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特許7697416配送システム、その制御方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】配送システム、その制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20250617BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250617BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20250617BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250617BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250617BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250617BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20250617BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250617BHJP
【FI】
G08G1/123 A
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/12
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
H02J7/00 P
H02J7/00 303C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022104164
(22)【出願日】2022-06-29
(65)【公開番号】P2024004546
(43)【公開日】2024-01-17
【審査請求日】2024-04-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-090151(JP,A)
【文献】特開平11-285109(JP,A)
【文献】特開2022-011804(JP,A)
【文献】特開2019-086842(JP,A)
【文献】特開2012-108870(JP,A)
【文献】特表2021-527204(JP,A)
【文献】特開2020-123192(JP,A)
【文献】特開2022-096051(JP,A)
【文献】特開2017-145072(JP,A)
【文献】特開2019-015711(JP,A)
【文献】特開2020-077026(JP,A)
【文献】特開2012-230523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0036310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
B60W 30/00-60/00
G05D 1/00- 1/87
G06Y 10/40、20/20、40/10
G08G 1/00-99/00
H02J 7/00- 7/12
H02J 7/34- 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電可能なバッテリに充電された電力によって、配送先に物品を配送する複数の配送車両を備えた配送システムであって、
前記複数の配送車両が、互いに充電可能であり、
前記複数の配送車両のそれぞれについての物品の配送スケジュールと前記バッテリの充電残量とに基づいて、前記複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、
前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両及び前記被充電車両についての前記配送スケジュールを更新し、
前記複数の配送車両は、前記バッテリに電気的に接続されたプラグ及びソケットを備え、
前記充電車両及び前記被充電車両が互いに近接することにより、前記プラグ及び前記ソケットは互いに嵌合され、前記充電車両の前記バッテリと前記被充電車両の前記バッテリとが電気的に接続され、
前記被充電車両は、前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両からの余剰電力の供給により充電され、充電後、更新された前記配送スケジュールに基づいて、物品を配送する、
配送システム。
【請求項2】
前記複数の配送車両は、自律移動型の車両である、
請求項1に記載の配送システム。
【請求項3】
前記充電車両及び前記被充電車両のそれぞれは、別々の運搬車両に搭載されてそれぞれの前記物品の配送先に向かって運搬された後、前記運搬車両から降車して前記配送先に前記物品を配送する、
請求項1又は2に記載の配送システム。
【請求項4】
充放電可能なバッテリに充電された電力によって、配送先に物品を配送する複数の配送車両を備えた配送システムの制御方法であって、
前記複数の配送車両が、互いに充電可能であり、
前記複数の配送車両のそれぞれについての物品の配送スケジュールと前記バッテリの充電残量とに基づいて、前記複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、
前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両及び前記被充電車両についての前記配送スケジュールを更新する、処理をコンピュータが実行し、
前記複数の配送車両は、前記バッテリに電気的に接続されたプラグ及びソケットを備え、
前記充電車両及び前記被充電車両が互いに近接することにより、前記プラグ及び前記ソケットは互いに嵌合され、前記充電車両の前記バッテリと前記被充電車両の前記バッテリとが電気的に接続され、
前記被充電車両は、前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両からの余剰電力の供給により充電され、充電後、更新された前記配送スケジュールに基づいて、物品を配送する、
配送システムの制御方法。
【請求項5】
前記複数の配送車両は、自律移動型の車両である、
請求項4に記載の配送システムの制御方法。
【請求項6】
前記充電車両及び前記被充電車両のそれぞれは、別々の運搬車両に搭載されてそれぞれの前記物品の配送先に向かって運搬された後、前記運搬車両から降車して前記配送先に前記物品を配送する、
請求項4又は5に記載の配送システムの制御方法。
【請求項7】
充放電可能なバッテリに充電された電力によって、配送先に物品を配送する複数の配送車両を備えた配送システムを、コンピュータによって制御するための制御プログラムであって、
前記複数の配送車両が、互いに充電可能であり、
前記複数の配送車両のそれぞれについての物品の配送スケジュールと前記バッテリの充電残量とに基づいて、前記複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、
前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両及び前記被充電車両についての前記配送スケジュールを更新する、処理をコンピュータが実行する、処理をコンピュータに実行させ、
前記複数の配送車両は、前記バッテリに電気的に接続されたプラグ及びソケットを備え、
前記充電車両及び前記被充電車両が互いに近接することにより、前記プラグ及び前記ソケットは互いに嵌合され、前記充電車両の前記バッテリと前記被充電車両の前記バッテリとが電気的に接続され、
前記被充電車両は、前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両からの余剰電力の供給により充電され、充電後、更新された前記配送スケジュールに基づいて、物品を配送する、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム、その制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、生産ラインにおいて自律移動型の搬送車両を用いた搬送システムが開示されている。特許文献1では、搬送車両の充電残量に基づいて、各搬送車両に対して充電作業を割り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-092321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された搬送システムでは、搬送車両が充電場まで走行し、充電を行う必要がある。
そのため、物品を配送する配送車両を用いた配送システムに特許文献1を適用すると、各配送車両が充電ステーションまで走行し、充電することによる時間及びエネルギーのロスが発生する。その結果、搬送システム全体として、時間及びエネルギーの効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、物品を配送する配送車両が充電ステーションまで走行し、充電することによる時間及びエネルギーのロスを低減可能な配送システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配送システムは、
充放電可能なバッテリに充電された電力によって、配送先に物品を配送する複数の配送車両を備えた配送システムであって、
前記複数の配送車両が、互いに充電可能であり、
前記複数の配送車両のそれぞれについての物品の配送スケジュールと前記バッテリの充電残量とに基づいて、前記複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、
前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両及び前記被充電車両についての前記配送スケジュールを更新するものである。
【0007】
また、本発明の一態様に係る配送システムの制御方法は、
充放電可能なバッテリに充電された電力によって、配送先に物品を配送する複数の配送車両を備えた配送システムの制御方法であって、
前記複数の配送車両が、互いに充電可能であり、
前記複数の配送車両のそれぞれについての物品の配送スケジュールと前記バッテリの充電残量とに基づいて、前記複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、
前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両及び前記被充電車両についての前記配送スケジュールを更新する、処理をコンピュータが実行するものである。
【0008】
また、本発明の一態様に係る制御プログラムは、
充放電可能なバッテリに充電された電力によって、配送先に物品を配送する複数の配送車両を備えた配送システムを、コンピュータによって制御するための制御プログラムであって、
前記複数の配送車両が、互いに充電可能であり、
前記複数の配送車両のそれぞれについての物品の配送スケジュールと前記バッテリの充電残量とに基づいて、前記複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、
前記充電スケジュールに基づいて、前記充電車両及び前記被充電車両についての前記配送スケジュールを更新する、処理をコンピュータが実行する、処理をコンピュータに実行させるものである。
【0009】
上記のように、本発明の一態様では、互いに充電可能な各配送車両の物品の配送スケジュールとバッテリの充電残量とに基づいて、複数の配送車両から選択される充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定し、当該充電スケジュールに基づいて、充電車両及び被充電車両についての配送スケジュールを更新する。そのため、各配送車両が充電ステーションまで走行し、充電することによる時間及びエネルギーのロスを低減できる。
【0010】
前記複数の配送車両は、自律移動型の車両でもよい。
また、前記充電車両及び前記被充電車両のそれぞれは、別々の運搬車両に搭載されてそれぞれの前記物品の配送先に向かって運搬された後、前記運搬車両から降車して前記配送先に前記物品を配送してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物品を配送する配送車両が充電ステーションまで走行し、充電することによる時間及びエネルギーのロスを低減可能な配送システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る配送システムのブロック図である。
図2】運搬車両100から配送車両200が降車する様子を示す斜視図である。
図3】運搬車両100から配送車両200が降車する様子を示す側面図である。
図4】第1の実施形態に係る配送システムのブロック図である。
図5】充電車両である配送車両200a及び被充電車両である200bを示す側面図である。
図6】充電車両である配送車両200a及び被充電車両である200bを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
(第1の実施形態)
<配送システムの構成>
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る配送システム及びその制御方法について説明する。図1は、第1の実施形態に係る配送システムのブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る配送システムは、運搬車両100、配送車両200、及び管理サーバ300を備えている。
【0015】
特に限定されないが、本実施形態では、配送車両200を搭載した運搬車両100が、物品の配送先に向かって走行した後、配送車両200が運搬車両100から降車して配送先に物品を配送する。すなわち、運搬車両100は必須ではなく、配送車両200のみによって物品を配送してもよい。
【0016】
まず、運搬車両100について説明する。
運搬車両100は、配送車両200を搭載して運搬する。本実施形態における運搬車両100は、自律移動型の車両(すなわち自動運転車両)であるが、手動運転車両でもよい。図1に示すように、運搬車両100は、制御部110、センサ部120、走行機構130、及び降車機構140を備えている。また、運搬車両100は、配送車両200及び管理サーバ300と通信可能に無線接続されている。
【0017】
なお、管理サーバ300が運搬車両100に搭載されている場合、運搬車両100は、管理サーバ300と有線接続されてもよい。また、図1では、1台の配送車両200しか示されていないが、運搬車両100に複数台の配送車両200が搭載されていてもよい。
【0018】
制御部110は、センサ部120から取得した各種情報に基づいて、走行機構130を制御する。これによって、運搬車両100が走行する。また、制御部110は、配送車両200を降車させるための降車機構140を制御する。
【0019】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算部と、各種制御プログラムやデータ等が格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部と、を備えている。すなわち、制御部110は、コンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて、走行機構130及び降車機構140を制御する処理を実行する。
【0020】
図1に示す例では、センサ部120は、障害物センサ121、加速度センサ122、速度センサ123、姿勢センサ124を含む。
障害物センサ121は、運搬車両100の進行方向前方の障害物を検出する。また、障害物センサ121は、配送車両200が運搬車両100から降車する際の障害物を検出する。障害物センサ121は、例えばレーダセンサ、ソナーセンサ、超音波センサ、ライダーセンサ、カメラ等である。障害物は、例えば、道路上の落下物、他の車両等に限らず、歩行者等の人、動物等も含む。
【0021】
加速度センサ122は、運搬車両100の加速度を検出する。運搬車両100の加速度を検出することによって、路面の凹凸等による運搬車両100の振動も検出できる。
速度センサ123は、運搬車両100の速度を検出する。
姿勢センサ124は、運搬車両100の姿勢を検出する。姿勢センサ124によって、運搬車両100が走行している道路の勾配を検出できる。
【0022】
走行機構130は、運搬車両100が走行するための機構である。例えば、走行機構130は、モータやエンジンなどの運搬車両100が走行するための駆動機構に加え、運搬車両100が停止するための制動機構、及び運搬車両100が曲がるための操舵機構を含む。
【0023】
降車機構140は、運搬車両100から配送車両200を降車させるための機構である。ここで、図2図3を参照して、降車機構140の一例について説明する。図2は、運搬車両100から配送車両200が降車する様子を示す斜視図である。図3は、運搬車両100から配送車両200が降車する様子を示す側面図である。
【0024】
図2図3に示すように、本実施形態に係る降車機構140は、シンプルな板状のスロープである。図2図3に示した例では、降車機構140は、運搬車両100の後方に設けられた開閉扉としての機能を兼ね備えている。降車機構140は、運搬車両100の後方に設けられた開口の下端部の一辺に連結されている。通常、降車機構140は開閉扉として閉められている。他方、配送車両200が降車する際、降車機構140は開閉扉として開くと共に、運搬車両100の車内から地面まで延びたスロープとして機能する。
【0025】
例えば物品を配送するために配送車両200が運搬車両100から降車する際、図1に示すように、運搬車両100の制御部110から配送車両200の制御部210に対し、配送車両200の降車を指示する。その際、運搬車両100の制御部110は、降車機構140を制御する。具体的には、図2図3に示すように、制御部110は、開閉扉としての機能する降車機構140を開き、運搬車両100の車内から地面まで延びたスロープとして機能させる。そして、図2図3に示すように、配送車両200は、降車機構140を走行して車道に降車する。さらに、例えば車道から歩道を経由して、配送先に物品を配送する。
【0026】
なお、図2図3に示した降車機構140は、スロープとして機能すれば、運搬車両100の後方に設けられた開閉扉と別に設けられていてもよい。その場合、通常、降車機構140は、例えば運搬車両100の床下に収納されている。
また、図2図3に示した降車機構140は、あくまでも一例であり、運搬車両100から配送車両200を降車させるための機構であれば、特に限定されない。降車機構140は、例えばコンベアやクレーン等でもよい。
【0027】
次に、配送車両200について説明する。
図1図3には、配送車両200が1台しか描かれていないが、本実施形態に係る配送システムは、互いに充電可能な複数の配送車両200を含む。各配送車両200は、例えば別々の運搬車両100によって搬送された後、運搬車両100から降車し、配送先に物品を配送する自律移動型の車両である。
なお、配送車両200は、手動運転車両でもよい。
【0028】
図1に示すように、配送車両200は、制御部210、センサ部220、走行機構230、及びバッテリ240を備えている。また、配送車両200は、運搬車両100及び管理サーバ300と通信可能に無線接続されている。なお、管理サーバ300が配送車両200に搭載されている場合、配送車両200は、管理サーバ300と有線接続されてもよい。
【0029】
制御部210は、センサ部220から取得した各種情報に基づいて、走行機構230を制御する。すなわち、制御部210が走行機構230を制御することによって、配送車両200は走行する。ここで、センサ部220は、運搬車両100のセンサ部120と同様に、各種センサを含む。
【0030】
制御部210は、運搬車両100の制御部110と同様に、例えばCPUなどの演算部と、各種制御プログラムやデータ等が格納されたRAM、ROM等の記憶部と、を備えている。すなわち、制御部210は、コンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて、走行機構230を制御する処理を実行する。
【0031】
制御部210は、物品を配送するための配送スケジュール(配送ルート、配送時刻等を含む)を管理サーバ300から取得し、配送車両200は取得した配送スケジュールに基づいて物品を配送する。
他方、制御部210は、管理サーバ300から取得した配送スケジュールとバッテリ240の充電残量とに基づいて、当該配送車両200の配送スケジュールに対する充電残量の過不足を算出し、管理サーバ300に送信する。
【0032】
走行機構230は、配送車両200が走行するための機構である。例えば、走行機構230は、モータやエンジンなどの配送車両200が走行するための駆動機構に加え、配送車両200が停止するための制動機構、及び配送車両200が曲がるための操舵機構を含む。
【0033】
バッテリ240は、リチウムイオン電池などの充放電可能な二次電池である。バッテリ240は、制御部210、センサ部220、及び走行機構230に動力源(電気)を供給する動力供給装置である。すなわち、バッテリ240に充電された電力によって、配送車両200は、配送先に物品を配送する。
【0034】
次に、管理サーバ300について説明する。
管理サーバ300は、運搬車両100及び配送車両200と通信し、当該配送システムを管理するサーバである。管理サーバ300は、例えばクラウドサーバである。図1に示すように、管理サーバ300は、スケジュール決定部310及び記憶部320を備えている。
【0035】
スケジュール決定部310は、例えばCPUなどの演算部等から構成される。図1に示すようにスケジュール決定部310は、記憶部320に記憶された地図情報に基づいて、現在地から配送先までの配送スケジュールを決定する。そして、スケジュール決定部310は、決定した配送スケジュールを運搬車両100の制御部110及び配送車両200の制御部210に送信する。ここで、地図情報は、路面情報を含んでいてもよい。
【0036】
記憶部320は、例えばRAM、ROM等から構成され、地図情報以外にも、各種制御プログラムやデータ等を記憶している。
すなわち、管理サーバ300は、コンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて、当該配送システムを管理する処理を実行する。
【0037】
本実施形態に係る配送システムでは、管理サーバ300は、配送スケジュールに対して充電残量が余っている他の配送車両200と、配送スケジュールに対して充電残量が不足している配送車両200とのマッチングを行う。充電残量が余っている他の配送車両200は、他の配送車両200に対して充電する充電車両の候補であり、充電残量が不足している配送車両200は、他の配送車両200から充電される被充電車両の候補である。
【0038】
スケジュール決定部310は、各配送車両200から取得したバッテリ240の充電残量の過不足量と、各配送車両200の配送スケジュールとに基づいて、充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定する。ここで、充電スケジュールは、充電車両と被充電車両との組み合わせに加え、例えば充電場所、充電時刻等を含む。
例えば、スケジュール決定部310は、充電車両及び被充電車両の候補の配送スケジュールにおいて、最も距離的に接近する配送車両200同士の組み合わせを選択する。
そして、スケジュール決定部310は、上記の充電スケジュールに基づいて、選択した充電車両及び被充電車両についての配送スケジュールを更新する。
【0039】
以上に説明したように、本実施形態に係る配送システムでは、互いに充電可能な各配送車両200の配送スケジュールとバッテリの充電残量とに基づいて、充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定する。そして、当該充電スケジュールに基づいて、選択した充電車両及び被充電車両についての配送スケジュールを更新する。
そのため、本実施形態に係る配送システムでは、各配送車両200が充電するために充電ステーションまで走行する必要がなく、時間及びエネルギーのロスを低減できる。
【0040】
<充電スケジュールの決定方法>
次に、図4図6を参照して、上記充電スケジュールの決定方法について詳細に説明する。図4は、第1の実施形態に係る配送システムのブロック図である。図5図6は、充電車両である配送車両200a及び被充電車両である200bを示す側面図である。
【0041】
なお、図4では、2台の配送車両200a、200b及び管理サーバ300のみが示されており、図1に示す運搬車両100は省略されている。また、配送車両200a、200bは、それぞれ図1に示す配送車両200と同様の構成を有する。ここで、図4に示す配送車両200a、200bでは、制御部210及びバッテリ240のみが示されており、図1に示すセンサ部220及び走行機構230は省略されている。
【0042】
上述の通り、配送車両200a、200bのそれぞれの制御部210は、物品を配送するための配送スケジュールを管理サーバ300から取得すると共に、バッテリ240から充電残量を取得する。そして、配送車両200a、200bのそれぞれの制御部210は、管理サーバ300から取得した配送スケジュールとバッテリ240の充電残量とに基づいて、配送スケジュールに対する充電残量の過不足を算出し、スケジュール決定部310に送信する。
【0043】
スケジュール決定部310は、配送車両200a、200bから取得したバッテリ240の充電残量の過不足量と、配送車両200a、200bの配送スケジュールとに基づいて、充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定する。ここで、配送車両200aは配送スケジュールに対してバッテリ240の充電残量が余っており、充電車両の候補である。他方、配送車両200bは、配送スケジュールに対してバッテリ240の充電残量が不足しており、被充電車両の候補である。
【0044】
例えば、配送車両200aは、充電車両の候補のうち、配送スケジュールにおいて、被充電車両の候補である配送車両200bに対して最も距離的に接近する。その場合、スケジュール決定部310は、配送車両200aを充電車両とし、配送車両200bを被充電車両とした充電スケジュールを決定する。
【0045】
例えば、図5図6に示すように、配送車両200a、200bは、それぞれバッテリ240に電気的に接続されたプラグ241及びソケット242を備えている。そして、図6に示すように、配送車両200bのプラグ241は、配送車両200aのソケット242と嵌合し、電気的に接続可能である。すなわち、図6に示すように、配送車両200aのバッテリ240と配送車両200bのバッテリ240とが電気的に接続され、配送車両200aのバッテリ240から配送車両200bのバッテリ240へ余剰電力を供給できる。
【0046】
なお、図示しないが、配送車両200aのプラグ241は、配送車両200bのソケット242と嵌合し、電気的に接続可能である。また、図5図6に示すプラグ241及びソケット242は、あくまでも一例であって、配送車両200aのバッテリ240と配送車両200bのバッテリ240とが電気的に接続可能であれば、どのような構成であってもよい。
【0047】
以上に説明したように、本実施形態に係る配送システムでは、互いに充電可能な各配送車両200の配送スケジュールとバッテリの充電残量とに基づいて、充電車両と被充電車両との組み合わせを含む充電スケジュールを決定する。そして、当該充電スケジュールに基づいて、選択した充電車両及び被充電車両についての配送スケジュールを更新する。
そのため、本実施形態に係る配送システムでは、各配送車両200が充電するために充電ステーションまで走行する必要がなく、時間及びエネルギーのロスを低減できる。
【0048】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 運搬車両
110 制御部
120 センサ部
121 障害物センサ
122 加速度センサ
123 速度センサ
124 姿勢センサ
130 走行機構
140 降車機構
200、200a、200b 配送車両
210 制御部
220 センサ部
230 走行機構
240 バッテリ
241 プラグ
242 ソケット
300 管理サーバ
310 スケジュール決定部
320 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6