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特許7694792災害監視装置、災害監視システム、災害監視方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】災害監視装置、災害監視システム、災害監視方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20250611BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20250611BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024500759
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2022006123
(87)【国際公開番号】W WO2023157115
(87)【国際公開日】2023-08-24
【審査請求日】2024-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】山崎 文人
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 浩
(72)【発明者】
【氏名】金野 大地
(72)【発明者】
【氏名】藤戸 淳之介
(72)【発明者】
【氏名】勝見 裕介
(72)【発明者】
【氏名】藤森 啓汰
(72)【発明者】
【氏名】沼田 俊靖
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-080601(JP,A)
【文献】特開2013-101559(JP,A)
【文献】特開2012-178662(JP,A)
【文献】特表2018-507498(JP,A)
【文献】特開2004-192496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する取得手段と、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する選択手段と、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する転送手段とを備え
前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、前記転送手段は、選択した前記監視映像を前記監視補助者と対応する表示装置へ転送する、
災害監視装置。
【請求項2】
前記転送手段は、
複数人の監視補助者の候補の中から、前記監視補助者を決定し、
前記選択手段が選択した前記監視映像を、決定した前記監視補助者と対応する表示装置へ転送する
ことを特徴とする請求項1に記載の災害監視装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記監視対象地域内に設置されたセンサ機器により、前記監視対象地域内における前記災害の発生または前記災害の発生の予測に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の災害監視装置。
【請求項4】
前記取得手段は、防災気象情報から、前記監視対象地域内における前記災害の発生の予測に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の災害監視装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、前記監視補助者に近い場所で撮影された監視映像を選択する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の災害監視装置。
【請求項6】
前記選択手段は、前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像を選択する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の災害監視装置。
【請求項7】
コンピュータが、
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得し、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択し、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する
災害監視方法であって、
前記コンピュータは、
前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、選択した前記監視映像を前記監視補助者と対応する表示装置へ転送する、
災害監視方法。
【請求項8】
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得することと、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択することと、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送することとをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、選択した前記監視映像を前記監視補助者と対応する表示装置へ転送することを、前記コンピュータに実行させる、
ログラム。
【請求項9】
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する取得手段と、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する選択手段と、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する転送手段とを備えた
災害監視装置と、
前記監視映像を撮影した監視カメラと、
前記監視映像保存された監視映像録画装置と、
前記監視補助者が使用する前記表示装置とを備え
前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、前記災害監視装置の前記転送手段は、選択した前記監視映像を前記監視補助者と対応する表示装置へ転送する、
害監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害監視装置、災害監視システム、災害監視方法、および記録媒体に関し、特に、監視対象地域内における災害の発生を監視する災害監視装置、災害監視方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
関連する技術では、監視カメラやセンサ機器を用いて、災害の発生の監視が行われている。一例では、河川の周辺(例えば、河川敷や堤防の上)に、多数の監視カメラが設置される。それぞれの監視カメラが撮影した監視映像のデータは、無線通信によって、土木事務所や管理事務所等の監視センタへ転送される。
【0003】
監視センタ内のビデオモニタには、監視カメラから送信された監視映像が表示される。オペレータは、ビデオモニタに表示される監視映像を見つつ、河川における増水、外水氾濫、内水氾濫、土石流、堤防の決壊、あるいは洪水などの自然災害や、不法投棄などの人災を発見する。特許文献1に記載の監視システムは、監視映像とともに、監視地点を示す地図データを表示装置に表示することにより、オペレータが災害の発生した監視地点を迅速に把握することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-102495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、監視センタのビデオモニタには、複数の監視カメラにより撮影された複数の監視映像が一度に表示される。オペレータは、複数の監視映像を長時間にわたって、監視し続ける必要がある。オペレータが自然災害を見逃すことがないように、監視映像に基づく監視の負担を低減するための仕組みが求められている。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、監視映像に基づく監視の負担を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る災害監視装置は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する取得手段と、前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する選択手段と、選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する転送手段とを備えている。
【0008】
本発明の一態様に係る災害監視方法では、コンピュータが、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得し、前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択し、選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。
【0009】
本発明の一態様に係る記録媒体は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得することと、前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択することと、選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送することとをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【0010】
本発明の一態様に係る災害監視システムは、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する取得手段と、前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する選択手段と、選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する転送手段とを備えた災害監視装置と、前記監視映像を撮影した監視カメラと、前記監視映像を保存された監視映像録画装置と、前記監視補助者が使用するビデオモニタとを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、監視映像に基づく監視の負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1~3のいずれかに係る災害監視装置を備えた災害監視システムの構成の一例を概略的に示す図である。
図2】実施形態1に係る災害監視装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る災害監視装置の動作を示すフローチャートである。
図4】実施形態2または3に係る災害監視装置の構成を示すブロック図である。
図5】実施形態2に係る災害監視装置の動作を示すフローチャートである。
図6】実施形態3に係る災害監視装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施形態1~3のいずれかに係る災害監視装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の1または複数の実施形態について、図面を参照しながら、以下で説明する。
【0014】
(災害監視システム1)
図1を参照して、後述する実施形態1~3に係る災害監視装置10,20,30のいずれかを備えた災害監視システム1の構成の一例を、最初に説明する。図1において、「災害監視装置10(20,30)」とは、実施形態1~3に係る災害監視装置10,20,30のいずれかを表す。
【0015】
図1に示すように、災害監視システム1は、監視カメラ100、センサ機器100A、監視センタ200、ビデオモニタ300、および監視映像録画装置400を含む。監視映像録画装置400を除いて、災害監視システム1の各構成要素は、複数であってもよい。特に、複数の監視カメラ100および複数のセンサ機器100Aは、監視対象地域内における災害危険区域に、分散して配置されていてもよい。監視対象地域とは、災害監視システム1によって監視されることが指定された地域である。監視対象地域は、例えば、都道府県や市町村などの行政区画に基づいて指定される。
【0016】
監視カメラ100は、河川や林道など、監視対象地域内における災害危険区域に設置される。監視カメラ100は、河川や林道などの災害危険区域を撮影して、監視映像のデータを生成する。例えば、監視カメラ100は、一般的な、屋外で使用される用途のビデオカメラである。あるいは、監視カメラ100は、街頭カメラ、防犯カメラ、もしくは、公用車に搭載された車載カメラであってもよい。
【0017】
監視カメラ100は、無線ネットワークを通じて、インターネットに接続することができる。監視カメラ100は、無線ネットワークおよびインターネットを通じて、監視映像を、監視カメラ100の識別情報とともに、災害監視装置10(20,30)へ送信する。加えて、リアルタイムの監視映像(ライブビデオ)が、監視カメラ100からウェブ配信されてもよい。
【0018】
センサ機器100Aも、河川や林道など、監視対象地域内における災害危険区域に設置される。例えば、センサ機器100Aは、一般的なIoT機器である。センサ機器100Aは、監視カメラ100と一体であってもよい。センサ機器100Aは、例えば、温度センサ、湿度センサ、積雪センサ、光センサ、水位センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサ、放射線センサ、あるいは、ガス検知器である。センサ機器100Aは、ここで例示したものの組合せであってもよい。
【0019】
センサ機器100Aは、無線ネットワークを通じて、インターネットに接続することができる。センサ機器100Aは、無線ネットワークおよびインターネットを通じて、センサデータ(例えば、水位の測定値のデータ)を、監視センタ200および災害監視装置10(20,30)へ送信する。
【0020】
監視センタ200は、土木事務所や管理事務所等、監視対象地域内における災害の発生を監視するための施設である。監視センタ200には、ビデオモニタおよび警報機(どちらも図示せず)が配置されている。監視センタ200には、災害監視装置10(20,30)から、監視カメラ100が撮影した監視映像が転送される。また、監視センタ200には、監視カメラ100から、インターネットを通じて、リアルタイムの監視映像が配信されてもよい。
【0021】
監視センタ200のビデオモニタには、災害監視装置10(20,30)から受信した監視映像が表示される。監視センタ200の警報機は、センサ機器100Aから、センサデータを受信する。警報機は、センサデータが示す測定値と、センサデータの種類に応じた閾値とを比較する。そして、測定値が閾値を超える場合、警報機は発報する。あるいは、警報機は、センサ機器100Aから、センサデータが示す測定値が閾値を超えたときに通知を受信してもよい。この場合、警報機は、センサ機器100Aからの通知に応じて、すぐに発報する。
【0022】
監視センタ200では、監視実行者がビデオモニタを見ながら、監視映像に映る災害危険区域(すなわち河川や林道等)を監視している。また、監視実行者は、警報機が発報したとき、自治体等の防災組織へ、災害情報を提供したり、あるいは災害の発生を警告したりする。
【0023】
ビデオモニタ300は、監視補助者が使用する表示機器である。ビデオモニタ300は、監視補助者と対応する表示装置の一例である。監視補助者は、監視センタ200から離れた場所にいる。監視補助者は、監視センタ200にいる監視実行者と連絡して、災害危険区域の監視をサポートする。監視補助者は、例えば、防災組織の指揮を担当する自治体の職員である。
【0024】
ビデオモニタ300は、インターネットと接続されており、災害監視装置10(20,30)および監視センタ200と通信することができる。ビデオモニタ300には、災害監視装置10(20,30)から、監視カメラ100が撮影した監視映像が転送される。
【0025】
監視映像録画装置400には、災害監視装置10(20,30)が監視カメラ100から受信した監視映像が保存される。また、監視映像録画装置400には、監視映像を撮影した監視カメラ100の識別情報が、監視映像に紐づけられて、保存される。
【0026】
災害監視装置10,20,30については、後述する実施形態1~3において説明する。
【0027】
〔実施形態1〕
図2図3を参照して、実施形態1について説明する。
【0028】
(災害監視装置10)
図2を参照して、本実施形態1に係る災害監視装置10の構成を説明する。図2は、災害監視装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、災害監視装置10は、取得部11、選択部12、および転送部13を備えている。
【0029】
取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する。取得部11は、取得手段の一例である。監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報は、監視対象地域内において災害が発生したことを示す情報(例えば、気象警報)と、監視対象地域内において災害が発生することが予測されること示す情報(例えば、地震速報)とを少なくとも含む。
【0030】
一例では、取得部11は、センサ機器100A(図1)から、無線ネットワークおよびインターネットを通じて、センサデータ(例えば、水位の測定値のデータ)を受信する。取得部11は、センサデータが示す測定値と、センサデータの種類に応じた閾値とを比較する。
【0031】
測定値(例えば、水位)が、第1の閾値を超えたことを、取得部11は、災害の発生の予測に関する情報として取得する。また、測定値が、第1の閾値よりも大きい第2の閾値を超えたことを、取得部11は、災害の発生を示す情報として取得する。
【0032】
取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、選択部12へ通知する。
【0033】
選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する。選択部12は、選択手段の一例である。
【0034】
一例では、選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、取得部11から通知される。選択部12は、取得部11から通知を受信したのち、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する。
【0035】
例えば、選択部12は、監視センタ200の監視実行者が監視する複数の監視映像のうち、監視補助者に近い場所で撮影された監視映像を選択する。
【0036】
本例では、選択部12は、監視映像録画装置400(図1)から、監視映像に紐づけられた監視カメラ100の識別情報を取得する。また、選択部12は、監視カメラ100の位置を示す地図データベース(図示せず)を参照する。そして、選択部12は、監視カメラ100の識別情報に基づいて、監視カメラ100の位置を特定する。
【0037】
次に、選択部12は、監視補助者の位置(すなわちビデオモニタ300の位置)を特定する。監視補助者の位置情報は、上述の地図データベースに予め格納されていてよい。選択部12は、監視補助者の位置から、監視映像を撮影した監視カメラ100の位置までの距離を計測する。そして、選択部12は、複数の監視映像のうち、監視補助者の位置から最も近い場所で撮影された監視映像を選択する。
【0038】
他の例では、選択部12は、監視実行者が監視する監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像を選択する。防災気象情報とは、気象・地震・火山等に関する予報や情報であり、例えば、気象警報、気象注意報、または地震速報である。
【0039】
本例では、選択部12は、インターネット上に公開された防災気象情報を収集する。選択部12は、防災気象情報の発表区域を特定する。そして、選択部12は、複数の監視映像のうち、防災気象情報の発表区域内で撮影された監視映像を選択する。なお、選択部12は、監視カメラ100または監視映像のランク(重要度)に基づいて、1または複数の監視映像を選択してもよい。
【0040】
選択部12は、選択した1または複数の監視映像を、転送部13へ出力する。
【0041】
転送部13は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。転送部13は、転送手段の一例である。
【0042】
一例では、転送部13は、選択部12から、選択部12が選択した1または複数の監視映像を受信する。転送部13は、受信した1または複数の監視映像を、インターネットを介して、監視補助者が使用するビデオモニタ300(図1)へ転送する。
【0043】
転送部13は、何らかの条件が満たされたとき、選択部12から受信した1または複数の監視映像を、監視補助者が使用するビデオモニタ300へ送信してもよい。例えば、監視実行者が監視する監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、転送部13は、選択した監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が増えるほど、監視実行者は、いくつもの監視映像を注視する必要があるので、精神的または身体的な負担が増大するからである。
【0044】
なお、監視補助者の候補が複数いる場合、転送部13は、選択した1または複数の監視映像を監視することに適した監視補助者の候補を、監視補助者に決定してもよい。例えば、転送部13は、予め定めた複数人の監視補助者の候補の間での優先順位に従い、前記監視補助者を決定する。この優先順位は、監視補助者の候補に今掛けられている負荷の小ささなど、監視補助者の候補がどれぐらいの負担に耐えられるか(負担能力の高さ)に応じて決められてよい。上記の例以外の1または複数の具体例を、後述する実施形態2および実施形態3において説明する。
【0045】
(災害監視装置10の動作)
図3を参照して、本実施形態1に係る災害監視装置10の動作を説明する。図3は、災害監視装置10の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
図3に示すように、取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する(S1)。取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、選択部12へ通知する。
【0047】
選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する(S2)。選択部12は、選択した1または複数の監視映像を、転送部13へ出力する。
【0048】
転送部13は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する(S3)。具体的には、転送部13は、監視補助者が使用するビデオモニタ300(図1)へ、監視実行者が監視する監視映像のうちのいくつかを転送する。
【0049】
以上で、本実施形態1に係る災害監視装置10の動作は終了する。
【0050】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する。選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する。転送部13は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。
【0051】
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者は、監視映像を注視し続ける必要があるので、身体的な、また精神的な負担が大きい。このとき、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像が選択され、監視補助者と対応する表示装置へ転送される。これにより、監視実行者と監視補助者との間で、監視を分担することができるため、監視映像に基づく監視の負担を低減することができる。
【0052】
〔実施形態2〕
図4図5を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態2では、前記実施形態1で説明した構成要素と同じ処理を実行する構成要素に対して、前記実施形態1と同じ符号を付して、その構成要素に関する説明を省略する。
【0053】
本実施形態2では、監視補助者の候補が複数いる場合において、災害の種類に応じて、選択した1または複数の監視映像を監視することに適した監視補助者の候補を、監視補助者に決定する構成の一例を説明する。
【0054】
本実施形態2では、災害監視システム1(図1)は、監視補助者の候補が複数いることに対応して、監視補助者の候補の数に応じて、複数のビデオモニタ300を備えているとする。
【0055】
(災害監視装置20)
図4を参照して、本実施形態2に係る災害監視装置20の構成を説明する。図4は、災害監視装置20の構成を示すブロック図である。図4に示すように、災害監視装置20は、取得部11、選択部12、および転送部13′を備えている。災害監視装置20の転送部13′は、前記実施形態1に係る災害監視装置10の転送部13とは、それが実行する処理の内容が部分的に異なる。以下で、転送部13′が実行する処理を説明する。
【0056】
転送部13′は、転送部13と同様に、選択部12が選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。このとき、転送部13′は、監視対象地域内において発生した、あるいは発生することが予測された災害の種類を判定する。
【0057】
取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、選択部12へ通知するとともに、災害の種類を示す情報を、転送部13′へ出力する。
【0058】
転送部13′は、転送部13と同様に、選択部12から、選択した1または複数の監視映像を受信する。また、転送部13′は、取得部11から、災害の種類を示す情報を受信する。
【0059】
転送部13′は、複数人の監視補助者の候補の中から、監視補助者を決定し、選択部12が選択した監視映像を、決定した監視補助者と対応する表示装置へ転送する。
【0060】
具体的には、災害が地震、津波、または高潮である場合、転送部13′は、監視対象地域から離れた監視補助者の候補を、監視補助者に決定する。一方、災害が河川氾濫である場合、転送部13′は、監視対象地域に近い監視補助者の候補を、監視補助者に決定する。
【0061】
ここで、監視補助者の候補が使用するビデオモニタ300の識別情報は、前記実施形態1で説明した地図データベースに予め格納されていてよい。転送部13′は、地図データベースを参照することによって、決定した監視補助者が使用するビデオモニタ300を特定することができる。
【0062】
その後、転送部13′は、決定した監視補助者が使用するビデオモニタ300(図1)へ、選択部12が選択した1または複数の監視映像を転送する。
【0063】
(変形例)
一変形例では、転送部13′は、監視実行者が監視する監視映像の全てとともに、選択部12が選択した1または複数の監視映像を示す情報を、監視補助者が使用するビデオモニタ300へ送信してもよい。転送部13′は、ビデオモニタ300の表示画面上に、監視実行者が監視する監視映像の全てを表示させるとともに、選択部12が選択した1または複数の監視映像のみを、例えば赤枠で囲うなどして、強調表示させる。
【0064】
本変形例の構成によれば、選択部12が選択した1または複数の監視映像のみを強調表示させるので、それらの監視映像を監視補助者に注視させることができる。
【0065】
(災害監視装置20の動作)
図5を参照して、本実施形態2に係る災害監視装置20の動作を説明する。図5は、災害監視装置20の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
図5に示すように、取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する(S201)。取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、選択部12へ通知する。また、取得部11は、災害の種類を示す情報を、転送部13′へ出力する。
【0067】
選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する(S202)。選択部12は、選択した1または複数の監視映像を、転送部13′へ出力する。
【0068】
転送部13′は、災害の種類を示す情報に基づいて、発生した、または発生することが予測された災害の種類を判定する(S203)。
【0069】
ステップS203において、転送部13′は、発生した、または発生することが予測された災害を、1または複数の類型(例えば、地震、津波、高潮、河川氾濫)のいずれかに分類する。ここでは、転送部13′は、災害の種類を、地震、津波、および高潮を含む類型Aと、河川氾濫(外水氾濫、内水氾濫)を含む類型Bのどちらか一方に分類する。
【0070】
災害が地震、津波、または高潮である場合(S203で類型A)、転送部13′は、監視対象地域から離れた監視補助者の候補を、監視補助者に決定する(S204A)。一方、災害が河川氾濫である場合(S203で類型B)、転送部13′は、監視対象地域に近い監視補助者の候補を、監視補助者に決定する(S204B)。
【0071】
転送部13′は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する(S205)。具体的には、転送部13′は、監視補助者が使用するビデオモニタ300(図1)へ、監視実行者が監視する監視映像のうちのいくつかを転送する。
【0072】
以上で、本実施形態2に係る災害監視装置20の動作は終了する。
【0073】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する。選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する。転送部13′は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。
【0074】
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者は、監視映像を注視し続ける必要があるので、身体的な、また精神的な負担が大きい。このとき、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像が選択され、監視補助者と対応する表示装置へ転送される。これにより、監視実行者と監視補助者との間で、監視を分担することができるため、監視映像に基づく監視の負担を低減することができる。
【0075】
さらに、本実施形態の構成によれば、災害が地震、津波、または高潮である場合、転送部13′は、監視対象地域から離れた監視補助者の候補を、監視補助者に決定する。監視補助者が地震等の災害の現場から離れているほど、監視補助者が二次災害を受ける可能性が低いからである。一方、災害が河川氾濫である場合、転送部13′は、監視対象地域に近い監視補助者の候補を、監視補助者に決定する。監視補助者が河川から近いほど、監視補助者が緊急の土木作業等の現場対応をしやすいからである。このように、災害の種類に応じて、複数の監視補助者の候補の中から、適切な監視補助者を決定することで、監視補助者が災害の発生をより確実に監視することができる。
【0076】
〔実施形態3〕
図6を参照して、実施形態3について説明する。本実施形態3では、前記実施形態1または前記実施形態2で説明した構成要素と同じ処理を実行する構成要素に対して、前記実施形態1または前記実施形態2と同じ符号を付して、その構成要素に関する説明を省略する。
【0077】
本実施形態3では、監視補助者へ委託する条件を規定する構成の一例を説明する。
【0078】
(災害監視装置30)
本実施形態3に係る災害監視装置30の構成は、前記実施形態2に係る災害監視装置20(図4)の構成と同じである。ただし、災害監視装置30の転送部13´は、前記実施形態2に係る災害監視装置20の転送部13′とは、その実行する処理の内容の一部が異なる。
【0079】
転送部13′は、転送部13と同様に、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。このとき、転送部13′は、監視の負担の大きさを判定する。
【0080】
取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、選択部12へ通知するとともに、災害の種類を示す情報を、転送部13′へ出力する。
【0081】
転送部13′は、転送部13と同様に、選択部12から、選択した1または複数の監視映像を受信する。また、転送部13′は、取得部11から、災害の種類を示す情報を受信する。
【0082】
転送部13′は、複数人の監視補助者の候補の中から、監視補助者を決定し、選択部12が選択した監視映像を、決定した監視補助者と対応する表示装置へ転送する。
【0083】
具体的には、監視実行者が監視する監視映像のうち、防災気象情報(気象警報、気象注意報、地震速報など)の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、転送部13′は、選択した監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。閾値は監視実行者の経験、能力、職務などに応じて、予め設定される。
【0084】
例えば、転送部13′は、前記実施形態1、2において説明した地図データベースを参照して、監視カメラ100の位置を確認する。転送部13′は、防災気象情報の発表区域と、監視カメラ100の位置とに基づいて、監視映像が防災気象情報の発表区域で撮影されたものかどうかを判定する。監視実行者が監視する監視映像の各々について、転送部13′は、上記の判定を実行する。上記の判定結果に基づいて、転送部13′は、監視実行者が監視する監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数を計算する。防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたことをトリガとして、転送部13′は、監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する処理を実行する。
【0085】
(災害監視装置30の動作)
図6を参照して、本実施形態3に係る災害監視装置30の動作を説明する。図6は、災害監視装置30の各部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
図6に示すように、取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する(S301)。取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得したことを、選択部12へ通知する。また、取得部11は、災害の種類を示す情報を、転送部13′へ出力する。
【0087】
選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する(S302)。選択部12は、選択した1または複数の監視映像を、転送部13′へ出力する。
【0088】
転送部13′は、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたかどうかを判定する(S203)。
【0089】
防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えた場合(S203でYes)、転送部13′は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する(S304)。具体的には、転送部13′は、監視補助者が使用するビデオモニタ300(図1)へ、監視実行者が監視する監視映像のうちのいくつかを転送する。
【0090】
以上で、本実施形態3に係る災害監視装置30の動作は終了する。
【0091】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、取得部11は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する。選択部12は、監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する。転送部13′は、選択した1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。
【0092】
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者は、監視映像を注視し続ける必要があるので、身体的な、また精神的な負担が大きい。このとき、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像が選択され、監視補助者と対応する表示装置へ転送される。これにより、監視実行者と監視補助者との間で、監視を分担することができるため、監視映像に基づく監視の負担を低減することができる。
【0093】
さらに、本実施形態の構成によれば、監視実行者が監視する監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、転送部13′は、選択した監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する。これにより、監視の負担が監視実行者の経験や能力等に対して大きくなりすぎないうちに、監視の補助を委託することができる。
【0094】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~3で説明した災害監視装置10,20,30の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば図7に示すような情報処理装置900により実現される。図7は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0095】
図7に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0096】
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~3で説明した災害監視装置10,20,30の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0097】
上記の構成によれば、前記実施形態1~3において説明した災害監視装置10,20,30が、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態1~3のいずれかにおいて説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0098】
〔付記〕
本発明の一態様は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限定されない。
【0099】
(付記1)
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する取得手段と、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する選択手段と、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する転送手段とを備えた
災害監視装置。
【0100】
(付記2)
前記転送手段は、
複数人の監視補助者の候補の中から、前記監視補助者を決定し、
前記選択手段が選択した前記監視映像を、決定した前記監視補助者と対応する表示装置へ転送する
ことを特徴とする付記1に記載の災害監視装置。
【0101】
(付記3)
前記転送手段は、前記複数人の監視補助者の候補の間で予め定めた優先順位に従い、前記監視補助者を決定する
ことを特徴とする付記2に記載の災害監視装置。
【0102】
(付記4)
前記災害が地震、津波、または高潮である場合、
前記転送手段は、前記監視対象地域から離れた監視補助者の候補を、前記監視補助者に決定する
ことを特徴とする付記1に記載の災害監視装置。
【0103】
(付記5)
前記災害が河川氾濫である場合、
前記転送手段は、前記監視対象地域に近い監視補助者の候補を、 前記監視補助者に決定する
ことを特徴とする付記1に記載の災害監視装置。
【0104】
(付記6)
前記取得手段は、前記監視対象地域内に設置されたセンサ機器により、前記監視対象地域内における前記災害の発生または前記災害の発生の予測に関する情報を取得する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の災害監視装置。
【0105】
(付記7)
前記取得手段は、防災気象情報から、前記監視対象地域内における前記災害の発生の予測に関する情報を取得する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の災害監視装置。
【0106】
(付記8)
前記選択手段は、前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、前記監視補助者に近い場所で撮影された監視映像を選択する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の災害監視装置。
【0107】
(付記9)
前記選択手段は、前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像を選択する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の災害監視装置。
【0108】
(付記10)
前記監視実行者が監視する前記監視映像のうち、防災気象情報の発表区域で撮影された監視映像の数が閾値を超えたとき、前記転送手段は、選択した前記監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の災害監視装置。
【0109】
(付記11)
コンピュータが、
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得し、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択し、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する
災害監視方法。
【0110】
(付記12)
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得することと、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択することと、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送することと
をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した、一時的でない記録媒体。
【0111】
(付記13)
監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報を取得する取得手段と、
前記監視対象地域内における災害の発生または災害の発生の予測に関する情報が取得された後、監視実行者が監視する監視映像のうち、1または複数の監視映像を選択する選択手段と、
選択した前記1または複数の監視映像を監視補助者と対応する表示装置へ転送する転送手段とを備えた
災害監視装置と、
前記監視映像を撮影した監視カメラと、
前記監視映像を保存された監視映像録画装置と、
前記監視補助者が使用するビデオモニタと
を備えた災害監視システム。
【0112】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。上記実施形態(及び実施例)の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、例えば、河川氾濫等の災害を監視するための災害監視システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 災害監視システム
10 災害監視装置
11 取得部
12 選択部
13 転送部
13′ 転送部
20 災害監視装置
30 災害監視装置
100 監視カメラ
100A センサ機器
200 監視センタ
300 ビデオモニタ
400 監視映像録画装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7