(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】充電設備決定装置、充電設備決定方法、及び充電設備決定プログラム
(51)【国際特許分類】
B64F 1/36 20240101AFI20250611BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20250611BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20250611BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20250611BHJP
【FI】
B64F1/36
B64U10/13
B64U50/19
G01C21/26
(21)【出願番号】P 2023568936
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2021047882
(87)【国際公開番号】W WO2023119559
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2024-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】田中 伶実
(72)【発明者】
【氏名】庄田 武志
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】武藤 知之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 俊秀
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-162391(JP,A)
【文献】特開2019-089461(JP,A)
【文献】国際公開第2021/038940(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/36
B64U 10/13
B64U 50/19
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する取得手段と、
前記無人飛行体に充電設備を使用させる優先度
と前記無人飛行体の用途
との予め定められた関係を用いて前記無人飛行体に前記優先度を設定する設定手段と、
前記情報に基づいて算出手段が算出した航続可能範囲、及び前記優先度に基づいて、前記無人飛行体に使用させる充電設備を決定する決定手段と
を備える充電設備決定装置。
【請求項2】
前記設定手段は、さらに、前記取得手段が取得した前記情報によって示されている前記無人飛行体の蓄電量が所定の値未満である場合に、より高い前記優先度を設定する
請求項1に記載の充電設備決定装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記無人飛行体の作業開始日時と現在日時とに基づき前記優先度を設定する
請求項1又は請求項2に記載の充電設備決定装置。
【請求項4】
前記決定手段は、使用可能な充電設備のうち、前記無人飛行体の飛行予定経路にある充電設備を前記無人飛行体に使用させると決定する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充電設備決定装置。
【請求項5】
前記設定手段は、複数の無人飛行体のそれぞれに互いに異なる前記優先度を設定する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電設備決定装置。
【請求項6】
無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得し、
前記無人飛行体に充電設備を使用させる優先度
と前記無人飛行体の用途
との予め定められた関係を用いて前記無人飛行体に前記優先度を設定し、
前記情報に基づいて算出された航続可能範囲、及び前記優先度に基づいて、前記無人飛行体に使用させる充電設備を決定する
充電設備決定方法。
【請求項7】
さらに、取得した前記情報によって示されている前記無人飛行体の蓄電量が所定の値未満である場合に、より高い前記優先度を設定する
請求項6に記載の充電設備決定方法。
【請求項8】
前記無人飛行体の作業開始日時と現在日時とに基づき前記優先度を設定する
請求項6又は請求項7に記載の充電設備決定方法。
【請求項9】
使用可能な充電設備のうち、前記無人飛行体の飛行予定経路にある充電設備を前記無人飛行体に使用させると決定する
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の充電設備決定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する取得機能と、
前記無人飛行体に充電設備を使用させる優先度
と前記無人飛行体の用途
との予め定められた関係を用いて前記無人飛行体に前記優先度を設定する設定機能と、
前記情報に基づいて算出機能が算出した航続可能範囲、及び前記優先度に基づいて、前記無人飛行体に使用させる充電設備を決定する決定機能と
を実現させる充電設備決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電設備決定装置、充電設備決定方法、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
空中を無人で飛行するドローンの運用について需要が近年高まっている。
【0003】
特許文献1には、ドローンを駐機させるために飛行ルートの適所に配置されたドローンポートが充電機能を備えることが記載されている。また、特許文献1には、ドローンポートシステムが、ドローンポートでドローンのバッテリーを充電して他のドローンポートないし物流センターへドローンを飛行させることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、ナビゲーション装置が、設定された予定の経路の距離に対し、走行可能距離が経路全体の距離以下であると判断できる場合、走行可能距離以内に存在する充電スタンドを探索して経路を再設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-89461号公報
【文献】国際公開第2021/038940号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1から特許文献2に記載の方法では、他の無人飛行体が充電設備を既に使用している場合、無人飛行体は、他の無人飛行体の充電が終わるまで待機する必要がある。このように、特許文献1から特許文献2に記載の方法では、無人飛行体の充電待ちが生じるという問題がある。
【0007】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、無人飛行体の充電設備での充電待ちを減らすことを可能にする充電設備決定装置、充電設備決定方法、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様において、充電設備決定装置は、無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する取得手段と、無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する設定手段と、情報に基づいて算出手段が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体に使用させる充電設備を決定する決定手段とを備える。
【0009】
また、本発明の他の態様において、充電設備決定方法は、無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得し、無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定し、情報に基づいて算出された航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体に使用させる充電設備を決定する。
【0010】
また、本発明の他の態様において、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された充電設備決定プログラムは、コンピュータに、無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する取得機能と、無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する設定機能と、情報に基づいて算出機能が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体に使用させる充電設備を決定する決定機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の充電設備決定装置、充電設備決定方法、及び記録媒体により、無人飛行体の充電設備での充電待ちを減らすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明における第一の実施形態の充電設備決定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明における第一の実施形態の充電設備決定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明における第二の実施形態の充電設備決定システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】本発明における第二の実施形態の充電設備決定装置の設備情報記憶部に記憶される充電設備管理情報の一例を示す図である。
【
図5】本発明における第二の実施形態の充電設備決定システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明における第二の実施形態の充電設備決定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明における各実施形態のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の充電設備決定装置1の構成例を示すブロック図である。
【0015】
本実施形態の充電設備決定装置1は、取得部11と設定部12と決定部13とを含む。
【0016】
取得部11は、取得手段の一例である。取得部11は、無人飛行体(図示せず)の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する。例えば、取得部11は、無人飛行体を運用する運用者が無人飛行体の制御に用いる制御装置(図示せず)から航続可能範囲を把握可能な情報を取得する。取得部11は、制御装置に備えられたデータベースから航続可能範囲を把握可能な情報を取得してもよい。無人飛行体は、例えばドローンである。あるいは、無人飛行体は、例えばeVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)である。eVTOLは、電動垂直離着陸機ともいう。「無人飛行体」とは、遠隔操縦または自動操縦で飛行する飛行体をいう。無人飛行体は、乗客を乗せて運送してもよい。
【0017】
航続可能範囲を把握可能な情報は、例えば、航続可能範囲そのものを示す情報である。例えば、航続可能範囲そのものを示す情報は、無人飛行体の現在位置から航続可能な範囲を示す情報である。あるいは、例えば、航続可能範囲を把握可能な情報は、無人飛行体が現在位置から航続可能な距離を示す情報である。
【0018】
航続可能範囲を把握可能な情報は、航続可能範囲を算出する処理に用いられる情報であってもよい。例えば、航続可能範囲を把握可能な情報は、次の(1)から(6)のいずれか少なくとも1つ以上の情報である。
(1)無人飛行体の現在の位置を示す情報
(2)無人飛行体の現在の蓄電量を示す情報
(3)無人飛行体の飛行能力を示す情報
(4)無人飛行体が搬送する荷物の重量を示す情報
(5)無人飛行体の現在位置の風向を示す情報
(6)無人飛行体の現在位置の風速を示す情報
充電設備決定装置1の算出部(図示せず)、又は制御装置の算出部(図示せず)が航続可能範囲を把握可能な情報から航続可能範囲を算出する。算出部は、算出手段の一例である。例えば、算出部は、航続可能範囲を算出する処理において、上記(1)から(6)のいずれか1つ以上の情報に示される値を算出パラメータとして用いる。すなわち、算出部は、航続可能範囲を算出する関数の変数として、上記(1)から(6)のいずれか1つ以上の情報に示される値を用いることにより航続可能範囲を算出する。
【0019】
なお、無人飛行体の飛行能力を示す情報は、例えば、無人飛行体の飛行可能時間や飛行可能距離を示す情報である。ここで、飛行可能時間は、単位蓄電量に応じた飛行可能時間であってもよいし、最大蓄電量時の飛行可能時間であってもよい。また、飛行可能距離は、単位蓄電量に応じた飛行可能距離であってもよいし、最大蓄電量時の飛行可能距離であってもよい。
【0020】
設定部12は、設定手段の一例である。設定部12は、無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する。
【0021】
例えば、設定部12は、緊急事態に用いられる無人飛行体に対してより高い優先度を設定し、通常時に用いられる無人飛行体に対してより低い優先度を設定する。例えば、山火事が発生した場所の上空で消火剤の散布に用いられる無人飛行体に、設定部12は、通常の荷物を運搬する無人飛行体よりも高い優先度を設定する。
【0022】
決定部13は、決定手段の一例である。決定部13は、航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて算出部が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体に使用させる充電設備を決定する。
【0023】
このように、充電設備決定装置1は、無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得し、無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する。充電設備決定装置1は、航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて算出部が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体に使用させる充電設備を決定する。充電設備決定装置1が、航続可能範囲と優先度とに基づき無人飛行体に使用させる充電設備を決定することにより、決定された充電設備を無人飛行体に使用させることができる。これにより、無人飛行体の充電設備での充電待ちを減らすことが可能になる。
【0024】
次に、
図2を参照して、本実施形態の充電設備決定装置1の動作例を説明する。
図2は、充電設備決定装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0025】
取得部11は、無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する(ステップS101)。
【0026】
設定部12は、無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する(ステップS102)。
【0027】
決定部13は、航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体に使用させる充電設備を決定する(ステップS103)。なお、算出部は、取得部11が取得した航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて無人飛行体の航続可能範囲を算出する。
【0028】
以上説明したように、充電設備決定装置1が、航続可能範囲、及び優先度に基づき無人飛行体に使用させる充電設備を決定することにより、決定された充電設備を無人飛行体に使用させることができる。これにより、無人飛行体の充電設備での充電待ちを減らすことが可能になる。
【0029】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態における充電設備決定装置4について具体的に説明する。
【0030】
図3は、本発明における第二の実施形態の充電設備決定システムの構成例を示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように、充電設備決定システムは、無人飛行体2と制御装置3と充電設備決定装置4とを含む。第二の実施形態において、充電設備決定装置4は、基本的に第一の実施形態の充電設備決定装置1の構成と機能とを含む。
【0032】
図3を参照して、本実施形態の無人飛行体2の構成について詳細に説明する。無人飛行体2は、位置測位部21と蓄電量算出部22と送受信部23と飛行制御部24とを含む。
【0033】
位置測位部21は、無人飛行体2の位置を測位する。例えば、位置測位部21は、GPS(Global Positioning System)における衛星からの信号を受信して測位を行う。位置測位部21は、GPSに限らず他のGNSS(Global Navigation Satellite System)における衛星等から信号を受信して測位を行うように構成されていてもよい。
【0034】
蓄電量算出部22は、無人飛行体2のバッテリー(図示せず)の現在の蓄電量を算出する。例えば、蓄電量算出部22は、バッテリーの端子電圧を測定して現在の蓄電量を算出する電圧測定方式で蓄電量を算出する。なお、この方法以外にも、蓄電量を算出する方法には、任意の方法を用いることができる。
【0035】
送受信部23は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を関連付けて制御装置3に送信する。無人飛行体識別情報は、無人飛行体の各々を識別可能な情報である。
【0036】
あるいは、送受信部23は、リモートID(remote identification)と蓄電量情報とを関連付けて制御装置3に送信してもよい。リモートIDは、無人飛行体2が飛行中に制御装置3に送信する信号に含まれる情報である。リモートIDには、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、無人飛行体2の所有者を識別可能な情報、及び無人飛行体2の位置情報等が含まれる。
【0037】
送受信部23は、飛行制御情報を制御装置3から受信する。
【0038】
飛行制御部24は、飛行制御情報に基づき無人飛行体2を制御する。具体的には、飛行制御部24は、飛行制御情報に基づき無人飛行体2のプロペラ(図示せず)の回転を制御することにより、無人飛行体2の移動方向及び姿勢を制御する。
【0039】
飛行制御部24の制御によって、無人飛行体2は、充電設備決定装置4によって決定された充電設備へ向かう。充電設備決定装置4によって決定された充電設備へ向かった無人飛行体2は、充電設備の充電台の上に着陸する。充電台に着陸した無人飛行体2は、無線給電によりバッテリーが充電される。
【0040】
なお、無人飛行体2のバッテリーは、有線給電により充電されてもよい。無人飛行体2のバッテリーが有線給電により充電される場合、充電設備の充電台には、充電プラグの差し込み口と接続装置とが備えられる。接続装置は、無人飛行体2の充電プラグの差し込み口への挿抜を自動で行う。例えば、無人飛行体2は、充電台の上に着陸した後、充電プラグを備える充電ケーブルを差し込み口の方向に繰り出す。充電台の接続装置は、繰り出された無人飛行体2の充電ケーブルの充電プラグを差し込み口に挿入する。また、無人飛行体2のバッテリーの充電が終了した場合、接続装置は、無人飛行体2の充電ケーブルの充電プラグを差し込み口から抜く。
【0041】
図3を参照して、本実施形態の制御装置3の構成について詳細に説明する。制御装置3は、送受信部31と算出部32と判定部33と制御情報生成部34と飛行計画記憶部35と無人飛行体情報記憶部36とを含む。
【0042】
制御装置3は、無人飛行体2の制御を行う。制御装置3は、1つ又は2つ以上の複数の無人飛行体の制御を行う。例えば、制御装置3は、無人飛行体を用いて荷物の運搬サービスを提供する配送業者や、無人飛行体を用いて災害への対応等を行う官公庁や自治体や、その他無人飛行体を運用する団体等により用いられる。制御装置3は、任意の場所に設置されることができる。例えば、制御装置3は、配送業者、官公庁、自治体、またはその他無人飛行体を運用する団体等のサーバールームに設置される。
【0043】
制御装置3は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を取得する。制御装置3は、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を生成する。制御装置3は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を充電設備決定装置4に送信する。また、制御装置3は、送信した各情報に基づいて充電設備決定装置4で決定された充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を充電設備決定装置4から受信する。時間帯情報については後述する。制御装置3は、設備位置情報に示される位置に到着するように無人飛行体2を飛行させる飛行制御情報を生成する。制御装置3は、飛行制御情報を無人飛行体2に送信することで、無人飛行体2の制御を行う。
【0044】
まず、航続可能範囲を把握可能な情報を充電設備決定装置4に送信する場合について本実施形態の制御装置3の各構成の動作を詳細に説明する。
【0045】
送受信部31は、無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を無人飛行体(本例では、無人飛行体2)から受信する。送受信部31は、受信した無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を関連付けて算出部32に出力する。
【0046】
なお、送受信部31が、リモートIDと蓄電量情報とを受信した場合、送受信部31は次の動作を行う。送受信部31は、蓄電量情報とリモートIDに含まれる無人飛行体2の無人飛行体識別情報と無人飛行体2の位置情報とを関連付けて算出部32に出力する。
【0047】
算出部32は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報に関連付けられて飛行計画記憶部35に記憶されている飛行計画情報を読み出す。
【0048】
飛行計画記憶部35には、無人飛行体の飛行計画情報が予め記憶される。利用者の入出力インタフェース(図示せず)の操作入力に応じて飛行計画情報が飛行計画記憶部35に記憶されてもよい。あるいは、制御装置3の取得部(図示せず)は、所定の頻度で飛行計画情報が記憶又は更新される外部のサーバーから飛行計画情報を取得してもよい。取得部は、飛行計画情報を取得する都度、飛行計画情報を飛行計画記憶部35に記憶させてもよい。
【0049】
飛行計画情報は、無人飛行体(本例では、無人飛行体2)の飛行計画を示す。具体的には、飛行計画情報には、無人飛行体の無人飛行体識別情報、飛行計画識別情報、用途情報、重量情報、作業開始日時情報、出発地情報、出発日時情報、目的地情報、到着日時情報、及び飛行経路情報が含まれる。飛行計画識別情報は、飛行計画を識別するための情報である。用途情報は、無人飛行体の用途を示す。重量情報は、無人飛行体が運搬する荷物の重量を示す。作業開始日時情報は、無人飛行体が用途に応じた作業を開始する日時を示す。出発地情報は、無人飛行体の出発地を示す。出発日時情報は、無人飛行体の出発日時を示す。目的地情報は、無人飛行体の目的地を示す。到着日時情報は、無人飛行体の目的地への到着日時を示す。飛行経路情報は、飛行経路を示す。
【0050】
算出部32は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報に関連付けられて無人飛行体情報記憶部36に記憶されている飛行能力情報を読み出す。
【0051】
無人飛行体情報記憶部36には、無人飛行体の飛行能力を示す情報である飛行能力情報記憶される。例えば、飛行能力情報は、無人飛行体の飛行可能時間や飛行可能距離を示す情報である。
【0052】
算出部32は、無人飛行体2の蓄電量情報、飛行計画記憶部35から読み出した飛行計画情報の重量情報、及び無人飛行体情報記憶部36から読み出した飛行能力情報に基づき、航続可能範囲を把握可能な情報を生成する。本実施形態では、航続可能範囲を把握可能な情報には、航続可能な距離を示す情報と無人飛行体2の位置情報とが含まれる。
【0053】
判定部33は、無人飛行体(本例では、無人飛行体2)が充電設備を使用する必要があるか否かを判定する。判定部33は、無人飛行体2が充電設備を使用する必要があると判定した場合、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を関連付けて送受信部31に出力する。判定部33の具体的な判定の動作については、動作の説明において説明する。
【0054】
送受信部31には、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報が判定部33から入力される。送受信部31は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を関連付けて充電設備決定装置4に送信する。
【0055】
次に、本実施形態の制御装置3の各構成の動作を無人飛行体2に飛行制御情報を送信する場合について詳細に説明する。
【0056】
送受信部31は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、充電設備決定装置4で決定された充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を充電設備決定装置4から受信する。時間帯情報には、無人飛行体2が充電設備の使用を開始する日時を示す開始日時情報と充電設備の使用を終了する日時を示す終了日時情報とが含まれる。
【0057】
制御情報生成部34は、時間帯情報の開始日時情報に示される日時において設備位置情報に示される位置に到着するように無人飛行体2を飛行させる飛行制御情報を生成する。例えば、制御情報生成部34は、設備位置情報に示される充電設備の充電台に着陸するように無人飛行体2を飛行させる飛行制御情報を生成する。すなわち、設備位置情報に示される位置は、充電台の位置であってもよい。
【0058】
なお、制御情報生成部34は、出発地から現在位置、現在位置から設備位置情報に示される位置の充電設備、及び設備位置情報に示される位置の充電設備から目的地までの飛行経路の飛行計画情報を生成してもよい。例えば、制御情報生成部34により生成される飛行計画情報の飛行経路には、現在位置から設備位置情報に示される位置の充電設備に、時間帯情報の開始日時情報に示される日時に到着する飛行経路が含まれる。例えば、制御情報生成部34により生成される飛行計画情報の飛行経路には、時間帯情報の終了日時情報に示される日時において充電設備を出発して目的地に到着する飛行経路が含まれる。制御情報生成部34は、飛行計画記憶部35に記憶されている無人飛行体2の飛行計画情報を生成した飛行計画情報に置き換えてもよい。
【0059】
送受信部31は、飛行制御情報を無人飛行体2に送信する。
【0060】
図3を参照して、本実施形態の充電設備決定装置4の構成について詳細に説明する。充電設備決定装置4は、取得部41、設定部42、及び決定部43を含む。決定部43は、少なくとも算出部44から入力を受ける。送信部45は少なくとも決定部43から入力を受ける。設備情報記憶部46については後述する。
【0061】
充電設備決定装置4は、無人飛行体(本例では、無人飛行体2)に使用させる充電設備を決定する。例えば、充電設備決定装置4は、充電設備を管理する管理業者によって用いられる。充電設備決定装置4が制御装置3の機能を備えてもよい。充電設備決定装置4が制御装置3の機能を備える場合、取得部41が取得する無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報は、例えば、無人飛行体2から送信された位置情報及び蓄電量情報である。充電設備決定装置4の取得部41、設定部42、及び決定部43は、少なくとも1つの無人飛行体を対象に処理を実行する。充電設備決定装置4の取得部41、設定部42、及び決定部43は、2以上の複数の無人飛行体を対象に処理を実行してもよい。充電設備決定装置4は、任意の場所に設置されることができる。例えば、充電設備決定装置4は、充電設備を管理する管理業者のサーバールームに設置される。
【0062】
本実施形態では、充電設備決定装置4が飛行中の無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する場合を例に説明する。あるいは、充電設備決定装置4は、無人飛行体2の運用者が飛行の計画を作成する場合に用いられてもよい。
【0063】
本実施形態では、充電設備が設けられた充電エリアには、1つ又は2以上の複数の充電設備が設けられている場合を例に説明する。充電エリアは、例えば、無人飛行体を含む飛行体が特定の方向に飛行可能な空域であるコリドーに沿って設けられる。なお、充電エリアは任意の位置に設けられることができる。充電エリアでは、無人飛行体の点検サービスや修理サービスが提供されてもよい。例えば、無人飛行体を撮影するカメラが充電エリアに設けられ、遠隔地から点検員が無人飛行体の画像を見て外観を点検してもよい。あるいは、無人飛行体を撮影するX線カメラが充電エリアに設けられ、X線カメラによる画像を点検員が確認してもよい。例えば、点検員は、X線カメラによって撮影された無人飛行体の内部の構造の健全性を点検する。
【0064】
取得部41は、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する。本実施形態では、取得部41は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を制御装置3から受信することにより、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する。
【0065】
設定部42は、無人飛行体2に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する。優先度の設定について、具体的に説明する。
【0066】
設定部42は、無人飛行体2の用途についての所定の条件に基づき優先度を設定する。具体的には、例えば、設定部42は、飛行計画情報の用途情報に示される用途が、緊急事態に対応するために無人飛行体が用いられるという用途についての所定の条件を満たすか否かを確認する。あるいは、例えば、設定部42は、無人飛行体2が消防署又は消防局に配備されている場合、設定部42は、緊急事態に対応するために用いられる無人飛行体として通常の用途に用いられる無人飛行体よりも高い優先度を設定する。
【0067】
緊急事態は、例えば、山火事である。山火事が発生した場所の上空で消火剤の散布を行う無人飛行体が、消火のために山火事の発生場所へ向かう場合、設定部42は、荷物を運搬する通常の用途に用いられる無人飛行体よりも山火事の消火に用いられる無人飛行体に高い優先度を設定する。
【0068】
あるいは、緊急事態は、震災である。設定部42は、通常の用途に用いられる無人飛行体よりも被災地への救援物資の運搬に用いられる無人飛行体に高い優先度を設定する。
【0069】
つまり、設定部42は、緊急事態に用いられる無人飛行体(つまり、緊急事態に用いられるという条件に合致した無人飛行体)に対してより高い優先度(例えば、「5」)を設定する。設定部42は、通常時に用いられる無人飛行体(つまり、緊急事態に用いられるという条件に合致しない無人飛行体)に対してより低い優先度(例えば、「1」)を設定する。
【0070】
設定部42は、無人飛行体2の作業開始日時についての条件に基づき優先度を設定する。具体的には、設定部42は、飛行計画情報の作業開始日時情報に示される作業開始日時が現在日時により近い無人飛行体に、作業開始日時が現在日時により遠い無人飛行体の優先度より高い優先度を設定する。
【0071】
設定部42は、優先度の設定の対象の無人飛行体2が充電設備を優先して使用できるという条件に基づいて優先度を設定してもよい。具体的に、設定部42は、充電設備を優先して使用できるか否かを示す情報に基づいて、充電設備を優先して使用できる無人飛行体2に、充電設備を優先して使用できない無人飛行体よりも高い優先度を設定してもよい。例えば、無人飛行体2の所有者が、充電設備を優先して使用できるサービスに加入している場合が想定される。充電設備を優先して使用できるサービスに所有者が加入している場合、充電設備を優先して使用できることを示す情報が、その所有者の無人飛行体の飛行計画情報に含まれる。設定部42は、充電設備を優先して使用できることを示す情報が飛行計画情報に含まれる場合、無人飛行体2が、充電設備を優先して使用できるという条件を満たし、充電設備を優先して使用できると判定する。設定部42は、充電設備を優先して使用できない無人飛行体より、充電設備を優先して使用できると判定した無人飛行体2に高い優先度を設定する。
【0072】
設定部42は、無人飛行体が運搬する荷物についての条件に基づき優先度を設定してもよい。例えば、無人飛行体が運搬する荷物を通常の荷物より早く配達することを示す情報が飛行計画情報に含まれてもよい。例えば、無人飛行体2が運搬する荷物を通常の荷物より早く配達することを示す情報が飛行計画情報に含まれる場合、設定部42は、通常の荷物より早く配達する荷物を運搬する無人飛行体2に、通常の荷物を運搬する無人飛行体よりも高い優先度を設定する。
【0073】
設定部42は、無人飛行体のこれから飛行する距離についての条件に基づき優先度を設定してもよい。例えば、設定部42は、無人飛行体の現在位置から目的地までの距離が長い無人飛行体により高い優先度を設定してもよい。あるいは、設定部42は、無人飛行体の航続可能な距離についての条件に基づき優先度を設定してもよい。設定部42は、航続可能範囲を把握可能な情報に基づき飛行可能な距離が所定の閾値より短い無人飛行体に、飛行可能な距離が所定の閾値以上の無人飛行体よりも高い優先度を設定してもよい。飛行可能な距離が所定の閾値より短い場合、墜落する可能性があり充電の緊急性が高い無人飛行体であることが想定される。
【0074】
また、設定部42は、無人飛行体の現在の蓄電量についての条件に基づき優先度を設定してもよい。例えば、設定部42は、無人飛行体の現在の蓄電量が少ないほど、無人飛行体に高い優先度を設定してもよい。また、例えば、設定部42は、無人飛行体の現在の蓄電量が所定の値よりも少ないという条件に合致した場合に、当該無人飛行体に用途に応じて設定された優先度をより高い優先度(例えば、1段階高い優先度)に設定するように構成されていてもよい。
【0075】
なお、設定部42は、複数の無人飛行体の用途等に応じて互いに異なる優先度を設定するように構成されてもよい。
【0076】
設定部42は、例示した所定の条件のうち、いずれか一つを用いてもよいし、2以上の複数の所定の条件を用いてもよい。なお、所定の条件には、例示した条件以外にも任意の条件を設定部42が用いることが可能である。例えば、複数個所で山火事が発生している場合や、広範囲で山火事が発生している場合、複数の無人飛行体が山火事の消火に用いられることが想定される。用途についての条件の優先度が同じ複数の無人飛行体の中に、作業開始日時が異なる、すなわち、作業開始日時についての優先度が異なる無人飛行体が含まれることが想定される。
【0077】
2以上の複数の所定の条件を用いる場合、設定部42は、第1の所定の条件で優先度を設定し、第1の所定の条件の優先度で決定部43が充電設備を決定できない場合に用いる第2の所定の条件の優先度を設定してもよい。例えば、第2の所定の条件は、第1の所定の条件とは異なる種類の条件である。
【0078】
また、決定部43は、第1の所定の条件の優先度に基づいて充電設備を決定できない場合に、第2の所定の条件の優先度を対象に無人飛行体2の充電設備の決定を行う。例えば、設定部42は、用途についての所定の条件の優先度を設定し、充電設備を決定できない場合に用いられる作業開始日時についての所定の条件の優先度を設定する。
【0079】
あるいは、2以上の複数の所定の条件を用いる場合、設定部42は、所定の条件毎に設定した優先度を加算した加算優先度を算出してもよい。あるいは、設定部42は、所定の条件毎に設定した優先度を、予め設定された優先度毎の重要度に応じて重みを付けて集計した値である重み優先度を算出してもよい。
【0080】
なお、加算優先度又は重み優先度を算出した場合、設定部42は、優先度の代わりに加算優先度又は重み優先度を決定部43に出力する。後述する決定部43と送信部45とは、加算優先度又は重み優先度を対象に処理を実行する。
【0081】
算出部44は、取得部41が取得した無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて航続可能範囲を算出する。具体的には、算出部44は、航続可能範囲を把握可能な情報に含まれる航続可能な距離を示す情報と位置情報とに基づき、航続可能範囲を算出する。例えば、算出部44は、位置情報に示される無人飛行体2の現在位置から航続可能な距離を示す情報に示される距離内で到達可能な範囲を航続可能範囲として算出する。
【0082】
決定部43は、算出部44が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する。
【0083】
決定部43は、航続可能範囲内の設備位置情報に関連付けられた充電設備管理情報を設備情報記憶部46から読み出す。
【0084】
充電設備管理情報には、充電設備識別情報、充電エリア識別情報、設備位置情報、使用状況情報、無人飛行体識別情報、優先度情報、及び時間帯情報が含まれる。充電設備識別情報は、充電設備の各々を識別可能な情報である。充電エリア識別情報は、充電エリアの各々を識別可能な情報である。設備位置情報は、充電設備の各々の位置を示す。設備情報記憶部46には、充電設備を使用する予定、又は充電設備を使用している無人飛行体の無人飛行体識別情報、使用状況情報、優先度情報、及び時間帯情報が充電設備識別情報と関連付けられて記憶される。使用状況情報は、充電設備の使用状況を示す。優先度情報は、充電設備を使用する無人飛行体に設定された優先度を示す。時間帯情報は、充電設備を無人飛行体が使用する時間帯を示す情報である。時間帯情報には、充電設備の使用を開始する日時を示す開始日時情報と充電設備の使用を終了する日時を示す終了日時情報とが含まれる。
【0085】
設備情報記憶部46には、充電設備管理情報が記憶される。
図4は、充電設備決定装置4の設備情報記憶部46に記憶される充電設備管理情報の一例を示す図である。
図4では、充電設備識別情報が「CFID1」、「CFID2」、「CFID3」、「CFID4」、及び「CFID5」である充電設備の各々について、充電設備管理情報の例が示される。
【0086】
決定部43は、読み出した充電設備管理情報に基づき充電設備を特定する。具体的には、決定部43は、使用状況情報に示される使用状況が使用可能であることを示す充電設備と、設定部42により設定された優先度情報に示される優先度より低い優先度が関連付けられた他の無人飛行体が使用する充電設備とを特定する。なお、他の無人飛行体は、無人飛行体2以外の無人飛行体である。
【0087】
例えば、
図4に示される充電設備管理情報が設備情報記憶部46に記憶され、かつ、設定部42により設定された優先度情報に示される優先度が「3」を示したとする。また、優先度は、値が大きいほど優先されるべき無人飛行体であることを示すとする。この場合、決定部43は、使用状況が使用可能であることを示す充電設備として、使用状況情報に示される使用状況が「予約可」である充電設備識別情報が「CFID3」、及び「CFID4」の充電設備を特定する。また、決定部43は、設定部42により設定された優先度情報に示される優先度(本例では、「3」)より低い優先度が関連付けられた他の無人飛行体が使用する充電設備識別情報が「CFID1」、及び「CFID5」の充電設備を特定する。なお、「他の無人飛行体が使用する充電設備」とは、他の無人飛行体が現在使用している充電設備(
図4の例では、使用状況情報に示される使用状況が「使用中」の充電設備)であってもよい。あるいは、「他の無人飛行体が使用する充電設備」とは、他の無人飛行体が使用する予定の充電設備(
図4の例では、使用状況情報に示される使用状況が「予約済み」の充電設備)であってもよい。
【0088】
決定部43は、特定した充電設備から無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する。例えば、決定部43は、次の方法で無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する。決定部43は、無人飛行体2の飛行予定経路にある充電設備を無人飛行体2使用させる充電設備として決定する。
【0089】
決定部43は、無人飛行体2に決定した充電設備を使用させる時間帯を決定する。例えば、決定部43は、予定日時から、無人飛行体2が目的地に到達可能な蓄電量にバッテリーが至る日時までの時間帯を決定して、決定した時間帯を示す時間帯情報を生成する。なお、決定部43は、予定日時から無人飛行体2のバッテリーが上限まで充電されるまでの時間帯を決定してもよい。決定部43は、決定した充電設備の設備情報記憶部46に記憶された充電設備管理情報を更新する。例えば、決定部43は、設備情報記憶部46に記憶された充電設備管理情報の使用状況情報(「予約済み」)、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、設定部42により設定された優先度情報、及び時間帯情報を更新する。
【0090】
決定部43は、無人飛行体2に決定した充電設備を使用させる時間帯を決定する場合に、無人飛行体2を充電設備の空中で待機させる時間帯を決定してもよい。例えば、他の無人飛行体が充電を終了するまで無人飛行体2を充電設備の空中で待機させることが可能である場合、決定部43は、他の無人飛行体が充電を終了するまで無人飛行体2を充電設備の空中で待機させる時間帯を決定する。航続可能範囲を把握可能な情報には、無人飛行体2の飛行可能な時間を示す情報が含まれてもよい。決定部43は、無人飛行体2の飛行可能な時間を示す情報に基づき、他の無人飛行体が充電を終了するまで無人飛行体2を充電設備の空中で待機させることが可能か否かを判定してもよい。決定部43は、待機させる時間帯の後に無人飛行体2が充電設備を用いる時間帯を決定する。他の無人飛行体が充電を終了するまで無人飛行体2を充電設備の空中で待機させることができない場合、決定部43は決定済みの充電設備ではなく他の充電設備を決定してもよいし、他の無人飛行体を決定済みの充電設備から除いてもよい。他の無人飛行体を決定済みの充電設備から除く場合について、変形例で詳細を説明する。
【0091】
送信部45は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、決定された充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を関連付けて制御装置3に送信する。なお、制御装置3の記憶部(図示せず)が設備位置情報と充電設備識別情報とを関連付けて記憶している場合、決定部43は、設備位置情報の代わりに充電設備識別情報を送信部45に送信させてもよい。
【0092】
このように、充電設備決定装置4は、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を取得し、無人飛行体2に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する。充電設備決定装置4は、航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する。充電設備決定装置4が、航続可能範囲と優先度とに基づき無人飛行体2に使用させる充電設備を決定することにより、決定された充電設備を無人飛行体2に使用させることができる。これにより、無人飛行体2の充電設備での充電待ちを減らすことが可能になる。
【0093】
次に、
図5を参照して、本実施形態の充電設備決定システムの動作例を説明する。
図5は、充電設備決定システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0094】
無人飛行体2の位置測位部21は、無人飛行体2の位置を測位する。位置測位部21は、測位した位置を示す位置情報を送受信部23に出力する。蓄電量算出部22は、無人飛行体2のバッテリーの蓄電量を算出する(ステップS201)。蓄電量算出部22は、算出した蓄電量を示す蓄電量情報を送受信部23に出力する。なお、位置測位部21と蓄電量算出部22とは、任意の順序で動作を行う。
【0095】
送受信部23には、位置情報が位置測位部21から入力される。送受信部23には、蓄電量情報が蓄電量算出部22から入力される。送受信部23は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を関連付けて制御装置3に送信する(ステップS202)。
【0096】
制御装置3の送受信部31は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を受信する。送受信部31は、受信した無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を関連付けて算出部32に出力する。
【0097】
算出部32には、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報が送受信部31から入力される。算出部32は、蓄電量情報に示される蓄電量の無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を生成する(ステップS203)。具体的には、算出部32は、蓄電量情報に示される蓄電量の無人飛行体2が航続可能な距離を算出する。算出部32は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、及び無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報と関連付けて判定部33に出力する。本実施形態では、航続可能範囲を把握可能な情報には、航続可能な距離を示す情報と無人飛行体2の位置情報とが含まれる。
【0098】
ステップS203において、例えば、算出部32は、次のように無人飛行体2が航続可能な距離を算出する。例えば、算出部32は、無人飛行体2の蓄電量情報、飛行計画記憶部35から読み出した飛行計画情報の重量情報、及び無人飛行体2の位置情報に基づき無人飛行体2が航続可能な距離を算出する。なお、この方法以外にも、航続可能な距離を算出する方法には、任意の方法を用いることができる。
【0099】
判定部33には、位置情報と無人飛行体2の無人飛行体識別情報と航続可能範囲を把握可能な情報とが算出部32から入力される。判定部33は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報に関連付けられて飛行計画記憶部35に記憶されている飛行計画情報を読み出す。判定部33は、位置情報に示される無人飛行体2の現在位置から飛行計画情報に含まれる目的地情報に示される目的地まで、飛行経路情報に示される飛行経路に応じて無人飛行体2が飛行する距離である予定飛行距離を算出する。
【0100】
判定部33は、無人飛行体2が充電設備を使用する必要があるか否かを判定する(ステップS204)。判定部33は、航続可能な距離を示す情報に示される距離が予定飛行距離よりも長いと判定した場合、無人飛行体2が充電設備を使用する必要が無いと判定する。判定部33は、航続可能な距離を示す情報に示される距離が予定飛行距離よりも短いと判定した場合、無人飛行体2が充電設備を使用する必要があると判定する。判定部33は、無人飛行体2が充電設備を使用する必要があると判定した場合、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を関連付けて送受信部31に出力する。判定部33が無人飛行体2が充電設備を使用する必要が無いと判定した場合、送受信部31は後述するステップS205の動作を行わない。
【0101】
送受信部31は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を関連付けて充電設備決定装置4に送信する(ステップS205)。
【0102】
充電設備決定装置4の取得部41は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を制御装置3から受信することにより、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する。取得部41は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を関連付けて設定部42に出力する。
【0103】
設定部42は、無人飛行体2に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する(ステップS206)。設定部42は、設定した優先度を示す優先度情報、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を関連付けて算出部44に出力する。
【0104】
算出部44には、優先度情報、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報が設定部42から入力される。算出部44は、取得部41が取得した無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて航続可能範囲を算出する。算出部44は、算出した航続可能範囲を示す情報、優先度情報、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、及び飛行計画情報を決定部43に入力する。
【0105】
なお、充電設備決定装置4の取得部41が、無人飛行体2の位置情報と、無人飛行体2の蓄電量情報と、無人飛行体2の飛行能力情報とを含む航続可能範囲を把握可能な情報を取得してもよい。充電設備決定装置4の算出部44は、制御装置3の算出部32のステップS203の動作と同様に、航続可能な距離を算出してもよい。
【0106】
決定部43には、航続可能範囲を示す情報、優先度情報、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、及び飛行計画情報が算出部44から入力される。決定部43は、算出部44が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する(ステップS207)。決定部43は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、決定した充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を関連付けて送信部45に出力する。
【0107】
送信部45は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、決定した充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を関連付けて制御装置3に送信する(ステップS208)。
【0108】
制御装置3の送受信部31は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、決定された充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を充電設備決定装置4から受信する。送受信部31は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、決定された充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を関連付けて制御情報生成部34に出力する。
【0109】
制御情報生成部34には、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、設備位置情報、及び時間帯情報が送受信部31から入力される。制御情報生成部34は、時間帯情報の開始日時情報に示される日時において設備位置情報に示される位置に到着するように無人飛行体2を飛行させる飛行制御情報を生成する(ステップS209)。制御情報生成部34は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報と生成した飛行制御情報とを関連付けて送受信部31に出力する。
【0110】
送受信部31には、無人飛行体2の無人飛行体識別情報と飛行制御情報とが制御情報生成部34から入力される。送受信部31は、飛行制御情報を無人飛行体2に送信する(ステップS210)。
【0111】
無人飛行体2の送受信部23は、飛行制御情報を制御装置3から受信する。送受信部23は、受信した飛行制御情報を飛行制御部24に出力する。
【0112】
飛行制御部24には、飛行制御情報が送受信部23から入力される。飛行制御部24は、飛行制御情報に基づき無人飛行体2を制御する。充電設備決定装置4によって決定された充電設備へ向かった無人飛行体2は、充電設備の充電台の上に着陸する。充電台に着陸した無人飛行体2は、充電台から電力の供給を受けてバッテリーが充電される(ステップS211)。
【0113】
なお、無人飛行体2が充電設備を使用する必要があるか否かにかかわらず、充電設備決定装置4は、充電設備の決定を要求された場合に充電設備を決定してもよい。例えば、無人飛行体識別情報、位置情報、及び蓄電量情報を無人飛行体2から受信する都度、制御装置3の送受信部31は、ステップS205の動作を行う。判定部33は、ステップS204の動作を行わない。充電設備決定装置4の設定部42は、ステップS206の動作を行う。決定部43は、ステップS207において無人飛行体2に使用させる充電設備の候補を少なくとも1つ決定し、送信部45は、ステップS208において決定した充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を関連付けて制御装置3に送信する。利用者の充電設備を選択する操作入力を制御装置3の入出力インタフェース(図示せず)を介して受けた制御装置3は、利用者の操作入力に応じて選択された充電設備の使用許可を充電設備決定装置4に要求する。充電設備決定装置4の決定部43は、選択された充電設備について設備情報記憶部46に記憶された充電設備管理情報を更新する。充電設備決定装置4の送信部45は、選択された充電設備を対象にステップS208の動作を行う。制御装置3は、ステップS209からステップS210の動作を行う。無人飛行体2はステップS211の動作を行う。
【0114】
次に、
図6を参照して、充電設備決定装置4の動作を説明する。
図6の動作は、
図5のステップS206からステップS208の動作を詳述するものである。
【0115】
取得部41は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、航続可能範囲を把握可能な情報、及び飛行計画情報を制御装置3から受信することにより、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する(ステップS301)。
【0116】
設定部42は、無人飛行体2に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する(ステップS302)。
【0117】
算出部44は、取得部41が取得した航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて航続可能範囲を算出する(ステップS303)。
【0118】
決定部43は、算出部44が算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する(ステップS304)。
【0119】
決定部43は、無人飛行体2に決定した充電設備を使用させる時間帯を決定する(ステップS305)。決定部43は、決定した充電設備について設備情報記憶部46に記憶された充電設備管理情報を更新する(ステップS306)。
【0120】
送信部45は、無人飛行体2の無人飛行体識別情報、決定された充電設備の設備位置情報、及び時間帯情報を関連付けて制御装置3に送信する(ステップS307)。
【0121】
以上で説明したように、本実施形態の充電設備決定装置4は、無人飛行体2の航続可能範囲を把握可能な情報を取得し、無人飛行体2に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する。充電設備決定装置4は、航続可能範囲を把握可能な情報に基づいて算出した航続可能範囲、及び優先度に基づいて、無人飛行体2に使用させる充電設備を決定する。充電設備決定装置4が、航続可能範囲と優先度とに基づき無人飛行体2に使用させる充電設備を決定することにより、決定された充電設備を無人飛行体2に使用させることができる。これにより、無人飛行体の充電設備での充電待ちを減らすことが可能になる。
【0122】
また、本実施形態の充電設備決定装置4は、航続可能範囲と優先度とに応じて無人飛行体に使用させる充電設備を決定する。これにより、充電設備決定装置4は、震災や山火事で充電エリアから作業員が避難し、作業員による無人飛行体2のバッテリーの充電ができない場合や、無人の充電エリアの場合であっても、優先度に応じて無人飛行体2のバッテリーを充電させることができる。人手を介さずに1つ又は2以上の複数の無人飛行体を自動給電させることができる。
【0123】
また、充電設備決定装置4は、充電すべき無人飛行体からリモートID又は無人飛行体識別情報に関連付けられて送信された蓄電量情報を受信した制御装置3から、無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する都度、充電設備を決定する。これにより、充電設備決定装置4は、リアルタイムに無人飛行体に使用させる充電設備を優先度に応じて管理することができる。
【0124】
また、本実施形態の充電設備決定装置4は、2以上の複数の所定の条件を用いて無人飛行体2の優先度を設定する。これにより、本実施形態の充電設備決定装置4は、所定の条件のうち、ある所定の条件についての優先度が等しい場合であっても他の条件の優先度に基づき無人飛行体2の充電設備を決定することができる。
【0125】
また、使用可能な充電設備のうち無人飛行体2の飛行予定経路にある充電設備を無人飛行体2に使用させると本実施形態の充電設備決定装置4は決定する。これにより、充電設備決定装置4は、無人飛行体2の経路上の充電設備で無人飛行体2のバッテリーを充電させることができる。
【0126】
[第二の実施形態の変形例]
第二の実施形態の変形例の充電設備決定装置は、他の無人飛行体を無人飛行体2に決定済みの充電設備から除く点で第二の実施形態の充電設備決定装置4と異なる。
【0127】
本変形例の決定部は、設定部42により設定された優先度情報に示される優先度より低い優先度が関連付けられた他の無人飛行体が使用する充電設備を無人飛行体2に使用させる充電設備として決定する。
【0128】
本変形例の決定部は、無人飛行体2に充電設備を使用させる予定日時において他の無人飛行体のバッテリーに充電される蓄電量を予測する。例えば、予定日時は、無人飛行体2が現在位置から充電設備の設備位置情報に示される位置に到達する日時である。
【0129】
決定部は、目的地に他の無人飛行体が到達可能な電力量が他の無人飛行体のバッテリーに充電されると予測した場合、次の動作を行う。決定部は、他の無人飛行体の充電設備管理情報を、他の無人飛行体が予定日時まで充電設備を使用するように更新する。また、決定部は、他の無人飛行体を予定日時において他の無人飛行体の目的地へ向かわせるように他の無人飛行体の制御を行うことを送信部45を介して他の無人飛行体を制御する制御装置に要求する。具体的には、決定部は、無人飛行体2に決定された充電設備で予定日時まで充電した後に目的地へ向かうように他の無人飛行体を制御することを他の無人飛行体の制御装置に要求する。
【0130】
決定部は、目的地に他の無人飛行体が到達可能な電力量が他の無人飛行体のバッテリーに充電されないと予測した場合、次の処理を行う。決定部は、無人飛行体2に使用させると決定した充電設備の次に他の無人飛行体に使用させる充電設備を決定する。決定部は、他の無人飛行体の使用する充電設備の充電設備管理情報、他の無人飛行体に次に使用させる充電設備の充電設備管理情報、及び無人飛行体2に関する充電設備の充電設備管理情報を更新する。また、決定部は、他の無人飛行体を制御する制御装置に他の無人飛行体の制御を送信部45を介して要求する。具体的には、決定部は、予定日時まで無人飛行体2に決定された充電設備で充電した後に、次に使用させると決定した充電設備へ向かうように他の無人飛行体を制御することを他の無人飛行体の制御装置に要求する。
【0131】
あるいは、決定部は、目的地に他の無人飛行体が到達可能な電力量が他の無人飛行体のバッテリーに充電されないと予測した場合、次の処理を行ってもよい。決定部は、他の無人飛行体の充電設備管理情報を、他の無人飛行体が予定日時まで充電設備を使用するように更新する。決定部は、開始日時情報に示される日時までの充電時間に基づき他の無人飛行体が無人飛行体2の開始日時情報に示される日時から終了日時情報に示される日時まで空中で待機可能か否かを判定する。待機可能と判定した場合に、決定部は、予定日時まで無人飛行体2に決定された充電設備で他の無人飛行体を充電させた後に、無人飛行体2の終了日時情報に示される日時まで空中で他の無人飛行体を待機させることを他の無人飛行体の制御装置に要求する。また、決定部は、無人飛行体2の終了日時情報に示される日時以後同じ充電設備を他の無人飛行体に再度使用させることを他の無人飛行体の制御装置に要求する。
【0132】
なお、決定部は、目的地に他の無人飛行体が到達可能な電力量が他の無人飛行体のバッテリーに充電されないと予測した場合、無人飛行体2に使用させる充電設備として決定しなくてもよい。決定部は、その他の使用可能な充電設備と他の無人飛行体が使用する充電設備とから、無人飛行体2に使用させる充電設備を決定してもよい。
【0133】
このように処理を行うことにより、本変形例の充電設備決定装置は、優先度が無人飛行体2より低い他の無人飛行体が使用する予定だった充電設備を無人飛行体2が使用する充電設備として決定することができる。また、充電設備決定装置4は、他の無人飛行体の予定日時における蓄電量に応じた制御を他の無人飛行体の制御装置に要求するので、他の無人飛行体の充電と無人飛行体2の充電とを両立することができる。
【0134】
[ハードウェア構成例]
上記した各実施形態に示した手順は、充電設備決定装置として機能する情報処理装置(コンピュータ)に、これらの装置としての機能を実現させる充電設備決定プログラムにより実現可能である。情報処理装置は、当該プログラムにより充電設備決定方法を実行する。以下、上述した本発明の各実施形態における充電設備決定装置(1、4)の各々を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、充電設備決定装置は、物理的又は機能的に少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現してもよい。また、充電設備決定装置は、専用の装置として実現してもよい。また、充電設備決定装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現してもよい。
【0135】
図7は、本発明における各実施形態の充電設備決定装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置5は、通信インタフェース51、入出力インタフェース52、演算装置53、記憶装置54、不揮発性記憶装置55及びドライブ装置56を含む。
【0136】
例えば、
図1の充電設備決定装置1の取得部11は、通信インタフェース51及び演算装置53で実現することが可能である。
図1の充電設備決定装置1の設定部12及び決定部13は、演算装置53で実現することが可能である。
【0137】
通信インタフェース51は、各実施形態の充電設備決定装置が、有線あるいは/及び無線で外部装置と通信するための通信手段である。なお、充電設備決定装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース51経由で相互に通信可能なように接続してもよい。
【0138】
入出力インタフェース52は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0139】
演算装置53は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置や複数の電気回路によって実現される。演算装置53は、例えば、不揮発性記憶装置55に記憶された各種プログラムを記憶装置54に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0140】
記憶装置54は、演算装置53から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置54は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
【0141】
不揮発性記憶装置55は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
【0142】
ドライブ装置56は、例えば、後述する記録媒体57に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
【0143】
記録媒体57は、例えば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0144】
本発明の各実施形態は、例えば、
図7に例示した情報処理装置5により充電設備決定装置を構成してもよい。そして、本発明の各実施形態は、この充電設備決定装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0145】
この場合、充電設備決定装置に対して供給したプログラムを、演算装置53が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、充電設備決定装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置5で構成することも可能である。
【0146】
さらに、上記プログラムを記録媒体57に記録しておき、充電設備決定装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置55に格納されるように、充電設備決定装置を構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して充電設備決定装置の内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0147】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0148】
(付記1)
無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する取得手段と、
前記無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する設定手段と、
前記情報に基づいて算出手段が算出した航続可能範囲、及び前記優先度に基づいて、前記無人飛行体に使用させる充電設備を決定する決定手段と
を備える充電設備決定装置。
【0149】
(付記2)
前記設定手段は、さらに、前記取得手段が取得した前記情報によって示されている前記無人飛行体の蓄電量が所定の値未満である場合に、より高い前記優先度を設定する
付記1に記載の充電設備決定装置。
【0150】
(付記3)
前記設定手段は、前記無人飛行体の作業開始日時と現在日時とに基づき前記優先度を設定する
付記1又は付記2に記載の充電設備決定装置。
【0151】
(付記4)
前記決定手段は、使用可能な充電設備のうち、前記無人飛行体の飛行予定経路にある充電設備を前記無人飛行体に使用させると決定する
付記1から付記3のいずれか1項に記載の充電設備決定装置。
【0152】
(付記5)
前記設定手段は、複数の無人飛行体のそれぞれに互いに異なる優先度を設定する
付記1から付記4のいずれか1項に記載の充電設備決定装置。
【0153】
(付記6)
無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得し、
前記無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定し、
前記情報に基づいて算出された航続可能範囲、及び前記優先度に基づいて、前記無人飛行体に使用させる充電設備を決定する
充電設備決定方法。
【0154】
(付記7)
さらに、取得した前記情報によって示されている前記無人飛行体の蓄電量が所定の値未満である場合に、より高い前記優先度を設定する
付記6に記載の充電設備決定方法。
【0155】
(付記8)
前記無人飛行体の作業開始日時と現在日時とに基づき前記優先度を設定する
付記6又は付記7に記載の充電設備決定方法。
【0156】
(付記9)
使用可能な充電設備のうち、前記無人飛行体の飛行予定経路にある充電設備を前記無人飛行体に使用させると決定する
付記6から付記8のいずれか1項に記載の充電設備決定方法。
【0157】
(付記10)
複数の無人飛行体のそれぞれに互いに異なる優先度を設定する
付記6から付記9のいずれか1項に記載の充電設備決定方法。
【0158】
(付記11)
コンピュータに、
無人飛行体の航続可能範囲を把握可能な情報を取得する取得機能と、
前記無人飛行体に充電設備を使用させる優先度を用途に応じて設定する設定機能と、
前記情報に基づいて算出機能が算出した航続可能範囲、及び前記優先度に基づいて、前記無人飛行体に使用させる充電設備を決定する決定機能と
を実現させる充電設備決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0159】
(付記12)
前記設定機能は、さらに、前記取得機能が取得した前記情報によって示されている前記無人飛行体の蓄電量が所定の値未満である場合に、より高い前記優先度を設定する
付記11に記載の充電設備決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0160】
(付記13)
前記設定機能は、前記無人飛行体の作業開始日時と現在日時とに基づき前記優先度を設定する
付記11又は付記12に記載の充電設備決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0161】
(付記14)
前記決定機能は、使用可能な充電設備のうち、前記無人飛行体の飛行予定経路にある充電設備を前記無人飛行体に使用させると決定する
付記11から付記13のいずれか1項に記載の充電設備決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0162】
(付記15)
前記設定機能は、複数の無人飛行体のそれぞれに互いに異なる優先度を設定する
付記11から付記14のいずれか1項に記載の充電設備決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0163】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0164】
1、4 充電設備決定装置
11、41 取得部
12、42 設定部
13、43 決定部
44 算出部
45 送信部
46 設備情報記憶部
2 無人飛行体
21 位置測位部
22 蓄電量算出部
23 送受信部
24 飛行制御部
3 制御装置
31 送受信部
32 算出部
33 判定部
34 制御情報生成部
35 飛行計画記憶部
36 無人飛行体情報記憶部
5 情報処理装置
51 通信インタフェース
52 入出力インタフェース
53 演算装置
54 記憶装置
55 不揮発性記憶装置
56 ドライブ装置
57 記録媒体