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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-19
(45)【発行日】2025-06-27
(54)【発明の名称】電気放電式空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/133 20210101AFI20250620BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20250620BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20250620BHJP
【FI】
F24F8/133
F24F8/192
F24F8/80 140
F24F8/80 216
F24F8/80 238
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023216154
(22)【出願日】2023-12-21
(65)【公開番号】P2025031460
(43)【公開日】2025-03-07
【審査請求日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0109698
(32)【優先日】2023-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523480037
【氏名又は名称】コンコン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GONGGONG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】203-ho,204-ho,166 Gasan digital 2-ro, Geumcheon-gu,Seoul 08503,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン オン
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-533064(JP,A)
【文献】特開2023-081609(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2564728(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/133
F24F 8/192
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気放電式空気清浄機であり、
液体を収容するように構成される集塵水槽と、
前記集塵水槽を収容するハウジングと、
空気に含まれた汚染物質を集塵するために前記空気を外部から前記集塵水槽内に供給するように構成された給気部と、
前記液体の水面に向かい合うように配置された排気管を有し、前記集塵水槽に供給された前記空気を外部に排出するように構成された排気部と、
前記排気管の下端に隣接し、前記排気管の周りに沿って配置され、前記排気管の外周面から前記排気管の中心軸の外側半径方向にそれぞれ突出し、前記給気部を介して供給される前記空気内の前記汚染物質を電気放電によって電離させるように構成された複数の放電極と、
前記集塵水槽内に前記液体の水面の下で前記液体に浸るように配置され、前記複数の放電極と前記液体の間に電場が形成されて前記放電極によって電離された前記汚染物質が前記液体に集塵されるように前記複数の放電極の極性と反対の極性に前記液体を帯電させる帯電部と、
前記集塵水槽の底に設けられ、前記液体に渦流が形成されるように前記液体を回転させる回転羽根と、
前記ハウジングに設けられ、前記回転羽根を回転させるように構成された回転モーターと、
前記回転モーターを制御するように構成された制御部と、を含み、
前記渦流が形成された前記液体の水面と前記複数の放電極間の最短距離は、前記汚染物質を電離された状態に維持するための所定の距離範囲内にあり、
前記制御部は、前記液体の水位が低くなるに伴い、前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように、前記液体の水面と前記複数の放電極間の離隔距離を調節するように構成される、
電気放電式空気清浄機。
【請求項2】
前記複数の放電極は(+)極性に帯電されるように構成され、前記帯電部は前記液体を(-)極性に帯電させるように構成される、
請求項1に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項3】
前記ハウジングに設けられ、前記集塵水槽を接地するように構成された接地部をさらに含む、
請求項1に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項4】
前記帯電部と前記接地部が電気的に分離されるように、前記帯電部は前記集塵水槽内に配置され、前記接地部は前記ハウジングに設けられる
請求項に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項5】
記回転モーターは、前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように、前記回転モーターの回転数を変更させるように構成される、
請求項1に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項6】
記回転モーターは前記回転モーターの回転数を検出して検出回転数を前記制御部に伝達するように構成され、
前記制御部は、前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるようにする前記回転モーターの基準回転数と前記回転モーターから入力された前記検出回転数を比較し、前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように前記液体の水位を高めるために前記回転モーターの回転数を増加させるように構成される、
請求項1に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項7】
前記液体の水位を検出するように構成された水位検出センサをさらに含み
前記制御部は、前記水位検出センサからの検出信号に基づいて、前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように前記離隔距離を調節するように構成される、
請求項1に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項8】
記制御部は前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように前記回転モーターの回転数を変更させるように構成される、
請求項に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項9】
前記集塵水槽内の前記液体を補充するための補充液体を収容する補充水槽と、前記補充水槽の前記補充液体を前記集塵水槽に供給するポンプとをさらに含み、
前記制御部は前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように前記ポンプを制御するように構成される、
請求項に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項10】
前記液体の濃度と異なる濃度を有する補充液体を収容する補充水槽と、前記集塵水槽と前記補充水槽を連結する連結部と、前記連結部内に設けられる半透膜と、前記連結部に設けられ、前記連結部を開閉するように構成されるバルブとをさらに含み、
前記制御部は前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように前記バルブを制御するように構成される、
請求項に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項11】
前記制御部は前記複数の放電極の位置を変更するように構成される、
請求項に記載の電気放電式空気清浄機。
【請求項12】
前記複数の放電極は、前記最短距離が前記所定の距離範囲内にあるように、上下移動可能に構成される、
請求項1に記載の電気放電式空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気に含まれた汚染物質を液体によって集塵する空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内で発生したり外部から流入する微細ホコリのような汚染物質を集塵して室内空気を浄化し、浄化された空気を室内へ排出する多様な形態の空気清浄機が用いられている。このような空気清浄機は乾式空気清浄機と湿式空気清浄機に大別され得る。
【0003】
乾式空気清浄機は汚染物質を濾過するフィルターまたは汚染物質を電気式で集塵するための集塵機を利用して空気を浄化する。乾式空気清浄機はフィルターまたは集塵機の周期的な交換または洗滌を必要とする。フィルターまたは集塵機の交換は追加費用を発生させ、フィルターまたは集塵機の洗滌はユーザーに煩わしさを与える。
【0004】
湿式空気清浄機は空気を水のような湿式浄化剤に接触させることによって汚染物質を沈殿または溶解させて空気を浄化する。湿式空気清浄機で、汚染物質を含む空気と湿式浄化剤間の少ない接触面積は湿式空気清浄機の空気浄化能力を低くする。また、静的な状態で維持される湿式浄化剤により、湿式浄化剤を収容する容器が汚染されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国登録特許公報第10-1998073号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の実施例は前述した従来技術の問題を解決した空気清浄機を提供する。本開示の一実施例は、湿式環境で低い消費電力で高い空気浄化性能を示す空気清浄機を提供する。本開示の一実施例は、湿式環境で用いられ、フィルター交換のような不便性がなく、自動化された作動を実現する空気清浄機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示された実施例は電気放電によって空気内の汚染物質を除去する空気清浄機に関連する。一実施例による空気清浄機は、集塵水槽と、ハウジングと、給気部と、排気部と、複数の放電極と、帯電部と、回転羽根とを含む。集塵水槽は液体を収容するように構成される。ハウジングは集塵水槽を収容する。給気部は、空気に含まれた汚染物質を集塵するために空気を外部から集塵水槽内に供給するように構成される。排気部は、液体の水面に向かい合うように配置された排気管を有し、集塵水槽に供給された空気を外部に排出するように構成される。複数の放電極は排気管の周りに沿って配置される。帯電部は集塵水槽内に配置され、複数の放電極と液体の間に電場が形成されて汚染物質が液体に集塵されるように複数の放電極の極性と反対の極性に液体を帯電させる。回転羽根は集塵水槽の底に設けられ、液体に渦流が形成されるように液体を回転させる。空気清浄機は、液体の水面と複数の放電極間の離隔距離が所定の距離範囲内にあるように構成される。
【0008】
一実施例において、複数の放電極は(+)極性に帯電されるように構成され、帯電部は液体を(-)極性に帯電させるように構成される。
【0009】
一実施例において、複数の放電極は排気管から排気管の中心軸の外側半径方向にそれぞれ突出する。
【0010】
一実施例において、空気清浄機は、ハウジングに設けられ、集塵水槽を接地するように構成された接地部を含む。集塵水槽は、集塵水槽の内周面または外周面に、非伝導性材料を含み得る。
【0011】
一実施例において、空気清浄機は、ハウジングに設けられ、回転羽根を回転させるように構成された回転モーターを含む。回転モーターは、離隔距離が所定の距離範囲内にあるように、回転モーターの回転数を変更させるように構成される。
【0012】
一実施例において、空気清浄機は、回転モーターを制御するように構成された制御部を含む。回転モーターは回転モーターの回転数を検出して検出回転数を制御部に伝達するように構成される。制御部は、離隔距離が所定の距離範囲内にあるようにする回転モーターの基準回転数と回転モーターから入力された検出回転数を比較し、離隔距離が所定の距離範囲内にあるように液体の水位を高めるために回転モーターの回転数を増加させるように構成される。
【0013】
一実施例において、空気清浄機は、液体の水位を検出するように構成された水位検出センサと、水位検出センサからの検出信号に基づいて、離隔距離が所定の距離範囲内にあるように離隔距離を調節するように構成された制御部とを含む。
【0014】
一実施例において、制御部は離隔距離が所定の距離範囲内にあるように回転モーターの回転数を変更させるように構成される。
【0015】
一実施例において、空気清浄機は、集塵水槽内の液体を補充するための補充液体を収容する補充水槽と、補充水槽の補充液体を集塵水槽に供給するポンプとを含む。制御部は離隔距離が所定の距離範囲内にあるようにポンプを制御するように構成される。
【0016】
一実施例において、空気清浄機は、液体の濃度と異なる濃度を有する補充液体を収容する補充水槽と、集塵水槽と補充水槽を連結する連結部と、連結部内に設けられる半透膜と、連結部に設けられて連結部を開閉するように構成されるバルブとを含む。制御部は離隔距離が所定の距離範囲内にあるようにバルブを制御するように構成される。
【0017】
一実施例において、制御部は複数の放電極の位置を変更するように構成される。複数の放電極は、離隔距離が所定の距離範囲内にあるように、上下移動可能に構成される。
【発明の効果】
【0018】
一実施例による電気放電式空気清浄機において、集塵水槽内の帯電された液体と、排気管の周りに沿って配置され、液体とは異なる極性に帯電された突出放電極が電場を形成し、帯電された液体は液体の極性とは異なる極性に電離された汚染物質を集塵する。従って、一実施例による電気放電式空気清浄機は、湿式環境で低い消費電力で高い空気浄化性能を示すことができ、フィルターまたは集塵機の交換のようなユーザーの不便を排除させ得る。
【0019】
一実施例による電気放電式空気清浄機において、集塵水槽の底に設けられた回転羽根が帯電された液体に渦流を形成させて帯電された液体の水面と空気の接触面積を増加させる。従って、一実施例による電気放電式空気清浄機は、汚染物質の累積による集塵性能の減少を防止することができ、帯電された液体の水面を改質することができ、放電極と液体の間での汚染物質による短絡を防止することができる。
【0020】
一実施例による電気放電式空気清浄機は、帯電された液体の水面と放電極間の離隔距離を、電離された汚染物質を維持させるのに適した距離範囲内で維持させることができ、前記離隔距離を維持するために、回転モーターの回転数を変更させたり放電極の液体に対する位置を変更させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例による電気放電式空気清浄機を示す斜視図である。
図2図1の2-2線による断面図である。
図3】一実施例による複数の放電極を示す斜視図である。
図4図2と類似の断面図であり、回転羽根によって回転される液体の水面形状の一例を示す。
図5図2に示す回転羽根と回転モーターを示す拡大断面図である。
図6】制御部を含む一実施例による電気放電式空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。
図7】制御部と水位検出センサを含む一実施例による電気放電式空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。
図8】集塵水槽内の液体をポンプによって補充する一実施例による電気放電式空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。
図9】集塵水槽内の液体を浸透圧によって補充する一実施例による電気放電式空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。
図10】放電極の位置を変更させるように構成される一実施例による電気放電式空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。
図11】一実施例による放電極移動部と排気管を示す断面図である。
図12】放電極配置の一例を示す一実施例による電気放電式空気清浄機の断面図である。
図13】放電極配置のもう1つの例を示す一実施例による電気放電式空気清浄機の断面図である。
図14】放電極配置のさらに他の例を示す一実施例による電気放電式空気清浄機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明に限定されるものではない。
【0023】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0024】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0025】
本開示で記述された単数形の表現は、異なって言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0026】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0027】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「結合されて」いると言及される場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、結合され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、結合され得るものとして理解されるべきである。
【0028】
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものとして意図されはしない。
【0029】
以下に説明する実施例及び添付の図面に示す実施例は、空気に含まれた汚染物質を電気放電によって電離させ、電離された汚染物質を帯電された液体によって集塵して空気を浄化させる電気放電式空気清浄機に関連する。本開示による電気放電式空気清浄機(以下、簡単に空気清浄機という)は室内の空気に含まれた汚染物質を除去するように用いられ得るが、本開示による空気清浄機の使用場所が室内に限定されるものではない。
【0030】
図1は本開示の一実施例による空気清浄機を示す斜視図であり、図2図1の2-2線による断面図である。以下の説明では図1図2を共に参照する。
【0031】
一実施例による空気清浄機10は、液体110を収容するように構成された集塵水槽100と、集塵水槽100を収容するハウジング200を含む。
【0032】
液体110は空気(例えば、室内の空気)に含まれた汚染物質を集塵する。空気に含まれる汚染物質は、一例として、微細ホコリ(PM10、PM2.5等)、ホルムアルデヒド、ラドン、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、重金属、一酸化炭素等であってもよい。集塵水槽100に収容される液体は、空気に含まれた汚染物質を集塵するように水、油、エーテル等のような蒸気圧が低い液体を含み得る。汚染物質の集塵能力を向上させるために、または液剤の蒸発を低くするために添加剤が液体に添加され得る。
【0033】
集塵水槽100は透明材料でなされ得、上方に行くほど増大する直径を有する逆円錐台のような形状を有し得る。集塵水槽100はハウジング200に除去可能に固定されるようにハウジング200に設けられ得る。一例として、集塵水槽100は円形の底壁121と円筒形の側壁122を有し得る。集塵水槽100はハウジング200内に収容され、ハウジング200によって支持される。
【0034】
ハウジング200は空気清浄機10の構成要素を収容する支持物として機能し、集塵水槽100を保有し支持する。一例として、ハウジング200は、空気清浄機10の外部を形成する外側ハウジング210と、外側ハウジング210の内部に位置し、外側ハウジング210に固定される内側ハウジング220を含む。外側ハウジング210は、その上端で貫通している開口211と、その側壁で貫通している多数の吸気孔212を有する。外側ハウジング210は室内の底、または適切な構造物の表面上に配置され得る。内側ハウジング220は空気清浄機の前後方向に貫通した露出口221を限定する。集塵水槽100は露出口221に位置し、内側ハウジング220の底壁222に固定され得る。
【0035】
空気清浄機10は給気部300と排気部400を含む。給気部300と排気部400はハウジングに設けられる。給気部300は、空気に含まれた汚染物質を液体110によって集塵して浄化させるために、空気清浄機10の外部から集塵水槽100に空気を供給するように構成される。排気部400は、集塵水槽100に供給され、液体110によって汚染物質が集塵された空気を集塵水槽100から空気清浄機10の外部に排出するように構成される。
【0036】
給気部300は外側ハウジングの上部付近で外側ハウジングの内部に位置する。給気部300は外側ハウジング210と内側ハウジング220の間で外側ハウジング210の内部に固定され得る。一例として、給気部300は、汚染物質が含まれた空気をハウジング200の外部から吸気するための吸気器310と、吸気器310から延長する給気管320を有し得る。吸気器310は吸気孔212に向かって配置される吸気ファン311と、吸気ファン311を回転させるファンモーター312を有し得る。ファンモーター312によって吸気ファン311が回転するに伴い、空気清浄機外部の空気は吸気器310を介して給気管320に供給されることができる。ファンモーター312の作動は空気清浄機の制御部によって制御され得る。一例として、ファンモーター312によって回転する吸気ファン311の回転数を増減させることで、集塵水槽100に供給される空気の量が調節され得、汚染物質の集塵速度が調節され得る。給気管320は吸気器310が送風する空気を集塵水槽100に向かって誘導する。給気管320は内側ハウジング220の内部に向かうように配置される。一例として、給気管320は吸気器310から集塵水槽100に向かうように延長し得る。もう1つの例として、給気管320は吸気器310から排気部400に向かって直線にまたは斜線に延長し得、給気管320から送風された空気は排気部400に沿って集塵水槽100に誘導され得る。
【0037】
排気部400は、汚染物質が液体110に集塵されて除去された空気を空気清浄機の外部に排出する。排気部400は集塵水槽100の上方に位置し、外側ハウジング210の上部に結合され得る。排気部400は、汚染物質が除去された集塵水槽100内の空気を集塵水槽100から上方に排出するように構成される。一例として、排気部400はモジュール化された部品で構成され得、外側ハウジング210の上部に除去可能に結合され得る。従って、排気部400がハウジング200から除去された状態で、内側ハウジング220に位置する集塵水槽100及び集塵水槽100内の液体110が露出し得る。そのような状態で、外側ハウジング210の開口211を介して液体110の補充が行われ得る。
【0038】
排気部400は、外側ハウジング210の開口211に結合されるカバー部410と、カバー部410から下方に延長する排気管420を有する。カバー部410は、その上部に、汚染物質が除去された空気が排出される多数の排気孔411を有する。排気管420はカバー部410の下部から下方に延長し、カバー部410は排気管420と連通する内部空間を有する。排気管420は集塵水槽100の中心軸CAと同軸に配置されるように排気部400に形成される。排気管420は液体110の水面111を下側方向で向かい合うように排気部400に配置される。従って、排気管420が液体110の水面111から上方に離隔されるように、排気部400がハウジング200に結合される。排気管420の下端が液体110の水面に向かう。
【0039】
一実施例による空気清浄機10は、給気部300を介して供給される空気内の汚染物質を電気放電によって(+)極性または(-)極性に電離または帯電させ、汚染物質を集塵する液体110を汚染物質の極性とは反対の極性に帯電させる。これにより、集塵水槽100に供給される空気の汚染物質が集塵水槽100内の液体110に集塵される。前述した汚染物質の集塵のために、空気清浄機10は集塵水槽100に導入される空気に電気放電を実行する放電極510と液体110を帯電させる帯電部520を含む。
【0040】
図3は、一実施例による排気部の排気管に配置される複数の放電極を示す斜視図である。以下の説明では、図2図3を共に参照する。
【0041】
複数の放電極510が排気管420の周りに沿って配置される。一例として、4個~6個の放電極510が排気管420の周りに沿って配置され得るが、放電極の数がこれに限定されるものではない。複数の放電極510が排気管420を中心として排気管420の周りに沿って等間隔または所定の間隔で配置される。一例として、各放電極510は炭素繊維でなされ得る。炭素繊維放電極は、低電圧と低い消費電力で用いられ得、少ない発熱量を有し得る。空気清浄機の実施例において、複数の放電極510は、排気管420に、または排気部400に、または集塵水槽100に結合されて、排気管420の周りに沿って配置され得る。
【0042】
図2図3に示す実施例において、複数の放電極510は、排気管420の外周面から排気管の中心軸CAの外側半径方向ROにそれぞれ突出するように排気管420に結合される。複数の放電極510は排気管420の下端付近で排気管420の周りに沿って等間隔でまたは所定の間隔で配置される。複数の放電極510が排気管420を中心として四方に突出するため、湿度が高い環境で放電効率が減少しない。
【0043】
図2を参照すると、帯電部520は集塵水槽100内で液体110に浸るように配置され、液体110を帯電させる。帯電部520は複数の放電極510が帯電される極性と反対の極性に液体110を帯電させるように構成される。帯電部520が液体110を帯電させるに伴い、複数の放電極510と液体110の間に電場が形成されて汚染物質が液体110に集塵される。帯電部520は液体110に浸る帯電電極を含み得、帯電電極に連結される電線は集塵水槽100の内周面に付着され、ハウジング200内部に延長され得る。
【0044】
一実施例によれば、複数の放電極510は(+)極性に帯電されるように構成され、帯電部520は液体110を(-)極性に帯電させるように構成される。(+)極性に帯電された複数の放電極510により、放電極周辺にある汚染物質が電気的に破壊されてカチオンに電離される。例えば、複数の放電極510には陽極コロナ放電が発生し得る。カチオンに電離された汚染物質は(-)極性に帯電された液体110に、例えば電場による力、静電気的な引力等によって引かれて、液体110に集塵され得る。(+)極性に放電極510が帯電されるため、放電極で発生する酸素ラジカルが空気中の酸素と結合して形成するオゾンの量が少ない。他の例として、複数の放電極510は(-)極性に帯電されることもでき、帯電部520は液体110を(+)極性に帯電させることもでき、汚染物質は放電極510によってアニオンに電離されることもできる。
【0045】
一部実施例によれば、集塵水槽100内の液体110は流動性を有しないように集塵水槽100内に収容されることもできる。空気清浄機10の作動によって、汚染物質が液体110の水面に累積され得、集塵効率が減少し得、集塵された汚染物質が放電極510と液体110を電気的に連結させ得る。一実施例の空気清浄機10は、集塵水槽内の液体110を回転させて液体110に渦流が形成されるようにする。これにより、液体110の水面111が改質され得、集塵効率の減少が防止され得、汚染物質による電気的な短絡を予防することができる。
【0046】
一実施例の空気清浄機10は、集塵水槽100の底壁121に設けられ、液体110を回転させる回転羽根610を含む。回転羽根610は集塵水槽100の中心軸CAを中心に回転するように集塵水槽100の底壁121に回転可能に結合される。一例として、回転羽根610は、円板状に形成されたベース部611と、ベース部611から上方に突出する複数の羽根部612を有する。各羽根部612はベース部611の回転中心の付近からベース部611の縁に延長するように形成され得る。
【0047】
図4は、図2と類似の断面図であり、回転羽根によって回転する液体の水面形状の一例を示す。以下の説明では、図2図4を共に参照する。
【0048】
回転羽根610が中心軸CAを中心として回転するに伴い、渦流が液体110に形成される。回転羽根610が回転するに伴い、液体110の水面111の高さが上昇し得、中心軸CAを中心として回転する渦流が液体110に形成される。渦流が形成された液体110で、水面111は下方に凹んだ略V字状を取ることができる。渦流が形成された液体110の水面111が放電極510の尖端部と近く位置するが互いに接触しないように、回転羽根610が液体110を回転させる。液体110に渦流が形成され液体110の水面111が平らな形状から下方に凹んだ形状に変化するので、汚染物質を含む空気と液体110の水面111間の接触面積が増大する。即ち、回転羽根610の回転に伴い、水面111は増大した接触面積を有し得、汚染物質の集塵効率がより一層増加し得る。また、渦流が形成された液体110が集塵水槽100を洗滌することができるので、集塵水槽の内部汚染が減少し得、集塵された汚染物質によって集塵水槽に水垢が生じることを防止することができる。また、液体110の水面111が改質されることができ、汚染物質による放電極と液体間の電気的な短絡を予防することができる。
【0049】
一実施例の空気清浄機10は、回転羽根610を回転させるように構成された回転モーター620を含む。一部実施例においては、回転羽根610を回転させるための回転モーター620を有しないこともある。回転モーター620はハウジング200に設けられ、回転羽根610に直接的または間接的に連結され得る。回転モーター620の回転軸と回転羽根610の回転軸が直接連結され得る。この場合、回転モーター620の回転軸と回転羽根610の回転軸のいずれか1つは集塵水槽100の底壁121を通過することができ、液体の漏洩を防止するための密封部材が集塵水槽の底壁121と前記回転軸の間に介在され得る。回転モーター620の回転軸と回転羽根610の回転軸は互いに分離されることもあり、回転モーター620の回転力は非接触式で回転羽根610に伝達されることもできる。この場合、集塵水槽100の底壁121を貫通する回転軸とこのための密封部材が求められず、液体の漏洩が防止されることができる。
【0050】
図5は、図2に示す回転羽根と回転モーターを示す拡大断面図である。以下の説明では、図2図5を共に参照する。
【0051】
内側ハウジング220は底壁222から下方に凹んで形成されたモーター収容部223を有する。回転モーター620は内側ハウジング220のモーター収容部223内に設けられる。集塵水槽100の底壁121は閉鎖されており、支持軸123が底壁121から突出する。回転羽根610のベース部611は支持軸123を中心に回転するように支持軸123に結合される。回転モーター620は、その回転軸621の端部に結合され、円板状を有する駆動板622を有する。駆動板622は略回転羽根のベース部611の大きさを有し得る。
【0052】
駆動板622は磁気力によって回転羽根610を回転させるように構成される。駆動板622の回転に伴う回転羽根610の回転のために、駆動板622はその周方向に離隔されて配列される複数の磁石623を有し得、回転羽根610はベース部611に磁石623にそれぞれ対応する複数の金属部613を有し得る。または、回転羽根610のベース部611がその周方向に離隔されて配列された複数の磁石623を有し得、駆動板622は複数の磁石にそれぞれ対応する複数の金属部613を有し得る。または、駆動板622とベース部611に、垂直方向で互いに対向する複数対の磁石が設けられることもできる。従って、回転モーター620の回転力は、駆動板622とベース部611間の磁気的相互作用により回転羽根610に伝達され得、回転モーター620と分離された回転羽根610が回転モーター620の回転によって回転され得る。
【0053】
一実施例の空気清浄機10は、ハウジング200に設けられ、集塵水槽100を接地するように構成された接地部130を含み得る。図2を参照すると、接地部130は、その接地端子が露出口221から集塵水槽100に向かって突出するように内側ハウジング220に設けられ得る。接地部130の接地端子は集塵水槽100の表面に接触する。詳細には、接地部130は接地端子が集塵水槽100の底壁121の付近に接触するように位置する。他の例として、接地部130は接地端子が集塵水槽100の底壁121の下面に接触するように内側ハウジング220に設けられることもできる。空気清浄機10の稼働により液体110が帯電部520によって帯電されるが、集塵水槽100が接地部130によって接地され、ユーザーに対する安全性を向上させることができる。
【0054】
液体110を帯電させるための帯電部520と集塵水槽100を接地させるための接地部130は上下に分離されている。一例として、帯電部520は接地部130の上方に位置し得る。また、帯電部520と接地部130は電気的に分離されるように集塵水槽100に配置され得る。これと関連し、集塵水槽100の一部は非伝導性材料でなされ得る。一例として、集塵水槽100はその内周面または外周面に非伝導性材料を含み得、非伝導性材料は集塵水槽の一部として形成され得るか、または集塵水槽の内周面または外周面にコーティングされ得る。
【0055】
空気清浄機10が作動すれば、放電極510の放電によって汚染物質が電離され、帯電部520によって液体110が帯電される。また、回転羽根610によって集塵水槽内の液体110に渦流が形成される。放電極510は(+)極性に帯電されて(+)極性の放電が実行され、汚染物質はカチオンに電離される。一例として、(+)極性の放電は数マイクロセカンドの間持続され得、汚染物質がカチオンに電離された状態の持続時間が非常に短いこともある。従って、空気清浄機10の作動時に、放電極510と液体の水面111間の適切な距離が維持されるのが重要である。
【0056】
空気清浄機10が所定時間作動するにつれ、液体110に発生する自然な気化現象により、液体110の水面111の高さが低くなる。その場合、放電極510と水面111間の適切な距離が維持できずに増加し、電離された汚染物質が液体110に円滑に誘導できず、集塵性能が悪化し得る。これと関連し、一実施例による空気清浄機10は、液体の水面111と放電極510間の離隔距離を維持するように、即ち、前記離隔距離が所定の距離範囲内にあるように構成される。前記離隔距離は、図4に符号SDで示すように、渦流が形成された液体110の水面111と放電極510間の最短距離を意味し得る。一例として、前記所定の距離範囲は3cm~4cmであってもよいが、放電極に印加される電力、液体の容量、集塵水槽の大きさ等のような要因によって変わり得る。
【0057】
本開示の実施例によれば、前記離隔距離を前記所定の距離範囲内で維持させるために、集塵水槽内の液体の蒸発量が抑えられて液体の水位変化が最小化されることができる。一例として、汚染物質を集塵する液体は塩のような添加剤を含み、低い蒸発量を有し得る。もう1つの例として、汚染物質を集塵する液体は冷却され得、液体を冷却させる冷却器は集塵水槽に接するようにハウジングに設けられ得る。
【0058】
本開示の実施例によれば、前記離隔距離を前記所定の距離範囲内で維持させる作動は、液体110の水位(水面111の集塵水槽の底壁121に対する高さ)が低くなるほど液体110の回転速度を向上させて前記離隔距離を調整する方法、液体110の水位が一定の高さで維持されるように補充液体を集塵水槽100に供給して前記離隔距離を調整する方法、放電極510を移動させて放電極510と前記離隔距離を調整する方法、放電極510が配置される排気管420を移動させて前記離隔距離を調整する方法等によって実現されることができる。また、液体110の水位を検出するように構成された水位検出センサが空気清浄機10に採用され、センサからの信号に基づいて前記離隔距離が調整され得る。また、前述した方法は、空気清浄機10内部に設けられる制御部の制御によって、自動で実行されることもできる。
【0059】
一実施例によれば、回転羽根610を回転させるための回転モーター620は、その回転数を変更させるように構成される。詳細には、図4を参照すると、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内にあるように、回転モーター620はその回転数を変更させるように構成される。空気清浄機10の作動によって液体110の水位が低くなるに伴い、回転モーター620はその回転数を増加させることができる。さらに速い速度の渦流が液体110に形成され得、液体110の水位は渦流の速度が増加するほど高くなり得る。これにより、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持され得る。
【0060】
空気清浄機10はその作動部に属する構成要素を制御する制御部を含み得る。前記制御部は処理プロセッサと各種の電気電子部品を含み得、ハウジング200の内部にまたはハウジング200の外部に設けられ得る。前記制御部は、空気清浄機の作動部の構成要素を駆動するための電源に連結され得る。前記制御部は、給気部の作動、放電極の作動、帯電部の作動、回転モーターの作動等を制御するように構成され得る。図6は、制御部を含む一実施例による空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。以下の説明では、図4図6を共に参照する。
【0061】
制御部700は回転モーター620を制御するように構成される。回転モーター620は回転モーターの回転軸621の回転数を検出し、検出回転数を制御部700に伝達するように構成される。これと関連し、回転モーター620は回転軸621の回転数を検出するためのセンサまたはエンコーダを有し得る。制御部700は、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持される回転モーター620の基準回転数を記憶することができる。空気清浄機の作動によって液体の水位が低くなる場合、制御部700は前記基準回転数と前記検出回転数を比較し、回転モーター620により一層高い電力が印加されるように回転モーター620を制御することができる。例えば、制御部700は前記比較の結果に基づいて、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持されるように液体110の水位を高めるために回転モーター620の回転数を増加させることができる。
【0062】
一例として、液体の蒸発により、体積が減少する液体は回転羽根に減少した負荷を印加する。回転モーター620は前記基準回転数で回転軸621を回転させるように電力が供給されるので、液体の体積が減少し、それにより負荷が減少した状態で、回転モーター620の回転軸621に対する検出回転数は前記基準回転数より大きいこともある。従って、制御部700が前記検出回転数が前記基準回転数より大きいと判断する場合、回転羽根610がより一層速い速度で回転して液体の水位を増加させるように、制御部700は回転モーター620に供給される電力を前記基準回転数により加えられる電力より高くして回転モーター620が前記検出回転数より高い回転数で回転するように、回転モーター620を制御することができる。
【0063】
空気清浄機は、液体の水位を検出するように構成された水位検出センサを含み得、空気清浄機の制御部は前記水位検出センサからの検出信号に基づいて前記離隔距離を維持することができる。図7は、制御部と水位検出センサを含む一実施例による空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。以下の説明では、図4図7を共に参照する。
【0064】
水位検出センサ810は液体110の水位を検出して検出信号を制御部700に送信するように構成される。制御部700は、水位検出センサ810からの検出信号に基づいて、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持されるように離隔距離SDを調節するように構成される。水位検出センサ810は集塵水槽100にまたは集塵水槽100の上方でハウジング200に設けられ得る。一例として、水位検出センサ810は、液体110の量を電気抵抗変化で測定するセンサ、またはマイクロ波パルス、超音波、赤外線等によって離隔距離SDを計測するセンサ、またはフロートを用いて液体の水位を検出するセンサであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0065】
一例として、制御部700は回転モーター620の回転数を変更させて離隔距離SDを調節することができる。制御部700は、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内にある液体110の基準水位を記憶し、水位検出センサ810からの検出信号と前記基準水位を比較し、前記検出信号による水位が前記基準水位より低い場合、回転モーター620の回転数を増加させるように回転モーター620を制御するように構成される。また、制御部700は、前記検出信号による水位が前記基準水位より高い場合、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内にあるように、回転モーター620の回転数を減少させるように構成され得る。
【0066】
空気清浄機は、水位検出センサの検出信号に基づいて集塵水槽内の液体をポンプによって補充することで前記離隔距離を維持することができる。図8は、集塵水槽内の液体をポンプによって補充する一実施例による空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。以下の説明では図4図8を共に参照する。
【0067】
空気清浄機10は、集塵水槽100内の液体110を補充するための補充液体を収容する補充水槽821と、補充水槽821の前記補充液体を集塵水槽100に供給するように構成され、制御部700によって制御されるポンプ822を含み得る。集塵水槽100の液体110と補充水槽821の前記補充液体は同一の液体であってもよい。制御部700は離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持されるようにポンプ822を制御するように構成され得る。詳細には、制御部700は、水位検出センサ810からの検出信号と前記基準水位を比較し、前記検出信号による水位が前記基準水位より低い場合、ポンプ822が補充水槽821内の前記補充液体を集塵水槽100に供給するようにポンプ822を制御することができる。また、ポンプ822の作動後に、前記検出信号による水位が前記基準水位に近接すれば、制御部700はポンプ822の作動を停止させることができる。
【0068】
一例として、補充水槽821は集塵水槽100から離隔され得、ハウジング200にまたはハウジング200とは異なる別個のハウジング内に配置され得、補充水槽821と集塵水槽100はポンプ822が配置される連結管823を介して互いに連結され得る。もう1つの例として、集塵水槽100は、汚染物質を集塵する液体110を収容し液体110に渦流が形成される第1部分と、前記補充液体を収容し前記第1部分を取り囲んだり結合されたりする第2部分が一体に形成されるように構成されることもできる。このような例では、1つの集塵水槽が汚染物質を集塵する液体110を収容する部分と前記補充液体を収容する部分を有する二重構造で形成され得る。
【0069】
空気清浄機は、水位検出センサの検出信号に基づいて集塵水槽内の液体を浸透圧を用いて補充することによって前記離隔距離を維持することができる。図9は、集塵水槽内の液体を浸透圧によって補充するように構成される一実施例による空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。以下の説明では図4図9を共に参照する。
【0070】
空気清浄機10は、集塵水槽100内の液体110の濃度と異なる濃度を有する補充液体を収容する補充水槽831と、集塵水槽100と補充水槽831を連結する連結部832と、連結部832内に設けられる半透膜833と、連結部832に設けられて連結部832を開閉するように構成され、制御部700によって制御されるバルブ834を含み得る。集塵水槽100内に液体110と補充水槽831内の前記補充液体は濃度が異なる同一の液体であってもよい。
【0071】
制御部700は離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持されるようにバルブ834を制御するように構成され得る。詳細には、制御部700は、水位検出センサ810からの検出信号と前記基準水位を比較し、前記検出信号による水位が前記基準水位より低い場合、バルブ834が連結部832を開放するようにバルブ834を制御することができる。一例として、集塵水槽100内の液体110の濃度より前記補充液体の濃度が高い場合、バルブ834の開放により浸透圧作用によって集塵水槽100内の液体110が補充され得る。もう1つの例として、集塵水槽100内の液体110の濃度より前記補充液体の濃度が低い場合、バルブ834の開放により逆浸透圧作用によって集塵水槽100内の液体110が補充され得る。このような例では、補充水槽831内の前記補充液体には逆浸透圧作用のために圧力が加えられ得る。バルブ834の作動後に、前記検出信号による水位が前記基準水位に近接すれば、制御部700はバルブ834が連結部832を閉鎖するようにバルブ834を制御することができる。
【0072】
一例として、補充水槽831は集塵水槽100から離隔され得、ハウジング200にまたはハウジング200とは異なる別個のハウジング内に配置され得、補充水槽831と集塵水槽100は半透膜833及びバルブ834が配置された連結部832を介して互いに連結され得る。もう1つの例として、集塵水槽100は、汚染物質を集塵する液体110を収容し液体110に渦流が形成される第1部分と、液体110の濃度と異なる濃度を有する前記補充液体を収容し前記第1部分を取り囲んだり結合されたりする第2部分が一体に形成されるように構成されることもできる。このような例では、1つの集塵水槽が、汚染物質を集塵する液体110を収容する部分と前記補充液体を収容する部分を有する二重構造で形成され得る。
【0073】
他の実施例によれば、集塵水槽100と補充水槽831はバルブ834のみを備えた連結部832を介して連結されることもでき、前記補充液体は集塵水槽100内の液体110の水位より高い水位で補充水槽831内に収容されることもできる。このような例では、前記離隔距離を調節するように、制御部700はバルブ834が連結部832を開閉するようにバルブ834を制御することができ、水位差によって集塵水槽100内の液体110が補充水槽831内の前記補充液体から補充されることができる。
【0074】
また、他の実施例によれば、汚染物質を集塵する液体を収容する集塵水槽は、その内径を変更させるように構成され得る。集塵水槽の内径が狭くなる場合、渦流が形成された液体の水位が高まり得る。例えば、集塵水槽の上部がシリコーンのような柔軟な材料でなされ得、このような集塵水槽の上部はユーザーによってまたは制御部によって縮小され、集塵水槽の内径を変更させることができる。
【0075】
空気清浄機は、水位検出センサの検出信号に基づいて放電極の位置を変更させることによって前記離隔距離を維持することができる。図10は、放電極の位置を変更させるように構成される一実施例による空気清浄機の作動部の構成を概略的に示すブロック図である。図11は一実施例による放電極移動部と排気管を示す断面図である。以下の説明では図4図10及び図11を共に参照する。
【0076】
制御部700は複数の放電極510の位置を変更するように構成され得る。制御部700によって、複数の放電極510は液体110の水面に対する位置を変更するように構成され得る。このために、複数の放電極510は離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持されるように排気管420に対して上下に移動可能に構成され得る。
【0077】
放電極の上下移動に関連し、空気清浄機10は、排気管420に沿って上下に移動可能に排気管に結合される放電極支持部431と、放電極支持部431を昇降させるように構成される放電極移動部432を含み得る。
【0078】
放電極510は放電極支持部431から排気管420の中心軸CAに対する外側半径方向ROに突出するように放電極支持部431に結合される。放電極支持部431はリングの形状を有し放電極510を支持する。放電極支持部431は排気管420に対して傾かないように垂直方向での所定の幅を有し得る。放電極支持部431は排気管420の外周面に上下に移動可能にまたはスライド可能に結合され得る。放電極支持部431が上下に移動するに伴い、離隔距離SDが前記所定の距離範囲内にあるように調節され得る。放電極支持部431と排気管420間の摩擦を最小化させるために、放電極支持部431はその内周面にローラを有し得るか、または放電極支持部431は低摩擦を示す材料でなされ得るか、或いは、放電極支持部431と排気管420の間にグリースのような潤滑剤が塗布され得る。
【0079】
放電極移動部432は制御部700によって制御される。水位検出センサ810の検出信号による水位が前記基準水位より低い場合、制御部700は放電極支持部431が放電極移動部432によって下降するように放電極移動部432を制御することができる。これにより、液体の蒸発による水位下降により発生する増加した離隔距離SDが前記所定の距離範囲内で維持され得る。多量の液体110が集塵水槽100内に収容されたり補充される場合、離隔距離SDが減少し得る。この場合、放電極移動部432の駆動によって、放電極支持部431が上昇し得、離隔距離SDは前記所定の距離範囲内で維持され得る。
【0080】
放電極移動部432は、動力源433と、動力源433と放電極支持部431を連結する連結部434を含み得る。動力源433はステップモーター、DCモーターのような電気モーターであってもよい。または、動力源433はバイオメタル、形状記憶合金、アクチュエーター、人工筋肉のような動力発生源であってもよい。連結部434は動力源433に備えられる回転軸または作動軸に結合され得る。
【0081】
一例として、連結部434は、動力源433の回転軸に結合されて動力源433によって時計方向または反時計方向に回転する回転体と、前記回転体と放電極支持部431を連結するワイヤを含み得る。前記回転体は円筒状またはリング状を有し得る。前記ワイヤの上端は、前記回転体に結合され得、前記ワイヤの下端は放電極支持部431に結合され得る。前記ワイヤの上端を含む一部は、前記回転体に巻かれ得る。動力源433の回転力によって前記回転体が回転するに伴い、前記ワイヤが放電極支持部431を下降させたり上昇させたりすることができる。従って、放電極移動部432は前記ワイヤによって放電極支持部431を昇降させるように構成され得る。他の例として、前記回転体は前記ワイヤが巻かれるプーリーであってもよい。また、動力源433と放電極支持部431を連結する連結部434は、ワイヤを用いない他の昇降構造を有することもできる。
【0082】
他の実施例によれば、複数の放電極510は排気管420を貫通して排気管420の中心軸CAの外側半径方向に突出し、排気管420を介して外側半径方向及び内側半径方向に移動するように排気管420に結合され得る。このような例において、放電極510の内端部は前述した動力源433に連結され得、動力源433の作動によって放電極510の突出程度が調節され得る。制御部700が動力源433を制御するに伴い、放電極510の突出程度が変更されて前記離隔距離が前記所定の距離範囲内にあるように維持され得る。
【0083】
他の実施例によれば、排気部400は排気管420を上下に移動させて離隔距離SDを調節するように構成され得る。一例として、排気管420は上端部にねじ山を有し得、カバー部410は排気管420のネジに対応するねじ山を有し得る。排気管420を中心軸CAに対して回転させることによって、カバー部410に対する排気管420の突出長さが調節され得る。従って、集塵水槽100内の液体110の水位が低くなり離隔距離SDが変更される場合、排気管420の回転によって排気管420の高さが調節され、離隔距離SDが調節され得る。一例として、排気管420の高さ調節は手作業で行われ得る。もう1つの例として、排気管420の上部とカバー部410に排気管420を回転させるための動力源及びギア装置が配置され得、制御部によって動力源が制御されて排気管の高さ調節が実行され得る。
【0084】
図12図14は、一実施例による空気清浄機での放電極配置の他の例を示す。以下の説明では、図12図14を参照する。
【0085】
複数の放電極は排気管の周りに沿って配置され、帯電部が液体を帯電させる極性とは反対の極性に帯電される。図12を参照すると、複数の放電極510は、排気管420の外周面から外側半径方向ROと下側方向UD間の斜めの方向に突出するように排気管420に結合される。図13を参照すると、複数の放電極510は集塵水槽100の側壁122から排気管420の下端に向かって突出するように集塵水槽100に結合される。放電極510の尖端部は排気管420の下端と同一レベルで位置し得る。図14を参照すると、複数の放電極510は排気部400に、詳細にはカバー部410または排気管420の上端部に結合され、下側方向UDに突出する。放電極510は排気管420の外周面から外側半径方向ROに離隔されており、放電極510の尖端部は排気管420の下端と同一レベルで位置することもできる。図12図14に示す実施例において、液体の水面111と放電極510間の前記離隔距離が前記所定の距離範囲内に前述した方法によって維持され得る。例えば、前述した通り、前記離隔距離は、液体の回転速度を向上させることにより、補充液体を集塵水槽に供給することで、または放電極を移動させることで維持され得る。
【0086】
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を理解すべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0087】
10空気清浄機、100集塵水槽、110液体、111水面、130接地部、200ハウジング、300給気部、400排気部、420排気管、510放電極、520帯電部、610回転羽根、620回転モーター、700制御部、810水位検出センサ、821補充水槽、822ポンプ、831補充水槽、832連結部、833半透膜、834バルブ、CA排気管の中心軸、SD離隔距離
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