(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-13
(45)【発行日】2025-06-23
(54)【発明の名称】乳酸菌の培養方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20250616BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20250616BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20250616BHJP
A61K 35/744 20150101ALI20250616BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20250616BHJP
A23K 10/16 20160101ALI20250616BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250616BHJP
【FI】
C12N1/20 A
A23L33/135
A61P37/08
A61K35/744
A61K8/99
A23K10/16
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2021019375
(22)【出願日】2021-01-05
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020021001
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000210067
【氏名又は名称】池田食研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 優一
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-225722(JP,A)
【文献】特開2014-028781(JP,A)
【文献】特開2008-228654(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107699524(CN,A)
【文献】国際公開第2015/174407(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
A23K
A23L
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒糖、カルシウム含有水不溶性組成物、マンガン含有微生物を含む
乳酸菌培養用培地であって、液体培地を100重量%とした場合に、3~10重量%のカルシウム含有水不溶性組成物を含む、乳酸菌培養用培地。
【請求項2】
液体培地を100重量%とした場合に、0.5~30重量%の黒糖及び0.005~0.5重量%のマンガン含有微生物を含む、請求項1記載の乳酸菌培養用培地。
【請求項3】
5重量%以上の黒糖を含む、請求項1又は2記載の乳酸菌培養用培地。
【請求項4】
さらに、0.01~8重量%の油脂を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の乳酸菌培養用培地。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の培地で乳酸菌を培養する、乳酸菌培養方法。
【請求項6】
好気条件下で培養する、請求項5記載の乳酸菌の培養方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載の方法により得られる、乳酸菌培養物。
【請求項8】
請求項7記載の乳酸菌培養物を含む、飲食品、医薬品、化粧品又は飼料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳酸菌培養用培地、乳酸菌の培養方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌は、昔からヨーグルト等の発酵食品に利用されてきた菌であると共に、近年ではアレルギーの抑制効果等、様々な機能性を有することが解明され、身近で有用な菌として広く利用されている。そのため、乳酸菌を効率よく培養する方法が検討されている。
【0003】
これまでに、乳酸菌の培養方法として、穀物を含有する培地で培養する工程を有するラクトバチルス属乳酸菌の培養方法(特許文献1)等が知られており、一方で、特許文献2には、一定量を超えるオレイン酸類の添加は、菌の増殖速度が低下し、培養終了時の菌数の低下を招くことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-143802号公報
【文献】特許第3650711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、効率よく乳酸菌を培養することができる乳酸菌培養用培地、該培地を用いた乳酸菌の培養方法、該培養方法によって得られる乳酸菌培養物及び該乳酸菌培養物を含む飲食品、医薬品、化粧品又は飼料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、黒糖、カルシウム含有水不溶性組成物、マンガン含有微生物を含む培地を使用することで、効率的に乳酸菌を培養できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]の態様に関する。
[1]黒糖、カルシウム含有水不溶性組成物、マンガン含有微生物を含む、乳酸菌培養用培地。
[2]液体培地を100重量%とした場合に、0.5~30重量%の黒糖、0.1~10重量%のカルシウム含有水不溶性組成物及び0.005~0.5重量%のマンガン含有微生物を含む、[1]に記載の乳酸菌培養用培地。
[3]5重量%以上の黒糖を含む、[1]又は[2]に記載の乳酸菌培養用培地。
[4]さらに、0.01~8重量%の油脂を含む、[1]~[3]の何れかに記載の乳酸菌培養用培地。
[5][1]~[4]の何れかに記載の培地で乳酸菌を培養する、乳酸菌培養方法。
[6]好気条件下で培養する、[5]記載の乳酸菌の培養方法。
[7][5]又は[6]記載の方法により得られる、乳酸菌培養物。
[8][7]記載の乳酸菌培養物を含む、飲食品、医薬品、化粧品又は飼料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、従来の培地より効率よく乳酸菌を培養することができる乳酸菌培養用の培地を提供できる。また、該培地を使うことで、乳酸菌の増殖が活性化されるため、効率よく乳酸菌培養を行うことができ、安価に乳酸菌培養物を提供することができる。さらに、安全な乳酸菌培養物を提供でき、飲食品、医薬品、化粧品及び飼料用として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】乳酸菌培養において、培地の炭素源として黒糖又はショ糖を使用した場合の培養物中の(1)菌数及び(2)顕微鏡写真を示す。
【
図2】乳酸菌培養において、種々の黒糖含有量の培地を使用した場合の培養物中の菌数を示す。
【
図3】乳酸菌培養において、種々のカルシウム含有水不溶性組成物含有量の培地を使用した場合の培養物中の菌数及びpHを示す。
【
図4】乳酸菌培養において、種々のマンガン含有酵母含有量の培地を使用した場合の培養物中の菌数を示す。
【
図5】乳酸菌培養において、種々の油脂含有量の培地を使用した場合の培養物中の菌数を示す。
【
図6】乳酸菌培養において、培地成分として各種油脂を使用した場合の培養物中の菌数を示す。
【
図7】乳酸菌培養において、培地成分としてカキ殻、マンガン含有酵母及び/又は油脂を含まない培地を使用した場合の、ラクトバチルス・プタンタラム又はラクトバチルス・パラカゼイの培養物中の菌数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の乳酸菌培養用培地は、黒糖、カルシウム含有水不溶性組成物、マンガン含有微生物を含む。さらに油脂を含むのが好ましい。また、酵母エキスを含むのが好ましく、その他、一般的な培地成分を含んでいてもよい。
【0011】
本発明に記載の黒糖は、サトウキビの絞り汁を煮詰めて作られたものであれば特に限定されず、黒糖含有量は、培養開始時の液体培地を100重量%とした場合に、好ましくは0.5~30重量%、より好ましくは1~25重量%、さらに好ましくは3~20重量%、特に好ましくは5重量%以上含んでいればよい。黒糖を培地中に含むことで、乳酸菌の増殖が活性化される。
【0012】
本発明に記載のカルシウム含有水不溶性組成物は、カルシウムを含み、水道水に不溶の組成物であれば特に限定されず、カキ、ホタテ等の貝殻、卵殻、骨、サンゴ、石灰石、ドロマイト等が例示できるが、カキ殻又はサンゴの粉末が好ましい。カルシウム含有水不溶性組成物含有量は、培養開始時の液体培地を100重量%とした場合に、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.2~8重量%、さらに好ましくは0.5~5重量%含んでいればよく、カルシウム含有量として、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、さらに好ましくは0.2~2重量%含んでいればよい。カルシウム含有水不溶性組成物を含むことで、培養中に培養液が酸性になるのに伴い、徐々に溶解すると共に、pHの低下を緩和し、pH調整ができることで、pH低下に伴う乳酸菌の増殖抑制が抑えられる。
【0013】
本発明に記載のマンガン含有微生物は、マンガンを含有する微生物であれば特に限定されず、マンガンを1~10重量%程度含む酵母又は乳酸菌が例示でき、例えばマンガンを4~8%程度含む市販の食用酵母を使用できる。マンガン含有微生物含有量は、培養開始時の液体培地を100重量%とした場合に、好ましくは0.005~0.5重量%、より好ましくは0.01~0.4重量%、さらに好ましくは0.015~0.2重量%含んでいればよく、マンガン含有量として、好ましくは2.5~250ppm、より好ましくは5~200ppm、さらに好ましくは7.5~100ppm含んでいればよい。
【0014】
本発明に記載の油脂は、特に限定されないが、植物油脂が好ましく、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、共役リノール酸等を含む植物性油脂がより好ましく、前記脂肪酸のエステルでも良い。例えばごま油、サラダ油、しらしめ油、コーン油、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、こめ油、糠油、小麦胚芽油、椿油、ベニバナ油(サフラワーオイル)、ヤシ油(パーム核油)、綿実油、ひまわり油、エゴマ油、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、シーベリーオイル、ボラージシードオイル等が例示できる。油脂は、培養開始時の液体培地を100重量%とした場合に、好ましくは0.01~8重量%、より好ましくは0.02~6重量%、さらに好ましくは0.05~3重量%含むことができる。
【0015】
本発明に記載の酵母エキスは、特に限定されず、市販の酵母エキスを使用できる。酵母エキスは、培養開始時の液体培地を100重量%とした場合に、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.2~8重量%、さらに好ましくは0.5~5重量%含むことができる。
【0016】
本発明の乳酸菌培養方法は、前記乳酸菌培養用培地を用いて培養する方法であれば特に限定されないが、詳細には、前記成分を含む液体培地を滅菌し、冷却後、乳酸菌を植菌して、通気攪拌、振とう等の好気条件下で培養するのが好ましい。培養温度、培養日数は一般的な培養条件でよく、例えば20~40℃、1~50時間、好ましくは25~38℃、10~40時間で培養できる。培養開始時のpHは、無調整でもよいが、pH6.0~8.0程度に調整してもよい。培養時の植菌量は、一般的な植菌量であれば特に限定されず、例えば0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%が例示できる。
【0017】
乳酸菌の種類は特に限定されず、一般的な乳酸菌であればよく、例えばラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属、ビフィドバクテリウム属、ロイコノストック属、ペディオコッカス属等に属する菌が例示でき、代表的な菌としてラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・パラカゼイ等が例示でき、1種又は2種以上を用いることできる。
【0018】
本発明の乳酸菌培養物は、前記の培養方法で得られ、培養終了後に殺菌してもよく、殺菌条件は一般的な方法であれば特に限定されないが、例えば60~120℃で1~30分間又は80~100℃で5~20分間の加熱が好ましい。形態は、液状でもよいが、さらに、エアードライ、スプレードライ、真空及び/又は凍結乾燥等を行って粉末化してもよい。
【0019】
本発明の乳酸菌培養物は、天然物や食品用原料を使用した培地を用いて得ることができ、安全に使用できるため、各種製品に添加が可能である。添加する飲食品等は特に限定されないが、飲料、食品、調味料、機能性食品、サプリメント等の各種飲食品の他、医薬品、医薬部外品、化粧品、飼料等にも利用できる。各種製品中の乳酸菌培養物含有量は、特に限定されないが、0.1~50重量%が好ましく、0.5~30重量%がより好ましく、1~20重量%がさらに好ましい。
【実施例】
【0020】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。尚、本発明において、%は別記がない限り全て重量%である。
【実施例1】
【0021】
(炭素源の検討)
黒糖(伊江島産)13%、酵母エキス(ミーストP1G、アサヒビール食品社製)3%、カルシウム含有水不溶性組成物としてカキ殻粉末(カルシウム40%含有)3%、油脂としてオリーブオイル0.2%、マンガン含有酵母(HIGH MANGANESE YEAST(マンガン5%含有)、セティ社製)0.05%及び水道水81.75%からなる液体培地50mLを200mL容のバッフル付三角フラスコに入れ、121℃、15分間オートクレーブ処理した。冷却した液体培地に、ラクトバチルス・プランタラムNBRC15891を植菌し、35℃で20時間振とう培養して種培養液とした。
【0022】
表1に記載の液体培地を各50mLずつ200mL容のバッフル付三角フラスコに入れ、121℃、15分間オートクレーブ処理した。冷却した液体培地に、前記種培養液を1%植菌し、35℃、120rpmで21時間振とう培養した。培養終了後、90℃で10分間、殺菌処理し、各乳酸菌培養物を得た。
尚、モノオレイン酸デカグリセリンはサンソフトQ-17S(太陽化学社製)を使用した。
【0023】
(評価)
各乳酸菌培養物について、pH測定及びバクテリア計算盤による菌数測定を行った。結果を表1及び
図1の(1)にまとめ、顕微鏡写真を
図1の(2)に示した。
【0024】
【0025】
表1及び
図1より、培地成分として黒糖を使用することで、ショ糖に比べ、著しく菌数が増加したことが分かった。また、
図1の(2)より、黒糖培地を用いて得られた菌体は、点のように見える球状であったのに対し、ショ糖培地を用いて得られた菌体は細長い桿状であった。これは、黒糖を含むことで乳酸菌の増殖が活性化され、菌体が大きくなる前に短時間で分裂が繰り返されていたと考えられる。
よって、効率よく乳酸菌を培養する上で、培地成分の炭素源として黒糖が重要であることが分かった。
【実施例2】
【0026】
(黒糖含有量の検討)
表2に記載の液体培地を使用して、実施例1と同様に処理して各乳酸菌培養物を得た。
【0027】
実施例1と同様に評価し、結果を表2及び
図2にまとめた。
【0028】
【0029】
表2及び
図2より、黒糖含有量12%までは黒糖の増加に伴い、乳酸菌の菌数が増加することが分かった。培地中の糖濃度が高過ぎると浸透圧が高くなり、通常、高浸透圧下の環境では、微生物はストレスを受け生育が抑制されることが知られているが、20%という高い黒糖含有量であっても、乳酸菌の増殖がほとんど抑制されなかったことは驚くべきことだった。
【実施例3】
【0030】
(カルシウム含有水不溶性組成物含有量の検討)
表3に記載の液体培地を使用して、実施例1と同様に処理して各乳酸菌培養物を得た。
尚、カルシウム含有水不溶性組成物として、カキ殻粉末を使用した。
【0031】
実施例1と同様に評価し、結果を表3及び
図3にまとめた。
【0032】
【0033】
表3及び
図3より、培地成分としてカキ殻粉末を使用することで、無添加に比べ、著しく菌数が増加し、さらにカキ殻粉末含有量が多い程、乳酸菌の菌数が増加することが分かった。また、カキ殻粉末含有量が多い程、培養終了時のpHが高く、培養によるpHの低下が抑えられていた。
つまり、カルシウム含有水不溶性組成物を含むことで、培養中に培養液が酸性になるのに伴い、徐々に溶解すると共に、pHの低下が緩和され、pH低下に伴う乳酸菌の増殖抑制が抑えられていた。
よって、効率よく乳酸菌を培養する上で、培地成分としてカルシウム含有水不溶性組成物が重要であることが分かった。
【実施例4】
【0034】
(マンガン含有微生物含有量の検討)
表4に記載の液体培地を使用して、実施例1と同様に処理して各乳酸菌培養物を得た。
【0035】
実施例1と同様に評価し、結果を表4及び
図4にまとめた。
【0036】
【0037】
表4及び
図4より、培地成分としてマンガン含有酵母を使用することで、無添加に比べ、著しく菌数が増加し、さらにマンガン酵母含有量が多い程、乳酸菌の菌数が増加することが分かった。
よって、効率よく乳酸菌を培養する上で、培地成分としてマンガン含有微生物が重要であることが分かった。
【実施例5】
【0038】
(油脂含有量の検討)
表5に記載の液体培地を使用して、実施例1と同様に処理して各乳酸菌培養物を得た。
【0039】
実施例1と同様に評価し、結果を表5及び
図5にまとめた。
【0040】
【0041】
表5及び
図5より、培地成分として油脂を使用することで、無添加に比べ、やや菌数が増加することが分かった。
【実施例6】
【0042】
(油脂種類の検討)
表6に記載の液体培地を使用して、実施例1と同様に処理して各乳酸菌培養物を得た。
尚、共役リノール酸はシーエルエース(日清オイリオグループ社製)を使用した。
【0043】
実施例1と同様に評価し、結果を表6及び
図6にまとめた。
【0044】
【0045】
表6及び
図6より、各種油脂を用いて、乳酸菌の培養ができることが分かった。
【実施例7】
【0046】
(培地成分の検討)
表7に記載の液体培地を各50mLずつ200mL容のバッフル付三角フラスコに入れ、121℃、15分間オートクレーブ処理した。冷却した液体培地に、実施例1記載の種培養液又は同様に種培養したラクトバチルス・パラカゼイNBRC3533該種培養を各1%植菌し、35℃、120rpmで21時間振とう培養した。培養終了後、90℃で10分間、殺菌処理し、各乳酸菌培養物を得た。
【0047】
実施例1と同様に評価し、結果を表7及び
図7にまとめた。
【0048】
【0049】
表7及び
図7より、何れの乳酸菌においても、カキ殻及びマンガン含有酵母を含む培地を使用することで、著しく乳酸菌の菌数が増加することが分かった。
【実施例8】
【0050】
(粉末化)
黒糖8%、酵母エキス3%、カルシウム含有水不溶性組成物としてサンゴ粉末(カルシウム39%含有、沖縄サンゴ)3.6%、油脂としてオリーブオイル0.2%、マンガン含有酵母(マンガン5%含有)0.1%及び水道水85.1%からなる液体培地1Lを3L容のバッフル付三角フラスコに入れ、121℃、15分間オートクレーブ処理した。冷却した液体培地に、ラクトバチルス・プランタラムNBRC14711を植菌し、33℃で20時間振とう培養して種培養液とした。
【0051】
種培養と同様の液体培地を各2Lずつ3L容のバッフル付三角フラスコ6本に入れ、121℃、15分間オートクレーブ処理した。冷却した液体培地に、前記種培養液を各1%植菌し、33℃、90rpmで20時間振とう培養した。培養終了後、90℃で10分間、殺菌処理し、乳酸菌培養物12.4kgを得た。
該乳酸菌培養物をスプレードライヤーにて粉末化し、乳酸菌培養物粉末977g(水分3.2%、菌体数1.1×1011個/g)を得た。