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特許7698790パターン入り成形および封止フィルムの形成および利用のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-17
(45)【発行日】2025-06-25
(54)【発明の名称】パターン入り成形および封止フィルムの形成および利用のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A23P 30/10 20160101AFI20250618BHJP
   B65B 31/02 20060101ALI20250618BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20250618BHJP
   A23L 13/00 20160101ALN20250618BHJP
【FI】
A23P30/10
B65B31/02 J
B29C51/10
A23L13/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024508920
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(86)【国際出願番号】 US2022041210
(87)【国際公開番号】W WO2023028049
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】63/235,899
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523229539
【氏名又は名称】ボアーズ ヘッド プロビジョンズ シーオー., インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】弁理士法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファイザー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジョシュア ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】キャパウン,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンス,ジェレマイア
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,ジェームズ ジェイ.
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-510665(JP,A)
【文献】米国特許第03527855(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0170360(US,A1)
【文献】米国特許第05597606(US,A)
【文献】特開2006-167947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23P 30/10
B65B 31/02
B29C 51/10
A23L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン入り封止フィルムを成形して使用する方法であって、
成形および封止フィルムを上部成形インサート上に配置することを備え、
前記上部成形インサートは、3Dエンボス加工パターンを有する中央キャビティを備え、
前記上部成形インサートを使用して、前記成形および封止フィルムから上部フィルムを形成し、
下部フィルムを形成し、
前記上部フィルムおよび前記下部フィルムを組み合わせてフィルムポケットを形成し、
前記フィルムポケット内にタンパク質製品を挿入し、
真空状態にして前記タンパク質製品を前記フィルムポケット内に密封し、
前記フィルムポケット内の前記タンパク質製品を調理し、
調理中に前記3Dエンボス加工パターンは前記タンパク質製品に転写され、および、
前記タンパク質製品の調理後に、前記フィルムポケットを取り外す、
ことを備える、方法。
【請求項2】
前記上部フィルムおよび前記下部フィルムは、高圧ラピッドエアフォーミングで成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記3Dエンボス加工パターンは、成形中に前記上部フィルムに転写される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記3Dエンボス加工パターンは、複数の隆起領域および複数の陥没領域を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記3Dエンボス加工パターンは網目パターンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記3Dエンボス加工パターンは、会社ロゴまたは図形を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記上部成形インサートはアルミニウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記上部成形インサートは、前記キャビティを取り囲む複数の通気構造を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記上部成形インサートは、前記上部フィルムの成形中に前記上部成形インサートを成形ボックスに固定するためのアンカー部をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記上部フィルムの成形には、前記成形ボックスの液体冷却を必要としない、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本明細書に参照として組み込まれる2021年8月23日に出願された米国特許仮出願第63/235,899号に基づく優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
表示、テクスチャの付与、特定のスパイスや香味料の保持などを目的として、食肉の表面にパターンを型押しすることが望ましい場合がある。調理中にタンパク質製品をネットに包み、製品の表面に型押しすることにより、製品にテクスチャが追加される。しかしながら、ネットは調理後に破棄されてしまうため、この工程には無駄が多い。したがって、ネットなどの追加的な材料を必要とせず、タンパク質製品に直接パターンを型押しすることができる成形および封止フィルムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、成形および封止フィルムに、幾何学的形状、有機的形状、フラクタル形状、および/または、これらの組み合わせなどのさまざまな形状で、かつ、さまざまな大きさおよび深さで、エンボス加工/デボス加工を施すことを可能にする方法を提供する。テクスチャまたはパターンは、インサートからフィルムに転写される。成形および封止フィルム上のパターンは、成形、充填、封止、および調理工程中に、鶏肉、七面鳥肉、牛肉、豚肉、植物性タンパク質製品を含むがこれらに限定されないさまざまなタンパク質製品の表面に転写される。成形および/または封止インサートは、編ネット、弾性ネット、押出成形ネット、密織りネット、プラスチックネット、および/または、圧縮成形型および/またはネット除去用の離型剤を使用することなく、機能的および/または装飾的なエンボス加工および/またはデボス加工を施したさまざまな熱成形フィルムを形成することができる。成形インサートは付加製造プロセスを用いて成形されるため、ほぼすべてのデザインを成形および封止フィルムにエンボス加工/デボス加工することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部となるとともに、発明の詳細な説明とともに本発明の1つ以上の態様を示し、本発明の原理をさらに説明して、当該技術分野における当業者が本発明を実施および利用することを可能にするものである。
【0005】
図1図1は、成形フィルムの内側に隆起インプレッション(凸部)を有するエンボスフィルムを示す。
図2図2は、調理中にタンパク質製品に転写されたデボス・デプレッション(凹部)を示す。
図3図3は、成形フィルムの内側における下部デプレッション(凹部)を示す。
図4図4は、調理中にタンパク質製品に転写されたエンボス・インプレッション(凸部)を示す。
図5図5A図5Eは、成形フィルムに適用されるパターンの例を示す。
図6図6は、標準的な包装および調理工程で使用される工程を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明による包装および調理工程で使用される工程を示すフローチャートである。
図8図8は、成形インサートの一実施形態を示す。
図9図9は、成形インサートの一実施形態を示す。
図10図10は、成形インサートの一実施形態を示す。
図11図11は、成形インサートの他の一実施形態を示す。
図12図12は、成形インサートの他の一実施形態を示す。
図13図13は、成形インサートから取り外された成形フィルムを示す。
図14図14は、成形フィルムを取り外した後の調理済タンパク質製品の一例を示す。
【0006】
開示される実施形態の特徴および利点は、以下に示す詳細な説明において、図面とともに明らかにされる。図面において、同様の参照符号は対応する要素を示し、同様の参照番号は、通常は、同一、機能的に類似、および/または構造的に類似する要素を示す。特に断りのない限り、本開示の全体にわたって提供される図面は、必ずしも原寸通りの図面ではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
調理工程において、すべての標準的な成形、充填、封止工程には、一次成形が組み込まれている。通常、一次成形工程には、単一のフィルム成形工程のみが含まれる。対照的に、本発明の方法には、一次および二次フィルム成形工程が組み込まれている。一次成形工程では、図1に示すように、成形フィルムの内側に隆起インプレッション(凸部)を有するエンボスフィルムが形成される。
【0008】
一次フィルム成形工程は、好ましくは、調理工程においてタンパク質製品の表面に転写される機能的かつ装飾的なネット・インプレッションをシミュレートするために使用される。一次的に熱成形されたエンボス・インプレッションは、調理中にタンパク質製品の表面に転写され、図2に示すように、タンパク質製品のデボス・デプレッション(凹部)または下部デプレッション(凹部)となる。
【0009】
二次成形工程により、成形ポケットの内側にある下部デボス・デプレッション(凹部)が得られる。二次的に熱成形された形状は、一次熱成形工程に由来する残留成形フィルム材料から形成される。この凹部は、調理工程においてタンパク質製品の表面に転写される機能的かつ装飾的なパターンをシミュレートする(図3)。
【0010】
二次的に熱成形されたデボス・デプレッション(凹部)はタンパク質製品の表面に転写され、エンボスまたは隆起インプレッション(凸部)となる(図4)。
【0011】
成形および封止フィルムは、以下に示す工程を経て形成される。初めに、フィルムを成形インサート全体に広げる。制御された方法で成形フィルムを加熱し、フィルムに柔軟性を付与して、インプレッション(凸部)を形成しやすくする。次に、制御された高圧空気を使用し、フィルムを成形インサート内に押し込む。これにより、成形フィルムは成形インサートの形状となる。次に、封止するタンパク質製品を成形フィルム上の成形インサート内に配置する。
【0012】
図5A図5Eに示したように、成形インサート上に任意のパターンを形成して、成形および封止フィルムに転写することができる。下記に示すがこれらに限定されないさまざまなパターンが含まれる。
【0013】
・ネットまたは網目パターン:成形インサートからフィルム、そしてタンパク質製品へと転写(図5A図5E
・ロゴ:会社ロゴ、透かし模様、ブランドマーク、テキスト、または2D/3Dレイヤーのタンパク質製品への挿入(図5D
・異なる調理スタイル(炙る、包む、グリルするなど)で生ずる事象を模倣するために形成されたパターン(図5Cおよび図5E
・製品に現実的かつ自然に生ずる事象を特徴づける意図的な欠陥
【0014】
成形フィルムは、タンパク質製品を収容することができる任意の形状(たとえば、サッカーボール形状のハム、イースター用のニワトリの形状をした卵など)を採ることができる。幾何学的形状、有機的形状、フラクタル形状、正方形、長方形、ひし形、六角形、目盛り形状、枝形状、波形などの組み合わせからさまざまなパターンを形成することもできる。
【0015】
[封止工程]
図6は、タンパク質製品の包装および調理に使用される標準的な工程を示したフローチャートである。初めに、ステップ602において、タンパク質製品の周囲に所望のネットを配置する。このステップは、タンパク質製品をネットに配置して封止する手作業を必要とするため、通常は最も労力がかかるステップである。次に、ステップ604において、ロールストック包装機を使用して、成形および封止フィルムをポケットに形成する。具体的には、成形フィルムを成形形状のキャビティ内に配置してポケットを形成し、熱成形を利用して当該成形フィルムを所望の形状に成形する。
【0016】
ステップ606において、ネットに収容されたタンパク質製品を成形されたポケットに配置する。ステップ608においてポケットを封止して真空状態とし、タンパク質製品を気密に包装する。真空により生じるネットに対する圧力によって、ステップ610における調理中にネットのパターンがタンパク質製品に転写される。
【0017】
タンパク質製品の調理後は、ステップ612においてまずポケットが取り外され、ステップ614においてネットが取り外される。ステップ612におけるポケットの取り外しは自動化することできるが、ステップ614におけるネットの取り外しは手作業で行う必要がある。
【0018】
本発明の工程では、手作業やネットを必要とする工程の多くをなくし、廃棄物および手作業の大幅な削減を可能にする。上述したように、本発明の方法は、調理中にタンパク質製品に直接転写されるネットパターンを有する成形および封止フィルムを使用する。これにより、手作業でネットを取り付けたり取り外したりするステップ602および614を行う必要がなくなる。
【0019】
図7は、本発明による包装および調理工程で使用されるステップを示すフローチャートである。初めに、ステップ702において、成形および封止フィルムを成形インサート内に配置して、タンパク質製品用のポケットを形成する。図8は成形インサート802の斜視図であり、図9は成形インサート802の平面図である。図示したように、成形インサート802は、成形キャビティ804を有する上部を備える。成形および封止フィルムをキャビティ804上に配置し、成形および封止フィルムが成形インサート802のパターンに適合するようラピッドエアフォーミングが使用される。成形インサート802の側部は、空気を排出するために複数の通気構造806を備える。また、成形インサート802の側部は、成形インサート802に構造的な支持を提供する。
【0020】
図13は、成形インサート802から取り外された成形された封止フィルムを示す。図示したように、成形インサート802によるネットのパターンは、成形フィルムに直接転写される。さらに、成形された封止フィルム上の3Dパターンは、調理工程中にタンパク質製品に転写され(図14)、タンパク質製品にネットを取り付けたり取り外したりする必要がない。
【0021】
成形インサート802は、図10に示したアンカー808を使用して、ロールストックに連結することもできる。成形インサート802は、ロールストックの封止ボックス内に配置され、フィルム成形工程中にずれることなく適切にフィットするよう固定される。固定作業は、次のようないくつかの方法で行うことができる。
【0022】
・スロット、ラッチ、ボルト、または他の固定機能
・インサートを、その単一または複数の側部、底部、および/または上部から、成形または封止ボックス内に固定する。
【0023】
成形インサート802の上部および底部を用いてポケットを形成した後、ステップ706において、形成されたポケット内にタンパク質製品を配置する。ステップ706においてポケットを封止して真空状態とし、タンパク質製品を気密に包装する。ステップ708における調理中に、成形および封止フィルムの3Dパターンがタンパク質製品に転写される。タンパク質製品の調理後は、ステップ710においてまずポケットが取り外される。成形および封止フィルムから直接インプレッション(凸部)が転写されるため、タンパク質製品にインプレッションをつけるためのネットは不要である。図11(斜視図)および図12(平面図)は、別パターンの封止インサートの追加例を示す。
【0024】
[成形および封止フィルム]
図7に示した工程は、キャビティの大きさ、必要とされる最終的な形状およびインプレッション(凸部)に応じて、さまざまなフィルムに適用することができる。形状に応じて、より薄いフィルム、より厚いフィルム、内側面に粘着性のあるフィルム、より多孔質なフィルムなどが必要とされたり、あるいは、フィルムをさまざまな程度に予め収縮させたりする必要がある。封止要件に応じてフィルムを組み合わせることも可能である。たとえば、下記の種類のフィルムには互換性がある。
【0025】
・ポリエチレン
・ポリプロピレン
・ナイロン
・エチレン-ビニルアルコール共重合体
・バリアフィルム
・フィルムの積層の組み合わせ
【0026】
成形および封止フィルムは、幅広い温度範囲で使用可能である必要がある。成形設定温度範囲は90℃~145℃、封止温度範囲は130℃~160℃である。成形インサート802を用いたインサートを使用した成形および封止フィルムの物理的な成形は、プラグアシスト、強制エア、真空アシスト付き強制エア、段階的温度管理ゾーン、高圧ラピッドエアフォーミング、または真空状態での爆発成形の使用を含む任意の公知の方法を使用して達成することができる。
【0027】
[成形インサート]
下記の材料は、封止インサート802の付加製造および創案に使用することができる。
【0028】
・金属(アルミニウム、インコネル、スチール、チタン、または他のニッケルベースの合金)
○ フォームは、堆積、焼結、または他の形式の溶融および溶解によって形成される。
○ 最大400mm×400mm×400mmまでの製品寸法仕様を満たす。
○ ワイヤーEDM(放電加工)、ドリル加工、切削加工、電解研磨、およびコーティングなどの最終仕上げに耐えうる材料である。
○ 最終ビルドは、100psi~200psiの圧力と150℃~200℃の温度に耐える必要がある。
○ ポリテトラフルオロエチレンを用いた無電解ニッケルめっき、ニッケル研磨、またはニッケルPTFE(ニッケルテフロンめっき)などの表面処理が必要な場合がある。
【0029】
・樹脂
○ 樹脂は、引張強度と引張弾性率、曲げ弾性率、衝撃強度、伸び、および熱偏向温度に基づいて選択される。
○ 創案、試作、および/または試験段階で使用される。
○ フォームは、光造形(SLA)、デジタル光処理(DLP)、または選択的レーザー焼結(SLS)によって生成することができる。
○ 最終ビルドは、試験段階を通じて100psi~200psiの圧力と150℃~200℃の温度に耐える必要がある。
【0030】
・プラスチック(ABS、PLA、PETG、ナイロン)
○ フォーム形状の実行可能性をテストするための低コストの代替手段として、初期の試作および試験段階で使用される。
○ 最終ビルドは、試験段階を通じて100psi~200psiの圧力と150℃~200℃の温度に耐える必要がある。
【0031】
上述したように、実質的にあらゆるパターンを用いてインサート802を成形することができる。これにより、金属量を低減し、必要とされる通気性および形状を生成するデザインを作成することができる。空気流の通気構造806の大きさと、一次フォームおよび二次フォームは、これまでの熱成形工程では使用されていない。空気流/支持構造設計格子(図8および図10を参照)により、フィルムのエンボス/デボスを介した成形インサート802形状の小さな領域へのフィルムの温度および空気流の両方を制御して、選択された成形および封止フィルムの要件を満たすことができる。
【0032】
通気のための角部および縁部についての変化性のある設計(これにより圧力の変化を生じさせ、より深いインプレッション(凸部)ポケットを一次フォームおよび二次フォームに形成することができる)は、これまで他の方法では容易に作ることができなかった。これらの一次フォームおよび二次フォームにおける変化性のある角部通気構造は、空気流量を最小化または最大化するためにさまざまなサイズ範囲とすることができる。一次および二次成形インサート802の通気構造の大きさを調整することにより、ネットを用いた場合とは異なり、エンボス加工およびデボス加工を制御することができる。
【0033】
たとえば、図8に示すように、それぞれの成形インサートは複数の通気構造を有するが、現行の成形インサート(図6で使用するもの)は固体材料を使用する。成形インサート802内の通気量を増大させることにより、ステップ604において成形ボックスを液体冷却する必要性がなくなる。また、成形インサート802により、1つ以上の機能が物理的に統合される(封止およびパターンの転写)。
【0034】
成形インサート802のつば/脚支持構造により、その支持が可能となり、格子構造、通気、および支持に必要とされる材料を最低限にすることができる。当該構造により、成形中における内部圧力に抵抗するために必要な強度が提供され、アンカー機構808を介して保持される成形ボックス内に成形インサート802をガイドすることが可能となる。
【0035】
成形インサート802の外形全体、複数のレベルのフィルム用のインプレッション(凸部)、およびフィルムの付着は、制御および異なる基準に応じて変化する。目標は、製品の調理サイクルにおいて熱処理が行われた場合に、元のセル体積の大部分を維持するために、「一次熱成形」セルおよび「二次熱成形」セルをそれぞれ安定させる条件を確立すること、および、調理サイクルにおいて二次成形のセルパターンが確実に製品に転写されるように適切なパッケージ収縮力を提供するために、「一次熱成形」キャビティ形状804に「制御された収縮」を発生させる条件を確立することである。下記は、フィルム収縮の制御を補助する、成形工程における基準のリストである。
【0036】
・熱成形材料の選択
・熱成形温度の安定性
・熱成形ツールの温度管理
・成形空気圧および成形時間
・成形後の冷却時間
【0037】
[成形インサートの生成]
付加製造には、3Dスキャンを通じてフォームをデジタルに変換し、CADソフトウェアによりフォームを設計し、および、本発明で使用する封止インサートを製造するための装置を制御するためのオプションを含む、成形インサート802を生成するためのソフトウェアが必要である。
【0038】
1.3Dスキャン参照オブジェクト:プロジェクト全体を開始するために、コントロールピースをスキャンして表示するよう使用されるスキャンソフトウェアを使用することができる。これは、ユーザがスキャンして型に変換することを所望するあらゆる物体または形状に使用することができる。
【0039】
2.CADソフトウェア:ステップ1でスキャンした参照モデルに滑らかなトロポジメッシュを構築する、あるいは、新しいモデルの作成に使用され、ポジティブフォームオブジェクトを生成する。
a.滑らかなリトポロジメッシュ上にベースパターンを生成することを継続する(つまり、2つのメッシュが作成される)
b.ベースパターンメッシュのコピーを3つ作成することを継続する
i.バックアップコピーメッシュ
ii.埋込コピーメッシュ
iii.ネットパターン押出メッシュを生成するためのベベルツールの使用
【0040】
3.二次CADソフトウェア:ネットパターン、バッキングパターン、および支持材料を生成するためのベースパターンメッシュの使用
a.すべてのピースを1つのモデルに結合する
b.実行可能であれば、最終アウトプットが金属3Dプリント用である場合には、フレームおよび固定ブロックを構築する
c.プリンタへのエクスポートを容易にするために、クリーンアップ、リトポロジ化、穴埋め、面数の削減を行う
d.2a~2bのすべてのステップを含むすべての格子通気モデルを含める
e.メッシュをエクスポートする(全体的なモールドデザイン)
【0041】
4.スライサ/ビルド準備ソフトウェア:モールド全体を検証するために最終メッシュをインポートし、パーツの方向、支持構造、層の厚さ、タイミング、フォームのジオメトリによって決定される他のパスおよび設定を確立する。
a.3D印刷機が最終的に使用可能なピースを製造するための指示として使用する、STLまたはネイティブファイルをビルド準備ソフトウェアによって生成する。
【0042】
上述した実施形態は、本発明の主題の原理の適用例をいくつか例示したものである。本明細書で個別に開示した特徴または特許請求の範囲に記載した特徴の組み合わせを含む、特許請求の範囲に記載した主題の思想および範囲から離れることなく、当業者は、さまざまな変更を施すことが可能である。これらの理由により、本発明の範囲は、上記の説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された通りであり、および、特許請求の範囲が、本明細書で個別に開示した特徴または特許請求の範囲に記載した特徴の組み合わせを含む、本明細書の特徴を示しているものと理解される。

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14