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7695057全固体リチウムイオンバッテリー用包装材料、及び包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】全固体リチウムイオンバッテリー用包装材料、及び包装体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/141 20210101AFI20250611BHJP
   H01M 50/10 20210101ALI20250611BHJP
【FI】
H01M50/141
H01M50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019180222
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021057231
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-07-26
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直也
(72)【発明者】
【氏名】常田 洋貴
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】松原 徳久
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-116322(JP,A)
【文献】特開2013-257981(JP,A)
【文献】国際公開第2011/099129(WO,A1)
【文献】特開平11-7921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の水および/または液体の水を吸収する、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用の、吸水包装材料であって、
該吸水包装材料は、少なくとも、基材フィルムからなる基材層と、ガスバリア性フィルムからなるガスバリア層と、吸水シーラントフィルムからなるシーラント層とをこの順で含み、
該シーラント層は、1層構成であり、その厚みは5μm以上、50μm以下であり、
該吸水包装材料の片側の表面は、該シーラント層であり、
該吸水シーラントフィルムは、無機系吸水剤とヒートシール性樹脂とを含有し(但し、酸トラップ剤を含む場合を除く。)、
該無機系吸水剤は、酸化アルミニウム、シリカゲル、アルミナゲル、及び、焼ミョウバンからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、
該無機系吸水剤を含有する層中の該無機系吸水剤の含有量は、2質量%以上、50質量%以下であり、
該吸水包装材料を、相対湿度80%に調整したガスサンプリングバックに入れ、25℃、48時間放置後の相対湿度が、0~50%である、
吸水包装材料。
【請求項2】
前記基材フィルムが、ポリアミド樹脂および/またはポリエステル樹脂を含む、
請求項1に記載の、吸水包装材料。
【請求項3】
前記ガスバリア性フィルムが、アルミニウム箔である、
請求項1または2に記載の吸水包装材料。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の吸水包装材料から作製された、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーを包装する為の、気体の水および/または液体を吸収する(以下、吸水性と記載する)を有する包装材料、及び硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーを該包装材料で包装して得られる包装体に関する。
本発明の硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用の包装材料は、様々な分野の硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー製品に適用することができ、特に家庭用蓄電システム用途や、自動車の電気モーター用電源用途等の、大容量の、該全固体リチウムイオンバッテリーを包装する為の包装材料として好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンバッテリーを包装する包装材料としては、従来は、外部からの水蒸気の侵入を防ぐための密封性や耐水蒸気バリア性や、電解質の漏洩を防ぐための耐薬品性や、リチウムイオンバッテリーが発熱した際に溶融して電解質が漏洩しない為の耐熱性等の向上が求められて来た(特許文献1)。
特に、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーの場合には、固体電解質が水分と反応して硫黄系ガスを発生させる為、固体電解質を水分と隔絶する必要がある。
しかしながら、近年、リチウムイオンバッテリー包装体を例えば車載用途や家庭用途で約20年等の長期間使用することを想定すると、全固体リチウムイオンバッテリーの場合には、充電時に電解質の分解によって生成する硫黄系ガスが蓄積して、リチウムイオンバッテリー包装体が膨張したり破袋したりすることが懸念され始めた。
種々のアウトガスを除去する方法としては、フラボノイド系化合物を有する樹脂フィルムが提案されている(特許文献2)。しかしながら、フラボノイド系化合物が耐熱性に劣るために樹脂フィルムの製造工程の加熱条件に制限があり、また、種々のアウトガスを除去する効果が不十分であった。
また、種々のアウトガスを除去する樹脂フィルムとしては、ゼオライト、銅を含有する金属ケイ酸塩、グリセリンエステル類からなる防曇剤を含有する樹脂フィルムが提案されている(特許文献3)。しかしながら、内容物から発生する水分やエチレンガスの除去を主眼においたものであり、水分の侵入を防いだり、種々のアウトガスを除去する効果が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-38881号公報
【文献】特開平1-207339号公報
【文献】特開2019-069817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の問題を解決し、製造適性に優れ、簡易な層構成でありながら、包装された硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーへの水分の侵入を抑制して該固体電解質からの硫黄系ガスの発生を抑制する、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料、及び硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーを該吸水包装材料で包装して得られた、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー包装体を提供することを課題と
する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、種々検討の結果、熱可塑性樹脂と特定の無機系吸水剤とを含有する硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料が、上記の目的を達成することを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.気体の水および/または液体の水を吸収する、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用の、吸水包装材料であって、
該吸水包装材料は、少なくとも、基材フィルムからなる基材層と、ガスバリア性フィルムからなるガスバリア層と、吸水シーラントフィルムからなるシーラント層とを含み、
該吸水シーラントフィルムは、無機系吸水剤とヒートシール性樹脂とを含有し、
該無機系吸水剤は、酸化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、ゼオライト、酸化アルミニウム、シリカゲル、アルミナゲル、及び、焼ミョウバンからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、
該無機系吸水剤を含有する層中の該無機系吸水剤の含有量は、0.5質量%以上、50質量%以下である、
吸水包装材料。
2.前記無機系吸水剤が、酸化カルシウムおよび/または無水硫酸マグネシウムを含有する、
上記1に記載の、吸水包装材料。
3.前記基材フィルムが、ポリアミド樹脂および/またはポリエステル樹脂を含む、
上記1または2に記載の、吸水包装材料。
4.前記ガスバリア性フィルムが、アルミニウム箔である、
上記1~3の何れかに記載の吸水包装材料包装材料。
5.上記1~4の何れかに記載の吸水包装材料から作製された、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー包装体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料は、上述の問題を解決し、製造適性に優れ、簡易な層構成でありながら、優れた吸水性と、優れたヒートシール性とを有し、全固体リチウムイオンバッテリーが水を吸収して硫黄系ガスが発生することを抑制し、硫黄系ガスによる剥がれや膨れが発生し難い効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。
図2】本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料の層構成について、その別態様の一例を示す概略的断面図である。
図3】本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料の層構成について、そのさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。
【0009】
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また、各図においては省略されているが、各層の間に接着剤層を設けることもできる。
さらに、必要に応じて、各層間の接着強度(密着強度)を強固にするために、各層の積層面に、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、グロー放電処理、サンドブラスト処理等のなどの物理的な表面処理や、化学薬品を用いた酸化処理などの化学的な表面処理
を予め施しておくこともできる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料について、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
(吸収対象ガス)
本発明においては、吸収対象となるガスは、気体の水および/または液体の水である。
硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーの固体電解質は、水を吸収することによって硫黄系ガスを発生させる為、吸水を抑えることによって硫黄系ガスの発生を抑制することができる。
硫黄系ガスの具体例としては、硫化水素やジメチルスルフィド、メチルメルカプタン、SOxで表されるイオウ酸化物等が挙げられ、特に硫化水素が多い。
【0012】
≪全固体リチウムイオンバッテリー≫
リチウムイオンバッテリーの代表的な構成は、リチウムを含む酸化物からなる正極、負極に炭素材料を含む負極、セパレーター、および電解質である。ここで、電解質の性状が液体のタイプと固体のタイプがあり、全固体リチウムイオンバッテリーは、上記の電解質が固体のタイプを指す。
また、リチウムイオンバッテリーは、一般的なものは、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電と放電が可能な二次電池であり、本発明においてもリチウムイオンバッテリーは、該二次電池を指す。
固体の電解質としては、酸化物系と硫化物系があり、硫化物系の方が高出力が可能である為、好ましい。
上記の硫化物系固体電解質は、水分と反応して硫黄系ガスを発生しやすい化合物であり、全固体リチウムイオンバッテリーが水分を吸収してしまうと、硫黄系ガスを含有する、硫化物系固体電解質の分解ガス(硫黄系ガス)が発生する。
約20年以上の使用を想定される車載用途や家庭用蓄電システム用途の全固体リチウムイオンバッテリーにおける発生した硫黄系ガスの累積量は非常に多くなるため、全固体リチウムイオンバッテリーを包装するパウチには、硫黄系ガスを含有する硫黄系ガスによる膨張や破袋、およびアルミニウム箔等の金属箔層の腐食が懸念され、これらへの対策が必要になる。
【0013】
≪吸水包装材料≫
本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料は、水を吸収して硫黄系ガスを発生する硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリー用に特に好適である。
本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料は、優れた吸水性を有することによって、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーから硫黄系ガスが発生することを抑制できる。
【0014】
本発明の全固体リチウムイオンバッテリー用の吸水包装材料は、少なくとも、基材フィルムからなる基材層と、ガスバリア性フィルムからなるガスバリア層と、吸水シーラントフィルムからなるシーラント層とを含み、該吸水シーラントフィルムは無機系吸水剤とヒートシール性樹脂を含有する。
ガスバリア層は、基材層と硫黄系ガス吸収層との間に積層されていることが好ましい。
該硫黄系ガス吸収包装材料は、必要に応じて、様々な機能を奏する中間層を、さらに含むことができる。
また、該硫黄系ガス吸収包装材料を構成する各層は、接着剤層を介して積層されていて
もよい。
硫黄系ガス吸収包装材料は、上記の基材層とガスバリア層とシーラント層とを含む硫黄系ガス吸収積層体から作製される包装材料である。
全固体リチウムイオンバッテリー用の硫黄系ガス吸収包装材料の片面の表面は、ヒートシール性を有することが好ましい。その為、吸水フィルムのヒートシール性を有する表面が該硫黄系ガス吸収包装材料の片側表面を構成するように積層されていることが好ましい。
該吸水包装材料は、さらに、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を含有することができる。その含有量としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に含有することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等を含有することができる。
【0015】
<シーラント層>
シーラント層は、無機系吸水剤を含むことによって吸水性を吸水包装材料に付与し、ヒートシール性樹脂を含有することによって、ヒートシール性を吸水包装材料に付与することができる。
シーラント層は、吸水シーラントフィルムからなる層であることが好ましい。
吸水シーラントフィルムは、ヒートシール性を有する吸水フィルムであり、吸水フィルムにヒートシール性樹脂を含有させたり、吸水フィルムにヒートシール性樹脂を含有する層を積層することによって作製することができる。
シーラント層は、無機系吸水剤を含むことによって吸水性を吸水包装材料に付与し、ヒートシール性樹脂を含有することによって、ヒートシール性を吸水包装材料に付与することができる。
シーラント層の外部表面はヒートシール性樹脂を含有することによってヒートシール性を有することが好ましい。
また、シーラント層は、必要に応じて、吸水シーラントフィルム以外に由来する層をさらに含んでいてもよい。例えば、支持性を補強するための支持層をさらに含むことができる。
シーラント層は、1層構成であっても、組成が同一または異なる2層以上の多層で構成されていてもよい。
例えば、無機系吸水剤とヒートシール性樹脂を含有する1層であってもよく、或いは、無機系吸水剤を含有する吸水層と、無機系吸水剤を含有せずにヒートシール性樹脂を含有するヒートシール層との2層があってもよい。さらに、吸水層が、無機系吸水剤の種類や含有量が異なる多層であってもよい。ここで、吸水層は、ヒートシール性樹脂を含有していてもよい。ここで、硫黄系ガス吸収層は、ヒートシール性樹脂を含有していてもよい。
シーラント層の厚みに特に制限は無いが、10μm以上、100μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性が低すぎたり、破れやすかったり、充分な吸水効果を発揮し難くなり易く、上記範囲よりも厚いと剛性が強すぎて、包装材料や包装資材としての使い勝手が悪くなり易い。
【0016】
≪吸水フィルム≫
本発明における吸水フィルムは、気体および/または液体の水分を吸収する吸水フィルムであり、吸水層を有する。
【0017】
該吸水層は、少なくとも、熱可塑性樹脂と特定の吸水剤とを含有する。
吸水フィルムは、吸水剤を含有することによって吸水性を示すものであり、熱可塑性樹脂は、吸水剤を分散し、吸水フィルムを構成する樹脂成分として含有される。
そして、吸水剤としては、無機系吸水剤を含有することができる。
そしてまた、必要に応じて、吸水フィルムはヒートシール性樹脂をさらに含有することができる。ヒートシール性樹脂をさらに含有することによって、吸水フィルムは、ヒートシール性を示すことができる。
【0018】
吸水フィルムは、1層構成であっても、組成が同一または異なる2層以上で構成されていてもよい。
例えば、無機系吸水剤を含有する層(吸水層)と、無機系吸水剤を含有しない層との2層があってもよい。また、無機系吸水剤の含有量が異なる層があってもよい。
そして、ヒートシール性樹脂は、吸水層に含有されてもよく、吸水剤を含有しない層に含有されてヒートシール層を形成していてもよい。
さらに、吸水フィルムは、必要に応じて、支持性を補強するための支持層を有することもできる。
そして、吸水フィルムを構成する各層は、接着剤層を介して積層されていてもよい。
【0019】
無機系吸水剤を含有する層中の該無機系吸水剤の含有量は0.1質量%以上、50質量%以下が好ましく、2質量%以上、50質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも少ないと、充分な吸水性を発揮できない虞があり、上記範囲よりも多くても吸水性は特に向上せず、層間密着性やヒートシール性が低下したり、剛性が強くなり過ぎたりする虞がある。
【0020】
吸水フィルムは、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を含有することができる。その含有量としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に含有することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等を含有することができる。
【0021】
吸水フィルムの厚みに特に制限は無いが、10μm以上、100μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性が低すぎたり、破れやすかったり、充分な吸水効果を発揮し難くなり易く、上記範囲よりも厚いと剛性が強すぎて、包装材料や包装資材としての使い勝手が悪くなり易い。
【0022】
[吸水層]
吸水層は、吸水剤を含有する層であり、吸水剤を分散させるための熱可塑性樹脂も含有する。また、吸水層は、ヒートシール性樹脂を含有していてもよく、十分なヒートシール性を有していれば、同時にシーラント層にもなり得る。
吸水層の厚みに特に制限は無いが、5μm以上、50μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと充分な吸水効果を発揮し難く、上記範囲よりも厚くても吸水効果はそれほど向上せず、含有するフィルムの剛性が強くなりすぎて、シーラントフィルムや包装材料の用途としての使い勝手が悪くなり易い。
【0023】
<吸水剤>
(無機系吸水剤)
包装体内の低湿度状態の優れた経時安定性を得るためには、無機系吸水剤が、酸化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、ゼオライト、合成ゼオライト、酸化アルミニウム、シリカゲル、アルミナゲル、シリカアルミナゲル、及び、焼ミョウバンからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
また、一般的に、無機系吸水剤の中でも無機系化学吸水剤は、無機系物理吸水剤よりも
吸水効果が高く、含有量を低減することが可能であり、十分な吸水性とヒートシール性を単層で実現しやすい。
そして、無機系化学吸水剤の中でも、酸化カルシウムと無水硫酸マグネシウムは、水分の再放出が少なく、包装体内の低湿度状態の経時安定性が高く、絶乾効果を有することから、特に好ましい。
なお、絶乾効果とは、相対湿度が0%付近になるまで吸水する効果を示し、調湿効果とは、湿度が高い時には吸水し、湿度が低い時には放湿して、湿度を一定にする効果を指す。
【0024】
吸水層に含有される無機系吸水剤は、粉体の無機系吸水剤を熱可塑性樹脂とメルトブレンドしたマスターバッチを経て含有されることが好ましい。
具体的には、粉体の無機系吸水剤を熱可塑性樹脂に相対的に高濃度でメルトブレンドしてマスターバッチを調整し、次いで、所望の硫黄系ガス吸収層中の濃度になるように、マスターバッチと他の成分とをドライブレンドして用いることが好ましい。
メルトブレンドされる熱可塑性樹脂としては、1種であっても2種以上であってもよい。
無機系吸水剤のマスターバッチ中の含有量は、20質量%以上、90質量%以下が好ましく、30質量%以上、70質量%以下がより好ましい。上記の範囲であれば、吸水層層中に必要かつ十分な量の無機系吸水剤を分散した状態で含有させることが容易である。
【0025】
[熱可塑性樹脂]
硫黄系ガス吸収剤とともに含有される熱可塑性樹脂は、無機系吸水剤の分散性に優れ、包装材料の用途に耐え得るものであれば特に制限は無い。
また、熱可塑性樹脂はヒートシール性樹脂を含有することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルメタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
上記の中でも、ポリエチレン系の樹脂が好ましく、ポリエチレン系の樹脂の中でも、LDPE、LLDPE、汎用PE、PE系共重合体等がより好ましく、LLDPEが更に好ましい。
【0026】
[ヒートシール性樹脂]
ヒートシール性樹脂は、熱によって溶融して融着し得るものであれば、特に制限無く、公知の樹脂を用いることができる。
ヒートシール性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他等の不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-不飽和カルボン酸の三元共重合体樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましく、低密度ポリエチレンと直鎖状(線状)低密度ポリエチレンがさらに好ましい。
【0027】
[ヒートシール層]
ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、十分なヒートシール性を有する層であり、硫黄系ガス吸収剤を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
【0028】
[支持層]
支持層は必要に応じて含まれる層であり、例えば、吸水フィルムの剛性を補う為に含まれ、吸水フィルムを巻いたり重ねたりした際にブロッキングを防ぐ効果を奏することもできる。
支持層に含有される樹脂としては、LDPEやLLDPEが好ましい。また、ヒートシール性樹脂を含有してもよい。
支持層の厚みに特に制限は無いが、1μm以上、50μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性を補強する効果を発揮し難く、上記範囲よりも厚いと剛性が強すぎて、包装材料や包装資材としての使い勝手が悪くなり易い。
【0029】
<接着剤層>
接着剤層に用いられる接着剤には特に制限は無く、ドライラミネート用接着剤、EC(エクストルージョンコート)用接着剤、ノンソルベントラミネート用接着剤、任意のアンカーコート剤等を用いることができる。
また、接着剤は、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等のいずれであってよく、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム/シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。
【0030】
このような接着剤層を形成する成分としては、ポリ酢酸ビニルや酢酸ビニル-エチレン共重合体等のポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸とポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル等との共重合体からなるポリアクリル酸系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、LDPE等のポリオレフィン系接着剤、尿素樹脂又はメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等からなるエラストマー系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等が挙げられる。
【0031】
≪吸水シーラントフィルム≫
吸水シーラントフィルムは、吸水フィルムから作製されたシーラントフィルムであり、吸水フィルムと同様な吸水性と、優れたヒートシール性とを有する。
吸水フィルムが十分なヒートシール性と支持性を有している場合は、吸水フィルムをそのまま吸水シーラントフィルムとして用いることができ、必要に応じて、さらに支持層を積層したり、ヒートシール性樹脂を含有させたり、ヒートシール性樹脂を含有する層を積層したりして、吸水シーラントフィルムを作製することもできる。
【0032】
吸水シーラントフィルムは、1層構成であっても、2層以上の多層構成であってもよい。
多層構成の場合は、吸水フィルム由来の層に、支持層やヒートシール層を積層して、吸水シーラントフィルムを作製することができる。そして、必要に応じて、さらに種々の機能層を積層して吸水シーラントフィルムを作製することもできる。ここで、吸水シーラントフィルムを構成する各層は、接着剤層を介して積層されていてもよい。
吸水シーラントフィルムの片面表面または両面表面は、ヒートシール性を有することが好ましく、その為には、例えば、ヒートシール層を、吸水シーラントフィルムの片面表面、または両面表面に積層してもよい。
吸水シーラントフィルムの両面がヒートシール性を有することによって、吸水積層体内部の層間密着性とヒートシール性に優れた吸水積層体を作製することができる。
【0033】
吸水シーラントフィルムの厚みに特に制限は無いが、10μm以上、100μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性が低すぎたり、破れやすかったり、充分な吸水効果を発揮し難くなり易く、上記範囲よりも厚いと剛性が強すぎて、包装材料や包装資材としての使い勝手が悪くなり易い。
【0034】
<<吸水フィルム、吸水シーラントフィルムの作製方法>
下記に示した作製方法は1例であって、本発明を限定するものではない。
吸水フィルムまたは吸水シーラントフィルム、およびそれらを構成する各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
吸水フィルムまたは吸水シーラントフィルムの作製は、(共)押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の、公知の製膜化法および/または積層法により行うことができる。
吸水フィルムまたは吸水シーラントフィルムが2層以上で構成されている場合には、例えば、予め作製された各層を構成するフィルムを、接着剤層を介して積層してもよく、予め作製された層上に溶融した樹脂組成物を(共)押出によって積層してもよく、複数層を同時に作製しながら溶融圧着によって積層してもよく、または、他の層上に、1種または2種以上の樹脂を、塗布及び乾燥してコーティングしてもよい。
例えば、吸水フィルムにヒートシール層を積層して吸水シーラントフィルムを作製する例を説明することができる。
【0035】
吸水層やヒートシール層を、押出しまたは共押出しで、他の層上に、エクストルージョンコート法で積層したり、インフレーション法やキャスト法により製膜後に接着層を介して積層したりすることもできる。エクストルージョンコート法の場合でも、必要に応じて接着層を介して、積層してもよい。
または、予め製膜された吸水層用のフィルムやヒートシール層用のフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着層を介して積層、接着してもよい。
そして、必要に応じてエージング処理を行ってもよい。
【0036】
例えば、エクストルージョンコート法により吸水層やヒートシール層を積層する場合においては、まず、該層を形成する樹脂組成物を加熱して溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に(共)押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、該層の形成と、被積層面への積層および接着を同時に行うことができる。
エクストルージョンコート法により積層する場合の各層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2~50g/10分が好ましく、0.5~30g/10分がより好ましい。MFRが上記範囲よりも小さい、または大きいと加工適性が劣り易い。なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210に準拠した手法から測定された値である。
【0037】
インフレーション法を用いる場合の各層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2~10g/10分が好ましく、0.2~9.5g/10分がより好ましい。MFRが上記範囲よりも小さいまたは大きいと、加工適性が劣り易い。
【0038】
また、吸水フィルムまたは吸水シーラントフィルムを構成する各層間には、接着性を向上させるために、各層の表面に、必要に応じて、予め、所望の表面処理を施すことができる。
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いたる酸化処理等の前処理を任意に施して、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を形成して設けることができる。
或いは、表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の各種コート剤層には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を用いることができる。
【0039】
吸水フィルムまたは吸水シーラントフィルムを構成する各層は、さらに、必要に応じて、テンター方式やチューブラー方式等を利用して、従来公知の方法によって、1軸延伸または2軸延伸することができる。
【0040】
≪吸水積層体≫
本発明の吸水積層体は、本発明の吸水フィルムまたは本発明の吸水シーラントフィルムと、例えば、基材層やガスバリア層を積層して得られる積層体であり、吸水フィルムと同様な吸水性を有する。
吸水積層体は、必要に応じて、様々な機能を奏する中間層を、さらに含むことができる。
吸水積層体の片面の表面は、吸水積層体がヒートシール性を有する為に、ヒートシール層であることが好ましい。
ガスバリア層は、基材層と吸水層との間に積層されていることが好ましい。
また、吸水積層体を構成する各層は、接着剤層を介して積層されていてもよい。
そして、必要に応じてエージング処理を行ってもよい。
【0041】
吸水積層体または吸水積層体を構成する各層は、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を含有することができる。その含有量としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に含有することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等を含有することができる。
【0042】
<基材層>
基材層の素材には、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ耐熱性を有する一般的な公知公用の基材フィルムを使用することができる。基材フィルムとしては、各種の樹脂フィルムを用いることができ、さらには、各種の紙基材を用いることができ、樹脂フィルムと紙基材との併用もできる。
基材層は、1層で構成されていても、同じ又は異なる組成の任意の積層手段によって積層された2層以上の多層で構成されていてもよい。
基材層の厚さは、当業者が適宜に設定することができるが、積層体に適切な強度や腰を
付与する目的から、基材層の厚さは、5μm~100μmが好ましく、10μm~50μmがより好ましく、5~25μmが更に好ましい。
【0043】
具体的な樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な熱可塑性樹脂を用いて作製された樹脂フィルムが挙げられる。
そして、上記の樹脂フィルムは、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
上記の中でも、ポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂を含む樹脂フィルムが好ましく、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ナイロンフィルムが、より好ましく用いられる。
【0044】
紙基材は、賦型性、耐屈曲性、剛性等を付与できるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の、紙層用の紙基材、あるいは純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
紙基材としては、坪量約30g/m2~600g/m2位のものが好ましく、坪量約50g/m2~450g/m2位のものがより好ましい。
【0045】
基材層に用いる樹脂フィルムには、必要に応じて、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、他の性能に悪影響を与えない範囲で目的に応じて、任意に添加することができる。
また、基材層の片面若しくは両面に、印刷層を設けることもできる。
【0046】
[印刷層]
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のために、例えば、文字、数字、図形、記号、絵柄、模様等の意匠パターンを視覚的に示すものであり、所望の意匠パターンを形成することができる。
印刷層は、基材層の片面若しくは両面に、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式等の印刷方法で形成することが好ましい。そして印刷層は、被印刷面の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。
印刷層を積層体の内部に形成すれば、印刷層の密着性を向上させ、外部からの衝撃や摩擦で印刷層のインキ擦れや剥がれ等を抑えることができる。
印刷層を積層体の内部に有する場合には、印刷層を視認できるように、包装体形成時に印刷層よりも外側になる層は、透明であることが好ましい。
【0047】
[ガスバリア層]
バリア層は、気体の透過を抑制する層であり、硫黄系ガス吸収包装体を作製した際に、硫黄系ガス吸収包装体外部から包装体内部の内容物収容部への酸素や水蒸気の侵入を抑え、内容物から発生したガス成分のバリア層よりも外側への拡散を抑えることができる。また、本発明における吸収対象ガスの透過も同様に抑制することができる。
ガスバリア層には、様々なバリア性素材を用いることができる。また、酸素や水蒸気に対してのみでなく、太陽光等に対する遮光性、内容物に対する保香性等を有するバリア性素材であってもよい。また、水蒸気等に対するガスバリア性、太陽光等に対する遮光性、内容物に対する保香性等を有するバリア性素材を併用してもよい。
【0048】
上記のバリア性素材としては、ガスバリア性フィルムを用いることが好適であり、具体的には、例えば、金属箔、無機蒸着層を有する樹脂フィルム、酸素バリア性樹脂からなる樹脂コーティング膜または樹脂フィルム、からなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
特に、金属蒸着層を有する樹脂フィルム、金属酸化物の蒸着層を有する樹脂フィルム、バリア性樹脂からなる樹脂コーティング膜または樹脂フィルムのいずれかであることが、酸素ガス、水蒸気、遮光性、保香性等のバリア性に優れ、容器の廃棄面において環境にやさしいという利点を有するため好ましい。
【0049】
金属箔の具体例としては、アルミニウム箔が挙げられる。アルミニウム箔の厚さは、5μm~50μmが好ましい。
無機蒸着層を形成する無機化合物としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等が挙げられる。
上記の無機化合物を構成する金属元素の具体例としては、例えば、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、バリウム(Ba)、クロム(Cr)等が挙げられる。
【0050】
またこれら以外に、酸化インジウム錫(ITO)、化学気相成長法等で作製されたSiOXY膜などの複合的な無機化合物等も挙げられる。
【0051】
蒸着層を有する樹脂フィルムに用いられる蒸着種の無機物としては、酸化珪素、酸化アルミニウムが好ましい。
無機化合物の平均組成の表記は、例えば、SiOx、AlOx、SiOxy等のように、MOx、MOxy(ただし、式中、Mは金属元素を表し、x、yの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。金属酸化物の場合、Xの値の範囲は、例えば、ケイ素は、0~2、アルミニウムは、0~1.5、マグネシウムは、0~1、カルシウムは、0~1、カリウムは、0~0.5、スズは、0~2、ナトリウムは、0~0.5、ホウ素は、0~1、5、チタンは、0~2、鉛は、0~1、ジルコニウムは0~2、イットリウムは、0~1.5の範囲の値をとることができる。
上記のMOxにおいて、x=0の場合は例えば金属であり、また、xの範囲の上限は、完全に酸化した場合の値である。
【0052】
包装用材料用途には、酸化ケイ素、酸化アルミニウムが好適に使用され、酸化ケイ素はxが1.0~2.0、酸化アルミニウムはxが0.5~1.5の範囲の値のものを使用することが好ましい。
ガスバリア層は、これらのバリア性素材材料の1種で形成されていてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、1層で構成されていてもよく、同一または異なる組成の多層によって構成されていてもよく、多層の場合には隣接して積層されていなくてもよい。
【0053】
上記の蒸着層を支持する樹脂フィルムとしては、これに蒸着層を設けることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に強度を有して強靭であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムを使用することができる。
【0054】
具体的には、本発明において、上記の蒸着層を支持する樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂フィルム、各種ナイロン等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、アク
リロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブデン樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンフィルム、アセタール系樹脂フィルム、フッ素系樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムを使用することが好ましい。
【0055】
無機蒸着層を形成する方法としては、上記のような無機化合物を原料とし、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を利用して、樹脂のフィルムの上に蒸着層を形成することができる。
【0056】
更に、具体的に説明すると、上記のPVD法では、例えば、巻き取り式蒸着機を使用し、真空チャンバーの中で、巻き出しロールから出た樹脂フィルムを蒸着チャンバーの中に入れ、ここで、るつぼで熱せられた蒸着源を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素吹き出し口より酸素等を噴出させながら、冷却したコーティングドラム上の樹脂のフィルムの上に、マスクを介して無機蒸着層を形成し、次いで無機蒸着層が形成された樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取ることによって、本発明にかかる無機蒸着層を有する樹脂フィルムを製造することができる。
【0057】
一方、上記のCVD法では、蒸着チャンバー内に配置された巻き出しロールから繰り出した樹脂フィルム面に、蒸着チャンバー内の冷却、電極ドラム周面上において、蒸着原料揮発供給装置から供給される例えばモノマーガスとしての有機珪素化合物、酸素ガス、不活性ガスからなる混合ガスを導入し、プラズマによって酸化珪素等の無機蒸着層が形成された樹脂フィルムを製造することができる。そして、本発明においては、上記のような無機蒸着層を有する樹脂フィルムにおいて、酸素ガス、あるいは、水蒸気等が透過することを阻止し、これらに対するガスバリア層としての機能を奏するものである。
【0058】
上記において、蒸着層の厚さは、十分なバリア性を得るためには、30Å~3000Åが好ましく、40Å~2500Åがより好ましく、50Å~2000Åがさらに好ましい。
更に詳しくは、上記のPVD法においては、酸化アルミニウムからなる蒸着層の厚さは、30Å~1000Åが好ましく、50Å~500Å位がより好ましい。
また、上記のCVD法においては、酸化珪素からなる蒸着層の厚さは、30Å~3000Åが好ましく、50Å~2000Åがより好ましい。
なお、上記において、総じて、金属酸化物、無機物からなる蒸着層の場合は、蒸着層の厚さが上記範囲を超えると、蒸着層にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくない。また、上記範囲未満であると、バリア性を奏することが困難になることから好ましくないものである。
【0059】
また、無機蒸着層を有する樹脂フィルムは、温度40℃および湿度100%RHの環境下でJIS K7129法に準拠して測定した水蒸気透過度が、好ましくは3.0g/m2・day以下であり、より好ましくは2.0g/m2・day以下であり、さらに好ましくは1.5g/m2・day以下である。水蒸気透過度が上記数値範囲を満たせば、包装
体外部から包装体内部の内容物収容部への水蒸気の侵入を十分に抑えることができる。
また、無機蒸着層を有する樹脂フィルムは、温度23℃および湿度90%RHの環境下でJIS K7126法に準拠して測定した酸度透過度が、好ましくは3.0cc/m2・atm・day以下であり、より好ましくは2.0cc/m2・atm・day以下であり、さらに好ましくは1.0cc/m2・atm・day以下である。酸素透過度が上記数値範囲を満たせば、包装体外部から包装体内部の内容物収容部への酸素の侵入を十分に抑えることができる。
【0060】
バリア性樹脂からなるバリア性樹脂コーティング膜またはバリア性樹脂フィルムも、バリア性材として用いることができ、保香性等を発揮することもできる。
バリア性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(特にナイロンMXD6等の芳香族ポリアミド)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルがおよそ79wt%~92wt%)を完全ケン化したエチレン含有率25モル%~50モル%のエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、その他等のガスバリア性に富む樹脂のフィルム、あるいは、コーティング膜を使用することができる。
バリア性樹脂コーティング膜またはバリア性樹脂フィルムの厚さは、任意であるが、0.5μm~300μmが好ましく、1μm~100μmがより好ましい。
ガスバリア性フィルムとしては、金属箔や蒸着層を有する樹脂フィルムが好ましく、特にアルミニウム箔が好ましい。
【0061】
<吸水積層体の作製方法>
例えば、吸水シーラントフィルムに、基材層、ガスバリア層を積層して吸水積層体を作製する例を説明する。下記に示した作製方法は1例であって、本発明を限定するものではない。
基材層、ガスバリア層の積層は、通常の包装材料を製造するときに使用するラミネートする方法、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他等の任意の方法で行うことができる。
例えば、基材層、ガスバリア層、吸水シーラントフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着剤層を介して、積層、接着して、吸水積層体を得ることができる。
【0062】
エクストルージョンコート法により積層する場合においては、まず、接着剤層を形成する樹脂組成物を加熱して溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に(共)押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、接着剤層の形成と、被積層面への積層および接着を同時に行うことができる。
あるいは、例えば、先ず、基材層用の樹脂フィルムの片面に、ドライラミネーション接着剤を塗布、乾燥して、バリア層用のフィルムと接着して積層し、次いで、バリア層の表面に、ドライラミネーション接着剤を塗布、乾燥して、吸水シーラントフィルムと接着して積層して、吸水積層体を得ることができる。
そして、必要に応じてエージング処理を行ってもよい。
このようにして、吸水積層体を得ることができる。
【0063】
≪全固体リチウムイオンバッテリー包装体≫
本発明の全固体リチウムイオンバッテリー包装体は、本発明の吸水包装材料を用いて、硫化物系無機固体電解質タイプの全固体リチウムイオンバッテリーを包装して作製された包装体である。
全固体リチウムイオンバッテリー包装体においては、気体および/または液体の水分が
全固体リチウムイオンバッテリー包装体を構成する吸水包装材料に吸収される為に、全固体リチウムイオンバッテリーに到達して吸水されることが抑制されることによってアウトガスの発生が抑制され、全固体リチウムイオンバッテリー包装体に剥がれや膨れが生じ難い。
【実施例
【0064】
<原材料>
本発明の実施例で用いた主な原材料は下記の通りである。
【0065】
<無機系吸水剤>
・吸水剤1:吉澤石灰工業(株)社製酸化カルシウム、HAL-J。平均粒子径1~2μm。
・吸水剤2:神島化学工業(株)社製酸化マグネシウム、スターマグPSF-150。平均粒子径0.6μm。
・吸水剤3:水澤化学工業(株)社製ゼオライト、ミズカシーブス5AP。SiO2/Al23モル比=2/1、平均粒子径5μm。
・吸水剤4:日本軽金属(株)社製酸化アルミニウム、A33F(SA30シリーズ)。平均粒子径2μm。
【0066】
[熱可塑性樹脂、ヒートシール性樹脂]
・LDPE1:日本ポリエチレン(株)社製LDPE、ノバテックLC520。密度0.923g/cm3、MFR3.6g/10分。
・LLDPE1:プライムポリマー(株)社製LLDPE、ウルトゼックス4020L。密度0.937g/cm3、MFR2.3g/10分。
・LLDPE2:プライムポリマー(株)社製LLDPE、エボリューSP2020。密度0.916g/cm3、MFR2.0g/10分。
・PP1:日本ポリプロピレン(株)社製PP、ウィンテックWFW4M。密度0.9g/cm3、MFR7.0g/10分。
【0067】
[その他]
・ナイロンフィルム1:東洋紡(株)社製ナイロンフィルム、ハーデンフィルム NAP02。25μm厚
・PETフィルム1:東洋紡(株)社製。2軸延伸PETフィルム、E5100。12μm厚。
・アルミニウム箔1:東洋アルミニウム(株)社製アルミニウム箔、8021材。40μm厚。
・DL接着剤1:ロックペイント(株)社製ドライラミネート用接着剤、RU-004/H-1。
・EC接着剤1:三井化学(株)社製酸変性ポリエチレン、アドマーNF528。
・EC接着剤2:三井化学(株)社製酸変性ポリプロピレン、アドマーQF551、
【0068】
<マスターバッチの調製>
[マスターバッチ1の調製]
LDPE1と、吸水剤1とを下記割合でメルトブレンドし、マスターバッチ1(MB1)を得た。
LDPE1 40質量部
吸水剤1 60質量部
[マスターバッチ2~8の調製]
表1の配合に従って、マスターバッチ1と同様に、メルトブレンドし、マスターバッチ2~8(MB2~8)を得た。
【0069】
【表1】
【0070】
[実施例1]
下記原料をドライブレンドで混合して、吸水層用樹脂組成物を得た。
MB1 50質量部
LLDPE1 50質量部
次に、基材層用にナイロンフィルム1と、ガスバリア層用にアルミニウム箔1とを、DL接着剤1(塗布量3.0g/m2)を介したドライラミネーション(乾燥温度70℃)によって貼り合わせて、ナイロンフィルム1(25μm)/DL接着剤1(3.5g/m2)/アルミニウム箔1(40μm)の積層フィルムを作製した。
そして、上記で得た積層フィルムのアルミニウム箔1側に、EC接着剤1と上記で得た吸水層用樹脂組成物とを共押出して、共押出しラミネート法により下記層構成の吸水包装材料を得た。そして、各種評価を実施した。
層構成:ナイロンフィルム1(厚25μm)/DL接着剤1(塗布量3.0g/m2)/アルミニウム箔1(厚40μm)/EC接着剤1(厚15μm)/吸水層(厚30μm)
【0071】
[実施例2~14、比較例3、4]
表2~5の記載に従って、マスターバッチを選択して吸水層用の樹脂組成物を調製し、各層用の素材を選択して、実施例1と同様に操作して、吸水包装材料を得て、同様に評価した。
【0072】
[比較例1]
表5の記載に従って、実施例1と同様に操作して、吸水層の替わりにLLDPE1からなるヒートシール層を形成して、包装材料を得て、同様に評価した。
【0073】
[比較例2]
表5の記載に従って、実施例1と同様に操作して、吸水層の替わりにPP1からなるヒートシール層を形成して、包装材料を得て、同様に評価した。
【0074】
<結果まとめ>
本発明の全実施例の吸水積層体は、良好な製造適性、ヒートシール性、相対湿度の低下を示した。
しかしながら、無機系吸水剤を含有しない比較例1は、硫黄系ガス濃度の低減効果が劣り、無機系吸水剤の含有量が多量過ぎる比較例2は、ヒートシール性が劣った。
比較例3と4は、ヒートシール性が悪い為、以降の評価は中止し、硫黄系ガス濃度の測定評価は行わなかった。
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
<評価>
【0080】
[製造適性]
積層体の外観を肉眼で観察し、不良の有無を下記評価基準で評価した。
○:積層体に皺、ぶつ、剥離が無かった。
×:積層体に皺、ぶつ、剥離が有った。
【0081】
[ヒートシール性]
積層体を10cm×10cmに切り分け、シーラント面を重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP-701-A)を用いて、1cm×10cmの領域を下記条件でヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態の引き剥がし強度の試験片を作製した。
この試験片を、15mm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して下記条件で引き剥がし強度(N/15mm)を測定して、下記合否判定基準で合否判定した。
ヒートシール条件
温度:160℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
試験条件
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
合否判定基準
○:30N/15mm以上であり、合格。
×:30N/15mm未満であり、不合格。
【0082】
[相対湿度]
包装材料を20×20cmにカットし、相対湿度80%に調整した空気を湿度データロガー((株)ティアンドデイ社、TR-72wf)と共に、1000mlをガスサンプリングバック(IB-PET-PIR12μm/接着層/ONy15μm/接着層/LLDPEフィルム60μm)に入れ、25℃、48時間放置後の相対湿度を温度・湿度データロガーにより測定した。
【符号の説明】
【0083】
1 吸水包装材料
2 基材層
3 中間層
4 ガスバリア層
5 シーラント層
6 吸水層
7 無機系吸水剤
8 ヒートシール層
図1
図2
図3