(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】自走式清掃装置
(51)【国際特許分類】
A47L 11/33 20060101AFI20250618BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20250618BHJP
【FI】
A47L11/33
A47L9/28 E
(21)【出願番号】P 2024046850
(22)【出願日】2024-03-22
【審査請求日】2024-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】515064009
【氏名又は名称】ソフトバンクロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】沖井 秀樹
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-000372(JP,A)
【文献】特開2004-351070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/33
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃面を移動しながらブラシを動かして前記被清掃面を清掃する自走式清掃装置であって、
前記ブラシが掃き上げたごみを格納するホッパと、
前記自走式清掃装置の移動方向より前記被清掃面側に傾いた第1方向に延在することで前記ブラシと前記ホッパとの間の前記被清掃面を覆うブレードと、
前記ホッパに連結されており、前記ブレードの第1端を前記被清掃面に向けて突出させた状態で前記ブレードを保持するスライダと、を備え、
前記ブレードおよび前記スライダは、前記被清掃面に有する敷物の毛足の形状に応じて前記スライダからの前記第1端の突出量を変える調整機構を有して
おり、
前記調整機構は、前記ブレードおよび前記スライダの一方に設けられ、前記第1方向に並んでいる複数の保持部を有し、前記ブレードおよび前記スライダの他方が複数の前記保持部のいずれかに連結されることにより、前記突出量が変更される、自走式清掃装置。
【請求項2】
被清掃面を移動しながらブラシを動かして前記被清掃面を清掃する自走式清掃装置であって、
前記ブラシが掃き上げたごみを格納するホッパと、
前記自走式清掃装置の移動方向より前記被清掃面側に傾いた第1方向に延在することで前記ブラシと前記ホッパとの間の前記被清掃面を覆うブレードと、
前記ホッパに連結されており、前記ブレードの第1端を前記被清掃面に向けて突出させた状態で前記ブレードを保持するスライダと、を備え、
前記ブレードおよび前記スライダは、前記被清掃面に有する敷物の毛足の形状に応じて前記スライダからの前記第1端の突出量を変える調整機構を有しており、
前記ブレードは、
前記第1端の反対側に前記ホッパと対向する第2端を有し、前記第2端から前記第1端まで前記第1方向に延在する第1面を有し、
前記第1面の幅方向の両端には、前記ブレードの前記第1端が前記被清掃面に当接するときに前記被清掃面に当接するローラが設けられている、自走式清掃装置。
【請求項3】
前記スライダは、前記第1方向に摺動可能に前記ホッパに連結され、弾性部材により前記第1方向に付勢されている、請求項1
または2に記載の自走式清掃装置。
【請求項4】
前記ブレードは、前記第1端の反対側に前記ホッパと対向する第2端を有し、前記第2端から前記第1端まで前記第1方向に延在する第1面を有し、
前記スライダは、前記第1方向に複数の前記保持部が並んでおり、
前記ブレードは、前記第1面の幅方向に摺動可能であり、前記幅方向から前記保持部に連結されるロックレバーを有している、請求項
1に記載の自走式清掃装置。
【請求項5】
前記ブレードは、
前記第1端の反対側に前記ホッパと対向する第2端を有し、前記第2端から前記第1端まで前記第1方向に延在する第1面を有し、
前記第1面の幅方向の両端には、前記ブレードの前記第1端が前記被清掃面に当接するときに前記被清掃面に当接するローラが設けられている、請求項1に記載の自走式清掃装置。
【請求項6】
前記被清掃面から前記第1端に加わる力を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記突出量を決定する制御部と、を更に備える、請求項1
または2に記載の自走式清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動送風機の吸込側に連通する吸込口体を被掃除面に弾性的に押圧する押圧手段を具備した電気掃除機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、被清掃面を移動しながらブラシを動かして被清掃面からごみをホッパに掃き上げる自走式清掃装置には、残さずごみをホッパへ送り込むためのブレードがブラシとホッパとの間に設けられているものがある。カーペット等の敷物が敷かれている被清掃面では、敷物の毛足にブレードが食い込み、自走式清掃装置の移動を妨げることがある。
【0005】
本発明の一態様は、敷物の毛足にブレードが食い込むことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る自走式清掃装置は、被清掃面を移動しながらブラシを動かして前記被清掃面を清掃する自走式清掃装置であって、前記ブラシが掃き上げたごみを格納するホッパと、前記自走式清掃装置の移動方向より前記被清掃面側に傾いた第1方向に延在することで前記ブラシと前記ホッパとの間の前記被清掃面を覆うブレードと、前記ホッパに連結されており、前記ブレードの第1端を前記被清掃面に向けて突出させた状態で前記ブレードを保持するスライダと、を備え、前記ブレードおよび前記スライダは、前記被清掃面に有する敷物の毛足の形状に応じて前記スライダからの前記第1端の突出量を変える調整機構を有している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、敷物の毛足にブレードが食い込むことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る自走式清掃装置の説明に用いる概略図である。
【
図5】ブレードを保持するスライダをホッパに連結した状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る自走式清掃装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態1に係る自走式清掃装置の説明に用いる概略図である。
図1に示す自走式清掃装置1Aは、被清掃面Fを移動しながらブラシ50を動かして被清掃面Fを清掃するものである。
図1では、自走式清掃装置1Aの構成部位の一部の図示を省略している。
図1では、自走式清掃装置1Aは、移動方向R1に走行するものとする。
【0011】
被清掃面Fには、絨毯、カーペット等の敷物を有する床面が含まれている。敷物は、その表面に繊維の束を有し、その毛足の形状は様々である。毛足の形状には、毛足の長さが含まれる。敷物がカーペットの場合、毛足の形状には、カーペットの基布に取り付けられたパイルの形状(カットパイル、ループパイル等)も含まれる。
【0012】
図1に示すように、自走式清掃装置1Aは、ホッパ10、スライダ20、ブレード30、弾性部材40およびブラシ50を備えている。ブラシ50は、例えば、回転ブラシであり、被清掃面Fにあるごみを掃き上げる。ホッパ10は、ブラシ50が掃き上げたごみを格納する。ホッパ10は、ごみを格納する格納部15を有し、その格納部15の底面から連結部11が被清掃面Fに向けて突出している。
【0013】
スライダ20およびブレード30は、ブラシ50とホッパ10との間に配置されており、自走式清掃装置1Aの移動方向R1より被清掃面F側に傾いた第1方向R2に延在している。移動方向R1と第1方向R2とが成す角θは鋭角である。
【0014】
スライダ20は、第1方向R2に摺動可能にホッパ10の連結部11に連結されている。スライダ20は、弾性部材40により第1方向R2に付勢されている。弾性部材40は、例えば、圧縮バネである。
【0015】
ブレード30は、第1端33が被清掃面Fに対向している。ブレード30は、第1端33の反対側に第2端34を有する。ブレード30は、第2端34がホッパ10に対向するように配置されている。ブレード30は、第2端34から第1端33まで第1方向R2に沿って延在する第1面35を有している。ブレード30の第1面35は、ブラシ50とホッパ10との間の被清掃面Fを覆っている。R3は、第1面35の幅方向であり、第1方向R2に直交する。
【0016】
ブレード30は、ロックレバー31を有している。スライダ20は、複数の保持部22を有している。ブレード30のロックレバー31が幅方向R3からスライダ20のいずれかの保持部22に連結されると、ブレード30がスライダ20に保持される。スライダ20は、ブレード30の先端である第1端33を被清掃面Fに向けて突出させた状態でブレード30を保持している。スライダ20およびブレード30は、被清掃面Fに有する敷物の毛足の形状に応じてスライダ20からのブレード30の第1端33の突出量を変える調整機構を有している。ロックレバー31および保持部22はその調整機構の一例である。
【0017】
ブレード30は、第1面35の幅方向R3の両端にローラ32を有している。ブレード30の第1端33が被清掃面Fに当接するとき、ローラ32は、被清掃面Fに当接する。ローラ32は、その回転軸が幅方向R3に延在しており、ブレード30が被清掃面Fを移動方向R1に進む際に第1端33にかかる摩擦力を低減する。
【0018】
図2は、ホッパ10の連結部11の一例を示す図である。
図3は、スライダ20の一例を示す図である。
図4は、ブレード30の一例を示す図である。
図5は、ブレード30を保持するスライダ20をホッパ10に連結した状態を示す図である。
【0019】
図2の符号1000Aは、ホッパ10の連結部11の概略平面図である。
図2の符号1000Bは、ホッパ10の連結部11を先端側から見た概略側面図である。
図3の符号2000Aは、スライダ20の概略平面図である。
図3の符号2000Bは、符号2000AのA-A断面図である。
図4の符号3000Aは、ブレード30の概略平面図である。
図4の符号3000Bは、符号3000AのB-B断面図である。
【0020】
図2の符号1000Aに示すように、ホッパ10の連結部11は、複数のネジ穴12と、第1ボス13を有している。
図3の符号2000Aに示すように、スライダ20は、複数の貫通孔21と、複数の保持部22と、貫通孔23と、第2ボス24を有している。
【0021】
図2の符号1000Aに示す複数のネジ穴12、および
図3の符号2000Aに示す複数の貫通孔21は、幅方向R3に並んでいる。
図5に示すように、貫通孔21には、スライダ20の第2ボス24を有する面25からネジ、ボルト等の締結部材14が挿入される。貫通孔21を通った締結部材14は、ホッパ10の連結部11のネジ穴12に挿入される。ホッパ10の連結部11のネジ穴12には、例えば、雌ネジが切られている。貫通孔21を通った締結部材14がネジ穴12の雌ネジと螺合することにより、ホッパ10の連結部11にスライダ20が連結される。
【0022】
スライダ20の貫通孔21は、その開口が第1方向R2に延在する長穴である。ホッパ10の連結部11に連結されたスライダ20は、貫通孔21の開口形状に沿って第1方向R2に摺動することができる。
【0023】
ホッパ10の連結部11にスライダ20が連結されとき、連結部11の第1ボス13は、スライダ20の貫通孔23に挿通される。第1ボス13は、その高さが貫通孔23の孔高さよりも高くなっており、第1ボス13の先端が貫通孔23から面25に突出する。
【0024】
図5に示すように、貫通孔23から面25に突出した第1ボス13は、スライダ20の第2ボス24と対向する。弾性部材40は、一端が貫通孔23を挿通した第1ボス13に連結され、他端がスライダ20の第2ボス24に連結される。これにより、スライダ20が第1方向R2に付勢される。スライダ20により保持されているブレード30も弾性部材40により第1方向R2に付勢される。これにより、被清掃面Fが自走式清掃装置1Aの重さで凹んだ場合であっても、ブレード30の第1端33が被清掃面Fに接近し、被清掃面F上のごみを第1面35の上に掬い上げることができる。
【0025】
図4の符号3000Bに示すように、ブレード30の第1面35の両側端からは、鍔部36が延在している。鍔部36の第1端33近傍の位置には、ローラ32が設けられている。また、
図5に示すように、第1面35の両側端に設けられた鍔部36同士の間に、スライダ20が配置される。
【0026】
図4の符号3000Aおよび3000Bに示すロックレバー31は、第1面35の幅方向R3に摺動可能に設けられている。ロックレバー31は、例えば、U字形状を有しており、第1レバー31Aが第1面35に当接し、第2レバー31Bがブレード30の鍔部36に設けられた貫通孔37を通っている。
【0027】
図3の符号2000Bに示すように、複数の保持部22は、スライダ20の両側面に設けられ、第1方向R2に沿って並んでいる。複数の保持部22およびロックレバー31は、被清掃面Fに有する敷物の毛足の形状に応じて、スライダ20からの第1端33の突出量L(
図5)を変える調整機構を構成する。スライダ20の両側面に設ける保持部22の個数は、3個に限らない。スライダ20の第1方向R2側の端部26から複数の保持部22の各々までの距離は、ブレード30のロックレバー31から第1端33までの距離以下である。
【0028】
図5に示すように、スライダ20がブレード30の鍔部36の間に配置されている場合に、ロックレバー31の第2レバー31Bが複数の保持部22のいずれかに挿入されると、その保持部22にロックレバー31が連結され、スライダ20からの第1端33の突出量Lが決定される。被清掃面Fに有する敷物の毛足が長い程、スライダ20の端部26から離れた位置にある保持部22にロックレバー31を連結し、スライダ20からの第1端33の突出量Lを縮めると、ブレード30が敷物に食い込み、自走式清掃装置1Aの移動が妨げられにくくなる。複数の保持部22のうち、スライダ20の端部26に最も近い位置にある保持部22は、被清掃面Fがハードフロアである場合、基布にパイルが取り付けられていない敷物である場合に用いられる。
【0029】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0030】
図6は、本発明の実施形態2に係る自走式清掃装置のブロック図である。
図6に示すように、本発明の実施形態2に係る自走式清掃装置1Bは、実施形態1に係る自走式清掃装置1Aの構成に加えて、制御部100、検出部200、走行部300、ブラシ駆動部400、調整機構500、記憶部600を備えている。
【0031】
制御部100は、自走式清掃装置1Bの各機能を統括して制御する。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサである。記憶部600は、情報を記録するものであり、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶デバイスによって構成される。制御部100は、例えば、各機能を実行するソフトウェアを記憶部600から読み出してRAM(Random Access Memory)へ展開して実行することができる。
【0032】
検出部200は、被清掃面Fからブレード30の第1端33に加わる力を検出する。検出部200は、例えば、力覚センサである。
【0033】
走行部300は、自走式清掃装置1Bを走行させるための各種機構であり、車輪、車輪を駆動する駆動モータ、移動方向R1を切り替えるための操舵機構等を含む。ブラシ駆動部400は、
図1に示すブラシ50を方向R4に回転させる。
【0034】
調整機構500は、被清掃面Fに有する敷物の毛足の形状に応じて、スライダ20からの第1端33の突出量L(
図5)を変えるものである。自走式清掃装置1Bの調整機構500は、例えば、ロックレバー31を幅方向R3に移動させることによりブレード30がスライダ20に連結した状態と連結していない状態との間に切り替える第1調整部と、ブレード30を第1方向R2に平行な方向に移動させる第2調整部とを有している。
【0035】
制御部100は、当該ソフトウェアを実行することにより、少なくとも、走行制御部101および決定部102として機能する。走行制御部101は、走行部300を制御して、自走式清掃装置1Bを移動させる。決定部102は、検出部200の検出結果に基づいて、スライダ20からの第1端33の突出量Lを決定する。制御部100は、調整機構500を制御して、スライダ20からの第1端33の突出量Lが決定部102により決定された値となるようにブレード30を駆動し、スライダ20からの第1端33の突出量Lを調整する。
【0036】
制御部100は、決定部102が決定したスライダ20からの第1端33の突出量Lを記憶部600に記憶させることにしてもよい。ユーザが同じ被清掃面Fを清掃する場合には、記憶部600から突出量Lを読み出して、調整機構500により自動的に突出量Lを調整することにしてもよい。
【0037】
〔変形例〕
上記実施形態では、ロックレバー31がブレード30に設けられ、複数の保持部22がスライダ20に設けられることとした。しかし、調整機構は、複数の保持部22がブレード30およびスライダ20の一方に設けられ、ブレード30およびスライダ20の他方が複数の保持部22のいずれかに連結される機構であればよく、上記の機構だけに限られない。例えば、ロックレバー31がスライダ20に設けられ、複数の保持部22がブレード30に設けられることにしてもよい。また、スライダ20に複数の保持部22を設ける場合、複数の保持部22を設ける位置は、スライダ20の側面に限られない。例えば、保持部22は、面25に突出させて設けることにしてもよい。
【0038】
上記実施形態では、ブラシ50は、方向R4に回転する回転ブラシとしたが、被清掃面Fからホッパ10へごみを掃き上げ可能であれば、いかなるブラシであってもよい。ブラシ50は、例えば、円板ブラシ、ロールブラシ、往復動するブラシであってもよい。
【0039】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る自走式清掃装置は、被清掃面を移動しながらブラシを動かして前記被清掃面を清掃する自走式清掃装置であって、前記ブラシが掃き上げたごみを格納するホッパと、前記自走式清掃装置の移動方向より前記被清掃面側に傾いた第1方向に延在することで前記ブラシと前記ホッパとの間の前記被清掃面を覆うブレードと、前記ホッパに連結されており、前記ブレードの第1端を前記被清掃面に向けて突出させた状態で前記ブレードを保持するスライダと、を備え、前記ブレードおよび前記スライダは、前記被清掃面に有する敷物の毛足の形状に応じて前記スライダからの前記第1端の突出量を変える調整機構を有している。
【0040】
上記の構成によれば、ブレードおよびスライダは、調整機構を有し、被清掃面に有する敷物の毛足の形状に応じてスライダからの第1端の突出量を変える。したがって、自走式清掃装置では、敷物の毛足にブレードが食い込むことを防ぐことができる。
【0041】
本発明の態様2に係る自走式清掃装置は、上記態様1において、前記調整機構は、前記ブレードおよび前記スライダの一方に設けられ、前記第1方向に並んでいる複数の保持部を有し、前記ブレードおよび前記スライダの他方が複数の前記保持部のいずれかに連結されることにより、前記突出量が変更されることが好ましい。
【0042】
上記の構成によれば、調整機構は、第1方向に並んでいる複数の保持部がブレードおよびスライダの一方に設けられ、ブレードおよびスライダの他方が保持部のいずれかに連結される。したがって、自走式清掃装置の調整機構は、機械的な構成によって実現できる。
【0043】
本発明の態様3に係る自走式清掃装置は、上記態様1または2において、前記スライダは、前記第1方向に摺動可能に前記ホッパに連結され、弾性部材により前記第1方向に付勢されていることが好ましい。
【0044】
上記の構成によれば、スライダは弾性部材により第1方向に付勢されている。スライダが第1方向に付勢されることにより、スライダに保持されているブレードも第1方向に付勢され、被清掃面が凹んでいる場合であってもブレードを被清掃面に接近させることができる。これにより、ブレードは、被清掃面からごみを掬いあげることができる。
【0045】
また、自走式清掃装置において、被清掃面と接触するブレードは、スライダやホッパと比べて損耗が激しい。弾性部材によりスライダを付勢し、ブレードを直接付勢しないようにすることで、ブレードを交換する際に弾性部材の付け替え作業が発生しない。
【0046】
本発明の態様4に係る自走式清掃装置は、上記態様2において、前記ブレードは、前記第1端の反対側に前記ホッパと対向する第2端を有し、前記第2端から前記第1端まで前記第1方向に延在する第1面を有し、前記スライダは、前記第1方向に複数の前記保持部が並んでおり、前記ブレードは、前記第1面の幅方向に摺動可能であり、前記幅方向から前記保持部に連結されるロックレバーを有していることが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、ロックレバーを幅方向から保持部に連結することにした。したがって、被清掃面からブレードの第1端に加わる力によってスライダとブレードの連結が解除されない。
【0048】
本発明の態様5に係る自走式清掃装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記ブレードは、前記第1端の反対側に前記ホッパと対向する第2端を有し、前記第2端から前記第1端まで前記第1方向に延在する第1面を有し、前記第1面の幅方向の両端には、前記ブレードの前記第1端が前記被清掃面に当接するときに前記被清掃面に当接するローラが設けられていることが好ましい。
【0049】
上記の構成によれば、ブレードの第1面の幅方向の両面にローラが設けられている。これにより、ブレードの第1端にかかる摩擦が低減され、ブレードが破損することを防ぐことができる。
【0050】
本発明の態様6に係る自走式清掃装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記被清掃面から前記第1端に加わる力を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記突出量を決定する制御部と、を更に備える。
【0051】
上記の構成によれば、被清掃面から第1端に加わる力を検出し、検出部の検出結果に基づいて突出量を決定する。これにより、被清掃面に適合した突出量をユーザに知らしめたり、突出量を自動的に調整したりすることができる。
【0052】
〔附記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B 自走式清掃装置
10 ホッパ
11 連結部
13 第1ボス
20 スライダ
22 保持部
24 第2ボス
30 ブレード
31 ロックレバー
32 ローラ
40 弾性部材
50 ブラシ
100 制御部
102 決定部
200 検出部
500 調整機構
L 突出量
R1 移動方向
R2 第1方向
R3 幅方向
【要約】
【課題】敷物の毛足にブレードが食い込むことを防ぐ。
【解決手段】自走式清掃装置(1A)は、ホッパ(10)と、ブレード(30)と、スライダ(20)と、を備え、ブレード(30)およびスライダ(20)は、被清掃面(F)に有する敷物の毛足の形状に応じてスライダ(20)からの第1端(33)の突出量を変える調整機構(31,22)を有している。
【選択図】
図1