IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図1
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図2
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図3
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図4
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図5
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図6
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図7
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図8
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図9
  • 特許-剥離ライナーおよび粘着シート 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-25
(45)【発行日】2025-07-03
(54)【発明の名称】剥離ライナーおよび粘着シート
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/40 20180101AFI20250626BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20250626BHJP
【FI】
C09J7/40
C09J7/38
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021553726
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2020040855
(87)【国際公開番号】W WO2021085610
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2019/042875
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大久保 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】山田 晃史
【審査官】曽川 マリー
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-083915(JP,A)
【文献】特表2007-512163(JP,A)
【文献】特表2004-506777(JP,A)
【文献】国際公開第2019/193501(WO,A1)
【文献】特開2010-104980(JP,A)
【文献】特表2009-506165(JP,A)
【文献】特開2004-075845(JP,A)
【文献】特開2005-171030(JP,A)
【文献】特表2013-514914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J7/00-7/50
B32B1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凹部が形成された面を有する剥離ライナーであって、
前記凹部は、最深部へと窄まっており、
前記凹部同士の間の箇所は、前記剥離ライナーの厚み方向において、凸状の断面形状を有し、
当該凸状の断面形状は、前記凹部の前記最深部から先端へと連続的に傾斜して窄まっており、
前記凸状の断面形状において、高さhの半分である1/2hの高さにおける幅wと、前記高さhとは、w>hであって、
複数の前記凹部は、前記面に点在して形成され、
前記凹部の前記最深部は、傾きが連続的に変化しつつ湾曲した形状を有し、
前記凸状の断面形状の前記先端は、傾きが連続的に変化しつつ湾曲した形状を有し、
前記凹部の前記最深部および前記凸状の断面形状の前記先端は、積層方向に反転した形状を備える、剥離ライナー。
【請求項2】
請求項1に記載の剥離ライナー、当該剥離ライナーの前記面に配置された粘着剤層、および基材層を、積層方向にこの順序で有する、粘着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離ライナーおよび粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着シートにふくれ防止等の機能を付与するため、粘着剤層の表面に微細なエンボスパターンを形成することが行われており、例えば、特許文献1では粘着剤層の表面に複数の微小突起を形成することが開示され、特許文献2では粘着剤層に溝状の谷部を形成することが開示されている。
【0003】
特許文献1の粘着シートにおける粘着剤層の表面に形成された複数の微小突起や、特許文献2の粘着シートにおける粘着剤層に形成された溝状の谷部は、粘着シートが被着体へ貼付された後、経時的に消失していき、粘着剤層と被着体との接触面積の増加によって、被着体への強い粘着力が発現する。特許文献1の実施例では、貼付後1日で粘着剤層の微小突起が消失したことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-83915号公報
【文献】特開2004-75845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように、強い粘着力が発現するまで1日程度の長い期間がかかってしまうと、その間に、粘着シートが位置ズレする虞がある。そのため、実際の貼付作業においては、粘着シートが所定の位置に位置合わせされた後、できるだけ早めに強い粘着力が発現することが好ましい。
【0006】
一方、上記特許文献2の粘着シートでは、粘着剤層に形成される谷部の幅が抑えられ、粘着剤層において被着体と接する凸状体が、幅広に形成されるため、被着体と速やかに接着するものの、貼り直しが難しく、位置合わせが困難である。
【0007】
そこで、本発明は、位置合わせの際には被着体に対する粘着剤層の接触面積を抑制させ、位置合わせ後においては、粘着剤層に粘着力を好適に発現させうる剥離ライナーおよび粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の剥離ライナーは、複数の凹部が形成された面を有する。前記凹部は、最深部へと窄まっており、前記凹部同士の間の箇所は、前記剥離ライナーの厚み方向において、凸状の断面形状を有する。当該凸状の断面形状は、前記凹部の前記最深部から先端へと連続的に傾斜して窄まっており、前記凸状の断面形状において、高さhの半分である1/2hの高さにおける幅wと、前記高さhとは、w>hである。複数の前記凹部は、前記面に点在して形成され、前記凹部の前記最深部は、傾きが連続的に変化しつつ湾曲した形状を有する。前記凸状の断面形状の前記先端は、傾きが連続的に変化しつつ湾曲した形状を有し、前記凹部の前記最深部および前記凸状の断面形状の前記先端は、積層方向に反転した形状を備える。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の粘着シートは、前記剥離ライナー、当該剥離ライナーの前記面に配置された粘着剤層、および基材層を、積層方向にこの順序で有する。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する発明によれば、粘着シートの粘着剤層に、剥離ライナーの形状が反転して転写される結果、被着体に接する複数の凸部が形成されるとともに、凸部同士の間に、幅の比較的広げられた隙間が形成され、それによって、被着体と接する凸部の割合が相対的に抑えられる。このため、位置合わせの際、被着体に対する粘着剤層の接触面積を抑制できる。
【0011】
また、上記構成を有する発明によれば、位置合わせ後の接着時には、粘着剤層が被着体の面と馴染んで密着し易いため、粘着剤層に粘着力を好適に発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の剥離ライナーを示す斜視図である。
図2図1の符号2から見た実施形態の剥離ライナーの側面図(厚み方向における断面図)である。
図3】実施形態の粘着シートを示す側面図である。
図4】剥離ライナーを剥がした実施形態の粘着シートを示す側面図である。
図5】剥離ライナーを剥がして粘着剤層側から実施形態の粘着シートを見た斜視図である。
図6】被着体に接する比較例1の粘着シートを示す図である。
図7】被着体に接する実施形態の粘着シートを示す図である。
図8】被着体に接する比較例2の粘着シートを示す図である。
図9】変形例の剥離ライナーを示す斜視図である。
図10】他の変形例の剥離ライナーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0014】
図1に示すように、実施形態の剥離ライナー100は、凸部110と凹部120とが交互に形成された面101を有する。複数の凸部110は、面101に島状に点在している。また、複数の凹部120も面101に点在するように形成されている。面101には、例えばシリコーン等の剥離剤が塗布されていてもよい。
【0015】
剥離ライナー100は、例えば紙や樹脂フィルムによって形成されるが、どのような材料によって形成されるか特に限定されない。また、図示した例では、剥離ライナー100は単層構造を有するが、複数の層が積層された積層構造を有してもよい。積層構造の例として、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等から形成された紙基材、またはポリエチレンテレフタレート(PET)等によって形成された樹脂層の表面に、ポリエチレン(PE)等の熱可塑性樹脂によって形成された被覆層が積層された積層構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
図2に示すように、凹部120は、最深部121へと窄まっている。最深部121は、好ましくは、傾きが連続的に変化しつつ湾曲した形状を有するが、これに限定されず、例えば平面状であってもよい。
【0017】
本実施形態では、凹部120同士の間の箇所は、厚み方向D1に突き出した凸部110となっており、凸状の断面形状を有する。同凸状の断面形状は、凹部120の最深部121から先端111へと連続的に傾斜して窄まっている。また、同凸状の断面形状において、高さh(厚み方向D1における最深部121と先端111との間の距離)と、高さhの半分である1/2hの高さにおける幅wとは、w>hである。凸部110(凸状の断面形状)の先端111は、傾きが連続的に変化しつつ湾曲した形状を有する。
【0018】
凸状の断面形状の高さhは、特に限定されないが、例えば4μm~50μm程度であり、好ましくは、5μm以上15μm以下である。また、幅wは、好ましくは、15μm以上400μm以下であるが、これに限定されない。
【0019】
また、厚み方向D1と直交する面方向における凸部110同士の間隔、および同面方向における凹部120同士の間隔は、特に限定されないが、それぞれ、例えば30μm~800μm程度であり、好ましくは、50μm以上500μm以下である。
【0020】
凸部110および凹部120は、例えばエンボス加工によって形成されるが、どのようにして形成されるかは、特に限定されない。エンボス加工では、例えば、凸部110および凹部120を反転させた形状を表面に有するローラや型が、平らな表面を有するシート状のライナー材に押し付けられることによって、凸部110および凹部120が形成される。エンボス加工に用いられるローラや型の表面の微細形状は、例えばエッチングによって形成されるが、これに限定されず、他の方法によってローラや型の表面に微細形状が形成されてもよい。
【0021】
図3に示すように、剥離ライナー100は、粘着剤層20、および基材層30とこの順序で積層され、それらとともに粘着シート10を構成する。
【0022】
粘着シート10は、例えば、自動車、二輪、電車、トラック、屋外サイン、屋外広告、ショーウィンドー、壁等の被着体に貼付される広告や装飾に用いられるが、用途は広告や装飾以外であってもよく、また、どのような被着体に貼付されるかも特に限定されない。また、粘着シート10の形状も特に限定されず、例えば、枚葉紙のような矩形形状であってもよいし、長尺な形状であってもよいし、被着体の形状に合わせて形作られた形状であってもよい。
【0023】
粘着シート10は、例えば、剥離ライナー100に粘着剤を塗布して粘着剤層20を形成し、その後、基材層30を例えばローラ等によって押圧しつつ粘着剤層20に貼り合せて形成されるが、このような作製方法に限定されない。
【0024】
粘着剤層20は、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン系ブロック共重合体粘着剤等によって形成されるが、特に限定されず、また、それらは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0025】
基材層30は、粘着シート10の用途に応じて種々設計できる。例えば、粘着シート10が、自動車等の被着体に貼り付けられる装飾シートである場合、基材層30は、例えば、樹脂からなる支持層、色や模様等の装飾を含む装飾層、および透明な保護層が、この順序で積層された積層構造を有するが、これに限定されず、例えば単一の樹脂層のみから構成される形態も本発明の範囲に含まれる。また、基材層30の構成材料が紙基材である形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0026】
図4に示すように、粘着シート10は、剥離ライナー100を剥がして使用され、粘着剤層20を介して被着体に貼付される。
【0027】
粘着剤層20は、剥離ライナー100の面101への配置によって、面101の形状が反転して転写された形状を有しており、剥離ライナー100の凹部120が反転して転写された凸部21、および、剥離ライナー100の凸部110が反転して転写された凹部22を、交互に有する。
【0028】
図5に示すように、凸部21および凹部22は、粘着剤層20の面全体に形成されている。複数の凸部21は、島状に点在している。凸部21同士の間に隙間があるため、粘着剤層20と被着体との間に空気が介在しても、凸部21同士の間の隙間を通じて空気が排出され、粘着シート10のふくれが防止される。
【0029】
また、粘着剤層20は、被着体に軽く接した状態では、凸部21の先端で被着体に接触し、凹部22では被着体との接触が抑制されるため、粘着剤層20と被着体との接触面積が小さく抑えられ、被着体に対する粘着剤層20の接着力が弱い。従って、粘着剤層20が被着体に軽く接した状態において、粘着シート10は、スライド可能な性質(スライダビリティ)を有する。
【0030】
次に本実施形態の作用効果を述べる。
【0031】
図6示すように、上で挙げた特許文献2に開示の構成と同様の構成を有する比較例1の粘着シート10Aにおいては、粘着剤層20Aに形成される谷部22Aの幅が抑えられ、それによって、粘着剤層20Aでは、被着体1と接する凸状体21Aが、幅広に形成される。このため、比較例1の粘着シート10Aは、被着体1と速やかに接着し、スライドさせて位置を変えたり貼り直したりすることが難しく、所望の位置に位置合わせし難い。
【0032】
一方、図7に示すように本実施形態によれば、粘着剤層20に、剥離ライナー100の形状が反転して転写され、それによって、被着体1に対する粘着剤層20の接触面積を抑えられる。
【0033】
具体的に、粘着剤層20では、剥離ライナー100の凹部120が反転して転写された凸部21が形成されるとともに、凸部21同士の間に隙間11が形成され、隙間11は、剥離ライナー100の凹部120同士の間の凸状の断面形状(凸部110)と対応しており、本実施形態では、その凸状の断面形状が幅を比較的広げられて形作られている(幅w>高さh)ため、それに対応して、隙間11も幅を比較的広げられて形成され、その結果、被着体1と接する凸部21の割合が相対的に抑えられる。従って、本実施形態によれば、被着体1に対する粘着剤層20の接触面積を抑制でき、粘着シート10をスライドさせて位置を変えたり貼り直したりし易く、位置合わせが容易である。
【0034】
位置合わせ後、作業者は、粘着シート10を押圧して被着体1と接着する。粘着シート10の被着体1への接着とともに、凸部21および隙間11は消失していき、粘着剤層20は平坦化して被着体1と密着する。
【0035】
図8に示すように、上で挙げた特許文献1に開示の構成と同様の構成を有する比較例2の粘着シート10Bにおいては、粘着剤層20Bに、細かい微小突起21Bが形成されるため、位置合わせの際には被着体1と粘着剤層20Bとの接触面積が抑えられるが、比較例2の粘着剤層20Bの表面形状によると、位置合わせ後に、強い粘着力が速やかに発現され難い。
【0036】
具体的に、比較例2の粘着シート10Bでは、粘着剤層20Bに、複数の凹部22B、被着体1から離隔した広範に広がる平面23B、および互いに離隔して独立した多数の微小突起21が形成され、これらによって、被着体1と粘着剤層20Bとの間には、多くの隙間が形成されるため、位置合わせ後の接着時に、粘着剤層20Bが被着体1の面に馴染んで密着するのに時間を要し、強い粘着力が発現され難い。
【0037】
一方、本実施形態では、剥離ライナー100に、複数の凹部120が形成されるとともに、凹部120同士の間の箇所(凸部110)の凸状の断面形状が、凹部120の最深部121から先端111へと連続的に傾斜して窄まっており、このような形状が粘着剤層20に反転して転写される結果、図7で示したように、粘着剤層20は、凸部21の先端から、それに続く被着体1と最も離隔した箇所23へと、連続的に傾斜して窄まる。このため、本実施形態では、比較例2の粘着シート10Bにおける、被着体1と離隔した広範に広がる平面23Bや、平面23Bにおいて各々独立して突き出す多数の微小突起21Bは形成されず、比較例2のように被着体1との間に多くの隙間が形成されるのが抑制される。
【0038】
従って、本実施形態によれば、位置合わせ後の接着時に、粘着剤層20が被着体1の面と馴染んで密着し易く、粘着力を好適に発現させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、剥離ライナー100の面101に、複数の凹部120が点在して形成され、このような形状が粘着剤層20に反転して転写される結果、図5で示したように、粘着剤層20では、複数の凸部21が、島状に点在して形成される。これによって、粘着剤層20は、被着体1に軽く接した状態において、被着体1との接触面積が効果的に抑制されるため、粘着シート10をスライドさせて位置を変えたり貼り直したりするのがより容易になり、位置合わせのし易さが増す。
【0040】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。
【0041】
例えば、図9に示すように、溝状の凹部220を複数有する剥離ライナー200も、本発明の範囲に含まれる。
【0042】
凹部220同士の間の箇所は、筋状に延びる突条部210を形成している。突条部210は、厚み方向D1に突き出しているとともに、厚み方向D1と直交する面方向D2に延びて剥離ライナー200の縁に達している。
【0043】
突条部210は、面方向D2と直交する面方向D3において、図2に示した上記実施形態の凸部110と同様の断面形状を有する。また、凹部220は、面方向D3において、図2に示した上記実施形態の凹部120と同様の断面形状を有する。
【0044】
変形例の剥離ライナー200によれば、突条部210が、粘着シートの粘着剤層に反転して転写され、その結果、粘着剤層の縁に達する筋状の溝が、粘着剤層に形成される。この溝によって、粘着シートは、被着体に貼付される際、被着体と粘着剤層との間に介在する空気を円滑に排出するため、ふくれをより効果的に防止できる。
【0045】
変形例の剥離ライナー200では、突条部210、および凹部220は、面方向D2に直線状に延びているが、このような形態に限定されず、曲がって延在していてもよい。また、面方向D2に延びる突条部210および凹部220に加えてさらに、面方向D3に延びる他の突条部および凹部が形成された剥離ライナーも、本発明の範囲に含まれる。このような形態では、突条部同士が交差して形成される。
【0046】
上記実施形態の剥離ライナー100における凸部110、および上記変形例の剥離ライナー200における突条部210は、いずれも厚み方向D1に突き出した構成を有するが、本発明は、それらのように、凹部同士の間の箇所が突き出すように形成された形態に限定されない。
【0047】
例えば、図10に示す他の変形例の剥離ライナー300では、複数の凹部320が点在して形成され、凹部320同士の間の箇所310は、図2で示した上記実施形態と同様、幅w>高さhの関係を満たす凸状の断面形状を有するが、剥離ライナー300の面301から突き出してはいない。この形態において、同凸状の断面形状における先端311は、例えば、凹部320の開口部の縁を形成している。
【0048】
本出願は、2019年10月31日に出願された国際出願番号PCT/JP2019/042875号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
【符号の説明】
【0049】
1 被着体、
10 粘着シート、
20 粘着剤層、
21 凸部、
22 凹部、
30 基材層、
10A、10B 比較例の粘着シート、
20A、20B 粘着剤層、
30A、30B 基材層、
100 剥離ライナー、
101 剥離ライナーの面、
110 凸部(凹部同士の間の箇所)、
111 凸部の先端(凸状の断面形状の先端)、
120 凹部、
121 最深部、
200 剥離ライナー、
210 突条部(凹部同士の間の箇所)、
220 凹部、
300 剥離ライナー、
301 剥離ライナーの面、
310 凹部同士の間の箇所、
320 凹部、
D1 厚み方向、
D2、D3 面方向、
h 高さ、
w 幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10