IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-運転支援装置 図1
  • 特許-運転支援装置 図2
  • 特許-運転支援装置 図3
  • 特許-運転支援装置 図4
  • 特許-運転支援装置 図5
  • 特許-運転支援装置 図6
  • 特許-運転支援装置 図7
  • 特許-運転支援装置 図8
  • 特許-運転支援装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20250618BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20250618BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20250618BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20250618BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W50/14
B60W30/10
B60W60/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021123501
(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023019040
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優太
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 悠
(72)【発明者】
【氏名】由川 輝
(72)【発明者】
【氏名】関根 將人
(72)【発明者】
【氏名】東 龍矢
(72)【発明者】
【氏名】茂木 啓輔
【審査官】山田 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-095852(JP,A)
【文献】特開2017-107559(JP,A)
【文献】特開2009-258989(JP,A)
【文献】特開2019-095211(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0113453(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲の走行環境情報を取得する外部認識装置と、
道路地図情報が記憶され、測位信号に基づき自車位置を検出するロケータユニットと、
運転者に警報音、警告表示などの警告を行う警報装置と、
前記外部認識装置による前方走行環境情報に基づいて前記自車両を制御する走行制御ユニットと、
を備え、
前記走行制御ユニットは、
前記ロケータユニットにより推定された前記道路地図情報上の前記自車両の位置から走行している道路区間を、走行している前記道路区間の全体の第1の道路区間と、前記第1の道路区間を複数に区分した他の道路区間とに特定し、
前記第1の道路区間において第1の逆走判定処理を実行し、
前記区分した他の各道路区間において前記第1の逆走判定処理に加えて他の逆走判定処理を実行し、
前記各道路区間において逆走の可能性がある前記自車両の挙動を検出した際に前記警報装置を駆動することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記区分した他の道路区間は、道路から分岐する分岐車線の分岐点付近から前記道路へ合流する合流車線の合流点の手前付近までの第2の道路区間と、前記合流点の手前付近から前記合流点を過ぎた付近までの第3の道路区間と、前記合流点を過ぎた付近から所定の距離までの第4の道路区間であり、
前記走行制御ユニットは、
前記第2の道路区間において前記第1の逆走判定処理に加えて第2の逆走判定処理を実行し、
前記第3の道路区間において前記第1の逆走判定処理に加えて第3の逆走判定処理を実行し、
前記第4の道路区間において前記第1の逆走判定処理に加えて第4の逆走判定処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記走行制御ユニットは、前記第2の逆走判定処理および前記第4の逆走判定処理において、前記自車両の閾値以上の減速度を検出し、前記外部認識装置により先行車が検出されなかった場合に前記警報装置を駆動することを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記走行制御ユニットは、前記第3の逆走判定処理において、前記自車両の閾値以上の舵角量を検出した場合に前記警報装置を駆動することを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記走行制御ユニットは、前記警報装置を駆動した後に、前記自車両のUターンまたは後退を検出した場合、前記自車両を路肩などに退避させる退避制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆走を防止する運転支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両が道路に規定されている車両進行方向を逆走する行為は、非常に危険であり、車両を逆走させないことが課題となっている。また、運転者が車両を車両進行方向に対して逆走することが問題となっている。
【0003】
近年、車両の逆走を検出して防止する技術に関しては、種々の提案がされている。例えば、特許文献1には、適切な期間において逆走に対する警告を行う運転支援装置の技術が開示されている。この従来の運転支援装置は、高速道路上でUターンがあれば逆走、地図のリンク情報と反対方向に進めば逆走など、所定の動作、車両挙動などのパターンから逆走を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-053846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、道路での逆走となるシチュエーション、パターンは時々刻々と変化するが、従来の運転支援装置は、特定のパターンの所定の動作、車両挙動などに応じた逆走を検知しておらず、運転者(ドライバ)が逆走の意思がないときでも、システム介入により警告が行われてしまい、煩わしく感じるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、道路状況に応じて車両の適切な逆走判定を実行する運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の運転支援装置は、自車両の周囲の走行環境情報を取得する外部認識装置と、道路地図情報が記憶され、測位信号に基づき自車位置を検出するロケータユニットと、運転者に警報音、警告表示などの警告を行う警報装置と、前記外部認識装置による前方走行環境情報に基づいて前記自車両を制御する走行制御ユニットと、を備え、前記走行制御ユニットは、前記ロケータユニットにより推定された前記道路地図情報上の前記自車両の位置から走行している道路区間を、走行している前記道路区間の全体の第1の道路区間と、前記第1の道路区間を複数に区分した他の道路区間とに特定し、前記第1の道路区間において第1の逆走判定処理を実行し、前記区分した他の各道路区間において前記第1の逆走判定処理に加えて他の逆走判定処理を実行し、前記各道路区間において逆走の可能性がある前記自車両の挙動を検出した際に前記警報装置を駆動する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、道路状況に応じて車両の適切な逆走判定を実行する運転支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】運転支援装置の構成を示す機能ブロック図
図2】自律センサを搭載する車両の上面図
図3】一般道路から高速道路の出入口を示し、複数の道路区間の区分を説明する図
図4】走行制御ユニットが実行する走行区間判定処理を示すフローチャート
図5】走行制御ユニットが実行する第1の逆走判定処理を示すフローチャート
図6】走行制御ユニットが実行する第2の逆走判定処理を示すフローチャート
図7】走行制御ユニットが実行する第3の逆走判定処理を示すフローチャート
図8】一般道路から高速道路の出口に自車両が進入しそうな場面を示す図
図9】走行制御ユニットが実行する第4の逆走判定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照しながら、本発明の一態様の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。本実施形態における車両の運転支援装置としての走行制御装置10は、図1に示すように、車外の走行環境を認識するためのユニットとして、走行環境認識ユニット11およびロケータユニット12を有する。
【0012】
また、走行制御装置10は、走行制御ユニット(以下、「走行_ECU」と称す)22と、エンジン制御ユニット(以下、「E/G_ECU」と称す)23と、ステアリング(操舵)制御ユニットであるパワーステアリング制御ユニット(以下、「PS_ECU」と称す)24と、ブレーキ制御ユニット(以下、「BK_ECU」と称す)25と、クラッチ制御ユニット(以下、「CL_ECU」と称す)26と、を備える。これら各制御ユニット22~26は、走行環境認識ユニット11およびロケータユニット12と共に、CAN(Controller Area Network)などの車内通信回線を介して接続されている。
【0013】
外部認識装置である走行環境認識ユニット11は、例えば、車室内前部の上部中央に固定されている。この走行環境認識ユニット11は、メインカメラ11aおよびサブカメラ11bからなる車載カメラ(ステレオカメラ)と、画像処理ユニット(IPU)11cと、走行環境認識部11dと、を有している。
【0014】
メインカメラ11aおよびサブカメラ11bは、例えば、自車両Mの前方の実空間をセンシングする自律センサである。これらメインカメラ11aおよびサブカメラ11bは、例えば、図2に示すように、車幅方向中央を挟んでフロントガラス上部手前の車室内の左右対称な位置に配置され、自車両Mの前方領域を異なる視点からステレオ撮像する。
【0015】
IPU11cは、両カメラ11a,11bで撮像した自車両Mの前方の前方走行環境画像情報を所定に画像処理し、対応する対象の位置のズレ量から求めた距離情報を含む前方走行環境画像情報(距離画像情報)を生成する。走行環境認識部11dは、IPU11cから受信した距離画像情報などに基づき、自車両Mの周辺の道路を区画する車線区画線を求める。
【0016】
また、走行環境認識部11dは、自車両Mが走行する走行路(自車走行レーン)の左右を区画する車線区画線の道路曲率[1/m]、および左右車線区画線間の幅(車線幅)を求める。この道路曲率、および車線幅の求め方は種々知られているが、例えば、走行環境認識部11dは、道路曲率を前方走行環境画像情報に基づき輝度差による二値化処理にて、左右の車線区画線を認識し、最小二乗法による曲線近似式などにて左右車線区画線の曲率を所定区間毎に求める。
【0017】
また、走行環境認識部11dは、距離画像情報に対して所定のパターンマッチングなどを行い、道路に沿って存在するガードレール、縁石、および、自車両Mの周辺の道路上に存在する歩行者、二輪車、二輪車以外の車両などの立体物、障害物などの認識を行う。
【0018】
ここで、走行環境認識部11dにおける立体物、障害物などの認識では、例えば、立体物の種別、立体物までの距離、立体物の速度、立体物と自車両Mとの相対速度などの認識が行われる。なお、このように車載カメラからの画像に基づいて認識した立体物を、カメラオブジェクト(カメラOBJ)と称する。
【0019】
さらに、走行環境認識部11dには、自律センサとして、複数のレーダ装置(例えば、左前側方レーダ装置11fl、右前側方レーダ装置11fr、左後側方レーダ装置11rl、および、右後側方レーダ装置11rr)が接続されている。
【0020】
これら複数のレーダ装置(左前側方レーダ装置11fl、右前側方レーダ装置11fr、左後側方レーダ装置11rl、および、右後側方レーダ装置11rr)は、例えば、図2に示すように、車室外において、フロント-リア方向および車幅方向の中央を挟むと共に、前後左右対称な位置となるようにバンパーなどに配置されている。
【0021】
左前側方レーダ装置11flおよび右前側方レーダ装置11frは、上述したカメラ11a,11bからの画像では監視することのできない自車両Mの左右斜め前方および側方の2つの領域を監視する。左後側方レーダ装置11rlおよび右後側方レーダ装置11rrは、上述した左前側方レーダ装置11flおよび右前側方レーダ装置11frでは監視することのできない自車両Mの左右側方から後方にかけての2つの領域を監視する。
【0022】
これらの各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、ミリ波レーダ、レーザ・レーダ、ライダー(LIDER:Light Detection and Ranging)などを備えて構成されている。各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、水平方向に発射したレーダ波(電波やレーザビームなど)の反射波を受信することにより、自車両Mの周囲に存在する立体物上の複数の反射点を検出して立体物を認識する。
【0023】
このように各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrにおいて認識されたレーダOBJに関する情報は、走行環境認識部11dに入力される。これにより、走行環境認識部11dでは、自車両Mの前方に存在する先行車などのみならず、自車両Mの側方に存在する並走車両、交差点などにおいて自車進行路に交差する方向から自車両Mに接近する交差車両および自車両Mの後方に存在する後続車両などについても認識することが可能となっている。
【0024】
なお、左後側方レーダ装置11rl、および、右後側方レーダ装置11rrを設けず、バックカメラを用いて後方の並走車両、後続車両を認識してもよい。
【0025】
ロケータユニット12は、道路地図上の自車位置を推定するものであり、自車位置を推定するロケータ演算部13を有している。このロケータ演算部13の入力側には、自車両Mの前後加速度を検出する加速度センサ14、前後左右各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ15、自車両Mの角速度または角加速度を検出するジャイロセンサ16、複数の測位衛星から発信される測位信号を受信するGNSS受信機17、図示しないステアリングの回転角度を検出する舵角センサ18など、自車両Mの位置(自車位置)を推定するに際して必要とするセンサ類が接続されている。
【0026】
ロケータ演算部13には、高精度道路地図データベース19が接続されている。高精度道路地図データベース19は、HDDなどの大容量記憶媒体であり、高精度な道路地図情報(ダイナミックマップ)が記憶されている。
【0027】
すなわち、高精度度道路地図情報は、主として道路情報を構成する静的情報および準静的情報と、主として交通情報を構成する準動的情報および動的情報と、からなる4層の情報を有する。
【0028】
ロケータ演算部13は、地図情報取得部13aと、自車位置推定部13bと、を備えている。地図情報取得部13aは、例えばドライバが自動運転に際してセットした目的地に基づき、現在地から目的地までのルート地図情報を高精度道路地図データベース19に格納されている地図情報から取得する。
【0029】
また、地図情報取得部13aは、取得したルート地図情報(ルート地図上の車線データ)を自車位置推定部13bへ送信する。自車位置推定部13bは、GNSS受信機17で受信した測位信号に基づき自車両Mの位置座標を取得する。
【0030】
さらに、自車位置推定部13bは、取得した位置座標をルート地図情報上にマップマッチングして、道路地図上の自車位置を推定すると共に自車走行路(走行車線)を区画する左右の車線区画線を認識し、道路地図データに記憶されている走行車線中央の道路曲率を取得する。
【0031】
また、自車位置推定部13bは、トンネル内走行などのようにGNSS受信機17の感度低下により測位衛星からの有効な測位信号を受信することができない環境において、車輪速センサ15で検出した車輪速に基づき求めた車速、ジャイロセンサ16で検出した角速度、および前後加速度センサ14で検出した前後加速度に基づいて自車位置を推定する自律航法に切換えて、道路地図上の自車位置を推定する。
【0032】
さらに、自車位置推定部13bは、上述のようにGNSS受信機17で受信した測位信号或いはジャイロセンサ16などで検出した情報などに基づいて道路地図上の自車位置を推定すると、推定した道路地図上の自車位置に基づき、自車両Mが走行中の走行路の道路種別などを判定する。
【0033】
また、走行_ECU22の入力側には、ドライバが自動運転(走行制御)のオン/オフ切換などを行うモード切換スイッチ、ドライバによる運転操作量としての操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ、ドライバによる運転操作量としてのブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキセンサ、ドライバによる運転操作量としてのアクセルペダルの踏込量を検出するアクセルセンサおよび自車両Mに作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサなどの各種スイッチ・センサ類が接続されている(何れも図示せず)。
【0034】
走行_ECU22には、運転モードとして、手動運転モードと、走行制御のためのモードである第1の走行制御モードおよび第2の走行制御モードと、退避モードと、が設定されている。これらの各運転モードは、モード切換スイッチに対する操作状況などに基づき、走行_ECU22において選択的に切換可能となっている。
【0035】
ここで、手動運転モードとは、ドライバによる保舵を必要とする運転モードであり、例えば、ドライバによるステアリング操作、アクセル操作およびブレーキ操作などの運転操作に従って、自車両Mを走行させる運転モードである。
【0036】
また、第1の走行制御モードも同様に、ドライバによる保舵を必要とする運転モードである。すなわち、第1の走行制御モードは、ドライバによる運転操作を反映しつつ、例えば、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25などの制御を通じて、主として、先行車追従制御(ACC:Adaptive Cruise Control)と、車線中央維持(ALKC:Active Lane Keep Centering)制御および車線逸脱抑制(Active Lane Keep Bouncing)制御と、を適宜組み合わせて行うことにより、目標走行経路に沿って自車両Mを走行させる、いわば半自動運転モードである。
【0037】
また、第2の走行制御モードとは、ドライバによる保舵、アクセル操作およびブレーキ操作を必要とすることなく、例えば、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25などの制御を通じて、主として、先行車追従制御と、車線中央維持制御および車線逸脱抑制制御とを適宜組み合わせて行うことにより、目標ルート(ルート地図情報)に従って自車両Mを走行させる自動運転モードである。
【0038】
退避モードは、例えば、第2の走行制御モードによる走行中に、当該モードによる走行が継続不能となり、且つ、ドライバに運転操作を引き継ぐことができなかった場合(すなわち、手動運転モード、または、第1の走行制御モードに遷移できなかった場合)に、自車両Mを路側帯などに自動的に停止させるためのモードである。
【0039】
E/G_ECU23の出力側には、スロットルアクチュエータ35が接続されている。このスロットルアクチュエータ35は、エンジンのスロットルボディに設けられている電子制御スロットルのスロットル弁を開閉動作させるものであり、E/G_ECU23からの駆動信号によりスロットル弁を開閉動作させて吸入空気流量を調整することで、所望のエンジン出力を発生させる。
【0040】
PS_ECU24の出力側には、駆動源である電動パワステモータ28が接続されている。この電動パワステモータ28は、ステアリング(操舵)機構にモータの回転力で操舵トルクを付与するものであり、自動運転では、PS_ECU24からの駆動信号により電動パワステモータ28を制御動作させることで、現在の走行車線の走行を維持させる車線中央維持制御および自車両Mを隣接車線へ移動させる車線変更制御(追越制御などのための車線変更制御)が実行される。
【0041】
BK_ECU25の出力側には、ブレーキアクチュエータ29が接続されている。このブレーキアクチュエータ29は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、BK_ECU25からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ29が駆動されると、ブレーキホイールシリンダにより各車輪に対して、制動機構のブレーキ(制動)力が発生し、強制的に減速される。
【0042】
CL_ECU26の出力側には、デファレンシャルクラッチ30が接続されている。このデファレンシャルクラッチ30は、例えば、油圧クラッチであり、CL_ECU26からの駆動信号により、左右の車輪に伝達する駆動力を調節することで、左右の車輪の回転差を吸収する。なお、デファレンシャルクラッチ30は、油圧クラッチの他、電磁クラッチとしてもよい。
【0043】
このデファレンシャルクラッチ30は、FF(前輪駆動)、FR(後輪駆動)、4WD(四輪駆動)などの駆動方式により、差動装置であるフロント/リアデファレンシャル装置の一方または両方に設けられている。
【0044】
なお、走行_ECU22の入力側には、図示しない方向指示器制御装置である方向指示器(ウインカ)制御部などが接続されている。この方向指示器制御部は、運転者によって操作される方向指示操作部(ウインカーレバー)である方向指示レバー(不図示)からのON信号が入力される。
【0045】
また、方向指示器制御部には、リレー回路が組まれており、運転者による方向指示レバーの操作により、図2に示す、自車両Mの前後左右の4つの方向指示器(ウインカ)37a,37b,38a,38bのうち、左右の対を成す2つを点滅させる。なお、ここでは、例えば、右前方向指示器37aと右後方向指示器38aが対となり、左前方向指示器37bと左後方向指示器38bが対となっている。
【0046】
さらに、走行_ECU22の出力側には、警報装置31が接続されている。この警報装置31は、音声、ブザーなどの警報音、インストルメントパネル、ナビゲーションモニタなどへの警告表示などを実行する。
【0047】
以上のように構成された運転支援装置1は、自車両Mが運転者(ドライバ)によりマニュアル操作されている際に逆走を判定して防止する制御を実行する。
【0048】
本実施の形態の運転支援装置1には、高精度地図情報に基づいて予め所定の道路区間が設定されている。例えば、図3に示すように、一般道路100の本線から高速道路への料金所101へ進入する分岐道路である入口側の分岐車線102、料金所101から一般道路100に進入する合流道路である出口側の合流車線103などが存在する一般道路の所定の道路区間に応じて自車両Mが逆走しそうな挙動を検出する。
【0049】
具体的には、一般道路100において、全体を第1の道路区間Aとし、分岐点P1の前方付近から合流点P2手前付近までを第2の道路区間Bとし、合流点P2の手前付近から合流点P2を過ぎた付近までを第3の道路区間Cとし、合流点P2を過ぎた付近から所定の距離までを第4の道路区間Dに設定する。
【0050】
なお、ここでは、一例として、一般道路100を第1~第4の道路区間A~Dに区分しているが、これに限定されることなく、高速道路、バイパス道路などにおいても、本線からの分岐道路および合流道路が存在する道路区間においても、運転支援装置1が同様に自車両Mの挙動から逆走を防止する制御を適用できるものである。
【0051】
(走行区間判定処理)
自車両Mが運転者(ドライバ)によりマニュアル操作により一般道路100を走行中、運転支援装置1の走行_ECU22は、図4に示す、自車両Mの位置が地図情報の第1の道路区間Aであるか否かを判定する(S1)。走行_ECU22は、このステップS1の第1の道路区間Aであるかの判定ルーチンを繰り返し実行する。なお、第1の道路区間Aは、一般道路100全体の区間であるため、走行_ECU22は、自車両Mが一般道路100を走行中、常に第1の道路区間Aであることを判定する。
【0052】
走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第1の道路区間Aである場合、図5に示す、後述の第1の逆走判定処理を実行する(S2)。
【0053】
そして、走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第2の道路区間Bであるか否かを判定する(S3)。走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第2の道路区間Bである場合、図6に示す、後述の第2の逆走判定処理を実行し(S4)、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0054】
一方、走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第2の道路区間Bでない場合、自車両Mの位置が地図情報の第3の道路区間Cであるか否かを判定する(S5)。走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第3の道路区間Cである場合、図7に示す、後述の第3の逆走判定処理を実行し(S6)、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0055】
一方、走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第3の道路区間Cでない場合、自車両Mの位置が地図情報の第4の道路区間Dであるか否かを判定する(S7)。走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第4の道路区間Dである場合、図9に示す、後述の第4の逆走判定処理を実行し(S8)、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0056】
なお、走行_ECU22は、自車両Mの位置が地図情報の第4の道路区間Dでない場合、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0057】
ここでの各判定処理において、走行_ECU22は、GNSS受信機17の測位信号に基づき位置座標をルート地図情報上にマップマッチングして、自車両Mが走行している区間を判定している。
【0058】
(第1の逆走判定処理)
自車両Mが第1の道路区間Aを走行中に、走行_ECU22が実行する第1の逆走判定処理について、図5に基づいて説明する。
【0059】
走行_ECU22は、自車両Mが減速したか否かを判定する(S11)。走行_ECU22は、ブレーキアクチュエータ29の作動状態、車輪速センサ15で検出した車輪速などから自車両Mが減速した場合、走行_ECU22は、前方に先行車がいるか否かを判定する(S12)。なお、走行_ECU22は、自車両Mが減速していない場合、ステップS11の判定ルーチンに戻る。
【0060】
走行_ECU22は、IPU11cから入力された、メインカメラ11aとサブカメラ11bで撮像した自車両Mの前方の前方走行環境画像情報に基づき、前方に先行車がいない場合、転舵されたか否かを判定する(S13)。なお、走行_ECU22は、自車両Mの前方に先行車を検出している場合、ステップS11の判定ルーチンに戻る。
【0061】
走行_ECU22は、電動パワステモータ28の作動状態、舵角センサ18で検出した舵角量などから自車両Mが転舵した場合、自車両Mが車線変更したか否かを判定する(S14)。なお、走行_ECU22は、自車両Mが転舵していない場合、ステップS11の判定ルーチンに戻る。
【0062】
走行_ECU22は、メインカメラ11aとサブカメラ11bで撮像した自車両Mの前方の前方走行環境画像情報に基づき、自車両Mが車線変更していない場合、直近に分岐点P1、交差点または駐車場入口があるか否かを判定する(S15)。なお、走行_ECU22は、自車両Mが車線変更した場合、ステップS11の判定ルーチンに戻る。
【0063】
走行_ECU22は、自車両Mの前方直近に分岐点P1、交差点または駐車場入口がない場合、警告を開始する(S16)。走行_ECU22は、警報装置31を駆動して、警報音、警告表示などを行い運転者に注意喚起する。
【0064】
次に、走行_ECU22は、Uターンしたか否かを判定する(S17)。ここでは、走行_ECU22は、前方走行環境画像情報、自車両Mの位置座標、地図情報、舵角情報およびジャイロセンサ16と、図示しないヨーレートセンサによる自車両Mのヨー加速度(ヨーレート)などから自車両MのUターン挙動を検出する。
【0065】
走行_ECU22は、自車両MがUターンしていない場合、警報装置31の駆動を停止し、警告を停止する(S18)。一方、走行_ECU22は、自車両MがUターンした場合、退避制御を実行する(S19)。
【0066】
この退避制御は、走行_ECU22が運転者に代わって、前方走行環境画像情報に基づき、E/G_ECU23、PS_ECU24およびBK_ECU25により電動パワステモータ28、ブレーキアクチュエータ29、スロットルアクチュエータ27などを駆動制御させて、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させる。
【0067】
そして、走行_ECU22は、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させた後、警告を停止し(S20)、自車両Mの操作を運転者(ドライバ)に引き継ぎ(S21)、本制御を終了する。
【0068】
以上の説明から、運転支援装置1は、一般道路100の第1の道路区間Aを走行中に自車両Mの減速を検出して、Uターンなどにより逆走となる可能性がある場合には運転者に警告して自車両Mの逆走を防止する。
【0069】
さらに、運転者が警告を無視して自車両MをUターンさせた場合、運転支援装置1は、システムによる制御に移行して、自車両Mを路肩などの安全な箇所に自車両Mを駐車させる制御を実行する。
【0070】
(第2の逆走判定処理)
次に、自車両Mが第2の道路区間Bを走行中に、走行_ECU22が実行する第2の逆走判定処理について、図6に基づいて説明する。
【0071】
先ず、走行_ECU22は、図5に示した、上述の第1の逆走判定処理を実行している(S30)。この第1の逆走判定処理において、走行_ECU22は、ステップS11で検出された減速度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S31)。走行_ECU22は、車輪速センサ15で検出した車輪速などから自車両Mが所定の閾値未満の減速である場合、ステップS30の第1の逆走判定処理に戻る。
【0072】
走行_ECU22は、自車両Mが所定の閾値以上に急減速した場合、走行_ECU22は、前方に先行車がいるか否かを判定する(S32)。なお、走行_ECU22は、自車両Mが減速していない場合、ステップS30の第1の逆走判定処理に戻る。
【0073】
走行_ECU22は、IPU11cから入力された、メインカメラ11aとサブカメラ11bで撮像した自車両Mの前方の前方走行環境画像情報に基づき、前方に先行車がいない場合、警告を開始する(S33)。即ち、走行_ECU22は、自車両Mが急ブレーキにより停止する可能性があるため、警報装置31を駆動して、警報音、警告表示などを行い運転者に注意喚起する。
【0074】
なお、ここでの第2の道路区間Bには、交差点、信号などがないものとし、先行車がいない状態で自車両Mが急減速し停車などする可能性が低いため、運転者への警告が実行される。
【0075】
次に、走行_ECU22は、高速道度入口の分岐点P1方向に後退しているか否かを判定する(S34)。走行_ECU22は、前方走行環境画像情報、自車両Mの位置座標、地図情報などから自車両Mの後退を検出する。
【0076】
ここでの自車両Mの後退検出は、自車両Mが高速道度入口の分岐点P1を通り越してしまい分岐点P1まで後退して逆走した後、分岐車線102に入る可能性があることを想定している。
【0077】
走行_ECU22は、自車両Mが後退していない場合、Uターンしたか否かを判定する(S35)。ここでも、図5のステップS17と同様に、走行_ECU22は、前方走行環境画像情報、自車両Mの位置座標、地図情報、舵角情報およびジャイロセンサ16と、図示しないヨーレートセンサによる自車両Mのヨー加速度(ヨーレート)などから自車両MのUターン挙動を検出する。
【0078】
走行_ECU22は、自車両MがUターンしていない場合、警告を停止し(S36)、ステップS30の第1の逆走判定処理に戻る。
【0079】
なお、走行_ECU22は、自車両Mが後退、またはUターンしている場合、退避制御を実行する(S37)。ここでの退避制御も、図5のステップS19と同様に、走行_ECU22が運転者に代わって、前方走行環境画像情報に基づき、E/G_ECU23、PS_ECU24およびBK_ECU25により電動パワステモータ28、ブレーキアクチュエータ29、スロットルアクチュエータ27などを駆動制御させて、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させる。
【0080】
そして、走行_ECU22は、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させた後、警告を停止し(S38)、自車両Mの操作を運転者(ドライバ)に引き継ぎ(S39)、本制御を終了する。
【0081】
以上の説明から、運転支援装置1は、一般道路100における第2の道路区間Bを走行中に、第1の逆走判定処理に加え、自車両Mの急減速を検出して、後退、Uターンなどにより逆走となる可能性がある場合には運転者に警告して逆走を防止する。
【0082】
さらに、運転者が警告を無視して自車両Mを後退させたり、Uターンさせたりした場合、運転支援装置1は、システムによる制御に移行して、自車両Mを路肩などの安全な箇所に自車両Mを駐車させる制御を実行する。
【0083】
(第3の逆走判定処理)
次に、自車両Mが第3の道路区間Cを走行中に、走行_ECU22が実行する第3の逆走判定処理について、図7に基づいて説明する。
【0084】
先ず、走行_ECU22は、ここでも図5に示した、上述の第1の逆走判定処理を実行している(S40)。この第1の逆走判定処理において、走行_ECU22は、ステップS13で検出された転舵の舵角量が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S41)。走行_ECU22は、舵角センサ18で検出された舵角量が所定の閾値未満である場合、ステップS40の第1の逆走判定処理に戻る。
【0085】
走行_ECU22は、舵角センサ18で検出された舵角量が所定の閾値以上の場合、警告を開始する(S42)。ここでも、走行_ECU22は、警報装置31を駆動して、警報音、警告表示などを行い運転者に注意喚起する。即ち、ここでの第3の道路区間Cには、交差点などがないものとし、図8に示すように、舵角量が所定の閾値以上の場合、自車両Mが急ハンドルにより合流点P2から高速道路の出口の合流車線103に進入する可能性があることを想定している。
【0086】
そして、走行_ECU22は、自車両Mが合流点P2から高速道路の出口の合流車線103に進入したか否かを判定する(S43)。走行_ECU22は、前方走行環境画像情報、自車両Mの位置座標、地図情報などから、高速道路の出口の合流車線103に自車両Mが進入していない場合、ステップS40の第1の逆走判定処理に戻る。
【0087】
一方、走行_ECU22は、高速道路の出口の合流車線103に自車両Mが進入した場合、退避制御を実行する(S45)。ここでの退避制御も、図5のステップS19と同様に、走行_ECU22が運転者に代わって、前方走行環境画像情報に基づき、E/G_ECU23、PS_ECU24およびBK_ECU25により電動パワステモータ28、ブレーキアクチュエータ29、スロットルアクチュエータ27などを駆動制御させて、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させる。
【0088】
そして、走行_ECU22は、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させた後、警告を停止し(S46)、自車両Mの操作を運転者(ドライバ)に引き継ぎ(S47)、本制御を終了する。
【0089】
以上の説明から、運転支援装置1は、一般道路100における第3の道路区間Cを走行中に、第1の逆走判定処理に加え、自車両Mの所定の閾値以上の舵角量から急ハンドルを検出して、高速道路の出口の合流車線103に進入する可能性がある場合には運転者に警告して逆走を防止する。
【0090】
さらに、運転者が警告を無視して自車両Mを高速道路の出口の合流車線103に進入させた場合、運転支援装置1は、システムによる制御に移行して、自車両Mを路肩などの安全な箇所に自車両Mを駐車させる制御を実行する。
【0091】
(第4の逆走判定処理)
次に、自車両Mが第4の道路区間Dを走行中に、走行_ECU22が実行する第4の逆走判定処理について、図9に基づいて説明する。なお、本制御は、図6の第2の逆走判定処理と略同じルーチンが実行される。そのため、第2の逆走判定処理と異なるルーチンを主に説明し、それ以外のルーチンは同じステップS番号を用いて簡単に説明する。
【0092】
先ず、走行_ECU22は、図5に示した、上述の第1の逆走判定処理を実行している(S30)。この第1の逆走判定処理において、走行_ECU22は、ステップS11で検出された減速度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S31)。
【0093】
走行_ECU22は、自車両Mが所定の閾値以上に急減速した場合、走行_ECU22は、前方に先行車がいるか否かを判定し(S32)、自車両Mが減速していない場合、ステップS30の第1の逆走判定処理に戻る。
【0094】
走行_ECU22は、前方に先行車がいない場合、警告を開始する(S33)。なお、ここでの第4の道路区間Dにも、交差点、信号などがないものとし、先行車がいない状態で自車両Mが急減速し停車などする可能性が低いため、運転者への警告が実行される。
【0095】
次に、走行_ECU22は、高速道度出口の合流点P2方向に後退しているか否かを判定する(S34´)。走行_ECU22は、第2の逆走判定処理のステップS34と同様に、前方走行環境画像情報、自車両Mの位置座標、地図情報などから自車両Mの後退を検出する。
【0096】
ここでの自車両Mの後退検出は、自車両Mが高速道度出口の合流点P2を通り越してしまい合流点P2まで後退して逆走した後、合流車線103に入る可能性があることを想定している。
【0097】
走行_ECU22は、自車両Mが後退していない場合、Uターンしたか否かを判定し(S35)、自車両MがUターンしていない場合、警告を停止し(S36)、ステップS30の第1の逆走判定処理に戻る。
【0098】
なお、走行_ECU22は、自車両Mが後退、またはUターンしている場合、退避制御を実行する(S37)。そして、走行_ECU22は、自車両Mを一般道路100の路肩などに駐車させた後、警告を停止し(S38)、自車両Mの操作を運転者(ドライバ)に引き継ぎ(S39)、本制御を終了する。
【0099】
以上の説明から、運転支援装置1は、一般道路100における第4の道路区間Dを走行中に、第1の逆走判定処理に加え、自車両Mの急減速を検出して、後退、Uターンなどにより逆走して高速道度出口の合流車線103に進入する可能性がある場合には運転者に警告して逆走を防止する。
【0100】
さらに、運転者が警告を無視して自車両Mを後退させたり、Uターンさせたりした場合、運転支援装置1は、システムによる制御に移行して、路肩などの安全な箇所に自車両Mを駐車させる制御を実行する。
【0101】
以上に説明したように、車両の運転支援装置1は、道路の走行区間別に逆走となるシチュエーション、パターンの変化に基づき、ここでは一般道路100の全体を第1の道路区間Aとし、一般道路100から高速道路入口付近から出口付近を第2の道路区間Bから第4の道路区間Dに範囲を区分して、その道路状況に応じて自車両Mの適切な逆走判定を実行する構成となっている。
【0102】
なお、自車両Mの運転支援装置1の各ECU22~26は、中央処理装置(CPU)、ROM、RAMなどの記憶装置などを含むプロセッサを有している。また、プロセッサの複数の回路の全て若しくは一部の構成は、ソフトウェアで実行してもよい。例えば、ROMに格納された各機能に対応する各種プログラムをCPUが読み出して実行するようにしてもよい。
【0103】
さらに、プロセッサの全部若しくは一部の機能は、論理回路あるいはアナログ回路で構成してもよく、また各種プログラムの処理を、FPGAなどの電子回路により実現するようにしてもよい。
【0104】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0105】
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0106】
1…運転支援装置
10…走行制御装置
11…走行環境認識ユニット
11a…メインカメラ
11b…サブカメラ
11d…走行環境認識部
11fl…左前側方レーダ装置
11fr…右前側方レーダ装置
11rl…左後側方レーダ装置
11rr…右後側方レーダ装置
12…ロケータユニット
13…ロケータ演算部
13a…地図情報取得部
13b…自車位置推定部
14…加速度センサ
15…車輪速センサ
16…ジャイロセンサ
17…GNSS受信機
18…舵角センサ
19…高精度道路地図データベース
22…走行制御ユニット
23…エンジン制御ユニット
24…パワーステアリング制御ユニット
25…ブレーキ制御ユニット
26…クラッチ制御ユニット
27…スロットルアクチュエータ
28…電動パワステモータ
29…ブレーキアクチュエータ
30…デファレンシャルクラッチ
31…警報装置
35…スロットルアクチュエータ
37a…右前方向指示器
37b…左前方向指示器
38a…右後方向指示器
38b…左後方向指示器
100…一般道路
101…料金所
102…分岐車線
103…合流車線
A…第1の道路区間
B…第2の道路区間
C…第3の道路区間
D…第4の道路区間
M…自車両M
P1…分岐点
P2…合流点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9