(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】窓
(51)【国際特許分類】
E06B 1/62 20060101AFI20250618BHJP
E06B 1/56 20060101ALN20250618BHJP
【FI】
E06B1/62 B
E06B1/56 A
(21)【出願番号】P 2021144353
(22)【出願日】2021-09-03
【審査請求日】2024-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】澤田 晃尚
(72)【発明者】
【氏名】佐野 龍大
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-294261(JP,A)
【文献】特開2008-223288(JP,A)
【文献】特開2020-002662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00 - 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の枠体と、枠体に取付けられる樹脂製の取付補助材と、樹脂製の額縁材を備え、
取付補助材は、枠体の室内側見付壁に取り付けられており、
額縁材は、見込壁部と、開口部に当接されるアングル部と、アングル部と見込壁部とを結ぶ見付壁部を有し、取付補助材に取り付けられて
おり、取付補助材の内周側には少なくともアングル部と見付壁部が位置していない窓。
【請求項2】
金属製の枠体と、枠体に取付けられる樹脂製の取付補助材と、樹脂製の額縁材を備え、
取付補助材は、枠体の室内側見付壁に取り付けられて室内側に延びており、
額縁材は、見込壁部と、開口部に支持される見付壁部を有し、取付補助材に取り付けられて
おり、取付補助材の内周側には少なくとも見付壁部が位置していない窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に配置される窓に関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に残存する既設枠の内周に配置される改修建具等の窓が公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改修建具等の窓において、さらに断熱性を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、改修建具等の窓において、断熱性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態は、金属製の枠体と、枠体に取付けられる樹脂製の取付補助材と、樹脂製の額縁材を備え、取付補助材は、枠体の室内側見付壁に取り付けられており、額縁材は、見込壁部と、開口部に当接されるアングル部と、アングル部と見込壁部とを結ぶ見付壁部を有し、取付補助材に取り付けられており、取付補助材の内周側には少なくともアングル部と見付壁部が位置していない窓である。
また、一つの実施形態は、金属製の枠体と、枠体に取付けられる樹脂製の取付補助材と、樹脂製の額縁材を備え、取付補助材は、枠体の室内側見付壁に取り付けられて室内側に延びており、額縁材は、見込壁部と、開口部に支持される見付壁部を有し、取付補助材に取り付けられており、取付補助材の内周側には少なくとも見付壁部が位置していない窓である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、改修建具等の建具において、断熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】実施形態に係る改修建具の上枠部分の縦断面図であり、(a)は一部縦断面図であり、(b)は一部縦断面の分解図である。
【
図4】実施形態に係る改修建具の下枠部分の縦断面図であり、(a)は一部縦断面図であり、(b)は一部縦断面の分解図である。
【
図5】実施形態に係る改修建具の右縦枠部分の横断面図であり、(a)は一部横断面図であり、(b)は一部横断面の分解図である。
【
図6】他の実施形態に係る改修建具の一部断面図であり、(a)は上枠部分の一部縦断面図であり、(b)は右縦枠部分の一部横断面図である。
【
図8】他の実施形態に係る窓の一部横断面図である。
【
図9】他の実施形態に係る窓の一部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の窓として、既設の引違い建具の既設枠1の内周に、新設枠2を装着してなる改修建具を用いて説明する。
【0010】
(全体の構成)
本実施形態の改修建具は、
図1,
図2に示すように、既設上枠11,既設下枠12及び左右の既設縦枠13,13からなる既設枠1を除去せずに、既設枠1の内周に新設上枠21,新設下枠22及び新設縦枠23,23からなる新設枠2が取り付けられており、新設枠2の内周に内、外障子A,Bが摺動自在に配置されている。
【0011】
改修建具は、既設枠1を構成する既設上枠11,既設下枠12及び左右の既設縦枠13,13のそれぞれに上取付補助材31、下取付補助材32及び縦取付補助材33,33が固定されており、新設枠2は各取付補助材を介して既設枠1に取り付けられている。
なお、既設枠1は、その全ての部分を残存させた状態で取付補助材及び新設枠を装着しても良いが、例えば既設下枠12のレール等を切除するなど、必要に応じて新設枠2を配置するに際して邪魔となる部位が除去されていてもよい。
【0012】
新設枠2は、左右の新設縦枠23,23の上下端部の内周面に新設上枠21及び新設下枠22の両端部を突き合わせて組まれており、左右の新設縦枠23,23は、新設上枠21及び新設下枠22の当接部分において、内周に突出する部材が必要に応じて切欠かれている。
【0013】
(上枠部分の構成)
既設上枠11に固定される上取付補助材31は、見込寸法が既設上枠11の見込寸法とほぼ同程度の見込寸法を有し新設上枠21を装着する際の基準となる見込壁部31aと、見込壁部31aの室内外両端付近より外周方向に延設される室内側固定部31b及び室外側固定部31cを有している。
【0014】
上取付補助材31は、見込壁部31aが水平となるように、室内側固定部31b及び室外側固定部31cが既設上枠11の室内側壁部11bの室外側と室外側壁部11cの室内側との間に挿入され、ビス等の固定手段により既設上枠11に固定されている。
【0015】
新設上枠21は、金属材料からなる上枠本体211と、上枠本体211の内周に配置される室内側樹脂上枠212及び室外側樹脂上枠213を有している。
上枠本体211は、既設上枠11の内周に配置される見込壁211aと、見込壁211aの室内側の内周面から内周方向に延びる上内レール211cと、室外側の内周面から内周方向に延びる上外レール211dと、見込壁211aの室外側端から内周方向に延びる室外側見付壁211eを有しており、見込壁211aの室内側端に上額縁材71を取り付けるための額縁材取付部211bが設けられている。
【0016】
新設上枠21の上枠本体211は、スペーサ61を挟んでビス等の固定手段により上取付補助材31の見込壁部31aに固定されており、室外側の外周面に既設上枠11との間を塞ぐシール材s21が設けられている。
【0017】
本実施形態の建具は、断熱性を向上させるために、新設上枠21の室内側に樹脂製の上額縁材71を取り付けているが、断熱性能をさらに向上させるために、額縁材取付部211bに対する上額縁材71の取付構造が工夫されている。
以下、上額縁材71の取付構造について、さらに説明する。
【0018】
本実施形態の新設上枠21は、額縁材取付部211bに樹脂製の取付補助材214が取付けられており、取付補助材214を介して樹脂製の上額縁材71が取り付けられている。
【0019】
新設上枠21の額縁材取付部211bは、
図3(b)に示すように、上枠本体211の見込壁211aの室内側端部に形成されており、見込壁211aに連続する室内側見付壁211fと、室内側見付壁211fの外周側端から室内方向に延びる取付突条211gを有しており、室内側見付壁211fの室内側面に係合溝211hが設けられている。
【0020】
取付補助材214は、新設上枠21の見付け寸法と同様の長さ寸法を有し、内周側に開口する挿入溝214aを有する断面略U字状の長尺部材であり、室外側に額縁材取付部211bの係合溝211hにスライド係合することのできる係合部214bが設けられている。
【0021】
取付補助材214は、新設上枠21の枠組みに先立って、上枠本体211の小口から係合溝211hに係合部214bを挿入してスライドさせることで上枠本体211に取り付けられている。
上枠本体211に取り付けられた取付補助材214は、
図3(a)に示すように、係合部214bが上枠本体211の係合溝211hに係合されると共に、挿入溝214aの底壁が取付突条211gに沿って配置されており、必要に応じて挿入溝214aの底壁が取付突条211gに対してビス等の固定手段bによって固定されている。
【0022】
上額縁材71は、
図3(b)に示すように、新設上枠21の室内側に配置される見込壁部71aと、建物の開口部に当接されるアングル部71bと、見込壁部71aとアングル部71bを結ぶ見付壁部71cと、見込壁部71aの外周側面から外周方向に延びる挿入部71dを有している。
【0023】
上額縁材71は、挿入部71dが取付補助材214の挿入溝214aに内周側から挿入され、アングル部71bを躯体開口部の内周面に当接させてビス等の固定手段により固定されることで、既設上枠11や躯体開口部の変形等を吸収しながら躯体開口部と新設上枠21との間に取り付けることができる。
【0024】
(下枠部分の構成)
既設下枠12に固定される下取付補助材32は、アルミニウム合金等の金属材料からなり、新設枠載置部材321と荷重支持部材322を有している。
新設枠載置部材321は、新設下枠22の荷重を支持する載置部321aと、載置部321aの室内側に連続する取付壁321bを有し、取付壁321bが既設下枠12の室内側の壁面にビス等の固定手段により固定されている。
【0025】
荷重支持部材322は、既設下枠12の室内側下レールに固定された支持脚322bと、支持脚322bの上方に設けられた支持部322aを有し、支持部322aの上面にスペーサ等を介して新設枠載置部材321の載置部321aが支持されている。
【0026】
新設下枠22は、金属材料からなる下枠本体221と、下枠本体221の内周に配置される室内側樹脂下枠222及び室外側樹脂下枠223を有している。
下枠本体221は、新設枠の内周面を形成する見込壁221aと、見込壁221aの室外側外周に形成された中空部221cと、見込壁221aの室内側の内周面から内周方向に延びる下内レール221dと、見込壁221aの室外側の内周面から内周方向に延びる下外レール221eを有しており、見込壁221aの室内側端に下額縁材72を取り付けるための額縁材取付部221bが設けられている。
【0027】
新設下枠22の下枠本体221は、見込壁221aの外周側に複数の脚部を有しており、複数の脚部が下取付補助材32の載置部321aに載置されてビス等の固定手段によって下取付補助材32に取り付けられている。
下枠本体221は、既設下枠12に取り付けられた状態で、下枠本体221の中空部221cの室外側下端部分が既設下枠12に固定された浮き上がり防止部材323に対向している。
【0028】
本実施形態の建具は、断熱性を向上させるために、新設下枠22の室内側に樹脂製の下額縁材72を取り付けているが、断熱性能をさらに向上させるために額縁材取付部221bに対する下額縁材72の取付構造が工夫されている。
以下、下額縁材72の取付構造について、さらに説明する。
【0029】
本実施形態の新設下枠22は、額縁材取付部221bに樹脂製の取付補助材224が取り付けられており、取付補助材224を介して樹脂製の下額縁材72が取り付けられている。
【0030】
新設下枠22の額縁材取付部221bは、
図4(b)に示すように、新設下枠22の見込壁221aの室内側端部に形成されており、見込壁221aに連続する室内側見付壁221fと、室内側見付壁221fの室内側で上下方向中間位置から室内方向に延びる取付突条221gを有しており、室内側見付壁221fの上端に係合爪221hが設けられている。
【0031】
取付補助材224は、新設下枠22の見付け寸法と同様の長さ寸法を有し、中空部224aを有するとともに、中空部224aの室内側に連続して内周方向に開放する額縁材係合溝224bを有する長尺部材である。
取付補助材224は、中空部224aの室外側に係合部224cが設けられている。
【0032】
取付補助材224は、
図4(a)に示すように、中空部224aを取付突条221gに載置するとともに、下枠本体221の係合爪221hに係合部224cを係合して下枠本体221に取り付けられている。
下枠本体221に取り付けられた取付補助材224は、額縁材係合溝224bの底壁が建物の開口部の額縁上に配置されたスペーサ225に載置されており、額縁材係合溝224bの底壁がスペーサ225とともに建物の開口部にビス等の固定手段bによって固定されている。
【0033】
下額縁材(カバー材)72は、
図4(b)に示すように、新設下枠22の室内側に配置される見込壁部72aと、見込壁部72aの室内側から外周方向に延びる見付壁部72bと、見込壁部72aの外周側面から外周方向に延びる一組の係合爪からなる係合部72cを有している。
【0034】
下額縁材72は、係合部72cを取付補助材224の額縁材係合溝224bに係合した状態で、見付壁部72bが躯体開口部のスペーサ225の内周面に当接している。
なお、建物開口部の高さによっては、スペーサ225は必ずしも必要ではなく、また、高さ寸法の異なるスペーサ225を使用してもよい。
【0035】
(縦枠部分の構成)
縦枠部分の説明については、主に右縦枠を参考にして説明し、左縦枠については、図面に符号を付しておく。
既設縦枠13に固定される縦取付補助材33は、
図2に示すように、新設縦枠23を装着する際の基準となる見込壁部33aと、見込壁部33aの室内外両端付近より外周方向に延設される室内側固定部33b及び室外側固定部33cを有している。
【0036】
縦取付補助材33は、室内側固定部33b及び室外側固定部33cが既設縦枠13の室内側壁部13bの室外側と室外側壁部13cの室内側との間に挿入されて見込壁部33aが内周に向く垂直面となるように配置され、既設縦枠13にビス等の固定手段により固定されている。
【0037】
新設縦枠23は、金属材料からなる縦枠本体231と、縦枠本体231の内周に配置される樹脂縦枠232を有している。
縦枠本体231は、既設縦枠13の内周に配置される見込壁231aを有しており、見込壁231aの室内側に後述する縦額縁材73を取り付けるための額縁材取付部231bが設けられている。
【0038】
新設縦枠23の縦枠本体231は、外周面に複数の脚部を有しており、スペーサ63を挟んでビス等の固定手段により縦取付補助材33の見込壁部33aに取り付けられており、室外側の外周面に既設縦枠13との間を塞ぐシール材s23が設けられている。
【0039】
本実施形態の建具は、断熱性を向上させるために、新設縦枠23の室内側に樹脂製の縦額縁材73を取り付けているが、断熱性能をさらに向上させるために額縁材取付部231bに対する縦額縁材73の取付構造が工夫されている。
以下、縦額縁材73の取付構造について、さらに説明する。
【0040】
本実施形態の新設縦枠23は、額縁材取付部231bに取付けられる樹脂製の取付補助材234を介して縦額縁材73が取り付けられている。
【0041】
新設縦枠23の額縁材取付部231bは、
図5(b)に示すように、見込壁231aの室内側端部に形成されており、見込壁231aに連続する室内側見付壁231fと、室内側見付壁221fの外周側端から室内方向に延びる取付突条231gを有しており、室内側見付壁231fの室内側面に係合溝231hが設けられている。
【0042】
取付補助材234は、新設縦枠23の見付け寸法と同様の長さ寸法を有し、内周側に向かって開口する挿入溝234aを有する断面略U字状の長尺部材であり、室外側に額縁材取付部231bの係合溝231hにスライド係合することのできる係合部234bが設けられている。
【0043】
取付補助材234は、新設縦枠23の枠組みに先立って、縦枠本体231の小口から係合溝231hに係合部234bを挿入することで縦枠本体231に取り付けられている。
縦枠本体231に取り付けられた取付補助材234は、
図5(a)に示すように、係合部234bが縦枠本体231の係合溝231hに係合されると共に、挿入溝234aの底壁が取付突条231gに沿って配置されており、必要に応じて挿入溝234aの底壁が取付突条231gに対してビス等の固定手段によって固定されている。
【0044】
縦額縁材73は、
図5(b)に示すように、新設縦枠23の室内側に配置される見込壁部73aと、建物の開口部に当接されるアングル部73bと、見込壁部73aとアングル部73bを結ぶ見付壁部73cと、見込壁部73aの外周側面から外周方向に延びる一組の挿入片からなる挿入部73dを有している。
【0045】
縦額縁材73は、挿入部73dが取付補助材234の挿入溝234aに内周側から挿入され、アングル部73bを躯体開口部の内周面に当接させてビス等の固定手段により固定されることで、既設縦枠13や躯体開口部の変形等を吸収しながら躯体開口部と新設縦枠23との間に取り付けることができる。
【0046】
以上のように、本実施形態の窓は、新設枠の室内側見付壁に樹脂製の取付補助材が取り付けられており、該取付補助材を介して樹脂製の額縁材が取り付けられているので、新設枠の金属部分を室内の額縁材から遠ざけることができ、金属部分からの冷熱の伝達を抑制することができる。
【0047】
そして、本実施形態の窓は、樹脂製の取付補助材を取り付ける新設枠の室内側見付壁に室内方向に延びる取付突条を設けているので、取付補助材の伸び、ずれ、転び等を抑制し、安定して取り付けることができるとともに、取付突条によって取付補助材を保護し、防火性能を高めることができる。
【0048】
また、新設枠の室内側見付壁に対する樹脂製の取付補助材の取り付けを枠の小口からのスライド係合によって行うことで、金属製の枠本体と樹脂製の取付補助材との接合を容易かつ確実に行うことがでる。
また、改修建具における既設縦枠13や躯体開口部の変形等を吸収するための構成部分(取付補助材の挿入溝と額縁材の挿入部)は、樹脂製の部材のみで構成することができるので、断熱性をさらに向上させることができる。
【0049】
-他の実施形態-
額縁材の取付構造における新設枠材は、額縁材取付部に取付突条を備えていなくてもよい。
例えば、
図6(a)に示すように、新設上枠21は、上枠本体211の額縁材取付部211bが取付突条を有していないものでもよい。その場合には、取付補助材214は、外周に中空部214cが形成された見付け寸法の大きな形状とすることで強度を向上させ、上枠本体211の額縁材取付部211bの係合溝211hに取付補助材214の係合部214bをスライド係合することで取り付ければよく、中空部214cの外周側にスペーサ61を配置してもよい。
【0050】
同様に、
図6(b)に示すように、新設縦枠23は、縦枠本体231の額縁材取付部231bに取付突条を有していないものでもよい。その場合には、取付補助材234は、外周に中空部234cが形成された見付け寸法の大きな形状とすることで強度を向上させ、縦枠本体231の額縁材取付部231bの係合溝231hに取付補助材234の係合部234bをスライド係合することで取り付ければよく、中空部234cの外周側にスペーサ63を配置してもよい。
【0051】
また、以上の額縁材の取付構造は、FIX窓等の引違い窓以外の窓種にも採用することができる。
【0052】
例えば、
図7に示すFIX窓の上枠部分は、既設上枠11の内周側に固定された上取付補助材31に対して、額縁材取付部211bを有する新設上枠21がスペーサ61を挟んで取り付けられており、額縁材取付部211bに取り付けられた取付補助材214を介して新設上枠21の室内側に上額縁材71が設けられている。
【0053】
また、
図7に示すFIX窓の下枠部分は、既設下枠12の内周側に固定された下取付補助材32に対して、額縁材取付部221bを有する新設下枠22が取り付けられており、額縁材取付部221bに取り付けられた取付補助材224を介して新設下枠22の室内側に下額縁材72が設けられている。
【0054】
また、
図8に示すFIX窓の縦枠部分は、既設縦枠13の内周側に固定された縦取付補助材33に対して、額縁材取付部231bを有する新設縦枠23がスペーサ63を挟んで取り付けられおり、額縁材取付部231bに取り付けられた取付補助材234を介して新設縦枠23の室内側に縦額縁材73が設けられている。
【0055】
さらに、額縁材の取付構造は、方立の左右の縦枠に取り付けられる額縁材にも採用することができる。
図9に示す方立部分において、方立5の左右に取り付けられた既設縦枠13,13の内周側に固定された縦取付補助材33に対して、額縁材取付部231bを有する新設縦枠23はスペーサ63を挟んで取り付けられており、額縁材取付部231bに取り付けられた取付補助材234を介して新設縦枠23の室内側に縦額縁材73が設けられている。
なお、方立部分においては、縦額縁材73の外周側は、方立5の室内側に取り付けられた縦骨51に固定されており、縦額縁材73は、新設縦枠23と縦骨51との間を塞いでおり、方立5を挟んだ左右の縦額縁材73の間をカバー部材52で覆っている。
【0056】
また、実施形態の建具は、必要に応じて適宜箇所に加熱発泡材を配置してもよい。例えば、新設上枠21は、上枠本体211に取付突条211gを有する場合には、取付突条211gの外周側に加熱により発泡する加熱膨張材を配置してもよい。
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1 :既設枠
2 :新設枠
21 :新設上枠
71 :上額縁材
71a :見込壁部
71b :アングル部
71c :見付壁部
71d :挿入部
211 :上枠本体
211a :見込壁
211b :額縁材取付部
211f :室内側見付壁
211g :取付突条
211h :係合溝
214 :取付補助材
214a :挿入溝
214b :係合部
214c :中空部