(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】粒子分析システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1429 20240101AFI20250611BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20250611BHJP
【FI】
G01N15/1429
G01N21/64 F
(21)【出願番号】P 2022509966
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2021010505
(87)【国際公開番号】W WO2021193218
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2020052342
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】二村 孝治
(72)【発明者】
【氏名】森本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山腰 隆道
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/049442(WO,A1)
【文献】特表2014-507662(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0346023(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0091366(US,A1)
【文献】特表2019-501365(JP,A)
【文献】国際公開第2015/120509(WO,A1)
【文献】特表平08-507141(JP,A)
【文献】特開2014-170105(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0200277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0252237(US,A1)
【文献】ウィリアム・テルフォード,フローサイトメトリーを拡張する新しい320nm紫外線レーザ源,Laser Focus World Japan,日本,2017年11月,pp.30-32,http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/11/P30_Lasers_for_the_Biosciences.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/1429
G01N 21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部、及び
前記光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理する処理部、
前記光照射部による粒子への光照射により生じた光を検出する検出部、
を含
み、
前記検出部は、複数の光検出器を備えており、
前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光照射部に含まれる光源が関連付けられており、
前記処理部は、各光検出器に関連付けられた光源の波長に応じて、各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得する、粒子分析システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第二光源は、250nm以上且つ350nm未満の波長の光を出射する、請求項1に記載の粒子分析システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第一光源により出射された励起光及び前記少なくとも一つの第二光源により出射された励起光のうちの少なくとも2つの励起光が合波され、そして、合波された励起光が粒子に照射されるように構成されている、請求項1に記載の粒子分析システム。
【請求項4】
前記粒子分析システムは、複数の蛍光体により標識されている粒子集団を分析対象とするものである、請求項1に記載の粒子分析システム。
【請求項5】
前記処理部は、スペクトラルリファレンスデータを用いて前記アンミキシング処理を実行する、請求項1に記載の粒子分析システム。
【請求項6】
前記複数の蛍光体のそれぞれにより標識された粒子集団に関する蛍光のスペクトルデータを、前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータとして用いる、請求項4に記載の粒子分析システム。
【請求項7】
前記
複数の光検出器は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように制御される、
請求項
1に記載の粒子分析システム。
【請求項8】
前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように構成されており、且つ、
各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子のうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送する信号伝送回路を接続されている、
請求項
1に記載の粒子分析システム。
【請求項9】
前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように制御され、且つ、
各光検出器は、受光素子アレイを構成する受光素子のうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送するように制御される、
請求項
1に記載の粒子分析システム。
【請求項10】
前記複数の光検出器は、同じ受光素子アレイを有する、
請求項
1に記載の粒子分析システム。
【請求項11】
前記少なくとも一つの第一光源がレーザ光源であり、且つ、前記少なくとも一つの第二光源がレーザ光源である、請求項1に記載の粒子分析システム。
【請求項12】
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射
を行い、
前記光照射による粒子への光照射により生じた光を、複数の光検出器により検出し、得られた光データをアンミキシング処理するアンミキシング処理工程を含
み、
前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光照射部に含まれる光源が関連付けられており、
前記アンミキシング処理は、各光検出器に関連付けられた光源の波長に応じて、各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得して行われる、
情報処理方法。
【請求項13】
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射
を行い、
前記光照射による粒子への光照射により生じた光を、複数の光検出器により検出し、得られた光データをアンミキシング処理
し、
前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光照射部に含まれる光源が関連付けられており、
前記アンミキシング処理は、各光検出器に関連付けられた光源の波長に応じて、各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得して行われる、アンミキシング処理工程を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、粒子分析システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本技術は、光を粒子に照射して生じる光に基づき粒子を分析する粒子分析システム、当該粒子分析システムにおいて用いられる情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば細胞などの粒子集団を蛍光色素によって標識し、当該粒子集団のそれぞれの粒子にレーザ光を照射して励起された蛍光色素から発生する蛍光の強度及び/又はパターンを計測することによって、粒子の特性を測定することが行われている。当該測定を行う粒子分析装置の代表的な例として、フローサイトメータを挙げることができる。
【0003】
蛍光色素には高いピークでシグナルを取得できる励起波長が紐づいている。そのため、従来型のフローサイトメータにおいては、蛍光色素により標識された粒子にその励起波長の光が照射され、蛍光色素のピーク波長域に対応する光学フィルタを用いて蛍光シグナルが取得される。
【0004】
一方で、スペクトル型のフローサイトメータでは、例えば細胞一つ一つの蛍光がスペクトルとしてまとめて取得される。取得された蛍光スペクトルに対して、各蛍光色素のスペクトラルリファレンスを用いて蛍光分離処理(アンミキシング処理とも呼ばれる)が行われて、蛍光シグナルが取得される。
【0005】
前記蛍光分離処理に関する技術として、例えば下記特許文献1には、蛍光波長帯域の重複する複数の蛍光色素により多重標識された微小粒子に光を照射することによって励起された蛍光色素から発生する蛍光を、蛍光色素の数よりも多く配設した、受光波長帯域の異なる光検出器で受光し、各光検出器から検出値を収集して得られる測定スペクトルを、各蛍光色素を個別に標識した微小粒子で得られる単染色スペクトルの線形和により近似する手順を含む蛍光強度補正方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えばがん免疫療法の開発において、免疫機構の解明のために、多色の蛍光色素を解析できるフローサイトメータがしばしば用いられる。スペクトル型のフローサイトメータでは、上記のとおり、一括で取得した蛍光スペクトルをアンミキシング処理で分離することにより、従来型のフローサイトメータと比べて、より多くの蛍光色素により標識された粒子を解析することを可能にしている。しかしながら、例えば複雑な免疫機構の解明のために、より向上された分離性能が求められることがある。
【0008】
そこで、本技術は、蛍光スペクトルの分離性能の向上を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術は、
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部、及び
前記光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理する処理部、
を含む粒子分析システムを提供する。
前記少なくとも一つの第二光源は、250nm以上且つ350nm未満の波長の光を出射しうる。
前記粒子分析システムは、前記少なくとも一つの第一光源により出射された励起光及び前記少なくとも一つの第二光源により出射された励起光のうちの少なくとも2つの励起光が合波され、そして、合波された励起光が粒子に照射されるように構成されていてよい。
前記粒子分析システムは、複数の蛍光体により標識されている粒子集団を分析対象とするものであってよい。
前記処理部は、スペクトラルリファレンスデータを用いて前記アンミキシング処理を実行しうる。
前記粒子分析システムにおいて、前記複数の蛍光体のそれぞれにより標識された粒子集団に関する蛍光のスペクトルデータが、前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータとして用いられてよい。
前記粒子分析システムは、前記光照射部による粒子への光照射により生じた光を検出する検出部をさらに含みうる。
前記検出部は、前記光照射部による粒子への光照射により生じた光を検出する少なくとも一つの光検出器を備えていてよく、
前記少なくとも一つの光検出器は、受光素子アレイを有し、且つ、
前記処理部は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得しうる。
前記少なくとも一つの光検出器は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように構成されていてよい。
前記少なくとも一つの光検出器は、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように制御されてよい。
本技術の好ましい実施態様において、前記検出部は、複数の光検出器を備えていてよく、
前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光照射部に含まれる光源が関連付けられており、
前記処理部は、各光検出器に関連付けられた光源の波長に応じて、各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得しうる。
前記好ましい実施態様において、前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように構成されており、且つ、
各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子のうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送する信号伝送回路を接続されていてよい。
前記好ましい実施態様において、前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように制御され、且つ、
各光検出器は、受光素子アレイを構成する受光素子のうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送するように制御されうる。
前記複数の光検出器は、同じ受光素子アレイを有してよい。
前記少なくとも一つの第一光源がレーザ光源であってよく、且つ、前記少なくとも一つの第二光源もレーザ光源であってよい。
【0010】
また、本技術は、350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理するアンミキシング処理工程を含む、情報処理方法も提供する。
【0011】
また、本技術は、350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理するアンミキシング処理工程を情報処理装置に実行させるためのプログラムも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術に従う粒子分析システムの構成例を示す図である。
【
図2】本技術に従う粒子分析システムにおける光学系の例の概略的な模式図を示す図である。
【
図3】本技術に従う粒子分析システムに含まれる光検出器の例を示す図である。
【
図4】本技術に従う粒子分析システムに含まれる検出部の例を示す図である。
【
図5】本技術に従う粒子分析システムに含まれる検出部の例を示す図である。
【
図6】本技術の情報処理方法のフロー図の一例を示す図である。
【
図7】320nmのレーザ光を点灯して得られた光データに基づく二次元プロットを示す図である。
【
図8】320nmのレーザ光を点灯せずに得られた光データに基づく二次元プロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、本技術の範囲がこれらの実施形態のみに限定されることはない。なお、本技術の説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(粒子分析システム)
(1)第1の実施形態の説明
(2)第1の実施形態の第1の例
(2-1)光照射部
(2-2)チップ
(2-3)検出部
(2-3-1)検出部の例
(2-3-2)検出部の例
(2-4)光学系の構成例
(2-5)情報処理装置
(2-6)出力部及び入力部
(2-7)情報処理装置による情報処理の例
(2-8)粒子
2.第2の実施形態(粒子分析装置)
3.第3の実施形態(情報処理方法)
4.第4の実施形態(プログラム)
5.実施例
【0014】
1.第1の実施形態(粒子分析システム)
【0015】
(1)第1の実施形態の説明
【0016】
本技術に従う粒子分析システムは、350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部を含む。上記のとおり長波長側の光を出射する第一光源と短波長側の光を出射する第二光源とを組み合わせて用いることで、アンミキシング処理における蛍光分離性能を向上させることができる。
【0017】
本技術は、例えばマルチカラー解析など、用いられる蛍光体の種類の数が多い場合に適している。例えば10種以上、特には15種類以上、より特には20種類以上、さらには25種類以上、30種類以上、35種類以上、又は40種類以上の場合であっても、本技術を適用することによって、より適切な蛍光分離処理が可能となる。本技術は、このような種類の数の蛍光体により標識された粒子集団の分析のために適用されてよい。
【0018】
(2)第1の実施形態の第1の例
【0019】
本技術に従う粒子分析システムは、例えばフローサイトメトリーを行う粒子分析システムとして構成されてよい。このように構成された本技術に従う粒子分析システムの例及び当該粒子分析システムによる処理の例を、以下で
図1を参照しながら説明する。
図1は、本技術に従う粒子分析システムの構成例を示す。
【0020】
図1に示される粒子分析システム1は、光照射部2、分析対象となる粒子が流れる流路が設けられたチップT、検出部3、情報処理装置100、出力部4、及び入力部5を含む。粒子分析システム1は、フローサイトメトリーを行う系として構成されている。例えば光照射部2及び検出部3が一つの粒子分析装置として構成され、且つ、当該粒子分析装置が、情報処理装置100と組み合わせられて、粒子分析システムとして構成されてよい。当該粒子分析装置は、情報処理装置100と有線又は無線により接続されてよく、ネットワークを介して接続されてもよい。出力部4及び入力部5は、当該粒子分析装置若しくは情報処理装置100に備えられていてよく、又は、当該粒子分析装置及び情報処理装置100とは別の装置として構成されてもよい。
【0021】
(2-1)光照射部
【0022】
光照射部2は、チップTの流路の所定の位置に光の照射を行うように構成されている。流路内の光照射位置を粒子が通過することで、粒子に光が照射され、その結果蛍光が生じる。すなわち、当該光は励起光として、粒子、特には粒子を標識している蛍光体に作用しうる。
【0023】
光照射部2は、350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源とを含む。前記第一光源と前記第二光源とを組み合わせることによって、例えば前記第一光源だけを用いた場合と比べて、アンミキシング処理した場合の蛍光分離性能を向上させることができる。
前記少なくとも一つの第一光源はレーザ光源であってよいが、他の光源であってもよく、例えばLEDなどであってもよい。前記少なくとも一つの第二光源もレーザ光源であってよいが、他の光源であってもよく、例えばLEDなどであってもよい。好ましくは、前記少なくとも一つの第一光源がレーザ光源であり、且つ、前記少なくとも一つの第二光源がレーザ光源である。
【0024】
前記少なくとも一つの第一光源は、好ましくは900nm以下、より好ましくは880nm以下、さらにより好ましくは850nm以下の波長の光を出射する光源である。例えば、前記少なくとも一つの第一光源は、350nm以上且つ900nm以下、より好ましくは350nm以上且つ880nm以下、さらにより好ましくは350nm以上且つ850nm以下の波長の光を出射する光源であってよい。
前記光は例えばレーザ光であり、すなわち前記少なくとも一つの第一光源はレーザ光源であってよく、これは以下の第一光源に関する説明についても当てはまる。
前記少なくとも一つの第一光源の数は、例えば1~20、特には2~15、より特には3~10でありうる。
【0025】
前記少なくとも一つの第二光源は、好ましくは250nm以上、より好ましくは260nm以上、さらにより好ましくは270nm以上、特に好ましくは280nm以上の波長の光を出射する光源である。第二光源の光の波長を上記下限値以上とすることによって、粒子(特には細胞)への光照射により生じる自家蛍光を低減することができ、これは分離性能の向上に貢献する。
好ましくは、前記少なくとも一つの第二光源は、250nm以上且つ350nm未満、好ましくは260nm以上且つ350nm未満、より好ましくは270nm以上且つ350nm未満、さらにより好ましくは280nm以上且つ350nm未満の波長の光を出射する光源であってよい。
前記光は例えばレーザ光であり、すなわち前記少なくとも一つの第二光源はレーザ光源であってよく、これは以下の第二光源に関する説明についても当てはまる。
前記少なくとも一つの第二光源の数は、例えば1~10、特には1~5、より特には1~3でありうる。
【0026】
本技術の一つの実施態様に従い、前記少なくとも一つの第二光源は、305nm以上且つ350nm未満、310nm以上且つ350nm未満、又は315nm以上且つ350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つ(例えば1つ、2つ、又は3つ)光源を含んでよい。
本技術の他の実施態様に従い、前記少なくとも一つの第二光源は、305nm未満、310nm未満、又は315nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つ(例えば1つ、2つ、又は3つ)光源を含んでよい。
本技術のさらに他の実施態様に従い、前記少なくとも一つの第二光源は、305nm未満、310nm未満、又は315nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つ(例えば1つ、2つ、又は3つ)の光源と、305nm以上且つ350nm未満、310nm以上且つ350nm未満、又は315nm以上且つ350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つ(例えば1つ、2つ、又は3つ)の光源と、を含んでもよい。
【0027】
本技術の一つの実施態様に従い、前記少なくとも一つの第二光源の波長は、前記少なくとも一つの第一光源の波長のうち最小の波長よりも、例えば20nm以上、30nm以上、又は40nm以上小さくてよい。
【0028】
前記少なくとも一つの第二光源の波長は、好ましくは、本技術の粒子分析システムの分析対象となる粒子集団を標識する蛍光体のいずれの励起極大波長とも異なるものであってよい。前記少なくとも一つの第二光源の波長は、例えば、分析対象となる粒子集団を標識する蛍光体のうち、励起極大波長が第二光源の波長に最も近い蛍光体(又は励起極大波長が最も小さい蛍光体)の励起極大波長よりも、好ましくは5nm以上小さく、より好ましくは10nm以上小さく、さらにより好ましくは15nm以上、20nm以上、又は25nm以上小さくてよい。このように、蛍光体の励起極大波長と紐づいていない波長の光を粒子に照射して得られる光をアンミキシング処理において用いることが、蛍光分離性能の向上に貢献する。
【0029】
前記第一光源及び前記第二光源の合計数は、2以上であり、例えば3以上、特には4以上、より特には5以上であってよい。前記合計数は、例えば30以下であり、特には20以下であり、より特には15以下でありうる。
【0030】
前記少なくとも一つの第一光源及び前記少なくとも一つの第二光源のそれぞれは、単一波長のレーザ光を出射するレーザ光源であってよく、例えば発振波長が固定されたレーザ光源であってよく又は発振波長が可変のレーザ光源であってもよい。これらレーザ光源の波長は発振波長を意味する。これらレーザ光源により出射されたレーザ光は、その発振波長のままで、粒子に照射されてよい。
【0031】
前記第一光源がレーザ光源である場合、前記第一光源は、半導体レーザ、アルゴンイオン(Ar)レーザ、ヘリウム-ネオン(He-Ne)レーザ、ダイ(dye)レーザ、クリプトン(Cr)レーザ、及び、半導体レーザと波長変換光学素子を組み合わせた固体レーザからなる群から選ばれるいずれかであってよく、特に好ましくは半導体レーザである。代替的には、前記第一光源はLEDであってもよい。
前記第二光源も、前記第一光源について言及された前記群から選ばれるいずれかのレーザ光源であってよく、特に好ましくは半導体レーザである。代替的には、前記第二光源はLEDであってもよい。
【0032】
光照射部2は、前記少なくとも一つの第一光源により出射された励起光(特にはレーザ光)及び前記少なくとも一つの第二光源により出射された励起光(特にはレーザ光)のうちの少なくとも2つの励起光が合波され、そして、合波された励起光が粒子に照射されるように構成されうる。すなわち、光照射部2は、複数の励起光が合波されて1つ以上(例えば1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つ)のスポットに照射されるように構成されてよく、当該スポットを粒子が通過するように、粒子分析システム1は構成されうる。
光照射部2をこのように構成するために、光照射部2はこれら複数の励起光を所定の位置に導くための導光光学系を含みうる。当該導光光学系は、例えば、複数の励起光を合波するために、例えばビームスプリッター群及びミラー群などの光学部品を含んでよい。また、前記導光光学系は、合波された励起光を集光するためのレンズ群を含んでよく、例えば対物レンズを含んでよい。
【0033】
(2-2)チップ
【0034】
チップTは、例えばフローセルとして構成されうる。チップTには流路が設けられている。チップTに設けられている流路構造は、例えば、粒子が略一列に並んで流れる流れ(特には層流)を形成するように構成されている。
【0035】
図1に示されるチップTには、流路P11、P12a、P12b、及びP13が設けられている。粒子を含むサンプル液が収容されている容器(バッグ)B1から、当該サンプル液がサンプル液流路P11に導入される。当該サンプル液は、サンプル液流路P11を主流路P13に向かって流れる。シース液を含む容器(バッグ)B2から、シース液がチップTに導入される。シース液は、2本のシース液流路P12a及びP12bを、主流路P13に向かって流れる。サンプル液流路P11とシース液流路P12a及びP12bは合流して主流路P13を形成するように構成されている。サンプル液流路P11内を送液されるサンプル液と、シース液流路P12a及びP12b内を送液されるシース液とが、前記3つの流路が合流する地点にて合流し、そして、主流路P13内を流れる。主流路P13内には、例えばサンプル液がシース液に挟み込まれた層流が流れる。当該層流中には、粒子が略一列に並んでいる。主流路P13内を並んで流れる粒子に、光照射部2によって生成された光(特にはレーザ光)が照射され、これにより生じた光が、検出部3によって検出される。
【0036】
チップTは、2次元又は3次元の流路構造を有するものであってよい。チップTは、プラスチック材料又はガラス材料から形成された基板形状を有しうる。チップT及びチップTに設けられる流路構造は、
図1に示されるものに限定されず、例えばフローサイトメータに関する技術分野において既知のチップ及び流路構造が採用されてもよい。すなわち、本技術において、蛍光検出は、例えばフローサイトメータによる蛍光検出であってよい。
チップTに設けられる流路の横断面の形状は例えば円形、楕円形、又は矩形(正方形又は長方形)などであってよい。流路の横断面が円形又は楕円形である場合、その直径又は長径は、例えば1mm以下であってよく、特には10μm以上1mm以下であってよい。流路の横断面が正方形又は長方形である場合、その一辺又は長辺の長さは、例えば1mm以下であってよく、特には10μm以上1mm以下であってよい。
【0037】
チップTから出た粒子は分取されてもよい。例えば、例えばピエゾ振動素子など振動素子によってチップを振動させることで、吐出口から、1つの粒子を含む液滴を発生させることができる。当該液滴を荷電部によって荷電することで進行方向を制御し、粒子を分取することができる。このように、粒子分析システム1は、ソーティング機能を有する系として構成されてよい。
また、チップTとして、チップ内に分取機構を設けられたチップが用いられてもよい。このようなチップの例として、例えば特開2019-174192に記載された微小粒子分取用マイクロチップを挙げることができる。当該チップにより、サンプル液中の粒子を外気との接触なく分取でき、すなわち閉鎖型分取操作が可能となる。
以上のとおり、粒子分析システム1は、粒子を分取する分取部を有していてもよい。当該分取部は、検出部による蛍光検出結果に基づき、粒子を分取しうる。
【0038】
(2-3)検出部
【0039】
検出部3は、光照射部2による粒子への光照射により生じた光を検出する。例えば、検出部3は、チップTの流路内を流れる粒子への光照射により生じた光を検出するように構成されていてよい。検出部3が検出する光は、例えば蛍光を含む光であり、蛍光と蛍光以外の光とを含む光であってもよい。検出部3は、蛍光の検出に加え、散乱光(例えば前方散乱光、後方散乱光、及び側方散乱光のいずれか1つ以上)をさらに検出するように構成されていてもよい。
【0040】
検出部3は、光照射部2による粒子への光照射により生じた光を検出する少なくとも一つの光検出器を備えている。検出部3に備えられている光検出器の数は、例えば1~20、1~15、又は1~10であってよい。各光検出器は、1以上の受光素子を含み、例えば受光素子アレイを有する。各光検出器は、例えば受光素子として、1又は複数のPMT(光電子増倍管)及び/又はフォトダイオードを含んでよく、特には1又は複数のPMTを含む。当該光検出器は、例えば複数のPMTを一次元方向に配列したPMTアレイを含みうる。前記少なくとも一つの光検出器は、蛍光を検出するものであってよく、蛍光検出器として構成されてよい。
各光検出器に含まれる受光素子の数(例えばPMTの数)は、例えば2以上、5以上、8以上、10以上、15以上、20以上、22以上、24以上、又は26以上であってよい。各光検出器に含まれる受光素子の数(例えばPMTの数)は、例えば50以下、45以下、又は40以下であってもよい。
【0041】
検出部3は、光を分光する分光部を含みうる。当該分光部は、各光検出器に備えられていてよい。当該分光部は、例えば、光(例えば蛍光)を分光して、所定の検出波長が割り当てられた受光素子(例えばPMT)に、当該所定の検出波長の光を到達させるように構成されうる。
【0042】
検出部3に含まれる各光検出器は、受光素子により受光された信号を伝送する伝送部を含む。伝送部は、受光素子に接続された信号伝送回路を含みうる。信号伝送回路は例えば増幅回路として構成されてよい。伝送部は、受光された信号を、例えば増幅して、後述する信号処理部へ伝送する。
【0043】
検出部3に備えられている前記少なくとも一つの光検出器が受光素子アレイを有する場合、後述する処理部101は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得しうる。処理部101によるこのような信号取得を可能とするために、本技術の好ましい実施態様において、検出部3に含まれる光検出器は、前記光の波長に応じて(より具体的には第一光源及び第二光源の波長に応じて)、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように構成されていてよく、又は、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように制御されてよい。これにより信号伝送量を削減することができる。
【0044】
検出部3及び検出部3に含まれる光検出器のより具体的な構成例は、以下の(2-3-1)及び(2-3-2)において説明する。上記で述べた信号伝送量の削減を可能とする光検出器の構成に関しては、以下の(2-3-2)において説明する。
【0045】
検出部3は、蛍光測定器、散乱光測定器、透過光測定器、反射光測定器、回折光測定器、紫外分光測定器、赤外分光測定器、ラマン分光測定器、FRET測定器、及びFISH測定器から選ばれる1つ以上の測定器を含んでもよい。また、検出部3は、例えばCCD又はCMOSなどの2次元受光素子を含んでもよい。
【0046】
検出部3は、信号処理部を含みうる。当該信号処理部が、前記蛍光検出器により得られた電気信号をデジタル信号に変換する。当該信号処理部は、当該変換を行う装置として例えばA/D変換器を含んでよい。光検出器により検出された光信号は、当該信号処理部によりデジタル信号に変換され、そして、情報処理装置100に送信されうる。前記デジタル信号が、情報処理装置100により光データとして取り扱われ、後述の処理部によるアンミキシング処理の対象となりうる。当該光データは、蛍光強度に関するデータを含みうる。
【0047】
検出部3(特に光検出器)は、粒子から生成された光を検出可能な位置に配置される。例えば、
図1に示されるように、検出部3は、チップT(特には主流路P13)を光照射部2と検出部3とで挟むように配置されてよく、又は、検出部3は、チップTに対して、光照射部2と同じ側に配置されてもよい。
【0048】
(2-3-1)検出部の例
【0049】
検出部3に含まれる光検出器の例を、
図3を参照しながら以下で説明する。
【0050】
図3に示される光検出器300は、分光部301、受光素子アレイ302、及び伝送部303を含む。
【0051】
分光部301は、光照射部2による粒子への光照射によって生じた光を分光し、そして、分光された光を受光素子アレイ302へと導く。分光部301は、例えば1つ又は複数のプリズムを含み、特には、分光部301は、複数のプリズムを含むプリズムアレイを含む。分光部301の構成は、受光素子アレイ302の構成に応じて適宜設定されてよい。
図3において、分光部301は、光を、より長い波長である波長λ1からより短い波長である波長λ8の8つの光へと分光する。すなわち、λ1~λ8は、λ1>λ2>λ3>λ4>λ5>λ6>λ7>λ8の関係にある。
【0052】
受光素子アレイ302は、分光部301により分光された光を受光する。受光素子アレイ302は、
図3に示されるように、配列された複数の受光素子302-1~302-8を含みうる。受光素子302-1が波長λ1の光を受光し、同様に受光素子302-2~302-8が波長λ2~λ8の光をそれぞれ受光する。
なお、
図3において、1つの受光素子アレイ302に含まれる受光素子の数が8つであるが、受光素子の数はこれに限定されない。受光素子アレイ302に含まれる受光素子の数は、例えば2以上、5以上、8以上、10以上、15以上、20以上、22以上、24以上、又は26以上であってよい。当該受光素子アレイ302に含まれる受光素子の数は、例えば50以下、45以下、又は40以下であってもよい。
【0053】
受光素子アレイ302に含まれる受光素子302-1~302-8は光センサであり、例えばPMTであってよい。すなわち、受光素子アレイ302はPMTアレイであってよい。PMTは、例えば蛍光色素により標識された細胞への光照射により生じる微弱な蛍光を感度良く検出することができる。各受光素子は、分光部301により分光されたそれぞれの光を受光して、電気信号へと変換する。各受光素子は、変換した電気信号を、各受光素子に接続された伝送回路へ送信する。
【0054】
伝送部303は、受光素子アレイ302が取得した電気信号を光検出器300の外部へと、例えば光検出器300に接続された情報処理装置100へと伝送する。伝送部303は、受光素子アレイ302の各受光素子に接続された伝送回路303-1~303-8を含む。
図3に示されるとおり、1つの受光素子につき、1つの伝送回路が接続されていてよい。各伝送回路は、受光素子によって得られた電気信号を増幅する増幅回路として構成されていてよい。増幅回路によって、光に基づく電気信号が増幅されて、例えば光検出器300の外部の信号処理部又は情報処理装置へと伝送される。
【0055】
(2-3-2)検出部の例
【0056】
本技術の一つの好ましい実施態様において、前記検出部は複数の光検出器を備えている。この実施態様において、前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光照射部に含まれる光源のいずれかが関連付けられていてよい。より具体的には、前記複数の光検出器のそれぞれは、前記少なくとも一つの第一光源及び前記少なくとも一つの第二光源のうちのいずれかが関連付けられていてよい。
この実施態様において、処理部は、各光検出器に関連付けられた光源の波長に応じて、各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得しうる。
このような信号取得を可能とするために、例えば、前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように構成されていてよく、又は、関連付けられた光源のレーザ光波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように制御されてもよい。本明細書内において、「光源の波長」は、光源が出射する光の波長を意味する。当該光源がレーザ光源である場合は、「光源の波長」は、当該レーザ光源が出射するレーザ光の波長を意味してよい。
この実施態様において、好ましくは、前記複数の光検出器は同じ受光素子アレイを有する。これにより、検出部をより簡便に構成することができる。
この実施態様に従い検出部を構成することによって、伝送される信号量を削減することができる。伝送信号量の削減について以下でより詳細に説明する。
【0057】
上記で述べたマルチカラー解析などの複数の蛍光色素が用いられる粒子分析において、より多くの蛍光体によって粒子(特には細胞)が標識されることに伴い、蛍光検出により取得される信号量が多くなる。信号量が多くなることは、例えばデータ伝送時間の増大、データ処理の負担の増大、及び、ストレージ中のデータ占有割合の増大をもたらしうる。
蛍光体から生じる蛍光は、励起光の波長よりも長い波長を有する。そのため、所定の励起光により生じた蛍光を検出するように割り当てられた蛍光検出器は、当該所定の励起光の波長又はそれより短い波長の光を検出する必要が無い。この実施態様において、光検出器は、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように構成されており、又は、当該関連付けられた光源の波長以下の波長の光の信号を伝送しないように制御される。これにより、検出する必要のない光が伝送されることがなくなり、伝送される信号量の削減をもたらす。これにより、データ伝送時間の削減、データ処理の負担の軽減、及び、ストレージ中のデータ占有割合の減少がもたらされうる。
【0058】
例えば、1つの光源に対して、1つの光検出器が関連付けられていてよく、又は、1つの光源に対して2つ以上の光検出器が関連付けられていてもよい。
【0059】
この実施態様のうち、複数の光検出器それぞれが、関連付けられた光源の波長以下の波長の蛍光の信号を伝送しないように構成されている場合の例を、
図4を参照しながら説明する。この例において、各光検出器は、受光素子アレイのうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送する信号伝送回路を接続されている。
【0060】
図4に示される検出部3は、3つ光検出器400a、400b、及び400cを含む。
【0061】
光検出器400aは、分光部401a、受光素子アレイ402a、及び伝送部403aを含む。光検出器400a、並びに、これに含まれる分光部401a、受光素子アレイ402a、及び伝送部403aは、上記(2-3-1)において説明した光検出器300、並びに、分光部301、受光素子アレイ302、及び伝送部303と同じであり、その説明が本例においても当てはまる。
【0062】
光検出器400aには、光照射部2に含まれる所定の光源a(図示されていない)が関連付けられている。光源aは、波長λaの光(特にはレーザ光)を出射する。波長λaは、受光素子アレイ402aによって検出される光λ1~λ8の波長のいずれよりも短い。光源aにより出射された波長λaの光は、波長λaよりも長い波長λ1~λ8の蛍光を生じさせる可能性がある。そのため、全ての受光素子に伝送回路がそれぞれ接続されている。
【0063】
光検出器400bは、分光部401b、受光素子アレイ402b、及び伝送部403bを含む。
光検出器400b、並びに、これに含まれる分光部401b及び受光素子アレイ402bは、上記(2-3-1)において説明した光検出器300、並びに、分光部301及び受光素子アレイ302と同じであり、その説明が本例においても当てはまる。
一方で、伝送部403bは、上記(2-3-1)において説明した伝送部303と相違し、すなわち、光検出器400aの伝送部403aとも相違する。相違点は、受光素子アレイ402bに含まれる一部の受光素子についてだけ伝送回路が接続されており、残りの受光素子については伝送回路が接続されていないということである。より具体的には、受光素子402b-1~402b-6に伝送回路403b-1~403b-6がそれぞれ接続されている一方で、受光素子402b-7~402b-8には伝送回路が接続されていない。
このように、伝送部403bは、受光素子アレイ402bのうちの一部の受光素子により検出される信号を伝送しないように構成されている。
【0064】
光検出器400bには、光照射部2に含まれる所定の光源b(図示されていない)が関連付けられている。光源bは、波長λbの光(特にはレーザ光)を出射する。波長λbは、受光素子アレイ402bによって検出可能な光の波長λ1~λ8のうち、λ6よりも短く且つλ7よりも長い。そのため、光源bにより出射された波長λbのレーザ光は、波長λbよりも長い波長λ1~λ6の蛍光を生じさせる可能性がある一方で、波長λbよりも短い波長λ7及びλ8の蛍光を生じさせない。すなわち、波長λ7及びλ8を検出するように割り当てられている受光素子402b-7~402b-8は、光を伝送する必要が無い。そのため、受光素子402b-7~402b-8には伝送回路が接続されていなくてよい。これにより、受光素子402b-7~402b-8から信号が伝送されることがなくなり、受光素子402b-7~402b-8に伝送回路が接続されている場合と比べて、信号伝送量を削減することができる。
【0065】
光検出器400cは、分光部401c、受光素子アレイ402c、及び伝送部403cを含む。
光検出器400c、並びに、これに含まれる分光部401c及び受光素子アレイ402cは、上記(2-3-1)において説明した光検出器300、並びに、分光部301及び受光素子アレイ302と同じであり、その説明が本例においても当てはまる。
一方で、伝送部403cは、上記(2-3-1)において説明した伝送部303と相違し、すなわち、光検出器400aの伝送部403aとも相違する。相違点は、受光素子アレイ402cに含まれる一部の受光素子についてだけ伝送回路が接続されており、残りの受光素子については伝送回路が接続されていないということである。より具体的には、受光素子402c-1~402c-4に伝送回路403c-1~403c-4がそれぞれ接続されている一方で、受光素子402c-5~402c-8には伝送回路が接続されていない。
このように、伝送部403cは、受光素子アレイ402cのうちの一部の受光素子により検出される信号を伝送しないように構成されている。
【0066】
光検出器400cには、光照射部2に含まれる所定の光源c(図示されていない)が関連付けられている。光源cは、波長λcの光(特にはレーザ光)を出射する。波長λcは、受光素子アレイ402cによって検出可能な光の波長λ1~λ8のうち、λ4よりも短く且つλ5よりも長い。そのため、光源cにより出射された波長λcの光は、波長λcよりも長い波長λ1~λ4の蛍光を生じさせる可能性がある一方で、波長λcよりも短い波長λ5~λ8の蛍光を生じさせない。すなわち、波長λ5~λ8を検出するように割り当てられている受光素子402c-5~402c-8は、光を伝送する必要が無い。そのため、受光素子402c-5~402c-8には伝送回路が接続されていなくてよい。これにより、受光素子402c-5~402c-8から信号が伝送されることがなくなり、受光素子402c-5~402c-8に伝送回路が接続されている場合と比べて、信号伝送量を削減することができる。
【0067】
この実施態様のうち、複数の光検出器それぞれが、関連付けられた光源の波長以下の波長の光の信号を伝送しないように制御される場合の例を、
図5を参照しながら説明する。この例において、各光検出器は、受光素子アレイのうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送するように制御される。
【0068】
図5に示される検出部3は、3つ光検出器500a、500b、及び500cを含む。
【0069】
光検出器500aは、分光部501a、受光素子アレイ502a、及び伝送部503aを含む。光検出器500a、並びに、これに含まれる分光部501a、受光素子アレイ502a、及び伝送部503aは、上記(2-3-1)において説明した光検出器300、並びに、分光部301、受光素子アレイ302、及び伝送部303と同じであり、その説明が本例においても当てはまる。
光検出器500b及び500cも、光検出器500aと同じである。
【0070】
各光検出器に含まれる伝送部503a、503b、及び503cはいずれも、これらに含まれる伝送回路のそれぞれを、信号伝送するように又は信号伝送しないように制御可能であるように構成されている。例えば情報処理装置100が、各伝送回路の信号伝送を制御してよい。
【0071】
例えば、光検出器500aに、光照射部2に含まれる所定の光源a(図示されていない)が関連付けられているとする。光源aは、波長λaの光(特にはレーザ光)を出射する。波長λaは、受光素子アレイ502aによって検出される蛍光λ1~λ8の波長のいずれよりも短い。光源aにより出射された波長λaの光は、波長λaよりも長い波長λ1~λ8の蛍光を生じさせる可能性がある。そのため、情報処理装置100は、伝送部503aに含まれる伝送回路の全てが信号伝送を行うように制御しうる。
【0072】
光検出器500bには、光照射部2に含まれる所定の光源b(図示されていない)が関連付けられている。光源bは、波長λbの光(特にはレーザ光)を出射する。波長λbは、受光素子アレイ502bによって検出可能な光の波長λ1~λ8のうち、λ6よりも短く且つλ7よりも長い。そのため、光源bにより出射された波長λbの光は、波長λbよりも長い波長λ1~λ6の蛍光を生じさせる可能性がある一方で、波長λbよりも短い波長λ7及びλ8の蛍光を生じさせない。すなわち、波長λ7及びλ8を検出するように割り当てられている受光素子502b-7~502b-8により受光された光を伝送する必要が無く、受光素子502b-7~502b-8に接続されている伝送回路も信号伝送を行う必要がない。そこで、例えば情報処理装置100が、伝送回路503b-1~503b-6を信号伝送するように制御し且つ伝送回路503b-7~503b-8を信号伝送しないように制御することで、受光素子502b-1~502b-8の全てについて信号伝送が行われる場合と比べて、信号伝送量を削減することができる。
【0073】
光検出器500cには、光照射部2に含まれる所定の光源c(図示されていない)が関連付けられている。光源cは、波長λcの光(特にはレーザ光)を出射する。波長λcは、受光素子アレイ502cによって検出可能な光の波長λ1~λ8のうち、λ4よりも短く且つλ5よりも長い。そのため、光源cにより出射された波長λcの光は、波長λcよりも長い波長λ1~λ4の蛍光を生じさせる可能性がある一方で、波長λcよりも短い波長λ5~λ8の蛍光を生じさせない。すなわち、波長λ5~λ8を検出するように割り当てられている受光素子502c-5~502c-8により受光された光を伝送する必要が無く、受光素子502c-5~502c-8に接続されている伝送回路も信号伝送を行う必要がない。そこで、例えば情報処理装置100が、伝送回路503c-1~503c-4を信号伝送するように制御し且つ伝送回路503c-5~503c-8を信号伝送しないように制御することで、受光素子502c-1~502c-8の全てについて信号伝送が行われる場合と比べて、信号伝送量を削減することができる。
【0074】
(2-4)光学系の構成例
【0075】
図2に、本技術に従う粒子分析システム1における光学系の概略的な構成例を示す。粒子分析システム1は、
図2に示されるように、光照射部2及び検出部3を含む。
【0076】
光照射部2は、複数のレーザ光源(LD-1、LD-2、LD-3、・・・及びLD-N。ここで、Nは任意の整数であり、上記で述べた第一光源と第二光源との合計数であってよい。)を含む。前記複数のレーザ光源は、上記(2-1)で説明した少なくとも一つの第一光源及び少なくとも一つの第二光源を含む。
【0077】
光照射部2は、導光光学系を構成する光学部品601-1、601-2、601-3、・・・601-Nを含む。これら光学部品は、例えばミラー又はビームスプリッターであってよく、導光光学系の構成に応じて適宜選択されうる。また、光照射部2は、例えばレーザ光を集光及び/又は均一化するためにレンズ群(図示されていない)を含んでよい。前記複数のレーザ光源が出射した複数のレーザ光は、前記導光光学系によって合波されて、例えば細胞(
図2においてSampleと示されている)に照射される。
【0078】
検出部3は、各レーザ光源に関連付けられた光検出器(Detection Unit 1、Detection Unit 1、Detection Unit 3、・・・及びDetection Unit N。Nは任意の整数であり、上記で述べた第一光源と第二光源との合計数であってよい。)を含む。各光検出器には予め、各光検出器の検出対象である光(特には蛍光)を生じさせるレーザ光を出射するレーザ光源が割り当てられていてよい。検出部3は、光照射部2による前記細胞への光照射により生じた光を検出する。
【0079】
検出部3により得られた光データに基づき、情報処理装置100は、
図2の右に示されるように、スペクトルデータ(Spectrum Data-1、Spectrum Data-2、Spectrum Data-3、・・・Spectrum Data-N)を生成する。
【0080】
(2-5)情報処理装置
【0081】
情報処理装置100は、
図1に示されるとおり、例えば処理部101及び記憶部102を含む。
【0082】
処理部101は、光照射部による粒子への光照射により得られた光データを処理する。当該処理は、アンミキシング処理を含みうる。前記光データは、例えば蛍光データを含む光データであってよい。より具体的には、前記光データは、光強度データであってよく、当該光強度は、蛍光を含む光の光強度データであってよい。
【0083】
処理部101は、好ましくはスペクトラルリファレンスデータを用いて前記アンミキシング処理を実行する。この処理により、光データから蛍光色素毎の蛍光強度を取得することができる。さらに、この処理によって、従来のフィルタ方式のフローサイトメータで課題となった蛍光の漏れ込みを解消し、蛍光の分離性能が向上する。
本明細書内において、スペクトラルリファレンスデータ(SRデータともいう)は、各蛍光体に対して所定の励起光が照射されたときに生じる蛍光のスペクトルデータである。SRデータは、例えば各蛍光体単独で標識した粒子に所定の励起光を照射することによって生じた蛍光を蛍光検出器により検出することにより得られる。
【0084】
前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータは、粒子を標識している蛍光体に所定の励起光が照射されたときに生じる蛍光のスペクトルデータを含む。前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータを得るために、例えば、まず、分析対象となる粒子集団を標識する複数の蛍光体のそれぞれにより粒子集団を標識して複数の単染色粒子集団を得る。次に、当該複数の単染色粒子集団のそれぞれについて、光照射(特にはレーザ光照射)により生じる蛍光のスペクトルデータを得る。得られたスペクトルデータがスペクトラルリファレンスデータとして用いられる。このように、前記複数の蛍光体のそれぞれにより標識された粒子集団に関する蛍光のスペクトルデータが、前記アンミキシング処理においてスペクトラルリファレンスデータとして用いられうる。これにより、蛍光の分離性能を向上させることができる。
【0085】
スペクトラルリファレンスデータを取得するための前記光照射のために、好ましくは前記少なくとも一つの第一光源の波長と同じ波長の光(特にはレーザ光)及び前記少なくとも一つの第二光源の波長と同じ波長の光(特にはレーザ光)が用いられうる。例えば、スペクトラルリファレンスデータを取得するための前記光照射のために、本技術の粒子分析システムを構成する光照射部が用いられてよい。
【0086】
前記アンミキシング処理は、例えば特開2011-232259号公報(上記特許文献1)に記載された蛍光強度補正方法又は蛍光強度算出方法に従い行われてよい。
【0087】
処理部101による情報処理の例は、以下(2-7)において説明する。
【0088】
記憶部102は、各種データを記憶する。記憶部102は、例えば検出部3により取得された光データを格納できるように構成されていてよい。記憶部102は、さらに、スペクトラルリファレンスデータを格納できるように構成されていてよい。
【0089】
処理部101は、出力部4を制御して、光データの処理結果を出力させうる。また、処理部101は、入力部5からの信号(例えばユーザによる入力部5の操作により生じた操作信号)を受信し、当該信号に基づき、各種処理を実行し及び/又は情報処理装置100を制御しうる。
【0090】
情報処理装置100の構成例を以下で説明する。処理部101による処理は例えば以下の構成により実現されうるが、情報処理装置100の構成は以下に限定されない。
【0091】
情報処理装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM、及びROMを備えていてよい。CPU、RAM、及びROMは、バスを介して相互に接続されていてよい。バスには、さらに入出力インタフェースが接続されていてよい。バスには、当該入出力インタフェースを介して、出力部4及び入力部5が接続されうる。
【0092】
前記入出力インタフェースにはさらに、例えば通信装置、記憶装置、及びドライブが接続されていてよい。
【0093】
前記通信装置は、情報処理装置100をネットワークに有線又は無線で接続する。前記通信装置によって、情報処理装置100は、ネットワークを介して各種データ(例えば光データ及び/又はSRデータなど)を取得することができる。取得したデータは、例えば記憶部102に格納されうる。前記通信装置の種類は当業者により適宜選択されてよい。
【0094】
前記記憶装置には、オペレーティング・システム(例えば、WINDOWS(登録商標)、UNIX(登録商標)、又はLINUX(登録商標)など)、本技術に従う情報処理方法を情報処理装置(又は粒子分析装置若しくは粒子分析システム)に実行させるためのプログラム及び他の種々のプログラム、並びに、光データ、SRデータ、及び他の種々のデータが格納されうる。
【0095】
前記ドライブは、記録媒体に記録されているデータ(例えば光データ及びSRデータなど)又はプログラムを読み出して、RAMに出力することができる。記録媒体は、例えば、microSDメモリカード、SDメモリカード、又はフラッシュメモリであるが、これらに限定されない。
【0096】
(2-6)出力部及び入力部
【0097】
出力部4は、例えば処理部101による光データの処理の結果を出力する装置を含む。例えば、出力部4は、アンミキシング処理を行って得られた蛍光データ又は当該蛍光データに基づき生成された出力データ(例えば当該蛍光データに基づく二次元プロットなど)を出力しうる。出力部4は例えば表示装置(ディスプレイ)を含みうる。前記表示装置は、前記光データの処理の結果得られた蛍光データ又は出力データを、画像(静止画像又は動画像)として出力しうる。また、出力部4は例えば印刷装置を含みうる。前記印刷装置は、前記光データの処理の結果得られた蛍光データ又は出力データを、例えば紙などの印刷媒体に印刷して出力しうる。
【0098】
入力部5は、例えばユーザによる操作を受け付ける装置である。入力部5は、例えばマウス、キーボード、又はディスプレイ(この場合ユーザ操作はディスプレイへのタッチ操作であってよい)を含みうる。入力部5は、ユーザによる操作を電気信号として情報処理装置100に送信する。情報処理装置100の処理部101は、当該電気信号に応じて、各種の処理を行いうる。
【0099】
(2-7)情報処理装置による情報処理の例
【0100】
情報処理装置100による情報処理の例を、
図6を参照しながら以下で説明する。
図6は、情報処理装置100による情報処理のフロー図の一例である。
【0101】
ステップS101において、情報処理装置100は情報処理(特には光データの処理)を開始する。例えばユーザが、出力部4のディスプレイに表示されている所定の処理開始ボタンをクリックすることに応じて、処理部101が、光データの処理を行うためのウィンドウをディスプレイ上に表示する。
【0102】
なお、前記光データの処理の開始に先立ち、複数の蛍光体によって標識された粒子集団に対して、上記で説明した光照射部2、チップT、及び検出部3を用いて光検出(特にはフローサイトメトリー)が行われ、その結果取得された光データが記憶部102に格納されていてよい。
【0103】
ステップS102において、処理部101は、前記粒子集団についての光データを取得する。処理部101は、例えば、検出部3によって取得された光データを受信しうる。代替的には、処理部101は、記憶部102に格納されている光データを取得してもよい。
【0104】
ステップS103において、処理部101は、ステップS102において取得された光データについてアンミキシング処理を行う。当該アンミキシング処理は、蛍光分離処理とも呼ばれる。
【0105】
ステップS103において、処理部101は、好ましくはスペクトラルリファレンスデータを用いて前記アンミキシング処理を実行する。
前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータは、粒子を標識している蛍光体に所定の励起光が照射されたときに生じる蛍光のスペクトルデータを含む。前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータは、好ましくは、前記少なくとも一つの第一光源により出射される光と同じ波長を有する光を、粒子を標識している蛍光体に照射したときに生じる蛍光のスペクトルデータと、前記少なくとも一つの第二光源により出射される光と同じ波長を有する光を、粒子を標識している蛍光体に照射したときに生じる蛍光のスペクトルデータと、を含む。
【0106】
ステップS103において用いられるスペクトラルリファレンスデータは、予め記憶部102に格納されていてよい。処理部101は、当該スペクトラルリファレンスデータを、例えば記憶部102から取得し、そして、前記アンミキシング処理を行いうる。
【0107】
処理部101は、当該アンミキシング処理を、例えば最小二乗法(Least Square Method, LSM)、より好ましくは重み付き最小二乗法(Weighted Least Square Method, WLSM)を用いて行いうる。最小二乗法を用いたアンミキシング処理は、例えば、特許第5985140号公報に記載された蛍光強度補正方法を用いて行われてよい。当該蛍光強度補正方法は、例えば以下のWLSMの数式(1)を用いて行われうる。
【数1】
上記数式(1)において、x
nはn番目の蛍光色素の蛍光強度を示し、[S
T]はスペクトラルリファレンスの転置行列を示し、[L]は重み行列を示し、[S]はスペクトラルリファレンスの行列を示し、y
iはi番目の光検出器での測定値を示し、λ
iはi番目の光検出器での重みを示し、max(y
i,0)はi番目の検出器の検出値とゼロとを比較し大きい値を示し、offset’は各検出器の検出値に基づいて決定される値を示す。
【0108】
蛍光体(例えば蛍光色素など)の蛍光波長分布は広い場合がある。そのため、例えば或る蛍光体から生じた蛍光を検出するために用いられるPMTが、他の蛍光体から生じた蛍光も検出しうる。すなわち、各PMTにより取得される光データは、複数の蛍光体からの蛍光データが重畳したデータでありうる。そこで、当該光データを、各蛍光体からの蛍光データへと分離するための補正が必要となる。前記アンミキシング処理は、当該補正のための手法であり、前記アンミキシング処理によって、複数の蛍光体からの蛍光データが重畳したデータが、各蛍光体からの蛍光データへと分離されて、各蛍光体からの蛍光データが得られる。
【0109】
ステップS104において、処理部101は、アンミキシング処理によって得られた蛍光データを用いて出力データを生成する。出力データは、例えば前記粒子集団の標識に用いた複数の蛍光体のうちの所望の2つの蛍光体に関する二次元プロットであってよいが、これに限定されない。前記二次元プロットの縦軸は、前記2つの蛍光体のうちの一方の蛍光体に対応する蛍光の蛍光データ(特には蛍光強度)であってよく、且つ、横軸は、他方の蛍光体に対応する蛍光の蛍光データ(特には蛍光強度)であってよい。前記二次元プロットは、例えば密度プロット(ドットプロット)、等高線プロット、又は、密度及び等高線の両方のプロットであってもよい。当該二次元プロットを生成するためのゲートの設定及び展開操作は、粒子分析の目的に応じて、ユーザにより適宜行われてよい。
【0110】
ステップS104において、処理部101は、1つ又は複数(例えば2以上、特には2~30、より特には2~20)の生成される二次元プロットを生成しうる。
また、ステップS104において、処理部101は、2つの蛍光体に関する二次元プロットに加えて、散乱光(例えば前方散乱光、側方散乱光、及び後方散乱光のうちのいずれか2つ)に基づくプロット及び/又は散乱光と蛍光とに基づくプロットを生成してもよい。
【0111】
ステップS105において、処理部101は、ステップS104において生成された出力データ(例えば二次元プロットなど)を、出力部(例えば出力部の表示装置など)に出力させうる。
【0112】
ステップS106において、処理部101は、情報処理を終了する。
また、当該終了に先立ち、処理部101は、アンミキシング処理後の蛍光データ及び/又は生成された出力データを記憶部102に保存しうる。
【0113】
(2-8)粒子
【0114】
本技術において、粒子は、例えばチップTに設けられた流路内を流れることができる寸法を有する粒子であってよい。本技術において、粒子は当業者により適宜選択されてよい。本技術において、粒子には、細胞、細胞塊、微生物、及びリポソームなどの生物学的微小粒子、並びに、ゲル粒子、ビーズ、ラテックス粒子、ポリマー粒子、及び工業用粒子などの合成微小粒子などが包含されうる。
【0115】
生物学的微小粒子(生体粒子ともいう)には、各種細胞を構成する染色体、リポソーム、ミトコンドリア、オルガネラ(細胞小器官)などが含まれうる。細胞には、動物細胞(血球系細胞など)および植物細胞が含まれうる。細胞は、特には血液系細胞又は組織系細胞でありうる。前記血液系細胞は、例えばT細胞及びB細胞などの浮遊系細胞であってよい。前記組織系細胞は、例えば接着系の培養細胞又は組織からばらされた接着系細胞などであってよい。細胞塊には、例えばスフェロイド及びオルガノイドなどが含まれうる。微生物には、大腸菌などの細菌類、タバコモザイクウイルスなどのウイルス類、イースト菌などの菌類などが含まれうる。さらに、生物学的微小粒子には、核酸、タンパク質、これらの複合体などの生物学的高分子も包含されうる。これら生物学的高分子は、例えば細胞から抽出されたものであってよく又は血液サンプル若しくは他の液状サンプルに含まれるものであってもよい。本技術の一つの実施態様に従い、前記粒子は生体粒子であり、特には細胞である。
【0116】
合成微小粒子は、例えば有機若しくは無機高分子材料又は金属などからなる微小粒子でありうる。有機高分子材料には、ポリスチレン、スチレン・ジビニルベンゼン、及びポリメチルメタクリレートなどが含まれうる。無機高分子材料には、ガラス、シリカ、及び磁性体材料などが含まれうる。金属には、金コロイド及びアルミなどが含まれうる。前記合成微小粒子は、例えばゲル粒子又はビーズなどであってよく、より特にはオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、及び酵素から選ばれる1つ又は2つ以上の組合せが結合されたゲル粒子又はビーズであってよい。
【0117】
粒子の形状は、球形若しくは略球形であってよく、又は非球形であってもよい。粒子の大きさ及び質量は、チップの流路のサイズによって当業者により適宜選択されうる。他方で、チップの流路のサイズも、粒子の大きさ及び質量によって適宜選択されうる。
【0118】
本技術の粒子分析システムは、粒子集団を分析対象とするものであってよい。本技術の粒子分析システムにおいて、当該粒子集団に含まれる各粒子に対して、前記光照射部による光照射が行われうる。前記粒子集団は、特には生体粒子の集団であってよく、より特には細胞の集団であってよい。
【0119】
本技術の粒子分析システムは、複数の蛍光体により標識されている粒子集団を分析対象とするものであってよい。粒子集団を標識する蛍光体は、後述する蛍光色素であってよい。また、前記蛍光色素は、粒子に特異的に結合する分子(例えば抗体、アプタマー、DNA、又はRNAなど、特には抗体)を介して粒子(特には細胞)に結合されていてよい。
前記粒子集団は、前記光照射部による光照射が行われる際に、前記サンプル液に含まれていてよい。前記サンプル液の種類は、当業者により適宜選択されてよく、例えば粒子(細胞)の種類などの考慮要素に応じて決定されうる。なお、前記シース液の種類も、当業者により適宜選択されてよい。
【0120】
前記複数の蛍光体は、例えば複数の色素、特には複数の蛍光色素であってよい。前記蛍光体は、例えばフローサイトメトリーの技術分野において公知の蛍光体(色素)であってよい。前記蛍光色素の例として、例えば以下を挙げることができるがこれらに限定されない:Cascade Blue、Pacific Blue、Fluorescein isothiocyanate(FITC)、AleaFluor488、Phycoerythrin(PE)、Propidium iodide(PI)、Texas Red(TR)、PE-efluor 610、PE/Dazzle594、ECD(PE-TxRed)、PE-CF594、PE-Vio 615、7-AAD、PE/Cy5、Peridinin chlorophyll protein(PerCP)、PerCP/Cy5.5、PerCP/eFluor710、PE/Cy7、Allophycocyanin(APC)、AlexaFluor647、AlexaFluor700、APC-AlexaFluor700、APC/Fire750、APC/eFluor780、APC/H7、Brilliant Violet(BV421)、BD Horizon V450、eFluor450、Pacific Blue、4’,6-Diamidino-2-phenylindole(DAPI)、AmCyan、BD Horizon V500、Brilliant Violet 510、PacificOrange、Brilliant Violet 570、Brilliant Violet 605、Brilliant Violet 650、eFluor 650NC、Brilliant Violet 711、Brilliant Violet 785、Cy3、Cy5、及びCy7。また、前記蛍光色素は、後述の実施例において記載された蛍光色素であってもよい。
【0121】
前記粒子集団は、例えば5以上の蛍光体により標識された粒子集団であり、より好ましくは8種以上、10種以上、15種以上、又は20種以上の蛍光体により標識された粒子集団であってよい。前記粒子集団は、さらに22種以上、24種以上、又は26種以上の蛍光体により標識された粒子集団であってもよい。前記粒子集団は、例えば50種以下、45種以下、又は40種以下の蛍光体により標識された粒子集団であってよい。本技術に従う粒子分析システムは、蛍光分離性能に優れており、このような多種類の蛍光体(蛍光色素)により標識された粒子集団の分析に適している。
【0122】
2.第2の実施形態(粒子分析装置)
【0123】
本技術は、流路内を流れる粒子への光照射により生じた光を検出する検出部を含む粒子分析装置も提供する。前記検出部は、前記光照射部による粒子への光照射により生じた光を検出する少なくとも一つの光検出器を備えていてよい。さらに、前記少なくとも一つの蛍光検出器は、受光素子アレイを有し、且つ、前記少なくとも一つの光検出器は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように構成されていてよく、又は、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように制御されてもよい。本技術の粒子分析装置は、このような検出部を備えていることによって、信号伝送量を削減することができる。
【0124】
前記検出部は、上記(2-3)において述べたとおりであり、その説明が本実施態様についても当てはまる。
【0125】
本技術の粒子分析装置は、前記検出部に加えて、上記(2-1)において説明した光照射部を備えていてもよい。
【0126】
本技術の粒子分析装置は、上記(2-5)において説明した情報処理装置並びに上記(2-6)において説明した出力部及び入力部と組み合わせて粒子分析システムとして構成されてよい。代替的には、本技術の粒子分析装置は、前記情報処理装置、前記出力部、及び前記入力部のいずれか一つ以上を備えていてもよい。
【0127】
3.第3の実施形態(情報処理方法)
【0128】
本技術は、350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理するアンミキシング処理工程を含む情報処理方法も提供する。
【0129】
本技術に従う情報処理方法は、例えば、複数の蛍光体により標識された粒子集団についての蛍光検出の結果から得られたデータを処理するために行われうる。本技術に従う情報処理方法は、例えば上記1.において述べた粒子分析システム又は上記2.において述べた粒子分析装置によって実行されてよく、特には前記粒子分析システム又は前記粒子分析装置に含まれうる情報処理装置によって実行されうる。
【0130】
本技術に従う情報処理方法は、例えば、粒子集団についての光データを取得する光データ取得工程、取得された光データについてアンミキシング処理を行うアンミキシング処理工程、アンミキシング処理後の蛍光データを用いて出力データを生成する出力データ生成工程、及び生成された出力データを出力するデータ出力工程を含みうる。
【0131】
前記光データ取得工程は、上記1.の(2-7)において説明したステップS102相当する。前記アンミキシング処理工程は、上記1.の(2-7)において説明したステップS103に相当する。前記出力データ生成工程は、上記1.の(2-7)において説明したステップS104に相当する。前記データ出力工程は、上記1.の(2-7)において説明したステップS105に相当する。そのため、上記1.の(2-7)におけるこれらステップについての説明が、本技術の情報処理方法における各工程にもあてはまる。
【0132】
4.第4の実施形態(プログラム)
【0133】
本技術は、上記3.において述べた情報処理方法を情報処理装置に実行させるためのプログラムも提供する。前記情報処理方法は、上記1.及び3.において説明したとおりであり、当該説明が本実施形態にも当てはまる。本技術に従うプログラムは、例えば上記で述べた記録媒体に記録されていてよく、又は、上記で述べた情報処理装置又は情報処理装置に含まれる記憶装置に格納されていてもよい。
【0134】
5.実施例
【0135】
320nmの波長のレーザ光を出射するレーザ光源と350nm以上の波長のレーザ光を出射する6つのレーザ光源とを含む光照射部を備えているフローサイトメータを用いて粒子分析処理を行った。
【0136】
前記粒子分析処理の分析対象として、ヒト健常人血を溶血して得られた細胞集団をサンプルとして用いた。
【0137】
また、以下の43の蛍光色素がそれぞれ結合した43の抗体を用意した。用意された抗体は全て抗CD4抗体であった。
Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 700、APC-Cy7、APC、BUV395、BUV496、BUV563、BUV661、BUV737、BUV805、BV421、BV480、BV510、BV570、BV605、BV650、BV711、BV750、BV786、Cy3、PacificBlue、PacificOrange、PE-AF610、PE-AF700、PE-Cy5、PE-Cy5.5、PE-Cy7、PE-Dazzle594、PE、PerCP-Cy5.5、PerCP-eF710、PerCP、Qdot 525、Qdot 545、Qdot 565、Qdot 585、Qdot 605、Qdot 625、Qdot 655、Qdot 705、及びSB702
【0138】
前記43の蛍光色素結合抗体のそれぞれによって、前記サンプルを標識した。これにより、各抗体によって標識された43のサンプルを得た。得られた43のサンプルは、それぞれチューブに入れられた。また、いずれの抗体によっても標識されていない未標識サンプルもチューブに用意した。これにより、合計で44のサンプル入りチューブが得られた。
【0139】
上記44のサンプルのそれぞれに対し、前記フローサイトメータを用いて44の蛍光スペクトルデータを取得した。当該44の蛍光スペクトルデータを、以下でスペクトラルリファレンスデータとして用いた。
【0140】
また、当該44の蛍光スペクトルデータをマージして、マージされたデータを得た。前記マージされたデータを、前記44のスペクトラルリファレンスデータを用いて、アンミキシング処理を行った。アンミキシング処理されて得られたデータを用いて、二次元プロットを生成した。生成された二次元プロットを
図7に示す。
【0141】
320nmの波長のレーザ光を出射するレーザ光源を点灯しないこと以外は上記と同じ方法で、上記44のサンプルのそれぞれに対し、前記フローサイトメータを用いて44の蛍光スペクトルデータを取得した。当該44の蛍光スペクトルデータを以下でスペクトラルリファレンスデータとして用いた。
また、当該44の蛍光スペクトルデータを、上記と同じ方法でマージして、マージされたデータを得た。当該マージされたデータを、当該44のスペクトラルリファレンスデータを用いて、上記と同じ方法でアンミキシング処理を行い、そして、二次元プロットを生成した。生成された二次元プロットを
図8に示す。
【0142】
図7と
図8との二次元プロットの比較より、320nmの波長のレーザ光を用いることによって、蛍光分離性能が向上したことが分かる。また、320nmの波長のレーザ光を用いた場合のS/N比は、320nmの波長のレーザ光が点灯されていない場合と比べて、30%程度向上していた。
【0143】
以上の結果より、粒子の蛍光分析において、350nm未満の波長のレーザ光を出射するレーザ光源を、350nm以上の波長のレーザ光を出射する6つのレーザ光源と組み合わせて用い、そしてアンミキシング処理を行うことで蛍光分離性能が向上することが分かる。
【0144】
なお、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
〔1〕
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部、及び
前記光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理する処理部、
を含む粒子分析システム。
〔2〕
前記少なくとも一つの第二光源は、250nm以上且つ350nm未満の波長の光を出射する、〔1〕に記載の粒子分析システム。
〔3〕
前記少なくとも一つの第一光源により出射された励起光及び前記少なくとも一つの第二光源により出射された励起光のうちの少なくとも2つの励起光が合波され、そして、合波された励起光が粒子に照射されるように構成されている、〔1〕又は〔2〕に記載の粒子分析システム。
〔4〕
前記粒子分析システムは、複数の蛍光体により標識されている粒子集団を分析対象とするものである、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の粒子分析システム。
〔5〕
前記処理部は、スペクトラルリファレンスデータを用いて前記アンミキシング処理を実行する、〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載の粒子分析システム。
〔6〕
前記複数の蛍光体のそれぞれにより標識された粒子集団に関する蛍光のスペクトルデータを、前記アンミキシング処理において用いられるスペクトラルリファレンスデータとして用いる、〔4〕に記載の粒子分析システム。
〔7〕
前記光照射部による粒子への光照射により生じた光を検出する検出部をさらに含む、〔1〕~〔6〕のいずれか一つに記載の粒子分析システム。
〔8〕
前記検出部は、前記光照射部による粒子への光照射により生じた光を検出する少なくとも一つの光検出器を備えており、
前記少なくとも一つの光検出器は、受光素子アレイを有し、且つ、
前記処理部は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得する、
〔7〕に記載の粒子分析システム。
〔9〕
前記少なくとも一つの光検出器は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように構成されている、
〔8〕に記載の粒子分析システム。
〔10〕
前記少なくとも一つの光検出器は、前記光の波長に応じて、前記受光素子アレイを構成する受光素子の一部が信号伝送を行わないように制御される、
〔8〕に記載の粒子分析システム。
〔11〕
前記検出部は、複数の光検出器を備えており、
前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光照射部に含まれる光源が関連付けられており、
前記処理部は、各光検出器に関連付けられた光源の波長に応じて、各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子の一部が受光した光に基づく信号のみを取得する、
〔7〕に記載の粒子分析システム。
〔12〕
前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように構成されており、且つ、
各光検出器の受光素子アレイを構成する受光素子のうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送する信号伝送回路を接続されている、
〔11〕に記載の粒子分析システム。
〔13〕
前記複数の光検出器のそれぞれは、関連付けられた光源の波長以下の波長を有する光の信号を伝送しないように制御され、且つ、
各光検出器は、受光素子アレイを構成する受光素子のうち、関連付けられた光源の波長よりも長い波長を有する光を受光する受光素子のみが、受光した光に基づく信号を伝送するように制御される、
〔11〕に記載の粒子分析システム。
〔14〕
前記複数の光検出器は、同じ受光素子アレイを有する、
〔11〕~〔13〕のいずれか一つに記載の粒子分析システム。
〔15〕
前記少なくとも一つの第一光源がレーザ光源であり、且つ、前記少なくとも一つの第二光源がレーザ光源である、〔1〕~〔14〕のいずれか一つに記載の粒子分析システム。〔16〕
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理するアンミキシング処理工程を含む、
情報処理方法。
〔17〕
350nm以上の波長の光を出射する少なくとも一つの第一光源と、350nm未満の波長の光を出射する少なくとも一つの第二光源と、を含む光照射部による粒子への光照射により得られた光データをアンミキシング処理するアンミキシング処理工程を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0145】
1 粒子分析システム
2 光照射部
T チップ
3 検出部
100 情報処理装置
101 処理部
102 記憶部
4 出力部
5 入力部