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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】配管用装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/027 20060101AFI20250617BHJP
   B08B 9/032 20060101ALI20250617BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20250617BHJP
   G01N 21/954 20060101ALI20250617BHJP
   F16L 101/30 20060101ALN20250617BHJP
【FI】
B08B9/027
B08B9/032 321
B08B3/02 F
G01N21/954 A
F16L101:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021102793
(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公開番号】P2023001819
(43)【公開日】2023-01-06
【審査請求日】2024-05-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 令和3年6月21日 ウェブサイトの代表URL https://koeidreamworks.jp/
(73)【特許権者】
【識別番号】521195043
【氏名又は名称】株式会社弘栄ドリームワークス
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】船橋 吾一
(72)【発明者】
【氏名】菅原 康弘
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 勝義
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-131791(JP,A)
【文献】特開平11-114513(JP,A)
【文献】特開2002-018618(JP,A)
【文献】特開2019-188371(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187588(JP,U)
【文献】特開2013-213732(JP,A)
【文献】米国特許第06686950(US,B1)
【文献】特表2001-515787(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1867006(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/00- 9/46
B08B 3/00- 3/14
F16L101/30
G01N 21/954
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内を当該配管に沿って移動し、当該配管の内面に噴射物を噴射する噴射部と、
前記噴射部とともに前記配管内を移動し、当該配管内の映像を取得する映像取得部と、
前記映像取得部に接続され、前記配管に沿って延びる電線と、
前記映像取得部に接続され、前記電線が向かう方向に向かって延び、当該映像取得部を支持する支持部と、
を備え
前記電線が、前記映像取得部の径方向における中央部に接続され、
前記支持部が、前記映像取得部のうちの、前記中央部から外れた箇所に接続され、
前記映像取得部は、前記電線および前記支持部が延びる方向とは反対方向に向かって移動し、
前記映像取得部の後端であって、前記中央部を挟み前記外れた箇所とは反対側に位置する部分には、当該映像取得部の移動方向における上流側に向かうに従い当該中央部側に近づく傾斜面が設けられ、
前記映像取得部の径方向における前記中央部から前記上流側に向かって延びる前記電線よりも、前記傾斜面が設けられている側には、前記支持部が設けられておらず、
前記傾斜面が設けられている側に前記支持部が設けられてないことによって、前記中央部から前記上流側に向かって延びる前記電線が、当該傾斜面が設けられている側に向かって凸となりやすくなっている、
配管用装置。
【請求項2】
前記映像取得部により映像が取得される領域に光を照射する光源をさらに備え、
前記映像取得部は、当該映像取得部の移動方向における下流側に下流側端部を有し、
前記映像取得部の移動方向における位置を比べた場合に、当該映像取得部の前記下流側端部よりも前記光源の方が上流側に位置する請求項1に記載の配管用装置。
【請求項3】
前記映像取得部の移動方向における位置を比べた場合に、当該映像取得部よりも前記噴射部の方が上流側に位置する請求項1に記載の配管用装置。
【請求項4】
ねじによって、前記映像取得部に対し、前記支持部の着脱を行えるようになっている請求項に記載の配管用装置。
【請求項5】
前記電線および前記支持部の外側に、当該電線および当該支持部を覆い、前記配管の内面に対して当該電線および当該支持部が直接接触する場合に比べて、当該電線および当該支持部と当該内面との滑りをよくする覆い部材が設けられている請求項に記載の配管用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高圧洗浄流体を供給する洗浄用ホースの先端から、管の内周面に対して、高圧洗浄流体の噴射を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-117015公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配管の清掃に際し、配管の内面に対して液体などの噴射物を噴射することがある。また、この噴射の後や前に、配管の内部の映像を取得して配管の内部の確認を行うことがある。
これらの作業を、噴射物を噴射する噴射装置と、映像を取得する取得装置とをそれぞれ用いて行う場合、例えば、噴射装置を用いて噴射物の噴射を行った後に、この噴射装置を配管から外し、次いで、取得装置による映像の取得を行うことになる。この場合、作業に手間を要しやすい。
本発明の目的は、配管についての作業の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される配管用装置は、配管内を当該配管に沿って移動し、当該配管の内面に噴射物を噴射する噴射部と、前記噴射部とともに前記配管内を移動し、当該配管内の映像を取得する映像取得部と、を備える配管用装置である。
ここで、前記映像取得部に接続され、前記配管に沿って延びる電線と、前記映像取得部に接続され、前記電線が向かう方向に向かって延び、当該映像取得部を支持する支持部と、をさらに備え、前記電線および前記支持部の一方が、前記映像取得部の径方向における中央部に接続され、他方が、当該中央部から外れた箇所に接続されているようにしてもよい。
また、前記電線が、前記映像取得部の径方向における中央部に接続され、前記支持部が、前記外れた箇所に接続されているようにしてもよい。
また、前記映像取得部は、前記電線および前記支持部が延びる方向とは反対方向に向かって移動し、前記映像取得部の後端であって、前記中央部を挟み前記外れた箇所とは反対側に位置する部分には、当該映像取得部の移動方向における上流側に向かうに従い当該中央部側に近づく傾斜面が設けられているようにしてもよい。
また、前記映像取得部により映像が取得される領域に光を照射する光源をさらに備え、前記映像取得部は、当該映像取得部の移動方向における下流側に下流側端部を有し、前記映像取得部の移動方向における位置を比べた場合に、当該映像取得部の前記下流側端部よりも前記光源の方が上流側に位置するようにしてもよい。
また、前記映像取得部の移動方向における位置を比べた場合に、当該映像取得部よりも前記噴射部の方が上流側に位置するようにしてもよい。
また、ねじによって、前記映像取得部に対し、前記支持部の着脱を行えるようになっているようにしてもよい。
また、前記電線および前記支持部の外側に、当該電線および当該支持部を覆い、前記配管の内面に対して当該電線および当該支持部が直接接触する場合に比べて、当該電線および当該支持部と当該内面との滑りをよくする覆い部材が設けられているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配管についての作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】配管用装置の全体構成を示した図である。
図2図1の符号IIで示す部分の断面図である。
図3】映像取得部、支持部、電線の拡大図である。
図4】映像取得部等の他の構成例を示した図である。
図5】映像取得部等の他の構成例を示した図である。
図6】(A)、(B)は、配管内における配管用装置の状態を示した図である。
図7】映像取得部の斜視図である。
図8図7の矢印VIIIで示す方向から映像取得部を見た場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる配管用装置1の全体構成を示した図である。
本実施形態の配管用装置1には、配管190内をこの配管190に沿って移動し、この配管190の内面190Aに噴射物の一例としての液体を噴射する液体噴射部100が設けられている。
また、この配管用装置1の先端には、液体噴射部100とともに配管190内を移動し、配管190内の映像を取得する映像取得部200が設けられている。
【0009】
配管190としては、特に制限されず、例えば、上水用の配管や下水用の配管が挙げられる。また、配管190としては、工場や発電所などの設備の一部として設置された配管なども一例として挙げられる。また、配管190には、流体を通すための配管に限られず、気体を通るための配管も含まれる。
本実施形態では、配管190の内面190Aに液体が噴射され、配管190の内面190Aに付着した付着物が、この配管190から除去される。
さらに、本実施形態では、映像取得部200が設けられ、作業者は、配管190の内部の状況を確認しながら、この配管190の内面190Aへの液体の噴射を行える。
【0010】
ここで、液体噴射部100と映像取得部200とが互いに異なる装置に設けられていると、作業者は、配管190の内面190Aへの液体の噴射と、配管190の内部の確認とを個別に行う必要がある。また、液体噴射部100と映像取得部200とが互いに異なる装置に設けられていると、配管190の洗浄時にどの位置にいるかわからず、洗浄の効果も確認できないので、再洗浄を行う場合もあった。
これに対して、本実施形態では、作業者は、配管190の内部の状況と、配管190上のカメラ(映像取得部200)の位置を確認しながら、この配管190の内面190Aへの液体の噴射を行える。
言い換えると、本実施形態では、1つの配管用装置1によって、配管190の内面190Aへの液体の噴射と、配管190の内部の確認とを行える。
また、既存のファイバースコープでは、一般的に4つの曲がり部程度しか曲がれなく、洗浄状態を全て確認できないケースもあった。これに対し、本実施形態では、より多くの曲がり部を通過できる。
本実施形態の配管用装置1では、配管についての作業の効率化と質の向上を図ることができる。
【0011】
また、本実施形態では、映像取得部200に接続され、配管190に沿って延びる電線400が設けられている。
電線400は、複数本の金属線であって各々被覆された複数の金属線が束ねられたものとなっている。
電線400は、映像取得部200への給電、光源800(詳細は後述)への給電に用いられる。また、この電線400は、映像取得部200により取得された映像の出力に用いられる。
【0012】
さらに、本実施形態では、映像取得部200に接続され、電線400が向かう方向と同じ方向である図中右方向に向かって延びる支持部500が設けられている。支持部500は、映像取得部200を支持する。支持部500は、金属製である。
また、本実施形態では、液体噴射部100への液体の供給に用いられる液体供給管600が設けられている。
【0013】
支持部500は、映像取得部200と液体供給管600との間に設けられている。支持部500は、その一端501が映像取得部200に接続され、その他端502が、液体供給管600に接続されている。
本実施形態では、支持部500および液体供給管600が、電線400よりも重く、これにより、支持部500および液体供給管600が、電線400よりも下方に位置しやすい。この場合、支持部500、液体供給管600の重さが、電線400の重さに近い場合や、電線400の重さよりも小さい場合に比べ、映像取得部200の位置が安定化する。
【0014】
電線400および支持部500の外側には、この電線400および支持部500を束ねるための部材950が設けられている。この束ねるための部材950は、例えば、伸縮性を有するネットにより構成される。
本実施形態では、この束ねるための部材950が、電線400および支持部500を外側から押さえる形となり、電線400および支持部500が束ねられた状態となる。なお、束ねるための部材950は、結束バンドなど、他の部材を用いてもよい。
【0015】
映像取得部200は、電線400および支持部500が延びる方向とは反対方向に向かって移動する。具体的には、映像取得部200は、図中、左方向に向かって移動する。
図1では、映像取得部200を始点とした場合に、電線400および支持部500は、図中、右方向に向かって延びている。
これに対し、映像取得部200は、図中、左方向に向かって移動する。本実施形態では、図中、左方向が、映像取得部200の移動方向となっている。
【0016】
本明細書において、映像取得部200の「移動方向」とは、配管190の開口190Eから配管190の奥側方向に映像取得部200が移動する際にこの映像取得部200が移動する方向を言う。
言い換えると、映像取得部200の「移動方向」とは、映像取得部200が最初に入れられる、配管190の開口190Eから、配管190の奥側方向に向かって映像取得部200が移動する際の、映像取得部200の移動方向を言う。
映像取得部200は、映像取得部200が配管190から取り出される際にも移動するが、この際の移動方向は、本明細書における「移動方向」とは反対の方向となる。
【0017】
また、本実施形態では、図1に示すように、電線400、PC(Personal Computer)720、電源710などが接続されるインタフェース装置700がさらに設けられている。
本実施形態では、このインタフェース装置700を介して、電源710から電線400への給電が行われる。また、本実施形態では、このインタフェース装置700を介して、電源710からPC720への給電が行われる。
【0018】
また、映像取得部200により取得された映像は、このインタフェース装置700を介してPC720へ送信される。これにより、PC720にて、映像取得部200が取得した映像の確認を行える。
また、インタフェース装置700には、作業者の操作を受け付ける受付部(不図示)が設けられ、作業者は、この受付部に対する操作を行うことで、光源800の出力の変更などを行う。
【0019】
図2は、図1の符号IIで示す部分の断面図である。
本実施形態では、液体供給管600の先端に、液体噴射部100が設けられている。
本実施形態では、映像取得部200の移動方向における位置を比べた場合に、映像取得部200(図1参照)よりも液体噴射部100の方が上流側に位置する。
本実施形態では、液体供給管600に対して上流側から水が供給され、液体噴射部100から、噴射物の一例としての水が噴射される。
本実施形態では、噴射物として液体を用いる場合を一例に説明する。具体的には、本実施形態では、液体として、水を用いる場合を一例に説明する。但し、液体は、水に限られず、薬液などであってもよい。
また、噴射物は、液体に限らず、気体や、粉体であってもよい。噴射物として、粉体を用いる場合は、粉体を収容したタンクを追加で設け、このタンクから粉体を供給するようにする。また、その他に、タンクに、液体や気体を収容し、このタンクから、液体や気体を供給してもよい。
【0020】
本実施形態では、液体噴射部100から、映像取得部200の移動方向における上流側に向かって且つ配管190(図1参照)の内面190Aに向かって液体が噴射される。
言い換えると、図2に示すこの例では、図中右上方向および右下方向に向かって液体が噴射される。
本実施形態のように、液体噴射部100から、映像取得部200の移動方向における上流側に向かって液体が噴射される場合、映像取得部200を移動方向下流側に向けて付勢する付勢力が映像取得部200に作用する。これにより、映像取得部200が、下流側に向かって移動する。
また、本実施形態のように、映像取得部200を移動方向下流側に向けて付勢する付勢力が映像取得部200に作用すると、推進力が作用し、既存のファイバースコープに比べ、配管190のより奥まで、映像取得部200を移動させることができる。
【0021】
また、本実施形態では、液体噴射部100から、配管190(図1参照)の内面190Aに対して液体が噴射される。これにより、配管190の内面190Aの清掃が行われる。
なお、液体の噴射方向は、図2に示す方向に限らず、例えば、映像取得部200の移動方向と直交する方向としてもよい。言い換えると、液体の噴射方向は、液体供給管600の径方向であって外側に向かう方向としてもよい。
【0022】
液体の噴射方向が、映像取得部200の移動方向と直交する方向である場合、上記の付勢力が映像取得部200に作用しない。
この場合は、作業者が、液体供給管600を配管190の奥側方向に向けて押圧して、映像取得部200を移動方向における下流側へ移動させる。
また、上記の付勢力が映像取得部200に作用する場合であっても、作業者は、必要に応じて、液体供給管600を配管190の奥側方向に向けて押圧し、映像取得部200を移動方向における下流側へ移動させる。
【0023】
支持部500は、複数の可動部材510が連結されることにより構成されている。
可動部材510の各々は、映像取得部200の移動方向における下流側に、球状の突出部513を有する。また、可動部材510の各々は、映像取得部200の移動方向における上流側に、移動方向における下流側に向かって凹む凹部515を有する。
本実施形態では、可動部材510の凹部515に対して、この可動部材510よりも1つ上流側に位置する可動部材510の突出部513が入り込んでいる。
また、本実施形態では、凹部515の開口縁517が内側に折り曲げられ、凹部515からの突出部513の離脱が生じないようになっている。
【0024】
本実施形態では、可動部材510の各々は、自身よりも1つ右側に位置する他の可動部材510が有する突出部513を中心として揺動する。
これにより、本実施形態では、破線2Xで示すように、支持部500の湾曲が可能となる。
本実施形態では、支持部500が湾曲することで、映像取得部200(図1参照)の向きが変更される。これにより、本実施形態では、エルボなどの配管190の曲がり部を、配管用装置1の先端部が通過しやすくなる。
【0025】
なお、本実施形態では、可動部材510の突出部513を中心として、この可動部材510の隣に位置する他の可動部材510が揺動する構成であるが、可動部材510の揺動は、他の方式により行われるようにしてもよい。
例えば、可動部材510の怪方向に沿って設けられたピンによって、一の可動部材510と、この一の可動部材510の隣に位置する他の可動部材510とを連結し、このピンを回転中心として、可動部材510が揺動するようにしてもよい。
また、図2にて示した支持部500は、一例であり、映像取得部200の支持を行いつつ映像取得部200の向きを変更可能なものであれば、他の公知の構成を用いてもよい。具体的には、他の公知の構成として、例えば、支持部500をコイル状の部材により構成してもよい。
【0026】
図3は、映像取得部200、支持部500、電線400の拡大図である。この図では、映像取得部200の一部を断面で表示している。
図3に示すように、本実施形態では、電線400が、映像取得部200の径方向における中央部Cに接続されている。また、本実施形態では、支持部500が、映像取得部200の径方向における中央部Cから外れた箇所に接続されている。
これにより、本実施形態では、符号3Xで示すように、映像取得部200の後端(映像取得部200の移動方向における上流側に位置する端部)に、大きい面積を有する傾斜面205(傾斜部)を設けることができるようになる(詳細は後述)。
【0027】
また、本実施形態では、映像取得部200に対する支持部500の着脱を行えるようになっている。
具体的には、本実施形態では、支持部500の一端501の外周面に、雄ねじが設けられ、映像取得部200には、内周面に雌ねじが形成されたねじ穴200Xが設けられている。
本実施形態では、この雄ねじおよび雌ねじによって、映像取得部200に対する支持部500の着脱を行えるようになっている。
これにより、本実施形態では、既存の高圧洗浄ホースに簡易な追加工を施すことにより、本実施形態の構成を容易に実現できる。
【0028】
より具体的には、本実施形態では、映像取得部200に対して、熱溶着によってインサートナット213が固定されている。
本実施形態では、このインサートナット213の内周面に形成された雌ねじと、支持部500に形成された雄ねじとによって、映像取得部200に対して支持部500が固定されている。
【0029】
なお、例えば符号3Hで示す箇所にて、支持部500に対して電線400を固定してもよい。これにより、映像取得部200から電線400が外れるなどの不具合が生じにくくなる。
より具体的は、例えば、符号3Kで示す方向へ電線400を引っ張る荷重が電線400に作用したとしても、この荷重が、映像取得部200と電線400との接続部に作用しにくくなり、映像取得部200から電線400が外れるなどの不具合が生じにくくなる。
【0030】
具体的には、例えば、結束バンドで、電線400および支持部500の両者を縛ることで、支持部500に対する電線400の固定を行う。なお、これに限らず、支持部500に対する電線400の固定は、他の公知の構成により行ってもよい。
また、結束バンドを用いる場合は、上記の束ねるための部材950(図1参照)よりも外側に、結束バンドを設け、この束ねるための部材950の外側から、電線400および支持部500の両者を縛ってもよい。
更に、摩擦抵抗低減のために、この上からナイロン製チューブなどで覆い、両端を熱収縮チューブなどで止めても良い。
この覆い部材を最外層に設け(電線400および支持部500の外側に覆い部材を設け)、電線400および支持部500をこの覆い部材で覆うと、配管190の内面190Aに対して電線400および支持部500が直接接触する場合に比べて、電線400および支持部500と内面190Aとの滑りがよくなる。
【0031】
本実施形態では、上記の通り、支持部500が、映像取得部200の径方向における中央部Cから外れた箇所に接続されている。
また、本実施形態では、傾斜面205は、映像取得部200の径方向における中央部Cを挟みこの外れた箇所とは反対側に位置する。
【0032】
本実施形態では、映像取得部200の径方向における中央部Cから外れた箇所に、映像取得部200と支持部500との接続箇所900が位置する。
本実施形態では、映像取得部200の後端であって、中央部Cを挟みこの接続箇所900が位置する側とは反対側に、傾斜面205が位置する。
さらに説明すると、本実施形態では、電線400を挟んで相対する2つの領域R1、R2のうちの、支持部500が位置する領域R2とは反対側に位置する領域R1に、傾斜面205が位置する。
【0033】
傾斜面205は、映像取得部200の移動方向における上流側に向かうに従い映像取得部200の中央部C側に近づくように形成されている。
また、この傾斜面205は、略円柱状の形成された映像取得部200の外周面201と、映像取得部200の後端側に位置する端面203とを接続するように形成されている。
【0034】
また、傾斜面205は、映像取得部200の移動方向に対して傾く形で設けられ、また、傾斜面205は、映像取得部200の径方向に対して傾く形で設けられている。
また、本実施形態では、略円柱状の形成された映像取得部200の後端側に位置する角部211に対して面取りが施された形となっており、この面取りによって、映像取得部200の後端側に、傾斜面205が設けられている。
【0035】
本実施形態では、配管190に設けられたエルボなどの曲がり部190Xにおいて、映像取得部200が、図中矢印3Aに向かって移動しようとする場合がある。
この場合、上記の傾斜面205が設けられていると、傾斜面205が設けられていない場合に比べ、映像取得部200が円滑に移動する。
より具体的には、上記の後端の部分であって支持部500が設けられている側とは反対側に、傾斜面205が設けられていると、映像取得部200が曲がり部190Xを通過する際に、映像取得部200の後端側の角部と、配管190の内面190Aとの干渉が生じにくくなり、映像取得部200が円滑に移動する。
【0036】
ここで、例えば、図4(映像取得部200等の他の構成例を示した図)に示すように、電線400および支持部500の両方が、映像取得部200の径方向における中央部Cから外れて設けられている態様を想定する。
この場合、上記の傾斜面205を確保しにくくなり、この結果、映像取得部200と、配管190の内面190Aとの干渉が生じやすくなる。
これに対し、電線400および支持部500の一方を、映像取得部200の中央部Cに接続すると、傾斜面205を確保しやすくなり、配管190の曲がり部190Xにおいて、映像取得部200がより円滑に移動する。
【0037】
なお、傾斜面205を確保するという観点からは、支持部500を、映像取得部200の中央部Cに接続し、電線400を、映像取得部200の径方向における中央部Cから外れた箇所に接続してもよい。
即ち、傾斜面205を確保するという観点からは、電線400および支持部500の一方を、映像取得部200の径方向における中央部Cに接続し、他方を、中央部Cから外れた箇所に接続すればよい。
【0038】
なお、より好ましい態様は、図3にて示したように、電線400が、映像取得部200の中央部Cに接続され、支持部500が、映像取得部200の径方向における中央部Cから外れた箇所に接続された態様である。
ここで、例えば、図5(映像取得部200等の他の構成例を示した図)に示すように、支持部500が、映像取得部200の径方向における中央部Cに接続され、電線400が、映像取得部200の中央部Cから外れた箇所に接続された態様を想定する。
この態様では、図5の矢印5Aで示す方向への映像取得部200の移動が起きにくくなる。言い換えると、映像取得部200が図中下方向を向くように、映像取得部200の向きが変化することが起きにくくなる。
【0039】
図5に示す態様では、逆に、図5の矢印5Bで示す方向への映像取得部200の移動が起きやすくなる。言い換えると、映像取得部200が図中上方向を向くように、映像取得部200の向きが変化することが起きやすくなる。
この場合(矢印5Bで示す方向へ映像取得部200が移動する場合)、映像取得部200のうちの符号5Cで示す角部200Zが、配管190(図5では不図示)の曲がり部にて配管190に引っかかりやすくなる。
また、この場合、傾斜面205が設けられているにも関わらず、この傾斜面205が内側に位置し、傾斜面205が活用されないようになる。
【0040】
ここで、図5に示すように、支持部500が、映像取得部200の径方向における中央部Cに接続され、電線400が、映像取得部200の中央部Cから外れた箇所に接続された態様では、電線400が上側に向かって凸となりにくい。具体的には、電線400が破線5Eで示す形状になりにくい。
より具体的には、この場合、支持部500および電線400の両者が、上側に向かって凸となり両者に曲率が付与されるようになる状況となると、曲率の中心に近い側に位置する電線400の曲がりが、曲率の中心から離れた側に位置する支持部500によって規制されやすくなる。
この場合、上記の通り、映像取得部200が図中下方向を向くように、映像取得部200の向きが変化することが起きにくくなる。
【0041】
図5に示す態様では、支持部500および電線400の両者が下側に向かって凸となる状況となると、支持部500による電線400の曲がりの規制がなされない。
具体的には、支持部500および電線400の両者が下側に向かって凸となり両者に曲率が付与されるようになる状況となると、電線400の外側には、電線400の膨らみを規制しようとする支持部500が存在せず、電線400の曲がりが支持部500によって規制されることが起きない。
この結果、図5に示す態様では、上記の通り、映像取得部200が図中上方向を向くように、映像取得部200の向きが変化することが生じやすくなる。
この場合、上記の通り、映像取得部200のうちの符号5Cで示す角部200Zが、配管190の曲がり部にて配管190に引っ掛かる事態が生じやすい。また、この場合、傾斜面205が設けられているにも関わらず、この傾斜面205が活用されない。
【0042】
これに対し、図3に示したように、映像取得部200の径方向における中央部Cに電線400が位置し、中央部Cから外れた箇所に支持部500が位置する場合、図中上側に向かって、電線400が膨らみやすい。この場合、映像取得部200が図中下方向を向くように、映像取得部200の向きが変化することが生じやすくなる。
言い換えると、この場合、支持部500が位置する側に向かって映像取得部200が向くことが生じやすくなる。
そして、この際、傾斜面205が役立つようになり、配管190の曲がり部190Xを、映像取得部200が通過しやすくなる。
【0043】
図6(A)、(B)は、配管190内における配管用装置1の状態を示した図である。なお、図6(A)、(B)では、図3とは異なり、配管190が図中上側に向かって曲がっている。
本実施形態では、図6(A)に示すように、映像取得部200が、配管190の曲がり部190Xに達した場合、作業者は、配管用装置1の状態を、例えば、図6(A)に示す状態から、図6(B)に示す状態とする。
作業者は、PC720(図1参照)の画面を介し、映像取得部200の先の状況を見ており、映像取得部200が、配管190の曲がり部190Xに達した場合、作業者は、配管用装置1の状態を、図6(A)に示す状態から、図6(B)に示す状態とする。
【0044】
具体的には、図6(A)に示すように、これから曲がろうとする方向側とは反対側に、支持部500が位置する状態にある場合、作業者は、液体供給管600(図1参照)を周方向に回転させて、図6(B)に示すように、曲がろうとする側に、支持部500が位置するようにする。
これにより、映像取得部200が曲がり部190Xを通過しやすくなる。
具体的には、上記の通り、本実施形態では、支持部500が位置する側に映像取得部200が向きやすくなっている。このため、上記のように、液体供給管600を周方向に回転させて、曲がろうとする側に、支持部500を位置させると、曲がり部190Xを、映像取得部200が通過しやすくなる。
【0045】
図7は、映像取得部200の斜視図である。
本実施形態では、映像取得部200に、レンズ207が設けられている。このレンズ207は、広角レンズとなっている。本実施形態では、このレンズ207の画角は、170°となっている。なお、レンズ207の画角は、150°~200°とすることが好ましい。
レンズ207が広角レンズであると、レンズ207が広角レンズでない場合に比べ、配管190(図1参照)の内面190Aの映像を取得しやすくなる。
【0046】
また、本実施形態では、図示は省略するが、映像取得部200の内部に、レンズ207により集光された光を受光する受光部が設けられている。
この受光部は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの既存の光電変換デバイスにより構成される。
【0047】
また、本実施形態では、2つの光源800が設けられている。
本実施形態では、この光源800によって、映像取得部200により映像が取得される領域に光が照射される。
具体的には、本実施形態では、映像取得部200は、映像取得部200の移動方向における下流側における映像を取得する。光源800は、映像取得部200のこの移動方向における下流側に向けて光を照射する。
【0048】
光源800は、光を出射するものであれば、その種類は特に問わない。本実施形態の光源800は、LED(Light Emitting Diode)により構成されている。
また、光源800の数も制限されない。本実施形態では、光源800の設置数が2となっているが、光源800の設置数は、1であってもよいし、3以上であってもよい。
【0049】
より好ましくは、映像取得部200の外径が大きくなるのに従い設置数を増やすとよい。
例えば、直径40mmの配管190に用いる映像取得部200では、光源800の設置数を、例えば2とする。
また、例えば、直径75mmの配管190に用いる映像取得部200であって、直径40mmの配管190に用いる映像取得部200よりも外径が大きい映像取得部200では、光源800の設置数を、例えば4とする。
【0050】
図8は、図7の矢印VIIIで示す方向から映像取得部200を見た場合の図である。なお、図8では、映像取得部200の断面の状態を示している。
映像取得部200は、映像取得部200の移動方向における下流側に、下流側端部209を有する。
本実施形態では、映像取得部200の移動方向における位置を比べた場合に、映像取得部200のこの下流側端部209よりも光源800の方が上流側に位置する。
【0051】
これにより、本実施形態では、光源800の位置と、映像取得部200の下流側端部209の位置とが揃っている場合に比べ、映像取得部200の先端における外径が小さくなる。
映像取得部200の先端における外径が小さいと、映像取得部200が配管190内を移動する際に、配管190に対して、映像取得部200が引っ掛かりにくくなる。
【0052】
図8は、映像取得部200の径方向における中央部C(図7参照)を挟み、支持部500が設けられている側とは反対側から映像取得部200を見た場合の状態を示している。
支持部500が設けられている側とは反対側から映像取得部200を見た場合、本実施形態では、図8に示すように、映像取得部200の後端に、上記と同様、傾斜面205が設けられている。
この傾斜面205は、電線400を挟んで相対する2つの領域R3、R4の各々に設けられている。また、この傾斜面205は、上記と同様、映像取得部200の移動方向における上流側に向かうに従い、映像取得部200の径方向における中央部C(図7参照)に接近する。
【符号の説明】
【0053】
1…配管用装置、100…液体噴射部、190…配管、190A…内面、200…映像取得部、205…傾斜面、209…下流側端部、400…電線、500…支持部、800…光源、C…中央部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8