いたV2Xサービスと該サービスを実施するネットワークスライスとの対応付け情報を、PCFが記憶しておいてもよい。PCFは、たとえば、ステップST2806で、該対応付け情報を、V2X関連情報に含めて、AMFに通知する。AMFは、RANノードおよびUEに対して、該対応付け情報を、V2X関連情報に含めて通知してもよい。このようにすることで、PCFによるV2Xポリシ提供処理を用いて、PC5通信を用いたV2Xサービスと該サービスを実施するネットワークスライスとの対応付け情報を提供可能となる。
【0670】
同一の処理で実施することで、PC5通信を用いたV2Xサービスをネットワークスライシングする処理を簡略化可能となる。
【0671】
ステップST2810で、RANノードは、V2Xサービスの識別子とネットワークスライスの識別子との対応付けを実施し、該ネットワークスライスに設定されたリソースを、該PC5通信を用いたV2Xサービスに使用する。ネットワークスライスのためのリソースは、RANノードで予め構成されてもよい。あるいは、ネットワークスライスのためのリソースは、予めOAMからRANノードに通知されてもよい。該リソースは、たとえば、無線リソースや、各プロトコルスタックでのデータバッファ容量などであってもよい。また、該リソースは、RAN内でのCPU処理能力、記憶媒体の記憶容量であってもよい。
【0672】
ステップST2811で、UEは、V2Xサービスの識別子とネットワークスライスの識別子の対応付けを実施し、該ネットワークスライスに設定されたリソースを、該PC5通信を用いたV2Xサービスに使用する。ネットワークスライスのためのリソースは、UEに予め構成されてもよい。該リソースは、たとえば、無線リソースや、各プロトコルスタックでのデータバッファ容量などであってもよい。また、該リソースは、UE内でのCPU処理能力、記憶媒体の記憶容量であってもよい。
【0673】
このようにすることで、RANノードあるいはUEは、PC5通信を用いたV2Xサービスと、該サービスに用いるネットワークスライスと、該スライス用のリソースとを認識可能となる。
【0674】
基地局は、PC5通信用リソースをスライシングしておくとよい。各スライスにS-NSSAIを対応付けておくとよい。基地局は、PC5通信用スケジューリングを行う場合に、PC5通信用リソースをスライシングするとよい。基地局は、PC5通信を用いたV2Xサービスのためにスケジューリングを実施する場合、取得したPC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)との対応情報から、どのスライスのリソースを用いるか決定する。基地局は、該スライスのリソースを用いて、PC5通信用のスケジューリングを実施する。
【0675】
基地局は、PC5通信を行う送信UEに対して、スケジューリング情報を通知する。PC5通信を行う送信UEは、基地局から受信したスケジューリング情報を用いて、受信UEとPC5通信を行う。このため、UE間でのPC5通信は、V2Xサービスに対応したスライスで実施されることになる。このようにすることで、PC5通信用のリソースをスライシング可能となる。
【0676】
基地局は、PC5通信用リソースとして、PC5通信に用いるリソースプールを、スライシングしておいてもよい。PC5通信を用いたV2Xサービスとリソースプールの設定方法は、実施の形態2の変形例2で開示した方法を適宜適用するとよい。V2Xサービス毎にリソースプールを設けることを示したが、QoSフロー毎にリソースプールを設定してもよい。また、PC5-Sリンク毎にリソースプールを用いてもよい。PC5通信の接続状況に応じてリソースプールを設定可能となる。
【0677】
各スライスにS-NSSAIを対応付けておくとよい。基地局は、PC5通信用リソースプールを報知する場合に、PC5通信に用いるリソースプールをスライシングするとよい。基地局は、PC5通信用リソースプールを報知する場合、取得したPC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)との対応情報から、どのスライスのリソースを用いるか決定する。基地局は、S-NSSAIとPC5通信用リソースとを対応づける。あるいは、基地局は、V2XサービスとS-NSSAI(s)とを対応づけ、S-NSSAIとPC5通信用リソースとを対応づける。これらの情報を、システム情報に含めてもよいし、PC5通信に用いるシステム情報に含めてもよい。基地局はこれらの情報を報知してもよい。
【0678】
基地局がPC5通信用リソースを報知することを開示したが、基地局はPC5通信用リソースをUE個別に通知してもよい。該通知に、たとえば、RRCシグナリングを用いてもよい。また、UEが基地局に対してPC5通信用リソースを要求するメッセージを設けて通知してもよい。基地局は、該メッセージを送信してきたUEに対して、PC5通信用リソースをUE個別に通知してもよい。基地局は、PC5通信用のリソースとして、前述した、スライスやV2Xサービスと対応付けた情報を、UE個別に通知してもよい。このようにすることで、UE毎にPC5通信用リソースを設定可能となる。
【0679】
PC5通信を行うUEは、PC5通信用リソースをスライシングしておくとよい。PC5通信用リソースとして、たとえば、リソースプールがある。PC5通信を行うUEは、UE内に構成されたV2Xサービスに関する情報を用いて、PC5通信用リソースをスライシングしてもよい。あるいは、UE内に、予め、V2XサービスとS-NSSAI(s)との対応づけ、および、S-NSSAIとPC5通信用リソースとの対応づけが構成されてもよい。このようにすることで、PC5通信を行うUEが、V2XサービスとS-NSSAI(s)から、それに対応したPC5通信用リソースをスライシング可能となる。
【0680】
前述の方法は、PC5通信を行うUEが、自UE内に構成されたPC5通信用リソースを用いて、PC5通信用スケジューリングを行う場合に適用するとよい。PC5通信を行うUEは、PC5通信を用いたV2Xサービスのためにスケジューリングを実施する場合、PC5通信用のV2Xサービスと、S-NSSAI(s)と、S-NSSAI(s)に対応したPC5通信用リソース情報とから、どのスライスのリソースを用いるか決定する。PC5通信を行うUEは、該スライスのリソースを用いて、PC5通信用のスケジューリングを実施する。
【0681】
PC5通信を行う送信UEは、基地局から受信したPC5通信用リソース、たとえば、PC5通信用リソースプール情報を用いて、PC5通信用のスケジューリングを行う。これにより、PC5通信を行うUEは、受信UEとPC5通信を行う。このため、UE間でのPC5通信は、V2Xサービスに対応したスライスで実施されることになる。このようにすることで、PC5通信用のリソースをスライシング可能となる。
【0682】
他の方法を開示する。AMFがUEに対して、PC5通信用のS-NSSAI(s)を通知する。AMFは、PC5通信用のS-NSSAI(s)を、UEに対して通知するV2Xサービス認証の情報とともに、通知してもよい。あるいは、AMFは、PC5通信用のS-NSSAI(s)を、該認証情報に含めて通知してもよい。PCFがUEに対して、PC5通信用のS-NSSAI(s)を通知してもよい。PCFは、PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)を対応付けた情報を、AMFおよびRANノードを介してUEに対して通知されるV2Xポリシに含めて、通知してもよい。
【0683】
CNがUEに対して、PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)とを対応付けた情報を通知する方法に、前述の実施の形態1あるいはその変形例で開示した、V2X関連情報の提供方法あるいはV2Xポリシ提供方法を適用してもよい。このようにすることで、処理方法が異なり複雑になることを回避することが可能となり、誤動作を削減可能となる。
【0684】
PC5通信用のS-NSSAI(s)をUE内に構成してもよい。PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)とを対応付けた情報を、UE内に構成してもよい。予め、UE内にこれらの情報を記憶しておいてもよい。UE内にこれらの情報を記憶する方法は、前述の実施の形態1で開示した方法を適宜適用してもよい。これらの情報は、前述のCN側ノードからUEに対して通知する方法を用いて提供されてもよいし、アップデートされてもよい。このようにすることで、UEが、PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)との対応付けを認識可能となる。
【0685】
PC5通信を行う送信UEが、受信UEに対して、PC5通信用のS-NSSAI(s)情報を通知してもよい。送信UEは、受信UEに対して、PC5通信用のV2XサービスとS-NSSAI(s)とを対応付けた情報を通知してもよい。通知方法は、実施の形態1の変形例4で開示した方法を適用してもよい。受信UEは、PC5通信を用いたV2Xサービスと、S-NSSAI(s)を認識可能となる。
【0686】
PC5通信を行うUEにおける無線リソースを、スライスに分割してもよい。UEにおける無線リソースとして、たとえば、UEで使用するバッファ容量や、UEでの制御処理能力などがある。受信UEは、送信UEから受信した、PC5通信を用いたV2Xサービスと、S-NSSAI(s)を用いて、使用するUEにおける無線リソースを設定可能となる。このようにすることで、リソースプールなどのPC5通信用リソースだけでなく、UEにおける無線リソースをスライシングすることが可能となる。
【0687】
各PC5通信用リソースに識別子を設けてもよい。PC5通信用リソースの識別子と一つまたは複数のS-NSSAI(s)とを対応付けておいてもよい。このようにすることで、PC5通信用リソースとS-NSSAI(s)との対応付けに要する情報量を削減可能となる。
【0688】
図40および図41は、実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第2例を示す図である。図40図41は境界線BL4041の位置でつながっている。図40および図41において、図39と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0689】
ステップST2810、ST2811で、RANノードおよび送信UEは、V2Xサービスの識別子とネットワークスライスの識別子との対応付けを実施する。この実施によって、RANノードおよび送信UEは、該ネットワークスライスに設定されたリソースを、該PC5通信を用いたV2Xサービスに使用することを決定する。
【0690】
ステップST2913で、RANノードはPC5通信関連情報を報知する。RANノードは、該PC5通信関連情報として、S-NSSAI(s)情報を報知するとよい。RANノードは、RP情報とS-NSSAI(s)情報とを関連づけて報知してもよい。あるいは、RANノードは、V2XサービスとS-NSSAI(s)情報とを関連付けて報知してもよい。あるいは、RANノードは、V2XサービスとRP情報とS-NASSAI(s)情報とを関連づけて報知してもよい。送信UEは、該報知情報を受信することで、PC5通信を用いたV2Xサービスに用いるRPとS-NNSAI(s)とを認識可能となる。
【0691】
ステップST2914で、送信UEにおいて、V2Xサービスが発生する。ステップST2915で、送信UEは、ステップST2913で受信したPC5通信関連情報を用いて、V2XサービスとRP情報とS-NASSAI(s)情報とを関連づける。ステップST2916で、送信UEは、発生したV2Xサービスに対応したRPを選択し、該RPを用いて、PC5通信のためのスケジューリングを実施する。
【0692】
ステップST2917で、送信UEは、該スケジューリング結果を用いて、PC5通信要求を通知する。該PC5通信要求に、該V2Xサービスに対応したS-NSSAI(s)情報を含めるとよい。受信UEは、送信UEからのPC5通信要求を受信する。受信UEは、所望のV2Xサービスに対するPC5通信要求を受信した場合、該送信UEに対して、PC5通信アクセプトを送信する。受信UEは、該PC5通信アクセプトに、該V2Xサービスに対応したS-NSSAI(s)情報を含めてもよい。送信UEがS-NSSAI(s)を検証可能となる。
【0693】
受信UEは、ステップST2917で受信した、V2Xサービスに対応するS-NSSAI(s)情報を用いて、どのスライスのリソースを用いるか決定する。受信UEは、V2Xサービスに対応するネットワークスライスの識別子により、該ネットワークスライスに設定されたリソースを、該PC5通信を用いたV2Xサービスに使用する。ネットワークスライスのためのリソースは、前述のように、UEに予め構成されてもよい。該リソースは、たとえば、無線リソースや、各プロトコルスタックでのデータバッファ容量などであってもよい。また、該リソースは、UE内でのCPU処理能力、記憶媒体の記憶容量であってもよい。
【0694】
送信UEと受信UEは、ステップST2919で、ネットワークスライスされたリソースを用いてPC5 RRCシグナリングを実施し、ステップST2920で、PC5通信を用いてV2Xサービスのデータ通信を実施する。送信UEと受信UEは、ステップST2917、ST2918のPC5-Sシグナリングも、ネットワークスライスされたリソースを用いて実施してもよい。
【0695】
このようにすることで、UE間のPC5通信においてネットワークスライシングを実行することが可能となる。ネットワークスライシングを実施することで、他のスライスを用いたV2Xサービスとの間でリソースの干渉を回避することが可能となる。PC5通信を用いたV2XサービスのQoSを安定して満たすことが可能となる。
【0696】
図42は、実施の形態3について、PC5通信を用いたV2Xサービスにおいてネットワークスライシングを実施するシーケンスの第3例を示す図である。図42において、図40図41と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
【0697】
UEに予め、複数のPC5通信用のネットワークスライスに関する情報が構成されてもよい。ネットワークスライスに関する情報は、ネットワークスライスの識別子であってもよい。該ネットワークスライスで用いられるPC5通信用リソース情報が、UEに予め構成されてもよい。あるいは、PC5通信を用いるV2Xサービスと、該サービスに用いられるPC5通信用リソース情報とが、UEに予め構成されてもよい。V2Xサービスと該サービスを実施するネットワークスライスとの対応づけが、UEに予め構成されてもよい。
【0698】
ステップST2914で、送信UEにおいて、PC5通信を用いたV2Xサービスが発生すると、該送信UEは、ステップST3002で、UE内に予め構成されたV2Xサービスと該サービスを実施するネットワークスライスとの対応付け情報から、発生したV2Xサービスを実施するネットワークスライスを識別する情報(たとえば、S-NSSAI(s))を導出する。送信UEは、V2Xサービスに用いるPC5通信用リソースを導出する。送信UEは、該ネットワークスライスを識別する情報から、該ネットワークスライスに使用するPC5通信用リソース(たとえば、RP)を導出してもよい。
【0699】
送信UEは、PC5通信に用いるPC5通信用リソースを用いて、PC5通信用スケジューリングを実施し、ステップST2917で、該スケジューリング結果を用いて、PC5通信要求を通知する。該PC5通信要求に、該V2Xサービスに対応したS-NSSAI(s)情報を含めるとよい。受信UEは、送信UEからのPC5通信要求を受信する。受信UEは、所望のV2Xサービスに対するPC5通信要求を受信した場合、該送信UEに対して、PC5通信アクセプトを送信する。受信UEは、該PC5通信アクセプトに、該V2Xサービスに対応したS-NSSAI(s)情報を含めてもよい。送信UEがS-NSSAI(s)を検証可能となる。
【0700】
受信UEは、ステップST2917で受信した、V2Xサービスに対応するS-NSSAI(s)情報を用いて、どのスライスのリソースを用いるか決定する。受信UEは、V2Xサービスに対応するネットワークスライスの識別子により、該ネットワークスライスに設定されたリソースを、該PC5通信を用いたV2Xサービスに使用する。ネットワークスライスのためのリソースは、前述のように、UEに予め構成されてもよい。該リソースは、たとえば、無線リソースや、各プロトコルスタックでのデータバッファ容量などであってもよい。また、該リソースは、UE内でのCPU処理能力、記憶媒体の記憶容量であってもよい。
【0701】
送信UEと受信UEは、ステップST2919で、ネットワークスライスされたリソースを用いてPC5 RRCシグナリングを実施し、ステップST2920で、PC5通信を用いてV2Xサービスのデータ通信を実施する。送信UEと受信UEは、ステップST2917、ST2918のPC5-Sシグナリングも、ネットワークスライスされたリソースを用いて実施してもよい。
【0702】
このように、予めUE内に構成されたネットワークスライスに関する情報を用いることで、たとえPC5通信を行うUEがセルのカバレッジ外に存在していたとしても、UE間のPC5通信においてネットワークスライシングを実行することが可能となる。ネットワークスライシングを実施することで、他のスライスを用いたV2Xサービスとの間でリソースの干渉を回避することが可能となる。PC5通信を用いたV2XサービスのQoSを安定して満たすことが可能となる。
【0703】
本実施の形態3で開示した方法とすることで、PC5通信においてもスライシングが可能となる。PC5通信を用いたV2Xサービスについて、PC5通信用リソースのスライシングが可能となる。スライシングを用いることで、スライス毎にリソースのアイソレーションが可能となる。それにより、PC5通信を用いたV2Xサービスにおけるスライス間で、他スライスへの影響すなわち他スライスへの干渉を回避することが可能となる。
【0704】
D2D通信あるいはV2V通信などのV2Xサービスは、PC5通信だけでなく、Uu通信を用いる場合がある。該V2Xサービスが同じ場合、PC5通信で用いるスライスを、Uu通信で用いるスライスと同じとしてもよい。該V2Xサービスが同じ場合、PC5通信で用いるスライスを、Uu通信で用いるS-NSSAI(s)を同じとしてもよい。同じV2Xサービスを、同じスライスに属するリソースを用いて実施可能となる。逆に、異なるV2Xサービスは、異なるスライスに属するリソースで実施することとなる。このため、スライス間のリソースの干渉を回避することができ、異なるV2Xサービス間でのリソースの干渉を回避することが可能となる。
【0705】
S-NSSAIは、スライスのタイプを示すSST(Slice/Service Type)情報と、同一SST内でスライスを区別するためのSD(Slice Differentiator)情報とからなる。たとえば、Uu通信を用いた該V2Xサービスと、PC5通信を用いた該V2Xサービスとで、SSTを異ならせてもよい。Uu通信とPC5通信とを異なるサービスタイプとして扱うことができる。
【0706】
他の方法として、Uu通信を用いた該V2Xサービスと、PC5通信を用いた該V2Xサービスとで、SSTを同じにしてSDを異ならせてもよい。このようにすることで、該V2Xサービスのタイプとしては同じであるが、その中でUu通信とPC5通信とを区別して扱うことが可能となる。
【0707】
本明細書では主にD2D通信やV2V通信について開示した。しかし、前述の各実施の形態および各変形例は、PC5通信(SL通信)を用いた通信に適宜適用可能であり、たとえば、V2P(Vehicle to Pedestrian)やV2I(Vehicle to Infrastructure)などでPC5通信を用いてV2Xサービスを実施する場合にも適宜適用可能である。
【0708】
前述の各実施の形態およびその変形例は、例示に過ぎず、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。
【0709】
例えば、前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレームは、第5世代基地局通信システムにおける通信の時間単位の一例である。スケジューリング単位であってもよい。前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレーム単位として記載している処理を、TTI単位、スロット単位、サブスロット単位、ミニスロット単位として行ってもよい。
【0710】
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が、想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0711】
200,210 通信システム、202 通信端末装置、203 基地局装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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