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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-24
(45)【発行日】2025-07-02
(54)【発明の名称】ツール清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/14 20240101AFI20250625BHJP
   B08B 1/12 20240101ALI20250625BHJP
   B08B 1/34 20240101ALI20250625BHJP
【FI】
B08B1/14
B08B1/12
B08B1/34
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024053833
(22)【出願日】2024-03-28
【審査請求日】2024-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 勝己
(72)【発明者】
【氏名】千葉 美一
(72)【発明者】
【氏名】久冨 裕太郎
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-157519(JP,U)
【文献】特開2001-314823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/14
B08B 1/12
B08B 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円形の切断用ツールを清掃するツール清掃装置であって、
前記切断用ツールを保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記切断用ツールを清掃する清掃機構とを備え、
前記清掃機構は、前記切断用ツールの表面に付着した異物を払拭する帯状シートを送り出す送り出し部と、送り出した前記帯状シートを回収する回収部とを有
前記ツール清掃装置は、前記切断用ツールを把持可能なハンドリングロボットの作業エリア内に設けられ、
前記清掃機構は、前記保持部に保持された前記切断用ツールに接触する清掃位置と、前記ハンドリングロボットが前記切断用ツールを移動させる際の前記切断用ツールの経路外となる退避位置との間で移動するように構成されている、ツール清掃装置。
【請求項2】
前記ツール清掃装置は、
前記切断用ツールを周方向に沿って回転させることにより、前記切断用ツールの表面に付着した異物を前記帯状シートに払拭させる回転機構をさらに備えている、請求項1に記載のツール清掃装置。
【請求項3】
前記ツール清掃装置は、
前記切断用ツールの表面に沿って前記帯状シートが配置されるように前記帯状シートを案内する案内部をさらに備え、
前記案内部は、前記帯状シートを前記切断用ツールの周面に接触させる第1の部分と、前記帯状シートを前記切断用ツールの径方向と直交する軸方向における端面に接触させる第2の部分とを備えている、請求項1に記載のツール清掃装置。
【請求項4】
前記清掃機構は、
前記切断用ツールの表面に付着した異物を除去するブラッシング部をさらに備え、
前記回転機構は、前記ブラッシング部が前記切断用ツールの表面に接触した状態で前記切断用ツールを回転させることにより、前記切断用ツールの表面に付着した異物を前記ブラッシング部に除去させるように構成され、
前記ブラッシング部は、前記帯状シートが前記切断用ツールに付着した異物を払拭する前に、前記切断用ツールの表面に接触して異物を除去するように構成されている、請求項2に記載のツール清掃装置。
【請求項5】
前記ハンドリングロボットは、切断装置の、切断用ツールが装着される軸部と、前記軸部から取り外された前記切断用ツールを保管する保管部との間で、前記切断用ツールを移動させるように構成されたツール交換装置であり、
前記ハンドリングロボットは、前記軸部と、前記保管部と、前記ツール清掃装置の保持部との間で、前記切断用ツールを移動可能に構成される、請求項に記載のツール清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツール清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属板等の切断対象物を切断する切断装置において用いられる略円形状の切断用ツール(たとえば、略円形状の刃物、略円形状のスペーサ)には、切断工程において切粉等の異物が付着する。異物が付着したまま切断工程を継続すると、切断の精度が低下する可能性がある。特許文献1には、切断用ツールに付着した金属屑粉等の異物を除去する除塵装置が開示されている。特許文献1に記載の除塵装置は、走行金属板を切断する切断装置の切断用ツールの周面および側面に接して異物を払拭する除塵具を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭58-157519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の除塵具は、フェルト、皮、綿布等により構成されており、定期的に交換する必要がある。また、除塵具を交換する際、切断装置の稼働を止める必要がある。このため、特許文献1に記載の除塵装置は、除塵具のメンテナンス性が低く、切断装置の切断工程における生産性の低下を招きやすいという課題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて、切断用ツールの表面に付着した異物を除去するツール清掃装置において、異物の除去性能を維持するためのメンテナンス性を向上させることが可能なツール清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のツール清掃装置は、略円形の切断用ツールを清掃するツール清掃装置であって、前記切断用ツールを保持する保持部と、前記保持部に保持された前記切断用ツールを清掃する清掃機構とを備え、前記清掃機構は、前記切断用ツールの表面に付着した異物を払拭する帯状シートを送り出す送り出し部と、送り出した前記帯状シートを回収する回収部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、切断用ツールの表面に付着した異物を除去するツール清掃装置において、異物の除去性能を維持するためのメンテナンス性を向上させることが可能なツール清掃装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るツール清掃装置が用いられる切断システムの構成を模式的に示す斜視図である。
図2図1に示される切断システムのツール清掃装置において、保持部によって切断用ツールが保持され、清掃機構が切断用ツールから退避している状態を示す斜視図である。
図3図1に示される切断システムのツール清掃装置において、保持部によって切断用ツールが保持され、清掃機構のブラッシング部が切断用ツールの表面に接触している状態を示す斜視図である。
図4図1に示される切断システムのツール清掃装置において、保持部によって切断用ツールが保持され、清掃機構の払拭部が切断用ツールの表面に接触している状態を示す斜視図である。
図5A図1に示される切断システムにおいて、ハンドリングロボットによって仮組軸装置から切断用ツールを取り外した状態を模式的に示す図である。
図5B図5Aに示された状態から変化して、ハンドリングロボットによって切断用ツールをツール清掃装置に取り付けた状態を模式的に示す図である。
図6】ハンドリングロボットの一例を示す図であり、ハンドリングロボットが切断用ツールを把持している状態を示す図である。
図7A図1に示される切断システムにおいて、ハンドリングロボットによって保管部から切断用ツールを取り出した状態を模式的に示す図である。
図7B図7Aに示された状態から変化して、ハンドリングロボットによって切断用ツールをツール清掃装置に取り付けた状態を模式的に示す図である。
図8図1に示されるツール清掃装置の清掃機構が切断用ツールの表面に接触している状態を模式的に示す斜視図である。
図9図1に示されるツール清掃装置の清掃機構におけるブラッシング部が切断用ツールの表面に接触している状態を模式的に示す斜視図である。
図10図1に示される清掃機構の払拭部(第1の払拭部)が切断用ツールの表面から離間している状態を模式的に示す斜視図である。
図11図1に示される清掃機構の払拭部(第1の払拭部)が切断用ツールの表面に接触している状態を模式的に示す斜視図である。
図12図1に示される清掃機構の払拭部(第2の払拭部)が切断用ツールの表面から離間している状態を模式的に示す斜視図である。
図13図1に示される清掃機構の払拭部(第2の払拭部)が切断用ツールの表面に接触している状態を模式的に示す斜視図である。
図14】清掃機構の変形例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態のツール清掃装置を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明のツール清掃装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態に係るツール清掃装置1(図1図4参照)は、略円形の切断用ツールTL(図2図4参照)を清掃する装置である。切断用ツールTLは、金属板等の切断対象物Wを切断する部材である。切断用ツールTLは、切断工程において切断対象物Wを切断した際に、切粉等の異物が付着する場合がある。また、切断用ツールTLの表面に潤滑油等の潤滑剤が塗布される場合には、潤滑剤に切粉が混じった状態となり得る。また、切断用ツールTLの表面には、錆が発生する場合もある。本実施形態に係るツール清掃装置1(図1図4参照)は、後述するように、切断用ツールTLの表面に存在する異物(たとえば、切粉、錆等)を除去可能に構成されている。切断用ツールTLは、本実施形態では、金属板等の切断対象物Wを切断する刃物BLであり、切断用ツールが刃物BLである場合を例に挙げて説明する。しかし、切断用ツールTLは、刃物BLに限定されず、切断装置において複数の刃物BLの間隔を保持するスペーサ等の中間部材ME(図5A等参照)を含んでいてもよい。切断用ツールTLは、軸方向D1に貫通する貫通孔を有する円筒状に形成されている。また、後述するように、切断用ツールTLは、貫通孔に面する内周面が、後述するハンドリングロボット202により把持され、ツール清掃装置1の後述する保持部2によって保持され得る。
【0011】
本実施形態では、ツール清掃装置1は、図1に示されるように、略円形の切断用ツールTLを把持可能なハンドリングロボット202の作業エリアAR内に設けられる。本実施形態では、ハンドリングロボット202は、切断装置の切断用ツールTLを交換するツール交換装置を構成するロボットである。具体的には、ハンドリングロボット202は、切断装置CDの、切断用ツールTLが装着される軸部と、当該軸部から取り外された切断用ツールTLを保管する保管部203との間で、切断用ツールTLを移動させるように構成されたツール交換装置である。本実施形態では、ハンドリングロボット202は、軸部201a(図5Aおよび図5B参照)と、保管部203と、ツール清掃装置1の後述する保持部203との間で、切断用ツールTLを移動可能に構成されている。このように、ハンドリングロボット202は、作業エリアAR内で切断用ツールTLの交換作業を行うように構成されている。「ハンドリングロボット202の作業エリアAR」とは、ハンドリングロボット202が作業を行うことが可能な領域である。
【0012】
本実施形態では、ツール清掃装置1は、図1に示されるように、金属板等の切断対象物Wを刃物等の切断用ツールTLによって切断する切断システムCSにおいて、切断用ツールTLを清掃する装置として用いられる。本実施形態では、ツール清掃装置1は、切断用ツールTLにおいて、少なくとも、切断の精度に影響する可能性のある部分を清掃するように構成されている。本実施形態では、ツール清掃装置1は、切断用ツールTLの全面(径方向D4(図10図13参照)に直交する軸方向D5(図10図13参照)における両端面BL4、内周面BL8、および外周面BL2(図10図13参照))を清掃するように構成されている。なお、ツール清掃装置1は、切断用ツールTLにおいて、切断の精度に影響する可能性のある部分を清掃できるのであれば、清掃の対象となる部分は特に限定されない。たとえば、ツール清掃装置1は、刃物BLの刃先BL1(図10図13参照)および刃先BL1付近の部位のみを清掃するように構成されていてもよい。また、ツール清掃装置1の設置場所は切断システムCSの稼働エリアに限定されない。ツール清掃装置1は、たとえば、切断用ツールTLを清掃する専用設備、または、切断用ツールTLのリサイクル設備等に設置されてもよい。
【0013】
切断システムCSの切断対象物Wは、略円形の刃物BLによって切断可能なものであれば特に限定されないが、たとえば、鋼板等の金属板である。図1に示される例では、切断システムCSは、切断対象物Wとしての帯状の金属板をスリット、すなわち、帯幅方向に分割するように切断(長さ方向に沿って切断)する。以下の説明では、切断対象物Wが帯状の金属板(以下、帯板Wとも称する)である場合について説明する。
【0014】
切断システムCSは、図1に示される例では、帯板Wをスリットする切断装置CDと、刃物BLを交換する刃替システムESと、刃物BL等の切断用ツールTLを清掃するツール清掃装置1とを備えている。刃替システムESは、所定のパターンの切断用ツールTLのセットが取り付けられる軸部201a(図5Aおよび図5B参照)を備えた仮組軸装置201と、切断用ツールTLを把持して、搬送するハンドリングロボット202と、切断用ツールTLを保管する保管棚等の保管部203とを備えている。ハンドリングロボット202によって、切断用ツールTLが、保管部203と軸部201aとの間で搬送され、切断用ツールTLが交換される。所定のパターンの切断用ツールTLのセットが軸部201aに取り付けられると、軸部201aを備えた仮組軸装置201が切断装置CDの位置まで移動し、切断装置CDに所定のパターンの切断用ツールTLのセットが取り付けられる。また、切断装置CDにおいて使用された使用済みの切断用ツールTLのセットは、仮組軸装置201の軸部201aによって回収され、仮組軸装置201がハンドリングロボット202の作業エリアAR内に位置する際に、ハンドリングロボット202によって、保管部203へと移動されて保管される。
【0015】
ハンドリングロボット202は、図5Aおよび図5Bに示されるように、切断用ツールTLを把持して、切断用ツールTLを搬送するように構成されている。ハンドリングロボット202は、台座部202aと、複数の関節を有し、台座部202aに回転駆動可能に固定されるアーム部202bと、アーム部202bの先端部に設けられ、刃物BLを把持する複数のフィンガー202cとを備えている。ハンドリングロボット202は、複数のフィンガー202cによって刃物BLを把持し、アーム部202bの動作によって刃物BLを搬送する。
【0016】
ハンドリングロボット202は、図6に示されるように、3つのフィンガー202cを備えている。各フィンガー202cは、図5Aおよび図5Bに示されるように、アーム部202bの先端部から略水平方向に沿って延びるように配置されている。本実施形態では、ハンドリングロボット202は、図6に示されるように、刃物BLの内周面のうち、上部において当接する2つのフィンガー202cと、下部において当接する1つのフィンガー202cとを有している。具体的には、ハンドリングロボット202は、各フィンガー202cの先端側から見て、逆二等辺三角形の底辺を挟む2つの頂点に対応する位置と、当該底辺よりも下方で、かつ逆二等辺三角形の残りの頂点に対応する位置とに配置されている。3つのフィンガー202cは、ツール清掃装置1に接近して、ツール清掃装置1との間で刃物BLの受け渡しを行う際に、図6に示されるように、ツール清掃装置1の後述する上側支持部21および下側支持部22と干渉しない位置に配置される。具体的には、たとえば、上側支持部21が上側の2つのフィンガー202cの水平方向の間に位置し、かつ上側支持部21が上側の2つのフィンガー202cから離間した状態となるように、上側の2つのフィンガー202cが配置される。また、下側の1つのフィンガー202cが2つの下側支持部22の水平方向の間に位置し、かつ下側の1つのフィンガー202cが2つの下側支持部22から離間した状態となるように、下側の1つのフィンガー202cが配置される。3つのフィンガー202cは、刃物BLの貫通孔BL7内に配置され、上側の2つのフィンガー202cと下側の1つのフィンガー202cとが互いに離間する方向に移動して、刃物BLの貫通孔に面する内周面を押圧することにより、刃物BLを把持する。また、刃物BLの受け渡しの際、3つのフィンガー202cは、刃物BLの貫通孔BL7内に配置され、上側の2つのフィンガー202cと下側の1つのフィンガー202cとが互いに接近する方向に移動して、刃物BLの貫通孔BL7に面する内周面BL8への押圧を解除することにより、刃物BLの把持を解除する(刃物BLをリリースする)。
【0017】
ハンドリングロボット202は、たとえば、仮組軸装置201の軸部201aに装着された刃物BLを取り出し(図5A参照)、取り出した刃物BLをツール清掃装置1における後述の保持部2に装着する(図5B参照)。また、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1の保持部2に装着された清掃済の刃物BLを、仮組軸装置201の軸部201aに装着する。また、ハンドリングロボット202は、保管部203(図7A参照)から未清掃の刃物BLを取り出し、取り出した刃物BLをツール清掃装置1の保持部2に装着する(図7B参照)。また、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に装着された清掃済の刃物BLを保管部203(図1参照)へ格納する(保管部203に戻す)。
【0018】
ツール清掃装置1は、図2図4に示されるように、保持部2と、清掃機構3とを備えている。
【0019】
保持部2は、切断用ツールTLを保持する。図2図4および図6に示される例では、保持部2は、刃物BLを保持している。なお、保持部2は、刃物BLに代えて、中間部材MEを保持してもよい。保持部2は、切断用ツールTLを保持することができるのであれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では、保持部2は、切断用ツールTLの軸方向が略水平方向を向くように保持する。具体的には、図2図4に示されるように、保持部2は、切断用ツールTLの軸方向が略水平方向を向くように配置された切断用ツールTLの内周面に当接した状態で、切断用ツールTLを吊り下げて保持している。保持部2は、切断用ツールTLの内周面のうち上側内周面(たとえば、図6に示される例では、刃物BLの上側内周面BL81)を支持する上側支持部21と、切断用ツールTLの内周面のうち下側内周面(たとえば、図6に示される例では、刃物BLの下側内周面BL82)を支持する下側支持部22とを有している。上側支持部21は、切断用ツールTLの厚さ(軸方向の長さ)よりも長い長さを有する。下側支持部22は、切断用ツールTLの厚さよりも長い長さを有する。保持部2は、上側支持部21を上側内周面BL81に当接させ、下側支持部22を下側内周面BL82に当接させることにより、切断用ツールTLを支持することができる。本実施形態では、上側支持部21および下側支持部22は、円柱状に構成されている。上側支持部21および下側支持部22は、後述するように、長さ方向に延びる中心軸周りに回転(自転)するように構成されている。これにより、上側支持部21および下側支持部22は、後述するように、切断用ツールTLを切断用ツールTLの軸周りに回転させることができる。なお、図6では、下側支持部22が切断用ツールTLの内周面に接触し、下側のフィンガー202cが切断用ツールTLの内周面に接触した状態となっているが、実際には、下側支持部22および下側のフィンガー202cは同じタイミングでは切断用ツールTLの内周面に接触しない。たとえば、下側支持部22が切断用ツールTLの内周面に接触しているときには、下側のフィンガー202cは切断用ツールTLの内周面から離間している。下側のフィンガー202cが切断用ツールTLの内周面に接触しているときには、下側支持部22は切断用ツールTLの内周面から離間している。
【0020】
保持部2は、本実施形態では、上側支持部21および/または下側支持部22を移動させる駆動機構(図示せず)を備えている。上側支持部21および下側支持部22は、駆動機構によって、切断用ツールTLを把持する把持位置と、切断用ツールTLの把持が解除される把持解除位置との間で移動可能に構成される。駆動機構は、シリンダ装置またはモータ等の駆動源の動力を用いて、上側支持部21および/または下側支持部22を移動させるように構成されている。具体的には、たとえば、駆動機構は、上側支持部21と下側支持部22とを、上下方向に沿って相対的に接近および離間する方向へ移動させるように構成されている。上側支持部21と下側支持部22とが、相対的に接近する方向へ移動することにより、上側支持部21および下側支持部22が把持解除位置に位置付けられ、上側支持部21および下側支持部22のうち、上側支持部21のみによって切断用ツールTLが支持される状態とすることができる。また、上側支持部21と下側支持部22とが、相対的に離間する方向へ移動することにより、上側支持部21および下側支持部22が把持位置に位置付けられ、上側支持部21および下側支持部22の両方が切断用ツールTLの内周面(たとえば、刃物BLの内周面BL8)を互いに反対の方向へ押圧する。これにより、上側支持部21および下側支持部22によって切断用ツールTL(たとえば刃物BL)を固定して支持することができる。
【0021】
上側支持部21の数および下側支持部22の数は、切断用ツールTLを保持することができ、かつ、ハンドリングロボット202との間で切断用ツールTLの受け渡しを行う際にハンドリングロボット202と干渉しないのであれば、特に限定されない。たとえば、図2図4に示される例では、上側支持部21の数が1つであり、下側支持部22の数が2つである。また、上側支持部21の位置および下側支持部22の位置は、切断用ツールTLを保持することができ、かつ、ハンドリングロボット202との間で切断用ツールTLの受け渡しを行う際にハンドリングロボット202と干渉しないのであれば、特に限定されない。たとえば、図2図4に示される例では、上側支持部21の長さ方向(軸方向D1)に沿った方向から見て、2つの下側支持部22のうちの一方が、1つの上側支持部21に対して斜め下方に位置しており、2つの下側支持部22のうちの他方が、上側支持部21に対して、一方の下側支持部22とは反対側の斜め下方に位置している。そして、2つの下側支持部22は、二等辺三角形の底辺を挟む2つの頂点に対応する位置に配置され、1つの上側支持部21は、上記二等辺三角形の残りの頂点に対応する位置に配置されている。
【0022】
ハンドリングロボット202から保持部2へ切断用ツールTLの受け渡しを行う場合には、たとえば、以下のように受け渡しを行うことができる。ここでは、受け渡し前の状態として、ハンドリングロボット202が切断用ツールTLを把持している状態を想定する。この状態から、たとえば、まず、保持部2の上側支持部21および下側支持部22の間隔を、支持間隔(上側支持部21および下側支持部22によって刃物BLを支持することが可能な間隔)より狭める。その状態で、ハンドリングロボット202によって、ハンドリングロボット202のフィンガー202cによって把持された刃物BLを、上側支持部21および下側支持部22の外側に位置するように移動させる。これにより、上側支持部21および下側支持部22が、刃物BLの貫通孔BL7内に挿入される。次いで、上側支持部21および下側支持部22の間隔を、上記の支持間隔まで広げる。これにより、上側支持部21および下側支持部22は刃物BLを保持することができる。次いで、上側のフィンガー202cおよび下側のフィンガー202cによる刃物BLの把持が解除され、ハンドリングロボット202が後退する。これにより、上側のフィンガー202cおよび下側のフィンガー202cは、刃物BLの貫通孔BL7から離脱することができる。以上の工程により、ハンドリングロボット202から保持部2へ切断用ツールTLの受け渡しを行うことができる。
【0023】
清掃機構3は、切断用ツールTLを清掃するように構成されている。清掃機構3(図2図4図8参照)は、切断用ツールTLの表面に付着した異物を払拭する帯状シート31を送り出す送り出し部32と、送り出した帯状シート31を回収する回収部33とを有する。帯状シート31と、送り出し部32と、回収部33とにより、払拭部3Aが構成されている。払拭部3Aは、送り出し部32から回収部33へ帯状シート31を送ることにより、帯状シート31における切断用ツールTLとの接触位置を送り方向にずらすように構成されている。具体的には、送り出し部32は、ロール状に巻回された帯状シート31を巻き出すように構成されている。回収部33は、巻き出された帯状シート31を巻き取るよう構成されている。
【0024】
払拭部3Aは、帯状シート31が切断用ツールTLの表面に接触した状態で、帯状シート31を切断用ツールTLに対して相対的に移動させることにより、異物を払拭するように構成されている。帯状シート31を切断用ツールTLに対して相対的に移動させる構成は、特に限定されない。本実施形態では、ツール清掃装置1は、切断用ツールTLを周方向D3に沿って回転させることにより、切断用ツールTLの表面に付着した異物を帯状シート31に払拭させる回転機構4(図2図4参照)をさらに備えている。本実施形態では、回転機構4によって切断用ツールTLを周方向D3に回転させることで、清掃機構3を移動させることなく、切断用ツールTLを清掃することができる。本実施形態では、回転機構4は、上述の保持部2(上側支持部21および下側支持部22)と、保持部2を回転させる回転駆動部41とを備えている。具体的には、保持部2の上側支持部21および下側支持部22は、長さ方向に延びる中心線(径方向中心を通る中心線)周りに回転(自転)するように構成されている。回転駆動部41は、上側支持部21および下側支持部22を回転駆動することができる。上側支持部21および下側支持部22は、切断用ツールTLの内周面に接触した状態で自転することにより、切断用ツールTLを周方向(たとえば図8に示される周方向D3)に回転させることができる。上側支持部21および下側支持部22は、同一方向に回転するように構成されている。なお、図8に示される例では、切断用ツールTLは、紙面に対して左回り方向(反時計回り方向)に回転しているが、紙面に対して右回り方向(時計回り方向)に回転してもよい。切断用ツールTLが周方向に回転することにより、帯状シート31を切断用ツールTLに対して相対的に移動させることができる。これにより、帯状シート31は、切断用ツールTLの表面に存在する異物を払拭することができる。なお、回転機構4の構成は、上述の例に限定されない。たとえば、回転機構4は、上述の保持部2(上側支持部21および下側支持部22)と、切断用ツールTLの端面(軸方向における端面)に接触するように設けられる円筒状面を有する回転体(図示せず)と、当該回転体を軸周り方向に回転駆動する回転駆動部(図示せず)とを備えた構成であってもよい。回転体は、切断用ツールTLを周方向に沿って回転させるように配置される。回転体を回転させることにより、回転体の回転に伴って切断用ツールTLを切断用ツールTLの周方向に沿って回転させることができる。
【0025】
帯状シート31(図1図8図10図13参照)は、切断用ツールTLの表面に付着した異物を払拭できるのであれば、その構成は特に限定されない。帯状シート31は、切断用ツールTLによる切断対象物W(図1参照)の切断工程で生じた切粉を絡め取ることが可能に構成された可撓性シートである。また、帯状シート31は、切断用ツールTLの表面に塗布された潤滑油を吸収可能に構成されている。本実施形態では、帯状シート31は、ウエスにより構成されている。ウエスは、切断対象物Wの切断工程で生じた切粉を絡め取ることが可能な布地である。また、ウエスは、潤滑油等の潤滑剤を吸収可能である。潤滑剤を吸収可能である構成により、帯状シート31は、潤滑剤を吸収するとともに、潤滑剤に混入している切粉等の異物を吸収することができる。したがって、払拭部3Aは、帯状シート31により切断用ツールTLの表面に付着した異物を払拭することができる。
【0026】
払拭動作により帯状シート31が汚れた場合には、払拭部3A(図1図8図10図13参照)は、モータ等の駆動源によって、送り出し部32から帯状シート31を送り出し、送り出された長さ分の帯状シート31を回収部33により回収する。送り出し部32が送り出す長さは、たとえば、帯状シート31において切断用ツールTLに接触している領域に対応する長さである。払拭部3Aが帯状シート31を送り出し、送り出した長さに相当する長さの帯状シート31を回収することにより、帯状シート31において汚れた部分は回収部33に向かって移動する。ある程度の長さの帯状シート31が回収部33に向かって移動することにより、帯状シート31において汚れた部分は回収部33に回収される。したがって、帯状シート31において汚れていない部分(綺麗な部分)が、切断用ツールTLに接触するようになる。これにより、払拭部3Aは、簡単な構成で、異物の除去性能を維持することができる。
【0027】
本実施形態では、図10図13に示されるように、ツール清掃装置1は、切断用ツールTLの表面に沿って帯状シート31が配置されるように帯状シート31を案内する案内部5をさらに備えている。これにより、案内部5は、可撓性の帯状シート31が切断用ツールTLにおいて清掃の対象となる部分に沿った形状となるように、帯状シート31を位置決めすることができる。さらに、案内部5は、案内部5と、切断用ツールTLにおいて清掃の対象となる部分との間に、帯状シート31を挟み込むことができる。本実施形態では、案内部5は、第1の案内部5A(図10および図11参照)と、第2の案内部5B(図12および図13参照)とにより構成されている。第1の案内部5Aは、切断用ツールTLの内周面(図10および図11に示される例では刃物BLの内周面BL8)および切断用ツールTLの径方向D4と直交する軸方向D5における一方の端面(図10および図11に示される例では右側の端面BL4)に沿った形状となるように、帯状シート31を位置決めする。第2の案内部5Bは、切断用ツールTLの外周面(図12および図13に示される例では刃物BLの外周面BL2)および切断用ツールTLの軸方向D5における他方の端面(図12および図13に示される例では左側の端面BL4)に沿った形状となるように、帯状シート31を位置決めする。
【0028】
案内部5は、帯状シート31を切断用ツールTLの周面(図10および図11に示される例では刃物BLの内周面BL8、図12および図13に示される例では刃物BLの外周面BL2)に接触させる第1の部分51と、帯状シート31を切断用ツールTLの径方向D4と直交する軸方向D5における端面(図10および図11に示される例では右側の端面BL4、図12および図13に示される例では左側の端面BL4)に接触させる第2の部分52とを備えている。第1の部分51は、帯状シート31を第1の部分51と切断用ツールTLの周面との間に挟み込むことにより、帯状シート31を切断用ツールTLの周面に押し付ける。このような状態で、帯状シート31と切断用ツールTLの周面とが相対的に移動することにより(たとえば回転機構4による相対移動)、帯状シート31は切断用ツールTLの周面に存在する異物を払拭することができる。第2の部分52は、帯状シート31を第2の部分52と切断用ツールTLの端面との間に挟み込むことにより、帯状シート31を切断用ツールTLの端面に押し付ける。このような状態で、帯状シート31と切断用ツールTLの端面とが相対的に移動することにより(たとえば回転機構4による相対移動)、帯状シート31は切断用ツールTLの端面に存在する異物を払拭することができる。帯状シート31と切断用ツールTLとの相対的な移動は、帯状シート31および切断用ツールTLの少なくともいずれか一方の移動により行うことができる。たとえば、切断用ツールTLが回転機構4から回転力を受けて回転することにより、切断用ツールTLは帯状シート31に対して相対的に移動することができる。
【0029】
本実施形態では、ツール清掃装置1は、帯状シート31が切断用ツールTLに接触した状態となる清掃位置(図2図3図10および図12参照)と、帯状シート31が切断用ツールTLから離間(退避)した状態となる退避位置(図4図11および図13参照)との間で、帯状シート31を移動させる移動機構6(図2図4参照)を備えている。退避位置P2は、切断用ツールTLが保持部2に対して着脱される際(ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しが行われる際)の切断用ツールTLの移動経路から退避した位置である。
【0030】
具体的には、移動機構6は、たとえば、案内部5を移動させるように構成されている。移動機構6は、案内部5の移動に伴い、帯状シート31を移動させることができる。移動機構6は、たとえば、案内部5(図10および図11参照)を切断用ツールTLの径方向D4および軸方向D5に移動させるように構成されている。移動機構6は、帯状シート31を清掃位置(図2図3図10および図12参照)と、退避位置(図4図11および図13参照)との間で移動させることができれば、その構成は特に限定されない。移動機構6は、たとえば、案内部5を切断用ツールTLの径方向D4に沿って移動させるシリンダ装置等の移動機構と、案内部5を切断用ツールTLの軸方向D5に沿って移動させるシリンダ装置等の移動機構とにより構成することができる。図10および図12に示される例では、案内部5は、切断用ツールTLに対して、切断用ツールTLの径方向D4および軸方向D5へ退避している。この状態から、移動機構6は、案内部5を、切断用ツールTLにおける清掃の対象部分に向かって径方向D4および軸方向D5へ移動させる。これにより、案内部5は、切断用ツールTLにおける清掃の対象部分と案内部5との間に帯状シート31を挟み込む位置(清掃位置)へ移動する(図11および図13参照)。移動機構6は、案内部5を径方向D4および軸方向D5へこの順に移動させてもよいし、案内部5を径方向D4および軸方向D5へ同時に移動させてもよい。また、移動機構6は、ここで説明した、退避位置から清掃位置への移動経路とは逆向きの経路で案内部5を移動させる。これにより、移動機構6は、切断用ツールTLを清掃位置から退避位置へ移動させることができる。ツール清掃装置1は、帯状シート31を清掃位置と退避位置との間で移動させることにより、帯状シート31が切断用ツールTLに接触した状態(清掃モード)と、帯状シート31が切断用ツールTLから退避した状態(退避モード)との間でモードを切り替えることができる。そして、退避モードにおいて、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に対して切断用ツールTLを着脱することができる。すなわち、退避モードでは、帯状シート31が切断用ツールTLから退避しているため、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に対する切断用ツールTLの着脱作業を容易に行うことができる。
【0031】
本実施形態では、清掃機構3は、切断用ツールTLの表面に付着した異物を除去するブラッシング部3B(図2図4図8および図9参照)をさらに備えている。ブラッシング部3Bは、ブラシ35を用いたブラッシングにより切断用ツールTLの表面に付着した異物を除去するように構成されている。ブラシ35は、切断用ツールTLの表面に存在する異物を除去できるのであれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では、ブラシ35は、芯材の周囲に複数の毛が植え込まれた構成である。毛の材質は異物を除去できるものであれば特に限定されない。毛は、たとえば、可撓性および一定程度の剛性を有する合成樹脂等により構成することができる。また、ブラシ35は、たとえば、略円柱状に構成することができる。ブラシ35は、切断用ツールTLの表面(端面)に接触した状態でブラシ35の軸方向が切断用ツールTLの径方向に沿うように配置される(図3参照)。図2図4に示される例では、ブラッシング部3Bは、切断用ツールTLの軸方向における一方の端面を清掃する第1のブラッシング部と、切断用ツールTLの軸方向における他方の端面を清掃する第2のブラッシング部とにより構成されている。これにより、ブラッシング部3Bは、切断用ツールTLの軸方向における両方の端面を清掃することができる。
【0032】
ブラッシング部3Bは、切断用ツールTLの表面にこびり付いた異物(たとえば錆等)を削り取ることができる。ブラッシング部3Bは、ブラシ35の毛腰の強さにより、上述の帯状シート31では除去しにくい異物を除去することができる。また、ブラッシング部3Bは、ブラシ35の毛により、切断用ツールTLの表面に予め凹部(たとえば文字や図形を表すように構成された溝等)が設けられている場合に、その凹部内に入り込んだ異物を掻き出すことができる。
【0033】
回転機構4は、切断用ツールTLを回転させることにより、切断用ツールTLの表面に付着した異物をブラッシング部3Bに除去させるように構成されている。ブラッシング部3Bのブラシ35が切断用ツールTLの表面に接触している状態で、切断用ツールTLを回転させることにより、切断用ツールTLがブラシ35に対して相対的に回転する。これにより、ブラシ35は切断用ツールTLの表面に存在する異物を除去することができる。なお、本実施形態では、ブラッシング部3Bは、ブラシ35が切断用ツールTLの表面に接触している状態で、ブラシ35を回転させるブラシ回転機構36(図2図4参照)を備えている。回転機構36は、たとえば、ブラシ35に接続された回転軸361と、回転軸を回転駆動するモータ等の駆動部362とを備えている。ブラシ回転機構36は、ブラシ35と切断用ツールTLとの接触位置において、ブラシ35が切断用ツールTLとは反対の方向D6(図8および図9参照)に回転するように、ブラシ35を回転させる構成となっている。図8および図9に示される例では、ブラシ35は切断用ツールTLの径方向に沿って延びる回転軸361周りに回転するように構成されている。これにより、ブラシ35を回転させない場合と比べて、切断用ツールTLの表面に対するブラシ35の周面の相対速度が大きくなる。したがって、ブラッシング部3Bによる異物の除去性能を高めることができる。
【0034】
本実施形態では、ブラッシング部3B(図3参照)は、帯状シート31が切断用ツールTLに付着した異物を払拭する(図4参照)前に、切断用ツールTLの表面に接触して異物を除去するように構成されている。上述のように、ブラッシング部3Bは、ブラシ35によって切断用ツールTLの表面を粗く清掃することができる。これに対し、上述の払拭部3Aは、切断用ツールTLの表面を細かく清掃することができる。したがって、ブラッシング部3Bにより粗い清掃を行った後に、払拭部3Aにより仕上げの清掃を行うことができる。この場合、払拭部3Aおよびブラッシング部3Bは切断用ツールTLの表面に対して同じタイミングでは接触しないように構成することができる。ブラッシング部3Bが切断用ツールTLの表面に接触しているときには、払拭部3Aは切断用ツールTLの表面に接触しない。払拭部3Aが切断用ツールTLの表面に接触しているときには、ブラッシング部3Bは切断用ツールTLの表面に接触しない。具体的には、払拭部3Aを切断用ツールTLの表面から離間させた状態で、ブラッシング部3Bを切断用ツールTLの表面に接触させて、ブラッシング部3Bによる清掃を行う(図3参照)。次いで、ブラッシング部3Bを切断用ツールTLの表面から離間させるとともに、払拭部3Aを切断用ツールTLの表面に接触させて、払拭部3Aによる清掃を行う(図4参照)。この場合、ブラッシング部3Bによる清掃中に、払拭部3Aは切断用ツールTLに接触しない。このため、ブラッシング部3Bによる粗い清掃によって除去された異物(たとえば、比較的大きな異物)が払拭部3Aの帯状シート31に付着するのを防止することができる。したがって、ブラッシング部3Bによる清掃と払拭部3Aによる清掃とを同時に行う場合と比べて、帯状シート31が汚れるのを抑制することができる。なお、図8に示されるように、払拭部3Aおよびブラッシング部3Bを切断用ツールTLの表面に接触させて、払拭部3Aによる清掃とブラッシング部3Bによる清掃とを同時に行ってもよい。
【0035】
本実施形態では、ツール清掃装置1は、ブラシ35が切断用ツールTLの表面に接触するようにブラシ35を移動させるブラシ移動機構7(図2図4参照)をさらに備えている。ブラシ移動機構7は、ブラシ35が切断用ツールTLに接触した状態となる清掃位置(図3参照)と、ブラシ35が切断用ツールTLから退避した状態となる退避位置(図2参照)との間で、ブラシ35を移動させるように構成されている。図2に示される例では、ブラシ35は、切断用ツールTLの厚み方向および径方向において切断用ツールTLから離間するように退避している。図4は、ブラシ35が、図2に示される退避位置と図3に示される清掃位置との間の中間位置に位置している状態を示している。中間位置では、ブラシ35は、切断用ツールTLから切断用ツールTLの厚み方向に離間している。中間位置は、払拭部3Aによる清掃が行われる際のブラシ35の位置である。
【0036】
ブラシ移動機構7(図2および図3参照)は、ブラシ35を清掃位置(図3参照)と、退避位置(図2参照)との間で移動させることができれば、その構成は特に限定されない。ブラシ移動機構7は、たとえば、ブラシ35が切断用ツールTLの端面に対向する清掃位置と、ブラシ35が切断用ツールTLから切断用ツールTLの径方向外側に離間した退避位置との間で、ブラシ35を移動させるように構成されている。退避位置は、切断用ツールTLが保持部2に対して着脱される際(ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しが行われる際)の切断用ツールTLの移動経路から退避した位置である。
【0037】
図2および図3に示される例では、ブラシ移動機構7は、清掃位置と退避位置との間で、ブラシ35を揺動させるように構成されている。揺動の中心点は、切断用ツールTLの径方向外側に設けられている。ツール清掃装置1は、ブラシ35を清掃位置と退避位置との間で移動させることにより、ブラシ35が切断用ツールTLに接触した状態(清掃モード)と、ブラシ35が切断用ツールTLから離間した状態(退避モード)との間でモードを切り替えることができる。そして、退避モードにおいて、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に対して切断用ツールTLを着脱することができる。すなわち、退避モードでは、ブラシ35が切断用ツールTLから退避しているため、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に対する切断用ツールTLの着脱作業を容易に行うことができる。
【0038】
本実施形態では、ブラッシング部3Bは、ブラシ35に付着した異物を除去する異物除去部37(図9参照)をさらに備えている。異物除去部37は、ブラシ35の使用によりブラシ35に付着した異物を除去可能に構成されている。異物除去部37は、ブラシ35に付着した異物を除去できるのであれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では、異物除去部37は、複数の歯を有する櫛状部として構成されている。異物除去部37は、複数の歯がブラシ35の毛束の中に挿入された状態に配置される。これにより、ブラシ35の回転に伴って、複数の歯が毛束の中の異物を掻き出すことができる。したがって、異物除去部37は、ブラシ35に付着した異物を除去することができる。
【0039】
本実施形態では、ブラッシング部3Bは、ブラシ35の周囲を覆うカバー部38をさらに備えている。カバー部38は、ブラシ35が切断用ツールTLと接触する状態において、切断用ツールTLと干渉しないように構成されている。具体的には、カバー部38は、ブラシ35において切断用ツールTLと対向する部分を覆わないように構成されている(当該部分に対応する領域が開口している)。カバー部38は、ブラッシング部3Bのブラッシングによって飛び散った異物が切断用ツールTLに再度付着するのを防止することができる。
【0040】
本実施形態では、ブラッシング部3Bは、ブラッシングによって除去された異物を回収する容器39をさらに備えている。容器39は、ブラシ35およびカバー部38の下方に設けられている。ブラッシング部3Bによって切断用ツールTLから除去された異物は、容器39内に落下する。したがって、容器39は、ブラッシングによって除去された異物を回収することができる。
【0041】
本実施形態では、清掃機構3は、保持部2に保持された切断用ツールTLに接触する清掃位置(図3図11および図13参照)と、ハンドリングロボット202が切断用ツールTLを移動させる際の切断用ツールTLの経路外となる退避位置(図2図10および図12参照)との間で移動するように構成されている。
【0042】
「切断用ツールTLを移動させる際の切断用ツールTLの経路」とは、ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しが行われる際の切断用ツールTLの移動経路である。受け渡しの際の切断用ツールTLの移動経路は、特に限定されないが、たとえば、保持部2(上側支持部21および下側支持部22)の長さ方向(たとえば、図6の紙面に直交する方向、図10および図12における軸方向D5)に沿った経路である。清掃機構3は、清掃位置に位置している状態で、保持部2に保持された切断用ツールTLに接触して、切断用ツールTLを清掃する。また、清掃機構3は、退避位置に位置している状態で、切断用ツールTLの移動経路から退避している。したがって、ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しが行われる際に、清掃機構3は切断用ツールTLと干渉しない。これにより、ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0043】
図2図4および図10図12に示される例では、ツール清掃装置1は、帯状シート31が切断用ツールTLに接触した状態となる清掃位置(図2図3図10および図12参照)と、帯状シート31が切断用ツールTLから離間(退避)した状態となる退避位置(図4図11および図13参照)との間で、帯状シート31を移動させる移動機構6(図2図4参照)を備えている。退避位置は、切断用ツールTLが保持部2に対して着脱される際(ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しが行われる際)の切断用ツールTLの移動経路から退避した位置である。
【0044】
具体的には、移動機構6は、たとえば、案内部5を移動させるように構成されている。移動機構6は、案内部5の移動に伴い、帯状シート31を移動させることができる。移動機構6は、たとえば、案内部5(図10および図11参照)を切断用ツールTLの径方向D4および軸方向D5に移動させるように構成されている。移動機構6は、帯状シート31を清掃位置(図2図3図10および図12参照)と、退避位置(図4図11および図13参照)との間で移動させることができれば、その構成は特に限定されない。移動機構6は、たとえば、案内部5を切断用ツールTLの径方向D4に沿って移動させるシリンダ装置等の移動機構と、案内部5を切断用ツールTLの軸方向D5に沿って移動させるシリンダ装置等の移動機構とにより構成することができる。図10および図12に示される例では、案内部5は、切断用ツールTLに対して、切断用ツールTLの径方向D4および軸方向D5へ退避している。この状態から、移動機構6は、案内部5を、切断用ツールTLにおける清掃の対象部分に向かって径方向D4および軸方向D5へ移動させる。これにより、案内部5は、切断用ツールTLにおける清掃の対象部分と案内部5との間に帯状シート31を挟み込む位置(清掃位置)へ移動する(図11および図13参照)。移動機構6は、案内部5を径方向D4および軸方向D5へこの順に移動させてもよいし、案内部5を径方向D4および軸方向D5へ同時に移動させてもよい。また、移動機構6は、ここで説明した、退避位置から清掃位置への移動経路とは逆向きの経路で案内部5を移動させる。これにより、移動機構6は、切断用ツールTLを清掃位置から退避位置へ移動させることができる。ツール清掃装置1は、帯状シート31を清掃位置と退避位置との間で移動させることにより、帯状シート31が切断用ツールTLに接触した状態(清掃モード)と、帯状シート31が切断用ツールTLから退避した状態(退避モード)との間でモードを切り替えることができる。そして、退避モードにおいて、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に対して切断用ツールTLを着脱することができる。すなわち、退避モードでは、帯状シート31が切断用ツールTLから退避しているため、ハンドリングロボット202は、ツール清掃装置1に対する切断用ツールTLの着脱作業を容易に行うことができる。
【0045】
本実施形態では、清掃装置1は、ハンドリングロボット202の作業エリアAR内に設けられている。したがって、ハンドリングロボット202により切断用ツールTLをツール清掃装置1に取り付けて、切断用ツールTLを清掃することができる。これにより、ツール清掃装置1は、切断用ツールTLの表面に付着した異物を、作業者の重筋作業を要することなく除去することができる。そして、ハンドリングロボット202により、清掃作業の自動化が可能となる。特に本実施形態では、ハンドリングロボット202は、軸部201aと、保管部203と、ツール清掃装置1の保持部2との間で、切断用ツールTLを移動できるように構成されている。この場合、使用済みの汚れた切断用ツールTLを、軸部201aまたは保管部203から直接ツール清掃装置1の保持部2に移動させ、清掃後には、軸部201aまたは保管部203に直接戻すことができる。また、ハンドリングロボット202の作業エリアAR内で清掃作業が完了するので、清掃をするのにハンドリングロボット202の作業エリアAR以外に余分なスペースが必要なく、省スペースな設計とすることができる。また、ツール清掃装置1は、保持部2に保持された切断用ツールTLに清掃機構3を接触させて清掃を行うように構成されている。したがって、切断用ツールTLが重量物である場合であっても、切断用ツールTLを安定した状態で清掃することができる。また、ツール清掃装置1は、ハンドリングロボット202が切断用ツールTLを移動させる際に、清掃機構3が切断用ツールTLの経路外となる退避位置に退避するように構成されている。したがって、ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しが行われる際に、切断用ツールTLと清掃機構3との干渉が防止される。これにより、ハンドリングロボット202と保持部2との間で切断用ツールTLの受け渡しをスムーズに行うことができる。また、切断装置CDから切断用ツールTLを取り外して切断用ツールTLを清掃する場合であっても、切断装置CDを停止させる時間を短くすることができる。すなわち、仮組軸装置201およびツール清掃装置1間での切断用ツールTLの搬送と、切断用ツールTLの清掃とが、ハンドリングロボット202によって行われるので、切断用ツールTLが重量物であっても、切断用ツールTLの搬送および清掃を速やかに行うことができる。したがって、切断装置CDを停止させる時間を短くすることができる。
【0046】
なお、案内部5および払拭部3Aは、上述の態様に限定されるものではなく、たとえば、以下のように構成されていてもよい(図14参照)。図14に示される例では、案内部5は、払拭部3Aによる清掃時に帯状シート31の位置が帯状シート31の幅方向にずれるのを防止するように構成されている。また、払拭部3Aは、清掃時に帯状シート31の位置が帯状シート31の幅方向にずれるのを防止するように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0047】
払拭部3Aによる切断用ツールTLの清掃が行われる際、帯状シート31は、切断用ツールTLに接触している。具体的には、帯状シート31は、切断用ツールTLと案内部5との間に挟まれた状態で、切断用ツールTLに接触している。また、払拭部3Aによる切断用ツールTLの清掃が行われる際、切断用ツールTLは回転機構4によって周方向D3(図8参照)に回転する。切断用ツールTLが回転すると、切断用ツールTLと帯状シート31との間に生じる摩擦力により、帯状シート31は切断用ツールTLの回転に引き摺られて、帯状シート31の幅方向に移動(位置ずれ)しようとする。図14に示される例では、案内部5は、帯状シート31のこのような位置ずれを防止できるように構成されている。また、払拭部3Aは、帯状シート31のこのような位置ずれを防止できるように構成されている。
【0048】
図14に示される例では、案内部5における帯状シート31との接触面(以下、シート接触面とも称する)は、帯状シート31との摩擦力が大きくなるように構成されている。たとえば、案内部5は、シート接触面を含む接触層5aと、接触層5aを支持する支持層5bとを備えている。接触層5aは、帯状シート31との摩擦力が大きくなるよう構成されるのであれば、その構成は特に限定されない。接触層5aは、たとえば、弾性を有する層(以下、弾性層とも称する。具体的には、スポンジ状の合成樹脂からなる層)を備えている。接触層5aが弾性を有することにより、接触層5aを帯状シート31に密着させて、摩擦力を増大させることができる。また、接触層5aは、弾性層に代えて、または、弾性層に加えて、摩擦係数の大きな材料からなる層(以下、高摩擦層とも称する)を備えていてもよい。接触層5aが弾性層および高摩擦層を備える場合、高摩擦層は弾性層の表面に設けることができる。高摩擦層は、たとえば、高い摩擦係数を有するシート部材(たとえばサンドペーパー)等により構成することができる。接触層5aが高摩擦層を有することにより、摩擦力を増大させることができる。帯状シート31と案内部5との間の摩擦力が大きくすることにより、帯状シート31が切断用ツールTLの回転に引き摺られて、帯状シート31の幅方向に位置ずれするのを抑制することができる。また、接触層5aが弾性層および高摩擦層を備えることにより、摩擦力をより一層高めることができる。
【0049】
また、図14に示される例では、案内部5は、帯状シート31が帯状シート31の幅方向へ移動するのを規制する規制部材5cを備えている。規制部材5cは、帯状シート31が帯状シート31の幅方向へ移動するのを規制できるのであれば、その構成および数は特に限定されない。図14に示される例では、規制部材5cは、帯状シート31を幅方向に跨ぐように略C字状に構成されている。また、案内部5は、1または複数(図14に示さる例では4個)の規制部材5cを備えている。複数の規制部剤5cは、帯状シート5cの長さ方向に沿って、互いに間隔をあけて設けられている。規制部材5cは、帯状シート31が幅方向における一方側へ移動するのを規制する部分(第1規制部)と、帯状シート31が幅方向における他方側へ移動するのを規制する部分(第2規制部)と、帯状シート31が厚み方向に移動するのを規制する部分(第3規制部)とを備えている。図14に示される例では、第3規制部の一方の端部に第1規制部が接続され、第3規制部の他方の端部に第2規制部が接続されている。規制部5cは、第1規制部、第2規制部および第3規制部により、略C字状に構成されている。規制部5cは、帯状シート31の長さ方向への移動を許容する一方、帯状シート31の幅方向への移動、および厚さ方向へ移動を規制することができる。したがって、規制部5cは、帯状シート31が幅方向に位置ずれするのを防止することができるとともに、帯状シート31が厚さ方向に位置ずれするのを防止することができ、帯状シート31が案内部5から脱落するのを防止することができる。
【0050】
また、図14に示される例では、払拭部3Aの送り出し部32は、帯状シート31が巻回される軸部32aと、軸部32aの両端に設けられた一対のフランジ部32bとを備えている。一方のフランジ部32bは、帯状シート31が幅方向の一方側へ移動するのを規制するように構成されている。他方のフランジ部32bは、帯状シート31が幅方向の他方側へ移動するのを規制するように構成されている。したがって、一対のフランジ部32bは、帯状シート31が幅方向に位置ずれするのを防止することができ、帯状シート31が送り出し部32から幅方向に脱落するのを防止することができる。なお、一対のフランジ部32bは、互いに接近する方向に付勢されていてもよい。一対のフランジ部32bが互いに接近する方向に付勢されることにより、一対のフランジ部32bは帯状シート31を幅方向に弾性的に挟み込むことができる。この場合、一対のフランジ部32bによる帯状シート31の脱落防止機能をさらに高めることができる。払拭部3Aの回収部33は、送り出し部32と同様に、帯状シート31が巻回される軸部33aと、軸部33aの両端に設けられた一対のフランジ部33bとを備えている。したがって、回収部33は、送り出し部32と同様に、帯状シート31が回収部33から幅方向に脱落するのを防止することができる。
【0051】
また、図14に示される例では、送り出し部32および回収部33は、帯状シート31に対してテンション(張力)を加えながら、それぞれ帯状シート31の送り出しおよび回収を行うように構成されている。具体的には、たとえば、送り出し部32および回収部33は、帯状シート31に対してテンション(張力)を加えるように、回転速度を調節しながら回転するように構成されている。したがって、帯状シート31に対してテンション(張力)を加えることにより、帯状シート31が送り出し部32および回収部33から幅方向に脱落するのを抑制することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
【0053】
(1)略円形の切断用ツールを清掃するツール清掃装置であって、
前記切断用ツールを保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記切断用ツールを清掃する清掃機構とを備え、
前記清掃機構は、前記切断用ツールの表面に付着した異物を払拭する帯状シートを送り出す送り出し部と、送り出した前記帯状シートを回収する回収部とを有する、ツール清掃装置。
【0054】
(2)前記ツール清掃装置は、
前記切断用ツールを周方向に沿って回転させることにより、前記切断用ツールの表面に付着した異物を前記帯状シートに払拭させる回転機構をさらに備えている、(1)に記載のツール清掃装置。
【0055】
(3)前記ツール清掃装置は、
前記切断用ツールの表面に沿って前記帯状シートが配置されるように前記帯状シートを案内する案内部をさらに備え、
前記案内部は、前記帯状シートを前記切断用ツールの周面に接触させる第1の部分と、前記帯状シートを前記切断用ツールの径方向と直交する軸方向における端面に接触させる第2の部分とを備えている、(1)または(2)に記載のツール清掃装置。
【0056】
(4)前記清掃機構は、
前記切断用ツールの表面に付着した異物を除去するブラッシング部をさらに備え、
前記回転機構は、前記ブラッシング部が前記切断用ツールの表面に接触した状態で前記切断用ツールを回転させることにより、前記切断用ツールの表面に付着した異物を前記ブラッシング部に除去させるように構成され、
前記ブラッシング部は、前記帯状シートが前記切断用ツールに付着した異物を払拭する前に、前記切断用ツールの表面に接触して異物を除去するように構成されている、(1)~(3)のいずれか1つに記載のツール清掃装置。
【0057】
(5)前記ツール清掃装置は、前記切断用ツールを把持可能なハンドリングロボットの作業エリア内に設けられ、
前記清掃機構は、前記保持部に保持された前記切断用ツールに接触する清掃位置と、前記ハンドリングロボットが前記切断用ツールを移動させる際の前記切断用ツールの経路外となる退避位置との間で移動するように構成されている、(1)~(4)のいずれか1つに記載のツール清掃装置。
【0058】
(6)前記ハンドリングロボットは、切断装置の、切断用ツールが装着される軸部と、前記軸部から取り外された前記切断用ツールを保管する保管部との間で、前記切断用ツールを移動させるように構成されたツール交換装置であり、
前記ハンドリングロボットは、前記軸部と、前記保管部と、前記ツール清掃装置の保持部との間で、前記切断用ツールを移動可能に構成される、(1)~(5)のいずれか1つに記載のツール清掃装置。
【符号の説明】
【0059】
1 ツール清掃装置
2 保持部
21 上側支持部
22 下側支持部
3 清掃機構
3A 払拭部
31 帯状シート
32 送り出し部
32a 軸部
32b フランジ部
33 回収部
33a 軸部
33b フランジ部
3B ブラッシング部
35 ブラシ
36 ブラシ回転機構
361 回転軸
362 駆動部
37 異物除去部
38 カバー部
39 容器
4 回転機構
41 回転駆動部
5 案内部
5A 第1の案内部
5B 第2の案内部
5a 接触層
5b 支持層
6 移動機構
7 ブラシ移動機構
201 仮組軸装置
201a 軸部
202 ハンドリングロボット
202a 台座部
202b アーム部
202c フィンガー
203 保管部
AR ハンドリングロボットの作業エリア
BL 刃物
BL1 刃先
BL2 外周面
BL4 端面
BL7 貫通孔
BL8 内周面
BL81 上側内周面
BL82 下側内周面
CD 切断装置
CS 切断システム
D1 スリーブの軸方向
D3 切断用ツールの周方向(切断用ツールの回転方向)
D4 切断用ツールの径方向
D5 切断用ツールの軸方向
D6 ブラシの回転方向
ES 刃替システム
TL 切断用ツール
W 切断対象物(帯板)
【要約】      (修正有)
【課題】切断用ツールの表面に付着した異物を除去するツール清掃装置において、異物の除去性能を維持するためのメンテナンス性を向上させることが可能なツール清掃装置を提供する。
【解決手段】略円形の切断用ツールTLを清掃するツール清掃装置1であって、切断用ツールTLを保持する保持部2と、保持部2に保持された切断用ツールTLを清掃する清掃機構3とを備え、清掃機構3は、切断用ツールTLの表面に付着した異物を払拭する帯状シート31を送り出す送り出し部32と、送り出した帯状シート31を回収する回収部33とを有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14