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特許7698918識別コード検出装置および識別コード検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-18
(45)【発行日】2025-06-26
(54)【発明の名称】識別コード検出装置および識別コード検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20250619BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20250619BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20250619BHJP
【FI】
G06K7/10 408
B65G1/137 B
G06K7/10 372
G06K7/14 017
G06K7/14 060
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024037279
(22)【出願日】2024-03-11
【審査請求日】2024-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502369573
【氏名又は名称】ユーピーアール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100121669
【弁理士】
【氏名又は名称】本山 泰
(72)【発明者】
【氏名】酒田 健治
(72)【発明者】
【氏名】中村 康久
(72)【発明者】
【氏名】小林 道明
(72)【発明者】
【氏名】永山 佳範
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-178620(JP,A)
【文献】特開2014-168227(JP,A)
【文献】特開2017-068747(JP,A)
【文献】特開2017-216497(JP,A)
【文献】特開2021-038063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
B65G 1/137
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別コードが付与された荷物の画像が含まれる画像情報を取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した複数の前記荷物が含まれる第1の画像情報において、前記荷物の領域を抽出し、抽出された前記荷物の領域のそれぞれについて、前記撮像部からの距離を測定する距離測定部と、
前記距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部と、
前記距離マップにおける前記合焦範囲に従って、前記撮像部が取得した第2の画像情報を用いて、前記識別コードのコード情報を検出する識別コード検出部と
を備え、
前記撮像部は、
前記合焦範囲と前記識別コードの領域の前記距離に基づいて決定したフォーカス駆動位置に応じて、前記荷物の領域の前記距離が含まれる前記合焦範囲において、少なくとも1つの前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得し、
前記識別コード検出部は、
前記第2の画像情報において、前記識別コードのコード情報を検出する
識別コード検出装置。
【請求項2】
前記距離マップ生成部は、
少なくとも1つの前記合焦範囲に複数の前記荷物の領域の前記距離が含まれるように前記合焦範囲が設定された前記距離マップを生成し、
前記撮像部は、
前記距離マップにおいて設定された前記合焦範囲において、複数の前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得する
請求項1に記載の識別コード検出装置。
【請求項3】
識別コードが付与された荷物の画像が含まれる画像情報を取得する撮像部と、前記画像情報において前記荷物の領域の前記撮像部からの距離を測定する距離測定部と、前記距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部と、前記距離マップにおける前記合焦範囲に従って、前記撮像部が取得した画像情報を用いて、前記識別コードのコード情報を検出する識別コード検出部とを備えた識別コード検出装置において実行される識別コード検出方法であって、
前記撮像部が、前記識別コードが付与された荷物が含まれる第1の画像情報を取得するステップと、
前記距離測定部が、前記撮像部が取得した複数の前記荷物が含まれる第1の画像情報において、前記荷物の領域を抽出し、抽出された前記荷物の領域のそれぞれについて、前記撮像部からの距離を測定するステップと、
前記距離マップ生成部が、前記距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成するステップと、
前記識別コード検出部が、前記距離マップにおける前記合焦範囲に従って、前記撮像部が取得した第2の画像情報を用いて、前記識別コードのコード情報を検出するステップと
を有し、
前記撮像部は、
前記合焦範囲と前記識別コードの領域の前記距離に基づいて決定したフォーカス駆動位置に応じて、前記荷物の領域の前記距離が含まれる前記合焦範囲において、少なくとも1つの前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得し、
前記識別コード検出部は、
前記第2の画像情報において、前記識別コードのコード情報を検出する
識別コード検出方法。
【請求項4】
前記距離マップ生成部は、
少なくとも1つの前記合焦範囲に複数の前記荷物の領域の前記距離が含まれるように前記合焦範囲が設定された前記距離マップを生成し、
前記撮像部は、
前記距離マップにおいて設定された前記合焦範囲において、複数の前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得する
請求項3に記載の識別コード検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物に付与された識別コードを検出する識別コード検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫における荷物を管理する技術として、荷物に付与した識別コードを読み取ることにより、倉庫内の荷物の有無や設置場所を管理する方法が実施されている。例えば、特許文献1では、スキャナーで、管理対象の商品を特定するための識別表示およびその商品が置かれている場所を特定する識別表示を読み取り、読み取った商品の実数データとデータベースに格納された商品データとを比較し、データベースの商品在庫記録を書き換えるシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-101424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
倉庫等で管理対象の商品を特定するための識別コードをスキャナーで読み取る場合、入荷、出荷時の検品の際に多数の管理対象の商品の識別コードを読み取る必要があり、識別コードを読み取るための人的稼働の負担が大きい。最近では、スマートホン等の携帯端末に搭載された高画質のカメラで複数の識別コードを同時に読み取る技術が実用化されているが、携帯端末のカメラで複数の識別コードを同時に撮影する場合に、撮影する識別コードの数が多いと、カメラと荷物の間にある程度の距離を確保する必要があるため、カメラと荷物の間の距離に応じて撮影解像度が劣化して全ての識別コードを正確に検出することができない場合がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、複数の識別コードのコード情報を簡易な方法で正確に検出することができる識別コード検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したような課題を解決するために、本発明の識別コード検出装置は、識別コードが付与された荷物の画像が含まれる画像情報を取得する撮像部と、前記撮像部が取得した複数の前記荷物が含まれる第1の画像情報において、前記荷物の領域を抽出し、抽出された前記荷物の領域のそれぞれについて、前記撮像部からの距離を測定する距離測定部と、
前記距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部と、前記距離マップにおける前記合焦範囲に従って、前記撮像部が取得した第2の画像情報を用いて、前記識別コードのコード情報を検出する識別コード検出部とを備え、前記撮像部は、前記合焦範囲と前記識別コードの領域の前記距離に基づいて決定したフォーカス駆動位置に応じて、前記荷物の領域の前記距離が含まれる前記合焦範囲において、少なくとも1つの前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得し、前記識別コード検出部は、前記第2の画像情報において、前記識別コードのコード情報を検出する。
【0007】
また、前記距離マップ生成部は、少なくとも1つの前記合焦範囲に複数の前記荷物の領域の前記距離が含まれるように前記合焦範囲が設定された前記距離マップを生成し、
前記撮像部は、前記距離マップにおいて設定された前記合焦範囲において、複数の前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得してもよい。
【0008】
上述したような課題を解決するために、本発明の識別コード検出方法は、識別コードが付与された荷物の画像が含まれる画像情報を取得する撮像部と、前記画像情報において前記荷物の領域の前記撮像部からの距離を測定する距離測定部と、前記距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部と、前記距離マップにおける前記合焦範囲に従って、前記撮像部が取得した画像情報を用いて、前記識別コードのコード情報を検出する識別コード検出部とを備えた識別コード検出装置において実行される識別コード検出方法であって、前記撮像部が、前記識別コードが付与された荷物が含まれる第1の画像情報を取得するステップと、前記距離測定部が、前記撮像部が取得した複数の前記荷物が含まれる第1の画像情報において、前記荷物の領域を抽出し、抽出された前記荷物の領域のそれぞれについて、前記撮像部からの距離を測定するステップと、前記距離マップ生成部が、前記距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成するステップと、前記識別コード検出部が、前記距離マップにおける前記合焦範囲に従って、前記撮像部が取得した第2の画像情報を用いて、前記識別コードのコード情報を検出するステップとを有し、前記撮像部は、
前記合焦範囲と前記識別コードの領域の前記距離に基づいて決定したフォーカス駆動位置に応じて、前記荷物の領域の前記距離が含まれる前記合焦範囲において、少なくとも1つの前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得し、前記識別コード検出部は、前記第2の画像情報において、前記識別コードのコード情報を検出する。
【0009】
また、前記距離マップ生成部は、少なくとも1つの前記合焦範囲に複数の前記荷物の領域の前記距離が含まれるように前記合焦範囲が設定された前記距離マップを生成し、前記撮像部は、前記距離マップにおいて設定された前記合焦範囲において、複数の前記識別コードが含まれる前記第2の画像情報を取得してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の識別コードのコード情報を簡易な方法で正確に検出することができる識別コード検出装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態の識別コード検出装置を備えたシステム構成の一例である。
図2図2は、本発明の実施の形態の識別コード検出装置の機能ブロックの一例である。
図3図3は、本発明の実施の形態における荷物の距離の測定を説明するための図である。
図4図4は、本発明の実施の形態における距離マップの一例を説明するための図である。
図5図5は、本発明の実施の形態における距離マップの他の例を説明するための図である。
図6図6は、本発明の実施の形態の識別コード検出方法の動作フローの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、本発明は、様々な実施の形態で実施することが可能であり、以下に説明する発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
<荷物管理システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態の識別コード検出装置を備えたシステム構成の一例である。図1の識別コード検出システム1は、識別コード4が付与された荷物2がパレット3に載置された状態の荷物画像を取得し、取得した荷物画像を用いて荷物2に付与された識別コードのコード情報を検出する識別コード検出装置10と、識別コード検出装置10において検出された識別コードのコード情報を管理する識別コード管理サーバ20とから構成されている。
【0014】
最近では、スマートホン等の携帯端末に搭載された高画質のカメラで複数の識別コードを同時に読み取る技術が実用化されているが、携帯端末のカメラで複数の識別コードを同時に撮影する場合に、撮影する識別コードの数が多いと、カメラと荷物の間にある程度の距離を確保する必要があるため、携帯端末のカメラと荷物の間の距離に応じて撮影解像度が劣化して全ての識別コードを正確に検出することができない場合がある。
【0015】
本実施の形態では、距離の異なる位置に載置された荷物2に付与された複数の識別コード4のコード情報を検出する際に、撮像部11で複数の荷物2が含まれる画像情報(第1の画像情報)を取得して、識別コード4が付与された荷物2の領域を抽出し、抽出した荷物の領域において撮像部11との間の距離を測定し、測定した距離を用いて被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成し、生成した距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11のフォーカス駆動位置を決定し、決定したフォーカス駆動位置において取得した識別コード4の画像情報(第2の画像情報)を用いて識別コード4のコード情報を検出する。
【0016】
撮像部11と荷物2との間の距離に応じて作成した距離マップにおける合焦範囲に従って撮像部11のフォーカス駆動位置を決定することで、1つの合焦範囲に含まれる焦点が合った状態の複数の識別コードの画像を取得することができるので、個々の識別コードに対してフォーカス駆動動作をすることなく、より少ないフォーカス駆動動作によって距離の異なる位置の複数の識別コード4のコード情報を検出することが可能となる。
【0017】
<識別コード検出装置の構成>
図2は、本発明の実施の形態の識別コード検出装置の機能ブロックの一例である。
【0018】
識別コード検出装置10は、識別コード4が付与された荷物の画像が含まれる撮影画像を取得するための撮像部11、荷物2との間の距離を測定するための距離センサ部12、距離センサ部12を用いて荷物2との間の距離を測定して距離マップを生成し、生成した距離マップを用いて識別コード4のコード情報を検出する中央処理部、各種情報等を保存するための記憶部16、撮影者が情報を入力するための入力部17、識別コード4の検出状況を表示するための表示部18、識別コード管理サーバ20に情報を送信するための無線部19とを備える。
【0019】
中央処理部は、距離センサ部12を用いて荷物2との間の距離を測定する距離測定部13、距離測定部13の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部14、生成した距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11が取得した画像情報を用いて、識別コード4のコード情報を検出する識別コード検出部15として機能する。
【0020】
識別コード検出部15は、距離測定部13で測定した距離を用いて生成された、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11のフォーカス駆動位置を決定し、決定したフォーカス駆動位置において撮像部11が取得した識別コード4の画像情報を用いて識別コード4のコード情報を検出する。
【0021】
これにより、1つの合焦範囲に含まれる複数の識別コード4の画像を焦点が合った状態で取得することができるので、個々の識別コード4に対してフォーカス駆動動作をすることなく、より少ないフォーカス駆動動作によって、距離の異なる位置の複数の識別コード4のコード情報を検出することが可能となる。
【0022】
記憶部16には、測定した荷物2の距離情報や、測定した距離情報を用いて生成した距離マップが記憶されている。識別コード検出部15は、記憶部16に記憶された距離マップにおける合焦範囲に従って撮像部11のフォーカス駆動位置を決定し、決定したフォーカス駆動位置において撮像部11が取得した識別コードの画像情報を用いて識別コード4のコード情報を検出することができる。
【0023】
撮像部11としては、汎用的なRGBカメラを用いることができる。撮像部11を備えた識別コード検出装置10としては、例えば、RGBカメラを搭載したデジタルカメラやスマートホン等を用いることができる。距離センサ部12としては、TOF(Time of Flight)センサやLiDARセンサ等の汎用的な測距センサを用いることができる。
【0024】
識別コード検出装置10は、CPU、メモリ、および外部機器と接続するためのインタフェースを備えたコンピュータにより構成することができる。
【0025】
<識別コードの距離の測定>
図3は、本発明の実施の形態における荷物の距離の測定を説明するための図である。図3の例では、パレット3の上に、識別コード4が付与された複数の荷物2が載置されている。
【0026】
識別コード検出装置10は、撮像部11が取得した複数の荷物2が含まれる画像情報において、荷物2の領域を抽出し、抽出された荷物2の領域のそれぞれについて、撮像部11からの距離(L1-L5)を測定する。
【0027】
図3の例では、識別コード4が付与された複数の荷物2の画像が含まれる画像情報を取得し、取得した画像情報において荷物2の領域を検出する。この荷物2の領域の抽出は、荷物2に付与された識別コードを抽出する必要はなく、識別コード4が付与された荷物2の存在する位置を画像上で特定できれば十分である。荷物2の領域の抽出は、例えば、荷物2の色や形状の周辺との相違や特徴を検出することにより、実現することができる。距離測定部13における測定結果を用いて荷物2の領域を抽出してもよい。
【0028】
また、取得した画像情報においては、識別コード4が付与された荷物2の領域が含まれていれば十分であり、荷物2の領域でない他の領域が荷物2の領域として検出されてもよい。識別コード4が付与されていない領域が誤って荷物2の領域として検出された場合には、その領域において識別コード4が検出されないので、そのような領域は識別コードを検出する際に排除することが可能である。
【0029】
<距離マップの生成>
本実施の形態では、距離の異なる位置に載置された荷物2に付与された複数の識別コード4のコード情報を検出する際に、撮像部11と荷物2との間の距離を測定し、測定した距離を用いて被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する。図4図5は、本発明の実施の形態における距離マップの例を説明するための図である。
【0030】
図4図5の距離マップは、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップである。撮像部11は、合焦位置を中心とした合焦範囲(被写界深度)を有しており、撮像部11はフォーカス駆動位置に応じた合焦範囲(被写界深度)を有している。
【0031】
図4は、5つの合焦範囲(F1-F5)を有する距離マップの例である。撮像部11のフォーカス駆動位置は、距離マップにおける合焦範囲と荷物2の距離(L1-L5)に基づいて決定される。
【0032】
図4では、5つの合焦範囲(F1-F5)のうち、識別コード4の距離L1-L5が含まれる合焦範囲F3-F5の合焦位置D1-D3に、撮像部11のフォーカス駆動位置を設定することにより、識別コード4を検出することができる。
【0033】
図5は、識別コード4の距離L1-L5に応じて、2つの合焦範囲(F1、F2)が設定されている距離マップの例である。撮像部11のフォーカス駆動位置は、距離マップにおける合焦範囲と荷物2の距離に基づいて決定される。
【0034】
図5では、距離L1-L5が含まれる合焦範囲F1、F2の合焦位置D1、D2に撮像部11のフォーカス駆動位置を設定することにより、識別コード4を検出することができる。
【0035】
<識別コードの検出>
識別コード検出装置10は、生成した距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11のフォーカス駆動位置を決定し、決定したフォーカス駆動位置において取得した識別コード4の画像情報を用いて識別コード4のコード情報を検出する。
【0036】
図4において、識別コード4の距離L3がF3に、識別コード4の距離L5がF4に含まれており、識別コード4の距離L1、L2、L4がF5に含まれているので、撮像部11のフォーカス駆動位置をD1、D2、D3に合わせることにより、距離L1-L5に配置されている識別コード4を検出することができる。
【0037】
ここで、合焦範囲F5には、識別コード4の距離L1、L2、L4が含まれているので、撮像部11のフォーカス駆動位置をF5に合わせることにより、3つの識別コード4を検出することができる。
【0038】
図5において、識別コード4の距離L3、L5がF1に、識別コード4の距離L1、L2、L4がF2に含まれているので、撮像部11のフォーカス駆動位置をD1、D2に合わせることにより、距離L1-L5に配置されている識別コード4を検出することができる。
【0039】
ここで、合焦範囲F1には、識別コード4の距離L3、L5が含まれており、合焦範囲F2には、識別コード4の距離L1、L2、L4が含まれているので、図4の距離マップと比較して、より少ないフォーカス駆動位置により、5つの識別コード4を検出することができる。
【0040】
このように、撮像部11と荷物2との間の距離に応じて作成した距離マップにおける合焦範囲に従って撮像部11のフォーカス駆動位置を決定することで、1つの合焦範囲に含まれる焦点が合った状態の複数の識別コード4の画像を取得することができるので、個々の識別コード4に対してフォーカス駆動動作をすることなく、より少ないフォーカス駆動動作によって距離の異なる位置の複数の識別コード4のコード情報を検出することが可能となる。
【0041】
<識別コード検出装置の動作フロー>
図6を用いて、識別コード検出装置10において実行される識別コード検出方法の動作を説明する。図6は、本発明の実施の形態の識別コード検出方法の動作フローの一例である。
【0042】
識別コード検出方法の各ステップは、識別コードが付与された荷物の画像が含まれる画像情報を取得する撮像部11と、画像情報において荷物の領域の撮像部からの距離を測定する距離測定部13と、距離測定部の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部14と、距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11が取得した画像情報を用いて、識別コードのコード情報を検出する識別コード検出部15とを備えた識別コード検出装置10において実行される。
【0043】
識別コード検出装置10の撮像部11は、識別コードが付与された荷物の画像が含まれる画像情報を取得する(S1-1)。
【0044】
識別コード検出装置10の距離測定部13は、撮像部11が取得した複数の荷物が含まれる画像情報において、荷物の領域を抽出する(S1-2)。
【0045】
識別コード検出装置10の距離測定部13は、距離センサ部12を用いて、抽出された荷物の領域のそれぞれについて、撮像部11からの距離を測定する(S1-3)。
【0046】
識別コード検出装置10の距離マップ生成部14は、距離測定部13の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する(S1-4)。
【0047】
識別コード検出装置10の識別コード検出部15は、距離マップの合焦範囲と荷物の領域の距離に基づいてフォーカス駆動位置を決定する(S1-5)。
【0048】
識別コード検出装置10の撮像部11は、決定したフォーカス駆動位置に応じて、荷物の領域の距離が含まれる合焦範囲において、識別コードが含まれる画像情報を取得する(S1-6)。
【0049】
識別コード検出装置10の識別コード検出部15は、距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11が取得した画像情報を用いて、識別コードのコード情報を検出する(S1-7)。
【0050】
決定した全てのフォーカス駆動位置において識別コードの検出を行うまで、フォーカス駆動と識別コード情報の検出を繰り返す(S1-8)。
【0051】
本実施の形態では、距離の異なる位置に載置された荷物2に付与された複数の識別コード4のコード情報を検出する際に、撮像部11で複数の荷物2が含まれる画像情報(第1の画像情報)を取得して、識別コード4が付与された荷物2の領域を抽出し、抽出した荷物の領域において撮像部11との間の距離を測定し、測定した距離を用いて被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成し、生成した距離マップにおける合焦範囲に従って、撮像部11のフォーカス駆動位置を決定し、決定したフォーカス駆動位置において取得した識別コード4の画像情報(第2の画像情報)を用いて識別コード4のコード情報を検出する。
【0052】
本実施の形態によれば、撮像部11と荷物2との間の距離に応じて作成した距離マップにおける合焦範囲に従って撮像部11のフォーカス駆動位置を決定することで、1つの合焦範囲に含まれる焦点が合った状態の複数の識別コードの画像を取得することができるので、個々の識別コードに対してフォーカス駆動動作をすることなく、より少ないフォーカス駆動動作によって距離の異なる位置の複数の識別コード4のコード情報を検出することが可能となる。
【0053】
本実施の形態によれば、複数の識別コードのコード情報を簡易な方法で正確に検出することができる識別コード検出装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
1…識別コード検出システム、2…荷物、3…パレット、4…識別コード、10…識別コード検出装置、11…撮像部、12…距離センサ部、13…距離測定部、14…距離マップ生成部、15…識別コード検出部、16…記憶部、17…入力部、18…表示部、19…無線部、20…識別コード管理サーバ。
【要約】
【課題】複数の識別コードのコード情報を簡易な方法で正確に検出することができる識別コード検出装置を提供する。
【解決手段】本発明の識別コード検出装置10は、識別コード4が付与された荷物2の画像が含まれる画像情報を取得する撮像部11と、画像情報から抽出された複数の荷物2について、撮像部からの距離を測定する距離測定部13と、荷物2の距離の測定結果を用いて、被写体距離と合焦範囲の関係を示す距離マップを生成する距離マップ生成部14と、距離マップにおける合焦範囲に従って取得した画像情報を用いて、識別コード4のコード情報を検出する識別コード検出部15とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6