(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20250618BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
A63F5/04 601B
(21)【出願番号】P 2024061080
(22)【出願日】2024-04-04
【審査請求日】2025-05-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】田幡 悠嗣
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-022139(JP,A)
【文献】特開2003-180917(JP,A)
【文献】特開2022-097748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備えた遊技機であって、
前記筐体の外形を構成する
背板は、内面側
を覆うように貼付された金属製のシートを備え、
前記
背板は、
配線を通すための
第1背板開口部を備え、
前記シートは、前記
配線を通すための
第1シート開口を備え、
前記第1背板開口部は、前記背板の内面側の第1背板内面側開口が、前記背板の外面側の第1背板外面側開口よりも大きく、
前記
第1シート開口は、
前記第1背板内面側開口と合致するようなっており、
前記筐体の外形を構成する側板は、内面側を覆うように貼付された前記シートを備え、
前記筐体の外形を構成する天板は、内面側を覆うように貼付された前記シートを備えておらず、
前記天板は、固定具を通すための天板開口部を備え、
前記筐体の内部には、所定の基板を有する基板ユニットが設けられており、
前記所定の基板は、基板面が前記天板と対向するように配置されている、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、外周面に複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバーおよびストップボタン等を備えた、スロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始操作に基づきリールの回転が開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。各リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが表示され、当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
このような遊技機には、背板に放熱孔が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供ことが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
筐体(例:筐体1)を備え、前記筐体の外形を構成する背板(例:背板3)は、内面側を覆うように貼付された金属製のシート(例:シート40)を備え、前記背板は、配線(例:外端板ハーネス)を通すための第1背板開口部(例:配線開口部72)を備え、前記シートは、前記配線を通すための第1シート開口(例:シート開口42)を備え、前記第1背板開口部は、前記背板の内面側の第1背板内面側開口(例:第1背板内面側開口G)が、前記背板の外面側の第1背板外面側開口(例:第1背板外面側開口F)よりも大きく、前記第1シート開口は、前記第1背板内面側開口と合致するようなっており(例:[0037]、図4、[0063])、
前記筐体の外形を構成する側板(例:左側板5、右側板6)は、内面側を覆うように貼付された前記シートを備え、前記筐体の外形を構成する天板(例:天板2)は、内面側を覆うように貼付された前記シートを備えておらず、前記天板は、固定具を通すための天板開口部(例:天板開口部2a)を備え、前記筐体の内部には、所定の基板(例:中継基板)を有する基板ユニット(例:中継基板ユニット)が設けられており、前記所定の基板は、基板面が前記天板と対向するように配置されている(例:[0058]、[0060]、[0065])。
【0008】
配線(導電性部材)と金属製のシートが接触した場合、シートのめくれや剥がれが発生し、シートの剥がれに基づき筐体内部の部品が故障するおそれがある。また、配線(導電性部材)に傷が付き、破損(断線など)するおそれがある。本発明に係る遊技機では、第1シート開口が第1背板内面側開口と合致するようなっているため、配線(導電性部材)と金属製のシートの接触を抑制でき、それらの問題が発生するのを抑制できる。また、背板および側板の内面側に金属製のシートを設けることで、耐ノイズ性能を向上させることができる。これにより、ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供できる。また、天板にはシートを設けていないため、筐体を島設備に固定する際に金属粉が発生しない。このため、当該金属粉が筐体内部の所定の基板に付着して部品が故障するのを抑制できる(例:[0064]、[0066])。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
【
図6】同、
図4に示すA-A線に沿った概略断面図である。
【
図7】同、
図4に示すA-A線に沿った概略断面図であって、(a)はC面取り加工を施した場合を示し、(b)はR面取り加工を施した場合を示す。
【
図9】同、
図4に示すB-B線に沿った概略断面図である。
【
図10】同、導通棒およびその周辺を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0012】
図1は、スロットマシン100を示す斜視図である。また、
図2は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシン100は、筐体1を備えている。筐体1は前面側が開口した(前面開口部を有する)箱形に形成されている。筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備えている。左の側板5を左側板5とし、右の側板6を右側板6とする。本実施形態では、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6は木製となっている。なお、一部の板が樹脂製となっていてもよい。
【0013】
本実施形態では、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶ。天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側板5の右面および右側板6の左面は「内面」である。
【0014】
本実施形態では、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶ。天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側板5の左面および右側板6の右面は「外面」である。
【0015】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分(上扉)と下側部分(下扉)とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。
【0016】
スロットマシン100は、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。すなわち、上扉は、上側のヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、下側のヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0017】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面(奥側)には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。
【0018】
前扉20の中央部には、透明な表示窓22(窓部)が設けられている。表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(
図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。
【0019】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシン100では、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0020】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置24,25(照明手段)、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0021】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0022】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシン100を操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技メダル、遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cのそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、等が設けられている。
なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。
【0023】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0024】
また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36(演出操作部)が設けられている。
【0025】
また、前扉20の下部には、スロットマシン100の内部よりメダルを排出する(送り出す)ための払出口50と、払出口50から排出された(払い出された)メダルを溜めておくことが可能な受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0026】
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0027】
筐体1の内部における、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット10(電源手段)、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット11(払出装置)、ホッパーユニット11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。
【0028】
電源ユニット10は、略直方体の箱状となっており、筐体1内部の左下に配置され(底板4に載置され)、左側板5の内面に固定されている。電源ユニット10は電源スイッチ(図示せず)を備えており、電源スイッチがONになると、電源ユニット10から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
電源ユニット10の背面に設けられた電源コネクタには、商用電源(AC100V)を供給するコンセントに接続される電源ケーブル(電源ハーネス)が接続される。具体的には、電源ハーネスの一端部に設けられたコネクタが電源コネクタに接続され、電源ハーネスの他端部に設けられたプラグがコンセントに接続される。電源ユニット10の電源基板は、遊技機の外部から電源ハーネスを介して送られる電力から直流電源(例えば、5V、12V、24V等)を作り、遊技機の各部品に電力を供給する。
【0029】
図1に示すように、前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠を行うことができる。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作を行うことができる。
【0030】
スロットマシン100は、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン100は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0031】
スロットマシン100では、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0032】
スロットマシン100(筐体1)の内部には、主制御基板(主制御手段)や副制御基板(副制御手段)等の基板が設けられている。なお、副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。
【0033】
主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14やホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0034】
主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0035】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0036】
図3は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。筐体1の内部には、外部端子板67が設けられている。本実施形態では、外部端子板67は右側板6の内面に取り付けられている。外部端子板67は、遊技機を外部の電子機器(データ表示装置やホールコンピュータ等)に接続するために設けられ、外部端子板67からは、遊技機の状態等を表す各種の外部情報信号が外部の電子機器に向けて出力される。外部端子板67のコネクタには、外端板ハーネス(外端板ケーブル)の一端部が接続され、外端板ハーネスの他端部は外部の電子機器に接続される。
【0037】
図4は、筐体1を正面側から見た図である。背板3の内面(内面側の略全面)には、金属製のシート40(シールドシート)が貼り付けられている。金属製のシート40は、外部からのノイズが、筐体1の内部に配置される各種部品(基板など)に影響を及ぼす(部品が誤動作等する)のを抑制するために設けられている。すなわち、シート40は、耐ノイズ性能を向上させるために設けられている。シート40の厚さは、1mm未満となっており、本実施形態では約0.1mm~0.3mm程度となっている。
【0038】
背板3は、複数の開口部(背板開口部)を備えている。前記複数の開口部には、配線(ハーネス)を通す(通過させる)ための配線開口部70(第1背板開口部)と、筐体1の内部の熱を外部に逃がすための放熱開口部80(第2背板開口部)と、筐体1の背面側(外面側)から筐体1の内部(ホッパーユニット11)に遊技メダルを補給するための補給開口部90(第3背板開口部)と、が含まれる。なお、図示を省略しているが、補給開口部90には開閉自在な蓋部材が取り付けられており、蓋部材を開いた状態とすることで、筐体1の背面側から筐体1の内部へアクセス可能となる。
【0039】
配線開口部70は、少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、配線開口部70として、少なくとも、電源ユニット10に接続される電源ハーネスを通すための配線開口部71と、外部端子板67に接続される外端板ハーネスを通すための配線開口部72と、が設けられている。ハーネス(電源ハーネスや外端板ハーネス)は、導体(銅線)が絶縁体(絶縁性素材:例えば塩化ビニル)で被覆されて構成されている。
【0040】
放熱開口部80は、少なくとも1つ設けられ、本実施形態では3つの放熱開口部80が設けられている。放熱開口部80は、ハーネスを通す(物を出し入れする)ための開口部ではないと言うことができる。
【0041】
本実施形態では、まず、開口部が設けられていない状態の背板3にシート40を貼り付け、次に、ドリル等で背板3およびシート40の両方に穴をあけることで、各開口部およびそれらに対応するシート開口部が形成されるようになっている。
【0042】
配線開口部70の形状は、略円形状(丸穴、長穴など)となっている。なお、配線開口部70の形状は略円形状に限らず略四角形状(正方形や長方形など)であってもよい。
また、放熱開口部80の形状は、左右方向に長尺な長穴(または長方形)となっている。なお、放熱開口部80の形状は、長穴に限らず丸穴であってもよく(略円形状であってもよく)、略四角形状であってもよい。
また、補給開口部90の形状は、略四角形状となっている。
【0043】
(特定加工)
配線開口部70には次に示す特定加工が施されている。一方、放熱開口部80には特定加工が施されていない。換言すると、配線開口部70は特定加工が施された開口部(穴)となっているが、放熱開口部80は特定加工が施された開口部(穴)となっていない。
【0044】
特定加工としては、ザグリ加工がある。
図5は、外端板ハーネスを通すための配線開口部72を手前側下方から見た斜視図である。
図6は、
図4に示すA-A線に沿う断面図である。ここでのザグリ加工とは、開口(縁)に段差部を形成する加工を意味するものとする。ザグリ加工が施された配線開口部72は、
図6に示すように、小開口部72aと、大開口部72bと、を備えている。小開口部72aは、背板3(筐体1)の外面側(外側)に形成されている。小開口部72aの奥行き(前後方向の幅)は約13mmとなっている。大開口部72bは、背板3(筐体1)の内面側(内側)に形成されている。大開口部72bの奥行き(前後方向の幅)は約2mmとなっている。
【0045】
小開口部72aの直径(内径)は約30mmとなっている。ここで、配線開口部72について、背板3の外面側の開口(縁、開口端)を「第1背板外面側開口F」とすると、第1背板外面側開口Fの直径は約30mmとなっている。
【0046】
また、大開口部72bの直径(内径)は約40mmとなっている。ここで、配線開口部72について、背板3の内面側の開口(縁、開口端)を「第1背板内面側開口G」とすると、第1背板内面側開口Gの直径は約40mmとなっている。
【0047】
本実施形態では、第1背板内面側開口Gの方が、第1背板外面側開口Fよりも(直径が)大きくなっている。
【0048】
配線開口部72における段差部Xは、奥行き(深さ)が約2mmで、幅が約5mmとなっている。段差部Xは、穴の全周にわたって形成されている。なお、小開口部72aおよび大開口部72bのうち、前後方向を貫くように形成されているのは小開口部72aであることから、本実施形態では、小開口部72aを「貫通穴」と呼ぶ場合がある。
【0049】
重複するため説明を省略するが、電源ハーネスを通すための配線開口部71も配線開口部72と同様にザグリ加工が施されており、小開口部、大開口部、段差部、第1背板外面側開口および1背板内面側開口を備えている。
【0050】
図7(a)および
図7(b)は、配線開口部72にザグリ加工とは異なる加工を施した場合を示している。本実施形態では特定加工をザグリ加工としたが、特定加工は
図7(a)に示すC面取り加工であってもよく、
図7(b)に示すR面取り加工であってもよい。このようにC面取り加工やR面取り加工を施した場合であっても、第1背板内面側開口Gの方が第1背板外面側開口Fよりも(直径が)大きいものとなる。特定加工は、第1背板内面側開口を第1背板外面側開口よりも大きくする加工、と言うことができる。
【0051】
本実施形態ではハーネスを通すための配線開口部70(配線開口部71および配線開口部72)には特定加工が施されており、配線開口部70は、背板3(筐体1)の内面側の開口が背板3の外面側の開口よりも大きいものとなっている。
【0052】
シート40は、配線開口部70に対応するシート開口(シート開口部)を備えている。
図6に示すように、配線開口部72に対応するシート開口をシート開口42(第1シート開口)とする。シート開口42は、(第1背板外面側開口Fではなく)第1背板内面側開口Gと整合する(合致する)ように形成されている。整合する(合致する)とは、開口(直径)の大きさが互いに同一または略同一となることを意味する。なお、重複するため説明を省略するが、電源ハーネスを通すための配線開口部71に対応するシート開口(第1シート開口)も同様に、配線開口部71の第1背板内面側開口と整合する(合致する)ように形成されている。
本実施形態では、配線開口部70に対応するシート開口は、配線開口部70の貫通穴(例えば
図6に示す小開口部72a)よりも大きくなるように形成されている。
【0053】
配線開口部70に対応するシート開口(第1シート開口)を第1背板内面側開口と合致させることで(シート40の端の位置を外側に逃がすことで)、ハーネスがシート40と接触するのを抑制できる。ハーネスがシート40と接触するのを抑制することで、次の効果を奏する。(1)ハーネスがシート40と接触した場合、シート40の端がめくれ、シート40の一部が剥がれ(一部が破れ)、剥がれ落ちたシート40が筐体1内の基板に接触して回路がショートする(部品が故障する)などの問題が生じ得るところ、そのような問題が発生するのを抑制できる。(2)ハーネスとシート40の端(縁)が接触した(擦れた)場合、ハーネスが傷付き(ハーネスの被覆が破れ)、断線等のおそれがあるという問題が生じ得るところ、そのような問題が発生するのを抑制できる。また、仮にハーネスの被覆が剥がれて導体が剥き出しになった場合に、当該導体がシート40に接触する(電気的に導通する)可能性を低減できる。本実施形態によれば、シート40によるノイズ対策効果と特定加工による部品破損(故障)抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供できる。
【0054】
図8は、補給開口部90を斜め上から見た図である。本実施形態では、
図8に示すように、補給開口部90にもザグリ加工が施されている(段差部Yが設けられている)。補給開口部90は、小開口部91(第1背板外面側開口L)、大開口部92(第1背板内面側開口M)および段差部Yを備えている。段差部Yは、奥行き(深さ)が約8mmで、幅(全周)が約20mmとなっている。シート40は、補給開口部90に対応するシート開口43(第3シート開口)を備えている。シート開口43は、(第1背板外面側開口Lではなく)第1背板内面側開口Mと整合するように形成されている。シート開口43を第1背板内面側開口Mと整合させることで(シート40の端の位置を外側に逃がすことで)、遊技メダルをホッパーユニット11へ補給する際に遊技メダル等がシート40に接触して、シート40がめくれる(剥がれる)のを抑制できる。
【0055】
図9は、
図4に示すB-B線に沿う断面図である。本実施形態では、ハーネスを通さない放熱開口部80には特定加工が施されていない。このため、放熱開口部80は、全周にわたって、第1背板内面側開口Pが第1背板外面側開口Qと整合する(合致する)ように形成されている。換言すると、第1背板内面側開口Pと第1背板外面側開口Qの大きさ(直径)が同一となっている。放熱開口部80は、段差部を有しておらず貫通穴のみで構成されていると言うこともできる。放熱開口部80は、配線開口部70のように、背板3(筐体1)の内面側の開口が背板3の外面側の開口よりも外側に広がっていない。
【0056】
シート40は、放熱開口部80に対応するシート開口44(第2シート開口)を備えている。シート開口44は、第1背板内面側開口Pと整合する(合致する)ように形成されている。ハーネスを通さない放熱開口部80では、ハーネスとシート40の接触が生じ得ないことから、放熱開口部80に特定加工を施す必要がない。放熱開口部80に係る特定加工を省略することで、部品(背板)の生産効率を向上させることができる。また、放熱開口部80に特定加工を施さないことで、シート40の面積をより大きくし、耐ノイズ性能を向上させることができる。
【0057】
本実施形態では、背板3の内面側にシート40を設け、かつ背板3に配線開口部70(配線開口部71および配線開口部72)および放熱開口部80を設けた場合を示した(
図4参照)。筐体1は、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6を備えているところ、背板3以外の板の内面側にシート40を設け、かつ当該板に配線開口部70(配線開口部71、配線開口部72)および/または放熱開口部80を設けてもよい。換言すると、少なくとも1つの板の内面側にシート40が設けられ、かつ当該板に配線開口部70(配線開口部71、配線開口部72)および/または放熱開口部80が設けられていてもよい。また、配線開口部70(特定加工あり)と放熱開口部80(特定加工なし)は別々の板に設けられていてもよい。また、電源ハーネス用の配線開口部71と、外端板ハーネス用の配線開口部72は、別々の板に設けられていてもよい。
【0058】
本実施形態において、背板3の内面側に加え、側板(左側板5および/または右側板6)の内面側にもシート40を設けた場合、耐ノイズ性能をさらに向上させることができる。さらに、天板2および/または底板4の内面側にシート40を設けた場合、耐ノイズ性能をさらに向上させることができる。
【0059】
ところで、天板2は、筐体1を遊技場の島設備に固定するための固定具(例えばネジ)を通す(挿し通す)開口部(
図3に示す天板開口部2a:ネジ穴)を備えている。固定具は、天板2の内面側から天板開口部2aにねじ込まれ、締め付けられる(下から上に向かってねじ締めされる)。また、筐体1の内部には、所定の基板(例えば中継基板)を有する基板ユニット(例えば中継基板ユニット)が設けられている。当該基板ユニットは、基板と当該基板を収容するケースとを備え、当該基板の基板面には部品(電子部品やコネクタ等)が配置されている。また、当該ケースは、コネクタを露出させるためのコネクタ開口を備えている。当該基板は、基板面が天板2と対向するように配置されている。
【0060】
天板2の内面側にシート40が貼り付けられている場合、天板開口部2aへの固定具の挿入に伴いシート40の削れが発生し、金属粉(粉塵)が下方に落下するおそれがある。金属粉が落下して(コネクタ開口を介して)基板ユニット内に侵入した場合、基板の回路がショートする(部品が故障する)などのおそれがある。そこで、筐体1の内面側のうち、天板2の内面側にはシート40を設けないように構成してもよい。すなわち、ノイズ対策よりも部品の故障防止を優先させてもよい。この場合、島設備への筐体1の固定時にシート40が削れて金属粉が落下することによる部品の故障を防止できる。
【0061】
なお、本実施形態では、特定加工が施された配線開口部70(配線開口部71および配線開口部72)にハーネス(配線)を通すとしたが、配線開口部70に通す部材は配線に限らず、他の部材(導電性部材:遊技メダル、ネジ、釘など)であってもよい。また、配線開口部70は、メダル補給穴であってもよく、ネジ穴であってもよく、釘穴であってもよい。配線開口部70には特定加工が施されていることから、当該他の部材がシート40に接触するのを抑制できる。
【0062】
本実施形態の遊技機は、
筐体(例:筐体1)を備えた遊技機であって、
前記筐体の外形を構成する所定の板(例:背板3、底板4)は、内面側に金属製のシート(例:シート40)を備え、
前記所定の板は、導電性部材(例:配線、遊技メダル、ネジ、釘)を通すための貫通穴(例:小開口部72a、メダル補給穴、ネジ穴、釘穴)を備え、
前記シートは、前記導電性部材を通すためのシート開口(例:シート開口42)を備え、
前記シート開口は、前記貫通穴よりも大きい。
【0063】
また、本実施形態の遊技機は、
筐体(例:筐体1)を備えた遊技機であって、
前記筐体の外形を構成する背板(例:背板3)は、内面側に金属製のシート(例:シート40)を備え、
前記背板は、配線(例えば外端板ハーネス)を通すための第1背板開口部(例:配線開口部72)を備え、
前記シートは、前記配線を通すための第1シート開口(例:シート開口42)を備え、
前記第1背板開口部は、前記背板の内面側の第1背板内面側開口(例:第1背板内面側開口G)が、前記背板の外面側の第1背板外面側開口(例:第1背板外面側開口F)よりも大きく、
前記第1シート開口は、前記第1背板内面側開口と合致するようなっている。
【0064】
配線(導電性部材)と金属製のシートが接触した場合、シートのめくれや剥がれが発生し、シートの剥がれに基づき筐体内部の部品が故障するおそれがある。また、配線(導電性部材)に傷が付き、破損(断線など)するおそれがある。本実施形態の遊技機では、配線(導電性部材)と金属製のシートの接触を抑制でき、それらの問題が発生するのを抑制できる。また、所定の板(背板)の内面側に金属製のシートを設けることで、耐ノイズ性能を向上させることができる。これにより、ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供できる。
【0065】
また、本実施形態の遊技機において、
前記筐体の外形を構成する側板(例:左側板5、右側板6)は、内面側に前記シートを備え、
前記筐体の外形を構成する天板(例:天板2)は、内面側に前記シートを備えておらず、
前記天板は、固定具を通すための天板開口部(例:天板開口部2a)を備え、
前記筐体の内部には、所定の基板(例:中継基板)を有する基板ユニット(例:中継基板ユニット)が設けられており、
前記所定の基板は、基板面が前記天板と対向するように配置されている。
【0066】
側板にもシートを設けることで、耐ノイズ性能をさらに向上させることができる。また、天板にはシートを設けないことで、筐体を島設備に固定する際に金属粉が発生し、当該金属粉が筐体内部の基板に付着して部品が故障するのを抑制できる。
【0067】
また、本実施形態の遊技機において、
前記背板は、放熱するための第2背板開口部(例えば放熱開口部80)を備え、
前記シートは、前記第2背板開口部に対応する第2シート開口(例えばシート開口44)を備え、
前記第2背板開口部は、前記背板の内面側の第2背板内面側開口(第2背板内面側開口P)が、前記背板の外面側の第2背板外面側開口(第2背板外面側開口Q)と合致するようになっており、
前記第2シート開口は、前記第2背板内面側開口と合致するようになっている。
【0068】
放熱穴については背板の内面側の開口と背板の外面側の開口を合致させ、かつ第2シート開口を背板の内面側の開口と合致させることで、シートの面積をより大きくし、耐ノイズ性能を向上させることができる。
【0069】
図10は、背板3の内面側の右下部であって、キャッシュボックス12(
図3)の背面側となる位置を示している。背板3には、一対の導通棒として、第1導通棒111(第1センサ)と第2導通棒112(第2センサ)とが設けられている。第1導通棒111および第2導通棒112は、前方側に向かって所定の長さ突出している。また、第1導通棒111および第2導通棒112は、所定の間隔を介して縦(上下)に一列に並ぶように配置されている。第1導通棒111および第2導通棒112の根元部には、金具(圧着端子、接続端子)が接続されており、金具はハーネス(配線)に接続されている。
【0070】
第1導通棒111および第2導通棒112は、キャッシュボックス12の内部に収容される(入り込む)ことが可能である。上述のとおり、キャッシュボックス12には、ホッパーユニット11からの余剰メダルが供給される。遊技メダルがキャッシュボックス12に供給されると、遊技メダルはキャッシュボックス12内に次第に溜まっていき、下方の第2導通棒112に接触する。この時点では、第1導通棒111と第2導通棒112は電気的に導通しない。
【0071】
さらに、遊技メダルがキャッシュボックス12に供給されると、溜まった遊技メダルが上方の第1導通棒111に接触する。このとき、第1導通棒111と第2導通棒112が電気的に導通する。第1導通棒111と第2導通棒112が電気的に導通すると、主制御基板に信号が入力され、主制御基板は、当該信号の入力に基づきエラー(キャッシュボックス満タンエラー)を検出する。主制御基板は、当該エラーの検出を示すコマンドを副制御基板に送信し、副制御基板は、当該コマンドを受信すると、演出装置を介して当該エラーの発生を報知する。これにより、遊技場の店員が当該エラーの発生に気付くことができ、当該エラーを解消するための作業を実行することができる。
【0072】
本実施形態では、背板3における第1導通棒111および第2導通棒112の周辺は凹部120となっている。凹部120は、縦長の略長方形状となっており、後方側に向かって所定の長さ(例えば約5mm)窪んでいる。凹部120には特定加工(ザグリ加工)は施されていない。ここで、凹部120について、背板3の内面側の開口を内面側開口Tとする。
【0073】
シート40は、凹部120に対応するシート開口45(第4シート開口)を備えている。シート開口45は、内面側開口Tと整合するように形成されている。これにより、凹部120の内側(底面および側面)にはシート40は設けられておらず、凹部120内は背板3を構成する部材(例えば木)が露出している。
【0074】
(変形例)
本実施形態では、木製の板(例えば背板3)の内面側に金属製のシート40が貼り付けられ、かつ配線開口部70(配線開口部71および配線開口部72)に特定加工が施されている場合を示した。本変形例では、筐体1を構成する少なくとも1つの板(背板3とする)が金属製となっていて、当該板の内面側にシート40は貼り付けられていない。筐体1の少なくとも1つの板(背板3)を金属製とすることで、(シート40を設けなくても)耐ノイズ性能を向上させることができる。金属製の背板3には、電源ハーネス用(または外端板ハーネス用)の配線開口部が設けられている。配線開口部は、金属製の板に設けられた開口(穴)であることから、ハーネスが開口に接触すると、ハーネスが傷付く可能性が高い。本変形例に係る配線開口部には特定加工は施されていない。本変形例では、特定加工の代わりに、ゴム製(非導電性素材)のリングが配線開口部に取り付けられている。環状のゴム製リングは、配線開口部の開口を全周にわたって覆うように嵌め込まれ、当該リングの内側をハーネスが通過するようになっている。このため、ハーネスはゴム製リングと接触し得るが、金属製の背板3(の開口)とは接触しない。これにより、ハーネスが傷付く(破損する)のを防止できる。
なお、本変形例において、金属製の板(例えば背板3)には放熱開口部が設けられているが、配線を通さない放熱開口部にはゴム製のリングは取り付けられていない。
【0075】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施形態に係る遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0076】
本実施形態の遊技機は、遊技媒体としての遊技メダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われる遊技機101となっている。遊技機101(
図11)は、いわゆるスマートパチスロット(登録商標)となっている。遊技機101は、遊技を行う際に物理的なメダルを投入し、役の入賞によって物理的なメダルが払い出される従来のスロットマシンとは異なり、物理的なメダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりする遊技機(メダルレス遊技機)となっている。
なお、メダルレス遊技機における遊技価値は、従来のスロットマシンにおける遊技価値であるメダルに対応し、メダルレス遊技機における遊技価値は仮想的なメダル(電子化メダル)と解すことができるため、本実施形態における遊技価値をメダル(遊技メダル)と称してもよい。また、以下では、遊技価値の数を仮想的なメダルの数と捉え、遊技価値の数を「~枚」あるいは「~個」と示す場合がある。
【0077】
図11は、遊技機101を正面側から見た斜視図である。
図11に示すように、本実施形態の遊技機101は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体1と、当該筐体1の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)12とを備えている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。なお、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分かれていない一体の構造であってもよい。
筐体1は前面側が開口した(前面開口部を有する)箱形に形成されている。筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備えている。左の側板5を左側板5とし、右の側板6を右側板6とする。本実施形態では、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6は木製となっている。なお、一部の板が樹脂製となっていてもよい。
【0078】
本実施形態では、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶ。天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側板5の右面および右側板6の左面は「内面」である。
【0079】
本実施形態では、天板2、背板3、底板4、左側板5および右側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶ。天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側板5の左面および右側板6の右面は「外面」である。
【0080】
筐体11内には、回転自在な第1リール15a、第2リール15bおよび第3リール15cがユニット化されたリールユニットや、主制御手段、副制御基板、遊技価値数制御基板、等が設けられている。
【0081】
上扉12aの略中央には、演出装置としての液晶ディスプレイ13(表示手段)が設けられている。液晶ディスプレイ13には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。また、下扉12bには、演出装置としてのスピーカ14(音出力手段)が設けられている。スピーカ14からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うためのランプ38(照明装置、照明手段、外周ランプ)が設けられている。なお、演出装置として、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などが設けられていてもよい。
【0082】
また、上扉12aには表示窓16が設けられている。表示窓16(後述する第1表示領域13a)の奥には、リールユニットが、その一部が表示窓16を介して視認可能となるように配置されている。各リール15a~15cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール15a~15cが停止すると表示窓16を介して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール15aの上段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの下段とによって有効ラインが構成されている。
【0083】
本実施形態では、1回の遊技に関して必要な遊技価値の数(規定数、規定枚数)が3枚に設定されており、規定数の遊技価値が投入されると、有効ラインが有効化される。遊技開始に伴って各リール15a~15cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。すなわち、リール15a~15cが停止したときに表示窓16を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインということができる。
【0084】
下扉12b(の操作部設置台)には、遊技価値をベット(投入)する際に操作されるベットボタン35、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32(遊技開始操作手段)、回転しているリールを停止させる際に操作されるストップボタン33(停止操作手段)(ストップボタン33a,33b,33c)、演出を進行させる際等に操作される演出ボタン36(演出操作手段)、等が設けられている。
なお、ベットボタン35として、3枚(規定枚数)の遊技価値をベットする際に操作されるMAXベットボタン(第1ベットボタン)と、1枚の遊技価値をベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)と、が設けられていてもよい。
【0085】
演出ボタン36は、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される。演出ボタン36は、押下操作可能に形成されており、押下されると、例えば液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様が変化する。演出ボタン36を設け、所定の契機でその操作を有効にすることで、遊技者の遊技への参加意識を高めるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。演出ボタン36は、例えば、遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出の実行中に操作が有効な状態となり、その操作を指示する画像が液晶ディスプレイ13に表示される(PUSH演出)。そして、演出ボタン36が操作されると、遊技の結果(例えば有利な状態へ移行するか否か)が報知される。なお、演出ボタン36は、ボタン状に限らず、レバー状等であってもよく、遊技者の操作を検知可能に構成されていればよい。
【0086】
また、下扉12bには、ドアキーシリンダ66が設けられている。ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入することで下扉12b(前扉12)を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、下扉12bの解錠が行えるようになっている。なお、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作を行うことができるようになっていてもよい。
【0087】
また、下扉12bには下パネル39が設けられている。下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源から照射される光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。
【0088】
図示を省略するが、遊技機101の側方(右側)に、遊技価値を貸し出す装置としての専用ユニット(遊技価値貸出装置、遊技メダル貸出装置)が設けられている。また、専用ユニットの前面には、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口、カード(遊技価値管理媒体)を挿入/排出可能なカード挿入/排出口、貸出ボタン(貸出操作手段)、再プレイボタン(貸出操作手段)およびカード返却ボタン等が設けられている。
【0089】
専用ユニットでは、貸出ボタンに対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機101に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。貸出ボタンが押下されると、紙幣挿入口に挿入された紙幣あるいはカードにプリペイド残高として記憶されている記憶値等を消費して、所定数(例えば50枚)の遊技価値が遊技機101にクレジットされるようになっている。また、専用ユニットでは、再プレイボタンに対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機101に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。再プレイボタンが押下されると、カードによって管理されている遊技者の所有する遊技価値(カードに紐づけられている遊技価値)を消費して、所定数(例えば50枚)の遊技価値が遊技機101にクレジットされるようになっている。本実施形態では、貸出操作手段としての貸出ボタンまたは再プレイボタンに対する操作が、貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられ、貸出操作に基づいて、専用ユニットから遊技機101に所定数の遊技価値が転送(貸出)されるようになっている。
【0090】
下扉12bには、遊技メダル数表示装置211(遊技価値数表示装置、遊技価値数表示器)と、計数ボタン212と、精算ボタン218と、が設けられている。遊技メダル数表示装置211と計数ボタン212は、下扉12bの側方(右側)に設けられている。専用ユニット200での貸出操作に基づき、遊技機101では、所定数の遊技価値に相当する値がクレジット(遊技価値数記憶領域)に設定される。遊技価値数記憶領域の記憶値は、クレジット数(貯留数、所持数)ということもできる。クレジット数(遊技に使用可能な遊技メダル数)は、遊技メダル数表示装置211に表示される。遊技メダル数表示装置211は、5桁(または6桁)の7セグメント表示器を有しており、当該7セグメント表示器によって、クレジット数が表示されるようになっている。なお、遊技機101では、クレジット数の上限は、例えば、遊技メダル数表示装置211に表示可能な値の範囲内で設定されていてもよい。遊技機101では、遊技価値がクレジット記憶された状態でベットボタン35が操作されると、規定数を限度としてクレジット記憶された遊技価値が投入状態に設定される。
【0091】
遊技価値数制御基板(遊技価値数制御手段)は、遊技価値数記憶領域に記憶される遊技価値の数に関する制御を行う。遊技価値数制御基板は、所定の役(小役)が入賞し、所定数の遊技価値が付与されることに基づき、当該所定数分、クレジット数を増加させる。また、遊技価値数制御基板は、遊技の開始に際し遊技価値を投入する操作(ベットボタン35の操作)が行われると、投入された遊技価値数分、クレジット数を減少させる。遊技メダル数表示装置211には、所持数(クレジット数)からベット数が減算された値が表示される。
【0092】
また、遊技価値数制御基板は、専用ユニットから遊技機101に転送される遊技価値を受信する制御を行う。遊技価値数制御基板は、専用ユニットから遊技機101に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、クレジット数を増加させる。また、遊技価値数制御基板は、遊技機101から専用ユニットに遊技価値を転送する制御を行う。遊技価値数制御基板は、遊技機101から専用ユニットに遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、クレジット数を減少させる。また、遊技価値数制御基板は、クレジット記憶された遊技価値の数(クレジット数)を遊技メダル数表示装置211に表示させ、クレジット数の増減に従って遊技メダル数表示装置211の表示内容を変化させる。
【0093】
計数ボタン212は、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報(クレジット)を専用ユニットへ送信(返却、転送)する際に操作されるボタンである。計数ボタン212は押圧部(操作部)を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。遊技者が遊技を終了する場合等に、計数操作(返却操作)としての計数ボタン212に対する操作(押下操作)に基づき、クレジットされた遊技価値を遊技機101から専用ユニットへ転送することが可能となっている。そして、遊技価値を専用ユニットへ転送後にカード返却ボタンに対する操作(押下操作)が行われると、遊技者の所有する遊技価値数を把握可能とするカードが専用ユニット(カード挿入/排出口)から排出される。
【0094】
専用ユニットでの貸出操作に基づき所定数の遊技価値(遊技メダル)が、遊技機101に付与される(クレジット数が加算される)。次に、ベットボタン35が操作されると、規定数を限度として遊技価値が投入状態に設定され、投入状態に設定された遊技価値数(遊技メダル数)に相当する値が、クレジット数から減算される。すなわち、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が減少する。規定数の遊技価値が投入状態に設定されると、スタートレバー32の操作が有効な状態、すなわち遊技を開始可能な状態となる。次に、有効化されたスタートレバー32に対する遊技開始操作が行われると、各リール15a~15cの回転が開始される。次に、リールの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン33a~33cの操作が有効な状態となる。次に、有効化されたストップボタン33a~33cが操作されると、対応するリールの回転が停止する。次に、すべてのリール33a~33cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、所定数の遊技価値を付与する(クレジットに加算する)処理や、遊技価値を新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等が行なわれ、1回の遊技(1遊技)が終了する。また、計数ボタン212が操作されると、所定数のクレジット(遊技メダル)が専用ユニットへ送信(返却)される。そして、専用ユニットにおいてカード返却操作が行われると、所定の情報が記憶されたカードが、専用ユニット200から排出される。
【0095】
なお、遊技機101において遊技価値が投入状態(ベット)に設定されている状態で、精算ボタン218を操作(押下)すると、投入された遊技価値がクレジットに返却される。精算ボタン218は、ベットボタン35の操作により投入された(投入状態に設定された)遊技価値をクレジット(遊技価値数記憶領域)に返却する際に操作されるボタンとなっている。換言すると、精算ボタン218の操作に基づき、投入状態に設定された遊技価値をクレジットに返却する処理(投入返却処理)が実行される。投入返却処理は、遊技価値の投入状態の設定が解消され、投入状態に設定されていた遊技価値数に相当する値が、クレジット数(遊技価値数記憶領域の記憶値)に加算される処理である。投入状態に設定されている遊技価値が存在する状態で精算ボタン218が操作されると、それに基づき遊技価値がクレジットに返却され(戻され)、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技メダル数が増加することとなる。
【0096】
主制御基板には、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット等の、他の部分に設けられていてもよい。設定変更キーシリンダ(設定キースイッチ)は、OFF状態とON状態との2つの状態を有している。換言すると、OFF状態とON状態とを切り替え可能となっている。設定変更キーシリンダは、設定キーを挿入可能に形成されている。設定変更キーシリンダは、初期状態ではOFF状態となっている。挿入された設定キーが初期位置から時計回りに90度回転されると、設定変更キーシリンダの状態がOFF状態からON状態に切り替わる。設定変更キーシリンダの状態がON状態となる位置から初期位置となるように設定キーが反時計回りに90度回転されると、ON状態からOFF状態に切り替わるようになっている。また、設定変更ボタンは、押下操作が可能となっている。
【0097】
主制御基板は、ベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33a~33c等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット等の出力手段の制御を行う。
【0098】
副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号や演出ボタン36等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13やスピーカ14等の演出装置の制御を行う。
【0099】
主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報等、各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0100】
従来のスロットマシンは、メダル投入口、受皿、ホッパーユニット、キャッシュボックスなどを備えていたが、遊技機101は、それらを備えていない。
【0101】
図12は、筐体1の内部を示す斜視図である。筐体1の内部には、各部品に電力を供給するための電源基板(電源手段)を内蔵した電源ユニット210が配置されている。電源ユニット210は、略直方体の箱状となっており、筐体1内部の左下に配置され(底板4に載置され)ている。電源ユニット210は電源スイッチ(図示せず)を備えており、電源スイッチがONになると、電源ユニット210から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット210がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。図示を省略するが、電源ユニット210に設けられた電源コネクタには、商用電源(AC100V)を供給するコンセントに接続される電源ケーブル(電源ハーネス)が接続される。具体的には、電源ハーネスの一端部に設けられたコネクタが電源コネクタに接続され、電源ハーネスの他端部に設けられたプラグがコンセントに接続される。電源ユニット210の電源基板は、遊技機の外部から電源ハーネスを介して送られる電力から直流電源(例えば、5V、12V、24V等)を作り、遊技機の各部品に電力を供給する。
【0102】
筐体1の内部であって、左側板5の内面側には、遊技球等貸出装置接続端子板220が取り付けられている。遊技球等貸出装置接続端子板220は、遊技機101と専用ユニットを接続するための接続端子板である。換言すると、遊技機101と専用ユニットは、遊技球等貸出装置接続端子板220を介して接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板220のコネクタには、端子板ハーネス221の一端部が接続され、端子板ハーネス221の他端部は専用ユニットに接続されている。なお、専用ユニットは、外部の電子機器(ホールコンピュータ等)に接続されている。
【0103】
本実施形態の遊技機も、第1の実施の形態の遊技機と同様に、筐体1(例えば背板3)の内面側に金属製のシート40が貼り付けられている。また、シート40が設けられた板(以下、背板3とする)に、配線開口部70(第1背板開口部)と、放熱開口部80(第2背板開口部)と、が設けられている。配線開口部70としては、少なくとも、電源ユニット210に接続される電源ハーネスを通すための配線開口部71と、遊技球等貸出装置接続端子板220に接続される端子板ハーネス221を通すための配線開口部72と、がある。
【0104】
ハーネスを通す配線開口部70には特定加工(例えばザグリ加工)が施されているが、ハーネスを通さない放熱開口部80には特定加工(例えばザグリ加工)が施されていない。配線開口部70は、第1背板内面側開口の方が、第1背板外面側開口よりも(直径が)大きくなっている。配線開口部70は、背板3(筐体1)の内面側の開口が背板3の外面側の開口よりも大きいものとなっている。
【0105】
シート40は、配線開口部70に対応するシート開口(例えば
図6のシート開口42)を備えている。また、シート40は、放熱開口部80に対応するシート開口(例えば
図9のシート開口44)を備えている。
【0106】
配線開口部70(
図6では配線開口部72)に対応するシート開口(第1シート開口)を、第1背板内面側開口(
図6では第1背板内面側開口G)と合致させることで(シート40の端の位置を外側に逃がすことで)、ハーネスがシート40と接触するのを抑制できる。ハーネスがシート40と接触するのを抑制することで、次の効果を奏する。(1)ハーネスがシート40と接触した場合、シート40の端がめくれ、シート40の一部が剥がれ(一部が破れ)、剥がれ落ちたシート40が筐体1内の基板に接触して回路がショートする(部品が故障する)などの問題が生じ得るところ、そのような問題が発生するのを抑制できる。(2)ハーネスとシート40の端(縁)が接触した(擦れた)場合、ハーネスが傷付き(ハーネスの被覆が破れ)、断線等のおそれがあるという問題が生じ得るところ、そのような問題が発生するのを抑制できる。また、仮にハーネスの被覆が剥がれて導体が剥き出しになった場合に、当該導体がシート40に接触する(電気的に導通する)可能性を低減できる。本実施形態によれば、シート40によるノイズ対策効果と特定加工による部品破損(故障)抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供できる。
【0107】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。例えば、スロットマシンの構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した構成等は、スロットマシンに限らず、他の遊技機にも適用し得る。
【符号の説明】
【0108】
1 筐体
3 背板
4 底板
40 シート
42 シート開口
72a 小開口部(貫通穴)
【要約】
【課題】ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供する。
【解決手段】筐体を備えた遊技機であって、前記筐体の外形を構成する所定の板は、内面側に金属製のシートを備え、前記所定の板は、導電性部材を通すための貫通穴を備え、前記シートは、前記導電性部材を通すためのシート開口を備え、前記シート開口は、前記貫通穴よりも大きい。これにより、ノイズ対策効果と部品破損抑制効果とを兼ね備えた遊技機を提供できる。
【選択図】
図6