(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】画像表示システム、解析装置、画像管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20250624BHJP
【FI】
A61B6/03 560B
A61B6/03 560J
(21)【出願番号】P 2022095918
(22)【出願日】2022-06-14
【審査請求日】2024-09-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹村 知晃
(72)【発明者】
【氏名】和田 恒
【審査官】清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0080752(US,A1)
【文献】特開2012-040044(JP,A)
【文献】特開平09-238934(JP,A)
【文献】特表2020-529292(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0128950(US,A1)
【文献】特開2004-113730(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0101573(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
A61B 5/055
G01N 24/00-24/14
G01R 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得する第2の取得手段と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する変換手段と、
を有
し、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換手段は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する、
画像表示システム。
【請求項2】
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を出力する出力手段、
を有する、請求項1記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を取得する第3の取得手段、を有し、
前記変換手段は、前記対応付け情報に基づき、前記解析結果を前記第2医用画像上に表示可能に変換する、請求項1記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記第1医用画像データの画像位置情報と前記第2医用画像データの画像位置情報との対応関係に基づき、前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を生成する生成手段、
を有する、請求項
1に記載の画像表示システム。
【請求項5】
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得する第2の取得手段と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する変換手段と、
を有
し、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換手段は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する、
解析装置。
【請求項6】
前記第1医用画像データの画像位置情報と前記第2医用画像データの画像位置情報との対応関係に基づき、前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を生成する生成手段、
を有する、請求項
5に記載の解析装置。
【請求項7】
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得する第2の取得手段と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する変換手段と、
を有
し、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換手段は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する、
画像管理装置。
【請求項8】
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を取得する第3の取得手段、を有し、
前記変換手段は、前記対応付け情報に基づき、前記解析結果を前記第2医用画像上に表示可能に変換する、請求項
7に記載の画像管理装置。
【請求項9】
前記変換手段は、前記第1のスライス厚と前記第2のスライス厚とに基づき、前記解析結果を前記第2医用画像上に表示可能に変換する、請求項
7に記載の画像管理装置。
【請求項10】
前記第1医用画像データの画像位置情報と前記第2医用画像データの画像位置情報との対応関係に基づき、前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を生成する生成手段、
を有する、請求項
7に記載の画像管理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得させる第1の取得機能と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得させる第2の取得機能と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換させる変換機能と、
を実現させ
、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換機能は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する、
プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を取得させる第3の取得機能、
を実現させ、
前記変換機能は、前記対応付け情報に基づき、前記解析結果を前記第2医用画像上に表示可能に変換させる、請求項
11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
前記第1医用画像データの画像位置情報と前記第2医用画像データの画像位置情報との対応関係に基づき、前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換するための対応付け情報を生成させる生成機能、
を実現させる、請求項
11に項記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、
前記解析結果を前記第2医用画像データに埋め込んだ埋め込み画像データを生成する第2の生成機能、
を実現させる、請求項
11又は
12に記載のプログラム。
【請求項15】
前記解析結果は複数であり、
前記第1の取得機能は、前記複数の解析結果を取得し、
前記変換機能は、前記第1医用画像データの前記複数の解析結果を、前記第2医用画像上に表示可能に変換させる、
請求項
11又は
12に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示システム、解析装置、画像管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
CT画像やMRI画像などの複数のスライス画像からなる医用画像については、従来から、読影効率化(スライス厚が厚いほうが早く読影可能)や記憶容量の負荷を低減するため、再構成された厚いスライス厚(例えば、5mm厚)の画像がPACS(Picture Archiving and Communication System)に保存されている。
【0003】
また、特許文献1には、CT画像からCAD(Computer Aided Diagnosis)により病変候補領域を検出し、検出された病変候補領域の情報を検出元のスライス画像の検査識別番号や画像番号に対応付けて記憶することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、CADやAI(Artificial Intelligence)などのコンピュータ処理により病変候補領域を検出する解析システムにおいては、各システムによって、入力画像のスライス厚に仕様を定めている。薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)を入力画像として解析する方が解析精度は高いため、解析性能を求める場合には、薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)を入力画像として解析する仕様となっている。
【0006】
しかし、薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)を入力画像として解析する仕様の解析システムでは、薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)で行われた解析結果(病変候補領域の位置情報や特徴量など)のみをPACSに送るだけでは、再構成された厚いスライス厚画像(例えば、5mm厚)と紐づけることができない。そのため解析結果をPACS側で表示することができない。
【0007】
そこで、従来は、再構成された厚いスライス厚(例えば、5mm厚)の画像をPACSに送信して保存するだけでなく、薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)で行われた解析結果に加えて、解析に用いた薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)をPACS側に送信して一定期間保管し、薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)に解析結果を表示していた。しかし、薄いスライス厚の画像をすべてPACS側に保管してしまうと容量が多くなるため、一定期間経過後、時限的に削除していた。
【0008】
しかし、解析に用いた薄いスライス厚画像をPACSから削除してしまうと、削除後に解析結果をもう一度確認しようとする場合、解析システムから解析結果と、解析に用いた薄いスライス厚画像(例えば、1mm厚)とを、PACSへ再送する必要があり、業務効率が低下する問題が生じていた。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を、第1のスライス厚とは異なる第2のスライス厚に再構成した第2の医用画像上に表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像表示システムは、
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得する第2の取得手段と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する変換手段と、
を有し、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換手段は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する。
【0012】
また、本発明に係る解析装置は、
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得する第2の取得手段と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する変換手段と、
を有し、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換手段は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する。
【0015】
また、本発明に係る画像管理装置は、
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得する第2の取得手段と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する変換手段と、
を有し、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換手段は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する。
【0016】
また、本発明に係るプログラムは、
コンピュータに、
第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得させる第1の取得機能と、
前記第1医用画像データを、前記第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得させる第2の取得機能と、
前記第1医用画像データの前記解析結果を、前記第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換させる変換機能と、
を実現させ、
前記解析結果は、前記第1医用画像データのインスタンス番号を含み、
前記変換機能は、前記解析結果の前記インスタンス番号に対応する前記第2医用画像データのインスタンス番号で、前記解析結果の前記インスタンス番号を完全置換する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を、第1のスライス厚とは異なる第2のスライス厚に再構成した第2の医用画像に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】画像位置情報の座標を説明するための図である。
【
図3】解析装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】画像サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態における撮影から画像表示までの流れを示すシーケンス図である。
【
図6】第1医用画像データのインスタンス番号及び画像位置情報の組み合わせにThin No.nを対応付けた対応表を示す図である。
【
図7】第2医用画像データのインスタンス番号及び画像位置情報の組み合わせにThick No.mを対応付けた対応表を示す図である。
【
図9】複数の解析結果を1つのスライス画像データに対応付けた例を示す図である。
【
図10】第2の実施形態における撮影から画像表示までの流れを示すシーケンス図である。
【
図11】第3の実施形態における撮影から画像表示までの流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係る好適な実施形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0021】
<第1の実施形態>
〔画像表示システムの構成〕
図1に、第1の実施形態における画像表示システム100のシステム構成例を示す。
図1に示すように、画像表示システム100は、モダリティー1、コンソール2、解析装置3、画像サーバー4、読影用端末5等を含み、これらがLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の等の通信ネットワークNを介して接続されて構成されている。画像表示システム100を構成する各装置は、HL7(Health Level Seven)やDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、HL7やDICOMに則って行われる。なお、モダリティー1、コンソール2、解析装置3、読影用端末5等の台数は、特に限定されない。
【0022】
モダリティー1は、CT、MRI等の画像生成装置であり、図示しないRIS(Radiology Information System)等から送信された検査オーダー情報に基づいて、患者の検査対象部位を被写体として撮影して医用画像データ(複数のスライス画像データからなる医用画像データ)を生成する。モダリティー1は、第1のスライス厚で撮影を行い、得られた第1のスライス厚の第1医用画像データをコンソール2に送信する。第1のスライス厚は、病院側で撮影目的や撮影部位に応じて定められており、本実施形態では1mmとする。
【0023】
コンソール2は、図示しない制御部、表示部、操作部、通信部、記憶部等を備えて構成され、モダリティー1における撮影を制御する撮影制御装置である。コンソール2は、撮影条件や画像読取条件をモダリティー1に出力し、モダリティー1において撮影された第1医用画像データを取得する。また、コンソール2は、モダリティー1により取得した第1医用画像データを再構成し、第1のスライス厚より厚い第2のスライス厚の第2医用画像データを生成する。第2のスライス厚は病院側で定められており、本実施形態では、5mmとする。そして、コンソール2は、第1医用画像データと第2医用画像データのそれぞれに(例えば、各スライスの画像ファイルのヘッダーに)、DICOM規格に則って、付帯情報(患者情報(患者ID、患者氏名、生年月日、年齢、性別、身長、体重等)、検査情報(検査ID、検査日時、モダリティーの種類、検査部位、依頼科、検査目的等)、画像識別情報(例えば、インスタンス番号、UID(Unique ID)等)、画像位置情報等を書き込み、付帯情報が付帯された第1医用画像データ及び第2医用画像データを解析装置3に、第2医用画像データを画像サーバー5に送信する。
【0024】
ここで、画像位置情報は、
図2に示すように、X座標、Y座標、Z座標により構成されている。X座標は、
図2に示すX軸方向(被検者Mの幅方向、医用画像の横方向)の位置を示す座標であり、Y座標は、
図2に示すY軸方向(被検者Mの体厚方向、医用画像の縦方向)の位置を示す座標であり、Z座標は、
図2に示すZ軸方向(被検者Mの体軸方向、スライス方向)の位置を示す座標である。付帯情報には、X座標、Y座標として、所定の座標(例えば、原点(画像の左上の点)の座標)が書き込まれる。
また、インスタンス番号は、スライス画像データが一連の第1医用画像データ(又は第2医用画像データ)の何番目の画像であるかを示す番号である。UIDは、スライス画像データを一意に識別するための情報である。
【0025】
解析装置3は、コンソール2から送信された第1医用画像データに対し、コンピュータ処理による解析を行って病変候補領域の検出を行い、解析結果を画像サーバー5に送信(出力)する。コンピュータ処理としては、例えばCAD(Computer Aided Diagnosis)による病変候補領域の検出や画像診断・画像解析を行うAI(Artificial Intelligence)を利用したAI解析が用いられる。
【0026】
図3は、解析装置3の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、解析装置3は、制御部31、記憶部32、データ取得部33、データ出力部34、操作部35、表示部36等を備えて構成され、各部はバス37により接続されている。
【0027】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、解析装置3の各部の動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部32のプログラム記憶部321に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムにしたがって各種処理を実行する。制御部31は、
図5に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行することにより、第1の取得手段、第2の取得手段、変換手段、生成手段として機能する。
【0028】
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリー等により構成され、
図5に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行するためのプログラムや解析用プログラムをはじめとする各種処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部321等を含んでいる。また記憶部32には、プログラム記憶部321に記憶されているプログラムの実行に必要なパラメーター、ファイル等が記憶されている。
【0029】
データ取得部33は、例えばネットワークインターフェース等で構成され、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された外部機器からデータを受信するように構成されている。なお、本実施形態では、データ取得部33は、ネットワークインターフェース等で構成されることとするが、USBメモリーやSDカード等を差し込むことが可能なポート等で構成することもできる。
【0030】
データ出力部34は、例えばネットワークインターフェース等で構成され、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された外部機器へデータを出力するように構成されている。なお、本実施形態では、データ出力部34は、ネットワークインターフェース等で構成されることとするが、外部機器と接続するためのコネクター、USBメモリー等の各種メディアのポート等が適用可能である。
【0031】
操作部35は、各種キーを備えたキーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいは表示部36に取り付けられたタッチパネル等で構成されている。操作部35は、ユーザーが入力操作可能となっており、具体的には、キーボードに対するキー操作、マウス操作、あるいはタッチパネルに対するタッチ操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0032】
表示部36は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。なお、モニターは1つに限定されず、複数備えていてもよい。
【0033】
解析装置3は、第1医用画像データ及び生成した解析結果(解析結果データ)を読影用端末5に出力し、読影用端末5において医師が解析結果を確認し、OKであれば解析結果を確定するタイプの装置であってもよいし、医師の確認なく、生成した解析結果をそのまま第1医用画像データの解析結果とするゲートウェイタイプの装置であってもよい。
【0034】
画像サーバー4は、例えば、PACSのサーバーであり、コンソール2から出力された第2医用画像データを保存、管理する画像管理装置である。
【0035】
図4は、画像サーバー4の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、画像サーバー4は、制御部41、記憶部42、データ取得部43、データ出力部44、操作部45、表示部46等を備えて構成され、各部はバス47により接続されている。
【0036】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、画像サーバー4の各部の動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部42のプログラム記憶部421に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムにしたがって各種処理を実行する。
【0037】
記憶部42は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリー等により構成され、
図5に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行するためのプログラムをはじめとする各種処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部421等を含んでいる。また記憶部42には、プログラム記憶部421に記憶されているプログラムの実行に必要なパラメーター、ファイル等が記憶されている。
【0038】
また、記憶部42は、画像DB(Data Base)422を備えている。画像DB422は、コンソール2から送信された第2医用画像データや第2医用画像上で表示可能に変換された解析結果(解析装置3による解析結果)を保存するためのデータベースである。画像DB422は、画像DB422に記憶されている第2医用画像データの管理情報(付帯情報)を格納する画像管理テーブルを有している。画像管理テーブルには、例えば、第2医用画像データの各スライス画像データの患者情報、検査情報、画像識別情報、画像位置情報、解析結果の識別情報(例えば、GSPS(Grayscale Softcopy Presentation State)ファイルのファイル名等)の情報が格納されている。
【0039】
データ取得部43は、例えばネットワークインターフェース等で構成され、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された外部機器からデータを受信するように構成されている。なお、本実施形態では、データ取得部43は、ネットワークインターフェース等で構成されることとするが、USBメモリーやSDカード等を差し込むことが可能なポート等で構成することもできる。
【0040】
データ出力部44は、例えばネットワークインターフェース等で構成され、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された外部機器へデータを出力するように構成されている。なお、本実施形態では、データ出力部44は、ネットワークインターフェース等で構成されることとするが、外部機器と接続するためのコネクター、USBメモリー等の各種メディアのポート等が適用可能である。
【0041】
操作部45は、各種キーを備えたキーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいは表示部46に取り付けられたタッチパネル等で構成されている。操作部45は、ユーザーが入力操作可能となっており、具体的には、キーボードに対するキー操作、マウス操作、あるいはタッチパネルに対するタッチ操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。
【0042】
表示部46は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。なお、モニターは1つに限定されず、複数備えていてもよい。
【0043】
読影用端末5は、例えば、PACSのクライアント(PACSビューアー)であり、画像サーバー4等から第2医用画像データや第2医用画像上で表示可能に変換された解析結果を読み出して読影用に表示する表示装置である。読影用端末5は、図示しない制御部、表示部、操作部、通信部、記憶部等を備えて構成される。
【0044】
〔画像表示システム100の動作〕
次に、画像表示システム100の動作について説明する。
図5は、画像表示システム100における撮影から画像表示までの流れを示すシーケンス図である。以下、
図5を参照して、画像表示システム100における撮影から画像表示までの流れについて説明する。
【0045】
まず、モダリティー1は、検査オーダー情報に基づいて、第1のスライス厚(1mm)で撮影を行い、第1医用画像データを取得し(ステップS1)、第1医用画像データをコンソール2に送信する(ステップS2)。
【0046】
第1医用画像データを受信すると、コンソール2は、第1医用画像データを再構成して第2のスライス厚(5mm)の第2医用画像データを生成する(ステップS3)。
そして、コンソール2は、第1医用画像データ及び第2医用画像データを解析装置3へ送信し(ステップS4)、第2医用画像データを画像サーバー4に送信する(ステップS5)。
【0047】
解析装置3において、制御部31は、コンソール2から送信された第1医用画像データ及び第2医用画像データをデータ取得部33により取得し、第1医用画像データを解析して解析結果を生成(取得)する(ステップS6)。
具体的に、制御部31は、プログラム記憶部321に記憶されている解析用プログラム(例えば、学習済みモデル)との協働により、第1医用画像データのスライス画像データごとに解析を行って病変候補領域の検出を行い、検出元のスライス画像データの画像識別情報(UID、インスタンス番号)、検出された病変候補領域の画像位置情報(X座標、Y座標、Z座標)、病変の種類及びアノテーション情報を含む解析結果を生成する。同一の病変候補領域が複数のスライス画像データにまたがって写っていた場合には、病変候補領域が最も大きく写っていたスライス画像データ(代表スライス画像データ)に対して解析結果を生成する。解析結果は、例えば、GSPS形式により生成され、制御部31のRAMまたは記憶部32に一時的に保存される。
【0048】
次いで、解析装置3の制御部31は、第1医用画像データの画像位置情報及び第2医用画像データの画像位置情報の対応関係に基づいて、第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換するための対応付け情報を生成する(ステップS7)。
【0049】
上述のように、解析装置3では、第1のスライス厚(1mm)の第1医用画像データに基づいて解析結果を生成している。一方、画像サーバー4では、第2のスライス厚(5mm)の第2医用画像データを保存しており、読影用端末5では、第2医用画像データが表示される。スライス厚の薄い第1医用画像データで解析を行うのは、スライス厚が薄くなるほど、細かな病変を検出しやすくなるためである。また、スライス厚の厚い第2医用画像データを読影に提供するのは、スライス厚が厚いほど医用画像データの枚数が少ないため、読影効率がよく、また、使用する記憶容量も少なくてよいためである。
【0050】
しかし、第1医用画像データの解析結果は、第1医用画像データにおける検出元のスライスのインスタンス番号及びUIDで解析結果を表示する画像データが特定されているため、第2医用画像データに基づく第2医用画像上では解析結果を示すアノテーション情報を表示することができない(どのスライス画像データに対応するものなのかわからない)。
【0051】
そこで、ステップS7では、制御部31は、第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換するための対応付け情報を生成する。
例えば、制御部31は、以下の(1)~(5)により対応付け情報を生成する。
(1)第1医用画像データの各スライス画像データの付帯情報からインスタンス番号及び画像位置情報を取得し、取得したインスタンス番号及び画像位置情報の組み合わせを、インスタンス番号順にThin No.n(n:1…N。Nはスライス画像データの数)に対応付ける(
図6参照)。
(2)第2医用画像データの各スライス画像データの付帯情報からインスタンス番号及び画像位置情報を取得し、取得したインスタンス番号及び画像位置情報の組み合わせを、インスタンス番号順にThick No.m(m:1…M。Mはスライス画像データの数)に対応付ける(
図7参照)。
(3)第1医用画像データの画像位置情報と第2医用画像データの画像位置情報のZ座標の数値の対応関係に基づいて、第1医用画像データの各スライス画像データ(Thin No.n)で撮影された範囲を含む第2医用画像データのスライス画像データ(Thick No.m)を特定する。これによって第1医用画像データのスライス画像データのインスタンス番号と第2医用画像データのスライス画像データのインスタンス番号を対応付ける。
例えば、第1医用画像データのスライス画像データのインスタンス番号=2の画像位置情報のZ座標が-341であり、第2医用画像データのスライス画像データのインスタンス番号=1の画像位置情報のZ座標が-340、インスタンス番号=2の画像位置情報のZ座標が-345の場合、第1医用画像データのインスタンス番号=2のスライス画像データは、第2医用画像データのインスタンス番号=1のスライス画像データと対応付けられる。
(4)(3)の対応付けに従い、第1医用画像データのThin No.と第2医用画像データのThick No.とを対応付けた対応付け情報(
図8参照)を生成する。
(5)生成した対応付け情報を記憶部32に記憶する。
【0052】
対応付け情報の生成が終了すると、解析装置3の制御部31は、生成した対応付け情報に基づいて、第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する(ステップS8)。
【0053】
例えば、制御部31は、以下の(1)~(5)により第1医用画像データの解析結果のそれぞれを、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する。
(1)第1医用画像データの解析結果のインスタンス番号から、Thin No.を取得する。
(2)対応付け情報を参照し、取得したThin No.に対応するThick No.を取得する。
(3)取得したThick Noに対応する第2医用画像データのスライス画像データの画像識別情報を取得する。
(4)第1医用画像データの解析結果の画像識別情報を、(3)で取得した画像識別情報に書き換える。
このステップS8の処理により、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となる。
【0054】
なお、第1医用画像データのスライス画像データと第2医用画像データのスライス画像データの対応付けを行うと、
図8に示すように、第1医用画像データの複数のスライス画像データが第2医用画像データの一つのスライス画像データに対応付けられることとなる。すなわち、複数の解析結果が第2医用画像データの一つのスライス画像データに対応付けられる(表示可能に変換される)こととなる。しかし、この場合、第2医用画像データに対応する解析結果の管理が煩雑となる可能性がある。
そこで、第2医用画像データの同じスライス画像データに対応付ける解析結果を統合して一つの解析結果としてもよい。
【0055】
例えば、
図9に示すように、第1医用画像データのThin No.1~3のスライス画像が第2医用画像データのThick No.1のスライス画像に対応する場合、Thin No.1~3のスライス画像の複数の解析結果を統合して(例えばいずれか一つの解析結果のファイルに他の解析結果を書き込んで)一つの解析結果とし、統合した解析結果の画像識別情報をThick No.1のスライス画像データの画像識別情報に置き換える。これにより、例えば、
図9に示すThick No.1の解析結果は、Thin No.1から検出された病変候補領域A1の情報(画像位置情報、病変の種類、アノテーション情報)と、Thin No.2から検出された病変候補領域A2の情報(画像位置情報、病変の種類、アノテーション情報)と、を含む1つのデータ(ファイル)となる。
これにより、第2医用画像データのスライス画像データと解析結果のデータが1:1で対応付けられるため、管理が容易となる。
【0056】
次いで、解析装置3の制御部31は、第2医用画像上での表示用に変換された解析結果をデータ出力部34により画像サーバー4に送信する(ステップS9)。
【0057】
画像サーバー4において、制御部41は、コンソール2から送信された第2医用画像データをデータ取得部43により取得し、取得した第2医用画像データを画像DB422に保存する(ステップS10)。
すなわち、制御部41は、取得した第2医用画像データのスライス画像データを画像DB422に保存するとともに、それぞれの付帯情報を画像管理テーブルに書き込む。
【0058】
また、画像サーバー4において、制御部41は、解析装置3から送信された解析結果(第2医用画像上での表示用に変換された解析結果)をデータ取得部43により取得し、取得した解析結果を画像DB422に保存する(ステップS11)。
すなわち、制御部41は、取得した解析結果のファイルを画像DB422に保存するとともに、取得した解析結果の識別情報(GSPSファイル名など)を、画像DB422の解析結果に含まれるUIDを有するレコードに書き込む。
【0059】
読影用端末5において、画像DB422に保存された第2医用画像データの検査情報等が指定され、指定された検査の画像取得要求が画像サーバー4に送信されると(ステップS12)、画像サーバー4の制御部41は、指定された検査の第2医用画像データ及び対応する解析結果を画像DB422から読み出して、データ出力部44により読影用端末5に送信する(ステップS13)。
【0060】
読影用端末5においては、画像サーバー4から第2医用画像データ及び解析結果が受信されると、受信した第2医用画像データに基づく第2医用画像を表示部に表示するとともに、第2の医用画像上に解析結果を示すアノテーション情報を付与して表示する(ステップS14)。
ユーザーは、表示された第2医用画像や解析結果を観察して読影を実施する。
【0061】
以上が、画像表示システム100における撮影~画像表示までのシーケンスである。
読影用端末5には、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換された解析結果が提供されるので、解析結果を第2医用画像の正しいスライス画像上に表示することが可能となる。
【0062】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、解析装置3において、上述の対応付け情報を生成して画像サーバー4に出力し、画像サーバー4において、取得した対応付け情報に基づいて第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する例について説明する。
【0063】
第2の実施形態において、解析装置3のプログラム記憶部321には、
図10に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。制御部31は、記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により
図10に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行する。制御部31は、
図10に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行することにより、出力手段として機能する。
また、画像サーバー4のプログラム記憶部421には、
図10に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。制御部41は、記憶部42に記憶されているプログラムとの協働により
図10に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行する。制御部41は、
図10に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行することにより、第1の取得手段、第2の取得手段、第3の取得手段、変換手段として機能する。
その他の画像表示システム100における構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態における動作について説明する。
【0064】
図10は、第2の実施形態における画像表示システム100の撮影から画像表示までの流れを示すシーケンス図である。以下、
図10を参照して、第2の実施形態における画像表示システム100の撮影から画像表示までの流れについて説明する。
【0065】
まず、モダリティー1は、検査オーダー情報に基づいて、第1のスライス厚(1mm)で撮影を行い、第1医用画像データを取得し(ステップS21)、第1医用画像データをコンソール2に送信する(ステップS22)。
【0066】
第1医用画像データを受信すると、コンソール2は、第1医用画像データを再構成して第2のスライス厚(5mm)の第2医用画像データを生成する(ステップS23)。
そして、コンソール2は、第1医用画像データ及び第2医用画像データを解析装置3へ送信し(ステップS24)、第2医用画像データを画像サーバー4に送信する(ステップS25)。
【0067】
解析装置3において、制御部31は、コンソール2から送信された第1医用画像データ及び第2医用画像データをデータ取得部33により取得し、第1医用画像データを解析して解析結果を生成(取得)する(ステップS26)。
ステップS26の処理は、
図5のステップS6で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0068】
次いで、解析装置3の制御部31は、第1医用画像データの画像位置情報及び第2医用画像データの画像位置情報の対応関係に基づいて、第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換するための対応付け情報を生成する(ステップS27)。
ステップS27の処理は、
図5のステップS7で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0069】
対応付け情報の生成が終了すると、解析装置の制御部31は、第1医用画像データの解析結果及び対応付け情報をデータ出力部34により画像サーバー4に出力する(ステップS28)。
【0070】
画像サーバー4において、制御部41は、コンソール2から送信された第2医用画像データをデータ取得部43により取得し、取得した第2医用画像データを画像DB422に保存する(ステップS29)。
ステップS29の処理は、
図5のステップS10と同様であるので説明を援用する。
【0071】
また、画像サーバー4において、制御部41は、解析装置3から出力された第1医用画像データの解析結果及び対応付け情報をデータ取得部43により取得し、取得した対応付け情報に基づいて、取得した第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する(ステップS30)。
ステップS30の処理は、
図5のステップS8で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0072】
そして、画像サーバー4の制御部41は、第2医用画像上で表示可能となるように変換された解析結果を画像DB422に保存する(ステップS31)。
ステップS31の処理は、
図5のステップS11で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0073】
読影用端末5において、画像DB422に保存された第2医用画像データの検査情報等が指定され、指定された検査の画像取得要求が画像サーバー4に送信されると(ステップS32)、画像サーバー4の制御部41は、指定された検査の第2医用画像データ及び対応する解析結果を画像DB422から読み出して、データ出力部44により読影用端末5に送信する(ステップS33)。
【0074】
読影用端末5においては、画像サーバー4から第2医用画像データ及び解析結果が受信されると、受信した第2医用画像データに基づく第2医用画像を表示部に表示するとともに、第2の医用画像上に解析結果を示すアノテーション情報を付与して表示する(ステップS34)。
ユーザーは、表示された第2医用画像や解析結果を観察して読影を実施する。
【0075】
以上が、第2の実施形態における画像表示システム100における撮影~画像表示までのシーケンスである。
読影用端末5には、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換された解析結果が提供されるので、解析結果を第2医用画像の正しいスライス画像上に表示することが可能となる。
【0076】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、画像サーバー4において対応付け情報を生成し、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する例について説明する。
【0077】
第3の実施形態において、コンソール2は、第1医用画像データを解析装置3に、第2医用画像データを画像サーバー4に送信する。
また、解析装置3のプログラム記憶部321には、
図11に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。制御部31は、記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により
図11に示すシーケンスの解析装置3側の処理を実行する。
また、画像サーバー4のプログラム記憶部421には、
図11に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。制御部41は、記憶部42に記憶されているプログラムとの協働により
図11に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行する。制御部41は、
図11に示すシーケンスの画像サーバー4側の処理を実行することにより、第1の取得手段、第2の取得手段、生成手段、変換手段として機能する。
その他の画像表示システム100における構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第3の実施形態における動作について説明する。
【0078】
図11は、第3の実施形態における画像表示システム100の撮影から画像表示までの流れを示すシーケンス図である。以下、
図11を参照して、第3の実施形態における画像表示システム100の撮影から画像表示までの流れについて説明する。
【0079】
まず、モダリティー1は、検査オーダー情報に基づいて、第1のスライス厚(1mm)で撮影を行い、第1医用画像データを取得し(ステップS41)、第1医用画像データをコンソール2に送信する(ステップS42)。
【0080】
第1医用画像データを受信すると、コンソール2は、第1医用画像データを再構成して第2のスライス厚(5mm)の第2医用画像データを生成する(ステップS43)。
そして、コンソール2は、第1医用画像データを解析装置3へ送信し(ステップS44)、第2医用画像データを画像サーバー4に送信する(ステップS45)。
【0081】
解析装置3において、制御部31は、コンソール2から送信された第1医用画像データをデータ取得部33により取得し、取得した第1医用画像データを解析して解析結果を生成(取得)する(ステップS46)。
ステップS46の解析結果の生成は、
図5のステップS6で説明したものと同様であるので説明を援用する。
そして、制御部31は、生成した解析結果及び第1医用画像データの各スライス画像データの付帯情報をデータ出力部34により画像サーバー4に送信する(ステップS47)。
【0082】
画像サーバー4において、制御部41は、コンソール2から送信された第2医用画像データをデータ取得部43により取得し、取得した第2医用画像データを画像DB422に保存する(ステップS48)。
ステップS48の処理は、
図5のステップS10と同様であるので説明を援用する。
【0083】
また、画像サーバー4において、制御部41は、解析装置3から送信された第1医用画像データの解析結果及び第1医用画像データの各スライス画像データの付帯情報をデータ取得部43により取得し、第1医用画像データの画像位置情報及び第2医用画像データの画像位置情報の対応関係に基づいて、第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換するための対応付け情報を生成する(ステップS49)。
ステップS49の対応付け情報の生成は、
図5のステップS7で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0084】
次いで、画像サーバー4において、制御部41は、生成した対応付け情報に基づいて、取得した第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する(ステップS50)。
ステップS50の処理は、
図5のステップS8で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0085】
そして、画像サーバー4の制御部41は、第2医用画像上で表示可能となるように変換された解析結果を画像DB422に保存する(ステップS51)。
ステップS51の処理は、
図5のステップS11で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0086】
読影用端末5において、画像DB422に保存された第2医用画像データの検査情報等が指定され、指定された検査の画像取得要求が画像サーバー4に送信されると(ステップS52)、画像サーバー4の制御部41は、指定された検査の第2医用画像データ及び対応する解析結果を画像DB422から読み出して、データ出力部44により読影用端末5に送信する(ステップS53)。
【0087】
読影用端末5においては、画像サーバー4から第2医用画像データ及び解析結果が受信されると、受信した第2医用画像データに基づく第2医用画像を表示部に表示するとともに、第2の医用画像上に解析結果を示すアノテーション情報を付与して表示する(ステップS54)。
ユーザーは、表示された第2医用画像や解析結果を観察して読影を実施する。
【0088】
以上が、第3の実施形態における画像表示システム100における撮影~画像表示までのシーケンスである。
読影用端末5では、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能に変換された解析結果が提供されるので、解析結果を第2医用画像の正しいスライス画像上に表示することが可能となる。
【0089】
なお、上記第3の実施形態では、画像サーバー4は、対応付け情報の生成に必要な第1医用画像データの付帯情報を解析装置3から取得することとしたが、コンソール2から取得することとしてもよい。また、転送時間がかかるが、画像サーバー4は、第1医用画像データを解析装置3又はコンソール2から取得することとしてもよい。
【0090】
<変形例>
上記第1~第3の実施形態では、第1医用画像データ及び第2医用画像データが生成されるごとに対応付け情報を生成し、対応付け情報に基づいて第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換することとしたが、例えば、第1スライス厚、第2スライス厚、モダリティー1で撮影する(部位ごとの)第1医用画像データの最初のスライス画像の画像位置及び撮影範囲が固定である場合、生成済みの対応付け情報を解析装置3の記憶部32又は画像サーバー4の記憶部42に記憶しておき、記憶されている対応付け情報に基づいて、解析装置3の制御部31又は画像サーバー4の制御部41が第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換することとしてもよい。
【0091】
また、対応付け情報を生成せず、第1のスライス厚と第2のスライス厚の情報に基づいて、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換することとしてもよい。
例えば、解析装置3の制御部31又は画像サーバー4の制御部41は、第1のスライス厚及び第2のスライス厚の情報と、第1医用画像データ又は第2医用画像データの最初のスライス画像の画像位置情報から、第1医用画像データと第2医用画像データのそれぞれのスライス画像データの画像位置情報を算出し、算出した画像位置情報に基づいて、第1医用画像データの解析結果のインスタンス番号に対応する第2医用画像データのインスタンス番号を特定する。そして、特定したインスタンス番号のスライス画像データの画像識別情報により第1医用画像データの解析結果の画像識別情報を書き換える。これにより、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換することができる。
【0092】
また、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する処理は、読影用端末5の制御部により行うこととしてもよい。
例えば、画像サーバー4において、制御部41は、第1医用画像データの解析結果と、解析装置3から取得したか又は画像サーバー4内で生成した対応付け情報とを、画像DB422に記憶されている第2医用画像データと対応付けて(例えば、患者情報及び検査情報等により対応付けて)記憶部42に記憶しておき、読影用端末5からの画像取得要求に応じて、指定された検査情報に対応する第2医用画像データとともに、第1医用画像データの解析結果及び対応付け情報を読影用端末5に送信する。読影用端末5においては、画像サーバー4から取得した対応付け情報に基づいて、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換し、第2医用画像データに基づく第2画像上に解析結果を表示する。
【0093】
あるいは、画像サーバー4において、制御部41は、第1医用画像データの解析結果と第1医用画像データの各スライス画像データの付帯情報とを、画像DB422に記憶されている第2医用画像データと対応付けて(例えば、患者情報及び検査情報等により対応付けて)記憶部42に記憶しておき、読影用端末5からの画像取得要求に応じて、指定された検査情報に対応する第2医用画像データとともに、第1医用画像データの解析結果及び付帯情報を読影用端末5に送信する。読影用端末5においては、取得した第2医用画像データ、第1医用画像データの解析結果及び付帯情報に基づいて、対応付け情報を生成するか、もしくは、第1のスライス厚と第2のスライス厚から第1医用画像データの解析結果に含まれるインスタンス番号に対応する第2画像データのインスタンス番号を特定して、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する。
なお、対応付け情報の生成処理、対応付け情報を用いて第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する処理、対応付け情報を用いずに第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する処理、については、第1~第3の実施形態で説明したものと同様である。
【0094】
以上説明したように、画像表示システム100においては、第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を取得し、取得した第1医用画像データを、第1のスライス厚とは異なる第2のスライス厚に再構成した第2医用画像データを取得し、第1医用画像データの解析結果を、第2医用画像データに基づく第2医用画像上に表示可能に変換する。
したがって、第1のスライス厚の第1医用画像データに対するコンピュータ処理により得られた解析結果を、第1のスライス厚とは異なる第2のスライス厚に再構成した第2の医用画像上に表示することが可能となる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
【0096】
例えば、上記実施形態では、第1医用画像データの解析結果がGSPS形式で取得される場合を例にとり説明したが、これに限らず、SR(Structured Report)形式であってもよい。
また、制御部31や制御部41は、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換した後、第2医用画像データに解析結果(例えば、病変候補領域を示すアノテーション)を埋め込んだ埋め込み画像データを生成する手段を備えていてもよい。すなわち、コンピュータ(例えば、制御部31や制御部41)に、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換する機能を実現させるプログラムには、コンピュータに、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換した後、第2医用画像データに解析結果(例えば、病変候補領域を示すアノテーション)を埋め込んだ埋め込み画像データを生成する機能を実現させるプログラムが含まれていてもよい。
埋め込み画像データには、例えば、スクリーンキャプチャ画像が含まれる。例えば、第1医用画像データの解析結果を第2医用画像データに基づく第2医用画像上で表示可能となるように変換した後、メモリー上で第2医用画像データに基づく医用画像上に解析結果(例えば、病変候補領域を示すアノテーション)を表示したスクリーンキャプチャ画像を生成することで、埋め込み画像データを生成することができる。
変換後の解析結果として埋め込み画像データを生成しておくと、読影用端末5では、解析結果を簡便に表示することができる。一方、GSPS形式やSR形式の場合、ユーザー操作に応じて元画像に対してアノテーション情報を画像に重畳させる必要があるため、ユーザー操作の手間や解析結果を画像上に重畳する処理が生じる。
【0097】
また、上記実施形態では、
図1において、解析装置3、画像サーバー5、読影用端末5、をそれぞれ別個独立の装置として図示したが、画像サーバー4と読影用端末5、解析装置3と画像サーバー4、解析装置3と画像サーバー4と読影用端末5とは、1つの装置として構成されていてもよい。
また、本発明の画像表示システムの第1の取得手段、第2の取得手段、第3の取得手段、出力手段、生成手段は、複数の装置に分散されていてもよい。
【0098】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0099】
その他、画像表示システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 モダリティー
2 コンソール
3 解析装置
31 制御部
32 記憶部
321 プログラム記憶部
33 データ取得部
34 データ出力部
35 操作部
36 表示部
37 バス
4 画像サーバー
41 制御部
42 記憶部
421 プログラム記憶部
43 データ取得部
44 データ出力部
45 操作部
46 表示部
47 バス
5 読影用端末
100 画像表示システム