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特許7702227トルク分配アセンブリを有するブレーキシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-25
(45)【発行日】2025-07-03
(54)【発明の名称】トルク分配アセンブリを有するブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 13/74 20060101AFI20250626BHJP
   F16D 65/18 20060101ALI20250626BHJP
   F16D 55/224 20060101ALI20250626BHJP
   F16H 1/46 20060101ALI20250626BHJP
   F16D 121/24 20120101ALN20250626BHJP
   F16D 125/40 20120101ALN20250626BHJP
   F16D 125/50 20120101ALN20250626BHJP
   F16D 127/06 20120101ALN20250626BHJP
【FI】
B60T13/74 G
F16D65/18
F16D55/224 Z
F16H1/46
F16D121:24
F16D125:40
F16D125:50
F16D127:06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023547804
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022018130
(87)【国際公開番号】W WO2022187135
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-14
(31)【優先権主張番号】63/154,925
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000000516
【氏名又は名称】曙ブレーキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】アイ マハシー,ワリード,マハムド
【審査官】小原 博樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0309213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/74
F16D 65/18
F16D 55/224
F16H 1/46
F16D 121/24
F16D 125/40
F16D 125/50
F16D 127/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキシステムにおいて、
ブレーキパッドを支持し、前記ブレーキパッドを動かすように構成された第1のブレーキピストンおよび第2のブレーキピストンと、前記第1のブレーキピストンに連結された第1の回転直動ステージ機構と、前記第2のブレーキピストンに連結された第2の回転直動ステージ機構とを有するブレーキキャリパと、
トルクを発生するように構成されたモータと、
前記モータに連結された入力ギアと、
前記モータおよび前記入力ギアからトルクを受け取り、その後、前記トルクを、前記第1のブレーキピストンを動かし前記ブレーキパッドの第1の端部を動かすために前記第1の回転直動ステージ機構に分配するように、または前記第2のブレーキピストンを動かし前記ブレーキパッドの第2の端部を動かすために前記第2の回転直動ステージ機構に分配するように構成されたトルク分配アセンブリとを備える、ブレーキシステムであって、
前記トルク分配アセンブリは、
i)前記第1の回転直動ステージ機構に連結された第1の駆動ギアと、
ii)前記第2の回転直動ステージ機構に連結された第2の駆動ギアと、
iii)第1の太陽ギアの周囲に配置されるとともにそれぞれの第1の車軸に支持された第1の遊星ギアセットと、
iv)第2の太陽ギアの周囲に配置されるとともにそれぞれの第2の車軸に支持された第2の遊星ギアセットと、
v)各々が前記第1の車軸のそれぞれ1つおよび前記第2の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第1のキャリアプレートとを備えており、
前記トルク分配アセンブリの動作中に、前記第1の遊星ギアセットの回転により前記第1キャリアプレートが回転し、これによって、前記第2の遊星ギアセットが回転し、前記第2の遊星ギアセットおよび前記第2の太陽ギアの回転により伝達シャフトのギアが前記第1の駆動ギアを回転させ、これによって、前記第1の回転直動ステージ機構が移動し、
前記第1のキャリアプレートは、第1の側面と、対向する第2の側面とを有し、前記第1の遊星ギアセットおよび前記第1の太陽ギアは、前記第1のキャリアプレートの前記第1の側面で支持され、前記第2の遊星ギアセットおよび前記第2の太陽ギアは、前記第1のキャリアプレートの前記第2の側面で支持されている、ブレーキシステム。
【請求項2】
前記トルク分配アセンブリは、内リング部を有するリングギアを備え、前記第1の遊星ギアセットは、前記内リング部内に設けられる、請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項3】
前記トルク分配アセンブリは、前記第1の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第1の支持プレートを備える、請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項4】
前記トルク分配アセンブリは、それぞれの第3の車軸に支持された第3の遊星ギアセットを備える、請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項5】
前記第3の車軸は、前記第1の車軸および/または前記第2の車軸に略平行である、請求項4に記載のブレーキシステム。
【請求項6】
前記第2の遊星ギアセットの1または複数の第2の遊星ギアは、前記第3の遊星ギアセットの1または複数の第3の遊星ギアの軸方向の高さまたは長さよりも大きい軸方向の高さまたは長さを有する、請求項4または5に記載のブレーキシステム。
【請求項7】
前記トルク分配アセンブリは、各々が前記第3の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第2のキャリアプレートを備える、請求項4または5に記載のブレーキシステム。
【請求項8】
前記第1のキャリアプレートおよび前記第2のキャリアプレートは、互いに略平行である、請求項7に記載のブレーキシステム。
【請求項9】
前記トルク分配アセンブリは、各々が前記第3の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第2のキャリアプレートを備えており、
前記第2のキャリアプレートを通って中心軸が延び、前記中心軸から前記第2の遊星ギアセットの第2の遊星ギアまでの径方向距離は、前記中心軸から前記第3の遊星ギアセットの第3の遊星ギアまでの径方向距離よりも大きい、請求項6に記載のブレーキシステム。
【請求項10】
前記第3の遊星ギアセットの第3の遊星ギアの歯は、中央に位置する第3の太陽ギアの歯とかみ合い係合し、前記第2の遊星ギアセットの第2の遊星ギアの歯は、前記第3の遊星ギアの歯とかみ合い係合する、請求項4に記載のブレーキシステム。
【請求項11】
前記リングギアは、前記リングギアをハウジングまたは他の非可動部材に固定するための1または複数の取付け特徴を備える、請求項2に記載のブレーキシステム。
【請求項12】
前記ブレーキパッドは、内側ブレーキパッドであり、前記第1および第2のブレーキピストンの各々は、前記内側ブレーキパッドの端部を動かすように構成される、請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項13】
前記ブレーキシステムは、前記モータがオフになった後、またはトルクを発生しなくなった後、クランプ力を維持するために、前記モータの移動またはバック駆動を防ぐためのブレーキを備える、請求項1または12に記載のブレーキシステム。
【請求項14】
前記モータおよび前記トルク分配アセンブリは、ハウジング内に収容され、前記ハウジングは、1または複数の締結具を介して前記ブレーキキャリパに連結される、請求項1または12に記載のブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全ての目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。2021年3月1日に出願されたUS63/154,925号の優先権を主張するものである。
【0002】
本教示は、ブレーキシステム、トルク分配アセンブリ、およびブレーキシステムおよび/またはトルク分配アセンブリを用いてブレーキをかける方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一部の車両は、車両を減速、停止、および/または停止または駐車位置に維持するためのクランプ力を発生するためにマルチピストンブレーキシステムを利用する。
【0004】
重量、コスト、およびパッケージ空間を低減しながらもブレーキ性能を向上させるために、複数のモータを必要とせずに、複数のブレーキピストンを動かしてクランプ力を発生および解除するように構成されたアセンブリを有することが望ましい場合がある。
【0005】
たとえば、クランプ力を発生および/または解除しながら、モータによって供給されるトルクを2つ以上のブレーキピストン間で分配するように構成されたブレーキシステムおよび/またはアセンブリを有することが望ましい場合がある。この分配は、たとえばブレーキパッドの先細り摩耗、ブレーキシステムにおける内部部品の効率および変動、および/またはシステムの劣化によってブレーキパッドが不均一に摩耗する場合に生じ得る、ブレーキピストンに作用する負荷または抵抗の差に基づいてよい。
【発明の概要】
【0006】
以下の共同所有される特許文献は、全ての目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。2016年5月31日付のUS9,353,811号、2016年10月25日付けのUS9,476,469号、2017年3月7日付けのUS9,587,692号、2019年10月15日付けの10,443,666号、および2020年10月1日付けのUS2020/0309213号。
【0007】
これらの教示は、ブレーキパッドを支持するブレーキキャリパと、ブレーキパッドを動かすように構成された第1のブレーキピストンおよび第2のブレーキピストンと、第1のブレーキピストンに連結された第1の回転直動ステージ機構と、第2のブレーキピストに連結された第2の回転直動ステージ機構と、トルクを発生するように構成されたモータと、モータからトルクを受け取り、その後、モータからのトルクを、第1のブレーキピストンを動かすために第1の回転直動ステージ機構に、および/または第2のブレーキピストンを動かすために第2の回転直動ステージ機構に分配するように構成されたトルク分配アセンブリとを含むブレーキシステムを提供する。トルク分配アセンブリは、第1の回転直動ステージ機構に連結された第1の駆動ギアをそれぞれ支持するように構成された複数の支持特徴を有する第1の支持プレートと、第2の回転直動ステージ機構に連結された第2の駆動ギアと、1または複数の大きなギアおよび1または複数の小さなギアまたは一般に同じサイズのギアを含むギアアセンブリと、それぞれの第1の車軸に支持された第1の遊星ギアセットと、それぞれの第2の車軸に支持された第2の遊星ギアセットと、各々が第1の車軸のそれぞれ1つおよび第2の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第1のキャリアプレートとを含んでよい。第1のキャリアプレートは、第1の側面と、対向する第2の側面とを有し、第1の遊星ギアセットは、第1のキャリアプレートの第1の側面で支持され、第2の遊星ギアセットは、第1のキャリアプレートの第2の側面で支持される。トルク分配アセンブリは、内リング部を有するリングギアを備え、第1の遊星ギアセットは、内リング部内に設けられる。リングギアは、独立部品であってよく、またはハウジングの一部であってよい。トルク分配アセンブリは、第1の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第1の支持プレートを含んでよい。トルク分配アセンブリは、それぞれの第3の車軸に支持された第3の遊星ギアセットを備える。第3の車軸は、第1の車軸および/または第2の車軸に略平行である。第2の遊星ギアセットの1または複数は、1または複数の第3の遊星ギアの高さまたは長さよりも大きい高さまたは長さを有する。トルク分配アセンブリは、各々が第3の車軸のそれぞれ1つを支持するように構成された複数の支持特徴を有する第2のキャリアプレートを備える。第1のキャリアプレートおよび第2のキャリアプレートは、互いに略平行である。第2のキャリアプレートを通って中心軸が延び、中心軸から第2の遊星ギアまでの径方向距離は、中心軸から第3の遊星ギアまでの径方向距離よりも大きい。第3の遊星ギアの歯は、中央に位置する太陽ギアの歯と係合し、かみ合い、またはかみ合い係合する。第2の遊星ギアの歯は、第3の遊星ギアの歯と係合し、かみ合い、またはかみ合い係合する。いくつかの構成において、遊星ギアおよび/または太陽ギアは、本明細書に明確に開示されない他の遊星ギアおよび/または太陽ギアとかみ合うように再配置され、または向けられてよい。言い換えると、「第1の」、「第2の」および「第3の」などの命名規則が本明細書で用いられるが、この命名規則は、異なるギアを区別するために使用される。この点に関して、「第1の」、「第2の」、「第3の」などを用いた異なるギアまたはギアセットの命名または識別は、変更または再配置され得る。第2の遊星ギアの歯は、中央に位置する第2の太陽ギアの歯ともかみ合い係合する。2つの太陽ギアの各々が個々の出力ギアに取り付けられ、1つの出力ギアは、第1の駆動ギアを有する歯とかみ合い係合し、第2の出力ギアは、第2の駆動ギアを有する歯とかみ合い係合する。リングギアは、リングギアをハウジングまたは他の非可動部材に固定するための1または複数の取付け特徴を備える。ブレーキパッドは、内側ブレーキパッドであり、第1および第2のブレーキピストンの各々は、内側ブレーキパッドの端部を動かすように構成される。ブレーキパッドは、外側ブレーキパッドであってよく、第1および第2のブレーキピストンの各々は、外側ブレーキパッドの端部を動かすように構成される。ブレーキパッドは、内側ブレーキパッドおよび外側ブレーキパッドであってよく、第1および第2のブレーキピストンの各々は、内側および/または外側ブレーキパッドの端部を動かすように構成される。ブレーキパッドは、単一のパッドであってよい。ブレーキパッドは、対応するブレーキピストンまたは回転直動ステージ機構によって個々に動かされる2つ以上の個別のパッド部を備えてよい。ブレーキシステムは、モータがオフになった後、またはトルクを発生しなくなった後、クランプ力を維持するために、モータの移動またはバック駆動を防ぐためのブレーキを備える。モータおよびトルク分配アセンブリは、ハウジング内に収容され、ハウジングは、1または複数の締結具を介してブレーキキャリパに連結される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ブレーキシステムの斜視図である。
図2】ブレーキシステムの断面図である。
図3】トルク分配アセンブリを含む、モータギアユニットハウジングの斜視図である。
図4】ハウジングを除いたトルク分配アセンブリの斜視図である。
図5】トルク分配アセンブリの要素の一部の斜視および部分分解図である。
図6】トルク分配アセンブリの要素の一部の斜視および部分分解図である。
図7】トルク分配アセンブリの要素の一部の正面図である。
図8】トルク分配アセンブリの斜視断面図である。
図9】ハウジングを除いたトルク分配アセンブリの斜視図である。
図10】モータアセンブリを除いた図9の斜視および部分分解図である。
図11】トルク分配アセンブリの斜視図である。
図12】モータアセンブリを除いた図11の斜視および部分分解図である。
図13】ハウジングを除いたトルク分配アセンブリの斜視図である。
図14】明確性のためにモータが取り外された図13のトルク分配アセンブリの斜視図である。
図15図14の斜視および部分分解図である。
図16図15の斜視および部分分解図である。
図17】ハウジングを除いたトルク分配アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これらの教示は、ブレーキシステムを提供する。ブレーキシステムは、クランプ力を生成するためのシステムまたはアセンブリであってよい。ブレーキシステムは、クランプ力を解除するための任意のシステムまたはアセンブリであってよい。ブレーキシステムは、車両を減速、停止、および/または停止位置に維持するためのクランプ力を生成するように機能し、構成され、または適合され得る。クランプ力は、車両を減速、停止、および/または停止位置に維持するためのサービスブレーキの動作中に用いられ得る。クランプ力は、車両を停止または駐車位置に維持するためのパーキングブレーキの動作中に用いられ得る。クランプ力は、サービスブレーキおよびパーキングブレーキの両方の動作中に使用され得る。ブレーキシステムは、油圧部品を有してよく、サービスブレーキおよび/またはパーキングブレーキの動作中にクランプ力を生成するためにブレーキピストンおよびブレーキパッドをブレーキ表面(すなわちブレーキロータ)に対して動かすために油圧流体が使用され得る。油圧部品は、本明細書に開示されるトルク分配アセンブリとともに、または別個に適用され得る。
【0010】
ブレーキシステムは、対向ブレーキシステム(すなわち固定キャリパブレーキシステム)または浮動ブレーキシステム(すなわち浮動キャリパ)であってよい。ブレーキシステムは、ディスクブレーキシステムであってよい。ブレーキシステムは、ドラムブレーキシステムであってよい。ブレーキシステムは、サービスブレーキシステムであってよい。ブレーキシステムは、パーキングブレーキシステムであってよい。
【0011】
クランプ力は、ブレーキパッドまたはブレーキシューの摩擦係数と合わさると、ブレーキロータ、ブレーキドラム、および/または車両の動きまたは回転を減速、低速化、停止、および/または防止するように機能する力であり得る。クランプ力は、標準ブレーキの作用中に生じ得る(すなわちブレーキ作用力)。クランプ力は、パーキングブレーキの作用中に生じ得る(すなわちパーキングブレーキ力)。
【0012】
ブレーキシステムは、1または複数のブレーキパッドと、2つ以上のブレーキピストンを支持するブレーキキャリパとを含んでよい。ブレーキの作用中、2つ以上のブレーキピストンは、ブレーキ液を加圧することによって1または複数のブレーキパッドの方向に、また1または複数のブレーキパッドから離れる方向に動かされ得る。追加または代替として、ブレーキの作用中、2つ以上のブレーキピストンおよび1または複数のブレーキパッドは、電気機械要素で動かされ、クランプ力を生成してよい。電気機械要素は、回転直動機構、スピンドル、ナット、モータ、1または複数のギア、トルク分配アセンブリ、またはそれらの組み合わせを含んでよい。
【0013】
ブレーキロータは、ブレーキシステムの構成要素と協働し、クランプ力を生成してよい。ブレーキロータは、インボード側および対向するアウトボード側を含んでよい。ブレーキキャリパは、1または複数のブレーキパッドがブレーキロータのインボード側に位置し(すなわちインボードブレーキパッド)、1または複数のブレーキパッドがブレーキロータのアウトボード側に位置する(すなわちアウトボードブレーキパッド)ように、またはその両方であるように配置され得る。
【0014】
ブレーキキャリパは、2つ以上のピストンボアを有してよい。各ピストンボアは、対応するブレーキピストンを受け入れ支持するように構成されたブレーキキャリパ内の中空領域を画定してよい。ピストンボアは、その全体がブレーキロータの片側(すなわちインボード側またはアウトボード側)に、またはブレーキロータの両側に位置してよい。
【0015】
ブレーキシステムは、2つ以上のブレーキピストンを有してよい。2つ以上のブレーキピストンは、ブレーキパッドまたはブレーキパッドの対応する端部をブレーキロータの方に動かし、クランプ力を生成するように機能し得る。2つ以上のブレーキピストンは、ブレーキロータの片側(すなわちインボード側またはアウトボード側)に位置してよく、または1または複数のブレーキピストンがブレーキロータの両側に位置してよい。
【0016】
ブレーキの作用中、車両を減速、停止、または停止または駐車位置に維持するために、ブレーキピストンは、たとえばブレーキ液などの加圧流体によって動かされ得る。クランプ力またはブレーキの作用を解除するために、ブレーキピストンは、流体を減圧することによって動かされ得る。ブレーキの作用中、車両を減速、停止、または停止または駐車位置に維持するために、ブレーキピストンは、1または複数の電気機械要素で(たとえば1または複数の回転直動機構、スピンドル、ナット、モータなどで)動かされ得る。
【0017】
ブレーキピストンポケットは、対応する回転直動ステージ機構の少なくとも一部を受け入れるように機能し得る。ブレーキピストンポケットは、ブレーキピストンの端部に形成されたカップまたは凹部であってよい。ブレーキピストンポケットは、ブレーキピストンポケットの端部または底部の底壁と、対向する開放端とを含んでよい。回転直動ステージ機構のナットと、対応する底壁との間には、隙間が延びてよい。ブレーキの作用中、隙間は、回転直動ステージ機構を底壁の方に動かすことによって塞がれ得る。隙間が塞がれると、ナットまたは回転直動ステージ機構が更に動くことにより、ナットまたは回転直動ステージ機構が底壁に押し付けられ、ブレーキピストンおよびブレーキパッドをブレーキロータに対して動かし、クランプ力が生じる。
【0018】
1または複数のブレーキパッドは、クランプ力を生成するために用いられ得る。クランプ力は、1または複数のブレーキパッドをブレーキロータの1または複数の側面に摩擦係合することによって車両の運動エネルギを熱エネルギに変換することによりエネルギ伝達をもたらす。1または複数のブレーキパッドは、ブレーキパッドのブレーキシステム内での位置およびブレーキロータに対する位置を維持するために、ブレーキキャリパ、支持ブラケット、またはその両方によって係合し、または係合され得る1または複数の特徴(すなわち、耳部、突起など)を含んでよい。
【0019】
ナットを底部ポケット壁から離すことにより、ブレーキピストンは、逆の解除方向に動き得るので、ブレーキパッドは、ブレーキロータから離れる方向に動き、クランプ力を解除し得る。
【0020】
モータは、1または複数のモータであってよい。モータは、力またはトルクを生成するための任意のモータであってよい。たとえば、モータは、DCモータ、ブラシレスモータ、直巻きモータ、シャント巻きモータ、複合巻きモータ、分巻きモータ、サーボモータ、ステッピングモータ、または永久磁石モータであってよい。モータは、モータを電源、コンピュータ、プロセッサに接続するための1または複数の電気リード線、端子、接続部、またはプラグを含んでよい。モータへの電力供給により、モータの出力シャフトは、軸を中心として回転する。出力シャフトの回転は、(クランプ力を生成するための)作用方向および(クランプ力を解除するための)解除方向に適合され得る。
【0021】
ブレーキシステムは、回転直動ステージ機構とも称され得る1または複数の回転直動機構を備えてよい。1または複数の回転直動機構は、モータまたはトルク分配アセンブリからのトルク出力を、1または複数のブレーキピストンを動かすための直線力または軸方向力に変換するように機能し得る。1または複数の回転直動機構は、たとえばボールねじ、ローラねじ、またはボールランプなどの高効率デバイスであってよい。1または複数の回転直動機構は、高効率デバイスと比較してスピンドルとナットとの間の摩擦係数が高い、たとえば親ねじなどの低効率デバイスであってよい。1または複数の回転直動機構は、一般にスピンドルおよびナットを含んでよい。
【0022】
スピンドルは、モータまたは対応する駆動ギアによって回転され得る。スピンドルは、それぞれブレーキシステムのブレーキを作用させ、解除するために、作用方向および解除方向に回転され得る。スピンドルの回転により、スピンドルと螺合したナットは、作用方向または解除方向に軸に沿って軸方向に動き、ブレーキパッドをブレーキロータの方向に、またはブレーキロータから離れる方向に動かす。スピンドルは、駆動ギアによって直接駆動され得る(2つの要素間の直接連結または取付け)。スピンドルは、駆動ギアによって間接的に駆動されてもよい(2つの要素間の間接的連結または取付けであり、これは、スピンドルと駆動ギアとの間に1または複数のギア、シャフト、ベルト、チェーン、または他の中間連結部材が設けられていることを意味する)。
【0023】
ナットは、スピンドルが周囲を回転するように構成された軸に沿って軸方向に動かされ得る。たとえば、ナットおよびスピンドルは、スピンドルがモータまたは駆動ギアによって回転されると、ナットがピストンポケットの壁に向かって、または壁から離れる方向に動くように螺合され得る。ナットとピストンポケット壁とが接触した後、ナットが更に動くことにより、ブレーキピストンの動きが生じ、ブレーキパッドまたはブレーキパッドの対応する端部がブレーキパッドの方向に動かされ得る。ナットは、軸方向に動くように構成された軸を中心として回転することを制限または防止され得る。
【0024】
トルク分配アセンブリは、1または複数のモータまたはギア列からの出力トルクを、クランプ力を生成するためのブレーキ作用中、パーキングブレーキ作用中、またはその両方の間に、2つ以上のブレーキピストンまたは回転直動機構に分配するように機能し得る。トルク分配アセンブリは、1または複数のモータまたはギア列からの出力トルクを、クランプ力を解除するためのブレーキ解除中、パーキングブレーキ解除中、またはその両方の間に、2つ以上のブレーキピストンまたは回転直動機構に分配するように機能し得る。トルク分配アセンブリは、1または複数のモータまたはギア列からの出力トルクを、クランプ力を生成するためのブレーキ作用中、パーキングブレーキ作用中、またはその両方の間に、2つ以上のブレーキピストンまたは回転直動機構に分配、増加、減少、または乗算するように機能し得る。したがって、トルク分配アセンブリは、トルク乗算および分配アセンブリ、トルク増加および分配アセンブリ、トルク減少および分配アセンブリなどとも称され得る。
【0025】
クランプ力を生成および/または解除している間、これらの教示に係るトルク分配アセンブリは、2つ以上のブレーキピストンに作用する負荷または抵抗の差に基づいて、2つ以上のブレーキピストン間でトルクを分配または再分配するように構成される。
【0026】
トルク分配アセンブリは、2つのブレーキピストンの一方に係る抵抗が他方のブレーキピストよりも高くなるまで両方のブレーキピストンが調和して動くように、モータからのトルクを、第1のブレーキピストンおよび第2のブレーキピストンの両方に概ね等しく分配するように構成される。その後、トルク分配アセンブリは、より高い抵抗を有するピストンアセンブリが動きを減速または中止するように、モータからの動力を、より低い抵抗を有するブレーキピストンに分配するように構成され得る。
【0027】
たとえば、ブレーキパッドの一端がブレーキロータに接触すると、ブレーキパッドのその端部に関連するブレーキピストンは、それに作用する負荷または抵抗または反力の増加を受ける場合がある。したがって、これらの教示に係るトルク分配アセンブリは、そのブレーキピストンへのトルク供給を低減し、その後、ブレーキパッドの他方の対応する端部がブレーキロータの方に移動してブレーキロータと接触するように、他方のブレーキピストンにモータからのトルク供給を分配するように構成される。したがって、これらの教示によると、複数のブレーキピストンを動かしてクランプ力を生成するために単一のモータが使用され得る。
【0028】
たとえば、ブレーキピストンに作用する不均一な、または異なる負荷または力は、ブレーキパッドの摩擦材料が不均一に摩耗した結果として生じる場合があり、これは、ブレーキパッドの一端が、他方の端部がブレーキロータに接触する前にブレーキロータに接触し、クランプ力を発生させ得ることを意味する。最初に接触しクランプ力を発生させるブレーキパッドの端部に関連するブレーキピストンは、そのブレーキピストンに、より大きな無効負荷または抵抗を加える。
【0029】
たとえば、ブレーキピストンに作用する不均一な、または異なる負荷または力は、1つのブレーキピストンが別のブレーキピストンより速く動くというシステムの劣化の結果として生じる場合があり、これは、ブレーキパッドの一端が、他方の端部がブレーキロータに接触する前にブレーキロータに接触し、クランプ力を発生させ得ることを意味する。最初に接触しクランプ力を発生させるブレーキパッドの端部に関連するブレーキピストンは、そのブレーキピストンに、より大きな無効負荷または抵抗を加える。
【0030】
たとえば、ブレーキピストンに作用する不均一な、または異なる負荷または力は、回転直動機構における許容差の違い、ブレーキピストンおよびブレーキピストンが位置するキャリパボアにおける許容差の違いの結果として生じ得る。これらの違いは、1つのブレーキピストンが別のブレーキピストンよりも速く、または遠くまで動くことが原因である場合があり、これは、ブレーキパッドの一端が、他方の端部がブレーキロータに接触する前にブレーキロータに接触し、クランプ力を発生させ得ることを意味する。最初に接触しクランプ力を発生させるブレーキパッドの端部に関連するブレーキピストンは、そのブレーキピストンに、より大きな無効負荷または抵抗を加える。
【0031】
たとえば、ブレーキピストンに作用する不均一な、または異なる負荷または力は、不均一な、または歪んだブレーキロータ表面の結果として生じ得る。
【0032】
トルク分配アセンブリは、1または複数の駆動ギアを含んでよい。1または複数の駆動ギアは、モータまたはトルク分配アセンブリからのトルクを対応するスピンドルに伝達するように機能し得る。駆動ギアは、対応するスピンドルに摩擦係合してよい。駆動ギアは、スピンドルおよび駆動ギアに画定された突起および対応する窪みを介して対応するスピンドルに係合してよい。
【0033】
本明細書に開示される任意のギアは、2つ以上のギアに置き換えられ得る。本明細書に開示される任意の2つ以上のギアは、単一のギアに置き換えられ得る。互いに直接かみ合い係合するものとして本明細書に開示される任意の2つ以上のギアの間には、1または複数の中間ギアが設けられてよい。2つ以上の他のギアの間にある本明細書に開示される任意の中間部は、削除されてよい。
【0034】
本明細書に開示される任意のギアは、平歯車、ヘリカルギア、傘歯車、ウォームギアであってよい。言い換えると、たとえば、本開示において平歯車に言及される場合、平歯車は、たとえばヘリカルギアなどの任意のギアに置き換えられ得る。
【0035】
本明細書に開示されるギアは、ギア間でトルクを伝達するために他の歯車とかみ合い、またはかみ合い係合する歯を有するものとして説明されるが、たとえば1または複数のベルト、チェーン、中間ギア、シャフト、ラックおよびピニオン、車軸などを用いるなど、トルクを伝達するために他の手段が使用され得ることが理解される。また、特定の用途において、ギアの1または複数の歯は削除され、ギアは、圧力または摩擦嵌合を介して互いに係合し、トルクを伝達してよい。また、本明細書に開示される任意のギアは、シャフト、ベルト、チェーン、または他のトルク伝達手段に置き換えられ得る。また、本明細書に開示されるギアのいずれかおよびそれらの向きは並べ替えられてよく、本開示の範囲内に留まり得る。
【0036】
本明細書に開示されるギアは、たとえば金属、プラスティック、3D印刷など、任意の材料で作られてよい。
【0037】
本明細書に開示されるギア、要素、またはアセンブリのいずれかは、主軸Aに沿って延びる、または主軸Aを中心として回転する上記で開示した要素が、主軸Aに平行な、または主軸Aに対し平行または同軸ではない(たとえば垂直または別の角度を有する)別の軸に沿って延び、または別の軸を中心として回転し得るように再配置されてよい。主軸は、中心軸または中央軸と称され得る。
【0038】
1または複数のギアがシャフトまたは軸を中心として回転すると説明される任意の境界面に、1または複数のベアリングおよび/またはブッシングが設けられ得る。
【0039】
本明細書に開示されるブレーキシステムおよび/またはクランプ力は、任意の車両(すなわち乗用車または貨物車、トラック、作業車、またはオフロード車)に利用され得る。本明細書に開示されるブレーキシステムおよび/またはクランプ力は、サービスブレーキの(すなわち路面車輪または車両の減速、停止、または移動の防止のための)作用に利用され得る。本明細書に開示されるブレーキシステムおよび/またはクランプ力は、パーキングブレーキの(すなわち、路面車輪または車両の移動の防止のための)作用に利用され得る。本明細書に開示されるブレーキシステムおよび/またはクランプ力は、油圧式または他のブレーキシステムがサービスブレーキの動作に利用されるのと同時に、パーキングブレーキの作用に利用され得る。
【0040】
様々な実施形態が本明細書に開示される。実施形態の要素が追加の実施形態に組み合わせ、複製、または分離され得ることは、本開示の範囲内である。また、本明細書に開示される任意の要素は、本明細書に開示されるアセンブリのいずれかから削除され、複製され、および/または他の要素と組み合わせられてよい。
【0041】
図1においてブレーキシステム10が示される。ブレーキシステム10は、ブレーキキャリパ12を備える。トルク分配アセンブリ40およびモータ42は、ブレーキキャリパ12に支持されたブレーキピストンの1または複数を動かし、以下で詳述するように、クランプ力を発生および解除するために使用される。再度留意すべき点として、本明細書に開示される単数要素はいずれも、任意の量だけ重複または増加させることができる。たとえば、「モータ」への言及は、必ずしも単一のモータのみが考えられることを意味するものではない。代わりに、「モータ」は、本開示の範囲から逸脱することなく、1または複数のモータ、2つ以上のモータ、3つ以上のモータなどを意味し得る。ブレーキピストン、回転直動ステージ機構、スピンドル、ナット、キャリパ、トルク分配アセンブリなどを含むがこれらに限定されない、本明細書における他の任意の開示にも同じことが当てはまる。同様に、重複または複数の部品への言及はいずれも、単一部品のみに分散または分離され得る。
【0042】
図2は、ブレーキシステム10を示す。ブレーキキャリパ12は、インボードブレーキパッド13およびアウトボードブレーキパッド16を支持するように構成される。各ブレーキパッド14、16は、摩擦材料18および圧力プレート20を備える。ブレーキパッド14、16は、各ブレーキパッド14、16の摩擦材料20が、ブレーキパッド14、16の間にあり得るブレーキロータの側面に面するように、ブレーキキャリパ12の対向側面に配置される。
【0043】
第1のブレーキピストン24は、インボードブレーキパッド14の第1の端部または前端26に、またはその付近に位置する。第2のブレーキピストン28は、インボードブレーキパッド14の第2の端部または後端30に、またはその付近に位置する。本開示は、ブレーキキャリパ12のインボード側に配置された2つのブレーキピストン24、28に焦点を当てるが、ブレーキシステム10は、1または複数のブレーキピストン、2つ以上のブレーキピストン、3つ以上のブレーキピストン、4つ以上のブレーキピストン、8つ以上のブレーキピストンなどを含むがそれらに限定されない、ブレーキキャリパ12のインボードおよび/またはアウトボード側に配置された、任意の数のブレーキピストンを含んでよいことが理解される。
【0044】
また、トルク分配アセンブリ40は、ブレーキキャリパ12のインボード側における第1および第2のブレーキピストン24、28を動かすために構成されるものとして説明されるが、トルク分配アセンブリ40は、ブレーキキャリパ12のインボードおよび/またはアウトボード側に位置する任意の数のブレーキピストンを動かしてよいことが理解される。言い換えると、トルク分配アセンブリ40は、ブレーキキャリパ12の片側のみ、またはブレーキキャリパ12の両側におけるブレーキピストンを動かすように構成され得る。
【0045】
また、ブレーキシステム10は、キャリパ12のインボード側、キャリパ12のアウトボード側、またはブレーキキャリパ12のインボード側およびアウトボード側の両方に、1または複数のトルク分配アセンブリ40を有し得ることが考えられる。
【0046】
ブレーキシステム10は、第1の回転直動ステージ機構32および第2の回転直動ステージ機構34を備える。本明細書の特定の部分において、これらの要素の一方または両方は、回転直動機構とも称され得る。各回転直動ステージ機構32、34は、スピンドル36a、bおよびナット38a、bを備える。いくつかの構成において、ナット38a、38bは、ブレーキピストン24、28に組み込まれてよく、またはブレーキピストン24、28であってよい。すなわち、ブレーキピストン24、28は、追加の中間ナット38a、38bの必要性なく、対応するスピンドル36a、36bによって直接係合され得る。当然、そのような構成において、ブレーキピストン24、28はナット38a、38bと称されてもよい。したがって、各回転直動ステージ機構24、28は、ナット38a、38bと称され得る。各回転直動ステージ機構32、34は、スピンドルおよびナットのねじ係合を介してスピンドルに作用する回転力またはトルクを直線押圧力に変換するために構成される。すなわち、スピンドルは、スピンドル軸を中心として回転させられ、それによってナットは、スピンドルまたはスピンドル軸の長さに沿って軸方向に動く。ナットは、ブレーキキャリパ12に十分に係合し、ナットが軸方向/直線運動中に軸を中心として回転することを防ぐ。回転直動ステージ機構32、34の運動または作動により、対応するブレーキピストン24、28は、インボードブレーキパッド14に向かって、またはインボードブレーキパッド14から離れる方向に動き、それによってブレーキパッド14の対応する端部(複数も可)26、30は、ブレーキロータに向かって、またはブレーキロータから離れる方向に動き、クランプ力を生成または解除する。
【0047】
トルク分配アセンブリ40は、ブレーキシステム10に動作可能に連結される。モータ42は、トルク分配アセンブリ40および/またはブレーキシステム10に動作可能に連結される。
【0048】
トルク分配アセンブリ40は、第1の駆動ギア44および第2の駆動ギア46を備える。第1の駆動ギア44は、図3を参照して以下で詳述するように、第1のスピンドル36aと直接または間接的に連通してよい。第2の駆動ギア46は、図3を参照して以下で詳述するように、第2のスピンドル36bと直接または間接的に連通してよい。第1の駆動ギア44の回転により、第1のスピンドル36aはその長手方向スピンドル軸を中心として回転し、それによって第1のナット38aは、第1のスピンドルの長手方向軸に沿って軸方向に動く。第2の駆動ギア46の回転により、第2のスピンドル36bはその長手方向スピンドル軸を中心として回転し、それによって第2のナット38bは、第2のスピンドルの長手方向軸に沿って軸方向に動く。
【0049】
図3を参照すると、トルク分配アセンブリ40およびモータ42は、(モータギアユニットハウジングと称され得る)ハウジング48に収容または支持され得る。1または複数のプラグ、ワイヤハーネス、またはレセプタクル50は、ブレーキシステム10、トルク分配アセンブリ40、および/またはモータ42を電源、コンピュータまたはコントローラ、および/または車両に連結するために提供され得る。
【0050】
ハウジング48は、1または複数の締結具52(すなわちボルト、ねじ、溶接など)を介してブレーキキャリパ12に連結され、または取り付けられ得る。連結は、永続的であってよい(すなわち、ハウジング48および/またはハウジング48およびブレーキキャリパ12内に位置する要素がハウジング48およびキャリパ12のいずれかまたは両方を破壊することなく分離できないことを意味する)。あるいは、ハウジング48は、(締結具50を介して)ブレーキキャリパ12から分離可能であってよい。分離可能とは、ハウジング48および/またはハウジング48内に位置する要素が、ハウジング48および/またはハウジング48およびキャリパ12内に位置する要素の一方または両方の機能を破壊することなくブレーキキャリパ12から分離され得ることを意味し得る。分離可能であることは、ブレーキシステム10、ブレーキキャリパ12、および/またはトルク分配アセンブリ40の利便性を有利に提供し得る。また分離可能であることにより、異なるトルク分配アセンブリ40および/またはモータ42を収容する異なるハウジング48が単一の共通ブレーキキャリパ12に設置されることも可能になる。たとえば、これは、ブレーキシステム供給業者または車両組立て業者に、標準または共通のブレーキシステム10またはブレーキキャリパ12に取付けまたは連結するための特定の用途および/または必要性に依存して、異なるトルク分配アセンブリ40および/またはモータ42を提供またはカスタマイズする柔軟性または能力を有利に提供し得る。
【0051】
図3図4、および図5に示すように、第1および第2の駆動ギアの各々は、出力特徴54、56を有する。出力特徴54、56は、それぞれの駆動ギア44、46の回転によってトルクがそれぞれのスピンドル36a、36bから直接伝達するように、各スピンドル36a、36bの相手側入力特徴に直接連結され得る。外側出力特徴54、56は、スピンドル36a、36bの雄スプライン嵌合特徴に係合する雌スプラインとして示される。これらの特徴は逆にされてもよく、出力特徴54、56の一方または両方は、スピンドル36a、36bの相手側雌特徴に係合する雄特徴であってよいことが理解される。あるいは、1または複数の中間ギア、シャフト、ベルト、チェーンなどの1または複数の中間トルク伝達要素が、それぞれの駆動ギア44、46および/または出力特徴54、56と、対応するスピンドル36a、36bとの間に設けられてもよく、それを介してトルクが伝達され得る。
【0052】
図4は、ハウジングを除いた機構全体を示す。トルク分配アセンブリは40で示され、モータは42で示される。モータ42は、トルク分配アセンブリ40の一部であってよく、またはモータ42は、トルク分配アセンブリ40から独立した要素であってもよい。モータ42は、1または複数の電気信号および/または電力の供給に応答してトルクを発生するように構成された電気モータである。発生したトルクは、モータ出力シャフト58に位置するモータ出力ギア60を介してモータ40から出力される。ブレーキ62は、モータ40、出力シャフト58、および/または出力ギア60に連結され得る。ブレーキまたはクラッチ62は、モータ40をロックし、出力シャフト58および/または出力ギア60の移動またはバック駆動を防ぎ、モータ42がオフに切り換えられた後、またはトルクを発生しなくなった後、クランプ力を維持するように機能し得る。ブレーキ62は、全ての目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる2019年12月31日付けの共同所有される米国特許第10,518,761B2号において説明され得る。
【0053】
トルク分配アセンブリ40は、第1のギアまたは入力ギア64を備える。第1のギア64は、入力ギアであってよい。第1のギア64は、モータ42、モータ出力ギア60、および/またはモータ出力シャフト58からトルクを受け取る。あるいは、モータ出力ギア60と第1のギア64との間に1または複数の中間または伝達部材66が設けられ得る。1または複数の中間または伝達部材66は、1または複数のギア、シャフト、チェーン、ケーブル、またはベルトであってよい。1または複数の中間伝達部材66は、モータ42からの速度および/またはトルク出力を増加または減少させ、および/またはトルク出力の回転方向を変更するように機能してよい。第1のギア64は、伝達ギア66の歯にかみ合う、またはかみ合い係合する歯65を含む。
【0054】
図5を参照すると、トルク分配アセンブリ40は、第1のギア64、第1の支持プレート68、リングギア70、各々がそれぞれの第1のシャフト74上に支持される1または複数の第1の遊星ギア72(3つが図示される)を備える。第1の遊星ギア72は、第1の遊星ギアセット72とも称され、第1のシャフト74は、第1の車軸74とも称され得る。したがって、第1の遊星ギアセット72は、それぞれの第1の車軸74上に支持され得る。第1の遊星ギア72は、第1の太陽ギア76の周囲に配列または配置される。
【0055】
第1の支持プレート68は、各々が1または複数の第1のシャフト74の端部を支持するように構成された1または複数の第1の支持特徴78を備える。3つの第1のシャフト74があるので、第1の支持プレート68は3つの支持特徴78を備える。支持特徴78は開口部であってよく、その中に第1のシャフト74が移動または回転しないように圧入または固定される。第1の支持プレート68は、以下で詳述される第1の太陽ギア76のハブまたはブッシング86に係合するように構成された中央開口部またはハブ87を備える。第1の支持プレート68は、主軸Aを中心として回転するように構成される。
【0056】
リングギア70は、1または複数の第1の遊星ギア72を内部に収容するサイズの内歯車部71を有する円形部材である。内歯車部71は、1または複数の第1の遊星ギア72の歯82にかみ合う、またはかみ合い係合するように構成された歯80を備える。リングギア70は、主軸Aを中心として移動または回転しないようにハウジング48に固定または圧入または取付けまたは一体化され得る。たとえば、リングギア70の外側表面83は、リングギア70をハウジング48または別の不動部材に固定または取付けするための1または複数のリッジリブまたは取付け特徴を含んでよい。いくつかの実施形態において、リングギア70は、ハウジングの一部(すなわち一体化された部品)または固定部品であってよい。ただし、特定の実施形態において、リングギア70は、主軸Aを中心として、または主軸Aに対して移動または回転するように構成され得る。特定の実施形態において、リングギア70の外側表面83は、他のギアの歯にかみ合う、またはかみ合い係合する歯を含んでよい。
【0057】
1または複数の第1の遊星ギア72は、第1のリングギア70の内歯車部71の内側または内部に嵌合してよい。第1のリングギア70の内側の歯80にかみ合い、または係合することに加えて、1または複数の第1の遊星ギア72の歯82は、第1の太陽ギア76の歯84ともかみ合い、または係合する。1または複数の第1の遊星ギア72は、それぞれの第1のシャフト軸A1の各々を中心として回転するように構成される。第1の軸A1は、主軸Aに平行であってよい。第1の軸A1は、主軸Aに平行でなくてもよい。1または複数の第1の遊星ギア72は、主軸Aを中心として回転するようにも構成される。
【0058】
第1の太陽ギア76は、1または複数の第1の遊星ギア72に対して中心に位置してよい。第1の太陽ギア76は、ハブまたはブッシング86を備え、そこに第1の支持プレート68の開口部87および第1のギア64の開口部63が取り付けられる。第1のギア64は、主軸Aを中心とした第1のギア64の回転によって第1の太陽ギア76も主軸Aを中心として回転するように、ハブまたはブッシング86に圧入、取付け、または固定され得る。第1の太陽ギア76は、第1の太陽ギア76およびトルク分配アセンブリ40およびブレーキシステム12の他の要素を支持するためにハウジング48に固定または支持される端部89を含む。
【0059】
第1のギア64が(モータ42から供給されるトルクによって)ハブ86および主軸Aを中心として回転すると、1または複数の第1の遊星ギア72は、主軸Aを中心として回転し、それによって第1の支持プレート68もまた、1または複数の第1の遊星ギア72とともにハブ86および主軸Aを中心として回転する。
【0060】
トルク分配アセンブリ40は、第1のキャリアプレート88と、図6および図7において詳しく説明される他の要素とを備える。第1のキャリアプレート88は、第1の側面Aと対向する第2の側面Bとを有する。側面は互いに平行であってよい。第1の遊星ギアセット72は、第1のキャリアプレート88の第1の側面Aに支持され、第2の遊星ギアセット98は、第1のキャリアプレート88の第2の側面Bに支持される。第1および第2の駆動ギア44、46および対応する出力特徴54、56も図5に示される。出力特徴54、56はスプラインであってよいが、他の任意の出力特徴、パターン、または幾何学形状が、それぞれのスピンドルに係合するために使用され得る。スプライン特徴は、上述したように、ハウジングまたはトルク分配アセンブリ40をブレーキシステム10またはキャリパ12から独立可能であるようにする点で有利であり得る。
【0061】
図6を参照すると、トルク分配アセンブリ40は更に、第1のキャリアプレート88、第2の太陽ギア90、第1の摩擦付加部材92、第2の支持プレート94、負荷発生部材93、第2の摩擦付加部材95、および第3の太陽ギア96を備える。図7を更に参照すると、トルク分配アセンブリ40は、各々がそれぞれの第2のシャフト100に支持される1または複数の第2の遊星ギア98、各々がそれぞれの第3のシャフト104に支持される1または複数の第3の遊星ギア102、および第2のキャリアプレート106を備える。第2の遊星ギア98は、第2の遊星ギアセット98とも称され、第2のシャフト100は、第2の車軸100とも称され得る。したがって、第2の遊星ギアセット98は、それぞれの第2の車軸100に支持され得る。第3の遊星ギア102は、第3の遊星ギアセット102とも称され、第3のシャフト104は、第3の車軸104とも称され得る。したがって、第3の遊星ギアセット102は、それぞれの第3の車軸104に支持され得る。
【0062】
第1の支持プレート88は、各々が、1または複数の第2の遊星ギア98を支持する1または複数の第2のシャフトまたは車軸100の1つの端部および1または複数の第1の遊星ギア72を支持する1または複数の第1のシャフトまたは車軸74(図5を参照)の1つの端部を支持するように構成された複数の第2の支持特徴108を備える。シャフト100、74は、個々の移動または回転が制限され、防止され、またはないように、第1のキャリアプレート88および/または支持特徴108に圧入または固定され得る。
【0063】
第2の太陽ギア90は、1または複数の第2の遊星ギア98に対して中心に位置し、第2の遊星ギア98の歯112とかみ合い、またはかみ合い係合する歯110を有する。
【0064】
第1および第2の摩擦付加部材92、95は、互いに、および/または負荷発生部材93に係合し、第2の支持プレート94を間に挟んでよい。第1および第2の摩擦付加部材92、95は、負荷発生部材93の対向側面に位置してよい。第1および第2の摩擦付加部材92、95は、第2の支持プレート94によって支持され、トルク分配アセンブリ40の要素のためのスタンドオフまたはスペーサを提供してよい。摩擦付加部材92、95の一方または両方は、互いに、および/または支持プレート94に対して可動であってよい。摩擦付加部材92、95の一方または両方は、太陽ギア90、96のそれぞれ1つに面し、それぞれの第2および/または第3の太陽ギア90、96に対して当接、接触、または押圧して太陽ギア92、95の一方または両方に負荷または摩擦を加えるように機能する摩擦表面91を含んでよい。いくつかの構成において、摩擦表面91は、負荷発生部材93に組み込まれ、または取り付けられ得る。負荷発生部材93は、O型リング、またはたとえば円錐ばね、螺旋ばね、波ばね、皿ばねなどのばねであってよく、それぞれの摩擦表面91が太陽ギア90、96に接触するように動かされ、または付勢され、それぞれの太陽ギア90、96に負荷を加えるように、2つの摩擦付加部材92、95を互いに、および/または支持プレート94から離れる方向に分散または分離または移動させるように機能する。摩擦付加部材92、95および/または摩擦表面91は、第2および/または第3の太陽ギア90、96に対し押圧され、または動かされると、第2および/または第3の太陽ギア90、96および/またはトルク分配アセンブリ40への負荷または抵抗を増加させるように機能するゴム、プラスティック、または他の材料で作られ得る。摩擦付加部材92、95は、一方向ボールベアリング、一方向アクチュエータ、一方向クラッチ、スリップクラッチ、摩擦クラッチであってよい。摩擦付加部材92、95および/または摩擦表面91は、回転直動ステージ機構32、34の一方または両方における摩擦(すなわち、たとえばスピンドルおよびナットのねじ山間の摩擦)がトルク分配アセンブリ40における摩擦または抵抗よりも小さいように、トルク分配アセンブリ40に十分な量の摩擦または抵抗を加えてよい。すなわち、トルク分配アセンブリ40における摩擦が回転直動ステージ機構32、34における摩擦よりも大きくなるように第2および/または第3の太陽ギア90、96に摩擦係合することによって、トルク分配アセンブリ40は、クランプ力を解除すると、回転直動ステージ機構32、34の両方がともに解除方向に回転してクランプ力を解除し得るように、閉鎖またはロックされた差動のように機能する。
【0065】
第2の支持プレート94は、各々が、第3の遊星ギア102を支持する1または複数の第3のシャフト104の1つの端部を支持するように構成された1または複数の第3の支持特徴97を備える。3つの第3のシャフト104があるので、第2の支持プレート94は、3つの支持特徴97を備える。支持特徴97は開口部であってよく、その中に、第3のシャフト104が移動または回転しないように圧入または固定される。
【0066】
第3の太陽ギア96は、第3の遊星ギア102に対して中心に位置し、第3の遊星ギア102の歯116とかみ合い、またはかみ合い係合する歯114を有する。
【0067】
1または複数の第2の遊星ギア98の径方向の高さまたは長さは、1または複数の第3の遊星ギア102の径方向の高さまたは長さよりも大きい。言い換えると、1または複数の第2の遊星ギア98は、1または複数の第3の遊星ギア102よりも第2のキャリアプレート106から更に遠くに延びる。これにより、第2の遊星ギア98の歯112は、第3の太陽ギア96および第2の支持プレート94を越えて(接触せずに)延び、第2の太陽ギア90の歯110とかみ合う、またはかみ合い係合することができる。
【0068】
図7に示すように、第2の遊星ギア98の歯112は、第3の遊星ギア102の歯116とかみ合い、またはかみ合い係合する。また、主軸または中心軸または中心軸Aまたは第2のプレート94の中心から第2の遊星ギア98までの径方向距離D1は、主軸Aまたは第2のプレート94の中心から第3の遊星ギア102までの径方向距離D2よりも大きい。
【0069】
第2のキャリアプレート106は、1または複数の第2および第3のシャフト100、104の1つの対向端部を支持するように構成された(第1のキャリアプレート88における支持特徴108のような)支持特徴を備える。
【0070】
トルク分配アセンブリ40は、第2のキャリアプレート106によって固定または支持される支持シャフトまたは車軸130を備える。シャフト130は、(第3の太陽ギア96に固定された)伝達シャフト122、摩擦付加部材92、95、第2の太陽ギア90に固定された第2の支持プレート94を支持するように構成され、第1のキャリアプレート88によって支持され得る。
【0071】
図8および先行の図1~7を参照すると、クランプ力を生成する方法が説明される。この方法は、路面車輪または車両を減速、停止、または停止または駐車位置に維持するためのクランプ力を生成するために、ブレーキパッドの一方または両方をブレーキロータに対して動かして摩擦を生成するために用いられ得る。クランプ力は、サービスブレーキの作用中および/またはパーキングブレーキの作用中に生成され得る。
【0072】
方法は、たとえば図9に示すように、モータ42をオンにするステップを含む。これは、車両ブレーキペダルを押下すること、1または複数のボタンを押下すること、トランスミッションをパークギアに入れること、および/または車両イグニッションをオフにすることによって起こり得る。モータ42をオンにすることは、1または複数の電子信号および/または電力がモータ42に供給または伝達されることを意味する。モータ42をオンにすることによって、モータ42は、トルク出力を発生または増加させる。トルク42は、モータ出力シャフト58および/またはモータ出力ギア60を介してモータ42から出力される。発生したトルクは、たとえば図4に示すように、モータ出力シャフト58から直接、またはモータ出力ギア60から、または1または複数の中間伝達部材66を介して第1のギア64に出力され、それによって第1のギア64は、主軸Aを中心として回転する。
【0073】
たとえば図5において、第1のギア64と第1の太陽ギア76との間の係合(たとえば要素86と63との間の係合)により、主軸Aを中心とした第1のギア64の回転により、第1の太陽ギア76も主軸Aを中心として回転する。主軸Aを中心とした第1の太陽ギア76の回転により、1または複数の第1の遊星ギア72は、第1のリングギア70の内歯車部71内で主軸を中心として回転する。1または複数の第1の遊星ギア72は、それぞれのシャフト74の軸A1の各々の周囲も回転する。第1の支持プレート68と第1のシャフト74との係合により、第1の支持プレート68もまた、主軸Aを中心として回転する。
【0074】
第1のシャフト74と第1のキャリアプレート88との間の係合(たとえば要素74と108との係合)により、主軸Aを中心とした第1の遊星ギア72の回転は、主軸Aを中心として第1のキャリアプレート88を回転させる。
【0075】
第2のシャフト100と第1のキャリアプレート88および第2のキャリアプレート106との間の係合(たとえば要素100と108との係合)により、主軸Aを中心とした第1のキャリアプレート88の回転は、主軸Aを中心として第2のキャリアプレート106を回転させる。
【0076】
第2のキャリアプレート106が主軸を中心として回転する間、第2の遊星ギア98が主軸Aを中心として回転し、それによって第2の太陽ギア90が主軸を中心として回転する。図8を具体的に参照すると、第2の太陽ギア90は、第1の駆動ギア44とかみ合い、またはかみ合い係合する歯を有するギア120を含む伝達シャフト130に係合する。したがって、第2の太陽ギア90の回転は、伝達シャフト130およびギア120を回転させ、したがって第1の駆動ギア44を回転させる。上述したように、第1の駆動ギア44は第1のスピンドル36aに直接または間接的にトルクを伝達し、その軸を中心として第1のスピンドル36aを回転させる。第1のスピンドル36aのその軸を中心とした回転は、第1のナット38aを第1のブレーキピストン24の底部に向かって軸方向に移動させる。第1のナット38aが第1のブレーキピストン24の底部と接触した後、第1のナット38aの継続した軸方向の移動により、第1のブレーキピストン24はブレーキパッド14と接触し、ブレーキパッド14をブレーキロータと接触するように動かし、ブレーキパッドおよび路面車輪を減速、停止、または停止または駐車位置に維持するために必要なクランプ力を発生させる。
【0077】
第2のキャリアプレート106が主軸を中心として回転する間、第3の遊星ギア102もまた主軸Aを中心として回転し、それによって第3の太陽ギア96が主軸を中心として回転する。図8を具体的に参照すると、第3の太陽ギア96は、第2の駆動ギア46とかみ合い、またはかみ合い係合する歯を有するギアを有する伝達シャフト122に係合する。伝達シャフト122は、伝達シャフト130が通過し自由に回転することができる内部ボアまたは通路を含んでよい。したがって、伝達シャフト130、122は、共通軸である主軸Aに沿って延び、その周囲を回転するように配置され得る。当然、伝達シャフト130、122が、同軸または平行でない軸を中心として回転することも可能である。
【0078】
第3の太陽ギア96の回転は伝達シャフト122およびギアを回転させ、それによって第2の駆動ギア46が回転する。上述したように、第2の駆動ギア46は、第2のスピンドル36bに直接または間接的にトルクを伝達し、その軸を中心として第2のスピンドル36bを回転させる。第2のスピンドル36bのその軸を中心とした回転は、第2のナット38bを第2のブレーキピストン28の底部に向かって軸方向に移動させる。第2のナット38bが第2のブレーキピストン28の底部と接触した後、第2のナット38bの継続した軸方向の移動により、第2のブレーキピストン28はブレーキパッド14と接触し、ブレーキパッド14をブレーキロータと接触するように動かし、ブレーキロータおよび路面車輪を減速、停止、または停止または駐車位置に維持するために必要なクランプ力を発生させる。
【0079】
上述した駆動ギア44、46および対応する回転直動ステージ機構の移動および回転は、実質的に同時に、または連続的に(次々と)起こり得る。
【0080】
ブレーキパッド14の端部26、30の1つがブレーキロータと接触すると、対応するブレーキピストン24、28、ナット38a、38b、スピンドル36、36b、および駆動ギア44、46に作用する負荷または抵抗または反力は増加し得る。これが起こると、トルク伝達アセンブリ40は、モータから、より低い負荷または抵抗または反力が作用している駆動ギア44、46へのトルク供給を増加または誘導しながら、より高い負荷または抵抗または反力が作用している駆動ギア44、46への更なるトルク供給を低減、中止、または削除するように機能してよい。
【0081】
たとえば、ブレーキパッド14の端部26がブレーキロータと接触しており、他方の端部30が接触していない場合、またはブレーキパッド14の端部26が他方の端部30よりも大きな力でブレーキロータに摩擦係合している場合に起こり得る、第1の駆動ギア44が第2の駆動ギア46に比べて高い負荷または抵抗を有することを仮定する。これは、ブレーキパッドが先細りに摩耗した結果、生じ得る。これが起こると、第1の駆動ギア44によってギア120により大きな負荷または抵抗が加わり、それによって伝達シャフト130により高い負荷または抵抗が加わる。伝達シャフト130は、第2の太陽ギア90により高い負荷または抵抗を加え、これは、主軸Aを中心とした第2の太陽ギア90の回転を減速または停止させるように機能し、それによって第2の遊星ギア98は、それぞれの第2のシャフト100の各々を中心とした回転速度を増加させる。それぞれの第2のシャフト100の各々を中心とした第2の遊星ギア98の回転速度の増加により、第3の遊星ギア102は、それに応じて、それぞれの第3のシャフト104の各々を中心とした回転速度を増加させる。第3の遊星ギア102の回転の増加は、歯114、116のかみ合い係合を介して第3の太陽ギア96に対応して伝達され、第3の太陽ギア96の主軸Aを中心とした回転の回転速度を増加させる。主軸Aを中心として第3の太陽ギア96が回転する速度の増加は、ギア122に伝達され、ギア122の回転速度を増加させる。ギア122の回転速度の増加は、第2の駆動ギア46に対応して伝達され、その後、上述したように、第2の回転直動ステージ機構34を介して第2のブレーキピストン28に伝達される。
【0082】
別の動作例において、今回は、第2の駆動ギア46が第1の駆動ギア44に比べて高い負荷または抵抗を有すると仮定すると、第2の駆動ギア46によってギア122により高い負荷または抵抗が加わり、それによって第3の太陽ギア96により高い負荷または抵抗が加わり、そのために第3の太陽ギア96が主軸Aを中心とした回転を減速または停止することによって、第3の遊星ギア102が、それぞれの第2のシャフト104の各々を中心とした回転速度を増加させる。それぞれの第2のシャフト104の各々を中心とした第3の遊星ギア102の回転速度の増加により、第2の遊星ギア98は、それに応じて、歯112、116のかみ合い係合を介して、それぞれの第2のシャフト100の各々を中心とした回転速度を増加させる。第2の遊星ギア98の回転の増加は、歯110、112のかみ合い係合を介して第2の太陽ギア90に対応して伝達され、それに応じて第2の太陽ギア90は主軸Aを中心とした回転速度を増加させる。第2の太陽ギア90が主軸Aを中心として回転する速度の増加は、伝達シャフト130に伝達され、ギア120の回転速度を増加させる。したがって、ギア120の回転速度の増加は、第1の駆動ギア44に伝達され、その後、上述したように、第1の回転直動ステージ機構32を介して第1のブレーキピストン24に伝達される。
【0083】
第1の駆動ギア44は、第1の平面P1に位置し、第2の駆動ギア46は、第2の平面P2に位置する。2つの平面P1、P2は互いに並行であり、これは、一方の平面P1が他方の平面P2よりも車両位置においてブレーキロータに近いことを意味する。当然、この配置は逆であってもよく、平面P2が他方の平面P1よりもブレーキロータに近く配置されてよい。いくつかの構成において、平面P1およびP2は、同一または同一平面上であってよい。
【0084】
図9および図10は、別のトルク分配アセンブリ40’を示す。トルク分配アセンブリ40’は、トルク分配アセンブリ40と同様の多数の要素を含むので、共通要素のいくつかの説明および機能は再度記載されない。
【0085】
ブレーキ62’は、ブレーキ62と同じであり、同じ機能を果たし得るが、図9および図10では、モータ42の背部領域に取り付けられたものとして示される。これは、ハウジング48内または車両にパッケージ空間を設ける点で有利であり得る。これは、ブレーキ62’が、ブレーキ62’の機能に有害である場合もそうでない場合もあるグリースや油に触れることを防ぐ点で有利であり得る。いくつかの実施形態において、ブレーキ62またはブレーキ62’は、上述したアセンブリ40と同様、ハウジング48内ではなく、ハウジング48外に設けられ得る。
【0086】
トルク分配アセンブリ40’は、外側表面に歯83’を有するリングギア70’を含む。モータギア60の歯は、リングギア70’の歯83’とかみ合い、またはかみ合い係合し、主軸Aを中心としてリングギア70’を回転させ得る。主軸Aを中心としたリングギア70’の回転により、1または複数の第1の遊星ギア72’は、1または複数の第1の遊星ギア72’における歯71と歯82との係合を介して、主軸を中心として回転する。第1の太陽ギア76’は、たとえばハウジング48(図3)などの移動または回転しない要素に連結することによって、主軸Aを中心とした回転から固定され得る。したがって、支持プレート68は、第1の太陽ギア76’のハブ86’の周囲を回転できるようにする必要がある。
【0087】
トルク分配アセンブリ40’のその他の要素および動作は、トルク分配アセンブリ40を参照して上述したものと実質的に同じであってよい。
【0088】
図11および図12は、別のトルク分配アセンブリ40’ ’を示す。トルク分配アセンブリ40’ ’ は、トルク分配アセンブリ40および40’ と同様の多数の要素を含むので、共通要素のいくつかの説明および機能は再度記載されない。
【0089】
モータ42’ ’は、トルク分配アセンブリ40’ ’の反対側に再配置および提供される。
【0090】
トルク分配アセンブリ40’ ’は、2つの遊星段P1およびP2を備える。
【0091】
第1の遊星段P1は、第1および第2のキャリアプレート88、106の間に挟まれた要素を含む。この要素は、図4~8において図示および上述したものを備える。すなわち、第1の遊星段P1は、第1の支持プレート68、リングギア70、第1の太陽ギア76、第1の遊星ギア72’、第1のシャフト74、第2の太陽ギア90、第1の摩擦付加部材92、支持プレート94、第2の摩擦付加部材95、摩擦表面91、負荷発生部材93、第3の太陽ギア96、車軸130、ギア120、ギア122、第2の遊星ギア98および第2のシャフト100、第3の遊星ギア102および第3のシャフト104を備える。第1の遊星段P1の要素は、簡潔性のために再度説明されない。
【0092】
第2の遊星段P2は、図9および図10において図示および上述したトルク分配アセンブリ40’の要素を備える。すなわち、第2の遊星段P2は、支持プレート68’、リングギア70’、太陽ギア76’、および1または複数の遊星ギア72’を備える。支持プレート68’、太陽ギア76’、および1または複数の遊星ギア72’は、支持プレート68、太陽ギア76、および1または複数の遊星ギア72と同じであってもなくてもよい。第2の遊星段P2の要素は、簡潔性のために再度説明されない。
【0093】
図13図14図15、および図16は、別のトルク分配アセンブリ40’ ’ ’を示す。トルク分配アセンブリ40’ ’ ’は、トルク分配アセンブリ40、40’、40’ ’ と同様の多数の要素を含むので、共通要素のいくつかの説明および機能は再度記載されない。
【0094】
トルク分配アセンブリ40’ ’ ’は、シャフト58’ ’ ’およびギア60’ ’ ’を介してモータ42によって駆動される入力ギア64’ ’ ’を含む。入力ギア64’ ’ ’は、入力ギア64’ ’ ’の回転が出力部67’ ’ ’をともに回転させるように固定された出力部またはギア67’ ’ ’を備える。出力部67’ ’ ’は、リングギア70’ ’ ’の歯とかみ合い、またはかみ合い係合してリングギア70’ ’ ’を回転させる歯を備える。リングギア70’ ’ ’は、リングギア70’ ’ ’の回転がキャリアプレート106’ ’ ’も回転させるようにキャリアプレート106’ ’ ’に結合され、または取り付けられ得る。軸Aを中心としたキャリアプレート106’ ’ ’の回転により、(他の実施形態では第3の遊星ギアと称され得る)遊星ギア102’ ’ ’ が軸Aを中心として回転し、それらは同時に、キャリアプレート106’ ’ ’に連結された個々の車軸シャフトの各々の周囲も回転する。軸Aを中心とした遊星ギア102’ ’ ’の回転により、(他の実施形態では第3の太陽ギアと称され得る)太陽ギア96’ ’ ’ が軸Aを中心として回転し、それによって出力部またはギア122’ ’ ’が太陽ギア96’ ’ ’とともに回転する。出力部またはギア122’ ’ ’は、第2の駆動ギア46の歯とかみ合い、またはかみ合い係合し、第2の回転直動ステージ機構34を駆動し、または動かす。
【0095】
軸Aを中心としたキャリアプレート106’ ’ ’の回転により、(他の実施形態では第2の遊星ギアと称され得る)遊星ギア98’ ’ ’も軸Aを中心として回転し、同時に、キャリアプレート106’ ’ ’および支持プレート68’ ’ ’に連結された個々の車軸シャフトの各々の周囲も回転する。軸Aを中心とした遊星ギア98’ ’ ’の回転により、(他の実施形態では第2の太陽ギアと称され得る)太陽ギア90’ ’ ’が軸Aを中心として回転し、それによって出力部またはギア120’ ’ ’が太陽ギア90’ ’ ’とともに回転する。出力部またはギア120’ ’ ’は、第1の駆動ギア44の歯とかみ合い、またはかみ合い係合し、第1の回転直動ステージ機構32を駆動し、または動かす。
【0096】
駆動ギア44、46の1つにより高い負荷または抵抗が作用している場合、トルク分配アセンブリ40’ ’ ’は、より低い負荷または抵抗が作用している駆動ギア44、46に多くのトルクを供給し、より高い負荷または抵抗が作用している駆動ギア44、46に少ないトルクを供給するか、またはトルクを供給しないように機能する。
【0097】
たとえば、駆動ギア44に比べて駆動ギア46により高い負荷または抵抗が作用する場合、ギア46に作用するより高い負荷または抵抗により、ギア122’ ’ ’は回転を減速または停止させ、それによって太陽ギア96’ ’ ’が減速または停止し、遊星ギア102’ ’ ’は、それぞれの個々のシャフト軸を中心とした回転速度を増加させる。遊星ギア102’ ’ ’の歯は遊星ギア98’ ’ ’の歯とかみ合っているので、遊星ギア98’ ’ ’もまた対応して、それぞれの個々のシャフトを中心とした回転速度を増加させる。遊星ギア120’ ’ ’の個々のシャフト軸を中心とした回転速度の増加により、太陽ギア90’ ’ ’は、軸Aを中心とした回転速度を増加させ、それによって出力部またはギア120’ ’ ’がその速度を増加させることにより、駆動ギア44は以前よりも速い速度で回転し続ける。
【0098】
たとえば、駆動ギア46に比べて駆動ギア44により高い負荷または抵抗が作用する場合、駆動ギア44に作用するより高い負荷または抵抗により、出力ギア120’ ’ ’および太陽ギア90’ ’ ’は回転を減速または停止させ、それによって遊星ギア98’ ’ ’は、それらの個々のシャフト軸を中心とした回転速度を増加させる。遊星ギア98’ ’ ’の歯は遊星ギア102’ ’ ’の歯とかみ合っているので、遊星ギア102’ ’ ’も対応して、それらの個々のシャフトを中心とした回転速度を増加させる。個々のシャフト軸を中心とした遊星ギア102’ ’ ’の回転速度の増加により、太陽ギア96’ ’ ’は、軸Aを中心とした回転速度を増加させ、それによって出力部またはギア122’ ’ ’がその速度を増加させることにより、駆動ギア46は、以前よりも速い速度で回転し続ける。
【0099】
図17は、ブレーキ62がモータ42またはモータ出力シャフト58に連結され得る様々な領域1、2、3を示す。ブレーキ62は、モータ42の後部領域(領域1)、モータハウジング43と出力ギア60との間のモータの前部領域(領域2)、または出力ギア60の反対側(領域3)において、出力シャフト58に連結され得る。特定の実施形態において、ブレーキ62は、モータハウジング43内に設けられ得る。
【0100】
本明細書に提示される説明および図は、当業者に本発明、その原理、およびその適用例を知らせることが意図されている。上記説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことが意図されている。当業者は、本発明を、特定の用途の要件に最も適したように多数の形態に適合および適用し得る。
【0101】
したがって、記載された本発明の特定の実施形態は、本教示を網羅的または限定的にすることを意図したものではない。したがって、本教示の範囲は、本明細書を参照して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに決定すべきである。以下の特許請求の範囲における、本明細書に開示される主題事項の任意の態様に関する省略は、そのような主題事項を放棄するものではなく、発明者が、そのような主題事項が開示される発明主題事項の一部であると考えなかったと見なすものでもない。
【0102】
複数の要素またはステップは、単一の統合された要素またはステップによって提供されてよい。あるいは、単一の要素またはステップは、別々の複数の要素またはステップに分割されてもよい。
【0103】
要素またはステップを記述するための「a」または「1つの」という開示は、追加の要素またはステップを排除することを意図したものではない。
【0104】
第1の、第2の、第3のなどの用語は、本明細書において、様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分を説明するために使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、または部分を別の領域、層、または部分と区別するために使用され得る。たとえば「第1の」、「第2の」などの用語および他の数値用語は、本明細書において使用される場合、文脈によって明示されない限り、順番や順序を示すものではない。したがって、後述される第1の要素、構成要素、領域、層、または部分は、本教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と称され得る。
【0105】
たとえば「内側」、「外側」、「下」、「下部」、「下側」、「上部」、「上側」などの空間相対的用語は、本明細書において、図に示すような1つの要素または特徴と別の要素(複数も可)または特徴(複数も可)との関係を表す説明を容易にするために使用され得る。空間相対的用語は、図に示される向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きも包括することが意図され得る。たとえば、図内のデバイスが裏返しにされた場合、他の要素または特徴の「下側」または「下」と説明された要素は、他の要素または特徴の「上」に向けられることになる。したがって、「下」という用語は、上下両方の向きを包括し得る。デバイスは、他の向き(90度回転された向きまたは他の向き)であってよく、本明細書で使用される空間相対的記述語は、それに応じて解釈される。
【0106】
特許出願および出版物を含む全ての論説および参照文献の開示は、全ての目的のために参照によって組み込まれる。以下の特許請求の範囲から収集されるような他の組み合わせも可能であり、それらもまた、参照によって本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17