IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ DMG森精機株式会社の特許一覧

特許7698767付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム
<>
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図1
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図2
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図3
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図4
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図5
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図6
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図7
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図8
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図9
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図10
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図11
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図12
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図13
  • 特許-付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラム
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20250618BHJP
   B22F 10/25 20210101ALI20250618BHJP
   B22F 12/44 20210101ALI20250618BHJP
   B22F 12/50 20210101ALI20250618BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20250618BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20250618BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20250618BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20250618BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20250618BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20250618BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20250618BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20250618BHJP
【FI】
B23K26/34
B22F10/25
B22F12/44
B22F12/50
B23K26/21 Z
B29C64/153
B29C64/241
B29C64/268
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024105211
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】川井 崇
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2019/151239(JP,A1)
【文献】特開2024-130922(JP,A)
【文献】米国特許第04904840(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/21
B33Y 30/00
B33Y 10/00
B33Y 50/02
B29C 64/153
B29C 64/268
B29C 64/393
B29C 64/241
B22F 10/25
B22F 12/44
B22F 12/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加加工装置であって、
ワークに粉末材料を供給するとともに前記ワークにレーザ光を照射することで、前記ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、
前記レーザヘッドを駆動するための駆動部と、
前記ワークの一方側を保持するとともに、所定軸を中心に前記ワークを回転させるためのワーク主軸と、
前記ワークの他方側を心押しするための心押し機構と
前記付加加工装置を制御するための制御部とを備え、
前記制御部は、
前記ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、前記レーザヘッドの駆動パスを生成する処理と、
前記付加部分の水平方向において、前記生成された駆動パスを拡張する処理と、
前記拡張された駆動パスに従って前記レーザヘッドを駆動し、前記ワークを付加加工する処理とを実行し、
前記付加加工する処理では、前記ワーク主軸による前記ワークの回転処理と、前記拡張された駆動パスに従う前記レーザヘッドの駆動処理とが並行して実行される、付加加工装置。
【請求項2】
前記心押し機構は、
前記所定軸の方向に進退可能に構成されているセンターピンと、
前記センターピンを前記ワークに向けて押し付けるための弾性部材とを含む、請求項に記載の付加加工装置。
【請求項3】
前記拡張する処理は、前記生成された駆動パスを前記所定軸の方向に拡張する処理を含む、請求項またはに記載の付加加工装置。
【請求項4】
前記拡張する処理は、前記生成された駆動パスを前記心押し機構の設置側において少なくとも拡張する処理を含む、請求項に記載の付加加工装置。
【請求項5】
前記拡張する処理は、前記付加部分の位置が前記心押し機構に近いほど、前記拡張する処理における駆動パスの拡張距離を長くする処理を含む、請求項またはに記載の付加加工装置。
【請求項6】
付加加工装置による付加加工方法であって、
前記付加加工装置は、
ワークに粉末材料を供給するとともに前記ワークにレーザ光を照射することで、前記ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、
前記レーザヘッドを駆動するための駆動部と
前記ワークの一方側を保持するとともに、所定軸を中心に前記ワークを回転させるためのワーク主軸と、
前記ワークの他方側を心押しするための心押し機構とを備え、
前記付加加工方法は、
前記ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、前記レーザヘッドの駆動パスを生成するステップと、
前記付加部分の水平方向において、前記生成された駆動パスを拡張するステップと、
前記拡張された駆動パスに従って前記レーザヘッドを駆動し、前記ワークを付加加工するステップとを備える、
前記付加加工するステップでは、前記ワーク主軸による前記ワークの回転処理と、前記拡張された駆動パスに従う前記レーザヘッドの駆動処理とが並行して実行される、付加加工方法。
【請求項7】
付加加工装置による付加加工プログラムであって、
前記付加加工装置は、
ワークに粉末材料を供給するとともに前記ワークにレーザ光を照射することで、前記ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、
前記レーザヘッドを駆動するための駆動部と
前記ワークの一方側を保持するとともに、所定軸を中心に前記ワークを回転させるためのワーク主軸と、
前記ワークの他方側を心押しするための心押し機構とを備え、
前記付加加工プログラムは、前記付加加工装置に、
前記ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、前記レーザヘッドの駆動パスを生成する処理と、
前記付加部分の水平方向において、前記生成された駆動パスを拡張する処理と、
前記拡張された駆動パスに従って前記レーザヘッドを駆動し、前記ワークを付加加工する処理とを実行させ
前記付加加工する処理では、前記ワーク主軸による前記ワークの回転処理と、前記拡張された駆動パスに従う前記レーザヘッドの駆動処理とが並行して実行される、付加加工プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、付加加工装置、付加加工方法、および付加加工プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2023-125537号公報(特許文献1)は、指向性エネルギー堆積法を用いたワークの付加加工において、ワークの加工精度を高く維持することが可能な加工機械を開示している。当該加工機械は、ワークに対して粉末材料を供給するとともにレーザ光を照射する付加加工用ヘッドと、ワークを回転可能に保持するための第1保持部および第2保持部とを備える。第1保持部および第2保持部は、ワークの回転軸の方向において互いに対向して設けられており、ワークを両側から保持するように構成されている。
【0003】
レーザ光がワークに照射されることによって、ワークは熱膨張する(段落[0005]参照)。そのため、上記加工機械は、ワークに対する付加加工時において、第1保持部および第2保持部を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させる。これにより、上記加工機械は、ワークの表面が第1保持部および第2保持部の間で歪むことを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-125537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワークは、付加加工中にはレーザ光の照射により熱膨張するが、付加加工の完了後には収縮する。このようなサイズ変化により、ワークが意図した形状に付加加工されない場合がある。
【0006】
上記の点に鑑み、ワークの付加加工精度を従来よりも改善するための技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例では、付加加工装置は、ワークに粉末材料を供給するとともに上記ワークにレーザ光を照射することで、上記ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、上記レーザヘッドを駆動するための駆動部と、上記付加加工装置を制御するための制御部とを備える。上記制御部は、上記ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、上記レーザヘッドの駆動パスを生成する処理と、上記付加部分の水平方向において、上記生成された駆動パスを拡張する処理と、上記拡張された駆動パスに従って上記レーザヘッドを駆動し、上記ワークを付加加工する処理とを実行する。
【0008】
本開示の一例では、上記付加加工装置は、さらに、上記ワークの一方側を保持するとともに、所定軸を中心に上記ワークを回転させるためのワーク主軸と、上記ワークの他方側を心押しするための心押し機構とを備える。上記制御部は、上記付加加工する処理において、上記ワーク主軸による上記ワークの回転処理と、上記拡張された駆動パスに従う上記レーザヘッドの駆動処理とを並行して実行する。
【0009】
本開示の一例では、上記心押し機構は、上記所定軸の方向に進退可能に構成されているセンターピンと、上記センターピンを上記ワークに向けて押し付けるための弾性部材とを含む。
【0010】
本開示の一例では、上記拡張する処理は、上記生成された駆動パスを上記所定軸の方向に拡張する処理を含む。
【0011】
本開示の一例では、上記拡張する処理は、上記生成された駆動パスを上記心押し機構の設置側において少なくとも拡張する処理を含む。
【0012】
本開示の一例では、上記拡張する処理は、上記付加部分の位置が上記心押し機構に近いほど、上記拡張する処理における駆動パスの拡張距離を長くする処理を含む。
【0013】
本開示の他の例では、付加加工装置による付加加工方法が提供される。上記付加加工装置は、ワークに粉末材料を供給するとともに上記ワークにレーザ光を照射することで、上記ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、上記レーザヘッドを駆動するための駆動部とを備える。上記付加加工方法は、上記ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、上記レーザヘッドの駆動パスを生成するステップと、上記付加部分の水平方向において、上記生成された駆動パスを拡張するステップと、上記拡張された駆動パスに従って上記レーザヘッドを駆動し、上記ワークを付加加工するステップとを備える。
【0014】
本開示の他の例では、付加加工装置による付加加工プログラムが提供される。上記付加加工装置は、ワークに粉末材料を供給するとともに上記ワークにレーザ光を照射することで、上記ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、上記レーザヘッドを駆動するための駆動部とを備える。上記付加加工プログラムは、上記付加加工装置に、上記ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、上記レーザヘッドの駆動パスを生成する処理と、上記付加部分の水平方向において、上記生成された駆動パスを拡張する処理と、上記拡張された駆動パスに従って上記レーザヘッドを駆動し、上記ワークを付加加工する処理とを実行させる。
【0015】
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】付加加工装置の外観の一例を示す図である。
図2】付加加工装置の装置構成の一例を示す図である。
図3】レーザヘッドによるワークの付加加工の様子を示す図である。
図4】ワークに対する積層加工を説明するための図である。
図5】駆動パスの拡張処理を概略的に示す図である。
図6図5に示される駆動パスを拡張している過程を概略的に示す図である。
図7】付加加工装置の駆動機構の一例を示す図である。
図8】制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9】付加加工処理の流れを示すフローチャートである。
図10】ある層の付加加工工程を示す図である。
図11図10に続く付加加工工程を示す図である。
図12図11に続く付加加工工程を示す図である。
図13】異なる層における端部の付加加工の態様を示す図である。
図14】第2の実施の形態に従う付加加工処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0018】
[第1の実施の形態]
<A.付加加工装置100の外観>
まず、図1を参照して、実施の形態に従う付加加工装置100について説明する。図1は、付加加工装置100の外観の一例を示す図である。
【0019】
付加加工装置100は、ワークの付加加工(AM(Additive manufacturing)加工)が可能な加工機である。付加加工装置100は、ワークに対して粉末材料を供給するとともに当該ワークにレーザ光を照射することで付加加工を行う。
【0020】
なお、付加加工装置100は、ワークの付加加工だけでなく、ワークの除去加工(SM(Subtractive manufacturing))が可能な加工機であってもよい。除去加工の機能としては、たとえば、ミーリング機能と、旋削機能とが挙げられる。
【0021】
付加加工装置100は、たとえば、カバー体130と、操作盤200とを含む。
【0022】
カバー体130は、付加加工装置100の内部に設けられている部品を保護するための機構である。カバー体130には、ドアDRが設けられている。ドアDRは、たとえば、スライド式のドアである。ドアDRは、モータなどの駆動源により開閉可能に構成されてもよいし、手動で開閉可能に構成されてもよい。
【0023】
操作盤200は、汎用のコンピュータであり、加工に関する各種情報を表示するためのディスプレイを有する。当該ディスプレイは、たとえば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他の表示機器である。また、当該ディスプレイは、タッチパネルを備え、付加加工装置100に対する各種操作をタッチ操作で受け付ける。
【0024】
<B.付加加工装置100の装置構成>
次に、図2を参照して、付加加工装置100の装置構成について説明する。図2は、付加加工装置100の装置構成の一例を示す図である。図2には、付加加工装置100の一例として、ワークの付加加工とワークの除去加工とが可能なAM/SMハイブリッド加工機が示されている。
【0025】
上述のように、付加加工装置100は、カバー体130を備える。カバー体130は、付加加工装置100の外観を成すとともに、ワークWの付加加工を行うための加工エリアARを区画形成している。
【0026】
また、付加加工装置100は、ベッド11と、刃物台16と、ワーク主軸22と、心押し機構25と、工具主軸30と、レーザヘッド140とを備える。
【0027】
説明の便宜のために、以下では、ワーク主軸22の回転軸方向を「Z軸方向」とも称する。Z軸方向は、図2に示されている回転軸AX1,AX2と平行な方向である。また、Z軸方向に直交する水平面上の一方向を「X軸方向」とも称する。X軸方向およびZ軸方向の両方に直交する方向を「Y軸方向」と称する。図2の例では、Y軸方向は、重力方向に相当している。
【0028】
ベッド11は、付加加工装置100内の各種装置を支持するためのベース部材である。図2の例では、ベッド11は、刃物台16と、ワーク主軸22と、心押し機構25と、工具主軸30と、レーザヘッド140とを支持している。ベッド11は、工場などの床面に設置される。ベッド11は、鋳鉄などの金属から形成されている。
【0029】
刃物台16は、タレット18を有する。タレット18は、回転軸AX1を中心として旋回可能に構成されている。タレット18は、回転軸AX1を中心とした周方向に間隔を隔てて複数の工具を保持する。また、刃物台16は、モータなどの各種駆動機構によって、X軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。刃物台16は、ワーク主軸22によって回転駆動されているワークWに対して、タレット18に保持される固定工具を接触させることで旋削加工を行う。
【0030】
ワーク主軸22は、ワークWの一方側を保持しながら回転可能に構成されている。より具体的には、ワーク主軸22には、チャック機構23が設けられている。チャック機構23は、ワーク主軸22に対してワークWを固定するための機構である。また、ワーク主軸22は、その軸方向に沿う回転軸AX2を中心として回転可能に構成されている。
【0031】
心押し機構25は、ワーク主軸22によるワークWの回転を阻害しないように、ワーク主軸22とは反対側からワークWを支持するように構成されている。また、心押し機構25は、モータなどの各種駆動機構によって回転軸AX2の方向に移動可能に構成されている。これにより、心押し機構25は、ワーク主軸22とは反対側から長尺状のワークWを心押しする。
【0032】
心押しを実現するための構成は、特に限定されない。一例として、心押し機構25は、センターピン26と、弾性部材27とを含む。
【0033】
センターピン26は、回転軸AX2(所定軸)の方向に進退可能に構成されている。一例として、センターピン26は、回転軸AX2の方向に延びるピン形状を有する。これにより、センターピン26は、ワーク主軸22とは反対側からワークWの端面を心押しする。
【0034】
弾性部材27は、心押し機構25に内蔵されており、センターピン26をワークWに向けて押し付ける部材である。すなわち、弾性部材27は、センターピン26をワークに向けて押し付けるための弾性力を発生する。これにより、心押し機構25は、ワークWを安定的に支持しつつ、ワークWの付加加工の際に発生するワークWの熱膨張を吸収することができる。一例として、弾性部材27は、回転軸AX2を中心に延びるコイルバネである。
【0035】
工具主軸30は、たとえば、ワーク主軸22および心押し機構25よりも高い位置に設けられている。また、工具主軸30は、工具やレーザヘッド140を脱着可能に構成される。図2には、工具主軸30に対してレーザヘッド140が装着されている例が示されている。
【0036】
工具主軸30に対するレーザヘッド140の脱着は、たとえば、自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)によって実現される。付加加工装置100は、ワークWの付加加工を実行する際には工具主軸30にレーザヘッド140を装着する。一方で、付加加工装置100は、ワークWの除去加工を実行する際には工具主軸30に工具を装着する。
【0037】
除去加工の一例としては、ワーク主軸22に固定されているワークWに対して回転中の工具を接触させるミーリング加工が挙げられる。除去加工の他の例としては、回転軸AX2を中心として回転するワークWに対して工具を押し当てる旋削加工が挙げられる。
【0038】
レーザヘッド140は、工具主軸30に装着された状態でDED(Direct Energy Deposition)方式による付加加工を行う。付加加工を実現するための機構として、レーザヘッド140は、ヘッド本体142と、レーザノズル146とを有する。
【0039】
ヘッド本体142には、ケーブル(図示しない)を介して粉末材料が供給される。供給される粉末材料は、金属粉末であってもよいし、樹脂粉末であってもよいし、レーザ光の照射で融解するその他の種類の粉末であってもよい。
【0040】
レーザノズル146は、ワークWに向けてレーザ光を照射するとともに、ワークWにおけるレーザ光の照射領域を定める。レーザヘッド140に供給された粉末材料は、レーザノズル146を通じてワークWに向けて吐出される。
【0041】
<C.付加加工>
次に、図3および図4を参照して、レーザヘッド140による付加加工についてさらに詳細に説明する。図3は、レーザヘッド140によるワークWの付加加工の様子をZ軸方向から示す図である。
【0042】
付加加工装置100は、たとえば、高速付加加工を実現可能に構成される。一例として、高速付加加工技術としては、EHLA(Extreme High-speed Laser Application)が挙げられる。
【0043】
より具体的には、レーザヘッド140は、ワーク主軸22の回転軸AX2の方向(すなわち、Z軸方向)に移動しながら、ワーク主軸22によって回転駆動されているワークWに対してレーザ光LSを照射する。その結果、レーザ光LSの照射部分が融解し、溶融池MPがワークW上に形成される。
【0044】
また、レーザヘッド140は、レーザ光LSの照射と並行して、粉末材料PMをワークWに供給する。レーザ光LSの焦点Fは、ワークWの表面よりも上部に位置しているため、供給された粉末材料PMは、レーザ光LSによりワークWの表面に到達する前に融解する。その結果、融解状態の粉末材料PMが溶融池MPに投入される。溶融池MPがワークW上で硬化すると、層SLとなる。
【0045】
層SLがワークW上に繰り返し形成されることにより、積層加工が実現される。図4は、ワークWに対する積層加工を説明するための図である。図4には、XY平面に沿うワークWの断面図が示されている。
【0046】
図4の例では、ワークWの母材部分PAに対して、フランジ形状の付加部分PBが形成されている。付加部分PBは、複数の層SL1~SL4が順に積み上げられることで形成されている。
【0047】
より具体的には、まず、付加加工装置100は、1層目の層SL1における付加加工の開始位置にレーザヘッド140を駆動する。その後、付加加工装置100は、ワーク主軸22によるワークWの回転処理と、Z軸方向の正側へのレーザヘッド140の駆動処理と、レーザヘッド140によるレーザ光LSの照射処理と、粉末材料PMの供給処理とを並行して実行する。付加加工装置100は、レーザヘッド140が層SL1の付加加工の終了位置に到達したことに基づいて、レーザヘッド140によるレーザ光LSの照射処理と、粉末材料PMの供給処理とを停止する。これにより、層SL1がワークWに形成される。
【0048】
その後、付加加工装置100は、2層目の層SL2における付加加工の開始位置にレーザヘッド140を駆動する。次に、付加加工装置100は、ワーク主軸22によるワークWの回転処理と、Z軸方向の正側へのレーザヘッド140の駆動処理と、レーザヘッド140によるレーザ光LSの照射処理と、粉末材料PMの供給処理とを並行して実行する。付加加工装置100は、レーザヘッド140が層SL2の付加加工の終了位置に到達したことに基づいて、レーザヘッド140によるレーザ光LSの照射処理と、粉末材料PMの供給処理とを停止する。これにより、層SL2がワークWに形成される。
【0049】
以上のような処理が繰り返されることで、付加加工装置100は、ワークWの母材部分PAに対して様々な形状の付加部分PBを付加加工することができる。
【0050】
なお、付加部分PBの形成は、必ずしも高速付加加工で実現される必要はない。一例として、付加加工装置100は、ワーク主軸22を低速で回転させる付加加工で付加部分PBを形成してもよい。この場合、付加加工装置100は、レーザ光LSの焦点FをワークWの表面に位置させた状態で付加部分PBを形成する。
【0051】
<D.駆動パスの拡張機能>
【0052】
(D1.概要)
次に、レーザヘッド140の駆動パスを拡張する処理の概要について説明する。
【0053】
付加加工装置100は、ワークWの付加部分PBの形状を規定している三次元データに基づいて、レーザヘッド140の駆動パスを生成する。そして、付加加工装置100は、生成された駆動パスに従ってレーザヘッド140を駆動し、ワークWに対して付加部分PBを形成する。
【0054】
このとき、ワークWは、付加加工中にはレーザ光の照射により熱膨張し、付加加工の完了後には収縮する。そのため、ワークWの付加部分PBが意図したサイズよりも小さくなることがある。
【0055】
そこで、本実施の形態に従う付加加工装置100は、三次元データから生成された駆動パスを、付加部分PBの水平方向において拡張する。これにより、付加加工装置100は、三次元データに規定されている付加部分PBよりも大きいサイズの付加部分PBをワークWに形成する。付加部分PBは、ワークWの付加加工後には常温になるため収縮する。これにより、付加部分PBが意図したサイズになる。結果として、ワークの付加加工精度を従来よりも改善する。
【0056】
(D2.具体例)
次に、図5および図6を参照して、レーザヘッド140の駆動パスを拡張する処理の具体例について説明する。図5は、駆動パスの拡張処理を概略的に示す図である。
【0057】
ステップS1に示されるように、付加加工装置100は、まず、ワークWの付加部分PBを含む三次元データ124を取得する。三次元データ124は、たとえば、CAD(Computer Aided Design)により設計されたデータである。三次元データ124は、少なくとも、付加部分PBの形状を示すデータを含む。なお、三次元データ124は、付加部分PBを形成する母材部分PAの形状を含んでもよい。
【0058】
ステップS2において、付加加工装置100は、三次元データ124に基づいて、レーザヘッド140の駆動パスRを生成する。駆動パスRは、付加部分PBをワークWに形成する際におけるレーザヘッド140の経路を規定している指令値である。
【0059】
駆動パスRは、任意の方法で生成される。一例として、駆動パスRは、設計者によって設計されてもよい。他の例として、駆動パスRは、CAM(Computer Aided Manufacturing)により自動で生成されてもよい。CAMは、CADで作成された三次元データ124を元に、付加加工装置100での加工に必要なNC(Numerically Control)プログラムを自動生成するためのツールである。
【0060】
CAMにより生成されるNCプログラムは、レーザヘッド140の駆動パスRを含む。他にも、当該NCプログラムは、付加加工時におけるレーザヘッド140の姿勢(たとえば、角度など)、付加加工時におけるレーザヘッド140の速度、付加加工時におけるレーザヘッド140のレーザ光の照射指令(たとえば、ON/OFF指令)、および、付加加工時におけるレーザヘッド140の粉末材料PMの供給指令(たとえば、ON/OFF指令)などを含んでもよい。
【0061】
なお、CAMにより生成されるNCプログラムは、レーザヘッド140に係る指令値だけでなく、ワーク主軸22に係る指令値を含んでもよい。一例として、当該NCプログラムは、付加加工時におけるワーク主軸22の回転速度など含んでもよい。
【0062】
駆動パスRは、たとえば、形成される層別に生成される。図5のステップS2の例では、1~N層目(Nは2以上の自然数)のそれぞれを形成するための駆動パスR1~RNが示されている。
【0063】
駆動パスR1は、1層目の付加加工時におけるレーザヘッド140の開始位置SP1と、1層目の付加加工時におけるレーザヘッド140の終了位置EP1とを含む。駆動パスR2は、2層目の付加加工時におけるレーザヘッド140の開始位置SP2と、2層目の付加加工時におけるレーザヘッド140の終了位置EP2とを含む。駆動パスRNは、N層目の付加加工時におけるレーザヘッド140の開始位置SPNと、N層目の付加加工時におけるレーザヘッド140の終了位置EPNとを含む。
【0064】
ステップS3において、付加加工装置100は、三次元データ124から生成された駆動パスRを回転軸AX2の方向(すなわち、Z軸方向)に拡張し、拡張後の駆動パスR'を生成する。
【0065】
図5の例では、付加加工装置100は、駆動パスR1~RNをそれぞれ拡張し、駆動パスR1'~RN'を生成している。このとき、付加加工装置100は、回転軸AX2の一方側において駆動パスR1~RNを拡張してもよいし、回転軸AX2の両側において駆動パスR1~RNを拡張してもよい。
【0066】
一例として、付加加工装置100は、駆動パスR1~RNの開始位置SP1~SPNをZ軸方向の負側に移動する。これにより、開始位置SP1~SPNが開始位置SP1'~SPN'に更新される。結果として、Z軸方向の負側に拡張された駆動パスR1'~RN'が生成される。
【0067】
他の例として、付加加工装置100は、駆動パスR1~RNの終了位置EP1~EPNをZ軸方向の正側に移動する。これにより、終了位置EP1~EPNが終了位置EP1'~EPN'に更新される。結果として、Z軸方向の正側に拡張された駆動パスR1'~RN'が生成される。
【0068】
さらに他の例として、付加加工装置100は、駆動パスR1~RNの開始位置SP1~SPNをZ軸方向の負側に移動するとともに、駆動パスR1~RNの終了位置EP1~EPNをZ軸方向の正側に移動する。これにより、開始位置SP1~SPNが開始位置SP1'~SPN'に更新され、終了位置EP1~EPNが終了位置EP1'~EPN'に更新される。結果として、Z軸方向の両側に拡張された駆動パスR1'~RN'が生成される。
【0069】
その後、付加加工装置100は、拡張後の駆動パスR'に従ってレーザヘッド140を駆動し、ワークWに付加部分PBを形成する。このとき、付加加工装置100は、図2で説明したように、ワーク主軸22と心押し機構25とでワークWを保持した状態で付加加工を行う。心押し機構25は、熱膨張を吸収するための弾性部材27を有するため、ワークWのサイズは、付加加工中において回転軸AX2の方向に変化する。この変化に合わせて、付加加工装置100は、三次元データ124から生成された駆動パスRを回転軸AX2の方向に拡張する。そのため、ワークWが付加加工完了後に常温になり収縮したとしても、付加部分PBは、回転軸AX2の方向に関して意図したサイズになる。以上により、回転軸AX2の方向における付加部分PBの加工精度が向上する。
【0070】
なお、ワークWのサイズは、ワーク主軸22の設置側よりも、弾性機能を有する心押し機構25の設置側に変化しやすい。そこで、好ましくは、付加加工装置100は、三次元データ124から生成された駆動パスRを心押し機構25の設置側において少なくとも拡張する。
【0071】
以下では、図6を参照して、当該拡張方法について説明する。図6は、図5に示される駆動パスRを駆動パスR'に拡張している過程を概略的に示す図である。
【0072】
なお、図6には、1つの駆動パスRが拡張されている例が示されているが、典型的には、付加加工装置100は、図5に示される駆動パスR1~RNのそれぞれについて、図6に示される拡張処理を適用する。
【0073】
本例においては、付加加工装置100は、ワーク主軸22の設置側において拡張距離ΔE1の分だけ駆動パスRを拡張し、心押し機構25の設置側において拡張距離ΔE2の分だけ駆動パスRを拡張する。このとき、付加加工装置100は、心押し機構25の設置側における拡張距離ΔE2を、ワーク主軸22の設置側における拡張距離ΔE1よりも長くする。これにより、付加加工装置100は、ワークWの付加加工精度をさらに改善することができる。
【0074】
なお、ワーク主軸22の設置側における拡張距離ΔE1は、0であってもよい。すなわち、付加加工装置100は、心押し機構25の設置側においてのみ駆動パスRを拡張してもよい。
【0075】
また、付加部分PBは、心押し機構25に近いほど回転軸AX2の方向に熱変位しやすい。そのため、付加加工装置100は、ワークWに対する付加部分PBの位置に応じて拡張距離ΔE1,ΔE2を変えてもよい。この場合、付加加工装置100は、付加部分PBの位置が心押し機構25に近いほど、拡張距離ΔE1,ΔE2を長くする。これにより、付加加工装置100は、ワークWの付加加工精度をさらに改善することができる。
【0076】
なお、駆動パスRの拡張距離は、上記以外の様々な要因で決められ得る。一例として、付加加工装置100は、回転軸AX2の方向におけるワークWの幅が長いほど拡張距離ΔE1,ΔE2を長くする。異なる言い方をすれば、付加加工装置100は、回転軸AX2の方向におけるワークWの幅が短いほど拡張距離ΔE1,ΔE2を短くする。
【0077】
他の例として、付加加工装置100は、付加加工時におけるワークWの温度が高いほど拡張距離ΔE1,ΔE2を長くする。異なる言い方をすれば、付加加工装置100は、付加加工時におけるワークWの温度が低いほど拡張距離ΔE1,ΔE2を短くする。付加加工中におけるワークWの温度は、温度センサで測定されてもよいし、レーザヘッド140から照射されるレーザ光の照射強度に基づいて推定されてもよい。
【0078】
<E.付加加工装置100の駆動機構>
次に、図7を参照して、付加加工装置100における駆動機構について説明する。図7は、付加加工装置100の駆動機構の一例を示す図である。
【0079】
図7に示されるように、付加加工装置100は、制御部50と、駆動部210,220,230A,230B,240とを含む。
【0080】
制御部50は、付加加工装置100内の各種装置を制御する。制御部50の装置構成は、任意である。制御部50は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。一例として、制御部50は、CNC(Computer Numerical Control)と、PLC(Programmable Logic Controller)との少なくとも一方を含む。
【0081】
駆動部210は、ワーク主軸22を回転駆動するための駆動機構である。駆動部210は、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図7の例では、駆動部210は、モータドライバ211Cと、モータ212Cとで構成されている。
【0082】
モータドライバ211Cは、ワーク主軸22の目標回転角度または目標回転速度の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標回転角度または当該目標回転速度に応じた電流をモータ212Cに出力する。これにより、ワーク主軸22に保持されているワークは、Z軸方向を回転中心として回転する。モータ212Cは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0083】
駆動部220は、心押し機構25を駆動するための駆動機構である。駆動部220は、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図7の例では、駆動部220は、モータドライバ221Zと、モータ222Zとで構成されている。
【0084】
モータドライバ221Zは、ワーク主軸22に関する目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標位置に応じた電流をモータ222Zに出力する。これにより、モータ222Zは、Z軸方向の任意の位置に心押し機構25を移動する。モータ222Zは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0085】
駆動部230Aは、工具主軸30の位置を移動するための駆動機構である。上述のレーザヘッド140は、工具主軸30に装着されることで駆動される。駆動部230Aは、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図7の例では、駆動部230Aは、モータドライバ231X~231Zと、モータ232X~232Zとで構成されている。
【0086】
モータドライバ231Xは、X軸方向における工具主軸30の目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標位置に応じた電流をモータ232Xに出力する。これにより、モータ232Xは、X軸方向の任意の位置に工具主軸30を駆動する。モータ232Xは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0087】
モータドライバ231Yは、Y軸方向における工具主軸30の目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標位置に応じた電流をモータ232Yに出力する。これにより、モータ232Yは、Y軸方向の任意の位置に工具主軸30を駆動する。モータ232Yは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0088】
モータドライバ231Zは、Z軸方向における工具主軸30の目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標位置に応じた電流をモータ232Zに出力する。これにより、モータ232Zは、Z軸方向の任意の位置に工具主軸30を移動する。モータ232Zは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0089】
駆動部230Bは、工具主軸30を回転駆動するための駆動機構である。駆動部230Bは、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図7の例では、駆動部230Bは、モータドライバ231A,231Bと、モータ232A,232Bとで構成されている。
【0090】
モータドライバ231Aは、X軸方向を中心とした工具主軸30の目標回転角度または目標回転速度の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標回転角度または当該目標回転速度に応じた電流をモータ232Aに出力する。モータ232Aは、X軸方向を中心として工具主軸30を旋回駆動する。モータ232Aは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0091】
モータドライバ231Bは、工具主軸30の軸方向を回転中心とした工具主軸30の目標回転角度または目標回転速度の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標回転角度または当該目標回転速度に応じた電流をモータ232Bに出力する。モータ232Bは、工具主軸30の軸方向を回転中心として工具主軸30を回転駆動する。モータ232Bは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0092】
駆動部240は、刃物台16やタレット18を駆動するための駆動機構である。駆動部240は、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図7の例では、駆動部240は、モータドライバ241C,241Y,241Zと、モータ242C,242Y,242Zとで構成されている。
【0093】
モータドライバ241Cは、Z軸方向を中心としたタレット18の旋回角度に関して目標値の入力を受け、当該目標値に応じた電流をモータ242Cに出力する。これにより、モータドライバ241Cは、Z軸方向を回転中心としたタレット18の旋回角度を制御する。モータ242Cは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0094】
モータドライバ241Yは、Y軸方向における刃物台16の目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標位置に応じた電流をモータ242Yに出力する。これにより、モータ242Yは、Y軸方向の任意の位置に刃物台16を移動する。モータ242Yは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0095】
モータドライバ241Zは、Z軸方向における刃物台16の目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、当該目標位置に応じた電流をモータ242Zに出力する。これにより、モータ242Zは、Z軸方向の任意の位置に刃物台16を移動する。モータ242Zは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0096】
<F.制御部50のハードウェア構成>
次に、図8を参照して、図7に示される制御部50のハードウェア構成について説明する。図8は、制御部50のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0097】
上述のように、制御部50は、CNCであってもよいし、PLCであってもよい。図8には、CNCとしての制御部50のハードウェア構成が示されている。
【0098】
制御部50は、たとえば、制御回路101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、補助記憶装置120とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス109に接続される。
【0099】
制御回路101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0100】
制御回路101は、加工プログラム122などの各種プログラムを実行することで制御部50の動作を制御する。加工プログラム122は、本明細書に記載の各種処理を実現するためのプログラムである。制御回路101は、加工プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、ROM102からRAM103に加工プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、加工プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0101】
通信インターフェイス104は、各種装置と通信を実現するためのインターフェイスである。付加加工装置100は、たとえば、通信インターフェイス104を介して、ワークの付加加工を実現するための各種駆動ユニット(たとえば、上述の駆動部210,220,230A,230B,240など)と通信する。
【0102】
補助記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置120は、加工プログラム122および上述の三次元データ124などを格納する。加工プログラム122および三次元データ124の格納場所は、補助記憶装置120に限定されず、制御回路101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリ)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0103】
また、加工プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う各種処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う加工プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、加工プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが加工プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で制御部50が構成されてもよい。
【0104】
<G.付加加工の制御フロー>
次に、図9を参照して、付加加工の制御フローについて説明する。図9は、付加加工処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
図9に示される処理は、たとえば、付加加工装置100の制御部50が上述の加工プログラム122を実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0106】
ステップS110において、制御部50は、ワークWの付加部分PBを含む三次元データ124を取得する。
【0107】
ステップS112において、制御部50は、ステップS110で取得した三次元データ124に基づいて、レーザヘッド140の駆動指令を規定したNCプログラムを生成する。当該NCプログラムは、付加部分PBを形成するためのレーザヘッド140の駆動パスを含む。また、NCプログラムは、付加加工時におけるレーザヘッド140の姿勢(角度など)、レーザヘッド140の速度、レーザヘッド140によるレーザ光の照射指令、レーザヘッド140からの粉末材料PMの供給指令などを含んでもよい。さらに、NCプログラムは、ワーク主軸22の回転速度などの指令値を含んでもよい。
【0108】
ステップS114において、制御部50は、ステップS112で生成されたNCプログラムに規定されているレーザヘッド140の駆動パスを拡張する。当該駆動パスの拡張処理については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0109】
ステップS116において、制御部50は、ステップS114での拡張処理後のNCプログラムに従って、レーザヘッド140を制御する。これにより、付加加工装置100は、ワークWに対して付加部分PBを形成する。
【0110】
なお、上述では、ステップS110,S112,S114,S116の処理が連続的に実行される例について説明を行ったが、これらの処理は、必ずしも連続的に実行される必要はない。一例として、ステップS110,S112,S114に示されるNCプログラムの生成処理と、ステップS116に示される付加加工処理とは、それぞれ異なるタイミングで実行されてもよい。この場合、これらの処理は、同一の装置で実行されてもよいし、異なる装置で実行されてもよい。
【0111】
[第2の実施の形態]
<H.概要>
次に、第2の実施の形態に従う付加加工装置100について説明する。
【0112】
上述の第1の実施の形態に従う付加加工装置100は、付加加工中におけるワークの熱膨張を考慮してレーザヘッド140の駆動パスを拡張していた。これにより、当該付加加工装置100は、ワークの付加加工精度を改善していた。
【0113】
これに対して、第2の実施の形態に従う付加加工装置100は、異なる加工態様でワークの付加加工精度を改善する。具体的には、粉末材料PMが付加部分PBの端部に供給される際に、粉末材料PMの一部は、付加部分PBの端部から落下してしまうことがある。その結果、付加部分PBの幅が意図したよりも短くなることがある。このことは、積層数が多くなるほど顕著になる。
【0114】
そこで、第2の実施の形態に従う付加加工装置100は、付加部分PBの水平方向の端部を付加加工する際に、上面視においてレーザヘッド140の光軸が付加部分PBの外側から当該端部に向くように、レーザヘッド140を駆動する。ここでいう光軸とは、レーザヘッド140におけるレーザ光LSの出射口の中心と、レーザ光LSの焦点F(図3参照)とを結ぶ直線である。当該光軸が重力方向に対して傾斜するようにレーザヘッド140が駆動されることで、粉末材料PMは、ワークWの内側に入り込みやすくなる。これにより、ワークWの端部から粉末材料PMの落下が抑制され、付加加工精度が改善される。
【0115】
なお、以下では、第1の実施の形態に従う付加加工装置100と第2の実施の形態に従う付加加工装置100との相違点について説明を行い、それらの共通点については説明を省略する。
【0116】
<I.レーザヘッド140の駆動態様>
次に、図10図12を参照して、本実施の形態に従う付加加工時におけるレーザヘッド140の駆動態様について説明する。
【0117】
図10は、層SL4の付加加工工程S10を示す図である。図11は、図10に続く層SL4の付加加工工程S11を示す図である。図12は、図11に続く層SL4の付加加工工程S12を示す図である。
【0118】
以下では、レーザヘッド140の光軸AXLと、回転軸AX2の直交面SFとが成す角度をレーザヘッド140の傾斜角度θと定義する。
【0119】
また、回転軸AX2の方向における付加部分PBの端部分を端部Eと定義する。端部Eは、たとえば、回転軸AX2の方向における付加部分PBの端面から所定距離に含まれる付加部分PBの部分である。また、回転軸AX2の方向における端部Eの一方側を端部E1と称し、回転軸AX2の方向における端部Eの他方側を端部E2と称する。
【0120】
付加加工工程S10において、層SL4の付加加工が開始されたとする。このことに基づいて、付加加工装置100は、傾斜角度θが0°よりも大きくなるようにレーザヘッド140を駆動する。このとき、付加加工装置100は、上面視において光軸AXLが付加部分PBの外側から端部E1に向くようにレーザヘッド140を傾ける。付加加工工程S10における傾斜角度θは、たとえば、10°以上かつ45°以下である。
【0121】
付加加工工程S11において、付加加工位置が端部E1を抜けたとする。付加加工装置100は、端部E1以外における付加加工中においては、光軸AXLが重力方向と平行となる状態を維持してレーザヘッド140を駆動する。このとき、光軸AXLが直交面SFと平行になり、傾斜角度θは0°となる。これにより、粉末材料PMが重力方向(すなわち、Y軸方向正側)に供給される。その後、付加加工装置100は、傾斜角度θを0°に維持した状態でレーザヘッド140をZ軸方向の正側に駆動する。
【0122】
付加加工工程S12において、付加加工位置が端部E2に達したとする。このことに基づいて、付加加工装置100は、傾斜角度θが0°よりも大きくなるようにレーザヘッド140を駆動する。このとき、付加加工装置100は、上面視において光軸AXLが付加部分PBの外側から端部E2に向くようにレーザヘッド140を傾ける。すなわち、付加加工工程S12においては、付加加工装置100は、付加加工工程S10とは反対回りにレーザヘッド140を傾ける。付加加工工程S12におけるレーザヘッド140の傾斜角度θは、たとえば、10°以上かつ45°以下である。
【0123】
好ましくは、付加加工装置100は、レーザヘッド140から付加部分PBまでの離間距離を付加加工工程S10~S12で一定に維持する。一例として、当該離間距離は、光軸AXLの方向における距離である。この場合、付加加工装置100は、光軸AXLの方向におけるレーザヘッド140から付加部分PBまでの距離を付加加工工程S10~S12で一定に維持する。これにより、付加部分PBに対するレーザ光の焦点位置が変動しにくくなり、付加加工の品質が安定する。
【0124】
他の例として、上記離間距離は、重力方向における距離である。この場合、付加加工装置100は、レーザヘッド140の重力方向の位置を維持した状態で付加加工工程S10~S12の付加加工を行う。
【0125】
なお、付加加工装置100は、端部Eの付加加工時において、傾斜角度θを段階的に変えてもよいし、傾斜角度θを一定に維持してもよい。好ましくは、付加加工装置100は、付加加工位置が回転軸AX2の方向における付加部分PBの最端に向かうほど傾斜角度θを大きくする。異なる言い方をすれば、付加加工装置100は、付加加工位置が回転軸AX2の方向における付加部分PBの内側に向かうほど傾斜角度θを小さくする。これにより、付加加工装置100は、端部Eからの粉末材料PMの落下量を減少できるとともに、付加加工の品質をより安定させることができる。
【0126】
また、上述では、層SL4の付加加工工程S10~S12について説明を行ったが、付加加工装置100は、層SL1~SL4のそれぞれの端部Eの付加加工時において傾斜角度θを0°よりも大きくしてもよい。このとき、層SL1~SL4のそれぞれの端部Eにおける傾斜角度θは、一定であってもよいし、層ごとに変えられてもよい。好ましくは、付加加工装置100は、上層の端部Eにおける傾斜角度θが下層の端部Eにおける傾斜角度θよりも大きくなるようにレーザヘッド140を駆動する。
【0127】
図13は、異なる層SL3,SL4における端部E2の付加加工の態様を示す図である。図13(A)においては、層SL3の端部E2の付加加工時におけるレーザヘッド140の傾斜角度θが「θ1」として示されている。図13(B)においては、層SL4の端部E2の付加加工時におけるレーザヘッド140の傾斜角度θが「θ2」として示されている。
【0128】
図13に示されるように、付加加工装置100は、層SL4の付加加工時における傾斜角度θ2を、より下層の層SL3の付加加工時における傾斜角度θ1よりも大きくする。これにより、粉末材料PMは、上層における端部Eほど斜めから供給される。その結果、付加加工装置100は、粉末材料PMを各層により確実に積み上げることができ、付加加工精度を改善することができる。
【0129】
<J.付加加工の制御フロー>
次に、図14を参照して、第2の実施の形態に従う付加加工の制御フローについて説明する。図14は、本実施の形態に従う付加加工処理の流れを示すフローチャートである。
【0130】
図14に示される処理は、たとえば、付加加工装置100の制御部50が上述の加工プログラム122を実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0131】
ステップS210において、制御部50は、変数「N」を初期化する。このとき、変数「N」は、「1」に初期化される。
【0132】
ステップS212において、制御部50は、N層目におけるレーザヘッド140の駆動パスを取得し、当該駆動パスに規定されている開始位置にレーザヘッド140を移動する。
【0133】
ステップS214において、制御部50は、上述の傾斜角度θ(図10参照)を0°よりも大きくする傾斜姿勢になるようにレーザヘッド140を駆動する。その後、制御部50は、レーザヘッド140によるレーザ光の照射と、レーザヘッド140による粉末材料の供給とを開始するとともに、ステップS212で取得した駆動パスに従ってレーザヘッド140を駆動する。
【0134】
ステップS220において、制御部50は、現在の付加加工位置が上述の端部E1(図10参照)を抜けたか否かを判断する。制御部50は、現在の付加加工位置が端部E1を抜けたと判断した場合(ステップS220においてYES)、制御をステップS222に切り替える。そうでない場合には(ステップS220においてNO)、制御部50は、ステップS220の処理を再び実行する。
【0135】
ステップS222において、制御部50は、端部E1,E2の間における付加加工時には、上述の傾斜角度θ(図11参照)を0°とする直立姿勢になるようにレーザヘッド140を駆動する。その後、制御部50は、ステップS212で取得した駆動パスに従う付加加工を継続する。
【0136】
ステップS230において、制御部50は、現在の付加加工位置が上述の端部E2(図12参照)に達したか否かを判断する。制御部50は、現在の付加加工位置が端部E2に達したと判断した場合(ステップS230においてYES)、制御をステップS232に切り替える。そうでない場合には(ステップS230においてNO)、制御部50は、ステップS230の処理を再び実行する。
【0137】
ステップS232において、制御部50は、上述の傾斜角度θ(図12参照)を0°よりも大きくする傾斜姿勢になるようにレーザヘッド140を駆動し、ステップS212で取得した駆動パスに従う付加加工を継続する。
【0138】
ステップS240において、制御部50は、レーザヘッド140の現在位置がステップS212で取得した駆動パスに規定されている終了位置に達したか否かを判断する。レーザヘッド140の現在位置が当該終了位置に達したと判断した場合(ステップS240においてYES)、制御をステップS242に切り替える。そうでない場合には(ステップS240においてNO)、制御部50は、ステップS240の処理を再び実行する。
【0139】
ステップS242において、制御部50は、付加加工を停止する。すなわち、制御部50は、レーザヘッド140によるレーザ光LSの照射と、レーザヘッド140による粉末材料PMの供給とを停止する。
【0140】
ステップS250において、制御部50は、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する。一例として、当該終了条件は、変数「N」が所定値以上である場合に満たされる。当該所定値は、1以上の自然数である。制御部50は、所定の終了条件が満たされたと判断した場合(ステップS250においてYES)、図14に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS250においてNO)、制御部50は、制御をステップS252に切り替える。
【0141】
ステップS252において、制御部50は、変数「N」をインクリメントする。すなわち、制御部50は、変数「N」に「1」を加算する。
【0142】
<K.その他>
上記第1,第2の実施の形態は、適宜選択的に組み合わされてもよい。また、上記第1,第2の実施の形態の思想は、種々の改良や変更が可能である。以下、上記第1,第2の実施の形態の変形例について説明する。
【0143】
上述では、ワーク主軸22および心押し機構25を備える付加加工装置100を前提として説明を行った。しかしながら、本明細書に記載の技術思想は、ワーク主軸22および心押し機構25を備えない付加加工装置100にも適用され得る。当該付加加工装置100は、回転していないワークWに対して層を順次形成することで付加部分PBを形成する。本明細書に記載の技術思想は、このような付加加工装置100に対しても適用され得る。
【0144】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0145】
11 ベッド、16 刃物台、18 タレット、22 ワーク主軸、23 チャック機構、25 心押し機構、26 センターピン、27 弾性部材、30 工具主軸、50 制御部、100 付加加工装置、101 制御回路、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、109 内部バス、120 補助記憶装置、122 加工プログラム、124 三次元データ、130 カバー体、140 レーザヘッド、142 ヘッド本体、146 レーザノズル、200 操作盤、210 駆動部、211C モータドライバ、212C モータ、220 駆動部、221Z モータドライバ、222Z モータ、230A 駆動部、230B 駆動部、231A モータドライバ、231B モータドライバ、231X モータドライバ、231Y モータドライバ、231Z モータドライバ、232A モータ、232B モータ、232X モータ、232Y モータ、232Z モータ、240 駆動部、241C モータドライバ、241Y モータドライバ、241Z モータドライバ、242C モータ、242Y モータ、242Z モータ、AR 加工エリア、AX1 回転軸、AX2 回転軸、AXL 光軸、DR ドア、E 端部、E1 端部、E2 端部、EPN 終了位置、EP1 終了位置、EP1' 終了位置、EP2 終了位置、F 焦点、LS レーザ光、MP 溶融池、PA 母材部分、PB 付加部分、PM 粉末材料、R 駆動パス、R1 駆動パス、R1' 駆動パス、R2 駆動パス、RN 駆動パス、R' 駆動パス、SF 直交面、SL 層、SL1 層、SL2 層、SL3 層、SL4 層、SPN 開始位置、SP1 開始位置、SP1' 開始位置、SP2 開始位置、W ワーク、ΔE1 拡張距離、ΔE2 拡張距離、θ 傾斜角度、θ1 傾斜角度、θ2 傾斜角度。
【要約】
【課題】ワークの付加加工精度を従来よりも改善するための技術を提供する。
【解決手段】付加加工装置は、ワークに粉末材料を供給するとともにワークにレーザ光を照射することで、ワークの付加加工を行うことが可能なレーザヘッドと、レーザヘッドを駆動するための駆動部と、付加加工装置を制御するための制御部とを備える。制御部は、ワークの付加部分の形状を規定している三次元データに基づいて、レーザヘッドの駆動パスを生成する処理と、付加部分の水平方向において、生成された駆動パスを拡張する処理と、拡張された駆動パスに従ってレーザヘッドを駆動し、ワークを付加加工する処理とを実行する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14