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特許7700407バッテリー生産システム及びそれに関する管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】バッテリー生産システム及びそれに関する管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20250624BHJP
【FI】
G06Q50/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023535811
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2022011841
(87)【国際公開番号】W WO2023038305
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120044
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、フ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン フーン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ムーン コー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン フーン
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、ジュン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドゥク ヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ハム、セオク ヒェオン
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132440(JP,A)
【文献】国際公開第2020/044754(WO,A1)
【文献】特開2020-071629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーが含まれたトレーと、
前記トレーと無線通信を行うように設定された複数のコレクタと、
前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃有無を追跡するように設定されたサーバと、を含み、
前記トレーは、
前記トレーの衝撃を感知するように設定された測定部及び前記複数のコレクタと無線通信を行うように設定された通信部を含み、
前記測定部は、前記トレーの衝撃が感知されると、測定周期を指定された第1割合に減らし、
前記通信部は、前記トレーの前記衝撃が感知されると、前記無線通信の周期を指定された第2割合に減らすように設定され、
前記複数のコレクタは、前記トレーの前記通信部との無線通信の結果に基づいて前記トレーとの距離を算出するように設定された、バッテリー生産システム。
【請求項2】
前記複数のコレクタは、前記トレーの前記通信部に信号を送信した後、前記トレーの前記通信部から信号を受信し、信号の往復時間を用いて前記トレーとの距離を算出するように設定された、請求項1に記載のバッテリー生産システム。
【請求項3】
前記複数のコレクタは、前記トレーとの距離を前記サーバに伝送するように設定され、
前記サーバは、前記複数のコレクタと前記トレーとの間の距離に基づいて前記トレーの位置を算出するように設定された、請求項1に記載のバッテリー生産システム。
【請求項4】
前記測定部は、
加速度センサー又はジャイロセンサーのうち少なくとも一つを含み、
前記通信部は、
前記測定部により測定された衝撃量情報を前記複数のコレクタに伝送するように設定された、請求項1に記載のバッテリー生産システム。
【請求項5】
前記複数のコレクタは、
前記無線通信を介して測定された前記トレーとの距離及び前記衝撃量情報を前記サーバに伝送するように設定された、請求項4に記載のバッテリー生産システム。
【請求項6】
前記複数のコレクタは、
UWB(ultra wide band)信号の送信及び受信時間に基づいて前記トレーとの距離を決定するように設定された、請求項4又は5に記載のバッテリー生産システム。
【請求項7】
前記サーバは、
前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃発生有無を決定するように設定された、請求項5に記載のバッテリー生産システム。
【請求項8】
前記サーバは、
前記複数のコレクタと前記トレーとの間の距離及び三角測量法を用いて前記トレーの位置を算出するように設定された、請求項7に記載のバッテリー生産システム。
【請求項9】
前記通信部は、
前記衝撃が感知されると、前記無線通信のための信号強度を指定された第3割合に増加させるように設定された、請求項1から5、7、8のいずれか一項に記載のバッテリー生産システム。
【請求項10】
前記複数のコレクタは、
前記トレーから増加した強度の信号が受信されると、前記トレーの衝撃が発生したと決定するように設定された、請求項9に記載のバッテリー生産システム。
【請求項11】
前記サーバは、
前記トレーから増加した強度の信号が受信されると、前記トレーの衝撃が発生したと決定するように設定された、請求項9に記載のバッテリー生産システム。
【請求項12】
バッテリーが含まれたトレーと、
前記トレーと無線通信を行うように設定された複数のコレクタと、
前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃有無を追跡するように設定されたサーバと、を含み、
前記トレーは、
前記トレーの衝撃を感知するように設定された測定部及び前記複数のコレクタと無線通信を行うように設定された通信部を含み、
前記測定部は、前記トレーの衝撃が感知されると、測定周期を指定された第1割合に減らし、
前記通信部は、前記トレーの前記衝撃が感知されると、前記無線通信の周期を指定された第2割合に減らし、前記無線通信のための信号強度を調節するように設定された、バッテリー生産システム。
【請求項13】
トレーで、指定された測定周期で前記トレーの衝撃有無を感知する動作と、
前記トレーで、複数のコレクタと無線通信を行う動作と、
前記トレーで、前記トレーの衝撃が感知されると、前記測定周期を指定された第1割合に減らし、前記無線通信の周期を指定された第2割合に減らす動作と、
前記複数のコレクタで、前記トレーとの無線通信の結果に基づいて前記トレーとの距離を算出する動作と、
前記複数のコレクタで、前記トレーとの距離と、前記トレーの衝撃量情報とをサーバに伝送する動作と、
前記サーバで、前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃発生有無を決定する動作と、を含む、
バッテリー生産システムの動作方法。
【請求項14】
前記複数のコレクタで、前記トレーとの無線通信の結果に基づいて前記トレーとの距離を算出する動作は、
UWB信号の送信及び受信時間に基づいて前記トレーとの距離を決定する動作を含む、請求項13に記載のバッテリー生産システムの動作方法。
【請求項15】
前記サーバで前記トレーの位置を決定する動作は、
前記複数のコレクタと前記トレーとの間の距離及び三角測量法を用いて前記トレーの位置を決定する動作を含む、請求項13に記載のバッテリー生産システムの動作方法。
【請求項16】
前記衝撃が感知されると、前記トレーで前記無線通信のための信号強度を指定された第3割合に増加させる動作をさらに含む、請求項13から15のいずれか一項に記載のバッテリー生産システムの動作方法。
【請求項17】
前記複数のコレクタ又は前記サーバで、前記トレーから増加した強度の信号が受信されると、前記トレーの衝撃が発生したと決定する動作をさらに含む、請求項16に記載のバッテリー生産システムの動作方法。
【請求項18】
トレーで、指定された測定周期で衝撃有無を感知する動作と、
前記トレーで、複数のコレクタと無線通信を行う動作と、
前記トレーで、衝撃が感知されると、前記測定周期を指定された第1割合に減らし、前記無線通信の周期を指定された第2割合に減らす動作と、
前記トレーで、前記衝撃が感知されると、前記無線通信のための信号強度を指定された第3割合に増加させる動作と、
前記複数のコレクタで、前記トレーとの無線通信の結果をサーバに伝送する動作と、
前記サーバで、前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃発生有無を決定する動作と、を含む、バッテリー生産システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年9月8日に出願された韓国特許出願第10-2021-0120044号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本文書に開示された実施形態は、バッテリー生産システム及びそれに関する管理に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電が可能な電池であって、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと最近のリチウムイオン電池とを全て含む意味である。二次電池のうちリチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べてエネルギー密度が遥かに高いという利点がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量で製作することができ、移動機器の電源として使用される。また、リチウムイオン電池は、電気自動車の電源に使用範囲が拡張され、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を浴びている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリー生産システムにおいて、バッテリーは、トレーに載せられたままコンベヤーベルトを介して移動し、物流移動過程で多様な原因によりバッテリーが損傷されることがある。例えば、コンベヤーベルトの特定の区間で物流が停滞すると、物流間の衝突によりクラック(crack)が発生する可能性があり、クラックは、バッテリー製品の品質低下につながる。したがって、バッテリー生産システムにおいて、物流移動時に発生する製品の品質低下に関する事前的又は事後的管理が必要である。
【0005】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書に開示されたバッテリー生産システムは、バッテリーが含まれたトレー、前記トレーと無線通信を行うように設定された複数のコレクタ、及び前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃有無を追跡するように設定されたサーバを含み、前記トレーは、衝撃を感知するように設定された測定部、及び前記複数のコレクタと無線通信を行うように設定された通信部を含み、前記測定部は、衝撃が感知されると、測定周期を指定された第1割合に減らし、前記通信部は、前記衝撃が感知されると、前記無線通信の周期を指定された第2割合に減らすように設定されてよい。
【0007】
本文書に開示されたバッテリー生産システムの動作方法は、トレーで指定された測定周期で加速度又は角速度のうち少なくとも一つを測定する動作、前記トレーで複数のコレクタと無線通信を行う動作、前記トレーで衝撃が感知されると、前記測定周期を指定された第1割合に減らし、前記無線通信の周期を指定された第2割合に減らす動作、前記複数のコレクタで前記トレーとの無線通信の結果をサーバに伝送する動作、及び前記サーバで前記複数のコレクタから受信した情報に基づいて前記トレーの位置及び衝撃発生有無を決定する動作を含んでよい。
【発明の効果】
【0008】
本文書に開示された一実施形態によるバッテリー生産システムは、トレーの位置及び衝撃有無をリアルタイムで追跡することにより、物流移動時に発生するバッテリー製品の品質低下要素を事前に点検することができる。
【0009】
本文書に開示された一実施形態によるバッテリー生産システムは、バッテリーの物流移動をリアルタイムでモニタリングして停滞区間を管理し、ロス(loss)を最小化することができる。
【0010】
本文書に開示された一実施形態によるバッテリー生産システムは、モニタリング過程で不良が疑われるバッテリーに関する関連データをより精密に追跡することができる。
【0011】
本文書に開示された一実施形態によるバッテリー生産システムは、低性能バッテリーを検出して管理するための費用を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】様々な実施形態によるバッテリー生産システムを示す。
図2】様々な実施形態によるバッテリー生産システムのブロック図である。
図3】様々な実施形態による測定周期及び通信周期を示す。
図4】様々な実施形態による測定周期及び通信周期を示す。
図5】様々な実施形態による測定周期及び通信周期を示す。
図6】様々な実施形態に応じて測定周期及び通信周期を制御するトレーの動作フローチャートを示す。
図7】様々な実施形態に応じてトレーに関する情報を伝送するコレクタの動作フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照し、本文書に開示された様々な実施形態に対して詳細に説明する。本文書で図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を使用し、同一の構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0014】
本文書に開示された本発明の様々な実施形態に対し、特定の構造的又は機能的説明は、単に実施形態を説明するための目的として例示されたものであって、本文書に開示された様々な実施形態は、多様な形態で実施可能であり、本文書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはいけない。
【0015】
様々な実施形態で用いられる「第1」、「第2」、「第一」、又は「第二」などの表現は、多様な構成要素を順序及び/又は重要度に関係なく修飾することができ、当該構成要素を限定しない。例えば、本文書に開示された実施形態の権利範囲を外れることなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されてよく、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素に変えて命名されてよい。
【0016】
本文書で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、他の実施形態の範囲の限定を意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味がない限り、複数の表現を含んでよい。
【0017】
技術的や科学的な用語を含めて、ここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態の技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解される意味と同一の意味を有し得る。一般的に用いられる辞書に定義された用語は、関連技術の文脈上有する意味と同一又は類似の意味を有するものと解釈されてよく、本文書で明らかに定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されない。場合によっては、本文書で定義された用語であっても、本文書に開示された実施形態を排除するように解釈されてはいけない。
【0018】
図1は、様々な実施形態によるバッテリー生産システムを示す。
【0019】
図1を参照すれば、バッテリー生産システム1は、少なくとも一つのトレー110-1、110-2、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3、及びサーバ130を含んでよい。
【0020】
トレー110-1、110-2は、バッテリーを含んだままコンベヤーベルトに沿って移動することができる。バッテリーが含まれたトレー110-1がコンベヤーベルトのストッパー(stopper)150と衝突するか物流停滞によりトレー110-1、110-2間の衝突が発生する場合、バッテリー(又は、バッテリーを含むパウチ)にクラックが発生してバッテリー品質及び性能が低下する可能性があるので、トレー110-1、110-2の位置及び衝撃発生有無をリアルタイムでモニタリングする必要がある。
【0021】
複数のコレクタ120-1、120-2、120-3は、それぞれコンベヤーベルトから離隔した距離に配置され、トレー110-1、110-2と無線で信号を送受信することができる。複数のコレクタ120-1、120-2、120-3それぞれは、トレー110-1、110-2との無線通信を介してトレー110-1、110-2との距離を測定することができ、トレー110-1、110-2から衝撃に関する情報(例:衝撃量情報)を受信することができる。この場合、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3とトレー110-1、110-2との間の無線通信方法は様々であり、一例として測位の正確度を高めるために、UWB(ultra wide band)信号が用いられてよい。
【0022】
サーバ130は、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3から受信した情報に基づいてトレー110-1、110-2の位置及び衝撃発生有無をリアルタイムでモニタリングし、モニタリングされたデータを蓄積及び活用するように設定されてよい。例えば、サーバ130は、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3それぞれのトレー110-1との距離に様々な測位方法を適用してトレー110-1の位置を算出することができる。測位方法は、例えば、三角測量法を含んでよい。また、サーバ130は、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3から受信したトレー110-1の衝撃量情報に応じてトレー110-1の衝撃発生有無を決定してよい。サーバ130は、衝撃発生に関するデータ(例:衝撃発生位置、時間、頻度など)を蓄積することにより、使用者が衝撃発生の原因を認知し、これを改善するようにでき、衝撃発生が決定されると直ちに通知を出力することにより、使用者が物流移動過程で発生する不良バッテリーを早く検出するようにできる。又は、サーバ130は、トレー110での衝撃発生が感知されると、トレー110がコンベヤーベルトの最終地点に到逹するときに、指定された方法(例:点灯又は通知)を用いて使用者に不良疑いのバッテリーを知らせることができる。
【0023】
図2は、様々な実施形態によるバッテリー生産システムのブロック図である。
【0024】
図2を参照すれば、トレー110は、測定部112及び通信部114を含んでよい。図2に示されていないが、トレー110は、測定部112及び通信部114の具現のために、電源を供給する電源部(例:バッテリー)をさらに含んでよい。測定部112は、トレー110の移動中に発生する衝撃量計算のためのデータを獲得するように設定されてよい。「測定部」は、「測定装置」、「測定モジュール」、「測定回路」、又は「センサー」とも参照されてよい。例えば、測定部112は、加速度センサー又はジャイロセンサー(角速度センサー)のうち少なくとも一つを含んでよい。加速度センサーは、x、y、z軸の加速度を感知し、ジャイロセンサーは、角速度を感知することができる。通信部114は、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3と無線通信を行うように設定されてよい。「通信部」は、「通信装置」、「通信モジュール」、「通信回路」、又は「モデム」とも参照されてよい。例えば、通信部114は、UWB通信プロトコルを支援してよいが、これに制限されない。
【0025】
測定部112及び通信部114に供給される電力の有限性により、測定部112及び通信部114それぞれは、指定された周期で動作を行ってよい。例えば、測定部112は、指定された測定周期で加速度又は角速度を測定し、通信部114は、指定された通信周期でコレクタ120-1、120-2、120-3に信号を伝送することができる。実施形態に応じてトレー110で衝撃が感知されると、衝撃量計算の精密度を高め、トレー110の位置を正確に提供するために、トレー110は、測定部112の測定周期と通信部114の通信周期及び信号強度を調節することができる。測定周期、通信周期、及び信号強度の調節に関する具体的な実施形態は、図3~5で説明される。
【0026】
複数のコレクタ120-1、120-2、120-3それぞれは、測定部122-1、122-2、122-3及び通信部124-1、124-2、124-3を含んでよい。複数のコレクタ120-1、120-2、120-3それぞれは、測定部122-1、122-2、122-3及び通信部124-1、124-2、124-3の具現のために、電源を供給する電源部(例:バッテリー)をさらに含んでよい。通信部124-1、124-2、124-3は、トレー110の通信部114と無線通信(例:UWB)を行うように設定されてよい。測定部122-1、122-2、122-3は、無線通信の結果に基づいてトレー110との距離を算出することができる。例えば、コレクタ120-1の通信部124-1は、トレー110の通信部114に信号を送信した後、通信部114から信号を受信することができる。コレクタ120-1の測定部122-1は、信号の往復時間を用いてコレクタ120-1とトレー110との間の距離を算出することができる。コレクタ120-1の通信部124-1は、距離測定のための信号を介して、又は当該信号と別途の信号を介してトレー110から衝撃量に関するデータ(例:加速度、角速度)を受信することができる。複数のコレクタ120-1、120-2、120-3それぞれの通信部124-1、124-2、124-3は、トレー110に関する情報、例えば、距離情報及び衝撃量情報のうち少なくとも一つをサーバ130に伝送することができる。
【0027】
サーバ130は、複数のコレクタ120-1、120-2、120-3から受信した情報に基づいてトレー110の位置及び衝撃量発生有無をリアルタイムで追跡することができる。実施形態によれば、サーバ130は、三角測量法による位置算出の正確度を高めるために、指定された周期ごとに複数のコレクタ120-1、120-2、120-3に時間同期化のための信号を伝送することができる。
【0028】
図3図5は、様々な実施形態による測定周期及び通信周期を示す。
【0029】
図3は、トレー110で衝撃が感知される前の測定周期及び通信周期を示し、図4は、トレー110で衝撃が感知された後の測定周期及び通信周期を示す。各図面において、横軸は時間を示す。
【0030】
図3を参照すれば、測定部112は、指定された測定周期(Tmp)及び指定された測定時間(Tm)で衝撃感知のための測定を行うことができる。通信部114は、指定された通信周期(Tcp)及び指定された通信時間(Tc)でコレクタと無線通信を行ってよい。例えば、測定部112により衝撃に関するデータが生成されると、通信部114は、測定部112から受信したデータを少なくとも一つのコレクタ(例:120-1)に伝送することができる。通信部114は、指定された信号強度(S)で信号を伝送することができる。距離測定のための信号と衝撃データの伝送のための信号は、同一であるか又は別途の信号であってよい。
【0031】
図4を参照すれば、トレー110は、衝撃が感知されたことに回答し、測定部112の測定周期及び通信部114の通信周期を変更することができる。例えば、以前測定時間で測定されたデータ(例:加速度又は角速度)が閾値を超えると、測定部112は、測定周期(Tmp)が指定された第1割合に減少した測定周期(Tmp')で測定を行うことにより、測定正確度を高めることができる。また、通信部114は、測定部112から受信したデータ(すなわち、閾値を超えた加速度又は角速度)に基づいて通信周期(Tcp)が指定された第2割合に減少した通信周期(Tcp')で無線通信を行うことにより、データをより頻繁にコレクタ120-1に伝送することができる。第2割合は、第1割合と同一であるか異なる値であってよい。トレー110から受信したデータの数が増加するので、コレクタ120-1は、より精密にトレー110とコレクタ120-1との間の距離を測定することができる。図4には示されていないが、トレー110から受信した衝撃量データが閾値を超えたと決定されると、コレクタ120-1も通信部124-1の通信周期を減少させることにより、トレー110の衝撃量データをサーバ130により頻繁に伝送することができる。
【0032】
実施形態によれば、通信部114は、信号強度を指定された第3割合に増加させてよい。第3割合は、第1割合又は第2割合と同一であるか異なる値であってよい。コレクタ120-1は、別途の衝撃量データを受信しなくても増加した強度の信号を受信することにより、トレー110で衝撃が発生することを感知することができる。また、信号強度が増加すると、コレクタ120-1だけでなくコレクタ120-1よりも遠い距離に位置したサーバ130も通信部114の信号を受信することができるので、サーバ130は、迅速に衝撃発生を感知することができる。
【0033】
図5は、測定周期、通信周期、及び信号強度が制御される例示を示す。例えば、第1グラフ501は、トレー110で衝撃が感知される前の値を、第2グラフ502は、トレー110で衝撃が感知された後の値を示す。トレー110で衝撃が感知されると、測定部112は、測定周期を1/2に減少させ、通信部114は、通信周期を1/2に減少させ得る。また、通信部114は、信号強度を2倍増加させ得る。
【0034】
図6は、様々な実施形態に応じて測定周期及び通信周期を制御するトレーの動作フローチャートを示す。
【0035】
図6を参照すれば、動作610において、トレー110の測定部112は、指定された測定周期で衝撃有無を感知することができる。例えば、測定部112は、加速度又は角速度を測定することができる。
【0036】
動作620において、トレー110の通信部114は、指定された通信周期で複数のコレクタ120-1、120-2、120-3と無線通信を行ってよい。
【0037】
動作630において、測定部112は、トレー110での衝撃を感知することができる。例えば、測定部112は、測定された加速度又は角速度が閾値を超えると、衝撃が発生したと決定してよい。測定されたデータが閾値を超えないと、測定部112及び通信部114は、それぞれ動作610~620を繰り返してよい。
【0038】
衝撃が感知されると、動作640において、測定部112は、測定周期を指定された第1割合に減少させてよい。また、動作650において、通信部114は、通信周期を指定された第2割合に減少させてよい。
【0039】
実施形態に応じて、通信部114は、動作660をさらに行ってよい。具体的には、通信部114は、信号強度を指定された第3割合に増加させてよい。
【0040】
図7は、様々な実施形態に応じてトレーに関する情報を伝送するコレクタの動作フローチャートを示す。
【0041】
図7を参照すれば、動作710において、コレクタ(例:120-1)は、トレー110と無線通信を行ってよい。
【0042】
動作720において、コレクタ120-1は、無線通信の結果に基づいてトレー110との距離を測定してよい。例えば、コレクタ120-1は、送信信号及び受信信号の往復時間を用いて距離を測定してよい。
【0043】
動作730において、コレクタ120-1は、トレー110の衝撃発生有無を決定してよい。例えば、コレクタ120-1は、トレー110から受信したデータ(例:加速度又は角速度)が閾値を超えるか、又はトレー110から受信する信号強度が閾値を超えると、トレー110で衝撃が発生したと決定してよい。
【0044】
動作740において、コレクタ120-1は、トレー110との距離及びトレー110の衝撃発生有無に関する情報をサーバ130に伝送することができる。
【0045】
以上、本文書に開示された実施形態を構成する全ての構成要素が一つに結合するか、結合されて動作することと説明されたとし、本文書に開示された実施形態が必ずこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本文書に開示された実施形態の目的範囲内であれば、その全ての構成要素が一つ以上に選択的に結合されて動作してもよい。
【0046】
また、以上に記載された「含む」、「構成する」又は「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、当該構成要素が内在し得ることを意味するので、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでよいと解釈されなければならない。技術的や科学的な用語を含む全ての用語は、特に定義されない限り、本文書に開示された実施形態の属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有すると解釈されてよい。辞書に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致すると解釈されなければならず、本文書で明らかに定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解釈されない。
【0047】
以上の説明は、本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本文書に開示された実施形態の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。したがって、本文書に開示された実施形態は、本文書に開示された実施形態の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施形態に応じて本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は、以下の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等の範囲内の全ての技術思想は、本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7