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  • 特許-床材施工構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-24
(45)【発行日】2025-07-02
(54)【発明の名称】床材施工構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/10 20060101AFI20250625BHJP
   E04F 15/02 20060101ALI20250625BHJP
【FI】
E04F15/10 104F
E04F15/02 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024049620
(22)【出願日】2024-03-26
【審査請求日】2024-10-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹市 靖規
(72)【発明者】
【氏名】伊東 達哉
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-49187(JP,A)
【文献】実公平7-35010(JP,Y2)
【文献】特開2017-149154(JP,A)
【文献】特開2013-32639(JP,A)
【文献】特開2003-105956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00 - 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下地と、
上記床下地上に互いに嵌合するように複数設置された床材とを備えた床材施工構造であって、
上記床材は、
可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを含有し、厚さ4mm~6mmの平面視で矩形板状の基材を備え、
上記基材の平面視で対向する一対の辺の一方に沿う側端部に凹部を有する雌実が設けられ、上記一対の辺の他方に沿う側端部に上記凹部に嵌る凸部を有する雄実が設けられ、
上記雌実は、上記凹部と、該凹部の上記基材の一方の表面側に設けられた上顎部と、該凹部の上記基材の他方の表面側に設けられ、上記上顎部よりも該凹部の開口側に突出する下顎部とを有し、
上記凹部は、開口側に向かって上記基材の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部を挟んだ両側の側面が傾斜し、
上記凸部は、先端側に向かって上記基材の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部を挟んだ両側の側面が傾斜し、
上記上顎部から突出する上記下顎部の長さは、上記基材の一方の表面から上記頂部の上記基材の他方の表面側までの厚さよりも大きくなっており、
上記複数の床材の隣り合う一対の床材における一方の床材の雄実の頂部から上記床下地側と、他方の床材の雌実の底部から上記床下地側との間には、隙間が設けられ、
上記床下地及び上記複数の床材の間には、変成シリコーン系の接着剤が設けられていることを特徴とする床材施工構造。
【請求項2】
請求項1に記載された床材施工構造において、
上記上顎部から突出する上記下顎部の長さは、上記基材の厚さよりも大きくなっていることを特徴とする床材施工構造
【請求項3】
請求項1又は2に記載された床材施工構造において、
上記基材の一方の表面には、ガラス製の球状のビーズを含む保護層が設けられ、
上記ビーズの平均粒径は、上記保護層の厚さの1.0倍から1.5倍であることを特徴とする床材施工構造
【請求項4】
請求項3に記載された床材施工構造において、
上記保護層及び上記基材の間には、該基材側から突板及び防水シートが順に設けられていることを特徴とする床材施工構造
【請求項5】
請求項3に記載された床材施工構造において、
上記保護層及び上記基材の間には、化粧シートが設けられていることを特徴とする床材施工構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材施工構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護等の観点から炭酸カルシウム等の天然石パウダーを主原料とした硬質なSPC(Stone Plastic Composite)基材を用いた床材が注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、塩化ビニル樹脂100質量部と、炭酸カルシウム400~600質量部と、脂肪酸アルキルエステル可塑剤20~40質量部とを含む床仕上げ用のビニルコンポジションタイルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-55314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、SPC基材のような硬質の基材を用いた床材では、基材の端面に実加工を施し、スラブ等の床下地上に貼る際に、例えば、既に貼り付けた床材の雌実と、その次順に貼り付ける床材の雄実とを嵌合させ難いので、施工性に改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、雌実と雄実とを嵌合させ易くして、施工性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る床材施工構造は、床下地と、上記床下地上に互いに嵌合するように複数設置された床材とを備えた床材施工構造であって、上記床材は、可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを含有し、厚さ4mm~6mmの平面視で矩形板状の基材を備え、上記基材の平面視で対向する一対の辺の一方に沿う側端部に凹部を有する雌実が設けられ、上記一対の辺の他方に沿う側端部に上記凹部に嵌る凸部を有する雄実が設けられ、上記雌実は、上記凹部と、該凹部の上記基材の一方の表面側に設けられた上顎部と、該凹部の上記基材の他方の表面側に設けられ、上記上顎部よりも該凹部の開口側に突出する下顎部とを有し、上記凹部は、開口側に向かって上記基材の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部を挟んだ両側の側面が傾斜し、上記凸部は、先端側に向かって上記基材の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部を挟んだ両側の側面が傾斜し、上記上顎部から突出する上記下顎部の長さは、上記基材の一方の表面から上記頂部の上記基材の他方の表面側までの厚さよりも大きくなっており、上記複数の床材の隣り合う一対の床材における一方の床材の雄実の頂部から上記床下地側と、他方の床材の雌実の底部から上記床下地側との間には、隙間が設けられ、上記床下地及び上記複数の床材の間には、変成シリコーン系の接着剤が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、厚さ4mm~6mmの平面視で矩形板状の基材が、可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを含有しているので、寸法安定性に優れた硬質のいわゆるSPC基材を構成することができる。そして、その基材において、平面視で対向する一対の辺の一方に沿う側端部に凹部を有する雌実が設けられ、平面視で対向する一対の辺の他方に沿う側端部に凹部に嵌る凸部を有する雄実が設けられている。ここで、雌実は、雄実の凸部が嵌る凹部と、その凹部の基材の一方の表面側に設けられた上顎部と、その凹部の基材の他方の表面側に設けられ、上顎部よりも凹部の開口側に突出する下顎部とを有し、上顎部から突出する下顎部の長さが基材の一方の表面から頂部の基材の他方の表面側までの厚さよりも大きくなっている。そのため、床下地上に接着剤を介して複数の床材を順々に貼る際には、例えば、既に貼り付けた床材(の雌実)に対して次順に貼り付ける床材(の雄実)を斜め上方から近づけることにより、既に貼り付けた床材の雌実における下顎部の(基材の一方の表面側の)上面に次順に貼り付ける床材の雄実における凸部の頂部の(基材の他方の表面側の)下端を確実に当接することができる。さらに、雌実の凹部は、その開口側に向かって基材の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部を挟んだ両側の側面が傾斜し、雄実の凸部は、その先端側に向かって基材の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部を挟んだ両側の側面が傾斜しているので、雌実における凹部の下側の側面(下顎部の上面)に雄実における凸部の頂部の下端を滑らすように移動させると共に、床材同士が同一平面になるように次順に貼り付ける床材を倒すことにより、雌実の凹部に雄実の凸部を容易に嵌めることができる。これにより、既に貼り付けた床材の雌実の所定箇所(下顎部の上面)に対して次順に貼り付ける床材の雄実の所定箇所(凸部の頂部の下端)を確実に当接することができると共に、雌実の凹部に雄実の凸部を容易に嵌めることができるので、雌実と雄実とを嵌合させ易くして、施工性を向上させることができる。また、雌実の凹部は、その開口側に向かって基材の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部を挟んだ両側の側面が傾斜し、雄実の凸部は、その先端側に向かって基材の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部を挟んだ両側の側面が傾斜しているので、雌実の上顎部及び下顎部、並びに雄実の凸部の強度が確保され、それらの破損を抑制することができる。また、床下地と、互いに嵌合するように設置された複数の床材との間に変成シリコーン系の接着剤が設けられているので、高粘度の変成シリコーン系の接着剤により複数の床材の不陸調整を行うことができる。また、各床材では、上顎部から突出する下顎部の長さが基材の一方の表面から頂部の基材の他方の表面側までの厚さよりも大きくなっているので、床材の裏面に配置する変成シリコーン系の接着剤の床材の表面へのはみ出しを抑制することができる。
【0009】
上記上顎部から突出する上記下顎部の長さは、上記基材の厚さよりも大きくなっていてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、上顎部から突出する下顎部の長さが基材の厚さよりも大きくなっているので、既に貼り付けた床材の雌実における下顎部の(基材の一方の表面側の)上面に次順に貼り付ける床材の雄実における凸部の頂部の(基材の他方の表面側の)下端をよりいっそう確実に当接することができる。
【0011】
上記基材の一方の表面には、ガラス製の球状のビーズを含む保護層が設けられ、上記ビーズの平均粒径は、上記保護層の厚さの1.0倍から1.5倍であってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、基材の一方の表面には、ガラス製の球状のビーズを含む保護層が設けられ、そのビーズの平均粒径が保護層の厚さの1.0倍から1.5倍であるので、保護層の表面が球状のビーズに起因して凹凸状になり、床材を土足で踏んだ際の靴底の削れを抑制して、防滑性能を付与することができると共に、塗膜表面の耐傷性能を付与することができる。ここで、ビーズの平均粒径が保護層の厚さの1.0倍よりも小さい場合には、ビーズが保護層中に埋没し易くなり、防滑性能及び耐傷性能が低下してしまう。また、ビーズの平均粒径が保護層の厚さの1.5倍よりも大きい場合には、保護層からビーズが脱落し易くなり、防滑性能及び耐傷性能が低下すると共に、保護層のビーズの脱落した窪みに汚れが溜まり易くなってしまう。さらに、ビーズが所定サイズ(平均粒径が保護層の厚さの1.0倍~1.5倍)の球状であるので、保護層の表面に汚れが付着し難く、仮に表面に汚れが付着しても、その汚れを容易にふき取ることができる。
【0013】
上記保護層及び上記基材の間には、該基材側から突板及び防水シートが順に設けられていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、保護層及び基材の間に基材側から突板及び防水シートが順に設けられているので、突板により床材の表面に意匠性を付与することができると共に、防水シートにより吸水による突板の変色を抑制することができる。
【0015】
上記保護層及び上記基材の間には、化粧シートが設けられていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、保護層及び基材の間に化粧シートが設けられているので、化粧シートにより床材の表面に意匠性を付与することができる
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、雌実において上顎部から突出する下顎部の長さが雄実において基材の一方の表面から凸部の頂部における基材の他方の表面側までの厚さよりも大きくなっているので、雌実と雄実とを嵌合させ易くして、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る床材及びそれを備えた床材施工構造の断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る床材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0020】
《第1の実施形態》
図1は、本発明に係る床材及び床材施工構造の第1の実施形態を示している。ここで、図1は、本実施形態の床材50a及びそれを備えた床材施工構造Sの断面図である。
【0021】
床材50aは、図1に示すように、基材10と、基材10上に順に設けられた突板15、防水シート20a及び保護層30とを備えている。
【0022】
基材10は、可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂(CAS No.9002-86-2)と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウム(CAS No.471-34-1)とを含有し、平面視で矩形(例えば、長さ900mm程度×幅150mm程度の長方形)の厚さ4mm~6mmの板状に設けられている。また、基材10の対向する一対の長辺の一方に沿う側端部(端面)には、雌実Ja(図1参照)が設けられ、対向する一対の長辺の一方に沿う側端部(端面)には、雄実Jb(図1参照)が設けられている。さらに、基材10の対向する一対の短辺の一方に沿う側端部(端面)には、雌実Ja(図1参照)が設けられ、対向する一対の短辺の一方に沿う側端部(端面)には、雄実Jb(図1参照)が設けられている。ここで、塩化ビニル樹脂としては、可塑剤が含まれていないものであれば、バージン樹脂及び再生樹脂の何れでも用いることができる。また、炭酸カルシウムとしては、例えば、一般的な石灰岩を粉砕して製造された粉末を用いることができるが、貝殻等を粉砕して精製した粉末を用いることもできる。また、塩化ビニル樹脂の含有量が20質量%よりも少ない場合には、炭酸カルシウムの含有量が多すぎるので、塩化ビニル樹脂と炭酸カルシウムとを均一に混錬することが難しくなる。また、塩化ビニル樹脂の含有量が30質量%よりも多い場合には、樹脂分が多くなるので、特に、温度に対する寸法変化が大きくなったり、環境影響が大きくなったりしてしまう。なお、基材10は、いわゆるSPC基材であり、塩化ビニル樹脂及び炭酸カルシウムにより構成され、水分が浸透し難いので、湿度に対する寸法変化が小さく、寸法安定性に優れている。
【0023】
雌実Jaは、図1に示すように、凹部Cと、凹部Cの基材10の一方の表面側(図中Y方向の負側)に設けられた上顎部10aと、凹部Cの基材10の他方の表面側(図中Y方向の正側)に設けられ、上顎部10aよりも凹部Cの開口側(図中X方向の正側)に突出する下顎部10bとを有している。ここで、凹部Cは、図1に示すように、その開口側(図中X方向の正側)に向かって基材10の厚さ方向(図中Y方向)に沿う幅が次第に広がるように底部Gを挟んだ両側の側面が傾斜している。
【0024】
雄実Jbは、図1に示すように、凹部Cに嵌る凸部Rを有している。ここで、凸部Rは、図1に示すように、その先端側(図中のX方向の負側)に向かって基材10の厚さ方向(図中Y方向)に沿う幅が次第に狭まるように頂部Hを挟んだ両側の側面が傾斜している。なお、凸部Rの側面の基材10の表面に対する傾斜角度は、図1に示すように、(凸部Rに嵌合する)凹部Cの側面の基材10の表面に対する傾斜角度と同じになっている。
【0025】
上記構成の基材10において、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLは、例えば、5mm程度であり、図1に示すように、基材10の一方(図中Y方向の負側)の表面から頂部Hの基材10の他方の表面側(図中Y方向の正側)までの厚さTa、好ましくは基材10の厚さTbよりも大きくなっている。
【0026】
突板15は、例えば、ブナ、ホオ、サクラ、カバ、カツラ、シナ等の散孔材、又はナラ、ホワイトオーク等の環孔材により厚さ0.2mm~0.4mmに形成されている。また、突板15としては、含水率10%以下のいわゆる乾燥突板を使用する。この含水率は、いわゆる絶乾含水率であり、水分量/絶乾質量×100(%)で定義される。ここで、含水率の高いいわゆる生突板(高含水率突板)を貼り付ける場合には、熱圧プレスによる多量の熱量で一気に水分を揮発させるが、本実施形態では、基材10の熱変形を発生させないように、常温(例えば10℃~45℃程度の気温雰囲気温度条件下)又は瞬間的な熱圧(例えば100℃~130℃の熱板で5秒~10秒程度の圧締)でプレスするため、水分が飛び難い。そのため、突板15として生突板を使用すると、突板の含水率が高すぎて、突板が変色する等のおそれがある。また、突板15の厚さが0.2mmよりも薄い場合には、均一な厚さの突板15を生産し難くなるだけでなく、乾燥により突板15が割れ易くなるので、安定的な生産が困難である。また、突板15の厚さが0.4mmよりも厚い場合には、湿度による伸び縮みが大きくなるので、乾燥及び湿潤の繰り返しにより床材50aに反りが発生して、突板15が剥がれるおそれがある。なお、突板15は、基材10の一方の表面に、例えば、ポリウレタン系の反応性ホットメルト接着剤等を用いて接着されている。
【0027】
防水シート20aは、例えば、厚さ150μm程度のオレフィン樹脂等の樹脂フィルムにより形成されている。なお、防水シート20aは、突板15の表面に、例えば、ポリウレタン系の反応性ホットメルト接着剤等を用いて接着されている。
【0028】
保護層30は、図1に示すように、例えば、アクリル系樹脂等により形成された保護層本体と、その保護層本体中に分散して含有されたガラス製で中実又は中空の球状のビーズBとを備え、厚さ10μm~20μm程度に設けられている。ここで、保護層30は、例えば、アクリル系樹脂等にビーズBを添加した塗工液を防水シート20aの表面に塗工し、乾燥及び硬化して形成されている。
【0029】
ビーズBの平均粒径は、保護層30の厚さの1.0倍から1.5倍になっている。ここで、ビーズBの平均粒径が保護層30の厚さの1.0倍よりも小さい場合には、ビーズBが保護層30内に埋没し易くなり、防滑性能及び耐傷性能が低下してしまう。また、ビーズBの平均粒径が保護層30の厚さの1.5倍よりも大きい場合には、保護層30からビーズBが脱落し易くなり、防滑性能及び耐傷性能が低下すると共に、保護層30のビーズBの脱落した窪みに汚れが溜まり易くなってしまう。
【0030】
上述した床材50aは、例えば、コンクリートスラブ等の床下地Fに直接施工されて、床材施工構造Sを構成している。ここで、床材施工構造Sは、図1に示すように、床下地Fと、雌実Ja及び雄実Jbにより互いに嵌合するように設置された複数の床材50aとを備え、床下地F及び複数の床材50aの間に変成シリコーン系等の接着剤5が設けられている。
【0031】
次に、本実施形態の床材50aの製造方法について説明する。なお、本実施形態の床材50aの製造方法は、基材形成工程、貼付工程、小割工程、面取加工工程、実加工工程及び塗装工程を備える。
【0032】
<基材形成工程>
混錬物の総量に対して、20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを、例えば、ニーダー混錬機やロール混錬機により、混錬した後に、押出成形により金型から板状の成形体として押し出し、その板状の成形体を冷却しながら金属製の回転ロールで厚み調整することにより、厚さ4mm~6mmの基材(10)を形成する。ここで、炭酸カルシウムは、塩化ビニル樹脂と均一に混錬させるために、平均粒径D50が0.1μm~10μmのものを用いることが好ましいが、混錬の過程で炭酸カルシウムの粒子同士が擦れ合うことにより、粒径がさらに細かくなる。
【0033】
<貼付工程>
上記基材形成工程で形成された基材(10)の一方の表面に、例えば、ポリウレタン系の反応性ホットメルト接着剤等を塗布した後に、含水率10%以下の厚さ0.2mm~0.4mmの突板(15)を貼り付け、続いて、例えば、ポリウレタン系の反応性ホットメルト接着剤等を塗布した後に、防水シート(20a)を貼り付け、さらに、常温で圧締(1MPa~10MPa程度の荷重で加圧)して積層一体化することにより、貼付体を形成する。ここで、常温とは、加熱や冷却等を行わない平常の気温雰囲気温度であり、例えば、冬場10℃~夏場45℃の範囲の温度である。
【0034】
<小割工程>
上記貼付工程で形成された貼付体を、例えば、回転鋸等の加工機を用いて所定サイズに切断することにより、平面視で複数に分割して平面視で矩形状の分割体を形成する。
【0035】
<面取加工工程>
上記小割工程で形成された分割体の防水シート(20a)側の表面の四周縁に、例えば、回転鋸等を用いて、面取り加工を行うことにより、面取加工体を形成する。
【0036】
<実加工工程>
上記面取加工工程で形成された面取加工体の4周の端面に、例えば、回転鋸等の加工機を用いて、雄実Ja又は雌実Jbを形成して、実加工を行うことにより、実加工体を形成する。
【0037】
<塗装工程>
上記実加工工程で形成された実加工体における防水シート20aの表面に、例えば、ビーズBが含有されたアクリル系樹脂等からなる紫外線硬化塗料を塗装した後に、その紫外線硬化塗料を紫外線の照射により硬化させて、保護層30を形成する。
【0038】
以上のようにして、本実施形態の床材50aを製造することができる。
【0039】
次に、本実施形態の床材50aの施工方法について説明する。
【0040】
まず、床下地Fの表面に、例えば、変成シリコーン系等の接着剤5をビート状に塗布した後に、最初の床材50aを設置する。
【0041】
続いて、最初の床材50aの雌実Jaの下顎部10bの上面に、次順の床材50aの雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの下端が当接するように、最初の床材50aに対して次順の床材50aを斜め上方から近づける。
【0042】
さらに、最初の床材50aの下顎部10bの上面に次順の床材50aの頂部Hの下端を当接させた状態で、最初の床材50aの下顎部10bの上面において次順の床材50aの頂部Hを滑らすように移動させると共に、最初及び次順の床材50a同士が同一平面になるように次順の床材50aを倒すことにより、最初の床材50aの雌実Jaの凹部Cに次順の床材50aの雄実Jbの凸部Rを嵌め込む。
【0043】
その後、上述した工程を繰り返すことにより、床材施工構造Sを形成することができ、本実施形態の床材50aを施工することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の床材50aによれば、厚さ4mm~6mmの平面視で矩形板状の基材10が、可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを含有しているので、寸法安定性に優れた硬質のいわゆるSPC基材を構成することができる。そして、基材10において、平面視で対向する一対の長辺(短辺)の一方に沿う側端部に凹部Cを有する雌実Jaが設けられ、平面視で対向する一対の長辺(短辺)の他方に沿う側端部に凹部Cに嵌る凸部Rを有する雄実Jbが設けられている。ここで、雌実Jaは、雄実Jbの凸部Rが嵌る凹部Cと、凹部Cの基材10の一方の表面側に設けられた上顎部10aと、凹部Cの基材10の他方の表面側に設けられ、上顎部10aよりも凹部Cの開口側に突出する下顎部10bとを有し、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLが基材10の一方の表面から頂部Hの基材10の他方の表面側までの厚さTaよりも大きくなっている。そのため、床下地F上に接着剤5を介して複数の床材50aを順々に貼る際には、例えば、既に貼り付けた床材50a(の雌実Ja)に対して次順に貼り付ける床材50a(の雄実Jb)を斜め上方から近づけることにより、既に貼り付けた床材50aの雌実Jaにおける下顎部10bの(基材10の一方の表面側の)上面に次順に貼り付ける床材50aの雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの(基材10の他方の表面側の)下端を確実に当接することができる。さらに、雌実Jaの凹部Cは、その開口側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部Gを挟んだ両側の側面が傾斜し、雄実Jbの凸部Rは、その先端側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部Hを挟んだ両側の側面が傾斜しているので、雌実Jaにおける凹部Cの下側の側面(下顎部10bの上面)に雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの下端を滑らすように移動させると共に、床材50a同士が同一平面になるように次順に貼り付ける床材50aを倒す(寝かす)ことにより、雌実Jaの凹部Cに雄実Jbの凸部Rを容易に嵌めることができる。これにより、既に貼り付けた床材50aの雌実Jaの所定箇所(下顎部10aの上面)に対して次順に貼り付ける床材50aの雄実Jbの所定箇所(凸部Rの頂部Hの下端)を確実に当接することができると共に、雌実の凹部Cに雄実の凸部Rを容易に嵌めることができるので、雌実Jaと雄実Jbとを嵌合させ易くして、施工性を向上させることができる。また、雌実Jaの凹部Cは、その開口側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部Gを挟んだ両側の側面が傾斜し、雄実Jbの凸部Rは、その先端側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部Hを挟んだ両側の側面が傾斜しているので、雌実Jaの上顎部10a及び下顎部10b、並びに雄実Jbの凸部Rにおける基部の強度が確保され、それらの破損を抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態の床材50aによれば、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLが基材10の厚さTbよりも大きくなっているので、既に貼り付けた床材50aの雌実Jaにおける下顎部10bの(基材10の一方の表面側の)上面に次順に貼り付ける床材50aの雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの(基材10の他方の表面側の)下端をよりいっそう確実に当接することができる。
【0046】
また、本実施形態の床材50aによれば、基材10の一方の表面には、ガラス製の球状のビーズBを含む保護層30が設けられ、ビーズBの平均粒径が保護層30の厚さの1.0倍から1.5倍であるので、保護層30の表面が球状のビーズBに起因して凹凸状になり、床材50aを土足で踏んだ際の靴底の削れを抑制して、防滑性能を付与することができると共に、塗膜表面の耐傷性能を付与することができる。また、ビーズBが所定サイズ(平均粒径が保護層の厚さの1.0倍~1.5倍)の球状であるので、保護層30の表面に汚れが付着し難く、仮に表面に汚れが付着しても、その汚れを容易にふき取ることができる。
【0047】
また、本実施形態の床材50aによれば、保護層30及び基材10の間に基材10側から突板15及び防水シート20aが順に設けられているので、突板15により床材50aの表面に意匠性を付与することができると共に、防水シート20aにより吸水による突板15の変色を抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態の床材50aを備えた床材施工構造Sによれば、床下地Fと、互いに嵌合するように設置された複数の床材50aとの間に変成シリコーン系の接着剤5が設けられているので、高粘度の変成シリコーン系の接着剤5により複数の床材50aの不陸調整を行うことができる。また、各床材50aでは、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLが基材10の一方の表面から頂部Hの基材10の他方の表面側までの厚さTa及び基材10の厚さTbよりも大きくなっているので、床材50aの裏面に配置する変成シリコーン系の接着剤5の床材50aの表面へのはみ出しを抑制することができる。
【0049】
《第2の実施形態》
図2は、本発明に係る床材及び床材施工構造の第2の実施形態を示している。ここで、本実施形態の床材50bの断面図である。なお、以下の実施形態において、図1と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0050】
上記第1の実施形態では、基材10及び保護層30の間に突板15及び防水シート20aが設けられた床材50aを例示したが、本実施形態では、基材10及び保護層30の間に化粧シート20bが設けられた床材50bを例示する。
【0051】
床材50bは、図2に示すように、基材10と、基材10上に順に設けられた防水シート20b及び保護層30とを備えている。
【0052】
化粧シート20bは、例えば、厚さ150μm程度のオレフィン樹脂等の樹脂フィルムにより形成されている。ここで、化粧シート20bには、例えば、木目や石目等が印刷されている。なお、化粧シート20bは、基材10の一方の表面に、例えば、ポリウレタン系の反応性ホットメルト接着剤等を用いて接着されている。
【0053】
上述した床材50bは、上記第1の実施形態の床材50aと同様に、例えば、コンクリートスラブ等の床下地Fに直接施工されて、床材施工構造Sを構成している。ここで、床材施工構造Sは、床下地Fと、雌実Ja及び雄実Jbにより互いに嵌合するように設置された複数の床材50bとを備え、床下地F及び複数の床材50bの間に変成シリコーン系等の接着剤5が設けられている。
【0054】
本実施形態の床材50bは、上記第1の実施形態の床材50aの製造方法における貼付工程において、突板(15)の貼り付けを省略し、防水シート(20a)の代わりに化粧シート(20b)を貼り付けることにより、製造することができる。
【0055】
また、本実施形態の床材50bは、上記第1の実施形態の床材50bの施工方法と同様に、施工することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の床材50bによれば、厚さ4mm~6mmの平面視で矩形板状の基材10が、可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを含有しているので、寸法安定性に優れた硬質のいわゆるSPC基材を構成することができる。そして、基材10において、平面視で対向する一対の長辺(短辺)の一方に沿う側端部に凹部Cを有する雌実Jaが設けられ、平面視で対向する一対の長辺(短辺)の他方に沿う側端部に凹部Cに嵌る凸部Rを有する雄実Jbが設けられている。ここで、雌実Jaは、雄実Jbの凸部Rが嵌る凹部Cと、凹部Cの基材10の一方の表面側に設けられた上顎部10aと、凹部Cの基材10の他方の表面側に設けられ、上顎部10aよりも凹部Cの開口側に突出する下顎部10bとを有し、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLが基材10の一方の表面から頂部Hの基材10の他方の表面側までの厚さTaよりも大きくなっている。そのため、床下地F上に接着剤5を介して複数の床材50bを順々に貼る際には、例えば、既に貼り付けた床材50b(の雌実Ja)に対して次順に貼り付ける床材50b(の雄実Jb)を斜め上方から近づけることにより、既に貼り付けた床材50bの雌実Jaにおける下顎部10bの(基材10の一方の表面側の)上面に次順に貼り付ける床材50bの雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの(基材10の他方の表面側の)下端を確実に当接することができる。さらに、雌実Jaの凹部Cは、その開口側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部Gを挟んだ両側の側面が傾斜し、雄実Jbの凸部Rは、その先端側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部Hを挟んだ両側の側面が傾斜しているので、雌実Jaにおける凹部Cの下側の側面(下顎部10bの上面)に雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの下端を滑らすように移動させると共に、床材50b同士が同一平面になるように次順に貼り付ける床材50bを倒す(寝かす)ことにより、雌実Jaの凹部Cに雄実Jbの凸部Rを容易に嵌めることができる。これにより、既に貼り付けた床材50bの雌実Jaの所定箇所(下顎部10aの上面)に対して次順に貼り付ける床材50bの雄実Jbの所定箇所(凸部Rの頂部Hの下端)を確実に当接することができると共に、雌実の凹部Cに雄実の凸部Rを容易に嵌めることができるので、雌実Jaと雄実Jbとを嵌合させ易くして、施工性を向上させることができる。また、雌実Jaの凹部Cは、その開口側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部Gを挟んだ両側の側面が傾斜し、雄実Jbの凸部Rは、その先端側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部Hを挟んだ両側の側面が傾斜しているので、雌実Jaの上顎部10a及び下顎部10b、並びに雄実Jbの凸部Rにおける基部の強度が確保され、それらの破損を抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態の床材50bによれば、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLが基材10の厚さTbよりも大きくなっているので、既に貼り付けた床材50bの雌実Jaにおける下顎部10bの(基材10の一方の表面側の)上面に次順に貼り付ける床材50bの雄実Jbにおける凸部Rの頂部Hの(基材10の他方の表面側の)下端をよりいっそう確実に当接することができる。
【0058】
また、本実施形態の床材50bによれば、基材10の一方の表面には、ガラス製の球状のビーズBを含む保護層30が設けられ、ビーズBの平均粒径が保護層30の厚さの1.0倍から1.5倍であるので、保護層30の表面が球状のビーズBに起因して凹凸状になり、床材50bを土足で踏んだ際の靴底の削れを抑制して、防滑性能を付与することができると共に、塗膜表面の耐傷性能を付与することができる。また、ビーズBが所定サイズ(平均粒径が保護層の厚さの1.0倍~1.5倍)の球状であるので、保護層30の表面に汚れが付着し難く、仮に表面に汚れが付着しても、その汚れを容易にふき取ることができる。
【0059】
また、本実施形態の床材50bによれば、保護層30及び基材10の間に化粧シート20bが設けられているので、化粧シート20bにより床材50bの表面に意匠性を付与することができる。
【0060】
また、本実施形態の床材50bを備えた床材施工構造Sによれば、床下地Fと、互いに嵌合するように設置された複数の床材50bとの間に変成シリコーン系の接着剤5が設けられているので、高粘度の変成シリコーン系の接着剤5により複数の床材50bの不陸調整を行うことができる。また、各床材50bでは、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLが基材10の一方の表面から頂部Hの基材10の他方の表面側までの厚さTa及び基材10の厚さTbよりも大きくなっているので、床材50bの裏面に配置する変成シリコーン系の接着剤5の床材50bの表面へのはみ出しを抑制することができる。
【0061】
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、平面視で長方形状の基材の短辺及び長辺に沿う4周の端面に実加工が施された床材を例示したが、本発明は、例えば、平面視で長方形状の基材の長辺又は短辺に沿う2辺の端面に実加工が施された床材等にも適用することができる。
【0062】
また、上記各実施形態では、平面視で長方形状の基材の端面に実加工が施された床材を例示したが、本発明は、例えば、平面視で正方形状の基材の端面に実加工が施された床材等にも適用することができる。
【0063】
また、上記各実施形態では、平面視で長方形状の基材を備えた床材を例示したが、本発明は、例えば、平面視で対向する一対の辺があり、それらの一対の辺の両端部が曲線でそれぞれ連結された形状の基材を備えた床材等にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、本発明は、雌実と雄実とを嵌合させ易くして、施工性を向上させることができるので、極めて有用である。
【符号の説明】
【0065】
B ビーズ
C 凹部
F 床下地
G 底部
H 頂部
Ja 雌実
Jb 雄実
R 凸部
S 床材施工構造
5 接着剤
10 基材
10a 上顎部
10b 下顎部
15 突板
20a 防水シート
20b 化粧シート
30 保護層
50a,50b 床材
【要約】
【課題】雌実と雄実とを嵌合させ易くして、施工性を向上させる。
【解決手段】可塑剤を含まない20質量%~30質量%の塩化ビニル樹脂と、70質量%~80質量%の炭酸カルシウムとを含有し、厚さ4mm~6mmの基材10を備え、基材10の平面視で対向する一対の辺に沿う側端部に凹部Cを有する雌実Ja及び凸部Rを有する雄実Jbが設けられ、雌実Jbは、凹部C、上顎部10a及び下顎部10bを有し、凹部Cは、開口側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に広がるように底部Gを挟んだ両側の側面が傾斜し、凸部Rは、先端側に向かって基材10の厚さ方向に沿う幅が次第に狭まるように頂部Hを挟んだ両側の側面が傾斜し、上顎部10aから突出する下顎部10bの長さLは、基材10の一方の表面から頂部Hの基材10の他方の表面側までの厚さTaよりも大きくなっている。
【選択図】図1
図1
図2