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特許7702274キャリア基板上での炭化ケイ素および窒化物構造の製造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-25
(45)【発行日】2025-07-03
(54)【発明の名称】キャリア基板上での炭化ケイ素および窒化物構造の製造
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20250626BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20250626BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20250626BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
H01L21/306 B
H01L21/304 631
H01L21/02 B
G02B6/12 341
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021082149
(22)【出願日】2021-05-14
(65)【公開番号】P2021193727
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】16/874,588
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトリー, サミュエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヤップ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】チェン, エドワード エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】キム, ダニー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラッド, サディアス ディー.
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-157603(JP,A)
【文献】特開2010-225605(JP,A)
【文献】特開2005-347747(JP,A)
【文献】特開平09-171113(JP,A)
【文献】特表2008-538055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0058628(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0025530(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0057013(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0246722(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12 -G02B 6/14
H01L 21/00 -H01L 21/02
H01L 21/04
H01L 21/304 -H01L 21/3063
H01L 21/308
H01L 21/463 -H01L 21/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成するための方法であって、
炭化ケイ素基板上に、III族窒化物層の組を形成することであって、前記炭化ケイ素基板はドープ層を含み、前記ドープ層は、前記ドープ層が光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、一方、前記炭化ケイ素基板の他の部分はエッチングされずに残るドーピングレベルを有する、III族窒化物層の組を形成することと、
前記III族窒化物層の組の上に、第1の酸化物層を形成することであって、前記III族窒化物層の組は、前記第1の酸化物層と前記炭化ケイ素基板との間に配置される、第1の酸化物層を形成することと、
前記第1の酸化物層をキャリア基板上の第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成することと、
前記炭化ケイ素基板を研削することと、
前記炭化ケイ素基板の前記ドープ層の一部分に達したときに、前記研削を停止することと、
前記炭化ケイ素基板の前記ドープ層の前記一部分が露出したときに、前記ドープ層が除去され前記炭化ケイ素基板の炭化ケイ素デバイス層が残るように、前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記炭化ケイ素基板をエッチングすることと、
前記炭化ケイ素デバイス層および前記III族窒化物層の組を使用して、前記半導体構造を形成することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の酸化物層を前記キャリア基板上の前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することが、前記炭化ケイ素基板のエッチング後に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の酸化物層を前記キャリア基板上の前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することが、前記III族窒化物層の組の1つのIII族窒化物層のエッチング後に実行される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の酸化物層を前記キャリア基板上の前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することが、前記炭化ケイ素基板のエッチング前に実行される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の酸化物層を前記キャリア基板上の前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することは、
前記第1の酸化物層の第1の表面を前記第の酸化物層の第2の表面に接触させることであって、前記第1の酸化物層と前記第の酸化物層との間に分子間相互作用が発生する、第1の表面を接触させることと、
前記第1の表面が前記第2の表面に直接接触している間に、前記第1の酸化物層および前記第の酸化物層をアニーリングして、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することと、
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記炭化ケイ素基板の前記ドープ層の前記一部分が露出したときに、前記ドープ層が除去され前記炭化ケイ素基板の前記炭化ケイ素デバイス層が残るように、前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記炭化ケイ素基板をエッチングすることは、
前記炭化ケイ素基板の前記ドープ層の前記一部分が露出したときに、前記ドープ層が除去され前記炭化ケイ素基板の前記炭化ケイ素デバイス層が残るように、前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記炭化ケイ素基板のケイ素面および炭素面のうちの1つをエッチングすることを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ドープ層は、前記炭化ケイ素デバイス層の厚みの所望の一様性、または所望の光学性能レベルのうちの少なくとも1つをもって、ウエハの上に前記炭化ケイ素デバイス層を形成することを可能にする犠牲層であり、および/または
記半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、または、前記炭化ケイ素デバイス層内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記炭化ケイ素デバイス層および前記III族窒化物層の組は薄膜層であり
記キャリア基板は、炭化ケイ素基板、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つであり、および/または
記III族窒化物層の組は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
半導体構造を形成するための方法であって、
炭化ケイ素基板上に形成されたIII族窒化物層の組の上に配置された第1の酸化物層を、キャリア基板の上に配置された第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成することであって、前記炭化ケイ素基板はドープ層を有する、酸化物層を形成することと、
光電気化学エッチング処理を用いて、前記ドープ層を有する前記炭化ケイ素基板であって、前記ドープ層のドーピングレベルは、前記光電気化学エッチング処理により前記ドープ層が除去され、前記炭化ケイ素基板の炭化ケイ素デバイス層がエッチングされずに残るレベルである、前記炭化ケイ素基板をエッチングすることと、
前記炭化ケイ素デバイス層と前記III族窒化物層の組とを用いて、前記半導体構造を形成することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記炭化ケイ素基板のエッチング前に、前記炭化ケイ素基板を研削することと、前記炭化ケイ素基板のエッチング前に、前記炭化ケイ素基板の前記ドープ層の一部分に達したとき、前記炭化ケイ素基板の前記研削を停止すること、および/または、
前記炭化ケイ素基板の上に前記III族窒化物層の組を形成することと、前記III族窒化物層の組の上に、前記第1の酸化物層を形成することであって、前記III族窒化物層の組は、前記第1の酸化物層と前記炭化ケイ素基板との間に配置される、前記第1の酸化物層を形成すること、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
炭化ケイ素基板上に形成された前記III族窒化物層の組の上に配置された前記第1の酸化物層を、前記キャリア基板の上に配置された前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することは、前記炭化ケイ素基板のエッチング後に実行される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の酸化物層を前記キャリア基板上の前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することは、前記III族窒化物層の組の1つのIII族窒化物層のエッチング後に実行される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
前記炭化ケイ素基板上に形成された前記III族窒化物層の組の上に配置された前記第1の酸化物層を、前記キャリア基板の上に配置された前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することは、前記炭化ケイ素基板のエッチング前に実行される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項14】
炭化ケイ素基板上に形成された前記III族窒化物層の組の上に配置された前記第1の酸化物層を、前記キャリア基板の上に配置された前記第の酸化物層に結合して、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することは、
前記第1の酸化物層の第1の表面を前記第の酸化物層の第2の表面に接触させることであって、前記第1の酸化物層と前記第の酸化物層との間に分子間相互作用が発生する、第1の表面を接触させることと、
前記第1の表面が前記第2の表面に直接接触している間に、前記第1の酸化物層および前記第の酸化物層をアニーリングして、前記キャリア基板と前記III族窒化物層の組との間に配置される前記酸化物層を形成することと、
を含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ドープ層は、前記炭化ケイ素デバイス層の厚みの所望の一様性、または所望の光学性能レベルのうちの少なくとも1つをもって、ウエハの上に前記炭化ケイ素デバイス層を形成することを可能にする犠牲層であり
記半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、または、前記炭化ケイ素デバイス層内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリのうちの少なくとも1つから選択され
記炭化ケイ素デバイス層および前記III族窒化物層の組は薄膜層であり
記キャリア基板は、炭化ケイ素基板、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つであり、および/または
記III族窒化物層の組は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)のうちの少なくとも1つを含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して半導体に関し、具体的には、半導体構造を形成する方法に関し、具体的には、キャリア基板上に炭化ケイ素と窒化物構造を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素および、窒化ガリウムなどのIII族窒化物は、信号処理および量子応用に望ましい半導体である。これらの材料は、低損失フォトニクスおよびオンチップ非線形オプティクス用として現在使用されているケイ素、シリカ、窒化ケイ素材料などの他の材料と比較して、3eVを超える広いバンドギャップとより大きな非線形光学係数を有する。
【0003】
炭化ケイ素(SiC)は、ケイ素および炭素を含有する半導体材料である。炭化ケイ素は、量子情報処理、ならびに他の目的で、デバイスに使用することができる。例えば、炭化ケイ素構造の色中心は、それらの電子スピン状態を示す光学的読取値を提供するために使用することができる。各色中心は、量子コンピューティングの量子ビットである。量子ビットの状態は、論理値“0”、論理値“1”、または2つの状態の重ね合わせになりうる。例えば、色中心は、導波素子用のマイクロキャビティなどのフォトニックデバイスに取り込まれうる。
【0004】
炭化ケイ素構造の上にデバイスを作ることは困難になりうる。例えば、炭化ケイ素およびIII族窒化物を有する薄膜を使用して形成されるデバイスは、ケイ素などの他の材料と比較して、期待したよりも製造が困難になりうる。薄膜デバイスは、1つの薄膜層が数ナノメートルから数マイクロメートルの厚みになりうる1つまたは複数の薄膜層を含む。
【0005】
ウエハ上に形成された炭化ケイ素およびIII族窒化物を使用した薄膜デバイスの品質は、ケイ素などの材料と比較して、所望どおりの高いものにならないことがある。したがって、上記の問題点のうちの少なくとも幾つかと、起こりうる他の問題点とを考慮に入れた方法およびデバイスを有することが望ましいであろう。例えば、所望の品質を有する炭化ケイ素およびIII族窒化物を形成することに伴う技術的な問題を克服する、方法および装置を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、半導体構造を形成するための方法を提供する。III族窒化物層の組が、炭化ケイ素基板の上に形成される。炭化ケイ素基板は、ドープ層を含む。ドープ層は、ドープ層が光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、炭化ケイ素基板の他の部分がエッチングされずに残るようなドーピングレベルを有する。第1の酸化物層は、III族窒化物層の組の上に形成される。III族窒化物層の組は、第1の酸化物層と炭化ケイ素基板との間に配置される。第1の酸化物層は、キャリア基板上の第2の酸化物層と結合され、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成する。炭化ケイ素基板は研磨されている。研削は、炭化ケイ素基板のドープ層の部分に達して露出したときに停止される。炭化ケイ素基板は、炭化ケイ素基板のドープ層の部分が露出したときに、ドープ層が除去され炭化ケイ素基板の炭化ケイ素層が残るように、光電気化学エッチングを用いてエッチングされる。半導体構造は、炭化ケイ素層およびIII族窒化物層を使用して形成される。
【0007】
本開示の別の実施形態は、半導体構造を形成するための方法を提供する。炭化ケイ素基板上に形成されたIII族窒化物層の組の上に配置された第1の酸化物層は、キャリア基板上に配置された第2の酸化物層と結合され、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成する。炭化ケイ素基板はドープ層を有する。ドープ層を有する炭化ケイ素基板は、光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、ドープ層のドーピングレベルは、ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素層がエッチングされずに残るレベルである。半導体構造は、炭化ケイ素層およびIII族窒化物層を使用して形成される。
【0008】
本開示のさらに別の実施形態は、製造機器および制御システムを備える製品管理システムを提供する。制御システムは、炭化ケイ素基板上に形成されたIII族窒化物層の組の上に配置された第1の酸化物層を、キャリア基板の上に配置された第2の酸化物層に結合して、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成する、製造機器を制御する。炭化ケイ素基板はドープ層を有する。ドープ層を有する炭化ケイ素基板は、光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされる。ドープ層のドーピングレベルは、ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素層がエッチングされずに残るレベルである。半導体構造は、炭化ケイ素層およびIII族窒化物層を使用して形成される。
【0009】
これらの特徴および機能は、本開示の様々な実施形態で単独で実現可能であるか、または、以下の説明および図面を参照して更なる詳細を理解しうるさらに別の実施形態において、組み合わされうる。
【0010】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規特徴は、付随する特許請求の範囲に明記されている。しかしながら、例示的な実施形態、好適な使用態様、ならびにこれらのさらなる目的および特徴は、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素基板の断面図である。
図2】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素基板上のIII族窒化物層の組の断面図である。
図3】例示的な一実施形態による、III族窒化物層の組を使用して形成される構造の断面図である。
図4】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素基板の結合面上に形成された炭化ケイ素基板被覆構造の上に配置された二酸化ケイ素の断面図である。
図5】例示的な一実施形態による、キャリア基板の断面図である。
図6】例示的な一実施形態による、キャリア基板に結合された炭化ケイ素基板の断面図である。
図7】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素基板の一部分の除去を示す断面図である。
図8】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素デバイス層の断面図である。
図9】例示的な一実施例による、基板の断面図である。
図10】例示的な一実施形態による、ワークピースをキャリア基板に結合するための断面図である。
図11】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素基板からの炭化ケイ素材料の除去を示す断面図である。
図12】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素デバイス層に達するまでエッチングされた炭化ケイ素材料の断面図である。
図13】例示的な一実施形態による、ワークピースの断面図である。
図14】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素材料の除去の断面図である。
図15】例示的な一実施形態による、炭化ケイ素デバイス層の範囲内のドープ層の断面図である。
図16】例示的な一実施例による、光共振器およびフィルタに連結された導波路の図である。
図17】例示的な一実施形態による、光共振器およびフィルタに連結された導波路の断面図である。
図18】例示的な一実施例による、量子メモリを含む一体型光導波路の側面図である。
図19】例示的な一実施形態による、量子メモリに連結された導波路を含む、一体型光導波路の断面図である。
図20】例示的な一実施例による、導波路の断面図である。
図21】例示的な一実施例による、導波路の断面図である。
図22】例示的な一実施例による、導波路の断面図である。
図23】例示的な一実施例による、導波路の断面図である。
図24】例示的な一実施形態による、III族窒化物層の組を有する炭化ケイ素基板の別の実施例である。
図25】例示的な一実施形態による、半導体構造を形成するための処理のフロー図である。
図26】例示的な一実施形態による、半導体構造を形成するための処理のフロー図である。
図27】例示的な一実施形態による、構成要素を結合するための処理のフロー図である。
図28】例示的な一実施形態による、半導体構造を形成するための処理のフロー図である。
図29】例示的な一実施形態による、製品管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態は、1つまたは複数の異なる検討事項を認識し、考慮している。例えば、例示的な実施形態は、現在使用されている技術が、ウエハにわたって一様でない炭化ケイ素の多結晶膜を生み出しうることを認識し、考慮している。さらに、例示的な実施形態は、薄膜デバイスに関して所望の厚みを確保する現在の技術を使用したとき、炭化ケイ素膜内に材料の損傷が起こり、その結果、望ましくない光の吸収または散乱を引き起こしうることを認識し、考慮している。
【0013】
さらに、例示的な実施形態は、炭化ケイ素(SiC)ナノフォトニクスを製造するための現在の技術は、主に、ケイ素(Si)上でエピタキシャル成長する3C-SiC(立方結晶構造)に限定されていることを認識し、考慮している。例示的な実施形態は、3C-SiCは、SiCとSi/SiOとの間での化学エッチングの選択性により、Siまたは二酸化ケイ素(SiO)上での切り落としが単純である一方で、3C-SiCデバイスは、転移(dislocations)、残留ドーピング、高い膜歪み、およびSi-SiC成長界面での界面欠陥に起因する望ましくない光学損失に悩まされうることを認識し、考慮している。
【0014】
例示的な実施形態は、界面欠陥を軽減するため、3C-SiCは別の基板に移すことが可能であり、先行する界面はエッチングで除去可能であることを認識し、考慮している。しかしながら、例示的な実施形態は、3C-SiCが、Si基板との格子不整合により、高い不均質歪みを含むことを認識し、考慮している。Si基板で成長した3C-SiC膜とは対照的に、例示的な実施形態は、単結晶バルクおよびホモエピタキシャル成長した4H-SiCおよび6H-SiC(六方晶系構造)が、成長による低い結晶歪みおよび低い残留ドーピングをふくむことを認識し、考慮している。したがって、例示的な実施形態は、4H-SiCプラットフォームが、フォトニクスおよび他の関連分野で大きな可能性を有することを認識し、考慮している。例示的な実施形態は、炭化ケイ素基板上の4H-SiCのホモエピタキシャル成長が格子欠陥をほとんど生み出さないため、炭化ケイ素の六方晶系SiC結晶多形(例えば、4H-)はフォトニクス用として追い求められていることを認識し、考慮している。例示的に実施形態は、材料がバルク4H-SiC基板上で成長されることを仮定すると、現在利用されているベース基板の化学エッチングが可能でないように、4H-SiCの薄膜を分離するための既存の方法が制限されることを認識し、考慮している。
【0015】
例示的な実施形態は、六方晶系炭化ケイ素の薄膜がフォトニクス用途に適している一方で、柔軟なパターン設計およびスタックされた層が可能であることを認識し、考慮している。したがって、例示的な実施形態は、炭化ケイ素およびIII族窒化物などの窒化物を使用して、膜厚が所望のレベルの一様性を有し、かつ損傷または欠陥を減らしつつ、構造を形成するための方法、装置、およびシステムを提供する。1つの例示的な実施例では、方法は半導体構造を形成する。炭化ケイ素基板上に形成されたII族窒化物層の組の上に配置された第1の酸化物層は、キャリア基板の上に配置された第2の酸化物層と結合され、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置された酸化物層を形成する。炭化ケイ素基板はドープ層を有する。ドープ層を有する炭化ケイ素基板は、光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、ドープ層のドーピングレベルは、ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素層がエッチングされずに残るレベルである。半導体構造は、炭化ケイ素層およびIII族窒化物層の組を使用して形成することができる。
【0016】
1つまたは複数の例示的な実施例は、フォトニック機能を提供するプラットフォームとして炭化ケイ素を使用して、半導体構造を製造することを可能にする。半導体構造は、光導波路および光共振器のうちの少なくとも1つを含む。これらの構造の機能は、スプリッタ、方向カプラ、回折格子カプラ、フィルタ用マイクロリング、フィルタ用マイクロディスク、非線形光周波数コンバータ、発光器であること、および他のタイプの機能を含む。例示的な実施例は、ウエハスケールの炭化ケイ素薄膜を使用して、光損失を低く保ったまま、これらの構造または他のタイプの構造を製造することを可能にする。
【0017】
本書において、列挙されたアイテムと共に使用される「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つまたは複数の種々の組み合わせが使用されうること、および列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされうることを意味している。換言すると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせおよび任意の数のアイテムが、列挙された中から使用されうることを意味するが、列挙されたアイテムのすべてが必要となるわけではないことを意味している。アイテムとは、特定の対象物、物品、またはカテゴリでありうる。
【0018】
例えば、限定するものではないが、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、または「アイテムB」を含んでいてよい。この例はまた、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、または「アイテムBとアイテムC」も含むことができる。これらのアイテムのいずれかの組み合わせも、もちろん存在してよい。ある例示的な実施例では、「~のうちの少なくとも1つ」は、限定しないが例として、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、または他の適切な組み合わせでありうる。
【0019】
特許請求されている構造および方法の詳細な実施形態は、本明細書に開示されているが、開示されている実施形態は、様々な形態で具現化されうる特許請求されている構造および方法の例示にすぎないことを理解されたい。加えて、様々な実施形態に関連して提示されている各実施例は、例示を意図しており、限定的ではない。
【0020】
さらに、特定の構成要素の詳細を示すため、いくつかの特徴は誇張されることがあり、図面は必ずしも縮尺通りではない。したがって、本明細書で開示されている特定の構造および機能の詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、本開示の方法および構造を様々に利用することを、当業者に教示するための体表的な原則にすぎない。
【0021】
これ以降の説明のため、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直の(vertical)」、「水平の(horizontal)」、「上部(top)」「底部(bottom)」といった用語、およびこれらの派生語は、図面において配向されているように、本開示の例示的な実施例に関連する。「~の上に位置する」という用語は、第1の構造などの第1の構成要素が、第2の構造などの第2の構成要素の上に存在し、界面構造(例えば、界面層)などの介在構成要素が、第1の構成要素と第2の構成要素との間に存在しうることを意味する。
【0022】
本開示では、層、領域、または基板などの構成要素が、別の構成要素の「上に(on)」または「上方に(over)」ある、と記述されているときには、構成要素は他の構成要素の直上にあるか、または、介在する構成要素も存在しうる。これとは対照的に、構成要素が「直接上に(directly on)」、「直接上方に(directly over)」ある、あるいは、「~に直接接触して(on and in direct contact with)」いる、と記述されているときには、介在する構成要素は存在せず、構成要素は他の構成要素に接触している。
【0023】
以下に記載の処理、ステップ、および構造は、集積回路を製造するための完全な処理フローを形成していない。本開示は、当該技術分野において、現在使用されている集積回路製造技術と併せて実行されうるが、共通に実行される処理ステップの大半が、本開示の異なる実施例の理解に必要なものとして、含まれている。図面は、製造中の集積回路の一部分の断面を表しているが、正確な縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な例示的な特徴を示すように描かれている。
【0024】
例示的な実施例では、半導体構造を製造するための処理は、異なるドーピングタイプを有する2つ以上の炭化ケイ素層を利用することができる。炭化ケイ素層は、例示的な実施例では、ベース炭化ケイ素基板上で、ウエハの形状でエピタキシャル成長する。1つまたは複数の炭化ケイ素層は、注入(implantation)によってドープされうる。ベース炭化ケイ素基板を伴う炭化ケイ素層は、炭化ケイ素基板と総称されうる。さらに、III族窒化物のエピタキシャル層は、炭化ケイ素基板の最上部の炭化ケイ素層の上方に成長しうる。
【0025】
さらに、1つまたは複数のIII族窒化物層のオプションのエピタキシャル層は、第1のIII族窒化物層の上に存在するか、成長しうる。使用可能なIII族窒化物層の例には、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、および他のIII族窒化物が含まれる。
【0026】
例示的な実施例では、特徴は、III族窒化物層へのパターニングおよびエッチングのうちの少なくとも1つになるか、あるいはIII族窒化物層の上に堆積されうる。この構造の最上部は、二酸化ケイ素から形成された酸化物層など、低屈折率絶縁体で被覆されうる。酸化物層は、キャリア基板上にウエハの形態でも堆積されうる二酸化ケイ素の層である。例示的な実施例では、両ウエハは共に結合される。
【0027】
例示的な実施例では、最初のベース炭化ケイ素基板は、研削によって、少なくとも部分的に除去されうる。示されているこれらの実施例では、研削は、機械的研削、研磨、または化学機械研磨(CMP)のうちの少なくとも1つになりうる。炭化ケイ素基板の機械的研削は、一様でない厚みを有しうる炭化ケイ素層をもたらしうる。研削がセンチメートル単位で計測した距離で実行されるときには、非一様性は小さくなりうる。
【0028】
その後、露出した一様でない炭化ケイ素層を選択的に除去するため、エッチング停止炭化ケイ素層に達するまで、光電気化学(PEC)エッチングを実行することができる。この実施例では、光電気化学エッチングは、炭化ケイ素基板の炭素面またはケイ素面のいずれからでも実行することができる。炭化ケイ素は結晶材料で、配向に応じて、ケイ素面または炭素面を有しうる。この炭化ケイ素層はエッチング停止として機能し、光電気化学(PEC)エッチングを利用して除去される炭化ケイ素材料と比較して、半絶縁または異なるドーピング極性のうちの少なくとも1つになりうる。
【0029】
例示的な実施例では、III族窒化物層の組の上に結果として得られる炭化ケイ素層の組は、1μm未満の薄さになりうる。場合によっては、例示的な実施例の技術を用いると、50nm未満の薄さになりうる。
【0030】
例示的な実施例では、付加的な平坦化のステップが使用されうる。例えば、機械研磨または化学機械研磨は、炭化ケイ素層基板の材料成長または光化学(PEC)エッチングのうちの少なくとも1つの後に、実行されうる。これらの処理は、様々な界面で粗さを低減するために実行可能である。
【0031】
ここで図1図8を参照すると、例示的な実施形態による半導体構造を形成する処理での断面図が示されている。図1では、例示的な実施形態による炭化ケイ素基板の断面図が示される。図示されているように、炭化ケイ素(SiC)基板100は、ウエハの形状になりうる。例えば、炭化ケイ素基板100は、六方晶系炭化ケイ素ウエハになりうる。炭化ケイ素材料は、例えば、この実施例では4Hまたは6H結晶多形である。図示されているように、この実施例では、炭化ケイ素材料は、非中心対称で極性のある結晶構造を有する。図示されているように、ウエハは例えば、25平方センチメートル以上の領域を有する。
【0032】
この例示的な実施例では、炭化ケイ素基板100は、結合面102およびエッチング面104を有する。より具体的には、エッチング面104は、炭化ケイ素基板100の炭素面またはケイ素面のいずれかになりうる。この実施例では、結合面102は、半導体構造の付加的な材料が形成される表面である。
【0033】
加えて、炭化ケイ素基板100はドープ層106を有する。ドープ層106を形成するためのドーピングは、拡散またはイオン注入のうちの少なくとも1つを含む、現在利用可能な任意のドーピング技術を使用して実行されうる。ドープ層106は、約50ナノメートルから数十マイクロメートルの厚みの層になりうる。
【0034】
この例示的な実施例では、ドープ層106はp型層またはn型炭化ケイ素層になりうる。ドーピング濃度は、ドープ層106が光電気化学エッチング処理を用いてエッチング可能な濃度である。この例示的な実施例では、ドーピングは、ドープ層106が光電気化学エッチング処理によってエッチングされ、一方、ドープ層106の下にあってドープ層106に直接接触している炭化ケイ素基板100の他の部分はエッチングされずに残るようになっている。
【0035】
次に図2を参照すると、例示的な実施形態による、炭化ケイ素基板上のIII族窒化物層の組の断面図が示されている。例示的な実施例では、複数の図中で同一の参照番号が使用されうる。異なる図中で参照番号が繰り返し使用される場合には、異なる図中の同一の要素を表している。
【0036】
図示されているように、この実施例では、III族窒化物層200の組が、炭化ケイ素基板100の結合面102の上に成長している。III族窒化物層200の組は、窒化物層の形成で現在利用可能な技術を使用して、成長させることができる。
【0037】
本明細書で使用される「~の組(a set of)」は、アイテムに関連して使用される場合には、1つまたは複数のアイテムを意味する。例えば、「III族窒化物層200の組」は、1つまたは複数のIII族窒化物層200である。図示されているように、III族窒化物層200の組は、これらの薄膜層の各々が数ナノメートルから数マイクロメートルの厚みである薄膜層であってよい。例えば、薄膜層は1マイクロメートル未満になりうる。
【0038】
この例示的な実施例では、III族窒化物層200の組は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)、または他の適切なIII族窒化物のうちの少なくとも1つを含む。この実施例では、III族窒化物層200の組は、少なくとも10ナノメートルの厚みのAlN層を含む。付加的にAlN、GaN、またはAlGa1-xN層を、この層の上にオプションで成長させることができる。これらの付加層は、例えば、ナノメートルから数百ミクロンの厚みになりうる。数値「x」は、材料の化学量に対するAl:Gaの比率を表し、この実施例では「x」は0から1の間の値を有する。
【0039】
次に図3を参照すると、例示的な実施形態により、III族窒化物層の組を使用して形成された構造の断面図が示されている。図示されているように、第1の金属300および第2の金属302は、III族窒化物層200の上に形成される。第1の金属300および第2の金属302は、業界標準のリソグラフィおよび堆積技術を含む現在既知の技術を利用して形成されうる。
【0040】
加えて、III族窒化物層200の組は、ハードマスクの画定、III族窒化物材料のエッチング、ハードマスクの除去などの現在既知の技術を使用して、パターニングおよびエッチングを行うことができる。この実施例では、エッチングにおけるパターニングは、結合面102を露出するため、III族窒化物層200の組に第1の開口部304および第2の開口部306を形成する。
【0041】
ここで図4を参照すると、例示的な実施形態により、炭化ケイ素基板の結合面上に形成された炭化ケイ素基板被覆構造の上に堆積した二酸化ケイ素の断面図が示されている。この例示的な実施例では、第1の酸化物層400は、第1の金属300、第2の金属302、III族窒化物層200の組、およびIII族窒化物層200の組の第1の開口部304および第2の開口部306に露出した結合面102の上に堆積した二酸化ケイ素である。第1の酸化物層400を形成する二酸化ケイ素の堆積は、プラズマ励起化学気相堆積、スパッタリングなどの既知の技術、または第1の酸化物層400を形成するための他の好適な既知の技術を使用して実行することができる。
【0042】
図示されているように、第1の酸化物層400は、第1の表面402を有する。この実施例では、第1の表面402は、平面性を改善し、表面の粗さを低減するため、化学機械研磨(CMP)を使用して処理することができる。さらに、第1の酸化物層400の第1の表面402は、親水性の表面になるように処理し、活性化することができる。
【0043】
ここで図5を参照すると、例示的な実施形態によるキャリア基板の断面図が示されている。この例示的な実施例では、キャリア基板500は、多数の異なる形態をとりうる。例えば、キャリア基板500は、炭化ケイ素基板、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、窒化ガリウム基板、および他の好適な基板のうちの1つでありうる。
【0044】
図示されているように、キャリア基板500は、第2の表面504を備える第2の酸化物層502を有する。この実施例では、第2の酸化物層502は二酸化ケイ素を含む。第2の表面504は、親水性表面になるように、化学機械的に研磨および処理すること、または活性化することができる。
【0045】
例示的な実施例では、図4の炭化ケイ素基板100と図5のキャリア基板500は互いに結合されうる。この例示的な実施例では、キャリア基板500は半導体構造のための基板である。一方、炭化ケイ素基板100は、半導体構造を形成するために使用される炭化ケイ素デバイス層の組になる炭化ケイ素材料を含む。
【0046】
図示されているように、図4の炭化ケイ素基板100の結合面102上の第1の酸化物層400の第1の表面402は、図5の第2の酸化物層502の第2の表面504と接触するように配置することができる。ファンデルワールス力による結合は、第1の酸化物層400の第1の表面402と第2の酸化物層502第2の表面504との間の接触によって起こる。酸化物層によって互いに結合されたこれらの基板は、アニールすることができる。これら2つの基板の酸化物層の間に形成される結合を強化するため、アニーリングは少なくとも150℃で実行可能である。
【0047】
ここで図6を参照すると、例示的な実施形態により、キャリア基板に結合された炭化ケイ素基板の断面図が示されている。この例示的な実施例では、炭化ケイ素基板100とキャリア基板500との相互の結合は、酸化物層600を形成する。キャリア基板500は、形成される半導体構造のための基板である。酸化物層600は、半導体構造のための誘電体層である。他の例示的な実施例では、酸化物層600に加えて、または酸化物層600の代わりに、誘電体層を形成するために、他の誘電体が使用されてもよい。
【0048】
ここで図7を参照すると、例示的な実施形態により、炭化ケイ素基板の一部分の除去を示す断面図が示されている。図示されているように、炭化ケイ素基板100は薄化される。この薄化はステージ内で起こりうる。例えば、炭化ケイ素基板100は、エッチング面104から始まって、炭化ケイ素基板100のドープ層106に達するまで、研削することができる。この図示されている実施例では、研削は、炭化ケイ素基板100の大部分をドープ層106まで除去する機械的研削である。この例示的な実施例では、研削は、ドープ層106で停止すること、または、ドープ層106の中まで延長することができる。
【0049】
ここで図8を参照すると、例示的な実施形態により、炭化ケイ素デバイス層の断面図が示されている。ドープ層106に達すると、光電気化学(PEC)エッチング処理を用いて、付加的な薄化を実行することができる。図示されているように、光電気化学(PEC)エッチングは、エッチング面104を有する炭化ケイ素基板100の側で実行されるが、これは現在利用可能な技術を用いて実行されていない。
【0050】
この処理は、ドープ層106を除去するために用いることができる。ドーピングは、ドープ層106の下の炭化ケイ素基板100の他の部分が光電気化学エッチング処理によって除去されるように、選択される。したがって、炭化ケイ素基板100のドープ層106は、犠牲層として機能する。
【0051】
ドープ層106の下の炭化ケイ素基板100の部分は、炭化ケイ素デバイス層800として残る。炭化ケイ素デバイス層800は、炭化ケイ素層の組の一実施例である。他の例示的な実施例では、半導体構造の形成で使用するため、複数の炭化ケイ素層が存在しうる。これらの付加的な半導体炭化物層は、層を区別する異なるドーピングレベルを有しうる。
【0052】
この例示的な実施例では、炭化ケイ素デバイス層800は薄膜層である。この例示的な実施例では、炭化ケイ素デバイス層800は、約10ナノメートルから数マイクロメートルの厚みを有する。いくつかの例示的な実施例では、炭化ケイ素デバイス層800は、約50ナノメートルから約500ナノメートルの間である。さらに、処理は、炭化ケイ素デバイス層800、III族窒化物層200の組、およびキャリア基板500上の酸化物層600を含むワークピースを使用して、1つまたは複数の半導体構造を製造するように実行されうる。
【0053】
ドープ層106の使用と光電気化学エッチング処理によって、炭化ケイ素デバイス層800は、他の現在利用されている技術と比較して、より高い品質レベルを有することができる。例えば、炭化ケイ素デバイス層800は、ウエハにわたって所望の一様性を有する多結晶膜になりうる。さらに、炭化ケイ素デバイス層800は、不整合や欠陥を減らし、結果として、望ましくない光の吸収または散乱を低減することができる。さらに、例示的な実施例の処理は、膜厚における所望のレベルの均一性に加えて、所望の品質のエピタキシャル成長をもたらすことができる。例えば、例示的な実施例のステップを用いると、50nm未満の厚み変動が100mmウエハにわたって発生することがある。
【0054】
図1図8の半導体構造を形成する処理の図解は、例示的な実施形態が実装されうる1つの態様の例である。これらの図に示された実施例は、他の例示的な実施例が実装されうる態様を限定することを意図していない。例えば、別の例示的な実施例では、III族窒化物層200の組、第1の金属300、または第2の金属302のうちの少なくとも1つを除外することができる。
【0055】
次に図9図12を参照すると、例示的な実施形態により、半導体構造を形成する処理の断面が示されている。最初に図9を参照すると、例示的な実施例により、基板の断面図が示されている。図示されているように、炭化ケイ素基板900は、ベース基板902、ドープ層904、および炭化ケイ素デバイス層906を含む。
【0056】
図示されているように、ベース基板902は、(0001)結晶方向から軸外に4度または他の小さな角度のずれとなるウエハ法線ミスカット(wafer normal miscut)を有するバルク4H-SiCウエハである。ドープ層904は、ドープされ、炭化ケイ素基板900の犠牲部分となる4H-SiCのエピタキシャル層として成長した第1の層である。この実施例では、4H-SiCは、炭化ケイ素基板900に炭化ケイ素デバイス層906を形成するための、所望の仕様の厚みとドーピングで堆積される。
【0057】
さらに、III族窒化物層の組、窒化アルミニウム(AlN)層908および窒化ガリウム(GaN)層910は、炭化ケイ素デバイス層906の上に成長する。この実施例では、窒化アルミニウム層908は、エピタキシャル成長したドープなしAlNバッファ層である。窒化ガリウム層910は、有機金属化学気相堆積(MOCVD)または分子ビームエピタキシ(MBE)を用いて、所望の仕様に形成することができる。窒化ガリウム層910のドーピングは、用途に応じて成長段階で選択することができる。
【0058】
図示されているように、第1の酸化物層912は、窒化ガリウム層910の上に堆積される。この実施例では、プラズマ励起化学気相堆積(PECVD)、スパッタリング、または原子層堆積などの処理を用いて、二酸化ケイ素(SiO)を堆積させて、第1の酸化物層912を形成することができる。この例示的な実施例では、様々な層の成長は、矢印914の方向にある。これらの種々の層はワークピース916を形成する。
【0059】
ここで図10を参照すると、例示的実施形態により、キャリア基板へのワークピースの結合の断面図が示されている。図示されているように、ワークピース916は、図9のワークピース916の表示に対して上下反転されている。次に、ワークピース916は、第2の酸化物層1002を有するキャリア基板1000に結合することができる。この実施例では、結合面1001およびエッチング面1003が示されている。図示されているように、エッチング面1003は、炭化ケイ素基板900のケイ素面または炭素面になりうる。
【0060】
この例示的な実施例では、キャリア基板1000は、炭化ケイ素、ケイ素、シリカ、酸化アルミニウム、または他の好適な材料になりうる。図示されているように、第2の酸化物層1002は、熱酸化、プラズマ励起化学気相堆積(PEVCD)、スパッタリング、原子レベル堆積、または他の好適な処理を用いて、形成される。
【0061】
この例示的な実施例では、結合は酸化物層間の接触によって実行することができる。この実施例では,接触は約200℃の温度でアニーリングした後に行われる。
【0062】
図11では、例示的な実施形態により、炭化ケイ素基板からの炭化ケイ素材料の除去の断面図が示されている。この図では、第1の酸化物層912と第2の酸化物層1002との相互の結合が酸化物層1100を形成する。
【0063】
図示されているように、炭化ケイ素基板900は、セクション1102で示されているように、機械的研削によって薄化され、化学機械研磨(CMP)によって研磨可能である。セクション1102は、除去された炭化ケイ素材料を示す。示されているように、この実施例では、除去はドープ層904の中に達する。
【0064】
この実施例では、機械研磨は、ドープ層904のすべてではなく、一部分を除去するために使用される。機械的研削および研磨は、場合によっては、マイクロメートルからミリメートルまでの長さスケールにわたって適することがある。しかしながら、より大きな長さスケールが存在するため、薄膜の厚みがウエハ全体にわたって望まれ、さらには、このタイプの材料の除去による力および応力が、格子欠陥、転移、および結晶歪みなどの望ましくない不整合をもたらすことがある。
【0065】
この例示的な実施例では、機械的研削は、研削がドープ層904の中へ達すると停止する。例えば、機械的研削は、ドープ層904がおよそ数マイクロメートルの厚みのときに停止することができる。
【0066】
図12を参照すると、例示的な実施形態により、炭化ケイ素デバイス層に達する炭化ケイ素材料の断面図が示されている。図示されているように、この断面図では、セクション1200に示したように、ドープ層904の残りの部分を除去するため、光電気化学エッチング処理が用いられる。このエッチングは、炭化ケイ素デバイス層906から材料を除去することなく、炭化ケイ素デバイス層906を露出する。ドープ層904でのドーパントおよびドーピングレベルは、炭化ケイ素デバイス層906から材料を除去することなく、ドープ層904がエッチング可能となるように選択される。
【0067】
光電気化学エッチングにより、ドーパントのタイプを選択したエッチングは、ドープ層904を除去して炭化ケイ素デバイス層906を露出するように、実行可能である。この例示的な実施例では、炭化ケイ素デバイス層906は、機械的研削の使用と比較して、欠陥密度のレベルが低いクリーンな結晶表面などの、所望の特性を有することができる。
【0068】
この例示的な実施例では、光電気化学エッチング処理は、ドープ層904が希釈した水酸化カリウム水溶液またはフッ化水素酸水溶液などの溶液と接触している間に、実行可能である。
【0069】
さらに、異なる層を有するキャリア基板1000の照明は、炭化ケイ素のバンドギャップを超える光子エネルギーに対応した光の波長を有する照明を用いて、実行可能である。この図示されている実施例では、4H-SiCに対してはそのバンドギャップが約3.2eVであるため、光源は390nmより短い波長を含む。電圧バイアスは、サンプルのドープ層および水溶液中のプラチナ電極のうちの1つの接点の間に印加されうる。p型、n型、および固有の材料のエッチング選択性は、直流電圧バイアスの大きさおよび方向を制御することによって、調整および最適化することができる。光電気化学エッチングは湿式化学に関係しており、ドーピングタイプに応じて選択可能であるため、炭化ケイ素およびIII族窒化物の薄膜の最終結果は、ウエハにわたって所望のレベルの一様性および平面性を有する。この結果は、規定の深さにアモルファス層を生成するためにイオン注入を用いるスマートカットなどの現在利用可能な技術と対照的である。例示的な実施例の光電気化学エッチングは、炭化ケイ素およびIII族窒化物薄膜への点欠陥またはドーパントの導入を回避する。
【0070】
次に、図13図15は、例示的な実施形態により、光電気化学エッチングを用いてエッチングされたワークピースの断面図である。ここで図13を参照すると、例示的な実施例によるワークピースの断面図が示されている。図示されているように、ワークピース1300は、キャリア基板への炭化ケイ素基板の結合の結果で、結合が2つの基板上の酸化物層の間に形成される。
【0071】
この例示的な実施例では、ワークピース1300は、ドープ層1302、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304、炭化ケイ素デバイス層1306、窒化アルミニウム(AlN)層1308、窒化ガリウム(GaN)層1310、酸化物層1312、およびキャリア基板1314を含む、ケイ素基板1301を備える。この実施例では、ドープ層1302は最上層にあり、他の先行する実施例で図示されているように、ケイ素基板1301の他の層には配置されていない。ワークピース1300は、結合面1305およびエッチング面1303を有する。図示されているように、エッチング面1303は、ケイ素面または炭素面になりうる。
【0072】
図示されているように、ドープ層1302はn型層である。他の例示的な実施例では、ドープ層1302はp型層になりうる。ドーピングの差異は、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304のエッチングを避けるために選択される。言い換えるならば、ドーピングレベルおよびドーピングタイプは、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304に対して選択可能であり、その結果、この層は光電気化学エッチング処理に対するエッチング停止として機能する。
【0073】
この図示された実施例では、ドープ層1302は、光電気化学エッチング処理を用いてエッチング可能な犠牲層である。ドープ層1302のドーピングレベルは、エッチング停止を規定するドーピングタイプおよびレベルを有するドープされた炭化ケイ素デバイス層1304とは、ドーピングタイプ、密度、またはその両方が十分に異なる。この実施例では、エッチング選択性は、ドープ層1302が1x1018cm-3を超える濃度でドープされ、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304が少なくとも1x1018cm-3のドーピング濃度を有し、ドープ層1302とは反対のドーパントタイプであるときに、最大化することができる。
【0074】
この例示的な実施例では、ドープ層1302に対するドーパントのタイプはn型で、一方、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304に対するドーパントのタイプはp型である。ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304に対して異なるタイプのドーパントが望ましい場合、例えば、p型ドーパントの場合、ドープ層1302に使用されるドーパントのタイプはn型ドーパントに変更することができる。
【0075】
別の例示的な実施例では、犠牲層、ドープ層1302、およびエッチング停止層、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304は、約1x1017cm-3以上の濃度までドープされる。1x1017cm-3以上のドーピングレベル、炭化ケイ素のエッチング速度は、光電気化学エッチング中に存在する電圧バイアスに依存しうる。エッチング速度は、ドーピング濃度と共により大きく変化し始め、ドーピングタイプに基づいて光電気化学エッチング選択性を与える要因になっている。
【0076】
さらに、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304は、例えば、約100ナノメートル以上の厚みになりうる。ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304の下方のケイ素デバイス層は、成長によって形成される任意の所望の厚みになりうる。例えば、これらの層の厚みは、カスタマイズ可能なドーピング濃度で、約50ナノメートルから200ミクロンの厚みになりうる。AlN層およびGaN層などの窒化物層それぞれ、特定の半導体デバイスに適した厚みを有することができる。
【0077】
この例示的な実施例では、電圧バイアスは、オーミック接触を介してドープ層1302の表面に印加することができる。さらに、炭化ケイ素層の表面は、水酸化カリウム水溶液に接触していて、バンドギャップエネルギーを超える光に曝露される。この実施例では、光は390ナノメートル未満の波長を有しうる。
【0078】
図14を参照すると、例示的な一実施形態により、炭化シリコン材料の除去の断面図が示されている。この例示的な実施例では、基板薄化は、除去された炭化ケイ素材料を表すセクション1400によって示されているように、ドープ層1302から炭化ケイ素材料を除去する研削および研磨によって実行される。この研磨は、機械研磨、化学機械研磨、または2つの組み合わせになりうる。この実施例からわかるように、ドープ層1302の一部分は、研削および化学機械研磨後も残る。
【0079】
図15では、例示的な実施形態により、炭化ケイ素デバイス層の範囲内のドープ層の断面図が示されている。この例示的な実施例では、ドープ層1302は、光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、ドープされた炭化ケイ素デバイス層1304に到達するが、この実施例では、これはエッチング停止層である。セクション1500は除去された炭化ケイ素材料を示す。
【0080】
したがって、図1図15に示された処理は、所望の特性を有するデバイスで使用される炭化ケイ素層の形成を可能にする。例えば、炭化ケイ素デバイス層は、層の厚みについて所望のレベルの一様性を有するように、ウエハサイズの規模で形成されうる。加えて、炭化ケイ素デバイス層は、望ましくない光の吸収または散乱が回避できるように、材料損傷のレベルを低くして、形成することができる。これらの処理により、現在の技術と比較して、より大きなサイズで、デバイスを用いて炭化ケイ素層に対して所望の品質を得ることができる。
【0081】
次に図16を参照すると、例示的な実施例により、光共振器に連結された導波路の図が示されている。図示されているように、光共振器およびフィルタ1600に連結された導波路は、酸化物層1604、窒化アルミニウム層1606、および炭化ケイ素層1608を有するキャリア基板1602上に形成された半導体デバイスである。酸化物層1604、窒化アルミニウム層1606、および炭化ケイ素層1608を有するキャリア基板1602は、図1図8図9図12、および図13図15に示した処理を用いて形成することができる。
【0082】
この例示的な実施例では、窒化アルミニウム層1606は、炭化ケイ素層1608に直接接触している。他の実施例では、1つまたは複数の他の層が、窒化アルミニウム層1606と炭化ケイ素層1608との間に配置されうる。
【0083】
この実施例では、光共振器およびフィルタ1600に連結された導波路は3つの構成要素を有する。図示されているように、光共振器およびフィルタ1600に連結された導波路は、線形導波路1601、線形導波路1603、およびリング導波路1605を含む。この実施例では、光共振器およびフィルタ1600に連結された導波路は、選択された波長の光をフィルタ処理する。例えば、線形導波路1601を通って進む光は、リング導波路1605を通過することができる。リング導波路1605は、1つまたは複数の選択された波長の光を線形導波路1603に通すことができ、線形導波路1601から線形導波路1603にどの光を通すかのフィルタとして機能する。
【0084】
図17を参照すると、例示的な実施形態により、光共振器およびフィルタに連結された導波路の断面図が示されている。この図では、光共振器およびフィルタ1600に連結された導波路の、図16の線17-17に沿って得られる断面図が示されている。この実施例では、酸化物層は酸化物層1604を形成するように結合されている。したがって、窒化アルミニウム層1606と炭化ケイ素層1608は、線形導波路1601、線形導波路1603、およびリング導波路1605を形成する構造を形成するように、エッチング可能である。
【0085】
図18を参照すると、例示的な実施形態により、量子メモリを含む一体型光導波路が示されている。図示されているように、量子メモリデバイス1800は、酸化物層1804、窒化アルミニウム領域1806、および炭化ケイ素領域1808を有するキャリア基板1802上に形成された半導体デバイスである。この実施例では、酸化物層1804、窒化アルミニウム領域1806、および炭化ケイ素領域1808を有するキャリア基板1802は、図1図8図9図12、および図13図15に示された処理を用いて形成することができる。
【0086】
図示されているように、窒化アルミニウム領域1806は、側面1801および側面1803を有する。炭化ケイ素領域1808は、側面1805および側面1807を有する。
【0087】
この実施例では、量子メモリデバイス1800は、量子メモリ1810および一体型光導波路1811を含む。量子メモリ1810は、一体型光導波路1811に連結されている。量子メモリ1810は、炭化ケイ素領域1808内の炭化ケイ素材料の欠陥から形成することができる。欠陥は、例えば、複空孔、ケイ素単原子空孔、他の空孔複合、遷移金属イオン、または炭化ケイ素領域1808内の希土類元素イオンから選択された点欠陥になりうる。量子メモリ1810は、欠陥または色中心、および光子の状態が電子スピン状態に絡みあうことに関連した電子スピンに応じて、光子1812を放出することができる。量子メモリ1810から放出された光子1812は、一体型光導波路1811に移動することができる。
【0088】
図19を参照すると、例示的な実施形態により、量子メモリを含む一体型光導波路の断面図が示されている。この図では、量子メモリデバイス1800の、図18の線19-19に沿って得られる断面図が示されている。
【0089】
図20図23を参照すると、1つまたは複数の例示的な実施形態により、作られた導波路構造が示されている。示されたこれらの導波路構造は、図1図8図9図12、および図13図15に示された処理を用いて形成することができる。これらの導波路はまた、図16および図18に描かれた光導波路構造の代わりに使用することが可能で、その断面は図17および図19に示されている。
【0090】
図20を参照すると、例示的実施形態による導波路の断面図が示されている。図示されているように、導波路2000は、例示的な実施例で形成されうるストリップ導波路の実施例である。
【0091】
図示されているこの実施例では、導波路2000はキャリア基板2002上に形成される。酸化物層2004は、キャリア基板2002の上に配置される。窒化アルミニウム層2006は酸化物層2004の上にあり、炭化ケイ素領域2008は窒化アルミニウム層2006の上に配置されている。この図に示されているように、炭化ケイ素領域2008は、導波路2000を形成するようにパターニングされ、エッチングされている。
【0092】
本明細書で使用されているように、領域は層であって、無制限には延在しない。この実施例では、領域は画定された側面を有する。図示されているように、炭化ケイ素領域2008は側面2001および側面2003を有する。
【0093】
被覆材2010は、炭化ケイ素領域2008および窒化アルミニウム層2006を覆う。この実施例では、被覆材2010は、炭化ケイ素領域2008および窒化アルミニウム層2006に直接接触している。被覆材2010は、空気、真空、抵抗、ポリマー、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、または他の材料のうちの少なくとも1つから選択される材料を含みうる。言い換えるならば、被覆材2010は、いくつかの例示的な実施例の2つ以上のタイプの材料を含みうる。この実施例では、被覆材2010は、炭化ケイ素領域2008の屈折率よりも低い屈折率を有する。
【0094】
この例示的な実施例では、キャリア基板2002は、約100μmからの厚みを有する。この実施例では、酸化物層2004は、約3.0μmの厚みを有する。窒化アルミニウム層2006は、約200nmの厚みを有し、炭化ケイ素領域2008は、約300nmの厚みを有し、約1.0μmの幅を有する。被覆材2010は、約500nmから約5.0μmの厚みを有する。
【0095】
この例示的な実施例では、炭化ケイ素層はエッチング可能で炭化ケイ素領域2008を形成するが、一方、窒化アルミニウム層2006はエッチングされない。このエッチングは、結合後に実行可能である。
【0096】
図20で導波路2000に関して描かれている構造の断面は、構造の構成要素を形成するために使用可能である。例えば、炭化ケイ素領域2008は、4つの領域を生成するために複製することができる。2つの外側領域はそれぞれ、線形導波路の部分になり、2つの内側領域はリング導波路用になりうる。
【0097】
次に図21を参照すると、例示的な実施形態により、導波路の別の断面図が示されている。図示されているように、導波路2100は、例示的な実施例で形成可能な導波路の実施例である。
【0098】
この例示的な実施例では、導波路2100は、製造環境2102上に形成される。酸化物層2104は、キャリア基板2102の上に配置される。窒化アルミニウム層2106は酸化物層2104の上にあり、炭化ケイ素層2108は窒化アルミニウム層2106の上に配置される。さらに、リブ領域2110は、炭化ケイ素層2108から延在する炭化ケイ素の領域である。この図に示したように、炭化ケイ素層2108は、リブ領域2110を有するリブ導波路の形態で導波路2100を形成するように、パターニングおよびエッチングされている。
【0099】
導波路2100はまた、炭化ケイ素層2108およびリブ領域2110を覆う被覆材2112を有する。この実施例では、被覆材2112はこれらの構成要素に直接接触している。被覆材2112は、炭化ケイ素層2108およびリブ領域2110よりも低い屈折率を有する。
【0100】
この例示的な実施例では、キャリア基板2102は、約100μmからの厚みを有する。この実施例では、酸化物層2004は、約3.0μmの厚みを有する。
【0101】
窒化アルミニウム層2106は、約200nmの厚みを有する。炭化ケイ素層2108は、約100nmの厚みを有する。炭化ケイ素層2008から延在するリブ領域2110は、約200nmの厚みと約1.0μmの幅を有する。被覆材2112は、約500nmから約5.0μmの厚みを有する。
【0102】
図22では、例示的な実施形態により、導波路の断面図が示されている。図示されているように、導波路2200は埋設リッジ導波路構造の実施例である。
【0103】
図示されているこの実施例では、導波路2200はキャリア基板2202上に形成される。酸化物層2204は、キャリア基板2202の上に配置される。窒化ガリウム領域2212は、酸化物層2204内の空洞2208の酸化物層2204の上に配置されている。窒化アルミニウム領域2210は、酸化物層2204内の空洞2208の窒化ガリウム領域2212の上に配置されている。窒化アルミニウム領域2210および窒化ガリウム領域2212は、空洞2208内に埋設されうるIII族窒化物領域の組の実施例である。
【0104】
領域は画定された側面を有する層で、別の材料の範囲内に配置されうる。この実施例では、窒化ガリウム領域2212は、酸化物層2204内の空洞2208に側面2201および側面2203を有する。窒化アルミニウム領域2210は、酸化物層2204内の空洞2208に側面2205および側面2207を有する。
【0105】
この実施例では、炭化ケイ素層2214は、酸化物層2204および窒化アルミニウム領域2210の上に配置される。この図に示したように、炭化ケイ素層2214、窒化アルミニウム領域2210、および酸化物層2204の空洞2208内の窒化ガリウム領域2212は、導波路2200を形成する。窒化アルミニウム領域2210および窒化ガリウム領域2212は、酸化物層2204に埋設されたリッジ2220を形成する。窒化アルミニウム領域2210または窒化ガリウム領域2212のうちの少なくとも1つでの屈折率は、酸化物層2204の屈折率よりも大きい。
【0106】
図示されているように、導波路2200は、炭化ケイ素層2214を覆う被覆材2222を有する。この例示的な実施例では、被覆材2222は、炭化ケイ素層2214に直接接触している。被覆材2222は、炭化ケイ素層2214の屈折率よりも小さな屈折率を有する。
【0107】
この例示的な実施例では、キャリア基板2202は約100μmの厚みを有する。酸化物層2204は、この実施例では約3.3μmの厚みを有する。窒化アルミニウム層2210は約100nmの厚みを有し、窒化ガリウム層2212は約200nmの厚みを有する。空洞2208内のこれらの2つの層は約1.0μmの幅を有する。図示されているように、炭化ケイ素層2214は約200nmの厚みを有する。被覆材2222は、約500nmから約5.0μmの厚みを有する。
【0108】
この実施例では、窒化アルミニウム層および窒化ガリウム領域はエッチングされて、窒化アルミニウム領域2210および窒化ガリウム領域2212を形成する。第1の酸化物層は、窒化アルミニウム領域2210および窒化ガリウム領域2212を埋設するように形成される。この第1の酸化物層は次に、キャリア基板2202上の第2の酸化物層に結合される。第1の酸化物層および第2の酸化物層は次に、結合されて酸化物層2204を形成する。
【0109】
この例示的な実施例では、図22に描かれている半導体構造は、例示的な実施例で示されている工程を用いて製造することができる。例えば、III族窒化物層は、酸化物堆積およびウエハの結合の前にパターニングおよびエッチングを行うことができる。導波路構造は、横方向(水平)ダイオードと一体化することが可能で、炭化ケイ素層2214の能動エレクトロニクスおよび空乏層にドーピングを行うことができる。ドープ領域は、マスク注入とこれに続くアニーリングによって、または、成長中の基板(SiCおよびGaN)ドーピングとこれに続くパターニングおよびエッチングによって、あるいはこれらの組み合わせによって、製造することができる。光共振器の共振周波数または埋め込まれた単一光子エミッタの光放出周波数を調整するために、p-n接合を越えるこれらの材料に、または金属接点間に電場を印加することが利用可能である。
【0110】
ここで図23を参照すると、例示的な一実施例により、導波路のさらに別の断面図が示されている。図示されているように、導波路2300は、埋設された光導波路構造の別の実施例である。
【0111】
図示されているこの実施例では、導波路2300はキャリア基板2302上に形成される。酸化物層2304は、キャリア基板2302の上に配置される。窒化ガリウム領域2312は、酸化物層2304内の空洞2308の酸化物層2304の上に配置されている。窒化アルミニウム領域2310は、酸化物層2304内の空洞2308の窒化ガリウム領域2312の上に配置されている。窒化アルミニウム領域2310は、側面2301および側面2303を有する。窒化ガリウム領域2312は、側面2305および側面2307を有する。図示されているように、窒化アルミニウム領域2310および窒化ガリウム領域2312は、酸化物層2304内の空洞2308に埋設されるリッジ2317を形成する。
【0112】
この実施例では、炭化ケイ素層2314は、酸化物層2304および窒化アルミニウム領域2310の上に配置される。さらに、リブ領域2316は炭化ケイ素層2314から延在する。この図に示したように、リブ領域2316は、炭化ケイ素層2314から延在する炭化ケイの一部分で、炭化ケイ素領域とも称される。図示されているように、炭化ケイ素層2314、リブ領域2316、窒化アルミニウム領域2310、および酸化物層2304の空洞2308内の窒化ガリウム領域2312は、導波路2300を形成する。
【0113】
図示されているように、導波路2300は、炭化ケイ素層2314およびリブ領域2316を覆う被覆材2322を有する。図示されているように、被覆材2222は、炭化ケイ素層2214およびリブ領域2316に直接接触している。被覆材2222は、炭化ケイ素層2214およびリブ領域2316よりも低い屈折率を有する。
【0114】
この例示的な実施例では、キャリア基板2302は、約100μmからの厚みを有する。酸化物層2304は、この実施例では約3.3μmの厚みを有する。窒化アルミニウム領域2310は約100nmの厚みを有し、窒化ガリウム領域2312は約200nmの厚みを有する。空洞2308内のこれらの2つの領域は約1.0μmの幅を有する。図示されているように、炭化ケイ素層2214は約100nmの厚みを有する。リブ領域2316は、約1.0μmの幅と約200nmの厚みを有する。被覆材2322は、約500nmから約5.0μmの厚みを有する。
【0115】
図20図23の導波路構造の例示は、1つまたは複数の例示的な実施例にしたがって製造可能な半導体構造の1つのタイプの実施例として提供される。これらの例示は、他の例示的な実施例が実装されうる態様を限定することを意図していない。
【0116】
例えば、これらの層および領域に対して示されている厚みは、薄膜の実装に対して使用可能な厚みの実施例である。これらの厚みは、他の例示的な実施例で使用可能な厚みを限定することを意図していない。
【0117】
さらに、III族窒化物層と領域の数およびタイプは、図20図23に示したものとは異なることがありうる。例えば、窒化インジウム(InN)層および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)層は、図示した窒化アルミニウム(AlN)および窒化ガリウム(GaN)層に加えて、または代わりに使用することができる。
【0118】
別の実施例として、導波路構造に加えて、または代わりに、他のタイプの半導体構造を製造することができる。例えば、半導体構造は、超電導単一光子検出器、光エミッタ、炭化ケイ素デバイス層内の点欠陥を利用した量子メモリ、または半導体構造の他の好適なタイプの構成要素のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0119】
1つまたは複数の例示的な実施例の工程を用いて製造可能な1つまたは複数の炭化ケイ素デバイス層、および1つまたは複数のIII族窒化物層を有する半導体構造の付加的な実施例は、導波路連結4ポートまたは2ポートのリング共振器またはフィルタを含むマイクロエレクトロメカニカルシステムおよびフォトニック構成要素を含む。さらに別の例示的な実施例では、フォトニック構成要素、電気構成要素、および機械構成要素に加えて、極低温での超電導ナノワイヤ単一光子検出器および論理構成要素の動作を可能にする方法で、超電導材料を堆積させることができる。
【0120】
別の実施例として、スロット導波路により、狭い間隔で配置された2つのリッジをエッチングすることによって、低屈折率被覆材または基板外側の真空に対して、光モードを選択することができる。
その間隔は、例えば、数百ナノメートル未満になりうる。別の実施例として、選択領域内でリソグラフィパターニングを行い、次に酸化物(SiO)を化学的にエッチング除去することによって、これらの図に描かれているものと同様の材料スタックから、吊り下げ導波路(suspended waveguides)を製造することができる。これは、酸化物層の中に空気を、または代わりに真空を延在させる光空間モード(optical spatial mode)をもたらしうる。
【0121】
次に図24を参照すると、例示的な実施形態により、III族窒化物の組を伴う炭化ケイ素基板の別の実施例が示されている。この例示的な実施例では、ワークピース2400は、図5のキャリア基板500などのキャリア基板に形成され結合されうる層の実施例である。
【0122】
この実施例では、ワークピース2400の炭化ケイ素基板2402は、ベース基板2404、p型炭化ケイ素層2406、n型炭化ケイ素層2408、ドープなし炭化ケイ素層2410、およびp型炭化ケイ素層2412を含む。図示されているように、p型炭化ケイ素層2406は、光電気化学エッチングを実行するための犠牲層である。他の炭化ケイ素層は、半導体構造の形成に使用可能な炭化ケイ素デバイス層の実施例である。この実施例では、n型炭化ケイ素層2408は、デバイス層であることに加えて、エッチング停止として機能することができる。
【0123】
この例示的な実施例では、ベース基板2404は約350μmの厚みを有する。図示されているように、犠牲層、p型炭化ケイ素層2406は、約5μmの厚みを有する。この実施例では、n型炭化ケイ素層2408は約0.1μmの厚みを有し、ドープなし炭化ケイ素層2410は約0.2μmの厚みを有し、また、p型炭化ケイ素層2412は約0.1μmの厚みを有する。
【0124】
図示されているように、III族窒化物層は、炭化ケイ素基板2402のp型炭化ケイ素層2412の上に成長する。これらのIII族窒化物層は、ドープなし窒化アルミニウム層2414およびドープなし窒化ガリウム層2416を含む。この例示的な実施例では、ドープなし窒化アルミニウム層2414は約0.1μmの厚みを有し、ドープなし窒化ガリウム層2416は約0.4μmの厚みを有する。
【0125】
この図示された実施例では、酸化物層2418はドープなし窒化ガリウム層2416の上に堆積される。酸化物層2418は、この実施例では、約0.2μmの厚みを有する。
【0126】
ワークピース2400により、炭化ケイ素およびIII族窒化物の薄膜は、SiOなどの低屈折率(n)を有する材料の最上部に積層されうる。nはSiOに対しては約1.4で、単結晶AlN/GaNに対しては2.1/2.3で、4H-SiCに対しては2.6である。その結果、フォトニックデバイスの光モードは、下方のバルク基板材料に光エネルギーを放出すること、または失うことなく、炭化ケイ素またはIII族窒化物層のうちの少なくとも1つの中に留まることができる。
【0127】
さらに、ワークピース2400内に描かれているIII族窒化物層の中の炭化ケイ素層は、炭化ケイ素材料内にp-i-n接合を作るために使用することができる。この実施例では、ドープなし窒化アルミニウム層2414の使用は有益になることがあり、SiCの露出面または炭化ケイ素と酸化物との間の直接界面と比較して、より少ない不動態化されていない界面状態(特に極低温で)を引き起こすことができる。1つまたは複数の付加的なIII族窒化物層の使用は、例示的な実施例では、任意選択である。
【0128】
ワークピース2400の例示は、III族窒化物層の組を有する炭化ケイ素基板が実装されうる1つの態様の実施例として提供されている。この例示は、他の例示的な実施例が実施され得る態様の限定を意図していない。
【0129】
例えば、他の例示的な実施例は、炭化ケイ素基板と共に他の数の層を有しうる。いくつかの例示的な実施例では、犠牲層に隣接する層は、犠牲層とは反対のタイプのドーピングを有する層ではなく、むしろドープなし層になりうる。さらに別の例示的な実施例では、3つ、5つまたは他のいくつかの数のIII族窒化物層が採用されうる。さらに、層の例示的な厚みは、薄膜層と共に使用されうる厚みの実施例として提供される。他の実施例では、他の厚みが使用されうる。
【0130】
次に図25を参照すると、例示的な実施形態により、半導体構造を形成するための処理のフロー図が示されている。処理は、炭化ケイ素基板上に形成されたIII族窒化物層の組の上に配置された第1の酸化物層を、キャリア基板上に配置された第2の酸化物層に結合して、キャリア基板とIII族窒化物層との間に配置される酸化物層を形成することによって開始される(工程2500)。炭化ケイ素基板はドープ層を有する。
【0131】
処理は、光電気化学エッチング処理を用いて、ドープ層を有する炭化ケイ素基板をエッチングする(工程2502)。ドープ層のドーピングレベルは、ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素デバイス層がエッチングされずに残るレベルである。工程2502では、ドープ層は、炭化ケイ素デバイス層の厚みの所望の一様性または所望の光学性能レベルのうちの少なくとも1つを備えるウエハなど、基板上に炭化ケイ素デバイス層を形成することを可能にする犠牲層である。工程2502では、光電気化学エッチングは、ケイ素面になりうる、この実施例では炭化ケイ素材料の炭素面である、エッチング面上で実行される。光電気化学エッチングはまた、炭化ケイ素材料のケイ素面であるエッチング面上で実行することもできる。
【0132】
処理は、炭化ケイ素デバイス層およびIII族窒化物層の組を使用して半導体構造を形成する(工程2504)。処理は、その後、終了する。この実施例では、炭化ケイ素デバイス層およびIII族窒化物層が薄膜層になりうる。半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、炭化ケイ素デバイス層内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリ、または他の好適な構造のうちの少なくとも1つから選択される。半導体構造は、複数の構成要素を含みうる。例えば、半導体構造は、同じタイプまたは異なるタイプの複数の導波路を含みうる。別の実施例として、半導体構造は、1つまたは複数の導波路および量子メモリを含みうる。これらの構成要素または他の構成要素は、半導体構造に1つまたは複数の所望の機能を提供するために選択されうる。
【0133】
次に図26を参照すると、例示的な実施形態により、半導体構造を形成するための処理のフロー図が示されている。処理は、炭化ケイ素基板上にIII族窒化物層の組を形成することによって開始される(工程2600)。炭化ケイ素基板は、ドープ層を含む。ドープ層は、ドープ層が光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、一方、炭化ケイ素基板の他の部分がエッチングされずに残るようなドーピングレベルを有する。他の例示的な実施例では、III族窒化物層の組を形成することは、III族窒化物層の組をエッチングして構造を形成することを含みうる。
【0134】
処理は、III族窒化物層の組の上に第1の酸化物層を形成し、III族窒化物層の組は、第1の酸化物層と炭化ケイ素基板との間に配置される(工程2602)。処理は、第1の酸化物層をキャリア基板上の第2の酸化物層に結合して、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成する(工程2604)。
【0135】
処理は、炭化ケイ素基板を研削する(工程2606)。炭化ケイ素基板のドープ層の部分が露出されると、処理は研削を停止する(工程2608)。工程2608では、ドープした露出層の部分はドープ層の最上部分またはドープ層内の一部分であってもよい。
【0136】
ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板のドープ層の部分が露出したときに、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素デバイス層が残るように、処理は、光電気化学エッチングを用いて炭化ケイ素基板をエッチングする(工程2610)。
【0137】
処理は、炭化ケイ素デバイス層およびIII族窒化物層の組を使用して半導体構造を形成する(工程2612)。処理は、その後、終了する。
【0138】
次に図27を参照すると、例示的な実施形態による結合構成要素の図が示されている。図27のフロー図は、図25の工程2500および図26の工程2604の実装の一実施例である。
【0139】
処理は、第1の酸化物層の第1の表面を第2の酸化物層の第2の表面に接触させることによって開始される(工程2700)。工程2700では、分子間相互作用が第1の酸化物層と第2の酸化物層との間で発生する。これらの分子間相互作用には、例えば、ファンデルワールス力、水素結合、または強力な共有結合が含まれる。
【0140】
処理は、第1の酸化物層および第2の酸化物層をアニールし、一方、第1の表面は第2の表面に直接接触して、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成する(工程2702)。この実施例では、工程2702のアニーリングは任意選択である。処理は、その後、終了する。
【0141】
図28を参照すると、例示的な実施形態により、半導体構造を形成するための処理のフロー図が示されている。処理は、炭化ケイ素基板上に配置された第1の酸化物層を、キャリア基板上に配置された第2の酸化物層に結合して、キャリア基板と炭化ケイ素基板との間に配置される酸化物層を形成することによって開始される(工程2800)。
【0142】
工程2800では、炭化ケイ素基板はドープ層を有する。さらに、第1の酸化物層は、例示的な一実施例では、炭化ケイ素基板に直接接触している。別の例示的な実施例では、III族窒化物層の組などの介在層の組は、第1のケイ素層と炭化ケイ素基板との間に配置される。
【0143】
処理は、光電気化学エッチング処理を用いて、ドープ層を有する炭化ケイ素基板をエッチングする(工程2802)。工程2802では、ドープ層のドーピングレベルは、ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素デバイス層がエッチングされずに残るレベルである。
【0144】
処理は、炭化ケイ素デバイス層を使用して半導体構造を形成する(工程2804)。工程2804では、半導体構造を形成するため、他の材料も利用されうる。例えば、III族層または領域の組は、この工程で形成されうる。また、被覆材、金属層、または金属領域は、半導体構造を形成するため、工程2804で形成されうる。
【0145】
図示した種々の実施形態におけるフロー図およびブロック図は、例示的な実施形態の装置および方法のいくつか可能な実装の構造、機能、および工程を示す。これに関して、フロー図またはブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、または工程もしくはステップの一部分のうちの、少なくとも1つを表わしうる。例えば、半導体構造を製造するための製造機器を制御するため、1つまたは複数のブロックが、プログラムコード、ハードウェアまたはプログラムコードとハードウェアの組合せとして実装されうる。ハードウェア内に実装された場合、ハードウェアは、例えば、フロー図またはブロック図の1つまたは複数の工程を実行するように製造または構成された、集積回路の形態をとりうる。プログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実装された場合、この実施は、ファームウェアの形態をとりうる。フロー図またはブロック図の各ブロックは、半導体構造を製造する製造機器を動作させるため、様々な工程を実行する特別な目的のハードウェア、あるいは、特別な目的のハードウェアと当該の特別な目的のハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組み合わせを使用して実装されうる。
【0146】
例示的な実施形態のいくつかの代替的な実装では、ブロックに記載された1つまたは複数の機能は、図に記載された順序から外れて行われることがある。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックがほぼ同時に実施されること、または含まれる機能に応じて、ブロックが逆順に実施されることもありうる。また、フロー図またはブロック図に描かれているブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0147】
例えば、工程2604で実行される結合は、工程2610における炭化ケイ素基板のエッチングに先行して実行されるように示されている。他の例示的な実施例では、工程2604における結合は、工程2610で発生するエッチングの後に実行されうる。別の実施例として、所望の誘電率などの所望の特性を有する他の誘電体は、図に示され、説明されている二酸化ケイ素の代わりに、または加えて使用することができる。
【0148】
ここで図29を参照すると、例示的な実施形態により、製品管理システムのブロック図を示されている。製品管理システム2900は、物理的なハードウェアシステムである。この例示的な実施例では、製品管理システム2900は、製造システム2902または保守システム2904のうちの少なくとも1つを含む。
【0149】
製造システム2902は、製品を製造するように構成されている。図示されるように、製造システム2902は、製造機器2906を含む。製造機器2906は、製作機器2908または組立機器2910のうちの少なくとも1つを含む。
【0150】
製作機器2908は、製品を形成するために使用される部品用の構成要素を製作するために使用される機器である。製作機器2908を使用して、金属部品、複合材部品、半導体、回路、ファスナ、リブ、外板パネル、スパー、アンテナ、または他の好適なタイプの部品のうちの少なくとも1つを製作することができる。
【0151】
例えば、製作機器2908は、機械およびツールを含みうる。これらの機械およびツールは、ドリル、油圧プレス、燃焼室、型、複合テープ敷設機、真空システム、施盤、または他の好適なタイプの機器のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0152】
半導体構成要素の製作に関しては、製作機器2908は、エピタキシャルリアクタ、酸化システム、拡散システム、エッチングマシン、洗浄マシン、結合マシン、ダイシングマシン、ウエハソー、イオン注入マシン、物理気相堆積システム、化学気相堆積システム、フォトリソグラフィシステム、電子ビームリソグラフィシステム、プラズマエッチャ、ダイ取付マシン、ワイヤボンダ、ダイオーバーコートシステム、成形装置、密閉シーラー、電気テスタ、バーンインオーブン、保持ベークオーブン、UV消去マシン、または、半導体構造の製造に使用可能な他の好適なタイプの機器のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0153】
組立機器2910は、部品を組み立てて、チップ、集積回路、コンピュータ、航空機などの製品、または他の製品を形成するために使用される機器である。組立機器2910はまた、機械およびツールを含みうる。このような機械およびツールは、ロボットアーム、クローラ、ファスナ設置システム、レールベースのドリルシステム、またはロボットのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0154】
この例示的な実施例では、保守システム2904は保守機器2912を含む。保守機器2912は、製品上での保守の実行に必要な任意の機器を含みうる。保守機器2912は、製品上の部品に種々の工程を実行するためのツールを含みうる。これらの工程は、部品の分解、部品の改修、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造、または製品上で保守を実行するための他の工程のうちの、少なくとも1つを含みうる。これらの工程は、定期的保守、検査、更新、改修、または他の種類の保守工程でありうる。
【0155】
この例示的な実施例では、保守機器2912は、超音波検査デバイス、X線撮像システム、ビジョンシステム、ドリル、クローラ、および他の適切なデバイスを含みうる。場合によっては、保守機器2912は、保守に必要となる部品を生産し組み立てるための、製作機器2908、組立機器2910、またはこれらの両方を含みうる。
【0156】
製品管理システム2900は、制御システム2914も含む。制御システム2914は、ハードウェアシステムであり、ソフトウェアまたは他のタイプの構成要素をさらに含みうる。制御システム2914は、製造システム2902または保守システム2904のうちの少なくとも1つの工程を制御するように構成される。具体的には、制御システム2914は、製作機器2908、組立機器2910、または保守機器2912のうちの少なくとも1つの工程を制御しうる。
【0157】
制御システム2914内のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、および他のタイプの機器を含みうるハードウェアを使用して実装されうる。制御は、製造機器2906の直接制御の形態をとりうる。例えば、ロボット、コンピュータ制御機械、および他の機器を制御システム2914によって制御することができる。他の例示的な実施例では、制御システム2914は、製品の製造または保守の実行において、作業人員2916によって実行される工程を管理しうる。例えば、制御システム2914は、任務を割り当てたり、指示を与えたり、モデルを表示したり、または作業人員2916が実行する工程を管理するための他の工程を実行したりすることができる。これらの例示的な実施例では、炭化ケイ素およびIII族窒化物層を使用して半導体構造を製作するために記述および図解された種々のステップが、制御システム2914を使用して実装されうる。
【0158】
種々の例示的な実施例では、作業人員2916は、製造機器2906、保守機器2912、または制御システム2914のうちの少なくとも1つを操作しうるか、または少なくとも1つと相互作用しうる。この相互作用は、半導体構造および製品のための他の構成要素、例えば、航空機、宇宙船、通信システム、マイクロエレクトロメカニカルシステム、フォトニックデバイス、または超電導単一光子検出器などの製品で使用するための半導体デバイスまたは構成要素、などを製造するときに起こる。
【0159】
したがって、例示的な実施例は、半導体構造を製造するための方法、装置、およびシステムを提供する。1つの例示的な実施例では、方法は半導体構造を形成する。炭化ケイ素基板上に形成されたIII族窒化物層の組の上に配置された第1の酸化物層は、キャリア基板上に配置された第2の酸化物層と結合され、キャリア基板とIII族窒化物層の組との間に配置される酸化物層を形成する。炭化ケイ素基板はドープ層を有する。ドープ層を有する炭化ケイ素基板は、光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、ドープ層のドーピングレベルは、ドープ層が除去され、炭化ケイ素基板の炭化ケイ素層がエッチングされずに残るレベルである。半導体構造は、炭化ケイ素層およびIII族窒化物層を使用して形成される。
【0160】
さらに、例示的な実施例での処理は、10cm以上の面積のウエハなど、大面積ウエハの処理に適している。例示的な実施例は、低屈折率絶縁体の上に、低損失で厚みの均一性が高い炭化ケイ素およびIII族窒化物ベースの結晶構造を製造するため、これらのタイプのウエハに対して現在使用されている処理と互換性がある。これにより、能動および受動集積フォトニクスとエレクトロニクスを、炭化ケイ素およびIII族窒化物に製造することが可能になる。
【0161】
例えば、例示的な実施例は、前記炭化ケイ素基板の薄化、その後の炭化ケイ素基板の炭素面からの光電気化学エッチングのための、ウエハ結合および次の研削/研磨または化学機械研磨を含みうる。記載した実施例で使用された光電気化学エッチングは、その材料選択的なエッチング特性を利用することにより、炭化ケイ素層をクリーンな結晶界面に平坦化し、結果的に一様な炭化ケイ素膜厚をもたらす。
【0162】
光電気化学エッチングを促進するため、電極は、エッチングされる面の下に配置された炭化ケイ素層の別のドープ層、あるいは、エッチングされるドープ層に取り付けることができ、第2の電極はエッチング液の中に配置することができる。この方法で光電気化学エッチングを適用することで、現在利用されている技術と比較して、絶縁体膜上に炭化ケイ素を生成するための異なる工程が提供される。さらには、例示的な実施例の工程は、露出した炭化ケイ素面の下にドープ層(例えば、p-i-n接合)および構造を維持するような態様で、炭化ケイ素およびIII族窒化物のサブミクロン厚の膜を生成するために使用可能である。
【0163】
例示的な実施例では、結果として得られる再構築は、多くの異なる形態をとりうる。例えば、限定するものではないが、半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、炭化ケイ素デバイス層内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリのうちの少なくとも1つから選択されうる。言い換えるならば、半導体構造は、1つまたは複数のこれらのデバイスを含むことができ、同じタイプの複数のデバイスを含むことができる。
【0164】
種々の例示的な実施形態の説明は、例示および説明を目的として提示されており、網羅的であること、または開示された形態の実施形態に限定することは意図されていない。動作または工程を実行する構成要素が、種々の実施例によって説明される。例示的な実施形態では、構成要素は、記載された動作または工程を実行するように構成されうる。例えば、この構成要素は、例示的な実施例において構成要素によって実行されると説明されている動作または工程を実行する能力をこの構成要素に提供する構造の構成または設計を有しうる。さらに、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「包含する(contains)」、またはこれらの変形例が本明細書で使用されているが、このような用語は、任意の付加的なまたは他の構成要素を除外しない非限定的な接続語(open transition word)として、「備えている(comprises)」という用語と同様に包括的であることを意図している。
【0165】
更に、本開示は、下記の条項による実施形態を含む。
【0166】
条項1. 半導体構造を形成するための方法であって、
炭化ケイ素基板(100、1003)上に、III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)を形成すること(2600)であって、前記炭化ケイ素基板(100、1003)はドープ層(106、904、1302)を含み、前記ドープ層(106、904、1302)は、前記ドープ層(106、904、1302)が光電気化学エッチング処理を用いてエッチングされ、一方、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の他の部分はエッチングされずに残るドーピングレベルを有する、III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)を形成すること(2600)と、
前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に、第1の酸化物層(402、912)を形成すること(2602)であって、前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、前記第1の酸化物層(402、912)と前記炭化ケイ素基板(100、1003)との間に配置される、第1の酸化物層(402、912)を形成すること(2602)と、
前記第1の酸化物層(402、912)をキャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)上の第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成すること(2604)と、
前記炭化ケイ素基板(100、1003)を研削(2606)することと、
前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記ドープ層(106、904、1302)の部分に達したときに、前記研削を停止すること(2608)と、
前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記ドープ層(106、904、1302)の前記部分が露出したときに、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の炭化ケイ素デバイス層(100、906)が残るように、前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記炭化ケイ素基板(100、1003)をエッチングすること(2610)と、
前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)および前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)を使用して、前記半導体構造を形成すること(2612)と、
を含む方法。
【0167】
条項2. 前記第1の酸化物層(402、912)を前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)上の前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することが、前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング後に実行される、条項1に記載の方法。
【0168】
条項3. 前記第1の酸化物層(402、912)を、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)上の前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することが、前記III族窒化物層の組(200200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の1つのIII族窒化物層のエッチング後に実行される、条項1または2に記載の方法。
【0169】
条項4. 前記第1の酸化物層(402、912)を前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)上の前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することが、前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング前に実行される、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
条項5. 前記第1の酸化物層(402、912)を前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)上の前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することは、
前記第1の酸化物層(402、912)の第1の表面を前記第1の酸化物層(504、1002)の第2の表面に接触させること(2700)であって、前記第1の酸化物層(402、912)と前記第1の酸化物層(504、1002)との間に分子間相互作用が発生する、接触させること(2700)と、
前記第1の表面が前記第2の表面に直接接触している間に、前記第1の酸化物層(402、912)および前記第1の酸化物層(504、1002)をアニーリング(2702)して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することと、
を含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0171】
条項6. 前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記ドープ層(106、904、1302)の前記部分が露出したときに、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)が残るように、前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記炭化ケイ素基板(100、1003)をエッチングすることは、
前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記ドープ層(106、904、1302)の前記部分が露出したときに、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)が残るように、前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記炭化ケイ素基板(100、1003)のケイ素面および炭素面のうちの1つをエッチングすることを含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0172】
条項7. 前記ドープ層(106、904、1302)は、前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)の厚みの所望の一様性または所望の光学性能レベルのうちの少なくとも1つを備えるウエハ上に、前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)を形成することを可能にする犠牲層である、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0173】
条項8. 前記半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、または炭化ケイ素デバイス層(100、906)内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリのうちの少なくとも1つから選択される、条項1に記載の方法。
【0174】
条項9. 前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)および前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は薄膜層である、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0175】
条項10. 前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)は、炭化ケイ素基板(100、1003)、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つである、条項1に記載の方法。
【0176】
条項11. 前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)のうちの少なくとも1つを含む、条項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0177】
条項12. 半導体構造を形成するための方法であって、
炭化ケイ素基板(100、1003)上に形成されたIII族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に配置された第1の酸化物層(402、912)を、キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)の上に配置された第1の酸化物層(504、1002)に結合(2800)して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することであって、前記炭化ケイ素基板(100、1003)はドープ層(106、904、1302)を有する、形成することと、
光電気化学エッチング処理を用いて、前記ドープ層(106、904、1302)を有する前記炭化ケイ素基板(100、1003)をエッチングすること(2082)であって、前記ドープ層(106、904、1302)のドーピングレベルは、前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の炭化ケイ素デバイス層(100、906)がエッチングされずに残るレベルである、エッチングすること(2082)と、
前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)とを用いて、前記半導体構造を形成すること(2804)と、
を含む方法。
【0178】
条項13. 前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング前に、前記炭化ケイ素基板(100、1003)を研削すること(2606)と、
前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング前に、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記ドープ層(106、904、1302)の部分に達したとき、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記研削を停止すること(2608)と、
をさらに含む、条項12に記載の方法。
【0179】
条項14. 前記炭化ケイ素基板(100、1003)の上に前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)を形成すること(2600)と、
前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に、前記第1の酸化物層(402、912)を形成すること(2602)であって、前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、前記第1の酸化物層(402、912)と前記炭化ケイ素基板(100、1003)との間に配置される、前記第1の酸化物層(402、912)を形成すること(2602)と、
をさらに含む、条項12または13に記載の方法。
【0180】
条項15. 前記炭化ケイ素基板(100、1003)上に形成された前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に配置された前記第1の酸化物層(402、912)を、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)の上に配置された前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することは、前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング後に実行される、条項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【0181】
条項16. 前記第1の酸化物層(402、912)を前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)上の前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することは、前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の1つのIII族窒化物層のエッチング後に実行される、条項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【0182】
条項17. 前記炭化ケイ素基板(100、1003)上に形成された前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に配置された前記第1の酸化物層(402、912)を、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)の上に配置された前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することは、前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング前に実行される、条項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【0183】
条項18. 前記炭化ケイ素基板(100、1003)上に形成された前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に配置された前記第1の酸化物層(402、912)を、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)の上に配置された前記第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することは、
前記第1の酸化物層(402、912)の第1の表面を前記第1の酸化物層(504、1002)の第2の表面に接触させること(2700)であって、前記第1の酸化物層(402、912)と前記第1の酸化物層(504、1002)との間に分子間相互作用が発生する、接触させること(2700)と、
前記第1の表面が前記第2の表面に直接接触している間に、前記第1の酸化物層(402、912)および前記第1の酸化物層(504、1002)をアニーリング(2702)して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することと、
を含む、条項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
条項19. 前記ドープ層(106、904、1302)は、前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)の厚みの所望の一様性または所望の光学性能レベルのうちの少なくとも1つを備えるウエハ上に、前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)を形成することを可能にする犠牲層である、条項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
条項20. 前記半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、または炭化ケイ素デバイス層(100、906)内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリのうちの少なくとも1つから選択される、条項12から19のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
条項21. 前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)および前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は薄膜層である、条項12から20のいずれか一項に記載の方法。
【0187】
条項22. 前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)は、炭化ケイ素基板(100、1003)、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つである、条項12から21のいずれか一項に記載の方法。
【0188】
条項23. 前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)のうちの少なくとも1つを含む、条項12から22のいずれか一項に記載の方法。
【0189】
条項24. 半導体構造を形成するための方法であって、
炭化ケイ素基板(100、1003)の上に配置された第1の酸化物層(402、912)を、キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)の上に配置された第1の酸化物層(504、1002)に結合(2800)して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と炭化ケイ素基板(100、1003)との間に配置される酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することであって、前記炭化ケイ素基板(100、1003)はドープ層(106、904、1302)を有する、形成することと、
光電気化学エッチング処理を用いて、前記ドープ層(106、904、1302)を有する前記炭化ケイ素基板(100、1003)をエッチングすること(2802)であって、前記ドープ層(106、904、1302)のドーピングレベルは、前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の炭化ケイ素デバイス層(100、906)がエッチングされずに残るレベルである、エッチングすること(2082)と、
前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)を用いて、前記半導体構造を形成すること(2804)と、
を含む方法。
【0190】
条項25. 前記光電気化学エッチング処理を用いて、前記ドープ層(106、904、1302)を有する前記炭化ケイ素基板(100、1003)をエッチングすることは、
光電気化学エッチング処理を用いて、前記ドープ層(106、904、1302)を有する前記炭化ケイ素基板(100、1003)の炭素面をエッチングすることであって、前記ドープ層(106、904、1302)の前記ドーピングレベルは、前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)がエッチングされずに残るレベルである、炭素面をエッチングすることを含む、条項24に記載の方法。
【0191】
条項26. 前記第1の酸化物層(402、912)は、前記炭化ケイ素基板(100、1003)に直接接触している、条項24または25に記載の方法。
【0192】
条項27. III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、前記第1の酸化物層(402、912)と前記炭化ケイ素基板(100、1003)との間に配置されている、条項24から26のいずれか一項に記載の方法。
【0193】
条項28. 製作機器(2914)と、
制御システムと
を備える製品管理システム(2900)であって、前記制御システムは、前記製作機器(2914)が、
炭化ケイ素基板(100、1003)上に形成されたIII族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に配置された第1の酸化物層(402、912)を、キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)の上に配置された第1の酸化物層(504、1002)に結合して、前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)との間に配置される酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)を形成することであって、前記炭化ケイ素基板(100、1003)はドープ層(106、904、1302)を有する、形成することと、
光電気化学エッチング処理を用いて、前記ドープ層(106、904、1302)を有する前記炭化ケイ素基板(100、1003)をエッチングすること(2082)であって、前記ドープ層(106、904、1302)のドーピングレベルは、前記ドープ層(106、904、1302)が除去され、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の炭化ケイ素デバイス層(100、906)がエッチングされずに残るレベルである、エッチングすることと、
前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)と前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)とを用いて、前記半導体構造を形成することと、
を行うように制御する、製品管理システム(2900)。
【0194】
条項29. 前記制御システムは、前記製作機器(2914)がさらに、
前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング前に、前記炭化ケイ素基板(100、1003)を研削することと、
前記炭化ケイ素基板(100、1003)のエッチング前に、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の前記ドープ層(106、904、1302)の部分に達したとき、前記炭化ケイ素基板(100、1003)の研削を停止することと、
をさらに含むように制御する、条項28に記載の製品管理システム(2900)。
【0195】
条項30. 前記制御システムは、前記製作機器(2914)が、
前記炭化ケイ素基板(100、1003)の上に前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)を形成することと、
前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)の上に、前記第1の酸化物層(402、912)を形成することであって、前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、前記第1の酸化物層(402、912)と前記炭化ケイ素基板(100、1003)との間に配置される、前記第1の酸化物層(402、912)を形成することと、
を行うように制御する、条項28または29に記載の製品管理システム(2900)。
【0196】
条項31. 前記半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、光共振器、または炭化ケイ素デバイス層(100、906)内の点欠陥を利用した光子放出量子メモリのうちの少なくとも1つから選択される、条項28から30のいずれか一項に記載の製品管理システム(2900)。
【0197】
条項32.前記炭化ケイ素デバイス層(100、906)および前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は薄膜層である条項28から31のいずれか一項に記載の製品管理システム(2900)。
【0198】
条項33. 前記キャリア基板(500、1000、1314、1602、1802、2002、2102、2202、2302、2402)は、炭化ケイ素基板(100、1003)、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つである、条項28から32のいずれか一項に記載の製品管理システム(2900)。
【0199】
条項34. 前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)のうちの少なくとも1つを含む、条項28から33のいずれか一項に記載の製品管理システム(2900)。
【0200】
条項41. 基板(500、1000、1314、1602、1802)と、
前記基板(500、1000、1314、1602、1802)の上の酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)と、
前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)の上のIII族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)と、
前記III族窒化物層の組(200)の上の炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)と、
を含む、半導体構造。
【0201】
条項42. 前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)の上の前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、III族窒化物領域の組(2210、2212)である、条項41に記載の半導体構造。
【0202】
条項43. 前記III族窒化物領域の組(2210、2212)は、前記酸化物層(600)の空洞(2208)に埋設されている、条項42に記載の半導体構造。
【0203】
条項44. 前記炭化ケイ素層の組(2214)の上の被覆材(2222)であって、前記炭化ケイ素層の組(2224)の屈折率よりも小さい屈折率を有する被覆材(2222)をさらに含む、条項43に記載の半導体構造。
【0204】
条項45. 前記炭化ケイ素層の組(100、906、1306)は、炭化ケイ素領域の組(2008、2110、2316)である、条項41から44のいずれか一項に記載の半導体構造。
【0205】
条項46. 前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)の上の前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、III族窒化物領域の組である、条項45に記載の半導体構造。
【0206】
条項47. 前記炭化ケイ素層の組(1808)の炭化ケイ素材料の欠陥をさらに含む、条項46に記載の半導体構造。
【0207】
条項48. 前記欠陥は、複空孔、ケイ素単原子空孔、他の空孔複合、遷移金属イオン、および希土類元素イオンのうちの1つである、条項47に記載の半導体構造
【0208】
条項49. 前記炭化ケイ素領域の組(2008、2110、2316)は導波路を形成する、条項45に記載の半導体構造。
【0209】
条項50. 前記炭化ケイ素領域の組(2008、2110、2316)の上の被覆材(2010、2112、2322)であって、前記炭化ケイ素領域の組(2008、2110、2316)の屈折率よりも小さい屈折率を有する被覆材(2010、2112、2322)をさらに含む、条項49に記載の半導体構造。
【0210】
条項51. 前記被覆材(2010、2112、2322)は、空気、真空、抵抗、ポリマー、二酸化ケイ素、または窒化ケイ素のうちの少なくとも1つから選択される材料を含む、条項50に記載の半導体構造。
【0211】
条項52. 前記炭化ケイ素層の組(100、906、1306)は、炭化ケイ素層(2108、2314)および前記炭化ケイ素層(2108)から延在する炭化ケイ素領域(2110、2316)を含む、条項51に記載の半導体構造。
【0212】
条項53. 前記炭化ケイ素層(2108)および前記炭化ケイ素領域(2110、2316)の上の被覆材(2112、2322)であって、前記炭化ケイ素層(2108)および前記炭化ケイ素領域(2008、2316)の屈折率よりも小さい屈折率を有する被覆材(2112、2322)をさらに含む、条項52に記載の半導体構造。
【0213】
条項54. 前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)に直接接触している、条項51に記載の半導体構造。
【0214】
条項55. 炭化ケイ素層の組が、前記III族窒化物層(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)に直接接触している、条項51に記載の半導体構造。
【0215】
条項56. 前記基板(500、1000、1314、1602、1802)は、炭化ケイ素基板、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つである、条項51に記載の半導体構造。
【0216】
条項57. 前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、および窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)のうちの少なくとも1つを含む、条項51に記載の半導体構造。
【0217】
条項58. 前記炭化ケイ素層の組および前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)は薄膜層である、条項51に記載の半導体構造。
【0218】
条項59. 前記半導体構造は、光導波路、スロット導波路、リッジ導波路、リブ導波路、埋設光導波路、吊り下げ導波路、または光共振器のうちの少なくとも1つから選択される、条項51に記載の半導体構造。
【0219】
条項60. 基板(500、1000、1314、1602、1802)と、
前記基板(500、1000、1314、1602、1802)の上の酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)と、
前記基板(500、1000、1314、1602、1802)の上の炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)と、
を含む、半導体構造。
【0220】
条項61. 前記基板(500、1000、1314、1602、1802)の上の炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)は、前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)に直接接触している、条項60に記載の半導体構造。
【0221】
条項62. 前記III族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)が、前記酸化物層(600、1100、1312、1604、1804、2004、2104、2204、2304)と前記炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)との間に配置されるように、前記酸化物層(600)の上のIII族窒化物層の組(200、908、910、1308、1310、1606、1806、2006、2106、2210、2212、2310、2312)をさらに含む、条項60または61に記載の半導体構造。
【0222】
条項63. 前記炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)は、炭化ケイ素領域の組(2008、2110、2316)である、条項60から62のいずれか一項に記載の半導体構造。
【0223】
条項64. 前記炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)は、炭化ケイ素層(2108、2314)および前記炭化ケイ素層から延在する炭化ケイ素領域(2110、2316)を含む、条項60から63のいずれか一項に記載の半導体構造。
【0224】
条項65. 前記炭化ケイ素層(2108)および前記炭化ケイ素領域(2110、2316)の上の被覆材(2112、2322)であって、前記炭化ケイ素層(2108、2314)および前記炭化ケイ素領域(2110、2316)の屈折率よりも小さい屈折率を有する被覆材(2112、2322)をさらに含む、条項64に記載の半導体構造。
【0225】
条項66. 前記被覆材(2112、2322)は、空気、真空、抵抗、ポリマー、二酸化ケイ素、または窒化ケイ素のうちの少なくとも1つから選択される材料を含む、条項65に記載の半導体構造。
【0226】
条項67. 前記炭化ケイ素層の組(100、906、1306、2008、2108、2214、2314)は、薄膜層の組である、条項60から66のいずれか一項に記載の半導体構造。
【0227】
条項68. 前記基板(500、1000、1314、1602、1802)は、炭化ケイ素基板、ケイ素基板、酸化アルミニウム基板、酸化ガリウム基板、シリカ基板、窒化アルミニウム基板、および窒化ガリウム基板のうちの1つである、条項60に記載の半導体構造。
【0228】
当業者には、多数の修正および変形が自明であろう。さらに、種々の例示的な実施形態は、他の好ましい実施形態と比較して異なる特徴を提供しうる。選択された1つまたは複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するために、および他の当業者に対して、様々な実施形態の開示内容と考慮される特定の用途に適した様々な修正の理解を促すために選択および記載されている。
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