(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】畜肉様食品組成物、及びそれを用いた畜肉様加工食品
(51)【国際特許分類】
A23J 3/00 20060101AFI20250624BHJP
A23J 3/16 20060101ALI20250624BHJP
A23J 3/14 20060101ALI20250624BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20250624BHJP
A23L 29/262 20160101ALI20250624BHJP
【FI】
A23J3/00 503
A23J3/16
A23J3/14
A23L27/00 101A
A23L29/262
(21)【出願番号】P 2021132711
(22)【出願日】2021-08-17
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130812
【氏名又は名称】山田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100164161
【氏名又は名称】三宅 彩
(72)【発明者】
【氏名】畑中 美帆
(72)【発明者】
【氏名】橋本 唯史
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150892(JP,A)
【文献】特開2021-023219(JP,A)
【文献】FFIジャーナル,2021年01月,vol.226, no.1,pp.94-99
【文献】Beverage Japan,2018年,no.443,pp.46-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23J 3/00-3/34
A23L 11/00-11/70
A23L 13/00-13/77
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来たんぱく質、及びステビア抽出物を含有する畜肉様食品組成物であって、
前記ステビア抽出物が、
α-グルコシル化レバウディオサイドA誘導体
の合計量が50~95重量%
であり、αグルコシル化ステビオサイド誘導体
の合計量が5~50重量%含
み、
畜肉素材の含有量が30質量%以下であ
り、
前記植物由来タンパク質を60~99重量%と粉末状セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバーから選ばれるセルロース系添加
剤を1~40重量%含むことを特徴とする、畜肉様食品組成物。
【請求項2】
前記植物由来たんぱく質が、大豆由来たんぱく質であることを特徴とする、請求項1に記載の畜肉様食品組成物。
【請求項3】
請求項1
~2いずれかに記載の畜肉様食品組成物を含む、畜肉様加工食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来たんぱく質、及びステビア抽出物を含有する畜肉様食品組成物、
及びそれを用いた畜肉様加工食品である。
【0002】
近年、特に新興国における人口の増大や所得の拡大に伴い、畜肉原料の需要は拡大し続けており、今後は畜肉原料の供給不足が懸念されている。またさらに、宗教的理由あるいは個人的信条、更には健康訴求なども背景に、大豆素材や穀類などの植物性原料を多く配合した畜肉原料をほとんどあるいは全く使用しない、畜肉様食品は注目を浴びている。
【0003】
そのような畜肉様食品としては、例えば、特定の組織状大豆蛋白を結着原料と混合し、成形加熱することで得られる畜肉様加工食品が提案されていたり(特許文献1)、澱粉及び大豆蛋白質素材を配合した組織状大豆蛋白質と、分離大豆蛋白質、水及び油脂を配合したエマルジョンを含有する嚥下困難者用ハンバーグ様食品が提案されている(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2011/043384号
【文献】特開2016-67250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような植物由来たんぱく質は、独特の風味を有している。そのため畜肉様食品組成物やその畜肉様加工食品にした際に、畜肉食品と異なる風味を感じてしまい、畜肉様食品類の代替えとして用いるにはさらなる風味の改善が求められている。
【0006】
そこで本発明では、食感に優れ、畜肉食品類の風味により近い畜肉様食品組成物及びそれを用いた畜肉様加工食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、以下の(1)~(6)にて課題を解決できることを見出した。
(1)植物由来たんぱく質、及びステビア抽出物を含有する畜肉様食品組成物であって、畜肉素材の含有量が30質量%以下であることを特徴とする、畜肉様食品組成物。
(2)前記ステビア抽出物が、α-グリコシル化ステビア抽出物を少なくとも含むことを特徴とする(1)に記載の畜肉様食品組成物。
(3)前記ステビア抽出物が、レバウディオサイドA誘導体を50~95重量%、ステビオサイド誘導体を5~50重量%の範囲で含むことを特徴とする(1)~(2)いずれかに記載の畜肉様食品組成物。
(4)粉末状セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバーから選ばれるセルロース系添加剤を、さらに含むことを特徴とする(1)~(3)いずれかに記載の畜肉様食品組成物。
(5)前記植物由来たんぱく質が、大豆由来たんぱく質であることを特徴とする、(1)~(4)いずれかに記載の畜肉様食品組成物。
(6)(1)~(5)いずれかに記載の畜肉様食品組成物を含む、畜肉様加工食品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、食感に優れ、畜肉食品類の風味により近い畜肉様食品組成物及びそれを用いた畜肉様加工食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明の詳細を説明するが、特に記載のない場合「AA~BB%」等という記載は、「AA%以上BB%以下」をあらわすものとする。
【0010】
すなわち本発明は、植物由来たんぱく質、及びステビア抽出物を含有する畜肉様食品組成物であって、畜肉素材の含有量が30質量%以下であることを特徴とする、畜肉様食品組成物である。
【0011】
<植物由来たんぱく質>
本発明で用いられる植物由来たんぱく質とは、例えば、大豆、えんどう豆、菜種、綿実、落花生、ゴマ、サフラワー、向日葵、コーン、ベニバナ、ココナッツ等の油糧種子、あるいは、米、大麦、小麦等の穀物種子由来のたんぱく質素材等や、これらの抽出・加工たんぱく、例えば、米グルテリン、大麦プロラミン、小麦プロラミン、小麦グルテン、大豆グロブリン、大豆アルブミン、落花生アルブミン等、これらの熱処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理たんぱく質等が挙げられる。入手の容易性および経済性等の点では大豆たんぱく質が好ましい。また、ここでいう大豆たんぱく質は、大豆由来のたんぱく質を含む素材であればよく、丸大豆や半割れ大豆などの全脂大豆や、油脂を除去した減脂大豆や脱脂大豆、含水エタノール洗浄や酸性水洗浄等によりたんぱく質を濃縮した濃縮大豆たんぱく、さらには分離大豆たんぱく質または豆乳、ならびにそれらの加水分解物、オカラ、ホエー等が例示され、これらの少なくとも1種以上を選択できる。これらの内、脱脂大豆が経済性に優れるため特に好ましい。
【0012】
そのような植物由来たんぱく質は、その性状も特に制限はなく、粒状・粉末状・ペースト状・繊維状など、畜肉様食品組成物に求められる性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0013】
<ステビア抽出物>
本発明で使用するステビア抽出物は、キク科植物ステビアの葉部から抽出されるもので、ステビオサイド及びレバウディオサイドAを甘味の主成分として含有するものであり、ステビアに関しては産地や種に限定されることはない。抽出条件としては従来適応されてきたステビア甘味成分を取得する方法で良く、水、熱水、もしくは含水あるいは無水のメタノール、エタノールなどの有機溶媒にて抽出可能である。特には、抽出温度5~ 100℃、抽出時間1~ 24時間の範囲の条件で行うのが好ましい。また、特開昭51-23300号公報に記載されているように、水あるいは熱水抽出時に、甘味成分の抽出を効果的に行うために、石灰等でpHを10程度に調整することがあるが、これらの補助薬剤の使用については、特に制限はない。
【0014】
上記方法にて取得したステビア抽出物は、抽出終了後、抽出液から残渣を分離除去したものを用いる。この残渣を分離する方法としては、自然沈降分離あるいは強制ろ過等から適宜選択できるが、効率を優先する場合には、加圧ろ過が好適である。残渣を分離除去した抽出液はこのままでも利用可能であるが、必要に応じて濃縮あるいは乾燥させて用いる。また、この濃縮液を水で希釈あるいは乾燥物を水に再溶解した後、吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ハイポーラスポリマー(例えば、アンパーライトXAD -2 、オルガノ(株)製)のカラムに吸着させた後、親水性溶媒で溶出し濃縮したもの、あるいはこれらを乾燥させたものも使用できる。また、ステビア抽出物はステビア甘味料としてとして認可、販売されているものでも利用可能である。
【0015】
本発明のステビア抽出物(甘味料)は、ステビア抽出物全量に対し、レバウディオサイドAが50~95重量%の範囲で含まれることが好ましく、60~95重量%がさらに好ましく、65~95重量%がより好ましい。
【0016】
またステビア抽出物全量に対し、ステビオサイドが5~50重量%の範囲で含まれることが好ましく、5~40重量%がさらに好ましく、5~30重量%がより好ましい。
(なお、レバウディオサイドA+ステビオサイド+その他ステビア抽出成分=100重量%とする)
レバウディオサイドAとステビオサイドが上記範囲にあることで、植物由来たんぱく質に対する脱臭効果(マスキング効果)のみならず、味質の向上についてもより効果的に得ることができる。
【0017】
さらに、ステビア抽出物が糖変性されていることが好ましく、そのような物としてはα-グルコシル化糖化合物を糖供与体として、α-グルコシル糖転移酵素を用いて糖を転移させたもの、及び付加した糖数をアミラーゼなどにより調節して製造したα-グルコシル化ステビア抽出物を用いることができる。具体的な製法については、特公平5-22498 号公報、特公昭57-18779号公報に記載されている。酵素反応にて製造したα-グルコシル化ステビア抽出物は、デキストリンなどの糖供与体を除去しない未精製のものでも樹脂等によってこれらを精製したものでも利用可能である。また、ステビア甘味料として認可、販売されているものでも利用可能である。
【0018】
その様なα-グルコシル化ステビア抽出物には、α-グルコシル基が1から15~20
個程度付加した甘味成分が存在し、α-グルコシル平均付加数は特公平5-2
2498号公報や月刊フードケミカル1995年1月p.36に開示されているように次
式(1)で求められる。
【0019】
その様なα-グルコシル化ステビア抽出物に含まれる、レバウディオサイドA誘導体(レバウディオサイドA及びその変性物)は、50~95重量%の範囲で含まれることが好ましく、50~90重量%がさらに好ましく、60~90重量%がより好ましい。
【0020】
またステビオサイド誘導体(ステビオサイド及びその変性物)は、5~50重量%の範囲で含まれることが好ましく、5~30重量%がさらに好ましく、5~20重量%がより好ましい。
(なお、レバウディオサイドA誘導体+ステビオサイド誘導体+その他ステビア抽出成分の誘導体=100重量%とする)
【0021】
本発明のステビア抽出物には、スクラロースを混合した混合甘味料として用いることができる。その様なスクラロースは、4,1’,6’-トリクロロ-4,1’,6’-トリデオキシガラクトスクロースまたは1’,6’-ジクロロ-1’,6’-ジデオキシ-β-D-フラクトフラノシル-4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシドとして知られており、砂糖に類似した甘味を呈し、砂糖の約600倍の甘味度を有する非代謝性のノンカロリー甘味料である。
【0022】
本発明のステビア抽出物にスクラロースを混合する場合、α-グルコシル化ステビア抽出物との混合が良く、α-グルコシル化ステビア抽出物:スクラロースを10:90~80:20の比率が好ましく、30:70~70:30の比率が更に好ましい。
【0023】
その様なステビア抽出物および/またはα-グルコシル化ステビア抽出物は、畜肉様食品組成物に0.001~5重量%の範囲で含まれることが好ましく、0.005~1重量%がより好ましく、0.005~0.5重量%がさらに好ましい。
【0024】
ステビア抽出物が本範囲にあることで、畜肉様食品組成物としての優れた味質を保持しながら、植物由来たんぱく質に起因する独特な風味を抑制(マスキング効果を発揮)することができ、本発明の効果に優れることができる。
【0025】
<畜肉様食品組成物>
本発明の畜肉様食品組成物は、前述する植物由来たんぱく質、及び前述するステビア抽出物を含有し、畜肉素材の含有量が30重量%以下であることを特徴とする。
【0026】
本発明における畜肉素材とは、家畜(豚、牛、羊、山羊、馬など)や、家禽(鶏、うずら、アヒル、鴨、合鴨、ガチョウ、七面鳥など)や、鹿、猪などの、鳥獣の食肉素材を意味する。なお、上記畜肉素材は、いわゆる肉(筋肉)だけでなく皮、脂肪、スジ、軟骨、内臓、血液などの一般的に畜肉加工食品に用いられる組織も含む。
【0027】
本発明の畜肉様食品組成物は、畜肉素材を含まずとも、畜肉様の優れた食感を再現できる。種々の理由で畜肉を口にしない人でも食べることができるというメリットを得るためには、畜肉素材の含有量は出来るだけ少なくすることが好ましく、例えば畜肉素材の含有量を20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。また畜肉素材を一切含まない(畜肉素材の含有量が0重量%)ことがさらに好ましい。しかしながら畜肉素材のコストや供給安定性・品質安定性を一定に保つために、一定以下であれば畜肉素材を含有することもできる。
【0028】
本発明の畜肉様食品組成物に用いられる他の原料も、特に制限はなく、通常の畜肉加工
食品と同様に、求められる風味・食感・物性・外観などに応じてその他の添加材を用いる
ことができる。例えば、粉末状セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、メチルセルロース、野菜、畜肉素材を除く動物性たんぱく質(卵、乳製品等)、調味料、パン粉などを含む穀粉類、澱粉類、食物繊維、増粘多糖類、油脂、糖類、塩類、香辛料、着色料、保存料などを用いることができる。
【0029】
このうち、粉末状セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバーから選ばれるセルロース系添加剤を畜肉様食品組成物に添加することで、食感や保水性、及び作業性が向上するため、好ましい。
【0030】
また動物性たんぱく質もアレルギー上の理由や宗教上のため口にできない場合もあるため、含有する場合も畜肉素材と同等に考えることが望ましい。
【0031】
本発明の畜肉様食品組成物にセルロース系添加剤が含まれる場合、植物由来たんぱく質とセルロース添加剤とは、植物由来たんぱく質:セルロース添加剤=60~99重量%:1~40重量%の範囲が好ましく、植物由来たんぱく質:セルロース添加剤=70~98重量%:2~30重量%の範囲がより好ましく、植物由来たんぱく質:セルロース添加剤=80~95重量%:5~20重量%の範囲がさらに好ましい(但し、植物由来たんぱく質とセルロース添加剤の総重量を100重量%とする)。本範囲を満たすことで、畜肉様の優れた食感をより発揮することができ、また保水性により優れるために作業性などを改善することができる。
【0032】
また本発明の畜肉様食品組成物は、植物由来たんぱく質が全固形分量に対して30重量%以上含まれることが好ましく、40重量%以上含まれることがより好ましく、45重量%以上含まれることがさらに好ましい。上限としては90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下がさらに好ましい。畜肉様食品組成物においては、植物由来たんぱく質以外に、前述される添加材を適量用いることで、より畜肉様の食感や風味を再現できるため好ましい。
【0033】
本発明の畜肉様食品組成物の前述されるそれぞれの原材料を、混錬し得ることができる。混錬する方法については特に制限はないが、粉末状の植物由来たんぱく質とステビア抽出物及びその他添加剤をできるだけ均一になるように混錬しカード状物を得た後、粒状の植物由来たんぱく質などを適量混錬し食感と、マスキング効果を両立することが好ましい。
【0034】
<畜肉様加工食品>
そのようにして得られる本発明の畜肉様食品組成物は、様々な形状に成型が可能であり、加熱処理を行うことで畜肉様加工食品を得ることができる。そのような畜肉様加工食品とは、例えば、ソーセージ、ハンバーグ、肉団子、プレスハム、チョップドハム、サラミ、ナゲット、メンチカツ、ロールキャベツ、ミートローフ、テリーヌ、つくね、肉まん、餃子、シュウマイ、成形肉などが挙げられる。
【0035】
本発明の畜肉様加工食品は、植物由来たんぱく質、及び粉末状セルロースを含有する畜肉様食品組成物であって、畜肉素材の含有量が30質量%以下であること以外は、従来の畜肉加工食品と同様な形態で製品化可能であり、その製造方法も同様な方法を採用することができる。
【実施例】
【0036】
以下本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記記載の実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1~3及び比較例1)
表1に記載の配合比(全量100g)にて、大豆たんぱく質(ニューフジプロSHE、不
二製油社製)に冷水を加え攪拌を行った。十分に混ざったら、攪拌しながらキャノーラ油
を少しづつ添加し乳化させ、エマルジョンカードとした。袋に詰めて冷蔵庫で3時間以上
保管し、乳化された大豆カードを得た。
【0038】
得られた大豆カードを用い表2記載の配合比(全量500g)にて、アルミボウル内で
、大豆カード、適量の水に溶かした粒状大豆たんぱく質、ステビア抽出物(日本製紙社製、SKスイートGRA又はステビアフィンHN2)、粉末状セルロース、ソテーオニオン、ショートニング、及び表2記載の液体性状を示すその他材料を添加し、よく攪拌を行った。
【0039】
その後、表2記載の粉末性状を示す残りの材料を添加し、粘り気が出るまでよく攪拌を
行い、畜肉様食品組成物を得た。
【0040】
得られた畜肉様食品組成物を、手で混錬しながら、アルミボウルの壁面と手に付着する
様子を目視にて確認した。
【0041】
畜肉様食品組成物を80g/1個にそれぞれ分けて、ハンバーグ形状に成形した。
温度220℃の鉄板で1分間熱し、ハンバーグ形状の畜肉様食品組成物1の両面に、焼
き目を付けた後、コンベクションオーブンで蒸しあげ(温度85℃/15分間)、畜肉素材が無配号の実施例1~2、比較例1のミートレスハンバーグを得た。得られたミートレ
スハンバーグや畜肉様食品組成物は、以下の評価を実施した。
【0042】
<作業性>
畜肉様食品組成物を、アルミボウル内でゴム手袋をした手で混錬しながら、アルミボウル壁面への付着量及びゴム手袋への付着量を目視確認し、以下の基準で判断した。
◎:保水性が強いため、畜肉様食品組成物がまとまり易く、アルミボウル壁面やゴム手袋への付着量は少ない。
〇:保水性があり、畜肉様食品組成物がまとまり易く、アルミボウル壁面やゴム手袋への付着は抑えられている。
△:畜肉様食品組成物のまとまりがいま一つでアルミボウル壁面やゴム手袋への付着が若干みられる。
×:保水性が劣り、畜肉様食品組成物はべたついているため、アルミボウル壁面やゴム手袋に付着がみられる。
【0043】
<ハンバーグの食感>
得られたミートレスハンバーグを、5名のパネラーにて試食を行い、下記の基準で食感を評価しその平均を算出した。
◎:繊維感が強く、しっかりした食感である。
〇:繊維感があり、ハンバーグらしい食感である。
△:繊維感が物足りないが、ハンバーグらしさを感じる。
×:つながりがなく、パサついている食感である
【0044】
<ハンバーグの風味>
得られたミートレスハンバーグを、5名のパネラーにて試食を行い、下記の基準で風味を評価しその平均を算出した。
◎:香辛料のスパイス感などがより強く感じられ、大豆臭のマスキング効果が高い。
〇:香辛料のスパイス感などが感じられ、大豆臭のマスキング効果がある。
×:大豆臭が感じられ、畜肉様として適さない。
【0045】
【0046】
【表2】
※1:粒状大豆たんぱく質・・・ニューフジニック25N:ニューフジニック43N=7:3配合
※2:粉末状セルロース・・・日本製紙製KCフロックシリーズ