(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-16
(45)【発行日】2025-06-24
(54)【発明の名称】液浸冷却プラットフォームおよびその構成要素
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20250617BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20250617BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 A
H05K7/20 M
H05K7/20 Q
(21)【出願番号】P 2024519803
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 US2022033063
(87)【国際公開番号】W WO2022261470
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2024-04-04
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】524100024
【氏名又は名称】モディーン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【氏名又は名称】中村 佳正
(72)【発明者】
【氏名】キング,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,ラクエル
(72)【発明者】
【氏名】パテル,ダルシャン
(72)【発明者】
【氏名】コバーン,ランダル
(72)【発明者】
【氏名】ヘイリー,ジョシュ
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マーテル,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】モーニック,テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ホート,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マイレ,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ボレン,ウィリアム ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ダウンズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】イェットマン,ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】エンライト,ジョン デイビット
(72)【発明者】
【氏名】マージェリソン,リッキ
(72)【発明者】
【氏名】シャー,ジミル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハダラ,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ウィテイカー,ジョシュ
(72)【発明者】
【氏名】イーガン,シーマス
(72)【発明者】
【氏名】ファーニッシュ,ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】トムリン,ティム
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/102090(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、
前記ベッセルの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、
前記誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、
前記ベッセルの溜め槽エリアから前記誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように前記誘電性流体を通過させて前記誘電性流体を前記ベッセルの溶液槽エリアに送るように構成された流体循環システムと、
を備
え、
前記ベッセルの外側にある供給源から前記誘電性流体を受け取るための入口をさらに備える、システム。
【請求項2】
前記流体循環システムを前記入口に接続するかまたは切断するための弁システムをさらに備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体循環システムがポンプを含む、請求項
2に記載のシステム。
【請求項4】
前記入口に対して前記ポンプが接続された第1の動作モードで動作するように前記弁システムに指示を出すように、および、
前記供給源から誘電性流体を引き入れるように前記ポンプに指示を出すように、
構成された管理システムをさらに備える、請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
格納可能なホースをさらに備える、請求項
4に記載にシステム。
【請求項6】
前記格納可能なホースが、前記供給源に対して前記格納可能なホースが接続されているか否かを検出するためのセンサーを含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記管理システムが、前記供給源に対して前記格納可能なホースが接続されている場合にのみ前記供給源から前記誘電性流体を引き入れるように前記ポンプに指示を出すように構成される、請求項
5に記載のシステム。
【請求項8】
前記溜め槽エリアに対して前記ポンプが接続された第2の動作モードで動作するように前記弁システムに指示を出すように、および、
前記供給源から流体を引き入れるように前記ポンプに指示を出すように、
構成された管理システムをさらに備える、請求項
3に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧力制御装置が、複数のパイプおよび少なくとも1つのボックスを備える熱交換器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記圧力制御装置が、複数のパイプおよび少なくとも1つのボックスを備える熱交換器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のパイプまたは前記少なくとも1つのボックスのうちの少なくとも一方が振動ダンパを含む、請求項1
0に記載のシステム。
【請求項12】
前記振動ダンパが金属重りである、請求項1
1に記載のシステム。
【請求項13】
複数のセンサーと、
管理システムであって、
前記コンピュータ構成要素の温度に関連するセンサーデータを受信するように、および、
前記コンピュータ構成要素の前記温度に基づいて前記フィルターの故障を確定するように、
構成された、管理システムと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサーデータが、前記コンピュータ構成要素の温度、前記ベッセルのところの消費電力、外部温度、誘電性流体温度、入ってくる冷却媒体の温度、出ていく冷却媒体の温度、冷却媒体の流量、前記溶液槽エリアの上方のエリアの温度、前記ベッセル内に存在するコンピュータ構成要素の数、または前記ベッセル内の各コンピュータ構成要素の位置を含む、請求項1
3に記載のシステム。
【請求項15】
前記管理システムが、前記コンピュータ構成要素がオーバーヒートしているか否かを機械学習モデルを使用して確定するように構成される、請求項1
3に記載のシステム。
【請求項16】
前記機械学習モデルが、前記ベッセルから受信された前記センサーデータを使用して訓練される、請求項1
5に記載のシステム。
【請求項17】
前記圧力制御装置が、誘電性蒸気を受け取るように構成されたベローズを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記ベローズが前記ベローズの体積を確定するためのセンサーを含み、管理システムが前記センサーからデータを受信するように構成される、請求項1
7に記載のシステム。
【請求項19】
前記管理システムが温度データを受信するようにさらに構成される、請求項1
8に記載のシステム。
【請求項20】
前記管理システムが、ベッセルの動作の状態を確定するようにさらに構成される、請求項
19に記載のシステム。
【請求項21】
前記動作の状態が、1)熱交換器の起動または停止、2)誘電性流体の燃焼、および3)誘電性流体の漏洩である、請求項2
0に記載のシステム。
【請求項22】
前記管理システムが、前記センサーから受信したデータおよび前記温度データに基づいて機械学習モデルを使用してベッセルの動作の前記状態を確定するようにさらに構成される、請求項2
0に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンピュータ構成要素が2つのフェーズからなるヒートシンクを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記2つのフェーズからなるヒートシンクが、液体媒体および2つの細長い金属表面を備える中空ボックスを含む、請求項2
3に記載のシステム。
【請求項25】
前記ベッセルが二次層によって保護される、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記二次層が内部層に平行である、請求項2
5に記載のシステム。
【請求項27】
流体センサーが前記二次層と前記内部層との間に設けられる、請求項2
6に記載のシステム。
【請求項28】
熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、
前記誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、
前記コンピュータ構成要素および前記誘電性流体を保持するように構成されたシャーシと、
前記ベッセルの溜め槽エリアから前記誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように前記誘電性流体を通過させて前記誘電性流体を前記シャーシに送るように構成された流体循環システムと
を備え
、
前記ベッセルの外側にある供給源から前記誘電性流体を受け取るための入口をさらに備える、システム。
【請求項29】
シャーシが、前記流体循環システムから誘電性流体を受け取るための流体コネクタを含む、請求項2
8に記載のシステム。
【請求項30】
前記流体コネクタが、前記シャーシが前記ベッセル内に配置されるときに開くように構成される、請求項
29に記載のシステム。
【請求項31】
前記流体コネクタが、前記シャーシが前記ベッセルから取り外されるように設定されるときに閉じるように構成される、請求項
29に記載のシステム。
【請求項32】
前記シャーシが熱交換器を含む、請求項2
8に記載のシステム。
【請求項33】
前記熱交換器が、冷却媒体コネクタから冷却媒体を受け取るように構成される、請求項3
2に記載のシステム。
【請求項34】
前記熱交換器が電気熱交換器である、請求項3
2に記載のシステム。
【請求項35】
前記シャーシが、
誘電性流体の液位を保持するように前記シャーシが構成されることになるように、および、
前記誘電性流体の蒸気が前記シャーシから出て前記ベッセルに入ることが可能となるように、
開けられる、請求項2
8に記載のシステム。
【請求項36】
前記誘電性流体の液位を確定するための流体液位センサーをさらに備える、請求項2
8に記載のシステム。
【請求項37】
前記流体液位センサーが前記シャーシ内に位置する、請求項3
6に記載のシステム。
【請求項38】
流体循環システムを前記入口に接続するかまたは切断するための弁システムをさらに備える、請求項3
6に記載のシステム。
【請求項39】
前記流体循環システムがポンプを含む、請求項
38に記載のシステム。
【請求項40】
前記誘電性流体の前記液位が閾値量未満まで低下するときに、
第1の動作モードで動作するように前記弁システムに指示を出すように、および、
前記供給源から誘電性流体を引き入れるように前記ポンプに指示を出すように、
構成された管理システムをさらに備える、請求項
39に記載のシステム。
【請求項41】
前記供給源が供給源流体液位センサーを含む、請求項3
6に記載のシステム。
【請求項42】
管理システムをさらに備え、前記管理システムが、供給源流体液位が閾値量未満まで低下する場合にセントラルサーバーに信号を送信するように構成される、請求項4
1に記載のシステム。
【請求項43】
前記閾値量が前記誘電性流体のための高さレベルである、請求項4
2に記載のシステム。
【請求項44】
前記閾値量が、人工知能によって確定された所定の期間にわたって前記システムを動作させるのに必要である流体の量である、請求項4
2に記載のシステム。
【請求項45】
熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、
前記ベッセルの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、
前記誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、
前記ベッセルの溜め槽エリアから前記誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように前記誘電性流体を通過させて前記誘電性流体を前記ベッセルの溶液槽エリアに送るように構成された流体循環システムと
を備
え、
前記ベッセルの外側にある供給源から前記誘電性流体を受け取るための入口をさらに備える、システム。
【請求項46】
前記圧力制御装置が自給式熱交換器である、請求項4
5に記載のシステム。
【請求項47】
前記自給式熱交換器が、コイルと、ラジエータと、ファンとを含む、請求項4
6に記載のシステム。
【請求項48】
前記ファンが前記ラジエータを通して強制空気を送るように構成される、請求項4
7に記載のシステム。
【請求項49】
加熱要素をさらに備える、請求項4
5に記載のシステム。
【請求項50】
前記加熱要素が、プロセッサと、メモリとを含む、請求項
49に記載のシステム。
【請求項51】
プロセッサが、前記メモリに保存されるプログラムを使用して、前記ベッセルを加熱するように前記加熱要素の加熱棒にコマンドを出すように構成される、請求項5
0に記載のシステム。
【請求項52】
コマンドを無線で受信するための送信機をさらに備える、請求項5
1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、TMGCore,LLC所有の、2019年11月11日に出願した「Liquid Immersion Cooling Platform」と題される国際公開第2020/102090号パンフレットに関連する。本出願はさらに、米国仮特許出願第63/209,258号、米国仮特許出願第63/278,223号、米国仮特許出願第63/278,175号、米国仮特許出願第63/278,178号、米国仮特許出願第63/278,167号、米国仮特許出願第63/278,312号、米国仮特許出願第63/278,358号、米国仮特許出願第63/278,365号、および米国仮特許出願第63/278,330号に関連する。
【0002】
開示の分野
本開示は、計算デバイスを収容するように適合された液浸冷却システムに関し、例えば、システムの温度を最適化するための制御システムおよび計算デバイスを中に含む液浸冷却システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の計算システムおよび/またはサーバーシステムは、これらのシステムの種々の構成要素を冷却するのに空気を利用する。従来の液冷コンピュータまたは水冷コンピュータは、コンピュータ構成要素から熱を取り出すのに流れる液体を利用するが、コンピュータ構成要素と液体自体との間での直接の接触を回避する。電気的に非伝導性である流体および/または誘電性流体の開発により浸漬冷却を利用することが可能となり、ここでは、構成要素から液体へと直接に熱を取り出すためにコンピュータ構成要素および他の電子機器が誘電性液または電気的に非伝導性である液体に浸水させられ得る。浸漬冷却はコンピュータ構成要素を冷却するのに必要である総エネルギーを低減するのに利用され得、十分な冷却のために必要である空間および設備の大きさを低減することもできる。
【発明の概要】
【0004】
液浸冷却システムは種々の計算要求のために実装される。したがって、電力、信号、データ、ならびに流体入力および流体出力のあらゆるハードウェア仕様のために容易に適合され得る浸漬冷却システムを説明することが有益である。
【0005】
有利には、本出願は例示の浸漬冷却システム、および、システムを動作させるための方法に関連する。1つの例示の実施形態では、システムは、熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体(thermally conductive, condensable dielectric fluid)を保持するように構成されたベッセルと、ベッセルの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、ベッセルの溜め槽エリア(sump area)から誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように誘電性流体を通過させて誘電性流体をベッセルの溶液槽エリア(bath area)に送るように構成された流体循環システムと、を備えることができる。
【0006】
1つの例示の実施形態では、システムは、ベッセルの外側にある供給源から誘電性流体を受け取るための入口を備えることができる。1つの例示の実施形態では、システムは、流体循環システムを入口に接続するかまたは切断するための弁システムを備えることができる。1つの例示の実施形態では、流体循環システムはポンプを含むことができる。1つの例示の実施形態では、システムは、入口に対してポンプが接続された第1の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、構成された管理システムを備えることができる。1つの例示の実施形態では、システムは、供給源に対して格納可能なホースが接続されているか否かを検出するためのセンサーを含む格納可能なホースを備えることができる。
【0007】
1つの例示の実施形態では、管理システムは、供給源に対して格納可能なホースが接続されている場合にのみ供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように構成される。1つの例示の実施形態では、システムは、溜め槽エリアに対してポンプが接続された第2の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、供給源から流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、構成された管理システムを備えることができる。
【0008】
1つの例示の実施形態では、システムは、複数のパイプおよび少なくとも1つのボックスを備える熱交換器を含む圧力制御装置を備えることができる。1つの例示の実施形態では、圧力制御装置は、複数のパイプおよび少なくとも1つのボックスを備える熱交換器を含むことができる。1つの例示の実施形態では、複数のパイプまたは少なくとも1つのボックスのうちの少なくとも一方が振動ダンパを含むことができる。1つの例示の実施形態では、振動ダンパは金属重りとなり得る。
【0009】
1つの例示の実施形態では、システムは、複数のセンサーと、コンピュータ構成要素の温度に関連するセンサーデータを受信するように、および、コンピュータ構成要素の温度に基づいてフィルターの故障を確定するように、構成された管理システムと、を備えることができる。1つの例示の実施形態では、センサーデータは、コンピュータ構成要素の温度、ベッセルのところの消費電力、外部温度、誘電性流体温度、入ってくる冷却媒体の温度、出ていく冷却媒体の温度、冷却媒体の流量、溶液槽エリアの上方のエリアの温度、ベッセル内に存在するコンピュータ構成要素の数、またはベッセル内の各コンピュータ構成要素の位置を含むことができる。
【0010】
1つの例示の実施形態では、管理システムは、コンピュータ構成要素がオーバーヒートしているか否かを機械学習モデルを使用して確定するように構成され得る。1つの例示の実施形態では、機械学習モデルは、ベッセルから受信されたセンサーデータを使用して訓練され得る。
【0011】
1つの例示の実施形態では、圧力制御装置は、誘電性蒸気を受け取るように構成されたベローズを含む。1つの例示の実施形態では、ベローズはベローズの体積を確定するためのセンサーを含むことができ、管理システムはセンサーからデータを受信するように構成され得る。1つの例示の実施形態では、管理システムは温度データを受信するように構成され得る。1つの例示の実施形態では、管理システムは、ベッセルの動作の状態を確定するようにさらに構成され得る。1つの例示の実施形態では、動作の状態は、1)熱交換器の起動または停止、2)誘電性流体の燃焼、および3)誘電性流体の漏洩となり得る。1つの例示の実施形態では、管理システムは、センサーから受信したデータおよび温度データに基づいて機械学習モデルを使用してベッセルの動作の状態を確定するようにさらに構成され得る。
【0012】
1つの例示の実施形態では、コンピュータ構成要素は2つのフェーズからなるヒートシンクを備えることができる。1つの例示の実施形態では、2つのフェーズからなるヒートシンクは、液体媒体および2つの細長い金属表面を備える中空ボックスを含むことができる。1つの例示の実施形態では、ベッセルは二次層によって保護され得る。1つの例示の実施形態では、二次層は内部層に平行となり得る。1つの例示の実施形態では、流体センサーは二次層と内部層との間に設けられ得る。
【0013】
1つの例示の実施形態では、システムは、熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、コンピュータ構成要素および誘電性流体を保持するように構成されたシャーシと、ベッセルの溜め槽エリアから誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように誘電性流体を通過させて誘電性流体をシャーシに送るように構成された流体循環システムと、を含むことができる。
【0014】
一実施例では、シャーシは、流体循環システムから誘電性流体を受け取るための流体コネクタを含むことができる。一実施例では、流体コネクタは、シャーシがベッセル内に配置されるときに開くように構成され得る。一実施例では、流体コネクタは、シャーシがベッセルから取り外されるように設定されるときに閉じるように構成され得る。
【0015】
一実施例では、シャーシは熱交換器を含むことができる。一実施例では、熱交換器は、冷却媒体コネクタから冷却媒体を受け取るように構成され得る。一実施例では、熱交換器は電気熱交換器となり得る。一実施例では、シャーシは、誘電性流体の液位を保持するようにシャーシが構成されることになるようにおよび誘電性流体の蒸気がシャーシから出てベッセルに入ることが可能となるように、開けられ得る。
【0016】
一実施例では、システムは、誘電性流体の液位を確定するための流体液位センサーを含むことができる。一実施例では、流体液位センサーはシャーシ内に位置することができる。一実施例では、システムは、ベッセルの外側にある供給源から誘電性流体を受け取るための入口を含むことができる。
【0017】
一実施例では、システムは、流体循環システムを入口に接続するかまたは切断するための弁システムを含むことができる。一実施例では、流体循環システムはポンプを含むことができる。一実施例では、システムは、誘電性流体の液位が閾値量未満まで低下するときに第1の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、構成された管理システムを含むことができる。
【0018】
一実施例では、供給源は供給源流体液位センサーを含むことができる。一実施例では、管理システムは、供給源流体液位が閾値量未満まで低下する場合にセントラルサーバーに信号を送信するように構成され得る。一実施例では、閾値量は誘電性流体のための高さレベルである。一実施例では、閾値量は、人工知能によって確定された所定の期間にわたってシステムを動作させるのに必要である流体の量である。
【0019】
1つの例示の実施形態では、システムは、ベッセルの外側の供給源から誘電性流体を受け取るための入口を備えることができる。1つの例示の実施形態では、システムは、流体循環システムを入口に接続するかまたは切断するための弁システムを備えることができる。1つの例示の実施形態では、流体循環システムはポンプを含むことができる。1つの例示の実施形態では、システムは、入口に対してポンプが接続された第1の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、構成された管理システムを備えることができる。1つの例示の実施形態では、システムは、供給源に対して格納可能なホースが接続されているか否かを検出するためのセンサーを含む格納可能なホースを備えることができる。
【0020】
1つの例示の実施形態では、管理システムは、供給源に対して格納可能なホースが接続されている場合のみ供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように構成される。1つの例示の実施形態では、システムは、溜め槽エリアに対してポンプが接続された第2の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、供給源から流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、構成された管理システムを備えることができる。
【0021】
1つの例示の実施形態では、コンピュータ構成要素は、解除可能なレールを備えることができる1つまたは複数のアダプタに接続され得る。一実施例では、コンピュータ構成要素は、レールを使用してラックの中まで摺動することができる。
【0022】
一実施例では、システムは、熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するためのタンクと、タンクの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられ得るコンピュータ構成要素と、気相の誘電性流体を凝結させるための凝結器と、コンピュータ構成要素を拾い上げることができるロボットと、制御装置に動作可能に接続されたラマン分光計と、を備えることができる。一実施例では、制御装置は、ラマン分光計から試験結果を受信して試験結果に基づいて是正措置をトリガーすることができる。
【0023】
一実施例では、システムは、熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたタンクであって、ここでは、上記タンクがベローズに動作可能に接続され得る、タンクと、誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられた1つまたは複数のコンピュータ構成要素を保持するように構成されたラックと、気相の誘電性流体を凝結させるための凝結器と、タンクの底部に取り付けられるように構成された金属保持プレートと、金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、ラック内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成された、複数のフィラープレートと、を備えることができる。
【0024】
一実施例では、システムは、熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたタンクであって、ここでは、上記タンクがベローズに動作可能に接続される、タンクと、誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられた1つまたは複数のコンピュータ構成要素を保持するように構成されたラックと、気相の誘電性流体を凝結させるための凝結器と、緩衝装置を使用してタンクの底部に取り付けられるように構成されたプラットフォームと、電力およびタンクに対してのデータ接続性を提供するように構成された車両と、を備えることができる。
【0025】
本例示のシステムは、電力を提供するためのバッテリーと、タンクに対してのデータ接続性を提供するためのアンテナと、をさらに備えることができる。本例示のシステムでは、緩衝装置がばねとなり得る。本例示のシステムでは、車両が、タンクの外側の凝結器から熱を伝達するための熱噴出口を含むことができる。
【0026】
本概要は、詳細な説明において後でさらに説明される単純化された形態で一定の選択範囲の概念を紹介するために提供されるものである。本概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を明らかにすることを意図されず、また、特許請求される主題の範囲を決定するのを支援するものとして利用されることも意図されない。
【0027】
上に記載されるかまたは他の利点および特徴を達成することができる手法を説明することを目的として、添付図面に示される具体的な実施形態を参照しながら、上で簡潔に説明した主題をより具体的に説明する。これらの図面が典型的な実施形態のみを描いておりしたがって範囲を限定するものとしてみなされないことの理解の上で、添付図面を使用しながら実施形態がさらに具体的におよび詳細に記述されて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の例示の実施形態による液浸冷却システムを示す図である。
【
図2】本開示の例示の実施形態による別の液浸冷却システムを示す図である。
【
図3】本開示の例示の実施形態による別の液浸冷却システムを示す図である。
【
図4】本開示の例示の実施形態による別の液浸冷却システムを示す図である。
【
図5】例示の実施形態による例示の2つのフェーズからなるヒートシンクを示す図である。
【
図6】内部層および二次層を含む例示の液浸冷却システムを示す図である。
【
図7】本開示の例示の実施形態による液浸冷却システムを示す図である。
【
図8】本開示の例示の実施形態による例示のシャーシを示す図である。
【
図9】本開示の例示の実施形態による別の液浸冷却システムを示す図である。
【
図10A】例示の実施形態による保管エリア内のシャーシを示す例示の上面図の配置構成である。
【
図10B】例示の実施形態による保管エリア内のシャーシを示す別の例示の上面図の配置構成である。
【
図11】本開示の例示の実施形態による液浸冷却システムを示す図である。
【
図12】本開示の例示の実施形態による液浸冷却システムを示す図である。
【
図13】例示の実施形態による加熱要素の例示の実施形態を示す図である。
【
図14A】非取付位置にある、コンピュータ構成要素の両側の側面のための例示のアダプタを示す図である。
【
図14B】取付位置にある、コンピュータ構成要素の両側の側面のための例示のアダプタを示す図である。
【
図15】コンピュータ構成要素の右側の側面では取付位置にあり、コンピュータ構成要素の左側の側面では非取付位置にある、コンピュータ構成要素の両側の側面のための例示のアダプタを示す図である。
【
図16】本出願の例示のアダプタのためのレール組立体を示す図である。
【
図17】例示のキャリアブラケット組立体を示す図である。
【
図18】浸漬冷却ラックの中まで摺動させられる本明細書で説明されるアダプタを備える例示のコンピュータ構成要素を示す
【
図19】ラマン分光計を含む例示の浸漬冷却システムを示す図である。
【
図20】浸漬冷却流体タンクの底部またはフロアに取り付けられた例示の底部保持プレートを示す図である。
【
図21】トラックの上に設置された例示の浸漬冷却システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の種々の特徴を示すために本発明の例示の実施形態を説明する。本明細書に記述される実施形態は本発明の範囲を限定することを意図されず、むしろ、本発明の構成要素、使用、および動作の例を提供することを意図される。
【0030】
浸漬冷却システム
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムまたはベッセルが、溶液槽エリアと、溜め槽エリアと、計算デバイスと、ロボットと、圧力制御システムと、管理システムと、を含むことができる。ベッセルは、熱交換器を使用して冷却され得る、大気圧で(または、その範囲内で)維持される圧力制御タンクとなり得る。計算デバイスは、ベッセルの溶液槽エリア内で誘電性流体に浸され得る。計算デバイスはネットワークに接続され得、誘電性流体に浸されながら種々の処理・計算タスクを実施することができる。ベッセルは、溶液槽エリア、計算デバイス、および溜め槽エリアにアクセスするための蓋を含むことができる。ベッセルは、圧力制御システムに流体的に連結され得る。ロボットは、蓋が開いているとき、計算デバイスをベッセルの溶液槽エリアから持ち上げることができる。ロボットは、計算デバイスの保管のために提供されたマガジンの中にまたは車両の上に、持ち上げられた計算デバイスを配置することができる。ロボットはさらに、マガジン(または、車両)から計算デバイスを持ち上げることができ、溶液槽エリアから持ち上げられた計算デバイスの場所にこの計算デバイスを配置することができる。ロボットは、ベッセル、車両、または別の場所に装着され得る。
【0031】
一実施例では、管理システムはソフトウェアを用いてまたはソフトウェアを用いずに構成され得、液浸冷却システムに含まれるセンサーのうちの任意のセンサーによって生成された任意のデータを受信するように構成され得る。一実施例では、管理システムは、調整を行うことができ、警告を提供することができ、および/または、例えばセンサー読取値に基づいて、別の適切な措置をとることができる。例えば、管理システムは、加熱要素を調整または制御することができ、流体流れまたは温度を調整することができ、圧力を調整することができ、流体液位、流体純度、および/または任意の数の他のシステムパラメータを調整することができる。このような調整は、しばしば、液浸冷却システムの1つまたは複数の感知されたパラメータに基づく。
【0032】
図1は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム100を示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム100はベッセル105および車両130を含むことができる。ベッセル105は、溶液槽エリア111と、溜め槽エリア112と、流体113と、コンピュータ構成要素114と、ポンプ115と、フィルター118と、ドア116と、管理システム117と、熱交換器119と、貫通プレート120と、を含むタンク110を備えることができる。コンピュータ構成要素114は流体113に浸水させられ得る。車両130はロボット131を含むことができる。ロボット131は、ドア116が開いているときにコンピュータ構成要素114を持ち上げることができ、コンピュータ構成要素114を車両130の上に配置することができる。
【0033】
流体移送システム
1つの例示の実施形態では、ベッセルは、タンクの外側の供給源から誘電性流体を受け取るための、および/または、流体をタンクの外側に廃棄することを目的としてタンクから流体を取り除くための流体移送システムを含むことができる。しばしば、誘電性流体は大型コンテナで配送される。流体をこれらのコンテナから浸漬冷却システムのタンクまで移送することは面倒なものとなり得、時間を要し得る。場合によってはコンテナからタンクまで流体を移送するために外部ポンプおよびホースが使用される。しかし、これらの構成要素が適切に密閉されない可能性があることを理由として、誘電性流体はこぼれ得るかまたは蒸発し得、したがって無駄となり得る。さらに、ポンプおよびホースがタンクシステムの外側にあることを理由として、これらの構成要素はダストおよびデブリを集め得、ダストおよびデブリは誘電性流体にとってさらには誘電性流体によって冷却されるための計算構成要素にとって有害なものである。
【0034】
1つの例示の実施形態では、流体移送システムは、入口と、ポンプと、入口をポンプおよびタンク(例えば、溶液槽エリアまたは溜め槽エリア)に接続する種々のパイプと、を含むことができる。この例示の実施形態では、入口は、ホースを使用してコンテナに着脱自在に接続され得る。ポンプは、ホースを使用して入口を通して、コンテナから誘電性流体を引き入れることができる。次いで、ポンプは、ポンプをタンクに接続するパイプを使用して流体をタンク(例えば、溶液槽エリアまたは溜め槽エリア)まで移送することができる。1つの例示の実施形態では、ポンプは、タンクから流体を引き入れるように、および、入口を通してタンクの外側まで流体を移送するように、構成され得る。一実施例では、ポンプは双方向ポンプとなり得、例えば1つの動作モードでは、ポンプはコンテナから流体を引き入れることができ、第2の動作モードでは、ポンプはタンクから流体を引き入れることができる。
【0035】
1つの例示の実施形態では、流体移送システムは複数の入口および/または出口を含むことができ、各入口および/または出口がポンプに連結される。例えば、入口はコンテナから流体を引き入れることの専用となり得る。この実施例では、ポンプは流体を引き入れて流体をタンクまで移送することができる。別の実施例として、入口(または、出口)は、ポンプを使用して流体をタンクの外まで移送することの専用となり得る。一実施例では、移送システムは複数の入口を含むことができ、入口のうちの2つ以上の入口がポンプに接続され得る。この実施例では、ポンプは、入口のうちの1つまたは複数の入口をポンプに接続するように構成された弁システムを通して2つ以上の入口に流体的に連結され得る。ポンプは、コンテナから流体を引き入れるようにまたは流体をタンクの外まで移送するように構成され得る。
【0036】
1つの例示の実施形態では、流体移送システムはフィルターを含むことができる。この例示の実施形態では、流体移送システムは、タンクに流体を送る前にフィルターを通るように誘電性流体を通過させることができる。別の実施例として、流体移送システムは、システムが流体をタンクの外側まで移送するときに、フィルターを通すように誘電性流体を通過させることができる。
【0037】
1つの例示の実施形態では、流体移送システムは複数の動作モードを含むことができる。第1の動作モードでは、流体移送システムは、タンクの外側に位置するコンテナから流体を引き入れることができる。流体移送システムは、任意選択で、流体をタンクに送る前にフィルターを通るように流体を通過させることができる。この実施例では、フィルターはポンプの手前にまたはポンプの後方に位置することができる。第2の動作モードでは、流体移送システムは、タンクから流体を引き入れることができ、流体をタンクの外側まで移送することができる。流体移送システムは、任意選択で、流体をタンクの外側まで送る前にフィルターを通るように流体を通過させることができる。この実施例では、フィルターはポンプの手前にまたはポンプの後方に位置することができる。第3の動作モードでは、流体移送システムはタンク内で流体を循環させることができる。例えば、ポンプは、溜め槽エリアから流体を引き入れることができ、流体を溶液槽エリアまで移送することができる。別の実施例として、ポンプは溶液槽エリアから流体を引き入れることができ、流体を溜め槽エリアまで移送することができる。流体移送システムは、任意選択で、フィルターを通るように流体を通過させることができる。この実施例では、フィルターはポンプの手前にまたはポンプの後方に位置することができる。
【0038】
1つの例示の実施形態では、流体移送システムは、複数のポンプと、弁システムと、1つまたは複数の入口および/または出口と、を含むことができる。一実施例では、弁システムは、パイプを使用して任意の入口および/または出口を任意のポンプに接続することができる。一実施例では、弁システムは任意のポンプを溶液槽エリアおよび/または溜め槽エリアに接続することができる。この例示の実施形態では、管理システムはユーザーインターフェースを含むことができる。ユーザーインターフェースはベッセル上に位置することができるかまたはベッセルから遠隔のところに位置することができる(例えば、インターネットなどのネットワークを通して接続される)。使用者が、任意のポンプを起動または停止するように流体移送システムに指示を出すために、ならびに、ポンプを任意特定のエリアおよび/または入口/出口に接続するように弁システムに指示を出すために、ユーザーインターフェースを使用することができる。
【0039】
図2は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム200を示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム200は、入口230と、弁システム240と、ポンプ215と、フィルター218と、を含むことができる。ポンプ215および/または弁システム240は管理システム117と通信状態となり得、その結果、ポンプ215および/または弁システム240が管理システム117から信号およびコマンドを受信することができる。入口230はパイプを使用して弁システム240に流体連通され得る。弁システム240はパイプを使用して溜め槽エリア112およびポンプ215に接続され得る。弁システム240は、ポンプ215を入口230または溜め槽エリア112に流体的に接続することができる3方向弁となり得る。入口230は、例えばホース250を使用して、タンク110の外側にあるコンテナ260に接続され得る。
【0040】
1つの動作モードでは、管理システム117は、入口230をポンプ215に接続するように弁システム240にコマンドを出すことができる。この動作モードでは、ポンプ215は、入口230を通してコンテナから流体を引き入れることができ、流体を溶液槽エリア111まで移送することができる。別の動作モードでは、管理システム117は、溜め槽エリア112をポンプ215に接続するように弁システム240にコマンドを出すことができる。この動作モードでは、ポンプ215は溜め槽エリア112から流体を引き入れることができ、流体を溶液槽エリア111まで移送することができる。
【0041】
この例示の実施形態では、フィルター218はポンプ215の上流に位置する。フィルター218は、ポンプ215が入口230または溜め槽エリア112から流体を引き入れるときに、入ってくる流体を濾過することができる。他の配置構成も可能である。例えば、フィルター218は特定の動作モードでは迂回され得るが、他の動作モードでは使用され得る。別の実施例として、フィルター218はポンプ215の下流に配置され得る。
【0042】
1つの例示の実施形態では、ホース250は、ベッセル105内で保管され得る格納可能なホースとなり得る。この例示の実施形態では、コンテナ260から誘電性流体を引き入れることが必要である場合に、使用者がベッセル105の外までホース250を引くことができ、ホース250をコンテア260に接続することができる。1つの例示の実施形態では、ホース260は、例えばホース250がベッセル105の外まで引かれるときにまたはホース250がコンテナ260に接続されるときに起動され得るセンサー255を含むことができる。この例示の実施形態では、センサーは管理システム117と通信状態となり得る。
【0043】
1つの例示の実施形態では、管理システム117は、ポンプ215によりコンテナ260から流体を引き入れるのを可能にする前にホース250を外まで引くかまたはホース250をコンテナ260に接続するのを必要とする可能性がある。この例示の実施形態では、弁システム240がポンプ215に対して入口230が接続されるモードにある場合、管理システムはホース250を外まで引くかまたはホース250をコンテナ260に接続するのを必要とする可能性がある。1つの例示の実施形態では、弁システム240がポンプ215に対して溜め槽エリア112が接続されるモードにあるとき、管理システム117はポンプ215の動作に干渉しない可能性があり、つまりポンプ215が溜め槽エリア112から流体を引き入れることができる。
【0044】
1つの例示の実施形態では、管理システム17は、トリガー条件が満たされるときにポンプ215を入口230に接続するように弁システム240にコマンドを出すことができる。例示のトリガー条件は誘導性流体113の酸性度の変化となり得る。この例示の実施形態では、ベッセル105は、誘電性流体113の酸性度を確定することができるセンサーを含むことができる。酸性度の変化が検出される場合、コンピュータ構成要素114が損傷し得るリスクが存在する。したがって、管理システム117は流体113を迅速に廃棄することができ、例えば、流体113を溶液槽エリア111からタンク110の外側まで圧送することができる。
【0045】
1つの例示の実施形態では、トリガー条件はタンク110内の流体液位の変化となり得る。この例示の実施形態では、ベッセル105は流体液位センサーを含むことができる。タンク110内のまたは溶液槽エリア111内の流体液位が閾値量未満まで低下する場合、管理システム117は流体を引き入れることができる。例えば、例として溜め槽エリア112内に流体が存在する場合に管理システム117は溜め槽エリア112をポンプ215に接続するように弁システム240にコマンドを出すことができる。別の実施例として、例えばホース250がコンテナ260に接続される場合、管理システム117はポンプ215に対しての入口230にコマンドを出すことができる。管理システム117はさらに、タンク内の流体の液位の増大させるようにするために流体を引き入れるようにポンプ215にコマンドを出すこともできる。
【0046】
振動制御システム
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システム内にある熱交換器が、ベッセルの外側にある供給源から冷却媒体を受け取ることができる複数のパイプを含むことができる。冷却媒体はパイプを通って移動することができ、例えば溶液槽エリアの上方において、ベッセル内の蒸気を凝結させることができる。1つの例示の実施形態では、パイプはパイプの各側においてボックスに接続され得る。各ボックスは冷却媒体の供給源に流体的に接続され得る。いくつかの動作モードでは、冷却媒体は、ボックスおよび/またはパイプに対して応力を発生させ得、ボックスおよび/またはパイプ内で振動を発生させ得る大きい流量で、パイプおよびボックスを通って移動することができる。しばしば、ボックスおよび/またはパイプは、溶接を介して、互いに接続され、他の構造にも接続される。応力および振動はシステム内で機械的故障を引き起こし得、例えば、パイプおよびボックスのうちの任意の1つのボックスの溶接接続が切断され得、それにより冷却媒体がベッセルの溶液槽エリアの中まで漏洩し得るようになる。冷却媒体が誘電性流体と混合されると、誘電性流体の品質が低下し、電気的故障が後発し得るようになる。
【0047】
したがって、1つの例示の実施形態では、パイプまたはボックスに対しての応力および振動の有害な影響を無効にするために1つもしくは複数のボックスまたはパイプのところに振動ダンパが提供される。1つの例示の実施形態では、振動ダンパは質量体(mass)または重りとなり得、例えば金属質量体となり得る。一実施例では、パイプはパイプの振動を測定するための振動センサーを含むことができ、振動が閾値を超える場合に、振動センサーが管理システムに信号を送ることができる。信号を受信すると、管理システムは液浸冷却システムの操作者に対して警告通知を表示することができるか、または、管理システムはセントラルサーバーに対して通知を行うことができ、例えば、システムにより点検・修理が必要とされていることを示すことができる。
【0048】
図3は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム300を示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム300はベッセル305を含む。ベッセル305は、コンピュータ構成要素314と、ロボット331と、熱交換器319と、を含むことができる。熱交換器319は、複数のパイプ(または、コイル)361と、ボックス362と、ダンパ363と、を含むことができる。この例示の実施形態では、ダンパ363は金属重りとなり得る。ダンパ363は、例えば、プラスチック、ポリカーボネート、または誘電性流体に適合する任意の材料などの、他の物質からも作られ得る。1つの例示の実施形態では、ダンパ364はパイプに取り付けられ得る。1つの例示の実施形態では、ダンパはパイプまたはボックスの内部にまたは外側に存在し得る。
【0049】
流体品質検出装置
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムは溶液槽エリア内に誘電性流体を含むことができる。溶液槽エリアは、溶液槽エリア内で浸水させられる、1つまたは複数のコンピュータ構成要素、および、ワイヤ、電気回路、コネクタなどの他の構成要素、をさらに含むことができる。これらの構成要素は、誘電性流体を用いて洗い流され得てしたがって誘電性流体を汚染し得る塵、デブリ、グリース、および他の汚染物質を含む可能性がある。コンピュータ構成要素の熱を発生する構成要素(例えば、CPU、GPU、またはRAM)が汚染された流体を蒸発させるとき、これらの汚染物質がこれらの熱を発生する構成要素の上に残留物として蓄積する可能性がある。しかし、残留物は熱を発生する構成要素の熱伝達を低下させ得、つまり、熱を発生する構成要素から誘電性流体まで熱を伝達することが可能となるレートが低減され得る。したがって、熱を発生する構成要素がオーバーヒートする可能性がある。
【0050】
タンク内の汚染を管理するのに濾過が使用され得る。しかし、フィルターは経時的にその有効性を失い得る。現在、フィルターの有効性に不具合が生じたか否かを正確に確定することができ、ライブデータ(live data)を提供することができるセンサーは存在しない。フィルター内の圧力低下を点検するのに圧力センサーが使用され得るが、これらの変化は濾過品質のわずかな低下を検出するくらいには十分に有意なものではない。定期的に流体を分析試験することにより流体が汚染されたか否かを(およびひいては、フィルターが意図される通りに動作することができなくなったか否かを)示すことができるが、これらの試験はライブデータを提供しない。
【0051】
例示の実施形態によると、誘電性流体が汚染物質を含有するか否かおよびフィルターが流体を洗浄することができなくなったか否かのインジケータとして、熱を発生する構成要素の温度が使用され得る。1つの例示の実施形態では、各コンピュータ構成要素は、構成要素のための温度を確定することができる(例えば、温度計、センサー、消費電力情報、または、他のデバイス、技術もしくは情報を使用して)。コンピュータ構成要素はこの情報を管理システムに送信することができる。管理システムは、複数のコンピュータ構成要素から温度情報を受信することができる。
【0052】
加えて、管理システムは、例えば、ベッセルのところの消費電力、外部温度、外部圧力、誘電性流体の温度、入ってくる冷却媒体の温度、出ていく冷却媒体の温度、冷却媒体の流量、溶液槽エリアの上方のエリアの温度、ベッセル内に存在するコンピュータ構成要素の数、ベッセル内の各コンピュータ構成要素の位置などの、追加の情報を受信することができる。これらの情報(および/または、他の情報)の一部またはすべてが、各々の(または、一部の)コンピュータ構成要素の温度に関する予測を行うためにモデルに提供され得る。コンピュータ構成要素の温度が予測される温度を閾値以上に超えると、管理システムがコンピュータ構成要素がオーバーヒートしていることを示すことができる。
【0053】
オーバーヒートしているコンピュータ構成要素の数に応じて、管理システムは多様な結論を推察し得る。例えば、コンピュータ構成要素のうちの1つのコンピュータ構成要素のみがオーバーヒートしている場合、管理システムは、オーバーヒートしているコンピュータ構成要素が手動の検査を必要としていると推察することができる。他方、コンピュータ構成要素の大多数(例えば、50%以上)がオーバーヒートしている場合、管理システムは、誘電性流体が汚染されていることおよび/またはフィルターが交換を必要としていることを推察することができる。オーバーヒートしているコンピュータ構成要素の多様な数に基づいて管理システムが同様の結論を導くことができることを当業者であれば認識するであろう。一実施例では、オーバーヒートしている構成要素の数が第1の閾値未満である場合、管理システムはオーバーヒートしているコンピュータ構成要素が手動の検査を必要していることを示すことができる。別の実施例では、オーバーヒートしているコンピュータ構成要素の数が第2の閾値を超える場合、管理システムは誘電性流体の品質が低下していることおよび/またはフィルターが交換を必要としていることを推察することができる。
【0054】
1つの例示の実施形態では、モデルは機械学習モデルとなり得る。モデルは、ベッセルまたは他のベッセルから受信された過去データを使用して訓練され得る。データは、例えば、各計算構成要素の温度、ベッセルのところの消費電力、外部温度、誘電性流体の温度、入ってくる冷却媒体の温度、出ていく冷却媒体の流量、冷却媒体の流量、溶液槽エリアの上方のエリアの温度、ベッセル内に存在するコンピュータ構成要素の数、またはベッセル内の各コンピュータ構成要素の位置などを含むことができる。これらのデータ(および/または、他のデータ)は、コンピュータ構成要素のための温度を予測するように機械学習モデルを訓練するのに使用され得る。
【0055】
1つの例示の実施形態では、流体が汚染されているか否かを確定するためにセンサーが使用され得る。例えば、センサーは、加熱器、表面、または温度計を含むことができる。加熱器は所定の量の熱を発生させることができる。一実施例では、温度計は、表面の温度に関するデータをモデルに提供することができる。所与の量の熱における表面の温度の変動に基づいて、モデルはセンサーがオーバーヒートしているか否かおよび/または流体中に汚染物質が存在するか否かを予測することができる。
【0056】
熱交換器制御装置および検出システム
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムは圧力制御システムを含むことができる。圧力制御システムは、熱交換器と、ベローズと、蒸気・空気分離器(vapor-air separator)と、を含むことができる。一実施例では、コンピュータ構成要素が熱を発生させるとき、誘電性流体が蒸発してタンクの圧力が増大する。管理システムは、蒸発および圧力の増大に反応して1つまたは複数の手順を実施することができる。例えば、管理システムは、蒸気が凝結するのを可能にするようにおよび圧力が低下するのを可能にするようにより高いレートで冷却媒体を循環させるように、熱交換器に指示を出すことができる。別の実施例として、管理システムは、タンク内の空気の一部が放出されることになるようにおよびひいては圧力が再び低下するのを可能にするように、蒸気・空気分離器に対しての弁を開くことができる。別の実施例として、管理システムは、余剰蒸気がベローズまで誘導されるのを可能にするようにおよびタンクの圧力が低下するのを可能にするように弁を開くこができる。
【0057】
一実施例では、浸漬冷却システムは大気圧で動作することができる。コンピュータ構成要素(およびひいては、コンピュータ構成要素によって消費される電力)のための処理需要は予測不可となり得る。コンピュータ構成要素のための処理需要が変動すると、コンピュータ構成要素が誘電性蒸気を生成しえ得るか、または、誘電性蒸気が凝結し得る(つまり、液体となり得る)。タンクが固定の体積を有することを理由として、ベローズがタンクの内部圧力を大気圧で維持するためにその体積を膨張または収縮させることができる。したがって、ベローズは誘電性蒸気を受け入れることおよび蒸気をタンクに戻すことの両方に備えておくことができる。例えば、処理需要が急激に上昇するときはベローズは誘電性蒸気を受け取ることができ、処理需要が低下するときはベローズは蒸気をタンクに戻すことができる。ベローズの最適な性能のために、つまりタンクから蒸気を効果的に受け入れるためにおよび必要である場合に蒸気をタンクまで放出するために、ベローズは正の付勢状態となり得、例えばベローズは通常運転中に約50%で充填され得る。他の付勢状態も可能である。例えば、処理需要の低下ではなく処理需要の急激な上昇が予期される場合、ベローズは約30%で充填され得、例えば半分未満で充填され得る。
【0058】
1つの例示の実施形態では、管理システムは、浸漬冷却システムの少なくとも1つの状態に関する予測を行うためにおよび/または応答的手順を実施するために、理想気体の法則すなわちPV=nRTを利用することができる。例えば、浸漬冷却システムは、タンク内に位置する温度センサーおよびベローズの体積の変化を確定するためのセンサー(例えば、ベローズの高さの変化を確定するためのセンサー)を含めた、複数のセンサーを含むことができる。管理システムは各センサーからデータを受信することができる。
【0059】
温度センサーがタンクの温度の上昇を示してボリュームセンサーがベローズの体積の増大を示す場合、管理システムは、タンク内で蒸気が生成されたことおよび熱交換器が起動され得ること(つまり、冷却媒体の流量が増大され得ること)を確定することができる。この例示の実施形態では、ベローズの体積は、熱交換器内を循環する冷却媒体の量を調節することによって制御され得る。例えば、冷却媒体の流量の増大は蒸気を凝結させ得、ベローズの体積を縮小させ得る。同様に、温度センサーがタンクの温度の低下を示してボリュームセンサーがベローズの体積の縮小を示す場合、管理システムは、タンク内で蒸気が凝結していることおよび熱交換器が停止され得ること(つまり、冷却媒体の流量が低減され得ること)を確定することができる。この例示の実施形態では、ベローズの体積は、熱交換器内を循環する冷却媒体の量を調節することによって制御され得る。例えば、冷却媒体の流量の減少はより多くの蒸気を生成するのを可能にし得、ベローズの体積を増大さ得る。
【0060】
一実施例では、冷却媒体の流量は、ベローズの体積および/またはベローズの体積の変化のレートに基づいて調節され得る。一実施例では、冷却媒体の流量は、タンクの温度および/またはタンクの温度の変化のレートに基づいて調節され得る。タンクの温度は誘電性流体の温度または蒸気の温度となり得、温度センサーはタンク内の任意の場所に位置することができる。
【0061】
1つの例示の実施形態では、タンクの温度の変化(もしくは、温度の不足)に基づいておよび/またはベローズの体積の変化(もしくは、体積の不足)に基づいて、管理システムはシステム内での漏洩を確定することができるか、または誘電性流体が燃焼していることを確定することができる。一実施例では、誘電性流体または蒸気がタンクから漏洩するとき、タンクの任意の所与の動作状態(例えば、温度、消費電力など)においてタンクの圧力が低下し得る。一実施例では、誘電性流体が燃焼するとき、タンクの任意の所与の動作状態においてタンクの圧力が増大し得る。
【0062】
一実施例では、タンクの温度が変化しないがベローズの体積が増大する場合、管理システムは誘電性流体が燃焼していることを推察することができる。一実施例では、タンクの温度が変化しないがベローズの体積が縮小する場合、管理システムは誘電性流体がタンクから漏洩していることを推察することができる。
【0063】
一実施例では、タンクの温度が上昇するがベローズの体積が所定のペースより高いペースで増大する場合、管理システムは誘電性流体が燃焼していることを推察することができる。一実施例では、タンクの温度が上昇するがベローズの体積が所定のペースより低いペースで増大する場合、管理システムは誘電性流体が漏洩していることを推察することができる。一実施例では、タンクの温度が上昇してベローズの体積が所定のペースで増大する場合、管理システムは熱交換器が起動される必要があることを(または、冷却媒体の流量が増大される必要があることを)推察することができる。
【0064】
一実施例では、タンクの温度が低下するがベローズの体積が所定のペースより低いペースで縮小する場合、管理システムは誘電性流体が燃焼していることを推察することができる。一実施例では、タンクの温度が低下するがベローズの体積が所定のペースより高いペースで縮小する場合、管理システムは誘電性流体が漏洩していることを推察することができる。一実施例では、タンクの温度が低下してベローズの体積が所定のペースで縮小する場合、管理システムは熱交換器が停止される必要があることを(または、冷却媒体の流量が低減される必要があることを)推察することができる。
【0065】
1つの例示の実施形態では、所定のペースは機械学習モデルによって確定され得る。機械学習モデルは以前の動作サイクルにおいて管理システムおよび浸漬冷却タンク内の種々のセンサーからデータを受信することができ、以前の動作状態のために記録されたパラメータに基づいて所定のペースを決定することができる。所定のペースは、モデルによって受信された最新の動作状態に基づく例えば温度または体積の変化の予測されるレートとなり得る。
【0066】
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムはガスを排出することができ、例えば蒸気・空気分離器を使用して、システムは誘電性蒸気を集めて空気を放出することができる。一実施例では、浸漬冷却システムは、タンクがガスを一切排出していない間において、上で説明した手順を実施することができる。一実施例では、浸漬冷却システムは、例えばタンクが空気を排出した後またはタンクが所定の期間にわたって定常温度に達した後などで、タンクが定常状態に達した間において、上で説明した手順を実施することができる。
【0067】
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムは、タンクから排出された空気の体積を確定することができる。この例示の実施形態では、空気が浸漬冷却システムから排出された後でベローズの体積変化が確定され得る。管理システムは、システムから放出された空気の量を確定するために体積の変化をベンチマークとして使用することができる。特には、管理システムは、タンク内の蒸気の濃度を示すセンサーデータを受信することができる。濃度および体積の変化を使用して、管理システムは体積の変化の一部をタンクから放出された空気に起因するとみなすことができ、体積の変化の別の一部を蒸気に起因するとみなすことができる。
【0068】
図4は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム400を示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム400は、タンク410を含むことができるベッセル405を含むことができる。タンク410は、溶液槽エリア411と、溜め槽エリア412と、流体413と、コンピュータ構成要素414と、ポンプ415と、フィルター418と、ドア416と、管理システム417と、熱交換器419と、貫通プレート420と、を含むことができる。コンピュータ構成要素414は流体413に浸水させられ得る。
【0069】
タンク410は排出装置440に連結され得、排出装置440はベローズ430に連結され得、さらには圧力制御弁450を通して蒸気・空気分離器460に連結され得る。この例示の実施形態では、蒸気・空気分離器460は蒸気凝結器470に連結され得、蒸気凝結器470は乾燥剤480に連結され得る。乾燥剤480は空気入口・出口490に連結され得る。例示のタンク410は上述の構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素を含むことができる。
【0070】
この例示の実施形態では、タンク410は、ベローズ430内にあるボリュームセンサー431と、タンク410内にある温度センサー432と、を含むことができる。ボリュームセンサー431および温度センサー432は管理システム417にデータを提供することができる。例えば、データは、ベローズ430の最新の体積およびタンク410の温度を含むことができる。データを使用して、管理システム417は、ベローズ430の体積の変化のレートおよびタンク410の温度の変化のレートを計算することができる。体積の変化のレートが体積の変化の予期されるレート(例えば、所定のレート)から逸脱するかまたは予期されるレート(例えば、所定のレート)に適合する場合、管理システムは、例えば、熱交換器が起動または停止される必要があること、タンクが漏洩していること、誘電性流体が燃焼していることを確定することができる。タンクが漏洩しているかまたは誘電性流体が燃焼している場合、管理システムは警告信号を送信することができる。一実施例として、警告信号はベッセル405のユーザーインターフェースに送信され得る。別の実施例として、警告信号は遠隔監視ステーションに送信され得る。
【0071】
2つのフェーズからなるヒートシンク
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムのコンピュータ構成要素はヒートシンクに取り付けられ得る。ヒートシンクはコンピュータ構成要素から浸漬冷却システムのタンク内の誘電性流体まで熱を伝達するのを支援することができる。1つの例示の実施形態では、ヒートシンクは、コンピュータ構成要素に取り付けられ得る固体銅シートとなり得る。1つの例示の実施形態では、ヒートシンクは2つのフェーズからなるヒートシンクとなり得る。
【0072】
一実施例では、2つのフェーズからなるヒートシンクは、内部に液体媒体を含むことができる中空ボックスとなり得る。一実施例では、中空ボックスは2つの細長い側面を含むことができ、側面の各々が、例えば銅または銀などの、高い熱伝導性を有する金属から作られ得る。一実施例では、2つのフェーズからなるヒートシンクは、細長い側面のうちの一方にあるコンピュータデバイスから熱を受け取ることができる。熱がヒートシンクの内部の液体媒体を蒸発させることができる。蒸気はもう一方の細長い側面に到達することができ、その熱を伝達することができる。したがって、蒸気は冷却され得、および/または凝結することができる。2つのフェーズからなるヒートシンクはヒートシンクのすべての表面においてより効果的な熱伝導性を得るのを可能にすることができる。例示の液体媒体は、水、アルコール、アンモニア、またはさらには誘電性流体を含むことができる。
【0073】
図5は、例示の実施形態による例示の2つのフェーズからなるヒートシンクを示す。この例示の実施形態では、コンピュータ構成要素520がヒートシンク510に取り付けられ得る。ヒートシンク510は、ヒートシンク510の細長い側面に金属プレート512および513を含むことができる。ヒートシンク510は液体媒体511をさらに含むことができる。一方の側面で、ヒートシンク510はコンピュータ構成要素520に熱接触することができ(金属プレート513を通して)、もう一方の側面で、ヒートシンク510は浸漬冷却システムのタンク内に提供された誘電性流体530に熱接触することができる(金属プレート512を通して)。
【0074】
コンピュータ構成要素520によって発生した熱は金属プレート513に伝達され得、次いで液体媒体511に伝達され得る。液体媒体511がもう一方の金属プレート512に接触すると、液体媒体511がその熱を金属プレート512に伝達することができる。次いで、金属プレート512がその熱を誘電性流体530に伝達することができる。一実施例では、コンピュータ構成要素520によって発生した熱は不規則的に分散する可能性がある。ヒートシンク510は、一方の金属プレート上で不規則的に分散する熱を受け取ることができ、この熱をもう一方の金属プレートに効果的に伝達することができる。もう一方の金属プレートで熱が均一に分散することによりヒートシンクの熱伝導性を上げることができる。
【0075】
二次汚染物質システム
浸漬冷却システムに関しての1つの懸念は、不具合または事故によりタンクから流体が漏洩し得ることである可能性がある。1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムはベッセルおよび/またはタンクの上に二次層を含むことができる。二次層はベッセルおよび/またはタンクに追加の保護層を提供することができる。
【0076】
1つの例示の実施形態では、二次層はベッセルおよび/またはタンクのための壁となり得る。ベッセルおよび/またはタンクのために二次層と内部層との間に分離領域が存在し得る。1つの例示の実施形態では、流体検出センサーが二次層と内部層との間の分離領域に設けられ得る。流体検出センサーは管理システムと通信状態となり得、内部層と二次層との間で何らかの流体の漏洩が存在する場合に管理層が例えばユーザーインターフェースまたは遠隔監視ステーションに警告信号を送信することができる。一実施例では、二次層はタンクの下にあるタブまたはトレーとなり得る。この実施例では、タンクからの流体が漏洩する場合、流体がタブまたはトレー内に蓄積することができる。
【0077】
図6は、内部層および二次層を含む例示の液浸冷却システムを示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム600は、タンク610を含むことができるベッセル605を含むことができる。ベッセル605は、流体の漏洩を検出するためのセンサー625を含むことができる。
【0078】
ベッセル605は、内部層623と、二次層621と、分離領域630と、を含むことができる。二次層はベッセル605および内部層623を囲むことができる。一実施例では、二次層621はベッセル605および内部層623の1つの側面のみ(または、複数の側面)を覆うことができる。一実施例では、タンク610は、内部層624と、二次層622と、分離領域と、を含むことができる。この実施例では、二次層622は、タンク610および内部層624の1つの側面のみ(または、複数の側面)を覆うことができる。一実施例では、二次層622と内部層624との間の分離領域にセンサーが設けられ得る。
【0079】
1つの例示の実施形態では、各二次層は内部層と平行となり得る。一実施例では、内部層と二次層との間に1つまたは複数のカラムが存在し得る。
【0080】
シャーシベースの冷却システム
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムは、例えば各コンピュータ構成要素のためのシャーシ内に誘電性流体を提供することにより、より少ない誘電性流体を利用するようにすることができる。例示の浸漬冷却システムまたはベッセルは、保管エリアと、溜め槽エリアと、コンピュータ構成要素と、ロボットと、(任意選択の)圧力制御システムと、管理システムと、を含むことができる。ベッセルは、(任意選択で、)熱交換器を使用して冷却され得る、大気圧で(または、その範囲内で)維持される圧力制御タンクとなり得る。コンピュータ構成要素はシャーシ内に配置され得、シャーシは流体コネクタを通して誘電性流体を受け取ることができる。コンピュータ構成要素はネットワークに接続され得、シャーシ内に誘電性流体が存在する間において、種々の処理・計算タスクを実施することができる。ベッセルは、保管エリア、コンピュータ構成要素、および溜め槽エリアにアクセスするための蓋を含むことができる。ベッセルは、(任意選択で)圧力制御システムに流体的に連結され得る。ロボットは、蓋が開いているとき、コンピュータ構成要素をベッセルの保管エリアから持ち上げることができる。ロボットは、コンピュータ構成要素の保管のために提供されたマガジンの中にまたは車両の上に、持ち上げられたコンピュータ構成要素を配置することができる。ロボットはさらに、マガジン(または、車両)からコンピュータ構成要素を持ち上げることができ、保管エリアから持ち上げられたコンピュータ構成要素の場所にこのコンピュータ構成要素を配置することができる。ロボットは、ベッセル、車両、または別の場所に装着され得る。一実施例では、誘電性流体はベッセルの溶液槽エリア内に提供され得る。
【0081】
図7は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム700を示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム700はベッセル705および車両130を含むことができる。ベッセル705は、保管エリア711と、溜め槽エリア112と、流体113と、コンピュータ構成要素114と、ポンプ115と、フィルター118と、ドア116と、管理システム117と、熱交換器719と、貫通プレート120と、流体コネクタ721と、シャーシ722と、蒸気723と、を含むタンク710を備えることができる。シャーシ722は保管エリア711内に配置され得る。シャーシ722は流体コネクタ721から誘電性流体を受け取ることができ、コンピュータ構成要素114はシャーシ722内の流体113に浸水されられ得る。車両130はロボット131を含むことができる。ロボット131は、ドア116が開いているときにコンピュータ構成要素114を持ち上げることができ、コンピュータ構成要素114を車両130の上に配置することができる。一実施例では、溜め槽エリア112はタンク710またはベッセル105の他のエリアから密閉され得る。
【0082】
流体コネクタを備えるシャーシ
1つの例示の実施形態では、シャーシ722はシャーシ熱交換器を含むことができる。この例示の実施形態では、シャーシ722は蒸気723を放出せず、代わりに、シャーシ722は凝結させるために蒸気723を冷却する。この例示の実施形態では、シャーシ熱交換器は、例えば流体コネクタなどを通して冷却媒体を受け取って、シャーシ722から熱を排除する交換器となり得る。冷却媒体は例えば水となり得る。冷却媒体は例えば熱交換器719を使用してタンク内で冷やされ得るかまたはタンクの外側の冷却設備まで移送され得る。この例示の実施形態では、シャーシ722は、1つまたは複数の流体コネクタ721から誘電性流体および冷却媒体を受け取ってコンピュータ構成要素114を冷却する自給式デバイスとなり得る。シャーシ722はさらに種々のコネクタを通して電力およびデータを受け取ることができる。
【0083】
図8は、本開示の例示の実施形態による例示のシャーシ722を示す。この例示の実施形態では、シャーシ722は、コンピュータ構成要素114と、シャーシ熱交換器810と、冷却媒体コネクタ821と、冷却媒体移送パイプ822と、流体コネクタ721と、1つまたは複数の他のコネクタ823と、を含むことができる。流体113(例えば、誘電性流体)は流体コネクタ721を通ってシャーシ722に入ることができる。コンピュータ構成要素114は、シャーシが十分な量の誘電性流体を有するときに、流体113に浸水させられ得る。一実施例では、冷却媒体は、冷却媒体コネクタ821を通ってシャーシ722に入ることができ、冷却媒体移送パイプ822を通してシャーシ熱交換器810まで移送され得る。コンピュータ構成要素114が熱を発生させるとき、流体113は蒸発してシャーシ722内を上昇することができる。蒸気723は熱交換器810に到達することができ、その熱を失うことができる。これにより蒸気723が凝結し得るようになり、蒸気732からの熱がシャーシ熱交換器810内の冷却媒体に伝達され得るようになる。冷却媒体は熱をシャーシ722から離れる方向に伝達することができる。1つの例示の実施形態では、冷却媒体は冷却されるためにベッセル705内の熱交換器719まで移送され得る。
【0084】
一実施例では、熱交換器は、タンク710内で熱を放出する(シャーシから熱を排除する)電気冷却器となり得る。この例示の実施形態では、電気冷却器は冷却媒体移送パイプを必要としない可能性がある。一実施例では、熱交換器はヒートシンクとなり得る。いくつかの用途では、ヒートシンクは十分な量の熱をシャーシ722から離れる方向に伝達することができる。この例示の実施形態では、各シャーシ722から熱がタンク内で放出され得、熱交換器719がタンク710内の空気を冷却することができる。
【0085】
1つの例示の実施形態では、誘電性流体はシャース722から外へ熱を伝達することができる。例えば、シャーシ722はコネクタを通して誘電性流体の流入を受け取ることができる。誘電性流体はコンピュータ構成要素から熱を排除することができる。別のコネクタ(または、同じコネクタ)を通して、誘電性流体はシャーシ722から出ることができる。このように、誘電性流体は冷却媒体として機能することができる。この例示の実施形態では、シャーシ722はシャーシ熱交換器を必要としない可能性がある(しかし、シャーシ熱交換器は任意選択で提供され得る)。この例示の実施形態では、タンク710は、温かい誘電性流体を冷却するための熱交換器719を有することができる。
【0086】
1つの例示の実施形態では、流体コネクタ721(および/または、冷却媒体コネクタ821)は、弁(例えば、機械式弁または電動式弁)となり得る。例えば、流体コネクタ721は、保管エリア711内にシャーシ722が配置されるときに開くことができる。別の実施例として、流体コネクタ721はシャーシ722内で流体の液位を特定のレベルまでしか上昇させないのを可能にすることができる。この例示の実施形態では、シャーシ722は、シャーシ722内の流体の液位を確定するためのセンサーを含むことができる。流体コネクタ721は、シャーシ722内の流体が閾値の高さに達すると、閉じることができる。
【0087】
一実施例では、シャーシは制御装置830を含むことができる。制御装置830は、流体コネクタ721および/または冷却媒体コネクタ821に1組の命令を提供することができる。例えば、制御装置830は、ロボット131により保管エリア711内にシャーシ722が配置されるときに、命令を提供することができる。この実施例では、シャーシ722が保管エリア711内に配置されるとき、シャーシ722内に流体113が存在し得ない。制御装置830は、流体113がシャーシ722に入るのを可能にするまで開くように流体コネクタ721に命令を出すことができる。制御装置830は、シャーシ722の内部の流体がシャーシの高さの例えば95%などの閾値レベルに達するときに、流体コネクタ721を閉じることができる。制御装置830の命令は、シャーシ722内の流体の液位を確定するセンサー読取値に基づくことができる。この実施例では、シャーシ722は、任意選択で、シャーシ722から流体113が出るのを可能にすることができる第2の流体コネクタを含むことができる。シャーシ722が保管エリア711内に配置されるとき(例えば、ロボット131により)、制御装置830は閉じるように第2の流体コネクタに命令を出すことができ、その結果、流体がシャーシ722に流入する(例えば、流体コネクタ721を通って)ときに流体113がシャーシ722から出ない可能性がある。
【0088】
別の実施例として、制御装置830は、ロボット131によって持ち上げられるようにシャーシ722が設定されるときに流体コネクタ721に命令を提供することができる。この実施例では、制御装置830はシャーシ722を空にするように流体コネクタ721(および/または、第2の流体コネクタ)に命令を出すことができ、その結果、シャーシ内に流体113が残らなくなる(または、ほとんど残らなくなる)。
【0089】
一実施例では、制御装置830は、冷却媒体コネクタ821に同様の命令を提供することができる。例えば、制御装置830は、保管エリア711内にシャーシ722が配置されるときに開くように(または、冷却媒体の循環を可能にするように)冷却媒体コネクタ821に命令を出すことができる。別の実施例として、制御装置830は、ロボット131によって持ち上げられるようにシャーシ722が設定されるときに閉じるように(または、冷却媒体を空にするように)冷却媒体コネクタ821に命令を出すことができる。別の実施例として、制御装置830は、シャーシ722内の流体113の温度に応じて開くようにまたは閉じるように冷却媒体コネクタ821に命令を出すことができる。温度が閾値の温度未満である場合、制御装置830は冷却媒体コネクタ821を閉じることができる(冷却媒体の循環を防止するために)。温度が閾値の温度を超える場合、制御装置830は冷却媒体コネクタ821を開くことができる(冷却媒体の循環を可能にするために)。この実施例では、シャーシ722は温度センサーを含むことができる。
【0090】
1つの例示の実施形態では、シャーシ722は、シャーシ722から外へ蒸気723を移送するためのコネクタを含むことができる。この実施例では、蒸気723の冷却はシャーシ722の外側で行われ得る。例えば、蒸気723は、ベッセル705の外側まで熱を伝達するために熱交換器719まで移送され得る。この実施例では、蒸気723を移送することは1つまたは複数のパイプまたは導管を通して行われ得る。
【0091】
1つの例示の実施形態では、シャーシ772が密閉され得る。この実施例では、シャーシ722はコネクタ(例えば、流体コネクタ721)のみを通して流体を交換することができる。別の実施例では、シャーシ722はオリフィスを有することができる(例えば、タンクと流体または蒸気を交換するために)。この例示の実施形態では、コンピュータ構成要素114が流体113を加熱するとき、流体113が蒸発してシャーシ722から出ることができる。蒸気723は、例えば熱交換器119により、冷却され得る、シャーシ722は流体液位センサーを含むことができる。流体113が蒸発するとき、制御装置が、例えば流体コネクタ721を通して流体113を追加することにより、シャーシ722内の流体113の液位を維持することができる。
図9は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム900を示す。この例示の実施形態では、シャーシ922はオリフィス930を有することができ、蒸気723はオリフィス930を通ってシャーシから出ることができる。蒸気はタンク910内で拡散することができる。熱交換器919は蒸気を冷却することができ、流体113として例えば溜め槽エリア112または保管エリア911に戻すことができる。流体113が保管エリア111に戻される場合、ポンプが流体を溜め槽エリア112に戻すことができる。1つの例示の実施形態では、液浸冷却システムは、複数の開いているシャーシ922および複数の密閉されたシャーシ722を含むことができる。
【0092】
シャーシの配置の構成
1つの例示の実施形態では、シャーシ722のうちの1つまたは複数のシャーシ722が、空間を節約するために、保管エリア711(または、溶液槽エリア)内で特定の配置構成で配置され得る。
図10Aは、例示の実施形態による保管エリア711内にあるシャーシ722の例示の上面図の配置構成を示す。この例示の実施形態では、1つまたは複数のシャーシ722の各々が、保管エリア711の壁に実質的に平行となるように配置され得る。
図10Bは、例示の実施形態による保管エリア711内にあるシャーシ722の別の例示の上面図の配置構成を示す。この例示の実施形態では、1つまたは複数のシャーシ722が、保管エリア711の壁に実質的に平行とはならないように配置され得る。この実施例では、シャーシ722のうちの1つまたは複数のシャーシ722は保管エリア711の壁に対して相対角度を有することができる。例えば、シャーシ722のうちの1つまたは複数のシャーシ722が、保管エリア711の壁に対して、5°、10°、15°、20°、または25°以上で傾斜させられ得る。この例示の実施形態では、より多数のシャーシ722が保管エリア711内で保管され得る。
【0093】
流体移送システム
1つの例示の実施形態では、ベッセルは、タンクの外側の供給源から誘電性流体を受け取るための、および/またはタンクの外側に流体を廃棄するためにタンクから流体を取り除くための、流体移送システムを含むことができる。しばしば、誘電性流体の液位が安全レベル未満まで低下し得、それによりコンピュータ構成要素を望ましくないオーバーヒートのリスクに晒し得る。1つの例示の実施形態では、流体移送システムは、入口と、ポンプと、入口をポンプおよびタンク(例えば、溶液槽エリアまたは溜め槽エリア)に接続する種々のパイプと、を含むことができる。この例示の実施形態では、入口は、パイプを使用してコンテナに接続され得る。ポンプは、パイプを使用して入口を通して、コンテナから誘電性流体を引き入れることができる。次いで、ポンプは、ポンプをタンクに接続する別のパイプを使用して流体をタンク(例えば、溶液槽エリアまたは溜め槽エリア)まで移送することができる。1つの例示の実施形態では、ポンプは、タンクから流体を引き入れるように、および、入口を通してタンクの外側まで流体を移送するように、構成され得る。一実施例では、ポンプは双方向ポンプとなり得、例えば1つの動作モードでは、ポンプはコンテナから流体を引き入れることができ、第2の動作モードでは、ポンプはタンクから流体を引き入れることができる。
【0094】
1つの例示の実施形態では、流体移送システムは複数の動作モードを含むことができる。第1の動作モードでは、流体移送システムは、タンクの外側に位置するコンテナから流体を引き入れることができる。流体移送システムは、任選選択で、タンクに流体を送る前にフィルターを通るように流体を通過させることができる。この実施例では、フィルターはポンプの手前にまたはポンプの後方に位置することができる。第2の動作モードでは、流体移送システムは、タンクから流体を引き入れて流体をタンクの外側まで移送することができる。流体移送システムは、任意選択で、タンクの外側まで流体を送る前にフィルターを通るように流体を通過させることができる。この実施例では、フィルターはポンプの手前にまたはポンプの後方に位置することできる。第3の動作モードでは、流体移送システムはタンク内で流体を循環させることができる。例えば、ポンプは、溜め槽エリアから流体を引き入れて流体を溶液槽エリアまで移送することができる。別の実施例として、ポンプは、溶液槽エリアから流体を引き入れて流体を溜め槽エリアまで移送することができる。流体移送システムは、任意選択で、フィルターを通るように流体を通過させることができる。この実施例では、フィルターはポンプの手前にまたはポンプの後方に位置することができる。
【0095】
図11は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム1100を示す。この例示の実施形態では、液浸冷却システム1100は、入口1130と、弁システム1140と、ポンプ1115と、フィルター1118と、を含むことができる。ポンプ1115および/または弁システム1140は管理システム1117と通信状態となり得、その結果、ポンプ1115および/または弁システム1140は管理システム117から信号およびコマンドを受信することができる。入口1130はパイプを使用して弁システム1140に流体連通され得る。弁システム1140は、パイプを使用して溜め槽エリア112およびポンプ1115に接続され得る。弁システム1140は、ポンプ1115を入口1130または溜め槽エリア112に流体的に接続することができる3方向弁となり得る。入口1130は、例えばパイプ1150を使用して、タンク110の外側にあるコンテナ1160に接続され得る。
【0096】
1つの動作モードでは、管理システム117は、入口1130をポンプ1115に接続するように弁システム1140にコマンドを出すことができる。この動作モードでは、ポンプ1115は、入口1130を通してコンテナから流体を引き入れることができ、流体を溶液槽エリア1111まで移送することができる。別の動作モードでは、管理システム117は、溜め槽エリア112をポンプ1115に接続するように弁システム1140にコマンドを出すことができる。この動作モードでは、ポンプ1115は溜め槽エリア112から流体を引き入れることができ、流体を溶液槽エリア1111まで移送することができる。
【0097】
1つの例示の実施形態では、管理システム117は、トリガー条件が満たされるときにポンプ1115を入口1130に接続するように弁システム1140にコマンドを出すことができる。1つの例示の実施形態では、トリガー条件はタンク110内の流体液位の変化となり得る。この例示の実施形態では、ベッセル105は流体液位センサーを含むことができる。タンク110内のまたは溶液槽エリア1111内の流体液位が閾値量未満まで低下する場合、管理システム117は流体を引き入れることができる。例えば、管理システム117は、例えば溜め槽エリア112内に流体が存在する場合、溜め槽エリア112をポンプ1115に接続するように弁システム1140にコマンドを出すことができる。管理システム117はさらに、タンク内の流体の液位を上昇させるように流体を引き入れるようにポンプ1115にコマンドを出すことができる。
【0098】
1つの例示の実施形態では、コンテナ1160は流体液位センサー1155を含むことができる。例えば閾値量を超える流体が存在する場合または閾値期間を超える期間にわたって使用するのに十分な流体が存在する場合、流体液位センサー1155(および/または、管理システム117)は、コンテナ11160内に十分な量の流体が存在するか否かを確定することができる。センサー1155がコンテナ1160内に不十分な量の流体しか存在しないと確定する場合、センサー1155は管理システム117に信号を送ることができる。管理システム117は、コンテナ1160内に不十分な流体しか存在しないことを使用者に通知するために中央ユニット(または、セントラルサーバー)に信号を送ることができる。
【0099】
1つの例示の実施形態では、管理システムは、人工知能または機械学習プログラムを使用して、コンテナ内に十分な量の誘電性流体が存在するか否かを確定することができる。例えば、人工知能プログラムは、液冷浸冷却システムの過去の使用のためのデータを使用することができ、閾値の時間量にわたってシステムを動作させるのに必要である液体の量を確定または予測することができる。センサーによって検出された液体の液位が予測される量未満である場合、管理システムは中央ユニット(または、セントラルサーバー)に信号を送信することができる。
【0100】
1つの例示の実施形態では、管理システムは、タンク内の流体を空にすることを必要とするような事故または別の事象が起こっているか否かを確定することができる。例えば、管理システムは、タンク内の流体液位が閾値レベル未満まで低下する場合に事故を検出することができる。別の実施例として、管理システムは、タンク内の流体液位が閾値のレートより高いレートで低下する場合に事故を検出することができる。別の実施例として、管理システムは、二次層内に流体が存在する場合に事故を検出することができる。事故の場合、管理システムは、タンクから流体を引き入れるようにおよび流体をコンテナまで移送するようにポンプにコマンドを出すことができ、その結果、流体が無駄にならない。管理システムはさらに、事故が起こっていることを使用者に通知するために中央ユニット(または、セントラルサーバー)に信号を送ることができる。一実施例では、管理システムは事故の場合に浸漬冷却システムを運転停止することができる。
【0101】
熱交換器システム
図12は、本開示の例示の実施形態による液浸冷却システム1200を示す。この例示の実施形態では、ベッセル105は、タンク110の内部からの熱をベッセル105の外側まで伝達することができる熱交換器119を含むことができる。熱交換器119は、例えば、1つまたは複数のコイル1222と、ラジエータ1223と、ファン1221と、を含むことができる。一実施例では、コイル1222はラジエータ1223に流体的に連結され得る(例えば、1つまたは複数のパイプ1224を使用して)。コイル1222およびラジエータ1223は、コイル1222およびラジエータ1223の両方を通って移動する冷却媒体を含むことができる。
【0102】
1つの例示の実施形態では、コイル1222はタンク110内に存在することができるが、ラジエータ1223およびファン1221はタンクの外側に存在することができる。1つの例示の実施形態では、ファン1221、ラジエータ1223、およびコイル1222は、ベッセル105内に位置する。1つの例示の実施形態では、熱交換器119はベッセル105内にある自給式ユニットとなり得る。この例示の実施形態では、熱交換器119がベッセル105内にある自給式ユニットとなり得ることを理由として、ベッセル105は、タンク110内の誘電性流体の温度を維持するのに、冷却塔または他の冷却設備に対しての接続を必要としない。
【0103】
一実施例では、ファン1221はラジエータ1223を通るように周囲空気を強制的に通過させることができる。例えば、コンピュータ構成要素114が熱を発生させる場合、流体113が蒸発し得る。蒸気はコイル1222と熱を交換して凝結することができる。この熱交換は、蒸気からコイル1222内の冷却媒体に熱を伝達することができる。冷却媒体は、任意選択でポンプを使用して、例えば種々のパイプ1224を通して、レジエータ1223まで移送され得る。ラジエータ1223内で冷却媒体が周囲空気と熱を交換することができる。周囲空気とラジエータ1223内の冷却媒体との間の熱交換を支援するために、一実施例では、ファン1221はラジエータ1223を通るように空気を強制的に通過させることができる。一実施例では、冷却媒体は水または他の流体となり得る。
【0104】
1つの例示の実施形態では、コイル1222は凝結器ベースの冷却システムに接続され得る。冷却システムはコイル内の作動媒体を冷却することができ、それによりタンクを冷却することができる。一実施例では、管理システムは温度予測装置(temperature predictor)を含むことができる。管理システムは、タンク内の流体の温度または外部温度に関する予測に基づいて冷却システムの動作を調整することができる。一実施例では、冷却システムは乾式冷却システムとなり得る。一実施例では、冷却システムは、タンクに対して遠隔のところに位置する熱交換に加えて、タンクを冷却することができる。
【0105】
加熱器要素
1つの例示の実施形態では、ベッセルは加熱要素を含むことができる。加熱要素は複数の加熱棒を含むことができ、複数の加熱棒のうちのいくつかの加熱棒は誘電性流体に少なくとも部分的に浸される。加熱棒は要求に応じてベッセルに熱を提供することができる。例えば、コンピュータ構成要素がタンクから取り外されるとき、加熱要素は、例えばコンピュータ加熱要素と同程度の熱を発生させるためにまたはコンピュータ構成要素の発熱パターンを再現するために、コンピュータ構成要素に取って代わることができる。1つの例示の実施形態では、加熱要素はシャーシまたはハウジング内に配置され得る。シャーシまたはハウジングは、コンピュータ構成要素をその中に配置するところであるシャーシまたはハウジングに取って代わることができ、例えば、加熱ユニットはロボットを使用して取り外され得る。
【0106】
1つの例示の実施形態では、加熱要素は管理システム117から独立して動作することができる。この例示の実施形態では、加熱要素は、電源入力、プロセッサ、およびメモリを含むことができる。メモリは熱パターンを保存することができ、熱パターンに基づいて、プロセッサが熱を発生させるように加熱棒にコマンドを出すことができる。一実施例では、加熱要素は、コンピュータ構成要素の加熱パターンを再現することができる。1つの例示の実施形態では、加熱パターンは、例えば1分で10ワットおよび2分で20ワットといったように、一定期間にわたって発生することになる熱の量の時間関数を含むことができる。1つの例示の実施形態では、加熱要素は、例えば加熱要素を制御するためにまたは加熱プログラム(または、パターン)を保存するために、ベッセルの外側にある無線ユニットからコマンドを受信するための送信機を含むことができる。
【0107】
図13は、例示の実施形態による例示の加熱要素1300を示す。この例示の実施形態では、加熱要素1300は、(銅線を含むことができる)加熱棒1310と、プロセッサ1320と、メモリ1330と、電源入力1340と、シャーシ1350と、を含むことができる。この例示の加熱棒はコンピュータ構成要素に取って代わることができる。例えば、ロボットが加熱要素を持ち上げることができ、コンピュータ構成要素を交換することができる。この例示の実施形態では、加熱要素は、ロボットに連結されるためのインターフェース、および、任意選択のデータ入力インターフェースを含むことができる。
【0108】
コンピュータアダプタ
1つの例示の実施形態では、水平の向きで動作するように構築され得るコンピュータ構成要素が、1つまたは複数のアダプタを使用して、実質的に垂直の向きまたは垂直の向きなどの、非水平の向きで使用され得る。いくつかの実施形態では、アダプタはあらゆる形状およびサイズのコンピュータ構成要素に適用可能となり得る。アダプタは、一般に、コンピュータ構成要素の側面に取り付けられるように構成された解除可能なレールを備えることができ、その結果、コンピュータ構成要素がラックの中まで摺動するようになり、ここでは、ラックは浸漬冷却タンク内での垂直の構成のために設計され得る。一実施例では、レールを使用して、アダプタはコンピュータ構成要素をラックに配置することおよび/またはコンピュータ構成要素をラックから取り外すことを可能にすることができる。アダプタは、ほぼあらゆるサイズのコンピュータ構成要素をラックに連結するのを実現することができる。
【0109】
図14Aは、非取付位置にある、コンピュータ構成要素の両側の側面のための例示のアダプタを示す。この実施例では、アダプタ1405の各々がレール1410を含むことができる。
図14Bは、取付位置にある、コンピュータ構成要素の両側の側面のための例示のアダプタを示す。
【0110】
図15は、コンピュータ構成要素の右側の側面では取付位置にあり、コンピュータ構成要素の左側の側面では非取付位置にある、コンピュータ構成要素の両側の側面のための例示のアダプタを示す。この実施例では、アダプタ1405はレール1410および取付具1515を含むことができる。取付具1515は、コンピュータ構成要素1414をレール1410に接続することができる。
【0111】
図16は、本出願の例示のアダプタのためのレール組立体を示す。
【0112】
図17は、例示のキャリアブラケット組立体を示す。この実施例では、キャリアブラケット組立体はラック内に設けられ得る。レール1410はキャリアブラケット組立体に連結され得、キャリアブラケット組立体およびラックに対するレール1410の摺動移動を可能にすることができる。
【0113】
図18は、浸漬冷却ラックの中まで摺動させられる本明細書で説明されるアダプタを備える例示のコンピュータ構成要素を示す。この実施例では、各コンピュータ構成要素のレールがキャリアブラケット組立体に連結され、ラックの中までのコンピュータ構成要素の摺動を可能にする。
【0114】
誘電性流体の監視
サーバーなどのコンピュータ構成要素の浸漬冷却では、NOVEC(商標)などの液体パーフルオロカーボンの誘電性流体などのハロカーボンが頻繁に採用される。残念ながら、採用される条件では、ハロカーボンは劣化して酸および塩基などの他の物質になる可能性がある。コンピュータ構成要素にとっておよび/または液浸冷却システムの他の態様にとって有害である可能性があるこれらの変化および劣化は流体内で検出することが困難である。したがって、液浸冷却システム内の流体の組成が変化したか否かを確定することが望ましい。例示の実施形態では、誘電性流体の組成を検出するためにおよび/または誘電性流体の組成の変化を検出するために、ラマン分光計が液浸冷却システム内に実装され得る。
【0115】
図19は、ラマン分光計と1931を含む例示の浸漬冷却システム1900を示す。この例示の実施形態では、ラマン分光計1931は、液浸冷却システム1900のタンクエリア110または溜め槽エリア112に動作可能に接続され得る。ラマン分光計1931は流体113を励起して高励起状態(upper excited state)にすることができ、緩和中に化学結合に対応する周波数の放射を示すことができ、その結果、流体の不純物が試験され得る。一実施例では、光ファイバーケーブル1932が、ラマン分光計1931をタンクエリア110または溜め槽エリア112に接続することができる。分子を励起するためにおよび結果を分析するために他の接続も採用され得る。一実施例では、分子を励起するのに1つの接続が採用され得、任意の結果を分析するのに別個の接続が採用され得る。加えて、分光計の位置は特に重要ではなく、液浸冷却システム内に位置することができるか、液浸冷却システム1900上に位置することができるか、または都合のよい任意の場所に位置することができる。一実施例では、ラマン分光計または別の分光計もしくは別の分析方法を使用が、そのそれぞれの濃度の共に、流体113中の任意の汚染物質成分を理解するのを支援する。このようにして、制御装置を介してまたは別の手法で、後で説明するように是正措置が手動でまたは自動で開始され得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、ラマン分光計は管理システム117(または、制御装置)に動作可能に接続され得る。管理システム117は、ラマン分光計1931から試験結果を受信することができ、試験結果に基づいて是正措置をトリガーすることができる。もちろん、試験結果は、是正措置を取る必要がないことを示すこともでき、さらに、制御装置がこのことを認識することができ、および/または実行することができる。
【0117】
流体低減スペーサ
2つのフェーズからなる浸漬冷却は高価である誘電性流体を採用し得る。加えて、誘電性流体の蒸気は、浸漬冷却タンク内の圧力管理を可能にするためのベローズを占有してしまう可能性がある。ベローズは非常に大型である可能性があり、したがってシステムのための大きい設置面積を必要とする可能性がある。したがって、液浸冷却システムで採用される流体の量を低減することが望ましい可能性がある。加えて、ベローズのサイズを縮小するのを可能にするようにシステムの蒸気量(vapor burden)が低減されることが有益となり得る。さらに、このような解決策が特に高コストというわけではなく、実施することが比較的容易であり、流体の性能に影響を与えないことが望ましい。
【0118】
1つの例示の実施形態では、液浸冷却システムは、浸漬冷却タンクの底部に取り付けられるように構成された金属保持プレートを備えることができる。複数のフィラープレートが金属保持プレートに解除可能に取り付けられ得、タンク内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成され得る。
【0119】
別の実施形態では、本出願は、熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体にコンピュータ構成要素を少なくとも部分的に浸水させることを伴う方法に関連する。コンピュータ構成要素は、ラックから電力を受けるためのバックプレーンを備えるシャーシ内に設置され得る。コンピュータ構成要素は、コンピュータ構成要素が動作するときに誘電性流体に熱を放散することができる。気相の誘電性流体を凝結させて液相の誘電性流体にするのに凝結器が採用され得る。ラックは、ベローズに動作可能に接続されたタンク内に存在する。金属保持プレートがタンクの底部に取り付けられるように構成される。複数のフィラープレートが金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、ラック内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成される。フィラープレートは必要である流体の量を低減するように機能し、さらに、ベローズの所要サイズを低減することもできる。
【0120】
一実施例では、金属保持プレートが、浸漬冷却タンクの底部に取り付けられるように構成され、複数のフィラープレートが金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、タンク内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成される。こうすることで、フィラープレートは必要である浸漬流体の量を低減する。
【0121】
フィラープレートは、開示される浸漬冷却システムの動作に干渉しない任意の材料で作られ得る。例えば、プレートは、限定しないが、金属、ゴム、シリコーン、および/またはポリマーを含む材料で作られ得る。好適な材料は誘電性流体中で実質的に溶性ではない。いくつかの実施形態では、最大ですべてであるフィラープレートのうちの1つまたは複数のフィラープレートは、誘電性流体より低密度である材料を含む。このような材料は、例えば、DuPontから入手可能であるDELRIN(登録商標)のようなポリオキシメチレンなどの、熱可塑性物質を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、フィラープレートは、ツールを使用することなく、金属保持プレートに選択的に取り付けられたり解除されたりするように構成され得る。この選択的な取付機構は、動作中の変位を防止しないことを条件として、特には重要ではない。例えば、インターロックセクションは凹部を有するように作られ得、および/または、レール・スライド機構が採用され得る。
【0123】
所望される場合、コンピュータ構成要素の下方にあるフィラープレートに加えて他のフィラープレートも採用され得る。例えば、第2のフィラープレートが金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、および/または、横方向においてタンク内で1つもしくは複数のコンピュータ構成要素に隣接するように構成される。例えば、第2のフィラープレートは、サーバーとタンクの側壁との間の空間を占有するように、垂直に配置されたサーバーのグループの両側で横方向において隣接することができる。もちろん、フィラープレートは、必要である場合、サーバーの前方または後方に存在することもできる。このような事例では、第2のフィラープレートは、加えてまたは別法として、タンクの側壁および/または金属保持プレートに取り付けられ得る。
【0124】
図20に見本のシステムが示されるが、多くの多様な変形形態も採用され得る。
図20に示されるように、底部保持プレート10が、浸漬冷却流体タンクの底部またはフロアに取り付けられ得る。誘電性流体20は、使用中にコンピュータ構成要素を冷却するために、例えばサーバー30などのコンピュータ構成要素を囲むことができる。
図20に示されるように、横に配置される垂直の構成で14個のサーバーが存在し得るが、任意の構成で任意の数のサーバーが採用され得る。さらに、
図20に示されるように、サーバー30はサイズが多様となり得る。したがって、より長いフィラープレート50がより短いフィラープレート60の間に挿置され得、通常、これらのいずれの種類も底部保持プレート10に取り付けられる。所望される場合、側方フィラープレート40が、タンクのいずれかの側方側ならびに/または前方側もしくは後方側で使用され得る。このような事例では、フィラープレート40は、底部保持プレート10に、および/またはフィラープレート40に隣接するタンク壁に取り付けられ得る。有利には、この選択的な取り付け・取り外し機構は、タンク内でサーバー構成が変更されるときにツールを使用することなくフィラープレートが容易に取り付けられたり取り外されたりされることになるように、構成される。本明細書で説明されるシステムおよび方法を使用することにより、流体の使用を低減することができ、および/または、ベローズのサイズを低減するのを可能にすることができる。
【0125】
移動式浸漬冷却システム
1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムが移動式本体に設置され得る。移動式本体は、車両、自動車、ボート、飛行機、列車、コンテナ、または任意の他の運搬可能本体となり得る。この例示の実施形態では、浸漬冷却システムの動作の主たる部分は、本開示の他の浸漬冷却システムと同じとなり得るかまたは同様となり得る。他の例示の実施形態では、浸漬冷却システムの動作の主たる部分は、本明細書で開示される浸漬冷却システムとは異なってもよい。
【0126】
一実施例では、浸漬冷却システムは、タンクと、冷却システムと、複数のコンピュータ構成要素と、誘電性媒体と、を含むことができる。一実施例では、浸漬冷却システムは車両から電力を受け取ることができる。他の実施例では、電力は、例えば、発電機(例えば、ガソリン)、バッテリー、太陽電池パネル、風力タービン、波力発電機、またはこれらの任意の組み合わせから得られ得る。
【0127】
一実施例では、溶液槽エリアと溜め槽エリアとの間の壁は、車両の上に設置される浸漬冷却システムではより高くなり得る。この実施例では、より高い壁により、浸漬冷却システム内の流体が乱流または応力を受ける場合であってもより多くの流体が溶液槽エリア内に留まることが保証される。一実施例では、溶液槽エリアは、溶液槽エリアと溜め槽エリアとの間にある壁上の小さい孔のみを通して溜め槽エリアに接続され得る。一実施例では、ポンプが、溶液槽エリアから流体を引き入れて流体を溜め槽エリアに移送することができる。これらの実施例では、車両の移動によって起こる乱流が、不十分なレベルの流体しか有さない溶液槽エリアで起こらない可能性がある。
【0128】
一実施例では、浸漬冷却システムは無線となり得る。例えば、浸漬冷却システムはデータ信号を無線で送ることができ、および/または受信することができる。この実施例では、浸漬冷却システムは、Wi-Fi、衛星、携帯電話(cellular)、他の無線接続、またはこれらの組み合わせを使用して無線接続性を有することができる。1つの例示の実施形態では、浸漬冷却システムまたは車両は、データ信号を送信または受信するためのアンテナを含むことができる。一実施例では、浸漬冷却システムまたは車両は、無線データ通信を実施するのに必要である他の設備を含むことができる。一実施例では、浸漬冷却システムまたは車両は、データ信号を受信するためのインターフェースを含むことができる。インターフェースは、例えばイーサネット接続性または他の種類の接続性を提供することができる。
【0129】
一実施例では、車両が移動するとき、浸漬冷却システムおよびその構成要素は衝撃および振動を受け得る。浸漬冷却システムに加えられるこのような応力を最小にするために、浸漬冷却システムは減衰手段を介してプラットフォームに設置され得る。減衰手段は、車両から浸漬冷却システムおよび/またはその構成要素に伝達される応力の一部またはすべてを吸収することができるばねまたは他の同様のデバイスとなり得る。プラットフォームおよび減衰手段は、浸漬冷却システムがその中に位置しているところである、車両、ボックス、またはコンテナに対して浸漬冷却システムを連結することができる。
【0130】
図21は、トラック2105の上に設置された例示の浸漬冷却システム2100を示す。この実施例では、トラック2105は、浸漬冷却システム2100に電力を提供するための電源2114を含むことができる。トラック2105は、データ通信を受信するためのおよび浸漬冷却システム2100をネットワークに接続するためのアンテナ2113をさらに含むことができる。トラック2105は、(例えば、浸漬冷却システムがシステム上にある凝結器を含む場合)トラック2105の外側まで熱を伝達するための熱噴出口2110をさらに含むことができる。浸漬冷却システム2100は、プラットフォーム2111と浸漬冷却システム2100との間に位置する種々のばね2112に連結され得る。ばね2112は、トラック2105から浸漬冷却システム2100に伝達される衝撃の一部を吸収することができる。
【0131】
一実施例では、浸漬冷却システムは、例えばトラックまたはボートなどの運搬用車両に積まれ得るコンテナ内に組み立てられ得る。浸漬冷却システムはプラットフォームに設置され得る。コンテナは、プラットフォーム上に積まれている間において、浸漬冷却システムを含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、システムは、システムまたはシステム構成要素の移動により計算性能または冷却性能に有意な悪影響を与えることがないようにするために、流体の移動または他の構成要素の望ましくない移動を最小にするための1つまたは複数の機構を含むことができる。このような機構は例えばジャイロを含む。
例示的システム
1. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、
ベッセルの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、
誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、
ベッセルの溜め槽エリアから誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように誘電性流体を通過させて誘電性流体をベッセルの溶液槽エリアに送るように構成された流体循環システムと、
を備える、システム。
2. ベッセルの外側にある供給源から誘電性流体を受け取るための入口をさらに備える、段落1のシステム。
3. 流体循環システムを入口に接続するかまたは切断するための弁システムをさらに備える、段落2のシステム。
4. 流体循環システムがポンプを含む、段落3のシステム。
5. 入口に対してポンプが接続された第1の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、
供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、
構成された管理システムをさらに備える、段落4のシステム。
6. 格納可能なホースをさらに備える、段落5のシステム。
7. 格納可能なホースが、供給源に対して格納可能なホースが接続されているか否かを検出するためのセンサーを含む、段落6のシステム。
8. 管理システムが、供給源に対して格納可能なホースが接続されている場合にのみ供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように構成される、段落6のシステム。
9. 溜め槽エリアに対してポンプが接続された第2の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、
供給源から流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、
構成された管理システムをさらに備える、段落4のシステム。
10. 圧力制御装置が、複数のパイプおよび少なくとも1つのボックスを備える熱交換器を含む、段落1のシステム。
11. 圧力制御装置が、複数のパイプおよび少なくとも1つのボックスを備える熱交換器を含む、段落1のシステム。
12. 複数のパイプまたは少なくとも1つのボックスのうちの少なくとも一方が振動ダンパを含む、段落11のシステム。
13. 振動ダンパが金属重りである、段落12のシステム。
14. 複数のセンサーと、
管理システムであって、
コンピュータ構成要素の温度に関連するセンサーデータを受信するように、および、
コンピュータ構成要素の温度に基づいてフィルターの故障を確定するように、
構成された、管理システムと、
をさらに備える、段落1のシステム。
15. センサーデータが、コンピュータ構成要素の温度、ベッセルのところの消費電力、外部温度、誘電性流体温度、入ってくる冷却媒体の温度、出ていく冷却媒体の温度、冷却媒体の流量、溶液槽エリアの上方のエリアの温度、ベッセル内に存在するコンピュータ構成要素の数、またはベッセル内の各コンピュータ構成要素の位置を含む、段落14のシステム。
16. 管理システムが、コンピュータ構成要素がオーバーヒートしているか否かを機械学習モデルを使用して確定するように構成される、段落14のシステム。
17. 機械学習モデルが、ベッセルから受信されたセンサーデータを使用して訓練される、段落16のシステム。
18. 圧力制御装置が、誘電性蒸気を受け取るように構成されたベローズを含む、段落1のシステム。
19. ベローズがベローズの体積を確定するためのセンサーを含み、管理システムがセンサーからデータを受信するように構成される、段落18のシステム。
20. 管理システムは温度データを受信するようにさらに構成される、段落19のシステム。
21. 管理システムは、ベッセルの動作の状態を確定するようにさらに構成される、段落20のシステム。
22. 動作の状態が、1)熱交換器の起動または停止、2)誘電性流体の燃焼、および3)誘電性流体の漏洩である、段落21のシステム。
23. 管理システムが、センサーから受信したデータおよび温度データに基づいて機械学習モデルを使用してベッセルの動作の状態を確定するようにさらに構成される、段落21のシステム。
24. コンピュータ構成要素が2つのフェーズからなるヒートシンクを含む、段落1のシステム。
25. 2つのフェーズからなるヒートシンクが、液体媒体および2つの細長い金属表面を備える中空ボックスを含む、段落24のシステム。
26. ベッセルは二次層によって保護される、段落1のシステム。
27. 二次層が内部層に平行である、段落26のシステム。
28. 流体センサーが二次層と内部層との間に設けられる、段落27のシステム。
29. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、
誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、
コンピュータ構成要素および誘電性流体を保持するように構成されたシャーシと、
ベッセルの溜め槽エリアから誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように誘電性流体を通過させて誘電性流体をシャーシに送るように構成された流体循環システムと
を備える、システム。
30. シャーシは、流体循環システムから誘電性流体を受け取るための流体コネクタを含む、段落29のシステム。
31. 流体コネクタが、シャーシがベッセル内に配置されるときに開くように構成される、段落30のシステム。
32. 流体コネクタが、シャーシがベッセルから取り外されるように設定されるときに閉じるように構成される、段落30のシステム。
33. シャーシが熱交換器を含む、段落29のシステム。
34. 熱交換器が、冷却媒体コネクタから冷却媒体を受け取るように構成される、段落33のシステム。
35. 熱交換器が電気熱交換器である、段落33のシステム。
36. シャーシが、
誘電性流体の液位を保持するようにシャーシが構成されることになるように、および、
誘電性流体の蒸気がシャーシから出てベッセルに入ることが可能となるように、
開けられる、段落29のシステム。
37. 誘電性流体の液位を確定するための流体液位センサーをさらに備える、段落29のシステム。
38. 流体液位センサーがシャーシ内に位置する、段落37のシステム。
39. ベッセルの外側にある供給源から誘電性流体を受け取るための入口をさらに備える、段落37のシステム。
40. 流体循環システムを入口に接続するかまたは切断するための弁システムをさらに備える、段落39のシステム。
41. 流体循環システムがポンプを含む、段落40のシステム。
42. 誘電性流体の液位が閾値量未満まで低下するときに、
第1の動作モードで動作するように弁システムに指示を出すように、および、
供給源から誘電性流体を引き入れるようにポンプに指示を出すように、
構成された管理システムをさらに備える、段落41のシステム。
43. 供給源が供給源流体液位センサーを含む、段落39のシステム。
44. 管理システムをさらに備え、管理システムが、供給源流体液位が閾値量未満まで低下する場合にセントラルサーバーに信号を送信するように構成される、段落43のシステム。
45. 閾値量が誘電性流体のための高さレベルである、段落44のシステム。
46. 閾値量が、人工知能によって確定された所定の期間にわたってシステムを動作させるのに必要である流体の量である、段落44のシステム。
47. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたベッセルと、
ベッセルの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、
誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるように構成されたコンピュータ構成要素と、
ベッセルの溜め槽エリアから誘電性流体を引き入れてフィルターを通るように誘電性流体を通過させて誘電性流体をベッセルの溶液槽エリアに送るように構成された流体循環システムと
を備える、システム。
48. 圧力制御装置が自給式熱交換器である、段落47のシステム。
49. 自給式熱交換器が、コイルと、ラジエータと、ファンとを含む、段落48のシステム。
50. ファンがラジエータを通して強制空気を送るように構成される、段落49のシステム。
51. 加熱要素をさらに備える、段落47のシステム。
52. 加熱要素が、プロセッサと、メモリとを含む、段落51のシステム。
53. 段落52のシステムであって、プロセッサが、メモリに保存されるプログラムを使用して、ベッセルを加熱するように加熱要素の加熱棒にコマンドを出すように構成される。
54. 段落53のシステムであって、コマンドを無線で受信するための送信機をさらに備える。
55. 解除可能なレールによりサーバーがサーバーラックの中まで摺動することが可能となるようにサーバーの側面に取り付けられるように構成された1つまたは複数の解除可能なレールを備えるサーバーアダプタであって、サーバーラックが浸漬冷却タンク内での垂直の構成のために設計される、サーバーアダプタ。
56. ベッセルの溶液槽エリア内で熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体にコンピュータ構成要素を少なくとも部分的に浸水させるステップであって、
コンピュータ構成要素が、ラックから電力を受け取るためのバックプレーンを備えるシャーシ内に設置され、
コンピュータ構成要素が、コンピュータ構成要素が動作するときに、誘電性流体に熱を放散するように構成される、
浸水させるステップと、
凝結器を使用して気相の誘電性流体を凝結させて液相の誘電性流体にするステップと、
ラマン分光計を使用して誘電性流体を試験するステップと
を含む、方法。
57. 試験に基づいて制御装置に信号を送信するステップをさらに含む、段落56の方法。
58. 制御装置が試験に基づいて是正措置をトリガーする、段落57の方法。
59. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたタンクと、
タンクの内部圧力を低下または増大させるための圧力制御装置と、
誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられるコンピュータ構成要素と、
気相の誘電性流体を凝結させるための凝結器と、
コンピュータ構成要素を拾い上げるように構成されたロボットと、
制御装置に動作可能に接続されたラマン分光計であって、上記制御装置が、ラマン分光計から試験結果を受信して試験結果に基づいて是正措置をトリガーするように構成される、ラマン分光計と
を備える、システム。
60. 底部を有する浸漬冷却タンクで採用される誘電性流体の量を低減するためのシステムであって、タンクが1つまたは複数のコンピュータ構成要素を冷却するように構成され、システムが、
浸漬冷却タンクの底部に取り付けられるように構成された金属保持プレートと、
金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、タンク内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成された、複数のフィラープレートと
を備える、システム。
61. 最大ですべてあるフィラープレートのうちの1つまたは複数のフィラープレートが、誘電性流体より低密度である材料を含む、段落60のシステム。
62. 最大ですべてであるフィラープレートのうちの1つまたは複数のフィラープレートが熱可塑性物質を含む、段落60のシステム。
63. 最大ですべてであるフィラープレートのうちの1つまたは複数のフィラープレートがポリオキシメチレンを含む、段落60のシステム。
64. 金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、タンク内で横方向において1つまたは複数のコンピュータ構成要素に隣接するように構成された、第2のフィラープレートをさらに備える、段落60のシステム。
65. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたタンクであって、上記タンクがベローズに動作可能に接続される、タンクと、
誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられた1つまたは複数のコンピュータ構成要素を保持するように構成されたラックと、
気相の誘電性流体を凝結させるための凝結器と、
タンクの底部に取り付けられるように構成された金属保持プレートと、
金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、ラック内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成された、複数のフィラープレートと
を備える、システム。
66. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体にコンピュータ構成要素を少なくとも部分的に浸水させるステップであって、
コンピュータ構成要素が、ラックから電力を受け取るためのバックプレーンを備えるシャーシ内に設置され、
コンピュータ構成要素が、コンピュータ構成要素が動作するときに、誘電性流体に熱を放散するように構成される、
浸水させるステップと、
凝結器を使用して気相の誘電性流体を凝結させて液相の誘電性流体にするステップと、
を含み、
ラックがベローズに動作可能に接続されたタンク内にあり、金属保持プレートがタンクの底部に取り付けられるように構成され、複数のフィラープレートが金属保持プレートに解除可能に取り付けられるように構成され、ラック内で1つまたは複数のコンピュータ構成要素の下方にくるように構成される、
方法。
67. 熱伝導性であり凝縮性である誘電性流体を保持するように構成されたタンクであって、上記タンクがベローズに動作可能に接続される、タンクと、
誘電性流体に少なくとも部分的に浸水させられた1つまたは複数のコンピュータ構成要素を保持するように構成されたラックと、
気相の誘電性流体を凝結させるための凝結器と、
緩衝装置を使用してタンクの底部に取り付けられるように構成されたプラットフォームと、
電力およびタンクに対してのデータ接続性を提供するように構成された車両と
を備える、システム。
68. 電力を提供するためのバッテリーと、タンクに対してのデータ接続性を提供するためのアンテナとをさらに備える、段落67のシステム。
69. 緩衝装置がばねである、段落67のシステム。
70. 車両が、タンクの外側の凝結器から熱を伝達するための熱噴出口を含む、段落67のシステム。
【0133】
本明細書のここまでで添付図面を参照しながら種々の実施形態を説明してきた。しかし、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の広範な範囲から逸脱することなく、これらの種々の実施形態に対して種々の修正形態および変更形態が作られ得、追加の実施形態が実施され得ることが明らかとなろう。したがって、本明細書および図面は例示的であるとみなされ、限定的であるとみなされない。
【符号の説明】
【0134】
100 液浸冷却システム
105 ベッセル
110 タンク
111 溶液槽エリア
112 溜め槽エリア
113 流体
114 コンピュータ構成要素
115 ポンプ
116 ドア
117 管理システム
118 フィルター
119 熱交換器
120 貫通プレート
130 車両
131 ロボット
200 液浸冷却システム
215 ポンプ
218 フィルター
230 入口
240 弁システム
250 ホース
255 センサー
260 コンテナ
300 液浸冷却システム
305 ベッセル
314 コンピュータ構成要素
319 熱交換器
331 ロボット
361 パイプ
362 ボックス
363 ダンパ
364 ダンパ
400 液浸冷却システム
405 ベッセル
410 タンク
411 溶液槽エリア
412 溜め槽エリア
413 流体
414 コンピュータ構成要素
415 ポンプ
416 ドア
417 管理システム
418 フィルター
419 熱交換器
420 貫通プレート
430 ベローズ
431 ボリュームセンサー
432 温度センサー
440 排出装置
450 圧力制御弁
460 蒸気・空気分離器
470 蒸気凝結器
480 乾燥剤
490 空気入口・出口
510 ヒートシンク
511 液体媒体
512 金属プレート
513 金属プレート
520 コンピュータ構成要素
530 誘電性流体
600 液浸冷却システム
605 ベッセル
610 タンク
621 二次層-ベッセル
622 二次層-タンク
623 内部層-ベッセル
624 内部層-タンク
625 センサー
630 分離領域
700 液浸冷却システム
705 ベッセル
710 タンク
711 保管エリア
719 熱交換器
721 流体コネクタ
722 シャーシ
723 蒸気
741 第2の熱交換器
810 シャーシ熱交換器
821 冷却媒体コネクタ
822 冷却媒体移送パイプ
823 他のコネクタ
830 制御装置
900 液浸冷却システム
905 ベッセル
910 タンク
911 保管エリア
919 熱交換器
922 シャーシ
930 オリフィス
1100 液浸冷却システム
1111 溶液槽エリア
1115 ポンプ
1118 フィルター
1130 入口
1140 弁システム
1150 パイプ
1155 センサー
1160 コンテナ
1200 液浸冷却システム
1221 ファン
1222 コイル
1223 ラジエータ
1224 パイプ
1300 加熱要素
1310 加熱棒
1320 プロセッサ
1330 メモリ
1340 電源入力
1350 シャーシ
1405 アダプタ
1410 レール
1414 コンピュータ構成要素
1515 取付具
1900 液浸冷却システム
1931 ラマン分光計
1932 光ファイバーケーブル
2100 液浸冷却システム
2105 トラック
2110 熱噴出口
2111 プラットフォーム
2112 ばね
2113 アンテナ
2114 電源