(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-13
(45)【発行日】2025-06-23
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理装置、シミュレーションシステム、シミュレーション方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20250616BHJP
【FI】
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2023191119
(22)【出願日】2023-11-08
【審査請求日】2024-10-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505377049
【氏名又は名称】学校法人京都橘学園
(73)【特許権者】
【識別番号】500136290
【氏名又は名称】東京書籍株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【氏名又は名称】小野 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 修
(72)【発明者】
【氏名】加藤 丈和
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-163454(JP,A)
【文献】特開2023-073220(JP,A)
【文献】特開2023-109464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面談のシミュレーションを実行するための装置であって、
前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得する取得部と、
前記取得部が取得した対応に応じて生成部により生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示する提示部とを具備
し、
前記提示部は、前記生成部により生成された、前記課題を含むエピソードを前記利用者に提示する
端末装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記提示部が提示した前記反応に対してさらに前記利用者により入力される対応を取得し、
前記提示部は、前記利用者により前記対応が入力される度に前記生成部により生成される前記反応を前記利用者に提示する
請求項1の端末装置。
【請求項3】
前記提示部は、前記利用者により入力される対応について所定の評価基準のもと生成された評価を前記利用者に提示する
請求項1の端末装置。
【請求項4】
前記課題は、事前に準備された複数の課題のうちの何れかである
請求項1の端末装置。
【請求項5】
前記第1キャラクタは、学校の生徒のキャラクタであり、
前記取得部は、前記生徒の先生としての立場から前記利用者により入力された対応を取得する
請求項1の端末装置。
【請求項6】
前記提示部は、前記取得部が取得した対応に応じて前記生成部により生成される、前記第1キャラクタに関連する第2キャラクタの反応を前記利用者に提示する
請求項1の端末装置。
【請求項7】
前記第1キャラクタの属性が設定され、
前記生成部は、前記属性に応じた前記課題を前記第1キャラクタに設定する
請求項1の端末装置。
【請求項8】
事前に準備された複数のテーマのうちの何れかに対応する課題が前記第1キャラクタに設定される
請求項1の端末装置。
【請求項9】
前記生成部が生成する前記反応は、前記シミュレーションについて設定される難易度に応じて変化する
請求項1の端末装置。
【請求項10】
前記生成部は、対話型の大規模言語モデルである
請求項1の端末装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記利用者からの前記シミュレーションの開始の指示を受け付けると、
当該シミュレーションを開始するためのプロンプトを前記生成部に送信する
請求項10の端末装置。
【請求項12】
前記プロンプトは、
前記第1キャラクタが抱える課題を前記生成部が設定することを指示する情報と、
前記第1キャラクタを前記生成部が制御することを指示する情報と、
前記利用者の役割を示す情報とを含む
請求項11の端末装置。
【請求項13】
面談のシミュレーションを実行するための装置であって、
前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応に応じて、前記第1キャラクタの反応を生成する生成部を具備
し、
前記生成部は、前記課題を含むエピソードを生成する
情報処理装置。
【請求項14】
面談のシミュレーションを実行するためのシステムであって、
前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得する取得部と、
前記取得部が取得した対応に応じて、前記第1キャラクタの反応を生成する生成部と、
前記生成部が生成した反応を前記利用者に提示する提示部とを具備
し、
前記提示部は、前記生成部により生成された、前記課題を含むエピソードを前記利用者に提示する
シミュレーションシステム。
【請求項15】
面談のシミュレーションを実行するための方法であって、
前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を含むエピソードを利用者に提示し、
前記課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得し、
前記取得した対応に応じて生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示する
コンピュータシステムにより実現されるシミュレーション方法。
【請求項16】
面談のシミュレーションを実行するためのプログラムであって、
前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得する取得部、および、
前記取得部が取得した対応に応じて生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示する提示部としてコンピュータシステムを機能させ、
前記提示部は、前記課題を含むエピソードを前記利用者に提示する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面談のシミュレーションを行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
学校教育において、教師と生徒と保護者とによる三者面談が行われている。三者面談は、教師と保護者との間で生徒の学校生活と家庭生活とにおける情報を共有しつつ、生徒が抱えている課題(問題や悩み)がないかを確認するために重要である。三者面談では、教師は、生徒が抱える課題を洗い出し、その課題を解決するために生徒および保護者と対話を進めなければならい。生徒の抱える課題は多岐にわたるばかりか、生徒毎に性格も相違することから、教師は生徒と保護者とに対して臨機応変に対応していかなければならない。しかし、経験が少ない教師にとっては、面談をする能力(以下「面談力」という)が十分ではないことから、生徒および保護者と円滑にコミュニケーションをとって面談を進めていくことは容易ではなく、教師の負担が大きいものとなっている。三者面談を通して生徒の抱える課題を解決していくには、教師に多くの面談を経験させて面談力を向上させることが必要である。一方で、教師が面談力を向上させるには、実際の生徒と保護者とを練習台にするほかないという実情もある。
【0003】
そこで、特許文献1では、実際に面談を行うことなく面談力を向上させる技術として、面談をシミュレーションする面談支援装置が提案されている。具体的には、特許文献1の技術では、仮想的な被面談者(例えば部下)のアバターに対して利用者(例えば上司)が面談の練習を行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、多様な課題を抱える様々な被面談者に対して対応できるような面談力を向上させることはできない。以上の事情を考慮して、本発明は、課題を解決することを目的とする面談における面談力を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る端末装置は、面談のシミュレーションを実行するための装置であって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得する取得部と、前記取得部が取得した対応に応じて生成部により生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示する提示部とを具備する。
【0007】
[2]前記取得部は、前記提示部が提示した前記反応に対してさらに前記利用者により入力される対応を取得し、前記提示部は、前記利用者により前記対応が入力される度に前記生成部により生成される前記反応を前記利用者に提示する[1]の端末装置。
【0008】
[3]前記提示部は、前記利用者により入力される対応について所定の評価基準のもと生成された評価を前記利用者に提示する[1]または[2]の端末装置。
【0009】
[4]前記課題は、事前に準備された複数の課題のうちの何れかである[1]から[3]の何れかの端末装置。
【0010】
[5]前記第1キャラクタは、学校の生徒のキャラクタであり、前記取得部は、前記生徒の先生としての立場から前記利用者により入力された対応を取得する[1]から[4]の何れかの端末装置。
【0011】
[6]前記提示部は、前記取得部が取得した対応に応じて前記生成部により生成される、前記第1キャラクタに関連する第2キャラクタの反応を前記利用者に提示する[1]から[5]の何れかの端末装置。
【0012】
[7]前記第1キャラクタの属性が設定され、前記生成部は、前記属性に応じた前記課題を前記第1キャラクタに設定する[1]から[6]の何れかの端末装置。
【0013】
[8]事前に準備された複数のテーマのうちの何れかに対応する課題が前記第1キャラクタに設定される[1]から[7]の何れかの端末装置。
【0014】
[9]前記生成部が生成する前記反応は、前記シミュレーションについて設定される難易度に応じて変化する[1]から[8]の何れかの端末装置。
【0015】
[10]
前記生成部は、対話型の大規模言語モデルである[1]から[9]の何れかの端末装置。
【0016】
[11]前記取得部は、前記利用者からの前記シミュレーションの開始の指示を受け付けると、当該シミュレーションを開始するためのプロンプトを前記生成部に送信する[10]の端末装置。
【0017】
[12]前記プロンプトは、前記第1キャラクタが抱える課題を前記生成部が設定することを指示する情報と、前記第1キャラクタを前記生成部が制御することを指示する情報と、前記利用者の役割を示す情報とを含む[11]の端末装置。
【0018】
[13]前記生成部は、前記課題を含むエピソードを生成し、前記提示部は、前記エピソードを前記利用者に提示する[1]から[12]の何れかの端末装置。
【0019】
[14]面談のシミュレーションを実行するための装置であって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応に応じて、前記第1キャラクタの反応を生成する生成部を具備する情報処理装置。
【0020】
[15]面談のシミュレーションを実行するためのシステムであって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得する取得部と、前記取得部が取得した対応に応じて、前記第1キャラクタの反応を生成する生成部と、前記生成部が生成した反応を前記利用者に提示する提示部とを具備するシミュレーションシステム。
【0021】
[16]面談のシミュレーションを実行するための方法であって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得し、前記取得した対応に応じて生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示するコンピュータシステムにより実現されるシミュレーション方法。
【0022】
[17]面談のシミュレーションを実行するためのプログラムであって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得する取得部、および、前記取得部が取得した対応に応じて生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示する提示部としてコンピュータシステムを機能させるプログラム。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る端末装置、情報処理装置、シミュレーションシステム、シミュレーション方法およびプログラムによれば、課題を解決することを目的とした面談における面談力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態に係るシミュレーションシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る情報処理装置の構成を例示するブロック図である。
【
図3】属性とテーマと課題との関係を模式的に表す模式図である。
【
図4】第1実施形態に係る端末装置の構成を例示するブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る端末装置における制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図6】第1実施形態に係るシミュレーションシステムが実行する面談処理における具体的な手順を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る端末装置の表示装置に表示される画像の一例である。
【
図8】第2実施形態に係る端末装置の表示装置に表示される画像の一例である。
【
図9】第3実施形態に係るシミュレーションシステムが実行する面談処理における具体的な手順を示すフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係る端末装置の表示装置に表示される画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるシミュレーションシステム100の構成を例示するブロック図である。シミュレーションシステム100は、面談のシミュレーションが可能なシステムであり、利用者Uの面談をする力(面談力)を向上させるために利用される。具体的には、シミュレーションシステム100は、課題が設定された第1キャラクタとの面談を想定したシミュレーション(以下「面談シミュレーション」という)を実行する。
【0026】
第1実施形態の利用者Uは、例えば、生徒と面談を行うことが想定される学校の先生(学級担任の先生)である。第1実施形態の第1キャラクタは、生徒のキャラクタである。したがって、利用者Uは、課題を抱える生徒との面談を練習できる。シミュレーションシステム100により、例えば、生活指導、生徒指導や教育相談を目的とした各種の面談シミュレーションが可能である。
【0027】
シミュレーションシステム100では、課題を抱える生徒との面談をシミュレーションする。第1実施形態では、第1キャラクタと利用者Uとの二者面談がシミュレーションされる。利用者Uは、面談で第1キャラクタと対話をしていくことで、第1キャラクタの課題(問題や悩み)を解決していく。
【0028】
第1実施形態のシミュレーションシステム100は、端末装置10と情報処理装置20とを具備する。端末装置10と情報処理装置20とは、例えばインターネット等の通信網300を介して相互に通信可能である。情報処理装置20は、例えばサーバシステムで実現される。一方で、端末装置10は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報装置、またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報装置により実現される。
【0029】
[情報処理装置20]
情報処理装置20は、面談の対象である第1キャラクタを制御する装置である。すなわち、情報処理装置20が第1キャラクタの役割を実行する。第1実施形態の第1キャラクタは、上述した通り、生徒のキャラクタであり、課題が設定される。課題の詳細は後述する。
【0030】
図2は、情報処理装置20の構成を例示するブロック図である。具体的には、情報処理装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23とを具備する。
【0031】
制御装置21は、情報処理装置20の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。
【0032】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと、制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として利用される。例えば、情報処理装置20に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置21が通信網300を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置22として利用されてもよい。
【0033】
通信装置23は、通信網300を介して端末装置10と通信する通信機器である。なお、情報処理装置20とは別体の通信装置23を、情報処理装置20に対して有線または無線により接続してもよい。
【0034】
制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで、面談シミュレーションを実行するための機能(生成部211)を実現する。
【0035】
第1に、生成部211は、第1キャラクタ(生徒)について課題を設定する。具体的には、所定のテーマ(以下「設定テーマ」という)のもと第1キャラクタについて課題が設定される。
【0036】
第1実施形態の生成部211は、さらに、第1キャラクタについて設定された課題を含むエピソード(簡単な物語)を生成する。エピソードは、生徒が抱える課題を含むエピソードであり、例えば200文字から1000文字程度の文章が想定される。
【0037】
設定テーマは、例えば、事前に準備された複数のテーマのうちの何れかのテーマである。なお、テーマは、課題の種類(ジャンル)を表した分類であり、共通のテーマには、同種の課題が属する。第1実施形態の設定テーマは、複数のテーマのうち生成部211が任意に選択した何れかのテーマである。例えば、複数のテーマのうち生成部211によりランダムに選択された何れかが設定テーマとして設定される。ただし、複数のテーマのうち利用者Uが選択したテーマを設定テーマとしてもよい。
【0038】
第1実施形態では、生徒(第1キャラクタ)の属性が設定される。生徒の属性は、例えば、生徒が属する学校の種別(例えば、小学校、中学校または高校)である。そして、生成部211は、設定テーマと当該属性とに応じた課題を第1キャラクタに設定し、当該課題を含むエピソードを生成する。第1実施形態では、学校の種別は利用者Uにより指示される。ただし、生成部211が任意の種別を第1キャラクタに設定する構成も例示される。
【0039】
図3は、属性とテーマと課題との関係を模式的に表す模式図である。
図3に例示される通り、複数の属性の各々について、複数のテーマと、当該テーマ毎に対応する課題とが対応付けられている。そして、利用者Uが指示した属性における複数のテーマのうちの何れかが設定テーマとして選択され、設定テーマに対応する課題が第1キャラクタに設定される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、事前に準備された複数の課題(複数の属性の各々について用意された複数の課題)のうちの何れかの課題が第1キャラクタに設定される。
【0040】
第2に、生成部211は、設定された課題を抱える第1キャラクタを制御する。具体的には、生成部211は、第1キャラクタの言動(発言、態度および表情など)を生成することで、第1キャラクタを制御する。第1実施形態の生成部211は、利用者Uが第1キャラクタ(生徒)に対して課題を解決していくために入力した対応に応じて、当該第1キャラクタの反応を生成する。
【0041】
第1実施形態では、利用者Uが入力する対応は発言(以下「入力発言」という)であり、当該対応に応じて生成される第1キャラクタの反応も発言(以下「返答発言」という)である場合を例示する。生成部211が生成する返答発言は、端末装置10に送信されて利用者Uに提示される。利用者Uは、返答発言に対してさらに入力発言を入力する。すなわち、利用者Uと第1キャラクタ(生徒)との対話が可能になる。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の生成部211は、第1キャラクタの発言を制御(生成)する。
【0042】
さらに第1実施形態では、生成部211が生成する入力発言は、面談シミュレーションについて設定される難易度に応じて変化する。当該難易度は、例えば、複数の選択肢(例えば、簡単、普通および難しい)のうちの何れかが設定される。例えば、生成部211は、難易度として「簡単」が設定された場合には、入力発言に対して素直な返答発言を生成し、難易度として「難しい」が設定された場合には、入力発言にして簡単には納得せずに、反抗的な返答発言を繰り返し生成し、難易度として「普通」が設定された場合には、少なくとも一回は反抗的な返答発言を生成する。すなわち、シミュレーションについて設定される難易度は、第1キャラクタ(生徒)の難易度であるとも換言できる。以下の構成では、利用者Uにより難易度が指示される構成を例示する。ただし、生成部211が任意に難易度を設定してもよい。
【0043】
第1実施形態の生成部211は、生成モデルで構築される。生成モデルは、例えば深層ニューラルネットワークで構成される。例えば、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)または畳込ニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)等の任意の形式の深層ニューラルネットワークが、生成モデルとして利用される。複数種の深層ニューラルネットワークの組合せにより生成モデルが構成されてもよい。
【0044】
大量のテキストデータを用いて事前に訓練され、単語の出現確立がモデル化された、自然言語処理が可能である大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)を生成モデルとして用いることが好適である。特に、対話データセットを用いて大規模言語モデルをファインチューニングした対話型の大規模言語モデル(生成的人工知能)を生成モデルとして用いることが好適である。対話型の大規模言語モデルとしては、例えばChatGPT(OPEN AI社製),Bard(Google社製),Bing AI(マイクロソフト社製)などの公知の任意のモデルが利用される。以下の説明では、生成部211が対話型の大規模言語モデルである場合を例示する。対話型の言語モデルでは、対話形式のテキストを生成可能である。
【0045】
[端末装置10]
図4は、端末装置10の構成を例示するブロック図である。具体的には、端末装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と操作装置15と表示装置14とを具備する。端末装置10は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報装置、またはパーソナルコンピュータ等の可搬型または据置型の情報装置により実現される。
【0046】
制御装置11は、端末装置10の動作を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0047】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと、制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。なお、例えば、端末装置10に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御装置11が通信網300を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置12として利用されてもよい。
【0048】
通信装置13は、通信網300を介して情報処理装置20と通信する通信機器である。なお、端末装置10とは別体の通信装置13を、当該端末装置10に対して有線または無線により接続してもよい。
【0049】
表示装置14は、制御装置11による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネルまたは有機ELパネル等の各種の表示パネルが、表示装置14として利用される。なお、情報処理システムとは別体の操作装置15または表示装置14が、情報処理システムに対して有線または無線により接続されてもよい。
【0050】
操作装置15は、利用者Uによる操作を受付ける入力機器である。例えば、利用者Uが操作する操作子、または、利用者Uによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置15として利用される。第1実施形態では、利用者Uは、各種の情報を操作装置15による操作で入力する。具体的には、利用者Uは、例えば、第1キャラクタが抱える課題を設定するための情報(例えば生徒の属性や難易度)や、第1キャラクタの課題を解決するための入力発言を操作装置15より入力する。利用者Uは生徒(第1キャラクタ)の学級担任の先生としての立場から入力発言を入力する。
【0051】
利用者Uが入力した情報は、通信装置13から情報処理装置20に送信される。なお、情報処理装置20に送信される情報は、利用者Uが入力した情報そのものであってもよいし、利用者Uが入力した情報を含む何らかのデータであってもよい。第1実施形態では、生成部211が対話型の言語モデルであるため、利用者Uが入力した情報を含むプロンプトが情報処理装置20に送信される。例えば、利用者Uが入力発言を入力した場合には、利用者Uの入力発言に対する返答発言を生成することを指示するプロンプトが情報処理装置20に送信され得る。
【0052】
図5は、端末装置10の制御装置11の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで、利用者Uが面談シミュレーションを実行するための複数の機能(取得部111,提示部112)を実現する。
【0053】
取得部111は、利用者Uが操作装置15により入力した各種の情報を取得する。具体的には、取得部111は、利用者Uが入力した各種の情報を受付けることで取得する。
【0054】
第1に、取得部111は、面談シミュレーションの設定に必要となる情報(以下「設定情報」という)を取得する。設定情報は、例えば、第1キャラクタに課題を設定するために必要な情報(第1実施形態では第1キャラクタの属性)や、シミュレーションの難易度である。
【0055】
第2に、取得部111は、入力発言を取得する。すなわち、面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者Uにより入力される対応(入力発言)を取得する要素として取得部111が機能する。取得部111が取得した各種の情報(例えば設定情報や入力発言)は、通信装置13から情報処理装置20に送信される。
【0056】
提示部112は、各種の情報を利用者Uに提示する。具体的には、提示部112は、各種の情報を表示装置14に表示することで利用者Uに提示する。ただし、提示部112による情報の提示は、表示による提示には限定されず、例えば音声よる提示であってもよい。
【0057】
第1に、提示部112は、情報処理装置20の生成部211が、第1キャラクタについて設定テーマのもと設定した課題を提示する。第1実施形態では、課題および当該課題に対応するテーマ(設定テーマ)とともに、当該課題を含むエピソードが利用者Uに提示される。なお、課題、設定テーマおよびエピソードは、何れかまたは2つが提示されない場合も想定される。
【0058】
第2に、提示部112は、入力発言に応じて生成部211が生成した返答発言を利用者Uに提示する。すなわち、提示部112は、取得部111が取得した対応に応じて生成部211により生成される、第1キャラクタの反応を利用者Uに提示する要素として機能する。
【0059】
シミュレーションシステム100が面談シミュレーションを実行する処理(以下「面談処理」という)を、
図6および
図7を用いて詳述する。
図6はシミュレーションシステム100が実行する面談処理における具体的な手順を示すフローチャートである。
【0060】
図7は、面談処理において、端末装置10の表示装置14に表示される画像Gの一例である。第1実施形態では、生成部211が対話型の大規模言語モデルで構成されるから、情報処理装置20(生成部211)が生成した情報と、利用者Uが入力した情報とが対話形式でやり取りされることで、面談シミュレーションが進行する。表示装置14により表示される画像Gには、情報処理装置20から端末装置10に送信された情報を示す領域Ta(Ta1,Ta2,…)と、利用者Uが端末装置10に入力した情報を示す領域Tb(Tb1,Tb2,…)とが示されている。
【0061】
図6の面談処理は、端末装置10(取得部111)が利用者Uからの開始の指示を受け付けることで開始される(SA1)。利用者Uからの面談シミュレーションの開始の指示を受け付けると、端末装置10(取得部111)は、情報処理装置20に面談シミュレーションの開始を指示するための情報(以下「開始情報」という)を送信する(SA2)。開始情報の詳細は、後述する。
【0062】
情報処理装置20は、端末装置10から開始情報を受信すると、端末装置10に面談シミュレーションが開始したことを通知する(SA3)。具体的には、利用者Uに面談シミュレーションを開始したことを通知する情報(例えば
図7の領域Ta1に示される情報)が端末装置10に送信される。
【0063】
面談シミュレーションが開始したことが通知されると、端末装置10(提示部112)は、利用者Uに生徒(第1キャラクタ)が抱える課題を設定するための情報(以下「設定情報」という)を入力することを促す情報を利用者Uに提示する。
図7の領域Ta1に例示される通り、設定情報は、例えば生徒の学校の種別(属性の例示)や面談シミュレーションの難易度である。
【0064】
利用者Uは、操作装置15に対する操作により設定情報を入力する。
図7の領域Tb1に例示される通り、学校の種別(中学校)と難易度(難しい)とが入力される。取得部111は、利用者Uにより入力された設定情報を受け付け(SA4)、情報処理装置20に送信する(SA5)。
【0065】
情報処理装置20(生成部211)は、端末装置10から設定情報(学校の種別,難易度)に応じて、第1キャラクタに課題を設定し、当該課題を含むエピソードを生成する(SA6)。第1実施形態では、利用者Uが指示された学校の種別に対応付けられた複数のテーマのうちの何れかのテーマ(設定テーマ)に対応する課題が第1キャラクタに設定され、当該課題を含むエピソードが生成される。
【0066】
図3に例示される複数のテーマのうちの何れかが設定テーマとして生成部211により選択される。なお、生成部211が生成するエピソードは、設定テーマに対応する課題を直接的に含んでもよいし、間接的に含んでもよい。間接的に課題を含む場合とは、例えば当該課題を加工したような課題をエピソードが含む場合である。そして、情報処理装置20は、設定テーマと、課題とエピソードとを端末装置10に送信する(SA7)。なお、設定テーマと課題とが送信されない構成も採用される。
【0067】
端末装置10(提示部112)は、情報処理装置20から送信されたエピソードを利用者Uに提示する(SA8)。
図7の領域Ta2には、設定テーマ「スマホ依存」と、当該テーマに対応する課題「依存症や不適切なコンテンツへのアクセス」と、当該課題を含むエピソード「中学生の田中太郎くんは、…懸念されています。」とが提示された場合を例示する。なお、エピソードともに、面談の目的(例えば「太郎くんのスマホ依存の問題を解決し、健全なスマホ使用を促すこと、そして学校生活を向上させることです。」という文章)を利用者Uに提示してもよい。
【0068】
利用者Uは、
図7の領域Tb2に例示される通り、操作装置15による操作により第1キャラクタに設定された課題を解決するための入力発言を入力する。入力発言は、第1キャラクタ(生徒)に課題を解決するために話しかける内容の発言である。端末装置10(取得部111)は、利用者Uが入力した入力発言を受け付けることで取得する(SA9)。そして、取得部111は、情報処理装置20に入力発言を送信する(SA10)。
【0069】
情報処理装置20(生成部211)は、端末装置10から送信された入力発言に応じて、第1キャラクタの反応(返答発言)を生成する(SA11)。すなわち、入力発言を話しかけられた生徒がし得る返答発言が生成される。第1実施形態では、利用者Uにより設定された難易度に応じて返答発言が生成される。情報処理装置20は、返答発言を端末装置10に送信する(SA12)。
【0070】
端末装置10(提示部112)は、情報処理装置20が送信した返答発言を利用者Uに提示する(SA13)。具体的には、端末装置10は、
図7の領域Ta3に例示される通り、返答発言を表示装置14に表示させる。
【0071】
利用者Uは、
図7の領域Tb3に例示される通り、返答発言に対して、さらに入力発言を入力する。入力発言が入力されると、ステップSA9に戻り、さらにSA10-SA12が実行され、
図7の領域Ta4に例示される通り、ステップSA13において返答発言が表示される。課題の解決に向けて、SA9-SA13の処理(入力発言と返答発言との往復)は、繰り返し実行される。すなわち、取得部111は、提示部112が提示した返答発言に対してさらに利用者Uにより入力される入力発言を取得し、提示部112は、利用者Uにより入力発言が入力される度に生成部211により生成される返答発言を利用者Uに提示する。なお、入力発言としては、生徒への質問、具体的な提案、共感・同意をする内容、注意をする内容など、課題の解決に向かって生徒を導くための各種の発言が含まれる。
【0072】
面談シミュレーションを終了する時点は任意であるが、第1実施形態では、生成部211が面談が終了したと判断したときに面談シミュレーションが終了する。生成部211は、例えば、利用者Uからの面談終了の指示を受付けたとき、事前に設定された制限時間に到達したとき、または、生成部211により課題が解決されたと判断されたときに、面談が終了したと判断する。
【0073】
以下、第1実施形態の面談シミュレーションの開始を指示するための開始情報の一例を説明する。なお、第1実施形態では、上述した通り、生成部211は対話型の言語モデルであるから、開始情報は指示文(プロンプト)に対応した情報である。開始情報は、生成部211が面談シミュレーションを進行するために、面談シミュレーションの開始から終了までの全体の流れ(例えばステップSA3-SA13)を生成部211に指示する情報である。
【0074】
開始情報としては、例えば、以下の情報P1-P5を含む。なお、第1実施形態の生成部211は大規模言語モデルであるから、情報P1-P5は自然言語で示されている場合を例示する。
【0075】
情報P1は、生成部211の役割1を指示する情報である。役割1は、所定のテーマのもと第1キャラクタが抱える課題を設定する役割である。第1実施形態の役割1は、第1キャラクタ(生徒)について課題を設定し、当該課題を含むエピソードを生成する役割である。具体的には、情報P1は以下の通りである。
【0076】
[P1:生成部211の役割1を指示する情報]
あなたは、学校の種別(属性)に応じて、課題を含むエピソードを作ります。
エピソード(課題)のテーマは、以下のテーマ(情報P4)から選びます。
【0077】
情報P2は、生成部211の役割2を指示する情報である。役割2は、第1キャラクタ(生徒)を制御(実行)することである。すなわち、返答発言を生成する役割である。情報P2には、シミュレーションの難易度に応じて生徒の反応(返答発言)が変わることを指示する情報も含まれている。具体的には、情報P2は以下の通りである。
【0078】
[P2:生成部211の役割2を指示する情報]
あなたは、三者面談に参加する生徒の役割をします。
難易度が簡単の場合は、アドバイスを素直に聞きます。
難易度が普通の場合は、最低一回反論をします。
難易度が難しいの場合は、簡単には納得しません。学校や教師に不信感を持っています。
【0079】
情報P3は、利用者U(プレイヤー)の役割を示す情報である。第1実施形態の情報P3は、利用者Uが先生の役割することを示す情報である。すなわち、情報P3は、第1キャラクタ(生徒)に対する利用者Uの関係を示す情報であるとも換言できる。具体的には、情報P3は以下の通りである。
【0080】
[P3:プレイヤーの役割を示す情報]
プレイヤーは、学級担任として、生徒との面談に参加してエピソードの課題を解決します。
指導の主導権を握るのは、プレイヤーです。
【0081】
情報P4は、テーマと課題とを示す情報である。具体的には、
図3に例示される通り、複数の属性の各々について事前に準備された複数のテーマと、当該テーマ毎に設定されたと課題とを含む情報である。
【0082】
情報P5は、面談シミュレーションのルールを示す情報である。例えば、面談シミュレーションの開始と終了とを指示する情報や、面談シミュレーションを開始する際に最初に利用者Uに提示される台詞を指示する情報が情報P5に含まれる。具体的には、情報P5は以下の通りである。
【0083】
[情報P5:面談シミュレーションのルールを示す情報]
面談シミュレーションは、プレイヤーが生徒の属性(学校の種別)を入力することから始まり、プレイヤーが面談を終了することを入力したら終わります。
学級担任の台詞はプレイヤーが書き、あなたは行わない。
「では、面談シミュレーションを始めましょう。担当する学校の種別と難易度を指定してください。指定がなければこのまま進めます。」という台詞から始まります。
【0084】
ただし、開始情報に含まれる情報は以上の情報P1-P5には限定されない。例えば、利用者Uからの指示に応じて入力発言に対するヒントを提示することを生成部211に指示する情報が含まれる。
【0085】
なお、情報処理装置20に送信される開始情報は、利用者Uに提示しない(すなわち表示装置14に表示させない)構成が好ましい。開始情報は、例えば、API(Application Programming Interface)の設定により利用者Uに提示しないようにすることが可能である。
【0086】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、第1キャラクタについて設定された課題を解決するために利用者Uにより入力された入力発言に対して、当該第1キャラクタの返答発言が得られる面談シミュレーションが実行できる。したがって、課題が設定されていないキャラクタを相手とする面談シミュレーションと比較して、課題を解決することを目的とした面談における面談力を向上させることができる。
【0087】
また、第1実施形態では、事前に準備された複数の課題のうちの何れかの課題が第1キャラクタに設定されるから、多様な課題を解決するため面談力を向上させることができる。
【0088】
複数のテーマの各々の何れかに対応する課題が第1キャラクタに設定される第1実施形態の構成によれば、テーマに応じた課題が設定された第1キャラクタとの面談シミュレーションが可能であり、利用者Uが課題の種類を把握しやすい。なお、
図3において、各テーマについて複数の課題を対応づけることも可能である。テーマが選択された場合に、当該テーマに対応する複数の課題のうちの何れかを利用者Uの指示や生成部211が選択する。
【0089】
利用者Uにより入力発言が入力される度に生成部211により返答発言が生成される第1実施形態の構成によれば、実際の会話を踏まえて面談シミュレーションができるという利点がある。
【0090】
第1実施形態では、第1キャラクタは学校の生徒のキャラクタであり、利用者Uは当該生徒の先生としての立場から課題を解決するための入力発言を入力するから、課題を抱える生徒を面談相手とした面談シミュレーションができる。
【0091】
第1キャラクタの属性が設定され、当該属性に応じた課題が第1キャラクタに設定される第1実施形態の構成によれば、属性の特色を反映した課題を第1キャラクタに設定できるという利点がある。
【0092】
第1実施形態では、面談シミュレーションについて設定される難易度に応じて生成部211が生成する返答発言が変化するから、多様な面談相手(被面談者)を想定した面談シミュレーションが可能になる。
【0093】
利用者Uからの面談シミュレーションの開始の指示を受け付けると、開始情報(プロンプト)が生成部211に送信される第1実施形態の構成によれば、例えば、利用者Uが開始情報を送信するための操作を開始の指示とは個別に行う必要がなく、利用者Uが意識することなく開始情報を生成部211に送信することが可能である。
【0094】
第1実施形態では、開始情報が、第1キャラクタの課題を生成部211が設定することを指示する情報P1と、第1キャラクタを生成部211が制御(実行)することを指示する情報P2と、利用者Uの役割を示す情報P3とを含むから、面談シミュレーションの開始に必要な情報P1-P3を一括して生成部211に送信できるという利点がある。
【0095】
第1キャラクタに設定される課題を含むエピソードが利用者Uに提示されるから、エピソードが利用者Uに提示されない構成と比較して、実際の面談をより模擬した面談シミュレーションが可能になる。ただし、第1実施形態には、エピソードを提示せずに課題そのものを提示する構成も含まれる。
【0096】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0097】
第1実施形態では、利用者Uと第1キャラクタとの二者面談を想定した面談シミュレーションを実行する構成を例示したが、第2実施形態では、利用者Uと第1キャラクタと第2キャラクタとの三者面談を想定した面談シミュレーションを実行する構成を例示する。
【0098】
第1キャラクタは、第1実施形態と同様に生徒のキャラクタであり、第2キャラクタは当該生徒の保護者のキャラクタであり、利用者Uは学級担任の先生の場合を例示する。
【0099】
情報処理装置20の生成部211は、第1実施形態と同様に、第1キャラクタへの課題の設定(エピソードの生成)と第1キャラクタの制御とを行う。さらに、第2実施形態の生成部211は、第2キャラクタを実行(制御)する。
【0100】
具体的には、生成部211は、第2キャラクタの言動(発言、態度および表情など)を生成することで、第2キャラクタを制御する。第2実施形態の生成部211は、利用者Uが第1キャラクタ(生徒)に対して課題を解決していくために入力した対応(入力発言)に応じて、当該第2キャラクタ(保護者)の反応を生成する。以下の説明では、入力発言に応じて生成される第2キャラクタの反応は、第1キャラクタの場合と同様に、発言(以下「関連発言」という)である場合を例示する。
【0101】
第2実施形態では、生成部211が生成する関連発言は、面談シミュレーションについて設定される難易度に応じて変化する場合を例示する。面談シミュレーションについて設定される難易度は、第1実施形態で説明した通りである。例えば、難易度として「簡単」が設定された場合には、入力発言に対して素直な関連発言を生成し、難易度として「難しい」が設定された場合には、入力発言にして簡単には納得せずに、反抗的な関連発言を繰り返し生成し、難易度として「普通」が設定された場合には、少なくとも一回は反抗的な関連発言を生成する。すなわち、シミュレーションについて設定される難易度は、第2キャラクタ(保護者)の難易度であるとも換言できる。
【0102】
利用者Uが第1キャラクタの課題を解決するために行う入力発言は、第1キャラクタおよび第2キャラクタの双方に話しかける内容であってもよいし、何れか一方に話しかける内容であってもよい。なお、第2実施形態では、第1キャラクタを制御する機能と第2キャラクタを制御する機能とを共通の要素(生成モデル)で実現する構成を例示するが、第1キャラクタを制御する機能と第2キャラクタを制御する機能とを別個の要素で構成してもよい。すなわち、生成部211を複数の要素で構成してもよい。
【0103】
第2実施形態の端末装置10の提示部112は、第1キャラクタの返答発言に加えて、第2キャラクの関連発言も利用者Uに提示する。
【0104】
第2実施形態の開始情報には、上述した情報P1-P5に加えて、以下の情報P6が含まれる。情報P6は、生成部211の役割3を指示する情報である。役割3は、第2キャラクタ(保護者)を制御(実行)することである。すなわち、関連発言を生成する役割が役割3である。情報P6には、シミュレーションの難易度に応じて保護者の反応(関連発言)が変わることを指示する情報も含まれている。具体的には、情報P6は以下の通りである。
【0105】
[情報P6:生成部211の役割3を指示する情報]
あなたは、三者面談に参加する保護者の役割をします。
難易度が簡単の場合は、アドバイスを素直に聞きます。
難易度が普通の場合は、最低一回反論をします。
難易度が難しいの場合は、簡単には納得しません。学校や教師に不信感を持っています。
【0106】
図6のステップSA1-SA9は、第2実施形態においても第1実施形態と同様に実行される。第2実施形態では、ステップSA11において、生成部211は、返答発言とともに関連発言を生成する。そして、ステップSA12において、返答発言と関連発言とが端末装置10に送信され、ステップSA13において、返答発言と関連発言とが利用者Uに提示される。第1実施形態と同様に、課題の解決に向けて、SA9-SA13の処理(入力発言と、返答発言および関連発言との往復)は、繰り返し実行される。
【0107】
なお、ステップSA11において、入力発言に対して、返答発言と関連発言との双方を生成することは必須ではなく、何れか一方のみを生成する場合もある。
【0108】
図8は、
図7に対応する図面であり、第2実施形態に係る画像Gの一例である。領域Ta1,Ta2や領域Tb1,Tb2は
図7と同様である。
図8の領域Ta3に例示される通り、第2実施形態では、入力発言に対する、生徒による返答発言と保護者による関連発言とが表示される。
【0109】
以上の説明から理解される通り、第2実施形態では、入力発言に対する第1キャラクタの返答発言と第2キャラクタとの関連発言とが利用者Uに提示されるから、第1キャラクタ(例えば生徒)と第2キャラクタ(例えば保護者)とを含む三者面談を想定した面談シミュレーションができる。
【0110】
第2実施形態では、第2キャラクタが保護者のキャラクタである場合を例示したが、第2キャラクタは第1キャラクタに関連するキャラクタであれば任意である。第2キャラクタは、例えば、保護者の他に、生徒の学校関係者(例えば学年主任や生活指導主任)、カウンセラー、または、特定の分野(例えば教育や法律)における専門家などの各種のキャラクタであってもよい。特に生徒や保護者の他に、学年主任や生活指導主任が参加する面談シミュレーションを行えることで、実際の学校での面談を踏まえた高精度の面談シミュレーションが可能になり、利用者Uの面談力の向上が可能になる。
【0111】
第1実施形態では二者で行われる面談を想定し、第2実施形態では三者で行われる面談を想定したが、面談シミュレーションは、四者以上で行われる面談であってもよい。例えば、生徒や保護者に加えて、上記の各種のキャラクタを生成部211が制御することで、四者以上の面談シミュレーションが可能になる。
【0112】
なお、開始情報には、生成部211に各キャラクタの制御を指示する情報が含まれる。例えば、生成部211が学年主任の先生のキャラクタを実行する場合には以下の情報P7が開始情報に含まれ、生成部211が生徒指導主任の先生のキャラクタを実行する場合には以下の情報P8が開始情報に含まる。
【0113】
情報P7は、生成部211の役割4を指示する情報である。役割4は、第3キャラクタ(学年主任の先生)を制御(実行)することである。例えば、利用者U(学級担任)を補助する対応をとることを指示する情報が含まれる。具体的には、情報P7は以下の通りである。
【0114】
[情報P7:生成部211の役割4を指示する情報]
あなたはプレイヤーが務める学級担任が所属する学年の学年主任です。
プレイヤーの指導を暖かく見守り、生徒や保護者が明らかに法的な逸脱をした時に、プレイヤーを助けます。
プレイヤーが主導権を握るので、それ以外は基本的に黙っています。
【0115】
情報P8は、生成部211の役割5を指示する情報である。役割5は、第4キャラクタ(生徒指導主任の先生)を制御(実行)することである。情報P8には、例えば、利用者(学級担任)を補助する対応をとることを指示する情報が含まれる。具体的には、情報P8は以下の通りである。
【0116】
[情報P8:生成部211の役割5を指示する情報]
あなたはプレイヤーが務める学級担任が所属する学校の生徒指導主任です。
プレイヤーの指導を暖かく見守り、生徒や保護者が明らかな法的な逸脱をした時に、プレイヤーを助けます。
プレイヤーが主導権を握るので、それ以外は基本的に黙っています。
【0117】
なお、複数のキャラクタ(例えば生徒、保護者、学年主任および生活指導主任など)のうち面談に参加するキャラクタを利用者Uが任意に選択できるようにしてもよい。
【0118】
<第3実施形態>
第3実施形態では、第1実施形態におけるシミュレーションシステム100において、利用者Uの入力発言について評価をする機能を追加した構成を例示する。
【0119】
第3実施形態の生成部211は、第1実施形態と同様の機能に加えて、利用者Uの入力発言について所定の評価基準のもと評価を生成する。入力発言の内容がどの程度適切であったのかが評価基準のもと評価される。すなわち、利用者は、課題を解決するにあたって適切な面談であったのかそうでなかったのかが評価により把握できる。
【0120】
以下、生活指導や生徒指導を目的とする面談シミュレーションで使用される評価基準の一例を説明する。なお、第3実施形態では、入力発言について評価基準のもと点数(100点満点)を付けることで評価をする構成を例示する。
【0121】
第3実施形態の評価基準は、例えば、以下の複数の項目1-10で構成される。なお、以下の評価基準は、令和4年12月に改訂された生徒指導提要(文部科学省)をもとに作成された。ただし、第3実施形態で使用する評価基準は、以下の例示には限定されず、面談の種類(面談の目的)に応じて適宜に変更し得る。
【0122】
[評価基準(100点満点)]
<項目1>いじめ防止対策(12点):いじめのサインに気づき、適切に対応しているか。
<項目2>暴力行為への対応 (10点):暴力行為が発生した場合、即座に適切な対応を行っているか。
<項目3>少年非行の予防と対応 (10点):生徒の非行傾向や問題行動を早期に発見し、適切に対応できているか。
<項目4>多様な背景を持つ生徒への対応 (12点):障害、性的マイノリティなど多様な背景を持つ生徒に適切に対応しているか。
<項目5>コミュニケーション能力 (12点):効果的なコミュニケーションができているか、問題を明確にし、生徒と保護者に理解させる能力があるか。
<項目6>問題解決能力 (11点):具体的な問題(いじめ、学業不振など)に対して、適切な解決策を提供できるか。
<項目7>リーダーシップと指導力 (8点):生徒や保護者に対して、方向性を示し、指導できるか。
<項目8>状況認識と適応性 (8点):面談の流れや参加者の反応に応じて、適切に対応できるか。
<項目9>専門知識と教育方針の説明能力 (8点):教育に関する専門的な知識や学校の教育方針を明確に説明できるか。
<項目10>教育の質と生徒の心のケア (9点):学業だけでなく、生徒の心のケアにも配慮がされているか。
【0123】
生成部211は、入力発言に対して上記の評価基準を踏まえて評価する(点数をつける)。なお、第3実施形態では、利用者Uが最初に入力した入力発言から最後に入力した入力発言までの全ての入力発言の一連の流れを加味して総合的に評価がされる。ただし、本発明には、入力発言毎に評価する構成も包含される。
【0124】
具体的には、生成部211は、例えば、上記の項目毎に点数を特定し、各項目の合計点を入力発言(すなわち利用者Uの対応)の評価として生成する。ただし、入力発言を評価基準にもとづき評価する具体的な方法は、以上の例示には限定されない。また、入力発言に対する評価は点数には限定されず、例えば、複数の段階(例えば、非常によい,よい,普通,悪い)の何れかで評価を示す構成や、コメントにより評価を示す構成でもよい。なお、第3実施形態に係る開始情報には、生成部211が入力発言について評価基準のもと評価をすることを指示する情報が含まれる。
【0125】
第3実施形態の端末装置10の提示部112は、第1実施形態と同様の機能に加えて、利用者Uにより入力される対応(入力発言)について生成された評価を利用者Uに提示する。
【0126】
図9は、第3実施形態に係る面談処理の一例に係るフローチャートである。
図9に例示される通り、第3実施形態の面談処理は、
図6のSA1-SA13に加えて、ステップSA14-SA17が実行される。
【0127】
図10は、第3実施形態に係る面談処理を行う際に、端末装置10の表示装置14に表示される画像Gの一例である。画像Gには、
図7と同様に、情報処理装置20から端末装置10に送信された情報を示す領域Ta(Ta1,Ta2,…)と、利用者Uが端末装置10に入力した情報を示す領域Tb(Tb1,Tb2,…)とが示されている。
【0128】
ステップSA1-SA13は、第1実施形態と同様に実行される。なお、第1実施形態と同様にSA9-SA13の処理(入力発言と返答発言との往復)は、繰り返し実行される。入力発言と返答発言との往復が繰り返された後に、利用者Uが最後の返答発言を確認して、
図10の領域Tb5に例示される通り、面談終了の指示を入力すると、当該面談終了の指示が情報処理装置20に送信される(SA14)。
【0129】
次に、情報処理装置20の生成部211は、入力発言(最初の入力発言から最後の入力発言までの一連の流れ)を評価基準のもと評価(点数)を生成する(SA15)。生成部211が生成した評価は端末装置10に送信される(SA16)。そして、当該評価が利用者Uに提示される(SA17)。第3実施形態では、
図10の領域Ta5に例示される通り、評価基準の複数の項目の合計点とともに、評価基準の項目毎の点数と、各項目におけるコメント(例えば良かった点や改善すべき点など)と、総合的なコメント(総評)とが利用者Uに提示される場合を例示する。すなわち、入力発言に対する評価は、評価基準の複数の項目の合計点に限らず、各項目の点数やコメントであってもよい。
【0130】
なお、
図9では、利用者Uからの面談終了の指示を契機として生成部211が評価を生成する構成を例示したが、その他に生成部211が面談が終了と判断したとき(例えば、事前に設定された制限時間に到達したときや、生成部211が課題が解決したと判断したとき)にも評価は生成される。したがって、ステップSA9,SA10の後に(すなわち利用者Uが最後に入力した入力発言の後に)、ステップSA11-SA14を行うことなく、当該入力発言を踏まえて、ステップSA15において評価が生成される場合がある。また、利用者Uが評価を生成することを指示した時点で、生成部211がそれまでの入力発言を踏まえて評価を生成してもよい。以上の説明の通り、ステップSA9-SA13の任意の時点で評価が生成されて、面談シミュテーションが終了する場合もある。
【0131】
以上の説明から理解される通り、第3実施形態では、利用者Uの対応(入力発言)について評価が生成されるから、利用者Uが自身の対応が妥当か否かを判断することができる。なお、第2実施形態やその他の形態において、入力発言について評価をする機能を追加する構成も当然に採用される。
【0132】
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0133】
(1)前述の各形態では、生成部211が1つの大規模言語モデルからなる構成を例示したが、生成部211は複数の要素で構成されてもよい。例えば、第1実施形態では、第1キャラクタを制御する生成モデルと、第1キャラクタに課題を設定(課題を含むエピソードを生成)する生成モデルとから生成部211が構成されてもよい。すなわち、生成モデルの構成は任意であり、例えば相互に独立する複数の要素で生成部211が構成されてもよい。第2実施形態および第3実施形態についても同様に、生成部211の複数の機能をそれぞれ別個の要素で実現してもよい。
【0134】
(2)前述の形態では、第1キャラクタに対して利用者Uにより入力される対応として発言(入力発言)を例示したが、当該対応は発言には限定されない。当該対応は、例えば態度、表情や動作であってもよい。同様に、当該対応に応じて生成される、第1キャラクタの反応も発言には限定されず、態度、表情や動作であってもよい。態度、表情や動作は、例えば文字列(例えば「生徒:ふてくされた態度をとる」)などとして画像G中に表示される。なお、第1キャラクタのアバターを表示可能な場合には、当該アバターの態度、表情や動作を制御してもよい。生成部211が実行する第1キャラクタ以外のキャラクタについても同様である。
【0135】
(3)生成部211は、言語モデル以外の生成モデルで構築されてもよい。例えば、入力発言と返答発言との関係を機会学習により学習させた生成モデルを生成部211として用いてもよい。また、生成部211が生成モデルにより構成されることは必須ではない。例えば、事前に準備された複数の入力発言候補の各々に返答発言候補を対応付けて登録したデータテーブルを用いて、利用者Uが入力した入力発言に類似する入力発言候補に対応付けられた返答発言候補を、生成部211が利用者Uに提示する返答発言として生成する方法も採用される。なお、第2実施形態では関連発言候補もデータテーブルに登録される。また、生成部211は、各課題と事前に準備されたエピソードとを対応付けたデータテーブルを用いてエピソードを生成する構成も採用される。ただし、生成部211が対話型の大規模言語モデルで構築される構成によれば、開始情報(プロンプト)の内容を変更することで、面談処理の具体的な処理を簡便に変更できるという利点や、多様な内容の返答発言を生成できるという利点がある。
【0136】
(4)第1キャラクタは、生徒のキャラクタには限定されず、例えば、部下や患者のキャラクタであってもよい。第1キャラクタが部下の場合には、利用者Uは上司の立場から入力発言を入力し、第1キャラクタが患者である場合には、利用者Uは医療従事者の立場から入力発言を入力する。すなわち、学校における面談だけでなく、職場や病院における面談のシミュレーションが可能である。
【0137】
(5)前述の形態では、第1キャラクタ(生徒)の属性として、学校の種別を例示したが、属性は学校の種別には限定されない。例えば、学年、学校の特色、性格、性別、家族構成や部活などの生徒に関する各種の情報が生徒の属性として想定される。また、第1キャラクタに応じて、設定すべき属性の種類は適宜に変更される。例えば、第1キャラクタが部下の場合には、例えば、経歴、入社年数、業務内容や所属部署などが属性として例示され、第1キャラクタが患者の場合には、例えば、現病歴や既往症などが属性として例示される。
【0138】
(6)前述の形態では、設定情報(例えば属性や難易度)を利用者Uが指示する構成を例示したが、生成部211が設定情報を任意に選択する構成も採用される。生成部211は、利用者Uから開始の指示を受付けると、例えばランダムに選択した属性に対応する課題を設定し、エピソードを生成する。すなわち、
図6のステップSA4,SA5の処理が省略される場合もある。
【0139】
(7)前述の各形態において、例えば利用者Uが指示した属性に応じた複数のテーマを利用者Uに提示し、利用者Uは当該提示された複数のテーマのうちの何れかを選択することで、設定テーマを指示してもよい。なお、生成部211が任意に選択した属性に対応する複数のテーマを利用者Uに提示してもよい。
【0140】
(8)前述の各形態では、第1キャラクタについて所定のテーマ(設定テーマ)のもと課題が設定されたが、所定のテーマのもと課題を設定することは必須ではない。例えば、生成部211は、属性に対応付けられた複数の課題のうちの何れかの課題を第1キャラクタに設定する構成(すなわち
図3のテーマが省略される構成)も採用される。
【0141】
また、生成部211が大規模言語モデルであれば、複数のテーマや課題を事前に準備することなく課題(エピソード)を生成することも可能である。以上の構成では、開始情報から情報P4(テーマと課題とを示す情報)は省略され得る。なお、開始情報の情報P5が、例えば、利用者Uからの設定情報の入力がある場合には当該設定情報に応じて課題(エピソード)を設定し、当該設定情報の入力がない場合には、生成部211が任意に課題を設定することを指示する情報を含んでもよい。
【0142】
(9)前述の形態では、複数のテーマから生成部211が選択したテーマを設定テーマとしたが、複数のテーマから利用者Uが選択したテーマを設定テーマとしてもよい。また、利用者Uが第1キャラクタに設定すべき課題を指示してもよい。生成部211は、利用者Uから指示された課題を第1キャラクタに設定し、当該課題を含むエピソードを生成する。
【0143】
(10)第3実施形態において、生成部211が法律を踏まえて評価を生成する構成や当該法律にもとづき利用者Uにアドバイスを生成する構成も採用される。以上の構成では、例えば、生成部211の役割6を指示する情報P9を開始情報が含む。役割6は、法律家のキャラクタを制御(実行)することである。情報P9には、例えば、利用者U(学級担任)を補助する対応をとることを指示する情報、シミュレーションの難易度に応じて評価の仕方が変わることを指示する情報、法律にもとづきプレイヤーに助言をすることを指示する情報、および、法律を示す情報が含まれる。なお、生成部211が第1キャラクタに対して法律にもとづくアドバイスを生成し、当該アドバイスを利用者Uに提示してもよい。
【0144】
[情報P9:生成部211の役割6を指示する情報]
あなたはプロの法律家として、評価の際は、プレイヤーの発言に法的根拠を示します。
以下の児童生徒生活指導関連法案から適切な条文を示してください。
また、ヒントを求められたら、この法令を示し、条文も示し、指導の方針をアドバイスしてください。
深刻な問題が起きない限り、求められるまではアドバイスはしませんが、面談が終わってからアドバイスはします。
難易度が簡単~普通の場合は、プレイヤーのカウンセラー的な接し方を評価します。
難易度が普通~難しいの場合は、生徒のために毅然として法令に基づいて、警察などの諸機関との連携と懲戒処分をするプレイヤーを評価します。
<児童生徒生活指導関連法令>
#児童生徒を保護するためのもの:
学校教育法
児童福祉法
児童の福祉及び権利の保障等に関する法律
児童の性的搾取の防止及び被害児童の保護等に関する法律
青少年の健全な育成に関する基本法
学校の保健及び安全に関する法律
青少年保護育成条例(都道府県や市町村によって異なる)
個人情報の保護に関する法律
著作権法
不正アクセス行為の禁止等に関する法律
教育基本法
障害者の生活及び就労の支援等に関する基本法
学校におけるいじめの防止等に関する法律 (児童生徒の保護側面)
#児童生徒の懲戒に関係するもの:
民法
刑法
賭博及び公営競技に関する法律
道路交通法
麻薬及び向精神薬取締法
電気通信事業法(インターネット利用に関連)
学校におけるいじめの防止等に関する法律 (児童生徒の懲戒側面)
未成年者の喫煙の禁止に関する法律 (児童生徒の懲戒側面)
未成年者の飲酒の禁止等に関する法律 (児童生徒の懲戒側面)
#児童生徒の保護者への懲戒に関係するもの:
未成年者の喫煙の禁止に関する法律 (保護者の懲戒側面)
未成年者の飲酒の禁止等に関する法律 (保護者の懲戒側面)
児童虐待の防止等に関する法律(保護者の懲戒側面)
#教員の不作為に対する義務や責任に関係するもの:
児童虐待の防止等に関する法律
学校教育法 (教員の義務や責任に関する部分)
青少年の健全な育成に関する基本法 (教員の役割に関する部分)
学校におけるいじめの防止等に関する法律 (教員の義務や責任に関する部分)
【0145】
(11)第3実施形態において、生成部211は、生徒指導や教育相談の専門家からの視点で評価を生成する構成も採用される。以上の構成では、例えば、生成部211の役割7を指示する情報P10を開始情報が含む。役割7は、生徒指導や教育相談の専門家のキャラクタを制御(実行)することである。情報P10には、生徒指導や教育相談の専門家として評価基準のもと評価を生成することを指示する情報が含まれている。具体的には、情報P10は以下の通りである。
【0146】
[情報P10:生成部211の役割7を指示する情報]
面談が終了したら、生徒指導、教育相談の専門家として、プレイヤーの対応(入力発言)を評価してください。その際、評価基準を使って点数もつけて提示してください。
【0147】
(12)第3実施形態において使用される評価基準は、上述した通り任意であり、面談の種類に応じて適宜に変更し得る。例えば、教育相談において生徒の悩み(課題)を解決するための面談では、以下の評価基準が使用される。以下の評価基準は、例えば、公的に発行される教育相談に関する情報(例えば文部科学省や都道府県から発行される情報)をもとに作成された。
【0148】
[評価基準(100点満点)]
専門知識と理解 (15点):教育相談の基本的な理論やアプローチを理解し、適切に適用できるか。
相談技術 (15点):聴取技術、問いかけ、反応などの基本的なカウンセリング技術を適切に使用できるか。
倫理と機密保持 (20点):倫理的ガイドラインを遵守し、児童生徒の機密性を保護できるか。
関係構築能力 (10点):児童生徒と信頼できる関係を築けるか。
目標設定と進捗管理 (10点):児童生徒と協力して明確な目標を設定し、進捗を効果的に管理できるか。
多文化的認識と適応 (5点):異なる背景を持つ児童生徒に対して適応し、支援できるか。
効果的なリファラル (5点):必要に応じて適切なリファラルを提供できるか。
自己認識と自己反省 (10点):自身の強みと弱みを認識し、持続的なプロフェッショナルな成長を追求できるか。
コミュニケーション (5点):明確で効果的なコミュニケーションを維持できるか。
記録とドキュメンテーション (5点):相談の記録を適切に保持し、必要に応じて関連するドキュメンテーションを提供できるか。
【0149】
(13)表示装置14による表示により面談処理を進行させたが、例えば音声により面談処理を進行させてもよい。音声により面談処理を進行する場合には、例えば、
図7の画像Gにおける、領域Ta(Ta1,Ta2,…)に示された情報や領域Tb(Tb1,Tb2,…)に示された情報が音声により利用者Uに提示される。
【0150】
(14)利用者Uからの指示に応じて評価基準のもと最高評価(満点)となる入力発言を生成して利用者Uに提示する構成も採用される。
【0151】
(15)前述の各形態において、情報処理装置20はサーバー装置である構成を例示したが、利用者Uの端末装置10に情報処理装置20の機能(例えば生成部211)を搭載してもよい。また、情報処理装置20の機能の一部(例えば生成部211の一部の機能)を端末装置10に搭載してもよい。以上の説明から理解される通り、シミュレーションシステム100は、単独の装置であっても複数の装置から構成されるコンピュータシステムであってもよい。
【0152】
(16)前述の形態に係るシミュレーションシステム100は、コンピュータ(具体的には制御装置)とプログラムとの協働により実現される。前述の形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を含み得る。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供することも可能である。
【0153】
(17)本発明は、面談のシミュレーションを実行するための方法であって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応を取得し、前記取得部が取得した対応に応じて生成される、前記第1キャラクタの反応を前記利用者に提示するコンピュータシステムにより実現されるシミュレーション方法としても特定される。また、本発明は、面談のシミュレーションを実行するための方法であって、前記面談の対象である第1キャラクタについて設定された課題を解決するために、当該第1キャラクタに対して利用者により入力される対応に応じて、前記第1キャラクタの反応を生成する
コンピュータにより実現される生成方法としても特定される。
【符号の説明】
【0154】
10 :端末装置
11 :制御装置
12 :記憶装置
13 :通信装置
14 :表示装置
15 :操作装置
20 :情報処理装置
21 :制御装置
22 :記憶装置
23 :通信装置
100 :シミュレーションシステム
111 :取得部
112 :提示部
211 :生成部
300 :通信網
U :利用者