(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-18
(45)【発行日】2025-06-26
(54)【発明の名称】ゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/216 20140101AFI20250619BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20250619BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20250619BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20250619BHJP
H04M 1/72427 20210101ALI20250619BHJP
H04M 1/72454 20210101ALI20250619BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/52
A63F13/65
G06F3/0484
H04M1/72427
H04M1/72454
(21)【出願番号】P 2023069464
(22)【出願日】2023-04-20
(62)【分割の表示】P 2021150361の分割
【原出願日】2017-03-23
【審査請求日】2023-04-20
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2016139307
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 美司
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-122609(JP,A)
【文献】特開2010-81319(JP,A)
【文献】特開2015-46671(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105049587(CN,A)
【文献】特許第5662610(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第101986677(CN,A)
【文献】国際公開第2015/029130(WO,A1)
【文献】特許第4376504(JP,B2)
【文献】特開2012-169999(JP,A)
【文献】特許第6328671(JP,B2)
【文献】特開2013-32932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0072553(US,A1)
【文献】特許第5767998(JP,B2)
【文献】特開2004-242174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
G06F 3/048 - 3/04895
H04M 1/72 - 1/737
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット環境でダウンロードされるゲームプログラムとしてのアプリケーションを実行して行われるゲームに対してゲーム入力を行うための操作手段と、
データの送受信をする通信手段と、
種々の情報を表示する表示手段と、
GPS電波を受信することで携帯端末の位置情報を逐次に取得し、この取得した位置情報から移動速度を求める移動情報取得手段と、
複数の基準速度の分類を含み、前記分類ごとに異なる無効設定を行うために利用される分類データテーブルを格納する記憶手段と、
前記アプリケーションの実行中において、前記記憶手段に記憶された分類データテーブルを参照し、前記移動情報取得手段によって得られた前記移動速度が、前記分類のいずれの分類に属するかを判定し、前記分類データテーブルに基づいて、前記判定された前記分類の無効設定を実行する移動判定手段で、前記アプリケーションのゲーム画面の更新を制御する制御手段とを備えた前記携帯端末で実行されるゲーム制御方法であって、
前記移動判定手段により実行される前記無効設定は、前記アプリケーションの実行中に生成される前記ゲーム画面
において、前記ゲーム入力に関係するところの表示の
み更新を制限
し、前記ゲーム入力に関係しないところの表示は更新を制限しないことで、更なる前記ゲーム入力の欲求を助長させないように制御することを含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フューチャーフォン、スマートフォンおよびダブレットなどのデータ通信および通話が可能な通話機能又はテキスティング機能を備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フューチャーフォンに比べて表示する情報量が多く、利便性のよいアプリケーションの普及と画面のタッチ操作、例えばスワイプなどによる文字入力が容易なスマートフォンが、子供から高齢の大人までの広い範囲で普及している。また、利便性の良さからスマートフォンの利用者は、従来のような重要な要件を伝えるための手段以外に、気軽なコミュニケーション手段としてチャットをしたり、その時の気分を呟くだけのインスタント・メッセージを頻繁に送信したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、スマートフォンを利用する者の受信側の立場では、歩行中、自転車および自動車(以下、適宜に「車両」と称す)などの移動中に通話を要求する着信またはメールなどのメッセージを受信する頻度が非常に高くなっている。
【0005】
また、受信者は、送信者の機嫌を損なうことのないように、コミュニケーションの連続性を維持しようとする。そのため、受信者は、着信がある度に即時に受話またはメールを返信する傾向がある。すなわち、歩行中、自転車および自動車などによる移動中であるにも関わらず、受信者は、スマートフォンを操作している。したがって、移動中のスマートフォンの利用によって、歩行者同士、歩行者と車両の接触および車両同士の接触事故や脱輪などが発生する頻度も高くなっている。本発明は、このような人間の真理として、コミュニケーションの連続性が、受動的に作用して、移動中の通話やゲームの継続或いは返信メール文書やテキスティング文書の作成を携帯端末の使用者に強いていると言う点に着目したものである。歩行中の携帯電話の使用を制限しようという目的でなされた先願としては、特開2003-298690号に存在するが、歩行中の操作を制限しようとするものであって、上述したように第三者から受け取ったメールやSNS(Social Networking Service)による接触、電話或いは、ゲームプログラムに基づいて携帯端末の制御部が実行するインタラクティブな要素を有するゲームシナリオに対して、受動的に使用者が反応することそのものを制限するものではなかった。
【0006】
このような問題は、特に交通手段が発達し、往来に人が溢れるような国においては人命にかかわるような問題、例えば、足を踏み外して線路に落下する、そのため列車がストップして交通手段のダイヤが乱れる、或いは、自転車同士の衝突など、社会問題ともなっている。
【0007】
更に、別のスマートフォンの使い方としては、ソーシャルゲームとして使われている。
【0008】
なお、スマートフォンが発売される以前の携帯電話(フューチャーフォン)においては、車両での移動中の通話を制限する方法およびシステムが提案および実施されている。例えば、車両での移動中にドライバおよび同乗者の携帯電話に着信があると、GPS(Global positioning system)によって、着信時および所定時間(5秒後)経過後の2回分の位置を測定する。当該測定結果から移動距離および移動速度を算出し、受信者が車両での移動中であるか否か判定する。判定結果が移動中である場合、携帯電話を所定時間だけ鳴動させて着信を終了し、受信者が受話できないようにしている(特許文献1を参照)。
【0009】
しかしながら、従来の方法およびシステムでは、車両による移動中に鳴動によって着信が報知されると、コミュニケーションの連続性を維持しようとするドライバは、移動しながら、或いは急停車して携帯端末を操作する恐れがある。
【0010】
また、車両で移動する前にマニュアル操作によって携帯電話を鳴動させないように設定することも可能であるが、着信履歴を画面に残すようになっている。したがって、メールおよびチャットなどを頻繁に利用する者は、携帯電話が鳴動しない場合であっても、絶えず携帯電話の画面に表示される着信履歴を確認するので、移動中の安全性を損なう恐れがある。
【0011】
さらに、このようなシステムが携帯電話に初期設定されている場合、ドライバ以外の同乗者の携帯電話の通話および操作も制限されるといった不都合が生じる。
【0012】
また、上記特開2007-19674号公報の方式においては、GPSを利用するものであるので、GPSの精度の影響によるが歩きながらの移動やゆっくりと動く自転車のような車両の場合には、5秒という時間内で移動を精度よく検知できるかどうかが非常に難しい別の技術的課題が発生し得る。新幹線や自動車やバイク或いはバスなどで移動する場合には有用かもしれない。
【0013】
加えて、スマートフォンでゲームを行う場合、ゲームの終了時間と移動しなければならない契機とが一致しない、或いは、一致させることが難しく、携帯電話の使用者が停止した状態でゲームを行っていたが、動かなければならない状況にゲーム終了前に至ってしまうと、ゲームをしつつ移動せざるおえないことも生じてしまうと言った問題があった。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題を解消するゲーム制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、以下のような通話機能又はテキスティング機能、或いはゲーム端末としての機能を備えた携帯端末、及び、当該携帯端末にダウンロードされて実行されるゲームプログラム及びゲーム方法を提供する。
データ通信および通話可能な携帯端末であって、
通話およびデータの送受信をする第1通信手段と、
種々の情報を表示する表示手段と、
着信を報知する報知手段と、
前記携帯端末の移動を示す情報を取得する移動情報取得手段と、
前記移動情報取得手段によって取得した情報から前記携帯端末が移動しているか否かを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、着信又は受信を示す着信又は受信情報の表示を前記表示手段で非表示に設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、移動情報取得手段によって、携帯端末の移動を示す情報(例えば、位置、移動距離、移動速度および加速度など)を取得し、当該情報から携帯端末が移動しているか否かが移動判定手段によって判定される。判定結果が移動中である場合、表示手段への着信情報が非表示にされるとともに、報知手段の報知が無効設定される。すなわち、この状態で移動中に携帯端末に着信又は受信があった場合、通話を要求する着信およびメールなどの文字データの受信があったことを示す報知(例えば、報知音、バイブレーションおよびLEDなどの点灯)がされず、かつ、着信又は受信中であることを示す表示および着信があったことを示す文字や絵柄などの着信履歴を表示手段の画面に一切表示しない。したがって、受信側の携帯端末の所有者(受信者)は、移動中に携帯端末の着信又は受信に気を取られることなく安全に移動することができる。
【0017】
また、上記構成において、前記移動判定手段によって移動中であると判定された携帯端末に着信があった場合、前記制御手段は、送信側の端末に移動中を示すメッセージを前記制御手段が自動的自動音声又はメールにより返信することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、受信側の携帯端末の制御手段によって受話不可を示すメッセージ(例えば、メールまたは音声によるメッセージ)が送信側の端末に自動で送信されるので、送信者は、受信者が移動中であり、携帯端末を操作することができない状況にあることを知り得る。したがって、送信者は、受信側の携帯端末で受話されるか、あるいはメールの返信を受け取るまで送信操作を繰り返すことがないので、受信者は携帯端末への着信を気にすることなく安全に移動することができる。
【0019】
また、上記構成において、前記移動判定手段は、前記移動情報から求めた移動速度と予め決めた基準速度を比較し、当該移動速度が基準速度以下であるか否かを判定し、
前記制御手段は、前記移動速度が基準速度以下になった場合、当該基準速度以下での移動時間を計数し、当該計数された実時間が設定時間を超えるとき、前記表示手段による着信情報の非表示および報知手段による報知の無効設定を解除することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、例えば、車両による高速な移動から停止または降車後に徒歩によって携帯端末の所有者が移動を開始した場合、表示手段の非表示および報知の無効設定が自動で解除される。したがって、所有者は、マニュアル操作によって無効設定を解除する必要がない。
【0021】
また、上記構成において、着信時に受信した受信情報を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記表示手段での着信情報の非表示および報知の無効設定を解除したとき、前記記憶手段に記憶された着信情報に基づいて、移動中に着信があったことを示す情報を表示手段に表示することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、無効設定が解除されて携帯端末を通常通りの利用可能になった時点で、所有者は、表示手段の画面に表示される着信情報(例えば、文字または絵柄など)から移動中に着信があったことを知り得る。したがって、受信者は、送信者に速やかに返答することができる。
【0023】
また、上記構成において、前記携帯端末は、さらに以下の構成を備える、
指定した送受話手段と無線通信する第2通信手段を備え、
前記制御手段は、前記第2通信手段を介して指定した前記送受話手段と接続し、
前記送受話手段との接続を検知したとき、前記表示手段での着信情報の非表示の無効設定を解除することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、第2通信手段を介して指定した送受話手段、例えば、マイクとスピーカ機能を備え、ハンズフリー通話が可能なヘッドセット、カーオーディオまたはカーナビゲーションシステムによる車載型ハンズフリーを所有者が利用するとき、携帯端末を直接にマニュアル操作する必要のない音声通話や、音声入力を有効に利用することがきる。
【0025】
また、上記構成において、前記制御手段は、前記第2通信手段を介して前記送受話手段との接続を検知したとき、前記表示手段での着信又は受信情報の非表示を解除し、その後に前記第1通信手段によって他の携帯端末に表示手段の非表示を解除するための解除情報を送信することが好ましい。
【0026】
例えば、ハンズフリーでの通話を可能にする端末手段は、一般的に近距離無線、例えばBluetooth(登録商標)によって指定した携帯端末との接続に限定されるので、車両の同乗者が所持する他の携帯端末は、表示手段での着信表示が非表示にされるとともに、報知も無効設定される。しかしながら、この構成によれば、送受話手段と接続した携帯端末から同乗者の他の携帯端末に解除情報(解除キー)が送信されるので、受信した解除情報を他の携帯端末に入力することにより、車両での移動中であっても同乗者の携帯端末の利用に制限がかからず、通常通りに利用することができる。
【0027】
さらに、上記構成において、所定範囲内に存在する他の携帯端末と無線によりデータの送受信をする第3通信手段を備え、
前記制御手段は、前記第3通信手段によって接続可能な他の携帯端末に前記表示手段の非表示および報知の無効設定を解除するための解除情報を送信することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、同乗者の所有する携帯端末が第3通信手段(例えば、無線LAN)を備えている場合、複数の携帯端末と自動で相互接続が可能(すれ違い通信)となり、当該無線によって送受話手段と接続したドライバの携帯端末から他の同乗者の携帯端末に自動で解除情報が送信される。したがって、当該解除情報を他の携帯端末に入力することにより、車両での移動中であっても同乗者の携帯端末の利用に制限がかからず、通常通りに利用することができる。
また、次のような発明を提供する。
【0029】
通話又はメッセージデータの送受信をする第1通信手段と、
種々の情報を表示する表示手段と、
着信を報知する報知手段と、
前記携帯端末の移動を示す情報を取得する移動情報取得手段と、
前記移動情報取得手段によって取得した情報から前記携帯端末が移動しているか否かを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、着信を示す着信情報の表示を前記表示手段で非表示に設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とする通話機能又はテキスティング機能を備えた携帯端末を提供する。
さらに、次のような発明を提供する。
【0030】
前記移動判定手段によって判定される分類は移動中の前記携帯端末の移動速度に応じて複数予め設定されており、前記移動判定手段が判定した移動速度に対応する分類に対応づけられて記憶された、前記表示する機能を含む前記分類によって異なる無効設定するための機能を前記制御手段が無効設定することを特徴とする通話機能又はテキスティング機能を備えた携帯端末を提供することもできる。
【0031】
この場合、移動速度に応じた無効設定が行われるので、使用者の利便性を阻害抑制しつつ周りへの影響や危険性に応じて異なる設定を制御手段が制御できるのである。移動していているからといって、一律の機能を無効化してしまうと、使用しても問題がない場所である新幹線内で携帯端末が使用できなくなってしまうような問題を回避することができる。もし、歩行中のゲーム操作やテキスティングや通話を抑制するとすれば、使用者が本発明にあるような無効設定する機能を変更できないようにする必要があるが、その場合には、本発明は更に移動速度ごとに無効設定する機能を制限できるので、より有効なものとなる。
【0032】
本発明の携帯端末によれば、携帯端末の使用者が携帯端末を使用したいという欲求により受動的に操作をしてしまうような契機を抑制できるので、結果として、移動中の着信による携帯端末のマニュアル操作での利用を抑制することができる。
また、本発明は次のような発明も提供する。
(A)通話機能又はテキスティング機能及びゲームが実行可能な機能を備えた携帯端末で実行されるゲームプログラムあって、この携帯端末は、
通話又はメッセージデータの送受信をする通信手段と、
種々の情報を表示する表示手段と、
着信を報知する報知手段と、
前記携帯端末の移動を示す情報を取得する移動情報取得手段と、
前記移動情報取得手段によって取得した情報から前記携帯端末が移動しているか否かを判定する移動判定手段と、
ゲームを実行するための操作手段と、
ゲームプログラムを格納した記憶手段と、
前記移動判定手段によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、前記記憶手段に格納されたゲームプログラムによって実行されているゲーム画面に関わるゲーム履歴情報を記憶するとともに、そのゲームプログラムで実行されているゲームの前記表示手段への表示の更新を禁止又は非表示に設定する制御手段とを備え、
前記制御手段で制御される前記ゲームプログラムであり、このゲームプログラムを前記制御手段で実行することによって、以下の処理を実行する。
前記表示手段に表示するためのゲーム画面を生成する処理、
前記移動判定手段によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、前記記憶手段に格納されたゲームプログラムによって実行されているゲーム画面に関わるゲーム履歴情報を前記記憶手段に記憶するために生成する処理。
(B) 通話機能又はテキスティング機能及びゲームが実行可能な機能を備えた携帯端末にプレインストールされたプログラム及びダウンロードされたゲームプログラムなどのプログラムを実行するゲーム方法であって、
前記携帯端末の、通話又はメッセージデータの送受信をする通信手段によって、前記ゲームプログラムをダウンロードする処理と、
ダウンロードしたゲームプログラムを制御手段で実行し、前記制御手段に接続された操作手段によるゲーム操作に応じて、前記制御手段に接続された表示手段に種々のゲーム画面であって、更なる操作手段による操作を促す情報を表示する処理と、
前記携帯端末の移動を示す情報を取得し、前記携帯端末が移動しているか否かを判定した結果に応じて、前記携帯端末が移動していると判定された場合、前記表示手段に表示するためのゲーム画面の更新が禁止又は非表示とする一方、前記ゲーム画面に関わるゲーム履歴情報を記憶する処理。前記移動判定手段によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、前記記憶手段に格納されたゲームプログラムによって実行されているゲーム画面に関わるゲーム履歴情報を前記記憶手段に記憶するために生成する処理。
前記ゲーム履歴情報とは、前記表示画面に対して更なるゲーム入力を促すゲーム画面が移動を検知されて表示の更新がされなかったり、非表示とされたので、次にゲームを行う際に継続してゲームが可能なようにするための自動バックアップ用のデータである。
【0033】
更に以下の発明を提供する。
携帯端末機を備えるゲームプログラムにおいて、
該携帯端末機は、通信手段と、種々の情報を表示する表示手段と、前記携帯端末の移動を示す情報を取得する移動情報取得手段と、前記移動情報取得手段によって取得した情報から前記携帯端末が移動及び移動速度しているか否かを判定する移動判定手段と、ゲームを実行するための操作手段と、記憶手段と、前記各手段を制御する制御手段を備え、
当該ゲームプログラムは、前記携帯端末の前記制御手段に対して、前記記憶手段に記憶された状態で以下の処理を実行する。
前記移動判定手段によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、予め設定された前記携帯端末の移動速度の複数の分類の何れに該当するかに応じて、そのゲームプログラムで生成されゲーム入力を促す表示データを用いたゲーム画面の表示の更新を禁止又は非表示に設定抑制する処理を実行させる。
【0034】
また、上記発明において、前記複数の分類は、所定速度を有した第1の速度と、該第1の速度よりも速い第2の速度と、を含み、
当該ゲームプログラムは、前記制御手段に対して、以下の処理を実行する。
前記携帯端末の移動速度が前記第1の速度と判定された場合には前記ゲーム画面の更新を抑制し、
前記携帯端末の移動速度が前記第2の速度と判定された場合には移動中でもゲームが実行可能になるよう前記ゲーム画面の更新を抑制する制御を解除する。
【0035】
更に、通話機能又はテキスティング機能及びゲームが実行可能な機能を備えた携帯端末にプレインストールされたプログラム又はダウンロードされたゲームプログラムなどのプログラムを実行するゲーム制御方法であって、
前記携帯端末の、通話又はメッセージデータの送受信をする通信手段によって、前記ゲームプログラムをダウンロードする処理と、
ダウンロードしたゲームプログラムを制御手段で実行し、前記制御手段に接続された操作手段によるゲーム操作に応じて、前記制御手段に接続された表示手段に種々のゲーム画面であって、更なる操作手段による操作を促す情報を表示する処理と、
前記携帯端末の移動を示す情報を取得し、前記携帯端末が移動しているか否かを判定し、予め設定された前記携帯端末の移動速度の複数の分類の何れに該当するかに応じて、そのゲームプログラムで生成されゲーム入力を促す表示データを用いたゲーム画面の表示の更新が禁止又は非表示とする処理と、を備える。
【0036】
上記記載のゲーム制御方法であって、
前記複数の分類は、所定速度を有した第1の速度と、該第1の速度よりも速い第2の速度と、を含み、
前記制御手段は、
前記携帯端末の移動速度が前記第1の速度と判定された場合には前記ゲーム画面の更新を抑制し、
前記携帯端末の移動速度が前記第2の速度と判定された場合には移動中でもゲームが実行可能になるよう前記ゲーム画面の更新を抑制する制御を解除する。
【0037】
さらに別の変形例としては、移動しつつゲームを行わせないようにするための方策として、停止中又はそれに近い移動速度でないと、ゲーム結果に応じて付与されるゲームにおいて優位となるポイントが付与されなかったり、付与されるポイントが同じゲーム結果であっても少なくなるようにすることで、移動中のプレーを抑制することもできる。
【0038】
より具体的には、次のような構成を採用する。
【0039】
すなわち、携帯端末の制御部によって実行されるゲームプログラムにおいて、
該携帯端末は、通信部と、種々の情報を表示する表示部と、前記携帯端末の移動を示す情報を取得する移動情報の受信部と、前記移動情報の受信部によって取得した情報から前記携帯端末が移動及び移動速度しているか否かを判定する移動判定部と、ゲームを実行するための操作部と、記憶部と、前記各部を制御する制御部を備え、
当該ゲームプログラムは、前記携帯端末の前記制御部に対して、前記記憶部に記憶された状態で以下の処理を実行する。
【0040】
前記移動判定部によって前記携帯端末が移動していると判定された場合、予め設定された前記携帯端末の移動速度ごとに関連付けて記憶されたポイントデータを、判定された移動速度に応じて設定し、
前記ゲームプログラムで生成されゲーム入力を促す表示データが表示されて、前記操作部を用いてゲーム入力した結果に応じたポイント付与を前記移動速度に応じて異なるポイントデータを用いて実行させる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の携帯端末によれば、移動中の着信による携帯端末のマニュアル操作での利用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の携帯端末の通信形態を示す模式図である。
【
図3】本発明の移動中の携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【
図4】変形例の移動中の携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【
図5】変形例の携帯端末同士およびカーナビゲーションシステムとの接続状態を示す図ある。
【
図6】変形例のカーナビゲーションシステムを含む携帯端末間での解錠機能の設定処理を示す図である。
【
図7】変形例のゲームにおける移動速度に応じて異なる同じゲーム結果でも異なるポイントを付与する処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、本実施形態の図面では、携帯端末としてスマートフォンを例にとって説明するが、本発明の携帯端末はスマートフォンに限定されず、通話およびデータの送受信が可能であればよく、例えばフューチャーフォン、ダブレットなども含む。
【0044】
図1は、携帯端末の一実施形態を示すブロック図である。
携帯端末1は、アンテナ2、GPS受信部3、アンテナ4、通信部5、制御部6、記憶部7、操作部8、表示部9、音声コーデック部10、スピーカ11、マイクユニット12などから構成されている。さらに制御部6は、移動判定部13を備えている。以下、各構成について詳述する。また、制御部6には、図示しない時計部が接続されている。時計部は通常は水晶発振子を用いることが好ましい。操作部8は、電話番号を入力したり、通話ボタンを入力したり、テキスティングを行うためにメールなどを作成するなどの文字入力を行うために使用される。
【0045】
GPS受信部3は、アンテナ2で受信したGPS電波から位置情報を取得する。位置情報は、
図2に示すGPS衛星20からGPS電波で送られる緯度・経度の情報である。GPS受信部3は、制御部6の指示により位置情報を取得する。なお、GPS受信部3は、本発明の移動情報取得手段に相当する。
【0046】
通信部5は、第1通信部5A,第2通信部5Bおよび第3通信部5Cなどから構成されている。第1通信部5Aは、
図2に示すように、契約した通信キャリアの基地局30から受信する信号周波数を選択し、周波数変換行って増幅し、復調して受信データを制御部6に出力する。さらに、制御部6から出力された送信データを変調し、規定の周波数の搬送波として増幅し、アンテナ4から送信する。すなわち、本実施形態の携帯端末1は、制御部6の制御によって第1通信部5Aおよびアンテナ4を介して基地局30との通信を行うように構成されている。
【0047】
第2通信部5Bは、近距離無線によって同じ規格の第2通信部5Bを備えた携帯端末を含む各種端末と近距離無線によって相互通信を可能にする。第2通信部5Bとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)、IrDAなどのユニットが上げられる。また、本実施形態で接続する各端末として、例えば、ハンズフリー通話が可能なヘッドセット、カーオーディオまたはカーナビゲーションシステムによる車載型ハンズフリーなどが上がられる。なお、これら端末は、本発明の送受話手段に相当する。
【0048】
第3通信部5Cは、第2通信部5Bよりも通信距離が長く、他の携帯端末および無線LANのアクセスポイントと無線LAN通信を行う無線LANモジュールなどで構成されている。
【0049】
なお、第1通信部5A、第2通信部5Bおよび第3通信部5Cは、本発明の第1通信手段、第2通信手段および第3通信手段にそれぞれ相当する。
【0050】
制御部6は、携帯端末1に関連する一般的な制御、例えば音声処理、データ送受信処理、入力に関する処理、表示処理および特定機能の無効設定処理などを実行する。
【0051】
音声処理は、第1通信部5Aから出力された受信データを処理し、音声信号を音声コーデック部10に出力する。また、制御部6は、音声コーデック部10から出力された音声信号を送信データに変換し、第1通信部5Aに出力する。
【0052】
データ送受信処理は、電子メール、チャット、インスタント・メッセージ、インターネットなど種々のプログラム(アプリケーション)を実行し、自動で受信して記憶部に記憶されたデータを表示したり、メールなどの入力された文字データをデータ変換して送信したりする。
【0053】
入力に関する処理は、アプリケーションのホーム画面に戻すホームキー、音量ボタン、電源ボタンなどの物理キーからなる操作部8、タッチパネルの機能を有する表示部9からの入力情報に基づく、各種コマンドを各部に送信する。
【0054】
表示処理は、OS(Operating system)の表示、アプリケーションの表示などを表示部9に表示される情報の表示を行っている。
【0055】
なお、制御部6における特定の機能を無効設定する処理については、動作説明において詳述する。
【0056】
移動判定部13は、携帯端末1が移動開始および移動停止を判定する。換言すれば移動判定部13は、携帯端末1が移動中である否かを判定している。本実施例では、前記時計部を利用して、GPS受信部3によって逐次に取得される位置情報を逐次または所定の時間間隔で記憶部7の所定領域に一時的に記憶し、位置情報を所定の時間間隔ごとに読み出し、位置情報に含まれる位置座標から2点間の距離を求め、さらに当該距離と2点間の移動時間から実移動速度を求める。さらに、本実施例では、移動体に応じた移動速度に分類して予め記憶部7に記憶した基準速度と実移動速度を移動判定部13によって比較し、移動体を特定している。
【0057】
本実施形態の基準速度は、例えば歩行、自転車および自動車を含む車両による移動に分類されている。具体的には、18km/hは自転車の平均的な速度に該当する。一般的な自転車の移動速度は、16km/h~35km/hである。したがって、18km/h以上で走行している場合、つまり高速で移動する自転車も自動車に含めている。
【0058】
音声コーデック部10は、制御部6から出力された音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ11から音声を出力する。また、マイクユニット12から入力された音声をPCM信号にA/D変換し、制御部6に出力する。
【0059】
次に、携帯端末1における、特定の機能を無効設定する処置について、
図3に示すフローチャートに沿って詳述する。なお、本実施形態では、
図2に示すように、携帯端末1が、GPS衛星20から位置情報を取得するとともに、基地局30および公衆回線網40を介してセンターシステム50と接続可能に構成されている。また、本実施形態では、停止状態および歩行中には携帯端末1の全ての機能を利用できる場合を例にとって説明するが、歩行を移動とみなして、特定機能の利用を無効設定してもよい。
【0060】
先ず、携帯端末1は、高速移動していない状態とし、全ての機能が利用できる(ステップS10)。すなわち、電子メール、電話の着信音をスピーカによって鳴動したり、或いはバイブレータを振動したりすることで着信を報知可能な状態になっている。また、表示部9での情報表示、入力などが可能な状態になっている。
【0061】
制御部6は、GPS受信部3によって位置情報を逐次に受信して記憶部7の所定領域に一時的に記憶させている。また、移動判定部13が、所定の時間間隔(例えば5秒)ごとに、受信時の位置情報と5秒前の位置情報を記憶部7から読み出し、携帯端末1が移動を開始するか否かを判定している(ステップS20)。すなわち、2地点の位置情報(位置座標)から2点間の距離を求め、さらに当該距離と移動時間から実移動速度を求める。移動判定部13は、実移動速度が求まると、記憶部7に記憶された基準速度の分類テーブルを参照し、当該実移動速度がいずれの分類に属するかを判定する。
【0062】
判定結果が、停止または歩行中の分類に属し、高速な移動を開始していない場合、ステップS20の処理を繰り返す。判定結果が、高速移動の開始と判定した場合、携帯端末1の特定の機能を無効設定する(ステップS30)。すなわち、制御部6は、報知機能を無効にするとともに、表示機能の一部を無効に設定する。具体的には、電子メール、電話の着信音の鳴動、或いはバイブレータの振動によるこれら報知機能を無効に設定する。また、電話の着信による着信履歴、電子メールの着信を示す表示を表示部9の画面に一切させない非表示に設定する。
【0063】
すなわち、表示部9は、初期状態または最終操作時の画面を表示している。基準速度の分類テーブルには、各分類(歩行などの低速移動、又は、車での移動に対応した高速移動、新幹線などに対応した超高速移動とかの速度に対応した分類)に対応した無効設定をするための機能がそれぞれ異なるように対応付らえている。
【0064】
これによって、歩行中に無効設定する機能と高速移動中に無効設定する機能とを個別に変更することができる。例えば、18km/h~200km/h未満以下が高速移動として、前述したような表示機能の無効、報知機能の無効など全ての機能の無効化、場合によっては電源供給を無効化して全機能を停止するが、超高速移動としての200km/h以上の新幹線車内と想定されるような場合には、音声での報知機能を除いて他の機能を非無効設定としている。通常、自動車で200km/h以上を出すことは無いし、仮に、アウトバーン等で200km/hで走行しているとした場合、そのような超高速移動中に電話事態を入力操作するようなことはやらないであろうとの推定と、新幹線車内であれば電話ができたりメールができたり、ゲームが出来たりすることが使用者の欲求にマッチングするとの理由からである。つまり、移動中は全て同じ機能を無効設定するのではなく、移動速度に応じて無効設定する機能が予め記憶されたテーブルデータによって設定されているという構成を採用することで、移動速度に応じて分類される複数の分類ごとに対応付けられた無効設定する機能を制御手段が無効設定するのである。
【0065】
前述した無効にする機能としては、電源を遮断する、つまり、電源供給を無効とする無効設定も含まれる。本発明において仮に携帯端末としての機能の全てを無効とする場合には、電池の節約のためにも電源をOFFにするといった電源の無効設定をするメリットがある。
【0066】
さらに、前述した無効設定としては、アンテナ機能を無効設定するように構成することもできる。この場合には、自動的に、電話の着信とメールの受信の機能は無効設定されたのと同様となるが、メールの送信準備は行うことができる。よって、タッチパネルなどの入力手段である操作部8を能動的に使用しない限り、本発明の課題の欄で説明したような問題は発生しない。ここで使用者が携帯端末1を使用させられる間接的且つ受動的なトリガーは、メールを受信して受信したり、SNSでコミュニケーションを取るための第三者から接触があって、それへの返答を迫られたりすることが想定される。そして、上記トリガーに対して、電話を受信するかどうかといった行為に対しては、機能として無効化されているので、使用者が自ら能動的に携帯端末を使用しない限り問題は発生しない。
【0067】
次に、制御部6は、特定機能を無効設定された状態で、電話または電信メールなどの着信があるか否かをモニタしている(ステップS40)。着信がない場合、制御部6は、ステップS40の処理を繰り返し、着信の有無をモニタする。着信があった場合、制御部6は、着信情報を記憶部7に記憶する(ステップS50)。すなわち、携帯端末1が通常利用可能な状態のときに、表示部9の画面に表示される着信情報の全てを記憶部7に記憶する。着信情報は一般的なものであり、電話番号、メールアドレス、および電話または電子メールのアプリケーションを起動させるアイコンに着信回数を示す数字などである。着信情報の全ては、記憶部7に記憶されて、表示部9には移動と判定された状態では表示されない。
【0068】
このような状態のまま、移動判定部13は、自転車または車による高速な移動中であるか、または、高速移動を中止したか否かをモニタし続ける(ステップS60)。すなわち、移動判定部13は、移動開始の判定と同様に、携帯端末1の実移動速度を所定間隔ごとに求めて移動中であるか否かを判定している。すなわち、移動判定部13は、実移動速度が基準速度未満になり、かつ、予め決めた所定時間を経過したとき、停止または歩行中とみなし、移動中止と判定する。実移動速度が、基準値以上の場合は、移動中と判定する。
【0069】
ここで移動判定部13は、移動する速度を算出するようにしているが、本発明で重要なのは、第1には、後述するような加速度センサ3’等のセンサを用いて移動している状態を検知することが重要で、次に、第2には、移動速度に応じて分類し、その分類に応じた無効設定の制限をかけるという点である。例えば、本発明は、この分類に関しては、自らが自転車を操作したり、歩行したりする速度に分類(分類1)された場合には、無効設定を強く設定し(場合によっては、電源を自動的にOFFするなど、使用者が操作できるような機能を全て無効化してしまうような状態)、前記分類1よりも、速度が遅い(実質的に停止:分類2)場合には、全機能を有効化し、前記分類1よりも高速移動している場合(公共機関に載っているとか自動車を運転している)には、分類1よりも弱い無効設定として一部の機能を無効化するようにしている。
【0070】
移動判定部13が、移動中止と判定した場合、制御部6は、無効設定を解除する(ステップS70)。すなわち、制御部6は、通常機能の全てを利用可能にする。さらに、無効設定によって、表示部9の表示を禁止され着信情報であって、記憶部7に記憶された着信情報を通常通りに表示部9に表示させる。例えば、電話または電子メールのアイコンに着信回数を示す数字を重畳表示する。これらアイコンをクリックすることにより、各アプリケーションが起動し、電話の着信番号やメールの内容を確認することができる。以上で、一連の処理が終了する。
【0071】
また、記憶部7には、ソーシャルネットゲームが実行可能なゲームプログラムが格納されている。このような記憶部7はインターネット環境でダウンロードされるゲームプログラムでも良いし、カートリッジやメモリカードであっても良い。そして、このようなゲームプログラムを制御部6で実行して使用者がゲームを行っている状態であって、移動判定部13が移動していると判定した場合には、前記ゲームプログラムによって生成される表示データを前記表示部9に表示させないか、表示を更新させないように制御部6がゲームプログラムと共同して制御する。この場合、ステップS50において、着信情報が記憶部7に記憶されたと同様に、記憶部7にはゲームに関する表示が制限された状態のゲーム履歴が記憶される。そして、ステップS70において、制御部6が無効設定が解除すると、制御部6は、記憶部7に記憶されたゲーム履歴を参照して、無効化状態で進行していった更新されたゲーム表示画面、或いは、無効化状態でゲームが出来なかった状態からゲームが実行できる状態へ切り替える。このような更新されたゲーム画面には、カメラと連動して撮影画面にスーパーインポーズされたAR(Augmented Reality)技術を使ってデジタル画像によるキャラクタを合成表示するようなイメージのものが含まれる。
【0072】
この構成の携帯端末1によれば、携帯端末1が車両よって高速に移動している場合、表示部9での着信情報の非表示および報知機能が無効設定されるので、通話を要求する着信およびメールなどの文字データの受信があったことを示す報知がされず、かつ、着信があったことを示す文字や絵柄などの着信履歴を画面に一切表示しない。敢えてこのように特定機能を無効設定することにより、携帯端末1が着信なしの状態を仮想的に保つので、受信側の携帯端末の所有者は、移動中に携帯端末1の着信に気を取られることなく安全に移動することができる。また、ゲームを操作部8の操作により実行中の場合には、電車が駅に到着して移動せざるおえない状態となった場合、ゲーム画面が表示されないか、更新されない状態とすることで、移動中のゲームを行わせない、行いたくなるような欲求の彷彿を防止する。
【0073】
また、高速な移動が中止された時点で、表示部9の非表示および報知の無効設定が自動で解除されるので、所有者は、マニュアル操作によって無効設定を解除する必要がない。
【0074】
さらに、無効設定が解除されて携帯端末1が通常通りの利用可能になった時点で、所有者は、表示部9に自動で表示される着信情報によって、移動中に着信があったことを知り得る。したがって、受信者は、送信者に速やかに返答することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されず、以下の構成も開示している。
【0076】
(1)上記実施形態において、
図4に示すステップS40において、電話による着信があった場合、ステップS50において着信情報を記憶した後に、ステップS55で受話不可を示すメッセージを送信者に自動で返信するように構成してもよい。メッセージは、音声データまたは電子メールなど、いずれの形式であってもよい。例えば、制御部6は、電話帳に送信者の電話番号の登録があるか否か判定し、登録されている場合には、当該電話帳で電話番号と関連付けて登録されているメールアドレスを読み出す。さらに、制御部6は、予め登録されているメッセージをメール本文の欄に貼り付けて送信する。
【0077】
この構成によれば、受信側の携帯端末1の制御部6によって受話不可を示すメッセージが送信側の端末に自動で送信されるので、送信者は、受信者が移動中であり、携帯端末を操作することができない状況にあることを知り得る。したがって、送信者は、送信操作を繰り返さなくなる。
【0078】
(2)上記実施形態において、車両よる高速移動中であっても所定条件を満たす場合は、携帯端末1の特定機能の無効設定を解除するように構成してもよい。例えば、
図5に示すように、車両110にドライバおよび他に2名の同乗者のそれぞれが携帯端末1、1A、1Bを所有している場合、各携帯端末1、1A、1Bは、第2通信部5Bによって、カーナビゲーションシステム100に搭載の車載型ハンズフリーシステムと接続可能である。
【0079】
近距離無線によるハンズフリーシステムとの接続は、一般的に指定された1台の端末に限定される。したがって、本実施形態では、
図5に示すように、ドライバの携帯端末1とカーナビゲーションシステムとを接続した場合を例にとって、
図6に示す処理フローに沿って、車内の携帯端末1~1Bの特定機能の無効設定を解除する構成について詳述する。
【0080】
先ず、ドライバ所有の携帯端末1に所定の操作および設定をし、機種識別用のIDを含む接続リクエスト信号をカーナビゲーションシステム100に送信する。カーナビゲーションシステム100は、市場で流通している近距離無線機能を有する端末のリストを記憶部に記憶しており、当該リストに受信したIDが含まれるか否かの認証処理を実行する。同一IDがリストに含まれている場合、携帯端末1に認証許可信号を送信する。
【0081】
認証許可信号の受信とともにカーナビゲーションシステム100に接続された携帯端末1は、制御部6によって、特定機能の無効設定を解除するための解除情報(解錠キー)を生成する。さらに、制御部6は、生成した解除キーを同乗者の各携帯端末1A、1Bに送信する。なお、解除キーの送信は、携帯端末1の所有者のマニュアル操作によって電子メールで同乗者の各携帯端末1A、1Bに送信する。或いは、
図5の破線で示すように、携帯端末1を中心に所定範囲内で第3通信部5Cによって無線接続可能な携帯端末に自動で解除キーを送信してもよい(すれ違い通信)。
【0082】
携帯端末1A、1Bによって解錠キーが受信されると、各同乗者は、設定画面に解除キーを入力またはコピーし、解除キーによって特定機能の無効設定の解錠を有効化するための処理を開始する。以上で、同乗者の携帯端末1A、1Bにおける特定機能の無効設定の解除有効化の初期設定が完了する。
【0083】
初期設定後の所定時間内に移動判定部13によって移動開始の判定がされると、この時点で無効設定の解錠が有効化される。なお、初期設定と同時に特定機能の無効設定に移行しないようにしてもよい。
【0084】
以後、移動判定部13によって実移動速度がモニタされ、移動停止状態となり、さらに当該移動停止状態が予め決めた時間経過すると、無効設定の解錠有効化を終了させる。以上で一連の処理が完了する。
【0085】
この構成によれば、携帯端末1を直接にマニュアル操作する必要のない音声通話や、音声入力を、移動中に有効に利用することがきる。また、ドライバ以外の同乗者も通常通りに携帯端末を利用することができる。
【0086】
(3)上記実施形態では、移動開始および/又は移動中の判定を、移動速度を利用して行っていたが、加速度を利用して判定してもよい(
図1の一点鎖線を参照)。移動開始及び/又は移動中の判定を加速度センサ3’の利用により、加速度により判定するようにすれば、次のようなメリットがある。この場合、本発明における移動情報取得手段は、加速度センサが担当する。加速度センサ3’は、現在の携帯電話には常設されているセンサ3’であり、歩数計アプリケーションなどに利用される。又、携帯端末1には、他のセンサ3’としは、近接センサ、輝度センサ、ジャイロスコープが現在のスペックとして通常備わっている。
【0087】
GPSを用いることなく、加速度センサ3’で移動中であることを判定するメリットとしては、次のような点が掲げることができる。
【0088】
すなわち、(1)特に、歩行や自転車などのように、最大でも18km/h以下で移動するようなGPSでは、検知がリアルタイムで行うことが難しい。つまり、瞬時に移動しているかどうかの判定が難しいので、制御手段が無効設定すべき機能が無効になっているはずが無効になっていないことで、着信や受信がなされてしまう恐れがある。しかし、加速度センサ3’を採用することで、このような恐れを低減できる。勿論、GPSとの併用を行うことで、より移動判定部13の判定精度を向上するようにしても良い。
(2)GPSの場合には、人工衛星からの電波で携帯端末1の位置を確認するので、トンネル内などの電波の届かないところでは、反応しないと言った問題がある。もっとも、人工衛星の電波を受信できないということは、メールも受信しないし、通話も受信しないので、上述したような本発明の問題は発生しないようにも考えられるが、そのまま受信可能な位置まで移動した瞬間にメールや電話を受信してしまう可能性がある。加速度センサ3’を用いることで、このような問題は回避し得る。
【0089】
(変形例)
上記実施形態内で説明されているゲームを移動中行いたくなるような心理を彷彿させないように手段としては、ゲーム画面をゲーム入力がしたくなくならないように、ゲーム画面の表示の更新を部分的に変更するなどのゲーム入力に本質的に関係するところは変更を禁止したり、ゲーム画面自体を表示させないようにして課題を解消するようにしている。
しかしながら、このような手段の他に、移動しないでゲームを行った方が得られるポイントが高いように設定しても良い。
【0090】
この変形例の場合には、
図1の記憶部には、ゲームプログラムには、移動速度に応じて得られるポイント値を変更するための前述したような移動速度レンジに応じたゲーム勝敗などの各種ミッションに応じたポイント値が記憶されており、移動判定部13によって、移動しないでゲームが行われたと判定された場合には、最も高いポイントとなるポイント値が記憶部に記憶されたデータを参照して表示部に表示される。そして、移動速度が、例えば、18km/h~200km/h未満以下と判定部13で判定された場合には、得られるポイントをゼロとする。そして、超高速移動としての200km/h以上の新幹線車内と想定され、プレイヤがゲームをしていないような移動速度と判定部13で判定された場合には、移動しないでゲームが行われたと移動判定部13で判定された場合よりは、少ないポイントが得られるようにゲームプログラムを制御部6で実行することによって、ポイント取得量の制御が実行される。
【0091】
このようポイント取得量の制御が移動速度に応じて実行されるようにしているので、ゲームプレーヤは仮に表示部9に表示されるゲーム画面が、ゲームを行いたくなるように更新されたとしても、移動するのを止めて停止した後にゲーム入力を行うように誘引することができる。
【0092】
すなわち、制御部6が操作部8の操作によってゲームプログラムが実行されてゲームがスタート(S100)する。
【0093】
移動判定部13が移動を判定する(S200:YES)と、その移動速度が第一グループである静止状態に属するか、或いは、第二のグループである高速移動状態に属するか、又は、第三のグループである超高速移動に属するかを判定して(S300)、その判定したグループのポイントデータをセットする(S400)。このポイントデータは、記憶部7に記憶されている。
【0094】
前記ゲーム入力が操作部8によって行われ図示しないゲームフローに沿ってポイント付与が判定されると、前記セットされたポイントデータに基づいたポイント値が表示部9に表示される。
【0095】
すなわち、携帯端末機1の制御部6によって実行されるゲームプログラムにおいて、
該携帯端末機1は、通信部5と、種々の情報を表示する表示部9と、前記携帯端末機1の移動を示す情報を取得する移動情報の受信部3と、前記移動情報の受信部3によって取得した情報から前記携帯端末1が移動及び移動速度しているか否かを判定する移動判定部13と、ゲームを実行するための操作部8と、記憶部7と、前記各部を制御する制御部6を備え、
当該ゲームプログラムは、前記携帯端末1の前記制御部6に対して、前記記憶部7に記憶された状態で以下の処理を実行する。
【0096】
前記移動判定部13によって前記携帯端末1が移動していると判定された場合、予め設定された前記携帯端末1の移動速度ごとに関連付けて記憶されたポイントデータを、判定された移動速度に応じて設定し、
前記ゲームプログラムで生成されゲーム入力を促す表示データが表示されて、前記操作部を用いてゲーム入力した結果に応じたポイント付与を前記移動速度に応じて異なるポイントデータを用いて実行させる。
【0097】
移動速度が速くなれば、同じゲーム結果でも得られるポイントが少なくなるポイントデータを移動速度に対応して記憶部7に記憶してなる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、携帯端末を用いて、通話やメッセージの送受信を行う場合、或いはゲームを行う場合、携帯電話の使用者が移動中であることを判定して、携帯電話に更なる入力の欲求を助長させるトリガの表示を制限することで、歩きスマホと呼ばれる危険行為を回避するという目的で産業上の利用価値がある。
【符号の説明】
【0099】
1 携帯端末
3 GPS受信部
5 通信部
6 制御部
7 記憶部
9 表示部
11 スピーカ
12 マイクユニット
13 移動判定部