(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】試験装置
(51)【国際特許分類】
G01N 17/00 20060101AFI20250624BHJP
C02F 5/00 20230101ALI20250624BHJP
F28F 19/00 20060101ALI20250624BHJP
G01N 25/14 20060101ALN20250624BHJP
【FI】
G01N17/00
C02F5/00 610Z
F28F19/00 501Z
G01N25/14 E
(21)【出願番号】P 2021163947
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2024-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 達志
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-106342(JP,A)
【文献】特開2015-105895(JP,A)
【文献】特開平07-146263(JP,A)
【文献】国際公開第2011/077539(WO,A1)
【文献】特開2013-228304(JP,A)
【文献】特開2013-120173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0325361(US,A1)
【文献】米国特許第2591084(US,A)
【文献】中国特許出願公開第112414735(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 17/00
F28F 19/00
C02F 5/00
G01N 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
供給管と、返送管と、吸入側が前記返送管に接続され、吐出側が前記供給管に接続されるポンプとを有する流体循環装置と、
一端が前記供給管に着脱可能に設けられ、他端が前記返送管に着脱可能に設けられ、前記容器内に配される試験体と、
を備える、試験装置。
【請求項2】
前記容器は、少なくとも一部が透明な材料で形成される、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記容器は、少なくとも一部に開口が形成される、請求項1または2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記容器は、硬度成分を含む溶液を貯留し、
前記容器内に貯留された前記溶液の温度を調整する温度調整部を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の試験装置。
【請求項5】
前記容器は、硬度成分を含む溶液を貯留し、
前記容器内に貯留された前記溶液に含まれる硬度成分の濃度を調整する濃度調整部を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の試験装置。
【請求項6】
前記溶液に含まれる前記硬度成分によって、前記試験体の外表面にスケールが付着する、請求項4または5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記容器内に設けられた撹拌部を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器は、様々な分野で広く利用されている。熱交換器は、例えば、バイナリ発電機を構成する蒸発器および凝縮器として利用される。バイナリ発電機の蒸発器は、温泉水等の温水と、作動流体とを熱交換させる。バイナリ発電機の凝縮器は、井戸水等の冷水と、作動流体とを熱交換させる。
【0003】
上記温泉水、井戸水、水道水等の原水には、硬度成分が含まれている。したがって、熱交換器内の、原水が接触する伝熱面にスケールが付着したり、伝熱面が腐食したりするおそれがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
このため、伝熱面にスケールが付着するまでの運転時間や伝熱面が腐食するまでの運転時間といった、伝熱面に不具合が生じるまでの運転時間を把握したり、スケール抑制剤や腐食抑制剤といった抑制剤の効果を評価したりすることが望まれる。
【0005】
そこで、従来、実機と同等の試験機を製作して、伝熱面に不具合が生じるまでの運転時間を算出したり、抑制剤の効果を評価したりしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来技術では、試験機が大がかりなものとなり、伝熱面に不具合が生じるまでの運転時間を算出するために、試験機に大量に原水を通過させる必要があった。また、伝熱面に不具合が生じるまでの運転時間が、10か月から1年程度と長期間にわたってしまう場合があった。
【0008】
本開示は、このような課題に鑑み、装置を小型化することが可能な試験装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る試験装置は、容器と、供給管と、返送管と、吸入側が返送管に接続され、吐出側が供給管に接続されるポンプとを有する流体循環装置と、一端が供給管に着脱可能に設けられ、他端が返送管に着脱可能に設けられ、容器内に配される試験体と、を備える。
【0010】
また、容器は、少なくとも一部が透明な材料で形成されてもよい。
【0011】
また、容器は、少なくとも一部に開口が形成されてもよい。
【0012】
また、容器は、硬度成分を含む溶液を貯留し、上記試験装置は、容器内に貯留された溶液の温度を調整する温度調整部を備えてもよい。
【0013】
また、容器は、硬度成分を含む溶液を貯留し、上記試験装置は、容器内に貯留された溶液に含まれる硬度成分の濃度を調整する濃度調整部を備えてもよい。
【0014】
また、溶液に含まれる硬度成分によって、試験体の外表面にスケールが付着してもよい。
【0015】
また、上記試験装置は、容器内に設けられた撹拌部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、装置を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る試験装置を説明する図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る中央制御部の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
[試験装置100]
図1は、本実施形態に係る試験装置100を説明する図である。試験装置100は、熱交換器を模した装置である。
図1に示すように、試験装置100は、容器110と、流体循環装置120と、試験体130と、撹拌機140と、温度調整装置150と、液面調整装置160と、第1液面センサ170と、第2液面センサ172と、温度センサ174と、中央制御部180とを含む。なお、
図1中、実線の矢印は、冷媒の流れ方向を示す。また、
図1中、破線の矢印は、信号の流れを示す。
【0020】
容器110は、溶液Sを貯留する。溶液Sは、例えば、温泉水、井戸水、水道水等の原水を模した液である。つまり、溶液Sは、硬度成分を含む液である。硬度成分は、スケールの原因となる物質である。硬度成分は、例えば、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物である。カルシウム化合物は、例えば、炭酸カルシウムである。マグネシウム化合物は、例えば、炭酸マグネシウムである。ケイ素化合物は、例えば、シリカである。なお、評価をより早期に行うために、溶液Sとして、原水よりも高濃度の硬度成分を含む液を用いることもある。
【0021】
容器110は、例えば、円筒形状である。容器110は、例えば、ガラス、プラスチック等の透明な材料で形成される。ここで、透明とは、外部から容器110内が視認可能な程度に透明であることをいう。また、容器110は、耐熱性および耐薬性を有している。本実施形態において、容器110の上面は、開放されている。
【0022】
流体循環装置120は、後述する試験体130内に流体(例えば、冷媒)を循環させる。本実施形態において、流体循環装置120は、冷媒貯留部122と、ポンプ124と、供給管126と、返送管128とを含む。
【0023】
冷媒貯留部122は、冷媒を貯留する。また、本実施形態において、冷媒貯留部122は、貯留された冷媒を冷却する。
【0024】
ポンプ124は、冷媒貯留部122から冷媒を吸引し、供給管126を通じ試験体130に供給する。また、ポンプ124は、返送管128を通じ、試験体130から冷媒を吸引して冷媒貯留部122に供給する。ポンプ124の吸入側は、返送管128に接続される。ポンプ124の吐出側は、供給管126に接続される。
【0025】
供給管126および返送管128は、可撓性を有する材料で形成される。可撓性を有する材料は、例えば、ゴム、エラストマーである。つまり、供給管126および返送管128は、ゴムホースである。
【0026】
供給管126の一端側の開口は、ポンプ124の吐出側に接続される。供給管126の他端側の開口126aは、試験体130の一端側の開口130aに接続される。
【0027】
返送管128の一端側の開口は、ポンプ124の吸入側に接続される。返送管128の他端側の開口128aは、試験体130の他端側の開口130bに接続される。
【0028】
流体循環装置120は、後述する循環制御部210によって駆動制御される。
【0029】
試験体130は、管形状である。本実施形態において、試験体130は、U字管である。試験体130は、金属で形成される。金属は、例えば、ステンレス(SUS)、銅である。
【0030】
試験体130は、容器110内に配される。具体的に説明すると、試験体130は、容器110内に貯留された溶液Sに浸漬される。
【0031】
また、試験体130の一端側の開口130aは、供給管126の開口126aに着脱可能に接続される。試験体130の他端側の開口130bは、返送管128の開口128aに着脱可能に接続される。なお、試験体130の外径は、供給管126および返送管128の内径よりもわずかに大きい。
【0032】
流体循環装置120のポンプ124が駆動されると、冷媒は、供給管126(開口126a)を通じて、試験体130に供給される。そして、冷媒は、試験体130内を通過した後、返送管128(開口128a)を通じて、流体循環装置120に返送される。こうして、冷媒は、試験体130を循環することになる。
【0033】
撹拌機140は、容器110内の溶液Sを撹拌する。本実施形態において、撹拌機140は、撹拌子142と、マグネチックスターラ144とを備える。撹拌子142(撹拌部)は、容器110内に設けられる。容器110は、マグネチックスターラ144に載置される。マグネチックスターラ144によって撹拌子142が回転される。撹拌子142の回転によって、容器110内の溶液Sが撹拌される。
【0034】
なお、撹拌機140は、容器110内の溶液Sを撹拌することができれば、構成に限定はない。撹拌機140は、容器110内に設けられた撹拌羽根(撹拌部)と、撹拌羽根を回転させるモータとを備えてもよい。
【0035】
撹拌機140は、後述する撹拌制御部216によって駆動制御される。
【0036】
温度調整装置150は、容器110内の溶液Sを加熱する。温度調整装置150は、例えば、電気ヒータである。温度調整装置150は、後述する温度調整部212によって駆動制御される。
【0037】
液面調整装置160は、容器110内に水(例えば、純水)を供給する。液面調整装置160は、後述する濃度調整部214によって駆動制御される。
【0038】
第1液面センサ170および第2液面センサ172は、容器110に貯留された溶液Sの液面の位置(液位)を検知する。
【0039】
温度センサ174は、容器110に貯留された溶液Sの温度を検知する。
【0040】
中央制御部180は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。中央制御部180は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。中央制御部180は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して試験装置100全体を管理および制御する。
【0041】
図2は、本実施形態に係る中央制御部180の機能ブロック図である。なお、
図2中、破線の矢印は、信号の流れを示す。
【0042】
図2に示すように、本実施形態において、中央制御部180は、循環制御部210、温度調整部212、濃度調整部214、撹拌制御部216として機能する。
【0043】
循環制御部210は、流体循環装置120を制御する。循環制御部210は、例えば、試験体130の表面温度が第1目標温度T1となるように、冷媒貯留部122による冷却、および、ポンプ124の出力のいずれか一方または両方を制御する。
【0044】
温度調整部212は、容器110内に貯留された溶液Sの温度を調整する。本実施形態において、温度調整部212は、温度センサ174の検出値が第2目標温度T2となるように、温度調整装置150を制御する。なお、第2目標温度T2は、第1目標温度T1よりも高い。
【0045】
また、温度調整部212は、第1液面センサ170の検出値が第1液位L1未満である場合に温度調整装置150を停止する。第1液位L1は、空焚きであるとみなすことができる液位である。
【0046】
濃度調整部214は、容器110内に貯留された溶液Sに含まれる硬度成分の濃度を調整する。本実施形態において、濃度調整部214は、第2液面センサ172の検出値が第2液位L2となるように、液面調整装置160を制御する。第2液位L2は、試験装置100による試験開始前に、容器110内に貯留された溶液Sの液位である。第2液位L2は、第1液位L1超の値である。
【0047】
上記したように、容器110の上面が開放されているため、温度調整装置150によって加熱され続けると、溶液S中の水が蒸発して、溶液Sに含まれる硬度成分の濃度が上昇してしまう。そこで、濃度調整部214は、第2液面センサ172の検出値が第2液位L2となるように、液面調整装置160を制御して、水を供給させる。これにより、濃度調整部214は、容器110内に貯留された溶液Sに含まれる硬度成分の濃度を設定値に維持することが可能となる。
【0048】
撹拌制御部216は、撹拌機140を制御する。撹拌制御部216は、例えば、試験体130の外表面における溶液Sの流速温度が目標値となるように、撹拌子142の回転速度を制御する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る試験装置100は、容器110と、流体循環装置120と、流体循環装置120に着脱可能に設けられた試験体130を備える。試験装置100において、試験体130は、容器110内に貯留された溶液Sに浸漬することが可能な大きさであればよい。このため、試験装置100は、実機と同等の従来の試験機と比較して、装置自体を小型化することができる。したがって、試験装置100は、従来の試験機よりも、装置自体のコストを低減することが可能となる。
【0050】
また、試験装置100では、試験体130の内部を冷媒が循環し、試験体130の外部に溶液Sが接触する。このため、溶液Sに含まれる硬度成分によって、試験体130の外表面(伝熱面)にスケールを付着させることができる。また、上記したように、容器110の上面が開放されており、容器110は、透明な材料で形成される。したがって、試験装置100の外部から、試験体130の外表面(伝熱面)の不具合(スケールの付着や腐食)を確認(視認)することができる。このため、試験装置100は、従来の試験機とは異なり、装置を分解することなく、伝熱面の不具合を確認することが可能となる。
【0051】
また、試験装置100は、容器110に貯留する溶液S(初期状態の溶液S)における硬度成分の濃度を自在に変更できる。換言すれば、所望される濃度の硬度成分を含む溶液Sを容器110に貯留することができる。このため、例えば、実機に供給される原水よりも硬度成分の濃度が高い溶液Sを容器110に貯留して試験を行うことができる。この場合、容器110に原水を貯留する場合よりも、試験体130に不具合が生じるまでの時間を短縮することができる。これにより、例えば、スケール抑制剤や腐食抑制剤といった抑制剤を、容器110に導入して試験を行えば、抑制剤の効果を早期に評価することが可能となる。
【0052】
また、上記したように、試験装置100は、循環制御部210および温度調整部212を備える。これにより、試験装置100は、冷媒と溶液Sとの温度差を自在に変更できる。つまり、試験装置100は、試験体130の内部と、外部との温度差(伝熱面の温度差)を自在に変更できる。このため、例えば、実機が設置される現場よりも、冷媒と溶液Sとの温度差を大きくして試験を行うことができる。この場合、実機が設置される現場環境よりも、試験体130に不具合が生じるまでの時間を短縮することができる。これにより、例えば、抑制剤を容器110に導入して試験を行えば、抑制剤の効果を早期に評価することが可能となる。
【0053】
また、上記したように、試験装置100は、濃度調整部214を備える。これにより、試験装置100は、設定した濃度に溶液Sを維持することができる。したがって、試験装置100は、安定した試験を行うことが可能となる。
【0054】
また、上記したように、試験装置100は、撹拌機140を備える。これにより、撹拌機140は、容器110内において溶液Sの濃度が偏ってしまう事態を回避することができる。
【0055】
また、上記したように、試験装置100は、撹拌制御部216を備える。これにより、試験装置100は、試験体130の外表面を流れる溶液Sの流速を自在に変更できる。このため、例えば、実機が設置される現場よりも、試験体130の外表面を流れる溶液Sの流速を大きくして試験を行うことができる。熱交換器が設置される現場よりも、スケールの付着時間を短縮することができる。この場合、実機が設置される現場環境よりも、試験体130に不具合が生じるまでの時間を短縮することができる。これにより、例えば、抑制剤を容器110に導入して試験を行えば、抑制剤の効果を早期に評価することが可能となる。
【0056】
また、上記したように、試験装置100は、第1液面センサ170および温度調整部212を備える。これにより、試験装置100は、温度調整装置150による空焚きを防止することが可能となる。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
例えば、上述した実施形態において、容器110の上面が開放されている場合を例に挙げた。しかし、容器110の上面が開放されていなくてもよい。容器110は、少なくとも一部に開口が形成されていてもよい。例えば、容器110の側面における上部に開口が形成されていてもよい。この場合、開口から試験体130の外表面を確認することができる。
【0059】
また、上記実施形態において、容器110が透明な材料で形成される場合を例に挙げた。しかし、容器110は、少なくとも一部が透明な材料で形成されていればよい。この場合、透明な材料で形成されている部分(窓)から試験体130の外表面を確認することができる。
【0060】
また、上記実施形態において、試験装置100が、温度調整装置150および温度調整部212を備える場合を例に挙げた。しかし、試験装置100は、温度調整装置150および温度調整部212を備えずともよい。試験装置100は、少なくとも流体循環装置120を備え、試験体130の内部と外部とにおいて温度差をつけることができればよい。
【0061】
また、上記実施形態において、冷媒貯留部122が、貯留された冷媒を冷却する場合を例に挙げた。しかし、冷媒貯留部122は、貯留された冷媒を加熱してもよい。試験装置100は、試験体130の内部と外部とにおいて温度差をつけることができればよい。例えば、試験体130の内部が外部よりも高温であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態において、温度調整装置150が、容器110内の溶液Sを加熱する場合を例に挙げた。しかし、温度調整装置150は、容器110内の溶液Sを冷却してもよい。試験装置100は、試験体130の内部と外部とにおいて温度差をつけることができればよい。例えば、試験体130の内部が外部よりも高温であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態において、試験装置100が、液面調整装置160および濃度調整部214を備える場合を例に挙げた。しかし、試験装置100は、液面調整装置160および濃度調整部214を備えずともよい。例えば、容器110が密閉容器である場合、液面調整装置160および濃度調整部214を省略することができる。
【0064】
また、上記実施形態において、試験装置100が、撹拌機140を備える場合を例に挙げた。しかし、撹拌機140は、必須の構成ではない。
【0065】
本開示は、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0066】
S 溶液
100 試験装置
110 容器
120 流体循環装置
124 ポンプ
126 供給管
128 返送管
130 試験体
142 撹拌子(撹拌部)
212 温度調整部
214 濃度調整部