(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】液体容器、液体供給装置および液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20250624BHJP
B65D 81/24 20060101ALI20250624BHJP
B65D 30/20 20060101ALI20250624BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20250624BHJP
【FI】
B41J2/175 143
B41J2/175 117
B41J2/175 111
B65D81/24 L
B65D30/20 A
B65D33/38
(21)【出願番号】P 2021113480
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2020121311
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 雄三
(72)【発明者】
【氏名】前嶌 正展
(72)【発明者】
【氏名】柏本 昌広
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-065279(JP,A)
【文献】特開2013-107233(JP,A)
【文献】特開2009-274346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B65D 81/24
B65D 30/20
B65D 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器であって、
可撓性を有するフィルムを接合して袋状に形成され、前記液体の残量に応じて厚さを変化させるパック本体と、
前記パック本体の一部を覆い、前記パック本体よりも変形し難い被覆体と、を備え、
前記パック本体は、
前記液体を収容した状態で角筒状に形成される胴部と、
前記胴部の軸方向の両端を封止する一対の封止部と、
前記封止部の一方に設けられて、前記パック本体に収容された液体を排出するスパウトと、を有し、
一対の前記封止部の少なくとも一方は、厚さ方向に対向する一対の平部と、軸方向と厚さ方向とに直交する幅方向に対向する一対の妻部と、を有する切妻屋根状に形成され、
前記被覆体は、一対の前記平部の少なくとも一部を覆う一対の被覆平板を有
し、
前記被覆体は、一対の前記被覆平板を接続して一対の前記妻部に沿って配置される一対の支持部を有する。
【請求項2】
請求項
1に記載の液体容器であって、
前記一対の支持部のそれぞれは、前記軸方向の端部に向かって幅が狭くなる台形状を有する。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の液体容器であって、
前記封止部の一対の前記平部は、軸方向の先端側で接合されて接合部を形成し、
前記被覆体は、前記接合部に接続されている。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の液体容器であって、
前記封止部の一対の前記平部は、軸方向の先端側で接合されて接合部を形成し、
前記スパウトは、一対の前記平部に挟み込まれた状態で前記接合部に固定され、
前記被覆体は、前記スパウトに接続されている。
【請求項5】
請求項
4に記載の液体容器であって、
前記パック本体は、外部機器と接続するために前記スパウトに取り付けられた供給接続部を有している。
【請求項6】
液体容器であって、
可撓性を有するフィルムを接合して袋状に形成され、前記液体の残量に応じて厚さを変化させるパック本体と、
前記パック本体の一部を覆い、前記パック本体よりも変形し難い被覆体と、を備え、
前記パック本体は、
前記液体を収容した状態で角筒状に形成される胴部と、
前記胴部の軸方向の両端を封止する一対の封止部と、
前記封止部の一方に設けられて、前記パック本体に収容された液体を排出するスパウトと、を有し、
一対の前記封止部の少なくとも一方は、厚さ方向に対向する一対の平部と、軸方向と厚さ方向とに直交する幅方向に対向する一対の妻部と、を有する切妻屋根状に形成され、
前記被覆体は、一対の前記平部の少なくとも一部を覆う一対の被覆平板を有し、
前記封止部の一対の前記平部は、軸方向の先端側で接合されて接合部を形成し、
前記スパウトは、一対の前記平部に挟み込まれた状態で前記接合部に固定され、
前記被覆体は、前記スパウトに接続され、
前記パック本体は、前記平部の幅方向の最大寸法が前記妻部の厚さ方向の最大寸法よりも長くなるように形成され、
前記被覆体は、一対の前記被覆平板を接続して一対の前記妻部に沿って配置される板状の一対の支持部を有している。
【請求項7】
請求項
6に記載の液体容器であって、
前記被覆体は、前記支持部の軸方向の最大寸法が前記被覆平板の軸方向の最大寸法よりも短くなるように形成されている。
【請求項8】
請求項
7に記載の液体容器であって、
前記被覆平板には、前記胴部の側に向かって突き出すように突出片部が形成されている。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載の液体容器であって、
前記被覆体は、一枚の樹脂製プレートで形成されている。
【請求項10】
液体容器であって、
可撓性を有するフィルムを接合して袋状に形成され、前記液体の残量に応じて厚さを変化させるパック本体と、
前記パック本体の一部を覆い、前記パック本体よりも変形し難い被覆体と、を備え、
前記パック本体は、
前記液体を収容した状態で角筒状に形成される胴部と、
前記胴部の軸方向の両端を封止する一対の封止部と、
前記封止部の一方に設けられて、前記パック本体に収容された液体を排出するスパウトと、を有し、
一対の前記封止部の少なくとも一方は、厚さ方向に対向する一対の平部と、軸方向と厚さ方向とに直交する幅方向に対向する一対の妻部と、を有する切妻屋根状に形成され、
前記被覆体は、一対の前記平部の少なくとも一部を覆う一対の被覆平板を有し、
前記被覆体に、前記液体あるいは当該液体容器に関する情報が表示されている。
【請求項11】
液体供給装置であって、
請求項1~
10のいずれか1項に記載の液体容器が装着され、前記液体容器に収容された前記液体を供給先に供給する。
【請求項12】
液体吐出装置であって、
請求項1~10のいずれか1項に記載の液体容器と、
前記液体容器から供給された前記液体を吐出する吐出ヘッドと、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体容器、液体供給装置および液体吐出装置に関する。
【0002】
インクジェットプリンターで使用されるインクを収容するインクパックが知られている(特許文献1)。インクパックは、フィルムによって袋状に形成され、インク貯留部のケースに交換可能に収容されていた。また、インクパックは、(インクジェットヘッドへの)インクの供給口であるスパウトを有し、インクの消費量に応じて厚さを徐々に変化させる(平坦に潰す)ことができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フィルムで形成されたインクパックは、外力によって変形(折れ曲がったり凹んだりする等)し易いため、変形した状態でケースに収容されることがあった。この場合、インクの消費量に応じて平坦に潰れる過程において、変形した箇所で平坦に潰れず、インクパック内にインクが残るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するため、パック本体の変形を抑制することができる液体容器、液体供給装置および液体吐出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体容器は、パック本体と、被覆体と、を備える。前記パック本体は、可撓性を有するフィルムを接合して袋状に形成され、前記液体の残量に応じて厚さを変化させる。前記被覆体は、前記パック本体の一部を覆い、前記パック本体よりも変形し難い。 前記パック本体は、前記液体を収容した状態で角筒状に形成される胴部と、前記胴部の軸方向の両端を封止する一対の封止部と、前記封止部の一方に設けられて、前記パック本体に収容された液体を排出するスパウトと、を有する。一対の前記封止部の少なくとも一方は、厚さ方向に対向する一対の平部と、軸方向と厚さ方向とに直交する幅方向に対向する一対の妻部と、を有する切妻屋根状に形成される。前記被覆体は、一対の前記平部を覆う一対の被覆平板を有する。
【0007】
本発明の液体供給装置は、上記のいずれかに記載の液体容器が装着され、前記液体容器に収容された前記液体を供給先に供給する。
【0008】
本発明の液体吐出装置は、上記のいずれかに記載の液体容器と、前記液体容器から供給された前記液体を吐出する吐出ヘッドと、を備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パック本体の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムを示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略図(正面図)である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る画像形成システムのインク供給経路を示す概略図(側面図)である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るインク供給装置の内部構成を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るインクパックを示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るインクパックの被覆体を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るインクパックの被覆体を示す展開図である。
【
図8】本発明の一実施形態の変形例に係るインクパックの被覆体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1および
図2を参照して、画像形成システム1について説明する。
図1は画像形成システム1を示す斜視図である。
図2は画像形成装置2の内部構成を示す概略図(正面図)である。
【0013】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、インク供給装置3と、を備えている。液体吐出装置の一例としての画像形成装置2は、インク滴を吐出してシートSに画像を形成するインクジェット式のプリンターである。液体供給装置の一例としてのインク供給装置3は、画像形成装置2の後方に配置され、インク(液体)を画像形成装置2に供給する。
【0014】
[画像形成装置]
図2に示すように、画像形成装置2は、各種機器が収容された箱型形状のハウジング10を備えている。ハウジング10の下部にはシートSが収容される給紙カセット11が設けられ、ハウジング10の右側面にはシートSが手差しでセットされる手差しトレイ12が設けられている。手差しトレイ12の上方には、画像形成済みのシートSが積載される排紙トレイ13が設けられている。ハウジング10の左側面の上部には、画像形成装置2の左側に隣接する後処理装置(図示省略)にシートSを搬送するための排出口14が形成されている。
【0015】
ハウジング10内の中央部には、シートSに画像を形成するための4つのヘッドユニット15が左右方向に並べられている。4つのヘッドユニット15は、4色(イエロー、ブラック、シアン、マゼンタ)のインクに対応して配置されている。各々のヘッドユニット15には、インクを吐出する複数の吐出ヘッド15Aが搭載されている。ヘッドユニット15の下方には、シートSを搬送ベルト16Aに吸着させながら搬送する搬送ユニット16が設けられている。搬送ユニット16の左方には、画像形成済みのシートSを搬送しながら乾燥させる乾燥ユニット17が設けられている。
【0016】
なお、ハウジング10内の左下部には、4つのヘッドユニット15(吐出ヘッド15A)に供給するインクを収容した4つのインクコンテナ31が収容されている。したがって、後述するインク供給装置3が無くとも、画像形成装置2を単独で運用することもできる。
【0017】
ハウジング10内の右側には、給紙カセット11から搬送ユニット16に至る第1搬送路21と、手差しトレイ12から第1搬送路21に合流する手差し搬送路20とが設けられている。ハウジング10内の左側には、乾燥ユニット17から排出口14に至る第2搬送路22が設けられている。ヘッドユニット15の上方には、第2搬送路22から分岐して排紙トレイ13に至る第3搬送路23と、第3搬送路23から分岐して第1搬送路21に合流する第4搬送路24とが設けられている。なお、第2搬送路22と第3搬送路23との分岐点、及び、第3搬送路23と第4搬送路24との分岐点には、シートSの搬送経路を切り替える切換部材が設けられている(図示せず)。
【0018】
[画像形成処理]
ここで、画像形成装置2による画像形成処理について説明する。例えば、画像形成装置2に接続された外部端末等から画像形成装置2に画像形成ジョブが入力されると、以下のように画像形成処理が実行される。
【0019】
シートSは、給紙カセット11または手差しトレイ12から取り出され、第1搬送路21を通って搬送ベルト16A上に送られる。ヘッドユニット15(吐出ヘッド15A)は、搬送ベルト16Aに吸着されながら搬送されるシートSにインク滴を吐出し、フルカラーの画像を形成する(印刷する)。画像形成済みのシートSは乾燥ユニット17によって搬送され、この間にシートSに着弾したインクの乾燥が促進される。片面印刷を実行した場合、片面印刷されたシートSは、第2搬送路22および第3搬送路23を通って排紙トレイ13に排出される。両面印刷を実行した場合、片面印刷されたシートSは、第4搬送路24に進入し、表裏反転され、再び搬送ベルト16A上に送られる。その後、上記した片面印刷時と同様の順序でシートSの裏面に画像が形成され、両面印刷されたシートSは排紙トレイ13に排出される。
【0020】
[インク供給経路]
次に、
図3を参照して、画像形成装置2のインク供給経路について説明する。
図3は画像形成システム1のインク供給経路を示す概略図(側面図)である。なお、本実施形態では4色のインクに対応して4つのインク供給経路が備えられているが、
図3では1色のインクに対応するインク供給経路のみを示している。また、以下の説明では、1つのインク供給経路に着目して説明する。
【0021】
画像形成装置2は、各々のヘッドユニット15にインクを供給するためのインク供給部30を有している。インク供給部30は、インクコンテナ31と、コンテナ装着部32と、フィルター33と、ポンプ34と、サブタンク35と、を有している。
【0022】
インクコンテナ31は、コンテナ装着部32に装着され、各々のヘッドユニット15に供給するためのインクを収容している。インクコンテナ31、フィルター33、ポンプ34およびサブタンク35は、メインチューブ36によって接続されている。ポンプ34はインクコンテナ31からインクを吸引し、フィルター33はポンプ34に吸引されるインクを濾過する。インクコンテナ31から送り出されたインクはサブタンク35に貯留される。サブタンク35は、サブチューブ(図示せず)を介してヘッドユニット15(吐出ヘッド15A)に接続されている。サブタンク35に貯留されたインクは、サブポンプ(図示せず)によってヘッドユニット15に送り出される。
【0023】
なお、ハウジング10の背面には、中継チューブ37の一端が接続されるカップリング38が設けられている。インク供給装置3を使用する場合、メインチューブ36の上流端が、インクコンテナ31に代えて、中継チューブ37の他端部に付け替えられる。
【0024】
[インク供給装置3]
図3および
図4を参照して、インク供給装置3について説明する。
図4はインク供給装置3の内部構成を示す斜視図である。
【0025】
インク供給装置3は、筐体4と、4つのパック装着部5と、4つのインクパック6と、4つの供給チューブ7と、を備えている。なお、本実施形態では4色のインクに対応して4つのインクパック6等が備えられているが、
図3では1つのインクパック6等のみを示している。また、以下の説明では、特に明記しない限り、1つのインクパック6等に着目して説明する。
【0026】
筐体4は、金属製の柱や梁等を組んで略直方体状に形成されたフレーム4A(
図4参照)と、フレーム4Aの側面および天面を覆う外装板4B(
図1参照)と、を有している。
図4に示すように、4つのパック装着部5は、筐体4内の後方において左右方向に並んで配置されている。パック装着部5は、略平板状に形成され、フレーム4Aに支持されている。
【0027】
インクパック6は、インクを収容する容器である。インクパック6は、画像形成装置2に装備されたインクコンテナ31よりも大きな容積を有している。インクパック6は、パック装着部5に着脱可能(交換可能)に装着される。なお、インクパック6の詳細は後述する。
【0028】
図3に示すように、供給チューブ7は、例えばステンレス製の鋼管であり、規則的に蛇行した形状に形成されている。供給チューブ7の一端は上流接続チューブ7Aに接続され、供給チューブ7の他端は下流接続チューブ7Bを介してハウジング10のカップリング38に接続されている。上流接続チューブ7Aの端末には、吸引口部8が取り付けられている。吸引口部8は、パック装着部5に固定され、パック装着部5に装着されたインクパック6の供給接続部44に接続される。インクパック6に充填されたインクは、吸引口部8、上流接続チューブ7A、供給チューブ7および下流接続チューブ7Bを通って画像形成装置2内のインク供給経路に供給される。なお、インク供給装置3には、供給チューブ7を通過するインクを加熱するヒーターが設けられている(図示せず)。
【0029】
[インクパック]
図5ないし
図7を参照して、インクパック6について説明する。
図5はインクパック6を示す斜視図である。
図6はインクパック6の被覆体50を示す斜視図である。
図7はインクパック6の被覆体50を示す展開図である。
【0030】
図5に示すように、インクパック6は、パック本体40と、被覆体50と、を備えている。
【0031】
<パック本体>
パック本体40は、可撓性を有するフィルムF1,F2を接合して袋状に形成され、インク(液体)を収容している。パック本体40を構成するフィルムF1,F2は、複数の層を積層した積層フィルムである。例えば、フィルムF1,F2は4層構造であり、内層から外層に向かって順番に、ポリエチレン(PE)の層、アルミニウム(Al)の層、ポリアミド(PA(ナイロン))の層およびポリエチレンテレフタレート(PET)の層が積層されている。なお、フィルムF1,F2は、上記の構造に限らず、光、空気(臭気)および水分等を遮断することができ、且つ柔軟に曲がる素材であればよい。
【0032】
パック本体40は、略長方形状に形成された上下一対のフィルムF1と、略六角形状に形成された左右一対のフィルムF2とを外周縁に沿って接合し、マチ付きの袋状に形成されている。パック本体40の外周縁には、フィルムF1,F2同士が重なって接合された接合部40Aが帯状に形成されている。なお、フィルムF1,F2は、加熱溶融させて圧着する方法で接合されることが好ましいが、これに限らず、接着剤や両面テープを用いて接合されてもよい。
【0033】
パック本体40は、インクを収容した状態で角筒状に形成される胴部41と、胴部41の軸方向(前後方向)の両端を封止する一対の封止部42と、を有している。一対の封止部42は、それぞれ、厚さ方向(上下方向)に対向する一対の平部42Aと、幅方向(左右方向(軸方向と厚さ方向とに直交する方向))に対向する一対の妻部42Bと、を有する切妻屋根状に形成されている。パック本体40にインクが満杯まで充填された状態(満杯状態)において、一対の平部42Aは、胴部41から軸方向に離れるに従って互いに接近するように傾斜している。一対の平部42Aは、軸方向の先端側で接合されて接合部40Aを形成している。また、各々の妻部42Bは、胴部41から軸方向に離れるに従って細くなる略三角形状に形成されている。なお、本明細書において「対向」とは、互いに平行な姿勢で向き合うことだけではなく、互いに傾斜した姿勢(平行でない姿勢)で向き合うことも含む意味である。
【0034】
また、満杯状態において、パック本体40は、平部42Aの幅方向の最大寸法W(または胴部41の幅方向の寸法を考えてもよい。)が妻部42Bの厚さ方向の最大寸法H(または胴部41の厚さと考えてもよい。)よりも長くなるように形成されている。
【0035】
(スパウト)
パック本体40は、収容されたインクを排出するスパウト43を有している。スパウト43は、例えば合成樹脂製で略円筒状に形成されている。スパウト43は、一方(前方)の封止部42の先端(前端)において幅方向の略中央に取り付けられている。具体的には、スパウト43は、一対の平部42Aに挟み込まれた状態で接合部40Aに固定されている。つまり、一対の平部42Aは、スパウト43の外周面にも接合されている。
【0036】
(供給接続部)
スパウト43の先端部には、供給接続部44が取り付けられている。供給接続部44は、例えば硬質の合成樹脂製で、左右方向に長い略直方体状に形成されている。供給接続部44は、その幅方向の長さが平部42Aの幅方向の最大寸法Wよりも短く、且つ最大寸法Wの半分よりも長く形成されている。また、供給接続部44は、その厚み(高さ)が胴部41の厚さ(H)よりも短く形成されている。スパウト43は、供給接続部44の幅方向の中央から右側にずれた位置に取り付けられている。つまり、供給接続部44は、パック本体40(封止部42)の左側にずれた位置に配置されている。
【0037】
供給接続部44は、画像形成装置2(外部機器)と接続するために設けられている。具体的には、インクパック6がパック装着部5にセットされた状態で、供給接続部44は吸引口部8に接続される(
図3参照)。これにより、インクパック6は供給チューブ7等を介して画像形成装置2のインク供給部30に接続される。そして、インクパック6に収容されたインクが吐出ヘッド15A(供給先)に供給され、吐出ヘッド15Aは供給されたインクを吐出することが可能になる。
【0038】
<パックの作用>
満杯状態では、胴部41は角筒状を形成し、各々の封止部42は切妻屋根状に形成されている。スパウト43からインクが排出されると、パック本体40は、インクの残量に応じて厚さを変化させる。すなわち、パック本体40内のインクの残量が減少するに従って、パック本体40は徐々に厚さ(上下方向の幅)を減少させて潰れてゆく。詳細に説明すると、インクの減少に伴って、左右一対のフィルムF2は内側に折り畳まれ、上下一対のフィルムF1(平部42A)は互いに平行に重なり合う。このように、パック本体40が略平坦に潰れることで、パック本体40内に収容されたインクを残すことなく有効に使い切ることができる。また、パック本体40内に余分な空気が入り込むことを防止することもできる。
【0039】
<被覆体>
図5に示すように、被覆体50は、パック本体40の一部を覆うように設けられている。具体的には、被覆体50は、前方の封止部42の大部分を覆っている。
【0040】
図5および
図6に示すように、被覆体50は、一対の平部42Aに対向して配置される一対の被覆平板50Aと、一対の平部42Aを接続して一対の妻部42Bに沿って(対向して)配置される板状の一対の支持部50Bと、を有する切妻屋根状に形成されている。すなわち、一対の被覆平板50Aは、前方に向かって互いに接近するように傾斜している。各々の支持部50Bにより、一対の被覆平板50Aの支持部50Bが接続している部分が、離間して配置される。これにより、一対の被覆平板50Aが所定の角度を成すように配置される。各々の支持部50Bは、例えば、前方に向かって細くなる略台形状(または扇形状)を成す板状に形成されている。支持部50Bを板状に形成することで、一対の被覆平板50Aが、所定角度になった状態から、変形し難くできる。
【0041】
また、被覆体50は、支持部50Bの軸方向(前後方向)の最大寸法D2が被覆平板50Aの軸方向の最大寸法D1よりも短くなるように形成されている。さらに、各々の被覆平板50Aには、胴部41の側(後方)に向かって突き出すように突出片部50A1が形成されている。各々の突出片部50A1は、後方に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。
【0042】
(プレート)
被覆体50は、
図7に示す一枚のプレート51を適所で折り曲げたり接合したりすることで形成される。被覆体50を構成するプレート51は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)製で、パック本体40を構成するフィルムF1,F2よりも厚く形成されている。つまり、プレート51は、フィルムF1,F2よりも高い剛性を有している。プレート51は、フィルムF1,F2よりも変形し難い。すなわち、プレート51は、同じ平面形状にした場合のフィルムF1,F2と比較して、外力を加えた場合の、変形量が少ない。
【0043】
図7に示すように、プレート51は、一対の被覆平板50Aと、4つの妻板部52と、を有している。
【0044】
一対の被覆平板50Aは、前端となる部分で第1折曲線L1を介して接続されている。一対の被覆平板50Aは、第1折曲線L1を対称軸として線対称となる略長方形状に形成されている。一対の被覆平板50Aの幅方向の中央部には、第1折曲線L1を横断するように嵌合開口部53が開口している。一対の被覆平板50Aには、嵌合開口部53の内側に向かって突出する一対の凸部54が形成されている。このため、嵌合開口部53は略H字状に形成されている。また、一対の被覆平板50Aには、幅方向(左右方向)の両側から中央に向かって凹むように一対の側方開口部55が形成されている。各々の側方開口部55は、略矩形状に切り欠かれている。
【0045】
4つの妻板部52は、一対の被覆平板50Aの幅方向の両端に第2折曲線L2を介して接続されている。4つの妻板部52は第1折曲線L1の側に向かって徐々に幅狭くなる略台形状(略扇形状)に形成されている。
【0046】
なお、第1および第2折曲線L1,L2は、複数の切目を所定間隔で切り込むことで構成されたミシン目であり、プレート51を折り曲げるために形成されている。第1および第2折曲線L1,L2は、ミシン目に限らず、プレート51を折り曲げることができるように弱められた線であればよい。また、図示は省略するが、プレート51の表面には、例えば、インクに関する情報等が印刷されたラベルが貼付されている。なお、各種情報はプレート51の表面に直接印刷されていてもよい。
【0047】
<被覆体の組み立て>
次に、被覆体50を組み立てる手順について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で被覆体50を組み立てる場合について説明する。
【0048】
作業者は、一対の被覆平板50Aを第1折曲線L1に沿って折り返し、裏面同士を所定の角度で対向させる。次に、作業者は、一方の被覆平板50Aに接続された一対の妻板部52を、第2折曲線L2に沿って他方の被覆平板50Aに向けて略直角に折り曲げる。その後、作業者は、他方の被覆平板50Aに接続された一対の妻板部52を、第2折曲線L2に沿って一方の被覆平板50Aに向けて略直角に折り曲げ、先に折り曲げた妻板部52に接合する。2つの妻板部52が重なり接合されることで、支持部50Bが構成される。なお、妻板部52は、加熱溶融させて圧着する方法で接合されてもよいし、接着剤や両面テープを用いて接合されてもよい。
【0049】
以上によって、切妻屋根状の被覆体50が組み立てられる(
図6参照)。一対の被覆平板50Aの前端部(第1折曲線L1付近)には嵌合開口部53が開口し、一対の凸部54は嵌合開口部53の縁部から前方に突出している。また、被覆体50の幅方向の両角部には一対の側方開口部55が開口している。
【0050】
<被覆体の取り付け>
次に、被覆体50をパック本体40に取り付ける手順について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で被覆体50を取り付ける場合について説明する。なお、被覆体50をパック本体40に取り付ける場合、スパウト43に供給接続部44を取り付ける前であることとする。また、パック本体40にはインクが満杯状態に充填されており、スパウト43は封止されていることとする。
【0051】
作業者は、被覆体50を、前方からパック本体40の封止部42に被せる。
図5に示すように、一対の被覆平板50Aは、封止部42の一対の平部42A上に重なるように配置され、一対の支持部50Bは、封止部42の一対の妻部42B上に対向するように配置される。また、スパウト43は、相対的に被覆体50の嵌合開口部53を貫通して外部に露出する。嵌合開口部53の縁部から前方に突出した一対の凸部54は、嵌合開口部53を貫通したスパウト43を上下両側から挟み込む。換言すれば、スパウト43は、被覆体50の嵌合開口部53に嵌合する。さらに換言すれば、被覆体50はスパウト43(の基端部)に接続される。なお、封止部42の前端部の両角部は、被覆体50の一対の側方開口部55から外部に露出する。
【0052】
以上によって、被覆体50がパック本体40に取り付けられる。なお、作業者は、被覆体50をパック本体40に取り付けた後、スパウト43に供給接続部44を取り付ける。
【0053】
<インクパックの装着および被覆体の作用>
作業者は、インク供給装置3の外装板4Bの一部(天板)を開き、インクパック6をパック装着部5に装着し、インクパック6の供給接続部44を吸引口部8に連結させる。これにより、インクパック6に収容されたインクが画像形成装置2の吐出ヘッド15A(供給先)に供給される。インクの消費が進むと、パック本体40内のインクの残量が減少し、パック本体40は徐々に平坦になるように潰れてゆく。
【0054】
ところで、インクパック6のパック本体40は、可撓性を有するフィルムF1,F2で構成されているため、満杯状態であっても外部から加えられた力(外力)によって柔軟に変形(折れ曲がったり凹んだりする等)する。仮に、被覆体50が無く、パック本体40のみをパック装着部5に装着する場合、パック本体40を運搬したり装着(交換)したりするユーザーがパック本体40を変形させ、パック本体40が変形した状態のままパック装着部5に装着されることがある。この場合、インクの残量が減少しても、パック本体40は変形した箇所で平坦に潰れることができない。具体的な一例として、切妻屋根状に形成された封止部42が変形した場合、封止部42が平坦に潰れないため、胴部41も歪な形に潰れて平坦にならない。このように、パック本体40が平坦に潰れないと、パック本体40内のインクはスパウト43から排出されず、パック本体40内に残ってしまうという問題が生じる。
【0055】
上記のような問題に対し、本実施形態に係るインクパック6(液体容器)では、被覆体50がパック本体40の切妻屋根状に形成された封止部42に被せられていた。被覆体50は、フィルムF1,F2よりも高剛性で歪み難い(パック本体40よりも変形し難い)ため、パック本体40の平部42Aが平らな状態から歪んだ形状になり難い。この構成によれば、例えば、運搬時や装着(交換)時においてユーザーが封止部42を押したり掴んだりすることで生じるパック本体40の変形を抑制することができる。これにより、パック本体40が変形した状態でパック装着部5に装着されることが抑制されるため、インクの残量(消費量)に応じてパック本体40を薄く潰すことが可能になる。その結果、パック本体40内のインクを有効に使い切ることが可能になり、パック本体40内に残るインクを減少させることができる。被覆体50を、一対の被覆平板50Aが一対の支持部50Bで接続された構成にした場合、被覆体50は、被覆平板50A自体が変形し難いだけでなく、一対の被覆平板50Aが所定角度となっている、被覆体50全体が変形し難くなる。これにより、被覆体50は、パック本体40と比較して、インクの残量に関わらず自身の形状を保つことができる。その結果、パック本体40内のインクを有効に使い切ることが可能になり、パック本体40内に残るインクを減少させることができる。支持部50Bを板状にすれば、被覆体50全体が、さらに変形し難くなる。
【0056】
ここで、仮に、被覆体50(被覆平板50A、支持部50B)が封止部42の平部42Aや妻部42Bに接続(固定)されていると、インクの残量が減ってもパック本体40は平坦に潰れることができない。これに対し、本実施形態に係るインクパック6によれば、被覆体50がスパウト43に接続されているため、インクの残量に応じたパック本体40の変形を阻害することが防止される。また、インクが満杯状態から半分程度の残量となる状態まで封止部42を切妻屋根状に保つことができ、その後、インクの残量が減少するに従ってパック本体40を薄く潰すことができる。さらに、例えば、ユーザーが被覆体50を掴んでインクパック6を持ち運んだとしても、被覆体50がスパウト43に接続されておりパック本体40に干渉しないため、パック本体40を変形し難くすることができる。
【0057】
また、インクあるいはインクパック6に関するに関する情報は、プレート51の表面に貼られたラベルに表示されている。ラベルがパック本体40に貼られていると、その部分は他の部分と変形のし易さが異なるため、インクの残量が減った場合に、パック本体40が歪んだ形状になる可能性が増える。パック本体40にラベルを貼る場合は、ラベルの中で長さがもっとも長いところの長さを、ラベルが貼られる面の一番短い幅に対して、1/2以下、さらに1/3以下とすることで、そのような可能性を低くできる。パック本体40に、ラベルは貼らなければ、そのような可能性を低くできる。
【0058】
さらに、ラベルは、ラベルが貼られる面に対して、歪んで貼られることがあり、そのように貼られた場合、パック本体40が歪んだ形状になる。そのような歪みは、インクの残量が減った場合の歪を、より大きくする。このような観点からも、上述のように、パック本体40に貼るラベルは小さくするか、より好ましくは、パック本体40にラベルは貼らない。
【0059】
なお、パック本体40に情報を印刷することも考えられるが、そのようにすると、後述の理由で、インクが入れられたインクパック6を作製する工程やその管理が複雑になる。インクパック6には、インクの種類が表示されるが、出荷する地域により、表示する言語を変える必要がある。また、出荷する国や地域によっては、法律等に従った表示も必要になるため、インクパック6に表示する情報には、同じインクが入れられる場合であっても、多くの種類がある。パック本体40に印刷する場合は、通常、パック本体40を袋状に加工する前の形状であるシート状態で行われる。つまり、パック本体40に印刷する場合、異なった情報が印刷された多数の種類のパック本体40を準備し、情報に合わせてインクを入れる必要がある。そのようにすると、工程およびその管理が複雑になり、準備するパック本体40の在庫も多くなってしまう。
【0060】
ところで、例えば、インクパック6を床に落とした場合、床に衝突した衝撃でパック本体40が大きく変形するため、相対的に供給接続部44がパック本体40側に移動することがある。仮に、被覆体50が無い場合、供給接続部44が封止部42に直接突き当たって封止部42(パック本体40)を損傷させ、インクが漏れ出す可能性がある。これに対し、本実施形態に係るインクパック6によれば、被覆体50がパック本体40の封止部42に被せられているため、供給接続部44がパック本体40に直接突き当たることが防止される。これにより、パック本体40を保護することができる。なお、本実施形態に係るインクパック6の被覆体50は、衝撃等でパック本体40が大きく変形し、供給接続部44が相対的に移動した場合において、供給接続部44がパック本体40(封止部42)に突き当たる(干渉する)範囲を、覆っている。
【0061】
ユーザーが、インクパック6を持ち運ぶ際は、インクパック6全体を抱えるようにするのが望ましい。そのように運ぶ方が、運搬中にパック本体40が歪難く、インク供給装置3に装着する際に、その歪が残る可能性を小さくできる。しかし、ユーザーによっては、被覆体50を掴んで運ぶことが考えられる。そのような場合、
図5に示すように、支持部50Bを板状であれば、被覆体50全体が変形し難くなるので、パック本体40が歪んだ状態で装着される可能性を小さくすることができる。また、板状の支持部50Bは、妻部42Bの少なくとも一部を覆っている。支持部50Bが、妻部42Bを覆っている範囲は、妻部42Bの面積の1/10以上、さらに1/5以上、特に1/3以上であってもよい。そのようになっていた場合、上述したパック本体40の変形を、より生じさせ難くできる。
【0062】
さらに、パック本体40の封止部42と被覆体50との形状、および、これらの接続位置を考えると、被覆体50の接続部分(例えば最先端)から支持部50Bの自由端(最後端)までの距離(D3)は、被覆平板50Aの軸方向の最大寸法D1よりも長くなる。したがって、仮に、ユーザーが、被覆体50の被覆平板50Aを掴んで持ち運ぶ場合よりも、被覆体50の支持部50Bを掴んで持ち運ぶ場合の方が、パック本体40の変形が大きくなる。そこで、本実施形態に係るインクパック6によれば、支持部50Bを被覆平板50Aよりも短く形成することで、支持部50Bを掴んで持ち運んだ場合のパック本体40の変形を小さくすることができる。
【0063】
また、本実施形態に係るインクパック6によれば、突出片部50A1が胴部41に向かって突き出すように形成されているため、ユーザーは突出片部50A1に容易に指等を掛けて持ち運ぶことができる。また、突出片部50A1を形成することで被覆平板50Aの面積を拡大することができ、例えば、ラベル等を見やすく貼付することができる。
【0064】
なお、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50がスパウト43に嵌合接続されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被覆体50は、接着剤等でスパウト43に固定されてもよい。他にも、例えば、被覆体50は、スパウト43にフックに引っ掛けて接続してもよい(図示せず)。さらに、例えば、被覆体50は、封止部42の前端部である一対の平部42Aの接合部40Aに接続されてもよい。この場合、被覆体50は、一対の被覆平板50Aで接合部40Aを挟み込むことで接続されてもよいし、接着剤等で被覆平板50Aを接合部40Aに接着してもよい。この構成によれば、被覆体50がパック本体40の先端部にある接合部40Aに接続されているため、インクの残量に応じたパック本体40の変形を阻害することが防止される等、上記した形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
また、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50が前方の封止部42を覆っていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つの被覆体50が後方の封止部42を覆ってもよいし、2つの被覆体50が前後両方の封止部42を覆ってもよい(いずれも図示せず)。
【0066】
また、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50のプレート51がパック本体40のフィルムF1,F2よりも分厚く形成されることで、被覆体50が歪み難く構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、被覆体50(プレート51)が、フィルムF1,F2よりも硬い素材で形成されていてもよい。
【0067】
また、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50の2つの妻板部52が重なり接着されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つの妻板部52に互いに係合する溝を設け、この溝同士を噛み合わせることで2つの妻板部52を接続してもよい(図示せず)。
【0068】
また、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50が一枚のプレート51を折り曲げる等して形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、パック本体40と同様に、複数に分割されたプレートを接合することで切妻屋根状の被覆体が形成されてもよい(図示せず)。この場合、妻板部52は2つで足りる。
【0069】
また、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50に一対の側方開口部55が開口していたが、一対の側方開口部55は省略してもよい(図示せず)。
【0070】
また、本実施形態に係るインクパック6では、被覆体50が一対の被覆平板50Aと一対の支持部50Bとを備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対の支持部50Bを省略し、被覆体50が一対の被覆平板50Aのみで構成されてもよい(図示せず)。
【0071】
また、本実施形態に係るインクパック6では、支持部50Bが板状に形成されていたが、これに限らず、
図8に示すように、棒状(または帯状)であってもよい。また、他にも、支持部50Bは、角柱状や円柱状であってもよい。一つの支持部50Bとして、角柱や円柱が、複数配置されてもよく、複数の角柱あるは円柱が、互いに接続した構造であってもよい(図示せず)。さらに、支持部50Bは、孔が開いたメッシュ状の板であってもよい(図示せず)。また、被覆平板50Aがメッシュ状であってもよい(図示せず)。その場合、孔の寸法を小さくし、供給接続部44の角部が、パック本体40(封止部42)に突き当たらないようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態に係るインクパック6では、パック本体40の一対の封止部42が切妻屋根状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、胴部41の一方の端面を封止する封止部42が切妻屋根状に形成され、胴部41の他方の端面を封止する封止部(図示せず)が一枚の壁状に形成されてもよい。つまり、一対の封止部42の少なくとも一方が切妻屋根状に形成されていればよい。この場合、被覆体50は切妻屋根状の封止部42を覆えばよい。
【0073】
また、本実施形態に係るインクパック6では、スパウト43が封止部42の先端部に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、スパウト43はパック本体40の胴部41に設けられていてもよい(図示せず)。この場合、被覆体50の嵌合開口部53は省略される。
【0074】
また、本実施形態に係るインクパック6では、スパウト43に供給接続部44が連結されていたが、これに限らず、スパウト43が吸引口部8に直接接続される構成とした場合、供給接続部44は省略されてもよい(図示せず)。
【0075】
また、本実施形態に係るインクパック6は、インクを収容していたが、これに限らず、例えば、吐出ヘッド15Aの洗浄に用いられる洗浄液や吐出ヘッド15Aの保存に用いられる保存液等の液体を収容してもよい。また、洗浄液の供給先は、例えば、吐出ヘッド15Aの保守を行うメンテナンスユニット等になる。
【0076】
また、本実施形態に係るインクパック6は、インク供給装置3に装着されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、インク供給装置3を省略し、インクパック6が画像形成装置2のインク供給部30(コンテナ装着部32)に装着される構成としてもよい。
【0077】
また、本実施形態に係る画像形成装置2は、カラープリンターであったが、これに限らず、モノクロプリンター、コピー機、ファクシミリ等であってもよい。
【0078】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る液体容器、液体供給装置および液体吐出装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0079】
2 画像形成装置(液体吐出装置)
3 インク供給装置(液体供給装置)
6 インクパック(液体容器)
15A 吐出ヘッド
40 パック本体
40A 接合部
41 胴部
42 封止部
42A 平部
42B 妻部
43 スパウト
44 供給接続部
50 被覆体
50A 被覆平板
50A1 突出片部
50B 支持部
F1,F2 フィルム