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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-18
(45)【発行日】2025-06-26
(54)【発明の名称】光ファイバ接続構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/32 20060101AFI20250619BHJP
【FI】
G02B6/32
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021083220
(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公開番号】P2022176676
(43)【公開日】2022-11-30
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501392361
【氏名又は名称】株式会社 オプトクエスト
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石田 宏
(72)【発明者】
【氏名】相葉 孝充
(72)【発明者】
【氏名】若林 知敬
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲也
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-061941(JP,A)
【文献】特開2013-117664(JP,A)
【文献】特開2022-039849(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0081066(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111624701(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02- 6/10
G02B 6/26- 6/27
G02B 6/30- 6/34
G02B 6/42- 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1コアが配置された第1の光ファイバユニットと、複数の第2コアが前記複数の第1コアのそれぞれに対応するように配置された第2の光ファイバユニットと、が光学的に接続された光ファイバ接続構造を製造する光ファイバ接続構造の製造方法であって、
前記第1の光ファイバユニットの端面及び前記第2の光ファイバユニットの端面が、それぞれの光ファイバユニットの中心軸と直交する面に対して傾斜するように、それぞれの光ファイバユニットの端面を研磨する研磨工程と、
第1レンズが保持されたコリメータパイプ内に前記第1の光ファイバユニットを挿入して第1ファイバコリメータを形成する第1ファイバコリメータ作製工程と、
第2レンズが保持されたコリメータパイプ内に前記第2の光ファイバユニットを挿入して第2ファイバコリメータを形成する第2ファイバコリメータ作製工程と、
前記第1の光ファイバユニットの端面と前記第2の光ファイバユニットの端面とを対向させて光学調心を行う調心工程と、
を備え、
前記研磨工程は、
前記第1の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と前記複数の第1コアの配列方向の関係が同一となるように、前記複数の第1コアの配列を調整する第1コア方位調整工程と、
前記第2の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と前記複数の第2コアの配列方向の関係が同一となるように、前記複数の第2コアの配列を調整する第2コア方位調整工程と、
前記第1コア方位調整工程を行った後に、前記第1の光ファイバユニットの中心軸が水平となるようにしつつ、傾斜する端面の最も突出する点が上端となるように配置した状態で、前記複数の第1コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとが、前記第1の光ファイバユニットの端面の上端と下端とを結ぶ線分上に配置されるように、前記第1の光ファイバユニットの端面を研磨する第1研磨工程と、
前記第2コア方位調整工程を行った後に、前記第2の光ファイバユニットの中心軸が水平となるようにしつつ、傾斜する端面の最も突出する点が上端となるように配置した状態で、前記複数の第2コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとが、前記第2の光ファイバユニットの端面の上端と下端とを結ぶ線分上に配置されるように、前記第2の光ファイバユニットの端面を研磨する第2研磨工程と、
を有し、
前記調心工程は、
前記第1の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と、前記第2の光ファイバユニットの端面の傾斜方向とが、前記第1の光ファイバユニットの中心軸及び前記第2の光ファイバユニットの中心軸と直交する面に対して対称となるように配置することで、前記第1コアと前記第2コアの方位を調心するコア方位調心工程と、
前記コア方位調心工程を行った後に、光軸を調心する光軸調心工程と、
を有し、
前記第1ファイバコリメータ作製工程では、ビームウエストの位置に全反射ミラーを配置して前記複数の第1コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとの間で最大結合を行っており、
前記第2ファイバコリメータ作製工程では、ビームウエストの位置に全反射ミラーを配置して前記複数の第2コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとの間で最大結合を行っている、
光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項2】
前記研磨工程は、前記第1の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と前記第1コアのコア配列とを合わせることが可能なマーキングを、前記第1の光ファイバユニットが固定された第1フェルールに形成し、前記第2の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と前記第2コアのコア配列とを合わせることが可能なマーキングを、前記第2の光ファイバユニットが固定された第2フェルールに形成するマーキング形成工程を有し、
前記コア方位調心工程では、前記第1フェルール及び前記第2フェルールに形成されたマーキングを基準にして前記第1コアと前記第2コアの方位を調心する、
請求項1に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【請求項3】
前記コア方位調心工程では、予め算出した中心軸まわりの角度ずれ量と損失量との関係に基づいて前記第1コアと前記第2コアの方位を調心する、
請求項1または請求項2に記載の光ファイバ接続構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ接続構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の光ファイバ接続構造としては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この特許文献1では、光ファイバ接続構造は、マルチコアファイバと、複数のシングルコアファイバが接着剤により互いに接合されて成るファイババンドルと、を備えており、このマルチコアファイバとファイババンドルとを光学的に結合させている。
【0003】
ここで、マルチコアファイバ及びファイババンドルにそれぞれ配置される複数のコアは、一般的にガラスを用いて形成されている。そのため、特許文献1では、マルチコアファイバ及びファイババンドルの端面のガラスと空気との屈折率差により発生するフレネル反射を低減させるため、マルチコアファイバ及びファイババンドルの端面を、中心軸と直交する面に対して傾斜させている。
【0004】
そして、マルチコアファイバ及びファイババンドルを、互いの端面の傾斜方向が逆向きとなる状態(傾斜方向を異ならせた状態)で配置させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-061941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の技術では、マルチコアファイバ及びファイババンドルのそれぞれの端面における複数のコアの配置状態は不明である。すなわち、前記従来の技術では、中心軸と直交する面に対して傾斜させた端面におけるコア配列の方位については、厳密には規定されていない。
【0007】
そのため、傾斜させた端面の方位とコア配列の方位の組合せによってはフォーカスずれ量にバラツキが発生してしまうおそれがある。そして、フォーカスずれによるバラツキが発生してしまうと、結合損失のバラツキが発生することになるため、コア方位と傾斜方位が一定となるように作製されることが望ましい。
【0008】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、ファイバ端の斜め研磨による結合損失のバラツキを抑制することが可能となり、コア同士を光学結合させる調整工程を簡略化させる光ファイバ接続構造の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様に係る光ファイバ接続構造は、複数の第1コアが配置された第1の光ファイバユニットと、複数の第2コアが前記複数の第1コアのそれぞれに対応するように配置された第2の光ファイバユニットと、を備え、前記第1の光ファイバユニットの端面は、前記第1の光ファイバユニットの中心軸と直交する面に対して傾斜しており、前記第2の光ファイバユニットの端面は、前記第2の光ファイバユニットの中心軸と直交する面に対して傾斜しており、前記第1の光ファイバユニットと前記第2の光ファイバユニットとは、前記第1の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と、前記第2の光ファイバユニットの端面の傾斜方向とが互いに逆向きとなるように配置されており、前記第1の光ファイバユニットを、中心軸が水平となるようにしつつ、傾斜する端面の最も突出する点が上端となるように配置した状態で、前記複数の第1コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとが、前記第1の光ファイバユニットの端面の上端と下端とを結ぶ線分上に配置されており、前記第2の光ファイバユニットを、中心軸が水平となるようにしつつ、傾斜する端面の最も突出する点が上端となるように配置した状態で、前記複数の第2コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとが、前記第2の光ファイバユニットの端面の上端と下端とを結ぶ線分上に配置されている。
【0010】
本発明の態様に係る光ファイバ接続構造の製造方法は、複数の第1コアが配置された第1の光ファイバユニットと、複数の第2コアが前記複数の第1コアのそれぞれに対応するように配置された第2の光ファイバユニットと、が光学的に接続された光ファイバ接続構造を製造する方法である。光ファイバ接続構造の製造方法は、前記第1の光ファイバユニットの端面及び前記第2の光ファイバユニットの端面が、それぞれの光ファイバユニットの中心軸と直交する面に対して傾斜するように、それぞれの光ファイバユニットの端面を研磨する研磨工程と、前記第1の光ファイバユニットの端面と前記第2の光ファイバユニットの端面とを対向させて光学調心を行う調心工程と、を備え、前記研磨工程は、前記第1の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と前記複数の第1コアの配列方向の関係が同一となるように、前記複数の第1コアの配列を調整する第1コア方位調整工程と、前記第2の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と前記複数の第2コアの配列方向の関係が同一となるように、前記複数の第2コアの配列を調整する第2コア方位調整工程と、前記第1コア方位調整工程を行った後に、前記第1の光ファイバユニットの中心軸が水平となるようにしつつ、傾斜する端面の最も突出する点が上端となるように配置した状態で、前記複数の第1コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとが、前記第1の光ファイバユニットの端面の上端と下端とを結ぶ線分上に配置されるように、前記第1の光ファイバユニットの端面を研磨する第1研磨工程と、前記第2コア方位調整工程を行った後に、前記第2の光ファイバユニットの中心軸が水平となるようにしつつ、傾斜する端面の最も突出する点が上端となるように配置した状態で、前記複数の第2コアのうち最も上部に位置するコアと最も下部に位置するコアとが、前記第2の光ファイバユニットの端面の上端と下端とを結ぶ線分上に配置されるように、前記第2の光ファイバユニットの端面を研磨する第2研磨工程と、を有し、前記調心工程は、前記第1の光ファイバユニットの端面の傾斜方向と、前記第2の光ファイバユニットの端面の傾斜方向とが互いに逆向きとなるように配置することで、前記第1コアと前記第2コアの方位を調心するコア方位調心工程と、前記コア方位調心工程を行った後に、光軸を調心する光軸調心工程と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各コア間の結合損失のバラツキを抑制し、ファイバ端研磨方位を合わせることでコア方位の光軸調整工程を簡略化することが可能な光ファイバ接続構造の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】光ファイバ接続構造の一例を模式的に示す側断面図である。
図2】第1の光ファイバユニットと第2の光ファイバユニットとの配置状態を模式的に示す側断面図である。
図3】第1の光ファイバユニットの端面と第2の光ファイバユニットの端面とを模式的に示す図である。
図4】光ファイバ接続構造の製造方法の一例を説明する図である。
図5】第1の光ファイバユニットの端面を傾斜させる方法の一例を模式的に示す側面図である。
図6】第1の光ファイバユニットの端面を傾斜させる方法の一例を模式的に示す正面図である。
図7】第1の光ファイバユニットの端面を傾斜させる方法の一例を模式的に示す底面図である。
図8】第1ファイバコリメータの製造方法の一例を模式的に示す側断面図である。
図9】第1の光ファイバユニットと第1レンズ間の調整方法の一例を模式的に示す側断面図である。
図10】第1ファイバコリメータと第2ファイバコリメータとの調心方法の一例を模式的に示す側断面図である。
図11】光ファイバ接続構造の製造方法の他の例を説明する図である。
図12】第1の光ファイバユニットの端面を傾斜させる方法の他の例を模式的に示す側面図である。
図13】第1の光ファイバユニットの端面を傾斜させる方法の他の例を模式的に示す正面図である。
図14】第1の光ファイバユニットの端面を傾斜させる方法の他の例を模式的に示す底面図である。
図15】第1の光ファイバユニットにおけるコアピッチ及び対角コアピッチを説明する図である。
図16】第1の光ファイバユニットのZ軸まわりの角度ずれを説明する図である。
図17】Z軸まわりの角度ずれと損失率との関係をコアピッチごとに示すグラフである。
図18】コアピッチとZ軸まわりの角度ずれとの関係を損失率ごとに示すグラフである。
図19】第1の光ファイバユニットの端面の他の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本実施形態に係る光ファイバ接続構造について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0014】
また、以下の実施形態及びその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0015】
また、以下の実施形態及びその変形例では、第1の光ファイバユニット及び第2の光ファイバユニットの中心軸方向をZ方向(光ファイバ接続構造の前後方向)と規定して説明する。また、第1の光ファイバユニット及び第2の光ファイバユニットの端面の最も突出する点が上方に配置されるようにした状態で、光ファイバ接続構造の上下方向(Y方向)を規定して説明する。そして、Z方向及びY方向と直交する方向を光ファイバ接続構造の幅方向(X方向)と規定して説明する。
【0016】
本実施形態に係る光ファイバ接続構造1は、図1に示すように、複数の第1コア20が配置された第1の光ファイバユニット2と、複数の第2コア30が配置された第2の光ファイバユニット3と、を備えている。
【0017】
本実施形態では、第1の光ファイバユニット2として、4つの第1コア20が互いに離間配置された状態で、1つの第1クラッド21により被覆されたマルチコアファイバを例示している。このように、マルチコアファイバを用いて光ファイバ接続構造1を形成すれば、通信伝送容量をより増加させることができる。その結果、インターネットを介したIoTや動画配信などの急速な普及による通信伝送容量の増加に対応することが可能な光ファイバ接続構造1を得ることができる。なお、マルチコアファイバは、次世代基幹系やデータセンター内の伝送路としての活用が期待されている光ファイバである。
【0018】
第1クラッド21は、例えば、ガラス等の材料を用いて可撓性を有するように形成することができ、Z方向(前後方向)に細長いコード状をしている。一方、第1コア20は、例えば、ガラス等の材料を用いて可撓性を有するように形成することができ、Z方向(前後方向)に細長くなるようにした状態で第1クラッド21の内部に配置されている。
【0019】
さらに、本実施形態では、第1クラッド21及び4つの第1コア20は、中心軸C1に直交する平面で切断した断面形状が円形となるように形成されている。
【0020】
そして、4つの第1コア20は、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を中心とする円周上に等間隔で配置されている(図3参照)。
【0021】
ここで、本実施形態では、4つの第1コア20に番号を付与している。具体的には、図3に示す状態で、X方向(幅方向)の中央かつ上方に位置する第1コア20を第1コア1番20aとしている。また、図3に示す状態で、第1コア1番20aを起点として時計回りに、それぞれ、第1コア2番20b、第1コア3番20c及び第1コア4番20dとしている。なお、上記の番号は便宜的に付与したものであり、標準化等により規定化されたものではない。したがって、4つの第1コア20への番号の付与はランダムに設定することができる。
【0022】
さらに、本実施形態では、第1の光ファイバユニット2のZ方向(前後方向)の一方側の端面2aを、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と直交する面に対して傾斜させている。こうすることで、第1の光ファイバユニット2の端面2aのガラス(第1コア20)と空気との屈折率差により発生するフレネル反射をより確実に低減させることができるようにしている。
【0023】
なお、中心軸C1と直交する面に対して傾斜する端面2aは、第1の光ファイバユニット2の端部を研磨することで形成することができる。このように、第1の光ファイバユニット2の端部を研磨することで、中心軸C1と直交する面に対して傾斜する端面2aを形成するようにすれば、より容易かつ確実に端面2aを平坦な傾斜面とすることができる。その結果、第1の光ファイバユニット2の端面2aのガラス(第1コア20)と空気との屈折率差により発生するフレネル反射をより確実に低減させることができるようになる。
【0024】
さらに、本実施形態では、第1の光ファイバユニット2の端面2aを傾斜させる際に、端面2aの傾斜方向と4つの第1コア20の配列方向の関係が同一となるようにしている。
【0025】
具体的には、端面2aの傾斜方向を上下方向(Y方向)の下側かつ前後方向(Z方向)の一方側とした場合に、第1コア1番20aと第1コア3番20cとが上下方向(Y方向)に並ぶようにしている。
【0026】
本実施形態では、第1コア1番20a及び第1コア3番20cは、4つの第1コア20を頂点とする正方形を描いた場合に対角線上に位置する2つの頂点となっている。また、この対角線は、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を通る線分となっている。
【0027】
このように、本実施形態では、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、第1の光ファイバユニット2の端面2aの上端2aaと下端2abとを結ぶ線分L1上に第1コア1番20a及び第1コア3番20cが配置されるようにしている。ここで、第1の光ファイバユニット2の基準状態とは、第1の光ファイバユニット2を、中心軸C1が水平となるようにしつつ、傾斜する端面2aの最も突出する点が上端2aaとなるように配置した状態のことである。また、第1コア1番20aは、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、4つの第1コア20のうち最も上部に位置する第1コア20となっている。そして、第1コア3番20cは、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、4つの第1コア20のうち最も下部に位置する第1コア20となっている。このとき、第1コア2番20b及び第1コア4番20dは、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、端面2aの上下方向(Y方向)の中央部にそれぞれ配置されている。すなわち、第1コア2番20b及び第1コア4番20dは、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を通る水平線上に配置されている。
【0028】
また、本実施形態では、上述したように、第1クラッド21は、中心軸C1に直交する平面で切断した断面形状が円形となるように形成されている。すなわち、第1の光ファイバユニット2の端面2aは、中心軸C1に沿って見たときの輪郭形状が円形になっている。そのため、中心軸C1と直交する面に対して傾斜する端面2aは楕円形状をしている。そして、上端2aaと下端2abとを結ぶ線分L1は、楕円状の端面2aの長軸に一致しており、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を通る水平線が楕円状の端面2aの短軸に一致している。
【0029】
また、本実施形態では、第2の光ファイバユニット3として、1つの第2コア30が1つの第2クラッド31により被覆されたシングルモードファイバを4本束ねたものを例示している。
【0030】
第2クラッド31は、例えば、ガラス等の材料を用いて可撓性を有するように形成することができ、Z方向(前後方向)に細長いコード状をしている。一方、第2コア30は、例えば、ガラス等の材料を用いて可撓性を有するように形成することができ、Z方向(前後方向)に細長くなるようにした状態で第2クラッド31の内部に配置されている。
【0031】
さらに、本実施形態では、第2クラッド31及び第2コア30は、中心軸C2に直交する平面で切断した断面形状が円形となるように形成されている。
【0032】
そして、4本のシングルモードファイバは、4つの第2コア30が4つの第1コア20のそれぞれに1対1で対応するようにした状態で束ねられている。そして、4本のシングルモードファイバを束ねた状態で接着剤等により固定することで、4つの第2コア30を有する第2の光ファイバユニット3を形成している。
【0033】
さらに、本実施形態では、4つの第2コア30も、第2の光ファイバユニット3の中心軸C2を中心とする円周上に等間隔で配置されている(図3参照)。
【0034】
ここで、本実施形態では、4つの第2コア30にも番号を付与している。具体的には、図3に示す状態で、X方向(幅方向)の中央かつ上方に位置する第2コア30を第2コア1番30aとしている。また、図3に示す状態で、第2コア1番30aを起点として反時計回りに、それぞれ、第2コア2番30b、第2コア3番30c及び第2コア4番30dとしている。なお、上記の番号も便宜的に付与したものであり、標準化等により規定化されたものではない。したがって、4つの第2コア30への番号の付与もランダムに設定することができる。このとき、対応する第1コア20に付与した番号と同一の番号を付与するのが好ましい。
【0035】
さらに、本実施形態では、第2の光ファイバユニット3のZ方向(前後方向)の一方側の端面3aを、第2の光ファイバユニット3の中心軸C2と直交する面に対して傾斜させている。こうすることで、第2の光ファイバユニット3の端面3aのガラス(第2コア30)と空気との屈折率差により発生するフレネル反射をより確実に低減させることができるようにしている。
【0036】
なお、中心軸C2と直交する面に対して傾斜する端面3aも、第2の光ファイバユニット3の端部を研磨することで形成することができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、第2の光ファイバユニット3の端面3aを傾斜させる際にも、端面3aの傾斜方向と4つの第2コア30の配列方向の関係が同一となるようにしている。
【0038】
具体的には、端面3aの傾斜方向を上下方向(Y方向)の下側かつ前後方向(Z方向)の一方側とした場合に、第2コア1番30aと第2コア3番30cとが上下方向(Y方向)に並ぶようにしている。
【0039】
本実施形態では、第2コア1番30a及び第2コア3番30cは、4つの第2コア30を頂点とする正方形を描いた場合に対角線上に位置する2つの頂点となっている。また、この対角線は、第2の光ファイバユニット3の中心軸C2を通る線分となっている。
【0040】
このように、本実施形態では、第2の光ファイバユニット3の基準状態で、第2の光ファイバユニット3の端面3aの上端3aaと下端3abとを結ぶ線分L2上に第2コア1番30a及び第2コア3番30cが配置されるようにしている。ここで、第2の光ファイバユニット3の基準状態とは、第2の光ファイバユニット3を、中心軸C2が水平となるようにしつつ、傾斜する端面3aの最も突出する点が上端3aaとなるように配置した状態のことである。また、第2コア1番30aは、第2の光ファイバユニット3の基準状態で、4つの第2コア30のうち最も上部に位置する第2コア30となっている。そして、第2コア3番30cは、第2の光ファイバユニット3の基準状態で、4つの第2コア30のうち最も下部に位置する第2コア30となっている。このとき、第2コア2番30b及び第2コア4番30dは、第2の光ファイバユニット3の基準状態で、端面3aの上下方向(Y方向)の中央部にそれぞれ配置されている。すなわち、第2コア2番30b及び第2コア4番30dは、第2の光ファイバユニット3の基準状態で、第2の光ファイバユニット3の中心軸C2を通る水平線上に配置されている。
【0041】
そして、このような構成をした第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学的に結合させることで、光ファイバ接続構造1を形成している。
【0042】
なお、マルチコアファイバを用いた光通信システムの実現には、マルチコアファイバの各コアと既存のシングルモードファイバのコアとを接続するためにファンインファンアウト(Fan-in/Fan-out:FIFO)デバイスが必要となる。そして、本実施形態では、光ファイバ接続構造1として、ファンインファンアウト(Fan-in/Fan-out:FIFO)デバイスを製造する際に形成される接続構造を例示している。
【0043】
ところで、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学的に結合させる接続方式の一つに、レンズを用いた空間結合型の接続方式がある。また、レンズを用いた空間結合型の接続方式の1手段として2枚の単レンズを用いてマルチコアファイバの伝搬コアと複数のシングルモードファイバを束ねたものを光学結合する構造がある。
【0044】
本実施形態では、光ファイバ接続構造1として、2枚の単レンズを用いてマルチコアファイバの伝搬コアと複数のシングルモードファイバを束ねたものを光学結合する構造を採用している。こうすることで、光ファイバの端面同士を突き合せて密着させる必要がある構成とした場合よりも、第1コア20及び第2コア30におけるX,Y方位(上下、左右方向)の結合トレランスが緩くなり、結合損失が安定するようにしている。
【0045】
すなわち、本実施形態では、光ファイバ接続構造1は、第1の光ファイバユニット2の端面2aと光学的に結合される第1レンズ212aと、第2の光ファイバユニット3の端面3aと光学的に結合される第2レンズ312aと、を備えている。なお、本実施形態では、第1レンズ212a及び第2レンズ312aとして非球面レンズが用いられている。
【0046】
そして、第1レンズ212aと第2レンズ312aとが互いに光学的に結合されるようにしている。
【0047】
具体的には、第1レンズ212aが保持されたコリメータパイプ210内に第1の光ファイバユニット2を挿入固定することで、第1の光ファイバユニット2の端面2aと第1レンズ212aとを光学的に結合させた第1ファイバコリメータ200を形成している。
【0048】
このとき、第1の光ファイバユニット2が可撓性を有しているため、第1の光ファイバユニット2は、セラミックまたは金属で形成された円筒状の第1フェルール22に挿入して接着固定させた状態で、コリメータパイプ210内に挿入されている。本実施形態では、第1の光ファイバユニット2の端面2aが形成される側に第1フェルール22が固定されている。
【0049】
さらに、本実施形態では、コリメータパイプ210は、第1の光ファイバユニット2が挿入される筒状本体部211と、第1レンズ212aを保持するレンズ保持筒212と、を備えている。そして、第1レンズ212aを保持した状態のレンズ保持筒212と筒状本体部211とを固定することで第1レンズ212a付きのコリメータパイプ210が形成されている。
【0050】
なお、第1フェルール22(第1の光ファイバユニット2)と筒状本体部211とは第1の光ファイバユニット2の作製後に固定される。
【0051】
同様に、第2レンズ312aが保持されたコリメータパイプ310内に第2の光ファイバユニット3を挿入固定することで、第2の光ファイバユニット3の端面3aと第2レンズ312aとを光学的に結合させた第2ファイバコリメータ300を形成している。
【0052】
このとき、第2の光ファイバユニット3も可撓性を有しているため、第2の光ファイバユニット3は、セラミックまたは金属で形成された円筒状の第2フェルール32に挿入して接着固定させた状態で、コリメータパイプ310内に挿入されている。本実施形態では、第2の光ファイバユニット3の端面3aが形成される側に第2フェルール32が固定されている。
【0053】
さらに、本実施形態では、コリメータパイプ310は、第2の光ファイバユニット3が挿入される筒状本体部311と、第2レンズ312aを保持するレンズ保持筒312と、を備えている。そして、第1レンズ212aと第2レンズ312aとが互いに光学的に結合されるようにすることで、光ファイバ接続構造1を形成している。なお、本実施形態では、筒状のアダプタ41及び固定リング42により第1ファイバコリメータ200及び第2ファイバコリメータ300を固定した光ファイバ接続構造1を例示している。
【0054】
第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とは、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。すなわち、端面2aの傾斜方向を上下方向(Y方向)の下側かつ前後方向(Z方向)の一方側としつつ、端面3aの傾斜方向を上下方向(Y方向)の下側かつ前後方向(Z方向)の他方側としている。
【0055】
また、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と第2の光ファイバユニット3の中心軸C2とを一致させた状態で配置させている(図2参照)。
【0056】
次に、本実施形態に係る光ファイバ接続構造1の製造方法の一例を、図4図10を用いて説明する。
【0057】
なお、図5図7には、第1の光ファイバユニット2の端面2aの研磨方法の一例を示しているが、第2の光ファイバユニット3の端面3aも同様の方法で研磨させることができる。
【0058】
また、図8には、第1ファイバコリメータ200の製造方法の一例を示しているが、第2ファイバコリメータ300も同様の方法で製造することができる。
【0059】
そして、図9には、第1の光ファイバユニット2と第1レンズ212a間の調整方法の一例を示しているが、第2の光ファイバユニット3と第2レンズ312a間の調整も同様の方法で行うことができる。
【0060】
本実施形態に係る光ファイバ接続構造1は、図4に示す工程を経ることで製造することができる。
【0061】
まず、第1の光ファイバユニット2の端面2aが第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と直交する面に対して傾斜する傾斜面となるように、第1の光ファイバユニット2の端部2aを研磨する(ファイバ加工端面研磨工程:研磨工程)。
【0062】
具体的には、研磨治具50を用いて第1の光ファイバユニット2の端部を研磨する。このとき、第1の光ファイバユニット2は繊維状で柔軟性を有しているため、端部を研磨しているときに曲がってしまい均一な端面研磨が出来なくなってしまうおそれがある。そこで、第1の光ファイバユニット2の端面2aが形成される側を第1フェルール22に接着固定して第1フェルール22と共に第1の光ファイバユニット2の端面研磨を行うようにしている。
【0063】
また、本実施形態では、研磨治具50は、第1フェルール22に接着固定した第1の光ファイバユニット2が載置されるV字状の溝51aが形成された本体部51を備えている。さらに、研磨治具50は、第1フェルール22に接着固定した第1の光ファイバユニット2を溝51aに載置した状態で、第1の光ファイバユニット2が中心軸C1を中心に回転してしまわないように押さえる押さえ板52を備えている。
【0064】
また、V字状の溝51aには、予め角度が付けられており、第1フェルール22に接着固定した第1の光ファイバユニット2を溝51aに載置したときに、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と水平面とのなす角が角度θとなるようにしている。この角度θは、例えば、76度~84度とすることができる。
【0065】
そして、第1フェルール22に接着固定した第1の光ファイバユニット2を研磨治具50にセットした後、端面研磨を行う前に、顕微鏡等を用いて4つの第1コア20の配列方向が所定の方向となるように調整する(コア方位確認を行う)。このコア方位確認方法は、例えば、顕微鏡等の十字線R及び研磨治具50の基準面P1,P2を利用して、4つの第1コア20の配列方向が所定の方向となるように調整することができる。本実施形態では、図7に示す方法を例示している。図7では、第1コア1番20aを顕微鏡等の十字線Rを用いて観察し、水平方向に延在する基準面P2が第1コア1番20aの最大径を通過するように第1の光ファイバユニット2を回転させることで、4つの第1コア20の配列方向を調整している。
【0066】
次に、端面2aの傾斜方向と第1コア20の配列方向との関係が同一となるように端面2aを傾斜させた第1の光ファイバユニット2を用いて第1ファイバコリメータ200を製造する(ファイバコリメータ作製工程)。
【0067】
具体的には、まず、第1レンズ212aが保持されたコリメータパイプ210内に第1の光ファイバユニット2を挿入する。そして、コリメータパイプ210内に第1の光ファイバユニット2を挿入した状態で、第1の光ファイバユニット2を前後方向(図8及び図9の矢印A方向)に相対移動させる。こうすることで、焦点位置が最適となるように第1の光ファイバユニット2と第1レンズ212aとの間の距離を調整する。
【0068】
本実施形態では、上述したように、端面2aが第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と直交する面に対して傾斜する傾斜面となっている。そのため、各第1コア20で第1レンズ212aとの焦点距離に差異が発生してしまう。そこで、本実施形態では、すべての第1コア20のフォーカス距離が平均化されるようにしている。具体的には、図9に示すように、第1の光ファイバユニット2の1つの第1コア20から出射された光を第1レンズ212aに通してコリメートビームとしている。そして、ビームウエストA1の位置に全反射ミラー60を配置して対角に位置する第1コア20に最大結合させることで、2つの第1コア20と第1レンズ212a間の距離の差を平均化できるようにしている。ここで、本実施形態では、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、第1の光ファイバユニット2の端面2aの上端2aaと下端2abとを結ぶ線分L1上に第1コア1番20a及び第1コア3番20cが配置されるようにしている。そのため、本実施形態では、第1コア1番20aと第1コア3番20cが最もコア-レンズ間の距離差が大きい組合せとなっている。そこで、第1コア1番20aを1つの第1コア20とし、第1コア3番20cを対角に位置する第1コア20とし、この2つの第1コア20の間で最大結合を行うようにしている。こうすることで全てのコア-レンズ間距離が平均化されるようにしている。このとき、第1コア2番20bと第1コア4番20dのコア-レンズ間距離は、第1コア1番20aと第1コア3番20cのちょうど間となることで平均距離となる。
【0069】
そして、第1の光ファイバユニット2と第1レンズ212aとの間の距離を調整した後に、第1フェルール22(第1の光ファイバユニット2)と筒状本体部211とを固定する。こうすることで、第1ファイバコリメータ200が製造される。なお、ファイバコリメータを構成すると、レンズと金属のパイプの内側に収納されるため、それ以降はコア方位の観察を行うことが出来なくなる。
【0070】
次に、第1ファイバコリメータ200と第2ファイバコリメータ300とを対向させて光学調心を行う(コリメータ対向系調心工程:調心工程)。
【0071】
本実施形態では、上述したように、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と第1コア20の配列方向の関係が製品毎に同じとなるようにしている。同様に、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向と第2コア30の配列方向の関係が製品毎に同じとなるようにしている。そして、本実施形態では、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とは、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向とが互いに逆向きとなるように配置されるものである。
【0072】
したがって、端面2a,3aの傾斜方向(研磨方位)が逆向きとなるように、第1ファイバコリメータ200及び第2ファイバコリメータ300を見た目で確認してセットするだけで、コア方位が大まかに揃った状態となる(コア方位調心工程)。このように、光ファイバ接続構造1を形成する際に、最初にコア配列を粗く揃えるようにすれば、その後の調整時に時間をかけずに調心作業を行うことができる。特に、本実施形態では、コア配列と研磨方位が予め分かっているため、顕微鏡でしか観察できないコア配列を確認する必要がないので、コア配列を容易かつ迅速に揃えることができる。そして、コア配列を粗く揃えた後は、光軸を調心して最大結合とした(光軸調整工程を行った)上で、各コアが最小損失となるようにコア配列方位を微調心すればよい(コア方位精密調心工程及びX,Y,θx、θy光軸調整工程)。
【0073】
このように、本実施形態に示す方法で光ファイバ接続構造1を製造すれば、ファイバコリメータ作製工程の前やコリメータ対向系調心工程の前に、コア方位の確認作業を行う必要がなくなる。その結果、高精度(低損失)かつ短時間で光ファイバ接続構造1を製造する(第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学接続させる)ことができるようになる。
【0074】
なお、光ファイバ接続構造1は、図11図18に示す方法で製造することも可能である。
【0075】
以下、光ファイバ接続構造1の製造方法の他の例を、図11図18を用いて説明する。
【0076】
なお、図12図14には、第1の光ファイバユニット2の端面2aの研磨方法の他の例を示しているが、第2の光ファイバユニット3の端面3aも同様の方法で研磨させることができる。
【0077】
光ファイバ接続構造1は、図11に示す工程を経ることで製造することができる。
【0078】
まず、第1の光ファイバユニット2の端面2aが第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と直交する面に対して傾斜する傾斜面となるように、第1の光ファイバユニット2の端部を研磨する(ファイバ加工端面研磨工程:研磨工程)。
【0079】
このファイバ加工端面研磨工程は、基本的には、上記実施形態で示した方法と同様の方法で行われる。すなわち、研磨治具50を用いて第1フェルール22付きの第1の光ファイバユニット2を固定した状態で、第1の光ファイバユニット2の端部を研磨する。研磨治具50の構成は、上記実施形態で示した方法で用いられる研磨治具50と同一の構成をしている。
【0080】
ここで、図12図14に示す方法では、第1フェルール22の後端部に、端面2aの傾斜方向とコア配列とを合わせることが可能なマーキングM1が設けられている。そして、このようなマーキングM1を第1フェルール22に設けることで、研磨段階で研磨方位が分かるようにしている。こうすれば、第1ファイバコリメータ200を製造する際に、第1レンズ212aやコリメータパイプ210により端面2aの研磨方位が外観から目視できなくなったとしても、後工程でこのマーキングM1を基準とすることができる。なお、第1フェルール22の後端部にマーキングM1を設けるマーキング形成工程を行う場合、研磨治具50に第1フェルール22付きの第1の光ファイバユニット2をセットした状態で行うのが好ましい。こうすれば、研磨治具50から第1フェルール22付きの第1の光ファイバユニット2を外した後に顕微鏡観察を行いコア方位の観察をしてマーキングを入れる場合よりも、精度よく簡易にマーキングを入れることができるようになる。
【0081】
次に、端面2aの傾斜方向と第1コア20の配列方向との関係が同一となるように端面2aを傾斜させた第1の光ファイバユニット2を用いて第1ファイバコリメータ200を製造する(ファイバコリメータ作製工程)。
【0082】
このファイバコリメータ作製工程は、上記実施形態で示した方法と同様の方法で行われる。すなわち、第1レンズ212aが保持されたコリメータパイプ210内に第1の光ファイバユニット2を挿入する。そして、コリメータパイプ210内に第1の光ファイバユニット2を挿入した状態で、第1の光ファイバユニット2を前後方向(図8及び図9の矢印A方向)に相対移動させる。こうすることで、焦点位置が最適となるように第1の光ファイバユニット2と第1レンズ212aとの間の距離を調整する。
【0083】
そして、第1の光ファイバユニット2と第1レンズ212aとの間の距離を調整した後に、第1フェルール22(第1の光ファイバユニット2)と筒状本体部211とを固定する。こうすることで、第1ファイバコリメータ200が製造される。
【0084】
次に、第1ファイバコリメータ200と第2ファイバコリメータ300とを対向させて光学調心を行う(コリメータ対向系調心工程:調心工程)。
【0085】
このとき、前工程で設けたマーキングM1を基準にしてコア配列を粗く揃えるようにする。こうすれば、その後の調整時に時間をかけずにコア方位の調心作業を行うことができるようになる。
【0086】
例えば、マーキングM1が上側に位置するように第1ファイバコリメータ200及び第2ファイバコリメータ300を配置すれば、端面2a,3aの傾斜方向(研磨方位)が逆向きとなるようにすることができる。このように、図11図18に示す方法でも、第1ファイバコリメータ200及び第2ファイバコリメータ300を見た目で確認してセットするだけで、コア方位が大まかに揃った状態とすることができる。
【0087】
さらに、図11図18に示す方法では、製造前に中心軸C1まわり(Z軸まわり)の角度ずれ量θzと損失量(損失増加量)との関係を算出しておくことで、コアピッチd1(対角コアピッチd2)に対する角度ずれ量θzと損失量を明らかにしている。
【0088】
コアピッチd1は、図15に示すように、周方向で隣り合う2つのコアの距離のことであり、対角コアピッチd2は、図15に示すように、中心軸C1を挟んで対向する2つのコアの距離のことである。また、角度ずれ量θzは、基準の状態に対して中心軸C1まわり(Z軸まわり)にどれだけ回転したかをあらわすものである(図16参照)。
【0089】
また、図17には、スポットサイズ半径を5.5μm、波長λを1550nmとした際、角度ピッチ0.07deg刻みで結合効率を算出した結果が示されている。また、図18には、損失量と角度ずれ量θzとの関係の一例が示されている。
【0090】
図17のグラフから、例えば、コアピッチ40μm(対角コアピッチ56.6μm)の場合は、研磨方位とコア方位とのずれを3deg以下に規定することで損失(増加)量を0.2dB以内に収めることが可能になることが分かる。つまり、コア同士の角度ずれを相対角度で±1.5deg以下に規定すれば、損失(増加)量を0.2dB以内に収めることが可能になることが分かる。
【0091】
このプロセスは他のコアピッチにも適応することができ、事前に算出した結果を基に角度ずれ範囲を規定することが可能になる。さらに図17の結果を用いることで、図18のように所望の損失量に対するコアピッチと角度ずれの関係を求めることができ、所望の損失量に対するコアピッチd1と角度ずれ量θzの規定が可能となる。その結果、必要とされるFIFOデバイスの損失量(仕様)に応じて、より簡素に短時間でFIFOデバイスを製造することが可能となる。
【0092】
このように、図11図18に示す方法を用いれば、例えば、精密な調心作業を必要とせず、損失増加量0.2dB以内で光ファイバ接続構造1を形成することができる。
【0093】
また、FIFOデバイスに必要な損失量(仕様)に応じて、製造時間の短縮を図ることができる。つまり、必要な性能に応じた適切な製造時間で光ファイバ接続構造1を形成することが可能になる。
【0094】
以上より、図11図18に示す方法で光ファイバ接続構造1を製造すれば、上記実施形態で示した方法で行われるコア方位精密調心工程を省くことができる。その結果、高精度(低損失)かつ短時間で光ファイバ接続構造1を製造する(第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学接続させる)ことができるようになる。
【0095】
また、図19に示すように、第1の光ファイバユニット2として、7つの第1コア20が互いに離間配置された状態で、1つの第1クラッド21により被覆されたマルチコアファイバとすることも可能である。図19においても、第1クラッド21及び7つの第1コア20は、中心軸C1に直交する平面で切断した断面形状が円形となるように形成されている。
【0096】
そして、7つの第1コア20は、中央に1つの第1コア20が配置されており、6つの第1コア20が、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を中心とする円周上に等間隔で配置されている。
【0097】
ここで、図19では、7つの第1コア20に番号を付与している。具体的には、図19に示す状態で、X方向(幅方向)の中央かつ上方に位置する第1コア20を第1コア1番20aとしている。また、図19に示す状態で、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を含むように配置されている第1コア20を第1コア2番20bとし、X方向(幅方向)の中央かつ下方に位置する第1コア20を第1コア3番20cとしている。そして、残りの4つの第1コア20を、図19に示す状態で、第1コア1番20aを起点として反時計回りに、それぞれ、第1コア4番20d、第1コア5番20e、第1コア6番20f及び第1コア7番20gとしている。なお、上記の番号は、最も上部に位置する第1コア20と最も下部に位置する第1コア20の番号を上記実施形態に合わせるように付与したものであり、これに限らず、7つの第1コア20への番号の付与はランダムに設定することができる。
【0098】
そして、図19に示す第1の光ファイバユニット2の端面2aを傾斜面とする場合、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、線分L1上に第1コア1番20a、第1コア2番20b及び第1コア3番20cが配置されるように、端面2aを傾斜させることになる。
【0099】
そして、図19に示す第1の光ファイバユニット2とした場合、第2の光ファイバユニット3は、1つの第2コア30が1つの第2クラッド31により被覆されたシングルモードファイバを7本束ねたものとなる。具体的には、1本のシングルモードファイバを中央に配置し、その周囲に6本のシングルモードファイバが等間隔で配置されるようにした状態で束ねられている。こうすることで、7本のシングルモードファイバの7つの第2コア30が7つの第1コア20のそれぞれに1対1で対応するようにしている。
【0100】
そして、このような構成をした第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学的に結合させることで、光ファイバ接続構造1が形成されることになる。
【0101】
[作用・効果]
以下では、上記実施形態及びその変形例で示した光ファイバ接続構造及び光ファイバ接続構造の製造方法の特徴的構成及びそれにより得られる効果を説明する。
【0102】
上記実施形態及びその変形例で示した光ファイバ接続構造1は、複数の第1コア20が配置された第1の光ファイバユニット2と、複数の第2コア30が複数の第1コア20のそれぞれに対応するように配置された第2の光ファイバユニット3と、を備えている。
【0103】
また、第1の光ファイバユニット2の端面2aは、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と直交する面に対して傾斜しており、第2の光ファイバユニット3の端面3aは、第2の光ファイバユニット3の中心軸C2と直交する面に対して傾斜している。
【0104】
そして、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とは、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。
【0105】
ここで、第1の光ファイバユニット2を、中心軸C1が水平となるようにしつつ、傾斜する端面2aの最も突出する点が上端2aaとなるように配置した状態を第1の光ファイバユニット2の基準状態と規定する。また、第2の光ファイバユニット3を、中心軸C2が水平となるようにしつつ、傾斜する端面3aの最も突出する点が上端3aaとなるように配置した状態を第2の光ファイバユニット3の基準状態と規定する。
【0106】
そして、第1の光ファイバユニット2の基準状態で、複数の第1コア20のうち最も上部に位置するコア20aと最も下部に位置するコア20cとが第1の光ファイバユニット2の端面2aの上端2aaと下端2abとを結ぶ線分L1上に配置されるようにしている。
【0107】
さらに、第2の光ファイバユニット3の基準状態で、複数の第2コア30のうち最も上部に位置するコア30aと最も下部に位置するコア30cとが第2の光ファイバユニット3の端面3aの上端3aaと下端3abとを結ぶ線分L2上に配置されるようにしている。
【0108】
また、上記実施形態及びその変形例で示した光ファイバ接続構造1の製造方法は、第1、第2の光ファイバユニット2,3の端面2a,3aを研磨する研磨工程を備えている。この研磨工程は、第1、第2の光ファイバユニット2,3の端面2a,3aが、それぞれの光ファイバユニット2,3の中心軸C1,C2と直交する面に対して傾斜するように、それぞれの光ファイバユニット2,3の端面2a,3aを研磨するものである。
【0109】
また、光ファイバ接続構造1の製造方法は、第1の光ファイバユニット2の端面2aと第2の光ファイバユニット3の端面3aとを対向させて光学調心を行う調心工程を備えている。
【0110】
ここで、研磨工程は、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と複数の第1コア20の配列方向の関係が同一となるように、複数の第1コア20の配列を調整する第1コア方位調整工程を有している。また、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向と複数の第2コア30の配列方向の関係が同一となるように、複数の第2コア30の配列を調整する第2コア方位調整工程を有している。
【0111】
さらに、第1コア方位調整工程を行った後に、第1の光ファイバユニット2の端面2aを研磨する第1研磨工程を有している。この第1研磨工程では、上記基準状態で、複数の第1コア20のうち最も上部に位置するコア20aと最も下部に位置するコア20cとが第1の光ファイバユニット2の端面2aの上端2aaと下端2abとを結ぶ線分L1上に配置されるように研磨している。
【0112】
そして、第2コア方位調整工程を行った後に、第2の光ファイバユニット3の端面3aを研磨する第2研磨工程を有している。この第2研磨工程では、上記基準状態で、複数の第2コア30のうち最も上部に位置するコア30aと最も下部に位置するコア30cとが第2の光ファイバユニット3の端面3aの上端3aaと下端3abとを結ぶ線分L2上に配置されるように研磨している。
【0113】
さらに、調心工程は、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向とが互いに逆向きとなるように配置することで、第1コア20と第2コア30の方位を調心するコア方位調心工程を有している。
【0114】
そして、調心工程は、コア方位調心工程を行った後に、光軸を調心する光軸調心工程を有している。
【0115】
このような光ファイバ接続構造1及び光ファイバ接続構造の製造方法とすれば、第1コア20及び第2コア30の配列方向を規定した状態で、第1の光ファイバユニット2の端面2a及び第2の光ファイバユニット3の端面3aを傾斜させることができる。そのため、端面2a,3aの傾斜方向と第1コア20及び第2コア30の配列方向の関係を同一にすることが可能になる。
【0116】
その結果、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学的に結合させる際(光ファイバ接続構造1の製造、組立の際)に、製造工程を簡素化することができ、製造時間をより短縮させることが可能になる。さらに、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを接続させる(調心作業を行う)際に、第1コア20及び第2コア30の挿入損失の誤差やバラツキを減少させることができるようになり、調心作業の時間をより短縮させることが可能になる。
【0117】
そして、端面2a,3aの傾斜方向と第1コア20及び第2コア30の配列方向との関係を同一となるようにすることで、第1コア20及び第2コア30における結合損失のバラツキを抑制することができるようになる。
【0118】
このように、上記実施形態及びその変形例で示した構成とすれば、高精度(低損失)かつ短時間で光学接続を行うことが可能な光ファイバ接続構造1及び光ファイバ接続構造の製造方法を得ることができる。
【0119】
また、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とが、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1と第2の光ファイバユニット3の中心軸C2とを一致させた状態で配置されていてもよい。
【0120】
また、複数の第1コア20が、第1の光ファイバユニット2の中心軸C1を中心とする円周上に等間隔で配置されていてもよい。そして、複数の第2コア30が、第2の光ファイバユニット3の中心軸C2を中心とする円周状に等間隔で配置されていてもよい。
【0121】
こうすれば、中心軸C1,C2を挟むように対向する2つの第1コア20及び第2コア30を任意に選択しても、端面2a,3aにおける第1コア20及び第2コア30の配列状態をほぼ同じ状態とすることができる。そのため、第1の光ファイバユニット2と第2の光ファイバユニット3とを光学的に結合させる際に、互いに対応する第1コア20及び第2コア30の端面2a,3aにおける位置のバラツキをより確実に抑制することができるようになる。その結果、第1コア20及び第2コア30における結合損失をより減少させることができるようになる。
【0122】
また、第1の光ファイバユニット2の端面2aが形成される側に、第1の光ファイバユニット2の撓みを抑制する第1フェルール22が固定されていてもよい。さらに、第2の光ファイバユニット3の端面3aが形成される側に、第2の光ファイバユニット3の撓みを抑制する第2フェルール32が固定されていてもよい。そして、第1フェルール22及び第2フェルール32に、それぞれの端面2a,3aの傾斜方向とコア配列とを合わせることが可能なマーキングM1が形成されていてもよい。
【0123】
また、研磨工程が、マーキング形成工程を有していてもよい。このマーキング形成工程では、第1の光ファイバユニット2の端面2aの傾斜方向と第1コア20のコア配列とを合わせることが可能なマーキングM1を、第1の光ファイバユニット2が固定された第1フェルール22に形成している。さらに、第2の光ファイバユニット3の端面3aの傾斜方向と第2コア30のコア配列とを合わせることが可能なマーキングM1を、第2の光ファイバユニット3が固定された第2フェルール32に形成している。
【0124】
こうすれば、端面2a,3aの研磨方位が外観から目視できなくなったとしても、後工程でこのマーキングM1を基準とすることができる。すなわち、マーキングM1を基準にしてコア配列を粗く揃えるようにすることができる。こうすれば、その後の調整時に時間をかけずにコア方位の調心作業を行うことができるようになる。
【0125】
また、コア方位調心工程で、予め算出した中心軸C1まわりの角度ずれ量θzと損失量との関係に基づいて第1コア20と第2コア30の方位を調心するようにしてもよい。
【0126】
こうすれば、事前に算出した結果に基づき、角度ずれの許容範囲を規定することが可能になり、必要とされる損失量(仕様)に応じて、より簡素に短時間で光ファイバ接続構造1を製造することが可能となる。
【0127】
[その他]
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0128】
例えば、上記実施形態及びその変形例で示した構成や方法を適宜組み合わせることが可能である。
【0129】
また、上記実施形態及びその変形例では、第1コア20及び第2コア30の数が4つのもの及び7つのものを例示したが、第1コア20及び第2コア30の数は、2つ以上であればよく、4つまたは7つに限られるものではない。この場合、光ファイバユニットの中心軸を通る線分上に少なくとも2つのコアが配置されるようにするのが好ましい。
【0130】
また、上記実施形態及びその変形例では、光ファイバ接続構造1として、レンズを用いた空間結合型の接続方式を例示したが、これに限られるものではない。
【0131】
また、上記実施形態及びその変形例では、第1の光ファイバユニット2としてマルチコアファイバを例示し、第2の光ファイバユニット3としてシングルモードファイバを束ねたものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、マルチコアファイバ同士の光学結合に本発明を適用させることも可能であるし、シングルモードファイバを束ねたもの同士の光学結合に本発明を適用させることも可能である。また、第1の光ファイバユニット2及び第2の光ファイバユニット3のいずれか一方をフューモードファイバとし、他方をマルチコアファイバまたはシングルモードファイバを束ねたものとすることも可能である。また、第1の光ファイバユニット2及び第2の光ファイバユニット3の両方をフューモードファイバとすることも可能である。
【0132】
また、コリメータパイプやアダプタ、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 光ファイバ接続構造
2 第1の光ファイバユニット
20 第1コア
2a 端面
2aa 上端
2ab 下端
22 第1フェルール
L1 線分
C1 中心軸
M1 マーキング
3 第2の光ファイバユニット
30 第2コア
3a 端面
3aa 上端
3ab 下端
32 第2フェルール
L2 線分
C2 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
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