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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-18
(45)【発行日】2025-06-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20250619BHJP
【FI】
G06Q30/0601 306
G06Q30/0601 304
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024172966
(22)【出願日】2024-10-02
【審査請求日】2024-12-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503086499
【氏名又は名称】株式会社メタルワン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 匠
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-332142(JP,A)
【文献】特開2000-132596(JP,A)
【文献】特開2002-312649(JP,A)
【文献】特許第4087358(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データ及び第2注文データを取得する取得部であって、
前記第1組織は、第1注文側ユーザが属する第1注文側グループと、前記第1注文側ユーザとは異なる第2注文側ユーザが属する第2注文側グループとを含み、
前記第1注文データは、前記第1注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータを含み、
前記第2注文データは、前記第2注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータを含む、
取得部と、
前記流通経路に含まれる第2組織に前記第1注文データ及び前記第2注文データを送信する送信部と、
鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を前記第1注文側ユーザに対して関連付けることと鉄鋼の注文に関する第2注文側権限を前記第2注文側ユーザに対して関連付けることと、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を前記第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることとを実行可能な関連付部と、
前記第1注文データに関する操作を前記第1注文側権限に基づいて前記第1注文側ユーザから受け付けることと前記第1注文データに関する操作を前記第2注文側権限に基づいて前記第2注文側ユーザから受け付けることと、前記第2注文データに関する操作を前記第1注文側権限に基づいて前記第1注文側ユーザから受け付けることと、前記第2注文データに関する操作を前記第2注文側権限に基づいて前記第2注文側ユーザから受け付けることと、前記第1注文データ及び/又は前記第2注文データに関する操作を前記第1受注側権限に基づいて前記第1受注側ユーザから受け付けることとを実行可能な受付部と、
前記受付部が受け付けた操作に対応する処理を実行する実行部と、
を備え、
前記受付部が前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類は、前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類より少なく、
前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類は、前記受付部が前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類より少ない、情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作、及び前記受付部が前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、いずれも前記第1注文データに関する情報を閲覧する操作を含み、
前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記第1注文データの変更申請に関する操作を含み、
前記受付部が前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記第1注文データの変更申請に関する操作を含まない、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2組織は、前記第1受注側ユーザが属する第1受注側グループと、前記第1受注側ユーザとは異なる第2受注側ユーザが属する第2受注側グループとを含み、
前記関連付部は、鉄鋼の注文の受注に関する第2受注側権限を前記第2受注側ユーザに対してさらに関連付け、
前記受付部は、前記第1注文データに関する操作を前記第2受注側権限に基づいて前記第2受注側ユーザから受け付け、
前記受付部が前記第2受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類は、前記受付部が前記第1受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類より少ない、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1注文データは、前記第1受注側グループに対する鉄鋼の注文に関するデータを含み
前記第2注文データは、前記第2受注側グループに対する鉄鋼の注文に関するデータを含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記第2注文データに関する操作を前記第1受注側権限に基づいて前記第1受注側ユーザから受け付け、前記第2注文データに関する操作を前記第2受注側権限に基づいて前記第2受注側ユーザから受け付け、
前記受付部が前記第1受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類は、前記受付部が前記第2受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類より少ない、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部が前記第1受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作、及び前記受付部が前記第2受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、いずれも前記第1注文データに関する情報を閲覧する操作を含み、
前記受付部が前記第1受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記第1注文データの変更申請を承認する操作を含み、
前記受付部が前記第2受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記第1注文データの変更申請を承認する操作を含まない、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記流通経路は、前記第2組織と取引を行う他の組織をさらに含み、
前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記第1注文データの変更申請に関する操作を含み、
前記送信部は、前記変更申請に対応する他の変更申請に関する情報を前記他の組織のユーザの端末装置において表示するための情報をさらに送信し、
前記受付部が前記第1受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記他の変更申請が前記他の組織のユーザによって承認されることを条件に前記変更申請が承認されるように設定することを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記第1注文データの変更申請に関する操作を含み、
前記受付部が前記第1受注側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作は、前記変更申請の承認に関する操作を含み、
前記送信部は、前記変更申請が承認されたか否かを前記第1注文側ユーザの端末装置において表示するための情報をさらに送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記流通経路は、前記第2組織と取引を行う他の組織をさらに含み、
前記取得部は、前記第2組織から前記他の組織に対して行われた他の注文データの他の変更申請に関する承認状況情報をさらに取得し、
前記送信部は、前記承認状況情報に基づいて、前記他の変更申請が承認されたか否かを前記第1注文側ユーザの端末装置において表示するための情報をさらに送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記関連付部は、前記第1注文側権限が関連付けられた前記第1注文側ユーザの操作に基づいて、前記第1注文側権限と比較して実行可能な操作の種類が少ない他の権限を他のユーザにさらに関連付け、
前記受付部は、前記第1注文データに関する操作を前記他の権限に基づいて前記他のユーザからさらに受け付ける、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データ及び第2注文データを取得することであって、
前記第1組織は、第1注文側ユーザが属する第1注文側グループと、前記第1注文側ユーザとは異なる第2注文側ユーザが属する第2注文側グループとを含み、
前記第1注文データは、前記第1注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータを含み、
前記第2注文データは、前記第2注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータを含む、
第1注文データ及び第2注文データを取得することと、
前記流通経路に含まれる第2組織に前記第1注文データ及び前記第2注文データを送信することと、
鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を前記第1注文側ユーザに対して関連付けることと、鉄鋼の注文に関する第2注文側権限を前記第2注文側ユーザに対して関連付けることと、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を前記第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることと、
前記第1注文データに関する操作を前記第1注文側権限に基づいて前記第1注文側ユーザから受け付けることと、前記第1注文データに関する操作を前記第2注文側権限に基づいて前記第2注文側ユーザから受け付けることと、前記第2注文データに関する操作を前記第1注文側権限に基づいて前記第1注文側ユーザから受け付けることと、前記第2注文データに関する操作を前記第2注文側権限に基づいて前記第2注文側ユーザから受け付けることと、前記第1注文データ及び/又は前記第2注文データに関する操作を前記第1受注側権限に基づいて前記第1受注側ユーザから受け付けることと、
前記第1注文データ及び前記第2注文データに関して受け付けた操作に対応する処理を実行することと、
を実行させる情報処理方法であって、
前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類は、前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類より少なく、
前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類は、前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類より少ない、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データ及び第2注文データを取得する取得部であって、
前記第1組織は、第1注文側ユーザが属する第1注文側グループと、前記第1注文側ユーザとは異なる第2注文側ユーザが属する第2注文側グループとを含み、
前記第1注文データは、前記第1注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータを含み、
前記第2注文データは、前記第2注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータを含む、
取得部と、
前記流通経路に含まれる第2組織に前記第1注文データ及び前記第2注文データを送信する送信部と、
鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を前記第1注文側ユーザに対して関連付けることと、鉄鋼の注文に関する第2注文側権限を前記第2注文側ユーザに対して関連付けることと、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を前記第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることとを実行可能な関連付部と、
前記第1注文データに関する操作を前記第1注文側権限に基づいて前記第1注文側ユーザから受け付けることと、前記第1注文データに関する操作を前記第2注文側権限に基づいて前記第2注文側ユーザから受け付けることと、前記第2注文データに関する操作を前記第1注文側権限に基づいて前記第1注文側ユーザから受け付けることと、前記第2注文データに関する操作を前記第2注文側権限に基づいて前記第2注文側ユーザから受け付けることと、前記第1注文データ及び/又は前記第2注文データに関する操作を前記第1受注側権限に基づいて前記第1受注側ユーザから受け付けることとを実行可能な受付部と、
前記受付部が受け付けた操作に対応する処理を実行する実行部と、
をとして機能させるプログラムであって、
前記受付部が前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類は、前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第1注文データに関する操作の種類より少なく、
前記受付部が前記第1注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類は、前記受付部が前記第2注文側権限に基づいて受け付け可能な前記第2注文データに関する操作の種類より少ない、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数事業者が介在して商品を流通する流通環境において、購買事業者からの購入を望む商品に応じて、該商品の流通に関与する複数の事業者を柔軟に決定し、決定された複数の事業者の各業務を円滑に遂行させるとともに、流通工程の進捗を把握可能にする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4087358号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、流通を効率化することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得する取得部と、流通経路に含まれる第2組織に第1注文データを送信する送信部と、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付ける関連付部と、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付け、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付ける受付部と、受付部が受け付けた操作に対応する処理を実行する実行部と、を備える。
【0006】
本開示の他の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得することと、流通経路に含まれる第2組織に第1注文データを送信することと、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることと、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付けることと、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付けることと、受け付けた操作に対応する処理を実行することと、を実行させる。
【0007】
本開示の他の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得することと、流通経路に含まれる第2組織に第1注文データを送信することと、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることと、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付けることと、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付けることと、受け付けた操作に対応する処理を実行することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、流通を効率化することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るシステム1の概念図である。
図2】本実施形態に係るシステム1の機能構成の一例を説明するための図である。
図3】第1実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図4】第1実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図5】第1実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図6】第2実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図7】第2実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図8】第2実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図9】第3実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図10】第3実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図11】第4実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図12】第4実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図13】第5実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図14】第5実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図15】第6実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図16】第7実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図17】第7実施形態に係るシステム1の動作の一例を説明するための図である。
図18】本実施形態に係るシステム1の各装置のハードウェア構成の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。
【0011】
<1.概要>
鉄鋼の流通経路には複数の組織が含まれ得るため、コミュニケーションコストが増加しやすい。図1の組織Or1、組織Or2、組織Or3及び組織Or4は、鉄鋼の流通経路に含まれる複数の組織の一例である。組織Or1は、例えば、鉄鋼を利用した最終製品(例えば、自動車等)を生産する企業である。組織Or2は、組織Or1に対して商品を提供する企業であり、例えば部品メーカーや小売店等である。組織Or3は、組織Or2に対して商品を提供する企業であり、例えば、商社やコイルセンター等である。組織Or4は、組織Or3に対して商品を提供する企業であり、例えば製鉄事業者等である。このような状況では、組織Or1と組織Or2との間、組織Or2と組織Or3との間、及び組織Or3と組織Or4との間ではそれぞれが独立して、かつ異なる方式でコミュニケーションがとられ得るため、鉄鋼の流通が十分に効率化されない。
【0012】
また、鉄鋼の流通経路において、いずれかの組織の生産計画の変更等は、他の組織にその影響が伝播することがある。一例では、組織Or1が最終製品の生産数を増加させようとする場合には、組織Or1に商品を提供する組織Or2、組織Or2に商品を提供する組織Or3、及び組織Or3に商品を提供する組織Or4のいずれもが商品の生産数を増加させなければならない。他の一例では、組織Or1が最終製品の生産開始時期を早めようとする場合には、組織Or2、組織Or3及び組織Or4のいずれもが納期を早めなければならない。他の一例では、組織Or4の生産可能な材料が予定よりも少ない場合には、組織Or3、組織Or2及び組織Or1のいずれもが生産数を減少させなければならない。このように、鉄鋼の流通経路が長ければ長いほど、いずれかの組織による生産計画の変更は多くの他の組織に影響を与えうる。しかしながら、上述のように組織間でのコミュニケーションコストが大きい場合には、組織間での生産計画の調整が困難になり得る。
【0013】
本実施形態に係るシステム1(以下、単に「システム1」と称する)による効果の一例は、このような課題を解決することである。図1は、システム1の概念図を示す。システム1は、組織Or1~Or4と関与する。システム1は、情報処理装置2を備える。一実施形態において、情報処理装置2は、以下の(1-1)~(1-7)を実行する。
(1-1)組織Or1が行う鉄鋼の注文に関する注文データd1を取得する。
(1-2)組織Or2に注文データd1を送信する。
(1-3)鉄鋼の注文に関する注文側権限a1を組織Or1に属するユーザに対して関連付ける。
(1-4)鉄鋼の注文の受注に関する受注側権限b1を組織Or2に属するユーザに対して関連付ける。
(1-5)注文データd1に関する操作を注文側権限a1に基づいて組織Or1のユーザから受け付ける。
(1-6)注文データd1に関する操作を受注側権限b1に基づいて組織Or2のユーザから受け付ける。
(1-7)受け付けた操作に対応する処理を実行する。
【0014】
また、一実施形態において、情報処理装置2は、以下の(2-1)~(2-7)をさらに実行する。
(2-1)組織Or2が行う鉄鋼の注文に関する注文データd2を取得する。
(2-2)組織Or3に注文データd2を送信する。
(2-3)鉄鋼の注文に関する注文側権限a2を組織Or2に属するユーザに対して関連付ける。
(2-4)鉄鋼の注文の受注に関する受注側権限b2を組織Or3に属するユーザに対して関連付ける。
(2-5)注文データd2に関する操作を注文側権限a2に基づいて組織Or2のユーザから受け付ける。
(2-6)注文データd2に関する操作を受注側権限b2に基づいて組織Or3のユーザから受け付ける。
(2-7)受け付けた操作に対応する処理を実行する。
【0015】
また、一実施形態において、情報処理装置2は、以下の(3-1)~(3-7)をさらに実行する。
(3-1)組織Or3が行う鉄鋼の注文に関する注文データd3を取得する。
(3-2)組織Or4に注文データd3を送信する。
(3-3)鉄鋼の注文に関する注文側権限a3を組織Or3に属するユーザに対して関連付ける。
(3-4)鉄鋼の注文の受注に関する受注側権限b3を組織Or4に属するユーザに対して関連付ける。
(3-5)注文データd3に関する操作を注文側権限a3に基づいて組織Or3のユーザから受け付ける。
(3-6)注文データd3に関する操作を受注側権限b3に基づいて組織Or4のユーザから受け付ける。
(3-7)受け付けた操作に対応する処理を実行する。
【0016】
一実施形態において、情報処理装置2は、複数の組織間の注文データの送受信を制御する。これにより、当該複数の組織によるコミュニケーションが標準化される。その結果、コミュニケーションコストが削減され、生産計画の変更時の組織間の調整が容易になり得る。また、上述のとおり鉄鋼の流通には複数の組織が関与するが、この構成によれば、各組織に属するユーザは、自身に関連付けられた権限に基づいて注文データに関する操作を行うことができる。これにより、互いに異なる役割や立場を有する複数のユーザが共通のプラットフォームを利用することができるようになる。
【0017】
以下、図2~16を参照して、システム1の種々の態様について説明する。
【0018】
<2.機能構成>
図2を参照して、システム1の機能構成の一例について説明する。システム1は、情報処理装置2、注文側端末装置3a、第1受注側端末装置3b1、第2受注側端末装置3b2及び通信ネットワーク4を含む。情報処理装置2、注文側端末装置3a、第1受注側端末装置3b1及び第2受注側端末装置3b2は、通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に構成されている。
【0019】
以下、第1受注側端末装置3b1及び第2受注側端末装置3b2をまとめて称するとき、又はこれらを区別しないとき、これらを受注側端末装置3bと称する場合がある。また、注文側端末装置3a及び受注側端末装置3bをまとめて称するとき、又はこれらを区別しないとき、これらを端末装置3と称する場合がある。
【0020】
[端末装置3]
端末装置3は、対象者が使用する通信用装置である。端末装置3は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末及びウェアラブル端末等である。端末装置3は、入力インタフェース、出力インタフェース及び通信インタフェースを備える。
【0021】
入力インタフェースは、端末装置3がユーザからの入力を受け付けるためのインタフェースである。入力インタフェースは、タッチパネル、マイク、カメラ、キーボード及びマウス等であってよい。
【0022】
出力インタフェースは、画像及び音声等により情報をユーザに対して伝達するためのインタフェースである。出力インタフェースは、ディスプレイ(タッチパネルを兼ねる場合がある)及びスピーカー等である。
【0023】
通信インタフェースは、通信ネットワーク4を介した他の装置との通信を実現するためのインタフェースである。通信インタフェースは、無線通信インタフェースであってよく、有線通信インタフェースであってもよい。
【0024】
端末装置3は、例えばwebブラウザを介して情報処理装置2が提供するサービスにアクセスすることができてよく、専用のソフトウェアをインストールすることによって当該サービスにアクセスすることができてもよい。
【0025】
注文側端末装置3aは、注文側組織に属するユーザが使用する端末装置3である。第1受注側端末装置3b1は、注文側組織と直接的に取引する受注側組織に属するユーザが使用する端末装置3である。第2受注側端末装置3b2は、他の受注側組織を介して注文側組織と間接的に取引する受注側組織に属するユーザが使用する端末装置3である。図1を参照して例示すると、注文側端末装置3aは、組織Or1に属するユーザが使用する端末装置3である。また、第1受注側端末装置3b1は、例えば、組織Or2に属するユーザが使用する端末装置3である。また、第2受注側端末装置3b2は、例えば、組織Or3に属するユーザが使用する端末装置3である。
【0026】
なお、端末装置3は、注文側端末装置3a及び受注側端末装置3bのいずれとしても機能する場合がある(例えば、組織Or2に属するユーザが使用する端末装置3は、組織Or1との関係では第1受注側端末装置3b1として機能し、組織Or3との関係では注文側端末装置3aとして機能する)が、本実施形態では、説明の便宜上これらを区別して称する。
【0027】
[情報処理装置2]
情報処理装置2は、鉄鋼の流通を効率化するための処理を行う。一実施形態において、情報処理装置2は、端末装置3をクライアント装置とした場合におけるサーバ装置である。一実施形態において、情報処理装置2は、クラウドサーバ装置である。なお、情報処理装置2は、例えば、仮想的又は物理的な一以上のwebサーバ装置と、仮想的又は物理的な一以上のデータベースサーバ装置とを含む装置であってよい。
【0028】
情報処理装置2は、制御部10、記憶部12、ネットワークインタフェース部14及びバス16を備える。制御部10、記憶部12及びネットワークインタフェース部14は、バス16を介して電気的に接続されている。
【0029】
(制御部10)
制御部10は、後述する記憶部12が記憶する各種プログラムを実行することにより、取得部100、送信部102、関連付部104、受付部106及び実行部108として機能し得る。
【0030】
取得部100は、端末装置3から情報を取得し得る。送信部102は、端末装置3に対して各種情報を送信し得る。関連付部104は、注文データの操作に関する権限をユーザに関連付け得る。受付部106は、ユーザが端末装置3に対して入力した情報を受け付け得る。実行部108は、注文データに関する操作に応じた処理を実行し得る。
【0031】
以下、取得部100、送信部102、関連付部104、受付部106及び実行部108に基づいて実現され得る各種機能について説明する。なお、より具体的な実施形態については、図3-15を参照して後述する。
【0032】
一実施形態において、取得部100は、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織(一例では、図1の組織Or1)が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得する。送信部102は、流通経路に含まれる第2組織(一例では、図1の組織Or2)に第1注文データを送信する。関連付部104は、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付ける。また、関連付部104は、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付ける。受付部106は、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付ける。また、受付部106は、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付ける。実行部108は、受付部106が受け付けた操作に対応する処理を実行する。
【0033】
―注文側組織に関する機能―
一実施形態において、第1組織は、第1注文側ユーザが属する第1注文側グループ(一例では、組織Or1の所定の事業部)と、当該第1注文側ユーザとは異なる第2注文側ユーザが属する第2注文側グループ(一例では、組織Or1の他の事業部)とを含む。この場合において、関連付部104は、鉄鋼の注文に関する第2注文側権限を第2注文側ユーザに対してさらに関連付ける。受付部106は、第1注文データに関する操作を第2注文側権限に基づいて第2注文側ユーザから受け付ける。ただし、受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作より制限される。すなわち、第2注文側権限は、第1注文データとの関係では第1注文側権限より制限される。
【0034】
一実施形態において、第1注文データは、第1注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータである。取得部100は、第2注文側グループが行う鉄鋼の注文に関する第2注文データをさらに取得する。
【0035】
一実施形態において、受付部106は、第2注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付ける。また、受付部106は、第2注文データに関する操作を第2注文側権限に基づいて第2注文側ユーザから受け付ける。ただし、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作は、受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作より制限される。すなわち、第1注文側権限は、第2注文データとの関係では第2注文側権限より制限される。
【0036】
一実施形態において、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作、及び受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、いずれも第1注文データに関する情報を閲覧する操作を含む。これに対して、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含み、受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含まない。すなわち、第1注文側権限が関連付けられたユーザ及び第2注文側権限が関連付けられたユーザはいずれも第1注文データの閲覧はできるが、第1注文データの変更申請ができるのは第1注文側権限が関連付けられたユーザに限られる。
【0037】
以上の注文側組織に関する機能の具体例については、下記の図3-5及び図9-10を参照して後述する。
【0038】
―受注側組織に関する機能―
一実施形態において、第2組織は、第1受注側ユーザが属する第1受注側グループ(一例では、組織Or2の所定の事業部)と、第1受注側ユーザとは異なる第2受注側ユーザが属する第2受注側グループ(一例では、組織Or2の他の事業部)とを含む。この場合において、関連付部104は、鉄鋼の注文の受注に関する第2受注側権限を第2受注側ユーザに対してさらに関連付ける。受付部106は、第1注文データに関する操作を第2受注側権限に基づいて第2受注側ユーザから受け付ける。ただし、受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作より制限される。すなわち、第2受注側権限は、第1注文データとの関係では第1受注側権限より制限される。
【0039】
一実施形態において、第1注文データは、第1受注側グループに対する鉄鋼の注文に関するデータである。取得部100は、第2受注側グループに対する鉄鋼の注文に関する第2注文データをさらに取得する。
【0040】
一実施形態において、受付部106は、第2注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付け、第2注文データに関する操作を第2受注側権限に基づいて第2受注側ユーザから受け付ける。ただし、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作は、受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作より制限される。すなわち、第1受注側権限は、第2注文データとの関係では第2受注側権限より制限される。
【0041】
一実施形態において、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作、及び受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、いずれも第1注文データに関する情報を閲覧する操作を含む。これに対して、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請を承認する操作を含み、受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請を承認する操作を含まない。すなわち、第1受注側権限が関連付けられたユーザ及び第2受注側権限が関連付けられたユーザはいずれも第1注文データの閲覧はできるが、第1注文データの変更申請ができるのは第1受注側権限が関連付けられたユーザに限られる。
【0042】
以上の受注側組織に関する機能の具体例については、図6-10を参照して後述する。
【0043】
―変更申請に関する機能―
一実施形態において、流通経路は、第2組織と取引を行う他の組織(一例では、組織Or3)をさらに含む。受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含む。送信部102は、第1注文データの変更申請に対応する他の変更申請に関する情報を他の組織のユーザの端末装置において表示するための情報をさらに送信する。受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、当該他の変更申請が他の組織のユーザによって承認されることを条件に変更申請が承認されるように設定することを含む。具体例については、図15を参照して後述する。
【0044】
一実施形態において、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含む。受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、変更申請の承認に関する操作を含む。送信部102は、変更申請が承認されたか否かを第1注文側ユーザの端末装置において表示するための情報をさらに送信する。具体例については、図11-12を参照して後述する。
【0045】
一実施形態において、流通経路は、第2組織と取引を行う他の組織をさらに含む。取得部100は、第2組織から他の組織に対して行われた他の注文データの他の変更申請に関する承認状況情報をさらに取得する。送信部102は、承認状況情報に基づいて、他の変更申請が承認されたか否かを第1注文側ユーザの端末装置において表示するための情報をさらに送信する。具体例については、図13-14を参照して後述する。
【0046】
本開示において、情報を取得することは、その情報を制御部10において処理可能にすることを含む。情報を取得することは、例えば、その情報を他の装置から受信すること、所定の処理によりその情報を得ること、及びその情報を記憶部12から読み出すことと等であってよい。
【0047】
本開示において、ユーザに権限を関連付けることは、ユーザの識別情報(例えば、従業員ID等)に対して、権限又は当該権限を特定するための識別情報をデータベース上で関連付けて(紐づけて)記憶することを含む。
【0048】
本開示において、情報を生成することは、所定の処理により得られる情報を制御部10において処理可能にすることと、所定の処理により得られる情報を記憶部12に記憶することと少なくとも一方であってよい。
【0049】
本開示において、情報を決定することは、一以上の情報の中から少なくとも1つ選択することと、新たにその情報を生成することとの少なくとも一方であってよい。
【0050】
本開示において、情報を出力することは、情報を記憶部12に記憶することと、情報を他の装置に対して送信することと、その情報を音声又は映像により出力することとの少なくとも一方であってよい。
【0051】
本開示において、情報処理装置2の受付部106がユーザによる所定の操作を受け付け可能であることを、「ユーザが所定の操作を行うことができる」と表現する場合がある。
【0052】
(記憶部12)
記憶部12は、情報処理装置2が動作するための各種情報を記憶する。一実施形態において、記憶部12は、制御部10が実行するプログラムのほか、注文データ(注文に係る商品の、種類、数量、価格、納期、進行状況、出荷予定、出荷実績、変更履歴及び特記事項等を含む)、各組織に関する組織情報、各組織に含まれるグループに関するグループ情報、各組織に属するユーザに関するユーザ情報、各ユーザに関連付けられた権限に関する権限情報等を記憶する。
【0053】
(ネットワークインタフェース部14)
ネットワークインタフェース部14は、通信ネットワーク4を介した他の装置との通信を実現する。
【0054】
[通信ネットワーク4]
通信ネットワーク4は、情報処理装置2及び端末装置3の間の通信を実現する。一例では、通信ネットワーク4は、TCP/IPプロトコルに基づく通信を実現する。
【0055】
<3.動作>
(第1実施形態)
図3-5を参照して、第1実施形態に係るシステム1の動作の一例について説明する。図3は、第1実施形態に係るシステム1における組織、グループ、ユーザ、注文データ、権限、及び受け付け可能な操作の関係を示す概念図である。システム1は、注文側組織及び受注側組織と関与する。注文側組織の一例は、図1の組織Or1である。受注側組織の一例は、図1の組織Or2である。
【0056】
注文側組織は、第1注文側グループと、第2注文側グループとを含む。第1注文側グループには第1注文側ユーザが属する。第2注文側グループには第2注文側ユーザが属する。第1注文側ユーザには第1注文側権限が関連付けられている。第2注文側ユーザには第2注文側権限が関連付けられている。
【0057】
受注側組織には、第1受注側ユーザが属する。第1受注側ユーザには第1受注側権限が関連付けられている。
【0058】
一実施形態において、第1注文側グループは受注側組織に対して第1注文データを送信する。情報処理装置2は、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付ける。また、情報処理装置2は、第1注文データに関する操作を第2注文側権限に基づいて第2注文側ユーザから受け付ける。ここで、第2注文側権限に基づく第1注文データに関する操作は、第1注文側権限に基づく第1注文データに関する操作より制限される。一例では、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザは第1注文データの変更申請ができるが、第2注文側権限が関連付けられているにすぎない第2注文側ユーザは第1注文データの変更申請が制限される。なお、変更申請が制限されることは、変更申請ができないことと、例えば変更申請ができる項目が限定されることとのいずれであってもよい。
【0059】
一実施形態において、第2注文側グループは受注側組織に対して第2注文データを送信する。情報処理装置2は、第2注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付ける。また、情報処理装置2は、第2注文データに関する操作を第2注文側権限に基づいて第2注文側ユーザから受け付ける。ここで、第1注文側権限に基づく第2注文データに関する操作は、第2注文側権限に基づく第2注文データに関する操作より制限される。一例では、第2注文側権限が関連付けられた第2注文側ユーザは第2注文データの変更申請ができるが、第1注文側権限が関連付けられているにすぎない第1注文側ユーザは第1注文データの変更申請が制限される。
【0060】
なお、一実施形態において、「権限Aに基づく注文データに関する操作が権限Bに基づく当該注文データに関する操作より制限される」ことは、権限Aに基づいて当該注文データに関して行うことができる任意の操作を権限Bに基づいて行うことができ、かつ、権限Bに基づいて当該注文データに関して行うことができる一以上の操作の少なくとも一部は権限Aに基づいて行うことができないことであってよい。一実施形態において、「権限Aに基づく注文データに関する操作が権限Bに基づく当該注文データに関する操作より制限される」ことは、権限Aに基づいて当該注文データに関して行うことができる操作の種類が、権限Bに基づいて当該注文データに関して行うことができる操作の種類より少ないことであってよい。
【0061】
このように、注文側組織に属するユーザは、自身のグループが送信した注文データは制御できるが、他のグループが送信した注文データの制御は少なくとも部分的に制限され得る。
【0062】
一実施形態において、情報処理装置2は、第1注文データ及び第2注文データのそれぞれに関する操作を第1受注側ユーザから同じように受け付ける。
【0063】
図4は、第1注文側権限及び第2注文側権限のそれぞれに基づいて情報処理装置2が受け付け可能な操作の一例を示す。第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザは、例えば、第1注文データの照会、第1注文データの登録・変更申請、第1注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、第1注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、及び第1注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。これに対して、第2注文側権限が関連付けられた第2注文側ユーザは、例えば、第1注文データの照会、及び第1注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができるにすぎない。
【0064】
なお、受注側組織に属する第1受注側ユーザは、例えば、第1注文データの照会、第1注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、第1注文データの変更申請の棄却・承認、第1注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、第1注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、第1注文データに対応する出荷予定の閲覧、及び第1注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作を行うことができる。
【0065】
図5は、第1注文側権限及び第2注文側権限のそれぞれに基づいて情報処理装置2が受け付け可能な操作の他の一例を示す。第2注文側権限が関連付けられた第2注文側ユーザは、例えば、第2注文データの照会、第2注文データの登録・変更申請、第2注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、第2注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、及び第2注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。これに対して、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザは、例えば、第2注文データの照会、及び第2注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができるにすぎない。
【0066】
このような構成によれば、注文側組織に属する複数のユーザのそれぞれが制御可能な注文データの範囲を適切に管理することができる。これにより、例えば、自身のグループが送信した注文データに関しては操作の利便性を保ったまま、他のグループが送信した注文データを誤って操作してしまうことを防止することができる。
【0067】
(第2実施形態)
図6-8を参照して、第2実施形態に係るシステム1の動作の一例について説明する。図6は、第2実施形態に係るシステム1における組織、グループ、ユーザ、注文データ、権限、及び受け付け可能な操作の関係を示す概念図である。
【0068】
注文側組織には、第1注文側ユーザが属する。第1注文側ユーザには第1注文側権限が関連付けられている。
【0069】
受注側組織は、第1受注側グループと、第2受注側グループとを含む。第1受注側グループには第1受注側ユーザが属する。第2受注側グループには第2受注側ユーザが属する。第1受注側ユーザには第1受注側権限が関連付けられている。第2受注側ユーザには第2受注側権限が関連付けられている。
【0070】
一実施形態において、注文側組織は第1受注側グループに対して第1注文データを送信する。情報処理装置2は、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付ける。また、情報処理装置2は、第1注文データに関する操作を第2受注側権限に基づいて第2受注側ユーザから受け付ける。ここで、第2受注側権限に基づく第1注文データに関する操作は、第1受注側権限に基づく第1注文データに関する操作より制限される。一例では、第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザは第1注文データの変更申請を承認することができるが、第2受注側権限が関連付けられているにすぎない第2受注側ユーザは第1注文データの変更申請を承認することが制限される。なお、変更申請を承認することが制限されることは、変更申請を承認することができないことと、例えば変更申請を承認することができる項目が限定されることとのいずれであってもよい。
【0071】
一実施形態において、注文側組織は第2受注側グループに対して第2注文データを送信する。情報処理装置2は、第2注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付ける。また、情報処理装置2は、第2注文データに関する操作を第2受注側権限に基づいて第2受注側ユーザから受け付ける。ここで、第1受注側権限に基づく第2注文データに関する操作は、第2受注側権限に基づく第2注文データに関する操作より制限される。一例では、第2受注側権限が関連付けられた第2受注側ユーザは第2注文データの変更申請を承認することができるが、第1受注側権限が関連付けられているにすぎない第1受注側ユーザは第1注文データの変更申請を承認することが制限される。
【0072】
このように、受注側組織に属するユーザは、自身のグループに対して送信された注文データは制御できるが、他のグループに対して送信された注文データの制御は少なくとも部分的に制限され得る。
【0073】
一実施形態において、情報処理装置2は、第1注文データ及び第2注文データのそれぞれに関する操作を第1注文側ユーザから同じように受け付ける。
【0074】
図7は、第1受注側権限及び第2受注側権限のそれぞれに基づいて情報処理装置2が受け付け可能な操作の一例を示す。第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザは、例えば、第1注文データの照会、第1注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、第1注文データの変更申請の棄却・承認、第1注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、第1注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、第1注文データに対応する出荷予定の閲覧、及び第1注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作を行うことができる。これに対して、第2受注側権限が関連付けられた第2受注側ユーザは、例えば、第1注文データの照会、及び第1注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができるにすぎない。
【0075】
なお、注文側組織に属する第1注文側ユーザは、例えば、第1注文データの照会、第1注文データの登録・変更申請、第1注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、第1注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、及び第1注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。
【0076】
図8は、第1受注側権限及び第2受注側権限のそれぞれに基づいて情報処理装置2が受け付け可能な操作の他の一例を示す。第2受注側権限が関連付けられた第2受注側ユーザは、例えば、第2注文データの照会、第2注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、第2注文データの変更申請の棄却・承認、第2注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、第2注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、第2注文データに対応する出荷予定の閲覧、及び第2注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作を行うことができる。これに対して、第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザは、例えば、第2注文データの照会、及び第2注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができるにすぎない。
【0077】
このような構成によれば、受注側組織に属する複数のユーザのそれぞれが制御可能な注文データの範囲を適切に管理することができる。これにより、例えば、自身のグループが受信した注文データに関しては操作の利便性を保ったまま、他のグループが受信した注文データを誤って操作してしまうことを防止することができる。
【0078】
(第3実施形態)
図9-10を参照して、第3実施形態に係るシステム1の動作の一例について説明する。第3実施形態に係るシステム1は、第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれに係るシステム1を組み合わせた場合の一例である。
【0079】
図9は、第3実施形態に係るシステム1における組織、グループ、ユーザ及び権限の関係を示す概念図である。
【0080】
注文側組織は、第1注文側グループと、第2注文側グループとを含む。第1注文側グループには、第1注文側ユーザが属する。第2注文側グループには、第2注文側ユーザが属する。第1注文側ユーザには、第1注文側権限が関連付けられている。第2注文側ユーザには、第2注文側権限が関連付けられている。
【0081】
受注側組織は、第1受注側グループと、第2受注側グループとを含む。第1受注側グループには、第1受注側ユーザが属する。第2受注側グループには、第2受注側ユーザが属する。第1受注側ユーザには、第1受注側権限が関連付けられている。第2受注側ユーザには、第2受注側権限が関連付けられている。
【0082】
図10は、注文データが第1注文側グループから第1受注側グループへの注文に関するデータである場合において、情報処理装置2が、第1注文側権限、第2注文側権限、第1受注側権限及び第2受注側権限のそれぞれに基づいて受け付け可能な操作を示す図である。
【0083】
第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザは、例えば、注文データの照会、注文データの登録・変更申請、注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、及び注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。その一方で、例えば、注文データの変更申請の棄却・承認、注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、及び注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作は制限され得る。
【0084】
第2注文側権限が関連付けられた第2注文側ユーザは、例えば、注文データの照会、及び注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。その一方で、例えば、注文データの登録・変更申請、注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、注文データの変更申請の棄却・承認、注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、及び注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作は制限され得る。
【0085】
第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザは、例えば、注文データの照会、注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、注文データの変更申請の棄却・承認、注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、注文データに対応する出荷予定の閲覧及び注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作を行うことができる。その一方で、例えば、注文データの登録・変更申請等の操作は制限され得る。
【0086】
第2受注側権限が関連付けられた第2受注側ユーザは、例えば、注文データの照会、及び注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。その一方で、例えば、注文データの登録・変更申請、注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、注文データの変更申請の棄却・承認、注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、及び注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作は制限され得る。
【0087】
図10は、注文データが第1注文側グループから第1受注側グループへの注文に関するデータである場合に情報処理装置2が受け付け可能な操作について説明するものであったが、注文データが、(1)第1注文側グループから第2受注側グループへの注文に関するデータである場合、(2)第2注文側グループから第1受注側グループへの注文に関するデータである場合、及び(3)第2注文側グループから第2受注側グループへの注文に関するデータである場合についても同様に理解することができる。すなわち、(1)の場合には、図10の第1受注側権限に基づいて受け付け可能な操作と、第2受注側権限に基づいて受け付け可能な操作とが入れ替わり得る(図7-8の関係参照)。(2)の場合には、図10の第1注文側権限に基づいて受け付け可能な操作と、第2注文側権限に基づいて受け付け可能な操作とが入れ替わり得る(図4-5の関係参照)。(3)の場合には、図10の第1注文側権限に基づいて受け付け可能な操作と、第2注文側権限に基づいて受け付け可能な操作とが入れ替わり、第1受注側権限に基づいて受け付け可能な操作と、第2受注側権限に基づいて受け付け可能な操作とが入れ替わり得る。
【0088】
第3実施形態によると、各ユーザは、自身が属するグループからの注文データ、又は自身が属するグループへの注文データに対して、比較的強い権限を有すると言い得る。また、各ユーザは、自身が属する組織の、自身が属しないグループからの注文データ、又は自身が属する組織の、自身が属しないグループへの注文データに対して、比較的弱い権限を有するといえる。
【0089】
なお、注文データが所定の注文側組織から所定の受注側組織へのものである場合において、ユーザは、自身が当該所定の注文側組織及び当該所定の受注側組織のいずれにも属しない場合、当該注文データに対しては権限を有しなくてよい。このようなユーザは、例えば、注文データの照会、注文データの登録・変更申請、注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、注文データの変更申請の棄却・承認、注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、注文データに対応する出荷予定の閲覧、及び注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作が制限され得る。すなわち、ユーザは、自身とは関係のない組織の注文データに対してはアクセスすることができなくてよい。
【0090】
(第4実施形態)
図11-12を参照して、第4実施形態に係るシステム1の動作の一例について説明する。図11は、第4実施形態に係るシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。第4実施形態では、注文データの変更申請、及び当該変更申請の承認に関する動作について説明する。図12は、第4実施形態の注文側端末装置3aにおいて表示され得る情報の一例を示す図である。
【0091】
なお、第4実施形態においては、注文データは、注文側組織の第1注文側グループから受注側組織の第1受注側グループに対するものであるとする。また、注文側端末装置3aは、第1注文側グループに属し、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザによって使用されるものとする。また、受注側端末装置3bは、第1受注側グループに属し、第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザによって使用されるものとする。すなわち、第1注文側ユーザは、注文側端末装置3aを介して、図10の第1注文側権限に基づく操作を行うことができ、第1受注側ユーザは、受注側端末装置3bを介して図10の第1受注側権限に基づく操作を行うことができる。
【0092】
図11において、まず、注文側端末装置3aは、ユーザから入力された注文データを情報処理装置2に対して送信する(S100)。情報処理装置2は注文データを受信し、記憶部12に記憶しているデータベースに登録する(S102)。情報処理装置2は、次に、注文データが登録された旨の通知を受注側端末装置3bに対して送信する(S104)。これにより、受注側端末装置3bのユーザは、注文があったことを把握することができる。
【0093】
図12の表t1は、S100の直後において注文側端末装置3aに表示され得る情報の一例である。表t1には、注文ID(注文データの識別情報の一例)、注文側組織、受注側組織、規格(商品の種類の一例)、数量、納期、単価、変更申請の状況等が表示され得る。なお、表t1では2件のレコードを表示しているが、3件以上のレコードが表示されてもよい。また、第1注文側グループ及び第1受注側グループに関する情報がさらに表示されてもよい。
【0094】
図11に戻り、注文側端末装置3aは、注文データの変更申請の入力をユーザから受け付ける。一実施形態において、変更申請は、既に登録された注文データに含まれる情報の少なくとも一部を変更することに関する申請である。一例では、変更申請は、注文データに係る商品の、種類、数量、価格及び納期の少なくとも1つを変更することに関する申請である。この例では、ユーザは、既に登録された「注文ID」が「002」の注文データの「納期」を「Date2」から「Date3」に変更するための変更申請を入力するものとする。
【0095】
注文側端末装置3aは、ユーザから入力された注文データの変更申請を情報処理装置2に対して送信する(S106)。情報処理装置2は、注文データの変更申請があった旨の通知を受注側端末装置3bに対して送信する(S108)。当該通知は、変更申請の内容を含み得る。これにより、受注側端末装置3bのユーザは、注文データの変更申請があったこと、及びその内容を把握することができる。
【0096】
注文側端末装置3aは、注文データの変更申請を送信したことに基づいて、当該変更申請が承認待ちである旨を表示する(S110)。変更申請が承認待ちである旨を表示することの一例は、当該変更申請に係る注文データの表示要素を強調表示すること(例えば、ハイライト表示すること)等である。
【0097】
図12の表t2は、S110の直後において注文側端末装置3aに表示され得る情報の一例である。表t2において、変更申請に係る注文データ(注文IDが「002」の注文データ)の「納期」がハイライトで強調表示されている。また、変更申請に係る注文データの「納期」の列には、変更申請が仮に承認されたとした場合の日付(すなわち、「Date3」)が表示されている。また、変更申請に係る注文データの「変更申請」の列には「承認待ち」と表示されている。これにより、注文側端末装置3aのユーザは、自身が送信した変更申請の内容、及びその進捗を把握することができる。
【0098】
図11に戻り、受注側端末装置3bがユーザから変更申請の承認に関する操作を受け付けた場合(Alt上段)には、受注側端末装置3bは、その旨の情報を情報処理装置2に対して送信する(S112)。これに応じて、情報処理装置2は、注文データに含まれる情報の少なくとも一部を変更する(S114)。この際、情報処理装置2は、注文データに変更履歴を追加してよい。
【0099】
情報処理装置2は、次に、注文データの変更申請が承認された旨の通知を注文側端末装置3aに対して送信する(S116)。これに応じて、注文側端末装置3aは、変更申請が承認済みである旨を表示する(S118)。
【0100】
図12の表t3は、S118の直後において注文側端末装置3aに表示され得る情報の一例である。表t3において、変更申請に係る注文データ(注文IDが「002」の注文データ)の「変更申請」の列には「承認済み」と表示されている。また、変更申請に係る注文データの「納期」のハイライトが解除されている。これにより、注文側端末装置3aのユーザは、自身が送信した変更申請が承認されたことを把握することができる。
【0101】
図11に戻り、受注側端末装置3bがユーザから変更申請の棄却に関する操作を受け付けた場合(Alt下段)には、受注側端末装置3bは、その旨の情報を情報処理装置2に対して送信する(S120)。この場合、情報処理装置2は、注文データを変更しなくてよい。
【0102】
情報処理装置2は、次に、注文データの変更申請が棄却された旨の通知を注文側端末装置3aに対して送信する(S122)。これに応じて、注文側端末装置3aは、変更申請が棄却済みである旨を表示する(S124)。
【0103】
図12の表t4は、S124の直後において注文側端末装置3aに表示され得る情報の一例である。表t4において、変更申請に係る注文データ(注文IDが「002」の注文データ)の「変更申請」の列には「棄却済み」と表示されている。また、変更申請に係る注文データの「納期」のハイライトが解除されている。また、変更申請に係る注文データの「納期」の列には、元々の日付(すなわち、「Date2」)が表示されている。これにより、注文側端末装置3aのユーザは、自身が送信した変更申請が棄却されたことを把握することができる。
【0104】
第4実施形態では、注文データは、注文側組織の第1注文側グループから受注側組織の第1受注側グループに対するものであり、注文側端末装置3aは、第1注文側グループに属し、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザによって使用されるものであり、受注側端末装置3bは、第1受注側グループに属し、第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザによって使用されるものとして説明した。これ以外の場合に各ユーザが行うことができる操作は、第1実施形態~第3実施形態において説明した方法に基づいて制御され得る。一例では、注文データが第1注文側グループから第1受注側グループに対するものであり、かつ、注文側端末装置3aが第2注文側グループに属し、第2注文側権限が関連付けられた第2注文側ユーザによって使用される場合には、注文データの送信(S100参照)及び当該注文データの変更申請(S106参照)等の少なくともいずれかは受け付けが制限され得る。他の一例では、注文データが第1注文側グループから第1受注側グループに対するものであり、かつ、受注側端末装置3bが第2受注側グループに属し、第2受注側権限が関連付けられた第2受注側ユーザによって使用される場合には、注文データの変更申請があった旨の通知の閲覧(S108参照)及び当該注文データの変更申請の承認(S112参照)等の少なくともいずれかは受け付けが制限され得る。
【0105】
(第5実施形態)
図13-14を参照して、第5実施形態に係るシステム1の動作の一例について説明する。図13は、第5実施形態において想定する注文側組織、第1受注側組織及び第2受注側組織の関係を示す図である。
【0106】
注文側組織のユーザには、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データを操作するための第1注文側権限が関連付けられている。したがって、注文側組織のユーザは、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データに関しては、図10において示した第1注文側権限に基づく操作を行うことができる。
【0107】
第1受注側組織のユーザには、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データを操作するための第1注文側権限が関連付けられている。したがって、第1受注側組織のユーザは、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データに関しては、図10において示した第1受注側権限に基づく操作を行うことができる。また、第1受注側組織のユーザには、第1受注側組織から第2受注側組織に対する注文データを操作するための第1注文側権限が関連付けられている。したがって、第1受注側組織のユーザは、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データに関しては、図10において示した第1注文側権限に基づく操作を行うことができる。すなわち、第1受注側組織のユーザは、注文側組織との関係では受注側としての権限を有し、第2受注側組織との関係では注文側としての権限を有する。
【0108】
第2受注側組織のユーザには、第1受注側組織から第2受注側組織に対する注文データを操作するための第1受注側権限が関連付けられている。したがって、第2受注側組織のユーザは、第1受注側組織から第2受注側組織に対する注文データに関しては、図10において示した第1受注側権限に基づく操作を行うことができる。
【0109】
図14は、第5実施形態に係るシステムを示すシーケンス図である。第5実施形態では、注文データの変更申請の承認状況を詳細に表示する例について説明する。
【0110】
なお、第5実施形態においては、注文側端末装置3aは、図13において例示して注文側組織のユーザが使用するものとする。また、第1受注側端末装置3b1は、図13において例示して第1受注側組織のユーザが使用するものとする。また、第2受注側端末装置3b2は、図13において例示して第2受注側組織のユーザが使用するものとする。
【0111】
まず、注文側端末装置3aは、注文側組織から第1受注側組織への注文データを情報処理装置2に対して送信する(S200)。情報処理装置2は、この注文データをデータベースに登録し(S202)、第1受注側端末装置3b1に対して注文があった旨の通知を送信する(S204)。
【0112】
次に、第1受注側端末装置3b1は、第1受注側組織から第2受注側組織への注文データを情報処理装置2に対して送信する(S206)。情報処理装置2は、この注文データをデータベースに登録し(S207)、第2受注側端末装置3b2に対して注文があった旨の通知を送信する(S208)。
【0113】
次に、注文側端末装置3aは、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データの第1変更申請を情報処理装置2に対して送信する(S210)。注文側端末装置3aは、これに伴い、第1変更申請が第1受注側組織の承認待ちである旨の情報を表示する(S212)。情報処理装置2は、第1変更申請があった旨の通知を第1受注側端末装置3b1に対して送信する(S214)。
【0114】
第1受注側端末装置3b1は、第1受注側組織から第2受注側組織に対する注文データの第2変更申請を情報処理装置2に対して送信する(S216)。第2変更申請を受信した情報処理装置2は、その旨の通知を注文側端末装置3a及び第2受注側端末装置3b2に対して送信する(S218、S220)。注文側端末装置3aは、これに伴い、第2変更申請が第2受注側組織の承認待ちである旨の情報を表示する(S222)。
【0115】
第2受注側端末装置3b2は、第2変更申請の承認に関する操作を受け付け、その旨の情報を情報処理装置2に対して送信する(S224)。情報処理装置2は、第2変更申請が承認された旨の通知を第1受注側端末装置3b1に対して送信する(S226)。注文側端末装置3aは、これに応じて、第1変更申請が第1受注側組織の承認待ちである旨の情報に表示を戻す(S228)。
【0116】
その後は、図11のステップS112~ステップS124において説明した処理と同様に、第1変更申請は第1受注側組織のユーザによって承認又は棄却され、その旨が注文側端末装置3aにおいて表示され得る。
【0117】
このような構成によれば、注文側組織のユーザは、変更申請がどのような状況(進捗)にあるかを詳細に把握することができる。
【0118】
なお、第5実施形態では説明の便宜上、各ユーザが各組織において属するグループについては説明を省略したが、各ユーザが行うことができる操作は、第1実施形態~第3実施形態において説明した方法に基づいて制御され得る。
【0119】
(第6実施形態)
図15は、第6実施形態に係るシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。第5実施形態では、第2受注側組織のユーザが第2変更申請を承認した後、第1受注側組織のユーザが第1変更申請を承認する例について説明した。第6実施形態では、第2受注側組織のユーザが第2変更申請を承認することを条件に第1変更申請が自動的に承認される例について説明する。第6実施形態では、第5実施形態との相違点について主に説明する。
【0120】
発注側組織から第1注文側組織に対する注文データの第1変更申請があった旨の通知を情報処理装置2が第1受注側端末装置3b1に対して送信(S314)した後、第1受注側端末装置3b1は、条件付き承認に関する操作を受け付ける。一実施形態において、条件付き承認は、第1受注側組織から第2受注側組織に対する第2変更申請が当該第2受注側組織に属するユーザによって承認されることを条件に、第1変更申請が承認されるように設定する操作を含む。
【0121】
第1受注側端末装置3b1は、条件付き承認に関する操作を受け付けた旨の情報、及び第2変更申請を情報処理装置2に対して送信する(S316)。ここで、第2変更申請は、注文側組織から第1受注側組織に対する注文データ(S300参照)、及び当該注文データの第1変更申請(S310参照)の少なくとも一方に関連付けて行われ得る。すなわち、情報処理装置2は、第2変更申請が、第1変更申請に係る注文データと関連性があることを把握し得る。一例では、第1変更申請は、自動車の生産台数の変更に関する申請であり、第2変更申請は、当該生産台数の変更にともなう鋼帯(コイル)の生産数の変更に関する申請であってよい。
【0122】
情報処理装置2は、第2変更申請があった旨の通知を第2受注側端末装置3b2に対して送信する(S318)。また、情報処理装置2は、第2変更申請を受け付けた旨、及び条件付き承認に関する操作を受け付けた旨の通知を注文側端末装置3aに対して送信する(S320)。
【0123】
第2受注側組織に属するユーザによって第2変更申請の承認があった場合には、第2受注側端末装置3b2は、その旨の情報を情報処理装置2に対して送信する(S324)。情報処理装置2はステップS316において条件付き承認に関する操作を受け付けているため、第2変更申請が承認されたことに基づいて、第1変更申請が承認されたものとして扱う。情報処理装置2は、第1変更申請が承認された旨の通知を注文側端末装置3aに対して送信する(S326)。これに応じて、注文側端末装置3aは、第1変更申請が承認済みである旨の情報を表示する(S328)。
【0124】
例えば、第1受注側組織としては、仮に発注側組織から注文データの変更申請を受けたとしても、自身に対して商品を納入する第2受注側組織と調整をしなければ当該変更申請に対して承認すべきか棄却すべきか判断できない場合がある。この構成によれば、第1受注側組織は、第2受注側組織による承認があることを条件に発注側組織からの変更申請が承認されるように設定することができる。これにより、変更申請が承認又は棄却されるまでのリードタイムを短縮することができる。結果として、複数の組織間での生産計画の変更を円滑に進めることができる。
【0125】
(第7実施形態)
上記実施形態において、第1注文側ユーザ、第2注文側ユーザ、第1受注側ユーザ及び第2受注側ユーザのそれぞれに対して、第1注文側権限、第2注文側権限、第1受注側権限及び第2受注側権限が関連付けられる例について説明したが、権限の種類はこれらに限られない。システム1において、組織(上記実施形態における注文側組織又は受注側組織であってよく、注文側組織及び受注側組織とは異なる他の組織であってもよい)に属するユーザには、業務代行権限が関連付けられ得る。以下、業務代行権限が関連付けられるユーザを「業務代行ユーザ」と称する。
【0126】
一実施形態において、業務代行権限は、注文側組織に属するユーザによって業務代行ユーザに関連付けられ得る。一例では、第1注文側ユーザは、自身の注文側端末装置3aを使用して業務代行ユーザに業務代行権限を関連付ける操作を実行し、情報処理装置2は当該操作を受け付けてよい。
【0127】
一実施形態において、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザは、第1注文側権限と同等又はそれより制限される業務代行権限を業務代行ユーザに関連付けることができる。同様に、第2注文側権限が関連付けられた第2注文側ユーザは、第2注文側権限と同等又はそれより制限される業務代行権限を業務代行ユーザに関連付けることができる。一実施形態において、第1受注側権限が関連付けられた第1受注側ユーザは、第1受注側権限と同等又はそれより制限される業務代行権限を業務代行ユーザに関連付けることができる。同様に、第2受注側権限が関連付けられた第2受注側ユーザは、第2受注側権限と同等又はそれより制限される業務代行権限を業務代行ユーザに関連付けることができる。
【0128】
図16-17を参照して、業務代行権限の一例について説明する。図16は、注文データが第1注文側グループから第1受注側グループへの注文に関するデータである場合における、第1注文側権限、第2注文側権限及び業務代行権限のそれぞれに基づいて情報処理装置2が受け付け可能な操作の一例を示す図である。この例では、業務代行権限は、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザによって、業務代行ユーザに関連付けられたものとする。
【0129】
第1注文側権限及び第2注文側権限に基づいて受け付け可能な操作は図10を参照して説明したとおりであってよいから、以下では説明を省略する。業務代行権限が関連付けられた業務代行ユーザは、例えば、注文データの照会、注文データの登録・変更申請、注文データの登録通知・変更申請通知の閲覧、注文データの変更申請の棄却通知の閲覧、及び注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。その一方で、例えば、注文データの変更申請の棄却・承認、注文データに対応する出荷予定の登録・変更申請、及び注文データに対応する請求区分の登録・変更申請等の操作は制限され得る。すなわち、第1注文側グループから第1受注側グループへ注文データに関しては、業務代行権限は、第1注文側権限と同等の権限であるといえる。
【0130】
図17は、注文データが第2注文側グループから第1受注側グループへの注文に関するデータである場合における、第1注文側権限、第2注文側権限及び業務代行権限のそれぞれに基づいて情報処理装置2が受け付け可能な操作の一例を示す図である。この例においても、業務代行権限は、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザによって、業務代行ユーザに関連付けられたものとする。
【0131】
この例では、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザは、例えば、第2注文データの照会、及び第2注文データに対応する出荷予定の閲覧等の操作を行うことができる。一方で、業務代行権限が関連付けられた業務代行ユーザは、いずれの操作も制限され得る。すなわち、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザから業務代行権限が関連付けられた業務代行ユーザは、第2注文側グループからの注文データには(閲覧を含むて)関与することができない。この点において、第2注文側グループから第1受注側グループへ注文データに関して、業務代行権限は、第1注文側権限より制限されているといえる。
【0132】
このような構成によれば、より柔軟で効率的な流通を実現することができる。また、業務代行権限は、その付与元となるユーザに関連付けられた権限と同等またはこれより制限されるから、安全に取引を行うことができる。
【0133】
<4.ハードウェア構成>
図18を参照して、上述してきたシステム1に含まれる装置をコンピュータ70により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0134】
図18に示すように、コンピュータ70は、プロセッサ700と、記憶装置702と、入力I/F704と、データI/F706と、通信I/F708、及び表示装置710を含む。
【0135】
プロセッサ700は、記憶装置702に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ70における様々な処理を制御する。例えば、情報処理装置2の制御部10が備える各機能部等は、記憶装置702に記憶されたプログラムを、プロセッサ700が実行することにより実現可能である。
【0136】
記憶装置702は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。RAMは、プロセッサ700によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0137】
記憶装置702は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置702は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。この他、記憶装置702は、各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じて記憶装置702にロードされることにより、プロセッサ700から参照される。
【0138】
入力I/F704は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F704の具体例としては、カメラ、ボタン、マイク、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F704は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ70に接続されてもよい。
【0139】
データI/F706は、コンピュータ70の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F706の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F706は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F706は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ70へと接続される。
【0140】
通信I/F708は、コンピュータ70の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク4を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F708は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F708は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ70に接続される。
【0141】
表示装置710は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置710の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置710は、コンピュータ70の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置710は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ70に接続される。また、入力I/F704としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置710は、入力I/F704と一体化して構成することが可能である。
【0142】
また、上記実施の形態で記載されたシステム1に含まれる装置が備える構成要素は、記憶装置702に格納されたプログラムがプロセッサ700によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」等とも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0143】
<5.変形例>
以上説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0144】
鉄鋼の流通経路は枝分かれし得る。例えば、図1の組織Or1は、組織Or2及び組織Or3と直接取引し、組織Or2は組織Or3と直接取引し得る。この例では、組織Or1は組織Or2及び組織Or3との関係では注文側組織に相当する。また、組織Or2は組織Or1との関係では受注側組織に相当し、組織Or3との関係では注文側組織に相当し得る。
【0145】
注文側権限及び受注側権限のそれぞれに基づいて実行可能な操作は、注文側組織と受注側組織との間の関係に基づいて決定され得る。例えば、図1の組織Or1から組織Or2に対する注文データに関して組織Or1に属するユーザに関連付けられる注文側権限は、図1の組織Or1から組織Or3に対する注文データに関して組織Or1に属するユーザに関連付けられる注文側権限より強くてよい。
【0146】
組織は、複数の人間により構成される集団であってよい。組織は、例えば、企業、企業に含まれる部署、部署に含まれる課、及び課に含まれるチーム等のいずれであってもよい。
【0147】
上記実施形態(特に図15、第6実施形態)において、条件付き承認に関する操作は、第2変更申請が第2受注側組織のユーザによって承認されることを条件に第1変更申請が承認されるように設定することであると説明したが、これに限られない。第1変更申請が承認されるための条件は、第2変更申請が承認されること以外の条件であってもよい。一実施形態において、第1変更申請が承認されるための条件は、第1変更申請に係る変更内容が、当該第1変更申請が自動的に承認されるための所定の閾値以下であることであってよい。第1変更申請に係る変更内容が所定の閾値以下であることの一例は、第1変更申請に係る納期の変更が3営業日以内であることである。第1変更申請に係る変更内容が所定の閾値以下であることの他の一例は、第1変更申請に係る納品数の変更が、当初予定されていた納品数の5%以内であることである。
【0148】
上記実施形態において、注文側組織と第1受注側組織との間の注文データ、及び第1受注側組織と第2受注側組織との間の注文データは、少なくとも一部が共通のフォーマットであってよい。この構成によれば、鉄鋼の流通経路に含まれる複数の組織間でのコミュニケーションがより円滑になり得る。
【0149】
上記実施形態において、組織に属するユーザに関連付けられる権限(例えば、第1注文側権限等)は、ユーザ個人に対して直接的に関連付けられてよく、ユーザが属するグループを介して間接的に関連付けられてもよい。ユーザが属するグループを介して間接的に権限が関連付けられる場合、当該グループに属する他のユーザに対しても同様の権限が関連付けられ得る。
【0150】
上記実施形態において、システム1は、周知技術に基づく種々の機能(例えば、ユーザ登録機能等)をさらに備えてよい。
【0151】
上記実施形態において、情報処理装置2があるユーザからの注文データに関する操作を受け付けることは、当該注文データの操作を行うためのユーザインタフェースや表示要素(一例では、ボタンやテキストボックス)等を当該ユーザが使用する端末装置3において表示するための情報を送信することであってよく、当該ユーザが使用する端末装置3において入力された操作に関する情報を受信することであってよく、当該ユーザが使用する端末装置3において入力された操作に関する情報を記憶部12のデータベースに記憶することであってもよい。また、情報処理装置2があるユーザからの注文データに関する操作を受け付けないことは、当該注文データの操作を行うためのユーザインタフェースや表示要素等を当該ユーザが使用する端末装置3において表示するための情報を送信しないことであってよく、当該ユーザが使用する端末装置3において入力された操作に関する情報を受信しない(又は、受信したとしても破棄する)ことであってよく、当該ユーザが使用する端末装置3において入力された操作に関する情報を記憶部12のデータベースに記憶しないことであってもよい。
【0152】
システム1は、鉄鋼以外の資材(例えば、アルミ及び樹脂等)の流通を効率化するためにも使用し得る。
【0153】
<6.構成例>
本開示は、以下の技術を含む。なお、括弧内で上記実施形態における用語を示す。
【0154】
(付記1)
鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織(注文側組織、一例では図1の組織Or1)が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得する取得部100と、流通経路に含まれる第2組織(受注側組織、一例では図1の組織Or2)に第1注文データを送信する送信部102と、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付ける関連付部104と、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付け、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付ける受付部106と、受付部106が受け付けた操作に対応する処理を実行する実行部108と、を備える、情報処理装置2。
【0155】
(付記2)
第1組織は、第1注文側ユーザが属する第1注文側グループと、第1注文側ユーザとは異なる第2注文側ユーザが属する第2注文側グループとを含み、関連付部104は、鉄鋼の注文に関する第2注文側権限を第2注文側ユーザに対してさらに関連付け、受付部106は、第1注文データに関する操作を第2注文側権限に基づいて第2注文側ユーザから受け付け、受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作より制限される、付記1に記載の情報処理装置2。
【0156】
(付記3)
第1注文データは、第1注文側グループが行う鉄鋼の注文に関するデータであり、取得部100は、第2注文側グループが行う鉄鋼の注文に関する第2注文データをさらに取得する、付記2に記載の情報処理装置2。
【0157】
(付記4)
受付部106は、第2注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付け、第2注文データに関する操作を第2注文側権限に基づいて第2注文側ユーザから受け付け、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作は、受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作より制限される、付記3に記載の情報処理装置2。
【0158】
(付記5)
受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作、及び受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、いずれも第1注文データに関する情報を閲覧する操作を含み、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含み、受付部106が第2注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含まない、付記4に記載の情報処理装置2。
【0159】
(付記6)
第2組織は、第1受注側ユーザが属する第1受注側グループと、第1受注側ユーザとは異なる第2受注側ユーザが属する第2受注側グループとを含み、関連付部104は、鉄鋼の注文の受注に関する第2受注側権限を第2受注側ユーザに対してさらに関連付け、受付部106は、第1注文データに関する操作を第2受注側権限に基づいて第2受注側ユーザから受け付け、受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作より制限される、付記1から5のいずれか1つに記載の情報処理装置2。
【0160】
(付記7)
第1注文データは、第1受注側グループに対する鉄鋼の注文に関するデータであり、取得部100は、第2受注側グループに対する鉄鋼の注文に関する第2注文データをさらに取得する、付記6に記載の情報処理装置2。
【0161】
(付記8)
受付部106は、第2注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付け、第2注文データに関する操作を第2受注側権限に基づいて第2受注側ユーザから受け付け、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作は、受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第2注文データに関する操作より制限される、付記7に記載の情報処理装置2。
【0162】
(付記9)
受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作、及び受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、いずれも第1注文データに関する情報を閲覧する操作を含み、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請を承認する操作を含み、受付部106が第2受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請を承認する操作を含まない、付記8に記載の情報処理装置2。
【0163】
(付記10)
流通経路は、第2組織(第1受注側組織、一例では組織Or2)と取引を行う他の組織(第2受注側組織、一例では組織Or3)をさらに含み、受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請(第1変更申請)に関する操作を含み、送信部102は、変更申請に対応する他の変更申請(第2変更申請)に関する情報を他の組織のユーザの端末装置(第2受注側端末装置3b2)において表示するための情報をさらに送信し、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、他の変更申請(第2変更申請)が他の組織のユーザによって承認されることを条件に変更申請(第1変更申請)が承認されるように設定することを含む、付記1から9のいずれか1つに記載の情報処理装置2。
【0164】
(付記11)
受付部106が第1注文側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、第1注文データの変更申請に関する操作を含み、受付部106が第1受注側権限に基づいて受け付け可能な第1注文データに関する操作は、変更申請の承認に関する操作を含み、送信部102は、変更申請が承認されたか否かを第1注文側ユーザの端末装置(注文側端末装置3a)において表示するための情報(一例では、図11のステップS122の通知)をさらに送信する、付記1から10のいずれか1つに記載の情報処理装置2。
【0165】
(付記12)
流通経路は、第2組織(第1受注側組織、一例では組織Or2)と取引を行う他の組織(第2受注側組織、一例では組織Or3)をさらに含み、取得部100は、第2組織から他の組織に対して行われた他の注文データの他の変更申請に関する承認状況情報(一例では、図14のステップS216における第2変更申請)をさらに取得し、送信部102は、承認状況情報に基づいて、他の変更申請が承認されたか否かを第1注文側ユーザの端末装置(注文側端末装置3a)において表示するための情報(一例では、図14のステップS220の通知)をさらに送信する、付記1から11のいずれか1つに記載の情報処理装置2。
【0166】
(付記13)
関連付部140は、第1注文側権限が関連付けられた第1注文側ユーザの操作に基づいて、第1注文側権限より制限される他の権限(業務代行権限)を他のユーザ(業務代行ユーザ)にさらに関連付け、受付部106は、第1注文データに関する操作を他の権限に基づいて他のユーザからさらに受け付ける、付記1から12のいずれか1つに記載の情報処理装置2。
【0167】
(付記14)
コンピュータ70に、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得することと、流通経路に含まれる第2組織に第1注文データを送信することと、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることと、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付けることと、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付けることと、受け付けた操作に対応する処理を実行することと、を実行させる、情報処理方法。
【0168】
(付記15)
コンピュータ70に、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得することと、流通経路に含まれる第2組織に第1注文データを送信することと、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付けることと、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付けることと、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付けることと、受け付けた操作に対応する処理を実行することと、を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0169】
1…システム、2…情報処理装置、3…端末装置、3a…注文側端末装置、3b…受注側端末装置、3b1…第1受注側端末装置、3b2…第2受注側端末装置、10…制御部、12…記憶部、70…コンピュータ、100…取得部、102…送信部、104…関連付部、106…受付部、108…実行部、700…プロセッサ
【要約】
【課題】流通を効率化することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る情報処理装置2は、鉄鋼の流通経路に含まれる第1組織(注文側組織、一例では図1の組織Or1)が行う鉄鋼の注文に関する第1注文データを取得する取得部100と、流通経路に含まれる第2組織(受注側組織、一例では図1の組織Or2)に第1注文データを送信する送信部102と、鉄鋼の注文に関する第1注文側権限を第1組織に属する第1注文側ユーザに対して関連付け、鉄鋼の注文の受注に関する第1受注側権限を第2組織に属する第1受注側ユーザに対して関連付ける関連付部104と、第1注文データに関する操作を第1注文側権限に基づいて第1注文側ユーザから受け付け、第1注文データに関する操作を第1受注側権限に基づいて第1受注側ユーザから受け付ける受付部106と、受付部106が受け付けた操作に対応する処理を実行する実行部108と、を備える。
【選択図】図1
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