(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】閉鎖配電盤
(51)【国際特許分類】
H02B 3/00 20060101AFI20250617BHJP
H02B 11/127 20060101ALI20250617BHJP
H02B 11/12 20060101ALI20250617BHJP
H02B 1/38 20060101ALI20250617BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20250617BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20250617BHJP
【FI】
H02B3/00 Z
H02B11/127 Z
H02B11/12 J
H02B1/38 Z
H05K5/03 B
H05K5/02 Z
(21)【出願番号】P 2022172679
(22)【出願日】2022-10-27
【審査請求日】2024-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤牧 浩史
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-061026(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01365491(EP,A1)
【文献】実開昭47-012434(JP,U)
【文献】米国特許第9156614(US,B2)
【文献】実開昭60-055206(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 - 1/38
1/46 - 11/28
H05K 5/00 - 5/06
B65D 88/00 - 90/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種機器が収容される閉鎖配電盤であって、
前記閉鎖配電盤の前面に開口し、車輪の回転により前記閉鎖配電盤の前後方向に移動可能な機器を収容する収容部と、
前記収容部の底面に設けられ、前記車輪の回転による前記機器の前後移動を補助する第1レールと、
前記収容部の開口に設けられ、当該開口を開閉する開閉扉と、
閉じ状態にある前記開閉扉を前方に倒して前記開閉扉を略水平に維持し、開き状態にある前記開閉扉を持ち上げて前記開閉扉を略垂直に維持する開閉機構と、を備え、
前記開閉扉が、
前記開口の縁に沿って設けられ、前記開閉機構により動作するフレームと、
前記フレームに支持され、前記開閉扉により前記開口が開かれる間は前記フレームと一体的に下開き動作し、前記開閉扉により前記開口が閉じられる間は前記フレームから独立して横開き動作が可能な多方向開き扉と、
前記多方向開き扉に設けられ、前記開閉扉の前記開き状態において前記第1レールに繋がって前記車輪の回転による前記機器の前後移動を補助する第2レールと、
を備えることを特徴とする閉鎖配電盤。
【請求項2】
請求項1に記載の閉鎖配電盤であって、
前記開閉扉の前記開き状態において、前記収容部に位置する前記機器を前記閉鎖配電盤の前方に送り出し、前記閉鎖配電盤の前方に位置する前記機器を前記収容部まで引き戻す出し入れ機構と、
前記開閉機構による前記開閉扉の開き動作に続く前記出し入れ機構による前記機器の送り出し動作と、前記出し入れ機構による前記機器の引き戻し動作に続く前記開閉機構による前記開閉扉の閉じ動作とを制御するギア機構と、
を更に備えること特徴とする閉鎖配電盤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の閉鎖配電盤であって、
前記多方向開き扉が、前記フレームを構成する左右のフレーム部材に設けられたヒンジを介して前記フレームに取り付けられた観音開き式の左右扉を含む
ことを特徴とする閉鎖配電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉鎖形の配電盤の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、盤内に収納された遮断器等の機器を盤外に引き出すための装置を備える閉鎖配電盤を開示する。この従来の閉鎖配電盤において、引き出し対象の機器には車輪が取り付けられている。引き出し装置は、引き出し対象の移動を補助する2種類のレールを備えている。第1のレールは、引き出し対象を収容する筐体を構成する底板に設けられている。第2のレールは、この筐体の前扉の背面に設けられている。引き出し対象が筐体に収容されている間、この引き出し対象の車輪は第1のレールの上に位置している。
【0003】
第1のレールの形成方向は、筐体の前後方向である。筐体の前扉は下開き構造を有しており、前方に倒して水平状態にしたときにその背面が筐体の底板と繋がり、尚且つ、両者の高さが一致する。第2のレールの形成方向は上下方向であるが、その端部は、前扉が水平状態になったときには第1のレールの端部と接続される。そのため、前扉を開いて水平状態になると、2種類のレールが筐体の前後方向に繋がるので、これらのレールに沿って車輪を転がすことにより、引き出し対象が盤外に引き出される。
【0004】
尚、出願人は、本願発明に関連するものとして、特許文献1を含めて以下に記載する文献を認識している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭60-66206号公報
【文献】特開2019-1563号公報
【文献】実開昭53-61026号公報
【文献】実開昭53-125027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の閉鎖配電盤によれば、引き出し対象の保守及び点検の際や、交換の際にこれを盤外に引き出すことができる。しかしながら、交換の場合と異なり、保守・点検作業の場合は、引き出し対象を盤外に必ずしも引き出す必要がない。即ち、この場合は、前扉を開いた作業員が盤内を覗いて作業を行う、又は、前扉を開いた作業員が盤内に入り作業を行うことになる。ところが、従来の閉鎖配電盤を用いた保守・点検作業では、水平状態となった前扉の存在がこの作業を妨げる可能性がある。
【0007】
また、特許文献1では言及されていないが、引き出し対象に車輪が取り付けられているということは、引き出し対象の重量がそれなりにあるということを意味する。そのため、重い引き出し対象の引き出し作業や、引き出した後の収納作業を作業員の手により行うことは作業員にとって負担である。この点からも従来の閉鎖配電盤は改良の余地がある。
【0008】
本発明の1つの目的は、閉鎖配電盤内に収容される機器の交換時にはこれを速やかに盤外に引き出し、当該機器の保守・点検時にはこの作業が妨げられるのを抑える技術を提供することにある。本発明の別の目的は、閉鎖配電盤内に収容される機器の引き出し及び収納作業を容易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、閉鎖配電盤であり、次の特徴を有する。
前記閉鎖配電盤には各種機器が収容される。
前記閉鎖配電盤は、収容部と、第1レールと、開閉扉と、開閉機構と、を備える。
前記収容部は、前記閉鎖配電盤の前面に開口する。前記収容部は、車輪の回転により前記閉鎖配電盤の前後方向に移動可能な機器を収容する。
前記第1レールは、前記収容部の底面に設けられる。前記第1レールは、前記車輪の回転による前記機器の前後移動を補助する。
前記開閉扉は、前記収容部の開口に設けられる。前記開閉扉は、また、前記収容部の開口を開閉する。
前記開閉機構は、閉じ状態にある前記開閉扉を前方に倒してこれを略水平に維持する。前記開閉機構は、開き状態にある前記開閉扉を持ち上げてこれを略垂直に維持する。
前記開閉扉は、フレームと、多方向開き扉と、第2レールと、を備える。
前記フレームは、前記開口の縁に沿って設けられる。前記フレームは、前記開閉機構により動作する。
前記多方向開き扉は、前記フレームに支持される。前記多方向開き扉は、また、前記開閉扉により前記開口が開かれる間は前記フレームと一体的に下開き動作が可能である。前記多方向開き扉は、更に、前記開閉扉により前記開口が閉じられる間は前記フレームから独立して横開き動作が可能である。
前記第2レールは、前記多方向開き扉に設けられる。前記第2レールは、また、前記開閉扉の前記開き状態において前記第1レールに繋がって前記車輪の回転による前記機器の前後移動を補助する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば機器の交換時には多方向開き扉とフレームを一体的に下開きして当該機器を速やかに閉鎖配電盤の外部に引き出すことができる。例えば機器の保守・点検時には多方向開き扉のみを横開きしてこの作業が妨げられるのを抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る閉鎖配電盤の構成例を説明する図である。
【
図2】実施形態に係る閉鎖配電盤の構成例を説明する図である。
【
図3】実施形態に係る閉鎖配電盤の構成例を説明する図である。
【
図5】第1及び第3の中扉の横開き動作を説明する図である。
【
図6】第2の中扉の下開き動作を説明する図である。
【
図7】第2の中扉の下開き動作を説明する図である。
【
図8】第2の中扉の下開き動作を説明する図である。
【
図9】スライド機構の構成及び動作を説明する図である。
【
図10】スライド機構の構成及び動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
1.構成例の説明
図1~3は、実施形態に係る閉鎖配電盤としての配電盤100の構成例を説明する図である。
図1は、
図2に示す1-1断面で切断された配電盤100を、上方から見た図に相当する。
図2は、
図1に示す2-2断面で切断された配電盤100を、正面から見た図に相当する。
図3は、
図2に示す3-3断面で切断された配電盤100を、左方から見た図に相当する。
図1~3は、後述の重量機器HEQが配電盤100の下方収容部15に完全に収容されているとき(引き込みが完了した状態)の図でもある。
【0014】
説明の便宜上、
図1~3にはX軸、Y軸及びZ軸が描かれている。X軸方向は配電盤100の幅方向に相当し紙面上の右側(配電盤100にとって左側)を正方向とし、Y軸方向は配電盤100の奥行方向に相当し、Z軸方向は配電盤100の高さ方向に相当する。X軸、Y軸及びZ軸が示す方向は、
図1~3以外の図においても共通する。
【0015】
配電盤100はアングルフレーム構造を有しており、
図1及び3には、配電盤100の筐体11を構成するアングル12B、12L、12R、12T、16B及び16Tが描かれている。アングル16B及び16Tは、配電盤100の正面扉(不図示)が接する位置に設けられている。アングル12B、12L、12R及び12Tは、中扉の位置に設けられている。尚、正面扉は、安全上の配慮から中扉の外側に設けられるものであるが、実施形態との関連性が低いことからその図示が省略されている。
【0016】
アングル12B及び16Bは筐体11の下方(Bottom direction)位置するL字型アングルであり、アングル12T及び16Tは筐体11の上方(Top direction)に位置するL字型アングルである。これらのL字型アングルはX軸方向に平行に延びている。アングル12Lは筐体11の左方(Left direction)に位置するL字型アングルであり、アングル2Rは筐体11の右方(Right direction)に位置するL字型アングルである。これらのL字型アングルはZ軸方向に平行に延びている。
【0017】
筐体11には各種機器が収容される。
図3には、筐体11に設けられる棚板13が描かれている。この棚板13により区切られる筐体11の上方の空間を上方収容部14と定義し、下方の空間を下方収容部15と定義する。上方収容部14には、軽量機器LEQが収容される。軽量機器LEQとしては、断路器、変流器(CT)や計器用変圧器(VT)が例示される。下方収容部15には、重量機器HEQが収容される。重量機器HEQとしては、変圧器が例示される。
【0018】
重量機器HEQには、車輪WHL及びWHRが取り付けられている。車輪WHL及びWHRは、重量機器HEQを乗せる台車の車輪であってもよい。下方収容部15の底面には、車輪WHLと組み合わされるレール17Lと、車輪WHRと組み合わされるレール17Rと、が設けられている。レール17L及び17Rには、これらのレールの長手方向に沿ってガイド溝171がそれぞれ形成されており、ここに車輪WHL及びWHRのフランジが合わされている。レール17Lと17Rの間隔は、レール17L及び17Rに沿って車輪WHL及びWHRの踏面がレール17L及び17R上を転がることで、重量機器HEQがY軸方向に移動する。尚、場合によってはレール17L及び17Rのガイド溝171は省略されてもよい。この場合、車輪WHLとWHRのフランジの間隔はレール17L及び17Rとの間隔よりわずかに狭くなる。
【0019】
配電盤100の中扉は、扉21L及び21Rから構成される第1の中扉と、扉22L、22R及びフレーム23から構成される第2の中扉と、を含んでいる。第1の中扉は、配電盤100の前面に位置する上方収容部14の開口を開閉する観音開き扉である。扉21L及び21Rは左又は右方向に開く一枚扉であってもよい。但し、配電盤100の前方のスペースに制限がある場合があることから、一枚式よりも観音開き式の扉を採用することが望ましい。第2の中扉は、配電盤100の前面に位置する下方収容部15の開口を開閉する扉である。扉21L及び21Rには、それぞれ把手28L及び28Rが設けられている。
【0020】
第2の中扉は、扉22L及び22Rから構成される第3の中扉を含んでいる。第1の中扉と同じく、第3の中扉は、観音開き扉から構成される。扉22L及び22Rは、左又は右方向に開く一枚扉であってもよい。第1の中扉と第3の中扉の違いは、ヒンジ支点の位置である。即ち、前者はアングル12L及び12Rの位置にヒンジ支点を有しており、後者はフレーム23の位置にヒンジ支点を有している。具体的に、扉21Lのヒンジ支点はアングル12Lに設けられたヒンジ24Lであり、扉21Rのそれはアングル12Rに設けられたヒンジ24Rである。一方、扉22Lのヒンジ支点はフレーム23に設けられたヒンジ25Lであり、扉22Rのそれはフレーム23に設けられたヒンジ25Rである。扉22L及び22Rには、それぞれ把手29L及び29Rが設けられている。
【0021】
フレーム23は、扉22L及び22Rを支持する部材である。フレーム23は、下方収容部15の開口に沿って設けられている。フレーム23の左下部にはヒンジ26Lの一端が取り付けられ、右下部にはヒンジ26Rの一端が取り付けられている。ヒンジ26Lの他端はアングル12Bの左端部に取り付けられ、ヒンジ26Rの他端は、アングル12Bの右端部に取り付けられている。
図3に示されるヒンジ26L及び26Rの取り付け位置から理解されるように、これらのヒンジは、第2の中扉を「下開き」するためのヒンジである。
【0022】
扉22Lにはレール27Lが設けられており、扉22Rにはレール27Rが設けられている。レール27L及び27Rは、扉22L及び22Rの裏面から前面に向かって突き出すように設けられている。レール27L及び27Rには、これらのレールの長手方向に沿ってガイド溝271(
図6及び7参照)がそれぞれ形成されている。レール27L及び27Rには、また、スリット272が形成されている。
【0023】
ガイド溝271の幅は、車輪WHL及びWHRのフランジの幅より若干広く、レール27L及び27Rの間隔(X軸方向の長さ)はレール17L及び17Rのそれと等しく、ガイド溝271の幅(X軸方向の長さ)はガイド溝171のそれと等しく、後述するように第2の中扉を開いた際に、車輪WHL及びWHRのフランジがレール27Lと27Rのガイド溝271に合わされ、車輪WHL及びWHRの踏面がレール27L及び27R上を転がることで、重量機器HEQがY軸方向に移動可能に構成する。すなわち、レール27L及び27Rは、第2の中扉を下開きしたときに、レール17Lの前方端とレール27Lの後方端を繋ぎ、レール17Rの前方端とレール27Rの後方端を繋ぐように構成される。スリット272が形成される理由は、この下開きの際にレール27L及び27Rがアングル16Bと干渉するのを回避するためである。尚、第2の中扉の開き動作の説明については後述される。
【0024】
第2の中扉の下開き動作は、
図1及び3に描かれるウインチ機構31の操作により制御される。このウインチ機構31は、筐体11の左後方に設けられる。
図4は、ウインチ機構31の概略構成を示す図である。
図4に示されるように、ウインチ機構31は、ドラム32、33及び34と、回転ハンドル35と、切り替えレバー36と、を備えている。重量機器HEQを配電盤100から引き出す場合は、切り替えレバー36を送り出し側(OUT)とし、重量機器HEQを配電盤100に引き戻す場合は、切り替えレバー36を引き戻し側(IN)とする。尚、ウインチ機構31の設ける位置は筐体11の左後方に限定されるわけではなく、後述の滑車やリンク機構を適切に配置することにより、筐体11の右後方や左前方あるいは右前方に配置してもよい。
【0025】
ドラム32は、
図1及び3に示したワイヤ44の繰り出し及び巻き取りを行うためのドラムである。ドラム33は、
図1に示したワイヤ55の繰り出し及び巻き取りを行うためのドラムである。ドラム34は、
図1に示したワイヤ47の繰り出し及び巻き取りを行うためのドラムである。回転ハンドル35はこれらのドラムの動力源である。切り替えレバー36は、これらのワイヤの繰り出し動作と巻き取り動作を切り替えるためのレバーである。回転ハンドル35及び切り替えレバー36は、例えば、重量機器HEQの交換を行う作業員により操作される。図示は省略するが、筐体11はその背面に扉又はパネルを有しており、回転ハンドル35等の操作に際しては、配電盤100の受電を停止し、接地等の安全処置を実施の上、この扉又はパネルが開かれる。
【0026】
図1及び3に示されるように、ドラム32にその一端が接続されるワイヤ44は、筐体11の左側面に取り付けられた滑車41、42及び43に巻き掛けられている。ワイヤ44の他端は、フレーム23の左上部の背面に設けられるリング45に接続されている。
図3に示されるように、滑車41、42及び43は、上方収容部14に位置しており、何れもリング45よりも上方に位置している。尚、滑車41、42及び43は、配電盤100内に設置される電気機器やブスワーク等の充電物から必要な絶縁距離が保たれ、保守点検作業の妨げにならない位置で、後述の第2の中扉の開閉機能を有する配置であれば、どこに配置してもよく、一部の滑車を省略あるいは追加してもよい。
【0027】
図1及び後述の
図5に示されるように、ドラム33にその一端が接続されたワイヤ55は、滑車51、52、53及び54に、この順番で巻き掛けられている。ワイヤ55の他端は、重量機器HEQの底面に設けられるリング56(
図5参照)に接続されている。滑車51、52、53及び54は、重量機器HEQの底面よりも下方に位置している。このうち、滑車51及び52は下方収容部15の底面に取り付けられており、滑車53及び54は可動部58(
図1参照)に取り付けられている。可動部58の動作の説明については後述される。後述の
図5及び
図6に示されるように、滑車52は滑車51より、配電盤100の前方に位置している。また、滑車52は、アングル12Bより、配電盤100の後方に配置される。滑車53は可動部58の後方に、滑車54は可動部58の前方に取り付けられている。重量機器HEQの配電盤100への引き込みが完了した状態において滑車54はアングル12Bよりも配電盤100の後方に配置され、重量機器HEQの配電盤100からの引き出しが完了した状態においては、後述の
図6に示されるように、滑車54はアングル12Bよりも配電盤100の前方に配置され、かつ、重量機器HEQがアングル16Bより、配電盤100の前方に配置されるように滑車53と滑車54の間隔及び可動部58のスライド長が決められている。
【0028】
図1に示されるように、ドラム34にその一端が接続されたワイヤ47は、下方収容部15の底面に取り付けられる滑車46に巻き掛けられている。ワイヤ47の他端は、重量機器HEQの背面に設けられるリング48に接続されている。
【0029】
2.配電盤100における動作の説明
2-1.第1及び第3の中扉の横開き動作
図5は、第1及び第3の中扉の横開き動作を説明する図である。
図5は重量機器HEQが配電盤100に引き込みが完了した状態の図である。尚、説明の便宜上、
図5においては棚板13の図示が省略されている。既に説明したように、配電盤100の中扉は、第1の中扉(扉21L及び21R)と、第3の中扉(扉22L及び22R)とを含んでおり、これらの中扉は観音開き式の扉である。
図5には、第1及び第3の中扉が同時に開かれた状態が描かれている。この図から理解されるように、第1及び第3の中扉が同時に開かれると、扉21Lよりも内側に扉22Lが位置し、また、扉21Rよりも内側に扉22Lが位置する。この理由は、第1の中扉のヒンジ支点と第3の中扉のそれとの違いである。
【0030】
2-2.第2の中扉の下開き動作
図6~8は、第2の中扉の下開き動作を説明する図である。
図6~8は、重量機器HEQの移動動作を説明する図でもあり、重量機器HEQが配電盤100から完全に引き出された状態の図でもある。尚、
図6~8は、
図1~3にそれぞれ対応する図である。既に説明したように、配電盤100の中扉は第2の中扉(扉22L、22R及びフレーム23)を含んでおり、ヒンジ26L及び26Rはフレーム23の左右の下部に設けられている。また、ウインチ機構31(ドラム32)からのワイヤ44は、フレーム23の背面のリング45に接続されている。
【0031】
第2の中扉が閉じ状態にある間、第2の中扉はウインチ機構31によって引っ張られており、略垂直に維持されている。ウインチ機構31の操作によってドラム32がワイヤ44の繰り出し方向に回転すると、このワイヤ44の繰り出しによって第2の中扉が前方に倒される。この繰り出し動作は、第2の中扉が略水平となる位置で終了する。これにより、開き状態となった第2の中扉が略水平に維持される(
図8参照)。一方、ドラム32がワイヤ44の巻き取り方向に回転すると、このワイヤ44の巻き取りによって第2の中扉が持ち上げられる。この巻き取り動作は、第2の中扉が略垂直となる位置で終了する。
【0032】
第2の中扉が開き状態になったとき、レール27Lの後方端とレール17Lの前方端が繋がり、レール27Rの後方端とレール17Rの前方端が繋がる。また、これら4本のレールの高さ方向の位置が揃う。そのため、レール17L及び27Lは前後方向(Z軸方向)に延びる1本のレールを形成し、レール17R及び27Rも同じく1本のレールを形成する。そうすると、車輪WHL及びWHRがそれぞれに対応する1本のレール上を転がることが可能となる。これにより、重量機器HEQの前後方向への移動が可能となる。
【0033】
2-3.重量機器HEQの前後移動
第2の中扉の下開き動作と同じく、重量機器HEQの前後方向への移動もウインチ機構31の操作により制御される。ウインチ機構31の操作によってドラム33がワイヤ55の巻き取り方向に回転すると、このワイヤ55の巻き取りによって可動部58が前方にスライドする。
図9及び10は、可動部58を含むスライド機構の構成及び動作を説明する図である。
図9に示されるように、可動部58は固定部57と組み合わされており、この固定部57は、下方収容部15の底面に取り付けられている(
図6参照)。
【0034】
固定部57及び可動部58は、可動部58のスライド時に可動部58がアングル12Bと干渉しないようにサイズや高さ方向の位置が調整されている。可動部58と固定部57の摺動面には、摩擦力が小さくなるように複数のコロが設けられてもよいし、ナイロン材等の有機材料からなるシートが設けられてもよい。
【0035】
図10に示されるように、可動部58のスライドは、固定部57の長手方向(Y軸方向)に沿って行われる。ドラム33がワイヤ55の巻き取り方向に回転している間は、滑車53を前方に押す力(滑車52と滑車53が近接するように働く力)が滑車53に作用し、これにより可動部58が前方にスライドする。このスライド動作に伴い、重量機器HEQが前方に送り出される(
図8参照)。重量機器HEQが後方に引き込まれるときには、ドラム33がワイヤ55の繰り出し方向に回転し、可動部58が後方にスライドする。可動部58はY軸以外の方向へは容易に移動しないように構成される。例えば
図9に示されるように、可動部58のX-Z軸平面の断面は、固定部57のX-Z軸平面の断面の一部を抱え込むように構成される。
【0036】
重量機器HEQの後方への引き込みは、ドラム34によるワイヤ47の巻き取りにより行われる。ドラム34がワイヤ47の巻き取り方向に回転している間は、重量機器HEQを後方に引く力が重量機器HEQに作用するため、重量機器HEQが後方に引き込まれる。尚、重量機器HEQが前方に送り出されるときには、ドラム34がワイヤ47の繰り出し方向に回転する。
【0037】
3.ウインチ機構の動作の説明
次に、
図11~20を参照してウインチ機構31の動作を説明する。この動作の説明に際しては、この動作を実現するための構成例の説明も適宜行う。
図11~16は、ドラム32の回転を制御するギア機構の動作を説明する図である。一方、
図17~20は、ドラム33及び34の回転を制御するギア機構の動作を説明する図である。
【0038】
図11は、第2の中扉が閉じられており、かつ、重量機器HEQが下方収容部15に収容されているときのドラム32制御用のギア機構の状態を示す図である。
図11に示されるように、このギア機構は、回転ハンドル35の操作により回転するシャフト61を備えている。このシャフト61には、シャフト61と共に回転する傘歯車62及びねじ歯車63が設けられている。傘歯車62には傘歯車64が噛み合わされており、この傘歯車62の回転力は傘歯車64を介して歯車65に伝達する。歯車65以降の回転力の伝達については
図17~20で説明する。ねじ歯車63には斜歯歯車66が噛み合わされている。
【0039】
斜歯歯車66側には、歯車67及び68と、ドラム32の動作歯車71とが設けられている。斜歯歯車66、歯車68及び動作歯車71の各軸は、ウインチ機構31の筐体に回転可能に固定されている。歯車68と動作歯車71は常時噛み合っている。また、歯車68と歯車67は、常時噛み合うように接続具69を介して接続されている。この接続具69には、上下方向(Z軸方向)に動作するロッド74が設けられており、このロッド74の上下運動により歯車67と斜歯歯車66とが噛み合い、又は、この噛み合いが解除される。具体的に、ロッド74が下方向(Z軸負方向)に移動するとこれらの歯車が噛み合い、ロッド74が上方向(Z軸正方向)に移動するとこの噛み合いが解除される。
【0040】
ロッド74の他端は、支点76において可動板75に接続されている。可動板75は、ウインチ機構31の筐体に固定された保持材77に、ばね79を介して接続されている。尚、保持材77にはロッド74の上下運動を補助するガイド孔78が設けられている。
【0041】
可動板75の上方には、てこ91、92及び93が設けられている。てこ91の支点911、てこ92の支点921、及び、てこ93の支点931は、各てこが回動可能となるようにウインチ機構31の筐体に固定されている。てこ91の作用点913及びてこ92の作用点923は、支点76の前方(Y軸負方向)に位置している。一方、てこ93の作用点933は、支点76の後方(Y軸正方向)に位置している。てこ91の力点912は、図示されないリンク機構(例えばワイヤ)を介してフレーム23に接続されている。てこ92の力点922は、図示されないリンク機構を介して切り替えレバー36に接続されている。てこ93の力点932は、図示されないリンク機構を介して、又は直接、重量機器HEQの背面に接続されている。
【0042】
図11に示される状態では、切り替えレバー36は送り出し側(OUT)となっており、てこ92の作用点923は可動板75より上方(Z方向)にあり、可動板75に力を及ぼしていない。なお、この状態における後述のドラム33及び34を動作するためのギア機構の状態は
図17に相当している。歯車67と斜歯歯車66が噛み合わされているので、回転ハンドル35の回転力が動作歯車71に伝達される。そうすると、ドラム32がワイヤ44を繰り出す方向に回転し、これにより、第2の中扉が開かれる。第2の中扉が開かれると力点912が下方に移動し、作用点913が上方に移動する。てこ93の力点932は、図示されないリンク機構を介して、又は直接、重量機器HEQの背面に接続されているので、作用点933により可動板75を下方に押し付ける力が働いている。そうすると、作用点913が可動板75の前方を下方に押し下げる力が減少し、可動板75が後方(Y軸正方向)側に傾いていく。第2の中扉の開きが進行してゆき、略水平状態になった場合、
図12に示されるように可動板75に引っ張られたロッド74が上方に移動して歯車67が斜歯歯車66に噛み合わなくなるので、回転ハンドル35の回転力が動作歯車71に伝達されなくなる。
【0043】
尚、力点912と作用点913の関係は、第2の中扉が略水平状態になった場合(例えば、フレーム23とX-Y平面のなす角度が5度以下となった場合)に、作用点913が可動板75を押す力を喪失するように調整される。
図12は、第2の中扉が開かれ、かつ、重量機器HEQが下方収容部15に収容されているときのギア機構の状態を示す図である。
図12に示される状態では、可動板75に後方(Y軸正方向)に傾いているため、作用点933が可動板75に接している。この状態における後述のドラム33及び34を動作するためのギア機構の状態は
図18に相当している。
図18の状態になると後述のように歯車65の回転力がギア機構により動作歯車72に伝達され、ドラム33によりワイヤ55を巻き上げることができ、回転ハンドル35を回転することにより重量機器HEQが徐々に配電盤100から送り出されてゆく。
【0044】
図13は
図12の状態から重量機器HEQの送り出しが進行し、てこ93の力点932が図示しないリンク機構を介して、又は直接、重量機器HEQの背面から離れた状態を示している。これにより、力点932がY方向と逆方向に移動するので、作用点933により可動板75を下方に押し付ける力がなくなることになる。重量機器HEQの送り出しに際しては、切り替えレバー36の切り替えにより力点922が送り出し側(OUT)である。そうすると、作用点923が上方に移動するが、重量機器HEQの送り出しに伴い力点932が前方(Y軸負方向)に移動するので作用点933も上方に移動する。そのため、可動板75を下方に押し下げる力が可動板75の前方及び後方において減少するので、可動板75は全体的に上方(Z軸正方向)に移動する。そのため、ロッド74の上方への移動状態は維持され、歯車67が斜歯歯車66に噛み合わない状態も維持される。尚、この状態における後述のドラム33及び34を動作するためのギア機構の状態は
図18に相当している。この状態は重量機器HEQが配電盤100から完全に引き出された状態となるまで継続する。
【0045】
図14は、重量機器HEQの引き戻しを行う場合の状態を示す図である。重量機器HEQの引き戻しに際しては、切り替えレバー36の切り替えにより力点922が引き戻し側(IN)に移動する。そうすると、作用点923が下方に移動し、可動板75を下方に押し下げる力が可動板75の前方に作用する。そうすると、可動板75が前方(Y軸負方向)側に傾くが、可動板75の後方においては可動板75を下方に押し下げる力が依然として減少しているので、ロッド74の上方への移動状態は維持され、歯車67が斜歯歯車66に噛み合わない状態も維持される。この状態における後述のドラム33及び34を動作するためのギア機構の状態は
図19に相当している。
図19から判別するように回転ハンドル35の回転力は動作歯車73に伝達されるので、ドラム34によりワイヤ47を巻き上げ、重量機器HEQの引き戻しが開始される。
【0046】
図15は、重量機器HEQが完全に引き戻されて下方収容部15に収容された状態を示す図である。重量機器HEQが完全に引き戻されると、重量機器HEQが引き戻されて下方収容部15に収容されると、力点932が後方(Y軸正方向)に移動する。そのため、可動板75の後方において可動板75を下方に押し下げる力が増加する。そうすると、可動板75が下方(Z軸負方向)に移動し、可動板75に押されたロッド74も下方に移動する。これにより、歯車67が斜歯歯車66に噛み合う状態に戻る。歯車67が斜歯歯車66に噛み合あえば、回転ハンドル35の回転力が動作歯車71に伝達される。
【0047】
歯車67が斜歯歯車66に噛み合あえば、回転ハンドル35の回転力が動作歯車71に伝達される。そうすると、ドラム32がワイヤ44を巻き戻す方向に回転し、これにより、第2の中扉が閉じられる。第2の中扉が閉じられると力点912が上方に移動し、作用点913が下方に移動する。そうすると、作用点913が可動板75の前方を下方に押し下げるので、ロッド74の下方への移動状態は維持され、歯車67が斜歯歯車66に噛み合う状態も維持される。この状態を示したのが
図16である。この状態は切り替えレバー36と連動したてこ92の状態以外は
図11と同じである。
【0048】
図17は、第2の中扉が閉じられており、かつ、重量機器HEQが下方収容部15に収容されているときのドラム33及び34制御用のギア機構の状態を示す図である。
図17に示されるように、このギア機構は、
図11において説明した歯車65に加えて、ドラム33の動作歯車72及びドラム34の動作歯車73と、歯車81、82、84、85、87及び88と、を備えている。動作歯車72及び73の各軸と、歯車65、81、84及び87の各軸は、ウインチ機構31の筐体に回転可能に固定されている。
【0049】
動作歯車72と歯車81は常時噛み合っている。歯車81と歯車82は、常時噛み合うように接続具83を介して接続されている。接続具83を介して接続されることで、歯車82は、歯車81を回転軸の中心として回動可能である。また、動作歯車73と歯車84は常時噛み合っている。歯車84と歯車85は、常時噛み合うように接続具86を介して接続されている。接続具86を介して接続されることで、歯車85は、歯車84を回転軸の中心として回動可能である。接続具83及び86にはリンク94が接続されている。リンク94の一端は歯車85の軸付近における接続具86の位置にあり、他端は切り替えレバー36に接続されている。
【0050】
歯車88と歯車87は、常時噛み合うように接続具89を介して接続されている。歯車88の軸付近における接続具89の位置にはリンク95の一端が接続されている。この位置には、保持材96に設けられたばね97も接続されている。リンク95の他端は、
図11で説明した力点912に接続されている。
【0051】
力点912が
図11及び16に示した状態、即ち、第2の中扉が閉じられており、かつ、重量機器HEQが下方収容部15に収容されている状態にある場合、この力点912は上方に位置している。そのため、リンク95を介して力点912に接続されている歯車88は、ばね97により上方に引き上げられる。従って、歯車88は歯車65と噛み合わなくなる。この状態を示したのが
図17である。
図17は
図11と対応している。
【0052】
第2の中扉が開かれていくと力点912がX方向あるいは下方に移動するので歯車88は歯車65と噛み合うようになる。この状態を示したのが
図18である。尚、歯車65と歯車88が噛合うときの第2の中扉の開放角度と、ねじ歯車63と斜歯歯車66が噛み合わなくなるときの第2の中扉のそれとは、略同じになるように調整される。すなわち
図12の状態になったときに
図18の状態になるよう調整される。
図18の状態で回転ハンドル35を回し続けると歯車65、歯車88、歯車85、歯車81、歯車72を経てドラム33に回転力が伝達され、ワイヤ55が巻き戻されることにより、重量機器HEQが引き出されてゆく。この状態は重量機器HEQが配電盤100から完全に引き出されるまで継続する。
【0053】
次に
図19及び20を参照して引き戻しについて説明する。リンク94は、切り替えレバー36が送り出し側(OUT)に切り替えられた場合に歯車87が歯車82と噛み合い、かつ、歯車85と噛み合わないように動作する。リンク94は、切り替えレバー36が引き戻し側(IN)に切り替えられた場合に歯車87が歯車85と噛み合い、かつ、歯車82と噛み合わないように動作する。歯車88が歯車65と噛み合い、かつ、歯車87が歯車82と噛み合う状態を示したのが
図18であり、歯車88が歯車65と噛み合い、かつ、歯車87が歯車85と噛み合う状態を示したのが
図19である。このとき、ドラム32を駆動するギア機構の状態は
図14に相当する。
【0054】
図18に示される状態では、回転ハンドル35の回転力が歯車65から動作歯車72に伝達される。そうすると、ドラム33がワイヤ55を巻き戻す方向に回転し、これにより、重量機器HEQが前方に送り出される。
図19に示される状態では、回転ハンドル35の回転力が歯車65から動作歯車73に伝達される。そうすると、ドラム34がワイヤ47を巻き戻す方向に回転し、これにより、重量機器HEQが後方に引き込まれる。
【0055】
重量機器HEQが後方に引き込まれると、リンク95の一端に接続された力点912が上方に移動する。そのため、この力点912に接続されている歯車88はばね97により上方に引き上げられ、歯車88は歯車65と噛み合わなくなる。この状態を示したのが
図20である。このとき、ドラム32を駆動するギア機構の状態は
図15に相当する。
【0056】
4.効果
以上説明した実施形態に係る配電盤100によれば、例えば重量機器HEQの交換時には第2の中扉を下開きして重量機器HEQを速やかに配電盤100の外部に引き出すことができる。また、例えば重量機器HEQの保守・点検時には第3の中扉を観音開きしてこの作業が妨げられるのを抑えることもできる。
【0057】
また、実施形態に係る配電盤100によれば、切り替えレバーによる切り替えとギア機構の動作によって、ドラム32の回転による第2の中扉の開き動作とドラム33の回転による重量機器HEQの送り出し動作を連続的に行うことができ、また、ドラム34の回転による重量機器HEQの引き戻し動作とドラム32の回転による第2の中扉の閉じ動作を連続的に行うことができる。従って、重量機器HEQの送り出し動作や引き戻し動作を容易化することも可能となる。
【0058】
5.本発明と実施形態の対応関係
上述した実施形態における第2の中扉が、本発明の「開閉扉」に相当する。第3の中扉が本発明の「多方向開き扉」に相当する。レール17L及び17Rが本発明の「第1レール」に相当する。レール27L及び27Rが本発明の「第2レール」に相当する。ドラム32、滑車41、42及び43、ワイヤ44及びリング45を含む構成が本発明の「開閉機構」に相当する。
【0059】
ドラム33及び34、滑車46、51、52、53及び54、ワイヤ47及び55、並びに、固定部57及び可動部58を含むスライド機構を含む構成が本発明の「出し入れ機構」に相当する。
図11~16で説明したドラム32制御用のギア機構の構成、及び、
図17~20で説明したドラム33及び34制御用のギア機構の構成が本発明の「ギア機構」に相当する。
【符号の説明】
【0060】
11 筐体 12B,12L、12R,12T,16B,16T アングル 13 棚板 14 上方収容部 15 下方収容部 17L,17R,27L,27R レール 171,271 ガイド溝 21L,21R,22L,22R 扉 23 フレーム 24L,24R,25L,25R,26L,26R ヒンジ 272 スリット 28L,28R,29L,29R 把手 31 ウインチ機構 32,33,34 ドラム 35 回転ハンドル 36 切り替えレバー 41,42,43,46,51,52,53,54 滑車 44,47,55 ワイヤ 45,48,56 リング 57 固定部 58 可動部 61 シャフト 62,64 傘歯車 63 ねじ歯車 65,66,67,68,81,82,84,85,87,88 歯車 66 斜歯歯車 71,72,73 動作歯車 69,83,86,89 接続具 74 ロッド 75 可動板 76 支点 77,96 保持材 78 ガイド孔 79,97 ばね 91,92,93 てこ 911,921,931 支点 912,922,932 力点 913,923,933 作用点 94,95 リンク 100 配電盤 LEQ 軽量機器 HEQ 重量機器 WHL,WHR 車輪