(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】超伝導構造体および合金を用いたデバイス表面終端化
(51)【国際特許分類】
H10N 60/01 20230101AFI20250618BHJP
【FI】
H10N60/01 D
H10N60/01 C ZAA
(21)【出願番号】P 2023501606
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021070173
(87)【国際公開番号】W WO2022018038
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-12-12
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ワイモア、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴォイエ、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ブリンク、マーカス
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-224477(JP,A)
【文献】特開平06-013666(JP,A)
【文献】特開昭63-086486(JP,A)
【文献】特開昭49-111595(JP,A)
【文献】米国特許第03328200(US,A)
【文献】BARZI, E. et al.,Synthesis of superconducting Nb3Sn coatings on Nb substrates,Superconductor Science and Technology,英国,IOP Publishing,2015年12月,Vol. 29,No. 1,p. 1-12,DOI: 10.1088/0953-2048/29/1/015009
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導体デバイスであって、
基板と、
前記基板の上の第1の金属層と、
前記第1の金属層の上の第2の金属層と、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間の前記第1の金属層と前記第2の金属層との超伝導合金と
を備え、
前記超伝導合金と前記第1の金属層との間には酸化物層がな
く、
前記第1の金属層がニオブ(Nb)であり、
前記第2の金属層がアルミニウム(Al)であり、
前記超伝導合金がAl
3
Nbである、
超伝導体デバイス。
【請求項2】
超伝導体デバイスであって、
基板と、
前記基板の上の第1の金属層と、
前記第1の金属層の上の第2の金属層と、
前記第1の金属層と前記第2の金属層との間の前記第1の金属層と前記第2の金属層との超伝導合金と
を備え、
前記超伝導合金と前記第1の金属層との間には酸化物層がなく、
前記超伝導合金の結晶粒の配向が、前記基板の表面に平行な(002)面に実質的に合わせられる、
超伝導体デバイス。
【請求項3】
前記第2の金属層の上に電極をさらに備える、請求項1
または2に記載の超伝導体デバイス。
【請求項4】
前記電極がジョセフソン接合電極である、請求項
3に記載の超伝導体デバイス。
【請求項5】
前記超伝導合金が、前記超伝導体デバイスの性能に影響を及ぼすことがある酸化または汚染から前記第1の金属層を保護するように働く、請求項1ないし
4のいずれか一項に記載の超伝導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に量子コンピューティングに関し、詳細には、超伝導構造体およびその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導量子コンピューティングは、超伝導電子回路での量子コンピュータの実装形態である。量子計算は、情報処理および通信に関する量子現象の応用を研究する。量子計算の様々なモデルが存在しており、最も普及しているモデルは、キュービットおよび量子ゲートの概念を含む。キュービットは、2つの可能な状態を有するが両方の状態の量子重ね合わせであってもよいビットの一般化である。量子ゲートは、論理ゲートの一般化であるが、量子ゲートは、キュービットの初期状態が与えられると、ゲートがキュービットに適用された後で1つまたは複数のキュービットが経験するであろう変換を示す。重ね合わせおよびもつれなどの様々な量子現象は、古典コンピューティングの世界では類似物を持たず、それゆえ特別な構造体、技術、および材料を含むことがある。
【発明の概要】
【0003】
ある実施形態によれば、超伝導体デバイスは、基板の上の第1の金属層を含む。第2の金属層が第1の金属層の上にある。第1の金属層と第2の金属層との超伝導合金が、第1の金属層と第2の金属層との間にある。超伝導合金と第1の金属層との間には酸化物層がない。
【0004】
1つの実施形態では、第1の金属層がニオブ(Nb)であり、第2の金属層がアルミニウム(Al)であり、超伝導合金がAl3Nbである。
【0005】
1つの実施形態では、超伝導合金の結晶粒の配向(orientation)が、基板金属層の表面に平行な(002)面に実質的に合わせ(align)られる。
【0006】
1つの実施形態では、第2の金属層の上に電極がある。
【0007】
1つの実施形態では、電極が、ジョセフソン接合電極である。
【0008】
1つの実施形態では、超伝導合金が、超伝導体デバイスの性能に影響を及ぼすことがある酸化または汚染から第1の金属層を保護するように働く。
【0009】
ある実施形態によれば、超伝導体デバイスを製造する方法は、基板の上に第1の金属層を設けることを含む。第1の金属層の上面の酸化が排除(reject)される。第2の金属層が、第1の金属層の上に堆積される。第1の金属層と第2の金属層との超伝導合金が、第1の金属層と第2の金属層との間に作製される。超伝導合金と第1の金属層との間には酸化物層がない。
【0010】
1つの実施形態では、第1の金属層の上面の酸化を排除することが、第1の金属層の堆積の後で、第1の金属層の上面が空気に曝される前に、第1の金属層の上に第2の金属層が設置されることを含む。
【0011】
1つの実施形態では、第1の金属層の上面の酸化を排除することが、第1の金属層の堆積と第2の金属層の堆積との間を真空中で超伝導体デバイスを維持することをさらに含む。
【0012】
1つの実施形態では、第1の金属層の上面の酸化を排除することが、第1の金属層からすべての酸化物(oxidation)を取り除くために、第1の金属層の上面が空気に曝された後で、第1の金属層の上面のクリーニングに続いて、第1の金属層の上に第2の金属層が堆積されることを含む。
【0013】
1つの実施形態では、第2の金属層が、超伝導合金の作製の後にエッチングで除去される。
【0014】
1つの実施形態では、超伝導合金の作製が、予め定められた温度で第1の金属層および第2の金属層をアニールすることを含む。
【0015】
1つの実施形態では、超伝導合金が、第1の金属層から第2の金属層への電気的経路を作り出す。
【0016】
1つの実施形態では、超伝導合金の格子の配向は、超伝導合金を作製するための、第1の金属層および第2の金属層のアニールの温度に依存して、(002)、(112)、または(101)である。
【0017】
1つの実施形態では、電極が第2の金属層の上に堆積される。
【0018】
1つの実施形態では、電極がジョセフソン接合電極である。
【0019】
1つの実施形態では、第2の金属層が取り除かれ、電極が超伝導合金の上に堆積される。
【0020】
ある実施形態によれば、超伝導体デバイスを製造する方法が、基板の上に第1の金属層を設けることを含む。初期酸化物層が、第1の金属層の上面に設けられる。第2の金属層が、初期酸化物層の上に堆積される。第1の金属層と第2の金属層との超伝導合金が、第1の金属層と第2の金属層との間に作製される。初期酸化物層が、超伝導合金の作製中に超伝導合金の上面まで移動される。
【0021】
1つの実施形態では、超伝導合金の上面上の初期酸化物および第2の金属層が、取り除かれる。電極が超伝導合金の上に堆積される。
【0022】
これらの特徴および他の特徴は、添付の図面と共に読まれる例示の実施形態の下記の詳細な説明から明らかになる。
【0023】
図面は、例示の実施形態のものである。図面は、すべての実施形態を図示しない。他の実施形態が、加えてまたは代わりに使用されてもよい。明らかであるか、または不必要であり得る詳細は、スペースを節約するためまたはより効果的な図説のために省略されることがある。いくつかの実施形態は、追加の構成要素もしくはステップを用いてまたは図示されたすべての構成要素もしくはステップを用いずにあるいはその両方で実行されてもよい。同じ番号が異なる図面に現れるときには、その番号は同じまたは類似の構成要素またはステップを指す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】(A)は基板の上の第1の超伝導体層を示し、(B)は第1の超伝導体層の上の残留酸化物層を示す図である。
【
図2】例示の実施形態と整合する、超伝導構造体の単純化した断面図である。
【
図3】(A)は例示の実施形態と整合する、金属層同士の間の超伝導合金の形成の前の半導体構造体を示し、(B)は例示の実施形態と整合する、超伝導合金が第1の金属層と第2の金属層との間に形成された後の半導体構造体を図示し、(C)は例示の実施形態と整合する、第2の金属層の上に電極を含む半導体構造体を示し、(D)は例示の実施形態と整合する、超伝導合金の直接上に電極を含む半導体構造体を示す図である。
【
図4】例示の実施形態と整合する、アニール温度に基づいて異なる配向を有する超伝導合金の形成を示す図である。
【
図5】(A)から(D)は例示の実施形態と整合する、第1の金属層と第2の金属層との間に初期酸化物層を含む超伝導構造体を作製する異なる処理ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
概観
下記の詳細な説明では、数多くの具体的な詳細が関連する教示の完全な理解を提供するために例として述べられる。しかしながら、本教示がこのような詳細を用いずに実行されてもよいことは明らかであろう。他の事例では、よく知られた方法、手順、構成要素または回路あるいはこれらの組合せが、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細なしに比較的高いレベルで説明されている。
【0026】
1つの態様では、「前(front)」、「後(back)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「下に(beneath)」、「よりも下に(below)」、「下方(lower)」、「よりも上に(above)」、「上方(upper)」、「側方(side)」、「左(left)」、「右(right)」、等などの空間的に関係する用語は、説明される図の向きに関連して使用される。開示の実施形態の構成要素が多数の異なる向きに設置されてもよいので、方向を示す用語が、例示の目的で使用され、決して限定しない。このように、空間的な関係を示す用語が、図に描かれた向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図のデバイスがひっくり返される場合に、他の要素または構成(feature)「よりも下に」または「下に」と記載された要素は、そのときには他の要素または構成「よりも上に」向けられることになる。このように、例えば、「よりも下に」という用語は、よりも上ならびによりも下の両方の向きを包含できる。デバイスは、別の方向に向けられ(90度回転されるまたは他の向きで見られるもしくは参照される)てもよく、本明細書において使用される空間的な関係を示す記述語はそれに応じて解釈されるべきである。
【0027】
本明細書において使用するように、「横に(lateral)」および「水平に(horizontal)」という用語は、チップの第1の表面に平行な向きを記述する。
【0028】
本明細書において使用するように、「垂直に(vertical)」という用語は、チップ、チップ・キャリア、または半導体ボディの第1の表面に垂直に配置される向きを記述する。
【0029】
本明細書において使用するように、「結合された(coupled)」または「電気的に結合された(electrically coupled)」あるいはその両方の用語は、要素同士が直接一緒に結合されなければならないことを意味することを意味しない-介在する要素が「結合された」要素同士または「電気的に結合された」要素同士の間に設けられてもよい。対照的に、ある要素がもう1つの要素に「直接接続された」または「直接結合された」と呼ばれる場合には、介在する要素は存在しない。「電気的に接続された」という用語は、一緒に電気的に接続された要素同士の間の低オーミック電気的接続を呼ぶ。
【0030】
第1の、第2の、等の用語が本明細書では様々な要素を記述するために使用されることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用されるだけである。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱せずに、第1の要素は第2の要素と呼ばれてもよく、同様に、第2の要素は第1の要素と呼ばれてもよい。本明細書において使用するように、「~または・・・あるいはその両方」という用語は、関連して列挙された項目のうちの1つまたは複数のうちの任意の組合せおよびすべての組合せを含む。
【0031】
例示的な実施形態は、理想化した実施形態または単純化した実施形態(および中間構造体)の模式的な説明図である断面図を参照して本明細書では説明される。そのため、結果としての、例えば、製造技術または許容誤差あるいはその両方の説明図の形状からの変動が予想されることがある。このように、図に示された領域は、本質的に模式的であり、それらの形状は、デバイスの領域の実際の形状を必ずしも図示する必要がなく、範囲を限定しない。
【0032】
他の実施形態が使用されてもよく、構造的変更または論理的変更が特許請求の範囲により規定される思想および範囲から逸脱せずに行われてもよいことが理解されるべきである。実施形態の説明は、限定するものではない。特に、本明細書において以降に説明される実施形態の要素は、異なる実施形態の要素と組み合わせられてもよい。
【0033】
本明細書において使用するように、ある種の用語は、何が、例えば、「無損失」、「超伝導体」、または「超伝導性」などの理想化された挙動と考えられ得るかを示すことに使用され、上記は、厳密に理想的でなくてもよいが与えられた用途にとって受け入れ可能なマージン内である機能を包含することを意図している。例えば、損失または許容誤差のある種のレベルは、得られた材料および構造体がこれらの「理想化された」という用語により、依然として呼ばれてもよいように許容可能であってもよい。
【0034】
本明細書における概念は、量子技術および量子チップに関する。量子技術に関して、キュービットに関連する電磁エネルギーは、例えば、いわゆるジョセフソン接合にならびにキュービットを形成するために使用される容量素子および誘導素子に蓄えられてもよい。他の例では、共振器に結合されたスピン・キュービットまたはトポロジカル・キュービット、微細加工されたイオン・トラップ、等であってもよい。他のタイプの超伝導構成要素は、サーキュレータ、アイソレータ、増幅器、フィルタ、高速単一磁束量子(RSFQ)などのアクティブ制御電子機器、等を(限定なしに)含めて、同様に本明細書における教示によってサポートされる。
【0035】
1つの例では、キュービット状態を読み出すために、マイクロ波信号が、キャビティ周波数でキュービットに結合するマイクロ波読出キャビティに印加される。透過した(または反射した)マイクロ波信号は、多数の断熱段およびノイズを遮断するまたは減少させるために使用され、信号対ノイズ比を向上させる低ノイズ増幅器を通る。戻り/出力マイクロ波信号の振幅または位相あるいはその両方は、キュービットが基底状態または励起状態へ離調されたかどうかなどのキュービット状態に関する情報を搬送する。キュービット状態に関する量子情報を搬送するマイクロ波信号は、(例えば、数マイクロ波フォトン程度で)通常弱い。様々な回路および技術が、この弱い信号を測定するために使用されてもよい。例えば、ジョセフソン増幅器および進行波パラメトリック増幅器(TWPA)などの低ノイズ量子制限増幅器(QLA:quantum-limited amplifier)は、出力チェーンの信号対ノイズ比を向上させるために量子力学により規定されるようなノイズの最少量を加えながら、量子信号を高めるために量子システムの出力部において前置増幅器として使用されてもよい。ジョセフソン増幅器に加えて、ジョセフソン増幅器またはジョセフソン・サーキュレータ、ジョセフソン・アイソレータ、およびジョセフソン・ミキサなどのジョセフソン・ミキサを使用するある種のジョセフソン・マイクロ波構成要素が、スケーラブル量子プロセッサで使用されてもよい。したがって、ジョセフソン接合は、超伝導量子コンピュータの重要な回路素子である。ジョセフソン接合は、超伝導体の2つの層の間に、時にはバリアまたはトンネル・バリアとして呼ばれる、絶縁体の薄い層を含んでもよい。ジョセフソン接合は、超伝導トンネル接合として作用する。
【0036】
キュービット・システムは、キュービットに結合された1つまたは複数の読出共振器を含んでもよい。読出共振器は、一方の側でグランドへの容量接続を含み、四分の一波長共振器用などの、他方の側でグランドにどちらもショートされる伝送線路であってもよい、またはキュービットの周波数の近くにある発振の共振周波数で伝送線路内の発振をもたらす半波長共振器用などの、グランドへの容量接続を有してもよい。例えば、読出共振器は、読出共振器周波数で制御機器/測定機器から来るパルスに影響を与える。パルスは、キュービットにデコヒーレンスを起こさせ、「1」または「ゼロ」の状態へとパルスを崩壊させる測定値として作用し、これにより測定パルスについての位相シフトを知らせる。
【0037】
キュービット同士の間には、量子論理ゲートを実現するために異なるキュービットを一緒にカップリングさせることを可能にするカップリング共振器があってもよい。カップリング共振器は、カップリング共振器が両側でグランドへの容量接続を含む伝送線路であり、これがまたカップリング共振器内の発振をもたらすことで読出共振器に典型的には構造的に類似する。キュービットがトランスモンとして実装されるときには、カップリング共振器の各々の側は、キュービット(の、例えばキャパシタ)に適切に近接していることにより対応するキュービットに(例えば、容量的にまたは誘導的に)カップリングされる。カップリング共振器の各々の側がそれぞれ異なるキュービットとのカップリングを有するので、2つのキュービットは、カップリング共振器を介して一緒にカップリングされる。このようにして、カップリングされたキュービット同士の間の状態に相互依存関係があり、これにより、カップリング共振器が他方のキュービットの状態を制御するために一方のキュービットの状態を使用することを可能にする。2つのキュービットの間の相互作用は2つのものの状態が独立には特定できないが、全体のシステムに対して特定できるだけであるようなときに、もつれが生じる。このようにして、2つのキュービットの状態は、キュービットのうちの一方の測定値が他方のキュービットの状態を崩壊させるように一緒にリンクされる。
【0038】
インターコネクトを作るための典型的な材料は、限定ではなく、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、窒化ニオブ(NbN)、窒化チタン(TiN)、窒化ニオブ・チタン(NbTiN)、等を含み、時には超伝導体と本明細書では呼ばれる。超伝導特性を有する他の好適な材料が同様に使用されてもよいことが理解されよう。
【0039】
出願人は、一般に量子コンピュータ、特に超伝導構造体の計算能力および信頼性を高めるために、改善が超伝導体デバイス構造体およびその製造に行われ得ることを認識した。低い誤り率およびより優れた信頼性を達成することは、他の態様の中で、正確にキュービットの状態を操作することおよび一貫性のある結果を提供し、単に信頼できないデータを提供しない連続的な動作を実行することに関係する。量子技術は、依然として発展している分野であり、高い予測可能性があり、さらに理想的な性能を有する構造体を提供することは、やりがいがある。
【0040】
1つの態様において、本明細書における教示は、超伝導量子回路で使用される超伝導体の特定の界面を酸化から保護することが超伝導キュービットのデコヒーレンスおよびシグナル・インテグリティを改善できるという出願人の見識に基づく。出願人は、超伝導量子回路に対する酸化から材料を保護するための従来の集積回路技術を直接的に適用することが、古典的なコンピューティング・アーキテクチャには存在しない量子回路によって示される独特の難題のために効果的でないことがあることをさらに認識している。したがって、本開示の実施形態は、量子回路に特有の問題が、超伝導量子回路を構築するために、特にこのような回路の超伝導材料を酸化から保護するために使用される材料およびプロセスを選択するために従来の集積回路技術の適用可能性を評価するときに考慮されてきているという認識にさらに基づく。
【0041】
量子回路の超伝導体の表面は、共振器品質を低下させる酸化物成長または表面汚染に起因する潜在的に損失の多い材料を含む。この点について、
図1(A)は、基板102の上の第1の超伝導体層104を図示する。表面酸化物106が、自然に成長することがあり、これゆえ自然酸化物と本明細書において時には呼ばれる。
図1(B)に図示したように、もう1つの超伝導体層108が(例えば、ジョセフソン接合の形成において)上に設置されるときに、残っている残留酸化物107がある。
【0042】
超伝導体素子同士の間のコンタクト部、例えば、超伝導体層104および108により実装されてもよいキャパシタ・パッドおよびジョセフソン接合電極は、優れたキュービット性能にとって重要である。しかしながら、コンタクト・エリア内の残留酸化物または表面汚染107が、キュービット・コヒーレンスを低下させることがある。例えば、半導体プロセスは、異なる堆積のために異なるチャンバをしばしば含み、真空がしばしば破られ、これが直ちに本明細書において論じる自然酸化物107をもたらすことがある。自然酸化物107を取り除く1つの方法は、その場クリーニング(例えば、イオン・ミル、スパッタ洗浄、真空ベーク、蒸気HF、等)を用いることである。しかしながら、実現され得る清浄度のレベルには限界がある。例えば、蒸気HFは、(行われてもよいが)典型的には真空中では行われず、そのため酸化物の除去は、堆積チャンバにロードする前に、時には大気中に続く。酸化物形成は、このように限定されるが無くならない。イオン・ミリングに関して、真空中で実行されるが、イオン・ミリングが酸化物のスパッタリング除去であるので、イオン・ミリングはまた、ある程度の再堆積につながることもある。
【0043】
したがって、本明細書における教示は、量子回路の超伝導体同士の接触が損なわれることを軽減する方法およびシステムを提供する。本明細書において説明する技術は、数多くの方法で実施されてもよい。例示的な実装形態が、次に続く図を参照して下記に与えられる。
【0044】
例示的な超伝導構造体
例示の実施形態と整合する超伝導構造体200の単純化した断面図である
図2をここで参照する。超伝導構造体200は、限定なしに、ジョセフソン接合(JJ)、超伝導キャパシタ、サーキュレータ、アイソレータ、増幅器、フィルタ、等を含め様々な超伝導回路を実装するために使用されてもよい。本検討を容易にするために、本明細書における超伝導構造体は、JJの文脈で時には検討され、一方で他の超伝導構造体が同様にサポートされることが理解されよう。
【0045】
超伝導構造体200は、基板202を含んでもよい。様々な実施形態では、基板202は、ドーピングしたまたはアンドープのシリコン、ガラス、誘電体、等、などの任意の好適な材料または材料の組合せを含んでもよい。例えば、基板は、例えば、埋め込み絶縁体層を有するシリコン・オン・インシュレータ(SOI)構造体、または例えば、典型的にはウェルと呼ばれる適切にドーピングされた領域を有するバルク材料基板を含んでもよい。別の実施形態では、基板は、上にシリコン酸化物、窒化物または他の絶縁性膜を有するシリコンであってもよい。
【0046】
基板用に使用されてもよい他の材料は、限定なしに、サファイア、酸化アルミニウム、ゲルマニウム、ガリウム・ヒ素(GaAs)または他のIII-V周期律表化合物、インジウム・リン(InP)、炭化シリコン(SiC)、シリコンとゲルマニウムとの超伝導合金、石英、等のうちのいずれかを含む。このように、本明細書において使用するように、基板202という用語は、様々な超伝導構造体が上に構築されてもよい土台を呼ぶ。
【0047】
基板202の上に第1の金属層204がある。1つの実施形態では、第1の金属層204は、ニオブ(Nb)である。第1の金属層204の上に第2の金属層208がある。1つの実施形態では、第2の金属層208は、アルミニウム(Al)である。第1の金属層204と第2の金属層208との間には第1の金属層と第2の金属層との超伝導合金206がある。例えば、超伝導合金は、ニオブ・アルミナイドAl3Nbであってもよい。本明細書において使用するように、ニオブ・アルミナイドという用語は、Nb-Al状態図に存在するすべての安定したアルミナイドを含む。ニオブ・アルミナイドは、AlとNbとの任意の合金を呼ぶ。ここでは3つの相が可能である:Al3Nb、AlNb2およびNb3Al(すなわち、3つのニオブ・アルミナイド相だけが二元系Nb-Al平衡相図に存在する)。非常に薄い膜を有する実施形態では、安定しないAl-Nb相がバルク相では見出されない結晶構造および組成で形成され得ることに留意されたい。
【0048】
様々な実施形態では、Al3Nbの異なる結晶粒(grain)配向が、温度および時間条件に基づいて形成されることがあり、後でより詳細に論じられる。意義深いことには、第1の金属層204と超伝導合金206との間に酸化物層が存在しない。加えて、1つの実施形態では、第2の金属層208と超伝導合金206との間に酸化物層が存在しない。
【0049】
限定なしに、JJ、共振器、カップリング・パッド、キャパシタ、ゲート電極、等などの超伝導回路素子は、典型的には第2の導体でキャップされる。1つの実施形態では、第2の導体(すなわち、第2の金属層208)は、第1の金属層上の酸化を防止するために第1の金属層204が空気に曝される前に第1の導体(すなわち、第1の金属層204)上に堆積される。
【0050】
あるいはまたは加えて、第1の金属層204の上面は、第2の金属層208が堆積される前に十分に清浄化される。第1の金属層204および第2の金属層208を含む2つの導電性層は、ベース導体(すなわち、第1の金属層204)から超伝導合金206を通り、
図2では第2の金属層208により表されたJJ電極への電気的経路を作り出すためにそれらの界面において合金化される。金属層204および208、ならびに超伝導合金206との間に酸化物層を持たないおかげで、コンタクト部(例えば、損失削減のための、第2の金属層208により表されたキャパシタ・パッドとJJ208リードとの間のコンタクト部)の品質が改善し、これによってさらに理想的なJJを生成する。様々な実施形態では、金属層208は、界面合金206を作製するために使用されるだけである金属であってもよく、その場合、電極は後に堆積される。あるいは、金属層208はまた、超伝導合金206を形成するために後でアニールされる一層であっても(または二重層電極でも)よい。いくつかの実施形態では、超伝導回路は、界面合金206を形成するためのアニールの前に構築される。
【0051】
超伝導構造体のための例示的なプロセス
例示的な超伝導構造体200の前述の説明で、超伝導構造体200を製造する例示的なプロセスを論じることが役に立つことがある。そのためにも、
図3(A)から
図3(D)は、例示の実施形態と整合する、超伝導構造体の製造における様々なステップを図示する。より具体的に、
図3(A)は、例示の実施形態と整合する、金属層同士の間の超伝導合金の形成の前の半導体構造体300Aを図示する。様々な実施形態では、ベース第1の金属層304が、(i)いずれか、大気曝露の前に、または(ii)大気曝露の後に、第2の金属層308でキャップされ、その後、自然金属酸化物が第2の金属層308被覆の前に十分に取り除かれ、本明細書では自然金属酸化物の排除と包括的に呼ばれる。例えば、様々な実施形態では、第2の金属層308は、酸化が生じる前に(例えば、チップが1つの堆積チャンバから別のチャンバへ行くときでさえ、真空などの制御された環境内にある間に)、または第2の金属層308が第1の金属層304の上に設置される前に第1の金属層304上のすべての酸化物を取り除くために第1の金属層304の上面の十分なクリーニングによって、第1の金属層304の上に設置される。
【0052】
様々な実施形態では、第1の金属層304の上面からの酸化物のこのクリーニングは、ウェット洗浄またはドライ洗浄(好ましい)を用いてもよい。このようなドライ・クリーニングは、限定なしに、イオン・ミリング、プリスパッタ、または第1の金属層304の上から酸化物を取り除くための別の適切な技術を含んでもよい。このようにして、酸化物のない界面が実現され得る。したがって、第1の金属層304と第2の金属層308との間の界面は、酸化物が実質的にない。超伝導合金が、次いで、下記により詳細に論じるように、2つの金属層304と308との間に形成される。
【0053】
図3(B)は、例示の実施形態と整合する、超伝導合金306が第1の金属層304と第2の金属層308との間に形成された後の半導体構造体300Bを図示する。1つの実施形態では、超伝導合金は、アニールを用いて形成される。第1の金属層304と第2の金属層308との間に超伝導合金306を作製する他の方法は、限定なしに、第2の金属層308の堆積中に、予め定められた大きさの圧力またはバイアスの増大あるいはその両方を含む。
【0054】
1つの実施形態では、第1の金属層304はニオブ(Nb)であり、第2の金属層308はアルミニウム(Al)であり、これら2つの金属の間に得られた合金306は、ニオブ・アルミナイドAl3Nb(002)であり、ここで(002)は、Nbの110面に、およびこのケースでは基板の表面に対する超伝導合金306の格子配向である。
【0055】
様々な実施形態では、作製しようとする種々の超伝導構造体に応じて、第2の金属層308は、保持されてもよいし、ウェットまたはドライ(プラズマ)エッチングを用いてエッチングで除去されてもよい。このように、未反応の第2の金属層308は、残されてもよいし、取り除かれてもよく、露出した金属合金306を選択的に残し、ここでは金属合金306が周囲環境との反応から第1の金属層304を保護する。金属合金306を作製することのおかげで、第1の金属層304は、第1の金属層304の超伝導体デバイスの性能に影響を及ぼすことがある酸化または他の元素から保護され、これによりデバイス性能を向上させる。
【0056】
図3(C)および
図3(D)は、例示の実施形態と整合する、それぞれ、第2の金属層308の上に電極320を、および超伝導合金306の直接上に電極320を含む半導体構造体300Cおよび300Dを図示する。例えば、接合電極320は、JJに属してもよい。JJは、キャパシタ上であっても(すなわち、サブトラクティブ・エッチにより形成される)または接合電極(すなわち、ドーラン(Dolan)シャドー接合構築)によりキャパシタに接続される基板上であってもよい。三層接合プロセスが、例えば、JJ論理デバイスおよび集積回路の製造のために使用されてもよい。例えば、接合電極320は、電極の上に酸化物の薄い層を有することがあり、この薄い層が三層構成(例えば、キャパシタ上のJJ)を提供するために別の金属層により覆われることがある。
【0057】
ここで
図4を参照して、
図4は、例示の実施形態と整合する、アニール温度に基づいて異なる配向を有する超伝導合金406の形成を図示する。議論の目的で、限定ではなく、元々の半導体構造体400Aは、基板402の上に設置された、ニオブ(Nb)を含む第1の金属層404およびアルミニウム(Al)を含む第2の金属層408を有する。X線回折強度チャート400Cおよび400Dは(構造体400Bを参照して)500Cの温度付近で、超伝導合金406がニオブ層404とアルミニウム層408との間の界面において形成されることを示す。超伝導合金406(すなわち、Al
3Nb)は、異なるアニール温度に基づいて、基板とは異なって配向されることがある格子構造体を有する。最適なコンタクトにとっての望まれる配向が、アニール条件によって制御されてもよい。
【0058】
異なる温度が、異なる合金厚さを形成する。例えば、Al3Nb(002)の薄い層は、長いアニール時間で400Cよりも下で形成し、時間と共に成長する。温度が高められると(例えば、650C)、超伝導合金406は、膜中の結晶粒がよりランダムに配向するようになるので、異なる配向(Al3Nb(112)および(101))を示す結晶粒を含み始める。いくつかの実施形態では、類似の結果が、温度と時間との異なる組合せで実現されることがある。例えば、本明細書では等温アニールと時には呼ばれる長いアニール時間であるが低い温度もまた、超伝導合金Al3Nb(002)を実現するために使用されてもよい。出願人は、Nb/Al界面に関して350Cから500Cまでのアニール温度が、下にあるNb110面に対して002アライメントを有する超伝導合金Al3Nbを作製することを測定した(determine)。
【0059】
Nb404およびAl408が直接接触するときに350C超で超伝導合金406を形成することに留意されたい。Nb404およびAl408を合金化させることが、NbとAlとの合金406を通るNbからAlへの電気的経路を形成する。1つの実施形態では、酸素は、Nb404とNb-Al合金406との界面に存在せず、ほんの少しの酸素がAl層408の表面上に存在する。したがって、デコヒーレンスを生じさせる残留Nb酸化物がなく、これにより超伝導体デバイス性能を実質的に高める。
【0060】
前述の議論は、全体として、第1の金属層(例えば、Nb)と第2の金属層(例えば、Al)との間の酸化物層を回避することに関する。自然酸化ニオブが2つの金属層の間に存在すると、超伝導合金が、急速ではないがある種の条件下で依然として形成できることに留意すべきである。この点について、
図5(A)から
図5(D)を参照し、図は、例示の実施形態と整合する、第1の金属層504と第2の金属層508との間に初期酸化物層を含む超伝導構造体を作製する異なる処理ステップを提供する。
図5(A)に図示したように、基板502の上に第1の金属層504(例えば、Nb)がある。第1の金属層504の上に第2の金属層(例えば、Al)508がある。金属層508と504との間に自然酸化物層(例えば、酸化ニオブ)505がある。
【0061】
図5(B)は、(例えば、アニールによる)合金形成中に、自然酸化物505が、ニオブ表面から離れて超伝導合金506表面へと移動し、酸化物層507により表されることを図示する。
【0062】
図5(C)は、選択エッチが第2の金属層508および酸化物層507を除去できることを図示する。様々な実施形態では、第2の金属層508および酸化物層507の両方が、同時にまたは異なるエッチ・ステップにより別々に取り除かれてもよい。電極(例えば、ジョセフソン)520が次いで、超伝導合金506の上に堆積されてもよい。例えば、選択エッチおよびアルミニウムJJ製造が、酸化ニオブ欠陥のないNbとAlとの合金を通るNbからAlへの電気的経路をもたらす。
【0063】
したがって、出願人は、金属層同士の間に酸化物(例えば、酸化ニオブ)層のない金属層同士の間の超伝導合金が第1の金属層504と第2の金属層508との間の酸化物層の積極的な防止または除去あるいはその両方なしに実現され得る一方で、このような処理は、保護合金506を作製するために実質的により多くの製造時間または温度あるいはその両方がかかることを測定した。本明細書における議論が「酸化物のない」という理想化した用語に言及することがある一方で、知られている機器を用いて検出することが非常に困難であるような実質的に酸素のないという意味を含むことが理解されよう。
【0064】
結論
本教示の様々な実施形態の説明が、例示の目的で提示されてきているが、包括的であるものでも開示した実施形態に限定するものでもない。多くの修正および変形が、説明した実施形態の範囲および思想から逸脱せずに、当業者には明らかであろう。本明細書において使用した術語は、実施形態の原理、実際的な応用、もしくは市場で見出される技術に対する技術的な改善を最も良く説明するため、または当業者の他の者が本明細書において開示した実施形態を理解することを可能にするために選択された。
【0065】
前述のものは、何が最善の状態または他の例あるいはその両方であると考えられるかを説明している一方で、様々な修正が行われてもよいこと、本明細書において開示した主題が様々な形態および例で実装されてもよいこと、教示が数多くの用途に適用されてもよく、そのうちいのいくつかだけが本明細書において説明されてきていることが理解される。本教示の真の範囲内になる任意のおよびすべての応用、修正および変形の権利を主張することが添付の特許請求の範囲の意図である。
【0066】
本明細書において論じてきた構成要素、ステップ、特徴、目的、利点および長所は、単に例示に過ぎない。上記のいずれも、または上記に関係する議論は、保護の範囲を限定するものではない。様々な長所が本明細書において論じられてきている一方で、すべての実施形態がすべての長所を必ずしも含む必要がないことが理解されよう。別途述べない限り、すべての測定値、値、評価、位置、大きさ、サイズ、および添付の特許請求の範囲を含めこの明細書に述べられる他の明細は、厳密ではなく概数である。上記は、これらが関係する機能、およびこれらが属する技術分野において慣例であるものと整合する妥当な範囲を有すると意図されるものである。
【0067】
数多くの他の実施形態もまた考えられる。これらは、数少ない、追加の、または異なる、あるいはこれらの組合せからなる、構成要素、ステップ、特徴、目的、利点および特徴を有する実施形態を含む。これらはまた、構成要素またはステップあるいはその両方が異なって配置されるまたは異なった順番に並べられるあるいはその両方の実施形態も含む。
【0068】
前述のものが例示的な実施形態と共に説明されてきているが、「例示的な」という用語は、最善または最適であるというよりはむしろ例として意味するに過ぎないことが理解される。直ぐ上に述べたことを除いて、述べられてきているまたは図示されてきているものは、上記が特許請求の範囲に列挙されているか否かに拘わらず、公開された任意の構成要素、ステップ、特徴、目的、利点、長所、または等価物の専用化を生じさせることを意図する、またはそのように解釈されるべきものでもない。
【0069】
本明細書において使用した用語および表現は、具体的な意味が本明細書において別段に記述されている場合を除いて調査および研究のそれらに対応するそれぞれの領域に関してこのような用語および表現に一致するような通常の意味を有することが理解されよう。第1のおよび第2の、等のなどの関連性のある用語は、このような実体同士または行為同士の間のいずれかの実際のこのような関係または順番を必要とすることまたは意味することを必要とせずに1つの実体または行為を別のものから単に区別するために使用されてもよい。「備える」、「備えている」という用語、またはこれらの任意の他の変形は、要素の列挙を備えるプロセス、方法、物品、または装置が、これらの要素を含むだけではなく、明示的に列挙されていない他の要素またはこのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有な他の要素を含んでもよいように、非排他的な包含をカバーすることを意図している。「1つ(a)」または「1つ(an)」に続く要素は、さらなる制約なしに、上記要素を含むプロセス、方法、物品、または装置において追加の同一の要素の存在を排除しない。
【0070】
本開示の要約は、読者が技術的な開示の本質を素早く確認することを可能にするために提供される。要約は、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈するまたは限定するために使用されていないという理解で提示される。加えて、前述の発明を実施するための形態では、様々な特徴が、本開示を効率化する目的で様々な実施形態において一緒にグループ化されることが分かる。本開示のこの方法は、特許請求した実施形態が各請求項で明示的に言及されたものよりも多くの特徴を有するという意図を反映するようには解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、単一の開示した実施形態の一部の特徴にある。このように、添付の特許請求の範囲は、各請求項が別々に権利を主張された主題としてそれ自体に基づいた状態で、発明を実施するための形態へとこれにより組み込まれる。