(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-18
(45)【発行日】2025-06-26
(54)【発明の名称】ティーポット
(51)【国際特許分類】
A47G 19/14 20060101AFI20250619BHJP
B65D 45/32 20060101ALI20250619BHJP
B65D 43/04 20060101ALI20250619BHJP
B65D 51/16 20060101ALI20250619BHJP
【FI】
A47G19/14 F
B65D45/32
B65D43/04
B65D51/16 100
(21)【出願番号】P 2024048868
(22)【出願日】2024-03-26
【審査請求日】2024-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】501346526
【氏名又は名称】林 漢川
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 漢川
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第219270700(CN,U)
【文献】中国実用新案第206119874(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/14
B65D 45/32
B65D 43/04
B65D 51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、フィルター部と、空気引導管と、キャップ部と、取手箇所とを備えたティーポットであって、
前記容器は、内部に液体空間を有し、上端に設けた瓶口部は前記液体空間と相互に連通し、前記瓶口部の内壁面には止め部が形成され、前記瓶口部にはさらに、お湯(水)を流入、流出できる瓶口を有しており、
前記フィルター部は、お湯(水)を流入、流出し、且つ茶葉の流出を防ぐことのできるフィルター穴を有し、また、前記空気引導管を貫通させることのできる中間穴を有しており、前記フィルター部は上から下へと前記瓶口部内に配置するが、前記止め部のところで妨げられて下への移動が不可能となり、
前記空気引導管は、両端を貫通する空気道を有し、前記空気道の外周におねじが形成されており、前記おねじの底部に制止部を有し、前記制止部は前記フィルター部の前記中間穴に貫通させて連結部品と一つになるように螺着結合し、
前記キャップ部は、前記連結部品とキャップとを備えており、前記連結部品はめねじを有しており、前記連結部品の一部分は前記キャップと一つになるように結合され、別の一部分はその前記めねじと前記空気引導管の前記おねじとが一つになるように螺着されると共に、前記キャップと前記フィルター部とが一つになるように結合されており、前記キャップは円形体をなし、その外径は前記瓶口部の内径より小さく、
前記取手箇所には縦向延伸部と持手部とを備え、前記持手部は前記縦向延伸部上に連結され、前記縦向延伸部は前記キャップ部上に連結され、
前述の構造設計により、前記空気引導管と前記連結部品とを用いて一つに結合された前記キャップ部と前記フィルター部とが一緒に前記容器の前記瓶口部内に配置されると、前記フィルター部は前記止め部のところで止められて、外力によって動かされず、下方へ移動することもない状態となり、前記キャップの外周縁と前記瓶口部の内壁面間に環状隙間が形成され、前記キャップの上面と前記瓶口との間に下方にさがった注水部が形成されており、前記空気引導管は前記容器の前記液体空間に連通することを特徴とするティーポット。
【請求項2】
前記連結部品には底面部と、前記底面部の両末端をそれぞれ上向きに折り曲げた側面部と、前記側面部のそれぞれの上端にさらに外側方向に形成した折曲部とを備え、前記側面部のそれぞれと前記底面部の夾角は90度を超える角度であり、前記底面部の中間には前記めねじを有しており、前記折曲部のそれぞれには貫通穴が設けられており、前記キャップの内底面に下向きに延伸する二つの凸柱が形成され、前記凸柱のそれぞれに同じ高さの嵌入溝が形成されており、二つの前記折曲部上の前記貫通穴には対応する前記凸柱を貫通させ、前記貫通穴のそれぞれの縁は対応する前記嵌入溝内に嵌入され、前記底面部の前記めねじは前記空気引導管の前記おねじに螺着されることを特徴とする請求項1に記載のティーポット。
【請求項3】
前記連結部品は中空管体であり、前記キャップの底面部中央に直接成形され、前記底面部には前記めねじが設けられ、上部の外側周囲面には複数の空気穴が設けられ、前記めねじは前記空気引導管の前記おねじ上に螺着されることを特徴とする請求項1に記載のティーポット。
【請求項4】
前記連結部品は中空管体であり、前記キャップの底面部中央に直接成形され、前記底面部には前記めねじが設けられ、前記めねじは前記空気引導管の前記おねじ上に螺着され、前記連結部品の中空管体に向き合う前記キャップ箇所に設けられた通気穴は、前記連結部品と連通することを特徴とする請求項1に記載のティーポット。
【請求項5】
前記取手箇所は前記連結部品のうちの一つの前記折曲部上に一体成形することを特徴とする請求項2に記載のティーポット。
【請求項6】
前記取手箇所は前記キャップ上に連結されることを特徴とする請求項2、3、4に記載のティーポット。
【請求項7】
前記止め部は窪んだ環状溝であり、前記フィルター部は、上固定体と、環状バネと、ネット体と、下固定体とを備えており、前記上固定体と、前記ネット体と、前記下固定体とはすべて同心の中間穴を有し、前記上固定体と前記下固定体とはいずれも貫通する流水区を有し、前記ネット体は微細のフィルター穴を有しており、前記上固定体の外側周囲エッジには上向きに突出した環状突出縁が形成され、前記環状突出縁上には間隔をあけて配列した小穴が設けられており、前記小穴に前記環状バネを貫通させることにより前記環状バネと前記上固定体とが一つになるように結合され、尚且つ前記環状バネは前記上固定体の外側周囲エッジに繞設され、前記環状バネと前記ネット体とは窪んだ環状溝内に引掛かり圧した状態となることを特徴とする請求項1に記載のティーポット。
【請求項8】
前記容器の前記瓶口部は前記瓶口箇所から下方向に徐々に収縮する形状をなし、前記止め部は内径が収縮する内壁面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のティーポット。
【請求項9】
前記ネット体の外側周囲エッジは上向きに湾曲した弧形をなし、前記環状バネと一つになるよう密着させることを特徴とする請求項7に記載のティーポット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティーポットに関し、特に空気引導管をフィルター部に連結することで容器中の空気を排出させるティーポットに関する。
【背景技術】
【0002】
お茶を入れることは一般の生活や仕事をしている時の重要な休憩活動である。お茶を入れることによって人は心を穏やかにし、お茶を飲んで元気を呼び起こす。茶葉に含まれるカテキンは強力な抗酸化作用があり、油を取り除き、新陳代謝を促進するメリットを備える。
【0003】
しかし、現代人は仕事が忙しく、生活のリズムが速く、迅速に便利にお茶を入れられる器具によってニーズに応じる必要性があり、お茶を入れる器具の構造も絶え間なく変化し続けている。特許文献1の『ティーポット及びそのろ過部品』は確実に、お湯を流すときにキャップとフィルターを外さなくてよいという利点を有し、また、水の表面張力によってお湯が下に流れないまたは流れる速度が緩慢であるという問題を解決した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記先行技術のティーポットには依然として下記のような欠点がある。
(1)フィルターユニットが容器の上部外側に突き出ているため、ティーポットの高さがかなり高くなり、収納に向かないという問題があり、しかも、フィルターユニットがステンレス製であるため、お茶を注ぐときにフィルターユニットの重さに容器の口に流れるお茶の重さが加わり、頭の方が重くてボディ部分が軽いという問題が発生し、使用者の手が瞬時に重く感じる状況が発生する。
(2)
図5に示すように、密閉リングと容器の口がしっかり密閉されているので、お茶を注ぐ時、お茶の水が密閉リングに妨げられ、お茶の水を完全に注ぐことができず、密閉リングと容器の口の近辺に汚れが起きやすくなる。
(3)中央のフィルター穴が大きすぎるため、お茶を注ぐときに、細かいお茶の残渣も同時に注いでしまい、お茶を飲む興が削がれてしまう。
【0006】
前述の従来技術に鑑み、その多くの欠点を改善するために、本発明者は不断なき努力を積み重ね、より良きものを追求しようという姿勢で綿密な研究を行い、テスト用のサンプルを作成し、改良に改良を重ね、最終的に以下の目的を達成する本発明を生み出した。
【0007】
本発明の一つ目の目的は、次のティーポットを提供することにある。それは、キャップとフィルター部とを連結部品と空気引導管を用いて一つに結合されており、キャップとフィルター部が容器の瓶口部に固定された際に、容器の内部と外部に連通している空気引導管の両端を通して容器中の空気が排出されるため、容器に入れようと注がれたお湯がフィルター部を通過する場合、お湯を迅速に容器の液体空間内に流入することができるティーポットである。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、次のティーポットを提供することにある。それは、フィルター部は、容器の瓶口部の内壁面に形成された止め部箇所に引掛かりそこで止まり、フィルター部の上方に結合されたキャップは、瓶口より下方に位置しており、キャップ上面と瓶口の間に下方にさがった注水部が形成されていることにより、毎回お湯を入れる際にはキャップとフィルター部を取り外す必要なく、直接、便利にお湯を入れることができるティーポットである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明において提供するティーポットは、容器、フィルター部、空気引導管、キャップ部、取手箇所を備える。
【0010】
容器の内部に液体空間を有し、容器の上端に設けた瓶口部は、液体空間と連通しており、瓶口部の内壁面に止め部が形成され、さらに瓶口部に瓶口を有し、お湯(水)を流入、流出することができる。
【0011】
フィルター部は、お湯(水)を流入、流出し、茶葉の流出を防ぐことのできるフィルター穴を有する。フィルター部に設けた中間穴には、空気引導管を貫通させることができる。フィルター部は上から下へと瓶口部内に配置され、止め部のところで妨げられて下方への移動が不可能になる。
【0012】
空気引導管は両端を貫通する空気道を有し、その外周におねじが形成されており、その底面に制止部が設けられている。空気引導管はフィルター部の中間穴を通って連結部品と一つになるように螺着結合される。
【0013】
キャップ部は、連結部品とキャップを備える。連結部品はめねじを有している。連結部品の一部分はキャップと一つになるように結合され、別の一部分のめねじと空気引導管のおねじとが一つになるように螺着されると共に、キャップとフィルター部とが結合されて一つになる。キャップは円形体をなし、その外径は瓶口部の内径より小さいものとする。
【0014】
取手箇所には縦向延伸部と持手部とを備える。持手部は縦向延伸部上に連結され、縦向延伸部はキャップ部上に連結される。
【0015】
前述の構造設計により、空気引導管と連結部品を用いて一つに結合されたキャップ部とフィルター部は、一緒に容器の瓶口部内に入れることができる。フィルター部は、止め部のところで止められて外力によって動かされない状態である時、下方へ移動することはない。キャップの外周縁と瓶口部の内壁面間に環状隙間が形成され、キャップの上面と瓶口間に下方にさがった注水部が形成される。空気引導管は容器の液体空間に連通する。
【0016】
前述のキャップと瓶口間に形成された注水部によって、直接お湯をキャップ上に注ぐと、キャップを取り外す必要なく、お湯はキャップに沿って環状隙間より液体空間に流入する。しかも液体空間中の空気は、空気引導管を通り排出され、お湯は迅速に液体空間内に流れ込むことができる。また、キャップとフィルター部は瓶口部内に配置されており、従来品のように容器の外側に突出していないため、ティーポット全体の高さが高すぎることなく、頭が重くボディが軽くなるという問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第一実施形態によるティーポットの分解斜視図である。
【
図2】
図1のティーポットの一部組立斜視図である。
【
図4】本発明の第一実施形態によるティーポット使用時の断面模式図である。
【
図5】本発明の第一実施形態による取手箇所をキャップに連結させた場合の断面図である。
【
図6】本発明の第二実施形態による連結部品をティーポットに組み合わせた状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の第三実施形態による連結部品をティーポットに組み合わせた状態を示す断面図である。
【
図8】本発明の取手箇所をキャップ上部に結合しティーポットに組み合わせた状態を示す断面図である。
【
図9】本発明の容器のもう一つの実施形態をティーポットに応用した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
貴審査員の方々に、本発明の特徴とその長所についてご理解とご同意を頂くために、以下に実施形態を挙げて、図面を組み合わせた説明を行う。
【0019】
図1~
図4に示す通り、本発明の第一実施形態のティーポットは、容器60、フィルター部30、空気引導管40、キャップ部100、取手箇所70を備える。
【0020】
容器60の内部に液体空間61を有し、上端に設けられた瓶口部62は液体空間61と互いに連通しており、瓶口部62の内壁面に止め部64が形成される。本実施形態において、止め部64は環状の窪んだ溝であり、瓶口部62の上端にさらに設けた瓶口63からお湯(水)を注いだり出したりする。容器60の側面には取手65を備え、使用者が便利に握れるようにする。容器60はプラスチック、セラミック、ガラス、ステンレス、金属等材質により製作される。
【0021】
フィルター部30は、上から下へと環状バネ314、上固定体31、ネット体32、下固定体33を備える。上固定体31、ネット体32、下固定体33はいずれも重なる位置に中間穴315、中間穴323、中間穴332が設けられ、上固定体31と下固定体33に上下に貫通した複数の流水区311、流水区333が設けられる。上固定体31の外側周囲エッジに上向きに突出する環状突出縁312が形成されており、環状突出縁312には間隔をあけて配列された小穴313が設けられている。小穴313は、環状バネ314を貫通して環状バネ314と上固定体31とを一つに連結させることにより、環状バネ314は上固定体31の外側周囲エッジに繞設される。また、環状バネ314は必要に応じて下固定体33に結合させることも可能である。ネット体32は縦横に交差するステンレスの細いワイヤーによって構成され、その上には無数の微細のフィルター穴321を有しており、それは力が加わると変形し、外側周囲エッジに備えられた上向きに湾曲する環状弧形縁322は環状バネ314に密着する。下固定体33の底面に設けられた中間穴332の周囲には上向きに突出した円形ではない溝331が形成される。溝331は矩形または六角形をなす。上固定体31と下固定体33の外径は同じであって、ネット体32より小さく、上固定体31と下固定体33の外径は瓶口部62の内径より小さいものである。フィルター部30の環状バネ314とネット体32の外径は瓶口部62の内径より小さく、しかも瓶口部62の止め部64(窪んだ環状溝)より小さいか等しいものである。
【0022】
空気引導管40は両端を貫通する空気道41を有し、その外周におねじ43が形成され、その底部に円形ではない制止部42が設けられている。制止部42は矩形もしくは六角形としてもよい。空気引導管40はフィルター部30の各部品の中間穴315、中間穴323、中間穴332の下から上へと貫通させ、連結部品90に螺着結合して一つにする。並びに、制止部42は下固定体33の溝331中に嵌入させると相互に押圧状態となる。これにより連結部品90に空気引導管40を螺着させると、空気引導管40は別の部品の動きに伴って回転することはなくなる。空気引導管40はプラスチックもしくはステンレス等の材質によって製作される。空気引導管40は下固定体33に溶接して一つにするか、一体成型によって一つにすることも可能である。
【0023】
キャップ部100は連結部品90とキャップ80を備える。連結部品90は、ステンレス体もしくはプラスチック体を含む可撓性と弾性を有する材質によって製作される。連結部品90は、底面部91と、底面部91の両末端を上向きに折り曲げた側面部92と、各側面部92の上端にさらに外側方向に形成した折曲部93とを有する。各側面部92と底面部91の夾角は90度を超える角度とし、底面部91の中間には貫通するめねじ95を有し、各折曲部93上にはそれぞれ貫通穴94が設けられる。その二つの折曲部93は、キャップ80と結合されて一つになり、めねじ95は空気引導管40のおねじ43を螺着して一つになる。連結部品90の底面部91と空気引導管40の制止部42とが締め付け合うことにより、連結部品90とフィルター部30が結合し固定されて一つになる。キャップ80は円形体であり、キャップ中間上部81の高さはキャップ外周縁82より高い。キャップ中間上部81からキャップ外周縁82間は弧形をなす。内底面に下向きに延伸された二つの凸柱83が形成され、各凸柱83には同じ高さの嵌入溝831が形成される。キャップ80の外径は瓶口部62の内径より小さく、キャップ80を瓶口部62に入れる際には、瓶口部62の内壁面との間に環状隙間811が形成される。キャップ80と連結部品90は結合されて一つになる。連結部品90の二つの側面部92は、外向きに張り出されており、二つの側面部92に力を加えると、二つの側面部92が近づき、それぞれが底面部91に対して垂直となる。さらに二つの折曲部93上の貫通穴94は対応する凸柱83を貫通し、並びに側面部92にかかる力が解除されると、二つの側面部92はその弾性作用力によって外に張り出される。これにより二つの折曲部93の貫通穴94の縁が対応する嵌入溝831内にきつく嵌入されて、キャップ80と連結部品90は結合されて一つになる。よって、キャップ80、連結部品90、空気引導管40、フィルター部30もまた結合されて一つになる。キャップ80とフィルター部30間は、二つの側面部92の高さによって一定距離離れている。キャップ80はプラスチック、セラミック、ガラス、ステンレス等の材質により製作される。
【0024】
取手箇所70は、縦向延伸部71と持手部72を備える。本実施形態において縦向延伸部71は、連結部品90のうちの折曲部93上に一体連結されている。取手箇所70は
図5に示すように、縦向延伸部71をキャップ外周縁82に連結することも可能である。キャップ80を瓶口部62に配置する時、縦向延伸部71は瓶口部62の中にあり、持手部72は瓶口63の縁上に接触して上から下へと圧し、並びに外側方向に延伸する。取手箇所70は、プラスチックもしくはステンレス等の材質により製作される。
【0025】
前述には本発明の実施形態により提供されるティーポット200の各構成要素及びその組立方法について説明を行った。次に使用する際の特徴を説明する。
【0026】
図2~
図4に示すとおり、茶葉を先に容器60内に入れ、使用者はさらに手で取手箇所70の持手部72を持ち、フィルター部30とキャップ部100を容器60の瓶口部62内に配置する。上固定体31と下固定体33が瓶口部62の内径より小さいため、順調に使用できる。また、環状バネ314とネット体32が瓶口部62の内径より大きいことにより、環状バネ314とネット体32は瓶口部62の内壁面に圧せられて収縮を起こし変形し、それと同時に弾性作用力が蓄えられる。力が加えられてフィルター部30の環状バネ314とネット体32が止め部64(即ち窪んだ環状溝)箇所まで下がった時に、その弾性作用力がもとの状態に戻り、並びに止め部64(即ち窪んだ環状溝)内に引掛かり圧せられた状態となる。外力を受けない状態において、フィルター部30とキャップ80は下向きに移動することはない。それとは逆に、持手部72に力を加えて、キャップ80とフィルター部30を上向きに持ち上げ、環状バネ314とネット体32が瓶口部62の内壁面によって圧せられた時、再び収縮を起こして変形するため順調に取り出すことができる。以上のように、簡単操作効果を達成することができる。
【0027】
図2~
図4に示す通り、フィルター部30とキャップ部100を容器60の瓶口部62内に配置した時、キャップ80は瓶口63の縁より低い位置にあり、瓶口63とキャップ80の上面間には下方にさがった注水部67を形成する。空気引導管40は容器60の液体空間61に連通している。キャップ80と瓶口63との間に注水部67が形成されているため、お湯を再び入れる際は、キャップ80を取り外す必要がなく、直接お湯をキャップ80上に注ぎ入れればよく、お湯はキャップ80の弧形に沿って環状隙間811より流入した後、環状バネ314の隙間、上固定体31の流水区311、下固定体33の流水区333、ネット体32のフィルター穴321を経て液体空間61に流れ込み、茶葉を開かせる。前述の通り、毎回お湯を入れる際には、キャップ80を取り外すが必要がないという使用上の便利性を実現するものであり、しかもフィルター部30とキャップ80の重量は軽く、扁平形状をなしており、瓶口部62内に配置し、瓶口部62から突出することはないため、ティーポット200のもともとの高さより高くなることはなく、頭が重くボディ部が軽いという問題もない。
【0028】
図4に示す通り、フィルター部30とキャップ部100は容器60の瓶口部62内に配置する際、空気引導管40は容器60の液体空間61に連通しており、液体空間61内の空気は空気引導管40の空気道41を経て排出される。これによりお湯が表面張力作用によって流入しなくなったり液体空間61への流入が緩慢となることは起こらず、スムーズにお茶を入れることができる。
【0029】
また、
図4に示す通り、フィルター部30とキャップ部100を容器60の瓶口部62の止め部64(即ち窪んだ環状溝)に配置した時、ネット体32は、止め部64(即ち窪んだ環状溝)の内壁面を横に区切り、ネット体32の微細のフィルター穴によって、入れたお茶を注ぐ時、茶葉の残渣がネット体32を通過することがないため、注いだお茶に茶葉の残渣が入ることはなく、お茶を頂く興を削いでしまうことがない。
【0030】
図6に、本発明のティーポット200に関する連結部品50の第二実施形態を示す。連結部品50は中空の管体であり、直接、キャップ80の底部中央に成形する。キャップ80の底部にはめねじ51を設け、めねじ51の上部の外側周囲面には複数の空気穴52を設ける。めねじ51は空気引導管40のおねじ43に螺着され、連結部品50と空気引導管40は相互に繋がり、並びにその底部と空気引導管40の制止部42は相互に密着することで、フィルター部30と一つになるよう結合し固定される。その上部に設置された複数の空気穴52により、空気引導管40の空気道41内に進入した空気は各空気穴52から排出される。以上のように、お湯を迅速に液体空間61内に流入させる効果を達成することで、スムーズにお茶を入れることができる。本実施形態は、キャップ80の内側底面に
図4に示したような二つの凸柱83を設置する必要がない。
【0031】
図7に、前述の
図6に示した本発明のティーポットに関する連結部品50とキャップ80の第三実施形態を示す。
図6と異なる点は、連結部品50に対応するキャップ80の中空管体箇所に設けた通気穴84は、連結部品50の内部に連通しており、連結部品50上部の外側周囲面には空気穴を設けていないことである。キャップ80に設置した通気穴84によって、空気引導管40の空気道41内に進入した空気を、キャップ80の通気穴84から排出し、これと同様に、お湯を液体空間61内に迅速に流入させる効果を達成する。
【0032】
図8には、本発明の取手箇所70に関するもう一つの実施形態を示す。取手箇所70は同様に縦向延伸部73と持手部74を備える。縦向延伸部73は柱体であり、キャップ80の外側上面に結合し固定する。持手部74は縦向延伸部73上に結合し、球体を形成する。これによって、キャップ部100とフィルター部30を便利に取り出せるもう一つの方法を提供する。
【0033】
図9には、本発明の容器に関するもう一つの実施形態を示す。前述の実施形態との相違点は、瓶口部62は瓶口63箇所から下に向かって徐々に収縮している形状をなし、止め部64は内径の収縮した内壁面に設けられることにある。フィルター部30とキャップ部100を瓶口部62内に配置した時、フィルター部30は止め部64(即ち内径の収縮した内壁面)箇所で止められ、下への移動ができなくなり、キャップ80上の取手箇所70の持手部72はちょうど瓶口63の縁に支えられ圧する状態となる。これにより、前述した実施形態と同様の効果を達成する。
【0034】
前述したものは、本発明が提供する実施形態の説明に用いただけであり、決して本発明の実施形態の範囲を制限するものではない。本技術分野における関連技術者が本発明の内容に基づいてなされた修正や改変はすべて本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0035】
200 ティーポット
30 フィルター部
31 上固定体
311 流水区
312 環状突出縁
313 小穴
314 環状バネ
315 中間穴
32 ネット体
321 フィルター穴
322 環状弧形縁
323 中間穴
33 下固定体
331 溝
332 中間穴
333 流水区
40 空気引導管
41 空気道
42 制止部
43 おねじ
50 連結部品
51 めねじ
52 空気穴
60 容器
61 液体空間
62 瓶口部
63 瓶口
64 止め部
65 取手
67 注水部
70 取手箇所
71 縦向延伸部
72 持手部
73 縦向延伸部
74 持手部
80 キャップ
81 キャップ中間上部
811 環状隙間
82 キャップ外周縁
83 凸柱
831 嵌入溝
84 通気穴
90 連結部品
91 底面部
92 側面部
93 折曲部
94 貫通穴
95 めねじ
100 キャップ部
【要約】 (修正有)
【課題】注いお湯がフィルター部を通過する際、迅速に容器の液体空間内に流入するようにする。
【解決手段】容器、フィルター部、空気引導管、キャップ部、取手箇所を備え、キャップ部は連結部品とキャップとを備える。空気引導管と連結部品とを結合し、またキャップとフィルター部とを結合して固定し、取手箇所をキャップ部上に連結することで、取手箇所を手で持ってキャップ部とフィルター部とを移動できる。フィルター部は容器の瓶口部の止め部に引掛かり圧する状態で止まる。キャップと容器の瓶口部の内壁面との間に環状隙間を形成し、またキャップと容器の瓶口との間に下方にさがった注水部を形成し、空気引導管は容器の液体空間に連通する。お湯(水)をキャップ上に注ぐと、お湯はキャップに沿って下方に流れ、環状隙間からフィルター部を経て容器の液体空間へと流れ込み、空気を空気引導管から排出することにより、お湯が迅速に液体空間内に流入する。
【選択図】
図4