(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20250617BHJP
G06F 9/445 20180101ALI20250617BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
G06F9/445
(21)【出願番号】P 2023054929
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2024-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】松場 弘明
(72)【発明者】
【氏名】西尾 哲司
【審査官】稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-155748(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0705513(KR,B1)
【文献】特開2003-108160(JP,A)
【文献】特開2015-035155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00-15/12
G06F 8/00-8/77
G06F 9/44-9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1OS(Operating System)に基づいて動作される第1制御処理と、第2OSに基づいて動作される第2制御処理と、を並列して実行するカラオケ装置であって、
前記第1制御処理は、アプリケーションプログラムの起動指示を前記第2制御処理に送信する送信処理
と、
前記アプリケーションプログラムのアプリ予約指示を受け付けるアプリ予約受付処理と、
前記アプリ予約受付処理で受け付けたアプリ予約指示に対応するアプリ予約データを、予約リストに格納するアプリ予約処理と、
次に起動する前記アプリ予約データを、前記予約リストから抽出する抽出処理と、を含み、
前記第2制御処理は、
前記第1制御処理から起動指示を受信する受信処理と、
受信した起動指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを起動する起動処理と、を含
み、
前記送信処理は、前記抽出処理で抽出された前記アプリ予約データに基づき、起動指示を送信する
カラオケ装置。
【請求項2】
第1OS(Operating System)に基づいて動作される第1制御処理と、第2OSに基づいて動作される第2制御処理と、を並列して実行するカラオケ装置であって、
前記第1制御処理は、
アプリケーションプログラムの起動指示を前記第2制御処理に送信する送信処理
と、
楽曲の再生を制御する再生処理と、
前記アプリケーションプログラムのアプリ予約指示を受け付けるアプリ予約受付処理と、
前記楽曲の楽曲予約指示を取得する楽曲予約受付処理と、
前記アプリ予約受付処理で受け付けたアプリ予約指示に対応するアプリ予約データを、予約リストに格納するアプリ予約処理と、
前記楽曲予約受付処理で受け付けた楽曲予約指示に対応する楽曲予約データを、予約リストに格納する楽曲予約処理と、
次に起動する前記アプリ予約データ、もしくは、楽曲予約データを、前記予約リストから抽出する抽出処理と、を含み、
前記第2制御処理は、
前記第1制御処理から起動指示を受信する受信処理と、
受信した起動指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを起動する起動処理と、を含
み、
前記抽出処理でアプリ予約データを抽出した場合に、前記送信処理は、抽出されたアプリ予約データに基づき、起動指示を送信し、
前記抽出処理で楽曲予約データを抽出した場合に、前記再生処理は、抽出された楽曲予約データに基づき、楽曲の再生を制御する
カラオケ装置。
【請求項3】
第1CPUと第2CPUとを備え、
前記第1制御処理は、前記第1CPUにより処理され、
前記第2制御処理は、前記第2CPUにより処理される
請求項1
または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記第1CPUと、前記第2CPUは、所定の通信プロトコルを使用して互いに通信する
請求項
3に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記第1制御処理は、前記アプリケーションプログラムが前記第2制御処理によって起動可能であるか否かを判断する判断処理を含み、
前記送信処理は、前記判断処理で前記アプリケーションプログラムが前記第2制御処理で起動可能と判断された場合に、起動指示を送信する
請求項1
または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項6】
前記送信処理は、前記第1制御処理、もしくは第2制御処理に基づき決定されるタイミングで起動指示を送信する
請求項1
または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項7】
前記送信処理は、前記再生処理で楽曲の再生が行われていないタイミングで起動指示を送信する
請求項
2に記載のカラオケ装置。
【請求項8】
前記カラオケ装置は、前記第1制御処理、もしくは前記第2制御処理で選択的に制御可能な外部装置が接続可能であり、
前記第1制御処理で前記外部装置を制御しているときに、前記第2制御処理により前記アプリケーションプログラムが起動する場合、前記外部装置の制御を前記第1制御処理から前記第2制御処理に切り替える
請求項1
または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項9】
前記カラオケ装置は、前記第1制御処理、もしくは前記第2制御処理で選択的に制御可能な外部装置が接続可能であり、
前記アプリケーションプログラムには、当該アプリケーションプログラムにおいて前記外部装置を使用することを示すオプションデータが対応付けられ、
前記第1制御処理で前記外部装置を制御しているときに、前記第2制御処理により、前記オプションデータが対応付けられた前記アプリケーションプログラムが起動する場合、前記外部装置の制御を前記第1制御処理から前記第2制御処理に切り替える
請求項1
または請求項2に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱するために演奏を行うカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
演奏される伴奏に合わせて歌唱を楽しむことのできるカラオケ装置が知られている。カラオケ装置では、歌唱のみならず様々な機能を付加することで、エンターテイメント性の向上が図られている。
【0003】
特許文献1には、複数のカラオケ装置に対して一括して機能を追加することが可能で、且つ、カラオケ装置に対応していないプログラムの実行によってカラオケ装置に不具合が生じるのを防止することが可能なサーバー装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1にみられるように、ネットワークに接続されたカラオケ装置では、後からアプリケーションプログラム(アプリ)を追加することが可能である。近年では、カラオケ装置においても、アプリを実行することで、より高品質なグラフィック演出や、遠隔地通信といった多様かつ高度な機能の実現が求められてきている。
【0006】
カラオケ装置において、高度な機能を実現させるためのアプリの処理は、カラオケ装置の処理負荷の増大に繋がることが考えられる。高度な機能を実現させる場合、カラオケ装置側の構成が十分でないと、高度な機能を十分に実現させることができない状況が発生する可能性がある。これまで通りの構成で、これらの機能要求を無理に満たそうとすると、機能的な品質と開発効率が低下し、その結果、顧客価値が下がる、またアプリの提供時期が遅れてしまうといった問題がある。
【0007】
本発明は、このような状況を鑑みたものであり、カラオケ装置において、第1OS(Operating System)に基づいて動作される第1制御処理と、第2OSに基づいて動作される第2制御処理で互いに連携した処理を行うこととしている。そして、第1OS、第2OSの得意な処理を考慮して、アプリを実装することで、カラオケ装置の性能の向上を図り、様々な機能を実現可能とすることを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明に係るカラオケ装置は、以下の構成を採用するものである。
第1OS(Operating System)に基づいて動作される第1制御処理と、第2OSに基づいて動作される第2制御処理と、を並列して実行するカラオケ装置であって、
前記第1制御処理は、アプリケーションプログラムの起動指示を前記第2制御処理に送信する送信処理と、
前記アプリケーションプログラムのアプリ予約指示を受け付けるアプリ予約受付処理と、
前記アプリ予約受付処理で受け付けたアプリ予約指示に対応するアプリ予約データを、予約リストに格納するアプリ予約処理と、
次に起動する前記アプリ予約データを、前記予約リストから抽出する抽出処理と、を含み、
前記第2制御処理は、
前記第1制御処理から起動指示を受信する受信処理と、
受信した起動指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを起動する起動処理と、を含み、
前記送信処理は、前記抽出処理で抽出された前記アプリ予約データに基づき、起動指示を送信する。
また、本発明に係るカラオケ装置は、
第1OS(Operating System)に基づいて動作される第1制御処理と、第2OSに基づいて動作される第2制御処理と、を並列して実行するカラオケ装置であって、
前記第1制御処理は、
アプリケーションプログラムの起動指示を前記第2制御処理に送信する送信処理と、
楽曲の再生を制御する再生処理と、
前記アプリケーションプログラムのアプリ予約指示を受け付けるアプリ予約受付処理と、
前記楽曲の楽曲予約指示を取得する楽曲予約受付処理と、
前記アプリ予約受付処理で受け付けたアプリ予約指示に対応するアプリ予約データを、予約リストに格納するアプリ予約処理と、
前記楽曲予約受付処理で受け付けた楽曲予約指示に対応する楽曲予約データを、予約リストに格納する楽曲予約処理と、
次に起動する前記アプリ予約データ、もしくは、楽曲予約データを、前記予約リストから抽出する抽出処理と、を含み、
前記第2制御処理は、
前記第1制御処理から起動指示を受信する受信処理と、
受信した起動指示に基づき、前記アプリケーションプログラムを起動する起動処理と、を含み、
前記抽出処理でアプリ予約データを抽出した場合に、前記送信処理は、抽出されたアプリ予約データに基づき、起動指示を送信し、
前記抽出処理で楽曲予約データを抽出した場合に、前記再生処理は、抽出された楽曲予約データに基づき、楽曲の再生を制御する。
【0009】
さらに本実施形態のカラオケ装置は、
第1CPUと第2CPUとを備え、
前記第1制御処理は、前記第1CPUにより処理され、
前記第2制御処理は、前記第2CPUにより処理される。
【0010】
さらに本実施形態のカラオケ装置において、
前記第1CPUと、前記第2CPUは、所定の通信プロトコルを使用して互いに通信する。
【0011】
さらに本実施形態のカラオケ装置において、
前記第1制御処理は、前記アプリケーションプログラムが前記第2制御処理によって起動可能であるか否かを判断する判断処理を含み、
前記送信処理は、前記判断処理で前記アプリケーションプログラムが前記第2制御処理で起動可能と判断された場合に、起動指示を送信する。
【0015】
さらに本実施形態のカラオケ装置において、
前記送信処理は、前記第1制御処理、もしくは第2制御処理に基づき決定されるタイミングで起動指示を送信する。
【0016】
さらに本実施形態のカラオケ装置において、
前記送信処理は、前記再生処理で楽曲の再生が行われていないタイミングで起動指示を送信する。
【0017】
さらに本実施形態のカラオケ装置において、
前記カラオケ装置は、前記第1制御処理、もしくは前記第2制御処理で選択的に制御可能な外部装置が接続可能であり、
前記第1制御処理で前記外部装置を制御しているときに、前記第2制御処理により前記アプリケーションプログラムが起動する場合、前記外部装置の制御を前記第1制御処理から前記第2制御処理に切り替える。
【0018】
さらに本実施形態のカラオケ装置において、
前記カラオケ装置は、前記第1制御処理、もしくは前記第2制御処理で選択的に制御可能な外部装置が接続可能であり、
前記アプリケーションプログラムには、当該アプリケーションプログラムにおいて前記外部装置を使用することを示すオプションデータが対応付けられ、
前記第1制御処理で前記外部装置を制御しているときに、前記第2制御処理により、前記オプションデータが対応付けられた前記アプリケーションプログラムが起動する場合、前記外部装置の制御を前記第1制御処理から前記第2制御処理に切り替える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、カラオケ装置において、第1OS(Operating System)に基づいて動作される第1制御処理と、第2OSに基づいて動作される第2制御処理間で互いに連携した処理を行うこととしている。このような構成により、第1OS、第2OSの得意な処理を考慮して、アプリを実装することで、カラオケ装置の性能の向上を図り、様々な機能が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態のカラオケシステムの構成を示す図
【
図2】本実施形態の制御部の機能を示す機能ブロック図
【
図3】本実施形態の制御部で実行される制御処理を示すフロー図
【
図4】他の実施形態の制御部の機能を示す機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本実施形態のカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダと呼ぶこともある)と、リモコン装置1とを含んで構成されている。カラオケ装置2とリモコン装置1とは、LAN100及びアクセスポイント130を介してネットワークを形成するように通信接続されている。
【0022】
カラオケボックス等の店舗に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏音再生部として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、カラオケ装置2を制御する制御部30を備える。制御部30は、映像を出力するモニタ41、楽曲の演奏を行う音響制御部25、そして、インターフェイス27に接続されている。制御部30の詳細については、後で詳しく説明する。
【0023】
制御部30には、インターフェイス27を介して各種構成が接続されている。操作部21は、ユーザからの各種入力を受け付けるユーザインターフェイスとして機能する。カラオケ装置2は、各種情報を記憶する記憶部としてのハードディスク32を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに接続する通信手段としてのLAN通信部24aを備えている。また、本実施形態のカラオケ装置2は、無線LAN通信部24bも備えており、LAN通信部24aを使用した有線によるネットワーク接続に代え、無線LAN通信部24bを使用した無線によるネットワーク接続を行うことも可能である。
【0024】
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されるモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対して各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は、制御部30で形成された映像を表示する表示部としての機能と、タッチ入力された位置を制御部30に伝達するユーザインターフェイスとしての機能を備えている。タッチパネルモニタ33は、カラオケ装置2の筐体前面等に配置され、カラオケ装置2の操作部21、あるいは、リモコン装置1のタッチパネルモニタ11等と同様、入力部として機能する。ユーザは、タッチパネルモニタ33にて楽曲を選択することで、直接カラオケ装置2に楽曲を予約する等、カラオケ装置2に対する各種操作を行うことが可能である。
【0025】
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲予約処理、及び楽曲再生処理等を実行可能としている。楽曲予約処理は、ユーザからの入力に基づいて楽曲を指定して予約するための処理であって、リモコン装置1と連携して実行される。リモコン装置1の選曲処理で形成された楽曲予約データは、カラオケ装置2に送信される。カラオケ装置2は、受信した楽曲予約データを予約リストに登録する。楽曲再生処理は、予約された楽曲を再生させる処理であって、演奏処理、歌詞表示処理、及び動画再生処理が同期して実行される処理である。
【0026】
演奏処理は、楽曲データに含まれる演奏音データに基づき、音響制御部25に演奏を実行させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、マイクロホン43a、43bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカー42から放音される。歌詞表示処理は、楽曲データに含まれる歌詞データに基づく歌詞映像をモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞表示処理で表示される歌詞映像に、背景映像を重畳させて表示させる動画再生処理を実行することとしてもよい。
【0027】
一方、リモコン装置1は、ユーザからの指示に基づいて楽曲を検索し、再生指示のあった楽曲について、楽曲予約データをカラオケ装置2に送信する選曲処理を実行可能としている。また、リモコン装置1は、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたサーバー装置5から各種情報を受信し、各種処理を実行することが可能である。本実施形態では、ユーザから各種指示を受け付けるユーザインターフェイスとして、操作部17と、タッチパネルモニタ11とを備えている。タッチパネルモニタ11は、表示部11aとタッチパネル11bとを有して構成され、表示部11aに各種情報を表示するとともに、ユーザからのタッチ入力を受付可能としている。
【0028】
さらにリモコン装置1は、選曲処理に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶する記憶部としてのメモリ14と、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御部を備えて構成される。リモコン側制御部には、CPU15、タッチパネルモニタ11に対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像の映像データを一時的に蓄えるビデオRAM12、及びタッチパネルモニタ11あるいは操作部17からの入力を解釈してCPU15に伝える操作処理部18が含まれている。
【0029】
リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント130と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種命令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信されることとなる。
【0030】
このようなリモコン装置1の構成により、ユーザからの各種入力をタッチパネルモニタ11、あるいは、操作部17から受付けるとともに、タッチパネルモニタ11の表示により各種情報を提供することで、カラオケ装置2に対して出力する楽曲予約データを送信する選曲処理等、各種処理を行うことが可能となっている。
【0031】
図2は、本実施形態の制御部30の機能を示す機能ブロック図である。本実施形態の制御部30は、第1OS(Operating System)30a、第2OS(Operating System)30bを含んで構成される。第1OSに基づいて実行される処理を第1制御処理、第2OSに基づいて実行される処理を第2制御処理と呼ぶ場合もある。
【0032】
第1OS30aと第2OS30bは、種類の異なるOS(Operating System)であって、例えば、第1OS30aには、従来のカラオケ装置2で使用してきたOSが使用される。このように第1OS30aに既存のOSを使用することで、既存の機能については、大幅な改変を行うことなく今までのリソースを使用することが可能である。一方、第2OSについては、映像処理の得意なOS、あるいは、新たな機能を扱うことのできるOSが使用される。このように、2つのOSを使用することで、それぞれのOSに得意な処理を分担させることが可能となり、カラオケ装置2の性能向上を図るとともに、カラオケ装置2の開発を容易に行うことも可能となる。
【0033】
制御部30の構成は、例えば、第1OS30aを実行する第1CPU、第2OS30bを実行する第2CPUというように、それぞれのOSを制御するCPUを分けることとしてもよい。その場合、第1CPU、第2CPUは、同じ基板上に搭載されても良いし、別の基板上に搭載されるものであってもよい。第1CPUと第2CPU間は、所定の通信プロトコル(通信規格)を使用して互いに通信を実行し、連携して処理を実行する。
【0034】
このような形態のみならず、第1OS30aと、第2OS30bは、同じ1つのCPUで実行されることとしてもよい。例えば、マルチコア化、あるいは、マルチスレッド化されたCPUにおいて、第1SO30aの第1制御処理と、第2SO30bの第2制御処理と、を同時に実行することが考えられる。
【0035】
本実施形態の第1OS30aは、主として、カラオケ装置2の全体管理機能B10、楽曲再生及びアプリに関する機能(B11~B15)、第2OSアプリ制御機能B16を有する。これら機能の他、第1OS30aは、映像出力機能B19、映像合成機能B18を備える。
【0036】
全体管理機能B10は、カラオケ装置2を統括して管理する機能に相当する。そのため、楽曲再生及びアプリに関する機能としての曲間管理機能B11、予約コンテンツ管理機能B12、カラオケ再生管理機能B13、即実行アプリ管理機能B14に対して各種指示を行う。
【0037】
まず、カラオケにおける楽曲再生時の動作について説明する。全体管理機能B10は、リモコン装置1のタッチパネルモニタ11、カラオケ装置2の操作部21等、各種ユーザインターフェイスの操作に伴って予約された楽曲を示す楽曲予約データを、予約コンテンツ管理機能B12で管理する予約リストに順次、記憶する。予約コンテンツ管理機能B12は、予約リストの楽曲予約データに基づき、カラオケ再生管理機能B13を介して、カラオケ再生機能B15により順次、楽曲を再生させる。カラオケ再生機能B15は、楽曲の演奏処理、採点処理(歌唱評価処理)を実行する。
【0038】
なお、本実施形態では、アプリの種別によっては、楽曲と同様に予約リストで管理することも可能となっている。各種ユーザインターフェイスの操作に伴ってアプリが予約された場合、予約コンテンツ管理機能B12は、予約されたアプリを示すアプリ予約データを予約リストに順次、記憶する。予約コンテンツ管理機能B12は、予約リストから楽曲予約データ、もしくは、アプリ予約データを順次、抽出する。楽曲予約データが抽出された場合は、カラオケ再生機能B15により楽曲の再生を行う。アプリ予約データが抽出された場合は、第2OSアプリ制御機能B16を介して、アプリ予約データで示されるアプリの起動指示を第2OS30bに送信する。
【0039】
アプリ予約データに基づく起動指示は、例えば、前に予約された楽曲の再生が終了したタイミング、あるいは、前に予約されたアプリが実行完了したタイミングで送信される。このとき、前に予約された楽曲の再生が終了したタイミングは、第1OS30aの演奏処理に基づき決定されればよい。前に予約されたアプリが実行完了したタイミングは、後述する第2OS30bのアプリ管理機能B21から送信される第1~第3アプリB22a~B22cの処理状況に基づき決定されればよい。また、アプリには、第2OS30bで実行されるアプリのみならず、第1OS30aで実行されるアプリが存在してもよい。
【0040】
このように、本実施形態のカラオケ装置2では、予約リストにおいて、楽曲予約データ、アプリ予約データの両方を取り扱うことで、楽曲の再生と、アプリによるゲーム等の処理とを順次、実行することが可能である。
【0041】
映像出力機能B19は、歌詞表示処理、動画再生処理を実行し、カラオケ再生管理機能B13で再生管理される楽曲に基づく歌詞映像、及び簡易な背景映像等を生成する。本実施形態では、映像出力機能B19で生成される映像と、第2OS30bの映像出力機能から送信される映像を、第1OS30aの映像合成機能B18で合成し、モニタ41に表示出力している。映像出力機能B19は、アプリを起動することを示すメッセージ映像等を生成してもよい。
【0042】
以上、楽曲再生時における第1OS30aの動作について説明したが、本実施形態では、楽曲再生時における採点処理において、第2OS30bに対し、採点の経過に伴う演出処理を行わせることとしている。本実施形態では、ユーザインターフェイスに対する採点指示操作に伴い、採点指示以降に予約された楽曲について採点処理を実行することとしている。そのため、カラオケ再生管理機能B13は、採点処理に伴う演出処理のため、第2OSアプリ制御機能B16を介して、第2OS30bに対して、採点処理に伴う演出処理に関する各種指示を実行する。
【0043】
また、本実施形態のカラオケ装置2は、通常の採点処理とは異なる即時採点処理も実行することが可能となっている。即時採点処理は、再生中の楽曲について、再生途中から採点指示を行う場合の処理である。ユーザインターフェイスに対して即時採点指示が行われた場合、即実行アプリ管理機能B14は、カラオケ再生機能B15から、採点処理に関する各種情報を出力させて、受信する。カラオケ再生機能B15では、採点処理が指示されていない場合であっても、内部的には採点処理を実行しているため、即時採点指示が行われた場合、楽曲の再生開始時からの採点処理に関する情報を出力することが可能となっている。また、即実行アプリ管理機能B14は、即時採点処理時の演出処理を第2OS30bで実行させるための指示を、第2OSアプリ制御機能B16を介して、第2OS30bに送信する。
【0044】
この他、楽曲再生に関する機能として、第1OS30aは、曲間管理機能B11を備えている。曲間管理機能B11は、カラオケ再生管理機能B13が検出する楽曲が再生されていない期間において、第2OSアプリ制御機能B16を介して、曲間アプリB22dの起動指示を第2OS30bに送信する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、第1OS30aは、楽曲再生及びアプリ管理に関する機能を備え、その機能に関する各種処理を実行する。一方、第2OS30bは、アプリを実行し、ゲーム処理、映像再生等、各種演出に関する処理を実行する。このように、本実施形態では、第2OS30bが得意とする映像再生機能を生かして演出等を行い、カラオケ装置2の性能の向上を図ることが可能となっている。また、第1OS30aと第2OS30b間において、処理の連携を適切に行うことが可能となっている。
【0046】
第2OS30bは、アプリ管理機能B21、各種処理を行う第1~第3アプリB22a~B22c、曲間アプリB22d、映像出力機能B23を備えて構成される。アプリ管理機能B21は、第1OS30aからの指示に従い、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dを起動する。また、第1OS30aから取得した各種情報を、起動中の第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dに送信することも可能である。そして、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dの処理状況を第1OS30aに送信することも可能となっている。
【0047】
第1~第3アプリB22a~B22cは、演出やゲーム等の各種処理を実行するアプリ(アプリケーションプログラム)である。本実施形態では、3個の第1~第3アプリB22a~B22cがインストールされた状況となっているが、必要とする機能、処理に応じたアプリをさらにサーバー装置5等からインストールすることが可能である。
【0048】
曲間アプリ22dは、楽曲が再生されていない期間において、第1OS30aから受信される起動指示に基づき起動される。曲間アプリB22dの処理は、例えば、広告映像やカラオケ店での飲食メニュー映像等の各種情報をモニタ41に表示することが考えられる。本実施形態では、曲間アプリB22dは第2OS30bに備えられるが、第1OS30aに備えられてもよい。
【0049】
映像出力機能B23は、第1~第3アプリB22a~B22c、曲間アプリB22dの処理に基づき映像を生成する。本実施形態での映像出力機能B23で生成される映像は、例えば高度な演出を伴う背景映像、アプリによるゲーム映像等である。本実施形態では、映像出力機能B23は、生成した映像を第1OS30aに送信する。送信された映像は、第1OS30aの映像合成機能B18で合成され、モニタ41に出力される。本実施形態のカラオケ装置2では、例えば、歌唱評価に基づく演出を伴う背景映像に、歌詞映像を重畳させた映像等を出力する。
【0050】
また、本実施形態の制御部30は、外部装置の制御機能も備えて構成されている。外部装置としては、例えば、カメラ43がこれに相当する。外部装置としては、この他、ギター等、外部楽器を接続し、音響効果を制御するする制御機器、あるいは、外部アンプ等、カラオケ装置2に接続され、制御部30によって制御可能な各種装置のことをいう。
【0051】
本実施形態のように第1OS30a、第2OS30bを使用する環境下では、両者による外部装置の制御が競合する状況が考えられる。そのため、本実施形態では、外部装置の制御を切り換える切替スイッチSWを設け、使用状況等によって、第2OSアプリ制御機能B16が切替スイッチSWを切り替え、第1OS30a、もしくは、第2OS30bによって外部装置を制御することとしている。なお、切替スイッチSWは、外部装置毎に設けることが可能であり、外部装置毎に、第1OS30aによる制御、あるいは、第2OS30bによる制御を切り替えることが可能である。
【0052】
切替スイッチSWの切り替え制御は、例えば、次のように行うことが考えられる。
(1)OS優先による制御
第2OS30bにおいて、外部装置を使用する第1~第3アプリB22a~B22cの何れかが起動した場合、切替スイッチSWを強制的に第2OS30b側に切り換える。
(2)アプリ優先による制御
アプリ優先においては、アプリにおいて優先順位を設けておき、起動したアプリについて、優先するアプリ側に外部装置を切り換える。例えば、外部装置を使用するアプリが第2OS30bで起動している状況において、それよりも優先順位の高いアプリが第1OS30aで起動した場合、切替スイッチSWは、第1OS30a側に切り換えられる。
(3)オプションデータによる制御
第1~第3アプリB22a~B22cの各アプリにおいて、外部装置を使用するか否かを示すオプションデータが設定されており、アプリの起動時にオプションデータを参照して、切替スイッチSWを切り換える。例えば、第1アプリB22aに「外部装置使用有」のオプションデータが設定されている場合、第2OS30bで第1アプリB22aを起動するときに、切替スイッチSWを第2OS30b側に切り換える。第1アプリB22aに「外部装置使用無」のオプションデータが設定されている場合は、切替スイッチSWを切り換えない。オプションデータは、例えば、「外部装置使用無」の場合は「0」、「外部装置使用有」の場合は「1」といったような二値データで表現されればよい。
【0053】
このように、本実施形態では、2つのOSによる制御下において、カラオケ装置2に接続された外部装置を適切に制御することが可能となっている。
【0054】
図3は、カラオケ装置2の制御部30で実行される制御処理を示すフロー図である。ここでは、第2OS30bにおいて、歌唱評価に基づく演出を行うアプリ(例えば、第1アプリB22a)を例に取り、その制御処理を説明する。
【0055】
まず、第2OS30bのアプリを起動させる起動処理が実行される。起動処理は、ユーザインターフェイスに対して行われた指示(歌唱評価処理の起動)等に伴って実行される。第1OS30aの第2OSアプリ制御機能B16は、第2OS30bに対して、アプリ起動指示を送信する(S201)。
【0056】
アプリ起動指示を受信した第2OS30aは、アプリ起動指示に対応するアプリ(例えば、歌唱評価に基づく演出を行う第1アプリB22a)を起動する(S101)。起動したアプリは、第1OS30aとの通信接続を開始(S102)し、正常に起動したことを示す通知を第1OS30aに送信する(S103)。
【0057】
起動処理が完了すると、制御部30は、再生前演出処理を開始する。本実施形態の再生前演出処理は、楽曲が予約された際に実行される処理であり、楽曲が予約されたことを示す各種情報(楽曲名、アーティスト名、予約したユーザ名等)がモニタ41に表示される処理である。なお、再生前演出処理のタイミングは、楽曲が予約された時点に代え、楽曲が予約された後、かつ楽曲の再生前のタイミングで適宜行われるものであってもよい。再生前演出処理は、ゲームアプリが実行される場合に、そのゲームの難易度等の事前情報が表示されてもよい。
【0058】
第1OS30aにおいて楽曲が予約されたことが検出される(S202)と、第2OSアプリ制御機能B16は、第2OS30bに対して、再生前演出開始通知を送信する(S203)。この再生前演出開始通知には、予約した楽曲に関連する再生前関連情報(楽曲名、アーティスト名、予約したユーザ名等)が含まれるものであってもよい。
【0059】
再生前演出開始通知を受信した第2OS30b側のアプリ管理機能B21は、再生前演出開始通知に含まれる再生前関連情報に基づき、第1アプリB22aより再生前演出処理を実行する(S104)。本実施形態における再生前演出処理(S104)は、第1アプリB22aによって実行される映像出力による演出であり、演出映像は映像出力機能B23によって、映像合成機能B18を介してモニタ41に表示出力される。
【0060】
再生前演出処理(S104)は、所定期間にわたって実行される処理であり、処理終了後、第1OS30aに対して終了通知を送信する(S105)。第1OS30aは、この終了通知を受信することで、第2OS30bにおける再生前演出処理の実行状況(この場合、処理の終了)を確認することが可能となり、例えば、再生前演出処理(S104)が終了するまでは、第1OS30aにおいて、他の処理を行わない、あるいは、保留する等の制御を行うことが可能となる。
【0061】
再生中処理は、楽曲の再生期間において実行される処理である。本実施形態では、歌唱評価処理に伴う再生中演出処理(S106)が第2OS30b側で実行される。楽曲再生中、第1OS30aは、楽曲再生に関連する再生関連情報を第2OS30bに送信する。再生関連情報は、楽曲再生中において所定時間ごとに送信されてもよいし、楽曲再生の進行に基づくタイミング(小節ごと、間奏やサビ突入時等)で送信されてもよい。第2OS30bの第1アプリB22aで実行される再生中演出処理(S106)は、受信した再生関連情報に基づき、映像形成による演出を実行し、映像出力機能B23によって当該映像を出力させる。
【0062】
第1OS30aにおいて、楽曲の再生が開始される(S204)と、第1OS30aは、再生中演出処理開始通知を第2OS30bに送信する(S205)。再生中演出処理開始通知を受信した第2OS30bは、再生中演出処理(S106)を開始する。本実施形態では、楽曲再生期間中、第1OS30aは、再生関連情報として、再生進捗状況(S206)、区間歌唱評価(S207)、間奏中通知(S208)を送信する。再生進捗状況は、再生開始からの再生時間、あるいは、全体の再生時間に対する現在の再生位置を示す情報である。再生中演出処理では、この再生進捗状況に基づく各種演出を行うことが可能である。例えば、再生位置が、序盤、中盤、終盤であるかによって異なる演出を行ってもよい。なお、再生関連情報として、再生開始からの再生時間を送信する場合であっても、再生開始直後等において、楽曲の再生時間長を送信しておくことで、序盤、中盤、終盤などの相対的な再生位置を判別することが可能である。
【0063】
区間歌唱評価は、第1OS30aで実行される歌唱評価処理について、所定区間毎の歌唱評価に関する情報であり、例えば、区間採点結果、あるいは、区間毎において歌唱技巧(ビブラート、しゃくり等)がどの程度行われたかを示す情報である。再生中演出処理(S106)では、この区間歌唱評価に基づき、区間毎の評価を映像で表現する(例えば、グラフによる可視化)ことが可能である。また、再生中演出処理は、区間採点結果が所定の基準を満たすか否かを判断し、演出を決定してもよい。例えば、ゲームアプリにおいて、区間採点結果が所定の基準を満たす場合には、敵キャラクターが倒れる演出が実行され、区間採点結果が所定の基準を満たさない場合には、自キャラクターにダメージが入る演出が実行されてもよい。
【0064】
間奏中通知は、間奏再生中に出力される情報であり、再生中演出処理では、間奏中通知を受信することで、間奏時における各種映像による演出を行う。
【0065】
このように、本実施形態の再生中演出処理(S106)では、第2OS30bは、第1OS30aから、楽曲再生期間中において再生関連情報を受信することで、再生関連情報に基づく各種演出を行うことが可能である。なお、本実施形態では、再生中演出処理(S106)は、映像による演出を行うこととしているが、演出としては映像のみならず、音響による演出を行うこととしてもよい。その場合、第2OS30bで形成された音響信号は、音響制御部25において他の音響信号とミキシングされスピーカー42に出力される。また、再生関連情報は、歌唱音声の音程や声量、歌詞等が含まれていてもよい。
【0066】
楽曲の再生が終了すると、再生後演出処理が開始される。第1OS30aは、楽曲の再生が終了する(S209:Yes)と、第2OS30bに対して再生後演出開始通知を送信する(S210)。本実施形態では、再生後演出開始通知に再生後関連情報を含ませている。本実施形態の再生後関連情報は、歌唱評価処理において算出された歌唱評価結果(歌唱評価点、技巧毎の評価レベル等)を含んでいる。
【0067】
再生後演出開始通知を受信した第2OS30bでは、再生後演出処理(S107)を実行する。本実施形態の再生後演出処理は、再生後関連情報に基づいて映像を形成する処理であり、再生後関連情報について閾値に基づくレベル分けを行い、各レベルにおいて異なる映像が出力される。
【0068】
ここで、第1OS30aでは、第2OS30bで実行される再生後演出処理(S107)の実行状況は分からないため、第2OS30bにおいて再生後演出処理(S107)の実行中に、第1OS30aで他の処理を実行した場合、処理が競合することが考えられる。そのため、第2OS30bは、再生後演出処理(S107)の実行が終了した場合、第1OS30aに対して終了通知(S108)を送信する。第1OS30aでは、終了通知を受信するまでの期間、他の処理、例えば、再生後演出処理(S107)と競合する可能性のある処理を中断、あるいは、保留の状態とする。そして、第1OS30aは、終了通知を受信する(S211:Yes)ことで、次に実行すべき他の処理を開始する。
【0069】
このように、本実施形態では、第2OS30bは、所定の処理(例えば、再生後演出処理(S107))の実行状況を第1OS30aに送信することで、両者OS間での処理の競合を避け、適切に連携して処理を行うことが可能となっている。なお、本実施形態では、実行状況として終了通知を送信することとしているが、この他、第2OS30bで実行されるアプリの状況を示す情報を送信することとし、第1OS30a側では、その状況に基づいて処理を行うものであってもよい。
【0070】
以上、本実施形態のカラオケ装置2について説明したが、本実施形態のカラオケ装置2では、制御部30は、第1OS30aに基づいて動作される第1制御処理、第2OS30bに基づいて動作される第2制御処理を行うことで、第1OS30a、第2OS30bにおいて得意な処理を分担させることが可能となり、カラオケ装置2の性能向上、そして、容易な開発を行うことが可能となっている。
【0071】
[第1変形例]
次にカラオケ装置2について、他の実施形態に係る各種変形例を説明する。
図4は、第1変形例について、制御部30の機能を示す機能ブロック図である。第1変形例は、
図2で説明した機能ブロック図と、第2OS30b内の機能において異なっている。なお、その他の機能については、
図2で説明した内容と同様である。
【0072】
第1変形例は、第1~第3アプリB22a~B21c、及び曲間アプリB22dの管理制御において、前述の実施形態と異なっている。前述の実施形態では、アプリ管理機能B21が直接、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dを管理制御しているが、第1変形例では、デフォルトアプリB20を介して制御する構成において異なっている。
【0073】
デフォルトアプリB20は、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dと同様のアプリケーションプログラムであって、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dが起動していない場合には、デフォルトアプリB20が起動する。例えば、第1アプリB22aが起動後、起動終了した場合には、デフォルトアプリB20が起動する。第2アプリB22b、第3アプリB22c、曲間アプリB22dについても同様であり、何れかの第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dが起動していない場合、デフォルトアプリB20が起動する。アプリ管理機能B21は、デフォルトアプリB20の起動状態を監視することで、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dの起動状態を確認することが可能となる。
【0074】
前述の実施形態では、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dは、起動終了時に終了通知をアプリ管理機能B21に対して通知する必要があった。それに対し、第1変形例では、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dは、終了通知をアプリ管理機能B21に対して通知する必要がなく、デフォルトアプリB20の起動状態を監視するのみでよい。また、例えば、第1アプリB22aが起動中、不具合により落ちた場合であっても、デフォルトアプリB20が起動することで、アプリの起動状態をアプリ管理機能B21、そして、第1OS30aに確実に通知することが可能となる。よって、カラオケ装置2をフリーズさせる等の不具合を生じさせることなく、カラオケ装置2全体の処理を円滑に行うことが可能となる。
【0075】
前述の第1変形例において、第1~第3アプリB22a~B22c、及び曲間アプリB22dは、デフォルトアプリB20で制御されているが、曲間アプリB22dは、アプリ管理機能B21、もしくは、第1OS30aの曲間管理機能B11で直接制御される構成でもよい。曲間アプリB22dは、制御、管理が必要な第1~第3アプリB22a~B22cと違い、広告の表示機能等といった簡易なアプリであることが多く、不具合が生じてもユーザに与える影響が低いことを理由としている。この場合、よりカラオケ装置2全体の処理を円滑に行うことが可能となる。
【0076】
[第2変形例]
前述の実施形態では、
図3で説明したように、第1OS30aは、第2OS30bに対してアプリ起動指示を送信する(S201)こととしていた。この場合、第2OS30bでは、どのような状態であるかに関わらず、起動指示を受信することになる。例えば、第2OS30bが別の処理を実行中であり、起動指示に基づいてアプリを起動できない状況も考えられる。
【0077】
そのため、第1OS30aは、アプリ起動指示を送信する(S201)前に、第2OS30bの状況を判断の上、アプリ起動指示を送信することとしてもよい。その場合、第1OS30aは、アプリ起動指示の前に第1OS30aとの間で通信を行い、第2OS30bからその状態に関する状態関連情報を受信する。そして、第1OS30aは、受信した状態関連情報に基づき、起動対象となるアプリが起動可能か否かを判断する判断処理を実行し、第2OS30bで起動可能と判断した場合、アプリ起動指示を第2OS30bに送信し、第2OS30b上でアプリを起動させる。
【0078】
このように、アプリ起動指示を送信する前に、第2OS30bの状況を取得し、判断することで、第2OS30bにおいて、確実にアプリを起動させることが可能となる。
【0079】
アプリの中には、第1OS30aで動作されるアプリも存在する。このようなアプリが予約された場合は、第2OS30bに対してアプリ起動指示を送信する必要はない。第1OS30aは、予約されたアプリが第1OS30aで動作されるアプリであるか、第2OS30bで動作されるアプリであるかを判断する構成でもよい。このとき、第2OS30bで動作されるアプリであると判断された場合に、アプリ起動指示を送信すればよい(S201)。
【0080】
このように、予約されたアプリが第1OS30aで動作されるアプリであるか、第2OS30bで動作されるアプリであるかを判断することで、各OSに応じたアプリを適切に動作させることができる。
【符号の説明】
【0081】
1:リモコン装置 33:タッチパネルモニタ
2:カラオケ装置 41:モニタ
5:サーバー装置 42:スピーカー
11:タッチパネルモニタ 43:カメラ
11a:表示部 43a:マイクロホン
11b:タッチパネル 43b:マイクロホン
12:ビデオRAM 130:アクセスポイント
13:映像制御部 B10:全体管理機能
14:メモリ B11:曲間管理機能
15:CPU B12:予約コンテンツ管理機能
16:無線LAN通信部 B13:カラオケ再生管理機能
17:操作部 B14:即実行アプリ管理機能
18:操作処理部 B15:カラオケ再生機能
21:操作部 B16:第2OSアプリ制御機能
24a:LAN通信部 B18:映像合成機能
24b:無線LAN通信部 B19:映像出力機能
25:音響制御部 B20:デフォルトアプリ
27:インターフェイス B21:アプリ管理機能
30:制御部 B22a~B22c:第1~第3アプリ
30a:第1OS B22d:曲間アプリ
30b:第2OS B23:映像出力機能
32:ハードディスク SW:切替スイッチ