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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-13
(45)【発行日】2025-06-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20250616BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021144717
(22)【出願日】2021-09-06
(65)【公開番号】P2023037893
(43)【公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓也
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-078837(JP,A)
【文献】特開2012-249813(JP,A)
【文献】特開2019-111180(JP,A)
【文献】特開2018-050940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
所定の契機で取得される乱数を、保留として記憶する記憶手段と、
前記乱数に基づく抽選により、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを決定可能な決定手段と、
前記決定手段による決定の結果を示唆する変動演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技を実行しない旨が決定された場合、所定の変動時間が定められた第1変動演出を実行可能であり、
前記特別遊技を実行する旨が決定された場合、異なる変動時間が定められた複数の第2変動演出のいずれかを実行可能であり、
前記第1変動演出においては、予め定められた複数の開始タイミングのいずれかから、前記操作手段の操作を促す操作演出の複数回の実行を開始可能であるとともに、当該開始タイミングにより前記操作演出の実行回数が異なる場合があり、
前記複数の第2変動演出においてはいずれも、前記第1変動演出において定められたいずれかの開始タイミングと同一又は略同一の開始タイミングから、前記操作演出の複数回の実行が開始される場合がある遊技機であって、
前記操作演出が実行されるごとに、前記操作手段の操作が行われると、複数回の前記操作演出の実行が終了した後に実行される所定の演出に関する特定示唆を実行可能であり、
前記第1変動演出中及び前記第2変動演出中に、前記保留の記憶に基づいた特定表示の態様を変化させる変化演出を実行可能であり、
前記変化演出が実行される場合には、前記特定示唆によって、当該変化演出の実行を示唆可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1変動演出中及び前記第2変動演出中に、所定の演出図柄でリーチ表示が行われるリーチ演出が実行される場合があり、
前記リーチ演出が実行される場合には、前記特定示唆によって、前記所定の演出図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆可能であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域への遊技球の進入を契機として大当たりの抽選(特別遊技の実行の可否の決定)が行われ、大当たりに当選すると、多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。このような遊技機では、大当たりの抽選の結果を示唆する変動演出が実行されるとともに、大当たりの当選の期待度を示唆すべく、変動演出中に、所定の静止画や動画等の画像を表示する予告演出や発展演出が実行されるのが一般的である。
また、近年では、遊技者の興趣を向上させるべく、一の変動演出中において、遊技者が操作可能なボタン等の操作手段の操作を行うことで大当たりの当選の期待度や所定の演出の実行を示唆する操作演出を複数回実行可能な遊技機や、当該操作演出が実行される前に操作演出の実行を獲得させる(操作演出を実行可能である旨を示すアイコンを獲得させる)ような演出を実行可能な遊技機も考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-188305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機では、実行される変動演出のバリエーションを豊富にすることで演出効果を向上すべく、大当たりの抽選の結果及び変動演出のバリエーションごとに、異なる変動時間を定めた変動パターンを複数設けるようなことが行われている。
しかし、上述のように、一の変動演出中に複数回の操作演出を実行する場合において、この操作演出の実行回数ごとに変動パターンを設けようとすると、変動パターンの数が膨大となり、ROM等のハードウェア資源に対して多大な負荷が生じてしまうとのおそれが生じていた。一方、操作演出の実行回数を減らし対応する変動パターンも少なくすると、操作演出の演出効果が低下し、ひいては遊技者の興趣も低下してしまうとのおそれも生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、ハードウェア資源に対する負荷が大きくなるのを防止しつつ、操作演出の演出効果が低下するのを抑制可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明に係る遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、所定の契機で取得される乱数を、保留として記憶する記憶手段と、前記乱数に基づく抽選により、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを決定可能な決定手段と、前記決定手段による決定の結果を示唆する変動演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記特別遊技を実行しない旨が決定された場合、所定の変動時間が定められた第1変動演出を実行可能であり、前記特別遊技を実行する旨が決定された場合、異なる変動時間が定められた複数の第2変動演出のいずれかを実行可能であり、前記第1変動演出においては、予め定められた複数の開始タイミングのいずれかから、前記操作手段の操作を促す操作演出の複数回の実行を開始可能であるとともに、当該開始タイミングにより前記操作演出の実行回数が異なる場合があり、前記複数の第2変動演出においてはいずれも、前記第1変動演出において定められたいずれかの開始タイミングと同一又は略同一の開始タイミングから、前記操作演出の複数回の実行が開始される場合がある遊技機であって、前記操作演出が実行されるごとに、前記操作手段の操作が行われると、複数回の前記操作演出の実行が終了した後に実行される所定の演出に関する特定示唆を実行可能であり、前記第1変動演出中及び前記第2変動演出中に、前記保留の記憶に基づいた特定表示の態様を変化させる変化演出を実行可能であり、前記変化演出が実行される場合には、前記特定示唆によって、当該変化演出の実行を示唆可能であることを特徴とする。
ここで、略同一とは、その違いを感知することができない程度の範囲であることを意味し、遊技を行っている遊技者が認識することができない程度の範囲とすることができる。たとえば、開始タイミングの差が1秒以内であるならば、略同一であるといえる。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、特別遊技を実行しない旨が決定された場合には所定の変動時間が定められた第1変動演出を実行可能であり、この第1変動演出中において、複数の開始タイミングのいずれかから操作演出の複数回の実行を開始可能となっており、開始タイミングにより操作演出の実行回数が異なる場合があるようになっているため、変動パターンの数を増やすことなく、変動演出中における操作演出の実行回数がバリエーションに富んだものとなり、ハードウェア資源に対する負荷が大きくなるのを防止できる。
また、特別遊技を実行する旨が決定された場合には異なる変動時間が定められた複数の第2変動演出を実行可能であり、この第2変動演出中において、第1変動演出の開始タイミングと同一又は略同一の開始タイミングから操作演出の複数回の実行を開始可能となっているため、上述の開始タイミングによっては特別遊技を実行する旨が決定されたか否かを把握困難となり、操作演出の演出効果を高めることができる。
【0009】
(2)また、本発明に係る遊技機は、前記第1変動演出中及び前記第2変動演出中に、所定の演出図柄でリーチ表示が行われるリーチ演出が実行される場合があり、前記リーチ演出が実行される場合には、前記特定示唆によって、前記所定の演出図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆可能であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハードウェア資源に対する負荷が大きくなるのを防止しつつ、操作演出の演出効果が低下するのを抑制可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機の外観斜視図である。
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
図3】パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
図6】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
図7】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
図8】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
図9】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
図10】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図11】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
図12】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
図13】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図14】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図15】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図16】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図17】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図18】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図19】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
図20】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図21】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図22】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
図23】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図24】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図25】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
図26】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
図27】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図28】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図29】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図30】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図31】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
図32】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図33】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図34】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図35】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図36】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図37】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
図38】パチンコ機の保留表示演出の態様の一例を示す図である。
図39】パチンコ機の保留変化演出の態様の一例を示す図である。
図40】パチンコ機の保留変化演出の態様の一例を示す図である。
図41】パチンコ機の初期保留決定テーブルの説明図である。
図42】パチンコ機の保留変化演出決定テーブルの説明図である。
図43】パチンコ機の特殊演出のパターンの一例を示す図である。
図44】パチンコ機の特殊演出のパターンの一例を示す図である。
図45】パチンコ機の特殊演出のパターンの一例を示す図である。
図46】パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。
図47】パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。
図48】パチンコ機の特殊演出パターン決定テーブルの説明図である。
図49】パチンコ機の煽り演出決定テーブルの説明図である。
図50】パチンコ機の特定示唆決定テーブルの説明図である。
図51】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図52】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図53】パチンコ機の副制御基板における事前判定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図54】パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図55】パチンコ機の副制御基板における保留変化演出決定処理の概略を示すフローチャートである。
図56】パチンコ機の副制御基板における特殊演出決定処理の概略を示すフローチャートである。
図57】パチンコ機の副制御基板における特定示唆画像決定処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
【0026】
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に示唆する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0029】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0030】
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0031】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0032】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0033】
また、図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0034】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0035】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、及び、特別遊技を制御する。
この主制御基板100は、図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0036】
また、図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、遊技球がゲート20を通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、遊技球がアウト口19へ進入したことを検出するアウト口検出センサ等を設けてもよい。
【0037】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0038】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0039】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0040】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0041】
また、発射払出制御基板200には、図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0042】
さらに、発射払出制御基板200には、図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0043】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0044】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0045】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0046】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0047】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0048】
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0049】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0050】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0051】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0052】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0053】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態ともいう)、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態ともいう)、又は、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態ともいう)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0054】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0055】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0056】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を示唆する際に実行される変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0057】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0058】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0059】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0060】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0061】
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0062】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
【0063】
また、図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、2120~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0064】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0065】
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0066】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として5種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0067】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、特別図柄乱数が0~69であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が70~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は35%、大当たり図柄X2が決定される確率は65%となっている。
【0068】
また、図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、特別図柄乱数が0~69であった場合に大当たり図柄X3が決定され、特別図柄乱数が70~109であった場合に大当たり図柄X4が決定され、特別図柄乱数が110~199であった場合に大当たり図柄X5が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X3が決定される確率は35%、大当たり図柄X4が決定される確率は20%、大当たり図柄X5が決定される確率は45%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各特別図柄乱数判定テーブル111において異なる大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0069】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0070】
特別電動役物作動テーブル112は、上述の如く、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図7(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たり図柄X5が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、が設けられている。
【0071】
具体的には、大当たり図柄X5が決定されると、図7(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0072】
大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定されると、図7(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、第1作動テーブル112aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル112aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合よりも、大当たり図柄X5が決定された場合の方が多い。
【0073】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種別に応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、図8(a)及び(b)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、大当たり図柄X2、X4又はX5が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル113aと、大当たり図柄X1又はX3が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル113bと、が設けられている。
【0074】
具体的には、図8(a)に示すように、大当たり図柄X2、X4又はX5が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに時短遊技状態に設定され(すなわち、高確率時短遊技状態に設定され)、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数ともいう)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数ともいう)はいずれも、10000回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。
そして、この高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、再度、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種別に応じた遊技状態が設定される。また、この高確率時短遊技状態において10000回の抽選の結果がすべて大当たり以外となると、高確率遊技状態が低確率時短遊技状態に変更されるとともに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/58.5となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0075】
また、図8(b)に示すように、大当たり図柄X1又はX3が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されるとともに時短遊技状態に設定され(すなわち、特別遊技の終了後は低確率時短遊技状態が設定され)、時短回数は100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。
そして、この低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、再度、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種別に応じた遊技状態が設定される。また、この低確率時短遊技状態において100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
【0076】
なお、特別遊技の終了後に設定され得る遊技状態の種類は、上記内容に限られず、たとえば、所定の大当たり図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態を通常遊技状態や、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定するようにしてもよい。
また、特別遊技の終了後の遊技状態は、当該特別遊技中の遊技結果に基づいて決定してもよい。具体的には、大入賞口18内に遊技球が進入可能な特定領域を設け、特別遊技中において、所定個数の遊技球が特定領域へ進入した場合には当該特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態に設定し、所定個数の遊技球が特定領域へ進入なかった場合には当該特別遊技の終了後の遊技状態を低確率時短遊技状態に設定するようにしてもよい。
【0077】
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を示唆する変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
【0078】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドはそれぞれ複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0079】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中に参照されるテーブルA、高確率時短遊技状態中に参照されるテーブルB、及び、低確率時短遊技状態中に参照されるテーブルCを備えている(図9参照)。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、現時点の保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)と、設定中の遊技状態に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
なお、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点における第1特図保留数が参照される。これに対して、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点における第2特図保留数が参照される。
【0080】
図9(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Y1が決定され(すなわち、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第1特図保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Y1が決定され、かつ現時点の第1特図保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0081】
また、大当たり図柄X1又はX2が決定される(すなわち、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりである)と、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0BH」が決定される。
【0082】
また、ハズレ図柄Y2が決定される(すなわち、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレである)と、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても(変動パターン乱数が0~249であったときに)「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定される。
また、大当たり図柄X3、X4又はX5が決定される(すなわち、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりである)と、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」が決定される。
【0083】
図9(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Y2が決定され、かつ現時点の第2特図保留数が0の場合において、変動パターン乱数が0~179であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「10H」が決定され、変動パターン乱数が180~199であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が15秒、後半部分の変動時間が45秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「11H」が決定され、変動パターン乱数が200~249であったときに「70秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定される。
また、ハズレ図柄Y2が決定され、かつ現時点の第2特図保留数が1以上の場合において、変動パターン乱数が0~179であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定され、変動パターン乱数が180~199であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「11H」が決定され、変動パターン乱数が200~249であったときに「70秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定される。
【0084】
また、大当たり図柄X3、X4又はX5が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~99であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1AH」が決定され、変動パターン乱数が100~149であったときに「70秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1BH」が決定され、変動パターン乱数が150~199であったときに「73秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が23秒、後半部分の変動時間が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「1CH」が決定され、変動パターン乱数が200~249であったときに「67秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が17秒、後半部分の変動時間が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「1DH」が決定される。
【0085】
また、ハズレ図柄Y1が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「10H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1AH」が決定される。
【0086】
図9(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定され、かつ現時点の第2特図保留数が0の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「20H」が決定され、変動パターン乱数が210~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「21H」が決定される。
また、ハズレ図柄Y2が決定され、かつ現時点の第2特図保留数が1以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が210~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「21H」が決定される。
【0087】
また、大当たり図柄X3、X4又はX5が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2AH」が決定される。
【0088】
また、ハズレ図柄Y1が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「20H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2AH」が決定される。
【0089】
なお、通常遊技状態中にはいわゆる左打ちが行われるため、原則として、第1始動入賞口15へ遊技球が入球することにより第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる。しかし、操作ミス等によりいわゆる右打ちが行われた場合には、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することがあり、このときには第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる。そのため、テーブルAには、上述のように、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合に決定し得る変動パターンコマンドも定められている。
同様に、高確率時短遊技状態中又は低確率時短遊技状態中にはいわゆる右打ちが行われるため、原則として、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる。しかし、操作ミス等によりいわゆる左打ちが行われた場合には、第1始動入賞口15へ遊技球が入球することがあり、このときには第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる。そのため、テーブルB及びテーブルCには、上述のように、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合に決定し得る変動パターンコマンドも定められている。
【0090】
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様、及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は30秒、後半部分の変動時間は60秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値90秒(=30秒+60秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「10H」、「13H」、「20H」及び「22H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
【0091】
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0092】
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様、及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0093】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及びメインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
【0094】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0095】
また、当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図10(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態、特別遊技中において参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態において参照される第2判定テーブル116bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0096】
第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0097】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
【0098】
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図11に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、0.6秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0099】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、図12に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図12に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
【0100】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0101】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図13のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0102】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0103】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0104】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図14のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0105】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0106】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0107】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0108】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0109】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0110】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0111】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0112】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0113】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0114】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0115】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0116】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0117】
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
【0118】
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0119】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0120】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0121】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
【0122】
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態)であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、通常遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
【0123】
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0124】
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第1特図保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第2特図保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ652に進む。
【0125】
ステップ652において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、入球した遊技球に基づく変動が実行される時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
【0126】
ステップ653において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ652における判定の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(X1、X2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ652における判定の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(X3、X4、X5)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄Y1であると判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄Y2であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ654に進む。
【0127】
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ651で確認した現時点の遊技状態に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別と、上述のステップ654で取得した変動パターンテーブル114と、記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ656に進む。
【0128】
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別、上述のステップ655で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0129】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数)、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された乱数(第2特図乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0130】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0131】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0132】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0133】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ805に進む。
【0134】
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(X1、X2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(X3、X4、X5)を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0135】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0136】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0137】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに特別図柄変動中状態を示すデータ「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0138】
次に、上述したステップ808の変動パターン決定処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0139】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した現時点の遊技状態に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)と、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0140】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0141】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0142】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ905で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0143】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは常に、0.5秒の停止表示時間がセットされる。なお、常に同一の停止表示時間をセットするのではなく、大当たりの抽選の結果や各遊技状態が設定されてからの変動回数に応じて異なる停止表示時間をセットするようにしてもよい。そして、次のステップ1005に進む。
【0144】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0145】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0146】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0147】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0148】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(X1、X2、X3、X4、X5)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0149】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX5であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄X1、X2、X3又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0150】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0151】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0152】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0153】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0154】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0155】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0156】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0157】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0158】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0159】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、遊技状態設定テーブル113に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄がX2、X4又はX5のいずれかであった場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「10000」をセットする。また、大当たり図柄がX1又はX3のいずれかであった場合には、高確遊技フラグをオフ、時短遊技フラグをオンとするとともに、時短回数にも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0160】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオン又はオフである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0161】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0162】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0163】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0164】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a又は第2判定テーブル116bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、第1判定テーブル116aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2判定テーブル116bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0165】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0166】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0167】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0168】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0169】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0170】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0171】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0172】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0173】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0174】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0175】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、又は特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0176】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0177】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0178】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を示唆する変動演出、所定の表示態様で保留表示を行う保留表示演出、及び、高確率時短遊技状態中の所定の変動演出において実行される特殊演出について説明する。
【0179】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を示唆する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に示唆されるようになっている。
【0180】
具体的には、特別図柄の変動表示が開始されると、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(図32(a)及び(b)、図33(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄ともいう)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄ともいう)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄ともいう)という順番で停止表示される(図32(c)~(e)、図33(c)~(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図33(e)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが示唆される。これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが示唆される(図32(e)参照)。
【0181】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0182】
また、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方、演出図柄50の表示内容、表示される画像等が種々設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドが「00H」、「04H」、「10H」、「13H」、「20H」、「22H」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行され、「01H」、「02H」、「03H」、「0AH」、「0BH」、「11H」、「12H」、「1AH」、「1BH」、「1CH」、「1DH」、「21H」、「2AH」であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される。
【0183】
リーチ変動パターンとしては、リーチパターンA、リーチパターンB、リーチパターンC及びリーチパターンDが設けられている。
リーチパターンAは、演出図柄50の変動表示が開始された後に、変動の仕方や表示内容に特段の変化が生じることなく、単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示することでリーチ表示が行われる態様である(図33参照)。
【0184】
リーチパターンBは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間において、種々の前半演出画像(たとえば、大当たりの当選に対する期待度を示唆するカットイン画像等)の表示が行われる態様である(図34参照)。
【0185】
リーチパターンCは、全ての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後にリーチ表示が行われる態様である(図35参照)。このリーチパターンCには、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間に仮停止が1回行われるパターン、仮停止が2回行われるパターンが設けられている。
【0186】
リーチパターンDは、上述の特殊演出が実行された後にリーチ表示が行われる態様である。この特殊演出が実行されるリーチパターンDについては、後程後述する。
【0187】
なお、リーチ変動パターンは、上述の態様に限定されるものではなく、たとえば、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆を行う態様、役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出)等を設けてもよい。また、同一種類の演出や異なる種類の演出が複数回実行される態様等を設けてもよい。
また、リーチパターンCによる変動演出において仮停止を行う回数、仮停止を行うタイミングは、種々の回数や種々の時点を設定することができる。また、大当たりに当選した場合にのみ上述の仮停止が特定回数(たとえば、4回)行われるリーチパターンCによる変動演出が実行されるように設定し、当該リーチパターンCによる変動演出が実行された場合には、大当たりに当選したことを把握できるようにしてもよい。
また、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより示唆するようにしてもよい。
【0188】
また、変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像(図36(e)参照)を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を示唆する発展ありパターン、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果がハズレである旨を示唆する発展なしパターン(図33参照)が設けられている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレである場合にのみ発展なしパターンによる変動演出が実行され得るようになっているが、大当たりの抽選の結果が大当たりである場合にも、発展なしパターンによる変動演出が実行され得るようにしてもよい。すなわち、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果が大当たりである旨を示唆されるようにしてもよい。
【0189】
また、変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレである旨が示唆されるノーマルハズレパターン(図33参照)が設けられている。
【0190】
発展なしパターン、発展ありパターン及びノーマルハズレパターンの態様は複数種類設けられている。
たとえば、発展ありパターンには、表示される発展演出画像が異なる複数の態様が設けられている。また、発展ありパターンには、所定の発展演出画像の表示が開始されてから当該発展演出画像の表示以外の演出が特段実行されることなくハズレ又は大当たりを示唆する態様、表示された発展演出画像がより大当たりの当選の期待度の高い高期待度発展演出画像に切り替わるチャンスアップ演出が実行された後にハズレ又は大当たりを示唆する態様等が設けられている。
また、発展なしパターン、発展ありパターン及びノーマルハズレパターンとしては、演出図柄50に重ねて大当たりの当選に対する期待度を示唆するカットイン画像が表示される態様(カットイン演出)、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆を行う態様、役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出)等を設けてもよい。また、同一種類の演出や異なる種類の演出が複数回実行される態様等を設けてもよい。
【0191】
また、上述の各演出においては、画像の表示や音声の出力のみならず、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0192】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が示唆されるまで(すなわち、第2停止図柄が停止表示されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が示唆されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0193】
またここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンドに応じて、実行可能となる変動演出の態様が予め定められている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動パターンコマンドに対応付けられた態様により変動演出が実行されるようになっている。
【0194】
具体的には、変動パターンコマンドが「00H」、「04H」、「10H」、「13H」、「20H」又は「22H」であった場合には、前半部分がリーチなし変動パターン及び後半部分がノーマルハズレパターンである態様(以下、態様1ともいう)により変動演出が実行され、ハズレである旨が示唆されるようになっている。
すなわち、態様1による変動演出は、通常遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づきハズレとなり「00H」又は「04H」が決定された場合、高確率時短遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づきハズレとなり「10H」又は「13H」が決定された場合、低確率時短遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づきハズレとなり「20H」又は「22H」が決定された場合に実行され得る(図9図37参照)。
【0195】
変動パターンコマンドが「01H」であった場合には、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展なしパターンである態様(以下、態様2ともいう)、前半部分がリーチパターンB及び後半部分が発展なしパターンである態様(以下、態様3ともいう)、又は、前半部分がリーチパターンC及び後半部分が発展なしパターンである態様(以下、態様4ともいう)のいずれかにより変動演出が実行され、ハズレである旨が示唆されるようになっている。
すなわち、態様2、態様3、態様4による変動演出は、通常遊技状態において第1特図乱数に基づきハズレとなり「01H」が決定された場合に実行され得る(図9図37参照)。
【0196】
変動パターンコマンドが「02H」又は「03H」であった場合には、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンである態様(以下、態様5ともいう)、前半部分がリーチパターンB及び後半部分が発展ありパターンである態様(以下、態様6ともいう)、又は、前半部分がリーチパターンC及び後半部分が発展ありパターンである態様(以下、態様7ともいう)のいずれかにより変動演出が実行され、ハズレである旨が示唆されるようになっている。
変動パターンコマンドが「0AH」又は「0BH」であった場合には、態様5、態様6又は態様7のいずれかにより変動演出が実行され、大当たりである旨が示唆されるようになっている。
変動パターン「11H」又は「21H」であった場合には、態様5又は態様6のいずれかにより変動演出が実行され、ハズレである旨が示唆されるようになっている。
変動パターンコマンドが「1AH」又は「2AH」であった場合には、態様5又は態様6のいずれかにより変動演出が実行され、大当たりである旨が示唆されるようになっている。
すなわち、態様5、態様6による変動演出は、通常遊技状態において第1特図乱数に基づきハズレとなり「02H」又は「03H」が決定された場合、通常遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づき大当たりとなり「0AH」又は「0BH」が決定された場合、高確率時短遊技状態において第2特図乱数に基づきハズレとなり「11H」が決定された場合、高確率時短遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づき大当たりとなり「1AH」が決定された場合、低確率時短遊技状態において第2特図乱数に基づきハズレとなり「21H」が決定された場合、低確率時短遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づき大当たりとなり「2AH」が決定された場合に実行され得る(図9図37参照)。
また、態様7による変動演出は、通常遊技状態において第1特図乱数に基づきハズレとなり「02H」又は「03H」が決定された場合、通常遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づき大当たりとなり「0AH」又は「0BH」が決定された場合に実行され得る(図9図37参照)
【0197】
変動パターンコマンドが「12H」であった場合には、前半部分がリーチパターンD及び後半部分が発展ありパターンである態様(以下、態様8ともいう)により変動演出が実行され、ハズレである旨が示唆されるようになっている。
変動パターンコマンドが「1BH」、「1CH」又は「1DH」であった場合には、態様8により変動演出が実行され、大当たりである旨が示唆されるようになっている。
すなわち、態様8による変動演出は、高確率時短遊技状態において第2特図乱数に基づきハズレとなり「12H」が決定された場合、高確率時短遊技状態において第2特図乱数に基づき大当たりとなり「1BH」、「1CH」又は「1DH」が決定された場合に実行され得る(図9図37参照)。このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、態様8による変動演出は、高確率時短遊技状態においてのみ実行され得るようになっている。
【0198】
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び低確率時短遊技状態中はそれぞれ異なる背景画像が表示され、設定されている遊技状態を背景画像により把握できるようになっている。また、変動演出においては、設定されている遊技状態に応じた画像(演出図柄50、カットイン画像、発展演出画像等)が表示されるようになっている。なお、通常遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び低確率時短遊技状態中には同態様の画像が表示されるようにしてもよいし、異なる態様の画像が表示されるようにしてもよい。
【0199】
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、図37に示すように、変動演出の態様(すなわち態様1~態様8のいずれか)を決定するための変動演出決定テーブル119が記憶されている。
【0200】
そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動開始時に変動パターンコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の変動演出乱数を取得するとともに、取得した変動演出乱数、受信した変動パターンコマンド及び変動演出決定テーブル119に基づいて、変動演出の態様を決定する。
【0201】
なお、図39において、変動パターンコマンドと変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される変動演出の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
【0202】
そして、上述のように、変動演出の態様が決定されると、サブCPU301は、決定された態様で変動演出を実行する際に表示する各種画像等も決定する。たとえば、サブCPU301は、前半部分がリーチパターンBとなる態様が決定された場合には、表示する前半演出画像の種類を決定し、前半部分がリーチパターンCとなる態様が決定された場合には、擬似連演出の実行パターン(仮停止が1回行われるパターン又は2回行われるパターン)を決定し、後半部分が発展ありパターンとなる態様が決定された場合には、表示される発展演出画像の種類を決定する。また、サブCPU301は、停止表示する演出図柄50の種類も決定する。
【0203】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50は「1」~「8」の数字図柄となっている。そして、大当たりの抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X5が決定された場合(すなわち、大当たりの当選に基づく特別遊技中に10ラウンドのラウンド遊技が実行され、かつ当該特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定される場合)には、最終的に停止表示させる演出図柄50として「7」の図柄が決定されるようになっている。
また、大当たりの抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX4が決定された場合(すなわち、大当たりの当選に基づく特別遊技中に4ラウンドのラウンド遊技が実行され、かつ当該特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定される場合)には、最終的に停止表示させる演出図柄50として「7」以外の奇数図柄のいずれか(すなわち、「1」、「3」、「5」のいずれか)が決定されるようになっている。
また、大当たりの抽選により大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX3が決定された場合(すなわち、大当たりの当選に基づく特別遊技中に4ラウンドのラウンド遊技が実行され、かつ当該特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定される場合)には、最終的に停止表示させる演出図柄50として偶数図柄のいずれか(すなわち、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)が決定され得るようになっている。
すなわち、全ての演出図柄50が奇数図柄で停止表示された場合には、これにより、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されることが示唆される。さらに、全ての演出図柄50が「7」の図柄で停止表示された場合には、これにより、高確率時短遊技状態が設定されることに加え、大当たりの当選に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行される(すなわち、獲得できる賞球数が相対的に多い特別遊技が実行される)ことが示唆される。
これに対して、全ての演出図柄50が偶数図柄で停止表示された場合には、これにより、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定されることが示唆される。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、偶数図柄のいずれかが停止表示された場合→「1」、「3」又は「5」の図柄が停止表示された場合→「7」の図柄が停止表示された場合の順に、より有利な遊技利益が付与されるようになっている。すなわち、「7」の図柄は遊技者にとって最も有利度の高い図柄であり、偶数図柄は遊技者にとって最も有利度の低い図柄であるといえる。これにより、遊技者に対して、偶数図柄よりも「1」、「3」又は「5」の図柄、「1」、「3」又は「5」の図柄よりも「7」の図柄が停止表示することに期待を抱かせることができるようになっている。
【0204】
(保留表示演出の概要)
保留表示演出は、保留記憶がなされた場合や保留記憶が読み出された場合に、演出表示装置21において、所定の表示態様で保留表示を行うものである。ここでは、第2特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出についてのみ説明するものとし、第1特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出については説明を省略する。
図38等に示すように、演出表示装置21における表示部21aの下部には、第2特図乱数の保留表示領域52が設けられている。そして、第2特図乱数について保留記憶がなされると、この保留表示領域52に、保留記憶がなされた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により保留数が遊技者に示唆されるようになっている。
具体的には、保留表示領域52の最左部に、読み出された保留(すなわち、実行中の特別図柄の変動表示の対象である保留)を表示する読み出し保留表示部52aが設けられているとともに、読み出し保留表示部52aの右側に、記憶された保留を記憶順に表示する第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eが設けられている。そして、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eの4つの保留表示部により第2特図保留数が示されるようになっている。
【0205】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第2特図乱数を記憶する第2保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、第2特図乱数が保留記憶された時点において事前判定処理により判定された大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動パターンコマンド等の情報(以下、保留情報ともいう)が記憶される第2保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる第2保留記憶領域には、第1記憶部~第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部52bに対応し、以下、第2記憶部~第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部52c~第4保留表示部52eに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われる。また、変動パターンコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出され、当該保留情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、特別図柄の変動表示の開始に伴って変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおいて読み出された保留を対象とする保留表示が行われる。
また、サブCPU301は、第2保留記憶領域におけるいずれの記憶部まで保留情報が記憶されているかを確認することで、第2特図保留数を把握できるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも保留情報が記憶されていない場合には、第2特図保留数は「0」であると把握することができ、第2記憶部まで保留情報が記憶されている場合には、第2特図保留数は「2」であると把握することができる。
【0206】
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されておらず第2特図保留数が「0」である場合には、読み出し保留表示部52a、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eのいずれにも保留表示が行われていない。そして、この場合に第2特図乱数の保留記憶がなされると、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部52bにおいて保留表示が行われる。その後、当該保留記憶が読み出されて特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされて、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52bにおける保留表示が消去されることとなる。
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第2特図保留数が「3」である場合には、第1記憶部~第3記憶部に保留情報が記憶されているため、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52dにおいて保留表示が行われる。その後、実行中の特別図柄の変動表示及び変動演出が終了し、第1記憶部における保留記憶が読み出されて、次の特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされ、第2保留表示部52cにおける保留表示が第1保留表示部52bへシフトされ、第3保留表示部52dにおける保留表示が第2保留表示部52cへシフトされて、各保留表示部における保留表示が更新されるとともに、第3保留表示部52dにおける保留表示が消去されることとなる(図38(a)~(c)参照)。
【0207】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示の表示態様として、白色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、白保留ともいう)、青色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、青保留ともいう)、緑色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、緑保留ともいう)、赤色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、赤保留ともいう)、金色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、金保留ともいう)、虹色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、虹保留ともいう)が設けられており(図38等参照)、いずれかの表示態様により保留表示が行われる。そして、これらの保留表示の表示態様については、大当たりに当選した場合に表示される可能性の高低(すなわち、大当たりの当選の期待度)がそれぞれ別個に設定されている。具体的には、白保留→青保留→緑保留→赤保留→金保留の順に、大当たりの当選の期待度が次第に高くなるようになっている。これにより、保留表示における態様に応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
なお、虹保留については大当たりに当選した場合にのみ表示され、ハズレの場合には表示されないようになっている。すなわち、虹保留が表示された場合には、大当たりに当選した旨が示唆されることとなる。
また、図面において、「白」の文字が付された丸印は白保留を示し、「青」の文字が付された丸印は青保留を示し、「緑」の文字が付された丸印は緑保留を示し、「赤」の文字が付された丸印は赤保留を示し、「金」の文字が付された丸印は金保留を示し、「虹」の文字が付された丸印は虹保留を示している。
【0208】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特図乱数の保留記憶がなされた時点における保留表示の表示態様(以下、初期保留という。)が、白保留又は青保留のいずれかに決定されるようになっているとともに、決定された初期保留に応じた態様により、対応する保留表示部において当該初期保留の保留表示が行われるようになっている。
【0209】
(保留変化演出の概要)
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、記憶された保留に係る表示中の保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる保留変化演出を実行できるようになっている(図39図40等参照)。ここでは、高確率時短遊技状態中において第2特図乱数の保留記憶に基づく保留表示を対象として実行される保留変化演出についてのみ説明するものとし、他の遊技状態中や第1特図乱数の保留記憶に基づく保留表示を対象として実行される保留変化演出については説明を省略する。
【0210】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1記憶部に記憶されている保留が読み出され、この読み出された保留(以下、当該保留という)に基づく変動演出が開始される時点で、当該保留を対象として保留変化演出の実行を決定できるようになっている。そして、保留変化演出の実行が決定された場合には、当該保留について保留表示の切り替え態様を決定する。保留表示の切り替え態様が決定されると、所定の切り替えタイミングにおいて、当該保留の保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる。
上述の切り替えタイミングとしては、当該保留に基づく変動演出(以下、当該変動演出という)の開始時点である第1時点、及び、当該変動演出のリーチ表示時点である第2時点が設定されている。
【0211】
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「0」であり、読み出し保留表示部52aにおいて白保留の保留表示がなされていたときに(第39(a)参照)、新たな第2特図乱数の保留記憶がなされ、第1記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として青保留が決定されるとともに、この保留(当該保留)に基づく変動演出(当該変動演出)の開始時に保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、第1時点(当該変動演出の開始時点)において、当該保留について青保留の保留表示から、大当たりの当選の期待度が1段階高い緑保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、当該保留が記憶された時点で、第1保留表示部52bにおいて青保留の保留表示が行われる(図39(b)参照)。そして、実行中の変動演出が終了し(図39(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(すなわち、当該保留の保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて当該変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた青保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(図39(d)参照)とともに、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が緑保留の保留表示に切り替わる(図39(e)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、当該保留について緑保留の保留表示が行われる。
【0212】
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「0」であり、読み出し保留表示部52aにおいて白保留の保留表示がなされていたときに(図40(a)参照)、新たな第2特図乱数の保留記憶がなされ、第1記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として白保留が決定されるとともに、この保留(当該保留)に基づく変動演出(当該変動演出)の開始時に保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、第2時点(当該変動演出のリーチ表示時点)において、当該保留について白保留の保留表示から、大当たりの当選の期待度が3段階高い赤保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、当該保留が記憶された時点で、第1保留表示部52bにおいて白保留の保留表示が行われる(図40(b)参照)。そして、実行中の変動演出が終了し(図40(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出されて当該保留情報に基づいて当該変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた白保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(図40(d)参照)。その後、当該変動演出のリーチ表示時点に至ると、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わる(図40(e)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、当該保留について赤保留の保留表示が行われる。そして、当該変動演出が発展ありパターンにより実行されるものであれば、その後、リーチ発展演出が実行される(図40(f)参照)。
【0213】
なお、切り替えタイミングとしては、上述の時点に限定されるものではなく、当該保留が記憶された時点から当該変動演出よりも前に実行される変動演出(たとえば、当該保留に基づく変動演出の2回前に実行される変動演出、当該保留に基づく変動演出の1回前に実行される変動演出等)の開始から終了までの間におけるいずれかの時点(たとえば、変動演出の開始時点、変動演出の終了時点、変動演出中に特定の演出(演出図柄50の仮停止、チャンスアップ演出等)が実行される場合には当該特定の演出の実行時点等)や、当該変動演出の開始から終了までの間におけるいずれかの時点を設定してもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、1回の変動演出中に複数の切り替えタイミングが設定されているが、これに限定されるものではなく、1回の変動演出中に1回の切り替えタイミングのみを設定してもよい。また、1回の変動演出中に1回の保留変化演出のみ実行されるように設定されているが、これに限定されるものではなく、1回の変動演出中に複数回の保留変化演出が実行されるようにしてもよい。
【0214】
(保留表示に関する各種決定の概要)
新たに記憶された保留の初期保留の態様については、この保留が記憶された時点において主制御基板100から送信される事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて決定される。
【0215】
副制御基板300のサブROM302には、図41に示すように、初期保留の態様を決定するための初期保留決定テーブル121が記憶されている。サブCPU301は、初期保留決定テーブル121を参照して、初期保留の態様を決定する。
【0216】
初期保留決定テーブル121には、第2特図乱数が保留記憶された時点において主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される初期保留決定乱数ごとに対応付けられて、初期保留の態様が定められている。
副制御基板300が主制御基板100のメインCPU101から事前判定コマンドを受信すると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の初期保留決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、初期保留決定テーブル121、事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報及び取得した初期保留決定乱数に基づいて、初期保留の態様を決定する。
【0217】
また、図41において変動パターンコマンドと初期保留の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、初期保留の態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、初期保留の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
【0218】
また、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合における実行時点及び保留変化後の保留表示の態様は、当該変動演出の開始時点において主制御基板100から送信される当該保留の変動パターンコマンドに基づいて決定される。
【0219】
副制御基板300のサブROM302には、図42に示すように、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合における実行時点及び保留変化後の保留表示の態様を決定するための保留変化演出決定テーブル122が記憶されている。サブCPU301は、保留変化演出決定テーブル122を参照して、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合における実行時点及び保留変化後の保留表示の態様を決定する。
【0220】
保留変化演出決定テーブル122には、初期保留の態様、当該変動演出の開始時点において主制御基板100から取得する変動パターンコマンド及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される保留変化決定乱数ごとに対応付けられて、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合における実行時点及び保留変化後の保留表示の態様が定められている。
副制御基板300が主制御基板100のメインCPU101から変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の保留変化決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、保留変化決定テーブル122、初期保留の態様、変動パターンコマンド及び取得した保留変化決定乱数に基づいて、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合における実行時点及び保留変化後の保留表示の態様を決定する。
【0221】
具体的には、図42に示すように、保留変化演出決定テーブル122によれば、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「10H」又は「13H」において(すなわち、態様1(前半部分がリーチなし変動パターン、後半部分がノーマルハズレパターン)による変動演出が実行される場合において)、当該保留の初期保留の態様が白保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては必ず第1時点が決定され、保留変化後の保留表示の態様としては青保留又は緑保留のいずれかが決定される。
【0222】
また、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「11H」において(すなわち、態様5(前半部分がリーチパターンA、後半部分が発展ありパターン)又は態様6(前半部分がリーチパターンB、後半部分が発展ありパターン)による変動演出が実行される場合において)、当該保留の初期保留の態様が白保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては第1時点又は第2時点のいずれかが決定され、保留変化後の保留表示の態様としては青保留、緑保留、赤保留又は金保留のいずれかが決定される。当該保留の初期保留の態様が青保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては第1時点又は第2時点のいずれかが決定され、保留変化後の保留表示の態様としては緑保留、赤保留又は金保留のいずれかが決定される。
【0223】
また、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「12H」において(すなわち、態様8(前半部分がリーチパターンD、後半部分が発展ありパターン)による変動演出が実行される場合において)、当該保留の初期保留の態様が白保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては必ず第2時点のいずれかが決定され、保留変化後の保留表示の態様としては青保留、緑保留、赤保留又は金保留のいずれかが決定される。当該保留の初期保留の態様が青保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては必ず第2時点が決定され、保留変化後の保留表示の態様としては緑保留、赤保留又は金保留のいずれかが決定される。
なお、保留変化演出の実行時点としては、第2時点のみが決定されるのではなく、第1時点も決定され得るようにしてもよい。
【0224】
また、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「1AH」において(すなわち、態様5(前半部分がリーチパターンA、後半部分が発展ありパターン)又は態様6(前半部分がリーチパターンB、後半部分が発展ありパターン)による変動演出が実行される場合において)、当該保留の初期保留の態様が白保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては第1時点又は第2時点のいずれかが決定され、保留変化後の保留表示の態様としては青保留、緑保留、赤保留、金保留又は虹保留のいずれかが決定される。当該保留の初期保留の態様が青保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては第1時点又は第2時点のいずれかが決定され、保留変化後の保留表示の態様としては緑保留、赤保留、金保留又は虹保留のいずれかが決定される。
【0225】
また、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「1BH」、「1CH」又は「1DH」において(すなわち、態様8(前半部分がリーチパターンD、後半部分が発展ありパターン)による変動演出が実行される場合において)、当該保留の初期保留の態様が白保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては必ず第2時点のいずれかが決定され、保留変化後の保留表示の態様としては青保留、緑保留、赤保留、金保留又は虹保留のいずれかが決定される。当該保留の初期保留の態様が青保留であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定され、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留変化演出の実行時点としては必ず第2時点が決定され、保留変化後の保留表示の態様としては緑保留、赤保留、金保留又は虹保留のいずれかが決定される。
なお、保留変化演出の実行時点としては、第2時点のみが決定されるのではなく、第1時点も決定され得るようにしてもよい。
【0226】
また、図42において変動パターンコマンド及び初期保留の態様と、保留変化演出の実行の可否、保留変化演出が実行される場合における実行時点及び保留変化後の保留表示の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出においてリーチ表示が行われる場合、行われない場合のいずれにおいても、保留変化演出を実行できるようになっているが、変動演出においてリーチ表示が実行されない場合には保留変化演出が実行されないようにしてもよい。また、変動演出においてリーチ発展演出が実行される場合にのみ、保留変化演出が実行され得るように設定してもよい。
このように設定することで、保留変化演出が実行された場合の大当たりの当選に対する期待度を高めることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0227】
また、保留表示の表示態様も、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば、他の色の丸印が表示される態様や、他の形(キャラクター等)が表示される態様を設けてもよい。また、保留表示の切り替え態様も、上述した内容に限定されるものではない。また、遊技者が所定の操作(たとえば、操作ボタン9bの押下)を行うことにより保留表示の切り替えが行われるような切り替え態様を設けてもよい。
このようにすることで、保留変化演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0228】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の開始時点において、開始された変動演出に係る当該保留について保留変化演出の実行の可否が決定されるようになっているが、これに限定されるものではい。たとえば、当該保留が記憶された時点で、初期保留の態様を決定するとともに、保留変化演出の実行の可否を決定するようにしてもよい。
また、このように保留変化演出の実行の可否を決定する場合には、所定の保留変化禁止条件(たとえば、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出の実行が決定されていること、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出が実行されていること等)が成立していない場合に、保留変化演出の実行を決定できるようにしてもよい。
このようにすることで、変動演出の開始時点においてサブCPU301等のハードウェア資源にかかる負荷を軽減できるとともに、当該保留の変動演出よりも前に実行される変動演出において、当該保留についての保留変化演出の実行の可否の決定結果に基づいた所定の演出を実行できることとなる。また、保留変化演出が重複して行われてしまうことで、遊技者が保留変化演出に対する違和感を抱くような事態を防止することができる。
【0229】
(特殊演出の概要)
特殊演出は、高確率時短遊技状態中の態様8(リーチパターンD及び発展ありパターンの態様)による変動演出の前半部分(変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間)において実行されるものである。すなわち、高確率時短遊技状態において、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなり「12H」の変動パターンコマンド(70秒変動の変動パターン)が決定された場合、又は、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選により大当たりとなり「1BH」、「1CH」、「1DH」の変動パターンコマンド(70秒変動、73秒変動、67秒変動の変動パターン)が決定された場合に、当該決定に基づく変動演出の前半部分で特殊演出が実行される。
【0230】
この特殊演出では、遊技者に対して操作ボタン9bの押下操作を促す操作演出を所定回数実行可能となっており、操作演出の実行回数を示唆する回数示唆演出が所定の回数示唆演出実行時間(本形態では5秒)行われた上で(図46(d)参照)、上述の変動演出の前半部分における所定の実行開始時点から、操作演出の所定回数の実行が開始される(図46(e)参照)。
本形態に係るパチンコ機Pでは、実行開始時点からリーチ表示が行われるまでの期間が所定個数の操作演出実行区間に区切られており、1個の操作演出実行区間の時間は3秒に設定されている。そして、1個の操作演出実行区間において1回の操作演出が実行されるようになっている。なお、1個の操作演出実行区間において1回の操作演出が実行されるようにするのではなく、連続する複数個(たとえば、2個)の操作演出実行区間に跨って1回の操作演出が実行されるようにしてもよい。
そして、操作演出が実行されるごとに、操作ボタン9bが押下操作されることにより、大当たりの当選の期待度や所定の演出が実行される旨等の各種示唆を行う特定示唆が実行されるようになっている(図46(f)、図46(h)、図46(j)等参照)。
【0231】
また、特殊演出には、当該特殊演出の開始時において、当該特殊演出が実行されるか否かを煽る煽り演出が実行されるパターンと実行されないパターンとが設けられている。実行されるパターンにおいては、上述の煽り演出が実行されて特殊演出の実行が示唆された後に(図46(b)~(c)参照)、上述の回数示唆演出が実行された上で操作演出の所定回数の実行が開始される。これに対して、実行されないパターンにおいては、上述の煽り演出は実行されずに、上述の回数示唆演出が実行された上で操作演出の所定回数の実行が開始される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、煽り演出の実行態様として、開始から終了までの実行時間(以下、煽り演出実行時間ともいう)及び表示される煽り画像が異なる態様A、態様B及び態様Cの3種類が設けられている。
態様Aは、図46(b)~(c)に示すように、煽り演出実行時間が3秒であって煽り画像A(たとえば、特殊演出の実行を示唆するアイコン(「トレジャーアタック」という文字が付されたアイコン等)が停止するか否かを表示する動画像)が表示される実行態様である。態様Bは、特に図示していないが、煽り演出実行時間が6秒であって煽り画像B(たとえば、宝箱が開き、中から特殊演出の実行を示唆するアイコンが出現するか否かを表示する動画像)が表示される実行態様である。態様Cは、特に図示していないが、煽り演出実行時間が9秒であって煽り画像C(たとえば、複数のキャラクターによる対戦が行われ、特定のキャラクターが勝利するか否かの対戦結果(特定のキャラクターが勝利することにより特殊演出の実行を示唆)を示す動画像)が表示される態様である。
そして、上述の実行されるパターンにおいては、態様A、態様B又は態様Cのいずれかの実行態様により煽り演出が実行される。
【0232】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、「12H」、「1BH」、「1CH」及び「1DH」以外の変動パターンコマンド(「10H」、「11H」、「13H」、「1AH」)が決定された場合にも、態様A、態様B又は態様Cによる煽り演出が実行され得るようになっている。この場合において煽り演出が実行されたときには、最終的に特殊演出を実行しない旨が示唆される。
これにより、同一の煽り演出が実行されても、特殊演出の実行が示唆される場合と非実行が示唆される場合の両方が生じ得るため、煽り演出の演出効果を向上させることができるとともに特殊演出の実行に対する期待感を高めることができる。
また、煽り演出の実行態様は上述のものに限定されず、「12H」、「1BH」、「1CH」又は「1DH」の変動パターンコマンドが決定された場合にのみ実行され、必ず特殊演出の実行が示唆される実行態様(すなわち、特殊演出の実行が確定する実行態様)を設けてもよい。
【0233】
また、各操作演出では、上述のように、遊技者に対して操作ボタン9bの押下操作を促す操作表示(たとえば、操作ボタン9bを模したボタン画像及び「押せ!」という文字画像の表示)が行われる(図46(e)、図46(g)、図46(i)等参照)。そして、当該表示が行われてから所定の操作有効時間(本形態では2秒)が経過するまでの間(以下、操作有効期間ともいう)に操作ボタン9bが押下されると、当該ボタン画像が消去され、操作演出実行区間(3秒)が終了するまでの間、上述の特定示唆が実行される。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、1個の操作演出実行区間が、1回の操作演出が開始されてから終了するまでの期間(操作表示が開始されてから特定示唆が終了するまでの期間、以下、操作演出実行期間ともいう)に相当し、この期間が3秒に設定されている。
なお、操作有効期間中に操作ボタン9bが押下操作されなかった場合には、上述の特定示唆は実行されず、特に図示していないが、操作演出実行区間が終了するまでの間、特定示唆が実行されない旨を示す非実行画像(たとえば、「?」マークが表示されたカード画像)が表示されるようになっている。
【0234】
特定示唆では、大当たりの当選の期待度や所定の演出が実行される旨等の各種示唆を行う特定示唆画像(たとえば、示唆内容が表示されたカード画像)が表示される。
具体的には、大当たりの当選の期待度を示唆する特定示唆画像(以下、期待度示唆画像ともいう)として、白チャンス画像(白色のチャンスという文字が表示されたカード画像)、青チャンス画像(青色のチャンスという文字が表示されたカード画像)、緑チャンス画像(緑色のチャンスという文字が表示されたカード画像)、赤チャンス画像(赤色のチャンスという文字が表示されたカード画像)、金チャンス画像(金色のチャンスという文字が表示されたカード画像)、虹チャンス画像(虹色のチャンスという文字が表示されたカード画像)の6種類が設けられており、この順番で次第に大当たりの当選の期待度が高くなるように設定されている。また、虹チャンス画像は、大当たりに当選した場合(「1BH」、「1CH」、「1DH」の変動パターンコマンドが決定された場合)にのみ表示され得るように設定されており、虹チャンス画像が表示された場合には大当たりの当選が示唆されることとなる。
【0235】
また、所定の演出が実行される旨を示唆する特定示唆画像として、保留変化演出が実行される旨を示唆する特定示唆画像(以下、保留変化示唆画像ともいう)、及び、所定の図柄でリーチ表示が実行される旨を示唆する特定示唆画像(以下、テンパイ図柄示唆画像ともいう)が設けられている。
【0236】
保留変化示唆画像には、青保留への保留変化の実行を示唆する青保留変化示唆画像(青保留変化という文字が表示されたカード画像)、緑保留への保留変化の実行を示唆する緑保留変化示唆画像(緑保留変化という文字が表示されたカード画像)、赤保留への保留変化の実行を示唆する赤保留変化示唆画像(赤保留変化という文字が表示されたカード画像)、金保留への保留変化の実行を示唆する金保留変化示唆画像(金保留変化という文字が表示されたカード画像)、虹保留への保留変化の実行を示唆する虹保留変化示唆画像(虹保留変化という文字が表示されたカード画像)の5種類が設けられている。
そして、特定示唆においていずれかの保留変化示唆画像が表示された場合には、リーチ表示が行われる時点で、当該保留変化示唆画像によって示唆される態様による保留変化が実行される(図46(j)、図47(b)参照)。
【0237】
テンパイ図柄示唆画像には、「1」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する1図柄テンパイ示唆画像(1図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「2」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する2図柄テンパイ示唆画像(2図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「3」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する3図柄テンパイ示唆画像(3図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「4」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する4図柄テンパイ示唆画像(4図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「5」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する5図柄テンパイ示唆画像(5図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「6」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する6図柄テンパイ示唆画像(6図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「7」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する7図柄テンパイ示唆画像(7図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)、「8」の図柄でリーチ表示が行われる旨を示唆する8図柄テンパイ示唆画像(8図柄テンパイという文字が表示されたカード画像)の8種類が設けられている。
そして、特定示唆においていずれかのテンパイ図柄示唆画像が表示された場合には、当該テンパイ図柄示唆画像によって示唆される図柄によるリーチ表示が実行される(図46(h)、図47(b)参照)。
【0238】
なお、特定示唆において表示可能な特定示唆画像(特定示唆において示唆可能な内容)は、上述の期待度示唆画像、保留変化示唆画像、テンパイ図柄示唆画像に限定されるものではなく、たとえば、リーチ発展演出で表示される発展演出画像の種類を示唆する(すなわち、所定の発展演出画像が表示されるリーチ発展演出が実行される旨を示唆する)リーチ発展演出示唆画像、大当たりの当選及び当該当選に基づく特別遊技後に高確率時短遊技状態が設定される旨を示唆する高確示唆画像、大当たりの当選及び当該当選に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行される旨を示唆する最高特別遊技示唆画像、次回の操作演出で大当たりの期待度の高い特定示唆画像(たとえば、金チャンス画像等)や遊技者にとって有利度の高い特定示唆画像(たとえば、金保留変化示唆画像、7図柄テンパイ示唆画像等)が表示される期待度を示唆する次回期待度示唆画像等が表示されるようにしてもよい。
【0239】
(操作演出の実行回数、煽り演出の実行の可否及び実行態様の概要)
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特殊演出が実行される変動パターンコマンド(変動パターン)ごとにそれぞれ、上述の実行開始時点(以下、操作演出開始位置ともいう)が複数種類設けられており、この操作演出開始位置に応じて、操作演出の実行回数(操作演出実行区間の個数)が予め定められているとともに、上述の煽り演出の実行の可否及び実行する場合の実行態様の種類が予め定められている。
【0240】
具体的には、図43に示すように、ハズレとなり70秒変動(前半部分20秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「12H」の変動パターンコマンドが決定された場合の特殊演出、及び、大当たりとなり70秒変動の変動パターンが対応付けられた「1BH」の変動パターンコマンドが決定された場合の特殊演出にはいずれも、変動演出が開始されてから5秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンA1、変動演出が開始されてから8秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンA2、変動演出が開始されてから11秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンA3、変動演出が開始されてから14秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンA4の4種類が設けられている
【0241】
パターンA1では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから5秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから20秒経過時点)までの時間が15秒となり、本形態における一の操作演出実行期間(1個の操作演出実行区間)は3秒に設定されていることから、操作演出の実行回数は5回となる。また、本形態における回数示唆演出実行時間は5秒に設定されており、回数示唆演出及び5回の操作演出の実行時間の合計は20秒となる。すなわち、これらの演出が実行されることにより、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である20秒に達してしまうため、煽り演出を実行することができない。
以上より、パターンA1では、変動演出が開始されると、煽り演出が実行されることなく回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が5回である旨が示唆された上で、操作演出が5回実行される。そして、5回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たり又はハズレが示唆されることとなる。
【0242】
パターンA2では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから8秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから20秒経過時点)までの時間が12秒となるため、操作演出の実行回数は4回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び4回の操作演出の実行時間は17秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である20秒よりも3秒短いため、この3秒の余り時間において煽り演出が実行される。なお、上述したように、煽り演出実行時間は、態様Aが3秒、態様Bが6秒、態様Cが9秒に設定されていることから、パターンA2では態様B及び態様Cの煽り演出は実行することができず、態様Aの煽り演出が実行されることとなる。
以上より、パターンA2では、変動演出が開始されると、態様Aの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が4回である旨が示唆された上で、操作演出が4回実行される。そして、4回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たり又はハズレが示唆されることとなる。
【0243】
パターンA3では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから11秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから20秒経過時点)までの時間が9秒となるため、操作演出の実行回数は3回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び3回の操作演出の実行時間は14秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である20秒よりも6秒短いため、この6秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンA3では、煽り演出実行時間が9秒に設定された態様Cの煽り演出は実行することができず、態様A又は態様Bの煽り演出が実行されることとなる。なお、態様Aの煽り演出が実行される場合、態様Aの煽り演出実行時間(3秒)は上述の余り時間(6秒)よりも短いため、余り時間が経過するまでの間、態様Aの煽り演出の最終画像が表示されたままとなる。
以上より、パターンA3では、変動演出が開始されると、態様A又は態様Bの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が3回である旨が示唆された上で、操作演出が3回実行される。そして、3回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たり又はハズレが示唆されることとなる。
【0244】
パターンA4では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから14秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから20秒経過時点)までの時間が6秒となるため、操作演出の実行回数は2回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び2回の操作演出の実行時間は11秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である20秒よりも9秒短いため、この9秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンA4では、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出が実行されることとなる。なお、態様A又は態様Bの煽り演出が実行される場合、態様A又は態様Bの煽り演出実行時間(3秒、6秒)は上述の余り時間(9秒)よりも短いため、余り時間が経過するまでの間、態様A又は態様Bの煽り演出の最終画像が表示されたままとなる。
以上より、パターンA4では、変動演出が開始されると、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が2回である旨が示唆された上で、操作演出が2回実行される。そして、2回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たり又はハズレが示唆されることとなる。
【0245】
また、図44に示すように、大当たりとなり73秒変動(前半部分23秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「1CH」の変動パターンコマンドが決定された場合の特殊演出には、変動演出が開始されてから5秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンB1、変動演出が開始されてから8秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンB2、変動演出が開始されてから11秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンB3、変動演出が開始されてから14秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンB4、変動演出が開始されてから17秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンB5の5種類が設けられている
【0246】
パターンB1では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから5秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから23秒経過時点)までの時間が18秒となるため、操作演出の実行回数は6回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び6回の操作演出の実行時間の合計は23秒となる。すなわち、これらの演出が実行されることにより、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である23秒に達してしまうため、煽り演出を実行することができない。
以上より、パターンB1では、変動演出が開始されると、煽り演出が実行されることなく回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が6回である旨が示唆された上で、操作演出が6回実行される。そして、6回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0247】
パターンB2では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから8秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから23秒経過時点)までの時間が15秒となるため、操作演出の実行回数は5回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び5回の操作演出の実行時間は20秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である23秒よりも3秒短いため、この3秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンB2では、煽り演出実行時間が6秒に設定された態様B及び9秒に設定された態様Cの煽り演出は実行することができず、態様Aの煽り演出が実行されることとなる。
以上より、パターンB2では、変動演出が開始されると、態様Aの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が5回である旨が示唆された上で、操作演出が5回実行される。そして、5回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0248】
パターンB3では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから11秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから23秒経過時点)までの時間が12秒となるため、操作演出の実行回数は4回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び4回の操作演出の実行時間は17秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である23秒よりも6秒短いため、この6秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンB3では、煽り演出実行時間が9秒に設定された態様Cの煽り演出は実行することができず、態様A又は態様Bの煽り演出が実行されることとなる。なお、態様Aの煽り演出が実行される場合、態様Aの煽り演出実行時間(3秒)は上述の余り時間(6秒)よりも短いため、余り時間が経過するまでの間、態様Aの煽り演出の最終画像が表示されたままとなる。
以上より、パターンB3では、変動演出が開始されると、態様A又は態様Bの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が4回である旨が示唆された上で、操作演出が4回実行される。そして、4回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0249】
パターンB4では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから14秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから23秒経過時点)までの時間が9秒となるため、操作演出の実行回数は3回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び3回の操作演出の実行時間は14秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である23秒よりも9秒短いため、この9秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンB4では、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出が実行されることとなる。なお、態様A又は態様Bの煽り演出が実行される場合、態様A又は態様Bの煽り演出実行時間(3秒、6秒)は上述の余り時間(9秒)よりも短いため、余り時間が経過するまでの間、態様A又は態様Bの煽り演出の最終画像が表示されたままとなる。
以上より、パターンB4では、変動演出が開始されると、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が3回である旨が示唆された上で、操作演出が3回実行される。そして、3回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0250】
パターンB5では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから17秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから23秒経過時点)までの時間が6秒となるため、操作演出の実行回数は2回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び2回の操作演出の実行時間は11秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である23秒よりも12秒短いため、この12秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンB5では、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出が実行されることとなる。なお、いずれの煽り演出が実行される場合であっても、煽り演出実行時間は上述の余り時間(12秒)よりも短いため、余り時間が経過するまでの間、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出の最終画像が表示されたままとなる。
以上より、パターンB5では、変動演出が開始されると、態様A、態様B又は態様Cの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が2回である旨が示唆された上で、操作演出が2回実行される。そして、2回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0251】
また、図45に示すように、大当たりとなり67秒変動(前半部分17秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「1DH」の変動パターンコマンドが決定された場合の特殊演出には、変動演出が開始されてから5秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンC1、変動演出が開始されてから8秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンC2、変動演出が開始されてから11秒経過した時点を操作演出開始位置として定めたパターンC3の3種類が設けられている
【0252】
パターンC1では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから5秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから17秒経過時点)までの時間が12秒となるため、操作演出の実行回数は4回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び4回の操作演出の実行時間の合計は17秒となる。すなわち、これらの演出が実行されることにより、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である17秒に達してしまうため、煽り演出を実行することができない。
以上より、パターンC1では、変動演出が開始されると、煽り演出が実行されることなく回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が4回である旨が示唆された上で、操作演出が4回実行される。そして、4回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0253】
パターンC2では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから8秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから17秒経過時点)までの時間が9秒となるため、操作演出の実行回数は3回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び3回の操作演出の実行時間は14秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である17秒よりも3秒短いため、この3秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンC2では、煽り演出実行時間が6秒に設定された態様B及び9秒に設定された態様Cの煽り演出は実行することができず、態様Aの煽り演出が実行されることとなる。
以上より、パターンC2では、変動演出が開始されると、態様Aの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が3回である旨が示唆された上で、操作演出が3回実行される。そして、3回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0254】
パターンC3では、操作演出開始位置(変動演出が開始されてから11秒経過時点)からリーチ表示時点(変動演出が開始されてから17秒経過時点)までの時間が6秒となるため、操作演出の実行回数は2回となる。また、回数示唆演出(5秒)及び2回の操作演出の実行時間は11秒となり、変動演出の開始からリーチ表示時点までの時間である17秒よりも6秒短いため、この6秒の余り時間において煽り演出が実行される。パターンC3では、煽り演出実行時間が9秒に設定された態様Cの煽り演出は実行することができず、態様A又は態様Bの煽り演出が実行されることとなる。なお、態様Aの煽り演出が実行される場合、態様Aの煽り演出実行時間(3秒)は上述の余り時間(6秒)よりも短いため、余り時間が経過するまでの間、態様Aの煽り演出の最終画像が表示されたままとなる。
以上より、パターンC3では、変動演出が開始されると、態様A又は態様Bの煽り演出が実行されて煽り演出の実行が示唆された後に回数示唆演出が実行される。この回数示唆演出により、操作演出の実行回数が2回である旨が示唆された上で、操作演出が2回実行される。そして、2回の操作演出が終了するとリーチ表示が行われ、その後、リーチ発展演出が実行され大当たりが示唆されることとなる。
【0255】
(具体例)
以下、特殊演出について、具体例を挙げて説明する。
たとえば、第1記憶部に記憶されている第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定されるとともに、67秒変動の変動パターンが対応付けられた「1DH」の変動パターンコマンドが決定されたものとする。また、当該第2特図乱数に係る初期保留は青保留であり、第2時点で当該保留につき赤保留に変化する保留変化演出の実行が決定されたものとする。
そして、この場合に、特殊演出の態様としてパターンC2(3回の操作演出)が決定されるとともに、態様Aによる煽り演出の実行が決定され、1回目の操作演出における特定示唆として赤チャンス画像の表示が決定され、2回目の操作演出における特定示唆として5図柄テンパイ示唆画像の表示が決定され、3回目の操作演出における特定示唆として赤保留変化示唆画像の表示が決定されたものとする。
【0256】
この場合において、変動演出の開始に伴って特殊演出が開始されると、上述の如く、態様Aによる煽り演出が実行され特殊演出の実行が示唆される(図46(a)~(c)参照)。そして、回数示唆演出が実行されることにより、操作演出の実行回数の示唆表示(たとえば、ボタン画像及び実行回数を示す回数画像(「×3」等の画像)の表示))が行われ、3回の操作演出が実行される旨が示唆される(図46(d)参照)。
【0257】
その後、3回の操作演出の実行が開始される旨を示す実行開始画像(たとえば、「アタックスタート!」という文字画像)が表示され、1回目の操作演出(操作表示)が実行される(図46(e)参照)。なお、特に図示していないが、この操作演出においては、操作有効時間の残りを示唆するゲージの画像も表示されるようになっており、操作有効時間の経過に伴い当該ゲージが次第に減っていく表示が行われる。
そして、操作有効時間(2秒)が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されると、上述の操作表示において表示されていたボタン画像が消去され、操作演出実行区間(3秒)が終了するまでの間、1回目の操作演出における特定示唆(赤チャンス画像及び「ゲット!」という文字画像の表示)が実行される(図46(f)参照)。
【0258】
上述の操作演出実行区間が終了すると1回目の操作演出における特定示唆が終了し、2回目の操作演出が実行される(図46(g)参照)。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ表示が行われるまでの間、各操作演出における特定示唆で示唆された内容を示す示唆アイコン画像が、表示部21aの所定箇所(本形態では右側の表示領域)において表示されるようになっている(図46(g)~図46(j)、図47(a)参照)。これにより、操作演出が終了した後も特定示唆の内容を遊技者に把握させることができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
1回目の操作演出と同様に、操作有効時間(2秒)が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されると、ボタン画像が消去され、操作演出実行区間(3秒)が終了するまでの間、2回目の操作演出における特定示唆(5図柄テンパイ示唆画像及び「ゲット!」という文字画像の表示)が実行される(図46(h)参照)。
【0259】
上述の操作演出実行区間が終了すると2回目の操作演出における特定示唆が終了し、3回目の操作演出が実行される(図46(i)参照)。
1回目及び2回目の操作演出と同様に、操作有効時間(2秒)が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下されると、ボタン画像が消去され、操作演出実行区間(3秒)が終了するまでの間、3回目の操作演出における特定示唆(赤保留変化示唆画像及び「ゲット!」という文字画像の表示)が実行される(図46(j)参照)。
【0260】
そして、上述の操作演出実行区間が終了すると3回目の操作演出における特定示唆が終了する(図47(a)参照)。この特定示唆が終了するとリーチ表示時点に到達し、リーチ表示が行われることとなるが、当該リーチ表示は、2回目の特定示唆で示唆されていたように「5」の図柄で行われることとなる(図47(b)参照)。さらに、3回目の特定示唆で示唆されていたように、この時点で当該保留の保留表示の態様が青保留から赤保留に変化することとなる(図47(b)参照)。
その後、所定の発展演出画像によるリーチ発展演出が実行され(図47(c)参照)、最終的に、大当たりに当選した旨が示唆される。
【0261】
(特殊演出に関する各種決定の概要)
特殊演出のパターンについては、変動演出の開始時において、主制御基板100から受信した「12H」、「1BH」、「1CH」又は「1DH」の変動パターンコマンドに基づいて決定されるようになっている。
副制御基板300のサブROM302には、図48に示すように、特殊演出のパターンを決定するための特殊演出パターン決定テーブル123が記憶されている。サブCPU301は、この特殊演出パターン決定テーブル123を参照して、特殊演出のパターンを決定する。
【0262】
特殊演出パターン決定テーブル123には、受信した変動パターンコマンド(12H、1BH、1CH、1DH)、及び、所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される特殊演出パターン決定乱数ごとに対応付けられて、特殊演出のパターンが定められている。
変動演出の開始時に「12H」、「1BH」、「1CH」又は「1DH」の変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の特殊演出パターン決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、特殊演出パターン決定テーブル123、受信した変動パターンコマンド及び取得した特殊演出パターン決定乱数に基づいて、特殊演出のパターンを決定する。
【0263】
具体的には、図48に示すように、特殊演出パターン決定テーブル123によれば、「12H」又は「1BH」の変動パターンコマンドが決定された場合には、特殊演出のパターンとして、パターンA1、A2、A3又はA4のいずれかが決定される。また、「1CH」の変動パターンコマンドが決定された場合には、特殊演出のパターンとして、パターンB1、B2、B3、B4又はB5のいずれかが決定される。また、「1DH」の変動パターンコマンドが決定された場合には、特殊演出のパターンとして、パターンC1、C2又はC3のいずれかが決定される。
なお、図48において特殊演出のパターンと変動パターンコマンドとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた特殊演出パターン決定乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0264】
図48に示すように、本形態に係るパチンコ機Pでは、ハズレの場合(「12H」の変動パターンコマンドが決定された場合)よりも大当たりの場合(「1BH」、「1CH」又は「1DH」の変動パターンコマンドが決定された場合)の方が、操作演出の実行回数が多く定められたパターンが決定され易いようになっている。これにより、操作演出の実行回数が少ない場合よりも多い場合の方が、大当たりの当選の期待度が高くなる。
なお、図48に示すように、6回の操作演出が実行されるパターンは、大当たりの場合(「1CH」の変動パターンコマンドが決定された場合)にのみ決定されるようになっている。したがって、特殊演出において6回の操作演出が実行された場合には、大当たりの当選が確定することとなる。
【0265】
そして、上述のように特殊演出のパターンが決定されると、決定された特殊演出のパターンに基づいて、煽り演出の実行の可否及び実行する場合の実行態様が決定されるようになっている。
副制御基板300のサブROM302には、図49に示すように、煽り演出の実行の可否及び実行する場合の実行態様を決定するための煽り演出決定テーブル124が記憶されている。サブCPU301は、煽り演出決定テーブル124を参照して、煽り演出の実行の可否及び実行する場合の実行態様を決定する。
【0266】
煽り演出決定テーブル124には、決定された特殊演出のパターン、及び、所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される煽り演出決定乱数ごとに対応付けられて、煽り演出の実行の可否(実行又は非実行)、及び、実行する場合の実行態様(態様A、態様B、態様C)が定められている。
特殊演出のパターンが決定されると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の煽り演出決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、煽り演出決定テーブル124、決定された特殊演出のパターン、及び、取得した煽り演出決定乱数に基づいて、煽り演出の実行の可否、及び、実行する場合の実行態様を決定する。
【0267】
具体的には、図49に示すように、煽り演出決定テーブル124によれば、特殊演出のパターンとしてパターンA1、パターンB1又はパターンC1が決定された場合には、煽り演出の非実行が決定される。また、特殊演出のパターンとしてパターンA2、パターンB2又はパターンC2が決定された場合には、態様Aによる煽り演出の実行が決定される。また、特殊演出のパターンとしてパターンA3、パターンB3又はパターンC3が決定された場合には、態様A又は態様Bによる煽り演出の実行が決定される。また、特殊演出のパターンとしてパターンA4、パターンB4又はパターンB5が決定された場合には、態様A、態様B又は態様Cによる煽り演出の実行が決定される。
なお、図49において特殊演出のパターンと煽り演出の非実行又は実行する場合の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた煽り演出決定乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
【0268】
また、上述のように特殊演出のパターンが決定されると、変動開始時に決定された特別図柄の種別(ハズレ図柄Y2、大当たり図柄X3、大当たり図柄X4、大当たり図柄X5)、及び、保留変化演出の実行の可否に基づいて、決定されたパターンで実行される各操作演出における特定示唆の内容(すなわち、表示される特定示唆画像)が決定されるようになっている。
副制御基板300のサブROM302には、図50に示すように、各操作演出における特定示唆で表示される特定示唆画像を決定するための特定示唆決定テーブル125が記憶されている。サブCPU301は、特定示唆決定テーブル125を参照して、各操作演出における特定示唆で表示される特定示唆画像を決定する。
【0269】
特定示唆決定テーブル125には、変動開始時に決定された特別図柄の種別、保留変化の実行の可否、及び、所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される特定示唆決定乱数ごとに対応付けられて、特定示唆画像の種類が定められている。
そして、この特定示唆決定テーブル125に基づき、1回目の操作演出から最終回の操作演出までの各特定示唆で表示される特定示唆画像を決定する。具体的には、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の特定示唆決定乱数を取得した上で、特定示唆決定テーブル125、決定された特別図柄の種別、保留変化演出の実行の可否、及び、取得した特定示唆決定乱数に基づいて、特定示唆画像を決定する。この処理を、1回目の操作演出から最終回の操作演出までの所定回数繰り返すことで、各特定示唆で表示される特定示唆画像が決定されることとなる。
【0270】
具体的には、図50に示すように、特定示唆決定テーブル125によれば、ハズレ図柄Y2が決定された場合において、保留変化を実行しない旨が決定されていたときには、白チャンス画像、青チャンス画像、緑チャンス画像、赤チャンス画像、金チャンス画像、1図柄テンパイ示唆画像、2図柄テンパイ示唆画像、3図柄テンパイ示唆画像、4図柄テンパイ示唆画像、5図柄テンパイ示唆画像、6図柄テンパイ示唆画像、7図柄テンパイ示唆画像又は8図柄テンパイ示唆画像のいずれかが決定され、保留変化を実行する旨が決定されていたときには、これらの特定示唆画像又は保留変化示唆画像のいずれかが決定される。
なお、保留変化示唆画像としては、実行される保留変化の態様に対応するものが決定され得るようになっている。たとえば、赤保留への保留変化が実行される場合には、赤保留変化示唆画像が決定され得る。
【0271】
また、大当たり図柄X3が決定された場合において、保留変化を実行しない旨が決定されていたときには、白チャンス画像、青チャンス画像、緑チャンス画像、赤チャンス画像、金チャンス画像、虹チャンス画像、2図柄テンパイ示唆画像、4図柄テンパイ示唆画像、6図柄テンパイ示唆画像又は8図柄テンパイ示唆画像のいずれかが決定され、保留変化を実行する旨が決定されていたときには、これらの特定示唆画像又は保留変化示唆画像(実行される保留変化の態様に対応するもの)のいずれかが決定される。
また、大当たり図柄X4が決定された場合において、保留変化を実行しない旨が決定されていたときには、白チャンス画像、青チャンス画像、緑チャンス画像、赤チャンス画像、金チャンス画像、虹チャンス画像、1図柄テンパイ示唆画像、3図柄テンパイ示唆画像又は5図柄テンパイ示唆画像のいずれかが決定され、保留変化を実行する旨が決定されていたときには、これらの特定示唆画像又は保留変化示唆画像(実行される保留変化の態様に対応するもの)のいずれかが決定される。
また、大当たり図柄X5が決定された場合において、保留変化を実行しない旨が決定されていたときには、白チャンス画像、青チャンス画像、緑チャンス画像、赤チャンス画像、金チャンス画像、虹チャンス画像又は7図柄テンパイ示唆画像のいずれかが決定され、保留変化を実行する旨が決定されていたときには、これらの特定示唆画像又は保留変化示唆画像(実行される保留変化の態様に対応するもの)のいずれかが決定される。
【0272】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定示唆画像を決定する際に特段の制限を課していないため、各操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像としては、同一の特定示唆画像が重複して決定される可能性があるが、特定示唆画像の決定する際には各種制限を課すようにしてもよい。
たとえば、同一の特定示唆画像が所定数以上重複して決定されないようにしてもよい。具体的には、たとえば、1回目の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として白チャンス画像が決定された場合には、その後の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として白チャンス画像が決定されないようにしてもよい。
また、所定の大当たりの期待度が示唆される特定示唆画像が決定された後は、当該特定示唆画像よりも低い期待度が示唆される特定示唆画像は決定されないようにしてもよい。具体的には、たとえば、2回目の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として緑チャンス画像が決定された場合には、その後の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として、緑チャンス画像よりも大当たりの期待度が低い旨を示唆する青チャンス画像や白チャンス画像は決定されないようにしてもよい。
また、たとえば、最終回以外の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像が全て大当たりの期待度を示唆する特定示唆画像(白チャンス画像等)であった場合には、最終回の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像としては、大当たりの期待度を示唆する特定示唆画像以外のものが決定されるようにしてもよい。具体的には、たとえば、5回の操作演出が実行される場合において、1回目~4回目までの操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像が全て白チャンス画像、青チャンス画像又は緑チャンス画像であったときには、5回目の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として、テンパイ図柄示唆画像が決定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合には、特定示唆の演出効果を向上することができる。
【0273】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、異なるテンパイ図柄示唆画像が複数決定される場合があり、この場合には、最後に決定されたテンパイ図柄示唆画像で示唆される図柄によりリーチ表示が行われるように設定されている。たとえば、1回目の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として3図柄テンパイ示唆画像が決定され、最終回の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として1図柄テンパイ示唆画像が決定された場合には、「1」の図柄によりリーチ表示が行われる。
なお、異なるテンパイ図柄示唆画像が複数決定される場合におけるリーチ表示の制御については、上述の内容に限定されるものではない。たとえば、決定された複数のテンパイ図柄示唆画像のうち、最も大きい数字のテンパイ図柄示唆画像で示唆される図柄によりリーチ表示が行われるようにしてもよいし、最も小さい数字のテンパイ図柄示唆画像で示唆される図柄によりリーチ表示が行われるようにしてもよい。このようにした場合には、特定示唆画像としてテンパイ図柄示唆画像が決定された場合における演出効果を向上することができる。
また、決定された複数のテンパイ図柄示唆画像のうち、最も有利度の高い図柄のテンパイ図柄示唆画像で示唆される図柄によりリーチ表示が行われるようにしてもよい。具体的には、たとえば、1回目の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として3図柄テンパイ示唆画像が決定され、1回目の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として2図柄テンパイ示唆画像が決定され、最終回の操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像として7図柄テンパイ示唆画像が決定された場合には、「7」の図柄によりリーチ表示が行われるようにしてもよい。このようにした場合には、より有利な遊技利益が付与されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0274】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図51に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、初期保留決定乱数、保留変化決定乱数、特殊演出パターン決定乱数、煽り演出決定乱数、特定示唆決定乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0275】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図52に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、図52に示すタイマ割込処理を開始する。
【0276】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0277】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0278】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ656で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0279】
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに基づき、当該事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報、特別図柄の種別の情報、変動パターンコマンドの情報の保留情報を、サブRAM303の第2保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された初期保留決定乱数を取得する。そして、次のステップ2202に進む。
【0280】
ステップ2202において、サブCPU301は、初期保留決定テーブル121、上述のステップ2201で取得した初期保留決定乱数、及び、保留情報に含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、初期保留の態様(白保留又は青保留)を決定する。そして、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、上述のステップ2202で決定された初期保留の態様(白保留又は青保留)により、保留表示領域52において保留表示を行うための初期保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた初期保留表示コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に、決定された初期保留の態様により保留表示を行うための処理が実行されることとなる。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0281】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ904で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、第2保留記憶領域に記憶された第2特図保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の保留表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動パターンコマンドを受信すると、第2保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている保留情報をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。
なお、本形態では、第2特図乱数に係る保留情報の記憶及び保留シフト処理についてのみ説明を行っているが、サブRAM303には、第1特図乱数を記憶するための第1保留記憶領域(第1記憶部~第4記憶部)も設けられており、この第1保留記憶領域には、第2特図乱数と同様に、第1特図乱数に係る保留情報が記憶されるようになっている。また、保留シフト処理も、第2特図乱数の保留記憶と同様に行われる。
そして、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、保留変化演出に関する決定を行う保留変化演出決定処理を実行する。そして、次のステップ2302に進む。
【0282】
ステップ2302において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2303に進む。
ステップ2303において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル119、上述のステップ2302で取得した変動演出乱数、及び、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2304に進む。
【0283】
ステップ2304において、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドが所定の変動パターンコマンド(特殊演出が実行される変動パターンコマンド、すなわち、「12H」、「1BH」、「1CH」又は「1DH)であるか否かを判定する。そして、所定の変動パターンコマンドでないと判定した場合、ステップ2306に進む。一方、所定の変動パターンコマンドであると判定した場合、次のステップ2305に進む。
ステップ2305において、特殊演出に関する決定を行う特殊演出決定処理を実行する。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0284】
また、上述のステップ2304で所定の変動パターンコマンドでないと判定した場合に進むステップ2306において、サブCPU301は、上述のステップ2303で決定された変動演出の態様に基づいて、停止表示する演出図柄50や各種演出画像(前半演出画像、発展演出画像等)を決定するとともに、当該決定された内容に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0285】
次に、上述のステップ2301の保留変化演出決定処理について、図55のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2400において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留変化決定乱数を取得する。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、保留変化演出決定テーブル122、上述のステップ2400で取得した保留変化決定乱数、受信した変動パターンコマンド及び初期保留の態様(白保留又は青保留)に基づいて、保留変化演出の実行の可否及び保留変化演出の実行が決定された場合における保留変化演出の態様(実行時点、変化の態様)を決定する。そして、次のステップ2402に進む。
【0286】
ステップ2402において、サブCPU301は、決定された保留変化演出の態様に応じた保留変化演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた保留変化演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した保留変化演出実行コマンドに基づいて所定の時点で保留変化演出を実行する制御が行われることとなる。なお、保留変化演出を実行しない旨が決定された場合には、ここでは保留変化演出実行コマンドを送信バッファにしない。そして、保留変化演出決定処理を終了する。
【0287】
次に、上述のステップ2305の特殊演出決定処理について、図56のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2500において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特殊演出パターン決定乱数を取得する。そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、特殊演出パターン決定テーブル123、上述のステップ2500で取得した特殊演出パターン決定乱数、及び、受信した変動パターンコマンド(12H、1BH、1CH、1DH)に基づいて、操作演出開始位置が定められた特殊演出のパターンを決定する。そして、次のステップ2502に進む。
【0288】
ステップ2502において、サブCPU301は、上述のステップ2501で決定された特殊演出のパターンに基づいて操作演出の実行回数を導出する。そして、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された煽り演出決定乱数を取得する。そして、次のステップ2504に進む。
【0289】
ステップ2504において、サブCPU301は、煽り演出決定テーブル124、上述のステップ2503で取得した煽り演出決定乱数、及び、上述のステップ2501で決定された特殊演出のパターンに基づいて、煽り演出の実行の可否及び実行する場合の実行態様(態様A、態様B、態様C)を決定する。そして、次のステップ2505に進む。
ステップ2505において、サブCPU301は、各操作演出の特定示唆において表示される特定示唆画像を決定する特定示唆画像決定処理を実行する。そして、特殊演出決定処理を終了する。
【0290】
次に、上述のステップ2505の特定示唆画像決定処理について、図57のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、変数Nに1をセットする。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特定示唆決定乱数を取得する。そして、次のステップ2602に進む。
【0291】
ステップ2602において、サブCPU301は、変動開始時に決定された特別図柄の種類(ハズレ図柄Y2、大当たり図柄X3、X4、X5)、並びに、上述のステップ2401で決定された保留変化の実行の可否及び実行する場合の態様を確認する。そして、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、特定示唆決定テーブル125、上述のステップ2602で確認した特別図柄の種類、保留変化の実行の可否及び実行する場合の態様、並びに、上述のステップ2601で取得した特定示唆決定乱数に基づいて、N回目の操作演出の特定示唆で表示される特定示唆画像を決定する。そして、次のステップ2604に進む。
【0292】
ステップ2604において、サブCPU301は、変数Nを1インクリメントする。そして、次のステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、変数Nの値が、上述のステップ2502で導出した操作演出の実行回数よりも大きいか否かを判定する。そして、大きくない(すなわち、操作演出の実行回数以下である)と判定した場合、ステップ2601に戻る。一方、大きいと判定した場合、次のステップ2606に進む。
【0293】
ステップ2606において、サブCPU301は、上述のステップ2303決定された変動演出の態様、及び、上述のステップ2501、ステップ2504、ステップ2603で決定された特殊演出の態様(特殊演出のパターン、煽り演出の実行の可否及び実行する場合の実行態様、各操作演出の特定示唆で表示される特定示唆画像)に基づいて、停止表示する演出図柄50や各種演出画像(前半演出画像、発展演出画像等)を決定するとともに、当該決定された内容に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出及び特殊演出を実行する制御が行われることとなる。そして、特定示唆画像決定処理を終了する。
【0294】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなり、70秒変動(前半部分20秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「12H」の変動パターンコマンドが決定された場合には、当該変動パターンコマンドに基づく変動演出において、複数の操作演出開始位置のいずれかから所定回数の操作演出の実行を開始可能となっている。また、当該操作演出開始位置に応じて操作演出の実行回数が異なるようになっている。これにより、ハズレとなった場合には、操作演出の実行回数ごとに異なる変動時間が定められた変動パターンを設ける必要がなく、一の変動パターン(70秒変動)に基づく変動演出において、異なる実行回数の操作演出が実行可能となるため、メインROM102等のハードウェア資源に対する負荷が大きくなるのを防止することができる。
また、高確率時短遊技状態における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選により大当たりとなり、70秒変動(前半部分20秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「1BH」の変動パターンコマンドが決定された場合、73秒変動(前半部分23秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「1CH」の変動パターンコマンドが決定された場合、67秒変動(前半部分17秒、後半部分50秒)の変動パターンが対応付けられた「1DH」の変動パターンコマンドが決定された場合には、これらの変動パターンコマンドに基づく変動演出において、所定回数の操作演出の実行を開始可能となっている。そして、この変動演出においては、「12H」の変動パターンコマンドに基づく変動演出中における操作演出開始位置と同一の操作演出開始位置から、操作演出の複数回の実行が開始可能となっている。これにより、この操作演出開始位置によって、大当たり又はハズレを把握することは困難となるため、操作演出の演出効果を向上させることができる。
【0295】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、いずれの特殊演出のパターンにおいても、回数示唆演出は5秒、1個の操作演出実行区間は3秒と、常に同一の長さとなるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、これらの時間は特殊演出のパターンごとに異なる長さとなるように設定してもよい。
また、上述の実施の形態では、操作演出開始位置が異なる場合には必ず、操作演出の実行回数も異なるように設定されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、操作演出開始位置が異なる場合にも操作演出の実行回数が同一となるような場合があるように設定してもよい。具体的には、「12H」の変動パターンコマンドが決定された場合の変動演出において、回数示唆演出や操作演出実行区間の長さを異ならせることで、パターンA2(変動演出の開始から8秒経過時点が操作開始位置)における操作演出の実行回数、及び、パターンA3(変動演出の開始から11秒経過時点が操作開始位置)における操作演出の実行回数をいずれも3回となるように設定してもよい。また、パターンA2では2個の操作実行区間に跨って1回の操作演出を実行し、パターンA3では1個の操作実行区間において1回の操作演出を実行するようにすることで、操作演出の実行回数をいずれも3回となるように設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、特殊演出の実行のバリエーションを豊富にすることができる。
【0296】
上述の実施の形態では、「12H」の変動パターンコマンドが決定された場合におけるパターンA1の操作演出開始位置、「1BH」の変動パターンコマンドが決定された場合におけるパターンB1の操作演出開始位置、及び、「1CH」の変動パターンコマンドが決定された場合におけるパターンC1の各操作演出開始位置はいずれも、同一の時点(変動開始から5秒経過時点)となっていたが、これに限定されるものではなく、略同一の時点となるようにしてもよい。たとえば、パターンA1の操作演出開始位置は変動開始から5秒経過時点、パターンB1の操作演出開始位置は変動開始から5.2秒経過時点、パターンC1の操作演出開始位置は変動開始から4.8秒経過時点等としてもよい。
同様に、パターンA2、パターンB2及びパターンC2の操作演出開始位置、パターンA3、パターンB3及びパターンC3の操作演出開始位置、パターンA4及びパターンB4の操作演出開始位置も同一の時点とするのではなく、略同一の時点となるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0297】
上述の実施の形態では、いずれの特殊演出のパターンにおいても複数回の操作演出が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、1回の操作演出が実行される場合を設けてもよい。また、大当たりに当選した場合にのみ、1回の操作演出が実行されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0298】
上述の実施の形態では、特殊演出が実行される変動演出はいずれも、後半部分の変動時間が同じ長さ(50秒)となっていたが、これに限定されるものではなく、後半部分の変動時間は異なる長さとなるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0299】
上述の実施の形態では、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの前半部分において特殊演出(所定回数の操作演出の実行)が行われるようになっていたが、特殊演出の実行タイミングは、これに限定されるものではない。
たとえば、リーチ表示が開始されてから大当たりの抽選の結果が示唆されるまでの後半部分において特殊演出を実行するようにしてもよいし、変動演出が開始されてから終了するまでの期間において特殊演出を実行するようにしてもよい。
また、特殊演出は、高確率時短遊技状態のみならず、通常遊技状態や低確率時短遊技状態においても実行され得るようにしてもよい。
また、特殊演出は、リーチ発展演出が実行される変動演出のみならず、リーチ発展演出が実行されない発展なしパターンによる変動演出やリーチ表示が行われないリーチなし変動パターンによる変動演出においても実行され得るようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0300】
上述の実施の形態では、操作演出を実行するための装置として操作ボタン9bが用いられていたが、これに限定されるものではなく、傾倒操作が可能なレバー、接触操作が可能なタッチパネルやタッチセンサ等を用いてもよい。また、複数の装置を用いるとともに、操作演出で操作する装置の種類に応じて、大当たりの当選の期待度が異なるように設定してもよい。また、操作の態様としては、押下操作のみならず、いわゆる長押し操作や連打等としてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0301】
また、上述の実施の形態における操作ボタン9bは、本発明の操作手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における変動パターンコマンド受信処理を実行するサブCPU301は、本発明の演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態における70秒変動の変動パターンが対応付けられた「12H」の変動パターンコマンドに基づいて実行される変動演出は、本発明の第1変動演出に相当する。また、上述の実施の形態における70秒変動の変動パターンが対応付けられた「1BH」の変動パターンコマンドに基づいて実行される変動演出、73秒変動の変動パターンが対応付けられた「1CH」の変動パターンコマンドに基づいて実行される変動演出、67秒変動の変動パターンが対応付けられた「1DH」の変動パターンコマンドに基づいて実行される変動演出は、本発明の第2変動演出に相当する。また、上述の実施の形態における操作演出開始位置は、本発明の開始タイミングに相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。
【符号の説明】
【0302】
P パチンコ機
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM
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