(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】課題解決支援装置、課題解決支援方法、及び、課題解決支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/063 20230101AFI20250624BHJP
【FI】
G06Q10/063
(21)【出願番号】P 2023567703
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 JP2022044708
(87)【国際公開番号】W WO2023112741
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2021204069
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】大喜 恒甫
(72)【発明者】
【氏名】永倉 賢二
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0106668(US,A1)
【文献】特開2003-085269(JP,A)
【文献】内田篤宏,宮島真希子,地域課題を解決するオープンイノベーションプラットフォーム「ローカルグッドヨコハマ」-新しい公共に果たすその役割と可能性,調査季報 [オンライン],第176号,横浜市政策局政策課,2015年03月,第26-29頁,[2023年2月6日検索],インターネット:<URL: https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/shien/tyousakihou/176.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の対象者から課題を収集する課題収集手段と、
収集された前記課題を、第2の対象者に提示する課題提示手段と、
前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集する解決案収集手段と、
収集された前記解決案を、第3の対象者に提示する解決案提示手段と、
前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける受付手段と、
を備え
、
前記課題提示手段は、
構文解析技術を用いて前記課題を表す文章に含まれるキーワードを抽出し、前記キーワードと前記課題の属性との関係を表す属性判定用の基準と、抽出された前記キーワードとを照合して前記課題の属性を判定する課題属性判定手段と、
前記課題の属性と前記第2の対象者の属性との関係を表す課題提示先決定基準と、判定された前記課題の属性とに基づいて、前記第2の対象者を決定する課題提示先決定手段と、を有する課題解決支援装置。
【請求項2】
前記課題提示手段は、
前記課題の属性と前記第2の対象者の属性との関係を学習することによって、前記課題提示先決定基準を生成あるいは更新する課題提示先学習手段をさらに備える、
請求項
1に記載の課題解決支援装置。
【請求項3】
前記課題提示手段は、前記課題を分析することによって前記課題の根拠となり得る情報を検索し、検索した前記課題の根拠となり得る情報を前記第2の対象者に提示する検索手段を備え、
前記解決案収集手段は、複数の前記第2の対象者のうちの特定の対象者によって作成された前記解決案を前記第2の対象者に提示し、前記特定の対象者によって作成された前記解決案に対する、前記特定の対象者を除く前記第2の対象者による意見を収集する、
請求項1
または請求項
2に記載の課題解決支援装置。
【請求項4】
前記解決案提示手段は、
前記解決案を分析することによって前記解決案の属性を判定する解決案属性判定手段と、
判定された前記解決案の属性と解決案提示先決定基準とに基づいて、前記第3の対象者を決定する解決案提示先決定手段と、
を備え、
前記解決案提示先決定基準は、前記解決案の属性と前記第3の対象者の属性との関係を表す、
請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【請求項5】
前記解決案提示手段は、
前記解決案の属性と前記第3の対象者の属性との関係を学習することによって、前記解決案提示先決定基準を生成あるいは更新する解決案提示先学習手段をさらに備える、
請求項
4に記載の課題解決支援装置。
【請求項6】
前記資源は、人的資源と、物的資源と、金銭的資源とを含み、
前記解決案提示先決定基準は、前記解決案の属性と、前記人的資源及び前記物的資源の提供元となる前記第3の対象者の属性との関係を表す、
請求項
4または請求項
5に記載の課題解決支援装置。
【請求項7】
前記受付手段は、受け付けた前記資源の提供の状況を、前記第3の対象者に提示する、
請求項1乃至請求項
6のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【請求項8】
情報処理装置によって、
第1の対象者から課題を収集し、
構文解析技術を用いて前記課題を表す文章に含まれるキーワードを抽出し、
前記キーワードと前記課題の属性との関係を表す属性判定用の基準と、抽出された前記キーワードとを照合して、前記課題の属性を判定し、
前記課題の属性と第2の対象者の属性との関係を表す課題提示先決定基準と、判定された前記課題の属性とに基づいて、前記第2の対象者を決定し、
収集された前記課題を、
前記第2の対象者に提示し、
前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集し、
収集された前記解決案を、第3の対象者に提示し、
前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける、
課題解決支援方法。
【請求項9】
第1の対象者から課題を収集する課題収集処理と、
構文解析技術を用いて前記課題を表す文章に含まれるキーワードを抽出する抽出処理と、
前記キーワードと前記課題の属性との関係を表す属性判定用の基準と、抽出された前記キーワードとを照合して、前記課題の属性を判定する判定処理と、
前記課題の属性と第2の対象者の属性との関係を表す課題提示先決定基準と、判定された前記課題の属性とに基づいて、前記第2の対象者を決定する決定処理と、
収集された前記課題を、
前記第2の対象者に提示する課題提示処理と、
前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集する解決案収集処理と、
収集された前記解決案を、第3の対象者に提示する解決案提示処理と、
前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける受付処理と、
をコンピュータに実行させるための課題解決支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課題解決支援装置、課題解決支援方法、及び、課題解決支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業、官公庁、自治体等の様々な組織において、ある課題を解決する、あるいはある目標を達成するための様々な活動が行われている。このような活動では、一般的にプロジェクトが立ち上げられ、プロジェクトの状況に応じて、プロジェクトに投入可能な資源(人、物、資金、情報等)を可能な限り有効活用することができるように支援する技術が期待されている。
【0003】
このような技術に関連して、特許文献1には、プロジェクトの要素として、ファンド、設備、人材、マーケティング、サービス、管理、及び出口が含まれる場合に、複数の要素間、及び夫々の要素内における情報のシェアリングとマッチングとを行う情報処理装置が開示されている。この装置は、所定情報として、プロジェクトを構成する複数の要素の夫々に存在する需要情報を取得する。この装置は、所定情報として、プロジェクトを構成する複数の要素の夫々に存在する供給情報を取得する。この装置は、需要情報と、供給情報とに基づいて、プロジェクトの成果と、ユーザが得られる利益とのバランスを最適化させる、需要情報と供給情報との組合せに関するマッチング情報を生成する。そしてこの装置は、生成したマッチング情報を、複数の要素の夫々に属するユーザに提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したプロジェクトの活動では、課題の抽出、課題に対する解決案の検討、解決案を実行するための資源の調達等の活動は、通常、例えばプロジェクトメンバーなど、そのプロジェクトと何らかの関係を有する人によって行われる。この場合、例えば、解決案の検討における視点は、当該プロジェクトに関わりがある人の視点に限定され、新たな発想に基づく解決案が得られにくくなる傾向がある。また、解決案の実行に必要な資源の調達先が、プロジェクトに関わりがある調達先に限定され、解決案を実行するための資源を十分に調達できないという問題もある。即ち、課題の解決をより確実に実現できるように支援することが求められている。特許文献1は、この問題を解決するのに十分であるとは言えない。
【0006】
本発明の主たる目的は、課題の解決をより確実に実現できるように支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る課題解決支援装置は、第1の対象者から課題を収集する課題収集手段と、収集された前記課題を、第2の対象者に提示する課題提示手段と、前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集する解決案収集手段と、収集された前記解決案を、第3の対象者に提示する解決案提示手段と、前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける受付手段と、を備える。
【0008】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る課題解決支援方法は、情報処理装置によって、第1の対象者から課題を収集し、収集された前記課題を、第2の対象者に提示し、前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集し、収集された前記解決案を、第3の対象者に提示し、前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける。
【0009】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る課題解決支援プログラムは、第1の対象者から課題を収集する課題収集処理と、収集された前記課題を、第2の対象者に提示する課題提示処理と、前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集する解決案収集処理と、収集された前記解決案を、第3の対象者に提示する解決案提示処理と、前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける受付処理と、をコンピュータに実行させる。
【0010】
更に、本発明は、係る課題解決支援プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、課題の解決をより確実に実現できるように支援する課題解決支援装置等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る課題解決支援装置10の構成を示すブロック図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態に係る課題解決支援装置10の動作(処理)を示すフローチャート(1/2)である。
【
図2B】本発明の第1の実施形態に係る課題解決支援装置10の動作(処理)を示すフローチャート(2/2)である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る課題解決支援装置30の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る課題解決支援装置10あるいは第2の実施形態に係る課題解決支援装置30を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る課題解決支援装置10の構成を示すブロック図である。課題解決支援装置10は、例えば、自治体等において、住民から課題を収集し、収集した課題に対する解決案の検討、及び、解決案の実行に必要となる資源の調達を支援する装置である。但し、資源は、例えば、人的資源、物的資源、及び、金銭的資源を表す。人的資源は、解決案を実行するのに必要となる能力(スキル)を備えた人を表し、より具体的には、例えば、医師、教師等の資格を有する人を含む。物的資源は、解決案を実行するのに必要となる部材を表し、より具体的には、例えば、情報化を実現するIT(Information Technology)機器、工事に使用する重機等を含む。金銭的資源は、解決案を実行するのに必要となる資金を表し、例えば、上述した人的資源及び物的資源の調達に必要となる資金等を含む。課題解決支援装置10は、自治体等が所有するサーバ等の情報処理装置でもよいし、クラウドコンピューティングのサービスを提供する情報処理装置などでもよい。
【0015】
課題解決支援装置10には、1以上の第1の対象者21が個々に使用する1以上の端末装置210、1以上の第2の対象者22が個々に使用する1以上の端末装置220、1以上の第3の対象者23が個々に使用する1以上の端末装置230が、通信可能に接続されている。第1の対象者21、第2の対象者22、第3の対象者23については後述する。
【0016】
端末装置210、端末装置220、端末装置230は、課題解決支援装置10を使用する第1の対象者21乃至第3の対象者23が、課題解決支援装置10に対して情報を入力したり、課題解決支援装置10から出力された情報を確認したりする際に使用する、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、その他の情報処理装置である。端末装置210、端末装置220、端末装置230は、課題解決支援装置10へ情報を入力する際に使用されるキーボード及びマウス(不図示)、及び、課題解決支援装置10から出力された情報を表示する表示画面(不図示)を備えている。
【0017】
課題解決支援装置10は、課題収集部11、課題提示部12、解決案収集部13、解決案提示部14、受付部15、及び、記憶部16を備えている。課題収集部11、課題提示部12、解決案収集部13、解決案提示部14、受付部15は、順に、課題収集手段、課題提示手段、解決案収集手段、解決案提示手段、受付手段の一例である。
【0018】
記憶部16は、例えば、
図4を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部16は、課題161、課題提示先決定基準162、課題根拠情報163、解決案164、解決案提示先決定基準165、資源提供情報166を記憶している。記憶部16に記憶されたこれらの情報の詳細については後述する。
【0019】
課題収集部11は、第1の対象者21が端末装置210を介して入力した課題161を収集する。第1の対象者21は、例えば、課題解決支援装置10を使用する自治体の住民であり、課題161は、例えば、第1の対象者21が自治体に解決して欲しいと感じている日常生活における課題である。課題161は、より具体的には、例えば、「医療機関が少なく十分な医療サービスを受けられない」、「日常生活においてよく使用する道路における自動車の通行量が多く危険である」、「近隣に産業廃棄物が不法投棄されている」、等々の課題である。
【0020】
課題収集部11は、例えば、インターネットにおける自治体のポータルサイトに、住民からの課題を受け付けることを表す情報を掲載し、ポータルサイトを見た第1の対象者21によって入力された課題161を収集する。課題収集部11は、収集した課題161を記憶部16に格納する。
【0021】
課題提示部12は、課題収集部11によって収集された課題161を、1以上の端末装置220を介して、1以上の第2の対象者22に提示する。課題提示部12は、例えば、自治体のポータルサイトに、収集された課題161を掲載してもよい。第2の対象者22は、課題161に対する解決案164の募集先となる人であり、課題解決支援装置10を使用する自治体の住民に限定されない。第2の対象者22は、例えば全国の人でもよいし、さらに広くは、全世界の人でもよい。
【0022】
課題提示部12は、課題属性判定部121、課題提示先決定部122、課題提示先学習部123、検索部124を備えてもよい。課題属性判定部121、課題提示先決定部122、課題提示先学習部123、検索部124は、順に、課題属性判定手段、課題提示先決定手段、課題提示先学習手段、検索手段の一例である。
【0023】
課題属性判定部121は、収集された課題161を分析することによって、課題161の属性を判定する。課題属性判定部121は、例えば、課題161を表す文章を、既存の構文解析技術を用いて分析することによって、当該文章に含まれるキーワードを抽出する。課題属性判定部121は、抽出したキーワードを、キーワードと課題161の属性との関係を表す属性判定用の基準(不図示)と照合することによって、課題161の属性を判定する。
【0024】
課題属性判定部121は、例えば、キーワードが教育に関する言葉を表す場合、課題161の属性を教育問題と判定する。課題属性判定部121は、例えば、キーワードが医療に関する言葉を表す場合、課題161の属性を医療問題と判定する。課題属性判定部121は、例えば、キーワードが衛生に関する言葉を表す場合、課題161の属性を衛生問題と判定する。課題属性判定部121は、例えば、キーワードが交通に関する言葉を表す場合、課題161の属性を交通問題と判定する。課題属性判定部121は、上述した課題161に関する属性の判定結果を、課題161を識別可能な識別子と関連付けて記憶部16に格納してもよい。
【0025】
課題提示先決定部122は、課題属性判定部121によって判定された課題161の属性と、課題提示先決定基準162とに基づいて、課題161に対する解決案164の募集先となる第2の対象者22を決定する。但し、課題提示先決定基準162は、課題161の属性と第2の対象者22の属性との関係を表す。
【0026】
課題提示先決定基準162は、例えば、課題解決支援装置10の管理者等によって与えられた基準である。課題提示先決定基準162は、あるいは、課題提示先学習部123が、過去における課題161の属性と、課題161に対する解決案164を提供した第2の対象者22の属性との関係を学習し、その学習結果として生成あるいは更新された学習モデルであってもよい。
【0027】
課題提示先決定部122は、例えば、課題161の属性が教育問題である場合、解決案164の募集先となる第2の対象者22を教師等の教育関係者に決定し、課題161の属性が医療問題である場合、第2の対象者22を医師等の医療関係者に決定する。
【0028】
課題提示部12は、課題提示先決定部122によって決定されたある特定の属性の第2の対象者22に対して課題161を提示する場合、自治体のポータルサイトに、例えば、教育関係者向け、あるいは医療関係者向けなどの情報として、収集された課題161を掲載してもよい。課題提示部12は、例えば、医療関係者あるいは教育関係者等の各属性に関する第2の対象者22のメールアドレスを表す情報がある場合、課題161に対する解決案164の募集先となる第2の対象者22に対して、解決案164を募集することを表すメールを送信してもよい。
【0029】
検索部124は、収集された課題161を、例えば上述した構文解析技術等を用いて分析することによって、課題161の根拠となり得る情報を、例えばインターネットにおいて検索する。検索部124は、例えば課題161が、ある生活道路における自動車の通行量が多くて危険であることを表す場合、警察等から公開されている当該生活道路に関する自動車の通行量のデータ、あるいは、当該生活道路に関する自動車の通行量に関して言及したSNS(Social Networking Service)において発信された情報等を検索する。検索部124は、例えば課題161が、ある場所に産業廃棄物が不法投棄されていることを表す場合、当該不法投棄に関して言及したSNSにおいて発信された情報等を検索する。検索部124は、上述の通りに検索した課題161の根拠となり得る情報を、第2の対象者22に提示する。検索部124は、検索した課題161の根拠となり得る情報を、記憶部16に格納してもよい。
【0030】
解決案収集部13は、課題提示部12による課題161及びその課題161の根拠となり得る情報の提示に応じて、第2の対象者22が端末装置220を介して入力した、課題161に対する解決案164を収集する。解決案収集部13は、例えば、インターネットにおける自治体のポータルサイトに、課題161に対する解決案164を受け付けることを表す情報を掲載し、ポータルサイトを見た第2の対象者22によって入力された解決案164を収集する。解決案収集部13は、収集した解決案164を記憶部16に格納する。
【0031】
解決案収集部13は、また、複数の第2の対象者22のうちの特定の対象者によって作成された解決案164を複数の第2の対象者22に提示する。解決案収集部13は、当該特定の対象者によって作成された解決案164に対する、当該特定の対象者を除く第2の対象者22による意見を、端末装置220を介して収集する。解決案収集部13は、収集した意見を記憶部16に格納して、第2の対象者22に提示する。解決案収集部13は、第2の対象者22のうちの当該特定の対象者が、提示された意見に応じて自身が作成した解決案164を修正することを指示する情報を受け付ける。解決案収集部13は、このように、収集した解決案164に関して、第2の対象者22による議論の場を提供する。
【0032】
解決案提示部14は、解決案収集部13によって収集された解決案164を、1以上の端末装置230を介して、1以上の第3の対象者23に提示する。解決案提示部14は、例えば、自治体のポータルサイトに、収集された解決案164を掲載してもよい。第3の対象者23は、解決案164の実行に必要な資源(人的資源、物的資源、金銭的資源等)の募集先となる人であり、課題解決支援装置10を使用する自治体の住民に限定されない。第3の対象者23は、例えば全国の人でもよいし、さらに広くは、全世界の人でもよい。また、第3の対象者23を構成する母集団は、第2の対象者22を構成する母集団と異なってもよい。
【0033】
解決案提示部14は、解決案属性判定部141、解決案提示先決定部142、解決案提示先学習部143を備えてもよい。解決案属性判定部141、解決案提示先決定部142、解決案提示先学習部143は、順に、解決案属性判定手段、解決案提示先決定手段、解決案提示先学習手段の一例である。
【0034】
解決案属性判定部141は、収集された解決案164を分析することによって、解決案164の属性を判定する。解決案属性判定部141は、例えば、解決案164を表す文章を、既存の構文解析技術を用いて分析することによって、当該文章に含まれるキーワードを抽出する。解決案属性判定部141は、抽出したキーワードを、キーワードと解決案164の属性との関係を表す属性判定用の基準(不図示)と照合することによって、解決案164の属性を判定する。
【0035】
解決案属性判定部141は、例えば、キーワードがIT機器による情報化に関する言葉を表す場合、解決案164の属性を情報化と判定する。課題属性判定部121は、例えば、キーワードが道路整備に関する言葉を表す場合、解決案164の属性を道路整備と判定する。解決案属性判定部141は、例えば、キーワードが医療機関の整備に関する言葉を表す場合、解決案164の属性を医療整備と判定する。解決案属性判定部141は、上述した解決案164に関する属性の判定結果を、解決案164を識別可能な識別子と関連付けて記憶部16に格納してもよい。
【0036】
解決案提示先決定部142は、解決案属性判定部141によって判定された解決案164の属性と、解決案提示先決定基準165とに基づいて、解決案164の実行に必要な資源の募集先となる第3の対象者23を決定する。但し、解決案提示先決定基準165は、解決案164の属性と第3の対象者23の属性との関係を表す。
【0037】
解決案提示先決定基準165は、例えば、課題解決支援装置10の管理者等によって与えられた基準である。解決案提示先決定基準165は、あるいは、解決案提示先学習部143が、過去における解決案164の属性と、解決案164の実行に必要な資源の提供元である第3の対象者23の属性との関係を学習し、その学習結果として生成あるいは更新された学習モデルであってもよい。
【0038】
解決案提示先決定部142は、例えば、解決案164の属性が情報化である場合、資源の募集先となる第3の対象者23を、IT機器の提供が可能な事業者等に決定し、解決案164の属性が道路整備である場合、第3の対象者23を道路整備に関連する事業を行う事業者等に決定する。
【0039】
解決案提示部14は、解決案提示先決定部142によって決定されたある特定の属性の第3の対象者23に対して解決案164を提示する場合、自治体のポータルサイトに、例えば、教育関係者向け、あるいは医療関係者向けなどの情報として、収集された解決案164を掲載してもよい。解決案提示部14は、例えば、医療関係者あるいは教育関係者等の各属性に関する第3の対象者23のメールアドレスを表す情報がある場合、解決案164の実行に必要な資源の募集先となる第3の対象者23に対して、解決案164の実行に必要な資源を募集することを表すメールを送信してもよい。
【0040】
解決案提示先決定部142は、また、解決案164の実行に必要な資源のうち、人的資源、物的資源に関して、上述した解決案164の属性と第3の対象者23の属性との関係に基づく募集先の絞り込みを行い、金銭的資源に関しては、募集先の絞り込みを行わずに、幅広い人に募集を行うように、第3の対象者23を決定してもよい。例えば、解決案164の実行に必要な人的資源は、解決案164の実行に必要な能力を備える特定の人に限定されることが多い。また、解決案164の実行に必要な物的資源である機材等を提供可能な提供元は、特定の人あるいは事業者に限定されることが多い。これに対して、解決案164の実行に必要な金銭的資源は、解決案164に賛同するのであれば、例えばクラウドファンディングやふるさと納税等の寄付の仕組みを介して誰でも提供可能な資源である。この場合、解決案提示先決定基準165は、解決案164の属性と、解決案164の実行に必要な人的資源及び物的資源の提供元となる第3の対象者23の属性との関係を表す。
【0041】
受付部15は、解決案提示部14による解決案164の提示に応じて、第3の対象者23が端末装置230を介して入力した、解決案164の実行に必要な資源を提供する意向を表す資源提供情報166を受け付ける。受付部15は、例えば、インターネットにおける自治体のポータルサイトに、解決案164の実行に必要な資源の提供を受け付けることを表す情報を掲載し、ポータルサイトを見た第3の対象者23によって入力された資源提供情報166を受け付ける。受付部15は、受け付けた資源提供情報166を記憶部16に格納する。
【0042】
受付部15は、受け付けた資源提供情報166を、第3の対象者23に随時提示してもよい。受付部15は、また、資源提供情報166を、第1の対象者21及び第2の対象者22にも随時提示してもよい。受付部15は、さらに、資源提供情報166が表す資源を用いた解決案164の実行状況を、第1の対象者21、第2の対象者22、第3の対象者23に随時提示してもよい。但し、解決案164の実行状況を表す情報(不図示)は、記憶部16に記憶され、課題解決支援装置10の管理者等によって更新されることとする。
【0043】
次に
図2A及び2Bのフローチャートを参照して、本実施形態に係る課題解決支援装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0044】
課題収集部11は、第1の対象者21によって端末装置210に入力された課題161を収集し、収集した課題161を記憶部16に格納する(ステップS101)。課題提示部12の検索部124は、収集された課題161を分析することによって、課題161の根拠となり得る情報を、例えばインターネットにおいて検索する(ステップS102)。課題提示部12の課題属性判定部121は、課題161を分析することによって課題161の属性を判定する(ステップS102及びステップS103は順不同である)(ステップS103)。
【0045】
課題提示部12の課題提示先決定部122は、課題161の属性と課題提示先決定基準162とに基づいて、解決案164の募集先である第2の対象者22を決定する(ステップS104)。課題提示部12は、収集された課題161、及び、課題161の根拠となり得る情報を、端末装置220を介して第2の対象者22に提示する(ステップS105)。
【0046】
解決案収集部13は、第2の対象者22に提示された課題161に応じて、第2の対象者22によって端末装置220に入力された課題161に対する解決案164を収集する(ステップS106)。解決案収集部13は、ある第2の対象者22によって入力された解決案164を、端末装置220を介して別の第2の対象者22に提示する(ステップS107)。解決案収集部13は、ある第2の対象者22によって入力された解決案164に対する、別の第2の対象者22によって端末装置220に入力された意見を収集する(ステップS108)。解決案収集部13は、収集した意見を、解決案164の募集先である第2の対象者22に提示する(ステップS109)。
【0047】
解決案提示部14の解決案属性判定部141は、収集された解決案164を分析することによって、解決案164の属性を判定する(ステップS107乃至S109と、ステップS110とは順不同である)(ステップS110)。解決案提示部14の解決案提示先決定部142は、解決案164の属性と解決案提示先決定基準165とに基づいて、解決案164の実行に必要な資源の募集先である第3の対象者23を決定する(ステップS111)。
【0048】
解決案提示部14は、収集された解決案164を、端末装置230を介して第3の対象者23に提示する(ステップS112)。受付部15は、第3の対象者23に提示された解決案164に応じて、第3の対象者23によって端末装置230に入力された、解決案164の実行に必要な資源を提供する意向を表す資源提供情報166を受け付ける(ステップS113)。受付部15は、受け付けた資源提供情報166、及び、随時更新される解決案164の実行状況を、第1の対象者21、第2の対象者22、第3の対象者23に、端末装置210、端末装置220、端末装置230を介して提示し(ステップS114)、全体の処理は終了する。
【0049】
本実施形態に係る課題解決支援装置10は、課題の解決をより確実に実現できるように支援することができる。その理由は、課題解決支援装置10は、課題161の当事者である第1の対象者21から課題161を収集し、課題161に対する解決案164の検討、及び、解決案164の実行に必要な資源の提供に、第1の対象者21とは異なる第2の対象者22及び第3の対象者23が参画できるような環境を提供するからである。
【0050】
以下に、本実施形態に係る課題解決支援装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0051】
組織におけるプロジェクトの活動では、課題の抽出、課題に対する解決案の検討、解決案を実行するための資源の調達等の活動は、通常、例えばプロジェクトメンバーなど、そのプロジェクトと何らかの関係を有する人によって行われる。この場合、例えば、解決案の検討における視点は、当該プロジェクトに関わりがある人の視点に限定され、新たな発想に基づく解決案が得られにくくなる傾向がある。また、解決案の実行に必要な資源の調達先が、プロジェクトに関わりがある調達先に限定され、解決案を実行するための資源を十分に調達できないという問題もある。即ち、課題の解決をより確実に実現できるように支援することが求められている。
【0052】
このような問題に対して、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、課題収集部11と課題提示部12と解決案収集部13と解決案提示部14と受付部15とを備え、例えば
図1乃至
図2Bを参照して上述した通りに動作する。即ち、課題収集部11は、第1の対象者21から課題161を収集する。課題提示部12は、収集された課題161を、第2の対象者22に提示する。解決案収集部13は、第2の対象者22によって作成された課題161に対する解決案164を収集する。解決案提示部14は、収集された解決案164を、第3の対象者23に提示する。そして受付部15は、第3の対象者23から解決案164の実行に必要な資源の提供を受け付ける。即ち、課題解決支援装置10は、課題161の当事者以外の様々な人が、解決案164の検討や解決案164を実行するための資源の提供に参画できるようにすることによって、課題161の解決をより確実に実現することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、課題161を分析することによって課題161の属性を判定し、判定された課題161の属性と、課題161の属性と第2の対象者22の属性との関係を表す課題提示先決定基準162とに基づいて、第2の対象者22を決定する。即ち、課題解決支援装置10は、課題161の属性に応じて、解決案164の募集先である第2の対象者22を、適切な解決案164を提供してもらうことが期待できる対象者に絞り込むので、解決案164の募集を効率的に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、課題161の属性と第2の対象者22の属性との関係を学習することによって、課題提示先決定基準162を生成あるいは更新する。これにより、課題解決支援装置10は、解決案164の募集先である第2の対象者22を絞り込む精度を、次第に高めることができる。
【0055】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、課題161を分析することによって課題161の根拠となり得る情報を検索し、検索した課題161の根拠となり得る情報を第2の対象者22に提示する。そして課題解決支援装置10は、複数の第2の対象者22のうちの特定の対象者によって作成された解決案164を第2の対象者22に提示し、当該特定の対象者によって作成された解決案164に対する、当該特定の対象者を除く第2の対象者22による意見を収集する。即ち、課題解決支援装置10は、第2の対象者22同士が、課題161の根拠となる事実を表すデータに基づいて解決案164に関して議論する場を提供するので、第2の対象者22による適切な解決案164の作成を支援することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、解決案164を分析することによって解決案164の属性を判定し、判定された解決案164の属性と、解決案164の属性と第3の対象者23の属性との関係を表す解決案提示先決定基準165とに基づいて、第3の対象者23を決定する。即ち、課題解決支援装置10は、解決案164の属性に応じて、解決案164の実行に必要な資源の募集先である第3の対象者23を、当該資源の提供が期待できる対象者に絞り込むので、資源提供の募集を効率的に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、解決案164の属性と第3の対象者23の属性との関係を学習することによって、解決案提示先決定基準165を生成あるいは更新する。これにより、課題解決支援装置10は、解決案164の実行に必要な資源の募集先である第3の対象者23を絞り込む精度を、次第に高めることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、解決案164の実行に必要な資源のうち、物的資源と、金銭的資源に関して、資源の募集先である第3の対象者23の絞り込みを行い、金銭的資源に関しては、第3の対象者23の絞り込みを行わずに、幅広い対象者から募集を行う。これにより、課題解決支援装置10は、資源を提供可能な提供元が限定される人的資源及び物的資源の募集を効率的に行うとともに、資源を提供可能な提供元が限定されない金銭的資源の募集を幅広くおこなうことができる。
【0059】
また、本実施形態に係る課題解決支援装置10は、受け付けた資源の提供の状況を、第3の対象者23に提示する。これにより、例えば、企業同士がブランドイメージの向上のために課題161を解決するための資源提供における競争を促す効果、あるいは、資源が集まっていない課題161への資源提供を促す効果などが期待できるので、課題解決支援装置10は、課題161の解決をより確実に実現できるように支援することができる。
【0060】
尚、課題解決支援装置10は、自治体等において、住民から課題を収集し、収集した課題に対する解決案の検討、及び、解決案の実行に必要となる資源の調達を支援する装置に限定されない。課題解決支援装置10は、例えば、企業や非営利団体等の組織において、組織内のある部門の課題の解決案を組織全体に募集し、その解決案を実行可能な資源の提供を当該資源を有する他部門から募ることを支援する装置などでもよい。
【0061】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る課題解決支援装置30の構成を示すブロック図である。課題解決支援装置30は、課題収集部31、課題提示部32、解決案収集部33、解決案提示部34、受付部35を備えている。但し、課題収集部31、課題提示部32、解決案収集部33、解決案提示部34、受付部35は、順に、課題収集手段、課題提示手段、解決案収集手段、解決案提示手段、受付手段の一例である。
【0062】
課題収集部31は、第1の対象者41から課題410を収集する。第1の対象者41は、例えば、第1の実施形態に係る第1の対象者21と同様な対象者である。課題410は、例えば、第1の実施形態に係る課題161と同様な課題である。課題収集部31は、例えば、第1の実施形態に係る課題収集部11と同様に動作する。
【0063】
課題提示部32は、収集された課題410を、第2の対象者42に提示する。第2の対象者42は、例えば、第1の実施形態に係る第2の対象者22と同様な対象者である。課題提示部32は、例えば、第1の実施形態に係る課題提示部12と同様に動作する。
【0064】
解決案収集部33は、第2の対象者42によって作成された課題410に対する解決案420を収集する。解決案420は、例えば、第1の実施形態に係る解決案164と同様な解決案である。解決案収集部33は、例えば、第1の実施形態に係る解決案収集部13と同様に動作する。
【0065】
解決案提示部34は、収集された解決案420を、第3の対象者43に提示する。第3の対象者43は、例えば、第1の実施形態に係る第3の対象者23と同様な対象者である。解決案提示部34は、例えば、第1の実施形態に係る解決案提示部14と同様に動作する。
【0066】
受付部35は、第3の対象者43から解決案420の実行に必要な資源430の提供を受け付ける。資源430は、例えば、第1の実施形態に係る資源提供情報166によって表される資源である。受付部35は、例えば、第1の実施形態に係る受付部15と同様に動作する。
【0067】
本実施形態に係る課題解決支援装置30は、課題の解決をより確実に実現できるように支援することができる。その理由は、課題解決支援装置30は、課題410の当事者である第1の対象者41から課題410を収集し、課題410に対する解決案420検討、及び、解決案420の実行に必要な資源430の提供に、第1の対象者41とは異なる第2の対象者42及び第3の対象者43が参画できるような環境を提供するからである。
【0068】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1に示した課題解決支援装置10、あるいは、
図3に示した課題解決支援装置30における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1及び
図3において、少なくとも、下記構成は、ソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・課題収集部11及び31、
・課題提示部12及び32、
・解決案収集部13及び33、
・解決案提示部14及び34、
・受付部15及び35、
・記憶部16における記憶制御機能。
【0069】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図4を参照して説明する。
【0070】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る課題解決支援装置10あるいは第2の実施形態に係る課題解決支援装置30を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図4は、
図1及び
図3に示した課題解決支援装置10及び30を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0071】
図4に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えているが、下記のうちの一部の構成要素を備えない場合もある。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・外部装置との通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0072】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。情報処理装置900は、CPU901に加えてGPU(Graphical_Processing_Unit)(不図示)を備えてもよい。
【0073】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、
図4に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1及び
図3)における上述した構成、或いはフローチャート(
図2A及び
図2B)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0074】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0075】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0076】
尚、上述した各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。しかしながら、上述した各実施形態により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
【0077】
(付記1)
第1の対象者から課題を収集する課題収集手段と、
収集された前記課題を、第2の対象者に提示する課題提示手段と、
前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集する解決案収集手段と、
収集された前記解決案を、第3の対象者に提示する解決案提示手段と、
前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける受付手段と、
を備える課題解決支援装置。
【0078】
(付記2)
前記課題提示手段は、
前記課題を分析することによって前記課題の属性を判定する課題属性判定手段と、
判定された前記課題の属性と課題提示先決定基準とに基づいて、前記第2の対象者を決定する課題提示先決定手段と、
を備え、
前記課題提示先決定基準は、前記課題の属性と前記第2の対象者の属性との関係を表す、
付記1に記載の課題解決支援装置。
【0079】
(付記3)
前記課題提示手段は、
前記課題の属性と前記第2の対象者の属性との関係を学習することによって、前記課題提示先決定基準を生成あるいは更新する課題提示先学習手段をさらに備える、
付記2に記載の課題解決支援装置。
【0080】
(付記4)
前記課題提示手段は、前記課題を分析することによって前記課題の根拠となり得る情報を検索し、検索した前記課題の根拠となり得る情報を前記第2の対象者に提示する検索手段を備え、
前記解決案収集手段は、複数の前記第2の対象者のうちの特定の対象者によって作成された前記解決案を前記第2の対象者に提示し、前記特定の対象者によって作成された前記解決案に対する、前記特定の対象者を除く前記第2の対象者による意見を収集する、
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【0081】
(付記5)
前記解決案提示手段は、
前記解決案を分析することによって前記解決案の属性を判定する解決案属性判定手段と、
判定された前記解決案の属性と解決案提示先決定基準とに基づいて、前記第3の対象者を決定する解決案提示先決定手段と、
を備え、
前記解決案提示先決定基準は、前記解決案の属性と前記第3の対象者の属性との関係を表す、
付記1乃至付記4のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【0082】
(付記6)
前記解決案提示手段は、
前記解決案の属性と前記第3の対象者の属性との関係を学習することによって、前記解決案提示先決定基準を生成あるいは更新する解決案提示先学習手段をさらに備える、
付記5に記載の課題解決支援装置。
【0083】
(付記7)
前記資源は、人的資源と、物的資源と、金銭的資源とを含み、
前記解決案提示先決定基準は、前記解決案の属性と、前記人的資源及び前記物的資源の提供元となる前記第3の対象者の属性との関係を表す、
付記5または付記6に記載の課題解決支援装置。
【0084】
(付記8)
前記受付手段は、受け付けた前記資源の提供の状況を、前記第3の対象者に提示する、
付記1乃至付記7のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【0085】
(付記9)
前記受付手段は、前記解決案の実行状況を、前記第1の対象者、前記第2の対象者、及び、前記第3の対象者に提示する、
付記1乃至付記8のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【0086】
(付記10)
前記第1の対象者は、前記第2の対象者及び前記第3の対象者に含まれる、
付記1乃至付記9のいずれか一項に記載の課題解決支援装置。
【0087】
(付記11)
情報処理装置によって、
第1の対象者から課題を収集し、
収集された前記課題を、第2の対象者に提示し、
前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集し、
収集された前記解決案を、第3の対象者に提示し、
前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける、
課題解決支援方法。
【0088】
(付記12)
第1の対象者から課題を収集する課題収集処理と、
収集された前記課題を、第2の対象者に提示する課題提示処理と、
前記第2の対象者によって作成された前記課題に対する解決案を収集する解決案収集処理と、
収集された前記解決案を、第3の対象者に提示する解決案提示処理と、
前記第3の対象者から前記解決案の実行に必要な資源の提供を受け付ける受付処理と、
をコンピュータに実行させるための課題解決支援プログラムが格納された記録媒体。
【0089】
この出願は、2021年12月16日に出願された日本出願特願2021-204069を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0090】
10 課題解決支援装置
11 課題収集部
12 課題提示部
121 課題属性判定部
122 課題提示先決定部
123 課題提示先学習部
124 検索部
13 解決案収集部
14 解決案提示部
141 解決案属性判定部
142 解決案提示先決定部
143 解決案提示先学習部
15 受付部
16 記憶部
161 課題
162 課題提示先決定基準
163 課題根拠情報
164 解決案
165 解決案提示先決定基準
166 資源提供情報
21 第1の対象者
210 端末装置
22 第2の対象者
220 端末装置
23 第3の対象者
230 端末装置
30 課題解決支援装置
31 課題収集部
32 課題提示部
33 解決案収集部
34 解決案提示部
35 受付部
41 第1の対象者
410 課題
42 第2の対象者
420 解決案
43 第3の対象者
430 資源
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース