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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-26
(45)【発行日】2025-07-04
(54)【発明の名称】通知装置および通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20250627BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20250627BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250627BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20250627BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20250627BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N5/74 Z
G06T7/00 510F
G06T7/00 660A
G06T7/60 110
G06T7/60 180
G07C9/37
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021114133
(22)【出願日】2021-07-09
(65)【公開番号】P2023010180
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2024-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加賀屋 智之
(72)【発明者】
【氏名】小倉 康伸
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/105142(WO,A1)
【文献】特開2020-080127(JP,A)
【文献】国際公開第2022/003852(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/199234(WO,A1)
【文献】特開2011-248548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G06T 7/00
G07C 9/37
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過管理エリアを撮影するカメラの画像データに基づいて得られる前記通過管理エリアを通過する人の顔認証結果を表し、前記通過管理エリアを通過する人の足元に投影される顔認証結果画像の画像データを生成する生成部と、
前記画像データをプロジェクターに送信する送信部と、
を有し、
前記生成部は、前記通過管理エリアを通過する人の数に基づいて、顔認証処理において正当と判定された人の前記画像データを生成するか否かを判定する、
通知装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記通過管理エリアを通過する人の数が閾値を超える場合、顔認証処理において正当と判定された人の前記画像データを生成しないと判定する、
請求項に記載の通知装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記顔認証結果画像に、前記通過管理エリアを通過した後の進路を示す画像を含めた前記画像データを生成する、
請求項1又は2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記顔認証結果画像に、顔認証が不当と判定された人の不当理由を示す画像を含めた前記画像データを生成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記通過管理エリアを通過する人の位置関係に基づいて、前記顔認証結果画像の大きさまたは表示位置を変更する、
請求項1からのいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記顔認証結果が同じ集団に対しては、1つの前記顔認証結果画像が前記集団の足元に投影される前記画像データを生成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記通過管理エリアを通過する人の視線に基づいて、前記顔認証結果画像の投影位置を調整した前記画像データを生成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の通知装置。
【請求項8】
通過管理エリアを撮影するカメラの画像データに基づいて得られる前記通過管理エリアを通過する人の顔認証結果を表し、前記通過管理エリアを通過する人の足元に投影される顔認証結果画像の画像データを生成し、
前記画像データをプロジェクターに送信
前記通過管理エリアを通過する人の数に基づいて、顔認証処理において正当と判定された人の前記画像データを生成するか否かを判定する、
通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通知装置および通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顔認証装置は、例えば、オフィス等の入退管理に用いられる。例えば、顔認証装置は、オフィス等の出入り口に設けられたゲートの周辺を撮影するカメラから、画像データを受信する。顔認証装置は、受信した画像データに含まれる人の顔画像と、登録された顔画像とを比較し、ゲートの開閉を制御する。
【0003】
このような顔認証装置を、オフィス等の出入り口よりも、多くの人が同時に通過するコンサート会場等の出入り口(通過管理エリア)に用いることが考えらえる。
【0004】
なお、特許文献1には、生体認証処理の結果を効率的に監視でき、各装置への人手による制御指示を行うことができる生体照合装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-93371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多くの人が同時に通過する通過管理エリアにゲートを設け、顔認証装置による顔認証処理を実施した場合、通過管理エリアが混雑する可能性がある。そのため、通過管理エリアにゲートを設けなくても、通過管理エリアを通過する人に、顔認証結果を適切に通知する通知装置が求められる。
【0007】
本開示の非限定的な実施例は、多くの人が同時に通過する通過管理エリアにゲートを設けなくても、通過管理エリアを通過する人に、適切に顔認証結果を通知する通知装置および通知方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例に係る通知装置は、通過管理エリアを撮影するカメラの画像データに基づいて得られる前記通過管理エリアを通過する人の顔認証結果を表し、前記通過管理エリアを通過する人の足元に投影される顔認証結果画像の画像データを生成する生成部と、前記画像データをプロジェクターに送信する送信部と、を有する。
【0009】
本開示の一実施例に係る通知方法は、通過管理エリアを撮影するカメラの画像データに基づいて得られる前記通過管理エリアを通過する人の顔認証結果を表し、前記通過管理エリアを通過する人の足元に投影される顔認証結果画像の画像データを生成し、前記画像データをプロジェクターに送信する。
【0010】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施例によれば、多くの人が同時に通過する通過管理エリアにゲートを設けなくても、通過管理エリアを通過する人に、適切に顔認証結果を通知できる。
【0012】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態に係る顔認証システムの構成例を示した図
図2】他の顔認証システムの構成例を示した図
図3】顔認証装置のブロック構成例を示した図
図4】顔認証装置の動作例を示したフローチャート
図5】変形例1に係る顔認証結果画像の投影例を示した図
図6】変形例1に係る顔認証装置の動作例を示したフローチャート
図7】変形例6に係る顔認証結果画像の投影例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0015】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0016】
図1は、本開示の実施の形態に係る顔認証システムの構成例を示した図である。図1に示すように、顔認証システムは、顔認証装置1と、カメラ2と、プロジェクター3と、を有する。
【0017】
図1には、顔認証システムの他にネットワーク4が示してある。ネットワーク4は、例えば、LAN(Local Area Network)またはインターネットといったネットワークである。
【0018】
また、図1には、通過管理エリアA1を通過する人5a~5eが示してある。通過管理エリアA1は、例えば、コンサート会場といった施設の入り口であって、顔認証システムにより、人の通過が管理(制限)されるエリアである。以下では、人5a~5eを区別しない場合、単に人5と記載することがある。
【0019】
顔認証装置1は、ネットワーク4を介して、カメラ2から画像データを受信する。顔認証装置1は、受信した画像データに含まれる人5の顔画像に基づいて、人5の顔認証処理を行う。顔認証装置1は、人5の顔認証結果を示す画像データを生成し、生成した画像データを、ネットワーク4を介して、プロジェクター3に送信する。なお、顔認証装置1は、例えば、パーソナル・コンピューターまたはサーバーといった情報処理装置であってもよい。
【0020】
カメラ2は、通過管理エリアA1を撮影する。カメラ2は、撮影した画像の画像データを、ネットワーク4を介して、顔認証装置1に送信する。カメラ2には、例えば、顔認証装置1が人5の距離(位置)を測定できる複眼カメラが用いられてもよい。
【0021】
プロジェクター3は、ネットワーク4を介して、顔認証装置1から、人5の顔認証結果を示す画像データを受信する。プロジェクター3は、顔認証装置1から受信した画像データに基づいて、人5の足元(通過管理エリアA1の床)に、顔認証結果を示す顔認証結果画像6a~6eを投影する。
【0022】
図1に示す人5aの足元に投影された「OK」の顔認証結果画像6aは、顔認証装置1によって、人5aが正当であると判定されたこと示す。人5bの足元に投影された「OK」の顔認証結果画像6bは、顔認証装置1によって、人5bが正当であると判定されたこと示す。人5cの足元に投影された「OK」の顔認証結果画像6cは、顔認証装置1によって、人5cが正当であると判定されたこと示す。人5eの足元に投影された「OK」の顔認証結果画像6eは、顔認証装置1によって、人5eが正当であると判定されたこと示す。
【0023】
一方、図1の人5dの足元に投影された「NG」の顔認証結果画像6dは、顔認証装置1によって、人5dが不当であると判定されたこと示す。
【0024】
なお、正当とは、例えば、通過管理エリアA1を通過することが許可されることを意味してもよい。また、正当とは、例えば、通過管理エリアA1を通過する人5の顔画像が、顔認証装置1に登録された顔画像と一致することを意味してもよい。
【0025】
不当とは、例えば、通過管理エリアA1を通過することが許可されないことを意味してもよい。また、不当とは、例えば、通過管理エリアA1を通過する人5の顔画像が、顔認証装置1に登録された顔画像と一致しないことを意味してもよい。
【0026】
なお、通過管理エリアA1の通過の可否と、人5の顔画像が登録された顔画像と一致するか否かの判断とは、必ずしも一致しない。例えば、要注意の人物を警戒している場合など、通過する人5の顔画像と登録された顔画像とが一致するが通過を許可しない場合などがあり得る。そのため、どのような判定結果をもって正当/不当と判断するかは、顔認証システムの運営者が任意に設定可能であってもよい。
【0027】
以下では、顔認証結果画像6a~6eを区別しない場合、単に顔認証結果画像6と記載することがある。
【0028】
顔認証結果画像6は、図1の例に限られない。正当および不当は、OKやNG以外の文字で表されてもよい。また、正当および不当は、色によって表されてもよい(区別されてもよい)。例えば、正当は、緑色の顔認証結果画像6で表され、不当は、赤色の顔認証結果画像6で表されてもよい。また、正当および不当は、「○」「×」などの画像の形状の違いによって表されてもよいし、動画像としてあらわされてもよい。また、正当および不当は、文字、色、形、および動画像の任意の組み合わせによって、表されてもよい。
【0029】
図2は、他の顔認証システムの構成例を示した図である。図2において、図1と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図2に示す顔認証システムは、図1の説明したプロジェクター3の代わりに、ディスプレイ7を有する。
【0030】
図2の顔認証装置1は、個々の人5に対する顔認証結果をディスプレイ7に表示する。例えば、顔認証装置1は、人5に対する顔認証結果を、通過管理エリアA1を上方から見た場合の人5の位置関係に対応させ、ディスプレイ7に表示する。
【0031】
例えば、図2のディスプレイ7に表示された「NG」の顔認証結果画像8aは、人5aの顔認証結果を示す。ディスプレイ7に表示された「OK」の顔認証結果画像8bは、人5bの顔認証結果を示す。ディスプレイ7に表示された「OK」の顔認証結果画像8cは、人5cの顔認証結果を示す。ディスプレイ7に表示された「OK」の顔認証結果画像8dは、人5dの顔認証結果を示す。ディスプレイ7に表示された「OK」の顔認証結果画像8eは、人5eの顔認証結果を示す。
【0032】
以下では、顔認証結果画像8a~8eを区別しない場合、単に顔認証結果画像8と記載することがある。
【0033】
図2に示す顔認証システムでは、顔認証結果が通過管理エリアA1における人5の位置関係に対応してディスプレイ7に表示されるため、顔認証結果がどの人5の顔認証結果であるのか、直感的でない。そのため、人5は、ディスプレイ7に表示される顔認証結果を見ても、どれが自分の顔認証結果であるか把握することが困難である。また、警備員といった、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者も、人5の顔認証結果を把握することが困難である。
【0034】
これに対し、図1に示した顔認証システムでは、人5の個々の顔認証結果が、人5のそれぞれの足元に投影される。このため、人5は、容易に顔認証結果を把握できる。
【0035】
また、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者も、容易に人5の顔認証結果を把握できる。例えば、管理者は、不当と判定された人5dを容易に認識でき、人5dの通過管理エリアA1の通過を防止できる。
【0036】
図3は、顔認証装置1のブロック構成例を示した図である。図3に示すように、顔認証装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、出力部15と、を有する。
【0037】
制御部11は、顔認証装置1全体を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)といったプロセッサーによって構成されてもよい。
【0038】
制御部11は、位置算出部11aと、顔認証部11bと、画像データ生成部11cと、を有する。制御部11は、例えば、記憶部12に記憶されたプログラムを実行し、位置算出部11a、顔認証部11b、および画像データ生成部11cの機能を実現してもよい。
【0039】
位置算出部11aは、カメラ2の画像データに基づいて、画像データに含まれる人5の通過管理エリアA1における位置を算出する。
【0040】
顔認証部11bは、カメラ2の画像データに基づいて、人5の顔認証を行う。例えば、顔認証装置1は、カメラ2の画像データに含まれる人5の顔画像データと、記憶部12に予め記憶された顔画像データとを比較し、人5が正当な人であるか否かを判定する。
【0041】
具体的には、顔認証部11bは、カメラ2の画像データに含まれる人5の顔画像データと、記憶部12に予め記憶された顔画像データとの一致度を算出する。顔認証部11bは、算出した一致度が閾値以上の場合、人5は正当であると判定する。顔認証部11bは、算出した一致度が閾値より小さい場合、人5は不当であると判定する。
【0042】
画像データ生成部11cは、位置算出部11aが算出した人5の位置と、顔認証部11bの顔認証結果とに基づいて、人5の足元(通過管理エリアA1の床)に顔認証結果を投影するための画像データを生成する。
【0043】
例えば、画像データ生成部11cは、位置算出部11aが算出した通過管理エリアA1における人5の位置に基づいて、プロジェクター3における、人5の足元に投影する顔認証結果の投影位置を算出する。また、画像データ生成部11cは、顔認証部11bの顔認証結果に基づいて、人5の足元に投影する顔認証結果画像6を決定する。例えば、顔認証装置1は、顔認証部11bの顔認証結果に基づいて、図1に示したOKの文字を含む顔認証結果画像6またはNGの文字を含む顔認証結果画像6を決定する。そして、画像データ生成部11cは、決定した顔認証結果画像6を、算出した投影位置に投影するための画像データを生成する。
【0044】
なお、プロジェクター3が、1台で通過管理エリアA1全体を担当する場合は、画像データは、人5の足元に対応する座標にのみ顔認証結果画像6が配置され、他の部分が黒い画像として表現される。また、プロジェクター3が、複数台協働して通過管理エリアA1を担当する場合は、それぞれのプロジェクター3の担当範囲に相当する画像が生成される。
【0045】
記憶部12には、制御部11が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部12には、制御部11が計算処理を行うためのデータや各部を制御するためのデータが記憶される。例えば、記憶部12には、コンサート会場といった施設への入退が許可された人5の顔画像データが記憶される。
【0046】
通信部13は、ネットワーク4に接続される。通信部13は、ネットワーク4を介して、カメラ2と通信を行う。通信部13は、ネットワーク4を介して、プロジェクター3と通信を行う。
【0047】
通信部13は、画像データ受信部13aと、画像データ送信部13bと、を有する。画像データ受信部13aは、カメラ2から画像データを受信する。画像データ送信部13bは、画像データ生成部11cが生成した画像データをプロジェクター3に送信する。
【0048】
入力部14は、例えば、キーボードやタッチパネルといった入力装置に接続される。入力部14は、入力装置から受信した信号を制御部11に出力する。
【0049】
出力部15は、例えば、ディスプレイやタッチパネルといった表示装置に接続される。出力部15は、制御部11から受信した信号を表示装置に出力する。
【0050】
図4は、顔認証装置1の動作例を示したフローチャートである。顔認証装置1は、図4に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0051】
顔認証装置1は、カメラ2から画像データを受信する(S1)。受信した画像データには、通過管理エリアA1の画像が含まれる。
【0052】
顔認証装置1は、受信した画像データから、顔画像データを検出する(S2)。すなわち、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の顔画像を検出する。
【0053】
顔認証装置1は、検出した顔画像の数nにおいて、S4~S7の処理を繰り返す(S3a,S3b)。
【0054】
顔認証装置1は、検出したn個の顔画像から1つの顔画像を抽出し、抽出した顔画像の顔の、通過管理エリアA1における3次元位置を算出する(S4)。
【0055】
顔認証装置1は、S4にて抽出した顔画像の顔認証処理を行う(S5)。
【0056】
顔認証装置1は、S4にて算出した3次元位置に基づいて、S4にて抽出した顔画像の人5の足元に投影する顔認証結果画像6の投影位置を算出する。また、顔認証装置1は、S5の顔認証結果に基づいて、人5の足元に投影する顔認証結果画像6を決定する。そして、顔認証装置1は、決定した顔認証結果画像6を、算出した投影位置に投影するための画像データを生成する(S6)。
【0057】
顔認証装置1は、S6にて生成した画像データをプロジェクター3に送信する(S7)。
【0058】
なお、プロジェクター3は、S7にて送信された画像データに基づく画像を投影する。これにより、人5の足元には、図1に示すように、人5の顔認証結果を示す顔認証結果画像6が投影される。
【0059】
以上説明したように、顔認証装置1の画像データ受信部13aは、通過管理エリアA1を撮影するカメラ2から画像データを受信する。顔認証部11bは、画像データ受信部13aが受信した画像データに基づいて、通過管理エリアA1を通過する人5の顔認証処理を行う。画像データ生成部11cは、通過管理エリアA1を通過する人の足元に投影され、顔認証処理の顔認証結果を表す顔認証結果画像6の画像データを生成する。画像データ送信部13bは、画像データ生成部11cが生成した記画像データを、プロジェクター3に送信する。すなわち、顔認証装置1は、プロジェクター3を用いて、通過管理エリアA1を通過する人の足元に、顔認証処理の顔認証結果を表す顔認証結果画像6を投影する。
【0060】
これにより、顔認証装置1は、多くの人が同時に通過する通過管理エリアA1にゲートを設けなくても、通過管理エリアA1を通過する人5に、適切に顔認証結果を通知できる。また、顔認証装置1は、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者に、適切に顔認証結果を通知できる。
【0061】
(変形例1)
通過管理エリアA1を通過する人5の密度が高くなるにつれ(通過管理エリアA1が混雑するにつれ)、通過管理エリアA1を通過する人5、または、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者は、顔認証結果画像6の認識が困難になる。そこで、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の数が閾値を超えた場合、顔認証結果が正当であることを示す顔認証結果画像6の投影を止め、不当を示す顔認証結果画像6のみを投影する。
【0062】
図5は、変形例1に係る顔認証結果画像6の投影例を示した図である。図5において、図1と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0063】
図5には、通過管理エリアA1を通過する人5の数が閾値を超えた場合の例が示してある。閾値は、例えば、8であってもよい。図5に示す人5a,5bは、顔認証装置1によって、不当と判定された人である。人5a,5b以外の人は、顔認証装置1によって正当と判定された人である。
【0064】
上記した通り、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の数が閾値を超えた場合、顔認証結果が不当であることを示す顔認証結果画像6のみを投影する。従って、顔認証装置1は、顔認証処理において不当と判定した人5a,5bの足元にのみ、顔認証結果が不当であることを示す顔認証結果画像6a,6bを投影し、顔認証処理において正当と判定した人の足元には、顔認証結果画像を投影しない。
【0065】
なお、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の数が閾値以下となった場合、顔認証結果が正当であることを示す顔認証結果画像6も投影する。従って、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の数が閾値以下となった場合、図1に示すように、通過管理エリアA1を通過する全ての人5の足元に、顔認識結果画像を投影する。
【0066】
図6は、変形例1に係る顔認証装置1の動作例を示したフローチャートである。図6において、図4と同じ処理ステップには、同じ符号が付してある。以下では、図4の処理と異なる処理について説明する。
【0067】
顔認証装置1は、S2にて顔画像検出処理を行った後、S2にて検出した顔画像の数が閾値を超えたか否かを判定する(S11)。すなわち、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の数が閾値を超えたか否かを判定する。
【0068】
顔認証装置1は、S11にて、S2にて検出した顔画像の数が閾値を超えていないと判定した場合(S11の「No」)、処理をS3aに移行する。図6に示すS3a,S3b,S4~S7の処理は、図4で説明したS3a,S3b,S4~S7と同様であり、その説明を省略する。
【0069】
顔認証装置1は、S11にて、S2にて検出した顔画像の数が閾値を超えたと判定した場合(S11の「Yes」)、S2にて検出した顔画像の数mにおいて、S13~S16の処理を繰り返す(S12a,S12b)。
【0070】
顔認証装置1は、検出したm個の顔画像から1つの顔画像を抽出し、抽出した顔画像の顔の、通過管理エリアA1における3次元位置を算出する(S13)。
【0071】
顔認証装置1は、S13にて抽出した顔画像の顔認証処理を行う(S14)。
【0072】
顔認証装置1は、S14の顔認証処理において、S13にて抽出した顔画像の人5が不当であると判定した場合、S13にて算出した3次元位置に基づいて、不当であると判定した人5の足元に投影する顔認証結果画像6の投影位置を算出する。そして、顔認証装置1は、顔認証結果が不当であることを示す顔認証結果画像6を、算出した投影位置に投影するための画像データを生成する(S15)。
【0073】
顔認証装置1は、S15にて生成された画像データをプロジェクター3に送信する(S16)。
【0074】
なお、プロジェクター3は、S16にて送信された画像データに基づく画像を、通過管理エリアA1の床に投影する。これにより、顔認証結果が不当であると判定された人5の足元には、図5に示したように、顔認証結果が不当であることを示す顔認証結果画像6が投影され、顔認証結果が正当であると判定された人5の足元には、顔認証結果画像6が投影されない。これにより、投影すべき画像の数を抑制できるため、通過管理エリアA1の密度が高まっても画像を投影する場所を確保することができる可能性が高まる。
【0075】
また、本変形例では、顔認証結果が正当であると判定された人5の足元に顔認証結果画像6が投影しないものとしたが、逆に不当であると判定された人5の足元に顔認証結果画像6を投影しないようにしてもよい。正当と不当のどちらの画像を投影しないように制御するかは、判定結果の偏りや、重要度に応じて任意に設定してよい。例えば、オフィスの入り口など、人5のほとんどが通過を許可される環境や、不当と判定された人5を特に警戒すべき環境では、正当を示す顔認証結果画像6を投影しないように制御する方が有益である。また、貴重品が保管されている部屋やVIPルームへの道など、ほとんどの人が通過を拒否される環境では、不当を示す顔認証結果画像6を投影しないように制御する方が、有益である。
【0076】
なお、本変形例では、通過管理エリアA1の密度が高まることを条件に、正当であると判定された人5の足元に顔認証結果画像6を投影しないように制御しているが、通過管理エリアA1の密度にかかわらず、正当または不当のどちらか一方の顔認証結果画像6の投影を省略してもよい。これにより、画像が投影される人の数を減らすことができるので、人5に対して過剰な通知を行ってしまうことを防ぐことができる。
【0077】
以上説明したように、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の混雑度に基づいて、顔認証処理において正当と判定した人5の顔認証結果画像6の画像データを生成するか否かを判定する。顔認証装置1は、通過管理エリアA1が混雑している場合、正当と判定した人5の顔認証結果画像の画像データを生成せず、不当と判定した人5の顔認証結果画像の画像データを生成し、顔認証結果が不当であることを示す顔認証結果画像6のみを足元に投影する。
【0078】
これにより、通過管理エリアA1を通過する人5は、通過管理エリアA1が混雑した場合でも、容易に顔認証結果を認識できる。また、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者は、通過管理エリアA1が混雑した場合でも、容易に顔認証結果を認識できる。
【0079】
また、顔認証装置1は、通過管理エリアA1が混雑した場合、正当を示す顔認証結果画像でなく、不当を示す顔認証結果画像を投影する。これにより、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者は、不当な人の通過を容易に防止できる。
【0080】
(変形例2)
顔認証装置1は、正当と判定した人5の顔認証結果画像6に、通過管理エリアA1を通過した後の進路(行先)を示す画像を含めてもよい。
【0081】
例えば、顔認証装置1は、正当と判定した人5の顔認証結果画像6に、「この先右折」、または、「この先左折」といった文字画像を含めてもよい。また、顔認証装置1は、正当と判定した人5の顔認証結果画像6に、右折矢印の画像、または、左折矢印の画像を含めてもよい。また、顔認証装置1は、正当と判定した人5の顔認証結果画像6に、「2階会議室へ行ってください」といった文字画像を含めてもよい。
【0082】
上記のように、正当と判定した人5の顔認証結果画像6に、通過管理エリアA1を通過した後の進路を示す画像を含める場合、記憶部12には、予め記憶(登録)される顔画像データに対応付けて、通過管理エリアA1を通過した後の進路を示す画像データが記憶される。顔認証装置1は、顔認証処理において、人5を正当と判定した場合、その人5の顔画像データに対応して記憶された通過管理エリアA1の通過後の進路を示す画像データを取得する。そして、顔認証装置1は、取得した画像データの画像を含む顔認証結果画像6の画像データを生成し、プロジェクター3に送信する。
【0083】
これにより、正当と判定された人5は、通過管理エリアA1を通過した後、適切な場所に容易に移動できる。例えば、コンサート会場であれば、人5は、予約した席に容易に移動できる。
【0084】
また、顔認証装置1は、不当と判定した人5の顔認証結果画像6に、不当となった理由を示す画像を含めてもよい。
【0085】
また、顔認証装置1は、不当と判定した人5の顔認証結果が画像6に対して、通過管理エリアA1の通過後の進路を示す画像を含めてもよい。この場合、正当と判定した人5と不当と判定した人5とで異なる進路を示す画像を含めてもよい。例えば、コンサート会場の例では、正当と判定した人5を予約した席へ、不当と判定した人5を係員のいる窓口や警備室へ誘導すること等が考えられる。
【0086】
例えば、顔認証装置1は、人5の顔が前の人によって隠れ、顔画像を取得できず、顔認証処理を実行できなかった場合、「前の人で顔が隠れているため離れてください」といった文字画像を、顔認証結果画像6に含めてもよい。
【0087】
また、顔認証装置1は、人5がサングラスをかけていたため、顔認証処理を実行できなかった場合、「サングラスを外してください」といった文字画像を、顔認証結果画像6に含めてもよい。
【0088】
これにより、本来正当であるにも関わらず、不当と判定された人5は、正当と判定されるための適切な対処を行うことができ、通過管理エリアA1を通過することができる。
【0089】
(変形例3)
顔認証装置1は、プロジェクター3の他に、例えば、警備室といった、通過管理エリアA1とは別の場所に設置されたディスプレイに顔認証結果を表示してもよい。例えば、顔認証装置1は、カメラ2が撮影する画像とともに、顔認証結果をディスプレイに表示してもよい。例えば、カメラ2が撮影する画像に映る人5の足元に、顔認証結果画像を表示してもよい。
【0090】
上記のように、ディスプレイに顔認証結果画像を表示する場合、プロジェクター3によって投影する顔認証結果画像6と、ディスプレイに表示する顔認証結果画像とは、異なっていてもよい。つまり、人5に通知する顔認証結果画像6と、警備員に通知する顔認証結果画像とは、異なっていてもよい。
【0091】
例えば、顔認証装置1は、人5に通知する顔認証結果画像6には、OKの文字画像を含めてもよく、警備員に通知する(ディスプレイに表示する)顔認証結果画像には、人5の名前や行先といった情報の画像を含めてもよい。
【0092】
また、警備員に通知する顔認証結果画像には正しい顔認証結果を反映し、人5に通知する顔認証結果画像6には異なる顔認証結果画像を投影してもよい。例えば、テーマパークなど、OK/NGの文字画像が周囲の雰囲気を壊す恐れがある場合には、顔認証を行った旨を通知するが結果は通知しないキャラクターの画像などを人5の足元に投影し、警備員にのみ顔認証結果を通知してもよい。
【0093】
また、警備員に通知する顔認証結果画像には正しい顔認証結果を反映し、人5に通知する顔認証結果画像6には誤った顔認証結を反映してもよい。例えば、プロジェクター3によって投影される画像は、本人および周囲の人物からも確認できるため、人5が要注意人物等の場合、逃走や混乱を招くおそれがある。そのため、実際は不当だと判定されていたとしても、正当である旨を示す画像を投影することで、逃走や混乱を抑えつつ、要注意人物を監視することができる。
【0094】
また、顔認証装置1は、不当と判定した人5に通知する顔認証結果画像6には、例えば、NGの文字画像を含めてもよく、警備員に通知する(ディスプレイに表示する)顔画像認証結果画像には、人5が要注意人物であることを示す情報等の画像を含めてもよい。
【0095】
また、警備員への通知を行う装置は、通過管理エリアA1とは別の場所に設置されたディスプレイには限定されない。警備員の所有しているスマートフォン等の端末や、警備員の装着しているヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。すなわち、通過管理エリアA1を通過する人物から覗き見することが難しい装置であれば、どのような装置であっても構わない。
【0096】
(変形例4)
顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人の位置関係に基づいて、プロジェクター3で投影する顔認証結果画像6の表示形態を変更してもよい。例えば、顔認証装置1は、或る人5の顔認証結果画像6が、隣の人5の顔認証結果画像6と重ならないように、顔認証結果画像6の大きさや位置を変更してもよい。
【0097】
また、顔認証装置1は、密度が高い(密集している)人5と、密度が低い(散在している)人5とにおいて、顔認証結果画像6の大きさや位置を変更してもよい。例えば、顔認証装置1は、密度が高い人5の顔認証結果画像6の大きさを、密度が低い人5の顔認証結果画像6の大きさより小さくしてもよい。
【0098】
このように、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を通過する人5の位置関係や人5の密度によって、顔認証結果画像6の表示形態を変更する。これにより、通過管理エリアA1を通過する人5および通過管理エリアA1の通過を管理する管理者は、人5の顔認証結果を容易に認識できる。
【0099】
(変形例5)
カメラ2とプロジェクター3とは、キャリブレーションが行われてもよい。例えば、カメラ2の画像内の座標(通過管理エリアA1における座標)とプロジェクターの投影座標との間において、キャリブレーションが行われてもよい。
【0100】
(変形例6)
顔認証装置1は、顔認証結果が同じ集団においては、集団の個々人に対して顔認証結果画像6を通知するのではなく、1つの顔認証結果画像6で、集団に対し顔認証結果を通知してもよい。
【0101】
図7は、変形例6に係る顔認証結果画像6の投影例を示した図である。図7において、図1と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0102】
顔認証装置1は、所定の大きさの領域内に位置する複数の人5(集団)の顔認証結果が同じである場合、集団に対し、一括で顔認証結果画像6を通知してもよい。すなわち、顔認証装置1は、通過管理エリアA1を集団で(かたまって)通過する人5においては、顔認証結果が同じである場合、一括で顔認証結果画像6を通知してもよい。
【0103】
例えば、図7において、人5a~5cは、所定の大きさの領域内に位置しているとする。すなわち、人5a~5cは、集団であるとする。顔認証装置1は、人5a~5cの集団に対し、顔認証結果が正当であると判定したとする。この場合、顔認証装置1は、人5a~5cの集団に対し、一括で、顔認証結果が正当であることを通知する顔認証結果画像6aの画像データを生成する。これにより、人5a~5cの足元には、共通の1つの顔認証結果画像6aが投影される。
【0104】
同様に顔認証結果が不当であると判定された集団に対し、一括で顔認証結果が不当であることを通知する顔認証結果画像6aを生成してもよい。
【0105】
以上説明したように、顔認証装置1は、顔認証結果が同じ人5a~5cの集団に対しては、1つの顔認証結果画像6aが集団の足元に投影されるよう画像データを生成する。
【0106】
これにより、通過管理エリアA1を移動する団体等は、容易に顔認証結果を認識できる。また、通過管理エリアA1の通過を管理する管理者は、通過管理エリアA1を移動する団体等の顔認証結果を容易に認識できる。
【0107】
なお、集団であるかどうかの判定は、上述したもの以外にも様々な既知の手法を適用してよい。例えば、人5a~5cの移動の軌跡がほぼ同じである場合には集団である等と判定してもよい。
【0108】
また、人5の集団の中に、(例えば、移動方向が明らかに異なる等)その集団に属していないと考えられる少数(例えば、集団の構成人数の半分未満の人数)の人5が存在する場合、その少数の人5に対する顔認証結果を無視して、一括で顔認証結果を通知する顔認証結果画像6aを生成してもよい。これにより、少数の人5のために顔認証結果画像6aを分離する必要がなくなるため、効率的な通知を行うことができる。なお、この構成を採用する場合であっても、正当/不当のどちらかが重要な意味を持つ場合は、少数の人5の足元のみ集団と異なる結果を示す顔認証結果画像6aを投影してもよい。
【0109】
(変形例7)
顔認証装置1は、背景差分法を用いて、顔認証結果画像6の投影位置を決定してもよい。
【0110】
例えば、顔認証装置1は、通過管理エリアA1に人5が居ないときの画像データ(以下、背景画像データと称する)を記憶部12に記憶する。顔認証装置1は、カメラ2が撮影した人5が含まれる画像データと、記憶部12に記憶された背景画像データとを比較し、カメラ2が撮影した人5が含まれる画像データにおいて、人5が存在しない床領域を特定する。顔認証装置1は、特定した人5が存在しない床領域において、顔認証結果画像6を投影する投影位置を算出する。
【0111】
これにより、顔認証装置1は、顔認証結果画像6が、人5によって隠れたりするのを抑制できる。
【0112】
(変形例8)
顔認証装置1は、顔画像検出処理によって検出した顔画像から、人5の視線情報を取得してもよい。顔認証装置1は、取得した視線情報に基づいて、顔認証結果画像6の投影位置を算出(調整)してもよい。例えば、人5の視線が、人5の足元よりも少し先の方を向いている場合、顔認証装置1は、顔認証結果画像6の投影位置を、人5の足元より少し先の方に変更してもよい。
【0113】
このように、顔認証装置1は、人5の視線に基づいて、顔認証結果画像6の投影位置を調整した画像データを生成する。これにより、人5は、顔認証結果画像6を容易に視認できる。
【0114】
なお、顔認証装置1は、人5の視線が、前の人5の身体などで遮られる場合、前の人5の身体を顔認証結果画像6の投影位置として調整してもよい。
【0115】
(変形例9)
プロジェクター3は、同一または重複する投影範囲を持つよう、異なる場所において複数設置されてもよい。例えば、2台のプロジェクター3が、通過管理エリアA1を挟んで設置されてもよい。顔認証装置1は、複数のプロジェクター3を用いて、人5の足元に顔認証結果画像6を投影してもよい。
【0116】
例えば、顔認証装置1は、各々別の場所に設置された第1のプロジェクター3と、第2のプロジェクター3とを用いて、人5の足元に顔認証結果画像6を投影する。第1のプロジェクター3が投影する或る人5の顔認証結果画像6が、別の人5によって遮られても、別方向から顔認証結果画像6を投影する第2のプロジェクター3によって、或る人5の足元に顔認証結果画像6を投影できる。
【0117】
このように、プロジェクター3を複数設置した場合、顔認証結果画像6を投影できなくなる領域を低減できる。
【0118】
(その他変形例)
上記の実施の形態では、顔認証処理は顔認証装置1の内部で実施していた。しかし、顔認証処理を外部のサーバー等で行ってもよい。この場合、顔認証装置1は、カメラ2から受信した画像データ、または、その画像データから人5の顔部分を切り出す等の加工を行ったデータを、顔認証処理を行うサーバーに送り、サーバーから顔認証の結果を取得する。顔認証結果を取得した後の処理は、上記の実施の形態と同様である。
【0119】
上記の実施の形態では、顔認証装置1は、通過管理エリアA1における人5の位置を、カメラ2の画像データに基づいて算出していたが、他の手法を用いて人5の位置を特定してもよい。例えば、天井等に設置した他のカメラやセンサによって検知した人5の頭の位置とカメラ2の画像データに含まれている顔の位置とを対応付けることで、人5の位置を推定してもよい。また、人5に測位機能を持つ端末等を持たせ、その端末からの信号に基づいて各人5の位置を特定してもよい。すなわち、上記の実施の形態において人5の位置を特定する手法には、人の位置を推定する技術として知られている多様な技術を適用することができる。
【0120】
上記の実施の形態では、顔認証部11bが顔認証処理を実行したが、顔認証処理を、例えば、外部のサーバーが実行してもよい。顔認証装置1は、外部のサーバーから、顔認証処理の顔認証結果を取得してもよい。顔認証装置1は、通知装置と称されてもよい。
【0121】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0122】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例または修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。また、実施の形態における変形例は任意に組み合わされてよい。
【0123】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0124】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサー又は専用プロセッサーで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0125】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本開示は、多くの人が同時に通過する場所において顔認証を行う顔認証システムに有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 顔認証装置
2 カメラ
3 プロジェクター
5 人
6 顔認証結果画像
11 制御部
11a 位置算出部
11b 顔認証部
11c 画像データ生成部
12 記憶部
13 通信部
13a 画像データ受信部
13b 画像データ送信部
14 入力部
15 出力部
A1 通過管理エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7