(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】紫外線光遮蔽システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20250617BHJP
B64D 11/06 20060101ALI20250617BHJP
B64D 47/02 20060101ALI20250617BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20250617BHJP
【FI】
A61L2/10
B64D11/06
B64D47/02
A61L9/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021102867
(22)【出願日】2021-06-22
【審査請求日】2024-06-19
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャイルドレス, ジェイミー ジェー.
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0030195(US,A1)
【文献】特許第6669845(JP,B1)
【文献】国際公開第2021/257148(WO,A1)
【文献】米国特許第08733356(US,B1)
【文献】特開2019-030635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0255201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
B64D 11/06
B64D 47/02
A61L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線(UV)光遮蔽システム(100)であって、
輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けられた複数のUVランプ(124)であって、前記内部キャビン(122)内に配置された乗客席(110)の側部(118、120)に沿って延在する照射野(128)内にUV光を発するように配置された複数のUVランプ(124)を備え、2つの隣接する照射野(128)が、前記乗客席(110)のうちの1つに座っている乗客(140)用の保護ゾーン(130)を画定するように間隔を空けられ、
前記2つの隣接する照射野(128)を提供する2つのUVランプ(124)のうちの
少なくとも1つのUVランプが、前記乗客(140)によって占有されている1つの乗客席(154)の前の乗客席(154)の後部(152)に取り付けられている、UV光遮蔽システム(100)。
【請求項2】
前記2つの隣接する照射野(128)を提供する前記2つのUVランプ(124)のうちの1つが、1つの前記乗客席(110)のインボード側(118)又はアウトボード側(120)の又はそれらの近傍の、前記1つの乗客席(110)の背もたれ(114)の前部(126)に取り付けられる、請求項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項3】
前記2つの隣接する照射野(128)を提供する前記2つのUVランプ(124)が、前記乗客(140)によって占有されている前記1つの乗客席(154)の前の乗客席(154)の後部(152)に取り付けられている、請求項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項4】
前記2つの隣接する照射野(128)を提供する前記2つのUVランプ(124)は、前記乗客席(110)内の配線に電気的に接続される、請求項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項5】
前記2つの隣接する照射野(128)は、前記乗客(140)の上半身及び頭部と整列する、請求項1から4のいずれか一項に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項6】
前記複数のUVランプ(124)は、人体組織にとって安全な指定された波長又は狭い波長の範囲の前記UV光を発するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項7】
前記指定された波長は222nmである、請求項
6に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項8】
制御ユニット(170)及びセンサ(178)を更に備え、前記制御ユニット(170)は、1以上のプロセッサ(182)を含み、前記複数のUVランプ(124)及び前記センサ(178)と動作可能に接続され、前記センサ(178)は、前記乗客席(110)をモニタするように構成され、前記制御ユニット(170)は、前記センサ(178)から受信されたセンサ信号に基づいて、前記乗客席(110)の占有の有無を判定するように構成され、1つの前記乗客席(110)内の前記乗客(140)が、少なくとも閾値時間にわたり前記1つの乗客席(110)を占めていないと判定したことに応じて、前記制御ユニット(170)は、前記2つの
隣接する照射野(128)を提供する前記
2つのUVランプ(124)のうちの少なくとも一方の出力設定を低減させるように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項9】
前記センサ(178)は、圧力センサ(178)、光学センサ(178)、又は近接センサ(178)のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のUV光遮蔽システム(100)。
【請求項10】
制御ユニット(170)及びセンサ(178)を更に備え、前記制御ユニット(170)は、1以上のプロセッサ(182)を含み、前記複数のUVランプ(124)及び前記センサ(178)と動作可能に接続され、前記センサ(178)は、前記複数のUVランプ(124)上に又はその近傍に配置され、前記制御ユニット(170)は、前記センサ(178)から受信されたセンサ信号に基づいて、人間が前記複数のUVランプ(124)の指定された近さ閾値内に居るときを検出するように構成され、人間が前記複数のUVランプ(124)の第1のUVランプの前記指定された近さ閾値内に居ることを検出したことに応じて、前記制御ユニット(170)は、前記第1のUVランプを起動解除し又は前記第1のUVランプを起動解除することなしに前記第1のUVランプの出力設定を低減させるように構成される、請求項1から
7のいずれか一項に記載のUV光遮
蔽システム(100)。
【請求項11】
前記輸送体は航空機(10)である、請求項1から10のいずれか一項に記載のUV光遮
蔽システム(100)。
【請求項12】
座席(110)内の乗客を遮蔽して衛生的にするための方法であって、
複数のUVランプ(124)を輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けることであって、前記複数のUVランプ(124)は、前記内部キャビン(122)内に配置された乗客席(110)の側部(118、120)に沿って延在する照射野(128)内にUV光を発し及び向けるように取り付けられる、複数のUVランプ(124)を輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けることを含み、2つの隣接する照射野(128)が、前記乗客席(110)のうちの1つに座っている乗客(140)用の保護ゾーン(130)を画定するように間隔を空けられ、
前記方法は更に、前記輸送体の移動中に前記照射野(128)内に持続的に前記UV光を発するように、前記複数のUVランプ(124)を制御することを含み、
前記2つの隣接する照射野(128)を提供する2つのUVランプ(124)のうちの
少なくとも1つのUVランプが、前記乗客(140)によって占有されている1つの乗客席(154)の前の乗客席(154)の後部(152)に取り付けられている、方法。
【請求項13】
前記複数のUVランプ(124)は、
前記照射野(128)の垂直寸法が長く且つ側方寸法が短くなるよう、前記UV光の放射を形作るように、又は、
発された前記UV光が、長い曝露において人体組織にとって安全な指定された波長又は狭い波長の範囲を有するように、のうちの少なくとも一方で制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記乗客席(110)のうちの1つが、少なくとも閾値時間にわたり占有されていないと判定すること、及び、それに応じて、占有されていない前記乗客席(110)に沿って延在する照射野(128)を提供する前記複数のUVランプ(124)のうちの少なくとも1つの出力設定を低減させること、又は
前記乗客のうちの一人が、前記複数のUVランプ(124)のうちの1つの指定された近さ閾値内に居ると判定すること、及び、それに応じて、1つの前記UVランプの出力設定を低減させること、のうちの少なくとも一方を更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
紫外線(UV)光遮蔽システム(100)であって、
輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けられた複数のUVランプ(124)であって、前記内部キャビン(122)内に配置された乗客席(110)の側部(118、120)に沿って延在する照射野(128)内にUV光を発するように配置された複数のUVランプ(124)を備え、2つの隣接する照射野(128)が、前記乗客席(110)のうちの1つに座っている乗客(140)用の保護ゾーン(130)を画定するように間隔を空けられ、前記システム(100)は更に、
前記乗客席(110)の占有の有無及び前記複数のUVランプ(124)に対する乗客の近さをモニタするように構成されたセンサ(178)、並びに
1以上のプロセッサ(182)を含み、前記複数のUVランプ(124)及び前記センサ(178)と動作可能に接続された制御ユニット(170)であって、前記センサ(178)からセンサ信号を受け取り、前記乗客席(110)の占有の有無及び前記複数のUVランプ(124)に対する前記乗客の前記近さに基づいて、前記複数のUVランプ(124)のうちの1以上の出力を調節するように構成された制御ユニット(170)を備え、
前記2つの隣接する照射野(128)を提供する2つのUVランプ(124)のうちの
少なくとも1つのUVランプが、前記乗客(140)によって占有されている1つの乗客席(154)の前の乗客席(154)の後部(152)に取り付けられている、UV光遮蔽システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題の実施形態は、広くは、構造物及び囲まれた構造物内の空気を衛生的にするために使用され得るシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機などの輸送体は、様々な場所の間で旅客を輸送するために使用される。様々な有害な微生物又は他の病原体を殺し又は無力化するために、表面を殺菌し又はさもなければ衛生的にするためのシステムが、現在開発されている。航空機内の表面を衛生的にする典型的な方法は、1人以上の乗務員による甚大な手動による労力を含む。例えば、何人かの乗務員は、航空機の内部キャビン内の表面上に洗浄化学薬品を噴霧し、それを拭うこともある。他の乗務員は、内部キャビンの表面の近くで、紫外線(UV)放射を発する棒をゆっくりと振りかざすこともある。UV放射は、少なくとも指定された時間量にわたり、目標表面の特定の近傍で維持される場合、一部の微生物又は他の病原体を殺し又は無力化することができる。
【0003】
更に、航空機などの多くの民間輸送体は、微生物及び病原体を捉えることができる空調システム内のHEPAフィルタを有する。HEPAフィルタは、キャビンを出る又はキャビンに入ろうとしている空気を受け取り、清浄にする。HEPAフィルタ及びフライトの間のキャビンの頻繁な清掃は、航空機に搭乗している乗客及び乗務員の健康を保証するための何某かの方法である。更なる衛生的にする方法を使用して、HEPAフィルタ及び化学洗浄を補足することができる。
【発明の概要】
【0004】
乗客に害を与える危険性なしに、例えば、飛行中の航空機の内部キャビン内の乗客間などの、移動中の輸送体に搭乗している乗客間で病原体が広がることを防止するためのシステム及び方法が必要とされている。
【0005】
これらの必要性に鑑みて、本開示の主題の特定の実施例は、輸送体の内部キャビン内に取り付けられた複数のUVランプを含む紫外線(UV)光遮蔽システムを提供する。UVランプは、内部キャビン内に配置された乗客席の側部に沿って延在する照射野内にUV光を発するように配置される。2つの隣接する照射野は、乗客席のうちの1つに座っている乗客用の保護ゾーンを画定するように間隔を空けられる。
【0006】
1以上の実施例では、座席内の乗客を遮蔽して衛生的にするための方法が提供される。該方法は、輸送体の内部キャビン内にUVランプを取り付けることを含む。UVランプは、内部キャビン内に配置された乗客席の側部に沿って延在する照射野内にUV光を発し及び向けるように取り付けられる。2つの隣接する照射野は、乗客席のうちの1つに座っている乗客用の保護ゾーンを画定するように間隔を空けられる。
【0007】
1以上の実施例では、複数のUVランプ、センサ、及び制御ユニットを含む、UV光遮蔽システムが提供される。UVランプは、輸送体の内部キャビン内に取り付けられ、内部キャビン内に配置された乗客席の側部に沿って延在する照射野内にUV光を発するように配置される。2つの隣接する照射野は、乗客席のうちの1つに座っている乗客用の保護ゾーンを画定するように間隔を空けられる。センサが、乗客席の占有の有無及びUVランプに対する乗客の近さをモニタするように構成される。制御ユニットが、1以上のプロセッサを含み、UVランプ及びセンサと動作可能に接続される。制御ユニットは、センサからセンサ信号を受信し、乗客席の占有の有無及びUVランプに対する乗客の近さに基づいて、UVランプのうちの1以上の出力を調節するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の主題の幾つかの実施例による、航空機の斜視前面図を示す。
【
図2】本開示の主題の幾つかの実施例による、航空機の内部キャビンの一部分内のUV光遮蔽システムの斜視図を示す。
【
図3】幾つかの実施例によるUV光遮蔽システムを組み込んだ座席上の乗客を示す。
【
図4】幾つかの実施例によるUV光遮蔽システムを含む航空機の内部キャビンの斜視図を示す。
【
図5】幾つかの実施例によるUV光遮蔽システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記概要、及び特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことにより、より深く理解されるだろう。本明細書で使用される「一(a)」又は「1つの(an)」に続く単数形の要素又はステップは、複数の当該要素又はステップを必ずしも除外しないと理解されたい。更に、「一実施形態」への言及は、本明細書に記載の特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈すべきでない。更に、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の条件を有する1以上の要素を「含む」又は「有する」実施形態は、その条件を有しない追加の要素を含み得る。
【0010】
本開示の主題の特定の実施例は、各座席を占める者の一方又は両方の側に沿って、病原体から座席を占める者を遮蔽するUV光遮蔽システムを提供する。該システムは、UVランプによって発されたUV光を使用して仮想シールド(virtual shield)又は側部カーテンを生成するように、特に取り付けられ、配置され、制御されるUVランプを利用する。シールド又は側部カーテンは、UV光の照射野によって画定される。UV光は、人体組織にとって安全な指定された波長又は狭い波長の範囲でフィルタされ得る。例えば、指定された波長は222nmであってよい。該システムは、座席の場所に応じて乗客席の一方又は両方の側の場所の中にUVランプを統合することによって、安全で効果的な衛生化を提供する。例えば、中間の座席は両側にUVランプを有してよく、一方、通路から最も遠い窓側の座席は、窓側の座席と隣接する座席との間にのみUVランプを有してよい。UVランプは、UV光の仮想シールドを生成するために、乗客のいずれかの側の複数のエリアの中に光を発する。UV光のうちの一部は、座席内の乗客に衝突するが、光の大部分は、乗客の上半身及び頭部に隣接する領域内の乗客の一方又は両方の側に沿ったスペースの中に向けられる。したがって、UV光は、側部カーテンエアバッグ又はストール(stall)と同様な、側部カーテンを本質的に生成する。UVランプの配置及び/又は制御は、乗客を遮蔽し続けることなく、乗客の顔などの乗客の直近範囲の照射を避けることができる。
【0011】
1以上の実施例では、該システムが、空気、表面、及び人々を殺菌し続けるために、持続的にUV光を発するよう(例えば、乗客、乗務員によって、センサデータに基づいて自動的になど)制御され得る。幾つかの実施例では、遮蔽システムのUVランプが、乗客席構造物の上側座席部分の両側部内に又は両側部上に取り付けられる。幾つかの実施例では、UVランプのうちの1以上が、乗客によって占有される座席の代わりに、乗客の前の座席の後部に取り付けられてもよい。空気ファンが、UVランプを横切る気流を維持するために、UVランプの近傍の座席構造物内に取り付けられ得る。ファンの空気は、UVランプによって発されるUV光によって衛生的にされ、衛生的でない空気を乗客から離れるように押し得る。側部カーテン又はストールの照射形状を生成するようUV光を向けるために、反射体が、UVランプ内に統合されてよく、又は座席構造物の外側に配置されてよい。反射体を使用して、UV光の大部分を乗客のいずれかの側の占有されていないスペースの中に向けて、且つ少量のUVを乗客に向けることができる。UVランプは、ヘッドレストディスプレイデバイス用の配線などの乗客席内の既存の配線に電気接続され得る。UVランプは、1以上の発電機などの搭載された電源から電力を受け取ることができる。更に、乗客が彼らの座席に居ない及び/又はUVランプの直近範囲内に居るときに、UVランプの電力及びデューティーサイクルを自動的に調整するために、センサがシステムによって使用され得る。
【0012】
本明細書で開示されるUV光遮蔽システムの1以上の技術的効果は、乗客が内部キャビン内に座っているときに、乗客の頭部の一方又は両方の側にある病原体(例えば、バクテリアやウイルスなど)のかなりの割合を殺し又は無力化する能力を含む。空気内の病原体は、乗客の呼吸エリアに到達する前に、UV側部カーテンによって殺されるか又は無力化され得る。UV光遮蔽システムは、UV光が、人体組織にとって安全な指定された狭い波長又は波長の範囲を有するので、乗客にとって無害であり得る。未だ、UV光遮蔽システムは、座席の側部に沿ったスペース(乗客の上半身及び頭部が典型的には存在しない)の中にUV光を反射することによって、及び/又は、UVランプの直接的に前(UVランプの近さの指定された閾値内)の乗客を検出すると、自動的にUVランプへの電力を低減させるか若しくはUVランプを起動解除することによって、乗客を直近範囲(例えば、高い線量)のUV光に曝露することを避けるステップをとり得る。例えば、該システムは、人間が数センチ離れたところからランプの中を直接的に覗き込んでいるのを検出した場合、一時的にUVランプを起動解除し得る。本明細書で開示されるUV遮蔽システムは、フェイスマスクの使用やソーシャルディスタンスなどの、人々の間で病原体が広がるのを減らすための他の方法を補足し得る。
【0013】
図1は、本開示の主題の幾つかの実施例による、航空機10の斜視前面図を示している。航空機10は、例えば、エンジン14を含む推進システム12を含む。任意選択的に、推進システム12は、図示したよりも多いエンジン14を含み得る。エンジン14は、航空機10の主翼16によって坦持される。幾つかの実施例では、エンジン14が、胴体18及び/又は尾部20によって担持され得る。尾部20はまた、水平尾翼22及び垂直尾翼24も支持し得る。
【0014】
航空機10の胴体18が、内部キャビンを画定し、内部キャビンは、操縦室(フライトデッキ又はコックピット)、1以上の作業区域(例えば、調理室、乗務員の手荷物エリアなど)、1以上の乗客区域(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、及びエコノミークラス)、1以上の化粧室などを含む。
【0015】
代替的に、本開示の主題の実施例は、航空機の代わりに、自動車、バス、鉄道車両、船舶などといった、様々な他の輸送体と共に使用され得る。例えば、本明細書で開示されるUV光遮蔽システムは、客車、バス、客船などの内部キャビン内に実装され得る。本開示の主題の実施例はまた、商業建物及び住居建物などの固定された構造物内の囲まれたエリアに対しても使用され得る。例えば、本明細書で開示される遮蔽システムは、劇場、コンサートホール、宗教的な場所、オフィスビルディング、病院、商店、講堂、教室、スタジアムなどの範囲内に設置され、動作し得る。無害な波長の持続的なUV光は、空気及び表面の継続的な殺菌を提供し得る。
【0016】
図2は、本開示の主題の一実施例による、航空機10の内部キャビン122の一部分内のUV光遮蔽システム100の斜視図を示している。内部キャビン122は、搭載された壁102内に形成された窓106を有する搭載された壁102を含む。床108は、複数の乗客席110を支持する。
図2で示されている座席は、内部キャビン122のファーストクラスセクション又はビジネスクラスセクション内の座席などの、優先席であってよい。しかし、本明細書で開示されるシステム100は、エコノミーを含む内部キャビン122の任意のセクション内の座席で使用され得る。
【0017】
座席110は、クッション112、背もたれ114、及びヘッドレストクッション116を有する。座席110は、インボード側118及びアウトボード側120を有する。アウトボード側120は、アウトボード壁102に対向する。図示されている実施例におけるUV光遮蔽システム100は、座席110の中に統合された2つのUVランプ124を含む。UVランプ124は、電磁スペクトルのUV領域内の光を発するエキシマーランプなどの光源である。例えば、第1のUVランプ124Aが、インボード側118にある又はそれに近い背もたれ114の前部126に取り付けられる。第2のUVランプ124Bは、アウトボード側120にある又はそれに近い背もたれ114の前部126に取り付けられる。UVランプ124は、UV光を前向きに発する。UV光の方向及び/又は拡大は制御され得る。それによって、照射野128は、UV光の側部カーテン又はストールを建設的に生成する。UVランプ124の照射野128は、UVランプ124によって発されたUV光の波(例えば、光線)の伝播によって画定されるスペース内の3次元空間を指す。照射野128の形状は、反射体、コリメータ、レンズなどのUVランプ124の機械的特徴に応じてよく、この場合、垂直寸法が長く且つ側方幅寸法が短い形状を提供するように制御され得る。照射野128は、パネル又はシールドに似ていてよい。照射野128は、それらの間の乗客保護ゾーン130を挟み、画定する。乗客が座席110にきちんと座っているときに、乗客は、乗客保護ゾーン130内に配置される。照射野128が、概して、乗客の上半身及び頭部と整列するよう、UVランプ124はUV光を向けるように取り付けられ、配置される。
【0018】
図3は、一実施例によるUV光遮蔽システム100を組み込んだ座席142に座っている乗客140を示している。乗客140は、保護ゾーン130内に位置付けられる。照射野128内のUV光は、乗客140の両側に配置される。UV光の一部は、肩、頭部、及び腕などの乗客の身体に衝突し得るが、UV放射の大部分は、乗客140の側部のスペースの中に向けられる。照射野128内のUV光は、病原体が乗客140によって吸い込まれ得る前に、空気内の病原体を殺し又は無力化することができる。UV光遮蔽システム100は、乗客140が座席142内に居るときに、乗客130への及び乗客130からの少なくとも一部の病原体の広がりを防止し得る。
【0019】
図4は、幾つかの実施例によるUV光遮蔽システム100を含む航空機の内部キャビン150の斜視図を示している。
図4では、UVランプ124が、乗客席154の後部152に沿って取り付けられる。UVランプ124は、UVランプ124を保持する座席154の後ろの列156にある座席154に向けて、発されるUV光を後方に導くように配置される。UVランプ124は、座席154のインボード側162とアウトボード側164のそれぞれの又はそれらの近傍の座席154の背もたれ160に沿って取り付けられる。UV光は、後ろの列156内の座席154用の側部カーテン164又はストールを生成し、列156内に座っている乗客の間で延在する。任意選択的に、
図4で示されているように、2つのUVランプ124を1つの座席154に取り付ける代わりに、最もアウトボード側のランプ124は、任意のUVランプ124なしに図示されている隣接する座席154に代わりに取り付けられてよい。
【0020】
幾つかの実施例では、少なくとも一部のUVランプ124が、座席154の上方の内部キャビンの天井に取り付けられてよく、座席154及び座席154を占めている乗客の両側に沿ったスペースの中に下向きに(床に向けて)UV光を向けるように配置されてよい。
【0021】
図5は、一実施例によるUV光遮蔽システム100(本明細書で以後、システム100と称される)の概略図である。システム100は、UVランプ120、制御ユニット170、センサ178、並びに切り替え及び/又は変換デバイス180を含む。UVランプ124は、電力を供給するアウトボード電源172によって電力供給される。電源172は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機であってよい。様々な導電性ワイヤ及びケーブルが、電源172からUVランプ124へ電力を伝導し得る。例えば、UVランプ124は、個人用ライトやヘッドレストディスプレイユニットなどのキャビン内の他の構成要素に電力を供給する同じ導電性経路を利用してよい。例えば、UVランプ124は、キャビン照明を制御する同じ電子回路パッケージにプラグで接続され得る。
【0022】
制御ユニット170は、有線及び/又は無線通信経路を介して、UVランプ124、切り替え及び/又は電力変換デバイス180、並びにセンサ178と動作可能に接続される。制御ユニット170は、UVランプ124の動作を制御する制御信号を生成する。生成される制御信号は、センサ178から受信された信号(例えば、データ)に基づき得る。制御ユニット170は、1以上のプロセッサ182(例えば、1以上のマイクロプロセッサ、集積回路、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイなど)を含む及び/又はそれらに接続されるハードウェア回路を表す。制御ユニットは、有形で非一過性のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ)184を含み及び/又はそれと接続される。例えば、メモリ184は、本明細書で説明される制御ユニット170の動作を実行するために1以上のプロセッサ182によって実行されるプログラムされた指示命令(例えば、ソフトウェア)を記憶し得る。
【0023】
制御ユニット170は、UVランプ124のそれぞれに供給される電力(例えば、電圧及び/又は電流)の存在及び量を制御することによって、UVランプ124を制御し得る。この機能では、制御ユニット170が、切り替え及び/又は電力変換デバイス180を利用し得る。切り替え及び/又は電力変換デバイス180は、1以上のソリッドステートリレー、電気機械リレー、光学スイッチ、電力変換器(例えば、直流と直流、直流と交流)などを含み得る。制御ユニット170は、切り替え及び/又は電力変換デバイス180を介して、UVランプ124のうちの1以上を起動解除又はシャットオフし、UVランプ124のうちの1以上の非ゼロ出力を変更することができる。切り替え及び/又は電力変換デバイス180は、ランプ124を単にオン(例えば、起動及びUV光を発する)及びオフ(例えば、起動せず及びUV光を発しない)に切り替えるだけでなく、関連付けられたUVランプ124に供給される電力量に対する可変制御を可能にし得る。可変電力レベルは、低、中、及び高などの複数の設定を含み得る。
【0024】
1以上の実施例では、UVランプ124によって発されるUV光が、座席を占める者(例えば、乗客及び乗務員)が、害を受けることなく長い時間にわたりUV光に曝露されることを可能にするように制御される。例えば、発されたUV光は、長い曝露を通して人体組織に無害であることが実験的に判断された指定された波長又は狭い帯域の波長を有し得る。したがって、UVランプ124が、フライトの持続時間を通してUV光を絶えず発する場合であっても、乗客は害を受け得ない。非限定的な一実施例では、指定された波長が222nmである。222nmの波長を有する衛生化UV光は、病原体(ウイルス及びバクテリアなど)を不活性化する代わりに、病原体を殺すことが分かっている。対照的に、254nmの波長のUVC光は、DNAと相互作用することによって病原体を不活性化し、一時的な不活性をもたらすが、その病原体を殺さないかもしれない。代わりに、病原体は、通常の白色光に曝露されることによって、1時間当たり約10%の再活性率で再活性化され得る。したがって、254nmの波長のUVC光は、輸送体の内部キャビン内などの照明されているエリア内で無効であり得る。更に、254nmのUVC光は、人間への曝露が推奨されない。というのも、それは、人間の細胞を貫通することができるからである。対照的に、222nmの波長を有する衛生化UV光は、人間への曝露が安全であり、病原体を殺す。更に、222nmの波長を有する衛生化UV光は、起動されてから1ミリ秒以下の範囲内でUVランプ120の全出力で発され得る(対照的に、254nmの波長を有するUVCは、全出力に到達するまでに数秒又は数分必要とし得る)。
【0025】
センサ178は、座席の占有の有無及び/又はUVランプ124に対する乗客の近さをモニタし得る。例えば、第1のサブセットのセンサ178は、各座席の占有の有無を判定するために、座席の占有の有無をモニタするように構成され得る。第1のサブセットは、圧力センサ、光学センサ、近接センサ、カメラなどを含み得る。圧力センサは、乗客が座席に座ったこと及び座席から立ち上がったことに応じて、センサ信号内の変化を記録するために、クッション又は背もたれの中に統合され得る。光学センサは、座席のクッションの近傍の光線が遮断されたときを検出し得る。その遮断は、人が座席に座った及び座席から立ち上がったときに生じ得る。座席に取り付けられた近接センサは、人が座席内に存在しているときを特定するために、赤外線及び/又はマイクロ波を利用し得る。センサ178は、規則的な間隔で周期的に、又は光線が遮断されたなどの変化のモニタリングが検出されたことに応じて、制御ユニット170に送信されるセンサ信号を生成し得る。センサ信号は、信号のそれぞれを生成する個別のセンサなどの、信号の発信源を特定し得る。制御ユニット170は、センサ178から信号を受信し、座席のそれぞれの占有の有無を判定するために信号を解析する。幾つかの実施例では、座席が少なくとも閾値量の時間(例えば、1分)にわたり空席であり占有されていないと判定された場合、制御ユニット170は、その座席用のUV側部カーテンを提供する1以上のUVランプ124の出力設定を低減させるように構成される。少なくともセンサ信号がその座席が占有されていることを示すまで、出力設定は低い設定に低減させることができ、又は(1以上の)UVランプは起動解除され得る。制御ユニット170が、2つの隣接する座席内の乗客が二人とも座席内に存在すると判定すると、2つの隣接する座席の間にUV光を発するUVランプ124は、二人の乗客の間の空気を衛生的にするために高出力又は全出力で動作され得る。
【0026】
第2のサブセットのセンサ178は、UVランプ124に対する乗客の近さをモニタするように構成され得る。第2のサブセットは、UVランプ124上に又はそれらに近接して取り付けられた近接センサであってよい。近接センサは、人がUVランプ124に対する指定された閾値近さの範囲内にあるときを特定するために、赤外線又はマイクロ波を使用し得る。指定された閾値近さは、数インチ、例えば、2インチ、4インチ、6インチ、8インチ、又は10インチなどであってよい。近接センサは、UV光の照射野内の物体の近さに焦点を合わせることを目的としてよく、UVランプ124の隣にあるが照射野内にない人の頭部の近さを無視し得る。人が閾値近さに交差したことを示す信号を受信したことに応じて、制御ユニット170は、関連付けられたUVランプ124の出力設定を低減させ得る。センサ信号が少なくとも座席が占有されていることを示すまで、出力設定は低設定に低減され得るか、又はUVランプは起動解除され得る。
【0027】
近さ閾値が交差されず又は座席が占有されてない場合、制御ユニット170は、病原体からの継続的な保護を提供するために、輸送体の移動中にUV光を持続的に発するようにUVランプ124を制御し得る。任意選択的に、制御ユニット170は、キャビン内の活動のレベルや一日のうちの時間帯などの様々な要因に基づいて、一般的にUVランプ124の出力設定を調節するように構成され得る。例えば、UVランプ124は、乗客が輸送体に搭乗するとき及び降機するときに、高出力又は全出力で動作され得る。輸送体が日中に移動している/巡航しているときに、制御ユニット170は、高出力設定と比較してエネルギーを節約するために、UVランプ124を中出力設定で動作させ得る。輸送体が夜間に移動している/巡航しているときに、制御ユニット170は、UVランプ124を低設定で動作させ得る。というのも、ほとんどの人々が、比較的活動的でなく、寝ているか、読書しているか、又はビデオを見ているからである。更に、UV照射の強度は、過剰な人間への曝露なしに非常に迅速に殺菌するために増加され得る。制御ユニット170が辿った制御動作は、メモリ184内に記憶され得る。
【0028】
本明細書で開示されるUV光遮蔽システム100は、UV光で乗客を直接的に照らすことなしに、密封された乗客のスペースの中に入ってくる空気を衛生的にし得る。UVランプは、主として保護されている人の顔及び上半身に対する保護を提供するように置かれる。反射体を使用して、UVの大部分を乗客のいずれかの側の占有されていないスペースに向け、少量のUVを乗客自身に向けることができる。UVランプは、乗客の前の座席の上部又は背もたれに置くことができる。乗客がUVランプの直近範囲内に居るときに、センサを使用して、UV出力及びデューティーサイクルを調整することができる。
【0029】
本明細書で説明されるときに、本開示の主題の実施例は、UV光に曝露される人々を害することなくUV光を使用して、輸送体の内部キャビン内の表面、空気、及び(特に乗客席内の)人々を衛生的にし、殺菌するためのシステム及び方法を提供する。更に、本開示の主題の実施例は、UV光を介して生成される空気衛生化シールドを提供する。UVシールドは、側部カーテン又はストールと同様に、座席内の乗客の一方又は両方の側に提供され、空気が乗客に到達する前に及び/又は乗客ゾーンからの空気が別の人若しくは表面に到達する前に、空気を衛生的にする。
【0030】
本開示の実施形態の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前向きなどの空間及び方向に関する様々な語が用いられる場合があるが、そのような語は図面で示す方向に対するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。向きを、反転させる、回転させる、又はそうでなければ、上部が下部に、また下部が上部になるように、また水平が垂直になる等のように変化させることができる。
【0031】
本明細書で使用する、タスク又は動作を実施する「ように構成される」構造物、限定事項、又は要素は、特にタスク又は動作に対応するように、構造物的に形成、構成、又は適合されている。明確さのため、及び誤解を避けるために、タスク又は動作を実施するために変更可能であるに過ぎない対象物は、本明細書で使用するタスク又は動作を実施する「ように構成」されてはいない。
【0032】
本明細書で使用されるときに、数値の前に挿入される「約」、「実質的に」、及び「近似的に」などの値の修飾語は、その値が、その特定の値の5%、10%、又は15%内の値などの、その特定の値の上及び/又は下の指定された閾値範囲内の他の値を表し得ることを示している。
【0033】
上記の説明は、限定ではなく、例示を意図するものであることを理解するべきである。例えば、上述した実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、様々な実施形態の教示には、その範囲から偏差することなく、特定の状況又は材料に適応させるために多数の改変が加えられ得る。本明細書に記載の材料の形状寸法及びタイプは、本開示の様々な実施形態のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施形態は限定的なものではなく例示的な実施形態である。本発明を精査することにより、当業者には他の多くの実施形態が明らかであろう。本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)」という語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という語のプレインイングリッシュ(plain-English)の同義語として使用される。また、「第1」「第2」及び「第3」等の語は単に符号として使用され、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造物を欠く機能の記述が後続する、「~のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0034】
更に、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1.
紫外線(UV)光遮蔽システム(100)であって、
輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けられた複数のUVランプ(124)であって、前記内部キャビン(122)内に配置された乗客席(110)の側部(118、120)に沿って延在する照射野(128)内にUV光を発するように配置された複数のUVランプ(124)を備え、2つの隣接する照射野(128)が、前記乗客席(110)のうちの1つに座っている乗客(140)用の保護ゾーン(130)を画定するように間隔を空けられる、UV光遮蔽システム(100)。
条項2.
前記UVランプ(124)のうちの1つが、1つの前記乗客席(110)のインボード側(118)又はアウトボード側(120)の又はそれらの近傍の、前記1つの乗客席(110)の背もたれ(114)の前部(126)に取り付けられる、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項3.
2つの前記UVランプ(124)のうちの一方が、1つの前記乗客席(110)のインボード側(118)に又はその近傍に位置付けられ、前記2つのUVランプ(124)のうちの他方が、前記1つの乗客席(110)のアウトボード側(120)に又はその近傍に位置付けられ、前記2つのUVランプ(124)が、前記2つの隣接する照射野(128)を提供するように、前記UVランプ(124)のうちの2つが、前記1つの乗客席(110)のうちの背もたれ(114)の前部(126)に取り付けられる、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項4.
前記2つの隣接する照射野(128)のうちの少なくとも一方が、前記乗客(140)によって占有されている1つの前記乗客席(154)の前の乗客席(154)の後部(152)に取り付けられた前記UVランプ(124)のうちのUVランプによって提供される、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項5.
前記2つの隣接する照射野(128)は、前記乗客(140)の上半身及び頭部と整列する、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項6.
前記UVランプ(124)は、人体組織にとって安全な指定された波長又は狭い波長の範囲の前記UV光を発するように構成される、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項7.
前記指定された波長は222nmである、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項8.
制御ユニット(170)及びセンサ(178)を更に備え、前記制御ユニット(170)は、1以上のプロセッサ(182)を含み、前記UVランプ(124)及び前記センサ(178)と動作可能に接続され、前記センサ(178)は、前記乗客席(110)をモニタするように構成され、前記制御ユニット(170)は、前記センサ(178)から受信されたセンサ信号に基づいて、前記乗客席(110)の占有の有無を判定するように構成される、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項9.
1つの前記乗客席(110)内の前記乗客(140)が、少なくとも閾値時間にわたり前記1つの乗客席(110)を占めていないと判定したことに応じて、前記制御ユニット(170)は、前記2つの照射野(128)を提供する前記UVランプ(124)のうちの少なくとも一方の出力設定を低減させるように構成される、条項8に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項10.
前記センサ(178)は、圧力センサ(178)、光学センサ(178)、又は近接センサ(178)であってよい、条項8に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項11.
制御ユニット(170)及びセンサ(178)を更に備え、前記制御ユニット(170)は、1以上のプロセッサ(182)を含み、前記UVランプ(124)及び前記センサ(178)と動作可能に接続され、前記センサ(178)は、前記UVランプ(124)上に又はその近傍に配置され、前記制御ユニット(170)は、前記センサ(178)から受信されたセンサ信号に基づいて、人間が前記UVランプ(124)の指定された近さ閾値内に居るときを検出するように構成される、条項1に記載のUV光遮蔽システム(100)。
条項12.
人間が前記UVランプ(124)の第1のUVランプの前記指定された近さ閾値内に居ることを検出したことに応じて、前記制御ユニット(170)は、前記第1のUVランプを起動解除し又は前記第1のUVランプを起動解除することなしに前記第1のUVランプの出力設定を低減させるように構成される、条項11に記載のUV光遮断システム(100)。
条項13.
前記輸送体は航空機(10)である、条項1に記載のUV光遮断システム(100)。
条項14.
座席(110)内の乗客を遮蔽して衛生的にするための方法であって、
UVランプ(124)を輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けることであって、前記UVランプ(124)は、前記内部キャビン(122)内に配置された乗客席(110)の側部(118、120)に沿って延在する照射野(128)内にUV光を発し及び向けるように取り付けられる、UVランプ(124)を輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けることを含み、2つの隣接する照射野(128)が、前記乗客席(110)のうちの1つに座っている乗客(140)用の保護ゾーン(130)を画定するように間隔を空けられ、前記方法は更に、
前記輸送体の移動中に前記照射野(128)内に持続的に前記UV光を発するように、前記UVランプ(124)を制御することを含む、方法。
条項15.
搭載された電源(172)から前記UVランプ(124)に電力を供給することを更に含む、条項14に記載の方法。
条項16.
前記照射野(128)の垂直寸法が長く且つ側方寸法が短くなるよう、前記UV光の放射を形作るように前記UVランプ(124)が制御される、条項14に記載の方法。
条項17.
発された前記UV光が、長い曝露において人体組織にとって安全な指定された波長又は狭い波長の範囲を有するように、前記UVランプ(124)が制御される、条項14に記載の方法。
条項18.
前記乗客席(110)のうちの1つが、少なくとも閾値時間にわたり占有されていないと判定すること、及び、それに応じて、占有されていない前記乗客席(110)に沿って延在する照射野(128)を提供する前記UVランプ(124)のうちの少なくとも1つの出力設定を低減させることを更に含む、条項14に記載の方法。
条項19.
前記乗客のうちの一人が、前記UVランプ(124)のうちの1つの指定された近さ閾値内に居ると判定すること、及び、それに応じて、1つの前記UVランプの出力設定を低減させることを更に含む、条項14に記載の方法。
条項20.
紫外線(UV)光遮蔽システム(100)であって、
輸送体の内部キャビン(122)内に取り付けられた複数のUVランプ(124)であって、前記内部キャビン(122)内に配置された乗客席(110)の側部(118、120)に沿って延在する照射野(128)内にUV光を発するように配置された複数のUVランプ(124)を備え、2つの隣接する照射野(128)が、前記乗客席(110)のうちの1つに座っている乗客(140)用の保護ゾーン(130)を画定するように間隔を空けられ、前記システム(100)は更に、
前記乗客席(110)の占有の有無及び前記UVランプ(124)に対する乗客の近さをモニタするように構成されたセンサ(178)、並びに
1以上のプロセッサ(182)を含み、前記UVランプ(124)及び前記センサ(178)と動作可能に接続された制御ユニット(170)であって、前記センサ(178)からセンサ信号を受け取り、前記乗客席(110)の占有の有無及び前記UVランプ(124)に対する前記乗客の前記近さに基づいて、前記UVランプ(124)のうちの1以上の出力を調節するように構成された制御ユニット(170)を備える、UV光遮蔽システム(100)。
【0035】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本開示の様々な実施形態を開示し、且つ当業者が任意のデバイス又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実施形態を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造物要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造物要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。