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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20250618BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20250618BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20250618BHJP
【FI】
G03G21/00 500
G03G15/20 555
G03G15/20 510
G06K19/07 220
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021126477
(22)【出願日】2021-08-02
(65)【公開番号】P2023021550
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2024-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100194076
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100165261
【弁理士】
【氏名又は名称】登原 究
(72)【発明者】
【氏名】杉山 博之
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144298(JP,A)
【文献】特開2007-206161(JP,A)
【文献】特開2009-122467(JP,A)
【文献】特開2006-220709(JP,A)
【文献】特開2018-134762(JP,A)
【文献】特開2009-015145(JP,A)
【文献】特開昭54-095246(JP,A)
【文献】特開2006-058928(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0243622(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/20
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグからの情報の読み取りを行うリーダライタと、
前記無線タグを有するシートを加熱及び搬送する定着部と、
前記リーダライタの読み取り結果に基づいて前記無線タグの不良を判定する判定部と、
前記判定部によって前記無線タグが不良であると判定された場合、前記無線タグから情報を読み取れなくするように、前記定着部による前記シートの搬送速度を印刷速度よりも遅くすることで前記無線タグへ与える熱量を増加させるよう前記定着部を制御する制御部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記リーダライタは、前記無線タグへの情報の書き込みを行い、
前記判定部は、前記リーダライタによって前記無線タグに書き込まれた情報及び前記無線タグから読み取られた情報が一致しない、又は前記リーダライタによって前記無線タグから情報が読み取れない場合に、前記無線タグが不良であると判定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定着部は、対象を加熱するヒートローラと、第1のプレスローラと、第2のプレスローラと、を有し、
前記制御部は、前記判定部によって前記無線タグが不良であると判定された場合、前記ヒートローラ及び前記第1のプレスローラが対面する第1の姿勢から、前記ヒートローラ及び前記第2のプレスローラが対面する第2の姿勢に切り替える
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の姿勢は、前記第1の姿勢よりも前記無線タグへ与える熱量が増加しやすい
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2のプレスローラは、前記第1のプレスローラよりも小径である
請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
シート上に画像を形成する画像形成部を有し、
前記制御部は、前記判定部によって前記無線タグが不良であると判定された場合、前記無線タグを有するシート上に前記無線タグが不良である旨の画像を形成するよう前記画像形成部を制御する
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線タグ付用紙の無線タグへの情報の書き込み及び読み取りが可能な画像形成装置がある。画像形成装置は、無線タグへのデータの書き込み及び読み取りが失敗した場合、当該無線タグ付用紙を不良と判定する。無線タグが不良と判定された場合、無線タグ付用紙に不良を示す画像情報を印字したり、ステープラやシュレッダーによって無線タグを物理的に破壊したりすることで、不良の無線タグ付用紙を処理していた。
【0003】
しかしこのような処理では、ステープラによる破壊が不十分で無線タグ内の情報が漏洩する可能性がある、通常用紙として再利用する際にステープラの処理に手間がかかる、シュレッダーによって粉砕するため通常用紙として再利用ができないなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005―225101
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、無線タグの破壊に係る資源の削減を図り得る画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本実施形態の画像形成装置は、リーダライタと、定着部と、判定部と、制御部と、を有する。リーダライタは、無線タグからの情報の読み取りを行う。定着部は、無線タグを有するシートを加熱及び搬送する。判定部は、リーダライタの読み取り結果に基づいて無線タグの不良を判定する。制御部は、判定部によって無線タグが不良であると判定された場合、無線タグから情報を読み取れなくするように、定着部によるシートの搬送速度を印刷速度よりも遅くすることで無線タグへ与える熱量を増加させるよう定着部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態におけるMFPの構成を示す概略図。
図2】実施形態におけるMFPのハードウェア構成を示すブロック図。
図3】実施形態におけるMFPが有する定着部の概略図(第1の姿勢)。
図4】実施形態におけるMFPが有する定着部の概略図(第2の姿勢)。
図5】実施形態におけるMFPの動作の具体例を示すフローチャート図。
図6】実施形態における無線タグ付用紙に印字された不良マークの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、画像形成装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態は、
MFP(Multi Functional Peripheral)を画像形成装置の一態様とした場合である。
シートは、無線タグを有する用紙である無線タグ付用紙を含む。
【0009】
図1は、MFP1の構成を示す概略図である。図1に示すようにMFP1は、搬送部2と、コントロールパネル3と、スキャナ4と、画像形成部5と、定着部6と、反転部7と、給紙部8と、リーダライタ9と、を有する。
【0010】
図2は、MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すようにMFP1は、さらに、制御部12と、記憶部11と、判定部10と、を有する。
【0011】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)或いはMPU(Micro Processing Unit)を備えるプロセッサとメモリを有する。メモリは、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、プロセッサに一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)を有する。制御部12は、ROMに格納された各種プログラム等に基づいて、MFP1の各部を制御する。
【0012】
記憶部11は、例えばHDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)である。記憶部11は、例えばMFP1の各構成によって取得、または生成された画像データなどを取得する。
【0013】
搬送部2は、給紙部8と、画像形成部5と、定着部6と、排紙口21と、を繋ぐ搬送路22を有する。搬送部2は、給紙部8から給紙したシートを搬送路22に沿って搬送する。搬送部2は、シートを搬送するための搬送手段として、搬送路22の随所に複数の搬送ローラを有する。シートの搬送方向は、給紙部8を上流側とし、排紙口21を下流側とする。搬送部2は、レジストローラ23を有する。レジストローラ23は、シートの搬送方向において画像形成部5の上流に設けられる。レジストローラ23は、搬送されるシートを一時的に停滞させ、制御部12によって任意のタイミングで動作してシートを画像形成部5に搬送する。
【0014】
コントロールパネル3は、ユーザの操作を受け付ける複数のボタンを備える。コントロールパネル3は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、MFP1の制御部12に出力する。なお、コントロールパネル3はディスプレイ31と一体のタッチパネルとして構成されている。ディスプレイ31は、MFP1に関する情報を表示する。ディスプレイ31は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。
【0015】
スキャナ4は、原稿の画像を読み取る。スキャナ4は、例えばADF(Auto Document Feeder)やDSDF(Dual Scan Document Feeder)を備える。読み取られた画像の情報は、ネットワークを介して例えばPC(Personal Computer)などの外部機器に送信されてもよい。読み取られた画像の情報は記憶部11に記憶され、画像形成部5及び定着部6によってシート上に画像として印刷されてもよい。
【0016】
画像形成部5は、スキャナ4またはPCなどの外部機器から送信された画像の情報に基づき、シート上にトナー像を形成する。画像形成部5は、複数のトナーカートリッジ51と、複数の現像装置52と、転写ベルト53と、転写ローラ54と、有する。複数のトナーカートリッジ51は、例えばそれぞれに異なる色のトナーを内包する。現像器は、トナーカートリッジ51から供給したトナーを転写ベルト53に供給して、トナー像を形成する。転写ベルト53上に形成されたトナー像は、転写ベルト53が環状に回転することで転写ローラ54に近づくように移動する。転写ベルト53上に形成されたトナー像は、転写ローラ54によって、搬送されたシート上に転写される。制御部12は、転写ベルト53上のトナー像がシートの所定の位置に転写されるように、レジストローラ23を制御してシートを搬送する。
【0017】
定着部6は、ヒートローラ61と、第1のプレスローラ62と、を有する。定着部6は、ヒートローラ61及び第1のプレスローラ62でシートを挟み込み、熱及び圧力をかけながら搬送することでシート上に形成されたトナー像を定着させる。ヒートローラ61は、定着ベルト611と、IH(Induction Heating)コイルと、を有する。ヒートローラ61は、IHコイル612を用いた誘導加熱によって定着ベルト611を加熱する。ヒートローラ61は、発熱するヒーターによって定着ベルト611を直接加熱する方式であってもよい。
【0018】
図3及び図4は、図1に示すMFP1が有する定着部6の概略図である。図3に示すようにヒートローラ61と第1のプレスローラ62が対面している状態を第1の姿勢とする。図4に示すようにヒートローラ61と第2のプレスローラ63が対面している状態を第2の姿勢とする。
【0019】
定着部6は、第2のプレスローラ63を有する。定着部6は、ヒートローラ61及び第2のプレスローラ63で無線タグ付用紙を挟み込み、熱及び圧力をかけながら搬送することで無線タグを破壊する。また、シート上に形成されたトナー像を定着させる。
【0020】
無線タグを破壊する温度は、通常印刷においてトナーをシート上に定着させるのに適した温度よりも高い。熱によって無線タグを破壊する場合、制御部12は、無線タグ付用紙へ与える熱量が通常印刷を行う場合の熱量よりも大きくなるように、定着部6の温度を制御する。熱によって無線タグを破壊する場合、制御部12は、無線タグ付用紙へ与える熱量が無線タグの耐熱温度よりも高く、且つ用紙が燃える温度よりも低い温度となるように、定着部6の温度を制御する。通常印刷での定着とは、MFP1が無線タグ付用紙の無線タグを破壊しない熱量でシートに画像を定着させることをいう。
【0021】
定着部6は、アーム64を有する。アームは、第1のプレスローラ62と、第2のプレスローラ63と、を連結する部材である。アーム64が回動することで、第1の姿勢及び第2の姿勢が切り替わる。
【0022】
第2のプレスローラ63は、第1のプレスローラ62と比べて径が小さい。第2のプレスローラ63は、第1のプレスローラ62と比べて径が小さいため熱が分散しづらく、無線タグ付用紙に対して効率的に熱を与えることができる。第2のプレスローラ63は、無線タグ付用紙をヒートローラ61と挟み込むことによって無線タグに所定の熱を与えられるものであれば、径の大きさを限定しない。
【0023】
第2のプレスローラ63は、第1のプレスローラ62と比べて熱伝導率が高い。第2のプレスローラ63は、第1のプレスローラ62と比べて熱伝導率が高いため温度が上がりやすく、無線タグ付用紙に対して効率的に熱を与えることができる。第2のプレスローラ63は、無線タグ付用紙をヒートローラ61と挟み込むことによって無線タグに所定の熱を与えられるものであれば、熱伝導率や使用される素材を限定しない。
【0024】
定着部6は、定着部モータ65と、ニップ圧モータ66と、を有する。定着部モータ65は、ヒートローラ61を回転させる。制御部12は、定着部モータ65を制御する。制御部12は定着部モータ65の回転速度を制御することで、定着部6が搬送するシートの搬送速度を調整する。ニップ圧モータ66は、ニップ圧モータ66の回転に連動して、ヒートローラ61と対面する第1のプレスローラ62又は第2のプレスローラ63を移動させる。ヒートローラ61と対面する第1のプレスローラ62又は第2のプレスローラ63は、ヒートローラ61と当接する方向又は離間する方向に移動する。制御部12は、ニップ圧モータ66制御することでニップ圧を調整する。
【0025】
定着部6は、ヒートローラ61及び第2のプレスローラ63で無線タグ付用紙を挟み込む場合、ニップ圧を上げてもよい。ニップ圧を上げることで、ヒートローラ61及び第2のプレスローラ63がさらに押し付けられ、ヒートローラ61及び第2のプレスローラ63の接触する面積が増加する。これにより、シートの搬送方向において、ヒートローラ61及び第2のプレスローラ63が無線タグ付用紙へ熱を与えるための距離を長くすることができる。つまり、無線タグ付用紙に対して効率的に熱を与えることができる。
【0026】
反転部7は、シートの両面に印刷を行うとき、シートを反転させる。具体的には、排紙路は、排紙口21へ搬送される搬送経路及び反転部7へ搬送される搬送経路に分岐しており、両面印刷されるシートは、反転部7に搬送される搬送経路に誘導される。反転部7に搬送されたシートは、シートの搬送方向においてレジストローラ23の上流側に搬送される。反転部7を通過したシートの面は、給紙部8からシートを給紙したときと表裏が反転している。反転部7は、自動両面装置(Automatic Duplexing Unit:ADU)である。
【0027】
給紙部8は、画像が印刷されるシートを収容する。給紙部8は、複数の給紙カセット81及び手差しトレイ82を備える。なお、画像が印刷されるシートは、給紙部8に収容されているシートであってもよいし、手差しトレイ82に手差しされたシートであってもよい。シートは、給紙部8または手差しトレイ82から搬送路22に沿って搬送され、画像形成部5及び定着部6を経て排紙口21へ搬送される。実施形態では、最下段の給紙カセット81に無線タグ付用紙を収容する。
【0028】
リーダライタ9は、無線タグに情報を書き込む。リーダライタ9は、無線タグに書き込まれた情報を読み取る。リーダライタ9は、無線タグに書き込んだ情報、及び無線タグから読み取った情報を、一時的に記憶部11に記憶する。リーダライタ9によって無線タグへの情報の書き込み、及び無線タグから情報の読み取りがされる間、当該無線タグを備える無線タグ付用紙を搬送する速度を減少、又は停止させることが望ましい。実施形態では、リーダライタ9は、最下段の給紙カセット81において搬送路22への入口近傍に設置される。リーダライタ9は、例えば手差しトレイ82の近傍やレジストローラ23の近傍、反転部7に係る搬送路22の近傍などに設置されてもよい。
【0029】
判定部10は、無線タグ付用紙の無線タグが不良か否かを判定する。判定部10は、リーダライタ9が無線タグに書き込んだ情報、及びリーダライタ9が当該無線タグから読み取った情報を比較する。書き込んだ情報と読み取った情報が一致しない場合、判定部10は、当該無線タグが不良であると判定する。
【0030】
図5は、実施形態におけるMFP1の動作の具体例を示すフローチャート図である。図5を参照してMFP1が無線タグ付用紙に画像の印刷及び情報の書き込みを行う場合についての動作を説明する。
【0031】
MFP1は、印刷ジョブを受信する。MFP1は、最下段の給紙カセット81から無線タグ付用紙を1枚給紙し、リーダライタ9によって無線タグへの情報の書き込み及び情報の読み取りが可能な位置となるように当該無線タグ付用紙を移動させる。リーダライタ9は、無線タグ付用紙の無線タグに情報を書き込む(ACT001)。リーダライタ9は、無線タグに正常に情報が書き込まれたか、確認のために情報を読み取る。つまり、ベリファイを行う(ACT002)。
【0032】
リーダライタ9によって無線タグへ書き込まれた情報と当該無線タグから読み取られた情報が一致しない場合(ACT003,NO)、リーダライタ9は、再度、当該無線タグに情報を書き込む(ACT004)。リーダライタ9は、再度、無線タグに正常に情報が書き込まれたか、確認のために情報を読み取る。つまり、ベリファイを行う(ACT005)。リーダライタ9によって無線タグへ書き込まれた情報と当該無線タグから読み取られた情報が一致しない場合(ACT006,NO)、判定部10は当該無線タグが不良であると判定する。このように無線タグへの情報の書き込み及び読み取りを2度行うことは、誤判定による正常な無線タグ付用紙の廃棄を低減するためである。
【0033】
無線タグが不良であると判定された場合、定着部6は、プレスローラを第1のプレスローラ62から第2のプレスローラ63に切り替える(ACT007)。つまり、図3及び図4に示すように定着部6を第1の姿勢から第2の姿勢に切り替える。画像形成部5は、本来無線タグ付用紙に転写する画像のトナー像を形成せず、無線タグが不良である旨を示す画像(不良マーク)のトナー像を形成し、搬送される無線タグ付用紙に転写する(ACT008)。例えば、図6は、無線タグ付用紙に印字された不良マークの例を示す図である。図6には、無線タグ付用紙S、無線タグT、不良マークDを示す。
【0034】
定着部6は、画像形成部5から搬送された無線タグ付用紙に熱を与えながら、搬送路22に沿って搬送する。このときの搬送速度は、通常の印刷速度よりも遅くする(ACT009)。これにより、定着部6は、無線タグの耐熱温度以上となるように無線タグ付用紙に熱を与え、無線タグを破壊する。さらに、不良マークを無線タグ付用紙に定着させる。不良マークはユーザが認識可能な程度に不良と判定された無線タグを有する無線タグ付用紙上に定着されればよく、定着の精度を求めない。
【0035】
ヒートローラ61及び第2のプレスローラ63によって無線タグ付用紙を搬送すると、定着部6は、プレスローラを第2のプレスローラ63から第1のプレスローラ62に切り替える(ACT010)。つまり、定着部6を第2の姿勢から第1の姿勢に切り替える。定着部6を通過した無線タグ付用紙は、搬送部2によって排紙口21から排紙される。
【0036】
リーダライタ9によって無線タグへ書き込んだ情報と当該無線タグから読み取った情報が一致する場合(ACT003,YES)、判定部10は無線タグが不良でないと判定する。
【0037】
判定部10によって無線タグが不良でないと判定すると、MFP1は、印刷ジョブに基づいて通常印刷を行う(ACT011)。
【0038】
実施形態では、定着部がシートを搬送する際の速度を減少させることで無線タグへ与える熱量を増加させたが、ヒートローラ61の温度を上昇させることで無線タグへ与える熱量を増加させてもよい。
【0039】
実施形態では、不良と判定された無線タグ付用紙を定着部6によって通常の印刷速度よりも遅い速度で搬送したが、不良と判定された無線タグが付与されている領域をヒートローラ61及び第2のプレスローラ63で挟み込むときのみ搬送速度を減速させてもよい。無線タグが付与されている領域は、搬送される無線タグ付用紙に付与されている無線タグの所定の位置に基づく。搬送される無線タグ付用紙は、コントロールパネル3や給紙カセット81の設定で規定される。搬送速度を減速させるタイミングは、リーダライタ9によって無線タグへ情報を読み書きするタイミングや、レジストローラ23を駆動するタイミングに基づく。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1・・・MFP
5・・・画像形成部
6・・・定着部
61・・・ヒートローラ
62・・・第1のプレスローラ
63・・・第2のプレスローラ
9・・・リーダライタ
10・・・判定部
12・・・制御部
S・・・無線タグ付用紙
T・・・無線タグ
D・・・不良マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6