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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-23
(45)【発行日】2025-07-01
(54)【発明の名称】収容箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20250624BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20250624BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20250624BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 018
H02G3/16
B60R16/02 610B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021167790
(22)【出願日】2021-10-13
(65)【公開番号】P2023058055
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2024-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】太 彬人
(72)【発明者】
【氏名】横山 悟史
(72)【発明者】
【氏名】小川 真由
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-28782(JP,A)
【文献】特開2010-51161(JP,A)
【文献】特開2018-186628(JP,A)
【文献】特開2009-291043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 3/16
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電可能な収容対象物が収容される収容室及び前記収容室に前記収容対象物を挿入する挿入口を有する本体と、
前記本体に組み付けて前記挿入口を塞ぐカバーと、
を備え、
前記本体は、前記収容室の底壁部を成す底壁と、前記底壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記収容室の側壁部を成し、かつ、前記底壁と交わる交差部を鉛直下方で水平に配置させる下方側壁と、前記交差部で少なくとも前記下方側壁の外壁面から膨出させ、かつ、前記下方側壁の立設方向とは逆向きに開口させた排出口及び前記収容室を前記排出口に連通させる水抜き路が設けられた水抜き部と、を有し、
前記カバーは、前記挿入口を塞ぐ閉塞壁と、前記閉塞壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記下方側壁の自由端に沿って前記下方側壁の前記外壁面に対向配置させる下方カバー側壁と、を有し、
前記下方側壁は、前記外壁面から各々突出させ、かつ、前記下方カバー側壁の自由端に沿って当該自由端の端面に各々対向配置させ、かつ、その自由端に沿う方向で互いの端部同士の間隔を空けた第1リブ及び第2リブと、前記外壁面から突出させ、かつ、前記第1リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第1連結リブと、前記外壁面から突出させ、かつ、前記第2リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第2連結リブと、を有することを特徴とした収容箱。
【請求項2】
通電可能な収容対象物が収容される収容室及び前記収容室に前記収容対象物を挿入する挿入口を有する本体と、
前記本体に組み付けて前記挿入口を塞ぐカバーと、
を備え、
前記本体は、前記収容室の底壁部を成す底壁と、前記底壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記収容室の一方の側壁部を成し、かつ、前記底壁と交わる交差部を鉛直下方で水平に配置させる下方側壁と、前記底壁から前記下方側壁と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、前記収容室の他方の側壁部を成し、かつ、前記下方側壁の自由端と自らの自由端の間を前記挿入口とする上方側壁と、前記交差部で少なくとも前記下方側壁の外壁面から膨出させ、かつ、前記下方側壁の立設方向とは逆向きに開口させた排出口及び前記収容室を前記排出口に連通させる水抜き路が設けられた水抜き部と、を有し、
前記カバーは、前記挿入口を塞ぐ閉塞壁と、前記閉塞壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記下方側壁の自由端に沿って前記下方側壁の前記外壁面に対向配置させる下方カバー側壁と、前記閉塞壁から前記下方カバー側壁と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、前記上方側壁の自由端に沿って前記上方側壁の外壁面に対向配置させる上方カバー側壁と、を有し、
前記下方側壁は、自身の前記外壁面から各々突出させ、かつ、前記下方カバー側壁の自由端に沿って当該自由端の端面に各々対向配置させ、かつ、その自由端に沿う方向で互いの端部同士の間隔を空けた第1リブ及び第2リブと、自身の前記外壁面から突出させ、かつ、前記第1リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第1連結リブと、自身の前記外壁面から突出させ、かつ、前記第2リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第2連結リブと、を有することを特徴とした収容箱。
【請求項3】
前記カバーは、前記閉塞壁から前記下方カバー側壁と同じ向きに立設させ、かつ、前記下方側壁の自由端に沿って前記下方側壁の内壁面に対向配置させる第3リブを有することを特徴とした請求項1又は2に記載の収容箱。
【請求項4】
前記本体は、前記収容対象物としての電線が収容される前記収容室としての電線収容室と、前記電線収容室から前記電線を外方に引き出させる電線引出口と、を有することを特徴とした請求項1,2又は3に記載の収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
収容箱は、電線等の通電可能な収容対象物が収容される収容室を有している。そして、この収容箱は、外壁に水が触れる可能性のある場所に設置される場合、その水の収容室への浸入を避ける必要がある。例えば、下記の特許文献1には、部材間の嵌合部から収容室内に浸入しようとする水を排水スペースに入り込ませ、この排水スペースによって案内された水を排出口から外に逃がすように構成された電気接続箱(収容箱の一形態)について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-51161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の収容箱は、水が収容室に入り難い構造を採っている。しかしながら、収容箱の外壁に触れる水は、車両走行に伴い跳ね上げられた水や周辺から滴下してきた水等のように量の少ない低圧のもの、又は、結露した水等のように流速の低いものだけとは限らない。例えば、収容箱においては、その使用環境如何で、高圧洗車時の高圧の水のような勢いの強い水が外壁に当てられてしまう可能性があり、その水の圧力で部材間の隙間を拡げてしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、収容室への水の浸入を抑え得る収容箱を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本発明は、通電可能な収容対象物が収容される収容室及び前記収容室に前記収容対象物を挿入する挿入口を有する本体と、前記本体に組み付けて前記挿入口を塞ぐカバーと、を備え、前記本体は、前記収容室の底壁部を成す底壁と、前記底壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記収容室の側壁部を成し、かつ、前記底壁と交わる交差部を鉛直下方で水平に配置させる下方側壁と、前記交差部で少なくとも前記下方側壁の外壁面から膨出させ、かつ、前記下方側壁の立設方向とは逆向きに開口させた排出口及び前記収容室を前記排出口に連通させる水抜き路が設けられた水抜き部と、を有し、前記カバーは、前記挿入口を塞ぐ閉塞壁と、前記閉塞壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記下方側壁の自由端に沿って前記下方側壁の前記外壁面に対向配置させる下方カバー側壁と、を有し、前記下方側壁は、前記外壁面から各々突出させ、かつ、前記下方カバー側壁の自由端に沿って当該自由端の端面に各々対向配置させ、かつ、その自由端に沿う方向で互いの端部同士の間隔を空けた第1リブ及び第2リブと、前記外壁面から突出させ、かつ、前記第1リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第1連結リブと、前記外壁面から突出させ、かつ、前記第2リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第2連結リブと、を有することを特徴としている。
【0007】
また、上記目的を達成する為、本発明は、通電可能な収容対象物が収容される収容室及び前記収容室に前記収容対象物を挿入する挿入口を有する本体と、前記本体に組み付けて前記挿入口を塞ぐカバーと、を備え、前記本体は、前記収容室の底壁部を成す底壁と、前記底壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記収容室の一方の側壁部を成し、かつ、前記底壁と交わる交差部を鉛直下方で水平に配置させる下方側壁と、前記底壁から前記下方側壁と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、前記収容室の他方の側壁部を成し、かつ、前記下方側壁の自由端と自らの自由端の間を前記挿入口とする上方側壁と、前記交差部で少なくとも前記下方側壁の外壁面から膨出させ、かつ、前記下方側壁の立設方向とは逆向きに開口させた排出口及び前記収容室を前記排出口に連通させる水抜き路が設けられた水抜き部と、を有し、前記カバーは、前記挿入口を塞ぐ閉塞壁と、前記閉塞壁から立設させた片持ちの壁体であり、前記下方側壁の自由端に沿って前記下方側壁の前記外壁面に対向配置させる下方カバー側壁と、前記閉塞壁から前記下方カバー側壁と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、前記上方側壁の自由端に沿って前記上方側壁の外壁面に対向配置させる上方カバー側壁と、を有し、前記下方側壁は、自身の前記外壁面から各々突出させ、かつ、前記下方カバー側壁の自由端に沿って当該自由端の端面に各々対向配置させ、かつ、その自由端に沿う方向で互いの端部同士の間隔を空けた第1リブ及び第2リブと、自身の前記外壁面から突出させ、かつ、前記第1リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第1連結リブと、自身の前記外壁面から突出させ、かつ、前記第2リブの前記端部及び前記水抜き部を前記立設方向に沿って繋ぐ第2連結リブと、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る収容箱は、第1リブと第2リブと第1連結リブと第2連結リブによって、下方から当てられてきた水の本体とカバーとの間への浸入を抑制し、その間から収容室への水の浸入を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の車載状態の収容箱を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の車載状態の収容箱をカバー側から見た平面図である。
図3図3は、図2のX1-X1線断面の部分拡大図である。
図4図4は、図2のX2-X2線断面の部分拡大図である。
図5図5は、図2のX3-X3線断面の部分拡大図である。
図6図6は、実施形態の収容箱を示す分解斜視図である。
図7図7は、実施形態の収容箱を別角度から見た分解斜視図である。
図8図8は、本体を挿入口側から見た平面図である。
図9図9は、本体を示す斜視図である。
図10図10は、本体を下方側壁側から見た平面図である。
図11図11は、図10のY-Y線断面の部分拡大図である。
図12図12は、図2のX4-X4線断面の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る収容箱の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
[実施形態]
収容箱は、通電可能な収容対象物が収容される収容室を有するものである。例えば、この収容箱は、壁体で囲われた収容室に収容対象物としての電線の保護対象部を収容することによって、その保護対象部と周辺部品との干渉を回避するためのプロテクタとして構成される。また、例えば、別の形態の収容箱は、収容対象物としての電線や電気機器(例えば、リレーや電子制御装置等)を収容室に収容し、これらを収容室の中で電気接続させる電気接続箱として構成される。以下においては、本発明に係る収容箱の実施形態の1つとして、プロテクタを例に挙げて図1から図12に基づき説明する。また、この収容箱については、設置対象の一例として自動車等の車両を挙げているが、その設置対象は如何様なものであってもよい。
【0012】
図1から図7の符号1は、本実施形態の収容箱を示す。この収容箱1は、互いに組み付けられる本体10とカバー20とを備える。ここで示す本体10とカバー20は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形されている。
【0013】
本体10は、通電可能な収容対象物としての電線We(図1から図5及び図8)が収容される収容室(以下、「電線収容室」という。)10aを有する(図3から図6図8及び図9)。そして、この本体10は、その電線収容室10aから電線Weを外方に引き出させる引出口(以下、「電線引出口」という。)10bと、その電線収容室10aに電線Weを挿入する挿入口(以下、「電線挿入口」という。)10cと、を有する(図3から図6図8及び図9)。カバー20は、この本体10に組み付けて、その電線挿入口10cを塞ぐ(図3から図5)。
【0014】
ここで示す電線収容室10aは、底壁部と、この底壁部から互いに同じ向きに立設させ、かつ、互いに間隔を空けて対向配置させた2箇所の側壁部と、で囲まれた空間である。この電線収容室10aにおいては、その底壁部と2箇所の側壁部とが電線Weの配索経路に沿って形成される。この例示の電線収容室10aの配索経路は、2つの直線状の配索経路(以下、「直線配索経路」という。)を鈍角で交差させて繋いだものである(図6図8及び図9)。また、ここで示す電線引出口10bは、この電線収容室10aの配索経路の端部に設けられる(図1図6図8及び図9)。電線引出口10bは、1箇所又は2箇所に設ける。ここでは、電線収容室10aの配索経路における双方の端部が電線引出口10bとして利用される。また、ここで示す電線挿入口10cは、2箇所の側壁部におけるそれぞれの立設方向側の端部の間に設ける(図6図8及び図9)。
【0015】
本体10は、電線収容室10aの底壁部を成す底壁11を有する(図1及び図3から図9)。ここで示す底壁11は、一方の直線配索経路を成す第1底壁部11Aと、他方の直線配索経路を成す第2底壁部11Bと、を有する(図1及び図7から図9)。第1底壁部11Aは、一方の直線配索経路に沿って延在させた平板部であり、この一方の直線配索経路に沿う2つの辺部を有している。また、第2底壁部11Bは、他方の直線配索経路に沿って延在させた平板部であり、この他方の直線配索経路に沿う2つの辺部を有している。
【0016】
本体10は、その底壁11から立設させた片持ちの壁体であり、電線収容室10aの一方の側壁部を成す第1側壁12及び第2側壁13と、その底壁11から第1側壁12及び第2側壁13と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、電線収容室10aの他方の側壁部を成す第3側壁14及び第4側壁15と、を有する(図6図8及び図9)。
【0017】
第1側壁12と第3側壁14は、一方の直線配索経路を成すものであり、第1底壁部11Aから立設させる(図6図8及び図9)。この第1底壁部11Aにおいては、一方の直線配索経路に沿う一方の辺部から第1側壁12を立設させ、他方の辺部から第3側壁14を立設させている。また、第2側壁13と第4側壁15は、他方の直線配索経路を成すものであり、第2底壁部11Bから立設させる(図6図8及び図9)。この第2底壁部11Bにおいては、他方の直線配索経路に沿う一方の辺部から第2側壁13を立設させ、他方の辺部から第4側壁15を立設させている。
【0018】
本体10においては、底壁11の第1底壁部11Aと第1側壁12と第3側壁14のそれぞれの一方の端部(他方の直線配索経路とは逆側の端部)が成す開口を一方の電線引出口10b(以下、「第1電線引出口10b1」ともいう。)として利用し、底壁11の第2底壁部11Bと第2側壁13と第4側壁15のそれぞれの一方の端部(一方の直線配索経路とは逆側の端部)が成す開口を他方の電線引出口10b(以下、「第2電線引出口10b2」ともいう。)として利用する(図1図6から図8及び図9)。更に、この本体10においては、底壁11の内壁面11aに間隔を空けて対向配置させた開口であり、第1側壁12と第3側壁14のそれぞれの自由端の間の開口と第2側壁13と第4側壁15のそれぞれの自由端の間の開口とが電線挿入口10cとして利用される(図3から図6図8及び図9)。
【0019】
また、この本体10においては、第1側壁12と第2側壁13とが互いに間隔を空けて配置される(図6図8及び図9)。一方、この本体10においては、第3側壁14と第4側壁15とが1枚の壁体として繋がっている(図6図8及び図9)。
【0020】
この収容箱1においては、車両への設置状態で、底壁11の第1底壁部11Aと第1側壁12とが交わる交差部10dを鉛直下方で水平に配置する(図1及び図3から図5)。ここで示す収容箱1においては、底壁11の第1底壁部11Aから第1側壁12までの間で交差部10dが最下部となるように、底壁11の第1底壁部11Aと第1側壁12をその平面が水平面に対して斜め上方を向くように配置している(図3から図5)。よって、本体10においては、底壁11の第1底壁部11Aの内壁面11aや第1側壁12の内壁面12aに付着した水が交差部10dに向けて流れていく。以下においては、その第1側壁12を「下方側壁12」と称し、この下方側壁12に対して上方で間隔を空けて対向配置される第3側壁14を「上方側壁14」と称する。
【0021】
また、この収容箱1においては、車両への設置状態で、下方側壁12に対して第2側壁13を斜め上方に延在させ、かつ、上方側壁14に対して第4側壁15を斜め上方に延在させる(図6及び図9)。よって、以下においては、第2側壁13を「下方傾斜側壁13」と称し、第4側壁15を「上方傾斜側壁15」と称する。本体10においては、底壁11の第2底壁部11Bの内壁面11aや下方傾斜側壁13の内壁面13a(図8)に付着した水が下方側壁12と下方傾斜側壁13の交わる場所まで流れていく。
【0022】
下方傾斜側壁13は、下方側壁12の他方の端部(他方の直線配索経路側の端部)12cとの間で間隔を空けて斜め上方に延在させる(図8及び図9)。そして、この下方傾斜側壁13は、下方側壁12の他方の端部12cからの仮想延長線が交わる内壁面13aを有する(図8及び図9)。ここで云う仮想延長線とは、下方側壁12の延在方向に沿って当該下方側壁12の他方の端部12cから延長させた仮想線のことである。よって、下方傾斜側壁13は、その仮想延長線に沿って延長させた下方側壁12の他方の端部12cが交わる仮想交差線よりも他方の端部(一方の直線配索経路側の端部)13cを突出させている(図8及び図9)。
【0023】
この本体10は、底壁11の内壁面11aから電線Weを底上げさせるべく、その内壁面11aに底上げ部を有している。ここでは、線状の第1底上げ部16Aと平板状の第2底上げ部16Bとが設けられており、この第1底上げ部16Aと第2底上げ部16Bに電線Weを載せ置くことによって、この電線Weを底壁11の内壁面11aから底上げさせる(図8及び図9)。
【0024】
第1底上げ部16Aは、底壁11の内壁面11aから線状に突出させた突出部であり、一方の側壁部と他方の側壁部との間で延在させる(図8及び図9)。ここでは、下方側壁12と上方側壁14の間で延在させた3本の第1底上げ部16Aと、下方傾斜側壁13と上方傾斜側壁15との間で延在させた1本の第1底上げ部16Aと、が設けられている。
【0025】
第2底上げ部16Bは、底壁11の内壁面11aと平行な平面を有する平板状に形成され、かつ、その内壁面11aよりも突出させている(図3図8及び図9)。ここで示す底壁11の第1底壁部11Aには、電線収容室10a側(内壁面11a側)と外側(外壁面11b側)とを連通させる矩形の貫通孔11cが形成されている(図1図3及び図7)。第2底上げ部16Bは、その貫通孔11cに対して電線収容室10a側で対向配置させる。
【0026】
ここで、その貫通孔11cは、第2底上げ部16Bよりも下方側壁12側と第2底上げ部16Bよりも上方側壁14側とで電線収容室10a側と外側とを連通させる(図3)。この本体10においては、この貫通孔11cの一方の連通部分に結束バンドBtを電線収容室10a側から外側へと差し込み、この貫通孔11cの他方の連通部分から結束バンドBtを再び電線収容室10aに戻しておく(図3)。そして、この本体10においては、第2底上げ部16Bに載せ置かれた電線Weに結束バンドBtを巻き付け且つ締め込んでいくことによって、電線Weを第2底上げ部16Bに固定する。
【0027】
カバー20は、電線挿入口10cを塞ぐ閉塞壁21を有する(図2から図7)。この閉塞壁21は、平板状に形成され、かつ、電線Weの配索経路に沿って延在させる。ここで示す閉塞壁21は、底壁11における第1底壁部11Aと第2底壁部11Bに各々間隔を空けて対向配置させた平板部の連接体であり、電線Weの配索経路に沿う2つの辺部を有している。そして、この閉塞壁21は、その内壁面21aに対して、下方側壁12と上方側壁14のそれぞれの自由端の端面を対向配置させる(図3から図5)。また、この閉塞壁21は、その内壁面21aに対して、下方傾斜側壁13と上方傾斜側壁15のそれぞれの自由端の端面についても対向配置させる。
【0028】
更に、このカバー20は、その閉塞壁21から立設させた片持ちの壁体であり、下方側壁12の自由端に沿って下方側壁12の外壁面12bに対向配置させるカバー側壁(以下、「下方カバー側壁」という。)22と、その閉塞壁21から下方カバー側壁22と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、下方傾斜側壁13の自由端に沿って下方傾斜側壁13の外壁面13bに対向配置させるカバー傾斜側壁(以下、「下方カバー傾斜側壁」という。)23と、を有する(図3から図7)。また更に、このカバー20は、閉塞壁21から下方カバー側壁22と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、上方側壁14の自由端に沿って上方側壁14の外壁面14bに対向配置させるカバー側壁(以下、「上方カバー側壁」という。)24と、閉塞壁21から下方カバー側壁22と同じ向きに立設させた片持ちの壁体であり、上方傾斜側壁15の自由端に沿って上方傾斜側壁15の外壁面15bに対向配置させるカバー傾斜側壁(以下、「上方カバー傾斜側壁」という。)25と、を有する(図3から図5及び図7)。
【0029】
このカバー20においては、下方カバー側壁22と下方カバー傾斜側壁23とが互いに間隔を空けて配置される(図7)。但し、その下方カバー側壁22と下方カバー傾斜側壁23は、互いの端部同士を後述する水抜き部40(第2水抜き部40B)のカバー側壁26によって連結させる(図6及び図7)。一方、このカバー20においては、上方カバー側壁24と上方カバー傾斜側壁25とが1枚の壁体として繋がっている(図7)。
【0030】
この収容箱1においては、それぞれの電線引出口10b側の端部に、挿通させた電線Weを保護するコルゲートチューブCOTが組み付けられており(図1図2及び図8)、そのそれぞれのコルゲートチューブCOTを介してそれぞれの電線引出口10bから電線Weが外方に引き出される。
【0031】
コルゲートチューブCOTは、環状の山部COTaと環状の谷部COTbとが筒軸方向で交互に並べられた筒状体である(図2及び図8)。本体10とカバー20は、各々、コルゲートチューブCOTの谷部COTbに嵌め込んで当該コルゲートチューブCOTを保持する当該谷部COTb毎の突起状の嵌合体であり、電線引出口10b側の端部に設けたコルゲート保持部17,27を有している(図6から図9)。本体10の第1電線引出口10b1側のコルゲート保持部17は、底壁11における第1底壁部11Aと下方側壁12と上方側壁14のそれぞれの内壁面11a,12a,14aから突出させている(図6及び図9)。また、本体10の第2電線引出口10b2側のコルゲート保持部17は、底壁11における第2底壁部11Bと下方傾斜側壁13と上方傾斜側壁15のそれぞれの内壁面11a,13a,15aから突出させている(図6及び図9)。カバー20のコルゲート保持部27は、閉塞壁21の内壁面21aから突出させている(図7)。
【0032】
ここで示すコルゲート保持部17,27は、円弧状に形成された円弧部を内周部として少なくとも有するものであり(図6図7及び図9)、それぞれの円弧部を円環状の谷部COTbに嵌合させる。但し、ここで示すコルゲート保持部17の内周部には、円弧部の両端から電線挿入口10cに向けて延在させ、その円弧部まで谷部COTbを案内させると共に当該谷部COTbに嵌め込ませるガイド部が設けられている。つまり、コルゲート保持部17は、その内周部がU字状に形成されている。第1電線引出口10b1側のガイド部は、下方側壁12と上方側壁14のそれぞれの内壁面12a,14aから突出させた突起部である。第2電線引出口10b2側のガイド部は、下方傾斜側壁13と上方傾斜側壁15のそれぞれの内壁面13a,15aから突出させた突起部である。ここでは、1つの円環状の谷部COTbに対して一対のコルゲート保持部17,27を嵌合させる。この一対のコルゲート保持部17,27は、電線収容室10aの室内から電線引出口10b側に向けて、谷部COTb毎に複数並べられている。
【0033】
この収容箱1は、本体10とカバー20との間に、これらを組付け状態のまま保持させるロック機構30を備えている(図1図2図6及び図7)。このロック機構30は、複数箇所に設けている。このロック機構30は、本体10に設けた第1係止体31と、カバー20に設けた第2係止体32と、を備える(図1図6及び図7)。このロック機構30は、第1係止体31と第2係止体32の内の少なくとも一方が有する爪部を相手方に引っ掛けて係止させることによって、本体10とカバー20を組付け状態のまま保持させる。
【0034】
ここで示す本体10には、下方側壁12と下方傾斜側壁13と上方側壁14と上方傾斜側壁15のそれぞれの外壁面12b,13b,14b,15bに第1係止体31を設けている(図8)。そして、ここで示すカバー20には、下方カバー側壁22と下方カバー傾斜側壁23と上方カバー側壁24と上方カバー傾斜側壁25から各々立設方向に向けて突出させた第2係止体32を設けている(図7)。このロック機構30においては、第2係止体32に爪部32aを設けている(図1図6及び図7)。
【0035】
この収容箱1は、次のようにして、本体10とカバー20の合わせ面からの水の浸入を抑える。
【0036】
本体10の下方側壁12は、その外壁面12bから各々突出させ、かつ、下方カバー側壁22の自由端に沿って当該自由端の端面に各々対向配置させ、かつ、その自由端に沿う方向で互いの端部18a,18b同士の間隔を空けた第1リブ18A及び第2リブ18Bと、その外壁面12bから突出させ、かつ、第1リブ18Aの端部18a及び後述する水抜き部40(第1水抜き部40A)を自身(下方側壁12)の立設方向に沿って繋ぐ第1連結リブ18Cと、その外壁面12bから突出させ、かつ、第2リブ18Bの端部18b及び水抜き部40(第1水抜き部40A)を自身(下方側壁12)の立設方向に沿って繋ぐ第2連結リブ18Dと、を有する(図1図2図6図7及び図10)。
【0037】
第1リブ18Aは、第1電線引出口10b1側と第1連結リブ18Cとの間で下方カバー側壁22の自由端に沿って延在させる(図1図2図6及び図7)。この第1リブ18Aは、カバー20の閉塞壁21を下方側壁12と下方傾斜側壁13と上方側壁14と上方傾斜側壁15のそれぞれの自由端の端面に当接させた状態で、下方カバー側壁22の自由端の端面との間隔が外からの水の浸入を抑え得る大きさとなるように形成される。但し、この第1リブ18Aは、ロック機構30の第1係止体31が設けられる箇所を除いた場所に形成される。
【0038】
第2リブ18Bは、下方側壁12の外壁面12bだけでなく、後述する水抜き部40(第2水抜き部40B)の外壁面(第2壁体42と第3壁体43と第6壁体46のそれぞれの外壁面)と下方傾斜側壁13の外壁面13bにも設けている(図6図8及び図10)。この第2リブ18Bは、第2電線引出口10b2側と第2連結リブ18Dとの間で下方カバー傾斜側壁23の自由端と水抜き部40(第2水抜き部40B)のカバー側壁26の自由端と下方カバー側壁22の自由端とに沿って延在させる(図8及び図10)。この第2リブ18Bは、カバー20の閉塞壁21を下方側壁12と下方傾斜側壁13と上方側壁14と上方傾斜側壁15のそれぞれの自由端の端面に当接させた状態で、下方カバー側壁22の自由端の端面、水抜き部40(第2水抜き部40B)のカバー側壁26の自由端の端面及び下方カバー傾斜側壁23の自由端の端面との間隔が外からの水の浸入を抑え得る大きさとなるように形成される。但し、この第2リブ18Bは、ロック機構30の第1係止体31が設けられる箇所を除いた場所に形成される。
【0039】
第1連結リブ18Cと第2連結リブ18Dは、水抜き部40(第1水抜き部40A)における後述する排出口40bと第1壁体41との対向配置方向に延在させ、かつ、互いに間隔を空けて対向配置させる(図1図5から図7及び図10)。本体10においては、その排出口40bと第1壁体41の対向配置方向が成形型の型抜き方向となる。更に、第1連結リブ18Cは、水抜き部40(第1水抜き部40A)における後述する第4壁体44の外壁面と面一に形成される(図1図7及び図10)。そして、第2連結リブ18Dは、水抜き部40(第1水抜き部40A)における後述する第5壁体45の外壁面と面一に形成される(図7及び図10)。
【0040】
この収容箱1においては、第1リブ18Aと第2リブ18Bによって、本体10とカバー20の間への水の浸入を抑えることができる。
【0041】
また、本体10においては、第1リブ18Aと第2リブ18Bの端部18a,18b同士を繋いでしまうと、水抜き部40(第1水抜き部40A)を成形型で形作ることができないが、水抜き部40(第1水抜き部40A)から成形型の型抜き方向に見て第1リブ18Aと第2リブ18Bの端部18a,18b同士を引き離しているので、水抜き部40(第1水抜き部40A)を成形型で形作ることができる。そして、この収容箱1においては、その第1リブ18Aの端部18aと水抜き部40(第1水抜き部40A)とを型抜き方向で繋ぐ第1連結リブ18Cと、その第2リブ18Bの端部18bと水抜き部40(第1水抜き部40A)とを型抜き方向で繋ぐ第2連結リブ18Dと、を有している。このため、この収容箱1においては、その第1連結リブ18Cと第2連結リブ18Dが第1リブ18Aと第2リブ18Bのそれぞれの端部18a,18bの間に外から向かう水を止めることができるので、その端部18a,18bの間を介した本体10とカバー20の間への水の浸入を抑えることができる。
【0042】
この収容箱1においては、このようにして本体10とカバー20の合わせ面からの水の浸入を抑えるが、第1リブ18A及び第2リブ18Bとカバー20との間の隙間から水が毛細管現象で染み入る可能性を考慮している。このような水は、電線収容室10aまで伝わったとしても、下方側壁12の内壁面12aや下方傾斜側壁13の内壁面13aを伝って水抜き部40(第1水抜き部40A、第2水抜き部40B)から排出される。
【0043】
一方、この収容箱1においては、勢いの強い水が第1リブ18Aや第2リブ18Bに当てられることで、その勢いが手伝って、下方側壁12と下方カバー側壁22との間及び下方傾斜側壁13と下方カバー傾斜側壁23との間にまで水が入り込み、下方側壁12及び下方傾斜側壁13のそれぞれの自由端の端面とカバー20の閉塞壁21との間から電線収容室10aに水を飛散させてしまう可能性を考慮しておいた方がよい。そこで、この収容箱1においては、電線収容室10aに浸入した水が飛散する前にその水の勢いを止めて、その水を下方側壁12の内壁面12aや下方傾斜側壁13の内壁面13aから水抜き部40(第1水抜き部40A、第2水抜き部40B)まで伝わらせるようにする。
【0044】
このために、カバー20は、閉塞壁21から下方カバー側壁22と同じ向きに立設させ、かつ、下方側壁12の自由端に沿って下方側壁12の内壁面12aに対向配置させる第3リブ18Eを有している(図3から図5及び図7)。また、このカバー20は、閉塞壁21から下方カバー傾斜側壁23と同じ向きに立設させ、かつ、下方傾斜側壁13の自由端に沿って下方傾斜側壁13の内壁面13aに対向配置させる第4リブ18Fを有している(図7)。これにより、この収容箱1においては、電線収容室10aに浸入した水が飛散する前に第3リブ18Eや第4リブ18Fに当り、ここで勢いが止められた水が下方側壁12の内壁面12aや下方傾斜側壁13の内壁面13aに落とされて、これらの内壁面12a,13aを伝って図1から図8及び図11に示す水抜き部40(第1水抜き部40A、第2水抜き部40B)から排出される。
【0045】
尚、本体10には、第1リブ18Aや第2リブ18Bと同様のリブ(第1電線引出口10b1と第2電線引出口10b2との間で延在させたリブ)を上方側壁14と上方傾斜側壁15のそれぞれの外壁面14b,15bに設けてもよい(図示略)。また、ここで示すカバー20は、閉塞壁21から上方カバー側壁24と同じ向きに立設させ、かつ、上方側壁14の自由端に沿って上方側壁14の内壁面14aに対向配置させる第5リブ18Gと、閉塞壁21から上方カバー傾斜側壁25と同じ向きに立設させ、かつ、上方傾斜側壁15の自由端に沿って上方傾斜側壁15の内壁面15aに対向配置させる第6リブ18Hと、を有している(図7)。
【0046】
この収容箱1においては、本体10とカバー20の合わせ面だけでなく、例えば、本体10とコルゲートチューブCOTの間やカバー20とコルゲートチューブCOTの間から外の水が電線収容室10aに入り込む可能性も考慮しておいた方がよい。そこで、この収容箱1においては、電線収容室10aの中の水(例えば、外から入り込んだ水、電線収容室10aの中で結露した水等)を外に排出させる。
【0047】
本体10は、車両への設置状態で電線収容室10aよりも下方に配置される水抜き路40aと、車両への設置状態で鉛直下方又は斜め下方に向けて開口させ、かつ、水抜き路40aを外方に連通させる排出口40bと、この排出口40bに対して直交配置させ、かつ、電線収容室10aを水抜き路40aに連通させる流入口40cと、が設けられた水抜き部40を有する(図5及び図11)。この水抜き部40は、車両への設置状態で流入口40cよりも上方で排出口40bに対向配置させる壁体であり、水抜き路40aの壁部を成す第1壁体41と、流入口40c及び排出口40bを繋ぐ壁体であり、水抜き路40a及び排出口40bの壁部を成す第2壁体42と、第1壁体41から排出口40bまで延在させ、かつ、流入口40c及び第2壁体42に対して間隔を空けて対向配置させた壁体であり、水抜き路40a及び排出口40bの壁部を成す第3壁体43と、を有している(図5及び図11)。
【0048】
その第1壁体41と第2壁体42と第3壁体43は、排出口40b及び第1壁体41の対向配置方向と第2壁体42及び第3壁体43の対向配置方向とに対する直交方向にて、それぞれの一方の端部とそれぞれの他方の端部とが各々開口を成す。そこで、水抜き部40は、更に、その一方の開口の一部又は全部を塞ぐ第4壁体44と、その他方の開口の一部又は全部を塞ぐ第5壁体45と、を有している(図1図6図7図11及び図12)。
【0049】
この水抜き部40において、水抜き路40aは、流入口40cを介して電線収容室10aを排出口40bに連通させる。よって、収容箱1においては、このような水抜き部40を備えることによって、電線収容室10aの中の水を流入口40cから水抜き路40aに流し込んで、排出口40bから外に排出させることができる。
【0050】
ここで示す本体10は、その水抜き部40として、第1水抜き部40Aと第2水抜き部40Bとを有している(図1から図12)。
【0051】
第1水抜き部40Aは、底壁11の第1底壁部11Aと下方側壁12との交差部10dで少なくとも下方側壁12の外壁面12bから膨出させる。ここで示す第1水抜き部40Aは、その交差部10dで第1底壁部11Aの外壁面11bと下方側壁12の外壁面12bの双方から膨出させる(図1図3図5及び図7)。
【0052】
この第1水抜き部40Aにおいて、排出口40bは、下方側壁12の立設方向とは逆向きに開口させる(図5)。また、この第1水抜き部40Aにおいて、流入口40cは、交差部10dで下方側壁12に設けた貫通孔として形成される(図5)。
【0053】
また、この第1水抜き部40Aにおいて、第1壁体41は、下方側壁12における流入口40cよりも立設方向側(下方側壁12の立設方向側)の外壁面12bから突出させた壁体として形成される(図5)。また、この第1水抜き部40Aにおいて、第2壁体42は、流入口40cよりも底壁11側で底壁11の外壁面11bから立設方向(下方側壁12の立設方向)とは逆向きに突出させた壁体として形成される(図5)。また、この第1水抜き部40Aにおいて、第3壁体43は、第1壁体41の突出方向側の端部から立設方向(下方側壁12の立設方向)とは逆向きに突出させた壁体として形成される(図5)。また、この第1水抜き部40Aにおいて、第4壁体44と第5壁体45は、第1壁体41側から排出口40b側へと第2壁体42及び第3壁体43と同じ位置まで延在させており、水抜き路40a及び排出口40bの壁部を成すものとして形成される(図1図6及び図7)。ここで示す第4壁体44と第5壁体45は、先の開口を全て塞ぐものとして形成されている。
【0054】
第2水抜き部40Bは、下方側壁12の他方の端部12cと下方傾斜側壁13の他方の端部13cの双方から膨出させる(図8図9及び図11)。
【0055】
この第2水抜き部40Bにおいて、排出口40bは、下方側壁12の他方の端部12cの外壁面12bに対して間隔を空けて対向配置させる(図11)。ここで示す排出口40bは、下方側壁12の他方の端部12cの外壁面12bにおける底壁11側に対して対向配置させている(図11)。また、この第2水抜き部40Bにおいて、下方側壁12と下方傾斜側壁13は、それぞれの他方の端部の端面同士が排出口40bと下方側壁12の他方の端部12cの外壁面12bとの対向配置方向で隙間を持つよう配置される(図11)。この第2水抜き部40Bの流入口40cとしては、その下方側壁12と下方傾斜側壁13のそれぞれの他方の端部12c,13cの端面の間に設けた隙間を利用する。
【0056】
また、この第2水抜き部40Bにおいて、第1壁体41には、下方側壁12の他方の端部12cを利用する(図8及び図11)。よって、ここで示す第1壁体41は、底壁11から電線挿入口10cまで延在しており、排出口40bに対向配置させる底壁11側だけでなく、電線挿入口10c側にも存在している(図12)。また、この第2水抜き部40Bにおいて、第2壁体42は、下方側壁12の他方の端部12c(つまり、第1壁体41)の外壁面12bと排出口40bの対向配置方向で下方傾斜側壁13の他方の端部13cの端面から排出口40bまで突出させた壁体として形成される(図11)。よって、ここで示す第2壁体42は、底壁11から電線挿入口10cまで延在しており、底壁11側だけでなく、電線挿入口10c側にも存在している(図12)。また、この第2水抜き部40Bにおいて、第3壁体43は、下方側壁12の他方の端部12cの外壁面12bから排出口40bまで突出させた壁体として形成される(図1図6図7及び図11)。ここで示す第3壁体43は、底壁11から電線挿入口10cまで延在させている(図1図6及び図7)。また、この第2水抜き部40Bにおいて、第4壁体44は、第1壁体41側から排出口40bの手前まで延在させており、水抜き路40aの壁部を成すものとして形成されている(図1図7図11及び図12)。また、この第2水抜き部40Bにおいて、第5壁体45は、第1壁体41と第2壁体42と第3壁体43のそれぞれの他方の端部の成す他方の開口を全て塞ぐものであり、カバー20に設けている(図6図7及び図12)。更に、この第2水抜き部40Bは、第2壁体42の電線挿入口10c側と第3壁体43の電線挿入口10c側とを繋ぐ壁体であり、排出口40bと同一平面上に存在させた第6壁体46を有している(図1図6図7及び図12)。
【0057】
ここで、この収容箱1においては、先に示した第1底上げ部16Aと第2底上げ部16によって電線Weを底壁11の内壁面11aから引き離しているので、電線収容室10aの中の水(例えば、外から入り込んだ水、電線収容室10aの中で結露した水等)が電線Weに触れ難くなっている。そして、この収容箱1においては、その電線収容室10aの中の水が底壁11の第1底壁部11Aと下方側壁12との交差部10dにおける内壁面側に伝わり、その水を先の水抜き部40(第1水抜き部40A、第2水抜き部40B)から外に排出させることができる。
【0058】
そこで、この収容箱1においては、その電線収容室10aの中の水を水抜き部40(第1水抜き部40A、第2水抜き部40B)まで案内して、この水抜き部40からの水の排出を補助させる。本体10は、その水を第1水抜き部40Aまで案内する第1排出補助部51と、その水を第2水抜き部40Bまで案内する第2排出補助部52と、を有している(図8図9及び図11)。
【0059】
その第1排出補助部51と第2排出補助部52は、底壁11の第1底壁部11Aと下方側壁12との交差部10dにおける内壁面側に、その内壁面から膨出させた膨出部として設ける。第2排出補助部52は、その交差部10dの中でも、底壁11の第1底壁部11Aと第2水抜き部40Bの第1壁体41(下方側壁12の他方の端部12c)とが交わる部位の内壁面側に設けている。
【0060】
第1排出補助部51は、第1水抜き部40Aの流入口40cに近づくほど膨出量を徐々に小さくした傾斜面(以下、「第1傾斜面」という。)51aを有している(図3から図5図8及び図9)。この第1傾斜面51aは、電線引出口10b側から流入口40cに近づくほど膨出量を徐々に小さくしている。ここで示す本体10は、第1水抜き部40Aを境にして、第1電線引出口10b1側と第2電線引出口10b2側とに第1排出補助部51を1つずつ設けている。
【0061】
第1電線引出口10b1側の第1排出補助部51は、この第1電線引出口10b1から第1水抜き部40Aの流入口40cの手前までの間で膨出量を徐々に小さくした第1傾斜面51aを有しており、この第1傾斜面51aに到達した水を第1水抜き部40Aの流入口40cまで導いていく。また、第2電線引出口10b2側の第1排出補助部51は、下方側壁12における他方の端部よりも第1水抜き部40Aの流入口40c側から当該流入口40cの手前までの間で膨出量を徐々に小さくした第1傾斜面51aを有しており、この第1傾斜面51aに到達した水を第1水抜き部40Aの流入口40cまで導いていく。
【0062】
第2排出補助部52は、第2水抜き部40Bの流入口40cから離れるほど膨出量を徐々に大きくした傾斜面(以下、「第2傾斜面」という。)52aを有している(図8及び図9)。この第2排出補助部52は、第2傾斜面52aに到達した水を第2水抜き部40Bの流入口40cまで導いていく。
【0063】
ここで、第2電線引出口10b2側の第1排出補助部51と第2排出補助部52については、その第1傾斜面51aと第2傾斜面52aとが段差無く繋がるように形成されている。つまり、その第1傾斜面51aと第2傾斜面52aは、膨出量が最大となる部位をその形状と共に共有させることによって、互いの壁面を段差ができぬように繋げている。これにより、この収容箱1においては、第2傾斜面52aの水が車両走行時の加減速度等で第1傾斜面51aに乗り移ったとしても、その水を当該第1傾斜面51aから第1水抜き部40Aの流入口40cまで案内することができる。また、この収容箱1においては、第1傾斜面51aの水が車両走行時の加減速度等で第2傾斜面52aに乗り移ったとしても、その水を当該第2傾斜面52aから第2水抜き部40Bの流入口40cまで案内することができる。
【0064】
ところで、この収容箱1においては、高圧洗車時の高圧の水のような勢いの強い水が外から水抜き部40に当てられたとしても、第1壁体41から第5壁体45までのそれぞれの壁体によって、排出口40bから水抜き路40aに入り込む水の浸入経路を規制することができ、かつ、流入口40cへの直接的な水の浸入を抑止することができる。特に、この収容箱1においては、流入口40cに対向配置させた第3壁体43によって、この流入口40cへの正面からの直接的な水の浸入を抑止することができる。そして、この収容箱1においては、第3壁体43を排出口40bまで延ばし、この第3壁体43を第2壁体42にも対向配置させるので、排出口40bの第3壁体43側から流入口40cに直接向かう水の浸入経路を規制して、この流入口40cに向かう水の排出口40bからの浸入を抑止することができる。よって、水抜き部40においては、排出口40bの第3壁体43側から水抜き路40aに浸入した水が流入口40cに直接かからない位置まで第3壁体43を第1壁体41の端部から延在させ、これに伴って排出口40bを流入口40cから引き離すことが望ましい。換言するならば、第3壁体43は、排出口40bの第3壁体43側から流入口40cに水を直接向かわせない位置まで第1壁体41の端部から延在させることが望ましい。この収容箱1においては、同様の観点から、第4壁体44の排出口40b側の端部についても、排出口40bの第4壁体44側から流入口40cに水を直接向かわせない位置に設けることが望ましい。そして、この収容箱1においては、同様の観点から、第5壁体45の排出口40b側の端部についても、排出口40bの第5壁体45側から流入口40cに水を直接向かわせない位置に設けることが望ましい。
【0065】
更に、この収容箱1においては、外の水が排出口40bから水抜き路40aに入り込んだとしても、その水の浸入経路が規制されているので、この水が第1壁体41に当たって排出口40b側に戻される。但し、その第1壁体41に当たった水は、勢いが強ければ、この第1壁体41で跳ね返って、流入口40cから電線収容室10aに入ってしまう可能性がある。しかしながら、この収容箱1においては、電線収容室10aよりも下方に水抜き路40aを配置させ、かつ、排出口40bと流入口40cとを直交配置させるので、第1壁体41に当たった水が電線Weに向かって跳ね返らない。このため、この収容箱1においては、第1壁体41に当たった水を排出口40b側に戻して、この排出口40bから排出させることができ、かつ、第1壁体41で跳ね返って流入口40cから電線収容室10aに入った水も、流入口40cから水抜き路40aに戻して、排出口40bから排出させることができる。また、この収容箱1においては、排出口40bから水抜き路40aに入り込んだ水の勢いが途中で弱まれば、この水が排出口40b側に戻されて、排出口40bから排出される。
【0066】
尚、ここで示す本体10は、上方側壁14の外壁面14bと上方傾斜側壁15の外壁面15bから突出させた突出体19を有している(図1図2及び図6から図9)。そして、この突出体19は、車両への設置状態でカバー20よりも下方に配置される。よって、この収容箱1においては、上方側壁14及び上方傾斜側壁15と突出体19とが交わる箇所に水が溜まってしまう虞がある。このため、突出体19には、その水を溜めずに排出させる貫通孔19aが複数設けられている(図1及び図8)。
【0067】
以上示したように、本実施形態の収容箱1は、第1リブ18Aと第2リブ18Bと第1連結リブ18Cと第2連結リブ18Dによって、下方から当てられてきた水の本体10とカバー20との間への浸入を抑制し、その間から電線収容室10aへの水の浸入を抑えることができる。また、本実施形態の収容箱1は、先に示したように、第1リブ18Aと第2リブ18Bと第1連結リブ18Cと第2連結リブ18Dによって本体10の成形性を低下させないので、原価の高騰を抑えつつ、電線収容室10aへの水の浸入抑制を図ることができる。
【0068】
更に、本実施形態の収容箱1は、勢いの強い水が本体10とカバー20との間に入り込み、その間から電線収容室10aに飛散しながら浸入しようとしたとしても、その飛散を第3リブ18Eや第4リブ18Fで止めることができる。このため、この収容箱1は、その水が電線収容室10aの電線Weにかかることを抑止することができる。そして、この収容箱1は、第3リブ18Eや第4リブ18Fで勢いの止まった水を下方側壁12の内壁面12aや下方傾斜側壁13の内壁面13aを伝って水抜き部40(第1水抜き部40A、第2水抜き部40B)から排出させるので、電線収容室10aの中に水が溜まることを回避することができる。
【0069】
また更に、本実施形態の収容箱1は、水抜き部40の第1壁体41と第2壁体42と第3壁体43によって、この水抜き部40の排出口40bから水抜き路40aに外の水が入り込んだとしても、その水の電線収容室10aへの浸入を抑えることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 収容箱
10 本体
10a 電線収容室(収容室)
10b 電線引出口
10c 電線挿入口(挿入口)
10d 交差部
11 底壁
12 下方側壁
12a 内壁面
12b 外壁面
13a 内壁面
14 上方側壁
14b 外壁面
18A 第1リブ
18B 第2リブ
18a,18b 端部
18C 第1連結リブ
18D 第2連結リブ
18E 第3リブ
20 カバー
21 閉塞壁
22 下方カバー側壁
24 上方カバー側壁
40 水抜き部
40A 第1水抜き部
40a 水抜き路
40b 排出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12