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特許7702300蓄熱式給湯装置及び貯湯式ヒートポンプ給湯装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-25
(45)【発行日】2025-07-03
(54)【発明の名称】蓄熱式給湯装置及び貯湯式ヒートポンプ給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20220101AFI20250626BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20250626BHJP
【FI】
F24H9/00 E
F24H1/18 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021128058
(22)【出願日】2021-08-04
(65)【公開番号】P2023022940
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 道治
(72)【発明者】
【氏名】北村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石崎 聡
(72)【発明者】
【氏名】古河 俊輔
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136073(JP,A)
【文献】特開2000-097500(JP,A)
【文献】特開2013-064575(JP,A)
【文献】実開昭54-174947(JP,U)
【文献】特開2005-083663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置されると共に前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記バッフル板は、前記給水口を流れる水の流入方向の延長線上で、かつ、前記下側傾斜領域と平行に配置されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周端部及び前記近接領域の前記外周端部と前記タンクの底部壁面との距離を外周側距離としたときに、前記遠隔領域の前記外周側距離よりも前記近接領域の外周側距離が大きく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板と前記タンクの底部の前記下側傾斜領域の壁面とは支柱によって接続され、前記支柱は、前記給水口の給水方向からの水流が衝突する前記バッフル板の衝突部と同一面を構成する平板部分と、前記タンクの底部の前記下側傾斜領域の壁面とが接続されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項4】
タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置されると共に前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記バッフル板と前記タンクの底部の前記下側傾斜領域の壁面とは支柱によって接続されていると共に、前記支柱と前記バッフル板は一体構造で、かつ、前記支柱と前記バッフル板の前記外周端部の間には切断部が形成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項5】
請求項4に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周端部及び前記近接領域の前記外周端部と前記タンクの底部壁面との距離を外周側距離としたときに、前記遠隔領域の前記外周側距離よりも前記近接領域の外周側距離が大きく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記近接領域の前記外周側角度が90度以上、前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周側角度が90度以下であることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項7】
タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置されると共に前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記タンクの底部の前記下側傾斜領域に水平な底面を持つ掘り込み部を設け、前記掘り込み部の底面直径は、前記バッフル板の前記外周端部の直径よりも小さく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項8】
請求項7に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周端部及び前記近接領域の前記外周端部と前記タンクの底部壁面との距離を外周側距離としたときに、前記遠隔領域の前記外周側距離よりも前記近接領域の外周側距離が大きく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項9】
タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び/又は前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置される及び/又は前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記バッフル板の前記近接領域における前記外周端部の鉛直方向長さが、前記遠隔領域における前記外周端部の鉛直方向長さよりも長いことを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項10】
請求項9に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周端部及び前記近接領域の前記外周端部と前記タンクの底部壁面との距離を外周側距離としたときに、前記遠隔領域の前記外周側距離よりも前記近接領域の外周側距離が大きく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項11】
タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び/又は前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置される及び/又は前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記バッフル板の前記近接領域及び/又は前記遠隔領域の前記外周端部の末端に凹凸部が形成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項12】
請求項11に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周端部及び前記近接領域の前記外周端部と前記タンクの底部壁面との距離を外周側距離としたときに、前記遠隔領域の前記外周側距離よりも前記近接領域の外周側距離が大きく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項13】
タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び/又は前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置される及び/又は前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記バッフル板の衝突部に該衝突部を貫通する複数の表面連通部が、前記バッフル板の外周端部に該外周端部を貫通する複数の外周連通部が、それぞれ設けられていると共に、
前記表面連通部には、加工前の板状の素材に対して前記衝突部側とその直行方向に切り込みを入れ、前記給水口側に切起こした表面切起こしを設け、前記外周連通部には、板状の素材に対して前記衝突部側とその直行方向に切り込みを入れ、前記給水口側に切起こした外周切起こしを設けたことを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項14】
請求項13に記載の蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板の前記遠隔領域の前記外周端部及び前記近接領域の前記外周端部と前記タンクの底部壁面との距離を外周側距離としたときに、前記遠隔領域の前記外周側距離よりも前記近接領域の外周側距離が大きく構成されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【請求項15】
冷媒を圧縮する圧縮手段、前記圧縮手段で圧縮された冷媒で送水されてきた水を加熱する加熱手段、前記冷媒を膨張させる膨張手段、前記冷媒を加熱する蒸発手段を少なくとも備えた熱源機と蓄熱式給湯装置のタンクが接続されていると共に、前記圧縮手段、前記加熱手段、前記膨張手段、前記蒸発手段を環状に接続した環状流路が構成され、前記環状流路に前記冷媒を密閉した貯湯式ヒートポンプ給湯装置であって、
前記蓄熱式給湯装置は、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の蓄熱式給湯装置であることを特徴とする貯湯式ヒートポンプ給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蓄熱式給湯装置及び貯湯式ヒートポンプ給湯装置に係り、特に、タンク内に流入した水又は温水の攪拌を抑制するバッフル板を備えているものに好適な蓄熱式給湯装置及び貯湯式ヒートポンプ給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯に係る消費エネルギの低減技術として、使用予定の給湯湯量を使用前に貯湯タンクに蓄熱する技術がある。使用する温水をオンデマンドで得る場合には、一般的に高い供給熱量が必要となり、機器の大型化やエネルギ密度の高いエネルギ源を利用する必要がある。
これに対し、使用前に蓄熱を行う方式により、例えば、1日に使用する湯量を24時間かけて確保すればよくなるため、小型の機器やエネルギ密度の低い熱源を利用したシステムが可能となる。
貯湯タンクに温水を蓄熱する方式としては、予め水道水を貯湯タンクに貯めておき、熱源機を使って水を加熱して貯湯タンクに蓄熱する形式が知られている。
この方式では、貯湯タンクの下部が冷水領域、貯湯タンクの上部が温水領域となる温度成層が形成され、貯湯タンク内にて温水と冷水が混在するものの、密度の違いにより対流が生じにくくなっており、温度の均一化が抑制されるという特徴がある。
従って、上記の方式を運用する上では、貯湯タンクの下部への給水、又は貯湯タンクの上部への温水戻しのそれぞれについて、可能な限り対流を生じさせない技術が必要となる。
このような技術に関連する先行技術文献としては、特許文献1を挙げることができる。この特許文献1には、貯湯タンクの鉛直方向中心軸の下部の入水側に、入水方向に対して垂直の面をなすバッフル板を設け、このバッフル板の外周に縁を形成することで、給水による温度成層の混合を抑制する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-327147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1によれば、貯湯タンクの下部に入水した水がバッフル板に衝突し、バッフル板に衝突した流れがバッフル板と貯湯タンク底面の隙間から貯湯タンク内に流出することで、貯湯タンク内部の全周に向かう流れ場が生じる。
これにより、給水口の流れよりも最大流速が下がるため、流れの運動エネルギが低減し、貯湯タンク内の攪拌が抑制される。
【0005】
ところで、種々の貯湯タンクのうち、貯湯タンク内の洗浄や非常時の水利用などを想定して、貯湯タンク底面に排水口を備えたものがある。
【0006】
この種の貯湯タンクでは、ポンプなどのエネルギを付加せずに貯湯タンク内の水を排出する目的から、貯湯タンク底面に設けられた排水口が、貯湯タンク内の最も下側に位置する構造になっている。
【0007】
このため、貯湯タンク底面に、貯湯タンク底面の排水口に向かって傾斜する部分が存在し、水道水を供給する給水口が傾斜部に位置することとなる。
【0008】
このような貯湯タンク底面の傾斜部に位置する給水口の給水方向と対向する位置に、特許文献1に記載のバッフル板を設けた場合、給水方向に対して垂直にバッフル板を設置することで、バッフル板の外周側の縁と貯湯タンク底面との隙間から流出する水の流れに、貯湯タンク底面の傾斜部の斜面を上る流れと斜面を下る流れが生じることになる。
【0009】
しかしながら、この場合、貯湯タンク底面の傾斜部の斜面を上る水の流れによって貯湯タンク上部が攪拌されてしまい、貯湯タンク内の攪拌が十分に抑制できない恐れがある。
【0010】
また、貯湯タンクの頂部においては、貯湯タンク内の温水を出湯する目的から、貯湯タンク頂部に設けられた出湯口が貯湯タンク内の最も上側に位置する構造になっている。
【0011】
このため、貯湯タンク頂部に、貯湯タンク頂部の出湯口に向かって傾斜する部分が存在し、温水を供給する温水入口が傾斜部に位置することとなる。
【0012】
このような貯湯タンク頂部の傾斜部に位置する温水入口の流入方向と対向する位置に、特許文献1に記載のバッフル板を設けた場合、温水の流入方向に対して垂直にバッフル板を設置することで、バッフル板の外周側の縁と貯湯タンク頂部との隙間から流出する温水の流れに、貯湯タンク頂部の傾斜部の斜面を下る流れと斜面を上る流れが生じることになる。
【0013】
しかしながら、この場合、貯湯タンク頂部の傾斜部の斜面を下る温水の流れによって貯湯タンク下部が攪拌されてしまい、貯湯タンク内の攪拌が十分に抑制できない恐れがある。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、タンクの傾斜部にバッフル板を設置したものであっても、タンク内の流体(水、温水)の攪拌を抑制することができる蓄熱式給湯装置及び貯湯式ヒートポンプ給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の蓄熱式給湯装置は、上記目的を達成するために、タンクと、該タンクに接続された熱源機とから成り、前記タンクの底部と前記熱源機の流入側とが接続されると共に、前記タンクの頂部と前記熱源機の流出側とが接続され、
前記タンクは、その底部に水を流入させる給水口と水を流出させる排水口、及びその頂部に温水を流入させる温水入口と温水を流出させる出湯口を備え、
かつ、前記排水口から外方に向かって上昇する下側傾斜領域及び前記出湯口から外方に向かって下降する上側傾斜領域を有し、前記給水口は前記下側傾斜領域に配置されると共に前記温水入口は前記上側傾斜領域に配置され、
前記給水口からの水の流入方向と対向する位置の前記下側傾斜領域及び/又は前記温水入口からの温水の流入方向と対向する位置の前記上側傾斜領域にバッフル板が設置されている蓄熱式給湯装置であって、
前記バッフル板は、端部が前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面に向って突出している外周端部を有し、前記バッフル板の前記外周端部の延長線と前記タンクの底部壁面及び/又は頂部壁面との成す前記バッフル板の外側の角度を外周側角度とし、かつ、前記バッフル板の前記排水口又は前記出湯口に近い側を近接領域、前記排水口又は前記出湯口から遠い側を遠隔領域としたときに、前記近接領域の前記外周側角度が前記遠隔領域の前記外周側角度よりも大きく構成され、
前記バッフル板は、前記給水口を流れる水の流入方向の延長線上で、かつ、前記下側傾斜領域と平行に配置されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の貯湯式ヒートポンプ給湯装置は、上記目的を達成するために、冷媒を圧縮する圧縮手段、前記圧縮手段で圧縮された冷媒で送水されてきた水を加熱する加熱手段、前記冷媒を膨張させる膨張手段、前記冷媒を加熱する蒸発手段を少なくとも備えた熱源機と蓄熱式給湯装置の貯湯タンクが接続されていると共に、前記圧縮手段、前記加熱手段、前記膨張手段、前記蒸発手段を環状に接続した環状流路が構成され、前記環状流路に前記冷媒を密閉した貯湯式ヒートポンプ給湯装置であって、前記蓄熱式給湯装置は、上記構成の蓄熱式給湯装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、タンクの傾斜部にバッフル板を設置したものであっても、タンク内の流体(水、温水)の攪拌を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の蓄熱式給湯装置が採用されるCO2ヒートポンプ給湯機を示すシステム概略図である。
図2】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例1を示すタンク底部付近の拡大図である。
図3】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例1に採用されるバッフル板の斜視図である。
図4】従来技術の蓄熱式給湯装置を示すタンク底部付近の拡大図である。
図5】従来構造の蓄熱式給湯装置における冷水の流れの状態を示すタンク底部付近の拡大図である。
図6】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例1における冷水の流れの状態を示すタンク底部付近の拡大図である。
図7】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例2を示すタンク底部付近の拡大図である。
図8】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例2に採用されるバッフル板の斜視図である。
図9】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例2における冷水の流れの状態を示すタンク底部付近の拡大図である。
図10】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例3を示すタンク底部付近の拡大図である。
図11】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例3に採用されるバッフル板の斜視図である。
図12】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例3における冷水の流れの状態を示すタンク底部付近の拡大図である。
図13】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例4に採用されるバッフル板の斜視図である。
図14】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例4における冷水の流れの状態を示すタンク底部付近の拡大図である。
図15】本発明の蓄熱式給湯装置の実施例5を示すタンク頂部付近の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の蓄熱式給湯装置及び貯湯式ヒートポンプ給湯装置を説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例1】
【0019】
図1に、本発明の蓄熱式給湯装置が採用されるCO2ヒートポンプ給湯機(貯湯式ヒートポンプ給湯装置)のシステム概略図を示す。
【0020】
図1に示すように、CO2ヒートポンプ給湯機は、圧縮手段である圧縮機102、加熱手段である水冷媒熱交換器103、膨張手段である膨張弁104、蒸発手段である蒸発器105及びプロペラファン106を備えている熱源機101と貯湯タンク1とで概略構成されている。
【0021】
圧縮機102、水冷媒熱交換器103、膨張弁104及び蒸発器105は、管で順番に接続され、蒸発器105と圧縮機102も同様に管で接続されることで閉ループを構成している。このループにCO2冷媒であるR744を封入することでヒートポンプサイクル(環状流路100)を構成している。
【0022】
また、蒸発器105はフィンと伝熱管で構成されており、積層されたフィンを伝熱管が貫通し、伝熱管の間を空気が流通できる構成となっており、この空気を流通させる手段として、プロペラファン106が設置されている。
【0023】
貯湯タンク1は、円筒状に成型した板金の上下を円錐状の板金で蓋をした空洞構造となっており、これを断熱材で覆って箱型の構造体内に配置している(なお、以降の説明で、貯湯タンク1の上側に設けた蓋をタンク頂部3、貯湯タンク1の下側に設けた蓋をタンク底部2という)。タンク底部2には、板金を貫通する穴が2か所設けられており、円錐構造の頂点部分(貯湯タンク1の鉛直方向中心軸Pでもある)に排水口5(図2参照)が、下側傾斜領域9aの途中に給水口4(図2参照)が設けられている。
【0024】
排水口5は排水弁110を介して貯湯タンク1の外部に接続され、排水弁110を開くことで貯湯タンク1の内部が外部に対して開放され、また、給水口4は水道管108と減圧弁111を介して接続されていると共に、熱源機101の水冷媒熱交換器103と接続されている。給水口4と水冷媒熱交換器103の間には送水ポンプ107が設置され、この送水ポンプ107により、貯湯タンク1に貯めた水を水冷媒熱交換器103に送水できる。従って、給水口4は熱源機101に対して送水口6(図2参照)の役割も担う。
【0025】
一方、タンク頂部3に対しては、図15に示すように、円錐構造の頂点部分(貯湯タンク1の鉛直方向中心軸Pでもある)に出湯口8が設けられ、上側傾斜領域9bの途中に温水入口7が設けられている。温水入口7は水冷媒熱交換器103の出口側に接続され、これによりタンク底部2、送水ポンプ107、水冷媒熱交換器103、タンク頂部3の順に水が流れる経路を構成する。出湯口8は、給湯口109と配管で接続されている。出湯口8と給湯口109の間に水道管108から分岐した配管が接続されているため、水と温水を混合することが可能となっている。
【0026】
なお、水冷媒熱交換器103では、冷媒と水が対向する方向に流通するように冷媒と水の流路が接触している。ただし、必ずしも完全対向流となる必要はなく、一部で流路が直交する構成でも構わない。
【0027】
貯湯タンク1の内部のタンク底部2付近にはバッフル板20Aが設置されている。このバッフル板20Aは縁のある傘状の構造体、即ち、端部がタンク底部2の壁面に向って突出している外周端部27f及び27cを有した構造体を給水口4に被せた構造となっている。
【0028】
図2図3及び図6を用いて本発明の蓄熱式給湯装置の実施例1を説明する。
【0029】
図2に示すように、上述したバッフル板20Aは、タンク底部2の排水口5から離れた位置の下側傾斜領域9aの途中に設置され、給水口4及び送水口6の接続部を兼用する流入接続部12の延長線上、即ち、給水口4を流れる水の流入方向の延長線上で、かつ、下側傾斜領域9aと平行に配置されている。
【0030】
また、バッフル板20Aの天井部分は、給水口4の給水方向からの水流が衝突するため、衝突部26と呼ぶ。更に、バッフル板20Aは、上述したように縁(外周端部27f及び27c)のある傘状の構造となっており、バッフル板20Aの外周端部(縁)27f及び27cは、衝突部26よりもタンク底部2の壁面に近接して配置されている。
【0031】
また、本実施例では、バッフル板20Aにおける外周端部27f及び27cの貯湯タンク1の排水口5に近い側を近接領域11、貯湯タンク1の排水口5から遠い側を遠隔領域10とする。即ち、タンク底部2の下側傾斜領域9aの傾斜部上側が遠隔領域10となり、下側傾斜領域9aの傾斜部下側が近接領域11となる。
【0032】
また、本実施例では、上述した遠隔領域10と近接領域11において、外周端部27fと外周端部27cにおけるタンク底部2の壁面との成す角度及び外周端部27fと外周端部27cにおけるタンク底部2の壁面との距離が異なっている。
【0033】
具体的には、バッフル板20Aの外周端部27f及び27cの延長線とタンク底部2の壁面との成すバッフル板20Aの外側の角度(外周側角度29f及び29c)について、遠隔領域10の外周側角度29fよりも近接領域11の外周側角度29cを大きくしている。なお、遠隔領域10の外周側角度29fは、本実施例では直角となっている。
【0034】
また、バッルル板20Aの遠隔領域10の外周端部27f及び近接領域11の外周端部27cとタンク底部2の壁面との最短距離(外周側距離30f及び30c)についても、遠隔領域10の外周側距離30fよりも近接領域11の外周側距離30cを大きくしている。
【0035】
図3に、本実施例におけるバッフル板20Aの斜視図を示す。
【0036】
上述したように、本実施例では、バッフル板20Aの遠隔領域10と近接領域11において外周側角度29fと29cが異なるため、それぞれの外周端部27f及び27cが滑らかに接続されるよう、両者を接続する外周接続部28を備えている。即ち、遠隔領域10と近接領域11において外周側角度29fと29cが異なるため、それぞれの外周端部27f及び27cに切れ目がないように外周接続部28で接続している。
【0037】
なお、本実施例では、外周接続部28の領域が近接領域11と遠隔領域10に対応する外周端部27f及び27cよりも小さいが、外周接続部28の領域の方が外周端部27f及び27cより大きい構造でも構わない。
【0038】
また、本実施例では、図2に示すように、バッフル板20Aとタンク底部2の下側傾斜領域9aの壁面とは、支柱21によって接続されている。この支柱21は、バッフル板20Aの衝突部26と同一面を構成する平板部分と、タンク底部2の下側傾斜領域9aの壁面とを接続する役割を担うものであり、溶接によって接合されている。
【0039】
本実施例と従来技術との違いを説明するために、図4に、タンク底部2に従来技術のバッフル板20を設置したタンク底部2の拡大図を示す。
【0040】
図4に示すタンク底部2の基本的な構造は本実施例の図2と同じだが、バッフル板20の形状が本実施例のバッフル板20Aと異なる。具体的には、図4に示す従来技術では、遠隔領域10と近接領域11のそれぞれの外周側角度29f及び29cが共に直角となっており、加えて、遠隔領域10と近接領域11のそれぞれの外周側距離30f及び30cが同等となっている。
本実施例の作用と効果について説明する。使用開始時に貯湯タンク1に水道管108から水道水を供給し、貯湯タンク1の内部を水で満たす。この時、減圧弁111を介することで、水道圧は所定の圧力に減圧される。貯湯タンク1に貯まった冷水は、使用者の設定に応じた時間帯に沸き上げ運転がなされる。沸き上げ運転の際には、送水ポンプ107が稼働し、タンク底部2から水冷媒熱交換器103へと冷水が供給される。同時に、圧縮機102に電力を加えて冷媒の圧縮を開始し、CO2冷媒を水冷媒熱交換器103、膨張弁104、蒸発器105の順に流す。圧縮機102の駆動開始から一定の時間が経過すると、圧縮後の冷媒温度が設定に応じた温度に到達し、水冷媒熱交換器103で冷媒と冷水が熱交換することで、冷水は65℃~90℃の温水に加熱される。加熱された温水は、タンク頂部3の温水入口7からタンク頂部3に戻される。
冷媒については、水冷媒熱交換器103で冷水に熱を与えたことで温度が常温まで低下し、減圧弁111を通過することで熱源機101の設置環境温度よりも低い温度になる。そして、蒸発器105おいて、プロペラファン106によって生み出された空気流と低温の冷媒が熱交換することで、外気から熱を得た後、再び圧縮機102へと戻る。
以上の運転が継続されることで、貯湯タンク1の上部に温水が溜まり始め、やがて温水の領域が貯湯タンク1の下部に到達して、貯湯タンク1の内部の大部分が温水で満たされる。
温水を使用する際には、出湯口8から温水を取り出して給湯口109へと送る。この時、給湯口109へ温水を送ると同時に、貯湯タンク1のタンク底部2に設置されている給水口4より水道水が供給される。
貯湯された温水の温度が利用者の希望よりも高い場合には、水道管108から分岐した配管を流れる冷水と混合した後に給湯口109へと届けられる。貯湯タンク1内の温水を利用する際には、水道管108からの圧力が加わっているため、ポンプなどの動力がなくても給湯口109へお湯を届けることができる。ただし、貯湯タンク1よりも給湯口109の位置が大幅に高い場合などにおいては、別途加圧用のポンプを用いることができる。
【0041】
貯湯タンク1に貯めた水は、必要に応じて排水弁110を開くことで排出できる。利用ケースとしては、貯湯タンク1内に貯まった汚れを洗い落とす場合や、災害などで断水した際の生活用水の確保などである。これらの利用ケースにおいては、貯水されたすべての水を抜き出せることが求められる。このため、本実施例では、排水口5をタンク底部2の円錐構造の頂点に設けている。
【0042】
なお、タンク底部2が円錐形状でない場合においては、最も下側となる位置に排水口5を設けることで意図する効果が得られる。そのため、必ずしも排水口5はタンク底部2の中心軸上にある必要はない。
【0043】
上述したように、排水口5を円錐構造の頂点に設置しているため、給水口4又は送水口6の接続部を兼用する流入接続部12は、円錐構造の下側傾斜領域9aに設置せざるを得なくなる。ここで言う下側傾斜領域9aとは、排水口5に対して水が流れるように構成した領域のことを指すため、排水口5よりも高い位置にある非頂点部と言い換えることができる。即ち、下側傾斜領域9aの斜面の一部に加工を加えて平面上にしたものなども含む。
【0044】
図5に、貯湯タンク1から給湯口109へ温水を送る従来技術の運転において、タンク底部2に従来構造のバッフル板20を設置した場合の冷水の流れの状態を示す。
【0045】
水道管108を通って流入した冷水は、給水口4から貯湯タンク1へ流入した後、バッフル板20の衝突部26に到達して流れの向きをかえる。流入した冷水の流れは、図5の矢印のように、バッフル板20の壁面に沿って流れ、外周端部27f及び27cとタンク底部2の間の隙間(外周側距離30f及び30c)から貯湯タンク1内へと流出する。
【0046】
この時、遠隔領域10と近接領域11は、タンク底部2との成す角度(外周側角度29f及び29c)が共に直角となっており、また、外周側距離30fと30cの幅(距離)も同じである。このため、遠隔領域10と近接領域11に到達した流れは、等しい流量及び流速で外周側距離30fと30cを抜ける。
【0047】
また、タンク底部2の下側傾斜領域9aの壁面に対して流れが垂直に衝突するため、タンク底部2からの反作用の力を受けて、流入した流れはタンク底部2の壁面から離れる方向成分を持ちながら、タンク底部2の壁面に沿って広がる流れを形成する。
【0048】
このような流れとなった場合、図5に示すAの領域(遠隔領域10)において、タンク底部2の壁面に対して反射する方向成分を持つ流速の高い流れが生じ、この流れによってタンク頂部3の温水とタンク底部2の冷水が混合される。温水と冷水が混合することで、湯はりや給湯に利用できない40℃前後を下回る湯量が増える。この40℃前後を下回る温水は、風呂や給湯で利用できないため、熱源機101で沸き上げることなどによって再度温度を高める必要がある。しかし、温水の再加熱時においては、ヒートポンプサイクル100の成績係数が低下する特性がある。
【0049】
以上により、貯湯タンク1内の攪拌によって、最終的には給湯に係る消費電力が増加する。
【0050】
これに対して、本実施例を用いた場合のタンク底部2の流れの状態を図6に示す。
【0051】
図6に示すように、本実施例では、遠隔領域10の外周側角度29fと外周側距離30fに比べて近接領域11の外周側角度29cと外周側距離30cが大きく構成されている。
【0052】
このような本実施例の構造に給水口4から冷水が流入した場合、遠隔領域10については、バッフル板20Aの壁面を通過した流れがタンク底部2側に向きを変え、タンク底部2の壁面に対してほぼ垂直に衝突することになる。この時、流れの向きが急激に変わるため、タンク底部2に淀み領域が生じて静圧が高くなる。
【0053】
一方、近接領域11は、外周側角度29cが大きいため、外周端部27cの外周側距離30cから流出する流れがタンク底部2の壁面に対して斜めに衝突する。
【0054】
このため、近接領域11の方が遠隔領域10に比べて流れの衝突面の静圧が低減し、流速を高めることができる。加えて、遠隔領域10の外周側距離30fに対して近接領域11における外周側距離30cが大きいため、同じ流速となったときの流量が増える。
【0055】
以上の2つの効果によって、近接領域11の流量と流速を高め、遠隔領域10側の流量と流速を低減でき、これにより、従来技術を用いた場合に発生していた遠隔領域10側から流出する上昇流による攪拌が抑制できる。
【0056】
なお、本実施例では、給水口4と送水口6の流路を兼用する例を示したが、送水口6と排水口5の流路が兼用されていても構わないし、給水口4と送水口6が下側傾斜領域9aの異なる領域に設置されていても構わない。
【実施例2】
【0057】
本発明の蓄熱式給湯装置の実施例2について、図7図8及び図9を用いて説明する。
該図に示す本実施例は、実施例1と比べてバッフル板の形状が異なったものである。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図7に、本実施例におけるタンク底部2の拡大図を示す。
図7に示すように、本実施例のバッフル板20Bは、平板の外周を直角状に折り曲げた形状が基本構造となっており、衝突部26となる平板部分が給水方向(図7の上方向)に対して垂直で、かつ、タンク底部2の下側傾斜領域9aの壁面の途中に、下側傾斜領域9aの壁面と非平行に配置されている。このため、支柱21の端部は、下側傾斜領域9aの傾きと同じ角度の接合面を持っている。
【0058】
本実施例におけるバッフル板20Bの遠隔領域10と近接領域11を比較すると、本実施例では、遠隔領域10及び近接領域11の外周側角度29f及び29cについては、近接領域11の外周側角度29cが90度以上、遠隔領域10の外周側角度29fが90度以下となっている。また、遠隔領域10及び近接領域11の外周側距離30f及び30cについては、近接領域11の外周側距離30cの方が遠隔領域10の外周側距離30fよりも大きく構成されている。
【0059】
更に、本実施例では、衝突部26と外周端部27f及び27cの鉛直方向長さに比べて、近接領域11及び遠隔領域10における外周側距離30f及び30cの方が大きい。言い換えれば、バッフル板20Bの縁(外周端部27f及び27c)の鉛直方向高さ(長さ)に比べて、バッフル板20Bの縁(外周端部27f及び27c)とタンク底部2の壁面との隙間(外周側距離30f及び30c)が大きく構成されている。
【0060】
図8に、本実施例のバッフル板20Bの斜視図を示す。
【0061】
図8に示すように、本実施例のバッフル板20Bとタンク底部2を接続する支柱21は、バッフル板20Bの外周端部27f及び20cを延長した構造(バッフル板20Bと支柱21が一体構造)となっている。ただし、支柱21の部分と縁(外周端部27f及び27c)の部分の間には、縁のない切断部22が形成されている。
【0062】
図9を用いて本実施例の構造における作用と効果について説明する。
【0063】
図9に矢印で示すように、給水口4より流入した流れはバッフル板20Bの衝突部26に到達した後、バッフル板20Bの壁面に沿って流れ、外周端部27f及び27cとタンク底部2の隙間(外周側距離30f及び30c)から流出する。この時、遠隔領域10では外周側角度29fが90度よりも小さくなっているため、タンク底部2に衝突した流れの一部が給水口4の方向に戻される。一方、近接領域11は外周側角度29cが90度よりも大きいため、バッフル板20Bの壁面を通った流れが給水口4の方向に戻りにくい。
【0064】
これに加えて、遠隔領域10の外周側距離30fよりも近接領域11の外周側距離30cの間隔が大きいため、近接領域11の流れの抵抗が少なくなり流量が増加する。
更に、遠隔領域10及び近接領域11が共に外周側距離30f及び30cが小さいと、流れが通り抜ける隙間(外周側距離30f及び30c)の流路断面積が小さくなるために、同じ流量でも流速が増加し、貯湯タンク1内を攪拌する流れのエネルギを高めてしまう。
これに対して、本実施例では、衝突部26と遠隔領域10及び近接領域11の外周端部27f及び27cとの鉛直方向の距離が外周側距離30f及び30cよりも小さいため、流速が増加しにくくなっており、貯湯タンク1内の攪拌がさらに抑制される。
また、支柱21を遠隔領域10及び近接領域11の外周端部27f及び27c側に寄せることで、衝突部26から周方向に広がる流れが通過できる面積の割合が増えるため、外周端部27f及び27cとタンク底部2の成す面積を広く使うことができ、これにより、同じ流量の場合でも流速を低減できるため、攪拌が抑制される。
【0065】
本実施例のバッフル板20Bの製造に際しては、円盤の外周側を直角に折り曲げる方法を想定している。
【0066】
仮に全周が繋がっている場合、曲げ加工時にしわなどが生じる可能性があり、生産が難しいが、本実施例では、外周端部27f及び27cの一部に切断部22(図8参照)を設けているため曲げ加工の加工性を高め、要件に応じた柔軟な端部形状が製造可能となる。また、本実施例では、切断部22を支柱21に隣接させて設けているが、これは切断部22を通って流れが流出しやすくなる影響と、支柱21によって流れが妨げられる影響を相殺させる効果がある。
【0067】
以上の構造により、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、実施例1に比べて貯湯タンク1内の攪拌をさらに抑制できる。
【実施例3】
【0068】
本発明の蓄熱式給湯装置の実施例3について、図10図11及び図12を用いて説明する。
該図に示す本実施例は、実施例2に比べてタンク底部2の下側傾斜領域9aに掘り込み部9Aを設け、バッフル板20Cの外周端部27f及び27cを変更したものとなっている。以下、実施例2との相違点を中心に説明する。
図10に、本実施例におけるタンク底部2の拡大図を示す。
図10に示すように、本実施例では、タンク底部2の下側傾斜領域9aに水平な底面を持つ掘り込み部9Aが設けられている。この掘り込み部9Aを設けることで、給水口4と掘り込み部9Aの底面は、流入接続部12にて垂直に結合されることになる。しかも、掘り込み部9Aの底面直径L1は、バッフル板20Cの外周端部27fと27cの直径L2よりも小さく構成されている。
更に、バッフル板20Cについては、近接領域11における外周端部27cの鉛直方向長さが、遠隔領域10における外周端部27fの鉛直方向長さよりも長い。
また、図11に示すように、本実施例のバッフル板20Cは、支柱21及び切断部22を除いた外周端部27f及び27cの末端の全周に、波型の凹凸部23が設けられている。
【0069】
図12を用いて本実施例の構造における作用と効果について説明する。
【0070】
上述したように、本実施例では、タンク底部2の下側傾斜領域9aに水平な底面を持つ掘り込み部9Aを設けているが、この掘り込み部9Aを設けることで、給水口4を鉛直方向に接合させやすくなり、製造誤差などに起因する流入角度のばらつきを低減できるため、遠隔領域10と近接領域11の外周端部27f及び27cの隙間(外周側距離30f及び30c)から流出する流れの流量比を調整しやすくなる。
【0071】
また、掘り込み部9Aの底面直径L1を、バッフル板20Cの外周端部27fと27cの直径L2よりも小さくしているため、衝突部26を通って外周端部27fと27cに到達した流れが掘り込み部9Aに滞留しにくくなる。
更に、給水口4から流入した流れが衝突部26を通過して外周端部27f及び27cから流出する際、遠隔領域10と近接領域11とで縁(外周外周端部27f及び27c)の長さが異なっているため、縁(外周外周端部27f及び27c)の長さが同一の場合と比べて、近接領域11を通って貯湯タンク1内へ流出する流れはタンク底部2に近い領域で急激に曲がる。これにより、タンク底部2付近の静圧が高まるため、流れが通過しにくくなり、流量が低減する。
この作用を用いて、遠隔領域10と近接領域11との隙間(外周側距離30f及び30c)を通る流れの流量比を調整できる。よって、様々な角度を持つ下側傾斜領域9aに対して適する流量比に調整することが可能となる。
【0072】
また、本実施例では、外周端部27f及び27cに波型の凹凸部23の加工が施されている。この波型の凹凸部23がある端部を通過した流れは、主流が垂直方向にずれる影響で、主流に沿った剪断層が形成され、形状によっては縦渦(図12参照)が誘起される。剪断層が形成された場合、粘性によるエネルギの拡散が促進されるため、流れのエネルギを消費することができる。また、縦渦については、主流の下流側で粘性の影響で拡散し、やがて相互に干渉しあう。渦が干渉し合うことで縦渦は複雑な構造に崩壊し、一連の過程で流れのエネルギを消費する。
【0073】
このようなことから、外周端部27f及び27cの末端部に波型の凹凸部23を設けることにより、外周端部27f及び27cの隙間(外周側距離30f及び30c)を流出した下流側で流れのエネルギが消費され、貯湯タンク1内の攪拌を抑制できる。
【0074】
以上の構成により、製造ばらつきの影響を低減しつつ、遠隔領域10と近接領域11から流出させる流れの流量比の細やかな調整が可能となるため、意図した流量比に調整しやすいバッフル板20Cが提供できる。加えて、外周端部27f及び27cの末端部に波型の凹凸部23を設けることで、流れのエネルギを消費させて貯湯タンク1内の攪拌をさらに抑制することができる。
【0075】
なお、外周端部27f及び27cの末端部に形成される凹凸部23の形状については、波型でなくても外周端部27f及び27cの長さが周方向に異なる形状(例えばV字型等)であれば効果が得られる。また、外周端部27f及び27cの末端部に形成される凹凸部23の形状は、周期的或いは非周期的でも構わない。
【実施例4】
【0076】
本発明の蓄熱式給湯装置の実施例4について、図13及び図14を用いて説明する。
該図に示す本実施例は、実施例3の外周端部27f及び27cの末端部に形成される凹凸部23の代わりに、複数の表面切起こし25a及び外周切起こし25bを設けたものである。以下、実施例3との相違点を中心に説明する。
図13に、本実施例のバッフル板20Dの斜視図を示す。
該図に示すように、本実施例では、バッフル板20Dの衝突部26に、この衝突部26を貫通する複数(本実施例では2箇所)の表面連通部24aが、バッフル板20Dの外周端部27f及び27cに、この外周端部27f及び27cを貫通する複数(本実施例では6箇所)の外周連通部24bが、それぞれ設けられている。即ち、衝突部26と同一面に設けた連通部を表面連通部24a、外周端部27f及び27cと同一面に設けた連通部を外周連通部24bとする。
【0077】
また、表面連通部24aには、加工前の板状の素材に対して衝突部26側とその直行方向に切り込みを入れ、給水口4側に切起こした構造(表面切起こし25a)を設け、外周連通部24bには、板状の素材に対して衝突部26側とその直行方向に切り込みを入れ、給水口4側に切起こした構造(外周切起こし25b)を設けている。
図13及び図14を用いて本実施例の構造における作用と効果について説明する。本実施例では、外周連通部24bと表面連通部24aとで効果が異なるため、まず、表面連通部24aについて説明する。
図13及び図14に示すように、衝突部26に到達した流れは、バッフル板20Dの壁面の全周に向かって流れる。この時、表面連通部24aと繋がっている表面切起こし25aにより、バッフル板20Dの上側に向かう流れと、下側に向かう流れが生じる。この流れの一部が表面連通部24aを介してバッフル板20Dの表面から上方向に抜けることで、外周端部27f及び27cとタンク底部2の下側傾斜領域9aとの隙間(外周側距離30f及び30c)から流出する流れの流量を低減し、流速を下げることで攪拌のエネルギを抑制できる。
なお、バッフル板20Dの上側に抜ける流れによって攪拌が生じることも想定されるが、表面連通部24aの面積を小さくすることで、その影響を最小化でき、加えて、表面切起こし25aを給水口4側に向け、更に、支柱21に隣接する切断部22と衝突部26の間に設けることで、切断部22を通り抜ける流れを妨げることができる。これによって流れが切断部22を通過する際に発生する高速領域を低減できる。
次に、外周連通部24bの効果について図14に従って説明する。
図14に示すように、衝突部26に到達した流れは、バッフル板20Dの壁面に沿って流れた後、外周端部27f及び27c付近で向きを変える。この後、外周切起こし25bにより、外周端部27f及び27cを通過する流れと、タンク底部2と外周端部27f及び27cの隙間(外周側距離30f及び30c)を通る流れに分かれる。これにより、タンク底部2と外周端部27f及び27cの隙間(外周側距離30f及び30c)を通過する流れの流量を低減し、攪拌エネルギを抑制できる。
【0078】
以上のように、バッフル板20Dに衝突した流れを、外周端部27f及び27cとタンク底部2の隙間(外周側距離30f及び30c)だけでなく、バッフル板20Dの上部や外周端部27f及び27cから流出させることで、流れの通過する面積を増やし、結果として貯湯タンク1内へ流出する流速を低減できる。
【0079】
なお、表面切起こし25a及び外周切起こし25bは、下側傾斜領域9aの角度や流量条件に合わせて様々な組み合わせを選定できる。例えば、近接領域11の外周端部27cにのみ外周連通部24bを設けることなども可能である。
【実施例5】
【0080】
本発明の蓄熱式給湯装置の実施例5について、図15を用いて説明する。
【0081】
該図に示す本実施例は、タンク頂部3に実施例2で説明したバッフル板20Bを設置したものである。
図15に、本実施例におけるタンク頂部3の拡大図を示す。
該図に示すように、タンク頂部3は出湯口8と温水入口7を備えており、タンク頂部3の壁面は出湯口8を頂点とした円錐構造となっている。このため、タンク頂部3の上側傾斜領域9bの途中に温水入口7を設けている。本実施例のバッフル板20Bは、温水入口7の流入接続部12に対向して設置されている。
これにより、貯湯タンク1の出湯口8に近い隙間(外周側距離30c)と遠い隙間(外周側距離30f)が生じる。タンク底部2と同様に、出湯口8に近い側の領域が近接領域11、遠い側の領域が遠隔領域10となる。外周端部27f及び27cとタンク底部2との距離、即ち、外周側距離30fと30cは、遠隔領域10よりも近接領域11が大きい。また、外周端部27f及び27cの延長線とタンク底部2との成すバッフル板20Bの外側の角度、即ち、外周側角度29fと29cについても、遠隔領域10よりも近接領域11が大きい。
【0082】
次に、本実施例の動作について説明する。貯湯タンク1内は水の密度の違いにより、上部が温水、底部が冷水の温度分布に維持される。利用者がお湯を使用する場合には、出湯口8からお湯を取り出すため、貯湯タンク1に蓄熱した熱量を余りなく使用するためには、出湯口8が最も高い位置にある方がよい。このため、本実施例のように、タンク頂部3の頂点に出湯口8を設置することで、効率的に温水が利用できる。
【0083】
貯湯タンク1に温水を貯める際には、タンク底部2から冷水を取り出し、熱源機101で沸き上げ、温水入口7を通して貯湯タンク1に温水として戻す。この時、タンク頂部3から下向きに流れが流入することで、タンク底部2側に向かう流れが生じる。この流れをバッフル板20Bが妨げることで、温水と冷水の混合が抑制される。また、バッフル板20Bとして実施例2の構造を利用しているため、遠隔領域10よりも近接領域11へ向かう流れの流量が多くなり、遠隔領域10側において貯湯タンク1の下方へ向かう流れが抑制される。
【0084】
以上の作用により、タンク頂部3の湯温が高温に保たれ、湯はりや給湯で利用するために必要な温度を保持することができる。
【0085】
なお、実施例1-5は、相互に組み合わせて利用することが可能であり、例えば、タンク底部2とタンク頂部3に同一のバッフル板20A、20B、20C、20Dを用いたり、異なるバッフル板20A、20B、20C、20Dを組み合わせることができる。
【0086】
また、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換える事が可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加える事も可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をする事が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…貯湯タンク、2…タンク底部、3…タンク頂部、4…給水口、5…排水口、6…送水口、7…温水入口、8…出湯口、9A…掘り込み部、9a…下部傾斜領域、9b…上部傾斜領域、10…遠隔領域、11…近接領域、12…流入接続部、20、20A、20B、20C、20D…バッフル板、21…支柱、22…切断部、23…凹凸部、24…連通部、24a…表面連通部、24b…外周連通部、25a…表面切起こし、 25b…外周切起こし、26…衝突部、27f、27c…外周端部、28…外周接続部、29f、29c…外周側角度、30f、30c…外周側距離、100…ヒートポンプサイクル、101…熱源機、102…圧縮機、103…水冷媒熱交換器、104…膨張弁、105…蒸発器、106:プロペラファン、107…送水ポンプ、108…水道管、109…給湯口、110…排水弁、111…減圧弁。
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図15