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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】光源システム、ユニットおよびレーザー装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/035 20140101AFI20250624BHJP
   B23K 26/042 20140101ALI20250624BHJP
【FI】
B23K26/035
B23K26/042
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022547625
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 JP2021033027
(87)【国際公開番号】W WO2022054836
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2024-07-23
(31)【優先権主張番号】P 2020153256
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】堺 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】竹内 太一
(72)【発明者】
【氏名】石濱 靖之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅也
(72)【発明者】
【氏名】清水 美咲
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 久仁
(72)【発明者】
【氏名】梶尾 祐介
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/225117(WO,A1)
【文献】特開2004-351516(JP,A)
【文献】特開2020-114605(JP,A)
【文献】特開平08-132264(JP,A)
【文献】特開2002-162551(JP,A)
【文献】特開2017-042820(JP,A)
【文献】国際公開第2004/101211(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/035
B23K 26/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み換え可能に構成された複数のユニットを備える光源モジュールと、
前記光源モジュールを制御する制御機器と
を備え、
複数の前記ユニットは、
レーザー光を発振する第1のユニットと、
光軸を検出すると共に、前記レーザー光の調整およびモニタリングの少なくとも一方を行う第2のユニットと、
光軸調整を行う第3のユニットと
を含み、
前記第3のユニットは、前記第2のユニットの入光側に配置可能に構成され、
前記制御機器は、前記光軸の検出結果に基づき、前記第3のユニットの前記光軸調整を制御する光源システム。
【請求項2】
前記光源モジュールは、ベースをさらに備え、
前記ベースは、複数の前記ユニットがそれぞれ配置される複数のエリアを有し、
前記ユニットのフットプリントは、複数種類であり、
前記エリアの面積は、複数種類であり、
複数種類の前記フットプリントはそれぞれ、複数種類の前記エリアの面積に対応している請求項1に記載の光源システム。
【請求項3】
前記ユニットの底面、前記エリアはそれぞれ、長方形状を有し、
複数種類の前記フットプリントはそれぞれ、基準面積のn倍(但し、nは1以上の整数)である請求項2に記載の光源システム。
【請求項4】
複数の前記ユニットの入光側の光軸位置、出光側の光軸位置および光軸高さが統一されている請求項1に記載の光源システム。
【請求項5】
前記光源モジュールは、ベースをさらに備え、
前記光源モジュールは、複数の位置決め機構部を有し、
複数の前記位置決め機構部はそれぞれ、前記ベース上における複数の前記ユニットの位置を決める請求項1に記載の光源システム。
【請求項6】
前記第2のユニットは、アンプ、パワー調整部、波長変換部、シャッター、光束径変更部、偏向状態変更部、分岐部、光軸高さ変更部、光軸方向変更部およびレーザプロファイルモニタリング部のうちの少なくとも1つを備える請求項1に記載の光源システム。
【請求項7】
前記制御機器を制御する上位の制御装置をさらに備える請求項1に記載の光源システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記制御機器を介して複数の前記ユニットを協調制御する請求項7に記載の光源システム。
【請求項9】
前記ユニットは、光学部品を備え、
前記光学部品は予め定められた基準軸に基づき調整された請求項1に記載の光源システム。
【請求項10】
前記第2のユニットおよび前記第3のユニットは、
入光側に設けられた第1の窓と、
出光側に設けられた第2の窓と
を備える請求項1に記載の光源システム。
【請求項11】
前記第3のユニットは、
対向して配置された第1のミラーおよび第2のミラーと、
対向して配置された第3のミラーおよび第4のミラーと、
前記ユニットの配置面の垂線に平行な第1の軸を回転軸として前記第1のミラーおよび前記第2のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第1の駆動部および第2の駆動部と、
前記第1の軸に対して垂直な第2の軸を回転軸として前記第3のミラーおよび前記第4のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第3の駆動部および第4の駆動部と
を備える請求項1に記載の光源システム。
【請求項12】
前記第2のユニットは、前記光軸の角度および前記光軸のシフト量を検出し、
前記制御機器は、
前記光軸の角度の検出結果に基づき、前記第2の駆動部および前記第3の駆動部を制御し、前記第2のミラーおよび前記第3のミラーを回転させ、
前記光軸の位置の検出結果に基づき、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部を制御し、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーを同期して回転させると共に、前記第3の駆動部および前記第4の駆動部を制御し、前記第3のミラーおよび前記第4のミラーを同期して回転させる請求項11に記載の光源システム。
【請求項13】
前記第2のユニットは、
前記光軸の角度検出用の第1の受光素子と、
前記光軸の位置検出用の第2の受光素子と
を備え、
前記制御機器は、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子の出力に基づき、前記第3のユニットを制御する請求項1に記載の光源システム。
【請求項14】
複数の前記ユニットは、配列方向を水平方向から垂直方向、または垂直方向から水平方向に変更可能に構成されている請求項1に記載の光源システム。
【請求項15】
前記制御機器は、複数の前記ユニットの配列が正しいか否かを判別し、前記配列が正しくない場合には、前記レーザー光の発振を行わない請求項1に記載の光源システム。
【請求項16】
前記光軸調整の制御は、フィードバック制御である請求項1に記載の光源システム。
【請求項17】
前記光源モジュールは、ベースをさらに備え、
前記ユニットは、ヒートシンクをさらに備え、
前記ベースは、
前記ヒートシンクから熱が放出されるダクトと、
前記ダクトを排気するファンと
を備える請求項1に記載の光源システム。
【請求項18】
請求項1に記載の光源システムを備えるレーザー装置。
【請求項19】
光源モジュールに用いられる、組み換え可能に構成されたユニットであって、
対向して配置された第1のミラーおよび第2のミラーと、
対向して配置された第3のミラーおよび第4のミラーと、
前記ユニットの配置面の垂線に平行な第1の軸を回転軸として前記第1のミラーおよび前記第2のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第1の駆動部および第2の駆動部と、
前記第1の軸に対して垂直な第2の軸を回転軸として前記第3のミラーおよび前記第4のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第3の駆動部および第4の駆動部と
を備えるユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源システム、ユニットおよびレーザー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー加工装置や検査装置等のレーザー装置は、多様な分野で使用されている。レーザー加工装置の仕様は、溶接、切断、穴あけ、マーキングと言った加工の種類や加工対象物の材質等によって異なる。また、検査装置の仕様は、検査対象の種類等により異なる。このため、従来のレーザー装置は、フルスクラッチで作られている。したがって、従来のレーザー装置は、通常汎用性を有していない。
【0003】
そこで、上記問題を解決するために、システムを構成するユニットの置き換えが可能なレーザー装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-42820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のレーザー装置では、ユニット間の光軸調整には熟練者の技術が必要であるため、ユーザー側でユニット間の光軸調整を行うことは困難である。
【0006】
本開示の目的は、ユニット間の光軸調整を容易に行うことができる光源システム、ユニットおよびレーザー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、第1の開示は、
組み換え可能に構成された複数のユニットを備える光源モジュールと、
光源モジュールを制御する制御機器と
を備え、
複数のユニットは、
レーザー光を発振する第1のユニットと、
光軸を検出すると共に、レーザー光の調整およびモニタリングの少なくとも一方を行う第2のユニットと、
光軸調整を行う第3のユニットと
を含み、
第3のユニットは、第2のユニットの入光側に配置可能に構成され、
制御機器は、光軸の検出結果に基づき、第3のユニットの光軸調整を制御する光源システムである。
【0008】
第2の開示は、第1の開示の光源システムを備えるレーザー装置である。
【0010】
の開示は、
光源モジュールに用いられる、組み換え可能に構成されたユニットであって、
対向して配置された第1のミラーおよび第2のミラーと、
対向して配置された第3のミラーおよび第4のミラーと、
ユニットの配置面の垂線に平行な第1の軸を回転軸として第1のミラーおよび第2のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第1の駆動部および第2の駆動部と、
第1の軸に対して垂直な第2の軸を回転軸として第3のミラーおよび第4のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第3の駆動部および第4の駆動部と
を備えるユニットである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の第1の実施形態に係るレーザー加工装置の構成の一例を示す概略図である。
図2図2は、光源システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、光源モジュールの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、機能ユニットおよび光軸調整ユニットの構成の一例を示す概略図である。
図5図5Aは、ミラーの動きの一例を説明するための斜視図である。図5Bは、図5Aに示したミラーを用いた角度補正および位置補正の方法を説明するための図である。
図6図6は、光源システムの光軸の補正方法の一例について説明するためのフローチャートである。
図7図7Aは、ユニットの形状の第1の例を示す斜視図である。図7Bは、ユニットの形状の第2の例を示す斜視図である。図7Cは、ユニットの形状の第3の例を示す斜視図である。
図8図8Aは、ユニットの配置形態の一例を示す分解斜視図である。図8Bは、ユニットの配置形態の一例を示す斜視図である。
図9図9Aは、第2の実施形態における光源モジュールの構成の一例を示す斜視図である。図9Bは、図9AのIXB-IXB線に沿った断面図である。
図10図10は、第2の実施形態における光源モジュールの構成の一例を示す分解斜視図である。
図11図11は、変形例に係る光源モジュールの構成の一例を示す斜視図である。
図12図12Aは、位置決め機構部の第1の構成例を示す概略図である。図12Bは、位置決め機構部の第2の構成例を示す概略図である。図12Cは、位置決め機構部の第3の構成例を示す概略図である。
図13図13Aは、位置決め機構部の第1の構成例を示す概略図である。図13Bは、位置決め機構部の第2の構成例を示す概略図である。図13Cは、位置決め機構部の第3の構成例を示す概略図である。
図14図14は、変形例に係る検出部の構成の一例を示す概略図である。
図15図15Aは、変形例に係る光源モジュールの第1の構成例を示す斜視図である。図15Bは、変形例に係る光源モジュールの第2の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態について以下の順序で説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
1 第1の実施形態
1.1 レーザー加工装置の構成
1.2 光軸の補正方法
1.3 作用効果
2 第2の実施形態
2.1 レーザー加工装置の構成
2.2 作用効果
3 変形例
【0013】
<1 第1の実施形態>
[1.1 レーザー加工装置の構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係るレーザー加工装置1の構成の一例を示す概略図である。レーザー加工装置1は、様々な加工用途に対応可能なものであり、光源モジュール20Mと、制御機器20Nと、装置側コントローラ3とを備える。
【0014】
(光源システム)
図2は、光源システム2の構成の一例を示すブロック図である。光源システム2は、光源モジュール20Mと、制御機器20Nとを備える。
【0015】
(光源モジュール)
図3は、光源モジュール20Mの構成の一例を示すブロック図である。光源モジュール20Mは、複数の機能ユニット21A、21A、・・・、21Aと、複数の光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1と、ベース21Dとを備える。ここで、nは3以上または5以上の奇数である。
【0016】
以下の説明において、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aと光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1とを特に区別せずに総称する場合には、ユニット21Aという。
【0017】
複数のユニット21Aは、ベース21D上において組み換え可能に構成されている。複数のユニット21Aでは、ベース21D上に配置された状態において、隣接するユニット21A同士の光軸が連結される。複数のユニット21Aの入光側の光軸位置、出光側の光軸位置および光軸高さが統一されている。また、ベース21D上における複数のユニット21Aの配置位置が予め規定されていてもよい。
【0018】
複数のユニット21Aは、機能ユニット21Aと光軸調整ユニット21An-1とが交互に入れ替わるように直列に配列される。配列の一端には機能ユニット21Aが配置され、他端には機能ユニット21Aが配置される。機能ユニット21Aを除く機能ユニット21A、・・・、21Aそれぞれの入光側には光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1が配置される。
【0019】
機能ユニット21Aは第1のユニットの一例であり、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aは第2のユニットの一例である。光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1は、第3のユニットの一例である。
【0020】
(機能ユニット)
機能ユニット21Aは、光軸調整ユニット21Aの入光側に配置可能に構成されている。機能ユニット21Aは、被加工物に対して照射される規定波長のレーザー光を発振するレーザー発振器を備える。
【0021】
機能ユニット21A、21A、・・・、21Aは、光軸を検出すると共に、機能ユニット21Aにて発振されたレーザー光の調整およびモニタリングの少なくとも一方を行う。機能ユニット21A、21A、・・・、21Aはそれぞれ、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1の出光側に配置可能に構成されている。機能ユニット21A、21A、・・・、21Aがそれぞれ有する光学部品は、予め定められた基準軸に基づき調整されていてもよい。
【0022】
機能ユニット21A、21A、・・・、21Aは、機能部211と、検出部212とを備える。機能部211は、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの出光側に設けられている。機能部211は、機能ユニット21Aにて発振されたレーザー光の調整およびモニタリングの少なくとも一方を行う。各機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの機能部211は、異なる機能を有していてもよい。機能部211は、例えば、アンプ、パワー調整部、波長変換部、シャッター、光束径変更部、偏光状態変更部、分岐部、光軸高さ変更部、光軸方向変更部およびレーザプロファイルモニタリング部のうちの少なくとも1つを備えていてもよいし、それらのうちのいずれか1つを備えていてもよい。これにより、ユーザー側が要求および仕様に応じて機能ユニット21A、21A、・・・、21Aを自由に選択することができる。
【0023】
アンプは、入力されたレーザー光を増幅し出力する。パワー調整部は、入力されたレーザー光のパワーを調整し出力する。シャッター部は、入力されたレーザー光の光路を遮断する。光束径変更部は、入力されたレーザー光の光束径を変更し出力する。光束径変更部は、例えばビームエクスパンダーである。
【0024】
偏光状態変更部は、偏光素子を使って偏光状態を変える。分岐部は、入力されたレーザー光を分岐し出力する。光軸高さ変更部は、入力されたレーザー光の光軸高さを変更する。光軸方向変更部は、光源モジュール20Mの光軸方向を変更する。例えば光源モジュール20Mの光軸の方向を水平方向から垂直方向、または垂直方向から水平方向に変更する。レーザプロファイルモニタリング部は、入力されたレーザー光のプロファイルをモニタリングし、制御機器20Nに出力する。
【0025】
検出部212は、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの入光側に設けられている。検出部212は、光軸の角度およびシフト量を検出し、検出結果を制御機器20Nに出力する。検出部212は、ミラー212Aと、検出装置212Bとを備える。ミラー212Aは、例えばハーフミラーであり、機能ユニット21Aに入光したレーザー光の一部を反射し検出装置212Bに入光させ、残りを透過し機能部211に入光させる。
【0026】
検出装置212Bは、ミラー212Aから入光されたレーザー光に基づき、光軸の角度およびシフト量を検出し、検出結果を制御機器20Nに出力する。
【0027】
図4に示すように、検出装置212Bは、位置検出用の受光素子212Cと、角度検出用の受光素子212Dとを備える。なお、図4では、機能部211の図示を省略している。位置検出用の受光素子212Cは、光軸のシフト量を検出する。角度検出用の受光素子212Dは、機能ユニット21Aに入光したレーザー光の光軸の角度を検出する。受光素子212Cおよび受光素子212Dは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)またはPSD(Position Sensitive Device)等により構成されている。
【0028】
機能ユニット21Aは、窓(第2の窓)217Bをさらに備える。機能ユニット21A、21A、・・・、21Aは、窓(第1の窓)217Aと窓(第2の窓)217Bとをさらに備える。窓217Aは、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの入光側に設けられている。窓217Aを介して機能ユニット21A、21A、・・・、21A内にレーザー光が入光される。窓217Bは、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの出光側に設けられている。窓217Bを介して機能ユニット21A、21A、・・・、21A内からレーザー光が出光される。
【0029】
上述のように、機能ユニット21Aが窓217Aを備えることで、機能ユニット21Aを内部にゴミの入らない防塵密閉構造とすることができる。また、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aが窓217Aと窓217Bとを備えることで、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aを内部にゴミの入らない防塵密閉構造とすることができる。したがって、機能ユニット21A、21A・・・、21Aの使用時または保管時において、機能ユニット21A、21A・・・、21A内部の光学部品へのゴミ付着を抑制することができる。したがって、機能ユニット21A、21A・・・、21Aのメンテナンス時間を短縮することができる。また、機能ユニット21A、21A・・・、21A内部の光学部品を長寿命化することができる。
【0030】
(光軸調整ユニット)
光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1はそれぞれ、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの入光側に配置可能に構成されている。光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1はそれぞれ、制御機器20Nの制御に基づき、光軸調整を行う。すなわち、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1は、制御機器20Nの制御に基づき、光軸のズレを補正する。より具体的には、光軸の角度(倒れ量)のズレおよび光軸の位置のズレ(シフト量)を補正する。光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1がそれぞれ有する光学部品は、予め定められた基準軸に基づき調整されていてもよい。
【0031】
図4に示すように、光軸調整ユニット21An-1は、4つの光軸調整部213、214、215、216を備える。光軸調整部213は、ミラー213Aと駆動部213Bとを備える。光軸調整部214は、ミラー214Aと駆動部214Bとを備える。光軸調整部215は、ミラー215Aと駆動部215Bとを備える。光軸調整部216は、ミラー216Aと駆動部216Bとを備える。
【0032】
ミラー213Aとミラー214Aとは、互いの反射面が対向するように配置されている。ミラー215Aとミラー216Aとは、互いの反射面が対向するように配置されている。ミラー213Aは、光軸調整ユニット21An-1に入光したレーザー光をミラー214Aに向けて反射する。ミラー214Aは、入光したレーザー光をミラー215Aに向けて反射する。ミラー215Aは、入光したレーザー光をミラー216Aに向けて反射する。ミラー216Aは、入光したレーザー光を反射し、機能ユニット21Aに向けて出光する。駆動部213B、214B、215B、216Bは、例えば一軸モータである。
【0033】
図5Aは、ミラー213A、214A、215A、216Aの動きの一例を説明するための斜視図である。駆動部213B、214Bはそれぞれ、α軸(第1の軸)を回転軸としてミラー213A、214Aを回転駆動可能に支持する。駆動部215B、216Bはそれぞれ、β軸(第2の軸)を回転軸としてミラー215A、216Aを回転駆動可能に支持する。α軸は、ベース21Dが有する配置面21Sに対して垂直な軸である。β軸は、ベース21Dが有する配置面21Sに水平な軸である。すなわち、β軸は、α軸に対して垂直な軸である。
【0034】
なお、本明細書では、ベース21Dの配置面21Sの垂線と光源モジュール20Mの規定の光軸の両方に直交する方向をx軸方向、ベース21Dの配置面21Sの垂線の方向をy軸方向、光源モジュール20Mの規定の光軸の方向をz軸方向という。また、光源モジュール20Mの規定の光軸に対する、xz平面(x軸とz軸を含む平面)内における光軸の角度を角度θといい、光源モジュール20Mの規定の光軸に対する、yz平面(y軸とz軸を含む平面)内における光軸の角度を角度θという。また、光源モジュール20Mの基準の光軸に対する、x軸方向のシフト量をシフト量Sといい、光源モジュール20Mの基準の光軸に対する、y軸方向のシフト量をシフト量Sという。なお、光源モジュール20Mの規定の光軸の位置および規定の角度は、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1のユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cそれぞれが有する記憶部に予め記憶されている。
【0035】
図5Bは、ミラー213A、214A、215A、216Aを用いた角度補正および位置補正の方法を説明するための図である。制御機器20Nが、光軸の角度の検出結果に基づき、ミラー214Aをα軸を回転軸として回転させると共に、ミラー215Aをβ軸を回転軸として回転させることで、光軸の角度θと、光軸の角度θの位置補正を行うことができる。
【0036】
制御機器20Nが、光軸の位置の検出結果に基づき、対向するミラー213A、214Aをα軸を回転軸として同期して回転させることで、光軸のシフト量Sを補正することができる。また、制御機器20Nが、光軸の位置の検出結果に基づき、対向するミラー215A、215Aをβ軸を回転軸として同期して回転させることで、光軸のシフト量Sを補正することができる。
【0037】
光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1は、窓(第1の窓)218Aと窓(第2の窓)218Bをさらに備える。窓218Aは、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1の入光側に設けられている。窓218Aを介して光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1内にレーザー光が入光される。窓218Bは、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1の出光側に設けられている。窓218Bを介して光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1内からレーザー光が出光される。上述のように、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1が窓218Aと窓218Bを備えることで、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aが窓217Aと窓217Bとを備える場合と同様の効果を得ることができる。
【0038】
(ベース)
ベース21Dは、複数のユニット21Aを配置するための配置面21Sを有する。ベースは、プレート状を有していてもよい。配置面21Sには、図8Aに示すように、複数のエリア21Rが設けられている。複数のユニット21Aはそれぞれ、複数のエリア21Rに配置される。各エリア21Rの形状および面積は、ユニット21Aの形状およびフットプリントに対応するように規格化されている。
【0039】
(制御機器)
制御機器20Nは、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aにより検出された光軸の検出結果、具体的には光軸の角度およびシフト量の検出結果に基づき、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1をフィードバック制御することにより、光軸のズレ(具体的には光軸の角度およびシフト量)を補正する。
【0040】
制御機器20Nは、図1に示すように、複数の機能ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bと、複数の光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1と、複数のユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cと、システムコントローラ22とを備える。
【0041】
図2に示すように、機能ユニット21Aと、機能ユニット用機器21Bと、ユニットコントローラ21Cとにより機能ブロック20BKが構成される。光軸調整ユニット21An-1と、光軸調整ユニット用機器21Bn-1と、ユニットコントローラ21Cn-1とにより光軸調整ブロック20BKn-1が構成される。機能ユニット21Aの組み替えは、機能ブロック20BKを単位として行われる。光軸調整ユニット21An-1の組み替えは、光軸調整ブロック20BKn-1を単位として行われる。
【0042】
以下の説明において、機能ブロック20BK、21BK、・・・、21BKと光軸調整ブロック20BK、20BK、・・・、20BKn-1とを特に区別せずに総称する場合には、ブロック20BKという。
【0043】
(機能ユニット用機器)
機能ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bは、機能ユニット21A、21A、・・・、21A内の駆動部等を駆動および制御するための、ドライバ等のデバイスである。また、機能ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bは、温度制御するための温調器等のデバイスを備えていてもよい。
【0044】
(光軸調整ユニット用機器)
光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1は、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1内の駆動部213B、214B、215B、216B等を駆動および制御するための、ドライバ等のデバイスである。
【0045】
(ユニットコントローラ)
ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cはそれぞれ、システムコントローラ22の命令に基づき、機能ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bを介して、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aを制御する。
【0046】
ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1はそれぞれ、システムコントローラ22の命令に基づき、光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1を介して、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1を制御する。
【0047】
ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cはそれぞれ、記憶部(図示せず)を有する。ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cそれぞれの記憶部には、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aが有する光学部品を調整するための基準軸の情報が記憶されている。また、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cそれぞれの記憶部には、上記基準軸の情報に基づき、光学部品を調整した際の調整値が記憶される。
【0048】
ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1それぞれの記憶部には、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1が有する光学部品(具体的にはミラー213A、214A、215A、216A)を調整するための基準軸の情報が記憶されている。また、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1それぞれの記憶部には、上記基準軸の情報に基づき、光学部品を調整した際の調整値が記憶される。
【0049】
ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cは、システムコントローラ22の命令に基づき、記憶部に記憶された基準軸の情報に基づき、機能ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bを介して、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aが有する光学部品を調整する。これにより、ユーザー側で機能ユニット21A、21A、・・・、21A内部の光学部品をケアすることが不要となり、光源システム2の取り扱いが容易になる。
【0050】
ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、システムコントローラ22の命令に基づき、記憶部に記憶された基準軸の情報に基づき、光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1を介して、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1が有する光学部品(具体的には光軸調整部213、214、215、216)を調整する。これにより、ユーザー側で光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1内部の光学部品をケアすることが不要となり、光源システム2の取り扱いが容易になる。なお、上述の光学部品の調整の処理は、例えば、図示を省略した操作部により光軸補正の指示がなされた場合に行われる。
【0051】
(システムコントローラ)
システムコントローラ22は、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cの上位コントローラである。システムコントローラ22は、装置側コントローラ3とコマンド等をやり取りし、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cに制御信号を出力する。
【0052】
システムコントローラ22が、複数の機能ブロック20BK、20BK、・・・、20BKおよび光軸調整ブロック20B、20B、・・・、20Bn-1を協調制御する。このため、機能ブロック20BK、20BK、・・・、20BKおよび光軸調整ブロック20B、20B、・・・、20Bn-1の増減の影響をシステムコントローラ22で吸収することができる。装置側コントローラ3の制御対象はシステムコントローラ22であるため、装置側に対して機能ブロック20BK、20BK、・・・、20BKおよび光軸調整ブロック20B、20B、・・・、20Bn-1を意識させないコマンドを提供することができる。
【0053】
(装置側コントローラ)
装置側コントローラ3は、システムコントローラ22とコマンド等をやり取りし、システムコントローラ22を介して、機能ブロック20BK、21BK、・・・、21BKと光軸調整ブロック20BK、20BK、・・・、20BKn-1とを制御する。
【0054】
(ユニットの配置形態)
図7A図7B図7Cは、ユニット21Aの形状例を示す斜視図である。図8A図8Bは、ユニット21Aの配置形態の一例を示す斜視図である。ユニット21Aの形状およびフットプリントは規格化されている。また、ベース21Dのエリア21Rの形状および面積は規格化されている。これにより、ユーザー側でユニット21Aの取り換えおよび拡張を後から容易に行うことができる。
【0055】
ユニット21Aの形状は立方体状であり、ベース21Dの形状は長方形状である。本明細書において、長方形状には、正方形状も含まれるものとする。ユニット21Aのフットプリントおよびエリア21Rの面積は、複数種類である。複数種類のフットプリントはそれぞれ、複数種類のエリア21Rの面積に対応し、例えば等しくなっている。図7A図7B図7C図8A図8Bでは、ユニット21Aのフットプリントおよびエリア21Rの面積が、3種類である例が示されている。エリア21Rがグリッド状のレイアウトとなっていてもよい。ここで、ユニット21Aのフットプリントとは、ベース21Dの配置面21S上におけるユニット21Aの専有面積を意味する。
【0056】
ユニット21Aの底面、エリア21Rはそれぞれ、長方形状を有している。ユニット21Aのフットプリントは、基準となる面積Sのn倍(但し、nは1以上の整数である。)である。同様に、ベース21Dのエリア21Rの面積は、基準となる面積Sのn倍(但し、nは1以上の整数である。)である。図7A図7B図7C図8A図8Bに示す例では、基準となる面積Sは、a×bである。
【0057】
[1.2 光軸の補正方法]
以下、図6を参照して、光源システム2の光軸の補正方法の一例について説明する。
【0058】
まず、ステップS11において、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、光軸の角度θ、角度θを検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0059】
次に、ステップS12において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1はそれぞれ、光軸の角度θの検出結果に基づき、光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1を介して、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1を制御し、光軸の角度θを補正する。補正後、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、補正後の光軸の角度θを検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0060】
次に、ステップS13において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、補正後の光軸の角度θが許容値に収まっているか否かを判断する。ステップS13にて光軸の角度θが許容値に収まっていると判断された場合には、処理はステップS14に進む。一方、ステップS13にて光軸の角度θが許容値に収まっていないと判断された場合には、処理はステップS12に戻る。
【0061】
次に、ステップS14において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、光軸の角度θの検出結果に基づき、光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1を介して、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1を制御し、光軸の角度θを補正する。補正後、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、補正後の光軸の角度θを検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0062】
次に、ステップS15において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、補正後の光軸の角度θが許容値に収まっているか否かを判断する。ステップS15にて光軸の角度θが許容値に収まっていると判断された場合には、処理はステップS16に進む。一方、ステップS15にて光軸の角度θが許容値に収まっていないと判断された場合には、処理はステップS14に戻る。なお、ステップS12~S15の処理は、フィードバック制御により行われる。
【0063】
次に、ステップS16において、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、光軸のシフト量S、シフト量Sを検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0064】
次に、ステップS17において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1はそれぞれ、光軸のシフト量Sの検出結果に基づき、光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1を介して、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1を制御し、光軸のシフト量Sを補正する。補正後、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、補正後の光軸のシフト量Sを検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0065】
次に、ステップS18において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、補正後の光軸のシフト量Sが許容値に収まっているか否かを判断する。ステップS18にて光軸のシフト量Sが許容値に収まっていると判断された場合には、処理はステップS19に進む。一方、ステップS18にて光軸のシフト量Sが許容値に収まっていないと判断された場合には、処理はステップS17に戻る。
【0066】
次に、ステップS19において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、光軸のシフト量Sの検出結果に基づき、光軸調整ユニット用機器21B、21B、・・・、21Bn-1を介して、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1を制御し、光軸のシフト量Sを補正する。補正後、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、補正後の光軸のシフト量Sを検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0067】
次に、ステップS20において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、補正後の光軸のシフト量Sが許容値に収まっているか否かを判断する。ステップS20にて光軸のシフト量Sが許容値に収まっていると判断された場合には、処理はステップS21に進む。一方、ステップS20にて光軸のシフト量Sが許容値に収まっていないと判断された場合には、処理はステップS19に戻る。なお、ステップS17~S20の処理は、フィードバック制御により行われる。次に、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aの検出装置212Bがそれぞれ、光軸のシフト量Sを再度検出し、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1に出力する。
【0068】
次に、ステップS21において、ユニットコントローラ21C、21C、・・・、21Cn-1は、再度検出された光軸のシフト量Sが許容値に収まっているか否かを判断する。ステップS21にて光軸のシフト量Sが許容値に収まっていると判断された場合には、光軸の補正処理は終了となる。一方、ステップS21にて光軸のシフト量Sが許容値に収まっていないと判断された場合には、処理はステップS17に戻る。なお、ステップS21にてシフト量Sが許容値に収まっているか否か再度判断するのは、ステップS19にて光軸のシフト量Sを補正している間に、シフト量Sが許容値から外れてしまうことがあるためである。
【0069】
上述したように、光源システム2の光軸の補正方法では、4枚のミラー213A、214A、215A、216Aを組み合わせた簡易な構成で、かつ、光軸の角度θ、θを補正した後、光軸のシフト量S、Sの補正を行うシーケンシャルな動作制御で、自動光軸アライメントを行うことができる。したがって、従来技術に比べ、大域最適化等の複雑な制御を要さず、高速・高精度な光軸アライメントが可能となる。また、システム制御に要する制御系も簡素化され、トータルでコスト圧縮も可能となる。また、4枚のミラー213A、214A、215A、216Aを組み合わせた安価・小型な構成であることから、複数のアライメント機構を光学系に組み込むことも可能となり、装置動作の安定性向上、および製造性の向上等の効果も得られる。
【0070】
[1.3 作用効果]
第1の実施形態に係るレーザー加工装置1では、光源モジュール20Mは、複数のユニット21Aを組み換え可能に構成されている。このため、光源モジュール20Mを様々な加工用途に対応可能なものとすることができる。また、ユーザー側で光源モジュール20Mの機能の切り替えおよび拡張を容易に行うことが可能である。また、レーザー加工の種類(溶接、切断、穴あけ、マーキング等)やレーザー加工する対象物の材質等に応じてブロック20BKを組み替えることができる。したがって、レーザー加工の種類やレーザー加工する対象物の材質等に適したレーザー加工装置1を短時間で構築することができる。また、光源モジュール20Mが故障した場合には、故障が発生したユニット21Aを交換するだけで済むため、故障時のダウンタイムを短縮することができる。また、ユニット21Aの単位で在庫管理や材料調達が可能である。
【0071】
制御機器20Nが、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aにより光軸を検出し、その検出結果に基づき、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1をフィードバック制御し、光軸を自動で補正する。これにより、熟練者による手動の光軸調整を行わずに済むようになる。したがって、ユーザー側で光軸調整を容易に行うことができる。
【0072】
光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1による光軸調整は、4枚のミラーを使用し、2枚のミラーで光軸の角度(倒れ量)を補正し、もう2枚のミラーで光軸の位置(シフト量)を補正する。したがって、光軸の角度と位置を独立に補正することが可能である。よって、構造がシンプルで小型かつ安価、そして高い安定性を有する光源システム2を実現することができる。
【0073】
光源システム2では、ユニット21Aと、ユニット用機器21Bと、ユニットコントローラ21Cの組み合わせで各機能単位が構成される。各ユニットコントローラ21Cの上位コントローラとしてシステムコントローラ22が備えられている。これにより、ユニット21Aの増減に容易に対応することができる。
【0074】
また、ユニット21Aの制御は、ユニットコントローラ21Cにより行われる。したがって、装置側コントローラ3は、個々のユニット21Aを直接制御せずに済むため、装置側コントローラ3の制御をシンプルにすることができる。
【0075】
従来のレーザー加工装置(例えば特許文献1参照)では、レイアウトの自由度、機能の切り替えおよび拡張が限定されるという問題がある。これに対して、第1の実施形態に係るレーザー加工装置1では、ユニットのフットプリントを規格化しているので、レイアウトの自由度が向上する。また、機能の切り替えおよび拡張が容易である。
【0076】
<2 第2の実施形態>
[2.1 レーザー加工装置の構成]
第2の実施形態に係るレーザー加工装置は、図1図8A図8Bに示す光源モジュール20Mに代えて、図9A図9B図10に示す光源モジュール120Mを備える点において、第1の実施形態に係るレーザー加工装置1と異なっている。
【0077】
(光源モジュール)
光源モジュール120Mは、空冷方式の排熱構造を有している。光源モジュール120Mは、複数のユニット121A、121A、121A、121A、121Aと、ベース122とを備える。以下の説明においてユニット121A、121A、121A、121A、121Aを特に区別せずに総称する場合には、ユニット121Aという。ここでは、ユニット121Aが5個である例について説明するが、ユニット121Aの数はこれに限定されるものではなく、例えば3個以上の任意の個数とすることができる。
【0078】
(ユニット)
複数のユニット121Aは、ベース122上において組み換え可能に構成されている。
複数のユニット121Aは、1列に配列可能に構成されている。ユニット121Aは、ユニット本体121Mと、熱界面材料(Thermal Interface Material:TIM)(図示せず)と、ヒートシンク121Nとを備える。ここでは、すべてのユニット121Aがヒートシンク121Nを備える例について説明するが、一部のユニット121Aがヒートシンク121Nを備えるようにしてもよい。
【0079】
ユニット121A、121A、121Aのユニット本体121Mはそれぞれ、上述の一実施形態における機能ユニット21A、21A、21Aと同様の構成を有している。ユニット121A、121Aのユニット本体121Mはそれぞれ、上述の一実施形態における光軸調整ユニット21A、21Aと同様の構成を有している。
【0080】
ヒートシンク121Nは、ユニット本体121Mの底面に設けられている。ユニット本体121Mの底面が、ベース122上に配置される面となる。ヒートシンク121Nは、ユニット本体121Mで発生した熱を吸収し、ベース122に放熱する。
【0081】
熱界面材料は、ユニット本体121Mとヒートシンク121Nの間に設けられている。熱界面材料は、ユニット本体121Mからヒートシンク121Nへの熱伝導を効率的に高める。
【0082】
(ベース)
ベース122は、複数のユニット121Aを配置するための配置面122Sを有する。配置面122Sには、複数の孔部122Cが設けられている。孔部122Cは、ユニット121Aのヒートシンク122Nを挿抜可能に構成されている。
【0083】
ベース122は、ダクト122Aと複数のファン122Bとを備える。ダクト122Aには、ユニット121Aで発生した熱がヒートシンク122Nを介して排出される。ダクト122Aは、対向する一対の側壁部122SA、122SBと、対向する一対の端部122EA、122EBを有している。側壁部122SA、122SBは、長尺状を有している。側壁部122SA、122SBの一端の間に、端部122EAが設けられている。側壁部122SA、122SBの他端の間に、端部122EBが設けられている。端部122EAから端部122EBに向かう方向が、複数のユニット121Aの配列方向(すなわち光軸方向)となる。ダクト122Aは、配置面122Sに設けられた複数の孔部122Cとつながっている。
【0084】
ヒートシンク121Nが孔部122Cに挿入された状態において、ヒートシンク121Nがダクト122A内に収容される。ダクト122Aは、複数の仕切り板(図示せず)を有し、各仕切り板が、ダクト122A内にて隣接するヒートシンク122Nの間を空間的に分離するようにしてもよい。ダクト122Aは、複数の開口部122Dを側壁部122SBに有している。開口部122Dは、ダクト122A内の空間を外部と導通させる。
【0085】
複数のファン122Bは、ダクト122Aの側壁部122SAに設けられている。ファン122Bは、ヒートシンク122Nを介してダクト122A内に排出された熱を、外部に排出する。ファン122Bは、開口部122Dと対向する。ファン122Bがこのような位置に設けられているため、ファン122Bを駆動させると、開口部122Dからファン122B(一方の側壁部122SAから他方の側壁部122SB)に向かって空気が流れる。ファン122Bと開口部122Dの間に、ヒートシンク121Nが位置する。
【0086】
ベース122は、ダクト122Aとファン122Bとの間に弾性体122Eをさらに備えるようしてもよい。この場合、ファン122Bの駆動により光源モジュール120Mが振動することを抑制することができる。
【0087】
[2.2 作用効果]
第2の実施形態に係るレーザー加工装置では、各ユニット121Aで発生した熱はヒートシンク122Nによりベース122のダクト122A内に放出される。ダクト122A内に放出された熱は、ファン122Bにより外部に排出される。したがって、複数のユニット121Aにて発生した熱を外部に効率良くは排出することができる。
【0088】
<3.変形例>
(変形例1)
第2の実施形態では、側壁部122SA、側壁部122SBにそれぞれ複数のファン122B、複数の開口部122Dが設けられている例について説明したが、ファン122Bおよび開口部122Dの個数およびそれらが設けられる位置は、この例に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、端部122EA、122EBにそれぞれファン122B、開口部122Dが設けられていてもよい。この場合、ファン122Bを駆動させると、一方の端部122EAから他方の端部122EBに向かって空気が流れる。
【0089】
(変形例2)
第2の実施形態では、ダクト122Aが、側壁部122SBに複数の開口部122Dを有する例について説明したが、ダクト122Aが、複数の開口部122Dに代えて、ダクト内に空気を引き込む複数のファンを備えるようにしてもよい。
【0090】
(変形例3)
図12A図13Aに示すように、光源モジュール20Mは、複数の位置決め機構部を有していてもよい。位置決め機構部は、ベース21D上におけるユニット21Aの位置決めをするためのものである。なお、図12A図13Aでは、機能ユニット21Aの位置決め機構の例が示されている。
【0091】
各位置決め機構部は、ピン21P、21Pと穴21H、21Hとにより構成されている。ピン21P、21Pは、ベース21Dの各エリア21Rに設けられている。位置決めピン21P、21Pは、ベース21Dの配置面21Sから突出している。穴21H、21Hは、各ユニット21Aの底面に設けられている。穴21H、21Hにピン21P、21Pが嵌合または突き当てられることで、ユニット21Aの位置決めがなされる。なお、ピン21P、21Pが各ユニット21Aの底面に設けられ、穴21H、21Hが各エリア21Rに設けられていてもよい。ユニット21Aが脱着しやすいように、ピン21Pと穴21Hの間、およびピン21Pと穴21Hの間には隙間あってもよい。ピン21Pと穴21Hの間、およびピン21Pと穴21Hの間の公差は、すきまばめが好適である。
【0092】
ユニット21Aとベース21Dが、上述のような位置決め機構を備えていることで、各ユニット21Aの穴21H、21Hを各エリア21Rのピン21P、21Pに嵌合または突き当てることによって、ユニット21Aをベース21D上の規定位置に固定することができる。したがって、ユニット21A間の光軸の粗調整を行うことができる。
【0093】
また、機能ユニット21Anと、この機能ユニット21Anの入光側に光軸調整ユニット21An-1を備え、機能ユニット21Anが検出装置212Bを備えることで、ユニットコントローラ21Cn-1は、検出装置212Bの検出結果に基づき、光軸調整ユニット21An-1内の光軸調整部213~216をフィードバック制御することができる。したがって、ユニット21A間の光軸の微調整を行うことができる。
【0094】
ユニット21A間の光軸を粗調整と微調整の2段階で調整することにより、ユニット21Aをベース21Dに配置した際に生じるユニット21A間の光軸ズレを効率よく補正することができる。また、光源モジュール20Mの調整に要するユーザーの作業負担を低減することができる。
【0095】
(変形例4)
図12A図12B図12C図13A図13B図13Cに示すように、光源モジュール20Mは、ユニット21A毎(すなわちエリア21R毎)に異なる各位置決め機構部を有していてもよい。なお、図12A図12B図12C図13A図13B図13Cでは、機能ユニット21A、光軸調整ユニット21Aおよび機能ユニット21Aの位置決め機構の例が示されている。
【0096】
図12A図12B図12Cに示すように、穴21Hは、ユニット21Aに依らず、ユニット21Aの底面の同一位置に設けられている。一方、穴2121Hは、ユニット21A毎に異なる底面の位置に設けられている。穴21H、穴21Hは、ユニット21Aの配列方向(光軸方向)と平行な直線上に設けられている。穴21Hと穴21Hの距離Dは、ユニット21A毎に異なっている。
【0097】
図13A図13B図13Cに示すように、ピン21Pは、エリア21Rに依らず、エリア21Rの同一位置に設けられている。一方、ピン21Pは、エリア21R毎に異なる位置に設けられている。ピン21P、ピン21Pは、ユニット21Aの配列方向(光軸方向)と平行な直線上に設けられている。ピン21Pとピン21Pの距離Dは、エリア21R毎に異なっている。
【0098】
光源モジュール20Mが、上述の構成を有する位置決め機構部を有することで、ユニット21Aが規定の向きとは逆向きに誤って配置されること抑制することができる。また、ユニット21Aが、誤ったエリア21Rに配置されることを抑制することができる。
【0099】
なお、光源モジュール20Mは、機能ユニット21A、21A、・・・、21A毎に異なる位置決め機構部を有し、光軸調整ユニット21A、21A、・・・、21An-1に依らず同一の位置決め機構部を有していてもよい。
また、ベース21Dは、ピン21Pの位置、すなわちピン21Pとピン21Pの距離Dを変更可能に構成されていてもよい。
【0100】
(変形例5)
第1の、第2の実施形態において、機能ユニット21A、21A、・・・、21Aが、図4に示す検出部212に代えて、図14に示す検出部220を備えるようにしてもよい。検出部220は、ミラー221と、ミラー222と、レンズ223と、位置検出用の受光素子224と、角度検出用の受光素子225とを備える。
【0101】
ミラー221は、例えばハーフミラーであり、機能ユニット21Aに入光したレーザー光の一部を反射しミラー222に入光させ、残りを透過し機能部211に入光させる。ミラー222は、例えばハーフミラーであり、入光したレーザー光の一部を反射しレンズ223を介して受光素子225に入光させ、残りを透過し受光素子224に入光させる。
【0102】
レンズ223は、角度成分(角度情報)を位置成分(位置情報)に変換するためのものである。受光素子224および受光素子225は、CMOSまたはCCD等の画像用の受光素子(撮像素子)である。受光素子224および受光素子225としてこのような画像用の受光素子を用いることで、パルスレーザーも安定的に検出することができる。
【0103】
(変形例6)
第1、第2の実施形態では、複数のユニット21Aが水平方向(第1の方向)に配列可能に構成されている例について説明したが、複数のユニット21Aの配列はこれに限定されるものではない。例えば、図15Aに示すように、複数のユニット21Aが、ユニット21Aの配列方向を水平方向(第1の方向)から垂直方向(第2の方向)に変更可能に構成されたユニット21An-1を少なくとも1つ含んでいてもよい。すなわち、複数のユニット21Aが、配列の途中で水平方向(第1の方向)から垂直方向(第2の方向)に変更可能に構成されていてもよい。この場合、ユニット21An-1は、光軸を水平方向から垂直方向に直角に折り曲げるミラー等の光学部品を備えていてもよい。
【0104】
図15Bに示すように、複数のユニット21Aが、ユニット21Aの配列方向を垂直方向(第2の方向)から水平方向(第1の方向)に変更可能に構成されたユニット21An-1を少なくとも1つ含んでいてもよい。すなわち、複数のユニット21Aが、配列の途中で垂直方向(第2の方向)から水平方向(第1の方向)に変更可能に構成されていてもよい。この場合、ユニット21An-1は、光軸を垂直方向から水平方向に直角に折り曲げるミラー等の光学部品を備えていてもよい。
【0105】
光源モジュール20Mが上述の構成を有することで、ユーザー側でのユニット21Aのレイアウトのカスタマイズ性を向上することができる。
【0106】
(変形例7)
システムコントローラ22が、複数のユニット21Aが正しく配列(レイアウト)されているか否かを判別し、複数のユニット21Aが正しく配列されていないと判別された場合には、レーザー光の発振を行わないようにしてもよい。このような構成の具体例について以下に説明する。
【0107】
ユニット21Aは、各ユニット21Aに固有の識別情報(ID)を有している。ユニット21Aは、固有の識別情報を2次元コードまたはバーコードとして有している。
【0108】
レーザー加工装置1は、識別情報を読み取るリーダを有している。システムコントローラ22は記憶部を有する。この記憶部には、複数のユニット21Aの正しい配列に関する情報(以下「正しい配列情報」という。)が記憶されている。正しい配列は、複数の種類あってもよい。正しい配列情報は、例えば、ユニット21Aの配列の順番と、ユニット21Aの識別情報とが関連付けられたテーブル等である。正しい配列情報は、ベース21Dの配置面21S上におけるユニット21Aの位置情報と、ユニット21Aの識別情報とが関連付けられたテーブル等であってもよい。
【0109】
ユーザーは、リーダにより複数のユニット21Aの識別情報を配列の順序で(具体的には機能ユニット21Aにより発振されたレーザー光が通過する順序で)読み取る。システムコントローラ22は、配列の順序で読み取られた識別情報を、予め記憶部に記憶された正しい配列情報と照合する。システムコントローラ22は、照合の結果、ユニット21Aの配列が正しいと判断された場合には、レーザー光の発振が可能となるように光源モジュール20Mを制御する。一方、照合の結果、ユニット21Aの配置が誤っていると判断された場合には、レーザー光の発振を行えないように光源モジュール20Mを制御する。
【0110】
ベース21Dのエリア21Rにセンサー(例えば近接センサー等)を設けるようにしてもよい。この場合、システムコントローラ22が、センサーのON/OFFを検出することにより、エリア21R上におけるユニット21Aの有無を判別することができる。
【0111】
(変形例8)
第1、第2の実施形態では、光源システム2をレーザー加工装置1に適用した例について説明したが、光源システム2を検査装置に適用してもよい。なお、レーザー加工装置1および検査装置は、レーザー装置の具体例である。
【0112】
以上、本開示の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例について具体的に説明したが、本開示は、上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0113】
例えば、上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。
【0114】
また、上述の第1、第2の実施形態およびそれらの変形例の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0115】
また、本開示は以下の構成を採用することもできる。
(1)
組み換え可能に構成された複数のユニットを備える光源モジュールと、
前記光源モジュールを制御する制御機器と
を備え、
複数の前記ユニットは、
レーザー光を発振する第1のユニットと、
光軸を検出すると共に、前記レーザー光の調整およびモニタリングの少なくとも一方を行う第2のユニットと、
光軸調整を行う第3のユニットと
を含み、
前記第3のユニットは、前記第2のユニットの入光側に配置可能に構成され、
前記制御機器は、前記光軸の検出結果に基づき、前記第3のユニットの前記光軸調整を制御する光源システム。
(2)
前記光源モジュールは、ベースをさらに備え、
前記ベースは、複数の前記ユニットがそれぞれ配置される複数のエリアを有し、
前記ユニットのフットプリントは、複数種類であり、
前記エリアの面積は、複数種類であり、
複数種類の前記フットプリントはそれぞれ、複数種類の前記エリアの面積に対応している(1)に記載の光源システム。
(3)
前記ユニットの底面、前記エリアはそれぞれ、長方形状を有し、
複数種類の前記フットプリントはそれぞれ、基準面積のn倍(但し、nは1以上の整数)である(2)に記載の光源システム。
(4)
複数の前記ユニットの入光側の光軸位置、出光側の光軸位置および光軸高さが統一されている(1)から(3)のいずれかに記載の光源システム。
(5)
前記光源モジュールは、ベースをさらに備え、
前記光源モジュールは、複数の位置決め機構部を有し、
複数の前記位置決め機構部はそれぞれ、前記ベース上における複数の前記ユニットの位置を決める(1)に記載の光源システム。
(6)
前記第2のユニットは、アンプ、パワー調整部、波長変換部、シャッター、光束径変更部、偏向状態変更部、分岐部、光軸高さ変更部、光軸方向変更部およびレーザプロファイルモニタリング部のうちの少なくとも1つを備える(1)から(5)のいずれかに記載の光源システム。
(7)
前記制御機器を制御する上位の制御装置をさらに備える(1)から(6)のいずれかに記載の光源システム。
(8)
前記制御装置は、前記制御機器を介して複数の前記ユニットを協調制御する(7)に記載の光源システム。
(9)
前記ユニットは、光学部品を備え、
前記光学部品は予め定められた基準軸に基づき調整された(1)から(8)のいずれかに記載の光源システム。
(10)
前記第2のユニットおよび前記第3のユニットは、
入光側に設けられた第1の窓と、
出光側に設けられた第2の窓と
を備える(1)から(9)のいずれかに記載の光源システム。
(11)
前記第3のユニットは、
対向して配置された第1のミラーおよび第2のミラーと、
対向して配置された第3のミラーおよび第4のミラーと、
前記ユニットの配置面の垂線に平行な第1の軸を回転軸として前記第1のミラーおよび前記第2のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第1の駆動部および第2の駆動部と、
前記第1の軸に対して垂直な第2の軸を回転軸として前記第3のミラーおよび前記第4のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第3の駆動部および第4の駆動部と
を備える(1)から(10)のいずれかに記載の光源システム。
(12)
前記第2のユニットは、前記光軸の角度および前記光軸のシフト量を検出し、
前記制御機器は、
前記光軸の角度の検出結果に基づき、前記第2の駆動部および前記第3の駆動部を制御し、前記第2のミラーおよび前記第3のミラーを回転させ、
前記光軸の位置の検出結果に基づき、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部を制御し、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーを同期して回転させると共に、前記第3の駆動部および前記第4の駆動部を制御し、前記第3のミラーおよび前記第4のミラーを同期して回転させる(11)に記載の光源システム。
(13)
前記第2のユニットは、
前記光軸の角度検出用の第1の受光素子と、
前記光軸の位置検出用の第2の受光素子と
を備え、
前記制御機器は、前記第1の受光素子と前記第2の受光素子の出力に基づき、前記第3のユニットを制御する(1)から(12)のいずれかに記載の光源システム。
(14)
複数の前記ユニットは、配列方向を水平方向から垂直方向、または垂直方向から水平方向に変更可能に構成されている(1)から(13)のいずれかに記載の光源システム。
(15)
前記制御機器は、複数の前記ユニットの配列が正しいか否かを判別し、前記配列が正しくない場合には、前記レーザー光の発振を行わない(1)から(15)のいずれかに記載の光源システム。
(16)
前記光軸調整の制御は、フィードバック制御である(1)から(15)のいずれかに記載の光源システム。
(17)
前記光源モジュールは、ベースをさらに備え、
前記ユニットは、ヒートシンクをさらに備え、
前記ベースは、
前記ヒートシンクから熱が放出されるダクトと、
前記ダクトを排気するファンと
を備える(1)から(16)のいずれかに記載の光源システム。
(18)
(1)から(17)のいずれかに記載の光源システムを備えるレーザー装置。
(19)
光源モジュールに用いられる、組み換え可能に構成されたユニットであって、
光軸を検出する検出部と、
レーザー光の調整またはモニタリングを行う機能部と
を備えるユニット。
(20)
光源モジュールに用いられる、組み換え可能に構成されたユニットであって、
対向して配置された第1のミラーおよび第2のミラーと、
対向して配置された第3のミラーおよび第4のミラーと、
前記ユニットの配置面の垂線に平行な第1の軸を回転軸として前記第1のミラーおよび前記第2のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第1の駆動部および第2の駆動部と、
前記第1の軸に対して垂直な第2の軸を回転軸として前記第3のミラーおよび前記第4のミラーをそれぞれ回転可能に支持する第3の駆動部および第4の駆動部と
を備えるユニット。
【符号の説明】
【0116】
1 レーザー加工装置
2 光源システム
3 装置側コントローラ
20BK、21BK、・・・、21BK 機能ブロック
20BK、20BK、・・・、20BKn-1 光軸調整ブロック
20M 光源モジュール
20N 制御機器
21A、21A、・・・、21A 機能ユニット
21A、21A、・・・、21An-1 光軸調整ユニット
21B、21B、・・・、21B 機能ユニット用機器
21B、21B、・・・、21Bn-1 光軸調整ユニット用機器
21C、21C、・・・、21C ユニットコントローラ
21D ベース
21R エリア
21P、21P ピン
21H、21H
22 システムコントローラ
120M 光源モジュール
121A、121A、121A、121A、121A ユニット
121M ユニット本体
121N ヒートシンク
122 ベース
122A ダクト
122B ファン
122C 孔部
122D 開口部
122E 弾性体
211 機能部
212 検出部
212A ミラー
212B 検出装置
212C 位置検出用の受光素子
212D 角度検出用の受光素子
213、214、215、216 光軸調整部
213A、214A、215A、216A ミラー
213B、214B、215B、216B、217B 駆動部
217A、218A 窓(第1の窓)
217B、218B 窓(第2の窓)
220 検出部
221、222 ミラー
223 レンズ
224 位置検出用の受光素子
225 角度検出用の受光素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15