(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】状態分析装置、推奨活動情報提案支援装置、状態分析方法、推奨活動情報提案支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20250624BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2021150065
(22)【出願日】2021-09-15
【審査請求日】2024-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】ファン タァン クァン
(72)【発明者】
【氏名】山本 純一
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 行大
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139087(JP,A)
【文献】特開2018-147494(JP,A)
【文献】特開2020-135543(JP,A)
【文献】特開2018-055295(JP,A)
【文献】特開2019-101646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感謝データ取得部、ネットワーク生成部、ネットワーク特徴量分析部、組織状態識別部、構成員状態分析部、及び出力部を含み、
前記感謝データ取得部は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成部は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析部は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別部は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析部は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力部は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、状態分析装置。
【請求項2】
前記ネットワーク特徴量分析部は、さらに、前記特徴量から構成員ネットワークのネットワーク型を決定し、
前記組織状態識別部は、前記ネットワーク型に基づき、組織状態を識別する、請求項1記載の状態分析装置。
【請求項3】
前記感謝データ送信履歴情報は、前記一方の構成員の属性情報及び前記他方の構成員の属性情報を含み、
前記ネットワーク生成部は、各構成員の属性情報が紐づけられた前記構成員ネットワークを生成し、
前記構成員状態分析部は、前記特徴量から各構成員の承認度及び対人満足度を算出し、各構成員の承認度及び対人満足度に基づき、前記構成員の状態を分析する、請求項1又は2記載の状態分析装置。
【請求項4】
状態分析部、推奨活動情報抽出部、及び推奨活動情報出力部を含み、
前記状態分析部は、請求項1から3のいずれか一項に記載の状態分析装置であり、
前記推奨活動情報抽出部は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力部は、抽出された前記推奨活動情報を出力する、推奨活動情報提案支援装置。
【請求項5】
活動情報取得部、スコア算出部、及びスコア更新部を含み、
前記推奨活動情報は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせごとに、推奨スコアが紐づけられており、
前記活動情報取得部は、構成員の活動情報を取得し、
前記活動情報は、前記組織状態及び構成員の状態と、構成員が実施した活動の情報が紐づけられた情報であり、
前記スコア算出部は、前記活動情報に基づいて、前記推奨活動情報のスコアを算出し、
前記スコア更新部は、算出された前記スコアに基づき、前記推奨活動情報の推奨スコアを更新する、請求項4記載の推奨活動情報提案支援装置。
【請求項6】
感謝データ取得工程、ネットワーク生成工程、ネットワーク特徴量分析工程、組織状態識別工程、構成員状態分析工程、及び出力工程を含み、
前記感謝データ取得工程は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成工程は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析工程は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別工程は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析工程は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力工程は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、
各工程がコンピュータにより実行される、状態分析方法。
【請求項7】
状態分析工程、推奨活動情報抽出工程、及び推奨活動情報出力工程を含み、
前記状態分析工程は、請求項6記載の状態分析方法であり、
前記推奨活動情報抽出工程は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力工程は、抽出された前記推奨活動情報を出力する、
各工程がコンピュータにより実行される、推奨活動情報提案支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、感謝データ取得手順、ネットワーク生成手順、ネットワーク特徴量分析手順、組織状態識別手順、構成員状態分析手順、及び出力手順を実行させるためのプログラムであって、
前記感謝データ取得手順は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成手順は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別手順は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力手順は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、状態分析手順、推奨活動情報抽出手順、及び推奨活動情報出力手順を実行させるためのプログラムであって、
前記状態分析手順は、請求項8記載のプログラムにより実行される状態分析方法であり、
前記推奨活動情報抽出手順は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力手順は、抽出された前記推奨活動情報を出力する、プログラム。
【請求項10】
請求項8または9記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状態分析装置、推奨活動情報提案支援装置、状態分析方法、推奨活動情報提案支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、日本人は、相手に対する感謝を、直接相手に伝えることが苦手と言われている。一方、会社等の組織において、相手に感謝を伝えることが、パフォーマンスに良い影響を与えることも報告されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンピュータネットワークを通じて、組織の構成員間の信頼を形成するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の構成員で形成される組織において、組織及び構成員の状態を把握可能な技術が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、組織の状態及び組織の構成員の状態を把握可能な状態分析装置、状態分析方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の状態分析装置は、感謝データ取得部、ネットワーク生成部、ネットワーク特徴量分析部、組織状態識別部、構成員状態分析部、及び出力部を含み、
前記感謝データ取得部は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成部は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析部は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別部は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析部は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力部は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する。
【0008】
本発明の状態分析方法は、感謝データ取得工程、ネットワーク生成工程、ネットワーク特徴量分析工程、組織状態識別工程、構成員状態分析工程、及び出力工程を含み、
前記感謝データ取得工程は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成工程は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析工程は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別工程は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析工程は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力工程は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する。
【0009】
本発明の第1のプログラムは、コンピュータに、感謝データ取得手順、ネットワーク生成手順、ネットワーク特徴量分析手順、組織状態識別手順、構成員状態分析手順、及び出力手順を実行させるためのプログラムであって、
前記感謝データ取得手順は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成手順は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別手順は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力手順は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、組織の状態及び組織の構成員の状態を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、感謝データ送信履歴情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、生成した構成員ネットワークの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、構成員ネットワークの特徴量を分析する一例を示す図である。
【
図7】
図7は、媒介中心性の計算の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、完全グラフ数の計算の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、平均最短距離の計算の一例を示す図である。
【
図10】
図10(A)及び(B)は、構成員ネットワークの一例を示す模式図であり、
図10(C)は、構成員の状態の分析例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、実施形態2の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態2の装置における表示部の概略図である。
【
図14】
図14は、実施形態2の装置における表示部の概略図である。
【
図15】
図15は、実施形態2の装置における表示部の概略図である。
【
図16】
図16は、実施形態2の装置における表示部の概略図である。
【
図17】
図17は、実施形態2の装置における表示部の概略図である。
【
図18】
図18は、実施形態2の装置における表示部の概略図である。
【
図19】
図19は、実施形態3の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図20】
図20は、実施形態3の装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、実施形態3の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、組織状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報と推奨スコアの一例を示す表である。
【
図23】
図23は、実施形態4の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図24】
図24は、実施形態4の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、「構成員」とは、組織の構成員を意味し、前記組織は、特に制限されず、複数の構成員で構成されるものが例示できる。具体的に、前記構成員としては、例えば、従業員、組合員、職員、医療従事者、選手、会員、学生等が挙げられる。また、前記組織としては、例えば、企業、組合、行政、病院、スポーツチーム、同好会、学校等が挙げられる。
【0013】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の状態識別装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、感謝データ取得部11、ネットワーク生成部12、ネットワーク特徴量分析部13、組織状態識別部14、構成員状態分析部15、及び出力部16を含む。図示していないが、状態分析装置10は、通信回線網を介して、装置外のデータベースと接続可能であってもよい。また、図示していないが、状態分析装置10は、例えば、通信回線網を介して、システム管理者の外部端末とも接続可能であり、システム管理者は、前記外部端末から状態分析装置10の管理を実施してもよい。
【0015】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0016】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、CPU101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置106、表示装置(ディスプレイ)107、通信デバイス108等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0017】
CPU101は、例えば、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、CPU101により、例えば、本発明のプログラム105やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU101が、感謝データ取得部11、ネットワーク生成部12、ネットワーク特徴量分析部13、組織状態識別部14、構成員状態分析部15、及び出力部16として機能する。
【0018】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、ならびに外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス108により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0019】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム105等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、CPU101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0020】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラム105が格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が、例えば、前記記憶部を含む場合、記憶装置104が前記記憶部として機能する。
【0021】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0022】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置106、ディスプレイ107を備える。入力装置106は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。ディスプレイ107は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置があげられる。本実施形態1において、入力装置106とディスプレイ107とは、別個に構成されているが、入力装置106とディスプレイ107とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0023】
つぎに、本実施形態の状態分析方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の状態分析方法は、例えば、
図1及び
図2に示す状態分析装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の状態分析方法は、
図1及び
図2の状態分析装置10の使用には限定されない。
【0024】
まず、感謝データ取得部11により、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得する(S1、感謝データ取得工程)。前記感謝データは、例えば、感謝を表すデータであればよく、例えば、感謝の種類(例えば、「ありがとう」、「すいません」、「称賛」、「尊敬」、「嬉しい」等)、感謝の程度、感謝のコメント等を含む。前記感謝データの形式は、特に制限されず、例えば、文字、文章、イラストの画像等があげられる。前記感謝データ送信履歴情報は、誰から誰に前記感謝データを送信したかを示す情報に加えて、前記感謝データの送信日時等の情報を含んでもよい。また、前記感謝データは、例えば、さらに、感謝を送信した者及び感謝を受信した者の属性情報を含んでもよい。前記属性情報は、例えば、性別、年齢、組織における立場(例えば、所属部署、役職、階級、職域、資格保有者、年収帯等)等があげられる。前記感謝データが前記属性情報を含む場合、前記感謝データ送信履歴情報は、例えば、前記一方の構成員の属性情報及び前記他方の構成員の属性情報を含んでもよい。感謝データ取得部11は、例えば、前記感謝データ送信履歴情報として、前記感謝データそのものを取得してもよいし、後述の統計情報を取得してもよいし、前記感謝データを送信する端末からログ情報を取得してもよい。前記取得の形式は、例えば、前記通信回線網を介して、前記感謝データ等を格納しているデータベースやサーバ等から取得してもよいし、前記構成員の端末(構成員端末ともいう)である後述の感謝伝達装置から取得してもよい。具体的に、一方の構成員から他方の構成員に前記感謝データを送信することは、後述の実施形態3にて記載する。本装置10が取得した感謝データ送信履歴情報は、例えば、前記通信回線網を介して、外部のデータベースやサーバに出力されてもよいし、メモリ102及び記憶装置104等の記憶部に記憶されてもよい。
【0025】
次に、ネットワーク生成部12により、前記感謝データ送信履歴情報に基づいて、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成する(S2、ネットワーク生成工程)。前記構成員ネットワークは、例えば、前記組織内における複数の構成員間の関係(例えば、親密関係)を示すデータであり、相関図ともいう。前記構成員ネットワークの形態は、特に制限されず、例えば、複数の構成員のうち、前記感謝データを送信した前記一方の構成員と前記感謝データを受信した前記他方の構成員との間を線で繋いだマップ情報でもよい。前記構成員ネットワークは、例えば、有向グラフでも、無向グラフでもよい。また、例えば、前記感謝データ送信履歴情報が、前記一方の構成員の属性情報及び前記他方の構成員の属性情報を含む場合、ネットワーク生成部12は、例えば、各構成員の属性情報が紐づけられた前記構成員ネットワークを生成してもよい。
【0026】
次に、ネットワーク特徴量分析部13により、前記構成員ネットワークの特徴量を分析する(S3、ネットワーク特徴量分析工程)。前記特徴量は、特に制限されず、例えば、前記構成員ネットワークにおける中心性の指標(媒介中心性、次数中心性、接近中心性、固有ベクトル中心性等)、完全グラフ数、平均最短距離等が挙げられる。分析する特徴量は、例えば、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0027】
また、ネットワーク特徴量分析部13は、例えば、さらに、前記特徴量から構成員ネットワークのネットワーク型を決定してもよい。前記ネットワークの型としては、分散型、サイロ型、ブリッジ型、ボンディング型等が挙げられる。前記分散型の構成員ネットワークは、例えば、ノード(構成員)間のつながりが薄いか、又は全くつながりがない組織状態を示す。前記サイロ型の構成員ネットワークは、例えば、組織内において、さらに小さな組織が複数あり、且つ前記小さな組織間でのつながりがない組織状態を示す。前記ブリッジ型の構成員ネットワークは、例えば、前記サイロ型と同様に、組織内で小規模な組織を内包しているが、この小さな組織同士がつながっている組織状態を示す。前記ボンディング型の構成員ネットワークは、例えば、組織内に小さな組織を形成せず、ノード(構成員)間のつながりの数が多い(すなわち、次数を多く持つノードが多い)組織状態を示す。より具体的には、後述する。これにより、後述の組織状態を定量的に表すことができる。
【0028】
次に、組織状態識別部14により、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別する(S4、組織状態識別工程)。また、組織状態識別部14は、前記ネットワーク型に基づき、組織状態を識別してもよい。前記組織状態は、特に制限されず、例えば、タックマンモデルにおける形成期、混乱期、統一期、機能期、散会期等が挙げられる。前記形成期は、例えば、組織に属する構成員が決まり、構成員が互い様子見している段階である。前記混乱期は、例えば、意見や主義・主張がぶつかり合い、構成員が互いに警戒心を持っている段階である。前記統一期は、例えば、目標が構成員に共有され、組織として従うルールが定着する段階である。前記機能期は、例えば、各構成員が自律的に動き、更に成果が生まれる段階である。前記散会期は、例えば、目標の達成、もしくは時間的な制約により、組織が解散し、各構成員が別の目標に向けて動き出す状態である。以下、前記組織状態としてタックマンモデルの各期を用いて説明するが、これに限定されず、他のモデルであってもよい。具体的に、組織状態識別部14は、例えば、後述するように、前記組織状態を少なくとも4段階(例えば、形成期、混乱期、統一期、及び機能期等)に識別してもよい。
【0029】
次に、構成員状態分析部15により、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析する(S5、構成員状態分析工程)。前記構成員の状態は、例えば、前記構成員の組織に対する満足度の状態があげられ、ハーズバーグの2要因理論を利用して、前記構成員の衛生要因と、動機づけ要因の2軸を用いて評価できる。前記構成員の衛生要因(不満足要因ともいう)は、例えば、前記構成員と組織に属する他の構成員との関係性、すなわち、前記構成員の対人満足度に基づいて評価できる。前記動機づけ要因は、例えば、前記構成員の承認欲求がどの程度満たされているか、すなわち、前記構成員の承認度により評価できる。構成員状態分析部15は、例えば、前記分析した構成員ネットワークの特徴量のうち、例えば、次数中心性に基づいて、構成員の前記承認度及び対人満足度を算出する。そして、構成員状態分析部15は、各構成員の承認度及び対人満足度に基づいて、前記構成員の状態を少なくとも4段階に分析できる。前記4段階の状態は、例えば、第1象限(承認度及び対人満足度のいずれも良好)、第2象限(対人満足度のみ良好)、第3象限(承認度及び対人満足度のいずれも不良好)、第4象限(承認度のみ良好)等があげられる。
【0030】
具体的に、構成員状態分析部15は、例えば、前記構成員ネットワークにおいて、分析対象となるノード(構成員)と他のノード(他の構成員)との次数中心性に基づいて、前記構成員の対人満足度を算出する。また、前記S2において、各構成員の属性情報が紐づけられた前記構成員ネットワークを生成が生成されている場合、構成員状態分析部15は、分析対象となる構成員に対し、任意の属性情報を備える他の構成員との次数中心性に基づいて、前記構成員の承認度を算出する。そして、構成員状態分析部15は、例えば、組織における各構成員の前記承認度及び対人満足度を比較し、分析対象の構成員の前記承認度及び対人満足度が、前記組織における各構成員の承認度の平均値及び対人満足度の平均値より高いか、低いかにより、分析対象の構成員の状態を前記4段階のいずれに属するかを分析する。なお、構成員状態分析部15は、分析対象の構成員の承認度及び対人満足度を、前記平均値ではなく、例えば、任意の閾値より高いか、低いかにより、前記状態を分析してもよい。以下、前記構成員の状態の分析方法として、ハーズバーグの2要因理論を利用した分析を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、他の理論を利用した分析方法であってもよい。
【0031】
そして、出力部16により、前記組織状態及び構成員の状態を出力する(S6、出力工程)。出力部16による出力は、例えば、本装置10のディスプレイ107に出力(表示)でもよいし、前記通信回線網を介して外部の装置に出力してもよい。前記外部の装置は、例えば、前記構成員の端末があげられる。
【0032】
本実施形態によれば、感謝データ送信履歴情報から構成員ネットワークを生成し、前記構成員ネットワークに基づいて、組織の状態及び構成員の状態を把握することができる。メールやチャット等のツールの送信履歴では、各構成員間の人間関係が良好か否か不明である。しかしながら、本実施形態によれば、感謝データの送信履歴情報に基づくため、各構成員間の人間関係を加味した状態を分析できる。
【0033】
[実施形態2]
具体的に、本装置10を用いて、組織状態及び構成員の状態の分析を行う一例を説明する。以下において、前記構成員として従業員、前記組織として企業をあげて説明するが、前述のように、これに限定されず、以下の説明における従業員は構成員に、企業は組織にそれぞれ読み替えできる。
【0034】
まず、組織状態を把握する一例について説明する。企業内の各従業員は、例えば、後述の感謝伝達装置を利用し、企業内の他の従業員に感謝データを送信する。そして、本装置10の感謝データ取得部11により、前記感謝伝達装置から前記感謝データ送信履歴情報を取得する。
図4に、前記感謝データ送信履歴情報の一例を示す。
図4において、「From」は、前記感謝データを送信した従業員を示し、「Target」は、前記感謝データを送信された従業員を示す。
【0035】
次に、
図5に示すように、ネットワーク生成部12により、前記感謝データ送信履歴情報を読み込んで、構成員ネットワークを生成する(ネットワーク化ともいう)。なお、前記構成員ネットワークにおいて、各ノード(各従業員)間の距離や方向性は、特に制限されず、後述の特徴量に応じて、算出してもよいし、算出しなくてもよい。前記各ノード(各従業員)間の距離は、例えば、前記感謝データにおける感謝の程度をノード間の距離として処理することができる。前記感謝の程度については、後述する。以下、前記構成員ネットワークにおいて、前記従業員をノードともいう。
【0036】
次に、
図6に示すように、ネットワーク特徴量分析部13により、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、且つ前記特徴量から構成員ネットワークのネットワーク型を決定する。
図6では、前記特徴量として、媒介中心性、完全グラフ数、平均最短距離を求めているが、前述のように、これに限定されない。具体的に、ネットワーク特徴量分析部13は、例えば、すべての媒介中心性が0であり、且つ完全グラフ数が0である構成員ネットワークを「分散型」と決定する。また、ネットワーク特徴量分析部13は、例えば、上位2つの媒介中心性の0.2以下であり、且つ完全グラフ数が2以上である構成員ネットワークを「サイロ型」と決定する。さらに、ネットワーク特徴量分析部13は、例えば、上位2つの媒介中心性の0.9以上であり、且つ完全グラフ数が0である構成員ネットワークを「ブリッジ型」と決定する。また、ネットワーク特徴量分析部13は、例えば、完全グラフ数が0であり、且つ平均最短距離が5~6である構成員ネットワークを「ボンディング型」と決定する。なお、これらの数値は、例示であって、任意に設定可能である。本装置10は、例えば、
図6に示すような前記特徴量と前記各ネットワーク型との関係を示したテーブルデータを予め記憶していてもよいし、前記通信回線網を介して、外部から取得してもよい。
【0037】
そして、本装置10の組織状態識別部14により、前記分散型の構成員ネットワークを有する組織の状態を「形成期」とし、前記サイロ型の構成員ネットワークを有する組織の状態を「混乱期」とし、前記ブリッジ型の構成員ネットワークを有する組織の状態を「統一期」とし、前記ボンディング型の構成員ネットワークを有する組織の状態を「機能期」として識別する。
【0038】
図7を用いて、媒介中心性の計算の一例を説明する。前記媒介中心性は、例えば、
図7に示す式(1)を用いて算出できる。具体的に、
図7下部に示すノード1を例に挙げて説明する。媒介中心性は、各ノード間の経路における最短経路数(A)で、前記最短経路のうちノード1を通る経路数(B)を割り、その総和を求めることで算出できる。すなわち、
図7下部に示すノード1の媒介中心性は、3.5となる。
【0039】
図8を用いて、完全グラフ数の計算の一例を説明する。完全グラフとは、グラフGが自己閉路(一本の枝からなる閉路)を含まず、その全ての相異なる2点を結ぶ一本の枝をもつグラフを意味し、n頂点の完全グラフはK
n(nは1以上の整数)で表すことができる。
図8(A)に、K
1~K
4の完全グラフの例示を示す。つぎに、
図8(B)を用いて、完全グラフ数の計算の具体例を説明する。まず、構成員ネットワーク内から任意のノードをn個(nは1以上の整数)抽出する。そして、前記抽出したn個のノードで構成される辺の数m(mは1以上の整数)が前記抽出したノードの数と同数の場合、その構成員ネットワークの部分を完全グラフとする。そして、前記完全グラフの総和を完全グラフ数とする。具体的に、
図8下部に示す構成員ネットワーク(1)は、各枠で囲った各ノードを抽出した。この場合、図示するように、各枠内の構成員ネットワークの部分は、ともに完全グラフとなる(n=3、m=3)。一方で、構成員ネットワーク(2)は、枠で囲った各ノードを抽出した。この場合、図示するように、各枠内の構成員ネットワークの部分は、完全グラフでないことになる(n=2、m=1)。
【0040】
図9を用いて、平均最短距離の計算の一例を説明する。まず、構成員ネットワークから任意のノードを一つ選択する。以下、前記選択したノードを原点ともいう。次に、図示するように、前記原点と隣接するノードをエルデシュ数nとする。また、前記原点と隣接せずエルデシュ数n(nは、1以上の整数)のノードをエルデシュ数n+1とする。一方で、上記規定に当てはまらないノードは、エルデシュ数∞とする。そして、前記平均最短距離は、例えば、
図9に示す式(2)を用いて算出できる。
【0041】
図10を用いて、構成員の状態を分析する一例について説明する。
図10(A)及び(B)は、構成員ネットワークの一例を示す模式図であり、
図10(C)は、構成員の状態の分析例を示す模式図である。まず、分析対象である構成員(主任)の対人満足度として、
図10(A)に示すように、前記構成員(主任)と接続されているすべてのノードについて、前記構成員ネットワークにおける次数中心性を算出する。つぎに、前記構成員(主任)の承認度として、
図10(B)に示すように、前記構成員(主任)と接続されているノードのうち、前記属性情報として主任より上位の役職(部長及び課長)が紐づけられているノードについて、前記構成員ネットワークにおける次数中心性を算出する。そして、組織の各構成員について同様に対人満足度及び承認度を算出し、前記構成員(主任)が属する組織の対人満足度の平均値及び承認度の平均値と比較して、前記構成員(主任)が
図10(C)に示すいずれの状態(象限)に分類されるかを決定し、前記構成員(主任)の状態を分析する。
【0042】
[実施形態3]
一方の構成員から他方の構成員に前記感謝データを送信することについて具体的に記載する。なお、これは例示であって、何ら限定されない。一方の構成員から他方の構成員に前記感謝データを送信することは、例えば、特開2018-147494号公報に記載の技術(以下、感謝伝達装置ともいう)を用いることで可能である。
【0043】
前記感謝データの送信は、例えば、感謝伝達装置20により実行される。
図11に、実施形態の感謝伝達装置20の一例の構成を示す。感謝伝達装置20は、記憶部21、表示部22、選択部23、及び送受信部24を含む。さらに、感謝伝達装置20は、任意の構成として、さらに、統計部25等を含んでもよい。感謝伝達装置20のハードウェア構成は、特に制限されないが、例えば、状態識別装置10と同様である。具体的に、CPU101が、例えば、選択部23、送受信部24、及び統計部25として機能し、表示部22は、例えば、ディスプレイ107を使用でき、記憶部21は、メモリ102や記憶装置104を使用できる。
【0044】
感謝伝達装置20は、各ユーザ(すなわち、構成員)それぞれが有している装置であり、前記各ユーザそれぞれが有する各感謝伝達装置20は、例えば、前記通信回線網を介して、相互に接続可能であってもよい。
【0045】
次に、本実施形態の感謝伝達方法について、
図12~18を用いて説明する。
図12は、前記感謝伝達方法のフローチャートであり、
図13~18は、感謝伝達装置20の表示部22の概略図である。なお、本実施形態の感謝伝達方法は、感謝伝達装置20の使用には限定されない。
【0046】
(A1)記憶工程
まず、記憶部21により、感謝データ、及び複数のユーザのユーザデータを記憶する。前記感謝データは、前述の通りである。前記ユーザデータとは、例えば、ユーザの端末データを含み、例えば、さらに、ユーザを識別する識別データ(ユーザを特定する特定データともいう)を含む。記憶部21は、前記ユーザデータとして、例えば、ユーザの前記識別データと前記端末データとを、紐づけて(関連付けて)記憶する。前記ユーザの識別データは、例えば、複数のユーザから特定のユーザを識別できる情報であればよく、具体例として、氏名、ニックネーム、写真画像、イラスト画像等があげられ、さらに、所属等を含んでもよい。前記端末データは、例えば、前記通信回線網を介してデータを送受信するためのデータであり、具体例として、IPアドレス等があげられる。記憶部21に記憶するユーザデータの数は、特に制限されず、例えば、感謝の伝達を行う任意の組織に所属する構成員について、記憶できる。前記複数のユーザは、例えば、さらに、メンバーを招待して共有するグループとして記憶することができる。また、前記複数ユーザのユーザデータは、例えば、アドレス帳として記憶してもよい。
【0047】
(A2)ユーザデータの表示工程
次に、表示部22により、前記複数のユーザのユーザ識別情報を表示する。具体的に、表示部22は、複数のユーザについて、前記ユーザ識別データとして、例えば、氏名、写真画像、イラスト画像等を表示する。具体的には、
図13に示すように、感謝伝達装置20の表示部22に、ユーザ名(例えば、Aさん、Bさん等)と、写真画像(例えば、顔写真)又はイラスト画像(例えば、カメのイラスト)等とを表示する。
【0048】
(A3)特定のユーザの選択工程
次に、選択部23により、表示された複数のユーザ識別情報から、特定のユーザを選択する。特定のユーザを選択すると、
図14の左図に示すように、表示部22には、例えば、感謝を送信する先として選択した特定のユーザ(Bさん)が表示される。
【0049】
(A4)複数の感謝の種類の表示工程
また、選択部23により、特定のユーザを選択すると、表示部22には、例えば、選択した特定のユーザの他に、前記感謝データとして、複数の感謝の種類が表示される。感謝の種類は、特に制限されず、例えば、「ありがとう」、「すいません」、「称賛」、「尊敬」、「嬉しい」等があげられる。感謝の種類は、例えば、感謝の種類を表現する画像として表示され、前記画像は、例えば、言葉のみでもよいし、感謝を表現するイラストのみでもよいし、言葉とイラストとの組み合わせでもよい。
【0050】
表示部22には、複数の感謝の種類を同時又は順次表示することができる。後者の場合、例えば、表示部22は、表示部22に表示されている前記感謝の種類を示す任意の画像を、スライド、スワイプ等により表示部22上で移動させることによって、表示部22に、前記複数の感謝の種類を示す画像を順次表示できる。この際、例えば、表示部22に表示されている任意の画像の他に、前記感謝の種類を示す画像が存在していることを表すために、表示部22は、前記感謝の種類を示す任意の画像を表示するとともに、前記任意の画像の左右又は上下等に、前記感謝の種類を示す隣接する他の画像の一部を表示してもよい。具体的には、
図14の左図に示すように、表示部22において、選択した特定のユーザ(Bさん)を表示し、さらに、感謝の種類として、相手の行動を評価する言葉である「Good!」の文字と、それを表すイラストの画像が、下方向の中央部に表示される。この際、
図14の左図に示すように、「Good!」の画像の左右に、隣接する他の画像の一部が表示される。これによって、「Good!」の画像の左右に他の画像が存在していることを、ユーザに認識させることができる。そして、「Good!」の画像をスライドすることによって、例えば、
図14の右図に示すように、「Good!」の画像の右にある「ありがとう」の画像を、表示部22の下方向の中央部に表示できる。
【0051】
(A5)特定の感謝の種類の選択工程
次に、選択部23により、表示された感謝の種類から、特定の感謝の種類を選択する。特定の感謝の種類を選択すると、
図15に示すように、表示部22には、例えば、選択した特定のユーザ(Bさん)と選択した感謝の種類(ありがとう)を示す画像とが表示される。
【0052】
(A6)複数の感謝の程度の表示工程
次に、選択部23により、特定の感謝の種類を選択すると、表示部22には、例えば、選択した感謝の種類の他に、感謝の程度が表示される。感謝の程度は、例えば、感謝の程度を表わすバー画像により表示することができる。具体的には、
図15に示すように、感謝の種類(ありがとう)を示す画像の横に、感謝の程度を示す5段階のバーが表示される。前記バーは、例えば、感謝の程度を高さで表わすものであり、下から上に上がるほど、感謝の程度が強くなることを意味する。
【0053】
(A7)特定の感謝の程度の選択工程
次に、選択部23により、表示部22に表示された感謝の程度から、特定の感謝の程度を選択する。特定の感謝の程度を選択すると、
図15に示すように、表示部22には、例えば、感謝の程度を5段階で示すバーが示される。そして、例えば、
図15の左図に示すように、感謝の程度が、仮の基準として3段階として示される場合(下から3段階のバーまでが黒色表示)、
図15の右図に示すように、5段階までバーの色を黒にすることで、Bさんへの感謝の程度が5段階評価における5段階であることを示すことができる。バーの色は、特に制限されず、また、例えば、表示部22に表示される5段階のバーのうち、1段階のバーから所望の段階のバーまでスワイプすることで、評価段階を選択できる。
【0054】
(A8)送信工程
そして、送受信部24により、選択した特定のユーザの端末に、選択された特定の感謝データ(例えば、特定した感謝の種類及び感謝の程度)を送信する。具体的には、
図16(A)~(C)の順に示すように、表示部22に示された、選択された特定のユーザ(Bさん)を示す画像に向かって、「ありがとう」の画像を、フリックやドラッグにより移動させる。これによって、特定のユーザであるBさんに、感謝の種類が「ありがとう」であり、感謝の程度が「5段階」である感謝データを、ネットワークを介して、特定のユーザの端末に送信できる。
【0055】
(A9)受信工程(図示せず)
本実施形態の方法は、例えば、他のユーザから送信された感謝データ(例えば、選択された特定の感謝の種類及び選択された特定の感謝の程度)を受信する工程を有する。前記工程は、例えば、感謝伝達装置20の送受信部24及び表示部22により実行できる。前記感謝データを受信するタイミングは、特に制限されない。
【0056】
本実施形態において、表示部22への前記感謝データ及び前記複数のユーザのユーザ識別情報の表示順序は、特に制限されず、例えば、前述のように、前記ユーザ識別情報を表示した後、前記感謝データを表示してもよいし、両者を同時に表示してもよい。
【0057】
本実施形態の感謝伝達方法は、例えば、さらに、送信した感謝データ及び受信した感謝データを、送受信履歴データとして記憶する記憶工程を含んでもよく、例えば、感謝伝達装置20の記憶部21により実行できる。
【0058】
本実施形態において、表示部22は、例えば、さらに、その端末から送信した感謝データの一部又は全部の一覧、その端末が受信した感謝データの一部又は全部の一覧を、それぞれ表示してもよい。
図17に示すように、例えば、感謝伝達装置である端末20の表示部22において、送信一覧を選択した場合、その端末20から送信した感謝データの一覧を表示することができる。前記一覧において、表示する感謝データの内容は、例えば、送信先のユーザ、感謝の種類、感謝の程度、送信時間等である。また、図示していないが、例えば、感謝伝達装置である端末20の表示部22において、受信一覧を選択した場合、その端末20で受信した感謝データの一覧を表示することができる。前記一覧において、表示する感謝データの内容は、例えば、感謝の種類、感謝の程度、送信時間等であり、送信元のユーザは、表示しても表示しなくてもよく、感謝の提示しやすさから、匿名性として表示しなくてもよい。
【0059】
(A10)統計工程(図示せず)
本実施形態において、感謝伝達装置20は、例えば、さらに、統計部25を有してもよく、統計部25は、送信した感謝データと、受信した感謝データとに基づいて、統計データを算出する。この場合、表示部22は、例えば、さらに、前記統計データを表示してもよい。
【0060】
統計部25による、送信した感謝データと受信した感謝データとに基づく統計データの種類は、特に制限されず、具体例としては、その端末から送信した感謝データの総量、その端末が受信した感謝データの総量、その端末が送信した感謝データ量と受信した感謝データ量との割合(比)、感謝データ量の経時的推移、送受信した感謝データにおける感謝の種類の割合及び感謝の程度の割合等があげられる。また、各端末(感謝伝達装置20)が、前述のようにサーバと接続可能である場合、例えば、サーバで記憶された各端末(感謝伝達装置20)の感謝データの総量も、統計データとして表示することができる。ここで、感謝データの量とは、特に制限されず、例えば、送受信した感謝データの件数(回数)と感謝の程度の積で表わすことができる。
【0061】
前記統計データは、例えば、
図18に示すように、感謝伝達装置である端末20の表示部22において、前記通信回線網を介して接続されている複数の端末の全体の感謝量、その端末により送受信した感謝量、送信した感謝量と受信した感謝量との割合(例えば、過去6か月間)、感謝程度ごとの割合、感謝量の推移等を、数値、円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ等で示すことができる。
【0062】
本実施形態によれば、相手に対して、例えば、感謝の種類や感謝の程度等を容易に伝えることができる。具体的には、例えば、直接伝えることが恥ずかしい場合、大勢の前では伝えにくい場合、相手が遠くに離れている場合、伝えるタイミングを逸した場合等であっても、本実施形態の装置及び方法を使用することで、容易に、感謝の伝達を行うことができる。このため、本実施形態の装置及び方法は、例えば、会社における組織で利用することにより、お互いの信頼性を高め、その結果、個々と組織のパフォーマンスの向上に役立てることができる。したがって、本実施形態における感謝データや統計情報等は、前記実施形態1及び2記載の装置及び方法における感謝データ送信履歴情報として有用である。
【0063】
[実施形態4]
本実施形態は、本発明の推奨活動情報提案支援装置の例である。
【0064】
組織の構成員のウェルビーイング(Well-Being:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)を高めるため、ウェルビーイング向上のための活動を行うことが知られている。しかしながら、組織の構成員に適切な活動の提案を行うためには、組織及び構成員の状態を分析する必要があるが、職場等の組織においては、例えば、頻繁に構成員の配属変更等があるため環境の変化が激しく、これらの分析が難しいという課題がある。
【0065】
そこで、本発明の推奨活動情報提案支援装置は、状態分析部、推奨活動情報抽出部、及び推奨活動情報出力部を含み、前記状態分析部は、前記本発明の状態分析装置であり、前記推奨活動情報抽出部は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、前記推奨活動情報出力部は、抽出された前記推奨活動情報を出力する。
【0066】
本実施形態の推奨活動情報提案支援装置について、
図19を用いて説明する。
図19は、本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30の一例の構成を示すブロック図である。また、
図19に示すように、推奨活動情報提案支援装置30は、状態分析部(状態分析装置)10、推奨活動情報抽出部31、及び推奨活動情報出力部32を含む。図示していないが、推奨活動情報提案支援装置30は、記憶部を含んでもよい。本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30は、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。この場合、前記サーバは、例えば、前記本発明の状態分析装置であってもよい。また、本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30は、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。また、図示していないが、推奨活動情報提案支援装置30は、通信回線網を介して、外部装置及び装置管理者の外部端末の少なくとも一方と接続可能であってもよい。推奨活動情報提案支援装置30が前記装置管理者の外部端末と接続可能である場合、装置管理者は、外部端末から推奨活動情報提案支援装置30の管理を実施してもよい。
【0067】
前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でもよいし、無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、前述の通りである。
【0068】
前記外部装置は、例えば、PC;携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末;スマートウォッチ、スマートグラス、ウェアラブル端末等があげられる。前記外部装置は、例えば、カメラ、スキャナ等の撮像手段、IC(integrated circuit)カードリーダ、マイク等の音声入力手段等を備えてもよい。
【0069】
図20に、推奨活動情報提案支援装置30のハードウェア構成のブロック図を例示する。推奨活動情報提案支援装置30は、例えば、CPU(中央処理装置)301、メモリ302、バス303、記憶装置304、入力装置306、ディスプレイ307、通信デバイス(通信部)308等を備える。推奨活動情報提案支援装置30の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス303を介して接続されている。
【0070】
CPU301は、例えば、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、推奨活動情報提案支援装置30の全体の制御を担う。推奨活動情報提案支援装置30において、CPU301により、例えば、本発明のプログラム305やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU301が、状態分析部10、推奨活動情報抽出部31、及び推奨活動情報出力部32として機能する。推奨活動情報提案支援装置30は、演算装置として、CPUを備えるが、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0071】
メモリ302は、例えば、メインメモリを含む。前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU301が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置304(補助記憶装置)に記憶されている本発明のプログラム305等の種々の動作プログラムを、メモリ302が読み込む。そして、CPU301は、メモリ302からデータを読み出し、解読し、前記プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ302は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0072】
バス303は、例えば、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、カメラ等の撮像装置、前記外部装置、外部記憶装置、プリンタ、スピーカ等の音声出力装置等があげられる。推奨活動情報提案支援装置30は、例えば、バス303に接続された通信デバイス308により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、前記外部機器と接続することもできる。
【0073】
記憶装置304は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置304には、本発明のプログラム305を含む動作プログラムが格納されている。記憶装置304は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置304は、例えば、前記記憶媒体と前記ドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。推奨活動情報提案支援装置30が前記記憶部を含む場合、記憶装置304は、例えば、前記記憶部として機能し、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を記憶していてもよい。前記推奨活動情報については、後述する。
【0074】
推奨活動情報提案支援装置30は、例えば、さらに、入力装置306、ディスプレイ307を備える。入力装置306は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。ディスプレイ307は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置があげられる。本実施形態において、入力装置306とディスプレイ307とは、別個に構成されているが、入力装置306とディスプレイ307とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0075】
推奨活動情報提案支援装置30において、メモリ302及び記憶装置304は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置30によって生成した情報、本装置30が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ302及び記憶装置304以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0076】
つぎに、本実施形態の推奨活動情報提案支援方法について、
図21のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の推奨活動情報提案支援方法は、例えば、
図19及び
図20に示す本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30を用いて実施できる。なお、本発明の推奨活動情報提案支援方法は、推奨活動情報提案支援装置30の使用に限定されない。
【0077】
まず、状態分析部10により、組織状態及び構成員の状態を分析する(S31、状態分析工程)。前述のように、状態分析部10は、前記本発明の状態分析装置10であるため、S31は、前記実施形態1におけるS1~S6と同様にして実施でき、実施形態1及び2の説明を援用できる。
【0078】
つぎに、推奨活動情報抽出部31は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出する(S32、推奨活動情報抽出工程)。前記推奨活動情報は、例えば、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられており、さらに、前記組み合わせに対する推奨活動情報の推奨度を示す推奨スコアが紐づけられていてもよい。前記推奨活動情報の具体例は、後述する。前記推奨活動情報は、例えば、推奨活動情報提案支援装置30の記憶装置304に記憶されていてもよいし、装置外のデータベースに記憶されていてもよい。後者の場合、推奨活動情報抽出部31は、前記通信回線網を介して前記装置外のデータベースから推奨活動情報を抽出する。推奨活動情報抽出部31は、例えば、前記組み合わせに対し、1種類の推奨活動情報を抽出してもよいし、2種類以上の推奨活動情報を抽出してもよい。後者の場合、例えば、ランキング形式で前記推奨スコアが高い順に抽出してもよく、例えば、最も推奨スコアが高い推奨活動情報から、5番目に推奨スコアが高い推奨活動情報までを抽出してもよい。
【0079】
前記推奨活動情報は、例えば、組織における構成員のウェルビーイング(Well-Being:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)を向上させるために有用であると考えられる活動の情報であり、特に制限されず、任意の情報が利用できる。前記推奨活動情報の具体例としては、例えば、遊ぶ、散歩する、他人と会話する、瞑想する、肯定的な想像をする、歌う、踊る、読書する、日記を書く、人の話を傾聴する等の活動の情報があげられる。なお、前記推奨活動情報は、前述の例示には何ら制限されず、例えば、下記参考文献で紹介されている活動の情報等であってもよい。
参考文献:the University of California, Berkeley,“Find Your Pathway to Happiness! Discover simple steps to boost your well-being.”,[online],[令和3年9月5日検索],インターネット<URL:https://ggia.berkeley.edu/>
【0080】
図22に、組織状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報と推奨スコアの具体例を示す。
図22(A)は、組織状態が混乱期、構成員の状態が第1象限である場合の推奨活動情報及び推奨スコアの例であり、
図22(B)は、組織状態が混乱期、構成員の状態が第2象限である場合の推奨活動情報及び推奨スコアの例であり、
図22(C)は、組織状態が混乱期、構成員の状態が第3象限である場合の推奨活動情報及び推奨スコアの例である。なお、本発明はこの例示には何ら制限されない。
【0081】
そして、推奨活動情報出力部32は、抽出された前記推奨活動情報を出力する(S33、推奨活動情報出力工程)。推奨活動情報出力部32による出力は、例えば、本装置30のディスプレイ307に出力(表示)でもよいし、前記通信回線網を介して外部の装置に出力してもよい。前記外部の装置は、例えば、前記構成員の端末があげられる。また、推奨活動情報出力部32は、例えば、前記推奨活動情報に加えて、前記組織状態及び構成員の状態を併せて出力してもよい。
【0082】
本実施形態の推奨活動情報提案支援装置によれば、前記本発明の状態分析装置により分析した組織状態及び個人の状態に基づいて、構成員のウェルビーイングを向上可能な活動を抽出し、これを出力できる。このため、本実施形態の推奨活動情報提案支援装置は、組織における構成員のウェルビーイングの向上のための手法の提案に利用できる。
【0083】
[実施形態5]
本実施形態は、推奨活動情報提案支援装置の他の例である。
【0084】
本実施形態の推奨活動情報提案支援装置は、実施形態4の推奨活動情報提案支援装置30の構成に加えて、活動情報取得部、スコア算出部、及びスコア更新部を含むこと以外は前記実施形態4の推奨活動情報提案支援装置30と同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30Aは、例えば、活動情報取得部33、スコア算出部34、及びスコア更新部35を含み、前記推奨活動情報は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせごとに、推奨スコアが紐づけられており、活動情報取得部33は、構成員の活動情報を取得し、スコア算出部34は、前記活動情報に基づいて、前記推奨活動情報のスコアを算出し、スコア更新部35は、算出された前記スコアに基づき、前記推奨活動情報の推奨スコアを更新する。
【0085】
図23は、本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30Aの一例の構成を示すブロック図である。
図23に示すように、推奨活動情報提案支援装置30Aは、実施形態4の推奨活動情報提案支援装置30の構成に加えて、活動情報取得部33、スコア算出部34、及びスコア更新部35を備える。推奨活動情報提案支援装置30Aのハードウェア構成は、
図20の推奨活動情報提案支援装置30のハードウェア構成において、CPU301が、
図19の推奨活動情報提案支援装置30の構成に代えて、
図23の推奨活動情報提案支援装置30Aの構成を備える以外は同様である。
【0086】
つぎに、本実施形態の推奨活動情報提案支援方法について、
図24のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の推奨活動情報提案支援方法は、例えば、
図23に示す本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30Aを用いて実施できる。なお、本発明の推奨活動情報提案支援方法は、推奨活動情報提案支援装置30Aの使用に限定されない。
【0087】
まず、前記実施形態4の推奨活動情報提案支援方法におけるS31~S33と同様にして、S31~S33を実施する。
【0088】
つぎに、活動情報取得部33は、構成員の活動情報を取得する(S34、活動情報取得工程)。前記活動情報は、前記組織状態及び構成員の状態と、構成員が実施した活動の情報が紐づけられた情報である。前記活動情報は、例えば、所定期間における活動の情報であってもよい。前記所定期間は、特に制限されず、例えば、1日、3日、一週間、一か月、三カ月、六カ月等があげられる。前記取得の形式は、例えば、前記通信回線網を介して、前記活動情報を格納しているデータベースやサーバ等から取得してもよいし、前記構成員の端末(構成員端末ともいう)から取得してもよい。
図25に、組織状態が混乱期、構成員の状態が前記第1象限である構成員の、一週間の活動情報の一例を示す。
図25に示す活動名において、〇がついている曜日は、前記構成員が当該活動を行った曜日であり、空欄は、当該活動を行わなかった曜日を示す。
【0089】
つぎに、スコア算出部34は、前記活動情報に基づいて、前記推奨活動情報のスコアを算出する(S35、スコア算出工程)。スコア算出部34は、例えば、前記所定期間のうち活動を行った日数を、前記所定期間の日数で割ることで前記スコアを算出できる。具体的に、
図25に示す活動情報に基づくと、「子供とごっこ遊びを行う」は、所定期間7日のうち、6日行っているため、前記スコアを「0.85」と算出できる。同様にして、「散歩を楽しむ」は、所定期間7日のうち4日行っているため、前記スコアを「0.57」と算出でき、「子供と過ごす時間を作る」は、所定期間7日のうち2日行っているため、前記スコアを「0.28」と算出でき、「他人と会話する」は、所定期間7日のうち3日行っているため、前記スコアを「0.42」と算出でき、「瞑想で思いやりの心を整える」は、所定期間7日のうち1日行っているため、前記スコアを「0.14」と算出できる。
【0090】
スコア更新部35は、算出された前記スコアに基づき、前記推奨活動情報の推奨スコアを更新する(S36、スコア更新工程)。具体的に、スコア更新部35は、例えば、前記推奨活動情報において、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせごとに紐づけられた推奨スコアに、前記S34で算出されたスコアを加算して、前記推奨スコアを更新する。
図26に、推奨活動情報に紐づけられた推奨スコアと、スコア更新部35により更新された更新スコアの例を示す。
【0091】
本実施形態の推奨活動情報提案支援装置30Aは、活動情報取得部33、スコア算出部34およびスコア更新部35を備えるため、例えば、構成員の実際の活動に基づいて算出されたスコアにより、推奨活動情報の推奨スコアを更新できる。このため、本実施形態の推奨活動情報提案支援装置によれば、例えば、次回以降の推奨活動情報提案の精度を向上できる。
【0092】
[実施形態6]
本実施形態の第1のプログラムは、前述の状態分析方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、感謝データ取得手順、ネットワーク生成手順、ネットワーク特徴量分析手順、組織状態識別手順、構成員状態分析手順、及び出力手順を実行させるためのプログラムである。
【0093】
前記感謝データ取得手順は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成手順は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別手順は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力手順は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する。
【0094】
また、本実施形態の第1のプログラムは、コンピュータを、感謝データ取得手順、ネットワーク生成手順、ネットワーク特徴量分析手順、組織状態識別手順、構成員状態分析手順、及び出力手順として機能させるプログラムということもできる。
【0095】
本実施形態の第1のプログラムは、前記本発明の状態分析装置及び状態分析方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0096】
[実施形態7]
本実施形態の第2プログラムは、前述の推奨活動情報提案支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、状態分析手順、推奨活動情報抽出手順、及び推奨活動情報出力手順を実行させるためのプログラムを実行させるためのプログラムである。
【0097】
前記状態分析手順は、前記本発明の第1のプログラムにより実行される状態分析方法であり、
前記推奨活動情報抽出手順は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力手順は、抽出された前記推奨活動情報を出力する。
【0098】
また、本実施形態の第2のプログラムは、コンピュータを、状態分析手順、推奨活動情報抽出手順、及び推奨活動情報出力手順を実行させるためのプログラムとして機能させるプログラムということもできる。
【0099】
本実施形態の第2のプログラムは、前記本発明の推奨活動情報提案支援装置及び推奨活動情報提案支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0100】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0101】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
感謝データ取得部、ネットワーク生成部、ネットワーク特徴量分析部、組織状態識別部、構成員状態分析部、及び出力部を含み、
前記感謝データ取得部は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成部は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析部は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別部は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析部は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力部は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、状態分析装置。
(付記2)
前記ネットワーク特徴量分析部は、さらに、前記特徴量から構成員ネットワークのネットワーク型を決定し、
前記組織状態識別部は、前記ネットワーク型に基づき、組織状態を識別する、付記1記載の状態分析装置。
(付記3)
前記感謝データ送信履歴情報は、前記一方の構成員の属性情報及び前記他方の構成員の属性情報を含み、
前記ネットワーク生成部は、各構成員の属性情報が紐づけられた前記構成員ネットワークを生成し、
前記構成員状態分析部は、前記特徴量から各構成員の承認度及び対人満足度を算出し、各構成員の承認度及び対人満足度に基づき、前記構成員の状態を分析する、付記1又は2記載の状態分析装置。
(付記4)
状態分析部、推奨活動情報抽出部、及び推奨活動情報出力部を含み、
前記状態分析部は、付記1から3のいずれかに記載の状態分析装置であり、
前記推奨活動情報抽出部は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力部は、抽出された前記推奨活動情報を出力する、推奨活動情報提案支援装置。
(付記5)
活動情報取得部、スコア算出部、及びスコア更新部を含み、
前記推奨活動情報は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせごとに、推奨スコアが紐づけられており、
前記活動情報取得部は、構成員の活動情報を取得し、
前記活動情報は、前記組織状態及び構成員の状態と、構成員が実施した活動の情報が紐づけられた情報であり、
前記スコア算出部は、前記活動情報に基づいて、前記推奨活動情報のスコアを算出し、
前記スコア更新部は、算出された前記スコアに基づき、前記推奨活動情報の推奨スコアを更新する、付記4記載の推奨活動情報提案支援装置。
(付記6)
感謝データ取得工程、ネットワーク生成工程、ネットワーク特徴量分析工程、組織状態識別工程、構成員状態分析工程、及び出力工程を含み、
前記感謝データ取得工程は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成工程は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析工程は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別工程は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析工程は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力工程は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、状態分析方法。
(付記7)
前記ネットワーク特徴量分析工程は、さらに、前記特徴量から構成員ネットワークのネットワーク型を決定し、
前記組織状態識別工程は、前記ネットワーク型に基づき、組織状態を識別する、付記6記載の状態分析方法。
(付記8)
前記感謝データ送信履歴情報は、前記一方の構成員の属性情報及び前記他方の構成員の属性情報を含み、
前記ネットワーク生成工程は、各構成員の属性情報が紐づけられた前記構成員ネットワークを生成し、
前記構成員状態分析工程は、前記特徴量から各構成員の承認度及び対人満足度を算出し、各構成員の承認度及び対人満足度に基づき、前記構成員の状態を分析する、付記6又は7記載の状態分析方法。
(付記9)
状態分析工程、推奨活動情報抽出工程、及び推奨活動情報出力工程を含み、
前記状態分析工程は、付記6から8のいずれかに記載の状態分析方法であり、
前記推奨活動情報抽出工程は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力工程は、抽出された前記推奨活動情報を出力する、推奨活動情報提案支援方法。
(付記10)
活動情報取得工程、スコア算出工程、及びスコア更新工程を含み、
前記推奨活動情報は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせごとに、推奨スコアが紐づけられており、
前記活動情報取得工程は、構成員の活動情報を取得し、
前記活動情報は、前記組織状態及び構成員の状態と、構成員が実施した活動の情報が紐づけられた情報であり、
前記スコア算出工程は、前記活動情報に基づいて、前記推奨活動情報のスコアを算出し、
前記スコア更新工程は、算出された前記スコアに基づき、前記推奨活動情報の推奨スコアを更新する、付記9記載の推奨活動情報提案支援方法。
(付記11)
コンピュータに、感謝データ取得手順、ネットワーク生成手順、ネットワーク特徴量分析手順、組織状態識別手順、構成員状態分析手順、及び出力手順を実行させるためのプログラムであって、
前記感謝データ取得手順は、一方の構成員から他方の構成員に感謝データを送信したことを示す感謝データ送信履歴情報を取得し、
前記ネットワーク生成手順は、前記感謝データ送信履歴情報に基づき、前記構成員が属する組織内における構成員ネットワークを生成し、
前記ネットワーク特徴量分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量を分析し、
前記組織状態識別手順は、前記分析した構成員ネットワークの特徴量に基づき、組織状態を識別し、
前記構成員状態分析手順は、前記構成員ネットワークの特徴量に基づき、前記構成員の状態を分析し、
前記出力手順は、前記組織状態及び構成員の状態を出力する、プログラム。
(付記12)
前記ネットワーク特徴量分析手順は、さらに、前記特徴量から構成員ネットワークのネットワーク型を決定し、
前記組織状態識別手順は、前記ネットワーク型に基づき、組織状態を識別する、付記11記載のプログラム。
(付記13)
前記感謝データ送信履歴情報は、前記一方の構成員の属性情報及び前記他方の構成員の属性情報を含み、
前記ネットワーク生成手順は、各構成員の属性情報が紐づけられた前記構成員ネットワークを生成し、
前記構成員状態分析手順は、前記特徴量から各構成員の承認度及び対人満足度を算出し、各構成員の承認度及び対人満足度に基づき、前記構成員の状態を分析する、付記11又は12記載の状態分析方法。
(付記14)
コンピュータに、状態分析手順、推奨活動情報抽出手順、及び推奨活動情報出力手順を実行させるためのプログラムであって、
前記状態分析手順は、付記11から13のいずれかに記載のプログラムにより実行される状態分析方法であり、
前記推奨活動情報抽出手順は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせに紐づけられた推奨活動情報を抽出し、
前記推奨活動情報出力手順は、抽出された前記推奨活動情報を出力する、プログラム。
(付記15)
活動情報取得手順、スコア算出手順、及びスコア更新手順を含み、
前記推奨活動情報は、前記組織の状態及び構成員の状態の組み合わせごとに、推奨スコアが紐づけられており、
前記活動情報取得手順は、構成員の活動情報を取得し、
前記活動情報は、前記組織状態及び構成員の状態と、構成員が実施した活動の情報が紐づけられた情報であり、
前記スコア算出手順は、前記活動情報に基づいて、前記推奨活動情報のスコアを算出し、
前記スコア更新手順は、算出された前記スコアに基づき、前記推奨活動情報の推奨スコアを更新する、付記14記載のプログラム。
(付記16)
付記12から15のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明によれば、組織及び組織に属する構成員の状態を把握できる。このため、本発明は、例えば、複数の構成員で形成される組織を有する様々な分野において有用である。
【符号の説明】
【0103】
10 状態分析装置(状態分析部)
11 感謝データ取得部
12 ネットワーク生成部
13 ネットワーク特徴量分析部
14 組織状態識別部
15 構成員状態分析部
16 出力部
101 CPU
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 プログラム
106 入力装置
107 表示装置
108 通信デバイス
20 感謝伝達装置
21 記憶部
22 表示部
23 選択部
24 送受信部
25 統計部
30、30A 推奨活動情報提案支援装置
31 推奨活動情報抽出部
32 推奨活動情報出力部
33 活動情報取得部
34 スコア算出部
35 スコア更新部
301 CPU
302 メモリ
303 バス
304 記憶装置
305 プログラム
306 入力装置
307 表示装置
308 通信デバイス