IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キム、ジョンウォンの特許一覧

<>
  • 特許-角質除去具 図1
  • 特許-角質除去具 図2
  • 特許-角質除去具 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-11
(45)【発行日】2025-06-19
(54)【発明の名称】角質除去具
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/02 20060101AFI20250612BHJP
   A61B 17/54 20060101ALI20250612BHJP
【FI】
A47K7/02 Z
A61B17/54
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022576501
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 KR2021005512
(87)【国際公開番号】W WO2021251622
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0070822
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522481411
【氏名又は名称】キム、ジョンウォン
【氏名又は名称原語表記】KIM, Jong-won
【住所又は居所原語表記】1F, 19, Sanbon-ro 85beon-gil, Gunpo-si, Gyeonggi-do 15849 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンウォン
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-073139(JP,A)
【文献】実開平06-041604(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0057136(KR,A)
【文献】米国特許第05800446(US,A)
【文献】国際公開第2018/185815(WO,A1)
【文献】特開2003-265491(JP,A)
【文献】特表2008-504052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00- 7/08
A45D 29/04、29/12
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクが折り畳まれてなる角質除去具において、
前記ブランク(100)は、使用者が折り畳んで自分の一本の手指に着用できるように、折り畳み可能な金属の薄板材がI字状に裁断されており、
前記ブランク(100)は、
使用者の手指が伸びた方向において前側に配置され、使用者の手指が伸びた方向に平行な横辺(11)が使用者の手指が伸びた方向に垂直な縦辺(12)よりも短い長さを持った長方形の前方パネル(10)と、
使用者の手指が伸びた方向において後側に配置され、使用者の手指が伸びた方向に平行な横辺(21)が使用者の手指が伸びた方向に垂直な縦辺(22)よりも短い長さを有し、前記前方パネル(10)よりも大きな面積を持った長方形の後方パネル(20)と、
前記前方パネル(10)と前記後方パネル(20)との間に介在されて、使用者の手指の伸びた方向に平行な方向に伸びて前記前方パネル(10)の縦辺(12)の中央部位と前記後方パネル(20)の縦辺(22)の中央部位に両端が一体に結合された中間パネル(30)と、
を備え、
前記前方パネル(10)の縦辺(12)が伸びている方向において、前記ブランク(100)の底面の中央部位には、前記中間パネル(30)と隣り合う前記前方パネル(10)と前記後方パネル(20)の隣接部位及び前記中間パネル(30)の部位に凹凸部(43)が角質を除去可能に形成されたことを特徴とする角質除去具。
【請求項2】
前記中間パネル(30)の二つの横辺(31、31)の一方の端と前記前方パネル(10)の縦辺(12)とが接続される角隅部位には、折り畳み易さを与えるために、一対の第1のC字状の切り欠き部(41)が形成されており、かつ、前記中間パネル(30)の二つの横辺(31、31)の他方の端と前記後方パネル(20)の縦辺(22)とが接続される角隅部位には、折り畳み易さを与えるために、一対の第2のC字状の切り欠き部(42)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の角質除去具。
【請求項3】
前記前方パネル(10)の横辺(11、11)及び縦辺(12、12)、前記後方パネル(20)の横辺(21、21)及び縦辺(22、22)、並びに前記中間パネル(30)の横辺(31、31)は、使用者の怪我を防ぐために、前記ブランク(100)の表面に向かって折り返されて巻き上がっていることを特徴とする請求項2に記載の角質除去具。
【請求項4】
前記ブランク(100)は、使用者の一本の手指に着用された状態が保持されるようにする着用状態保持手段(50)を備え、
前記着用状態保持手段(50)は、
前記凹凸部(43)を間に挟んで、かつ、前記前方パネル(10)の縦辺(12)が伸びた方向に間隔をあけて、前記前方パネル(10)に穿設された一対の複数本の雌状貫通孔(51)と、
使用者の一本の手指に着用されるために、前記中間パネル(30)が使用者の手指が伸びた方向における中間部位を中心として上に折り返されるときに、前記一対の複数本の雌状貫通孔(51)と向かい合う前記後方パネル(20)の部位に形成され、前記一対の複数本の雌状貫通孔(51)のうちのいずれか一対の一本の雌状貫通孔(51)に挿通されて結合可能な大きさと形状を持った一対の雄状突起(52)と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の角質除去具。
【請求項5】
前記一対の複数本の雌状貫通孔(51)のそれぞれは、前記前方パネル(10)の横辺(11)が伸びた方向に長尺なスロット状の孔となっており、
前記一対の雄状突起(52)のそれぞれは、
前記後方パネル(20)の部位に打ち抜き加工により形成されたアーチ軌跡の貫通孔(52a)と、
前記アーチ軌跡の貫通孔(52a)の形成により付随的に生じた一端支持片(52b)を前記ブランク(100)の表面の上側に、かつ、前記アーチ軌跡の貫通孔(52a)から遠ざかる側に折り返された折り曲げ片(52b)と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の角質除去具。
【請求項6】
前記後方パネル(20)と中間パネル(30)との間の境界部位の上面には、かつ、前記後方パネル(20)の基端側の中央の上面には、着用状態で着用者の着用手指と角質除去具との間の滑り止めを図るために、粗さ部(23)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の角質除去具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角質除去具に係り、さらに詳しくは、折り畳んで使用可能な角質除去具に関する。
【背景技術】
【0002】
角質除去器には、掻き取り方式、電気駆動方式、及び足着用方式のものがある。
【0003】
掻き取り方式は、使い勝手がよいというメリットがあるものの、使用者が自ら力を加えなければならないという欠点があり、電気駆動方式は、使用者が力を与えなくても済むことから、便利であるとはいえ、コストが高くつくという欠点があり、かつ、足着用方式は、効果が現れるのに2週間ないし3週間がかかり、しかも、夏場には使い勝手が悪いという欠点がある。
【0004】
特に、掻き取り方式の例としては、大韓民国特許公開第10-2006-0054571号公報に、把持可能な棒の先端の底面に凹凸部を形成した角質除去器が開示されている。
【0005】
上記の棒状の角質除去器は、棒の基端に形成された柄を使用者が手で握って、使用者の足の角質部位に凹凸部を接触させて擦って角質部位に存在する角質を除去するようなものとなっている。
【0006】
しかしながら、大衆銭湯、銭湯サウナなどといった共同施設においては、使用者が大勢いるということから、前記棒状の角質除去器が多数備え付けられることを余儀なくされるが、共同施設において上記の棒状の角質除去器を多数備え付けようとしても、上記の棒状の角質除去器が高価であり、しかも、備え付けるための占有面積を広くとってしまうという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の不都合を解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、使用者が折り畳んで自分の一本の手指に着用できるように、折り畳み可能な金属の薄板材がI字状のブランクに裁断され、裁断されたブランクの表面及び裏面のうちの裏面に凹凸部が形成され、使用者の一本の手指に着用された状態が保持されるようにする着用状態保持手段が前記ブランクに形成された角質除去具を提供することにより、上記の課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記の如き課題の解決手段により、角質除去具が金属の薄板材製のブランクとなっていることから、安価なコストで製造されることができ、前記角質除去具のブランクが枚葉式にて上に複数枚積み重ねられることから、備え付け空間を広く取らず、使用者の手指の太さに合わせて角質除去具のブランクが折り畳めることから、着用性に優れており、非常に安価なコストで製造されて使い捨てで手軽に利用でき、しかも、リサイクルできることから、大衆銭湯、銭湯サウナなどといった共同施設において手軽に取り入れることができる。
【0010】
また、本発明は、使用者が立った姿勢、座った姿勢などといった各種の姿勢においても角質除去部位を洗い落とした途端に、角質除去具により角質取りや角質除去が可能になるだけではなく、角質除去具が、最近環境汚染の主犯と指摘されているプラスチック素材ではなく、リサイクル可能な金属素材から作製されていることから、環境汚染を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態の角質除去具のブランクを示す平面図である。
図2図1の左側面図(a)及び底面図(b)である。
図3図1のブランクが折り畳まれて使用者の一本の手指に着用される過程を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態の角質除去具について、図1から図3に基づいて詳しく説明する。
【0013】
図1には、この実施形態に係る、折り畳まれて角質除去具となるブランクが符号100として示されている。
【0014】
前記ブランク100は、使用者が折り畳んで自分の一本の手指に着用できるように、折り畳み可能な金属の薄板材がI字状に裁断されている。
【0015】
前記ブランク100は、図1及び図2に示すように、使用者の手指が伸びた方向において前側に配置され、使用者の手指が伸びた方向に平行な横辺11が使用者の手指が伸びた方向に垂直な縦辺12よりも短い長さを持った長方形の前方パネル10と、使用者の手指が伸びた方向において後側に配置され、使用者の手指が伸びた方向に平行な横辺21が使用者の手指が伸びた方向に垂直な縦辺22よりも短い長さを有し、前記前方パネル10よりも大きな面積を持った長方形の後方パネル20と、前記前方パネル10と前記後方パネル20との間に介在されて、使用者の手指の伸びた方向に平行な方向に伸びて前記前方パネル10の縦辺12の中央部位と前記後方パネル20の縦辺22の中央部位に両端が一体に結合された中間パネル30と、を備えている。
【0016】
また、前記中間パネル30の二つの横辺31、31の一方の端と前記前方パネル10の縦辺12とが接続される角隅部位には、折り畳み易さを与えるために、一対の第1のC字状の切り欠き部41が形成されており、かつ、前記中間パネル30の二つの横辺31、31の他方の端と前記後方パネル20の縦辺22とが接続される角隅部位には、折り畳み易さを与えるために、一対の第2のC字状の切り欠き部42が形成されている。
【0017】
さらに、前記前方パネル10の横辺11、11及び縦辺12、12、前記後方パネル20の横辺21、21及び縦辺22、22、並びに前記中間パネル30の横辺31、31は、使用者の怪我を防ぐために、前記ブランク100の表面(上面)に向かって折り返されて巻き上がっている。
【0018】
さらにまた、前記前方パネル10の縦辺12が伸びている方向において、前記ブランク100の底面(着用時の外面)の中央部位には、前記中間パネル30と隣り合う前記前方パネル10と前記後方パネル20の隣接部位及び前記中間パネル30の部位に連なった凹凸部43が、角質が除去可能な大きさと形状をもって形成されている。
【0019】
これらに加えて、前記ブランク100は、使用者の一本の手指に着用された状態が保持されるようにする着用状態保持手段50を備えている。
【0020】
前記着用状態保持手段50は、前記凹凸部43を間に挟んで、かつ、前記前方パネル10の縦辺12が伸びた方向に間隔をあけて前記前方パネル10に穿設された一対の複数本の雌状貫通孔51と、使用者の一本の手指に着用されるために、前記中間パネル30が使用者の手指が伸びた方向における中間部位を中心として上に折り返されるときに、前記一対の複数本の雌状貫通孔51と向かい合う前記後方パネル20の部位に、前記一対の複数本の雌状貫通孔51のうちのいずれか一対の一本の雌状貫通孔51に挿通されて結合可能な大きさと形状をもった一対の雄状突起52と、を備えている。
【0021】
前記一対の複数本の雌状貫通孔51のそれぞれは、前記前方パネル10の横辺11が伸びた方向に長尺なスロット状の孔となっている。
【0022】
前記一対の雄状突起52のそれぞれは、前記雌状貫通孔51に挿通されて掛止可能な大きさと形状を有する。このために、前記一対の雄状突起52のそれぞれは、前記後方パネル20の部位に打ち抜き加工により形成されたアーチ軌跡の貫通孔52aと、前記アーチ軌跡の貫通孔52aの形成により付随的に生じた一端支持片52bを前記ブランク100の表面の上側に、かつ、前記アーチ軌跡の貫通孔52aから遠ざかる側に折り返された折り曲げ片52bと、を備えている。
【0023】
また、前記後方パネル20と中間パネル30との間の境界部位の上面(着用時の内面)には、かつ、前記後方パネル20の基端側の中央の上面(着用時の内面)には、着用状態で着用者の着用手指と角質除去具との間の滑り止めを図るために、粗さ部23が形成されている。
【0024】
上記のような構成を有するブランク100は、図3に示すように、使用者の一本の手指に着用されることができる。
【0025】
まず、前記ブランク100の表面側を上に向かわせた状態で、前記一対の複数本の雌状貫通孔51が前記一対の雄状突起52に向かい合うように位置可能な個所に、かつ、前記後方パネル20の基端が使用者の一本の手指の掌側(手のひら側)に形成された複数の節部位のうち、一番前方に位置している先端の節部位を超える個所に使用者の一本の手指の先端を載せておく。
【0026】
次いで、前方パネル10の表面が上記の手指の甲に当接するように前記中間パネル30を折り畳んで前記前方パネル10を下に押し付ける。
【0027】
次いで、前記凹凸部43を間に挟んだ前記前方パネル10の部位を前記一本の手指の両側面を包み込むように湾曲させる。
【0028】
次いで、前記凹凸部43を間に挟んだ前記後方パネル20の部位を前記一本の手指の両側面を包み込むように湾曲させながら、前記一対の複数本の雌状貫通孔51のうち、前記一対の雄状突起52が向かい合うことになるいずれか一対の一本の雌状貫通孔51に前記一対の雄状突起52が挿通されるようにする。
【0029】
次いで、前記一対の雄状突起52が前記いずれか一対の一本の雌状貫通孔51に対して前記凹凸部43に背いた方向に移動されるようにして、前記折り曲げ片52bが前記一本の雌状貫通孔51bの一辺に掛止されるようにすれば、前記ブランク100が使用者の一本の手指に着用された状態の姿勢が安定的に保持され、その結果、角質除去具となって使用者の角質が除去可能な状態となる。
【0030】
使用者が角質取り、角質削りや角質除去の作業を終えると、前記手順とは逆順にして、使用者の一本の手指への着用状態を解除してから、廃棄処理をする。
【0031】
上記のような構成を有する角質除去具は、金属の薄板材製のブランク100となっていることから、安価なコストで製造されることができ、前記角質除去具のブランクが枚葉式にて上に複数枚積み重ねられることから、備え付け空間を広く取らず、使用者の手指の太さに合わせて角質除去具のブランクが折り畳めることから、着用性に優れており、非常に安価なコストで製造されて使い捨てで手軽に利用でき、しかも、リサイクルできることから、大衆銭湯、銭湯サウナなどといった共同施設において手軽に取り入れることができる。
【0032】
また、上記のような構成を有する角質除去具は、単品であることから、手軽にリサイクルすることができ、椅子に着座しなくても、立った姿勢などの各種の姿勢において手軽に足を洗いながら擦ることを可能にし、製造コストに比べて長期にわたって使用可能にする他、スナップ式により結合されることから、手指の節に見合うように引っ掛けると、滑り止め及び抜け止めの現象を極力抑えることができ、周縁部が丸み処理されていることから、怪我なしに取り扱うことを可能にする。
【0033】
さらに、上記のような構成を有する角質除去具は、最近環境汚染の主犯と指摘されているプラスチック素材ではなく、リサイクル可能な金属素材から作製されていることから、環境汚染を防ぐことができる。
【0034】
上記の実施形態の説明において、前記角質除去具が前記ブランク100として備え付けられると説明されているが、本発明は、これに何ら限定されるものではなく、使用者の使い勝手のよさのために、着用状態保持手段50が結合解放された状態で、折り畳まれた状態で備え付けられてもよい。
【0035】
また、上記の実施形態の説明において、着用状態保持手段50の雌状貫通孔51が前方パネル10に形成され、雄状突起52が後方パネル20に形成されていると説明されているが、本発明は、これに何ら限定されるものではなく、着用状態保持手段50の雌状貫通孔51が後方パネル20に形成され、雄状突起52が前方パネル10に形成されてもよい。
【0036】
さらに、上記の実施形態の説明において、前記ブランク100の底面の中央部位に形成された前記凹凸部43が、前記前方パネル10の横辺11が伸びている方向において、前記中間パネル30と隣り合う前記前方パネル10の部位、前記中間パネル30の部位及び前記中間パネル30と隣り合う前記後方パネル20の部位にこの順に連なって形成されていると説明されているが、本発明は、これに何ら限定されるものではなく、前記前方パネル10の部位と前記中間パネル30に横辺11が伸びた方向に間隔をあけて複数の平坦部43aが形成されてもよい。このときには、前記凹凸部43の粗さが全体的に揃っていないため、使用者が前記凹凸部43の粗さを選んで使えるという側面からみて、好適である。
図1
図2
図3