(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-10
(45)【発行日】2025-06-18
(54)【発明の名称】容器詰め飲料温度管理装置
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20250611BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20250611BHJP
【FI】
A47F3/04 Z
F25D23/00 301L
(21)【出願番号】P 2022032174
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2024-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優樹
(72)【発明者】
【氏名】末藤 和孝
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-161513(JP,A)
【文献】特開平07-275124(JP,A)
【文献】特開2012-011045(JP,A)
【文献】特開2002-081842(JP,A)
【文献】特開2004-261493(JP,A)
【文献】特開2010-142583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーケースに陳列された容器詰め飲料の温度を管理するための容器詰め飲料温度管理装置であって、
前記ショーケースの内部に配置され
た収容部であって、1つ又は複数の飲料容器が
スライド可能に載置される載置面を有する収容部と、
前記載置面の側に配置され、前記載置面に載置された前記飲料容器の底面に接触して、又は、非接触で温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部によって検知された前記飲料容器の温度又はその温度に対応したマーク若しくはメッセージを表示する表示器と、を
備え、
前記温度検知部は、前記載置面に載置された前記飲料容器の底面に接触し、かつ、前記飲料容器が前記載置面上をスライドするときに、前記飲料容器の前記底面から離隔するように変位可能又は変形可能に構成されていることを特徴とする、容器詰め飲料温度管理装置。
【請求項2】
前記収容部の前記載置面は、前記ショーケースにおける前記飲料容器の取出側へ向かうにつれて下方側へ傾斜し、かつ、前記飲料容器を収容可能な内幅のレーンを有し、
前記レーンは、該取出側の端部に、前記飲料容器を静止するためのストッパを有し、該取出側とは反対側の端部から前記飲料容器を補充可能に構成されている、ことを特徴とする
請求項1に記載の容器詰め飲料温度管理装置。
【請求項3】
前記載置面の内部には、前記温度検知部が移動可能な穴部が形成されており、
前記温度検知部は、前記穴部に配置された付勢手段によって上方側へ向けて付勢され、前記飲料容器の温度を検知するための熱電対を備えることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の容器詰め飲料温度管理装置。
【請求項4】
複数の前記飲料容器の温度を検知して、前記飲料容器ごとに温度を表示可能であることを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の容器詰め飲料温度管理装置。
【請求項5】
検知した複数の前記飲料容器の温度を記憶可能に構成され、
前記複数の温度結果のうち、いずれかの飲料容器の温度結果を表示可能であることを特徴とする請求項4に記載の容器詰め飲料温度飲料温度管理装置。
【請求項6】
検知した複数の前記飲料容器の温度を記憶可能に構成され、
複数の前記飲料容器の温度を検知して、飲用に適した前記飲料容器を表示可能であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の容器詰め飲料温度管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、容器詰め飲料温度管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、缶若しくは使い捨てコップ等の容器に入った飲み物を、容器のまま加熱若しくは冷却することによって、容器中の飲み物の保温、保冷を可能にする飲み物容器ホルダーが開示されている。飲み物容器ホルダーによれば、これに内蔵した温度計若しくは熱電対によって測定した温度情報を、USBケーブルを介して接続したパソコンに転送し、そのモニター上に視覚的な温度情報を表示することができる。
【0003】
しかしながら、例えば、容器詰め飲料を冷蔵ショーケースに陳列して販売する場合には、容器詰め飲料が冷蔵ショーケースに補充(収容)されたタイミングによっては、容器詰め飲料と冷蔵ショーケースとの温度が異なる場合がある。購入者(消費者)は、冷蔵ショーケースの温度が表示されていたとしても、容器詰め飲料の温度を把握できないことが一般的であり、容器詰め飲料が冷蔵ショーケースに収容されている時間が短い場合には、十分に冷却されていない容器詰め飲料を購入する可能性がある。このため、容器詰め飲料を購入後直ぐに飲む場合には、消費者は、自身の予想に反して適切な温度に冷却されていない飲料を飲むこととなり、飲料を十分に味わうことができないためストレスを感じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような課題を考慮して、飲用に最適な温度で容器詰め飲料を提供することができる容器詰め飲料温度管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ショーケースに陳列された容器詰め飲料の温度を管理するための容器詰め飲料温度管理装置であって、ショーケースの内部に配置され、1つ又は複数の飲料容器が載置される載置面を有する収容部と、載置面の側に配置され、載置面に載置された飲料容器の底面に接触して、又は、非接触で温度を検知する温度検知部と、温度検知部によって検知された飲料容器の温度又はその温度に対応したマーク若しくはメッセージを表示する表示器と、を備える容器詰め飲料温度理装置である。
【0007】
さらに、本開示の他の態様として、温度検知部は、載置面に載置された飲料容器の底面に接触し、かつ、飲料容器が載置面上を移動するときに変位可能又は変形可能に構成されてもよい。
【0008】
また、本開示の他の態様として、収容部の載置面は、ショーケースにおける飲料容器の取出側へ向かうにつれて下方側へ傾斜し、かつ、飲料容器を収容可能な内幅のレーンを有し、レーンは、取出側の端部に、飲料容器を静止するためのストッパを有し、取出側とは反対側の端部から飲料容器を補充可能に構成されてもよい。
【0009】
さらに、本開示の他の態様として、載置面の内部には、前記温度検知部が移動可能な穴部が形成されてもよく、温度検知部は、穴部に配置された付勢手段によって上方側へ向けて付勢され、前記飲料容器の温度を検知するための熱電対を備えてもよい。
【0010】
また、本開示の他の態様として、複数の飲料容器の温度を検知して、飲料容器ごとに温度を表示可能とされてもよい。
【0011】
さらに、本開示の他の態様として、複数の飲料容器の温度を検知して、飲用に適した飲料容器を表示可能とされてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様に係る容器詰め飲料温度管理装置によれば、収容部の載置面の側には温度検知部が配置されており、載置面に載置された飲料容器の底面に接触して、又は、非接触で飲料容器の温度を検知することができる。また、温度検知部によって検知された容器詰め飲料の温度又はその温度に対応したマーク若しくはメッセージを表示器によって表示することができる。このため、飲料容器が飲用に最適な温度に冷蔵又は温蔵されたときに、その温度又はその温度に対応したマーク若しくはメッセージを表示して購入者(消費者)に認識させることができる。これによって、容器詰め飲料を飲用に最適な温度で購入者(消費者)に提供することができる。
【0013】
さらに、本開示の一態様に係る容器詰め飲料温度管理装置によれば、温度検知部は、載置面に載置された飲料容器の底面に接触し、かつ、飲料容器が載置面上を移動するときに変位可能又は変形可能に構成されている。このため、飲料容器の温度を安定して検出することができると共に、例えば、販売者が、ショーケースに飲料容器を補充する際に、温度検知部に妨げられずに簡便に飲料容器を補充することができる。
【0014】
また、本開示の一態様に係る容器詰め飲料温度管理装置によれば、収容部の載置面は、ショーケースにおける飲料容器の取出側へ向かうにつれて下方側へ傾斜し、かつ、飲料容器を収容可能な内幅のレーンを有する。また、レーンは、取出側の端部に、飲料容器を静止するためのストッパを有する。このため、飲料容器を取出側へ向けてレーンに沿って自重でスライドさせることができ、例えば、購入者が飲料容器を取り出した場合に、次の飲料容器を取出側の端部にスライドさせることができる。また、取出側の端部におけるストッパによって、飲料容器がレーンの最前よりも前側にスライドして収容部から落下することを防止することができる。さらに、取出側とは反対側の端部は、飲料容器を補充可能に構成されていることから、例えば、購入者が飲料容器を取り出した場合に、新たな飲料容器を簡便に収容部に補充することができる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る容器詰め飲料温度管理装置によれば、載置面の内部には、温度検知部が移動可能な穴部が形成されており、温度検知部は、穴部に配置された付勢手段によって上方側へ向けて付勢されている。このため、飲料容器が穴部及び温度検知部の位置に載置されているときは、付勢手段によって上方側へ向けて付勢された温度検知部を飲料容器に近づけることができ、温度検知部に配置された熱電対によって飲料容器の温度を安定して検知することができる。さらに、温度検知部を穴部へ移動させることができるため、温度検知部に妨げられずに簡便に飲料容器を収容部から取り出す又は収容部に補充することができる。
【0016】
さらに、本開示の一態様に係る容器詰め飲料温度管理装置によれば、複数の飲料容器の温度を検知して、飲料容器ごとに温度を表示することができる。このため、購入者は、ショーケースの中に収容された複数の飲料容器の中から飲用に適した温度に冷蔵又は温蔵された飲料容器を容易に選択することができる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る容器詰め飲料温度管理装置によれば、複数の飲料容器の温度を検知して、飲用に適した飲料容器を表示することができる。このため、購入者は、ショーケースの中に収容された複数の飲料容器の中から飲用に適した温度に冷蔵又は温蔵された飲料容器を容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る冷蔵ショーケースの正面斜視図を示す。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る容器詰め飲料温度管理装置の上方側から見た斜視図を示す。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る容器詰め飲料温度管理装置の側面図を示す。
【
図4】
図4は、
図3のA線で示された温度検知部の拡大図を示す。
【
図5】(A)は、飲用缶の温度の表示例を示し、(B)は、温度に対応したマーク及びメッセージの表示例を示し、(C)は、飲用缶ごとの温度の表示例を示し、(D)は、飲用に適した温度に冷蔵された飲用缶の表示例を示す。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る容器詰め飲料温度管理装置の平面図を示す。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る容器詰め飲料温度管理装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る容器詰め飲料温度管理装置を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺を変更して説明する場合がある。
【0020】
(第1実施形態)
図1には、一例として、ショーケースとしての冷蔵ショーケース10の内部に配置された容器詰め飲料温度管理装置12(以下、管理装置12と称する)の正面斜視図を示す。飲料が封入された外周形状が円筒状の飲料容器としての飲用缶Cは、管理装置12の上に載置されて冷蔵ショーケース10の内部に収容されている。飲用缶Cは、金属製であることが好ましく、アルミ缶、スチール缶等いかなる種類の金属で構成されてもよい。ここでは、図示しない購入者(消費者)が、飲用缶Cを冷蔵ショーケース10から取り出す側(
図1に表示されている側)を冷蔵ショーケース10の取出側TO(
図3参照)と称する。
【0021】
消費者は、冷蔵ショーケース10の取出側TOに透明なガラス等によって構成された扉10Aを開閉することによって、内部に収容された飲用缶Cを取り出すことができる。管理装置12の取出側TOには、飲用缶Cの温度又はその温度に対応したマークMK又はメッセージMSを表示する表示器14が配置されている。
図1には、飲用缶Cの温度に対応したメッセージMSの一例として「キンキン」の文字が表示されている。これは、飲用缶Cが「キンキン」に冷却されており、その内部に封入された飲料が最適な温度に冷却されていることを意味する。このため、消費者は、冷蔵ショーケース10の扉10Aを通じて管理装置12の表示器14のメッセージMSを視認し、飲用缶Cの温度を把握することができる。
【0022】
図2には、管理装置12を上方側から見た模式的な斜視図を示す。また、
図3には、管理装置12の模式的な側面図を示す。管理装置12は、冷蔵ショーケース10の棚板10Bの取出側TOの端部に配置された表示器14と、棚板10Bの上面に配置され、1つ又は複数の飲用缶Cが載置される載置面18を有する収容部16と、を備える。収容部16の載置面18は、冷蔵ショーケース10の取出側TOへ向かうにつれて下方側へ傾斜している。なお、以下の説明では、表示器14は棚板10Bの端部に配置され、収容部16は棚板10Bの上面に配置されているとして説明するが、これに限らず、表示器と収容部は一体で形成され、棚板を用いることなく管理装置の内部に配置されてもよい。
【0023】
載置面18には、その長手方向に沿って一対のガイド部材20が配置されており、一対のガイド部材20の間には、飲用缶Cを収容できるように飲用缶Cの幅とほぼ同一の内幅を有するレーン22が形成されている。このため、レーン22に載置された1つ又は複数の飲用缶Cを冷蔵ショーケース10の取出側TOへ向けてレーン22(載置面18)に沿って自重でスライドさせることができる。これによって、消費者が冷蔵ショーケース10の取出側TOから飲用缶Cを容易に取り出すことができる。
【0024】
レーン22の取出側TOの端部には、飲用缶Cを静止するためのストッパ24が取り付けられている。このため、傾斜しているレーン22をスライドする飲用缶Cが収容部16から落下することを防止又は抑制することができる。また、レーン22の長手方向において取出側TOとは反対側となる補充側SUの端部は、例えば、販売者が飲用缶Cを補充できるように補充側SU(後方側)へ向けて開放されている。
【0025】
図4には、温度検知部28の拡大図を示す。載置面18には、レーン22に沿って載置される飲用缶Cの位置に対応して上方側が開放された複数の穴部26が形成されている。各穴部26には、外周形状が穴部26の内周形状とほぼ同一の円形とされ、飲用缶Cの温度を検知することができる温度検知部28が配置されている。温度検知部28は、飲用缶Cの底面に接触する接触部30及び接触部30に配置され、飲用缶Cの温度を検知する熱電対32を備える。
【0026】
穴部26には、付勢手段としてのばね34が配置されており、穴部26の下方側から温度検知部28を上方側へ向けて付勢するように構成されている。このため、ばね34に付勢された温度検知部28は、穴部26から露出し、載置面18よりも上方側に配置されている。
【0027】
接触部30は、飲用缶Cの凹んだ底面の全面に接触できるように、内側部分が飲用缶Cの底面の形状に対応して形成されている。ここでは、接触部30は、中心へ向かうにつれて上方側が盛り上がった円板状に形成されている。
【0028】
接触部30の外側部30Aは、上方側が接触部30の中心側(径方向内側)へ向けて傾斜するように形成されている。このため、レーン22に沿ってスライドしてきた飲用缶Cが外側部30Aに当接(衝突)したときに、接触部30に下方側(穴部26側)へ向けて力(飲用缶Cの自重及びスライドによる慣性力)を作用させることができ、接触部30を穴部26へ移動させる(押し込む)ことができる。このため、飲用缶Cがレーン22をスライドする際に、温度検知部28がそのスライドを妨げることを防止又は抑制することができる。
【0029】
接触部30の中心部には、飲用缶Cの温度を検知するための温度センサとして熱電対32が接触部30の内側から配置されており、接触部30の中心部に形成された穴から露出している。このため、接触部30が飲用缶Cの底面に接触したときに、熱電対32を飲用缶Cの底面に当接させることができる。
【0030】
なお、以下の説明では、温度検知部28には温度センサとして熱電対32が配置されているとして説明するが、これに限らず、放射温度計、測温抵抗体、サーミスタ測温体等の他の種類の温度センサが用いられてもよい。
【0031】
熱電対32は、電気ケーブル36を介して制御装置38と電気的に接続されている。制御装置38は、プロセッサ及び記憶装置(いずれも図示省略)を含んで構成されている。なお、これに限らず、制御装置は、PC等を含んで構成されてもよい。
【0032】
熱電対32によって検知された飲用缶Cの温度は、制御装置38内に記録(記憶)される。
図5(A)に示すように、記憶された飲用缶Cの温度は、電気ケーブル36を介して制御装置38と接続された表示器14に表示させることができる。
【0033】
制御装置38には、飲料の種類ごとに飲用に最適な温度を予め入力し、記憶させることができる。また、制御装置38は、検知された飲用缶Cの温度を記憶させた最適な温度と比較し、例えば、飲み頃指数のような指標を判定することができる。さらに、
図5(B)に示すように、判定した指標を表示器14に送信(伝達)し、表示器14にメッセージMSとマークMKといった形式で表示することができるため、飲用缶Cの温度を購入者に分かりやすく伝えることができる。
【0034】
また、制御装置38は、検出した飲用缶Cの温度に応じて、冷却/加温、又は、保温制御を行うことができる。具体的には、例えば、冷蔵ショーケース10内の飲料がぬるい場合、すなわち、飲料の温度が所望の温度よりも高い場合は、冷却温度を下げるための冷気の温度制御及び図示しない空冷ファンの回転速度の制御を行うことができる。このため、一般的な冷蔵庫で用いられる庫内空気温度に基づく制御に比べて、より適切かつ迅速な飲料の温度制御を行うことができ、飲料の冷却だけでなく過冷却を抑制又は防止することができる。これによって、飲料の飲用時の品質を向上させ、冷蔵ショーケース10の消費エネルギーを低減することができる。
【0035】
さらに、
図3に示すように、温度検知部28は、飲用缶Cの位置に対応して複数配置されており、各温度検知部28の熱電対32は、別個に制御装置38と接続されている。このため、制御装置38は、各熱電対32によって検知された複数の飲用缶Cの温度を記憶し、例えば、
図5(C)に示すように、各飲用缶Cの温度を表示器14に表示させることができる。このため、購入者は、レーン22上の各飲用缶Cの温度を容易に把握することができる。
【0036】
また、
図5(D)に示すように、制御装置38は、複数の飲用缶Cについて、それぞれの飲み頃指数を判定すると共に、飲用に最適な温度に冷蔵された飲用缶Cを特定し、特定した飲用缶Cの情報を表示器14に表示させることができる。このため、購入者は、レーン22上のどの飲用缶Cが飲用に最適な温度であるかを容易に認識することができる。
【0037】
続いて、本実施形態に係る管理装置12の作用及び効果について、以下に説明する。
【0038】
本実施形態に係る管理装置12によれば、収容部16の載置面18には、温度検知部28が配置されており、載置面18に載置された飲用缶Cの底面に温度検知部28を接触させて飲用缶Cの温度を検知することができる。また、温度検知部28によって検知された飲用缶Cの温度又はその温度に対応したマークMK若しくはメッセージMSを表示器14によって表示することができる。このため、飲用缶Cが飲用に最適な温度に冷蔵されたときに、その温度又はその温度に対応したマークMK若しくはメッセージMSを表示して購入者(消費者)に認識させることができる。これによって、飲用缶C(容器詰め飲料)を飲用に最適な温度で購入者(消費者)に提供することができる。
【0039】
さらに、本実施形態に係る管理装置に12よれば、温度検知部28は、載置面18の内部に形成された穴部26に変位可能(移動可能)に構成されている。このため、販売者が、冷蔵ショーケース10に飲用缶Cを補充する際に、温度検知部28に妨げられずに簡便に飲用缶Cを補充することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る管理装置12によれば、収容部16の載置面18は、冷蔵ショーケース10における飲用缶Cの取出側TOへ向かうにつれて下方側へ傾斜し、かつ、飲用缶Cを収容可能な内幅のレーン22を有する。また、レーン22は、取出側TOの端部に、飲用缶Cを静止するためのストッパ24を有する。このため、飲用缶Cを取出側TOへ向けてレーン22に沿ってスライドさせることができ、例えば、購入者がレーン22の最前の飲用缶Cを取り出した場合に、次の飲用缶Cを取出側TOの端部にスライドさせる(載置させる)ことができる。また、取出側TOの端部に配置されたストッパ24によって、飲用缶Cがレーン22の最前よりも前側にスライドして収容部16から落下することを防止することができる。さらに、レーン22の補充側SUの端部は、後方側へ向けて開放されていることから、例えば、購入者が飲用缶Cを取り出した場合に、販売者が新たな飲用缶Cを簡便に収容部16に補充することができる。
【0041】
さらに、本実施形態に係る管理装置12によれば、載置面18の内部には、温度検知部28が移動可能な穴部26が形成されており、温度検知部28は、穴部26に配置されたばね34によって上方側へ向けて付勢されている。このため、飲用缶Cが穴部26及び温度検知部28の位置に載置されているときは、ばね34によって上方側へ向けて付勢された温度検知部28を飲用缶Cに密着(接触)させることができ、温度検知部28が飲用缶Cと接触する部分に配置された熱電対32によって飲用缶Cの温度を安定して検知することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る管理装置12によれば、接触部30の外側部30Aは、上方側が接触部30の中心側へ向けて傾斜するように形成されている。このため、レーン22に沿ってスライドしてきた飲用缶Cが外側部30Aに衝突したときに、接触部30に穴部26側へ向けて飲用缶Cの自重及びスライドによる慣性力を作用させることができ、接触部30を穴部26へ移動させることができる。このため、温度検知部28が飲用缶Cのレーン22上のスライドを妨げることを防止又は抑制することができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る管理装置12によれば、複数の飲用缶Cの温度を検知して、飲用缶Cごとに表示器14に温度を表示することができる。このため、購入者は、冷蔵ショーケース10の中に収容された複数の飲用缶Cの中から飲用に適した温度に冷蔵又は温蔵された飲用缶Cを容易に選択することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る管理装置12によれば、複数の飲用缶Cの温度を検知して、飲用に適した飲用缶CをマークMK及びメッセージMSを用いて表示することができる。このため、購入者は、冷蔵ショーケース10の中に収容された複数の飲用缶Cの中から飲用に適した温度に冷蔵又は温蔵された飲用缶Cを容易に選択することができる。
【0045】
以上の説明のとおり、本実施形態に係る管理装置12によって、飲用に最適な温度で容器詰め飲料を提供することができる。
【0046】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る容器詰め飲料温度管理装置50(以下、管理装置50と称する)について説明する。第1実施形態と同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0047】
図6には、管理装置50の平面図を示す。管理装置50は、表示器14(
図3参照)と、1つ又は複数の飲用缶Cが載置される載置面54を有する収容部52と、を備える。収容部52は、載置面54が水平になるように、冷蔵ショーケース10内部で水平に配置されている棚板10B(
図7参照)の上面に沿って配置されている。なお、以下の説明では、収容部52は棚板10Bの上面に配置されているとして説明するが、これに限らず、収容部は、棚板を用いることなく管理装置の内部に配置されてもよい。
【0048】
収容部52の両側部には、その長手方向に沿って延在する一対のガイド部材56が配置されている。一対のガイド部材56は、その内幅が飲用缶Cの幅とほぼ同一となるように配置されており、これらの間には、回転可能に形成され、その中心軸の両端がガイド部材56にそれぞれ固定された外周形状円筒状のローラ58が取り付けられている。これによって、1つ又は複数の飲用缶Cを載置するためのレーン60が形成され、ローラ58の表面(側面)が載置面54とされている。
【0049】
レーン60には、載置面54に載置される飲用缶Cの位置に対応して上方側が開放された複数の開口部62が形成されている。具体的には、開口部62は、レーン60の幅方向中央部に配置された平面視中空矩形状の枠部材64の中空部分によって形成されている。枠部材64は、その両側部が、ローラ58よりも軸方向長さを短く形成された短ローラ66と連結されることによって、一対のガイド部材56と連結されている。
【0050】
図7には、一方のガイド部材56及び短ローラ66並びに枠部材64を取り除いた管理装置50を側面視で示す。載置面54の下方側には、平面視で開口部62の内側に位置するように温度検知部68が配置されている。ここでは、温度検知部68は、棚板10Bの上面に配置されている。温度検知部68の上方側には非接触温度センサとして外周形状が円筒状の赤外線温度センサ70が取り付けられている。赤外線温度センサ70は、その上面に取り付けられた検出素子部が飲用缶Cの底面C1の中央部における検査部TAから放射された赤外線を吸収することによって飲用缶Cの温度を検出するように構成されている。なお、赤外線温度センサ70を用いて温度を検出する場合は、底面C1の中央部を検査部TAとすることが好適であるが、これに限らず、底面の中央部以外の部分を検査部としてもよい。
【0051】
本実施形態に係る管理装置50によれば、載置面54に載置される飲用缶Cの位置に対応して上方側が開放された複数の開口部62が形成され、開口部62の下方側には、温度検知部68が配置されている。このため、開口部62の位置に載置された飲用缶Cから放射される赤外線を赤外線温度センサ70によって検知し、飲用缶Cの温度を安定して検出することができる。これによって、飲用缶Cのレーン60上の移動を阻害することなく、非接触で温度を検知することができる。
【0052】
さらに、本実施形態に係る管理装置50によれば、ローラ58の側面によって載置面54が形成される。このため、載置面54を傾斜させることなく飲用缶Cを補充側SUから取出側TOへスライドさせることができる。
【0053】
以上、管理装置12、50の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解できると考えられる。
【0054】
なお、ここでは、管理装置12、50が配置されるショーケースは、冷蔵ショーケース10として説明したが、これに限らず、温蔵ショーケースに容器詰め飲料温度管理装置が配置されてもよい。
【0055】
さらに、ここでは、飲料容器を金属製の飲用缶Cとして説明したが、これに限らず、飲料容器は、びん、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチック製容器等、他の材料で構成されてもよい。
【0056】
また、ここでは、温度検知部28は、載置面18の内部に形成された穴部26に変位可能に構成されているとして説明したが、これに限らず、温度検知部は、変位することによって飲用缶のスライドを妨げないような如何なる態様も含み得ることができ、例えば、通常は飲用缶の底面に接触できるように捩じりばね等によって上方側へ向けて付勢されているが、スライドする飲用缶の自重によって載置面側に傾倒可能(変位可能)な構成とされてよい。
【0057】
さらに、ここでは、温度検知部28は、穴部26に配置されたばね34を介して変位可能に構成されているとして説明したが、これに限らず、温度検知部は、例えば、ゴムや樹脂等の弾力性を有する材料で形成された接触部が穴部若しくは載置面に配置され、飲用缶の自重によって変形することで飲用缶のスライドを妨げないように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 冷蔵ショーケース(ショーケース)
12 容器詰め飲料温度管理装置
14 表示器
16 収容部
18 載置面
22 レーン
24 ストッパ
26 穴部
28 温度検知部
30 接触部
32 熱電対
34 ばね(付勢手段)
50 容器詰め飲料温度管理装置
52 収容部
54 載置面
60 レーン
68 温度検知部
C 飲用缶(飲料容器)
MK マーク
MS メッセージ
SU 補充側(反対側の端部)
TO 取出側